説明

無線タグ通信装置

【課題】高周波回路を被覆するシールド部材の内部の熱を放熱することができると共に、無線通信を行う場合には外部からのノイズの影響を防止することができる無線タグ通信装置を提供する。
【解決手段】無線タグに対し無線通信を行うための信号を送受信可能なアンテナと、前記アンテナを介して前記信号の送受信を行なう高周波回路と、電磁波を遮蔽する部材で形成され、前記高周波回路を被覆するシールド部材と、前記シールド部材に備えられて、電磁波を遮蔽する部材で形成された開閉可能なシャッター部材を有する通気部と、前記アンテナを介して信号の送信を行っている場合に、前記シャッター部材が前記通気部を塞ぐように駆動すると共に、前記アンテナを介して信号の送信を行っていない場合に、前記シャッター部材が前記通気部を開放するように駆動することが可能な駆動部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波回路を被覆するシールド部材内部の熱を放熱するための通気部を備えた無線タグ通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線タグと、無線タグ通信装置との間で無線通信を行い、情報の読み取りや書き込みを行うRadio Frequency Identification(以下、RFIDとする)システムが知られている。
【0003】
このRFIDシステムに用いられる無線タグ通信装置は、その筐体の内部に、アンテナを介して無線タグとの間で無線通信を行うための信号の送受信を行う高周波回路を有している。この高周波回路は、アンテナから送信する電波を生成する変調器や高周波信号を増幅する増幅器などを備えており、その発熱量が大きい。
【0004】
高周波回路が過度に高熱になるとその性能が低下して、例えば通常の場合と比較して無線タグとの通信距離が短くなるなど、無線タグ通信装置の信頼性を確保することが困難になる。また、変調器や増幅器などの故障の原因ともなる。
【0005】
そこで、無線タグ通信装置の筐体の内部の温度が過度に上昇してしまうのを防止するために、基板上に実装された高周波回路が発生する熱を、熱伝導性の高いブロック部材やフレーム部材を介して筐体を構成するケース全体へ放熱する無線通信装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−223881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、熱伝導性の高いブロック部材やフレーム部材に接していない箇所からは十分に放熱が行われず、筐体内部の熱を十分に放熱できないことが懸念される。また、筺体内部を空冷することも考えられるが、無線通信を行う場合に外部からノイズの影響を受ける可能性がある。
【0008】
本発明は、高周波回路を被覆するシールド部材の内部の熱を放熱することができると共に、無線通信を行う場合には外部からのノイズの影響を防止することができる無線タグ通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1発明の無線タグ通信装置は、無線タグに対し無線通信を行うための信号を送受信可能なアンテナと、前記アンテナを介して前記信号の送受信を行なう高周波回路と、電磁波を遮蔽する部材で形成され、前記高周波回路を被覆するシールド部材と、前記シールド部材に備えられて、電磁波を遮蔽する部材で形成された開閉可能なシャッター部材を有する通気部と、前記アンテナを介して信号の送信を行っている場合に、前記シャッター部材が前記通気部を塞ぐように駆動すると共に、前記アンテナを介して信号の送信を行っていない場合に、前記シャッター部材が前記通気部を開放するように駆動することが可能な駆動部とを有することを特徴とする。
【0010】
第2発明の無線タグ通信装置は、上記第1発明の構成に加えて、前記無線タグに対して前記信号の送信開始を指示する開始情報と前記無線タグに対して前記信号の送信終了を指示する終了情報を入力可能な操作部と、前記操作部により入力された情報が前記開始情報であるか、あるいは前記終了情報であるかを判断する判断手段と、前記駆動部の制御を行う駆動制御部とを備え、前記駆動制御部は、前記判断手段により前記開始情報が入力されたと判断された場合には、前記シャッター部材が前記通気部を塞ぐように前記駆動部の制御を行い、あるいは、前記判断手段により前記終了情報が入力されたと判断された場合には、前記駆動制御部は、前記シャッター部材が前記通気部を開放するように前記駆動部の制御を行うことを特徴とする。
【0011】
第3発明の無線タグ通信装置は、上記第2発明に加えて、前記シールド部材の内部の温度を検出可能な温度センサと、前記温度センサにより検出された前記温度が第1温度以上であるか否かを判断する温度判断手段とを備え、前記温度判断手段により前記温度が第1温度以上であると判断された場合に、前記高周波回路は、前記無線タグに対して前記信号の送信を終了すると共に、前記駆動制御部は、前記シャッター部材が前記通気部を開放するように前記駆動部の制御を行うことを特徴とする。
【0012】
第4発明の無線タグ通信装置は、上記第3発明に加えて、前記判断手段により前記開始情報が入力されたと判断された場合に、前記温度判断手段は、前記温度センサにより検出された前記温度が前記第1温度より低い温度であって、無線通信可能な第2温度以下であるか否かを判断し、前記温度判断手段により前記温度が第2温度以下であると判断された場合に、前記駆動制御部は、前記シャッター部材が前記通気部を塞ぐように前記駆動部の制御を行うと共に、前記高周波回路は前記アンテナを介して前記信号を送信することを特徴とする。
【0013】
第5発明の無線タグ通信装置は、上記第3又は第4発明に加えて、前記温度センサにより検出した前記温度に基づき、報知が可能な報知部を備え、前記温度判断手段により、前記温度が前記第1温度以上であると判断された場合、あるいは前記温度が前記第2温度以下であると判断された場合に、前記報知部は報知を行うことを特徴とする。
【0014】
第6発明の無線タグ通信装置は、上記第4発明に加えて、前記温度センサにより検出した前記温度に基づき、報知が可能な報知部を備え、前記温度判断手段は、さらに、前記温度センサにより検出された前記温度が前記第1温度より低い温度であって、前記第2温度より高い第3温度以上であるか否かを判断し、前記温度判断手段により、前記温度が第3温度以上であると判断した場合に、前記報知部は報知を行うことを特徴とする。
【0015】
第7発明の無線タグ通信装置は、上記第1ないし第6発明のいずれかに加えて、前記シールド部材は筺体で構成され、前記通気部は、前記高周波回路が配置される基板の上方に位置する前記筐体の上面に設けられることを特徴とする。
【0016】
第8発明の無線タグ通信装置は、上記第1ないし第6発明のいずれかに加えて、前記シールド部材は筺体で構成され、前記通気部は、前記高周波回路が配置される基板表面に空気が流入するように、前記筐体の側面に対向して複数設けられることを特徴とする。
【0017】
第9発明の無線タグ通信装置は、上記第7又は第8発明に加えて、前記筐体と前記シャッター部材は導電部材で形成されていると共に、前記筐体と前記シャッター部材が電気的に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明の無線タグ通信装置によれば、高周波回路が発熱することによってシールド部材の内部温度が過剰に上昇しても、シャッター部材が通気部を開放するように駆動することが可能な駆動部を備えているので、シールド部材の内部の熱を効果的に放熱することができる。これにより、通信距離が短くなるなどの高周波回路の性能の低下を防止することができる。
【0019】
また、無線タグ通信装置がアンテナを介して信号の送信を行っていない場合にシールド部材に形成された通気部を開放する。一方、無線タグ通信装置が前記アンテナを介して信号の送信を行っている場合に、電磁波を遮蔽する部材で形成されたシャッター部材で通気部を塞ぐように構成されている。そのため、無線タグとの無線通信のための信号に対する外部からのノイズの影響を防止することができる。
【0020】
請求項2の発明の無線タグ通信装置によれば、請求項1に記載の効果に加え、シャッター部材を駆動させる駆動部の制御を行う駆動制御部を備えており、判断手段により、操作部から前記開始情報が入力されたと判断された場合には、シャッター部材が通気部を塞ぐように駆動部の制御を行う。
【0021】
あるいは、判断手段により終了情報が入力されたと判断された場合には、駆動制御部は、シャッター部材が通気部を開放するように駆動部の制御を行う。このため、シールド部材の内部の放熱をより効率よく行うことができると共に、無線タグとの無線通信に対する外部からのノイズの影響をより効率よく防止することができる。
【0022】
請求項3の発明の無線タグ通信装置によれば、請求項2に記載の効果に加え、温度判断手段によりシールド部材の内部の温度が第1温度以上であると判断された場合に、高周波回路は、信号の送信を終了すると共に、駆動制御部は、シャッター部材が通気部を開放するように駆動部の制御を行う。
【0023】
そのため、シールド部材の内部が第1温度以上になれば、確実に信号の送信を終了して、シャッター部材が通気部を開放するように駆動するので、シールド部材の内部の放熱をより効率よく行うことができる。
【0024】
請求項4の発明の無線タグ通信装置によれば、請求項3に記載の効果に加え、一旦、シールド部材の内部の温度が第1温度以上になって、信号の送信を終了して通気部を開放したときに、操作部により開始情報が入力されたと判断された場合であっても、無線通信可能な第2温度以下であるか否かを判断して、第2温度以下であれば、通気部をシャッター部材で塞いで、無線通信のための信号の送信を行う。
【0025】
これにより、シャッター部材を開放してからまだ十分に放熱が行われていないのに、無線通信を再開することを防止することができる。
【0026】
請求項5の発明の無線タグ通信装置によれば、請求項3又は4に記載の発明の効果に加え、温度判断手段により、シールド部材の内部の温度が第1温度以上であると判断された場合、あるいは第2温度以下であると判断された場合に、報知部が報知を行う。
【0027】
これにより、少なくとも、放熱のために無線通信を終了すること、あるいは無線通信を再開することのいずれかをユーザに報知することができる。
【0028】
請求項6の発明の無線タグ通信装置によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、温度判断手段は、さらに、前記温度センサにより検出された前記温度が前記第1温度より低い温度であって、前記第2温度より高い第3温度以上であるか否かを判断する。そして、温度判断手段により、シールド部材の内部の温度が第3温度以上であると判断された場合に、報知部が報知を行う。
【0029】
これにより、このまま無線通信を継続すると無線通信を終了する第1温度に達して、もうすぐ無線通信を終了する可能性があることをユーザに報知することができる。
【0030】
請求項7の発明の無線タグ通信装置によれば、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明の効果に加え、効率よく筐体内部の放熱を行うことができる。
【0031】
請求項8の発明の無線タグ通信装置によれば、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明の効果に加え、効率よく筐体内部の放熱を行うことができる。
【0032】
請求項9の発明の無線タグ通信装置によれば、請求項7又は8に記載の発明の効果に加え、筐体とシャッター部材との間を電気的に接続することで、筐体とシャッター部材との間に余計な磁界が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施形態の無線タグ通信装置の外観を示す斜視図であり、通気孔が開いている状態を示す図である。
【図2】無線タグ通信装置の電気的構成を表すブロック図である。
【図3】図1の筐体の側面部に形成された通気孔をシャッター部材が塞いでいる状態を示す側面部の一部を拡大した断面図である。
【図4】図1の筐体の側面部に形成された通気孔が開放されている状態を示す側面部の一部を拡大した断面図である。
【図5】フラッシュROMに記憶される報知温度に対応する設定温度の一例を示す表である。
【図6】本実施形態の無線タグ通信装置のCPUによって実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の無線タグ通信装置のCPUによって実行されるタグ通信開始処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態の無線タグ通信装置のCPUによって実行されるタグ通信停止処理を示すフローチャートである。
【図9】変形例の無線タグ通信装置のCPUによって実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、本実施形態の無線タグ通信装置100について説明する。図1において、無線タグ通信装置100は、特に図示しない無線タグと非接触で信号の送受信を行うものであり、ユーザが携帯しながら操作可能な携帯型の無線タグ通信装置100である。
【0035】
筐体110は、図1のように、略直方体形状であって、電磁波を遮蔽する部材で形成される。電磁波を遮蔽する部材として、例えば、金属材料、カーボン含有樹脂などがあげられる。その内部には、後述する高周波回路314(図2参照)などを備えた基板310を有している。基板310は、筺体110の下面部114に設けられている。また、筺体110は前方にアンテナ152とその下方に把持部118を有する。なお、筐体110は本発明のシールド部材に相当する。
【0036】
通気孔200は、筺体110の内部の熱を放熱するために設けられ、基板310の上方に位置する上面部111に設けられている。また、基板310の表面に対して空気が流入するように、筐体110の側面部112と、その側面部112に対向する側面部113に複数の通気孔200が設けられている。なお、通気孔200の開閉を行うシャッター部材220については後述する(図2ないし図4参照)。通気孔200は本発明の通気部である。
【0037】
アンテナ152は、筺体110の前面部116に、筺体110に対して略垂直となるように立設されて、無線タグに対して信号の送受信を行う。このアンテナ152は、図示しない周知の放射器及び反射器等を備えている。
【0038】
把持部118は、ユーザが無線タグ通信装置100を携帯するときに把持するためのもので、筺体110の下部に設けられる。この把持部118は、トリガスイッチ170を備えている。
【0039】
トリガスイッチ170は、無線タグとの無線通信の開始と終了を指示するためのスイッチである。ユーザがトリガスイッチ170を指で引くことで、無線タグに対して無線通信を行うための信号の送信開始を指示する情報が入力される。
【0040】
その後、ユーザがトリガスイッチ170を引いた指を離すと、トリガスイッチ170は元の位置に戻り、これにより、無線タグに対して無線通信を行うための信号の送信終了を指示する情報が入力される。このトリガスイッチ170が本発明の操作部である。
【0041】
なお、トリガスイッチ170の代わりに、図示しない操作ボタンで無線タグとの無線通信の開始と終了を指示できるようにしてもよい。また、図示しないテンキーなどの操作ボタン、電源ON/OFFスイッチなどが設けられていてもよい。
【0042】
表示部160は、筐体110の上面部111に設けられる。表示部160は、例えば液晶ディスプレイ等からなり、各種表示を行う。
【0043】
次に、図2を用いて、無線タグ通信装置100の電気的構成を説明する。無線タグ通信装置100は、CPU311、フラッシュROM312、RAM313、高周波回路314、駆動部315、温度センサ180、トリガスイッチ170、表示部160、報知部190、接触センサ185を備え、それらはバス19を介して電気的に接続されている。なお、CPU311、フラッシュROM312、RAM313、高周波回路314、駆動部315、温度センサ180は図1の基板310に備えられている。
【0044】
CPU311は、中央演算処理装置であって、無線タグ通信装置100による無線タグとの間の通信制御をはじめとする各種制御を実行する。フラッシュROM312は記憶手段であり、RAM313は随時書込読出メモリである。CPU311はRAM313の一時記憶機能を利用するのと並行して、フラッシュROM312にあらかじめ記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより無線タグ通信装置100全体の制御を行う。
【0045】
また、CPU311は、下記の高周波回路314を介し、無線タグのIC回路部から送信された信号を復調して情報を読み出すとともに、無線タグのIC回路部へアクセスするための各種コマンド等を生成する。
【0046】
高周波回路314は、無線タグのIC回路部の情報にアクセスするための質問波を生成し、アンテナ152を介して質問波を送信する送信部と、アンテナ152により受信された無線タグのIC回路部からの応答波を入力する受信部と、送受分離器、増幅器等から構成される。なお、送信部、受信部、送受信分離器、増幅器は図示を省略する。
【0047】
駆動部315は、駆動部315と電気的に接続されたソレノイド350を駆動させる機能を備える。
【0048】
ソレノイド350は、筐体110の内側に固着されて、シャッター部材220に接続されている(図3及び図4参照)。ソレノイド350はシャッター部材220を駆動させて、通気孔200の開閉を行う。ソレノイド350によるシャッター部材220の駆動方法については後述する。
【0049】
なお、本実施形態ではソレノイド350を用いているが、モータ等が用いられてもよい。
【0050】
温度センサ180は、筐体110の内部であって、なるべく高周波回路の近傍に配置され、筐体110内部の温度を検出する。
【0051】
接触センサ185は、シャッター部材220の開閉状態を検出するために設けられる。本実施形態では、例えば側面部112において、完全に通気孔200を塞ぐためにシャッター部材220が移動したことを検出できるように側面部112の所定の位置に配置される。図3では、接触センサ185にシャッター部材の左端部が当接したことにより、シャッター部材220が閉じたことを検出できるように構成されている。
【0052】
報知部190は、温度センサ180により検出された温度に基づき、ブザー音を発生する。報知部190がブザー音を発生するタイミングとして、温度センサ180によって検出された温度が、(1)停止温度T1以上になったとき、あるいは、(2)一旦、停止温度T1以上になってから無線通信を行うための開始情報がトリガスイッチ170により入力された場合に、再開温度T2以下になったとき、(3)警告温度T3以上になったとき、の3つの場合のうちのいずれかの条件を満たすときに、報知部190がブザー音を発生する。なお、停止温度T1、再開温度T2、警告温度T3の関係については後述する。
【0053】
本実施形態では、上記(1)及び(3)のときに報知部190がブザー音を発生する。また、変形例では、上記(1)及び(2)のときに報知部190がブザー音を発生する。
【0054】
報知するブザー音は、上記(1)〜(3)のそれぞれの場合毎に、変化させてもよい。なお、停止温度T1が本発明の第1温度に相当し、再開温度T2が本発明の第2温度に相当し、警告温度T3が本発明の第3温度に相当する。
【0055】
次に、図3及び図4を用いて、シャッター部材220の構成と、ソレノイド350によるシャッター部材220の駆動方法について説明する。なお、本実施形態では、図1のように、通気孔200が筐体110の上面部111、側面部112及び側面部112に対向する側面部113に設けられており、それぞれにシャッター部材220(図3参照)が設けられている。
【0056】
ここでは、側面部112に形成された通気孔200に対するシャッター部材220の構成と駆動方法について説明する。他の面に設けられたシャッター部材220の構成と駆動方法も同様であるので、その説明は省略する。
【0057】
まず、図3及び図4を用いて、シャッター部材220の構成について説明する。シャッター部材220は、電磁波を遮蔽する部材で構成され、例えば、金属材料、カーボン含有樹脂などで形成される。
【0058】
シャッター部材220は平板部材221で構成され、平板部材221には、側面部112に設けられた通気孔200と同数であって、通気孔200と略同形状の開口部225が形成される。
【0059】
シャッター部材220は、図示しない摺動支持部材によって、筺体110の側面部112に取り付けられている。図3において、シャッター部材220の一端部に備えられた係合爪222が、筐体110の前面部116に備えられたバネ351の端部に係着される。そして、シャッター部材220の他端部に備えられた係合爪223が、筐体110の側面部112に固着されたソレノイド350の可動部351の係止部に係着される。
【0060】
これにより、シャッター部材220は側面部112に沿って移動可能に構成される。後述のように、シャッター部材220は、ソレノイド351によって駆動されることにより通気孔200を開閉可能に形成される。
【0061】
なお、本実施形態では、筐体110とシャッター部材220が共に、電磁波を遮蔽する部材として導電体で形成されている。シャッター部材220と筺体の側面部112は接触するように形成されており、筐体110とシャッター部材220が電気的に接続されている。
【0062】
また、筐体110を構成する側面部112に固着された金属製のバネ351と、金属製の係合爪222を介して、筐体110の前面部116、側面部112及びシャッター部材220が電気的に接続されてもよい。
【0063】
仮に、側面部112とシャッター部材220が電気的に接続されていない場合に、シャッター部材220に帯電した電荷と、側面部112に帯電した逆極性の電荷によって、磁界が発生する場合がある。筐体110内部で余計な磁界が発生すると、高周波回路の動作に悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0064】
本実施形態のように、側面部112とシャッター部材220を電気的に接続してショートさせることで、側面部112とシャッター部材220との間に余計な磁界が発生するのを防止することができる。
【0065】
続いて、図3及び図4を用いて、ソレノイド350によるシャッター部材220の駆動方法を説明する。
【0066】
まず、図1の無線タグ通信装置100がアンテナ152を介して信号の送信を行っている場合には、図3のように、シャッター部材220は通気孔200を塞ぐように配置される。このとき、接触センサ185にシャッター部材220の左端部が当接されている状態である。
【0067】
ソレノイド350には通電されておらず、バネ351の付勢力によって、図3の位置にシャッター部材220が保持される。図3では、通気孔200を覆うようにして、通気孔220の上部にシャッター部材220の平板部材221が配置される。なお、シャッター部材220に形成された開口部225は、通気孔200とは重ならない位置に保持され、通気口が塞がれるようになっている。
【0068】
上述のように、構成することで、図1の無線タグ通信装置100が無線タグに対してアンテナ152を介して信号を送信して無線通信を行っているときは、図3のように、ソレノイド350が通電されていない状態なので、高周波回路314に影響を及ぼすことがない。また、シャッター部材220が電磁波を遮蔽する部材から形成されているので、無線タグとの無線通信のための信号に対する外部からのノイズの影響を防止することができる。
【0069】
一方、図1の無線タグ通信装置100が無線タグと無線通信を行うための信号の送信を行なっていないときには、筐体110内部の熱を放熱するために、図4のように通気孔200を開放するようにシャッター部材220が配置される。
【0070】
まず、無線タグ通信装置100が無線タグと無線通信するための信号の送信が終了すると、ソレノイド350に通電され、ソレノイド350の可動部351が矢印A方向へ移動する。
【0071】
可動部351の係止部にはシャッター部材220の係止爪223が係合されており、可動部351がA方向へ移動するのと同時に、シャッター部材220がその他端部の係止爪222に係合されたバネ351の付勢力に抗して、筐体110の側面部112に沿って矢印A方向へ移動する。
【0072】
このように、平板部材221に形成された開口部225と筐体110の側面部112に形成された通気孔200が重なる位置まで、シャッター部材220が移動して、通気孔200が開放される。
【0073】
そして、図示しないタイマにより計時した時間が通気孔200を開放した時間から所定時間経過後、あるいは筺体110内部の温度が所定の温度以下になったら、ソレノイド350への通電が停止され、バネ351の付勢力によって、シャッター部材220が図3の位置へ移動して通気孔220が塞がれる。
【0074】
このような平板部材221のシャッター部材220を用いることで、無線タグ通信装置100を小型化できる。なお、特に図示しないが、通気孔200に対して、蝶番により回動可能に支持された複数の覆体からなるシャッター部材が設けられていてもよい。
【0075】
続いて、図5を用いて、無線タグ通信装置100のフラッシュROM312に記憶される報知温度である停止温度T1、再開温度T2、警告温度T3の関係について説明する。
【0076】
まず、停止温度T1について説明する。無線タグ通信装置100の筐体110の内部には、上述のように、高周波回路314が備えられている。この高周波回路314は、CPU311等と比較して特に発熱量が大きく、無線タグとの無線通信が長時間行われると、筐体110内部の温度が高熱になる傾向がある。
【0077】
高周波回路314が過剰に高熱になると、出力が落ちて信号を送信するときの通信距離が低下するなど、性能が落ちることが懸念される。そのため、高周波回路314が高熱になり過ぎるのを防止するために、筐体110の内部に篭っている熱を放熱する必要がある。
【0078】
また、このように筐体110内部の熱を放熱するために通気孔200を開放する場合には、無線通信を終了しておく必要がある。通気孔200を開放してしまうと、無線タグとの無線通信のための信号が外部からのノイズの影響を受けやすくなるためである。
【0079】
そのため、停止温度T1は、無線タグと無線通信を行うための信号の送信を終了して、筐体110内部の放熱を開始するための温度として設定される。本実施形態では、停止温度T1の設定温度が60℃に定められてフラッシュROM312に記憶されている。
【0080】
この停止温度T1で報知部190がブザー音を発生させることで、ユーザに筐体110内部が高熱になり過ぎているために、無線通信を終了することを報知できる。
【0081】
次に、再開温度T2について説明する。上述のように、停止温度T1になると、通気孔200を開放するために、一旦、無線通信を終了する。その後すぐに、ユーザがトリガスイッチ170によって、信号の送信開始を指示する開始情報を入力した場合などに、まだ十分に筐体110の内部の放熱が行われていない可能性がある。
【0082】
そのため、再開温度T2は、無線タグ通信装置100の無線タグとの通信の信頼性を確保するために、筐体110内部の温度として、高周波回路314が本来の性能を発揮できるような温度が設定される。再開温度T2以下になると、通気孔200をシャッター部材220で塞いで、信号の送信が再開される。本実施形態では、再開温度T2の設定温度が45℃に定められてフラッシュROM312に記憶されている。
【0083】
この再開温度T2で報知部190がブザー音を発生させることで、ユーザに無線通信を再開することを報知できる。
【0084】
続いて、警告温度T3について説明する。警告温度T3は、停止温度T1よりも低い温度であるが、このまま無線タグ通信装置100で無線通信を継続すると、筐体110の内部の温度が停止温度T1に達し、無線通信を終了する必要があることをユーザに報知するために設定される。なお、警告温度T3は再開温度T2よりは高い温度で設定される。
【0085】
本実施形態では、警告温度T3の設定温度が55℃に定められてフラッシュROM312に記憶されている。なお、本実施形態における停止温度T1、再開温度T2、警告温度T3の設定温度は一例であり、他の設定温度が定められてもよい。
【0086】
次に、図6において、無線タグ通信装置100のCPU311が実行する処理を説明する。なお、無線タグ通信装置100の電源が投入されるとこのフローが開始される。
【0087】
ステップS100において、無線タグに対して信号の送信開始を指示する開始情報が、トリガスイッチ170により入力されたか否かを判断する。開始情報が入力されたと判断した場合には、ステップS110へ進む。一方、開始情報が入力されていないと判断した場合には、開始情報が入力されたと判断するまでループ待機する。
【0088】
ステップS110は、図7のタグ通信開始処理を行う。
【0089】
ステップS120は、無線タグへ応答要求信号を送信し、それに対する無線タグからの応答信号を受信して、受信した応答信号に基づき無線タグのIC回路部に記憶された情報を取得する。このとき取得した情報を、表示部160に表示してもよい。
【0090】
ステップS130は、無線タグに対して信号の送信終了を指示する終了情報が、トリガスイッチ170により入力されたか否かが判断される。終了情報が入力されたと判断した場合には、ステップS140へ進む。一方、終了情報が入力されていないと判断した場合には、ステップS150へ進む。
【0091】
ステップS140は、図8のタグ通信停止処理を行い、このフローを終了する。
【0092】
ステップS150は、温度センサ180により検出された筐体110内部の温度が、フラッシュROM312に記憶された警告温度T3以上であるか否かを判断する。温度が警告温度T3以上であると判断した場合には、ステップS160へ進む。一方、警告温度T3より低いと判断した場合には、ステップS120の処理へ戻る。
【0093】
ステップS160は、報知部190によりブザー音を発生させる。
【0094】
ステップS170は、温度センサ180により検出された筐体110内部の温度が、フラッシュROM312に記憶された停止温度T1以上であるか否かを判断する。温度が停止温度T1以上であると判断した場合には、ステップS180へ進む。一方、停止温度T1より低いと判断した場合には、ステップS120の処理へ戻る。
【0095】
ステップS180は、図8のタグ通信停止処理を行う。
【0096】
ステップS190は、報知部190によりブザー音を発生させて、このフローを終了する。
【0097】
続いて、図7を用いて、無線タグ通信装置100のCPU311が実行する図6に示すステップS110のタグ通信開始処理について説明する。
【0098】
ステップS111は、シャッター部材220が通気孔200を塞ぐためにソレノイド350を駆動するように、駆動部315に命令を実行する。
【0099】
ステップS112は、接触センサ185にシャッター部材220の端部が接触したか否かを判断する。接触したと判断した場合には、シャッター部材220が図3のように通気孔200を塞いでいる状態なので、ステップS113へ進む。一方、接触していないと判断した場合には、シャッター部材が図3のように通気孔200を塞いでおらず、通気孔200が開放されている状態なので、接触センサ185にシャッター部材220の端部が接触したと判断するまでループ待機する。
【0100】
ステップS113は、高周波回路314に無線タグとの無線通信の実行を命令し、このフローを終了する。これにより、高周波回路314はアンテナ152を介して信号を送受信する。
【0101】
また、図8を用いて、無線タグ通信装置100のCPU311が実行する図6に示すステップS140とステップS180のタグ通信停止処理について説明する。
【0102】
ステップS141は、高周波回路314に無線タグとの無線通信の終了を命令する。これにより、高周波回路314はアンテナ152を介して信号を送受信するのを終了する。
【0103】
ステップS142は、シャッター部材220が通気孔200を開放するためにソレノイド350を駆動するように、駆動部315に命令を実行して、このフローを終了する。
【0104】
本実施形態において、図6のステップS100及びステップS130の処理を実行するCPU311が、本発明の判断手段に相当する。また、図7のステップS111及び図8のステップS142の処理を実行するCPU311が、本発明の駆動制御部に相当する。図6のステップS150、ステップS170の処理を実行するCPU311が、本発明の温度判断手段に相当する。
【0105】
上述のように、本実施形態の無線タグ通信装置100は、筐体110内部に備えられている高周波回路314によって、その内部温度が過剰に上昇しても、シャッター部材220が通気孔200を開放するように駆動することが可能なソレノイド350を備えているので、筐体110の内部の熱を効果的に放熱することができる。
【0106】
これにより、通信距離が短くなるなどの高周波回路314の性能の低下を防止することができ、無線タグ通信装置100の無線通信の信頼性を確保することができる。
【0107】
また、無線タグ通信装置100がアンテナ152を介して信号の送信を行っていない場合に、通気孔200を開放すると共に、無線タグ通信装置100がアンテナ152を介して信号の送信を行っている場合に、電磁波を遮蔽する部材で形成されているシャッター部材220で通気孔200を塞ぐように構成されているので、無線タグとの無線通信に対する外部からのノイズの影響を効果的に防止することができる。
【0108】
(無線通信を再開する場合)
次に、図9において、変形例の無線タグ通信装置100のCPU311が実行する処理を説明する。なお、変形例と本実施形態の無線タグ通信装置100は同一の構成であり、同様の動作を行うので、構成及び動作の説明は省略する。
【0109】
上述の実施形態では、無線タグ通信装置100の筐体110内部が停止温度T1以上になると、無線タグとの無線通信を終了して、通気孔200を開放した。変形例では、一旦、筐体110内部が停止温度T1以上になって、無線タグとの無線通信を終了した後に、再度、無線タグ通信装置100が無線通信を再開する場合について説明する。
【0110】
図9のフローは、図6に対応するフローであり、図6と同じ符号の処理は同様の処理を行うものとしてその説明を省略する。変形例では、ステップS150からステップS190の処理に替えて、ステップS200からステップS250が追加される。なお、無線タグ通信装置100の電源が投入されるとこのフローが開始される。
【0111】
ステップS200は、温度センサ180により検出された筐体110内部の温度が、停止温度T1以上であるか否かを判断する。温度が停止温度T1以上であると判断した場合には、ステップS210へ進む。一方、停止温度T1より低いと判断した場合には、上述したステップS120の処理へ移る。
【0112】
ステップS210は、ステップS140と同様に、上述した図8のタグ通信停止処理を行う。
【0113】
ステップS220は、報知部190によりブザー音を発生させる。
【0114】
ステップS230は、無線タグに対して信号の送信開始を指示する開始情報が、トリガスイッチ170により入力されたか否かを判断する。開始情報が入力されたと判断した場合には、ステップS240へ進む。
【0115】
一方、開始情報が入力されていないと判断した場合には、このフローを終了する。なお、このステップS230において、所定時間の間、開始情報が入力されるかを繰り返して判断して、所定時間経過しても開始情報が入力されない場合は、フローを終了するようにしてもよい。
【0116】
ステップS240は、温度センサ180により検出された筐体110内部の温度が、フラッシュROM312に記憶された再開温度T2以下であるか否かを判断する。温度が再開温度T2以下であると判断した場合には、ステップS250へ進む。一方、再開温度T2より高いと判断した場合には、上述したステップS220の処理へ移る。
【0117】
ステップS250は、報知部190によりブザー音を発生させて、ステップS110のタグ通信開始処理(図7参照)に移る。
【0118】
この変形例において、図8のステップS100、ステップS130及びステップS230の処理を実行するCPU311が、本発明の判断手段に相当する。また、図7のステップS111及び図8のステップS142の処理を実行するCPU311が、本発明の駆動制御部に相当する。図9のステップS200、ステップS240の処理を実行するCPU311が、本発明の温度判断手段に相当する。
【0119】
変形例の無線タグ通信装置100は、シャッター部材220を開放してからまだ十分に放熱が行われていないのに、無線通信を再開することを防止することができる。これによって、使用を再開してからすぐに停止温度T1になって無線通信が終了するのを防止でき、また、高周波回路314の性能が十分に発揮される状態で無線タグ通信装置100を使用できる。
【0120】
なお、上述したように、本実施形態の無線タグ通信装置100では、駆動制御部が備えられており、判断手段によってトリガスイッチ170から無線通信のための開始情報あるいは終了情報が入力されたと判断された場合に、ソレノイド350を駆動するように構成されている。
【0121】
しかしながら、無線タグ通信装置100が駆動制御部を備えていなくてもよい。この場合には、ソレノイド350の駆動のためのON/OFFスイッチを設けて、ユーザが無線通信の状態に応じてON/OFFスイッチを切り替えるようにしてもよい。
【0122】
また、本実施形態や変形例では報知部190により、停止温度T1、再開温度T2、警告温度T3に基づいて報知を行ったが、いずれかの場合にのみ報知を行ったり、これらの全ての場合について報知を行ってもよい。
【0123】
また、無線タグ通信装置100が報知部190を備えていなくてもよい。この場合には、本実施形態の図6において、ステップS150及びステップS160及びステップS190の処理が省略される。また、変形例においては、図9において、ステップS220及びステップS250の処理が省略される。
【0124】
また、本実施形態では、通気孔200は、筐体110の上面部111、側面部112、側面部113に設けられているが、筐体110の内部の熱を放熱できれば、筺体110の他の場所に形成されていてもよい。また、通気孔200の数や形状、その配置は適宜変更可能である。
【0125】
加えて、本実施形態の報知部190はブザー音を発生して報知を行うが、表示部160に停止温度T1、再開温度T2、警告温度T3に関する情報を表示したり、図示しない発光部によって発光して報知を行ってもよい。
【0126】
また、上述の実施形態では筐体110が電磁波を遮蔽する部材で形成されてシールド部材として構成されている。しかしながら、高周波回路314を被覆する図示しないカバー部材が別途筐体110の内部に設けられていてもよい。この場合、筐体110は電磁波を遮蔽する部材で構成されていなくてもよい。その他、例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0127】
100 無線タグ通信装置
110 筺体
152 アンテナ
170 トリガスイッチ
180 温度センサ
200 通気孔
220 シャッター部材
314 高周波回路
315 駆動部
350 ソレノイド


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグに対し無線通信を行うための信号を送受信可能なアンテナと、
前記アンテナを介して前記信号の送受信を行なう高周波回路と、
電磁波を遮蔽する部材で形成され、前記高周波回路を被覆するシールド部材と、
前記シールド部材に備えられて、電磁波を遮蔽する部材で形成された開閉可能なシャッター部材を有する通気部と、
前記アンテナを介して信号の送信を行っている場合に、前記シャッター部材が前記通気部を塞ぐように駆動すると共に、前記アンテナを介して信号の送信を行っていない場合に、前記シャッター部材が前記通気部を開放するように駆動することが可能な駆動部とを有することを特徴とする無線タグ通信装置。
【請求項2】
前記無線タグに対して前記信号の送信開始を指示する開始情報と前記無線タグに対して前記信号の送信終了を指示する終了情報を入力可能な操作部と、
前記操作部により入力された情報が前記開始情報であるか、あるいは前記終了情報であるかを判断する判断手段と、
前記駆動部の制御を行う駆動制御部とを備え、
前記駆動制御部は、前記判断手段により前記開始情報が入力されたと判断された場合には、前記シャッター部材が前記通気部を塞ぐように前記駆動部の制御を行い、あるいは、前記判断手段により前記終了情報が入力されたと判断された場合には、前記駆動制御部は、前記シャッター部材が前記通気部を開放するように前記駆動部の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線タグ通信装置。
【請求項3】
前記シールド部材の内部の温度を検出可能な温度センサと、
前記温度センサにより検出された前記温度が第1温度以上であるか否かを判断する温度判断手段とを備え、
前記温度判断手段により前記温度が第1温度以上であると判断された場合に、前記高周波回路は、前記無線タグに対して前記信号の送信を終了すると共に、前記駆動制御部は、前記シャッター部材が前記通気部を開放するように前記駆動部の制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の無線タグ通信装置。
【請求項4】
前記判断手段により前記開始情報が入力されたと判断された場合に、
前記温度判断手段は、前記温度センサにより検出された前記温度が前記第1温度より低い温度であって、無線通信可能な第2温度以下であるか否かを判断し、
前記温度判断手段により前記温度が第2温度以下であると判断された場合に、前記駆動制御部は、前記シャッター部材が前記通気部を塞ぐように前記駆動部の制御を行うと共に、前記高周波回路は前記アンテナを介して前記信号を送信することを特徴とする請求項3に記載の無線タグ通信装置。
【請求項5】
前記温度センサにより検出した前記温度に基づき、報知が可能な報知部を備え、
前記温度判断手段により、前記温度が前記第1温度以上であると判断された場合、あるいは前記温度が前記第2温度以下であると判断された場合に、前記報知部は報知を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の無線タグ通信装置。
【請求項6】
前記温度センサにより検出した前記温度に基づき、報知が可能な報知部を備え、
前記温度判断手段は、さらに、前記温度センサにより検出された前記温度が前記第1温度より低い温度であって、前記第2温度より高い第3温度以上であるか否かを判断し、
前記温度判断手段により、前記温度が第3温度以上であると判断した場合に、前記報知部は報知を行うことを特徴とする請求項4に記載の無線タグ通信装置。
【請求項7】
前記シールド部材は筺体で構成され、
前記通気部は、前記高周波回路が配置される基板の上方に位置する前記筐体の上面に設けられることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の無線タグ通信装置。
【請求項8】
前記シールド部材は筺体で構成され、
前記通気部は、前記高周波回路が配置される基板表面に空気が流入するように、前記筐体の側面に対向して複数設けられることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の無線タグ通信装置。
【請求項9】
前記筐体と前記シャッター部材は導電部材で形成されていると共に、前記筐体と前記シャッター部材が電気的に接続されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の無線タグ通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−204072(P2011−204072A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71596(P2010−71596)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】