説明

無線制御装置、無線制御方法、及びプログラム

【課題】隣接セルリストを更新する際に生じるオーバヘッドを低減させる。
【解決手段】無線制御装置は、自装置に接続されているアンテナ装置を示す情報が記憶されている第1のテーブルと、自装置に接続されているアンテナ装置ごとに該アンテナ装置の隣接アンテナ装置を示す情報が記憶されている第2のテーブルと、隣接アンテナ装置それぞれに接続されている無線制御装置を示す情報が記憶されている第3のテーブルとアンテナ装置と無線制御装置との接続の切り替えを指示する切替指示信号を受信し、受信した切替指示信号に基づいて、第1のテーブル、第2のテーブル及び第3のテーブルそれぞれに記憶されている情報を更新し、第3のテーブルに記憶されている情報が示す無線制御装置から自装置を除いた無線制御装置を示す情報を新たな隣接セルリストにする隣接セルリスト更新部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線制御装置、無線制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
第3.9世代の移動通信システムとして、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において標準化が進められているLTE(Long Term Evolution)などでは、基地局間における移動端末のハンドオーバをサポートするために、基地局は自局がカバーするエリアに隣接したエリアをカバーする基地局を示す情報を保持している。この隣接したエリアをカバーする基地局を示す情報である隣接セルリストは、報知チャネルなどを用いて基地局から移動端末に通知されている(非特許文献1)。
移動端末は、接続中の基地局や、隣接セルリストに含まれている基地局からの信号強度を測定し、測定結果を接続中の基地局に通知する。基地局は移動端末から受信した測定結果に基づいて、ハンドオーバの要否や、ハンドオーバ先の基地局を選択している。
【0003】
ところで、基地局を新設した際や、撤去した際にも、適切にハンドオーバがなされるためには、隣接セルリストを実際の基地局の配置と一致させておく必要がある。一般的な移動通信システムでは、基地局の設置や撤去に応じて、移動通信システムの管理者又は運用者が隣接セルリストを手動で更新することが行われていた。しかし、移動通信システムの運用の自動化を目指し、人手を介さずに隣接セルリストを更新するANR(Automatic Neighbor Relation)が検討されている(非特許文献1)。
ANRを用いる場合、移動端末は、基地局からの指示に基づいて、現在の位置において検出可能な基地局からの信号強度などを測定し、測定結果を基地局に送信する(Measurement Report)。基地局は、移動端末から受信した測定結果に基づき、隣接セルリストを更新することにより、実際の基地局の配置と隣接セルリストとを一致させて最新の状態に保つことが可能となる。
【0004】
今後、益々増加する移動通信システムにおけるトラヒックを収容するために、基地局が備えている機能を、無線制御装置とアンテナ装置とに分離した上、複数の無線制御装置を同一局舎に集約する無線ネットワークアーキテクチャが検討されている(非特許文献2、3)。
この無線ネットワークアーキテクチャの特徴は、無線制御装置とアンテナ装置との接続関係を柔軟かつ動的に変更できる点である。例えば、トラヒックの時間変動や日次変動などに応じて、トラヒックの多く発生するエリアに、より多くの無線制御装置を割り当てることにより、限られた無線制御装置のリソースを効率的に利用することが可能となる。なお、無線ネットワークアーキテクチャにおいても、移動端末が適切に基地局間でハンドオーバできるように、隣接セルリストの更新が必要となる。隣接セルリストは、無線プロトコル処理を行う無線制御装置ごとに管理されており、無線制御装置がカバーするエリアに隣接するエリアをカバーする無線制御装置を示す情報を有する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS 36.300,“Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2”
【非特許文献2】"Nokia Siemens Networks launches Liquid Radio"、[online]、平成23年3月21日、Nokia Siemens Networks、[平成23年9月16日検索]、インターネット<http://www.nokiasiemensnetworks.com/news-events/press-room/press-releases/nokia-siemens-networks-launches-liquid-radio>
【非特許文献3】"Light Radio(TM):Evolve your wireless broadband network for the new generation of applications and users"、[online]、平成23年7月29日、Alcatel-Lucent、[平成23年9月19日検索]、インターネット<http://www.alcatel-lucent.com/features/light_radio/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献2、3などのように検討が進んでいる、基地局を無線制御装置とアンテナ装置とに分離し、複数の無線制御装置を集約する無線ネットワークアーキテクチャでは、トラヒック状況等に応じて、無線制御装置とアンテナ装置との接続関係を動的に変更する。接続関係を変更する際には、無線制御装置の隣接関係が変わるため、適切に隣接セルリストを更新する必要がある。
例えば、隣接セルリストの更新にANRを適用した場合、移動端末で基地局からの信号強度などを測定し、測定結果を無線制御装置に送信する必要がある。そのため、アンテナ装置と無線制御装置との接続を切り替えると、測定結果のトラヒック(オーバヘッド)が増加して、移動端末の利用者に提供できる帯域幅が狭くなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、アンテナ装置と無線制御装置との接続関係を動的に変更できる無線ネットワークアーキテクチャにおいて、アンテナ装置と無線制御装置との間の接続を切り替え、隣接セルリストを更新する際に生じるオーバヘッドを低減させることができる無線制御装置、無線制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するために、本発明は、移動端末との無線通信を行う複数のアンテナ装置と、前記アンテナ装置を制御する複数の無線制御装置とを具備した通信システムにおける無線制御装置であって、自装置に接続されている前記アンテナ装置を示す情報が記憶されている第1のテーブルと、自装置に接続されている前記アンテナ装置ごとに該アンテナ装置が有する通信エリアに隣接する通信エリアを有するアンテナ装置である隣接アンテナ装置を示す情報が記憶されている第2のテーブルと、前記隣接アンテナ装置それぞれに接続されている前記無線制御装置を示す情報が記憶されている第3のテーブルと、前記アンテナ装置と前記無線制御装置との接続の切り替えを指示する切替指示信号を受信し、受信した切替指示信号に基づいて、前記第1のテーブル、前記第2のテーブル及び前記第3のテーブルそれぞれに記憶されている情報を更新し、前記第3のテーブルに記憶されている情報が示す前記無線制御装置から自装置を除いた無線制御装置を示す情報を新たな隣接セルリストにする隣接セルリスト更新部とを備えていることを特徴とする無線制御装置である。
【0009】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記隣接セルリスト更新部は、前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え元が自装置の場合、接続先を切り替える前記アンテナ装置に対応する情報を前記第1のテーブルから削除し、前記接続先を切り替える前記アンテナ装置の前記隣接アンテナ装置を示す情報を前記第2のテーブルから削除し、前記接続先を切り替える前記アンテナ装置の前記隣接アンテナ装置に対応する前記無線制御装置を示す情報を前記第3のテーブルから削除し、前記第3のテーブルにおいて、前記接続先を切り替えるアンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報を、前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え先の前記無線制御装置を示す情報に更新することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記隣接セルリスト更新部は、前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え先が自装置の場合、接続先を切り替える前記アンテナ装置を示す情報と、該アンテナ装置の前記隣接アンテナ装置、及び該隣接アンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報とを含むアンテナ装置情報を受信し、受信した前記アンテナ装置情報に含まれる前記接続先を切り替えるアンテナ装置を示す情報を前記第1のテーブルに記憶させ、前記アンテナ装置情報に含まれる前記隣接アンテナ装置を示す情報を前記第2のテーブルに記憶させ、前記アンテナ装置情報に含まれる前記隣接アンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報を前記第3のテーブルに記憶させ、前記第3のテーブルに記憶されている情報において、前記接続先を切り替えるアンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報を、自装置を示す情報に更新することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記隣接セルリスト更新部は、更に、前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え元が自装置の場合、前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え先の無線制御装置に、前記アンテナ装置情報を送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記隣接セルリスト更新部は、更に、前記接続を切り替えるアンテナ装置と該アンテナ装置の接続を切り替える先の無線制御装置とを示す情報を含む隣接セルリスト更新指示信号を受信し、前記第3のテーブルに記憶されている前記隣接アンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報において、受信した前記隣接セルリスト更新指示信号が示す接続を切り替えるアンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報を、前記受信した隣接セルリスト更新指示信号が示す前記接続を切り替える先の無線制御装置を示す情報に更新し、更新した前記第3のテーブルに記憶されている情報が示す前記無線制御装置から自装置を除いた無線制御装置を示す情報を前記隣接セルリストにすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記隣接セルリスト更新部は、更に、前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え元又は切り替え先が自装置の場合、前記隣接セルリスト更新指示信号を生成し、前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の隣接アンテナ装置に接続されている前記無線制御装置のうち、前記接続を切り替えたアンテナ装置の切り替え元及び切り替え先の無線制御装置を除いた無線制御装置に、前記生成した隣接セルリスト更新指示信号を送信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、移動端末との無線通信を行う複数のアンテナ装置と、前記アンテナ装置を制御する複数の無線制御装置とを具備し、前記無線制御装置は、自装置に接続されている前記アンテナ装置を示す情報が記憶されている第1のテーブルと、自装置に接続されている前記アンテナ装置ごとに該アンテナ装置が有する通信エリアに隣接する通信エリアを有するアンテナ装置である隣接アンテナ装置を示す情報が記憶されている第2のテーブルと、前記隣接アンテナ装置それぞれに接続されている前記無線制御装置を示す情報が記憶されている第3のテーブルとを備えている通信システムにおける無線制御方法であって、前記アンテナ装置と前記無線制御装置との接続の切り替えを指示する切替指示信号を受信し、受信した切替指示信号に基づいて、前記第1のテーブル、前記第2のテーブル及び前記第3のテーブルそれぞれに記憶されている情報を更新し、前記第3のテーブルに記憶されている情報が示す前記無線制御装置から自装置を除いた無線制御装置を示す情報を新たな隣接セルリストにする隣接セルリスト更新ステップを有することを特徴とする無線制御方法である。
【0015】
また、本発明は、移動端末との無線通信を行う複数のアンテナ装置と、前記アンテナ装置を制御する複数の無線制御装置とを具備し、前記無線制御装置は、自装置に接続されている前記アンテナ装置を示す情報が記憶されている第1のテーブルと、自装置に接続されている前記アンテナ装置ごとに該アンテナ装置が有する通信エリアに隣接する通信エリアを有するアンテナ装置である隣接アンテナ装置を示す情報が記憶されている第2のテーブルと、前記隣接アンテナ装置それぞれに接続されている前記無線制御装置を示す情報が記憶されている第3のテーブルとを備えている通信システムにおける無線制御装置に設けられているコンピュータに、前記アンテナ装置と前記無線制御装置との接続の切り替えを指示する切替指示信号を受信し、受信した切替指示信号に基づいて、前記第1のテーブル、前記第2のテーブル及び前記第3のテーブルそれぞれに記憶されている情報を更新し、前記第3のテーブルに記憶されている情報が示す前記無線制御装置から自装置を除いた無線制御装置を示す情報を新たな隣接セルリストにする隣接セルリスト更新ステップを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、無線制御装置は、切替指示信号と、自装置に備えられている第1から第3のテーブルに記憶されている情報に基づいて、アンテナ装置の接続を切り替えた後の接続関係に対応した隣接セルリストに更新することができる。これにより、アンテナ装置と無線制御装置との接続を切り替えた後に移動端末において測定した信号強度などを無線制御装置に送信する必要がなくなり、アンテナ装置と無線制御装置との間の接続を切り替え、隣接セルリストを更新する際に生じるオーバヘッドを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態における移動通信システム100の構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態における無線管理装置1と無線制御装置2との構成を示す概略ブロック図である。
【図3】本実施形態におけるRRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報の一例を示す図である。
【図4】図1に示した移動通信システム100におけるアンテナ装置3cの接続先を変更した図である。
【図5】本実施形態における隣接セルリストを更新する処理例を示すシーケンス図である。
【図6】本実施形態における切り替え元の無線制御装置2の隣接セルリストを更新する処理を示す図である。
【図7】本実施形態における切り替え先の無線制御装置2の隣接セルリストを更新する処理を示す図である。
【図8】本実施形態における隣接セルリストの更新が必要となる無線制御装置2の隣接セルリストを更新する処理を示す図である。
【図9】本実施形態においてアンテナ装置3cの接続先を無線制御装置2Cから無線制御装置2Bに切り替えた後の各無線制御装置2A〜2EのRRHテーブル21を示す図である。
【図10】第2実施形態における無線管理装置5と無線制御装置2との構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本実施形態におけるRCUテーブル52に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報との一例を示す図である。
【図12】本実施形態における隣接セルリストを更新する処理例を示すシーケンス図である。
【図13】本実施形態においてアンテナ装置3cの接続先を無線制御装置2Cから無線制御装置2Bに切り替えた後のRCUテーブル52を示す図である。
【図14】第3実施形態における無線管理装置7と無線制御装置8との構成を示す概略ブロック図である。
【図15】本実施形態における隣接セルリストを更新する処理例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における無線制御装置、無線制御方法、及びプログラムを説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における移動通信システム100の構成を示す概略図である。同図に示されるように、移動通信システム100は、無線管理装置(Radio Management Unit;RMU)1と、無線管理装置1に接続された複数の無線制御装置(Radio Control Unit;RCU)2A〜2Eと、無線制御装置2A〜2Eに接続された複数のアンテナ装置(Remote Radio Head;RRH)3a〜3hと、無線管理装置1をパケット・コア103に接続するパケットゲートウェイ102とを具備している。各無線制御装置2A〜2Eは同じ構成を有しており、以下、無線制御装置2A〜2Eのいずれか又は全体を示す場合に無線制御装置2という。また、アンテナ装置3a〜3hは同じ構成を有しており、以下、アンテナ装置3a〜3hのいずれか又は全体を示す場合にアンテナ装置3という。
【0020】
無線管理装置1は、無線制御装置2とアンテナ装置3との接続関係を制御し、無線制御装置2それぞれに接続する移動端末(不図示)の数や、各無線制御装置2に要求されるトラヒックなどに応じて、無線制御装置2と接続するアンテナ装置3との接続関係を決定する。また、無線管理装置1は、決定した接続関係に基づいて、アンテナ装置3との接続を切り替えさせる切替指示信号を無線制御装置2に送信する。
【0021】
無線制御装置2は、無線管理装置1及びパケットゲートウェイ102を介してパケット・コア103に接続されている。また、無線制御装置2は、無線基地局における呼制御や無線リソースのスケジューリングなどの処理を行い、上りリンク及び下りリンクのベースバンド処理を行う。また、無線制御装置2は、それぞれに異なるアンテナ装置3が接続され、接続されているアンテナ装置3から上りリンクの信号を受信し、接続されているアンテナ装置3に下りリンクの信号を送信する。
また、無線制御装置2には、複数のアンテナ装置3を接続することが可能であり、複数のアンテナ装置3が接続されている場合、分散アンテナ技術と同様に、接続されている複数のアンテナ装置3から同一のデータを含む信号を送信する。また、無線制御装置2は、接続されているアンテナ装置3が移動端末と通信可能なエリア(通信エリア)でセルを形成する。複数のアンテナ装置3が接続されている場合、各アンテナ装置3の通信エリアをまとめて1つのセルが形成される。
【0022】
また、無線制御装置2は、無線管理装置1から切替指示信号が入力されると、備えている隣接セルリストを更新する。また、無線制御装置2は、隣接セルリストの更新が必要な他の無線制御装置2にRRH情報を送信する。ここで、隣接セルリストとは、無線制御装置2それぞれが有しており、自装置が形成するセルに隣接するセルを形成している他の無線制御装置2を示すリストである。また、RRH情報とは、アンテナ装置3との接続の切り替えに応じて変更が生じるアンテナ装置3に関する情報である。
【0023】
アンテナ装置3は、無線基地局におけるアンテナ素子を有し、無線通信機能を独立させた無線通信ユニットであり、移動端末との無線通信を行う。また、アンテナ装置3は、光ファイバ回線などを用いて無線制御装置2と接続されている。
【0024】
図1に示す例では、アンテナ装置3aはアンテナ装置3b、3eと隣接して配置され、アンテナ装置3bはアンテナ装置3a、3c、3fと隣接して配置され、アンテナ装置3cはアンテナ装置3b、3d、3gと隣接して配置され、アンテナ装置3dはアンテナ装置3c、3hと隣接して配置されている。
また、アンテナ装置3eはアンテナ装置3a、3fと隣接して配置され、アンテナ装置3fはアンテナ装置3b、3e、3gと隣接して配置され、アンテナ装置3gはアンテナ装置3c、3f、3hと隣接して配置され、アンテナ装置3hはアンテナ装置3d、3gと隣接して配置されている。
無線制御装置2Aにはアンテナ装置3a、3eが接続されている。無線制御装置2Bにはアンテナ装置3b、3fが接続されている。無線制御装置2Cにはアンテナ装置3c、3gが接続されている。無線制御装置2Dにはアンテナ装置3dが接続されている。無線制御装置2Eにはアンテナ装置3hが接続されている。
【0025】
無線管理装置1と無線制御装置2とは、例えば集約センター101にまとめて設置される。アンテナ装置3は、集約センター101から離れた位置に設置される。
パケットゲートウェイ102は、集約センター101に設置されている無線管理装置1と、パケット・コア103とを接続し、無線管理装置1とパケット・コア103との間における信号の送受信を行い、信号を中継する。
パケット・コア103は、他の移動通信システムや、インターネットなどの外部ネットワークに接続されたネットワークである。
【0026】
図2は、本実施形態における無線管理装置1と無線制御装置2との構成を示す概略ブロック図である。同図に示されるように、無線管理装置1は、リソース割当部11を備えている。リソース割当部11は、各無線制御装置2から受信するトラヒック情報に基づいて、各無線制御装置2に接続するアンテナ装置3を決定し、決定した接続関係に応じた切替指示信号を生成する。ここで、トラヒック情報は、例えば、無線制御装置2が各アンテナ装置3を用いて送受信するデータ量を示す情報である。また、リソース割当部11は公知の技術を用いて接続関係を決定する。
【0027】
無線制御装置2は、RRHテーブル21と、隣接セルテーブル22と、通信部23と、隣接セルリスト更新部24とを備えている。RRHテーブル21には、自装置に接続されているアンテナ装置3を示す接続RRH情報ごとに、当該アンテナ装置3が有する通信エリアと隣接する通信エリアを有する他のアンテナ装置3(隣接アンテナ装置)を示す識別子(RRH−ID)と、当該アンテナ装置3に接続されている無線制御装置2を示す識別子(RCU−ID)とを組み合わせた隣接RRH情報が記憶されている。
隣接セルテーブル22には、自装置のセルに隣接するセルを形成している他の無線制御装置2を示す識別子(RCU−ID)のリストである隣接セルリストが記憶されている。
通信部23は、隣接セルリスト更新部24から入力される接続指示信号により指定されるアンテナ装置3と接続し、接続したアンテナ装置3を介して移動端末と通信をする。通信部23は、各アンテナ装置3が移動端末と送受信するトラヒック情報を無線管理装置1に送信する。また、通信部23は、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを読み出し、読み出した隣接セルリストをアンテナ装置3に送信する。アンテナ装置3において、隣接セルリストは報知チャネルなどを用いて移動端末に送信される。
隣接セルリスト更新部24は、無線管理装置1から切替指示信号を受信し、受信した切替指示信号に応じて、RRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新し、更新結果に応じて、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する。
【0028】
図3は、本実施形態におけるRRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報の一例を示す図である。同図に示す接続RRH情報及び隣接RRH情報は、図1に示した無線制御装置2とアンテナ装置3との接続関係を示している。図3(a)は無線制御装置2Aに備えられているRRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を示している。図3(b)〜図3(e)は、図3(a)と同様に、それぞれが無線制御装置2B〜2Eに備えられているRRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を示している。ここでは、アンテナ装置3a〜3hそれぞれの識別子(RRH−ID)を「a」〜「h」で表し、無線制御装置2A〜2Eそれぞれの識別子(RCU−ID)を「A」〜「E」で表している。
【0029】
例えば、図3(b)で示されている無線制御装置2Bに備えられているRRHテーブル21には、無線制御装置2Bに接続されているアンテナ装置3b、3fを示す「b」及び「f」が接続RRH情報として記憶されている。接続RRH情報「b」には、隣接RRH情報としてRRH−ID「a」とRCU−ID「A」との組み合わせ、RRH−ID「c」とRCU−ID「C」との組み合わせ、及び、RRH−ID「f」とRCU−ID「B」との組み合わせが対応付けられている。同様に、接続RRH情報「f」には、「b−B」、「e−A」及び「g−C」の組み合わせが対応付けられている。
【0030】
以下、具体的な例を示して、各無線制御装置2に記憶されている隣接セルリストを更新する処理を説明する。ここでは、図4に示すように、無線制御装置2Cに接続されているアンテナ装置3cの接続先を無線制御装置2Bに切り替える場合における処理を例にして、無線管理装置1及び無線制御装置2の動作を説明する。すなわち、図1に示した接続関係を図4に示した接続関係に変更する場合における動作を説明する。以下、図3において示したように、無線制御装置2A〜2Eそれぞれを識別するRCU−IDを「A」、「B」、「C」、「D」、「E」とし、アンテナ装置3a〜3hそれぞれを識別するRRH−IDを「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、「f」、「g」、「h」として説明をする。
【0031】
図4に示すように、アンテナ装置3cの接続先を無線制御装置2Bに切り替えることにより、無線制御装置2B、2C、2Dそれぞれの隣接するセルが変わる。無線制御装置2Bの隣接セルは、無線制御装置2A、2C、2Dが形成するセルとなる。無線制御装置2Cの隣接セルは、無線制御装置2B、2Eが形成するセルとなる。無線制御装置2Dの隣接セルは、無線制御装置2B、2Eが形成するセルとなる。
【0032】
図5は、本実施形態における隣接セルリストを更新する処理例を示すシーケンス図である。ここでは、無線制御装置2Cにおけるトラヒック量が予め定められた閾値以上となり、無線制御装置2Bにおけるトラヒック量が閾値以下であったため、無線制御装置2Cに接続されていたアンテナ装置3cを無線制御装置2Bに切り替える場合(図1に示す接続関係から図4に示す接続関係に切り替える場合)を例にして説明する。
【0033】
同図に示されるように、各無線制御装置(RCU)2A〜2Eにおいて、通信部23は、予め定められた周期ごとに定期的に、あるいは無線管理装置(RMU)1が指定した時刻ごとに、各アンテナ装置3が移動端末と送受信するトラヒック情報を無線管理装置1に送信する(ステップS1)。
【0034】
無線管理装置1において、リソース割当部11は、各無線制御装置2から受信したトラヒック情報に基づいて、無線制御装置2とアンテナ装置3との接続の変更を決定する(ステップS2)。また、リソース割当部11は、決定した接続変更に応じた切替指示信号を生成し、生成した切替指示信号を無線制御装置2Cと無線制御装置2Bとに送信する(ステップS3)。ステップS3において送信される切替指示信号は、無線制御装置2Cに接続されているアンテナ装置3cの接続先を無線制御装置2Bに切り替えることを示す信号である。
【0035】
無線制御装置2Cにおいて、隣接セルリスト更新部24は、受信した切替指示信号を通信部23に出力し、通信部23にアンテナ装置3cとの接続を切断させる。この後、無線制御装置2Bにおいて、隣接セルリスト更新部24は、受信した切替指示信号を通信部23に出力し、通信部23にアンテナ装置3cとの接続をさせる(ステップS4)。このとき、無線制御装置2Cに備えられた通信部23と、無線制御装置2Bに備えられた通信部23とは、互いに連携を取りながら、アンテナ装置3cが無線制御装置2B、2Cの両方に同時に接続されないように、切り替えを行う。
【0036】
アンテナ装置3cの切り替え元である無線制御装置2Cにおいて、アンテナ装置3cの接続の切り替えが完了すると、隣接セルリスト更新部24は、RRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新し、更新結果に基づいて隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する(ステップS5)。
隣接セルリスト更新部24は、接続の切り替え対象であるアンテナ装置3cに関するRRH情報を生成し、アンテナ装置3cの切り替え先である無線制御装置2Bに生成したRRH情報を送信する(ステップS6)。
【0037】
アンテナ装置3cの切り替え先である無線制御装置2Bにおいて、隣接セルリスト更新部24は、無線制御装置2CからRRH情報を受信すると、受信したRRH情報を用いてRRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新し、更新結果に基づいて、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する(ステップS7)。隣接セルリスト更新部24は、更新後のRRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報に基づいて、アンテナ装置3cの接続の切り替えに直接関与しないが、隣接セルリストの更新が必要となる無線制御装置2Dに、隣接セルリスト更新指示信号を送信する(ステップS8)。ステップS8における隣接セルリスト更新指示信号は、アンテナ装置3cが無線制御装置2Bに接続されていることを示す信号である。
【0038】
無線制御装置2Dにおいて、隣接セルリスト更新部24は、無線制御装置2Bから隣接セルリスト更新指示信号を受信すると、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報を更新し、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する(ステップS9)。
上述のステップS1からステップS9の処理により、アンテナ装置3の接続先の変更に伴う隣接セルリストの更新が行われる。
【0039】
次に、ステップS5における無線制御装置2Cの隣接セルリストを更新する処理をより詳細に説明する。図6は、本実施形態における切り替え元の無線制御装置2の隣接セルリストを更新する処理を示す図である。
図6(a)は、切り替え元の無線制御装置2における隣接セルリストを更新する処理のフローチャートである。図6(b)は、無線制御装置2CのRRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報の更新前と更新後とを示す図である。
【0040】
無線制御装置2Cにおいて、隣接セルリスト更新部24は、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報から、RRH情報を生成する。隣接セルリスト更新部24は、接続を切り替える対象のアンテナ装置3cを示す接続RRH情報「c」と、RRH−ID「c」に対応する隣接RRH情報(b−B,d−D,g−C)とを削除する(ステップS11)。
ここで、RRH情報には、接続を切り替える対象のアンテナ装置3を示す情報(RRH−ID)と、当該アンテナ装置3に対応する隣接RRH情報とが含まれている。本例においては、接続を切り替えるアンテナ装置3を示す情報としてRRH−ID「c」と、RRH−ID「c」に対応する隣接RRH情報として「b−B,d−D,g−C」とがRRH情報に含まれている。
【0041】
隣接セルリスト更新部24は、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報に、接続を切り替えるアンテナ装置3cが含まれている場合に、当該アンテナ装置3cと組み合わせられている無線制御装置2の識別子(RCU−ID)を切り替え先の無線制御装置2Bの識別子に変更する。本例では、RRH−ID「g」に対応する隣接RRH情報に、「c−C」の組み合わせが含まれているので、当該組み合わせを「c−B」に変更する(ステップS12)。
隣接セルリスト更新部24は、更新後のRRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報に基づいて、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する。本例では、隣接RRH情報に含まれる無線制御装置2のRCU−IDは「B」と「E」とであるので、隣接セルリスト更新部24は「B,E」を更新後の隣接セルリストとして隣接セルテーブル22に記憶させる(ステップS13)。
【0042】
隣接セルリスト更新部24は、ステップS11において生成したRRH情報を、接続を切り替えるアンテナ装置3の切り替え先の無線制御装置2に送信する(ステップS14)。ステップS14は、図5のステップS6に対応する。
上述のステップS11からステップS13の処理により、切り替え元の無線制御装置2Cにおける隣接セルリストが図6(b)に示されているように更新される。
【0043】
次に、図5のステップS7における無線制御装置2Bの隣接セルリストを更新する処理をより詳細に説明する。図7は、本実施形態における切り替え先の無線制御装置2の隣接セルリストを更新する処理を示す図である。
図7(a)は、切り替え先の無線制御装置2における隣接セルリストを更新する処理のフローチャートである。図7(b)は、無線制御装置2BのRRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報の更新前と更新後とを示す図である。
【0044】
無線制御装置2Bにおいて、隣接セルリスト更新部24は、接続を切り替えるアンテナ装置3cの切り替え元の無線制御装置2Cから、RRH情報を受信すると(ステップS21)、受信したRRH情報に含まれるRRH−ID及び隣接RRH情報を、RRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報に追加する(ステップS22)。
隣接セルリスト更新部24は、受信したRRH情報に含まれるRRH−IDがRRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報に含まれている場合、当該RRH−IDと組み合わされているRCU−IDを、切り替え先の無線制御装置2を示すRCU−IDに変更する。本例では、RRH−ID「b」に対応する隣接RRH情報に含まれている「c−C」を「c−B」に変更する(ステップS23)。
【0045】
隣接セルリスト更新部24は、更新後のRRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報に基づいて、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する。本例では、隣接RRH情報に含まれる無線制御装置2のRCU−IDは「A」、「B」、「C」及び「D」とであり、隣接セルリスト更新部24は、自装置「B」を除いた「A,C,D」を更新後の隣接セルリストとして隣接セルテーブル22に記憶させる(ステップS24)。
隣接セルリスト更新部24は、切り替え対象のアンテナ装置3cに対応する隣接RRH情報に含まれる無線制御装置2のうち、切り替え元の無線制御装置2と自装置とを除いた無線制御装置2に、アンテナ装置3cの接続先を無線制御装置2Bに変更したことを示す隣接セルリスト更新指示信号を送信する(ステップS25)。ステップS25は、図5のステップS8に対応する。
上述のステップS21からステップS24の処理により、切り替え先の無線制御装置2における隣接セルリストが図7(b)に示されているように更新される。
【0046】
次に、図5のステップS9における無線制御装置2Dの隣接セルリストを更新する処理をより詳細に説明する。図8は、本実施形態における隣接セルリストの更新が必要となる無線制御装置2の隣接セルリストを更新する処理を示す図である。
図8(a)は、アンテナ装置3の切り替え先、及び切り替え元以外の無線制御装置2における隣接セルリストを更新する処理のフローチャートである。図8(b)は、無線制御装置2DのRRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報の更新前と更新後とを示す図である。
【0047】
無線制御装置2Dにおいて、隣接セルリスト更新部24は、無線制御装置2Bから隣接セルリスト更新指示信号を受信すると(ステップS31)、受信した隣接セルリスト更新指示信号に基づいて、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報を更新する。本例では、隣接セルリスト更新指示信号が示す「アンテナ装置3cの接続先が無線制御装置2Bである」ことに基づいて、隣接RRH情報に含まれるアンテナ装置3cと組み合わされている無線制御装置2のRCU−IDを「B」に変更する(ステップS32)。
【0048】
隣接セルリスト更新部24は、更新後のRRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報に基づいて、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する。本例では、隣接RRH情報に含まれる無線制御装置2のRCU−IDは「B」と「E」とであるので、隣接セルリスト更新部24は「B,E」を更新後の隣接セルリストとして隣接セルテーブル22に記憶させる(ステップS33)。
上述のステップS31からステップS33の処理により、切り替え元及び切り替え先以外の無線制御装置2Dにおける隣接セルリストが図8(b)に示されているように更新される。
【0049】
図9は、本実施形態においてアンテナ装置3cの接続先を無線制御装置2Cから無線制御装置2Bに切り替えた後の各無線制御装置2A〜2EのRRHテーブル21を示す図である。図9(a)は、無線制御装置2Aに備えられているRRHテーブル21が記憶している接続RRH情報及び隣接RRH情報を示している。同様に、図9(b)〜(e)は、無線制御装置2B〜2Eに備えられているRRHテーブル21が記憶している接続RRH情報及び隣接RRH情報を示している。図9と図3とを比べると、図9(b)の無線制御装置2Bの接続RRH情報には「c」が追加されるとともに、図9(b)の隣接RRH情報には「b−B,d−D,g−C」が追加されている。また、図9(c)の無線制御装置2Cの接続RRH情報から「c」が削除されるとともに、「b−B,d−D,g−C」が削除されている。また、図9(d)の無線制御装置2Dの隣接RRH情報では、RRH−ID「c」と組み合わされていたRCU−ID「C」が「B」に変更されている。
【0050】
上述のように、無線制御装置2とアンテナ装置3との接続関係を動的に変更する移動通信システム100において、無線制御装置2は、アンテナ装置3の接続を切り替える切替指示信号を受信すると、RRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報に基づいて、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新することができる。また、切替指示信号を受信した無線制御装置2は、切替指示信号を受信しない無線制御装置2のうち、アンテナ装置3の接続を切り替えることにより隣接セルリストの更新が必要な無線制御装置2に対して、隣接セルリスト更新指示信号を送信する。隣接セルリスト更新指示信号を受信した無線制御装置2は、受信した隣接セルリスト更新指示信号に基づいて、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報を更新するとともに、隣接セルリストを更新することができる。
これにより、無線制御装置2とアンテナ装置3との接続を変更後に、移動端末における信号強度の測定を行わずとも隣接セルリストの更新を行うことができ、アンテナ装置3と無線制御装置2との間の接続を切り替え、隣接セルリストを更新する際に生じるオーバヘッドを低減させることができる。
【0051】
また、アンテナ装置3の接続先を切り替えた後の隣接セルリストを切り替え前に算出することができるので、接続先の切り替える直前、同時、又は切り替えた直後に、隣接セルリストの更新を行うことができるので、接続先の切り替えと隣接セルリストの更新との間のタイムラグを短くすることができる。
また、無線制御装置2は、接続するアンテナ装置3を切り替えるタイミングと、アンテナ装置3を介して自装置と通信する移動端末に更新した隣接セルリストを通知するタイミングとの差を短くすることにより、正しくハンドオーバを行うことができずに移動端末の通信が切断されてしまう可能性を低くすることができ、移動通信システム100の安定性を向上させることができる。
【0052】
なお、上述の実施形態において、切り替え先の無線制御装置2Bが隣接セルリスト更新指示信号を無線制御装置2Dに送信する構成について説明したが、切り替え元の無線制御装置2Cが隣接セルリスト更新指示信号を無線制御装置2Dに送信するようにしてもよい。この場合、無線制御装置2Bにおいて、隣接セルリスト更新部24が、隣接RRH情報を更新する前に、切り替え対象のアンテナ装置3cに対応する隣接RRH情報に含まれるRCU−IDを検出し、検出したRCU−IDのうち、切り替え先、切り替え元の無線制御装置2を除いた無線制御装置2に隣接セルリスト更新指示信号を送信することになる。
【0053】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態における無線管理装置5と無線制御装置2との構成を示す概略ブロック図である。なお、本実施形態における移動通信システムは、第1実施形態における移動通信システム100が具備する無線管理装置1に替えて無線管理装置5を具備している。また、同図において、第1実施形態における機能部と同じ機能部には同じ符号を付し、当該機能部についての説明を省略する。
【0054】
同図に示されるように、無線管理装置5は、リソース割当部11と、RCUテーブル52と、RCUテーブル更新部53とを備えている。RCUテーブル52には、無線管理装置5に接続されている無線制御装置2ごとに、接続RRH情報と、隣接RRH情報とが記憶されている。RCUテーブル更新部53は、RCUテーブル52に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新する。また、RCUテーブル更新部53は、隣接セルリスト更新指示信号を生成し、生成した隣接セルリスト更新信号を無線制御装置2に送信する。
【0055】
図11は、本実施形態におけるRCUテーブル52に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報との一例を示す図である。同図に示されている例は、図1における無線制御装置2とアンテナ装置3との接続関係を示している。RCUテーブル52には、無線制御装置2を示す情報(RCU−ID)ごとに、接続RRH情報、及び隣接RRH情報が記憶されている。例えば、無線制御装置2Bを示す「B」に、無線制御装置2Bに接続されているアンテナ装置3b、3fを示す「b」及び「f」と、アンテナ装置3bに対する隣接RRH情報「a−A,c−C,f−B」及びアンテナ装置3fに対する隣接RRH情報「b−B,e−A,g−C」とが対応付けられている。
【0056】
以下、具体的な例を示して、各無線制御装置2に記憶されている隣接セルリストを更新する処理を説明する。図4は、図1に示した移動通信システム100におけるアンテナ装置3cの接続先を変更した図である。ここでは、図4に示すように、無線制御装置2Cに接続されているアンテナ装置3cの接続先を無線制御装置2Bに切り替える場合における処理を例にして、無線管理装置5及び無線制御装置2の動作を説明する。すなわち、図1に示した接続関係を図4に示した接続関係に変更する場合における動作を説明する。
図12は、本実施形態における隣接セルリストを更新する処理例を示すシーケンス図である。ここでは、第1実施形態における図5に示した例と同様に、無線制御装置2Cにおけるトラヒック量が予め定められた閾値以上となり、無線制御装置2Bにおけるトラヒック量が閾値以下であったため、無線制御装置2Cに接続されていたアンテナ装置3cを無線制御装置2Bに切り替える場合(図1に示す接続関係から図4に示す接続関係に切り替える場合)を例にして説明する。
【0057】
同図に示されるように、各無線制御装置(RCU)2A〜2Eにおいて、通信部23は、予め定められた周期ごとに定期的に、あるいは無線管理装置(RMU)5が指定した時刻ごとに、各アンテナ装置3が移動端末と送受信するトラヒック情報を無線管理装置1に送信する(ステップS201)。
【0058】
無線管理装置5において、リソース割当部11は、各無線制御装置2から受信したトラヒック情報に基づいて、無線制御装置2とアンテナ装置3との接続の変更を決定する(ステップS202)。また、リソース割当部11は、決定した接続変更に応じた切替指示信号を生成し、生成した切替指示信号を無線制御装置2Cと無線制御装置2Bとに送信する(ステップS203)。ステップS203において送信される切替指示信号は、無線制御装置2Cに接続されているアンテナ装置3cの接続先を無線制御装置2Bに切り替えることを示す信号である。
【0059】
無線制御装置2Cにおいて、隣接セルリスト更新部24は、受信した切替指示信号を通信部23に出力し、通信部23にアンテナ装置3cとの接続を切断させる。この後、無線制御装置2Bにおいて、隣接セルリスト更新部24は、受信した切替指示信号を通信部23に出力し、通信部23にアンテナ装置3cとの接続をさせる(ステップS204)。このとき、無線制御装置2Cに備えられた通信部23と、無線制御装置2Bに備えられた通信部23とは、互いに連携を取りながら、アンテナ装置3cが無線制御装置2B、2Cの両方に同時に接続されないように、切り替えを行う。
【0060】
アンテナ装置3cの切り替え元である無線制御装置2Cにおいて、アンテナ装置3cの接続の切り替えが完了すると、隣接セルリスト更新部24は、RRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新し、更新結果に基づいて隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する(ステップS205)。
隣接セルリスト更新部24は、接続の切り替え対象である無線制御装置2Cに対するRRH情報を生成し、アンテナ装置3cの切り替え先である無線制御装置2Bに生成したRRH情報を送信する(ステップS206)。
【0061】
アンテナ装置3cの切り替え先である無線制御装置2Bにおいて、隣接セルリスト更新部24は、無線制御装置2CからRRH情報を受信すると、受信したRRH情報を用いてRRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新し、更新結果に基づいて、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する(ステップS207)。
【0062】
無線管理装置5において、RCUテーブル更新部53は、ステップS203において生成した切替指示信号に基づいて、RCUテーブル52に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新する。
具体的には、RCUテーブル更新部53は、RCUテーブル52において、切り替え対象のアンテナ装置3cを示すRRH−ID「c」及び隣接RRH情報「b−B、d−D,g−C」と、無線制御装置2C(切り替え元の無線制御装置2C)を示すRCU−ID「C」との対応を削除する。また、RCUテーブル更新部53は、RCUテーブル52において、切り替え対象のアンテナ装置3cを示すRRH−ID「c」及び隣接RRH情報「b−B、d−D,g−C」を、アンテナ装置3cの切り替え先の無線制御装置2Bを示すRCU−ID「B」に対応付ける。更に、RCUテーブル更新部53は、RCUテーブル52に記憶されている隣接RRH情報のうち、切り替え対象のアンテナ装置3cと組み合わされているRCU−ID「C」を、切り替え先の無線制御装置2Bを示すRCU−ID「B」に変更する。
なお、RCUテーブル更新部53は、ステップS206において無線制御装置2Cから無線制御装置2Bに送信されるRRH情報を受信し、受信したRRH情報に基づいて、RCUテーブル52に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新するようにしてもよい。
RCUテーブル更新部53は、アンテナ装置3cが無線制御装置2Bに接続されていることを示す隣接セルリスト変更指示信号を生成し(ステップS208)、生成した隣接セルリスト更新信号を、RCUテーブル52に記憶されている隣接RRH情報が変更された無線制御装置2のうち、切り替え先、及び切り替え元の無線制御装置2以外の無線制御装置2Dに送信する(ステップS209)。
【0063】
無線制御装置2Dにおいて、隣接セルリスト更新部24は、無線制御装置2Bから隣接セルリスト更新指示信号を受信すると、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報を更新する(ステップS210)。
上述のステップS201からステップS210の処理により、アンテナ装置3の接続先の変更に伴う隣接セルリストの更新が行われる。
なお、上述のステップS205における隣接セルリストの更新は図6に示した処理と同様に行う。また、ステップS207における隣接セルリストの更新は図7に示した処理と同様に行う。また、ステップS210における隣接セルリストの更新は図8に示した処理と同様に行う。
【0064】
図13は、本実施形態においてアンテナ装置3cの接続先を無線制御装置2Cから無線制御装置2Bに切り替えた後のRCUテーブル52を示す図である。図13と図11とを比べると、接続RRH情報のRRH−ID「c」が無線制御装置2BのRCU−ID「B」に対応付けられ、RRH−ID「c」の隣接RRH情報がRCU−ID「B」に対応付けられている。また、RRH−ID「b」の隣接RRH情報と、RRH−ID「g」の隣接RRH情報と、RRH−ID「d」の隣接RRH情報とにおいて「c−C」が「c−B」に変更されている。
【0065】
上述のように、無線制御装置2とアンテナ装置3との接続関係を動的に変更する移動通信システムにおいて、無線制御装置2は、アンテナ装置3の接続を切り替える切替指示信号を受信すると、RRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報に基づいて、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新することができる。また、切替指示信号を受信した無線制御装置2は接続先を切り替えるアンテナ装置3に関する情報(RRH情報)を無線管理装置1に送信する。無線管理装置1は、RRH情報を受信すると、切替指示信号を受信しない無線制御装置2のうち、アンテナ装置3の接続を切り替えることにより隣接セルリストの更新が必要な無線制御装置2に対して、隣接セルリスト更新指示信号を送信する。隣接セルリスト更新指示信号を受信した無線制御装置2は、受信した隣接セルリスト更新指示信号に基づいて、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報を更新するとともに、隣接セルリストを更新することができる。
これにより、無線制御装置2とアンテナ装置3との接続を変更後に、移動端末における信号強度の測定を行わずとも隣接セルリストの更新を行うことができ、アンテナ装置3と無線制御装置2との間の接続を切り替え、隣接セルリストを更新する際に生じるオーバヘッドを低減させることができる。
【0066】
(第3実施形態)
図14は、第3実施形態における無線管理装置7と無線制御装置8との構成を示す概略ブロック図である。なお、本実施形態における移動通信システムは、第1実施形態における移動通信システム100が具備する無線管理装置1に替えて無線管理装置7を具備し、無線制御装置2に替えて無線制御装置8を具備している。また、同図において、第1実施形態又は第2実施形態における機能部と同じ機能部には同じ符号を付し、当該機能部についての説明を省略する。
【0067】
同図に示されるように、無線管理装置7は、リソース割当部11と、RCUテーブル52と、RCUテーブル更新部73とを備えている。RCUテーブル更新部73は、リソース割当部11が生成する切替指示信号に基づいて、RCUテーブル52に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新する。また、RCUテーブル更新部73は、更新した接続RRH情報及び隣接RRH情報からRRH情報を生成し、生成したRRH情報と切替指示信号とを、切り替え先及び切り替え元の無線制御装置8に送信する。また、RCUテーブル更新部73は、隣接セル更新指示信号を受信し、隣接RRH情報を更新する。
【0068】
無線制御装置8は、RRHテーブル21と、隣接セルテーブル22と、通信部23と、隣接セルリスト更新部84とを備えている。隣接セルリスト更新部84は、無線管理装置7から受信する切替指示信号及びRRH情報に基づいて、RRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新する。また、隣接セルリスト更新部84は、他の無線制御装置8から受信する隣接セルリスト更新指示信号に基づいて、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報を更新する。また、隣接セルリスト更新部84は、隣接RRH情報の更新結果に応じて、隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する。
【0069】
以下、具体的な例を示して、各無線制御装置8に記憶されている隣接セルリストを更新する処理を説明する。ここでは、図4に示すように、無線制御装置8Cに接続されているアンテナ装置3cの接続先を無線制御装置8Bに切り替える場合における処理を例にして、無線管理装置7及び無線制御装置8の動作を説明する。すなわち、図1に示した接続関係を図4に示した接続関係に変更する場合における動作を説明する。
図15は、本実施形態における隣接セルリストを更新する処理例を示すシーケンス図である。ここでは、第1実施形態における図5に示した例と同様に、無線制御装置8Cにおけるトラヒック量が予め定められた閾値以上となり、無線制御装置8Bにおけるトラヒック量が閾値以下であったため、無線制御装置8Cに接続されていたアンテナ装置3cを無線制御装置8Bに切り替える場合を例にして説明する。また、RCUテーブル52に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報は、図11に示した状態になっているものとする。
【0070】
同図に示されるように、各無線制御装置(RCU)8A〜8Eにおいて、通信部23は、予め定められた周期ごとに定期的に、あるいは無線管理装置(RMU)1が指定した時刻ごとに、各アンテナ装置3が移動端末と送受信するトラヒック情報を無線管理装置7に送信する(ステップS301)。
無線管理装置7において、リソース割当部11は、各無線制御装置8から受信したトラヒック情報に基づいて、アンテナ装置3cの接続先を無線制御装置8Cから無線制御装置8Bに切り替える接続の変更を決定する(ステップS302)。
【0071】
RCUテーブル更新部73は、リソース割当部11が決定した接続変更に基づいて、RCUテーブル52に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新する。具体的には、RCUテーブル更新部73は、RCUテーブル52において、切り替え対象のアンテナ装置3cを示すRRH−ID「c」及び隣接RRH情報「b−B、d−D,g−C」と、切り替え元の無線制御装置8Cを示すRCU−ID「C」との対応を削除する。また、RCUテーブル更新部53は、RCUテーブル52において、切り替え対象のアンテナ装置3cを示すRRH−ID「c」及び隣接RRH情報「b−B、d−D,g−C」を、切り替え先の無線制御装置8Bを示すRCU−ID「B」に対応付ける。更に、RCUテーブル更新部53は、RCUテーブル52に記憶されている隣接RRH情報のうち、切り替え対象のアンテナ装置3cと組み合わされているRCU−IDを、切り替え先の無線制御装置8Bを示すRCU−ID「B」に変更する。
RCUテーブル更新部73は、切り替え対象のアンテナ装置3cを示す情報と、アンテナ装置3cに対応する隣接RRH情報とを含むRRH情報を生成し(ステップS303)、生成したRRH情報及び切替指示信号を切り替え先及び切り替え元の無線制御装置8B、8Cに送信する(ステップS304)。
【0072】
無線制御装置8Cにおいて、隣接セルリスト更新部84は、受信した切替指示信号を通信部23に出力し、通信部23にアンテナ装置3cとの接続を切断させる。この後、無線制御装置8Bにおいて、隣接セルリスト更新部84は、受信した切替指示信号を通信部23に出力し、通信部23にアンテナ装置3cとの接続をさせる(ステップS305)。
【0073】
無線制御装置8Cにおいて、アンテナ装置3cの接続の切り替えが完了すると、隣接セルリスト更新部84は、RRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報から、アンテナ装置3cを示すRRH−ID「c」と、アンテナ装置3cに対応する接続RRH情報とを削除して更新を行い、更新結果に基づいて隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する。この更新により、RRHテーブル21は図6(b)に示されている状態となる。
また、無線制御装置8Bにおいて、アンテナ装置3cの接続の切り替えが完了すると、隣接セルリスト更新部84は、RRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報に、RRH情報に含まれているRRH−ID「c」を追加し、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報に、RRH情報に含まれている隣接RRH情報を追加する更新を来ない、更新結果に基づいて隣接セルテーブル22に記憶されている隣接セルリストを更新する。この更新により、RRHテーブル21は図7(b)に示されている状態となる(ステップS306)。
【0074】
切り替え先である無線制御装置8Bにおいて、隣接セルリスト更新部84は、更新後のRRHテーブル21の記憶されている隣接RRH情報に基づいて、アンテナ装置3cの接続の切り替えに直接関与しないが、隣接セルリストの更新が必要となる無線制御装置8Dに、隣接セルリスト更新指示信号を送信する(ステップS307)。ステップS307における隣接セルリスト更新信号は、アンテナ装置3cが無線制御装置8Bに接続されていることを示す信号である。
【0075】
無線制御装置8Dにおいて、隣接セルリスト更新部84は、無線制御装置8Bから隣接セルリスト更新指示信号を受信すると、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報を更新する(ステップS308)。なお、ステップS308における隣接セルリストの更新は図8に示した処理と同様に行う。
上述のステップS301からステップS308の処理により、アンテナ装置3の接続先の変更に伴う隣接セルリストの更新が行われる。
なお、ステップS307において、切り替え先の無線制御装置8Bが隣接セルリスト更新指示を無線制御装置8Dに送信する例を説明したが、切り替え元の無線制御装置8Cが隣接セルリスト更新指示信号を無線制御装置8Dに送信するようにしてもよい。
【0076】
上述のように、無線制御装置8とアンテナ装置3との接続関係を動的に変更する移動通信システムにおいて、無線制御装置8は、アンテナ装置3の接続を切り替える切替指示信号及びRRH情報とを受信すると、RRHテーブル21に記憶されている接続RRH情報及び隣接RRH情報を更新し、更新結果から隣接セルリストを更新することができる。また、切替指示信号を受信した無線制御装置8は、切替指示信号を受信しない無線制御装置8のうち、アンテナ装置3の接続を切り替えることにより隣接セルリストの更新が必要な無線制御装置8に対して、隣接セルリスト更新指示信号を送信する。隣接セルリスト更新指示信号を受信した無線制御装置8は、受信した隣接セルリスト更新指示信号に基づいて、RRHテーブル21に記憶されている隣接RRH情報を更新するとともに、隣接セルリストを更新することができる。
これにより、無線制御装置8とアンテナ装置3との接続を変更後に、移動端末における信号強度の測定を行わずとも隣接セルリストの更新を行うことができ、アンテナ装置3と無線制御装置8との間の接続を切り替え、隣接セルリストを更新する際に生じるオーバヘッドを低減させることができる。
【0077】
なお、上述の実施形態において、RRHテーブルには、接続RRH情報及び隣接RRH情報が記憶されている構成について説明したが、これに限ることなく、自装置に接続されているアンテナ装置を示す情報と、自装置に接続されているアンテナ装置それぞれが有する通信エリアに隣接する通信エリアを有するアンテナ装置(隣接アンテナ装置)を示す情報と、自装置に接続されているアンテナ装置の隣接アンテナ装置それぞれに接続されている無線制御装置を示す情報とが記憶されるようにしてもよい。更に、各情報を個別のテーブル(記憶部)に記憶させるようにしてもよい。
なお、本発明における隣接アンテナ装置情報は上述の実施形態におけるRRH情報に対応する。また、本発明における通信システムは上述の実施形態における移動通信システムに対応する。
【0078】
なお、本発明における無線管理装置1、5、7と無線制御装置2、8との機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりリソース割当部11、RCUテーブル52、RCUテーブル更新部53、73、RRHテーブル21、隣接セルテーブル22、通信部23、隣接セルリスト更新部24、84が行う処理を行わせるようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0079】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0080】
1,5,7…無線管理装置
2,2A,2B,2C,2D,2E,8,8A,8B,8C,8D,8E…無線制御装置
3,3a,3b、3c,3d,3e,3f,3g,3h…アンテナ装置
11…リソース割当部
21…RRHテーブル
22…隣接セルテーブル
23…通信部
24,84…隣接セルリスト更新部
52…RCUテーブル
53,73…RCUテーブル更新部
100…移動通信システム(通信システム)
101…集約センター
102…パケットゲートウェイ
103…パケット・コア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末との無線通信を行う複数のアンテナ装置と、前記アンテナ装置を制御する複数の無線制御装置とを具備した通信システムにおける無線制御装置であって、
自装置に接続されている前記アンテナ装置を示す情報が記憶されている第1のテーブルと、
自装置に接続されている前記アンテナ装置ごとに該アンテナ装置が有する通信エリアに隣接する通信エリアを有するアンテナ装置である隣接アンテナ装置を示す情報が記憶されている第2のテーブルと、
前記隣接アンテナ装置それぞれに接続されている前記無線制御装置を示す情報が記憶されている第3のテーブルと、
前記アンテナ装置と前記無線制御装置との接続の切り替えを指示する切替指示信号を受信し、受信した切替指示信号に基づいて、前記第1のテーブル、前記第2のテーブル及び前記第3のテーブルそれぞれに記憶されている情報を更新し、前記第3のテーブルに記憶されている情報が示す前記無線制御装置から自装置を除いた無線制御装置を示す情報を新たな隣接セルリストにする隣接セルリスト更新部と
を備えていることを特徴とする無線制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線制御装置であって、
前記隣接セルリスト更新部は、
前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え元が自装置の場合、
接続先を切り替える前記アンテナ装置に対応する情報を前記第1のテーブルから削除し、
前記接続先を切り替える前記アンテナ装置の前記隣接アンテナ装置を示す情報を前記第2のテーブルから削除し、
前記接続先を切り替える前記アンテナ装置の前記隣接アンテナ装置に対応する前記無線制御装置を示す情報を前記第3のテーブルから削除し、
前記第3のテーブルにおいて、前記接続先を切り替えるアンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報を、前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え先の前記無線制御装置を示す情報に更新する
ことを特徴とする無線制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の無線制御装置であって、
前記隣接セルリスト更新部は、
前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え先が自装置の場合、
接続先を切り替える前記アンテナ装置を示す情報と、該アンテナ装置の前記隣接アンテナ装置、及び該隣接アンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報とを含むアンテナ装置情報を受信し、受信した前記アンテナ装置情報に含まれる前記接続先を切り替えるアンテナ装置を示す情報を前記第1のテーブルに記憶させ、前記アンテナ装置情報に含まれる前記隣接アンテナ装置を示す情報を前記第2のテーブルに記憶させ、前記アンテナ装置情報に含まれる前記隣接アンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報を前記第3のテーブルに記憶させ、
前記第3のテーブルに記憶されている情報において、前記接続先を切り替えるアンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報を、自装置を示す情報に更新する
ことを特徴とする無線制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の無線制御装置であって、
前記隣接セルリスト更新部は、更に、
前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え元が自装置の場合、
前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え先の無線制御装置に、前記アンテナ装置情報を送信する
ことを特徴とする無線制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無線制御装置であって、
前記隣接セルリスト更新部は、更に、
前記接続を切り替えるアンテナ装置と該アンテナ装置の接続を切り替える先の無線制御装置とを示す情報を含む隣接セルリスト更新指示信号を受信し、前記第3のテーブルに記憶されている前記隣接アンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報において、受信した前記隣接セルリスト更新指示信号が示す接続を切り替えるアンテナ装置に接続されている前記無線制御装置を示す情報を、前記受信した隣接セルリスト更新指示信号が示す前記接続を切り替える先の無線制御装置を示す情報に更新し、
更新した前記第3のテーブルに記憶されている情報が示す前記無線制御装置から自装置を除いた無線制御装置を示す情報を前記隣接セルリストにする
ことを特徴とする無線制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の無線制御装置であって、
前記隣接セルリスト更新部は、更に、
前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の接続の切り替え元又は切り替え先が自装置の場合、前記隣接セルリスト更新指示信号を生成し、
前記切替指示信号が指示する前記アンテナ装置の隣接アンテナ装置に接続されている前記無線制御装置のうち、前記接続を切り替えたアンテナ装置の切り替え元及び切り替え先の無線制御装置を除いた無線制御装置に、前記生成した隣接セルリスト更新指示信号を送信する
ことを特徴とする無線制御装置。
【請求項7】
移動端末との無線通信を行う複数のアンテナ装置と、前記アンテナ装置を制御する複数の無線制御装置とを具備し、前記無線制御装置は、自装置に接続されている前記アンテナ装置を示す情報が記憶されている第1のテーブルと、自装置に接続されている前記アンテナ装置ごとに該アンテナ装置が有する通信エリアに隣接する通信エリアを有するアンテナ装置である隣接アンテナ装置を示す情報が記憶されている第2のテーブルと、前記隣接アンテナ装置それぞれに接続されている前記無線制御装置を示す情報が記憶されている第3のテーブルとを備えている通信システムにおける無線制御方法であって、
前記アンテナ装置と前記無線制御装置との接続の切り替えを指示する切替指示信号を受信し、受信した切替指示信号に基づいて、前記第1のテーブル、前記第2のテーブル及び前記第3のテーブルそれぞれに記憶されている情報を更新し、前記第3のテーブルに記憶されている情報が示す前記無線制御装置から自装置を除いた無線制御装置を示す情報を新たな隣接セルリストにする隣接セルリスト更新ステップ
を有することを特徴とする無線制御方法。
【請求項8】
移動端末との無線通信を行う複数のアンテナ装置と、前記アンテナ装置を制御する複数の無線制御装置とを具備し、前記無線制御装置は、自装置に接続されている前記アンテナ装置を示す情報が記憶されている第1のテーブルと、自装置に接続されている前記アンテナ装置ごとに該アンテナ装置が有する通信エリアに隣接する通信エリアを有するアンテナ装置である隣接アンテナ装置を示す情報が記憶されている第2のテーブルと、前記隣接アンテナ装置それぞれに接続されている前記無線制御装置を示す情報が記憶されている第3のテーブルとを備えている通信システムにおける無線制御装置に設けられているコンピュータに、
前記アンテナ装置と前記無線制御装置との接続の切り替えを指示する切替指示信号を受信し、受信した切替指示信号に基づいて、前記第1のテーブル、前記第2のテーブル及び前記第3のテーブルそれぞれに記憶されている情報を更新し、前記第3のテーブルに記憶されている情報が示す前記無線制御装置から自装置を除いた無線制御装置を示す情報を新たな隣接セルリストにする隣接セルリスト更新ステップ
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−90040(P2013−90040A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226810(P2011−226810)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】