説明

無線タグ管理システム

【課題】セキュリティを高めた無線タグ運用システムを提供する。
【解決手段】本発明の無線タグ運用システムの一態様は、無線タグ、第1の通信装置及び第2の通信装置を有する。無線タグは、データを記憶するメモリと、第1の電力で動作しメモリからデータを読み出す第1の回路と、第1の電力よりも高い第2の電力で動作しメモリにデータを書き込む第2の回路とを有する。第1の通信装置は、無線タグに対して、第1の回路が動作可能な通信電力を出力し、メモリからデータを読み出すことが可能である。第2の通信装置は、無線タグに対して、第1の回路及び第2の回路が動作可能な通信電力を出力し、メモリからデータを読み出し、かつメモリにデータを書き込みことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
無線タグと通信装置(例えば、リーダ/ライタ)を用いた無線タグ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
RFID (Radio Frequency IDentification:無線周波数による非接触自動識別技術)の開発が進められている。RFIDの技術を用いた無線タグは、非接触で記録情報が読み取れ、無電池で動作し、耐久性、耐候性に優れるなどの特徴を有する。無電池で動作が可能なのは、無線タグが有するアンテナが受信する電波(これには動作命令等が含まれる)を回路内で整流することにより、電源とすることができるためである。
【0003】
近年では、機能の向上のため、メモリを搭載した無線タグの開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−112440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線タグにメモリを搭載することは、無線タグの機能向上において有用である。しかしながら、無線タグのメモリの読み出しと書き込みを行う機能をどのユーザーでも使うことができるというのは、セキュリティ上、望ましいことではない。
【0006】
そのため、例えば、無線タグを使う対象によって上級ユーザーと一般ユーザーに分けた場合、これらのユーザーで無線タグのメモリに対するアクセスを制御することが好ましい。
【0007】
具体的には、上級ユーザーは無線タグのメモリの読み出しと書き込み(書き換えも含む)の両方が可能であり、一般ユーザーは無線タグのメモリの読み出しが可能、書き込みは不可能というように制御することが好ましい。これは、一般ユーザーにより、無線タグのメモリの書き込みが可能となってしまうと、無線タグのメモリのデータの改竄が行なわれるおそれがあるからである。もちろん、専用コードや書き込み禁止判定ビットへの書き込みによって一般ユーザーには書き込みできないようにすることが可能であるが、書き換え可能なビットで管理している場合、書き換え可能なように書き換わるおそれもある。
【0008】
本発明の一態様は、上記の事情を鑑み、メモリを搭載した無線タグを用いた無線タグ運用システムにおいて、無線タグのメモリに対するアクセスを選択的に制御することにより、セキュリティを高めた無線タグ運用システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の無線タグ運用システムの一態様は、無線タグ、第1の通信装置及び第2の通信装置を有する。無線タグは、データを記憶するメモリと、第1の電力で動作しメモリからデータを読み出す第1の回路と、第1の電力よりも高い第2の電力で動作しメモリにデータを書き込む第2の回路とを有する。第1の通信装置は、無線タグに対して、第1の回路が動作可能な通信電力を出力し、メモリからデータを読み出すことが可能である。第2の通信装置は、無線タグに対して、第1の回路及び第2の回路が動作可能な通信電力を出力し、メモリからデータを読み出し、かつメモリにデータを書き込みことが可能である。
【0010】
第1の通信装置は第1のユーザーに割り当てられ、第2の通信装置は第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに割り当てられる。第1の通信装置と第2の通信装置はそれぞれ、リーダ/ライタである。第1の通信装置の動作電圧は、第2の通信装置の動作電圧よりも低い。
【0011】
本発明の無線タグ運用システムの一態様は、無線タグと通信装置を有する。無線タグは、データを記憶するメモリと、第1の電力で動作しメモリからデータを読み出す第1の回路と、第1の電力よりも高い第2の電力で動作しメモリにデータを書き込む第2の回路とを有する。通信装置は、無線タグに対して、第1の領域において第1の回路が動作可能な第1の通信電力を出力し、かつ、第1の領域よりも無線タグに近い第2の領域において第1の回路及び第2の回路が動作可能な第2の通信電力を出力する。
【0012】
第1の領域内に無線タグを存在させることが可能な第1のユーザーと、第2の領域内に無線タグを存在させることが可能な第2のユーザーは異なる。通信装置は、リーダ/ライタである。
【0013】
本発明の無線タグ運用システムの一態様は、メモリを含む無線タグと、第1のリーダ/ライタと、第1のリーダ/ライタよりも受信電力が高い第2のリーダ/ライタと、を有する。無線タグは、メモリのデータの読み出し時の消費電力よりも、データの書き込み時の消費電力の方が大きい。また、無線タグは、第1のリーダ/ライタから電波を受信することによりメモリのデータの読み出しのみが行われ、第2のリーダ/ライタから電波を受信することによりメモリのデータの読み出しと書き込みが行われる。
【0014】
第1のリーダ/ライタは第1のユーザーに割り当てられ、第2のリーダ/ライタは、第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに割り当てられる。
【0015】
また、第1のリーダ/ライタは、携帯端末に搭載されている。
【0016】
本発明の無線タグ運用システムの一態様は、メモリを含む無線タグと、リーダ/ライタと、を有する。無線タグは、メモリのデータの読み出し時の消費電力よりも、データの書き込み時の消費電力の方が大きい。また、無線タグは、第1の領域において、リーダ/ライタから電波を受信することにより、メモリのデータの読み出しのみが行われ、第1の領域よりもリーダ/ライタに近い第2の領域において、リーダ/ライタから電波を受信することにより、メモリのデータの読み出しと書き込みが行われる。
【0017】
第1の領域内に無線タグを存在させることができる第1のユーザーと、第2の領域内に無線タグを存在させることができる第2のユーザーは異なる。
【発明の効果】
【0018】
セキュリティを高めた無線タグ運用システムを提供することができる。
【0019】
本発明の無線タグ運用システムに用いられる無線タグは、メモリのデータの読み出し時の消費電力よりも、データの書き込み時の消費電力の方が大きいことが特徴のタグである。このような特徴を有する無線タグは、敢えて、書き込み時の消費電力を低減させる必要がないため、安価に提供されている。よって、コストが安価なタグを用いることができるため、安価な無線タグ運用システムを提供することができる。
【0020】
また、上記の特徴を有する無線タグは、その性能が多機能なものでなく、シンプルで構わないため、型落ちした無線タグなどの既存の資産を用いることができる。このような既存の資産は安価であるため、安価な無線タグ運用システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一態様を説明する図。
【図2】受信電力と通信距離の関係を示すグラフ。
【図3】本発明の一態様を説明する図。
【図4】本発明の一態様を説明する図。
【図5】本発明の一態様を説明する図。
【図6】受信電力と通信距離の関係を示すグラフ。
【図7】無線タグの構成を説明する図。
【図8】無線タグの構成を説明する図。
【図9】無線タグの構成を説明する図。
【図10】無線タグの構成を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなく、その形態および詳細を様々に変更しうることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
【0023】
本実施の形態の無線タグ運用システムについて、図1、2を参照して説明する。本実施の形態の無線タグ運用システムは、第1のユーザーと第2のユーザーで、受信電力の異なるリーダ/ライタを用いることを特徴とする。
【0024】
ここでは、第1のユーザーは一般ユーザーとし、第2のユーザーは上級ユーザーとする。
【0025】
一般ユーザーは、物品101に設けられた無線タグ102を、一般ユーザー用の通信装置であるリーダ/ライタ103にかざす(図1(A)参照)。無線タグ102は、データを記憶するメモリと、第1の電力で動作しメモリからデータを読み出す第1の回路と、第1の電力よりも高い第2の電力で動作しメモリにデータを書き込む第2の回路とを有する。つまり、無線タグ102は、メモリを有し、データ読み出し時の消費電力よりも、データ書き込み時の消費電力の方が大きい無線タグである。
【0026】
無線タグ102は、一般ユーザー向けのリーダ/ライタ103から電波を受信することにより動作する。一般ユーザー向けのリーダ/ライタ103は、その受信電力が弱く、無線タグ102の読み出しを行うことができるが、無線タグ102の書き込み(書き換えも含む)を行うことができない。つまり、リーダ/ライタ103は、無線タグ102に対して、第1の回路が動作可能な通信電力を出力し、メモリからデータを読み出すことが可能なリーダ/ライタである。
【0027】
一方、上級ユーザーは、物品104に設けられた無線タグ105を、上級ユーザー用の通信装置であるリーダ/ライタ106にかざす(図1(B)参照)。無線タグ105は、データを記憶するメモリと、第1の電力で動作しメモリからデータを読み出す第1の回路と、第1の電力よりも高い第2の電力で動作しメモリにデータを書き込む第2の回路とを有する。つまり、無線タグ105は、メモリを有し、データ読み出し時の消費電力よりも、データ書き込み時の消費電力の方が大きい無線タグである。
【0028】
無線タグ105は、上級ユーザー向けのリーダ/ライタ106から電波を受信することにより動作する。上級ユーザー向けのリーダ/ライタ106は、その受信電力が強く、無線タグ102の読み出しと書き込み(書き換えも含む)を行うことができる。つまり、リーダ/ライタ106は、無線タグ105に対して、第1の回路及び第2の回路が動作可能な通信電力を出力し、メモリからデータを読み出し、かつメモリにデータを書き込みことが可能なリーダ/ライタである。
【0029】
このように、一般ユーザーには受信電力が弱いリーダ/ライタ103が割り当てられ、上級ユーザーには受信電力が強いリーダ/ライタ106が割り当てられる。
【0030】
受信電力が異なるリーダ/ライタ103とリーダ/ライタ106の構造上の相違点について以下に説明する。
【0031】
リーダ/ライタ103とリーダ/ライタ106は、その大きさに違いがある。例えば、リーダ/ライタ103は、携帯電話などの携帯端末に搭載されるもので、小型のものである。一方、リーダ/ライタ106は、その大きさに制約がなく、一般的な機能が搭載されたものである。
【0032】
また、リーダ/ライタ103とリーダ/ライタ106は、その動作電圧に違いがある。例えば、リーダ/ライタ103は電池により動作電圧が供給されるもので、その動作電圧に上限が設けられているものである。一方、リーダ/ライタ106は商用電源により動作電圧が供給されるもので、その動作電圧に上限が設けられていないものである。このように、動作電圧に違いをもたせることにより、リーダ/ライタ103とリーダ/ライタ106の放射電力(受信電力)に差をもたせることができる。
【0033】
また、リーダ/ライタ103とリーダ/ライタ106は、そのQ値に違いがある。Q値は、アンテナの巻き数、アンテナのサイズ、共振容量、アンテナを形成する材料によって依存する値であり、リーダ/ライタ103のQ値の方がリーダ/ライタ106のQ値よりも小さい。
【0034】
また、リーダ/ライタ103とリーダ/ライタ106は、共振周波数の一致度に違いがある。リーダ/ライタ106は、無線タグの共振周波数に一致するように設定する。リーダ/ライタ103は無線タグの共振周波数から少しずれた点に一致するように設定する。このようにすることで、リーダ/ライタ103とリーダ/ライタ106の放射電力(受信電力)に差をもたせることができる。
【0035】
また、リーダ/ライタ103とリーダ/ライタ106は、そのアンテナの指向性に違いがある。リーダ/ライタ106は指向性が高く、リーダ/ライタ103は指向性が低い。このようにすることで、リーダ/ライタ103とリーダ/ライタ106の通信距離に差をもたせることができる。
【0036】
また、リーダ/ライタ103とリーダ/ライタ106の構造上の相違点ではないが、リーダ/ライタ103は普及品を用い、リーダ/ライタ106はカスタマイズ品を用いるとよい。リーダ/ライタ106のみに、カスタマイズ品を用いることにより、仮に普及品を手に入れたとしても、データの改竄が容易にできないということになり、セキュリティ上好ましい。
【0037】
本実施の形態の無線タグ運用システムは、メモリを搭載した無線タグにおいて、無線タグの読み出しと、無線タグの書き込みで必要な電力に差があることを活用するものである。なお、このように、必要な電力に差が出ることは、無線タグの書き込みに必要な電圧調達に昇圧回路を用いたときに顕著に生じる。
【0038】
図2は、受信電力と通信距離の関係を示したものであり、縦軸は受信電力、横軸は無線タグとリーダ/ライタの間の距離(通信距離)を示す。縦軸のA点は、無線タグの読み出しに必要な電力を示し、B点は無線タグの書き込み(書き換えも含む)に必要な電力を示す。
【0039】
図2において、プロット111は、受信電力が弱い一般ユーザー向けのリーダ/ライタ103の受信電力を示す。プロット111に示されるように、リーダ/ライタ103の受信電力は、通信距離がDの値までの間はA点を超えているものの、B点を超えることはない。
【0040】
つまり、一般ユーザーは、通信距離がDの値までの間は、無線タグ102の読み出しを行うことができる。また、通信距離に依らず、無線タグ102の書き込みを行うことはできない。
【0041】
一方、プロット112は、受信電力が強い上級ユーザー向けのリーダ/ライタ106の受信電力を示す。プロット112に示されるように、リーダ/ライタ106の受信電力は、通信距離がCまでの間はA点を超えており、通信距離がEの値までの間はB点を超えている。
【0042】
つまり、上級ユーザーは、無線タグ105とリーダ/ライタの106の距離がCの値までの間は、無線タグ105の読み出しと書き込みを行うことができる。また、通信距離がEの値までの間は、無線タグ105の読み出しを行うことができる。
【0043】
このように、受信電力が異なるリーダ/ライタを用いることにより、複数のユーザー間で無線タグのメモリに対するアクセスを選択的に制御することによって、セキュリティを向上させた無線タグ運用システムを提供することができる。
(実施の形態2)
【0044】
本実施の形態の無線タグ運用システムについて、図3〜6を参照して説明する。本実施の形態の無線タグ運用システムは、第1のユーザーと第2のユーザーで、無線タグとリーダ/ライタの通信距離を制御することを特徴とする。
【0045】
ここでは、第1のユーザーは一般ユーザーとし、第2のユーザーは上級ユーザーとする。また、入退場管理システムを例に挙げて説明する。
【0046】
一般ユーザー131は、ユーザー自身が身につけている無線タグ122を、通信装置であるリーダ/ライタ123にかざす(図2(A)参照)。無線タグ122は、データを記憶するメモリと、第1の電力で動作しメモリからデータを読み出す第1の回路と、第1の電力よりも高い第2の電力で動作しメモリにデータを書き込む第2の回路とを有する。つまり、無線タグ122は、メモリを有し、データ読み出し時の消費電力よりも、データ書き込み時の消費電力の方が大きい無線タグである。
【0047】
リーダ/ライタ123は、第1の領域において第1の回路が動作可能な第1の通信電力を出力し、かつ、第1の領域よりも無線タグ122に近い第2の領域において第1の回路及び第2の回路が動作可能な第2の通信電力を出力するリーダ/ライタである。また、リーダ/ライタ123は、第1の領域においてメモリからデータを読み出すことが可能であり、第2の領域においてメモリからデータを読み出し、かつメモリにデータを書き込むことが可能である。
【0048】
リーダ/ライタ123と一般ユーザー131の間には、その距離を制御する距離制御手段124が設けられている。リーダ/ライタ123を起点として考えると、まず、距離制御手段124が設けられている領域126があり、領域126に隣接して領域127がある(図2(C)参照)。一般ユーザー131は、領域127において、無線タグとの交信が可能であるが、リーダ/ライタ123との間に領域126が設けられているため、受信電力が弱く、無線タグ122の読み出しを行うことができるものの、無線タグ122の書き込み(書き換えを含む)を行うことができない。
【0049】
上級ユーザー132は、ユーザー自身が身につけている無線タグ125を、一般ユーザー131向けと同じリーダ/ライタ123にかざす(図2(B)参照)。無線タグ125は、メモリを有し、無線タグ122と同様、データ読み出し時の消費電力よりも、データ書き込み時の消費電力の方が大きい無線タグである。
【0050】
リーダ/ライタ123と上級ユーザー132の間には、その距離を制御する距離制御手段は設けられていない。そのため、上級ユーザー132は、領域126において、無線タグとの交信が可能となる。一般ユーザー131は、リーダ/ライタ123に近い領域で交信が可能なため、その受信電力が強く、無線タグ125の読み出しと書き込みを行うことができる。
【0051】
距離制御手段124は、電波を遮蔽しない材料で作られている。以下には、距離制御手段124の例を挙げて説明する。
【0052】
距離制御手段124として、箱、机、手すり、柵、棚等が挙げられる。例えば、距離制御手段124として机135を用いる場合について説明する(図4(A)参照)。机135は、引き出しが付いており、その引き出しの中にリーダ/ライタ123が設けられている。一般ユーザー131は、机135を介して、無線タグ122をリーダ/ライタ123にかざす。一方、上級ユーザー132は、机135の中から無線タグ125をリーダ/ライタ123にかざす。
【0053】
距離制御手段124として机135を用いる場合、机135が設けられるエリアを、一般ユーザー131が進入可能なエリア136と、上級ユーザー132が進入可能なエリア137に区切るとよい(図4(B)参照)。そして、駅の改札口のように、ユーザーが通過できる領域を一方向にするとよい。
【0054】
また、机135に鍵のかかる引き出し138を設けてもよい(図4(C)参照)。鍵を開けられるのは上級ユーザー132のみとする。
【0055】
また、距離制御手段124として、柱、部屋、壁、門扉、ショーウィンドウなどが挙げられる。例えば、距離制御手段124として柱139を用いる場合について説明する(図5(A)参照)。柱139の中にリーダ/ライタ123が設けられている。一般ユーザー131は、無線タグ122を、柱139の一方の面からリーダ/ライタ123にかざす。上級ユーザー132は、柱139の他方の面からリーダ/ライタ123にかざす。
【0056】
また、距離制御手段124として小部屋143を用いる場合について説明する(図5(B)参照)。小部屋143は、警備員の詰め所141内に設けられており、詰め所141は門扉140に隣接して設けられている。訪問客などの一般ユーザー131は、ガラス窓142越しに、無線タグ122をリーダ/ライタ123にかざす。警備員などの上級ユーザー132は、無線タグ125をリーダ/ライタ123にかざす。
【0057】
また、距離制御手段124として小部屋144を用いる場合について説明する(図5(C)、(D)参照。図5(D)は図5(C)の断面図)。小部屋144は、ショーウィンドウに設けられている。一般ユーザー131は、ガラス窓越しに、無線タグ122をリーダ/ライタ123にかざす。また、上級ユーザー132は、ガラス窓を介することなく、無線タグ125をリーダ/ライタ123にかざす。
【0058】
本実施の形態の無線タグ運用システムでは、領域127内に無線タグを存在させることが可能なユーザーと、領域127よりもリーダ/ライタに近い領域126に無線タグを存在させることが可能なユーザーが異なるものであり、リーダ/ライタの受信電力と、リーダ/ライタと無線タグの間の距離(通信距離)が反比例することを活用するシステムである。
【0059】
図6は、受信電力と通信距離の関係を示したものであり、縦軸は受信電力、横軸は無線タグとリーダ/ライタの間の距離(通信距離)を示す。縦軸のA点は、無線タグの読み出しに必要な電力を示し、B点は無線タグの書き込み(書き換えも含む)に必要な電力を示す。
【0060】
図6において、プロット114は、リーダ/ライタ123の受信電力を示す。プロット114に示されるように、リーダ/ライタ106の受信電力は、通信距離がCまでの間はA点を超えており、通信距離がEの値までの間はB点を超えている。
【0061】
つまり、ユーザーは、無線タグ105とリーダ/ライタの106の距離がCの値までの間は、無線タグ105の読み出しと書き込みを行うことができる。また、通信距離がEの値までの間は、無線タグ105の読み出しを行うことができる。
【0062】
このように、通信距離と受信電力が反比例することを活用することにより、複数のユーザー間で無線タグのメモリに対するアクセスを選択的に制御することによって、セキュリティを向上させた無線タグ運用システムを提供することができる。
【実施例1】
【0063】
本実施例では、本発明の無線タグ運用システムの一態様を用いた例について説明する。
【0064】
一般ユーザーがある物品の購入予定者であり、上級ユーザーが販売者であるとする。
【0065】
一般ユーザーである購入予定者は、携帯電話に搭載されたリーダ/ライタにより、物品の無線タグの読み出しを行うことで、その物品の情報を理解することができる。そのため、それらの情報を用いて、物品の購入を検討することができる。
【0066】
一方、上級ユーザーである販売者側にとっては、一般ユーザーに対する利便性を高めつつ、一般ユーザーのアクセスによって、物品の無線タグの書き込みが行われる恐れがない。そのため、安心してこの無線タグ運用システムを運用することができる。
【0067】
このように、本発明の無線タグ運用システムにより、一般ユーザーと上級ユーザーという複数のユーザーに対して、無線タグのメモリに対するアクセスが選択的に制御することができるため、セキュリティを向上させることができる。
【実施例2】
【0068】
本実施例では、無線タグの構成について図7を用いて説明する。
【0069】
無線タグ700は、RF回路701、クロック信号生成回路702、ロジック回路703、及びアンテナ部718におけるアンテナ717により構成されている。データの伝送形式は、一対のコイルを対向配置して相互誘導によって交信を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信する電波方式の3つに大別され、いずれの方式を用いてもよい。
【0070】
RF回路701は、電源回路704、復調回路705及び変調回路706を有する。クロック信号生成回路702は、分周回路707、カウンタ回路709及び基準クロック生成回路719を有する。ロジック回路703は、演算処理を行う機能を有し、コントローラ713、CPU710と、ROM711及びRAM712を有する。コントローラ713は、CPUインターフェース714、RFインターフェース715及びメモリコントローラ716を有する。
【0071】
電源回路704は、整流回路と保持容量を有し、受信した信号から電源電圧を生成し、その他の回路に供給する機能を有する。また、復調回路705は、整流回路LPF(ローパスフィルタ)を有し、通信信号からコマンドやデータを抽出する機能を有する。変調回路706は、送信データを変調する機能を有し、変調されたデータは、アンテナ717から送信信号として送信される。
【0072】
無線タグ700に入力された受信信号は、復調回路705で復調された後、コントローラ713におけるRFインターフェース715に出力される。RFインターフェース715に入力された受信信号は、CPUインターフェース714を介してCPU710で演算処理される。また、RFインターフェース715に入力された受信信号により、メモリコントローラ716を介してROM711、RAM712に対するアクセスが行われる。
【0073】
そして、CPU710による演算処理、ROM711、RAM712におけるデータの入出力後に送信データが生成され、送信データは、信号として変調回路706で変調され、アンテナ717から外部の通信装置に送信される。
【0074】
本実施例は、他の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
【実施例3】
【0075】
本実施例では、無線タグの製造方法について、図8、9を用いて説明する。ここでは、同一基板上に、ロジック回路部550、メモリ部552、アンテナ部及び電源部554を設けた無線タグを製造する一例を示す。
【0076】
基板501上に剥離層となる金属層502を形成する。基板501としてはガラス基板を用いる。金属層502としては、スパッタリング法により得られるタングステン層、窒化タングステン層、またはモリブデン層を用いる。
【0077】
次に、金属層502上に絶縁層503を形成する。絶縁層503としては、酸化シリコン層、窒化シリコン層または酸化窒化シリコン層等の絶縁層を形成する。絶縁層503は下地絶縁層として機能するが、特に必要なければ設けなくともよい。
【0078】
次に、絶縁層503上に半導体層を形成する。半導体層は、アモルファス構造を有する半導体層をLPCVD法或いはプラズマCVD法などのCVD法、又はスパッタリング法により成膜した後、結晶化を行って得られた結晶質半導体層を選択的にエッチングして所望の形状に加工する。結晶化方法としては、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、ニッケルなどの結晶化を助長する金属元素を用いる結晶化法などを用いればよい。なお、半導体層をプラズマCVD法により成膜すれば、絶縁層503及びアモルファス構造を有する半導体層を大気に触れることなく連続成膜することができる。半導体層の材料は特に限定されないが、好ましくはシリコン又はシリコンゲルマニウムなどで形成する。
【0079】
次に、半導体層を覆う絶縁層を形成する。絶縁層はCVD法またはスパッタリング法を用い、膜厚を1nm〜200nmとする。絶縁層は、後に形成される薄膜トランジスタのゲート絶縁層として機能する。
【0080】
次に、絶縁層上に、ゲート電極504〜508とメモリ素子の下部電極となる第1の電極509を形成する。スパッタリング法により得られた導電層を選択的にエッチングして、所望の形状に加工してゲート電極504〜508と第1の電極509を得る。
【0081】
ゲート電極504〜508と第1の電極509の材料としては、タングステン、チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タンタル、コバルト、ジルコニウム、バナジウム、パラジウム、ハフニウム、白金、鉄などの単体、又はこれらの合金或いは化合物から選ばれる材料の単層、又は積層構造で形成する。
【0082】
次に、pチャネルトランジスタとする領域の半導体層を覆うようにレジストマスクを形成し、nチャネルトランジスタとする領域の半導体層にゲート電極505〜507をマスクとして不純物元素を導入することにより低濃度不純物領域を形成する。
【0083】
次に、レジストマスクを除去して、nチャネルトランジスタとする半導体層を覆うようにレジストマスクを形成し、pチャネルトランジスタとする領域の半導体層にゲート電極504、ゲート電極508をマスクとして不純物元素を導入することによりp型を示す不純物領域を形成する。その結果、pチャネルトランジスタとする領域の半導体層に、自己整合的にチャネル形成領域516a及び一対のp型不純物領域514aと、チャネル形成領域516b及び一対のp型不純物領域514bが形成される。p型不純物領域514a、514bは、ソース領域又はドレイン領域として機能する。
【0084】
次に、ゲート電極504〜ゲート電極508と第1の電極509の側面にサイドウォール絶縁層510、サイドウォール絶縁層511を形成する。
【0085】
次に、pチャネルトランジスタとする半導体層を覆うようにレジストマスクを形成し、nチャネルトランジスタとする領域の半導体層にゲート電極505−507及びサイドウォール絶縁層510をマスクとして不純物元素を導入することにより高濃度不純物領域を形成する。不純物元素の導入後、レジストマスクは除去する。
【0086】
その結果、nチャネルトランジスタとする領域の半導体層に、自己整合的に、チャネル形成領域521a、LDD領域として機能する一対の低濃度不純物領域519a及びソース領域又はドレイン領域として機能する一対の高濃度不純物領域517aと、チャネル形成領域521c、LDD領域として機能する一対の低濃度不純物領域519c及びソース領域又はドレイン領域として機能する一対の高濃度不純物領域517cと、が形成される。同時に、容量とする領域の半導体層に、自己整合的に第1不純物領域521bと、第2不純物領域519bと、第3不純物領域517bと、が形成される。第1不純物領域521bは、ゲート絶縁層を介してゲート電極506と重なる領域に形成される。なお、第1不純物領域521bには、ゲート電極506を形成する前までに、選択的に高濃度の不純物元素が添加されている。したがって、第1不純物領域521bは、チャネル形成領域521a及びチャネル形成領域521cよりも不純物濃度が大きくなっている。なお、LDD領域として機能する低濃度不純物領域519a及び低濃度不純物領域519c、並びに第2不純物領域519bは、サイドウォール絶縁層510の下方に形成される。
【0087】
次に、スパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて、水素を含む絶縁層522を成膜した後、半導体層に添加された不純物元素の活性化処理および水素化処理を行う。不純物元素の活性化処理および水素化処理は、炉での熱処理(300℃〜550℃で1時間〜12時間の熱処理)または、ランプ光源を用いたRTA法を用いる。水素を含む絶縁層522は、例えばプラズマCVD法により得られる窒化酸化シリコン層を用いる。加えて、結晶化を助長する金属元素、代表的にはニッケルを用いて半導体層を結晶化させている場合、活性化と同時にチャネル形成領域におけるニッケルの低減を行うゲッタリングをも行うことができる。なお、水素を含む絶縁層522は、層間絶縁層の1層目である。
【0088】
次に、スパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて層間絶縁層の2層目となる絶縁層523を形成する。絶縁層523としては、酸化シリコン層、窒化シリコン層または酸化窒化シリコン層などの絶縁層の単層または積層を用いる。
【0089】
次に、絶縁層523上にレジストマスクを形成し、選択的に絶縁層522及び絶縁層523をエッチングして第1の電極509に達する第1の開口520を形成する。そして、エッチング後にレジストマスクを除去する。
【0090】
ここまでの工程を経た半導体装置の断面図が図8(A)に相当する。
【0091】
次に、スパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて、酸化窒化シリコン層とアモルファスシリコン層を積層形成する。次に、レジストマスクを形成し、選択的にアモルファスシリコン層と酸化窒化シリコン層をエッチングして、第1の開口520と重なる酸化窒化シリコン層524a、及びアモルファスシリコン層524bを形成する。酸化窒化シリコン層524a、アモルファスシリコン層524bは、メモリ素子の抵抗材料層となる。そして、エッチング後にレジストマスクを除去する(図8(B)参照)。
【0092】
次に、レジストマスクを形成し、選択的に絶縁層522及び絶縁層523をエッチングして、半導体層に達するコンタクトホール、ゲート電極に達するコンタクトホール、第1の電極509に達する第2の開口をそれぞれ形成する。そして、エッチング後にレジストマスクを除去する(図8(C)参照)。
【0093】
次に、フッ酸を含むエッチャントで露呈している半導体層表面及び露呈している第1の電極509表面の酸化膜を除去すると同時に露呈している半導体層の表面及び露呈している第1の電極509表面を洗浄する。
【0094】
次に、メモリ素子の上部電極や薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極などを形成するため、スパッタリング法を用いて導電層を形成する。この導電層は、タングステン、チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タンタル、コバルト、ジルコニウム、バナジウム、パラジウム、ハフニウム、白金、鉄などの単体、又はこれらの合金或いは化合物の単層、またはこれらの積層で形成する。
【0095】
次に、レジストマスクを形成し、選択的に導電層をエッチングして、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電層525〜534、ゲート引出配線となる配線535〜539、メモリ部の第2の電極540及び第3の電極541、アンテナ部の第4の電極542を形成する。第2の電極540は第1の開口520と重なりメモリ素子の上部電極となる。また、第3の電極541は、第2の開口と重なり、第1の電極509と電気的に接続する。なお、ここでは図示しないが、第4の電極542は、アンテナ部及び電源部の薄膜トランジスタと電気的に接続している。そして、エッチング後にレジストマスクを除去する。
【0096】
ここまでの工程を経た半導体装置の断面図が図8(D)に相当する。本実施例では、同一基板上にロジック回路部550の薄膜トランジスタと、メモリ部552の薄膜トランジスタ及びメモリ素子560と、アンテナ部及び電源部554の薄膜トランジスタとを形成することができる。ここでは、ロジック回路部550に設けられたpチャネルトランジスタとnチャネルトランジスタ、メモリ部552に設けられたpチャネルトランジスタとメモリ素子560、アンテナ部及び電源部554に設けられた容量とnチャネルトランジスタの断面図を示している。
【0097】
次に、ロジック回路部550の薄膜トランジスタと、メモリ部552の薄膜トランジスタ及びメモリ素子と、アンテナ部及び電源部554の薄膜トランジスタを覆う絶縁層543を形成する。絶縁層543は、酸化シリコンを含む絶縁層または有機樹脂でなる絶縁層を用いることができるが、無線タグの信頼性を向上させる上では酸化シリコンを含む絶縁層を用いることが好ましい。また、後に形成するアンテナをスクリーン印刷法で形成する場合には平坦面を有していることが望ましいため、塗布法を用いる有機樹脂でなる絶縁層を用いることが好ましい。絶縁層543を形成する材料は、実施者が適宜選択すればよい。また、後に形成するアンテナはロジック回路部550及びメモリ部552と重なる領域まで形成されてもよい。この場合、絶縁層543は、アンテナと、ロジック回路部550の素子及びメモリ部552の素子との絶縁を図る層間絶縁層としても機能する。輪状(例えば、ループアンテナ)又はらせん状のアンテナとする場合には、アンテナの両端のうち一方を下層に形成する配線で引き回すため、絶縁層543を設けることが好ましい。ただし、マイクロ波方式を適用し、線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)等のアンテナとする場合には、後に形成するアンテナがロジック回路部及びメモリ部と重ならないように配置できるため、絶縁層543は特に設けなくともよい。
【0098】
次に、レジストマスクを形成し、選択的に絶縁層543をエッチングして、第3の電極541に達する第3の開口と、第4の電極542に達する第4の開口を形成する。そして、エッチング後にレジストマスクを除去する(図9(A)参照)。
【0099】
次に、絶縁層543上に金属層を形成する。次に、レジストマスクを形成し、選択的に金属層をエッチングして、第1の電極509の引出配線部562に引出配線544と、アンテナの下地層545を形成する(図9(B)参照)。
【0100】
次に、アンテナ下地層545上にアンテナ546を形成する。アンテナ546はスパッタリング法を用いて金属層を形成した後、選択的にエッチングして所望の形状に加工する方法、或いはスクリーン印刷法を用いることができる図9(C)参照)。
【0101】
次に、剥離を行って金属層502及び基板501を除去する。剥離は、金属酸化物層内、絶縁層503と金属酸化物層の界面、又は金属酸化物層と金属層502との界面で生じさせることができ、比較的小さな力で無線タグとなる第1の絶縁層503より上層側を基板501から引き剥がすことができる。また、金属層502及び基板501を除去する際にアンテナを設ける側に固定基板を接着してもよい。
【0102】
次に、無線タグをシート状の基体に固定する。シート状の基体としては、プラスチック、紙、プリプレグ、セラミックシートなどを用いることができる。2枚のシート状の基体に無線タグを挟むように固定してもよいし、1枚のシート状の基体に接着層で固定してもよい。接着層としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。また、紙の形成途中に無線タグを配置して、1枚の紙の内部に無線タグを設けることもできる。
【0103】
本実施例は、他の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
【実施例4】
【0104】
無線タグが搭載される物品について、図10を用いて説明する。無線タグ800が搭載される物品は広範囲にわたり、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図10(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図10(C)参照)、録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図10(B)参照)、乗り物類(自転車等、図10(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、または電子機器(液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話)等の物品、若しくは各物品に取り付ける荷札(図10(E)、図10(F)参照)等が挙げられる。
【0105】
本実施例は、他の実施の形態、実施例と自由に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0106】
101 物品
102 無線タグ
103 リーダ/ライタ
104 物品
105 無線タグ
106 リーダ/ライタ
111 プロット
112 プロット
114 プロット
122 無線タグ
123 リーダ/ライタ
124 距離制御手段
125 無線タグ
126 領域
127 領域
131 一般ユーザー
132 上級ユーザー
135 机
136 エリア
137 エリア
138 引き出し
139 柱
140 門扉
141 詰め所
142 ガラス窓
143 小部屋
144 小部屋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶するメモリと、第1の電力で動作し前記メモリからデータを読み出す第1の回路と、前記第1の電力よりも高い第2の電力で動作し前記メモリにデータを書き込む第2の回路とを有する無線タグと、
前記無線タグに対して、前記第1の回路が動作可能な通信電力を出力し、前記メモリからデータを読み出すことが可能な第1の通信装置と、
前記無線タグに対して、前記第1の回路及び前記第2の回路が動作可能な通信電力を出力し、前記メモリからデータを読み出し、かつ前記メモリにデータを書き込みことが可能な第2の通信装置と、
備えたことを特徴とする無線タグ運用システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の通信装置は第1のユーザーに割り当てられ、前記第2の通信装置は前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに割り当てられることを特徴とする無線タグ運用システム。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置はそれぞれ、リーダ/ライタであることを特徴とする無線タグ運用システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記第1の通信装置の動作電圧は、前記第2の通信装置の動作電圧よりも低いことを特徴とすることを特徴とする無線タグ運用システム。
【請求項5】
データを記憶するメモリと、第1の電力で動作し前記メモリからデータを読み出す第1の回路と、前記第1の電力よりも高い第2の電力で動作し前記メモリにデータを書き込む第2の回路とを有する無線タグと、
前記無線タグに対して、第1の領域において前記第1の回路が動作可能な第1の通信電力を出力し、かつ、前記第1の領域よりも前記無線タグに近い第2の領域において前記第1の回路及び前記第2の回路が動作可能な第2の通信電力を出力する通信装置と、
を備えたことを特徴とする無線タグ運用システム。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1の領域内に前記無線タグを存在させることが可能な第1のユーザーと、前記第2の領域内に前記無線タグを存在させることが可能な第2のユーザーは異なることを特徴とする無線タグ運用システム。
【請求項7】
請求項5において、
前記通信装置は、リーダ/ライタであることを特徴とする無線タグ運用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−48617(P2011−48617A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196378(P2009−196378)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】