説明

無線基地局及び移動通信方法

【課題】「CA」を行うように設定されている移動局に対して、効率的にスケジューリング処理を行う。
【解決手段】本発明に係る無線基地局eNBは、各キャリアに対応する移動局UEの数を管理するように構成されている管理部11と、各キャリアに対応する移動局UEの数に基づいて、「CA」を行うように設定されているスケジューリング対象の移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)の少なくとも一方においてスケジューリング処理を行うように構成されているスケジューリング部12とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信の技術分野に関連し、特に、次世代移動通信技術を用いる移動通信システムにおける無線基地局及び移動通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「WCDMA(Wideband Code Division Multiplexing Access、広帯域符号分割多重接続)方式」や、「HSDPA(High-Speed Downlink Pcket Access、高速下りリンクパケットアクセス)方式」や、「HSUPA(High-Speed Uplink Pcket Access、高速上りリンクパケットアクセス)方式」等の後継となる通信方式、すなわち、「LTE(Long Term Evolution)方式」が、WCDMAの標準化団体3GPPで検討され、仕様化作業が進められている。
【0003】
LTE方式での無線アクセス方式として、下りリンクについては「OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access、直交周波数分割多重接続)方式」が規定され、上りリンクについては「SC-FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access、シングルキャリア周波数分割多重接続)方式」が規定されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
OFDMA方式は、各周波数帯域(キャリア)を複数の狭周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各狭周波数帯域(サブキャリア)を用いて通信を行うように構成されている「マルチキャリア伝送方式」である。OFDMA方式によれば、各サブキャリアを周波数軸上に直交させながら密に並べることで高速伝送を実現し、周波数の利用効率を上げることが期待できる。
【0005】
SC-FDMA方式は、複数の移動局UE(ユーザ装置)の各々に対して異なる1つの搬送周波数の周波数帯域(キャリア)を割り当て、かかるキャリアを用いて通信を行うように構成されている「シングルキャリア伝送方式」である。SC-FDMA方式によれば、移動局UE同士の干渉の影響を簡易且つ効果的に低減することができることに加えて、送信電力の変動を小さくできる。したがって、SC-FDMA方式は、移動局UEの低消費電力化及びカバレッジの拡大等の観点から好ましい。
【0006】
LTE方式では、複数の移動局UEは、上りリンク及び下りリンクの両方において、1つ乃至2つ以上の物理チャネルを共有して通信を行うように構成されている。
【0007】
複数の移動局UEで共有されるチャネルは、一般に「共有チャネル」と呼ばれ、LTE方式において、かかる共有チャネルは、上りリンクにおいては「PUSCH(Physical Uplink Shared Channel、物理上りリンク共有チャネル)と呼ばれ、下りリンクにおいては「PDSCH(Physical Downlink Shared Channel、物理下りリンク共有チャネル)」と呼ばれる。
【0008】
また、かかる共有チャネルは、トランスポートチャネルとしては、上りリンクにおいては「UL-SCH(Uplink Shared Channel、上りリンク共有チャネル)」と呼ばれ、下りリンクにおいては「DL-SCH(Downlink Shared Channel、下りリンク共有チャネル)」と呼ばれる。
【0009】
そして、上述のような共有チャネルを用いた移動通信システムにおいては、サブフレーム(Sub-frame)(LTE方式では、1ms)ごとに、どの移動局UEに対して共有チャネルを割り当てるかについて選択し、選択された移動局UEに対して共有チャネルを割り当てることをシグナリングする必要がある。
【0010】
このシグナリングのために用いられる制御チャネルは、LTE方式では、「PDCCH(Physical Downlink Control Channel、物理下りリンク制御チャネル)」又は「DL L1/L2 Control Channel(Downlink L1/L2 Control Channel、下りリンクL1/L2制御チャネル)」と呼ばれる。
【0011】
なお、上述したように、サブフレームごとに、どの移動局UEに対して共有チャネルを割り当てるかについて選択する処理のことを、一般に「スケジューリング」と呼ぶ。また、上述した「共有チャネルを割り当てる」という表現は、「共有チャネルのための無線リソースを割り当てる」と表現されてもよい。
【0012】
PDCCHで送信される情報には、例えば、「Downlink Scheduling Information(下りリンクスケジューリング情報)」や、「Uplink Scheduling Grant(上りリンクスケジューリンググラント)」等が含まれる。
【0013】
「Downlink Scheduling Information」には、例えば、下りリンクの共有チャネルに関する下りリンクのリソースブロック(Resource Block)の割り当て情報やUE-IDやストリームの数やプリコーディングベクトル(Precoding Vector)に関する情報やデータサイズや変調方式やHARQ(hybrid automatic repeat request)に関する情報等が含まれる。
【0014】
また、「Uplink Scheduling Grant」には、例えば、上りリンクの共有チャネルに関する上りリンクのリソースブロック(Resource Block)の割り当て情報やUE-IDやデータサイズや変調方式や上りリンクの送信電力情報やUplink MIMOにおけるデモジュレーション レファレンス シグナル(Demodulation Reference Signal)の情報等が含まれる。
【0015】
なお、上述した「Downlink Scheduling Inforamtion」や「Uplink Scheduling Grant」は、まとめて、「DCI(Downlink Control Information、下りリンク制御情報)」と呼ばれてもよい。
【0016】
ところで、LTE方式の後継の通信方式として、LTE-advanced方式が、3GPPで検討されている。LTE-advanced方式の要求条件は、非特許文献2にまとめられている。
【0017】
LTE-Advanced方式では、その要求条件として、「CA(Carrier Aggaregation)」を行うことが合意されている。「CA」は、移動局UEと無線基地局との間で、異なる搬送周波数の複数のキャリアである「CC(Component Carrier、コンポーネントキャリア)」を用いて同時に通信を行う技術である。
【0018】
例えば、上りリンクにおいて「CA」を行うように設定されている場合、移動局UEは、複数の「CC」を用いて上りリンクの信号を送信し、無線基地局eNBは、かかる「CC」を用いて上りリンクの信号を受信できるように構成されている。
【0019】
或いは、例えば、下りリンクにおいて「CA」を行うように設定されている場合、無線基地局eNBは、複数の「CC」を用いて下りリンクの信号を送信し、移動局UEは、かかる複数の「CC」を用いて下りリンクの信号を受信できるように構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】3GPP TS36.211(V8.3.0)、「Physical Channels and Modulation」、2008年5月
【非特許文献2】3GPP TS36.913(V8.0.1)、「Requirement for further advancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA)(LTE-Advanced)」
【非特許文献3】3GPP TS36.101(V8.2.0)、「E-UTRA UE radio transmission and reception」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、上述したLTE-Advanced方式では、「CA」を行うように設定されている場合、無線基地局eNBが、どのようにスケジューリング処理を行うべきかについて規定されていないという問題点があった。
【0022】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、「CA」を行うように設定されている場合に、効率的にスケジューリング処理を行うことができる無線基地局及び移動通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の第1の特徴は、移動局との間で、異なる搬送周波数の主キャリア及び補助キャリアを用いて通信することができるように構成されている無線基地局であって、各キャリアに対応する移動局の数を管理するように構成されている管理部と、前記移動局の数に基づいて、スケジューリング対象の移動局に対して、該スケジューリング対象の移動局の主キャリア及び補助キャリアの少なくとも一方においてスケジューリング処理を行うように構成されているスケジューリング部とを具備することを要旨とする。
【0024】
本発明の第1の特徴は、無線基地局と移動局との間で、異なる搬送周波数の主キャリア及び補助キャリアを用いて通信する移動通信方法であって、前記無線基地局が、各キャリアに対応する移動局の数に基づいて、スケジューリング対象の移動局に対して、該スケジューリング対象の移動局の主キャリア及び補助キャリアの少なくとも一方においてスケジューリング処理を行う工程を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、「CA」を行うように設定されている場合に、効率的にスケジューリング処理を行うことができる無線基地局及び移動通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局によるスケジューリング方法について説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局によるスケジューリング方法について説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局によるスケジューリング方法について説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
以下、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて、図面を参照しつつ説明する。本実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0028】
図1乃至図6を参照しながら、本実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、無線基地局eNBと、無線基地局eNBと通信することができる移動局UEとを具備する。
【0029】
本実施形態に係る移動通信システムには、例えば、LTE(別名:Evolved UTRA and UTRAN、或いは、Super 3G)方式、或いは、LTE-Advanced方式が適用されている。
【0030】
また、本実施形態に係る移動通信システムでは、無線アクセス方式として、下りリンクについては「OFDMA方式」が適用され、上りリンクについては「SC-FDMA方式」が適用される。
【0031】
なお、本実施形態に係る移動通信システムでは、上述した「CA」を行うように設定することができるように構成されている。具体的には、本実施形態に係る移動通信システムでは、「CA」を行うように設定されている場合に、上りリンク及び下りリンクにおいて、複数の「CC」を用いた通信が行うことができるように構成されている。
【0032】
ここで、「CC」は、LTE方式における1つのシステムキャリアに相当する。すなわち、LTE方式では、1つの「CC」を用いて通信が行われていたが、LTE-Advanced方式では、複数の「CC」を用いて通信が行われてもよい。
【0033】
以下、LTE方式及びLTE-Advanced方式で用いられるチャネルについて説明する。
【0034】
下りリンクでは、各移動局UEで共有されるPDSCH及びPDCCHが用いられる。ここで、PDSCHにより、下りリンクのユーザデータ、すなわち、下りリンクの通常のデータ信号が伝送される。
【0035】
なお、データ信号には、ベストエフォート型のパケットデータや、ストリーミング型のパケットデータや、制御信号や、VoIP(Voice over IO)等による音声信号等が含まれていてもよい。
【0036】
ベストエフォート型のパケットデータには、メールの送受信のためのパケットデータやWebブラウジングのためのパケットデータ等が含まれる。
【0037】
また、制御信号は、例えば、RRCメッセージであり、論理チャネルである「DCCH(Dedicated Control Channel)」にマッピングされて送信されてもよい。
【0038】
また、PDCCHにより、PDSCHを用いて通信を行う移動局UEのIDや、下りリンクのユーザデータのトランスポートフォーマットに係る情報(すなわち、下りスケジューリング情報)や、PUSCHを用いて通信を行う移動局UEのIDや、上りリンクのユーザデータのトランスポートフォーマットに係る情報(すなわち、上りスケジューリンググラント)等が通知される。
【0039】
ここで、PDCCHは、「下りL1/L2制御チャネル(Downlink L1/L2 Control Channel)」と呼ばれてもよい。
【0040】
上りリンクでは、各移動局UEで共有されるPUSCH及びPUCCH(Physical Uplink Control Channel、物理上りリンク制御共有チャネル)が用いられる。
【0041】
図2に示すように、無線基地局eNBは、管理部11と、スケジューリング部12と、受信部13と、送信部14とを具備している。
【0042】
管理部11は、各キャリア(各CC)に対応する移動局UEの数を管理するように構成されている。
【0043】
例えば、管理部11は、各キャリアに対応する移動局UEの数として、各キャリアにおいてRRCコネクションが設定されている移動局UEの数(すなわち、「RRC connected UE数」)、各キャリアにおけるスケジューリング対象候補の移動局UEの数、各キャリアにおいて送信バッファ内に上りリンクのユーザデータが蓄積されている移動局UEの数、各キャリアにおいてアクティブ状態である移動局UEの数、又は、各キャリアにおいてnon-DRX(non-Discontinuous Recepiton)状態の移動局UEの数であってもよい。
【0044】
「CA」を行うように設定されていない場合に、スケジューリング部12は、スケジューリング対象の移動局UEに対して、かかる移動局UEの主キャリア(メインキャリア)においてスケジューリング処理を行うように構成されている。
【0045】
一方、「CA」を行うように設定されている場合には、スケジューリング部12は、管理部11によって管理されている各キャリアに対応する移動局UEの数に基づいて、スケジューリング対象の移動局UEに対して、かかる移動局UEの主キャリア(メインキャリア)及び補助キャリアの少なくとも一方においてスケジューリング処理を行うように構成されている。
【0046】
ここで、主キャリアは、いわゆる「アンカーキャリア(Anchor Carrier)」であり、補助キャリアは、かかるアンカーキャリア以外のキャリア(CC)である。
【0047】
なお、アンカーキャリアは、複数の「CC」のうち、PDCCH信号が送信されるキャリアと定義されていてもよいし、PHICH(Physical HARQ Indicator Channel)信号が送信されるキャリアと定義されていてもよいし、「Semi-persistent Scheduling」が適用されておりPDSCH信号が送信されるキャリアと定義されていてもよいし、「Semi-persistent Scheduling」が適用されておりPUSCH信号に対するPHICH信号が送信されるキャリアと定義されていてもよいし、ページング信号が送信されるキャリアと定義されていてもよいし、DCCH信号が送信されるキャリアと定義されていてもよいし、測定(Measurement)が行われるキャリアと定義されていてもよい。或いは、アンカーキャリアの定義は、上述した定義の組み合わせにより定義されていてもよい。
【0048】
例えば、スケジューリング部12は、図3(a)に示すように、スケジューリング対象の移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも多いと判定した場合(すなわち、混雑時)、移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)のみにおいてスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0049】
一方、スケジューリング部12は、図3(b)に示すように、スケジューリング対象の移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも少ないと判定した場合(すなわち、非混雑時)、移動局#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)の各々において別々にスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0050】
或いは、スケジューリング部12は、図4(a)に示すように、スケジューリング対象の移動局UE#Aの補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも多いと判定した場合(すなわち、混雑時)、移動局#Aに対して、移動局#Aの主キャリア(キャリア#1)のみにおいてスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0051】
一方、スケジューリング部12は、図4(b)に示すように、スケジューリング対象の移動局UE#Aの補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも少ないと判定した場合(すなわち、非混雑時)、移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)においてスケジューリング処理を行った後、移動局UE#Aの補助キャリア(キャリア#2)においてスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0052】
すなわち、かかる場合、スケジューリング部12は、図4(b)に示すように、移動局UE#Dによって、キャリア#2におけるリソース(RB)が全て使用されていない場合に、移動局UE#Aに対して、キャリア#1におけるリソース(RB)に加えて、キャリア#2における余りのリソース(RB)を割り当てることができる。
【0053】
ここで、スケジューリング部12は、各移動局UEの補助キャリアにおけるスケジューリング処理において、優先度が高い移動局UEに対して、かかる補助キャリアにおける全てのリソースを割り当てるように構成されていてもよいし、複数の移動局UEに対して、かかる補助キャリアにおけるリソースを均等に割り当てるように構成されていてもよい。
【0054】
さらに、スケジューリング部12は、図5(a)に示すように、スケジューリング対象の移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも多いと判定した場合(すなわち、混雑時)、移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)のみにおいてスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0055】
一方、スケジューリング部12は、図5(b)に示すように、スケジューリング対象の移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも少ないと判定した場合(すなわち、非混雑時)、移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)を1つのキャリアとみなしてスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0056】
すなわち、かかる場合、スケジューリング部12は、図5(b)に示すように、キャリア#1及びキャリア#2の一方におけるスケジューリング処理を停止し、他方におけるスケジューリング処理のみを行うように構成されている。
【0057】
かかる場合、スケジューリング部12は、キャリア#1におけるリソース(RB)及びキャリア#2におけるリソース(RB)を、1つのキャリアにおけるリソース(RB)とみなしてスケジューリング処理を行うように構成されている。
【0058】
なお、スケジューリング部12は、非混雑時であっても、無線基地局eNBと移動局UEとの間の上りリンクにおける伝搬状況が悪い場合(例えば、パスロスが大きい)には、上りリンクにおける「CA」を行わないように構成されていてもよい。
【0059】
受信部13は、移動局UEによって送信されたPUSCH信号やPUCCH信号等を受信するように構成されている。
【0060】
ここで、「CA」を行うように設定されており、スケジューリング処理によって複数の「CC」における割り当てがあった場合、受信部13は、移動局UEによって複数の「CC」を用いて送信された信号を受信するように構成されている。
【0061】
一方、「CA」を行うように設定されていない場合、或いは、「CA」を行うように設定されているが、スケジューリング処理によって1つの「CC」における割り当てのみがあった場合、受信部13は、移動局UEによって1つの「CC」を用いて送信された信号を受信するように構成されている。
【0062】
送信部14は、移動局UEに対して、PDSCH信号やPDCCH信号やPHICH信号等を送信するように構成されている。
【0063】
ここで、「CA」を行うように設定されており、スケジューリング処理によって複数の「CC」における割り当てがあった場合、送信部14は、移動局UEに対して複数の「CC」を用いて信号を送信するように構成されている。
【0064】
一方、「CA」を行うように設定されていない場合、或いは、「CA」を行うように設定されているが、スケジューリング処理によって1つの「CC」における割り当てのみがあった場合、送信部14は、移動局UEに対して1つの「CC」を用いて信号を送信するように構成されている。
【0065】
図6に示すように、移動局UEは、制御部21と、測定部22と、送信部23と、受信部24とを具備している。
【0066】
制御部21は、移動局UEにおいて「CA」を行うように設定するか否かについて制御するように構成されている。
【0067】
例えば、制御部21は、ネットワーク、例えば、無線基地局eNBや交換局MME(Mobility Management Entity)等からの指示に応じて、移動局UEにおいて「CA」を行うか否かについて決定するように構成されていてもよい。
【0068】
なお、制御部21は、ネットワークによって「CA」の設定を行うように指示された場合であっても、無線基地局eNBと移動局UEとの間の上りリンクにおける伝搬状況(例えば、パスロス)に応じて、上りリンクにおける「CA」の設定を行うか否かを制御するように構成されていてもよい。
【0069】
測定部22は、通信中のセル及び周辺セルにおけるキャリアの無線品質を測定するように構成されている。
【0070】
例えば、測定部22は、制御部21によって「CA」を行うように設定しないと決定されている場合であっても、複数のキャリア(主キャリア及び補助キャリア)の無線品質を測定するように構成されていてもよい。
【0071】
また、測定部22は、送信部23に対して、測定部22によって測定された測定結果を含む測定報告(Measurement Report)を無線基地局eNBに送信するように指示するように構成されていてもよい。
【0072】
送信部23は、無線基地局eNBに対してPUSCH信号やPUCCH信号等を送信するように構成されている。
【0073】
ここで、「CA」を行うように設定されており、スケジューリング処理によって複数の「CC」における割り当てがあった場合、送信部23は、無線基地局eNBに対して複数の「CC」を用いて信号を送信するように構成されている。
【0074】
一方、「CA」を行うように設定されていない場合、或いは、「CA」を行うように設定されているが、スケジューリング処理によって1つの「CC」における割り当てのみがあった場合、送信部23は、無線基地局eNBに対して1つの「CC」を用いて信号を送信するように構成されている。
【0075】
受信部24は、無線基地局eNBによって送信されたPDSCH信号やPDCCH信号やPHICH信号等を受信するように構成されている。
【0076】
ここで、「CA」を行うように設定されており、スケジューリング処理によって複数の「CC」における割り当てがあった場合、受信部24は、無線基地局eNBによって複数の「CC」を用いて送信された信号を受信するように構成されている。
【0077】
一方、「CA」を行うように設定されていない場合、或いは、「CA」を行うように設定されているが、スケジューリング処理によって1つの「CC」における割り当てのみがあった場合、受信部24は、無線基地局eNBによって1つの「CC」を用いて送信された信号を受信するように構成されている。
【0078】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、非混雑時には、無線基地局eNBにおける処理負荷が少ないため、スケジューリング対象の移動局UEの主キャリア及び補助キャリアの両方においてスケジューリング処理を行うことによって、複雑な構成を用いることなく、スケジューリング対象の移動局UEにおけるピークスループットの高速化を実現することができる。
【0079】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、混雑時には、「CA」の設定を行わないことによって、無線基地局eNBにおける処理負荷を軽減することができる。
【0080】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、主キャリアにおいてのみスケジューリング処理を行うことによって、移動局UE内の送信バッファ内に蓄積されているデータについて、主キャリアと補助キャリアとで別々に管理する必要がなくなる。
【0081】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0082】
本実施形態の第1の特徴は、移動局UEとの間で、異なる搬送周波数の主キャリア及び補助キャリアを用いて通信すること(「CA」を行うこと)ができるように構成されている無線基地局eNBであって、各キャリアに対応する移動局UEの数を管理するように構成されている管理部11と、各キャリアに対応する移動局UEの数に基づいて、スケジューリング対象の移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)の少なくとも一方においてスケジューリング処理を行うように構成されているスケジューリング部12とを具備することを要旨とする。
【0083】
本実施形態の第1の特徴において、スケジューリング部12は、「CA」を行うように設定されている移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも多いと判定した場合、移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)のみにおいてスケジューリング処理を行うように構成されており、スケジューリング部12は、スケジューリング処理による移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも少ないと判定した場合、移動局#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)の各々において別々にスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0084】
本実施形態の第1の特徴において、スケジューリング部12は、スケジューリング処理による移動局UE#Aの補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも多いと判定した場合、移動局#Aに対して、移動局#Aの主キャリア(キャリア#1)のみにおいてスケジューリング処理を行うように構成されており、スケジューリング部12は、スケジューリング処理による移動局UE#Aの補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも少ないと判定した場合、移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)においてスケジューリング処理を行った後、移動局UE#Aの補助キャリア(キャリア#2)においてスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0085】
本実施形態の第1の特徴において、スケジューリング部12は、スケジューリング処理による移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも多いと判定した場合、移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)のみにおいてスケジューリング処理を行うように構成されており、スケジューリング部12は、スケジューリング処理による移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)に対応する移動局UEの数が所定閾値よりも少ないと判定した場合、移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)を1つのキャリアとみなしてスケジューリング処理を行うように構成されていてもよい。
【0086】
本実施形態の第1の特徴において、各キャリアに対応する移動局UEの数は、各キャリアにおいてRRCコネクションが設定されている移動局UEの数、各キャリアにおけるスケジューリング対象候補の移動局UEの数、各キャリアにおいて送信バッファ内にデータが蓄積されている移動局UEの数、各キャリアにおいてアクティブ状態である移動局UEの数、又は、各キャリアにおいてnon-DRX状態の移動局UEの数であってもよい。
【0087】
本実施形態の第1の特徴において、スケジューリング部12は、非混雑時に、各移動局UEに対して、「CA」を行うように設定してもよい。
【0088】
本実施形態の第2の特徴は、無線基地局eNBと移動局UEとの間で、異なる搬送周波数の主キャリア及び補助キャリアを用いて通信する移動通信方法であって、無線基地局eNBが、各キャリアに対応する移動局UEの数に基づいて、スケジューリング処理によるスケジューリング対象の移動局UE#Aに対して、移動局UE#Aの主キャリア(キャリア#1)及び補助キャリア(キャリア#2)の少なくとも一方においてスケジューリング処理を行う工程を有することを要旨とする。
【0089】
本実施形態の第2の特徴において、非混雑時に、各移動局UEに対して、「CA」を行うように設定してもよい。
【0090】
なお、上述の移動局UE及び無線基地局eNBの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0091】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0092】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UE及び無線基地局eNB内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UE及び無線基地局eNB内に設けられていてもよい。
【0093】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0094】
eNB…無線基地局
UE…移動局
11…管理部
12…スケジューリング部
13、24…受信部
14、23…送信部
21…制御部
22…測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局との間で、異なる搬送周波数の主キャリア及び補助キャリアを用いて通信することができるように構成されている無線基地局であって、
各キャリアに対応する移動局の数を管理するように構成されている管理部と、
前記移動局の数に基づいて、前記通信を行うように設定されているスケジューリング対象の移動局に対して、該スケジューリング対象の移動局の主キャリア及び補助キャリアの少なくとも一方においてスケジューリング処理を行うように構成されているスケジューリング部とを具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記スケジューリング部は、前記通信を行うように設定されているスケジューリング対象の移動局の主キャリア及び補助キャリアに対応する移動局の数が所定閾値よりも多いと判定した場合、該スケジューリング対象の移動局に対して、該スケジューリング対象の移動局の主キャリアのみにおいてスケジューリング処理を行うように構成されており、
前記スケジューリング部は、前記通信を行うように設定されているスケジューリング対象の移動局の主キャリア及び補助キャリアに対応する移動局の数が前記所定閾値よりも少ないと判定した場合、該スケジューリング対象の移動局に対して、該スケジューリング対象の移動局の主キャリア及び補助キャリアの各々において別々にスケジューリング処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記スケジューリング部は、前記通信を行うように設定されているスケジューリング対象の移動局の補助キャリアに対応する移動局の数が所定閾値よりも多いと判定した場合、該スケジューリング対象の移動局に対して、該スケジューリング対象の移動局の主キャリアのみにおいてスケジューリング処理を行うように構成されており、
前記スケジューリング部は、前記通信を行うように設定されているスケジューリング対象の移動局の補助キャリアに対応する移動局の数が前記所定閾値よりも少ないと判定した場合、該スケジューリング対象の移動局に対して、該スケジューリング対象の移動局の主キャリアにおいてスケジューリング処理を行った後、該スケジューリング対象の移動局の補助キャリアにおいてスケジューリング処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項4】
前記スケジューリング部は、前記通信を行うように設定されているスケジューリング対象の移動局の主キャリア及び補助キャリアに対応する移動局の数が所定閾値よりも多いと判定した場合、該スケジューリング対象の移動局に対して、該スケジューリング対象の移動局の主キャリアのみにおいてスケジューリング処理を行うように構成されており、
前記スケジューリング部は、前記通信を行うように設定されているスケジューリング対象の移動局の主キャリア及び補助キャリアに対応する移動局の数が前記所定閾値よりも少ないと判定した場合、該スケジューリング対象の移動局に対して、該スケジューリング対象の移動局の主キャリア及び補助キャリアを1つのキャリアとみなしてスケジューリング処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項5】
前記各キャリアに対応する移動局の数は、各キャリアにおいてRRCコネクションが設定されている移動局の数、各キャリアにおけるスケジューリング対象候補の移動局の数、各キャリアにおいて送信バッファ内にデータが蓄積されている移動局の数、各キャリアにおいてアクティブ状態である移動局の数、又は、各キャリアにおいてnon-DRX状態の移動局の数であることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項6】
前記スケジューリング部は、非混雑時に、各移動局に対して、前記通信を行うように設定することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項7】
無線基地局と移動局との間で、異なる搬送周波数の主キャリア及び補助キャリアを用いて通信する移動通信方法であって、
前記無線基地局が、各キャリアに対応する移動局の数に基づいて、前記通信を行うように設定されているスケジューリング対象の移動局に対して、該スケジューリング対象の移動局の主キャリア及び補助キャリアの少なくとも一方においてスケジューリング処理を行う工程を有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項8】
非混雑時には、各移動局に対して、前記通信を行うように設定することを特徴とする請求項7に記載の移動通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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