説明

無線中継装置及び制御方法

【課題】無線中継装置に近接する無線端末が無線中継装置に接続する確率を高めることができるようにする。
【解決手段】無線端末によって同期の確立に使用される無線信号である基地局プリアンブル信号を無線基地局200が所定タイミングで送信する無線通信システムにおいて用いられる無線中継装置100は、無線端末との無線通信を行うように構成されたサービス側無線通信部120Sを制御する制御部130を具備する。制御部130は、基地局プリアンブル信号を妨害するための無線信号であるプリアンブルマスク信号を上記所定タイミングで送信するようサービス側無線通信部120Sを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局と無線端末との間で送受信されるデータを中継する無線中継装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線基地局と無線端末との間で送受信されるデータを中継する無線中継装置が広く用いられている。無線端末は、無線中継装置を介して無線基地局との通信を行うことで、無線基地局が形成するセル(通信エリア)の範囲外、あるいは、当該セルの周縁部分(いわゆるセルフリンジ)に位置していても、無線基地局と通信できる。
【0003】
このような無線中継装置は、無線基地局との無線通信を行うように構成された第1無線通信部と、無線端末との無線通信を行うように構成された第2無線通信部と、第1無線通信部及び第2無線通信部を制御する制御部とを有する。
【0004】
また、無線通信システムにおいて双方向通信を実現する一方式として、時分割複信(TDD)方式が知られている。TDD方式では、無線基地局から無線端末への通信が行われる下りリンク期間と、無線端末から無線基地局への通信が行われる上りリンク期間とが、通信フレーム内に時分割で設けられる。
【0005】
TDD方式を採用する無線通信システムで無線中継装置を用いる場合、下りリンク期間においては、無線基地局からの無線信号を第1無線通信部が受信するのと同時に、第2無線通信部から無線端末に無線信号を送信するため、第2無線通信部が送信する無線信号によって第1無線通信部が干渉の影響を与える。また、上りリンク期間においては、無線端末からの無線信号を第2無線通信部が受信するのと同時に、第1無線通信部から無線基地局に無線信号を送信するため、第1無線通信部が送信する無線信号によって第2無線通信部が干渉の影響を受ける。
【0006】
このような問題を解決するために、第2無線通信部から無線端末に無線信号を送信する期間を下りリンク期間から上りリンク期間にシフトし、第2無線通信部が無線端末からの無線信号を受信する期間を上りリンク期間から下りリンク期間にシフトするように構成された無線中継装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−56711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、無線基地局、及び無線中継装置の第2無線通信部は、下りリンク期間内の所定タイミングで、無線端末によって同期の確立に使用される無線信号である同期信号を送信する。無線端末は、無線通信を開始する際に同期信号を探索し、同期信号を良好に受信できた場合に、同期信号の送信元との同期を確立することで、当該同期信号の送信元に接続する。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の無線中継装置は、無線端末に無線信号を送信する期間を上りリンク期間にシフトしているため、無線中継装置に近接する無線端末は、無線基地局からの同期信号(以下、第1同期信号)と無線中継装置からの同期信号(以下、第2同期信号)とを異なるタイミングで受信することになる。
【0010】
無線中継装置に近接する無線端末は、無線中継装置に接続することで良好な通信状態での無線通信が可能であるが、第1同期信号と第2同期信号とを異なるタイミングで受信することで、無線基地局に接続してしまう、あるいは同期先が不確定になり同期を確立できないことがあり、良好な通信状態での通信が実現できない問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、無線中継装置に近接する無線端末が無線中継装置に接続する確率を高めることができる無線中継装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明に係る無線中継装置の特徴は、無線端末によって同期の確立に使用される無線信号である同期信号を無線基地局が所定タイミングで送信する無線通信システムにおいて用いられる無線中継装置であって、前記無線基地局との無線通信を行う第1無線通信部と、前記無線端末との無線通信を行う第2無線通信部と、前記第1無線通信部及び前記第2無線通信部を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記無線中継装置が利用可能な複数の通信周波数帯のうち、前記第1無線通信部について測定された無線品質レベルが最も高い通信周波数帯を前記第1無線通信部に対して設定し、前記複数の通信周波数帯のうち、前記第1無線通信部について測定された無線品質レベルが最も低い通信周波数帯を前記第2無線通信部に対して設定し、前記同期信号を妨害するための無線信号である妨害信号を前記所定タイミングで送信するよう前記第2無線通信部を制御することを要旨とする。
【0013】
本発明に係る制御方法の特徴は、上記の特徴に係る無線中継装置において、無線端末によって同期の確立に使用される無線信号である同期信号を無線基地局が所定タイミングで送信する無線通信システムにおいて用いられ、前記無線基地局との無線通信を行う第1無線通信部と、前記無線端末との無線通信を行う第2無線通信部と、を具備する無線中継装置の制御方法であって、前記無線中継装置が利用可能な複数の通信周波数帯のうち、前記第1無線通信部について測定された無線品質レベルが最も高い通信周波数帯を前記第1無線通信部に対して設定し、前記複数の通信周波数帯のうち、前記第1無線通信部について測定された無線品質レベルが最も低い通信周波数帯を前記第2無線通信部に対して設定するステップと、前記同期信号を妨害するための無線信号である妨害信号を前記所定タイミングで送信するよう前記第2無線通信部を制御するステップと、を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、無線中継装置に近接する無線端末が無線中継装置に接続する確率を高めることができる無線中継装置及び制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの概略構成図である。
【図2】サービス側送受信シフト方式を使用した場合に無線端末が受信する無線信号の状態を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る無線通信システムで使用される通信フレームの構成を示す通信フレーム構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る無線通信システムで利用可能な通信周波数帯の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る無線中継装置の機能ブロック構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る無線中継装置の実装例を示す概略斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る無線中継装置の概略動作を説明するためのタイムチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る無線中継装置の詳細動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る無線中継装置の動作フローを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る送信電力テーブルの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)無線通信システムの概要、(2)無線中継装置の構成、(3)無線中継装置の動作、(4)作用・効果、(5)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
【0017】
(1)無線通信システムの概要
まず、本実施形態に係る無線通信システムの概要について、(1.1)全体概略構成、(1.2)通信フレームの構成、(1.3)通信周波数帯の構成の順に説明する。
【0018】
(1.1)全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム1の概略構成図である。無線通信システム1は、WiMAX(IEEE802.16)に基づく構成を有する。すなわち、無線通信システム1には、直交周波数分割多重接続(OFDMA)方式および時分割複信(TDD)方式が採用されている。
【0019】
OFDMA方式は、互いに直交する多数のサブキャリアを使用して多重接続を実現する。TDD方式は、1つの通信フレーム内において上りリンク通信および下りリンク通信を時分割で実行することにより、双方向通信を実現する。なお、上りリンクとは、無線端末から無線基地局への通信方向を意味し、下りリンクとは、無線基地局から無線端末への通信方向を意味する。
【0020】
無線通信システム1では、1通信フレーム内において、先ず下りリンク通信が実行され、その後上りリンク通信が実行される。以下においては、1通信フレーム内で下りリンク通信が実行される期間を下りリンク期間と称し、1通信フレーム内で上りリンク通信が実行される期間を上りリンク期間と称する。
【0021】
図1に示すように、無線通信システム1は、無線中継装置100、無線基地局200(無線基地局200A,200B)および無線端末300を有する。
【0022】
無線基地局200A,200Bのそれぞれは、大型のセルを形成するマクロセル基地局である。無線基地局200A,200Bは、互いに同期して動作する。無線中継装置100は、無線基地局200Aに接続している。
【0023】
無線端末300は、無線基地局200A,200B、又は無線中継装置100に未接続の状態である。本実施形態では、無線端末300は、無線中継装置100に近接した位置にあるとする。
【0024】
無線端末300は、無線中継装置100に接続すると、無線中継装置100を介して無線基地局200Aとの通信を行う。無線端末300は、無線基地局200A又は200Bに接続すると、無線基地局200A又は200Bと直接的に通信を行う。
【0025】
無線中継装置100は、無線基地局200Aとの無線通信に通信周波数帯fAを使用し、無線端末300との無線通信に通信周波数帯fBを使用する。無線基地局200Bは、無線端末300との無線通信に通信周波数帯fBを使用する。
【0026】
無線基地局200A,200B、及び無線中継装置100は、無線端末300によって同期の確立に使用される無線信号であるプリアンブル信号(同期信号)を周期的に送信する。プリアンブル信号は、下りリンク期間の先頭1OFDMシンボルによって構成される。以下においては、無線基地局200A,200Bが送信するプリアンブル信号を「基地局プリアンブル信号(第1同期信号)」と称し、無線中継装置100が送信するプリアンブル信号を「中継局プリアンブル信号(第2同期信号)」と称する。
【0027】
無線端末300は、無線通信を開始する際にプリアンブル信号を探索し、プリアンブル信号を良好に受信できた場合に、プリアンブル信号の送信元との同期を確立することで、当該同期信号の送信元に接続する。
【0028】
無線中継装置100は、無線端末300に無線信号を送信する期間を下りリンク期間から上りリンク期間にシフトし、無線端末300からの無線信号を受信する期間を上りリンク期間から下りリンク期間にシフトするように構成される(特許文献1参照)。以下においては、このような方式を「サービス側送受信シフト方式」と称する。
【0029】
無線基地局200Aは、下りリンク期間内で、通信周波数帯fAを使用して基地局プリアンブル信号を送信する。無線基地局200Bは、下りリンク期間内で、通信周波数帯fBを使用して基地局プリアンブル信号を送信する。無線中継装置100は、上りリンク期間内で、通信周波数帯fBを使用して中継装置プリアンブル信号を送信する。
【0030】
図2は、サービス側送受信シフト方式を使用した場合に無線端末300が受信する無線信号の状態を示すタイムチャートである。
【0031】
図2に示すように、無線端末300は、下りリンク期間及び上りリンク期間において、同一の通信周波数帯fBを使用した基地局プリアンブル信号及び中継装置プリアンブル信号を受信する。無線中継装置100に近接する無線端末300は、無線中継装置100に接続することで良好な通信状態での無線通信が可能であるが、中継装置プリアンブル信号と同一の通信周波数帯fBを使用した基地局プリアンブル信号を異なるタイミングで受信することで、無線基地局200Bに接続してしまう、あるいは同期先が不確定になり同期を確立できない不具合が生じ得る。
【0032】
そこで、無線中継装置100は、無線基地局200Bが基地局プリアンブル信号を送信するタイミング(すなわち下りリンク期間の先頭1OFDMシンボルに相当するタイミング)で、基地局プリアンブル信号を妨害するための無線信号であるプリアンブルマスク信号(妨害信号)を送信し、基地局プリアンブル信号と干渉を生じさせる。プリアンブルマスク信号としては、例えば、既知の信号系列からなるパイロット信号が使用できる。プリアンブルマスク信号の送信には、通信周波数帯fBが使用される。
【0033】
無線端末300は、基地局プリアンブル信号とプリアンブルマスク信号とを同時に受信することで、無線基地局200Bからの基地局プリアンブル信号を検出不能になる。その結果、無線中継装置100に近接する無線端末300が無線基地局200Bに接続してしまう、あるいは同期先が不確定になり同期を確立できないといった不具合を解消できる。
【0034】
(1.2)通信フレームの構成
図3は、無線通信システム1で使用される通信フレームの構成を示す通信フレーム構成図である。
【0035】
図3に示すように、通信フレームは、下りリンク期間に相当する下りサブフレームSFR1と、上りリンク期間に相当する上りサブフレームSFR2とを有する。下りリンクでは上りリンクよりも大きな通信容量が要求されるため、下りサブフレームSFR1が上りサブフレームSFR2よりも長い上り・下り非対称フレーム構成となっている。下りサブフレームSFR1および上りサブフレームSFR2は、それぞれ複数のシンボルから構成される。
【0036】
下りサブフレームSFR1の先頭は各種制御データが配置される制御データ領域であり、その後はユーザデータが配置されるバースト領域である。
【0037】
当該制御データは、上述したプリアンブルと、FCH(無線基地局から送信されるヘッダ情報)と、上りリンクおよび下りリンクのユーザデータに関するリソース割り当て情報であるMAPとを含む。
【0038】
下りサブフレームSFR1と上りサブフレームSFR2との間には、ガードタイム(TTG)が設けられている。
【0039】
(1.3)通信周波数帯の構成
図4は、無線通信システム1で利用可能な通信周波数帯の構成を示す図である。
【0040】
図4に示すように、無線通信システム1においては、例えば30MHzのシステム通信周波数帯を利用可能であり、当該システム通信周波数帯は3つの通信周波数帯F1〜F3に等分割されている。
【0041】
通信周波数帯F1〜F3の何れかが、上述した通信周波数帯fAに相当する。残る通信周波数帯の何れかが、上述した通信周波数帯fBに相当する。
【0042】
無線中継装置100は、無線基地局200Aへの接続時に、通信周波数帯F1〜F3の何れかを無線基地局200Aとの無線通信に使用する通信周波数帯として設定する。また、無線中継装置100は、残る通信周波数帯の何れかを無線端末との無線通信に使用する通信周波数帯として設定する。
【0043】
(2)無線中継装置の構成
次に、無線中継装置100の構成について、(2.1)機能ブロック構成、(2.2)実装例の順に説明する。
【0044】
(2.1)機能ブロック構成
図5は、無線中継装置100の機能ブロック構成を示すブロック図である。
【0045】
図5に示すように、無線中継装置100は、無線基地局200と通信するためのドナー側通信ユニット110Dと、無線端末300と通信するためのサービス側通信ユニット110Sとを有する。
【0046】
ドナー側通信ユニット110Dは無線端末と同等の通信機能を具備し、サービス側通信ユニット110Sは無線基地局と同等の通信機能を具備する。ドナー側通信ユニット110Dおよびサービス側通信ユニット110Sは、イーサネット(登録商標)などを利用して有線接続されている。
【0047】
ドナー側通信ユニット110Dは、ドナー側無線通信部120D、ドナー側制御部130D、記憶部172、インタフェース(I/F)部173、およびインジケータ174を有する。本実施形態においてドナー側無線通信部120Dは、第1無線通信部に相当する。
【0048】
ドナー側無線通信部120Dは、OFDMA及びTDD方式を用いて無線基地局200との無線通信を行うように構成される。ドナー側無線通信部120Dは、下りリンク期間において無線基地局200からの無線信号を受信する。
【0049】
ドナー側無線通信部120Dは、ドナーアンテナ161a,161b、送受切り替えスイッチ162a,162b、パワーアンプ(PA)163a,163b、ローノイズ増幅器(LNA)164a,164b、および高周波/ベースバンド(RF/BB)部165a,165bを有する。このように本実施形態では、ドナー側無線通信部120Dにおいて送受信系統を2系統設けることによりダイバーシチ効果を得ている。
【0050】
ドナー側制御部130Dは、例えばCPUなどによって構成され、ドナー側通信ユニット110Dが具備する各種機能を制御する。ドナー側制御部130Dは、ドナー側無線通信部120Dが受信する無線信号の受信電力レベルを示すRSSI(Received Signal Strength Indicator)と、ドナー側無線通信部120Dが受信する無線信号の無線品質を示すSNR(Signal to Noise ratio)とを測定する機能を有する。
【0051】
記憶部172は、例えばメモリによって構成され、ドナー側通信ユニット110Dにおける制御などに用いられる各種情報を記憶する。I/F部173は、サービス側通信ユニット110Sに接続される。インジケータ174は、ドナー側制御部130Dによって制御され、無線基地局200からの受信電力レベルを示す情報を表示する。
【0052】
サービス側通信ユニット110Sは、サービス側無線通信部120S、サービス側制御部130S、記憶部132およびI/F部133を有する。本実施形態においてサービス側無線通信部120Sは、第2無線通信部に相当する。
【0053】
サービス側無線通信部120Sは、OFDMA及びTDD方式を用いて無線端末300との無線通信を行うように構成される。サービス側無線通信部120Sは、上述した中継装置プリアンブル信号を送信する。
【0054】
サービス側無線通信部120Sは、サービスアンテナ121a,121b、送受切り替えスイッチ122a,122b、PA123a,123b、LNA124a,124b、およびRF/BB部125a,125bを有する。このように本実施形態では、サービス側無線通信部120Sにおいて送受信系統を2系統設けることによりダイバーシチ効果を得ている。
【0055】
サービス側制御部130Sは、例えばCPUなどによって構成され、サービス側通信ユニット110Sが具備する各種機能を制御する。記憶部132は、例えばメモリによって構成され、サービス側通信ユニット110Sにおける制御などに用いられる各種情報を記憶する。I/F部133は、ドナー側通信ユニット110Dに接続される。
【0056】
本実施形態では、ドナー側制御部130D、サービス側制御部130S、記憶部172,132、I/F部173,133、及びインジケータ174は、ドナー側無線通信部120D及びサービス側無線通信部120Sを制御する制御部を構成する。
【0057】
制御部130は、無線中継装置100が利用可能な複数の通信周波数帯のうち、ドナー側無線通信部120Dについて測定されたSNR(無線品質)が最も高い通信周波数帯をドナー側無線通信部120Dに対して設定し、ドナー側無線通信部120Dについて測定されたSNRが最も低い通信周波数帯をサービス側無線通信部120Sに対して設定する。
【0058】
制御部130は、プリアンブルマスク信号を、基地局プリアンブル信号の送信タイミング(すなわち下りリンク期間の先頭タイミング)で送信するようサービス側無線通信部120Sを制御する。
【0059】
制御部130は、ドナー側無線通信部120Dへの干渉を考慮して制限された送信電力でプリアンブルマスク信号を送信するようサービス側無線通信部120Sを制御する。例えば、プリアンブルマスク信号の送信電力は、サービス側無線通信部120Sがユーザデータを送信する際の送信電力よりも小さくなるよう制御される(図8(c)参照)。
【0060】
また、制御部130は、サービス側無線通信部120Sに対して設定された通信周波数帯とドナー側無線通信部120Dに対して設定された通信周波数帯との間の周波数間隔に応じて、プリアンブルマスク信号の送信電力を制御する。
【0061】
さらに、制御部130は、ドナー側無線通信部120Dが無線基地局200から受信した無線信号のRSSI(受信電力レベル)に応じて、プリアンブルマスク信号の送信電力を制御する。なお、無線信号のRSSIに応じたプリアンブルマスク信号の送信電力制御は、無線環境の変化を考慮し、無線中継装置100が中継動作を行っている間、実行してもよい。
【0062】
(2.2)実装例
図6は、無線中継装置100の実装例を示す概略斜視図である。
【0063】
図6(a)及び(b)に示すように、無線中継装置100の筐体105内には、ドナー側通信ユニット110Dが実装される基板101と、サービス側通信ユニット110Sが実装される基板103と、ドナー側通信ユニット110D及びサービス側通信ユニット110S間の中継機構が実装される基板102とが配設される。
【0064】
基板101からは、ドナーアンテナ161a,161bが筐体105の外部まで延びる。サービスアンテナ121a,121bは、基板103上に配設される。このように無線中継装置100では、電波遮蔽板を設けることなく、ドナーアンテナ161a,161b及びサービスアンテナ121a,121bが互いに近接して配設されている。なお、ドナーアンテナ161a,161bは、サービスアンテナ121a,121bと同様に、基板101上に配設されてもよい。
【0065】
(3)無線中継装置の動作
次に、無線中継装置100の動作について、(3.1)概略動作、(3.2)詳細動作、(3.3)動作フローの順に説明する。
【0066】
(3.1)概略動作
図7は、無線中継装置100の概略動作を説明するためのタイムチャートである。
【0067】
図7(a)〜図7(d)は、無線基地局200、無線中継装置100及び無線端末300がサービス側送受信シフト方式に従わずに通信する様子を示している。図7(a’)〜図7(d’)は、無線基地局200、無線中継装置100及び無線端末300がサービス側送受信シフト方式に従って通信する様子を示している。
【0068】
なお、図7(a)及び図7(a’)は無線基地局200における動作を示し、図7(b)及び図7(b’)は無線中継装置100のドナー側無線通信部120Dにおける動作を示し、図7(c)及び図7(c’)は無線中継装置100のサービス側無線通信部120Sにおける動作を示し、図7(d)及び図7(d’)は無線端末300における動作を示している。
【0069】
図7(a)〜図7(d)に示すように、各通信フレーム期間Tnにおいて、下りリンク期間t1及び上りリンク期間t2が時分割で設けられている。図7(b)に示すように、無線中継装置100のドナー側無線通信部120Dは、下りリンク期間t1において無線基地局200から無線信号を受信し、上りリンク期間t2において無線基地局200に無線信号を送信する。
【0070】
サービス側送受信シフト方式に従わない方式では図7(c)に示すように、無線中継装置100のサービス側無線通信部120Sは、下りリンク期間t1において無線端末300に無線信号を送信し、上りリンク期間t2において無線端末300から無線信号を受信する。このため、下りリンク期間t1においてサービス側無線通信部120Sがドナー側無線通信部120Dに干渉を与え、上りリンク期間t2においてドナー側無線通信部120Dがサービス側無線通信部120Sに干渉を与える。
【0071】
一方、サービス側送受信シフト方式では図7(c’)に示すように、サービス側通信ユニット110Sのサービス側制御部130Sは、サービス側無線通信部120Sが無線端末300に無線信号を送信するサービス側送信期間P1を上りリンク期間t2にシフトして設定する。また、サービス側制御部130Sは、サービス側無線通信部120Sが無線端末300から無線信号を受信するサービス側受信期間P2を下りリンク期間t1にシフトして設定する。
【0072】
例えば、無線中継装置100は、図7(a’)〜図7(d’)に示すように、通信フレーム期間T1の下りリンク期間t1において無線端末300から受信した無線信号を、通信フレーム期間T1の上りリンク期間t2において無線基地局200に送信する。また、無線中継装置100は、通信フレーム期間T1の下りリンク期間t1において無線基地局200から受信した無線信号を、通信フレーム期間T1の上りリンク期間t2において無線端末300に送信する。これにより、上記の干渉が回避される。
【0073】
下りリンク期間t1の時間長は、上りリンク期間t2の時間長よりも長い。よって、サービス側制御部130Sがサービス側送信期間P1を上りリンク期間t2に設定したことにより、サービス側送信期間P1の一部は上りリンク期間t2を超えて下りリンク期間t1の一部と重なる。以下では、下りリンク期間t1と重なるサービス側送信期間P1の一部分を重複部分Δtと称する。
【0074】
(3.2)詳細動作
図8は、無線中継装置100の詳細動作を説明するためのタイムチャートである。
【0075】
図8(a)及び(b)に示すように、サービス側制御部130Sは、重複部分Δtのうち、下りリンク期間t1のプリアンブル信号送信タイミングを除く期間において、サービス側無線通信部120Sから無線端末300への送信を停止させる。これにより、重複部分Δtにおいて、サービス側無線通信部120Sがドナー側無線通信部120Dに干渉を与えないようになる。
【0076】
当該送信停止期間では、データが送信されないことになるが、再送制御などの仕組みを利用することで当該データを無線端末300に伝達可能となる。重複部分Δtには、通信遅延が許容されるデータを配置することが好ましく、音声データなどのリアルタイム性及び要求サービス品質(QoS)の高いデータは重複部分Δtに配置しないことが好ましい。
【0077】
図8(c)に示すように、サービス側制御部130Sは、重複部分Δtのうち、下りリンク期間t1のプリアンブル信号送信タイミングにおいて、プリアンブルマスク信号(パイロット信号)を送信するようサービス側無線通信部120Sを制御する。具体的には、サービス側制御部130Sは、サービス側無線通信部120Sからのユーザデータ送信を停止させつつ、パイロット信号の送信を継続させる。
【0078】
プリアンブルマスク信号は、ドナー側無線通信部120Dへの干渉にも繋がることから、ドナー側制御部130D及びサービス側制御部130Sは、ドナー側無線通信部120Dへの干渉の度合いが許容範囲内になるように、プリアンブルマスク信号の送信電力を設定する。これにより、干渉対策用の機構(遮蔽板等)を筐体に設けなくて済み、ドナー側通信ユニット110D及びサービス側通信ユニット110Sをより小型化した筐体に収めることができる。
【0079】
サービス側無線通信部120Sからドナー側無線通信部120Dへの干渉の影響を考えた場合、サービス送信周波数とドナー受信周波数との関係(間隔)により干渉の度合いが変化する。具体的には、サービス送信周波数とドナー受信周波数が隣接する場合と、次隣接以上の周波数間隔の場合とで異なる。よって、ドナー側制御部130D及びサービス側制御部130Sは、そのような周波数関係性に応じて、プリアンブルマスク信号の送信電力を制御する。
【0080】
また、ドナー側無線通信部120Dが無線基地局200から受信する無線信号の状態によりドナー側制御部130Dがサービス側無線通信部120Sから受ける干渉の度合い(割合)が変化する。よって、ドナー側制御部130D及びサービス側制御部130Sは、ドナー側無線通信部120DにおけるRSSIに応じて、プリアンブルマスク信号の送信電力を制御する。
【0081】
(3.3)動作フロー
図9は、無線中継装置100の動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、無線中継装置100が無線基地局200Aに接続する際に実行されるが、無線中継装置100が無線基地局200Aに接続した後においても定期的に実行可能である。
【0082】
ステップS11において、ドナー側制御部130Dは、通信周波数帯F1〜F3(図3参照)のそれぞれについて、ドナー側無線通信部120Dが受信する無線信号のSNRを測定する。
【0083】
ステップS12において、ドナー側制御部130Dは、通信周波数帯F1〜F3のうちSNRが最も高い通信周波数帯をドナー側無線通信部120Dに対して設定する。また、ドナー側制御部130Dは、通信周波数帯F1〜F3のうちSNRが最も低い通信周波数帯をサービス側制御部130Sに通知する。サービス側制御部130Sは、通信周波数帯F1〜F3のうちSNRが最も低い通信周波数帯をサービス側無線通信部120Sに対して設定する。
【0084】
ステップS13において、ドナー側制御部130Dは、ドナー側無線通信部120Dに対して設定された通信周波数帯において無線基地局200Aから受信する無線信号のRSSIを測定する。
【0085】
ステップS14において、ドナー側制御部130Dは、ステップS12で設定された通信周波数帯の周波数間隔と、ステップS13で測定されたRSSIとに応じて、プリアンブルマスク信号の送信電力を決定する。
【0086】
本実施形態では、記憶部172は、図10に示すような送信電力テーブルを予め記憶している。ドナー側制御部130Dは、記憶部172が記憶する送信電力テーブルから、上記周波数間隔及びRSSIに対応する送信電力を取得する。
【0087】
図10に示すように、送信電力テーブルは、周波数間隔が略ゼロの関係である「隣接」(例えば、図4に示すF1とF2の関係)と、周波数間隔が1通信周波数帯以上の関係である「次隣接以上」(例えば、図4に示すF1とF3の関係)とに区分される。また、「隣接」及び「次隣接以上」のそれぞれは、RSSIの範囲毎に区分される。
【0088】
「隣接」においては、RSSIが−90よりも大きく−80以下である場合にプリアンブルマスク信号の送信電力が−14[dB]とされ、RSSIが−80よりも大きく−70以下である場合にプリアンブルマスク信号の送信電力が−11[dB]とされ、RSSIが−70よりも大きく−60以下である場合にプリアンブルマスク信号の送信電力が−8[dB]とされ、RSSIが−60よりも大きい場合にプリアンブルマスク信号の送信電力が−5[dB]とされている。
【0089】
「次隣接以上」においては、RSSIが−90よりも大きく−80以下である場合にプリアンブルマスク信号の送信電力が−9[dB]とされ、RSSIが−80よりも大きく−70以下である場合にプリアンブルマスク信号の送信電力が−6[dB]とされ、RSSIが−70よりも大きく−60以下である場合にプリアンブルマスク信号の送信電力が−3[dB]とされ、RSSIが−60よりも大きい場合にプリアンブルマスク信号の送信電力が0[dB]とされている。
【0090】
このように、送信電力テーブルでは、「次隣接以上」は「隣接」と比較してプリアンブルマスク信号の送信電力が大きく設定される。また、RSSIが高くなるほど、プリアンブルマスク信号の送信電力が大きく設定される。
【0091】
ドナー側制御部130Dは、決定したプリアンブルマスク信号の送信電力をサービス側制御部130Sに通知する。サービス側制御部130Sは、通知されたプリアンブルマスク信号の送信電力をサービス側無線通信部120Sに対して設定する。
【0092】
(4)作用・効果
以上説明したように、無線中継装置100は、無線基地局200が基地局プリアンブル信号を送信するタイミングでプリアンブルマスク信号を送信することによって、無線中継装置100に近接する無線端末300による基地局プリアンブル信号の受信を妨害する。これにより、無線中継装置100に近接する無線端末300が無線基地局200に接続してしまう、あるいは同期先が不確定になり同期を確立できないといった不具合を解消できる。
【0093】
そして、無線中継装置100は、無線基地局200が基地局プリアンブル信号を送信するタイミングと異なるタイミングで中継装置プリアンブル信号を送信するため、無線中継装置100に近接する無線端末300は、中継装置プリアンブル信号を良好に受信でき、無線中継装置100との同期を確立して無線中継装置100に接続する。よって、無線中継装置100に近接する無線端末300が無線中継装置100に接続する確率を高めることができる。
【0094】
本実施形態では、制御部130は、ドナー側無線通信部120Dへの干渉を考慮して制限された送信電力でプリアンブルマスク信号を送信するようサービス側無線通信部120Sを制御する。これにより、プリアンブルマスク信号がドナー側無線通信部120Dに与える干渉の影響を低減することができる。
【0095】
本実施形態では、制御部130は、サービス側無線通信部120Sに対して設定された通信周波数帯とドナー側無線通信部120Dに対して設定された通信周波数帯との間の周波数間隔に応じて、プリアンブルマスク信号の送信電力を制御する。
【0096】
当該周波数間隔が広い場合には、プリアンブルマスク信号がドナー側無線通信部120Dに与える干渉の影響が小さいため、プリアンブルマスク信号の送信電力を大きくすることによって、基地局プリアンブル信号をより確実に妨害することができる。
【0097】
一方、当該周波数間隔が狭い場合には、プリアンブルマスク信号がドナー側無線通信部120Dに与える干渉の影響が大きいため、プリアンブルマスク信号の送信電力を小さくすることによって、プリアンブルマスク信号がドナー側無線通信部120Dに与える干渉の影響を低減することができる。
【0098】
本実施形態では、制御部130は、ドナー側無線通信部120Dが無線基地局200から受信した無線信号のRSSIに応じて、プリアンブルマスク信号の送信電力を制御する。
【0099】
当該RSSIが大きい場合には、プリアンブルマスク信号がドナー側無線通信部120Dに与える干渉の影響が相対的に小さくなるため、プリアンブルマスク信号の送信電力を大きくすることによって、基地局プリアンブル信号をより確実に妨害することができる。
【0100】
一方、当該RSSIが小さい場合には、プリアンブルマスク信号がドナー側無線通信部120Dに与える干渉の影響が相対的に大きくなるため、プリアンブルマスク信号の送信電力を小さくすることによって、プリアンブルマスク信号がドナー側無線通信部120Dに与える干渉の影響を低減することができる。
【0101】
本実施形態では、制御部130は、無線中継装置100が利用可能な複数の通信周波数帯のうち、ドナー側無線通信部120Dについて測定されたSNRが最も高い通信周波数帯をドナー側無線通信部120Dに対して設定する。これにより、プリアンブルマスク信号がドナー側無線通信部120Dに与える干渉の影響を相対的に小さくすることができる。
【0102】
本実施形態では、制御部130は、無線中継装置100が利用可能な複数の通信周波数帯のうち、ドナー側無線通信部120Dについて測定されたSNRが最も低い通信周波数帯をサービス側無線通信部120Sに設定する。これにより、ドナー側無線通信部120Dに対して設定する通信周波数帯を切り替える場合に備えて、良好なSNRの通信周波数帯を確保しておくことができる。その結果、ドナー側無線通信部120Dに対して設定する通信周波数帯を切り替えた後においても、プリアンブルマスク信号がドナー側無線通信部120Dに与える干渉の影響を相対的に小さくすることができる。
【0103】
(5)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0104】
上述した実施形態では、サービス側無線通信部120Sに対して設定された通信周波数帯とドナー側無線通信部120Dに対して設定された通信周波数帯との間の周波数間隔と、ドナー側無線通信部120Dが無線基地局200から受信した無線信号のRSSIとの両方に基づいてプリアンブルマスク信号の送信電力を制御する一例を説明したが、何れか一方のみに基づいてプリアンブルマスク信号の送信電力を制御してもよい。また、プリアンブルマスク信号の送信電力を適宜変更する場合に限らず、プリアンブルマスク信号の送信電力が予め設定された固定値になるよう制御してもよい。さらに、RSSIの代わりに無線信号のSNRを利用してプリアンブルマスク信号の送信電力を制御してもよい。
【0105】
なお、上述した実施形態では、WiMAX(IEEE802.16)に基づく無線通信システム1について説明したが、WiMAXに限らず、TDD方式を採用する無線通信システムであればよく、例えば3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規格化されているLTE(Long Term Evolution)のTDDモード(TDD−LTE)などに対しても本発明を適用可能である。
【0106】
さらに、無線中継装置100は、固定型のものに限らず、例えば車両などに搭載される移動型のものであってもよい。
【0107】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0108】
1…無線通信システム、100…無線中継装置、101〜103…基板、105…筐体、110D…ドナー側通信ユニット、110S…サービス側通信ユニット、120D…ドナー側無線通信部、120S…サービス側無線通信部、121a,121b…サービスアンテナ、122a,122b…スイッチ、123a,123b…PA、124a,124b…LNA、125a,125b…RF/BB部、130…制御部、130D…ドナー側制御部、130S…サービス側制御部、132…記憶部、133…I/F部、161a,161b…ドナーアンテナ、162a,162b…スイッチ、165a,165b…RF/BB部、172…記憶部、172,132…記憶部、173,133…I/F部、174…インジケータ、200…無線基地局、300…無線端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末によって同期の確立に使用される無線信号である同期信号を無線基地局が所定タイミングで送信する無線通信システムにおいて用いられる無線中継装置であって、
前記無線基地局との無線通信を行う第1無線通信部と、
前記無線端末との無線通信を行う第2無線通信部と、
前記第1無線通信部及び前記第2無線通信部を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、
前記無線中継装置が利用可能な複数の通信周波数帯のうち、前記第1無線通信部について測定された無線品質レベルが最も高い通信周波数帯を前記第1無線通信部に対して設定し、前記複数の通信周波数帯のうち、前記第1無線通信部について測定された無線品質レベルが最も低い通信周波数帯を前記第2無線通信部に対して設定し、
前記同期信号を妨害するための無線信号である妨害信号を前記所定タイミングで送信するよう前記第2無線通信部を制御する無線中継装置。
【請求項2】
無線端末によって同期の確立に使用される無線信号である同期信号を無線基地局が所定タイミングで送信する無線通信システムにおいて用いられ、
前記無線基地局との無線通信を行う第1無線通信部と、
前記無線端末との無線通信を行う第2無線通信部と、
を具備する無線中継装置の制御方法であって、
前記無線中継装置が利用可能な複数の通信周波数帯のうち、前記第1無線通信部について測定された無線品質レベルが最も高い通信周波数帯を前記第1無線通信部に対して設定し、前記複数の通信周波数帯のうち、前記第1無線通信部について測定された無線品質レベルが最も低い通信周波数帯を前記第2無線通信部に対して設定するステップと、
前記同期信号を妨害するための無線信号である妨害信号を前記所定タイミングで送信するよう前記第2無線通信部を制御するステップと、
を有する制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−19562(P2012−19562A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236243(P2011−236243)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2010−151486(P2010−151486)の分割
【原出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】