説明

無線タグ情報読み取りシステム、無線タグ情報管理サーバ、無線タグ情報読み取り装置

【課題】操作者の操作負担を低減し、利便性を向上することができる無線タグ情報読み取りシステム、無線タグ情報管理サーバ、及び無線タグ情報読み取り装置を提供する。
【解決手段】リーダ200は、情報を記憶するIC回路部150と情報の送受信を行うアンテナ151とを備えた無線タグ回路素子Toに対し無線通信を行うためのアンテナ210を備え、タグラベル作成装置300は、集線装置30により接続されたリーダ200を介し、情報読み取り用の無線タグ回路素子Toから取得した情報を記憶するための記憶部310と、送信先情報に基づき、記憶部310に記憶した情報を、集線装置30により接続された複数のPC端末100のうち対応するPC端末100へ振り分けて出力するように制御する制御回路311とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触で情報の読み取り/書き込みを行える無線タグ回路素子の無線タグ情報を読み取るための無線タグ情報読み取り装置、この無線タグ情報読み取り装置と接続された無線タグ情報管理サーバ、及びこれらを有する無線タグ情報読み取りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えている。リーダのアンテナより無線タグ回路素子に対し送信波の送信を行うと、無線タグ回路素子はその送信波の電波のもつエネルギを利用して返答の送信を行う。このようなリーダを用いて無線タグ回路素子から情報読み取りを行う従来技術として、例えば特許文献1記載のものがある。
【0003】
この従来技術は、操作端末(PC)とリーダとを接続し、操作端末で所定の操作を行うことにより、リーダよりファイルや人間に所持された無線タグ回路素子の記憶情報を読み取って取得するものである。
【0004】
一方、例えば、このような無線タグ回路素子に無線タグ情報を書き込んで無線タグラベルを作成する無線タグラベル作成装置が既に提唱されている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術では、所定間隔で無線タグ回路素子が設けられた帯状のタグテープ(基材テープ)がタグテープロール(第1ロール)から繰り出されるとともに、別のロール(第2ロール)から繰り出された被印字テープが上記タグテープに貼り合わされる。このとき、上記タグテープの無線タグ回路素子には装置側で生成した所定の無線タグ情報が送信されてIC回路部に書き込まれ、被印字テープにはその書き込まれる無線タグ情報に対応した印字が印字手段によって行われ、これによって印字つきの無線タグラベルが作成されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−298100号公報
【特許文献2】特開2005−186567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、上記特許文献2に記載のようなタグラベル作成装置で作成された無線タグラベルは、管理対象(物品等)に貼り付けられる等、関連付けられて設けられる。そして、上記特許文献1記載のようなリーダにより、上記商品等に設けられた無線タグラベルから無線タグ情報が読み取られて、商品に関する情報を入手して当該商品の管理等が行われる。
【0007】
ここで、一般にリーダにより無線タグラベルから読み取られた無線タグ情報は、リーダからLAN等のネットワークを介してPC端末や情報サーバ等に送信される。このとき、ネットワークに複数のPC端末やサーバ等が接続されている場合、リーダからの情報の送信先が複数箇所存在することになる。このような場合、リーダに対し操作者が無線タグ情報の送信先を手動設定する必要があり、手間を要していた。
【0008】
本発明の目的は、操作者の操作負担を低減し、利便性を向上することができる無線タグ情報読み取りシステム、無線タグ情報管理サーバ、及び無線タグ情報読み取り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明は、無線タグ情報管理サーバと、複数の無線タグ情報読み取り装置と、これら複数の無線タグ情報読み取り装置に対応して設けられた複数の操作端末と、前記無線タグ情報管理サーバと前記複数の無線タグ情報読み取り装置及び前記複数の操作端末とを、ネットワークを介して信号出力先へ配信可能に接続する配信接続手段とを有する無線タグ情報読み取りシステムであって、前記無線タグ情報読み取り装置は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し無線通信を行うための読み取り用アンテナを備え、前記無線タグ情報管理サーバは、前記配信接続手段により接続された前記無線タグ情報読み取り装置を介し、情報読み取り用の前記無線タグ回路素子から取得した情報を記憶するための読み取り情報記憶手段と、振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記配信接続手段により接続された前記複数の操作端末のうち対応する操作端末へ振り分けて出力する情報振り分け手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本願第1発明の無線タグ情報読み取りシステムにおいては、操作端末に対応して配置された無線タグ情報読み取り装置の読み取り用アンテナを介して情報読み取り用の無線タグ回路素子から無線タグ情報管理サーバで情報が取得され、その取得された情報を読み取り情報記憶手段が記憶する。そして、振り分け先情報に基づき、情報振り分け手段が、出力先を複数の上記操作端末のうち対応するものへと設定することにより、上記読み取り情報記憶手段に記憶された情報(又はこれに対応する情報)はその設定された操作端末へと出力される。
【0011】
このようにして、複数の操作端末及び複数の無線タグ情報読み取り装置が配信接続手段を介し無線タグ情報管理サーバに接続され、情報読み取り用の無線タグ回路素子から無線タグ情報管理サーバにおいて取得された情報の出力先が複数の操作端末のうちどれであるかが不定の場合であっても、操作者がいちいち煩雑な手動設定を行わなくても自動的に対応する操作端末を出力先として設定することができる。この結果、操作者の操作負担を低減し、利便性を向上することができる。
【0012】
第2の発明は、上記第1発明において、前記無線タグ情報管理サーバは、前記無線タグ情報読み取り装置を介し、情報振り分け先設定用の前記無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得するための振り分け先情報取得手段を有し、前記情報振り分け手段は、前記振り分け先情報手段で取得した振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記対応する操作端末へ振り分けて出力することを特徴とする。
【0013】
本願第2発明の無線タグ情報読み取りシステムにおいては、操作端末に対応して配置された無線タグ情報読み取り装置の読み取り用アンテナを介して情報読み取り用の無線タグ回路素子から無線タグ情報管理サーバで情報が取得され、その取得された情報を読み取り情報記憶手段が記憶する。一方、振り分け先情報取得手段が無線タグ情報読み取り装置の読み取り用アンテナを介し情報振り分け設定用の無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得する。そして、この取得された振り分け先情報に基づき、情報振り分け手段が出力先を複数の上記操作端末のうち対応するものへと設定することにより、上記読み取り情報記憶手段に記憶された情報(又はこれに対応する情報)はその設定された操作端末へと出力される。
【0014】
このようにして、複数の操作端末及び複数の無線タグ情報読み取り装置が配信接続手段を介し無線タグ情報管理サーバに接続され、情報読み取り用の無線タグ回路素子から無線タグ情報管理サーバにおいて取得された情報の出力先が複数の操作端末のうちどれであるかが不定の場合であっても、情報振り分け設定用の無線タグ回路素子に対し情報読み取りを行い振り分け先情報を取得することで、操作者がいちいち煩雑な手動設定を行わなくても自動的に該当する操作端末を出力先として設定することができる。この結果、操作者の操作負担を低減し、利便性を向上することができる。
【0015】
第3の発明は、上記第2発明において、前記無線タグ情報管理サーバの前記振り分け先情報取得手段は、前記情報振り分け先設定用の無線タグ回路素子から、1つの前記無線タグ情報読み取り装置を介し取得された情報を、当該1つの無線タグ情報読み取り装置に対応する1つの前記操作端末に対応づける前記振り分け先情報を取得し、前記情報振り分け手段は、その取得した振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記1つの無線タグ情報読み取り装置に対応した前記1つの操作端末へ出力するように、前記出力先を設定することを特徴とする。
【0016】
これにより、1つの無線タグ情報読み取り装置と1つの操作端末とを対応付け、ある無線タグ情報読み取り装置を介し読み取り用無線タグ回路素子から取得された情報を、当該無線タグ情報読み取り装置に対応した操作端末へと出力することができる。
【0017】
第4の発明は、上記第3発明において、前記無線タグ情報管理サーバの前記情報振り分け手段は、前記1つの無線タグ情報読み取り装置と前記1つの操作端末とを対応づける前記振り分け先情報に基づいて前記出力先を設定する際、当該出力しようとする情報が、複数の前記無線タグ情報読み取り装置を介し前記情報読み取り用の無線タグ回路素子より取得されていた場合、その取得時における受信信号強度に応じて出力先を設定することを特徴とする。
【0018】
これにより、同一の読み取り用無線タグ回路素子からの情報が複数の無線タグ情報読み取り装置を介し取得された場合であっても、受信信号強度の大小に応じて、いずれの無線タグ情報読み取り装置が当該読み取り用無線タグ回路素子に対応したものである(例えば最も距離が近い、通信に適した箇所にある等)かを特定し、その特定した無線タグ情報読み取り装置に対応した操作端末を出力されるべき端末であるとみなし、出力先として設定することができる。したがって、情報の誤配信を防止できる。
【0019】
第5の発明は、上記第3発明において、前記複数の無線タグ情報読み取り装置は、前記情報読み取り用の無線タグ回路素子に対し複数種類の送信出力により情報の送受信を行い、各出力ごとの送受信結果を前記無線タグ情報管理サーバへ出力し、前記無線タグ情報管理サーバの前記情報振り分け手段は、前記1つの無線タグ情報読み取り装置と前記1つの操作端末とを対応づける前記振り分け先情報に基づいて前記出力先を設定する際、当該出力しようとする情報が、複数の前記無線タグ情報読み取り装置を介し前記情報読み取り用の無線タグ回路素子より取得されていた場合、前記無線タグ情報読み取り装置より入力された前記各出力ごとの送受信結果に応じて出力先を設定することを特徴とする。
【0020】
これにより、同一の読み取り用無線タグ回路素子からの情報が複数の無線タグ情報読み取り装置を介し取得された場合であっても、各無線タグ情報読み取り装置における各出力大きさごとの送受信結果に応じて、いずれの無線タグ情報読み取り装置が当該読み取り用無線タグ回路素子に対応したものである(例えば最も距離が近い、通信に適した箇所にある等)かを特定し、その特定した無線タグ情報読み取り装置に対応した操作端末を出力されるべき端末であるとみなし、出力先として設定することができる。
【0021】
第6の発明は、複数の無線タグ情報読み取り装置と、これら複数の無線タグ情報読み取り装置に対応して設けられた複数の操作端末とに接続された無線タグ情報管理サーバであって、前記無線タグ情報読み取り装置を介し、情報読み取り用の前記無線タグ回路素子から取得した情報を記憶するための読み取り情報記憶手段と、振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記複数の操作端末のうち対応する操作端末へ振り分けて出力する情報振り分け手段とを有することを特徴とする。
【0022】
本願第6発明の無線タグ情報管理サーバにおいては、操作端末に対応して配置された無線タグ情報読み取り装置の読み取り用アンテナを介して情報読み取り用の無線タグ回路素子から情報が取得され、その取得された情報を読み取り情報記憶手段で記憶する。そして、振り分け先情報に基づき、情報振り分け手段で、出力先を複数の上記操作端末のうち対応するものへと設定することにより、上記読み取り情報記憶手段に記憶された情報(又はこれに対応する情報)をその設定された操作端末へと出力する。
【0023】
このようにして、複数の操作端末及び複数の無線タグ情報読み取り装置が配信接続手段を介して接続されており、情報読み取り用の無線タグ回路素子から取得された情報の出力先が複数の操作端末のうちどれであるかが不定の場合であっても、操作者がいちいち煩雑な手動設定を行わなくても自動的に対応する操作端末を出力先として設定することができる。この結果、操作者の操作負担を低減し、利便性を向上することができる。
【0024】
第7の発明は、上記第6発明において、前記無線タグ情報読み取り装置を介し、情報振り分け先設定用の前記無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得するための振り分け先情報取得手段を有し、前記情報振り分け手段は、前記振り分け先情報手段で取得した振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記対応する操作端末へ振り分けて出力することを特徴とする。
【0025】
本願第7発明の無線タグ情報管理サーバにおいては、操作端末に対応して配置された無線タグ情報読み取り装置の読み取り用アンテナを介して情報読み取り用の無線タグ回路素子から情報が取得され、その取得された情報を読み取り情報記憶手段で記憶する。一方、振り分け先情報取得手段で無線タグ情報読み取り装置の読み取り用アンテナを介し情報振り分け設定用の無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得する。そして、この取得された振り分け先情報に基づき、情報振り分け手段で出力先を複数の上記操作端末のうち対応するものへと設定することにより、上記読み取り情報記憶手段に記憶された情報(又はこれに対応する情報)をその設定された操作端末へと出力する。
【0026】
このようにして、複数の操作端末及び複数の無線タグ情報読み取り装置が配信接続手段を介し接続され、情報読み取り用の無線タグ回路素子から取得された情報の出力先が複数の操作端末のうちどれであるかが不定の場合であっても、情報振り分け設定用の無線タグ回路素子に対し情報読み取りを行い振り分け先情報を取得することで、操作者がいちいち煩雑な手動設定を行わなくても自動的に該当する操作端末を出力先として設定することができる。この結果、操作者の操作負担を低減し、利便性を向上することができる。
【0027】
第8の発明は、上記第7発明において、前記振り分け先情報取得手段は、前記情報振り分け先設定用の無線タグ回路素子から、1つの前記無線タグ情報読み取り装置を介し取得された情報を、当該1つの無線タグ情報読み取り装置に対応する1つの前記操作端末に対応づける前記振り分け先情報を取得し、前記情報振り分け手段は、その取得した振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記1つの無線タグ情報読み取り装置に対応した前記1つの操作端末へ出力するように、前記出力先を設定することを特徴とする。
【0028】
これにより、1つの無線タグ情報読み取り装置と1つの操作端末とを対応付け、ある無線タグ情報読み取り装置を介し読み取り用無線タグ回路素子から取得された情報を、当該無線タグ情報読み取り装置に対応した操作端末へと出力することができる。
【0029】
第9の発明は、上記第8発明において、前記情報振り分け手段は、前記1つの無線タグ情報読み取り装置と前記1つの操作端末とを対応づける前記振り分け先情報に基づいて前記出力先を設定する際、当該出力しようとする情報が、複数の前記無線タグ情報読み取り装置を介し前記情報読み取り用の無線タグ回路素子より取得されていた場合、その取得時における受信強度に応じて出力先を設定する
ことを特徴とする。
【0030】
これにより、同一の読み取り用無線タグ回路素子からの情報が複数の無線タグ情報読み取り装置を介し取得された場合であっても、受信信号強度の大小に応じて、いずれの無線タグ情報読み取り装置が当該読み取り用無線タグ回路素子に対応したものである(例えば最も距離が近い、通信に適した箇所にある等)かを特定し、その特定した無線タグ情報読み取り装置に対応した操作端末を出力されるべき端末であるとみなし、出力先として設定することができる。
【0031】
第10の発明は、上記第8発明において、前記複数の無線タグ情報読み取り装置からの、前記情報読み取り用の無線タグ回路素子に対し複数種類の送信出力により情報の送受信を行ったときの各出力ごとの送受信結果を入力する送受信結果入力手段を有し、前記情報振り分け手段は、前記1つの無線タグ情報読み取り装置と前記1つの操作端末とを対応づける前記振り分け先情報に基づいて前記出力先を設定する際、当該出力しようとする情報が、複数の前記無線タグ情報読み取り装置を介し前記情報読み取り用の無線タグ回路素子より取得されていた場合、前記送受信結果入力手段で入力した前記各出力ごとの送受信結果に応じて出力先を設定することを特徴とする。
【0032】
これにより、同一の読み取り用無線タグ回路素子からの情報が複数の無線タグ情報読み取り装置を介し取得された場合であっても、送受信結果入力手段で入力した各無線タグ情報読み取り装置における各出力大きさごとの送受信結果に応じて、いずれの無線タグ情報読み取り装置が当該読み取り用無線タグ回路素子に対応したものである(例えば最も距離が近い、通信に適した箇所にある等)かを特定し、その特定した無線タグ情報読み取り装置に対応した操作端末を出力されるべき端末であるとみなし、出力先として設定することができる。
【0033】
第11の発明は、上記第6乃至第10発明のいずれかにおいて、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えたラベル用の無線タグ回路素子を配置したタグ媒体を搬送する搬送手段と、前記ラベル用無線タグ回路素子に対し、無線通信を介し情報の送受信を行うためのラベル作成用アンテナとを有することを特徴とする。
【0034】
搬送手段でタグ媒体を搬送し、このタグ媒体に備えられたラベル用無線タグ回路素子に対しラベル作成用アンテナにより情報送受信を行って、無線タグラベルを作成することができる。
【0035】
上記目的を達成するために、第12の発明は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し無線通信を行うための読み取り用アンテナを備え、無線タグ情報管理サーバに接続された無線タグ情報読み取り装置であって、前記読み取り用アンテナを介し、情報読み取り用の前記無線タグ回路素子から情報を取得し、前記無線タグ情報管理サーバへ出力する一般情報出力モードと、前記読み取り用アンテナを介し、前記一般情報出力モードで前記無線タグ情報管理サーバへ出力した情報の当該無線タグ情報管理サーバからの情報振り分け先設定用の前記無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得し、前記無線タグ情報管理サーバへ出力する振り分け先情報出力モードとを切り替えるモード切替手段を有することを特徴とする。
【0036】
本願第12発明の無線タグ情報読み取り装置においては、モード切替手段により一般情報出力モードと、振り分け先情報出力モードとを切り替えることができる。一般情報出力モードでは、読み取り用アンテナを介して情報読み取り用の無線タグ回路素子から情報を取得し、その取得した情報を無線タグ情報管理サーバへ出力する。一方、振り分け先情報出力モードでは、読み取り用アンテナを介し情報振り分け設定用の無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得し、その取得した振り分け先情報を無線タグ情報管理サーバへ出力する。これにより、無線タグ情報管理サーバでは、一般情報出力先モードにおいて無線タグ情報読み取り装置より入力された情報の出力先を、振り分け先情報出力モードにおいて無線タグ情報読み取り装置より入力された振り分け先情報に基づき設定することが可能となる。
【0037】
このようにして、情報読み取り用の無線タグ回路素子から無線タグ情報読み取り装置を介し無線タグ情報管理サーバで取得された情報の出力先が不定の場合であっても、無線タグ情報読み取り装置が振り分け先情報出力モードで情報振り分け設定用の無線タグ回路素子に対し情報読み取りを行い、振り分け先情報を無線タグ情報管理サーバで取得することで、自動的に出力先を設定することができる。この結果、操作者の操作負担を低減し、利便性を向上することができる。
【0038】
第13の発明は、上記第12発明において、前記モード切替手段は、装置電源投入直後は前記振り分け先情報出力モードに切り替え、この振り分け先情報出力モードにおいて、1つの前記情報振り分け先設定用無線タグ回路素子からの振り分け先情報の取得及び前記無線タグ情報管理サーバへの出力が終了したら、前記一般情報出力モードに切り替えることを特徴とする。
【0039】
これにより、電源投入直後において自動的に振り分け先情報出力モードとして情報振り分け設定用の無線タグ回路素子に対し情報読み取りを行い、振り分け先情報に基づき無線タグ情報管理サーバで自動的に出力先を設定することができる。そしてその設定が終わったら自動的に一般情報出力モードにおいて通常の読み取り用無線タグ回路素子からの情報読み取りを行うことができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、操作者の操作負担を低減し、利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0042】
図1は、本発明の無線タグ情報読み取りシステムの一実施形態の全体構成を表すシステム構成図である。
【0043】
図1において、無線タグ情報読み取りシステム1は、情報を記憶するIC回路部150とこのIC回路部150に接続されるアンテナ151(タグ側アンテナ)とを備えた無線タグ回路素子To(後述の図5参照)を有する無線タグラベルTを作成すると共に、無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toから読み出した無線タグ情報を記憶し所定の送信先に配信するRIS(Registration Information Server)としての機能を有するタグラベル作成装置300(無線タグ情報管理サーバ)と、パッチアンテナであるアンテナ210を有し、上記無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取るための複数(本例では2台)のリーダ200(無線タグ情報読み取り装置)と、これら複数のリーダ200のうち対応するリーダ200で読み取った無線タグ情報が送信され、表示部101及び操作部102を有する複数(本例では2台)のPC端末100(操作端末)と、上記タグラベル作成装置300、複数のリーダ200、及び複数のPC端末100を情報の送受信が可能となるように接続することでネットワークを構成する集線装置30(配信接続手段)とを有している。
【0044】
本実施形態では、上記無線タグ情報読み取りシステム1は社員の勤怠管理に用いられる。すなわち、上記各リーダ200は各社員(本例では部下a,b)のPC110等が設けられた机Dにそれぞれ配置されており、各社員が有する社員証に設けられた無線タグ回路素子Toと通信することにより各社員の出退勤情報(出勤時間、退勤時間等)を取得する。さらに、社員が使用する業務ファイルや各種資料等には当該ファイルや資料の内容(ファイル名、資料名等)が記憶された無線タグラベルが設けられており、各社員が机Dで使用する業務ファイルや資料の上記無線タグラベルと通信することにより、各社員の作業情報を取得する。このようにして読み取られた勤怠管理情報(上記出退勤情報や作業情報を含む)は、各社員の上司(本例では部下aの上司A、及び部下bの上司B)の上記PC端末100に上記集線装置30を介してそれぞれ送信されるようになっている。
【0045】
なおこのとき、各リーダ200のアンテナ210を介して行われる通信可能領域(図中領域X,Yで示す)は、読み取り漏れのないように各社員の机上を十分にカバーできるように設定されており、そのため複数のリーダ200(本例で部下aのリーダ200と部下bのリーダ200)が通信可能な重複領域Zが生じている。
【0046】
上記集線装置30としては、データが有するアドレス情報を解釈し適切なあて先のみにデータを送信することが可能なスイッチングハブ(switching hub)が用いられる。なお、これに限らずスイッチング機能を有しない通常のハブや、ネットワークから他のネットワークにデータを中継するルータ、又はサーバ等を用いてもよい。
【0047】
上記リーダ200のアンテナ210を介して読み取った無線タグ情報の送信先は、例えばリーダ200を集線装置30に接続した際に、送信先の設定用の無線タグラベルTを当該リーダ200に読み取らせることによって行われる(詳細は後述)。
【0048】
上記PC端末100は、上述したように表示部101及び操作部102を有しており、ユーザ(上司A,B等)は表示部101に表示された表示画面を参照しつつ、操作部102を用いてタグラベル作成装置300に対する種々の指令入力や各種情報の入力を行うことが可能となっている。
【0049】
図2は、上記リーダ200及びタグラベル作成装置300の全体構成を概念的に表す全体構成図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0050】
図2において、上記タグラベル作成装置300は、上述したようにRISとしての機能及び無線タグラベル作成機能を備えている。すなわち、タグラベル作成装置300は、所定間隔で無線タグ回路素子Toが備えられたタグテープ303(タグ媒体)を巻回したタグテープロール304と、このタグテープロール304から繰り出されたタグテープ303のうち各無線タグ回路素子Toに対応した領域に所定の印字を行う印字ヘッド305と、タグテープ303を搬送する搬送ローラ308(搬送手段)と、無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い無線タグ情報の書き込みを行うアンテナ306(ラベル作成用アンテナ)及び高周波回路301と、タグテープ303への印字及び無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが終了したタグテープ303を所定の長さに切断して前述の無線タグラベルTとするカッタ307と、上記複数のPC端末100と集線装置30を介して行われる通信の制御を行うインターフェース制御部309と、リーダ200を介して読み取られた無線タグ情報の送信先情報等を記憶するための不揮発性の記憶部310(読み取り情報記憶手段)と、以上の高周波回路301、印字ヘッド305、カッタ307、搬送ローラ308、インターフェース制御部309、及び記憶部310等の制御を行う制御回路311とを有する。
【0051】
一方、上記リーダ200は、上記ファイルや資料等に設けられた無線タグラベルTにそれぞれ備えられる無線タグ回路素子Toのアンテナ151との間で無線通信により信号の授受を行う上記アンテナ210(読み取り用アンテナ)と、このアンテナ210を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスする(この例では読み取りを行う)とともに、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する高周波回路201と、高周波回路201を介し無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするためのアクセス情報を生成する機能を含み、リーダ200全体の動作を制御する制御回路202と、無線タグ回路素子Toから読み出した無線タグ情報等を記憶可能な記憶部203と、上記タグラベル作成装置300やPC100との間で集線装置30を介して行われる通信の制御を行うインターフェース制御部204とを有する。
【0052】
図3は、上記リーダ200の制御系の構成を表す機能ブロック図である。なお、ここでは図示していないが、タグラベル作成装置300の高周波回路301も以下説明する高周波回路201と同等の構成である。また、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0053】
図3において、高周波回路201は、アンテナ210を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、アンテナ210により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
【0054】
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報を読み取るための搬送波を発生させる水晶振動子230、制御回路202の制御により所定の周波数の信号を発生させるPLL(Phase Locked Loop)231、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)232と、上記制御回路202から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では制御回路202からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し「TX_ASK信号」の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例では制御回路202からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する送信アンプ217とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯、マイクロ波帯、あるいは短波帯の周波数を用いており、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介しアンテナ210に伝達されて、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0055】
受信部213は、アンテナ210で受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調する受信第1乗算回路218と、その受信第1乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ219と、この第1バンドパスフィルタ219の出力を増幅する受信第1アンプ221と、この受信第1アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ220と、上記アンテナ210で受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移相器227により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算する受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ223と、この第2バンドパスフィルタ223の出力を増幅する受信第2アンプ225と、この受信第2アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ224とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記制御回路202に入力されて処理される。
【0056】
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が制御回路202に入力される。これにより、リーダ200では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号強度を検出することが可能となっている。
【0057】
また、制御回路202は、上記インターフェース制御部204の通信制御によりタグラベル作成装置300及び複数のPC端末100と情報の送受信を行うと共に、上記記憶部203に対する各種情報の書き込み、読み出しを行う。
【0058】
図4は、上記タグラベル作成装置300の制御回路311の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【0059】
図4において、制御回路311は、いわゆるマイクロコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU311A、ROM311B、RAM311C、高周波回路301との信号送受を行う回路制御部311D等から構成され、RAM311Cの一時記憶機能を利用しつつROM311Bに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。
【0060】
図5は、タグテープ303及び無線タグラベルTに備えられた上記無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。
【0061】
図5において、無線タグ回路素子Toは、リーダ200のアンテナ210(またはタグラベル作成装置300のアンテナ306)と非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ151と、このアンテナ151に接続された上記IC回路部150とをそれぞれ有している。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0062】
IC回路部150は、アンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部150の駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して後述する制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
【0063】
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記リーダ200のアンテナ210(またはタグラベル作成装置300のアンテナ306)からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの返信信号に基づき、アンテナ151が受信した搬送波を変調し、アンテナ151より反射波として再送信する。制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0064】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0065】
上記構成の無線タグ情報読み取りシステム1においては、各社員の勤怠管理情報が各社員の机上に設けられたリーダ200により読み取られ、各社員の上司のPC端末100に集線装置30を介してそれぞれ送信される。このとき、前述したように各リーダ200のアンテナ210を介して行われる通信可能領域には重複領域Zが存在することから、社員やファイル、資料の位置によってはそれらの無線タグ情報が複数のリーダ200により読み取られる場合がある。この場合、各リーダ200での受信信号強度を比較して信号強度が大きい方を適当なリーダであると見なし、当該リーダに対応する送信先に無線タグ情報が送信される。
【0066】
なお、各リーダ200に対し読み取った無線タグ情報の送信先の設定を行う際には、当該設定を行うリーダ200を集線装置30に接続した上で、ユーザ(例えば上司A,B等)はまずPC端末100の操作部102を用いて必要な情報を入力し、タグラベル作成装置300で送信先情報が書き込まれた設定用の無線タグラベルT(以下、適宜「設定タグT」と記載)を作成する。次に、その作成した無線タグラベルTを情報送信先の設定対象であるリーダ200(この例では部下a,bのリーダ200)に近づけて無線タグ情報を読み取らせることにより、タグラベル作成装置300においてそのリーダ200の情報送信先が設定され、リーダ200と送信先情報とが対応づけられて記憶される。これにより、その後情報の送信先が設定されたリーダ200で上記社員証やファイル、資料等に添付された情報読み取り用の無線タグラベルT(以下、適宜「一般タグT」と記載)から読み取られた無線タグ情報は、設定された送信先に送信される。
【0067】
図6は、上記設定用の無線タグラベルTを作成する際にタグラベル作成装置300の制御回路311によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0068】
図6において、まずステップS105において、設定タグTの作成指示の入力があったか否かを判定する。この判定は、ユーザ(例えば上司A,B等)がPC端末100の操作部102を用いて設定タグの作成指示入力を行うことにより、その指令信号が入力されたか否かを判定することにより行う。作成開始指示入力があるまで本ステップを繰り返し、入力があると判定が満たされ次のステップS110に移る。
【0069】
ステップS107では、リーダ200により読み取られた無線タグ情報の送信先を表す送信先情報の入力を行う。この入力は、例えばPC端末100の表示部101に送信先情報(例えばネットワークアドレス)の入力画面を表示させ、この表示に従いユーザが操作部102を用いて入力した送信先情報を集線装置30を介して受信することにより行う。本実施形態では、情報送信先として、設定を行うリーダ200と対応して配置されたPC端末100(すなわち部下aのリーダ200の送信先は上司AのPC端末100、部下bのリーダ200の送信先は上司BのPC端末100)が設定されるようになっている。
【0070】
なお、ここではユーザが送信先情報を入力するようにしたが、これに限られない。例えば、PC端末100が集線装置30を介して接続されることにより、タグラベル作成装置300ではPC端末100のIPアドレス(Internet Protocol Address)を取得可能であるため、当該取得したIPアドレスを用いて自動的に情報送信先を設定するようにしてもよい。この場合、ユーザがPC端末100を介して送信先情報を入力する手間が省けるので、ユーザの操作負担をさらに低減し、利便性をさらに向上することができる。
【0071】
次のステップS110では、書き込み対象となる無線タグ回路素子Toを有するタグラベルTがリーダ200の情報送信先設定用であることを表す設定タグフラグを作成し、これと上記入力した送信先情報とを合わせて無線タグ回路素子Toに書き込むためのタグ書き込み情報を作成する。
【0072】
次のステップS113では、設定タグTのラベル表面に印字する印字情報の入力を行う。この印字情報は、情報送信先の設定対象であるリーダを識別可能な識別情報であり、例えばリーダの識別番号やそのリーダに対応する社員の名前等で構成されている。なお、この印字情報の入力は、PC端末100の表示部101に印字情報の入力画面を表示させ、この表示に従いユーザが操作部102を用いて入力した印字情報を通信回線NWを介して受信することにより行う。
【0073】
なお、上記ではユーザが印字情報を入力するようにしたが、これに限られず、上記ステップS110で設定したタグ書き込み情報の内容に基づいて印字情報を自動的に設定するようにしてもよい。
【0074】
次のステップS115において、例えば搬送ローラ308に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ(図示せず)の駆動力によってタグテープロール304からタグテープ303を繰り出させる。
【0075】
その後、ステップS120に移り、タグテープ303が所定値C(例えば、先行する無線タグ回路素子Toに対する無線タグ情報書き込みが終了し、次の無線タグ回路素子Toがアンテナ306にほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判定する。この搬送距離判定は、例えばタグテープ303に設けたマーキングを公知のテープセンサ(不図示)で検出することにより行えば足りる。判定が満たされたら、ステップS200に移る。
【0076】
ステップS200ではタグ情報書き込み・印字処理を行い、無線タグ情報を含む送信信号をタグテープ303上の無線タグ回路素子Toに送信して書き込みを行うとともに、印字ヘッド305によりタグテープ303の対応する印字領域(図示せず)に印字を行う(詳細手順は後述の図7参照)。このステップS200が終了したらステップS135に移る。
【0077】
ステップS135では、タグテープ303のうちこの時点で処理対象としている無線タグ回路素子Toに対応する印字領域への印字がすべて完了しているかどうかを確認した後、ステップS140へ移る。
【0078】
ステップS140では、タグテープ303がさらに所定量(例えば、対象とする無線タグ回路素子To及び印字領域のすべてがカッタ307を所定の長さ(余白量)分越えるだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定も例えば前述のステップS120と同様にすれば足りる。判定が満たされたら、ステップS145に移る。
【0079】
ステップS145では、上記搬送ローラ308に制御信号を出力して上記カートリッジ用モータの駆動を停止して、タグテープロール304からのタグテープ303の繰り出し及び搬送を停止させる。
【0080】
その後、ステップS150で、例えば図示しないソレノイド駆動回路に制御信号を出力してカッター用ソレノイド(図示せず)を駆動し、カッタ307によってタグテープ303の切断を行う。前述したように、この時点で、例えば処理対象の無線タグ回路素子To及び領域Sを含むタグテープ303のすべてがカッタ307を十分に越えており、このカッタ307の切断によって、無線タグ回路素子Toに無線タグ情報が書き込まれかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
【0081】
その後、ステップS155に移り、上記ステップS150でラベル状に生成された無線タグラベルTがタグラベル作成装置300の装置外へと排出される(なお、別途設けた排出用ローラを駆動制御してもよいし、操作者が手で抜き取るようにしてもよい)。以上により、本フローを終了する。
【0082】
以上の制御により、送信先設定対象であるリーダ200に対応する送信先情報が書き込まれた設定用の無線タグラベルTがタグラベル作成装置300で作成される。
【0083】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、例えば上記ステップS107及びステップS110とステップS113とを入れ替える等、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0084】
図7は、上述のステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【0085】
この図7において、まず、ステップS235において、例えば図示しない印刷駆動回路に制御信号を出力し、上記印字ヘッド305を通電して、タグテープ303のうち処理対象となる無線タグ回路素子Toに対応する上記印字領域に、前述のステップS113で入力した印字情報の印刷を開始させる。
【0086】
そして、ステップS240に移り、所望のデータ(ここでは上記ステップS110で作成したタグ書き込み情報)を無線タグ回路素子Toのメモリ部155に書き込む「Program」信号を生成して高周波回路301を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、そのメモリ部155に情報が書き込まれる。なおこのとき、上記「Program」信号には、リーダ200を介して読み取られた無線タグ情報の送信先を表す送信先情報が含まれ、さらに上述したように当該タグラベルTがリーダ200の情報送信先設定用であることを表す設定タグフラグも含まれている。
【0087】
その後、ステップS245において、通信結果の可否確認のための「Verify」信号を生成して高周波回路301を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
【0088】
その後ステップS250において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ306を介して受信し、高周波回路301を介し取り込む。
【0089】
次に、ステップS255において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部155内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部155に正常に記憶されたか否かを判定する。判定が満たされた場合にはこのルーチンを終了する。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが完了する。判定が満たされない場合はステップS240に戻って同様の手順を繰り返す。
【0090】
以上のルーチンにより、タグテープ303上の書き込み対象の無線タグ回路素子Toに対して対応する情報を書き込むとともに、タグテープ303上の対応する印字領域に対し上記所定の印字を印刷することができる。
【0091】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、例えば上記ステップS235をステップS255の後の手順にする等、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0092】
図8は、上記のようにして作成された無線タグラベルTに備えられた上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の上記メモリ部155に記憶されたデータ内容を概念的に表す図である。
【0093】
この図8において、無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toは、タグ識別情報としてのタグIDと、リーダ200の情報送信先設定用のタグであることを表す設定タグフラグと、リーダ200を介して読み取られた無線タグ情報の送信先を表す送信先情報(例えばネットワークアドレス)とを、メモリ部155に記憶保持している。
【0094】
図9は、上記リーダ200による無線タグ情報の読み取りの際に、リーダ200の制御回路202によって実行される制御手順を表すフローチャートである。なお、以下のフローは、それぞれのリーダ200において独立して実行されるようになっているが、例えば複数のリーダ200においてタイミングを合わせて一定周期ごとに行うようにしてもよい。
【0095】
この図9において、まずステップS510では、無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150にそれぞれ記憶された情報を読み取るための問い合わせ信号を生成し、高周波回路201及びアンテナ210を介し、通信可能領域内に存在する前述した社員証やファイル、資料等に備えられる無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
【0096】
その後、ステップS520に移り、上記問い合わせ信号に対応し無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号がアンテナ210及び高周波回路201を介し受信されたかどうかを判定する。いずれの無線タグラベルTからもリプライ信号が受信されていなければ判定が満たされずにステップS510に戻り、再び問い合わせ信号の送信を繰り返す。一方、無線タグラベルTからリプライ信号を受信している場合には、判定が満たされて次のステップS530に移る。
【0097】
ステップS530では、上記受信したリプライ信号に基づき、当該リプライ信号を送信(返信)した無線タグラベルTの無線タグ情報を読み取り取得する。この無線タグ情報には、当該リプライ信号を送信(返信)した無線タグラベルTが設定タグである場合には、前述したようにリーダ200のアンテナ210を介して読み取られた無線タグ情報の送信先を表す送信先情報と、無線タグラベルTがリーダ200の情報送信先設定用であることを表す設定タグフラグが含まれる。一方、リプライ信号を送信(返信)した無線タグラベルTが設定タグでなく一般タグである場合には、当該情報(データそのものでもよいし、当該データに関連付けられたタグID等の識別情報でもよい)が含まれる。なお、上記無線タグ情報は記憶部203に一時的に記憶される。
【0098】
次のステップS540では、上記受信したリプライ信号の強度を示す信号「RSSI」を上記RSSI回路226から入力する。
【0099】
次のステップS550では、上記ステップS530で取得し記憶させた無線タグ情報を、上記ステップS540で入力した信号強度情報とともに、インターフェース制御部204及び集線装置30を介しタグラベル作成装置300に送信する。これにより本フローを終了する。
【0100】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、例えば上記ステップS530とステップS540とを入れ替える等、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0101】
図10は、上記リーダ200より無線タグ情報を受信した際にタグラベル作成装置300の制御回路311によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0102】
まず、ステップS310では、集線装置30及びインターフェース制御部309を介してリーダ200より出力された信号を受信したか否かを判定する。受信した場合には、判定が満たされて次のステップS315に移る。
【0103】
ステップS315では、上記受信した信号に基づき、リーダ200で読み取った無線タグラベルTの無線タグ情報及び受信信号強度情報を取得する。さらに、当該信号を送信したリーダ200を特定可能な識別情報(IPアドレス等)を取得する。これらの取得した情報は、上記記憶部310に一時的に記憶される。なおこのとき、複数のリーダ200から信号を受信した場合には、それぞれのリーダに対応させて無線タグ情報及び受信信号強度情報を取得する。
【0104】
次のステップS320では、上記ステップS310において同時に複数のリーダ200から上記信号を受信したか否かを判定する。なお、ここでの同時とは完全な同時のみを指すものではなく、受信時間の差が予め設定された時間範囲内に含まれる場合を含むものである。同時に複数のリーダ200から上記信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS400に移る。
【0105】
ステップS400では、受信信号強度を比較して情報の送信先を特定する情報振り分け処理を行い(詳細は後述の図11参照)、その後本フローを終了する。
【0106】
一方、上記ステップS320において、同時に複数のリーダ200から上記信号を受信していない場合には、判定が満たされずに次のステップS325に移る。
【0107】
ステップS325では、上記ステップS315で取得した無線タグ情報に基づき、情報読み取りを行った無線タグラベルTが設定タグであるか否かを判定する。すなわち、取得した無線タグ情報中に上記設定タグフラグが含まれる場合には、設定タグと見なして判定が満たされ、次のステップS330に移る。
【0108】
ステップS330では、上記ステップS315で無線タグラベルTから読み出し記憶した無線タグ情報から送信先情報を取得する。
【0109】
次のステップS335では、上記ステップS330で取得した送信先情報と、上記無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toから情報読み取りを行ったリーダ200の識別情報とを対応づけ、これら対応づけた情報を上記記憶部310(または制御回路311が有する前記RAM311Cでもよい)に記憶させる。このとき、以前に当該情報が記憶されている場合には、情報を更新して記憶させる。そして本フローを終了する。
【0110】
なお、上記ステップS325において、取得した無線タグ情報中に上記設定タグフラグが含まれない場合には、上記社員証やファイル、資料等に添付された情報読み取り用の一般タグと見なし、判定が満たされずにステップS345に移る。
【0111】
ステップS345では、上記ステップS335で送信先情報とリーダ識別情報とが対応づけられて記憶部310に記憶されたか否かを判定する。記憶されていない場合には、判定が満たされずにステップS360に移り、集線装置30を介して(例えば全台の)PC端末100に制御信号を出力し、表示部101にエラー表示(例えば「送信先設定が行われていません!」等)を行わせる。なお、当該エラーの報知は表示に限られず音声で行ってもよい。また、PC端末100ではなく、タグラベル作成装置300の図示しないエラー報知手段により報知を行うようにしてもよい(例えばエラーランプの点灯等)。
【0112】
一方、送信先情報とリーダ識別情報とが対応づけられて記憶部310に記憶されており、上記ステップS345の判定が満たされた場合には、判定が満たされてステップS350に移る。
【0113】
次のステップS350では、記憶部310に記憶された送信先情報とリーダ識別情報との情報に基づき、情報読み取りを行ったリーダ200に対応する送信先情報を抽出して読み出し、送信先の設定を行う。
【0114】
次のステップS360では、一般タグTの無線タグ回路素子Toから読み出した無線タグ情報を、上記ステップS350で設定した送信先(本例では部下aのリーダ200の送信先は上司AのPC端末100、部下bのリーダ200の送信先は上司BのPC端末100)に送信する。その結果、送信先のPC端末100においては当該受信された情報の保管、表示等の適宜の処理が行われる。そして、本フローを終了する。
【0115】
以上の制御により、設定タグTを用いて一旦リーダ200の情報送信先の設定を行うと、その設定が記憶され、当該設定済みのリーダ200でその後一般タグTの情報読み取りを行った際には、新たに情報送信先の設定を行わなくとも既に設定された送信先に情報が送信される。なお、ここでは新たに設定タグTから送信先情報を取得する度、その新しい送信先情報に置き換えられる(設定が更新される)ようにしたが、例えばリーダ200に対し一旦情報送信先の設定を行うと、次に設定用タグTを読み込ませても送信先の更新はしないようにしてもよい。
【0116】
なお、上記フローにおけるステップS330の手順は、特許請求の範囲各項記載の情報振り分け先設定用の無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得するための振り分け先情報取得手段を構成し、ステップS355の手順は、振り分け先情報に基づき、読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、配信接続手段により接続された複数の操作端末のうち対応する操作端末へ振り分けて出力する情報振り分け手段を構成する。
【0117】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0118】
図11は上記ステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。
【0119】
この図11において、ますステップS410では、先のステップS315で取得し記憶した複数リーダからの無線タグ情報に基づき、異なるリーダ200で同一の無線タグラベルTから無線タグ情報が重複して読み取られたか否かを判定する。重複して無線タグ情報の読み取りが行われていない場合には、判定が満たされずに後述するステップS430に移る。一方、重複して無線タグ情報の読み取りが行われている場合には、判定が満たされて次のステップS420に移る。
【0120】
ステップS420では、各リーダ200で読み取られた同一の無線タグ情報につき、先のステップS315で取得した信号強度情報を比較する。そして、強度が大きい方のリーダ200を特定する。
【0121】
次のステップS430では、一般タグTの無線タグ回路素子Toから読み出した無線タグ情報を、上記ステップS420で特定したリーダに対応する送信先に送信する。その結果、送信先のPC端末100においては当該受信された情報の保管、表示等の適宜の処理が行われる。そして、本ルーチンを終了する。
【0122】
上記フローにおけるステップS420の手順は、特許請求の範囲各項記載の出力しようとする情報が、複数の無線タグ情報読み取り装置を介し情報読み取り用の無線タグ回路素子より取得されていた場合、その取得時における受信信号強度に応じて出力先を設定する情報振り分け手段を構成する。
【0123】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0124】
図12は、以上説明した制御により行われる情報の振り分けの一例を説明するための図である。
【0125】
この図12において、部下aの机上に設けられたリーダ200により、適宜のファイル、資料等に添付された無線タグラベルT1,T2,T3,T4が読み取られている。それぞれの無線タグラベルからのリプライ信号の信号強度は10,8,9,2(無線タグラベルT1の信号強度を10とした場合の相対値である)となっている。一方、部下bの机上に設けられたリーダ200により、適宜のファイル、資料等に添付された無線タグラベルT4,T5,T6が読み取られている。それぞれの無線タグラベルからのリプライ信号の信号強度は5,8,7(無線タグラベルT1の信号強度を10とした場合の相対値である)となっている。ここでは、無線タグラベルT4が前述した重複領域Z内に存在し、部下a,bの両方のリーダ200により重複して情報の読み取りが行われている。
【0126】
このとき、前述した図11に示す情報振り分け処理により、無線タグラベルT4の信号強度が比較され、強度が大きい方のリーダ200が特定される。すなわち、ここでは無線タグラベルT4の情報は信号強度が大きい方である部下bのリーダ200で読み取られたものと見なされる。その結果、無線タグラベルT1,T2,T3の無線タグ情報は部下aのリーダ200の送信先である上司AのPC端末100に送信され、無線タグラベルT4,T5,T6の無線タグ情報は部下bのリーダ200の送信先である上司BのPC端末100に送信される。
【0127】
以上において、設定用の無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toに書き込まれる送信先情報が特許請求の範囲各項記載の振り分け先情報に相当する。
【0128】
以上説明した本実施形態の無線タグ情報読み取りシステム1においては、PC端末100に対応して配置されたリーダ200のアンテナ210を介して情報読み取り用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報が取得され、その取得された情報をタグラベル作成装置300の記憶部310で記憶する。そして、送信先情報に基づき、タグラベル作成装置300において送信先を複数の上記PC端末100のうち対応するものへと設定することにより、上記記憶部310に記憶された情報はその設定されたPC端末100へと出力される。
【0129】
このようにして、複数のPC端末100及び複数のリーダ200が集線装置30を介しタグラベル作成装置300に接続され、情報読み取り用の無線タグ回路素子Toから取得された情報のタグラベル作成装置300からの送信先が複数のPC端末100のうちどれであるかが不定の場合であっても、ユーザがいちいち煩雑な手動設定を行わなくても自動的に対応するPC端末100を出力先として設定することができる。この結果、ユーザの操作負担を低減し、利便性を向上することができる。
【0130】
また、本実施形態では特に、無線タグラベルTから読み取った無線タグ情報の送信先を設定する際、当該情報が複数のリーダ200を介し読み取られていた場合、その取得時における受信信号強度に応じて出力先を設定する。これにより、読み取り対象である無線タグラベルTが前述した重複領域Zに存在し、当該無線タグラベルTの無線タグ情報が複数のリーダ200を介し取得された場合であっても、受信信号強度の大小に応じて、いずれのリーダ200が当該無線タグ情報に対応したものである(例えば最も距離が近い、通信に適した箇所にある等)かを特定し、その特定したリーダ200に対応したPC端末100を送信されるべき端末であるとみなし、送信先として設定することができる。したがって、情報の誤配信を防止できる。
【0131】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0132】
(1)リーダで複数種類の送信出力により情報読み取りを行う場合
上記実施形態では、リーダ200による無線タグ情報の読み取りの際の無線タグラベルTからの受信信号強度を比較することにより、信号強度が大きい方のリーダに対応する送信先に情報の振り分けを行うようにしたが、これに限られない。例えば、リーダで複数種類の送信出力により情報読み取りを行い、その受信結果に基づきリーダを特定して当該リーダに対応する送信先に情報の振り分けを行うようにしてもよい。
【0133】
図13は、本変形例のリーダ200の制御回路202’(図示せず)によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図9に対応する図である。この図13において、図9と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。なお、以下のフローは、それぞれのリーダ200において独立して実行されるようになっているが、例えば複数のリーダ200においてタイミングを合わせて一定周期ごとに行うようにしてもよい。
【0134】
この図13において、まずステップS505では、前述した高周波回路201の送信部212の送信アンプ217に上記「TX_PWR」信号を出力し、アンテナ210を介して無線タグラベルTに対し出力される問い合わせ信号の送信出力が予め定められた大きな出力値となるように設定する。
【0135】
次のステップS510〜ステップS530は前述の図9と同様であり、問い合わせ信号を通信可能領域内に存在する前述した社員証やファイル、資料等に備えられる無線タグ回路素子Toに上記ステップS505で設定した送信出力で送信し、返信されたリプライ信号に基づき、当該リプライ信号を送信(返信)した無線タグラベルTの無線タグ情報を読み取り取得する。なお、この無線タグ情報は記憶部203に一時的に記憶される。
【0136】
次のステップS535では、上記高周波回路201の送信部212の送信アンプ217に上記「TX_PWR」信号を出力し、アンテナ210を介して無線タグラベルTに対し出力される問い合わせ信号の送信出力が予め定められた小さな出力値となるように設定する。
【0137】
次のステップS540〜ステップS547は上記ステップS510〜ステップS530と同様であり、問い合わせ信号を通信可能領域内に存在する前述した社員証やファイル、資料等に備えられる無線タグ回路素子Toに上記ステップS535で設定した送信出力で送信し、返信されたリプライ信号に基づき、当該リプライ信号を送信(返信)した無線タグラベルTの無線タグ情報を読み取り取得する。なお、この無線タグ情報は記憶部203に一時的に記憶される。
【0138】
次のステップS550では、上記ステップS530及びステップS547で取得し記憶させた無線タグ情報を、インターフェース制御部204及び集線装置30を介しタグラベル作成装置300に送信する。これにより本フローを終了する。
【0139】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、例えば上記ステップS505〜ステップS530とステップS535〜ステップS547とを入れ替える等、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0140】
図14は、本変形例において上記リーダ200より無線タグ情報を受信した際にタグラベル作成装置300の制御回路311’(図示せず)によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図10に対応する図である。この図14において図10と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
【0141】
この図14において、まずステップS310において、リーダ200より出力された信号を受信した場合には、判定が満たされて次のステップS315Aに移り、上記受信した信号に基づき、リーダ200で読み取った無線タグラベルTの無線タグ情報(送信出力大・小の両方の場合を含む)を取得する。また、当該信号を送信したリーダ200を特定可能な識別情報(IPアドレス等)を取得する。これらの取得した情報は、上記記憶部310に一時的に記憶される。なおこのとき、複数のリーダ200から信号を受信した場合には、それぞれのリーダに対応させて無線タグ情報を取得する。
【0142】
次のステップS320では、上記ステップS310において同時に複数のリーダ200から上記信号を受信したか否かを判定し、同時に複数のリーダ200から上記信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS400Aに移る。
【0143】
ステップS400Aでは、複数のリーダ200において送信出力が大・小の値に設定された場合の両方の受信結果に基づき、情報の送信先を特定する情報振り分け処理を行い(詳細は後述の図15参照)、その後本フローを終了する。
【0144】
この他のステップS325〜ステップS360の手順は前述の図10と同様であるので説明を省略する。
【0145】
上記フローにおけるステップS315Aの手順は、特許請求の範囲各項記載の複数の無線タグ情報読み取り装置からの、情報読み取り用の無線タグ回路素子に対し複数種類の送信出力により情報の送受信を行ったときの各出力ごとの送受信結果を入力する送受信結果入力手段を構成する。
【0146】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0147】
図15は上記ステップS400Aの詳細手順を表すフローチャートであり、前述の図11に対応する図である。この図15において、図11と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
【0148】
この図15において、ますステップS410Aでは、複数リーダから受信した無線タグ情報に基づき、異なるリーダ200で同一の無線タグラベルTから無線タグ情報が重複して読み取られたか否かを判定する。なお、ここでは送信出力が大きい値に設定された場合の受信結果に基づき判定する。重複して無線タグ情報の読み取りが行われていない場合には、判定が満たされずに後述するステップS430に移る。一方、重複して無線タグ情報の読み取りが行われている場合には、判定が満たされて次のステップS420Aに移る。
【0149】
ステップS420Aでは、上記重複して読み取られた無線タグ情報につき、各リーダ200において送信出力が大・小の値に設定された場合の両方の受信結果に基づき、リーダ200を特定する。具体的には、送信出力大と送信出力小の場合で受信結果が異ならないリーダ200を特定する。
【0150】
次のステップS430では、一般タグTの無線タグ回路素子Toから読み出した無線タグ情報を、上記ステップS420で特定したリーダに対応する送信先に送信する。その結果、送信先のPC端末100においては当該受信された情報の保管、表示等の適宜の処理が行われる。そして、本ルーチンを終了する。
【0151】
上記フローにおけるステップS420Aの手順は、特許請求の範囲各項記載の出力しようとする情報が、複数の無線タグ情報読み取り装置を介し情報読み取り用の無線タグ回路素子より取得されていた場合、無線タグ情報読み取り装置より入力された各出力ごとの送受信結果に応じて出力先を設定する情報振り分け手段を構成する。
【0152】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0153】
図16は、以上説明した制御により行われる本変形例の情報の振り分けの一例を説明するための図である。
【0154】
この図16において、部下aの机上に設けられたリーダ200により、送信出力が大きい場合には無線タグラベルT1,T2,T3,T4が読み取られ、送信出力が小さい場合には無線タグラベルT1,T2,T3が読み取られている。一方、部下bの机上に設けられたリーダ200により、送信出力が大きい場合及び小さい場合の両方において、無線タグラベルT4,T5,T6が読み取られている。ここでは、無線タグラベルT4が前述した重複領域Z内に存在し、部下a,bの両方のリーダ200により送信出力が大きい場合に重複して情報の読み取りが行われている。
【0155】
このとき、前述した図15に示す情報振り分け処理により、部下a及び部下bに対応するリーダ200における送信出力大・小の両方の受信結果に基づき、送信出力大と送信出力小の場合で受信結果が異ならないリーダ200が特定される。すなわち、ここでは送信出力大と送信出力小の場合で受信結果が異ならない部下bに対応するリーダ200が特定され、無線タグラベルT4の情報は部下bのリーダ200で読み取られたものと見なされる。その結果、無線タグラベルT1,T2,T3の無線タグ情報は部下aのリーダ200の送信先である上司AのPC端末100に送信され、無線タグラベルT4,T5,T6の無線タグ情報は部下bのリーダ200の送信先である上司BのPC端末100に送信される。
【0156】
以上説明した変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0157】
なお、以上では大・小2種類の送信出力により情報の読み取りを行う場合を例にとって説明したが、これに限られず、さらに多数の種類の送信出力により情報の読み取りを行ってもよい。これにより、さらにきめ細かにリーダの特定を行うことができる。
【0158】
(2)リーダが情報送信先の設定モードと一般モードとを有する場合
上記実施形態では、リーダ200は起動中常時全ての種類の無線タグラベルT(例えば設定タグTと一般タグT)から情報の読み取りを行いタグラベル作成装置300に送信するようにしたが、これに限られず、特定の種類のタグのみ読み取りを行うモードを有するようにしてもよい。
【0159】
図17は、本変形例のリーダ200の制御回路202”(図示せず)によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図9等に対応する図である。この図17において、図9等と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。なお、制御回路202”は、リーダ200の電源が投入された際にこのフローを開始する。
【0160】
まずステップS501では、リーダ200の動作モードを、設定タグTから送信先情報を取得しタグラベル作成装置300に送信する「設定モード」に設定する。
【0161】
次のステップS600では、設定タグTから送信先情報を取得しタグラベル作成装置300に送信する設定モード処理を行う(詳細は後述の図18参照)。
【0162】
次のステップS503では、上記設定モード処理が完了したか否かを判定する。例えば通信不良により設定タグTから無線タグ情報を良好に読み取れなかった場合等、設定モード処理が完了していない場合には、判定が満たされずに上記ステップS600に戻り、再度設定モード処理を行う。一方、設定モード処理が完了している場合には、判定が満たされて次のステップS507に移る。
【0163】
ステップS507では、リーダ200の動作モードを、一般タグTから無線タグ情報を取得しタグラベル作成装置300に送信する「通常モード」に設定する。
【0164】
次のステップS510〜ステップS530は前述の図9と同様であり、問い合わせ信号を通信可能領域内に存在する前述した社員証やファイル、資料等に備えられる無線タグ回路素子Toに送信し、返信されたリプライ信号に基づき、当該リプライ信号を送信(返信)した無線タグラベルTの無線タグ情報を読み取り取得する。なお、この無線タグ情報は記憶部203に一時的に記憶される。
【0165】
次のステップS535では、上記ステップS530で取得した無線タグ情報に基づき、情報読み取りを行った無線タグラベルTが一般タグであるか否かを判定する。この判定は、取得した無線タグ情報中に前述した設定タグフラグが含まれるか否かを判定することにより行われる。設定タグフラグが含まれる場合には、設定タグと見なしてステップS537に移り、集線装置30を介して(例えば全台の)PC端末100に制御信号を出力し、表示部101にエラー表示(例えば「送信先設定は既に行われています!」等)を行わせる。なお、当該エラーの報知は表示に限られず音声で行ってもよい。また、PC端末100ではなく、リーダ200の図示しないエラー報知手段により報知を行うようにしてもよい。そして、先のステップS510に戻る。一方、上記ステップS535において、設定タグフラグが含まれない場合には、一般タグと見なして次のステップS540に移る。
【0166】
ステップS540及びステップS550は前述の図9と同様であり、上記受信したリプライ信号の強度を示す信号「RSSI」を上記RSSI回路226から入力し、上記ステップS530で取得し記憶させた無線タグ情報を、上記ステップS540で入力した信号強度情報とともに、インターフェース制御部204及び集線装置30を介しタグラベル作成装置300に送信する。
【0167】
次のステップS560では、リーダ200の電源がOFFにされたか否かを判定する。電源がOFFにされていなければ、先のステップS510に移り、再度問い合わせ信号を通信可能領域内に存在する無線タグ回路素子Toに送信する。一方、電源がOFFにされた場合には、本フローを終了する。
【0168】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0169】
図18は、上記ステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。
【0170】
この図18において、まずステップS610では、無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150にそれぞれ記憶された情報を読み取るための問い合わせ信号を生成し、高周波回路201及びアンテナ210を介し、通信可能領域内に存在する無線タグラベルTに備えられる無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
【0171】
その後、ステップS620に移り、上記問い合わせ信号に対応し無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号がアンテナ210及び高周波回路201を介し受信されたかどうかを判定する。無線タグラベルTからリプライ信号が受信されていなければ判定が満たされずにステップS610に戻り、再び問い合わせ信号の送信を繰り返す。一方、無線タグラベルTからリプライ信号を受信している場合には、判定が満たされて次のステップS630に移る。
【0172】
ステップS630では、上記受信したリプライ信号に基づき、当該リプライ信号を送信(返信)した無線タグラベルTの無線タグ情報を読み取り取得する。この無線タグ情報には、前述したようにリーダ200のアンテナ210を介して読み取られた無線タグ情報の送信先を表す送信先情報と、無線タグラベルTがリーダ200の情報送信先設定用であることを表す設定タグフラグが含まれる。なお、取得した無線タグ情報は記憶部203に一時的に記憶される。
【0173】
次のステップS635では、上記ステップS630で取得した無線タグ情報に基づき、情報読み取りを行った無線タグラベルTが設定タグであるか否かを判定する。この判定は、取得した無線タグ情報中に上記設定タグフラグが含まれるか否かを判定することにより行われる。設定タグフラグが含まれない場合には、一般タグと見なしてステップS637に移り、集線装置30を介して(例えば全台の)PC端末100に制御信号を出力し、表示部101にエラー表示(例えば「送信先の設定を行ってください!」等)を行わせる。なお、当該エラーの報知は表示に限られず音声で行ってもよい。また、PC端末100ではなく、リーダ200の図示しないエラー報知手段により報知を行うようにしてもよい。そして、先のステップS610に戻る。一方、上記ステップS635において、設定タグフラグが含まれる場合には、設定タグと見なして次のステップS640に移る。
【0174】
次のステップS640では、上記ステップS630で取得し記憶させた無線タグ情報を、インターフェース制御部204及び集線装置30を介しタグラベル作成装置300に送信する。これにより本ルーチンを終了する。
【0175】
以上において、設定モードは、特許請求の範囲各項記載の無線タグ情報管理サーバからの情報振り分け先設定用の無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得し、無線タグ情報管理サーバへ出力する振り分け先情報出力モードに相当し、通常モードは、情報読み取り用の無線タグ回路素子から情報を取得し、無線タグ情報管理サーバへ出力する一般情報出力モードに相当する。また、上記制御回路202”によって実行されるステップS503の手順は、振り分け先情報出力モードと一般情報出力モードとを切り替えるモード切替手段を構成する。
【0176】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0177】
以上説明した変形例によれば、電源投入直後において自動的に設定モードとして設定タグTから情報読み取りを行い、読み取った送信先情報に基づきタグラベル作成装置300で自動的に送信先を設定することができる。そしてその設定が終わったら自動的に通常モードにおいて一般タグTからの情報読み取りを行うことができる。これにより、新たな送信先に情報を送信したい場合において電源投入前に設定しておいた旧送信先に誤って情報を送信するのを防止することができる。特に、ユーザが携帯可能なハンディタイプのリーダを用いる場合、使用場所が変わることによる情報の送信先の変更が多く、また電源のON/OFFの頻度も多いことから、効果的である。
【0178】
なお、以上では設定モードと一般モードの2種類のモードを設定する場合を一例として説明したが、さらに多種類のモードを設定可能な構成としてもよい。
【0179】
(3)複数社員の勤怠管理に用いる場合
以上においては、1人の社員の勤怠管理情報がその上司に送信される場合を例にとって説明したが、これに限られず、さらに広い通信領域を有するリーダを用いて複数の社員勤怠管理情報がその上司に送信される勤怠管理システムに本発明を適用してもよい。
【0180】
図19はこの場合における無線タグ情報読み取りシステム1’の全体構成を表すシステム構成図である。ここでは、通信領域Xを有するリーダ200で読み取られた部下a1〜a4の勤怠管理情報が上司AのPC端末100に送信され、通信領域Yを有するリーダ200で読み取られた部下b1〜b4の勤怠管理情報が上司BのPC端末100に送信される。重複領域Zにおいて両方のリーダ200に重複して読み取られた無線タグ情報は、前述した制御によって適当に振り分けられ、上司A又は上司BのPC端末100に送信されるようになっている。
【0181】
また、このような会社における社員の勤怠管理に限られず、例えば店頭における商品管理、倉庫における在庫管理等、種々の場面に本発明は適用可能である。
【0182】
(4)その他
以上においては、リーダ200のアンテナ210としてパッチアンテナを用いる場合を例にとって説明したが、これに限られず、例えばダイポールアンテナを用いてもよい。また、以上ではリーダ200と無線タグ回路素子Toとの間でUHF帯を用いた電波通信により情報送受信を行う場合を例にとって説明したが、これに限られず、例えばリーダ200側のアンテナ210や無線タグ回路素子To側のアンテナ151としてコイル状のループアンテナを用い、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により情報送受信を行うようにしてもよい。
【0183】
以上においては、タグラベル作成装置300において移動中のタグテープ303に対して無線タグ情報の書き込み・読み取りや印字を行う例を示したが、これに限られず、タグテープ303を所定位置で停止させて(さらに読み取り・書き込みについては所定の搬送ガイドにて保持した状態としてもよい)上記印字や読み取り・書き込みを行うようにしてもよい。
【0184】
また、以上において、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了したタグテープ303をカッタ307で切断してタグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ307で切断しなくても、テープが排出口から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がしてタグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0185】
また、以上においては、タグテープ303に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)であったが、これに限られず、無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ303とは別のカバーフィルムに印字を行ってこれらを貼り合わせる方式に本発明を適用してもよい。
【0186】
さらに、以上は、タグテープがリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、そのロールからタグテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)おき、この収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
【0187】
なお、以上で用いた「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0188】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0189】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】本発明の無線タグ情報読み取りシステムの一実施形態の全体構成を表すシステム構成図である。
【図2】リーダ及びタグラベル作成装置の全体構成を概念的に表す全体構成図である。
【図3】リーダの制御系の構成を表す機能ブロック図である。
【図4】タグラベル作成装置の制御回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図5】タグテープ及び無線タグラベルに備えられた上記無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図6】設定用の無線タグラベルを作成する際にタグラベル作成装置の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図7】ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図8】作成された無線タグラベルに備えられた無線タグ回路素子のIC回路部のメモリ部に記憶されたデータ内容を概念的に表す図である。
【図9】リーダによる無線タグ情報の読み取りの際に、リーダの制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図10】リーダより無線タグ情報を受信した際にタグラベル作成装置の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図11】ステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。
【図12】情報の振り分けの一例を説明するための図である。
【図13】リーダで複数種類の送信出力により情報読み取りを行う場合の変形例において、リーダの制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図14】リーダで複数種類の送信出力により情報読み取りを行う場合の変形例において、リーダより無線タグ情報を受信した際にタグラベル作成装置の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図15】ステップS400Aの詳細手順を表すフローチャートである。
【図16】リーダで複数種類の送信出力により情報読み取りを行う場合の変形例における情報の振り分けの一例を説明するための図である。
【図17】リーダが情報送信先の設定モードと一般モードとを有する場合の変形例において、リーダの制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図18】ステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。
【図19】複数社員の勤怠管理に用いる変形例における無線タグ情報読み取りシステムの全体構成を表すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0191】
1 無線タグ情報読み取りシステム
1’ 無線タグ情報読み取りシステム
30 集線装置(配信接続手段)
100 PC端末(操作端末)
150 IC回路部
151 アンテナ(タグ側アンテナ)
200 リーダ(無線タグ情報読み取り装置)
202 制御回路
202’ 制御回路
202” 制御回路
210 アンテナ(読み取り用アンテナ)
300 タグラベル作成装置(無線タグ情報管理サーバ)
303 タグテープ(タグ媒体)
306 アンテナ(ラベル作成用アンテナ)
308 搬送ローラ(搬送手段)
310 記憶部(読み取り情報記憶手段)
311 制御回路
311’ 制御回路
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグ情報管理サーバと、複数の無線タグ情報読み取り装置と、これら複数の無線タグ情報読み取り装置に対応して設けられた複数の操作端末と、前記無線タグ情報管理サーバと前記複数の無線タグ情報読み取り装置及び前記複数の操作端末とを、ネットワークを介して信号出力先へ配信可能に接続する配信接続手段とを有する無線タグ情報読み取りシステムであって、
前記無線タグ情報読み取り装置は、
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し無線通信を行うための読み取り用アンテナを備え、
前記無線タグ情報管理サーバは、
前記配信接続手段により接続された前記無線タグ情報読み取り装置を介し、情報読み取り用の前記無線タグ回路素子から取得した情報を記憶するための読み取り情報記憶手段と、
振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記配信接続手段により接続された前記複数の操作端末のうち対応する操作端末へ振り分けて出力する情報振り分け手段とを有する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取りシステム。
【請求項2】
請求項1記載の無線タグ情報読み取りシステムにおいて、
前記無線タグ情報管理サーバは、
前記無線タグ情報読み取り装置を介し、情報振り分け先設定用の前記無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得するための振り分け先情報取得手段を有し、
前記情報振り分け手段は、
前記振り分け先情報手段で取得した振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記対応する操作端末へ振り分けて出力する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取りシステム。
【請求項3】
請求項2記載の無線タグ情報読み取りシステムにおいて、
前記無線タグ情報管理サーバの前記振り分け先情報取得手段は、
前記情報振り分け先設定用の無線タグ回路素子から、1つの前記無線タグ情報読み取り装置を介し取得された情報を、当該1つの無線タグ情報読み取り装置に対応する1つの前記操作端末に対応づける前記振り分け先情報を取得し、
前記情報振り分け手段は、
その取得した振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記1つの無線タグ情報読み取り装置に対応した前記1つの操作端末へ出力するように、前記出力先を設定する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取りシステム。
【請求項4】
請求項3記載の無線タグ情報読み取りシステムにおいて、
前記無線タグ情報管理サーバの前記情報振り分け手段は、
前記1つの無線タグ情報読み取り装置と前記1つの操作端末とを対応づける前記振り分け先情報に基づいて前記出力先を設定する際、当該出力しようとする情報が、複数の前記無線タグ情報読み取り装置を介し前記情報読み取り用の無線タグ回路素子より取得されていた場合、その取得時における受信信号強度に応じて出力先を設定する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取りシステム。
【請求項5】
請求項3記載の無線タグ情報読み取りシステムにおいて、
前記複数の無線タグ情報読み取り装置は、
前記情報読み取り用の無線タグ回路素子に対し複数種類の送信出力により情報の送受信を行い、各出力ごとの送受信結果を前記無線タグ情報管理サーバへ出力し、
前記無線タグ情報管理サーバの前記情報振り分け手段は、
前記1つの無線タグ情報読み取り装置と前記1つの操作端末とを対応づける前記振り分け先情報に基づいて前記出力先を設定する際、当該出力しようとする情報が、複数の前記無線タグ情報読み取り装置を介し前記情報読み取り用の無線タグ回路素子より取得されていた場合、前記無線タグ情報読み取り装置より入力された前記各出力ごとの送受信結果に応じて出力先を設定する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取りシステム。
【請求項6】
複数の無線タグ情報読み取り装置と、これら複数の無線タグ情報読み取り装置に対応して設けられた複数の操作端末とに接続された無線タグ情報管理サーバであって、
前記無線タグ情報読み取り装置を介し、情報読み取り用の前記無線タグ回路素子から取得した情報を記憶するための読み取り情報記憶手段と、
振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記複数の操作端末のうち対応する操作端末へ振り分けて出力する情報振り分け手段と
を有することを特徴とする無線タグ情報管理サーバ。
【請求項7】
請求項6記載の無線タグ情報管理サーバにおいて、
前記無線タグ情報読み取り装置を介し、情報振り分け先設定用の前記無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得するための振り分け先情報取得手段を有し、
前記情報振り分け手段は、
前記振り分け先情報手段で取得した振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記対応する操作端末へ振り分けて出力する
ことを特徴とする無線タグ情報管理サーバ。
【請求項8】
請求項7記載の無線タグ情報管理サーバにおいて、
前記振り分け先情報取得手段は、
前記情報振り分け先設定用の無線タグ回路素子から、1つの前記無線タグ情報読み取り装置を介し取得された情報を、当該1つの無線タグ情報読み取り装置に対応する1つの前記操作端末に対応づける前記振り分け先情報を取得し、
前記情報振り分け手段は、
その取得した振り分け先情報に基づき、前記読み取り情報記憶手段に記憶した情報又はこれに対応する情報を、前記1つの無線タグ情報読み取り装置に対応した前記1つの操作端末へ出力するように、前記出力先を設定する
ことを特徴とする無線タグ情報管理サーバ。
【請求項9】
請求項8記載の無線タグ情報管理サーバにおいて、
前記情報振り分け手段は、
前記1つの無線タグ情報読み取り装置と前記1つの操作端末とを対応づける前記振り分け先情報に基づいて前記出力先を設定する際、当該出力しようとする情報が、複数の前記無線タグ情報読み取り装置を介し前記情報読み取り用の無線タグ回路素子より取得されていた場合、その取得時における受信強度に応じて出力先を設定する
ことを特徴とする無線タグ情報管理サーバ。
【請求項10】
請求項8記載の無線タグ情報管理サーバにおいて、
前記複数の無線タグ情報読み取り装置からの、前記情報読み取り用の無線タグ回路素子に対し複数種類の送信出力により情報の送受信を行ったときの各出力ごとの送受信結果を入力する送受信結果入力手段を有し、
前記情報振り分け手段は、
前記1つの無線タグ情報読み取り装置と前記1つの操作端末とを対応づける前記振り分け先情報に基づいて前記出力先を設定する際、当該出力しようとする情報が、複数の前記無線タグ情報読み取り装置を介し前記情報読み取り用の無線タグ回路素子より取得されていた場合、前記送受信結果入力手段で入力した前記各出力ごとの送受信結果に応じて出力先を設定する
ことを特徴とする無線タグ情報管理サーバ。
【請求項11】
請求項6乃至請求項10のいずれか1項記載の無線タグ情報管理サーバにおいて、
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えたラベル用の無線タグ回路素子を配置したタグ媒体を搬送する搬送手段と、
前記ラベル用無線タグ回路素子に対し、無線通信を介し情報の送受信を行うためのラベル作成用アンテナと
を有することを特徴とする無線タグ情報管理サーバ。
【請求項12】
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し無線通信を行うための読み取り用アンテナを備え、無線タグ情報管理サーバに接続された無線タグ情報読み取り装置であって、
前記読み取り用アンテナを介し、情報読み取り用の前記無線タグ回路素子から情報を取得し、前記無線タグ情報管理サーバへ出力する一般情報出力モードと、前記読み取り用アンテナを介し、前記一般情報出力モードで前記無線タグ情報管理サーバへ出力した情報の当該無線タグ情報管理サーバからの情報振り分け先設定用の前記無線タグ回路素子から振り分け先情報を取得し、前記無線タグ情報管理サーバへ出力する振り分け先情報出力モードとを切り替えるモード切替手段を有することを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項13】
請求項12記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記モード切替手段は、
装置電源投入直後は前記振り分け先情報出力モードに切り替え、
この振り分け先情報出力モードにおいて、1つの前記情報振り分け先設定用無線タグ回路素子からの振り分け先情報の取得及び前記無線タグ情報管理サーバへの出力が終了したら、前記一般情報出力モードに切り替える
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−134878(P2008−134878A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−321384(P2006−321384)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】