無線端末位置計測システム及び無線端末位置計測方法
【課題】
処理の負担が少ないままにより正確な位置計測を可能とする無線端末位置計測システムおよび無線端末位置計測方法を提供する。
【解決手段】
第一のパラメータを検出する測距センサ部と、前記第一のパラメータに関する情報と端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部と、を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第二のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する第一の無線基地局と、前記無線部から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する第二の無線基地局と、受信した前記第一のパラメータと、前記第二のパラメータと、前記第三のパラメータから前記無線端末の位置を計測する測位計測部と、を備える
処理の負担が少ないままにより正確な位置計測を可能とする無線端末位置計測システムおよび無線端末位置計測方法を提供する。
【解決手段】
第一のパラメータを検出する測距センサ部と、前記第一のパラメータに関する情報と端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部と、を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第二のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する第一の無線基地局と、前記無線部から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する第二の無線基地局と、受信した前記第一のパラメータと、前記第二のパラメータと、前記第三のパラメータから前記無線端末の位置を計測する測位計測部と、を備える
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線端末位置計測システム及び無線端末位置計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種プラントや工場あるいは病院のような広域かつ屋内の空間領域内で、自由に移動し作業を行う人員や作業に使用される可搬型の機材類の現在位置を的確に把握し管理することにより作業効率を向上したいという要求に答える無線端末位置計測システム及び無線端末位置計測方法の研究がなされている。
【0003】
この被測位対象の測定では、連立方程式の解を準ニュートン法などを用いた数値解析により位置座標(例えば、グローバル直交座標系における(X、Y、Z)座標)を求める。この連立方程式の数値解析は処理量が大きく、処理の負担を軽くするため、一の座標(例えばZ座標)を固定とし連立方程式の解を算出する手法が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−304473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、固定した一の座標と実際の無線端末の座標の差が大きいほど、誤差が大きくなってしまう。
【0006】
上記の事情に鑑み、処理の負担が少ないままにより正確な位置計測を可能とする無線端末位置計測システムおよび無線端末位置計測方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本無線端末位置計測システムは、
測定対象エリア内に存在する無線端末と無線信号を送受信する固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
第一のパラメータを検出する測距センサ部と、前記第一のパラメータに関する情報と端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部と、を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第二のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第一の無線基地局と、
前記無線部から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
受信した前記第一のパラメータと、前記第二のパラメータと、前記第三のパラメータから前記無線端末の位置を計測する
測位計測部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図2】第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図3】第2の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図4】第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】第3の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図6】第3の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】第4の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図8】第4の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図9】第5の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図10】第5の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図11】第6の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図12】第6の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施態様について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
本実施形態の無線端末位置計測システムは、図1に示すように、無線基地局20(20A、20B)測位計測部40と、を含む構成である。無線基地局20から得られるパラメータを用いて無線端末10(10A)の位置の計測を行う。本システムは、プラントや工場、立体駐車場の各階の駐車フロアや病院内の一区画などに設置される。
【0011】
無線端末10は、無線部11および測位信号発信制御部12および近距離送信部13と、を含む構成である。本実施形態では、それぞれ無線端末10A、無線部11a、測位信号発信制御部12a、近距離送信部13aとして記載している。無線端末10が発する無線信号と識別情報とを併せて送ることが好適である。
【0012】
無線部11は、無線信号を無線基地局20の無線部21a、21bに対して送信する。この無線信号には測位計測部40による位置の算出に利用する識別情報(ID情報)が含まれている。例えば、無線通信を行うものとして、ホーンアンテナ、アレイアンテナ、ダイポールアンテナ等の各種アンテナを利用できる。また、DSRC(Dedicated Short Range Communication)方式を用いた高精度の通信方式を用いても良い。無線信号とは、電波(電磁波)をいい、その他、超音波に代替することもできる。例えば、工作機械、携帯電話、車載器などである。
【0013】
測位信号発信制御部12は、無線信号を送信するタイミングの制御を行う。複数の被測位対象がある場合、同一時刻に同一周波数(チャネル)を使用して位置測定を行うことはできないので、時間的あるいは空間的に分割する必要がある。一例として一元管理するサーバ側で被測位対象の順序制御を行う方法がある。例えば、測位計測部40と無線端末10の(端末の測位信号発信制御部)とがデータ通信ができるようにしておき、所定の端末に測位の必要ができたとき、測位計測部40側から該当端末の測位信号発信制御部に発信許可を与えるようにする。そのとき、該当端末以外に対しては、発信禁止の制御を行う。(複数周波数が使える場合は、使用チャネルも指定することで、チャネル数の許す限り同時測位が可能となる。)
他に無線端末側で自律的に判断する方法では、位置を測定してほしい端末が周辺の無線端末の無線電波状況をモニタし、どの端末も発信していない場合に送信を行うようにする。あるいは、複数チャネルを使用できる無線端末(基地局側は同時に複数チャネルを受信できる必要がある)であれば、周辺空間のチャネル使用状況をモニタし、未使用のチャネルを見つけたとき、同チャネルを使って送信するようにする。
【0014】
測距センサ17は、近距離発信部171と、近距離受信部172、測位計算部173とを含む構成である。
【0015】
近距離発信部171は電波を床面に照射する。
【0016】
近距離受信部172は、近距離発信部171が床面に照射し反射してきた電波を受信する。受信した時間情報または受信電波強度情報を測位計算部173に送出する。
【0017】
距離計算部173は、近距離発信部171と近距離受信部172の電波の送受信から床面との距離を算出する。算出した距離を高さ情報取得部43へ送出する。
【0018】
無線基地局20は、無線部21と、到達時間計測部22と、データ送信部23と、通信処理部24とを含む構成である。本実施形態では、所定の位置に固定された2つの無線基地局20A、20B、それぞれの無線基地局に対応する無線部21a、21bと、到達時間計測部22a、22bと、データ送信部23a、23bと通信処理部24a、24bとを記載している。各無線基地局20の最初に固定された位置情報(例えば、緯度、経度、高度)は記憶部45に記憶されている。設置場所として、プラントや工場、立体駐車場や病院の天井に備え付ける。
【0019】
無線部21bは、無線部11から送られてきた電気信号を受信すると、到達時間計測部22aへ通知する。
【0020】
到達時間計測部22は、無線部11からが電気信号を受信した時刻(時間に関するパラメータ)を抽出し、受信時刻に関するデータをデータ送信部23、データ受信部41を介して計測値収集部42へ送出する。
【0021】
データ送信部23は、到達時間計測部22および通信処理部24から送られてきたデータを中継する。
【0022】
通信処理部24は、データ処理部15から無線部21を介して高さ情報を取得し、高さ情報取得部43へ送出する。
【0023】
データ受信部41は、通信ネットワーク100を介して送られてくる情報を計測値収集部42、高さ情報取得部43へ送信する。
【0024】
計測値収集部42は、無線信号を取得した無線基地局の識別情報と、到達時間計測部22が取得した到達時間情報、対応する無線端末10の識別情報(ID)を収集する。収集した各識別情報(ID)と到達時間情報を位置計算部45へ送出する。
【0025】
高さ情報取得部43は、無線端末10の識別情報(ID)と位置に関するパラメータである高さ情報をデータ受信部41を介して取得する。取得した無線端末10の識別情報(ID)と位置に関するパラメータである高さ情報を位置計算部44へ送出する。
【0026】
位置計算部44は、同一の無線信号を各無線基地局20が取得した無線特性パラメータから無線端末と無線基地局の距離関係を求め、この距離データと各無線基地局の既知である位置座標から無線端末の位置を計算・算出する。
【0027】
具体的な算出方法の一つとして、無線端末10が発信した一の無線信号を各無線基地局20で受信し、受信した無線基地局20のうち任意の二つの無線基地局の受信時間から到達時間差分を求める。例えば、グローバル直交座標系における二つの無線基地局の位置が、無線基地局20A(X1,Y1,Z1)、無線基地局20B(X2,Y2,Z2)であり、無線端末10と20Aとの距離がr1、20Bとの距離がr2であり|r1−r2|=2Aであるとすると、無線端末10の座標(x,y,z)は以下の双曲面方程式で表すことができる。
【数1】
【0028】
この(式1)を少なくとも二つ以上作成し、連立方程式を作成する。この連立方程式の変数であるzの値を高さ情報取得部43から取得し上記連立方程式に代入して、xとyの値を求める。求めた(x,y,z)の値を外部の表示部(図示しない)などへ出力する。
【0029】
記憶部45は、位置計算部44が端末10の位置を算出する場合に用いる各無線基地局20の位置座標を記憶する。記憶する媒体として、半導体メモリ、磁気メモリ等の各種記憶媒体を利用することができる。
【0030】
次に本実施形態の動作について図2を参照しながら説明する。
【0031】
無線端末10の近距離発信部171は、常時高さ情報を取得するために無線信号を床面に向けて発信している。この発信された無線信号が床面に反射した反射波を近距離受信部17が取得する。取得した受信時間または受信強度に関する情報を距離計算部173へ送出する。
【0032】
距離計算部173は、受信時間または受信強度から高さ情報を算出し、データ処理部15にて無線信号として送れるデータ形式に変換がなされる(ステップS1101)。
【0033】
次に、無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、データ処理部15から得られる高さ情報と、位置測定用の識別情報とを含む無線信号を発信する(ステップS1102、ステップS1103)。
【0034】
これを受信した無線基地局は、高さ情報と、無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を測位計測部40へ送信し、データ受信部41を介して計測値収集部42、高さ情報取得部43にて各基地局の計測値を収集する(ステップS1201、ステップS1202)。
【0035】
高さに関するデータおよび各無線基地局20の受信時間情報を各受信した識別情報から整合をとり、情報を送ってきた無線基地局の位置情報を記憶部45から読み出し、無線端末10の位置を算出する。算出した位置に関する情報を、表示部(図示しない)に出力する(ステップS1401乃至ステップS1404)
なお、近距離送信部と近距離受信部との通信には電波、超音波のほか光通信によって行われてもよい。
【0036】
このように三つのパラメータを二種類以上の異なった方法で取得することにより、三つのパラメータを全て無線信号で処理する場合に比べ処理を軽くすることができる。また、上記二種類以上のパラメータ取得方法が異なることから、異なる時間に取得したデータを用いてもより正確な位置算出を行うことができる。
【0037】
本実施形態では、高さ情報(Z軸方向の情報)を別に取得しているが、平面方向の情報(X、Y軸方向、)を同様の仕組みで取得してもよい。
【0038】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図3を参照しながら説明する。
【0039】
本実施形態と第1の実施形態との主な違いは、無線端末10が、画像用マーカ部1、画像用マーカ部18を備えている点である。また、基地局20が画像センサ部25を測位計測部40が高さ情報取得部43に代えて基地局近傍判定部49を備えている点である。
【0040】
画像用マーカ部18は、画像センサ25で認識可能な図柄等の画像であり、各無線端末10毎に異なる画像が用いられている。例えばQRコードである。
【0041】
画像センサ部25は、基地局の直下を含む下方を撮影する。撮影した画像または映像を通信処理部24、データ送信部23を介して基地局近傍判定部49へ送出する。
【0042】
基地局近傍判定部49は、取得した画像又は映像から基地局の近傍にいるか否かの判定を行う。直下とは、基地局と同じ平面座標であると判定する範囲のことをいい、予め定められた範囲内にあるか否かを画像解析(例えば、パターンマッチング)により行う。この処理により、いずれかの基地局の直下にあると判断した場合は、当該情報を計測値収集部42を介して位置計算部44へ送出する。
【0043】
本実施形態の位置計算部44は、基地局近傍判定部49で基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を無線端末10の位置して直接利用して位置算出を行う。例えば、基地局20Bの(X、Y)座標が分かっていれば、無線端末のZ座標の値のみの算出を行うといった具合である。また、Z座標の値が、第1の実施形態に示すように近距離通信により判明している場合は、演算処理を行わず、これらの値をもって無線端末10の位置を(X,Y,Z)と算出してもよい。
【0044】
次に本実施形態の動作について図4を参照しながら説明する。
【0045】
無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、位置測定用の識別情報とを含む無線信号を発信する(ステップS2101、ステップS2102)。
【0046】
これを受信した無線基地局20は、無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を計測収集部42へ送信する(ステップS2201、ステップS2202)。
【0047】
これを受けた計測収集部42は、各基地局の計測値を収集し、位置計算部44へ送出する(ステップS2401)。
【0048】
無線基地局20は、基地局の直下を含む下方を撮影する。撮影した画像または映像を通信処理部24、データ送信部23を介して基地局近傍判定部49へ送出する(ステップS2203、ステップS2204)。
【0049】
基地局近傍判定部49は、取得した画像又は映像から基地局の近傍にいるか否かの判定を行う。この処理により、いずれかの基地局の直下にあると判断した場合は、当該情報を計測値収集部42を介して位置計算部44へ送出する(ステップS2402)。
【0050】
位置計算部44は、基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を直接無線端末10の位置座標として利用するよう位置算出を行う。
【0051】
基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいないと判定された情報を受け取った場合は、通常の三つ以上の連立方程式を利用した位置算出方法で無線端末10の位置の算出を行う(ステップS2403乃至ステップS2406)
本実施形態により、読み出した無線基地局20の位置情報の効率的な利用を計り、演算処理の負担を軽減した位置計測が可能となる。
【0052】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図5を参照しながら説明する。
【0053】
本実施形態と、第2の実施形態との主な違いは、基地局20が画像センサ部25に代えて受信強度計測部26を備えている点である。また測位計測部40がさらに受信強度記憶部51を備えている点である。
【0054】
受信強度計測部26は、無線端末10Aから送られてきた無線信号の受信強度を抽出する。この受信強度情報を通信処理部24、データ送信部23を介して基地局判定部49へ送出する。
【0055】
本実施形態の基地局判定部49は、この受信強度と予め受信強度記憶部51に記憶された閾値となる値とマッチングを行い、閾値よりも受信強度が大きければ基地局20の近傍に存在すると判定を行う。
【0056】
いずれかの基地局の直下にあると判断した場合は、当該情報を計測値収集部42を介して位置計算部44へ送出する。
【0057】
本実施形態の位置計算部44は、基地局近傍判定部49で基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を利用して位置算出を行う。例えば、基地局20Bの(X、Y)座標が分かっていれば、Z座標の値のみの算出を行うといった具合である。また、Z座標の値が、先の実施形態に示すように近距離通信により判明している場合は、演算処理を行わず、これらの値をもって無線端末10の位置を(X,Y,Z)と算出してもよい。
【0058】
次に本実施形態の動作について図6を参照しながら説明する。
【0059】
無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、データ処理部15から得られる高さ情報と、位置測定用の識別情報とを含む無線信号を発信する(ステップS3101、ステップS3102)。
【0060】
これを受信した無線基地局20は、到達時間計測部22で検出した無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を計測収集部42へ送信し、受信強度計測部26で計測した受信強度と無線端末10の識別情報を無線基地局判定部49へ送出する(ステップS3201、ステップS3202)。
【0061】
無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を受けた計測収集部42は、各基地局の計測値を収集し、位置計算部44へ送出する(ステップS3401)。
【0062】
受信強度計測部26で計測した受信強度と無線端末10の識別情報を受けた無線基地局近傍判定部49は、受信強度記憶部51に予め記憶された閾値と比較し、取得した画像又は映像から基地局の近傍にいるか否かの判定を行う。この処理により、いずれかの基地局の直下にあると判断した場合は、当該情報を計測値収集部42を介して位置計算部44へ送出する(ステップS3402)。
【0063】
位置計算部44は、基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を直接無線端末10の位置座標として利用するよう位置算出を行う。
【0064】
基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいないと判定された情報を受け取った場合は、通常の位置算出方法で無線端末10の位置の算出を行う(ステップS3403乃至ステップS3406)。
【0065】
本実施形態により、読み出した無線基地局20の位置情報の効率的な利用を計り、演算処理の負担を軽減した位置計測が可能となる。
【0066】
(第4の実施形態)
第4の実施形態について図7を参照しながら説明する。
【0067】
本実施形態と、第2の実施形態との主な違いは、基地局20が通信処理部24に代えて端末判定処理部27を備えている点である。
【0068】
端末判定処理部27は、画像センサ部25が取得した画像の画像解析を行い、基地局直下にいるか否かの判定を行う。基地局直下に存在すると判定された場合には、到達時間計測部22へ、到達時間に関する情報を送らないよう指示(無効化指示)を行う。
【0069】
本実施形態の到達時間計測部22は、無効化指示を受けた場合は、いずれの基地局20から送信されてきたかを測位計測部40が認識可能な信号で送信し併せて、無線端末10の識別情報を送信する。
【0070】
本実施形態の位置計算部44は、送られてきた基地局の記憶部45に記憶された位置情報を用いて無線端末10の位置計測を行う。
【0071】
次に本実施形態の動作について図8を参照しながら説明する。
【0072】
無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、位置測定用の識別情報とを含む無線信号を発信する(ステップS4101、ステップS4102)。
【0073】
これを受信した無線基地局20は、無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を作成する(ステップS4201)。
【0074】
無線基地局20は、基地局の直下を含む下方を撮影する。撮影した画像または映像を端末判定処理部27へ送出する(スステップS4202)。
【0075】
端末判定処理部27は、取得した画像又は映像から基地局の近傍にいるか否かの判定を行う。この処理により、いずれかの基地局の直下にあると判断した場合は、受信時間に関する情報の送出を無効にさせる無効情報を到達時間計測部22またはデータ送信部23へ送出する。(ステップS4203Y、S4205)。
【0076】
無効情報を受けた、到達時間計測部22またはデータ送信部23は、無効情報と無線端末の識別情報と無線基地局の識別情報を計測収集部42へ送出する。
【0077】
これを受けた計測収集部42は、各基地局の計測値を収集し、位置計算部44へ送出する(ステップS4401)。
【0078】
位置計算部44は、基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を直接無線端末10の位置座標として利用するよう位置算出を行う。
【0079】
端末判定処理部23でいずれかの無線基地局20の近傍にいないと判定された情報を受け取った場合は、通常の位置算出方法で無線端末10の位置の算出を行う(ステップ4203N、ステップ4204、ステップS4401、ステップS4403、ステップS4404乃至ステップS4406)。
【0080】
本実施形態により、通信量および演算処理の負担を軽減した位置計測が可能となる。
【0081】
(第5の実施形態)
第5の実施形態について図9を参照しながら説明する。
【0082】
本実施形態と、第3の実施形態との主な違いは、基地局20が受信強度記憶部28を備えている点である。
【0083】
受信強度記憶部28は、無線部21が受信した受信強度の判定を行うための閾値である受信強度を記憶している
本実施形態の端末判定処理部27は、受信強度記憶部28に記憶された閾値より受信強度が大きいか否かにより、無線端末10が基地局20直下にいるか否かの判定を行う。基地局直下に存在すると判定された場合には、到達時間計測部22へ、到達時間に関する情報を送らないよう指示(無効化指示)を行う。
【0084】
本実施形態の到達時間計測部22は、無効化指示を受けた場合は、いずれの基地局20から送信されてきたかを測位計測部40が認識可能な信号および、無線端末10の識別情報を送信する。
【0085】
本実施形態の位置計算部44は、送られてきた基地局の記憶部45に記憶された位置情報を用いて無線端末10の位置計測を行う。
【0086】
次に本実施形態の動作について図10を参照しながら説明する。
【0087】
無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、位置測定用の識別情報とを含む無線信号を発信する(ステップS5101、ステップS5102)。
【0088】
これを受信した無線基地局20は、無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を作成する(ステップS5201、ステップS5202)。
【0089】
また、無線基地局20内の端末判定処理部27は、受信強度計測部26で計測した受信強度を、受信強度記憶部28に予め記憶された閾値と比較し、取得した画像又は映像から基地局の近傍にいるか否かの判定を行う。この処理により、いずれかの基地局の近傍にあると判断した場合は、受信時間に関する情報の送出を無効にさせる無効情報を到達時間計測部22またはデータ送信部23へ送出する。(ステップS5203、S5204Y)。
【0090】
無効情報を受けた、到達時間計測部22またはデータ送信部23は、無線端末の識別情報と無線基地局の識別情報を計測収集部42へ送出する(ステップS5206)。
【0091】
これを受けた計測収集部42は、各基地局の計測値を収集し、位置計算部44へ送出する(ステップS5402)。
【0092】
位置計算部44は、基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を直接無線端末10の位置座標として利用するよう位置算出を行う(ステップS5404乃至ステップS5406)。
【0093】
端末判定処理部23でいずれかの無線基地局20の近傍にいないと判定された情報を受け取った場合は、通常の位置算出方法で無線端末10の位置の算出を行う(ステップ5204N、ステップ5205、ステップS5401、ステップS5403、ステップS5404乃至ステップS5406)。
【0094】
本実施形態により、演算処理の負担を軽減した位置計測が可能となる。
【0095】
(第6の実施形態)
第6の実施形態について図11を参照しながら説明する。
【0096】
近距離送信部13は、壁面30に設置された近距離受信部31乃至33と通信を行う。例えば、RFIDのアクティブタグである。無線信号で無線端末10の識別情報(ID情報)を近距離受信部31または近距離受信部32または近距離受信部33へ送信する。
【0097】
壁面30は、近距離受信部31、32、33を含む構成である。本実施形態では、壁面と記載しているが、その他、柱やドアなど近距離受信部31、32、33を取り付けることができるものであればよい。
【0098】
近距離受信部31、32、33は、無線端末10内の近距離送信部13と通信を行い、あらかじめ設置された高さ情報を保持している。近距離送信部13から送られてきた識別情報(ID)を含む無線信号を受信した場合に、この送られてきた識別情報(ID)と位置に関するパラメータである高さ情報をデータ受信部41を介して測位計算部40内の高さ情報取得部43へ送出する。本実施形態では通信可能な範囲内では基本的には一つの近距離受信部としか通信ができないような位置関係に配置されているものとしている。なお、本実施形態では近距離受信部が三つの場合について説明しているが、これに限られることなく二つ以上の近距離受信部であればよい。また近距離受信部13の設置位置としては、エリアの入り口など無線端末10と通信可能性が高い位置に置くことにより、設置数が少なくて済み、かつ無線通信の確実性が高い。
【0099】
測位計測部40は、データ受信部41と、計測値収集部42と、高さ情報取得部43と、位置計算部44と、記憶部45とを含む構成である。
【0100】
本実施形態と、他の実施形態との主な違いは、測位計測部40が、判定部52、到達時間記憶部53、位置計算選択部54、二次元位置計算部55、三次元位置計算部56、出力選択部57とを備える点である。
【0101】
判定部52は、近距離受信部31、32、33から送られてきた高さ情報を受信した時刻と、無線端末10から送られてきた電波を基地局20が受信した時刻が到達時間差記憶部53に記憶された閾値より時間がかかっているか否かを判定する。判定した結果を位置計算選択部54、出力選択部56へ送出する。
【0102】
到達時間差記憶部53は、予め設定された閾値として用いられる時間差のデータが記憶されている。
【0103】
位置計算選択部54は、判定部52が閾値よりも大きい又は閾値以上であると判定した情報を送ってきた場合は、三次元位置計算部56に無線端末10の三次元位置の算出を指示する。判定部52が閾値以下または閾値未満であると判定した情報を送ってきた場合は、二次元位置計算部55に高さ情報取得部43が取得した高さ情報を用いて無線端末10の二次元位置の算出を指示する。
【0104】
二次元位置計算部55は、高さ情報取得部43が取得した高さ情報を用いて無線端末10の二次元位置の算出を行う。算出した値を出力選択部56へ送出する。
【0105】
三次元位置計算部56は、TDOA方式や用いて無線端末10の三次元位置を算出する。算出した値を出力選択部56へ送出する。なお、三次元位置計算部の計算方式としては、この他受信強度を使用して算出する方式をとってもよい。
【0106】
出力選択部57は、判定部52の判定を受け取り、判定部52が閾値よりも大きい又は閾値以上であると判定した情報を送ってきた場合は、三次元位置計算部56から送られてきた位置座標を出力する。判定部52が閾値以下または閾値未満であると判定した情報を送ってきた場合は、二次元位置計算部55から送られてきた位置座標を出力する。
【0107】
次に本実施形態の動作について図12を参照しながら説明する。
【0108】
無線端末10の近距離送信部13は、常時識別信号を発信するための通信を確立可能な状態である。通信が確立し、近距離受信部31、32、33のいずれかと通信が可能となった際に、識別信号を送信する。
【0109】
識別信号を受信した近距離受信部31又は32又は33は、この識別信号と予め保持している高さ情報を測位計測部40へ送信し、データ受信部41を介して高さ情報取得部43は高さに関するデータを検出する(ステップS6101、ステップS6301、S6302、ステップS6402)。
【0110】
無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、位置測定用の識別情報を含む無線信号を発信する。
【0111】
これを受信した無線基地局は、無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を測位計測部40へ送信し、データ受信部41を介して計測値収集部42にて各基地局の計測値を収集する(ステップS6102、S6103、ステップS6201、6202、ステップS6401)。
【0112】
計測値収集部42で収集された近距離受信部31、32、33からのデータと無線基地局20への無線信号の取得時間の
位置計測選択部54は、高さに関するデータおよび各無線基地局20の受信時間情報を各受信した識別情報から整合をとる(ステップS6403)。
【0113】
ここで、判定部52は、計測値収集部42から送られてきた計測値を取得し、無線基地局20が一の無線端末10について無線信号を受信した時間と、近距離受信部31、32、33から送られてきた時間との時間差を算出する。算出した時間差を到達時間差閾値部53に記憶されている値と比較する。
【0114】
閾値以上の場合は、到達時間に関する情報を送ってきた無線基地局20の位置情報を読み出し、X、Y、Zの三次元の3つの値を算出する(ステップS6407,ステップS6408)
閾値以下の場合は、到達時間に関する情報を送ってきた無線基地局20の位置情報を読み出し、X、Y、Zの三次元の3つの値を算出する(ステップS6405,ステップS6406)
出力選択部57は、三次元一計算部56または二次元位置計算部55が算出した計測値を出力する。
【0115】
本実施形態により、より正確な高さ情報を用いた位置計測が可能となる。
【0116】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
10(10A) … 無線端末
11(11a) … 無線部
12(12a) … 測位信号発信制御部
13(13a) … 近距離送信部
14(14a) … 近距離受信部
15(15a) … データ処理部
16(16a) … 加速度センサ部
17(17a) … 測距センサ部
171(171a) … 近距離発信部
172(172a) … 近距離受信部
173(173a) … 距離計算部
18(18a) … 画像用マーカ部
20(20A、20B) … 無線基地局
21(21a、21b) … 無線部
22(22a、22b) … 到達時間計測部
23(23a、23b) … データ送信部
24(24a、24b) … 通信処理部
25(25a、25b) … 画像センサ部
26(26a、26b) … 受信強度計測部
27(27a、27b) … 端末判定処理部
30 … 壁面
31、32、33、34、35、36 … 近距離受信部
37、38、39 … 近距離送信部
40 … 測位計測部
41 … データ受信部
42 … 計測値収集部
43 … 高さ情報取得部
44 … 位置計算部
45 … 記憶部
46 … 受信高さ対応部
47 … 送信高さ対応部
48 … 高さ変化取得部
49 … 基地局近傍判定部
51 … 受信強度記憶部
52 … 判定部
53 … 到達時間差閾値部
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線端末位置計測システム及び無線端末位置計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種プラントや工場あるいは病院のような広域かつ屋内の空間領域内で、自由に移動し作業を行う人員や作業に使用される可搬型の機材類の現在位置を的確に把握し管理することにより作業効率を向上したいという要求に答える無線端末位置計測システム及び無線端末位置計測方法の研究がなされている。
【0003】
この被測位対象の測定では、連立方程式の解を準ニュートン法などを用いた数値解析により位置座標(例えば、グローバル直交座標系における(X、Y、Z)座標)を求める。この連立方程式の数値解析は処理量が大きく、処理の負担を軽くするため、一の座標(例えばZ座標)を固定とし連立方程式の解を算出する手法が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−304473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、固定した一の座標と実際の無線端末の座標の差が大きいほど、誤差が大きくなってしまう。
【0006】
上記の事情に鑑み、処理の負担が少ないままにより正確な位置計測を可能とする無線端末位置計測システムおよび無線端末位置計測方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本無線端末位置計測システムは、
測定対象エリア内に存在する無線端末と無線信号を送受信する固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
第一のパラメータを検出する測距センサ部と、前記第一のパラメータに関する情報と端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部と、を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第二のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第一の無線基地局と、
前記無線部から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
受信した前記第一のパラメータと、前記第二のパラメータと、前記第三のパラメータから前記無線端末の位置を計測する
測位計測部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図2】第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図3】第2の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図4】第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】第3の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図6】第3の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】第4の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図8】第4の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図9】第5の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図10】第5の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図11】第6の実施形態に係る位置計測システムの構成を示す図。
【図12】第6の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施態様について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
本実施形態の無線端末位置計測システムは、図1に示すように、無線基地局20(20A、20B)測位計測部40と、を含む構成である。無線基地局20から得られるパラメータを用いて無線端末10(10A)の位置の計測を行う。本システムは、プラントや工場、立体駐車場の各階の駐車フロアや病院内の一区画などに設置される。
【0011】
無線端末10は、無線部11および測位信号発信制御部12および近距離送信部13と、を含む構成である。本実施形態では、それぞれ無線端末10A、無線部11a、測位信号発信制御部12a、近距離送信部13aとして記載している。無線端末10が発する無線信号と識別情報とを併せて送ることが好適である。
【0012】
無線部11は、無線信号を無線基地局20の無線部21a、21bに対して送信する。この無線信号には測位計測部40による位置の算出に利用する識別情報(ID情報)が含まれている。例えば、無線通信を行うものとして、ホーンアンテナ、アレイアンテナ、ダイポールアンテナ等の各種アンテナを利用できる。また、DSRC(Dedicated Short Range Communication)方式を用いた高精度の通信方式を用いても良い。無線信号とは、電波(電磁波)をいい、その他、超音波に代替することもできる。例えば、工作機械、携帯電話、車載器などである。
【0013】
測位信号発信制御部12は、無線信号を送信するタイミングの制御を行う。複数の被測位対象がある場合、同一時刻に同一周波数(チャネル)を使用して位置測定を行うことはできないので、時間的あるいは空間的に分割する必要がある。一例として一元管理するサーバ側で被測位対象の順序制御を行う方法がある。例えば、測位計測部40と無線端末10の(端末の測位信号発信制御部)とがデータ通信ができるようにしておき、所定の端末に測位の必要ができたとき、測位計測部40側から該当端末の測位信号発信制御部に発信許可を与えるようにする。そのとき、該当端末以外に対しては、発信禁止の制御を行う。(複数周波数が使える場合は、使用チャネルも指定することで、チャネル数の許す限り同時測位が可能となる。)
他に無線端末側で自律的に判断する方法では、位置を測定してほしい端末が周辺の無線端末の無線電波状況をモニタし、どの端末も発信していない場合に送信を行うようにする。あるいは、複数チャネルを使用できる無線端末(基地局側は同時に複数チャネルを受信できる必要がある)であれば、周辺空間のチャネル使用状況をモニタし、未使用のチャネルを見つけたとき、同チャネルを使って送信するようにする。
【0014】
測距センサ17は、近距離発信部171と、近距離受信部172、測位計算部173とを含む構成である。
【0015】
近距離発信部171は電波を床面に照射する。
【0016】
近距離受信部172は、近距離発信部171が床面に照射し反射してきた電波を受信する。受信した時間情報または受信電波強度情報を測位計算部173に送出する。
【0017】
距離計算部173は、近距離発信部171と近距離受信部172の電波の送受信から床面との距離を算出する。算出した距離を高さ情報取得部43へ送出する。
【0018】
無線基地局20は、無線部21と、到達時間計測部22と、データ送信部23と、通信処理部24とを含む構成である。本実施形態では、所定の位置に固定された2つの無線基地局20A、20B、それぞれの無線基地局に対応する無線部21a、21bと、到達時間計測部22a、22bと、データ送信部23a、23bと通信処理部24a、24bとを記載している。各無線基地局20の最初に固定された位置情報(例えば、緯度、経度、高度)は記憶部45に記憶されている。設置場所として、プラントや工場、立体駐車場や病院の天井に備え付ける。
【0019】
無線部21bは、無線部11から送られてきた電気信号を受信すると、到達時間計測部22aへ通知する。
【0020】
到達時間計測部22は、無線部11からが電気信号を受信した時刻(時間に関するパラメータ)を抽出し、受信時刻に関するデータをデータ送信部23、データ受信部41を介して計測値収集部42へ送出する。
【0021】
データ送信部23は、到達時間計測部22および通信処理部24から送られてきたデータを中継する。
【0022】
通信処理部24は、データ処理部15から無線部21を介して高さ情報を取得し、高さ情報取得部43へ送出する。
【0023】
データ受信部41は、通信ネットワーク100を介して送られてくる情報を計測値収集部42、高さ情報取得部43へ送信する。
【0024】
計測値収集部42は、無線信号を取得した無線基地局の識別情報と、到達時間計測部22が取得した到達時間情報、対応する無線端末10の識別情報(ID)を収集する。収集した各識別情報(ID)と到達時間情報を位置計算部45へ送出する。
【0025】
高さ情報取得部43は、無線端末10の識別情報(ID)と位置に関するパラメータである高さ情報をデータ受信部41を介して取得する。取得した無線端末10の識別情報(ID)と位置に関するパラメータである高さ情報を位置計算部44へ送出する。
【0026】
位置計算部44は、同一の無線信号を各無線基地局20が取得した無線特性パラメータから無線端末と無線基地局の距離関係を求め、この距離データと各無線基地局の既知である位置座標から無線端末の位置を計算・算出する。
【0027】
具体的な算出方法の一つとして、無線端末10が発信した一の無線信号を各無線基地局20で受信し、受信した無線基地局20のうち任意の二つの無線基地局の受信時間から到達時間差分を求める。例えば、グローバル直交座標系における二つの無線基地局の位置が、無線基地局20A(X1,Y1,Z1)、無線基地局20B(X2,Y2,Z2)であり、無線端末10と20Aとの距離がr1、20Bとの距離がr2であり|r1−r2|=2Aであるとすると、無線端末10の座標(x,y,z)は以下の双曲面方程式で表すことができる。
【数1】
【0028】
この(式1)を少なくとも二つ以上作成し、連立方程式を作成する。この連立方程式の変数であるzの値を高さ情報取得部43から取得し上記連立方程式に代入して、xとyの値を求める。求めた(x,y,z)の値を外部の表示部(図示しない)などへ出力する。
【0029】
記憶部45は、位置計算部44が端末10の位置を算出する場合に用いる各無線基地局20の位置座標を記憶する。記憶する媒体として、半導体メモリ、磁気メモリ等の各種記憶媒体を利用することができる。
【0030】
次に本実施形態の動作について図2を参照しながら説明する。
【0031】
無線端末10の近距離発信部171は、常時高さ情報を取得するために無線信号を床面に向けて発信している。この発信された無線信号が床面に反射した反射波を近距離受信部17が取得する。取得した受信時間または受信強度に関する情報を距離計算部173へ送出する。
【0032】
距離計算部173は、受信時間または受信強度から高さ情報を算出し、データ処理部15にて無線信号として送れるデータ形式に変換がなされる(ステップS1101)。
【0033】
次に、無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、データ処理部15から得られる高さ情報と、位置測定用の識別情報とを含む無線信号を発信する(ステップS1102、ステップS1103)。
【0034】
これを受信した無線基地局は、高さ情報と、無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を測位計測部40へ送信し、データ受信部41を介して計測値収集部42、高さ情報取得部43にて各基地局の計測値を収集する(ステップS1201、ステップS1202)。
【0035】
高さに関するデータおよび各無線基地局20の受信時間情報を各受信した識別情報から整合をとり、情報を送ってきた無線基地局の位置情報を記憶部45から読み出し、無線端末10の位置を算出する。算出した位置に関する情報を、表示部(図示しない)に出力する(ステップS1401乃至ステップS1404)
なお、近距離送信部と近距離受信部との通信には電波、超音波のほか光通信によって行われてもよい。
【0036】
このように三つのパラメータを二種類以上の異なった方法で取得することにより、三つのパラメータを全て無線信号で処理する場合に比べ処理を軽くすることができる。また、上記二種類以上のパラメータ取得方法が異なることから、異なる時間に取得したデータを用いてもより正確な位置算出を行うことができる。
【0037】
本実施形態では、高さ情報(Z軸方向の情報)を別に取得しているが、平面方向の情報(X、Y軸方向、)を同様の仕組みで取得してもよい。
【0038】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図3を参照しながら説明する。
【0039】
本実施形態と第1の実施形態との主な違いは、無線端末10が、画像用マーカ部1、画像用マーカ部18を備えている点である。また、基地局20が画像センサ部25を測位計測部40が高さ情報取得部43に代えて基地局近傍判定部49を備えている点である。
【0040】
画像用マーカ部18は、画像センサ25で認識可能な図柄等の画像であり、各無線端末10毎に異なる画像が用いられている。例えばQRコードである。
【0041】
画像センサ部25は、基地局の直下を含む下方を撮影する。撮影した画像または映像を通信処理部24、データ送信部23を介して基地局近傍判定部49へ送出する。
【0042】
基地局近傍判定部49は、取得した画像又は映像から基地局の近傍にいるか否かの判定を行う。直下とは、基地局と同じ平面座標であると判定する範囲のことをいい、予め定められた範囲内にあるか否かを画像解析(例えば、パターンマッチング)により行う。この処理により、いずれかの基地局の直下にあると判断した場合は、当該情報を計測値収集部42を介して位置計算部44へ送出する。
【0043】
本実施形態の位置計算部44は、基地局近傍判定部49で基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を無線端末10の位置して直接利用して位置算出を行う。例えば、基地局20Bの(X、Y)座標が分かっていれば、無線端末のZ座標の値のみの算出を行うといった具合である。また、Z座標の値が、第1の実施形態に示すように近距離通信により判明している場合は、演算処理を行わず、これらの値をもって無線端末10の位置を(X,Y,Z)と算出してもよい。
【0044】
次に本実施形態の動作について図4を参照しながら説明する。
【0045】
無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、位置測定用の識別情報とを含む無線信号を発信する(ステップS2101、ステップS2102)。
【0046】
これを受信した無線基地局20は、無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を計測収集部42へ送信する(ステップS2201、ステップS2202)。
【0047】
これを受けた計測収集部42は、各基地局の計測値を収集し、位置計算部44へ送出する(ステップS2401)。
【0048】
無線基地局20は、基地局の直下を含む下方を撮影する。撮影した画像または映像を通信処理部24、データ送信部23を介して基地局近傍判定部49へ送出する(ステップS2203、ステップS2204)。
【0049】
基地局近傍判定部49は、取得した画像又は映像から基地局の近傍にいるか否かの判定を行う。この処理により、いずれかの基地局の直下にあると判断した場合は、当該情報を計測値収集部42を介して位置計算部44へ送出する(ステップS2402)。
【0050】
位置計算部44は、基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を直接無線端末10の位置座標として利用するよう位置算出を行う。
【0051】
基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいないと判定された情報を受け取った場合は、通常の三つ以上の連立方程式を利用した位置算出方法で無線端末10の位置の算出を行う(ステップS2403乃至ステップS2406)
本実施形態により、読み出した無線基地局20の位置情報の効率的な利用を計り、演算処理の負担を軽減した位置計測が可能となる。
【0052】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図5を参照しながら説明する。
【0053】
本実施形態と、第2の実施形態との主な違いは、基地局20が画像センサ部25に代えて受信強度計測部26を備えている点である。また測位計測部40がさらに受信強度記憶部51を備えている点である。
【0054】
受信強度計測部26は、無線端末10Aから送られてきた無線信号の受信強度を抽出する。この受信強度情報を通信処理部24、データ送信部23を介して基地局判定部49へ送出する。
【0055】
本実施形態の基地局判定部49は、この受信強度と予め受信強度記憶部51に記憶された閾値となる値とマッチングを行い、閾値よりも受信強度が大きければ基地局20の近傍に存在すると判定を行う。
【0056】
いずれかの基地局の直下にあると判断した場合は、当該情報を計測値収集部42を介して位置計算部44へ送出する。
【0057】
本実施形態の位置計算部44は、基地局近傍判定部49で基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を利用して位置算出を行う。例えば、基地局20Bの(X、Y)座標が分かっていれば、Z座標の値のみの算出を行うといった具合である。また、Z座標の値が、先の実施形態に示すように近距離通信により判明している場合は、演算処理を行わず、これらの値をもって無線端末10の位置を(X,Y,Z)と算出してもよい。
【0058】
次に本実施形態の動作について図6を参照しながら説明する。
【0059】
無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、データ処理部15から得られる高さ情報と、位置測定用の識別情報とを含む無線信号を発信する(ステップS3101、ステップS3102)。
【0060】
これを受信した無線基地局20は、到達時間計測部22で検出した無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を計測収集部42へ送信し、受信強度計測部26で計測した受信強度と無線端末10の識別情報を無線基地局判定部49へ送出する(ステップS3201、ステップS3202)。
【0061】
無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を受けた計測収集部42は、各基地局の計測値を収集し、位置計算部44へ送出する(ステップS3401)。
【0062】
受信強度計測部26で計測した受信強度と無線端末10の識別情報を受けた無線基地局近傍判定部49は、受信強度記憶部51に予め記憶された閾値と比較し、取得した画像又は映像から基地局の近傍にいるか否かの判定を行う。この処理により、いずれかの基地局の直下にあると判断した場合は、当該情報を計測値収集部42を介して位置計算部44へ送出する(ステップS3402)。
【0063】
位置計算部44は、基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を直接無線端末10の位置座標として利用するよう位置算出を行う。
【0064】
基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいないと判定された情報を受け取った場合は、通常の位置算出方法で無線端末10の位置の算出を行う(ステップS3403乃至ステップS3406)。
【0065】
本実施形態により、読み出した無線基地局20の位置情報の効率的な利用を計り、演算処理の負担を軽減した位置計測が可能となる。
【0066】
(第4の実施形態)
第4の実施形態について図7を参照しながら説明する。
【0067】
本実施形態と、第2の実施形態との主な違いは、基地局20が通信処理部24に代えて端末判定処理部27を備えている点である。
【0068】
端末判定処理部27は、画像センサ部25が取得した画像の画像解析を行い、基地局直下にいるか否かの判定を行う。基地局直下に存在すると判定された場合には、到達時間計測部22へ、到達時間に関する情報を送らないよう指示(無効化指示)を行う。
【0069】
本実施形態の到達時間計測部22は、無効化指示を受けた場合は、いずれの基地局20から送信されてきたかを測位計測部40が認識可能な信号で送信し併せて、無線端末10の識別情報を送信する。
【0070】
本実施形態の位置計算部44は、送られてきた基地局の記憶部45に記憶された位置情報を用いて無線端末10の位置計測を行う。
【0071】
次に本実施形態の動作について図8を参照しながら説明する。
【0072】
無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、位置測定用の識別情報とを含む無線信号を発信する(ステップS4101、ステップS4102)。
【0073】
これを受信した無線基地局20は、無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を作成する(ステップS4201)。
【0074】
無線基地局20は、基地局の直下を含む下方を撮影する。撮影した画像または映像を端末判定処理部27へ送出する(スステップS4202)。
【0075】
端末判定処理部27は、取得した画像又は映像から基地局の近傍にいるか否かの判定を行う。この処理により、いずれかの基地局の直下にあると判断した場合は、受信時間に関する情報の送出を無効にさせる無効情報を到達時間計測部22またはデータ送信部23へ送出する。(ステップS4203Y、S4205)。
【0076】
無効情報を受けた、到達時間計測部22またはデータ送信部23は、無効情報と無線端末の識別情報と無線基地局の識別情報を計測収集部42へ送出する。
【0077】
これを受けた計測収集部42は、各基地局の計測値を収集し、位置計算部44へ送出する(ステップS4401)。
【0078】
位置計算部44は、基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を直接無線端末10の位置座標として利用するよう位置算出を行う。
【0079】
端末判定処理部23でいずれかの無線基地局20の近傍にいないと判定された情報を受け取った場合は、通常の位置算出方法で無線端末10の位置の算出を行う(ステップ4203N、ステップ4204、ステップS4401、ステップS4403、ステップS4404乃至ステップS4406)。
【0080】
本実施形態により、通信量および演算処理の負担を軽減した位置計測が可能となる。
【0081】
(第5の実施形態)
第5の実施形態について図9を参照しながら説明する。
【0082】
本実施形態と、第3の実施形態との主な違いは、基地局20が受信強度記憶部28を備えている点である。
【0083】
受信強度記憶部28は、無線部21が受信した受信強度の判定を行うための閾値である受信強度を記憶している
本実施形態の端末判定処理部27は、受信強度記憶部28に記憶された閾値より受信強度が大きいか否かにより、無線端末10が基地局20直下にいるか否かの判定を行う。基地局直下に存在すると判定された場合には、到達時間計測部22へ、到達時間に関する情報を送らないよう指示(無効化指示)を行う。
【0084】
本実施形態の到達時間計測部22は、無効化指示を受けた場合は、いずれの基地局20から送信されてきたかを測位計測部40が認識可能な信号および、無線端末10の識別情報を送信する。
【0085】
本実施形態の位置計算部44は、送られてきた基地局の記憶部45に記憶された位置情報を用いて無線端末10の位置計測を行う。
【0086】
次に本実施形態の動作について図10を参照しながら説明する。
【0087】
無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、位置測定用の識別情報とを含む無線信号を発信する(ステップS5101、ステップS5102)。
【0088】
これを受信した無線基地局20は、無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を作成する(ステップS5201、ステップS5202)。
【0089】
また、無線基地局20内の端末判定処理部27は、受信強度計測部26で計測した受信強度を、受信強度記憶部28に予め記憶された閾値と比較し、取得した画像又は映像から基地局の近傍にいるか否かの判定を行う。この処理により、いずれかの基地局の近傍にあると判断した場合は、受信時間に関する情報の送出を無効にさせる無効情報を到達時間計測部22またはデータ送信部23へ送出する。(ステップS5203、S5204Y)。
【0090】
無効情報を受けた、到達時間計測部22またはデータ送信部23は、無線端末の識別情報と無線基地局の識別情報を計測収集部42へ送出する(ステップS5206)。
【0091】
これを受けた計測収集部42は、各基地局の計測値を収集し、位置計算部44へ送出する(ステップS5402)。
【0092】
位置計算部44は、基地局近傍判定部49でいずれかの無線基地局20の近傍にいると判定された情報を受け取った場合は、予め記憶部45に記憶された当該基地局20の座標情報を直接無線端末10の位置座標として利用するよう位置算出を行う(ステップS5404乃至ステップS5406)。
【0093】
端末判定処理部23でいずれかの無線基地局20の近傍にいないと判定された情報を受け取った場合は、通常の位置算出方法で無線端末10の位置の算出を行う(ステップ5204N、ステップ5205、ステップS5401、ステップS5403、ステップS5404乃至ステップS5406)。
【0094】
本実施形態により、演算処理の負担を軽減した位置計測が可能となる。
【0095】
(第6の実施形態)
第6の実施形態について図11を参照しながら説明する。
【0096】
近距離送信部13は、壁面30に設置された近距離受信部31乃至33と通信を行う。例えば、RFIDのアクティブタグである。無線信号で無線端末10の識別情報(ID情報)を近距離受信部31または近距離受信部32または近距離受信部33へ送信する。
【0097】
壁面30は、近距離受信部31、32、33を含む構成である。本実施形態では、壁面と記載しているが、その他、柱やドアなど近距離受信部31、32、33を取り付けることができるものであればよい。
【0098】
近距離受信部31、32、33は、無線端末10内の近距離送信部13と通信を行い、あらかじめ設置された高さ情報を保持している。近距離送信部13から送られてきた識別情報(ID)を含む無線信号を受信した場合に、この送られてきた識別情報(ID)と位置に関するパラメータである高さ情報をデータ受信部41を介して測位計算部40内の高さ情報取得部43へ送出する。本実施形態では通信可能な範囲内では基本的には一つの近距離受信部としか通信ができないような位置関係に配置されているものとしている。なお、本実施形態では近距離受信部が三つの場合について説明しているが、これに限られることなく二つ以上の近距離受信部であればよい。また近距離受信部13の設置位置としては、エリアの入り口など無線端末10と通信可能性が高い位置に置くことにより、設置数が少なくて済み、かつ無線通信の確実性が高い。
【0099】
測位計測部40は、データ受信部41と、計測値収集部42と、高さ情報取得部43と、位置計算部44と、記憶部45とを含む構成である。
【0100】
本実施形態と、他の実施形態との主な違いは、測位計測部40が、判定部52、到達時間記憶部53、位置計算選択部54、二次元位置計算部55、三次元位置計算部56、出力選択部57とを備える点である。
【0101】
判定部52は、近距離受信部31、32、33から送られてきた高さ情報を受信した時刻と、無線端末10から送られてきた電波を基地局20が受信した時刻が到達時間差記憶部53に記憶された閾値より時間がかかっているか否かを判定する。判定した結果を位置計算選択部54、出力選択部56へ送出する。
【0102】
到達時間差記憶部53は、予め設定された閾値として用いられる時間差のデータが記憶されている。
【0103】
位置計算選択部54は、判定部52が閾値よりも大きい又は閾値以上であると判定した情報を送ってきた場合は、三次元位置計算部56に無線端末10の三次元位置の算出を指示する。判定部52が閾値以下または閾値未満であると判定した情報を送ってきた場合は、二次元位置計算部55に高さ情報取得部43が取得した高さ情報を用いて無線端末10の二次元位置の算出を指示する。
【0104】
二次元位置計算部55は、高さ情報取得部43が取得した高さ情報を用いて無線端末10の二次元位置の算出を行う。算出した値を出力選択部56へ送出する。
【0105】
三次元位置計算部56は、TDOA方式や用いて無線端末10の三次元位置を算出する。算出した値を出力選択部56へ送出する。なお、三次元位置計算部の計算方式としては、この他受信強度を使用して算出する方式をとってもよい。
【0106】
出力選択部57は、判定部52の判定を受け取り、判定部52が閾値よりも大きい又は閾値以上であると判定した情報を送ってきた場合は、三次元位置計算部56から送られてきた位置座標を出力する。判定部52が閾値以下または閾値未満であると判定した情報を送ってきた場合は、二次元位置計算部55から送られてきた位置座標を出力する。
【0107】
次に本実施形態の動作について図12を参照しながら説明する。
【0108】
無線端末10の近距離送信部13は、常時識別信号を発信するための通信を確立可能な状態である。通信が確立し、近距離受信部31、32、33のいずれかと通信が可能となった際に、識別信号を送信する。
【0109】
識別信号を受信した近距離受信部31又は32又は33は、この識別信号と予め保持している高さ情報を測位計測部40へ送信し、データ受信部41を介して高さ情報取得部43は高さに関するデータを検出する(ステップS6101、ステップS6301、S6302、ステップS6402)。
【0110】
無線端末10の測位信号発信制御部12は、位置測定開始の信号を受け取ると、位置測定用の識別情報を含む無線信号を発信する。
【0111】
これを受信した無線基地局は、無線信号の受信時間に関する情報と、無線端末10の識別情報を測位計測部40へ送信し、データ受信部41を介して計測値収集部42にて各基地局の計測値を収集する(ステップS6102、S6103、ステップS6201、6202、ステップS6401)。
【0112】
計測値収集部42で収集された近距離受信部31、32、33からのデータと無線基地局20への無線信号の取得時間の
位置計測選択部54は、高さに関するデータおよび各無線基地局20の受信時間情報を各受信した識別情報から整合をとる(ステップS6403)。
【0113】
ここで、判定部52は、計測値収集部42から送られてきた計測値を取得し、無線基地局20が一の無線端末10について無線信号を受信した時間と、近距離受信部31、32、33から送られてきた時間との時間差を算出する。算出した時間差を到達時間差閾値部53に記憶されている値と比較する。
【0114】
閾値以上の場合は、到達時間に関する情報を送ってきた無線基地局20の位置情報を読み出し、X、Y、Zの三次元の3つの値を算出する(ステップS6407,ステップS6408)
閾値以下の場合は、到達時間に関する情報を送ってきた無線基地局20の位置情報を読み出し、X、Y、Zの三次元の3つの値を算出する(ステップS6405,ステップS6406)
出力選択部57は、三次元一計算部56または二次元位置計算部55が算出した計測値を出力する。
【0115】
本実施形態により、より正確な高さ情報を用いた位置計測が可能となる。
【0116】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
10(10A) … 無線端末
11(11a) … 無線部
12(12a) … 測位信号発信制御部
13(13a) … 近距離送信部
14(14a) … 近距離受信部
15(15a) … データ処理部
16(16a) … 加速度センサ部
17(17a) … 測距センサ部
171(171a) … 近距離発信部
172(172a) … 近距離受信部
173(173a) … 距離計算部
18(18a) … 画像用マーカ部
20(20A、20B) … 無線基地局
21(21a、21b) … 無線部
22(22a、22b) … 到達時間計測部
23(23a、23b) … データ送信部
24(24a、24b) … 通信処理部
25(25a、25b) … 画像センサ部
26(26a、26b) … 受信強度計測部
27(27a、27b) … 端末判定処理部
30 … 壁面
31、32、33、34、35、36 … 近距離受信部
37、38、39 … 近距離送信部
40 … 測位計測部
41 … データ受信部
42 … 計測値収集部
43 … 高さ情報取得部
44 … 位置計算部
45 … 記憶部
46 … 受信高さ対応部
47 … 送信高さ対応部
48 … 高さ変化取得部
49 … 基地局近傍判定部
51 … 受信強度記憶部
52 … 判定部
53 … 到達時間差閾値部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象エリア内に存在する無線端末と無線信号を送受信する固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
第一のパラメータを検出する測距センサ部と、前記第一のパラメータに関する情報と端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部と、を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第二のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第一の無線基地局と、
前記無線部から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
受信した前記第一のパラメータと、前記第二のパラメータと、前記第三のパラメータから前記無線端末の位置を計測する
測位計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項2】
測定対象エリア内に存在する無線端末と無線信号を送受信する固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
無線端末に備えられ、前記無線端末の端末識別情報を示す画像を表示するマーカ部を検出するセンサ部と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第一のパラメータを取得し前記端末識別信号と前記画像に関する情報とを位置計測部に送信する送信部とを
備える第一の無線基地局と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
前記画像から前記第一の無線基地局近傍にいるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合に、前記第一の無線基地局の固定位置座標と、前記第一のパラメータまたは前記第二のパラメータとから前記無線端末の位置を計測する測位計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項3】
測定対象エリア内に存在し無線信号を送受信する無線端末と、固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第一のパラメータ及び第二のパラメータを取得し、前記端末識別信号と前記第一のパラメータおよび前記第二のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第一の無線基地局と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
前記第二のパラメータから前記第一の無線基地局近傍にいるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合に、前記第一の無線基地局の固定位置座標と、前記第一のパラメータまたは前記第三にパラメータとから前記無線端末の位置を計測する測位計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項4】
測定対象エリア内に存在し無線信号を送受信する無線端末と、固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
無線端末に備えられ、前記無線端末の端末識別情報を示す画像を表示するマーカ部を検出するセンサ部と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第一のパラメータを取得する取得部と、
前記画像から無線基地局近傍にいるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合に、前記端末識別信号と第一の無線基地局の識別情報とを測位計測部に送信する送信部と、
を備える第一の無線基地局と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第二のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第二のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合送られてきたに前記第一の無線基地局の固定位置座標と、前記第二のパラメータとから前記無線端末の位置を計測する測位計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項5】
測定対象エリア内に存在し無線信号を送受信する無線端末と、固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第一のパラメータ及び第二のパラメータを取得する取得部と、
前記第二のパラメータから無線基地局近傍にいるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合に、前記端末識別信号と第一の無線基地局の識別情報とを測位計測部に送信する送信部と、
を備える第一の無線基地局と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合送られてきたに前記第一の無線基地局の固定位置座標と、前記第二のパラメータとから前記無線端末の位置を計測する測位計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項6】
測定対象エリア内に存在し無線信号を送受信する無線端末と、固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
前記測定対象エリア内に設置され、前記測定対象エリアで近距離通信により端末識別信号を受信する近距離受信部と、
前記受信部に近距離通信により端末識別情報を送信する送信部と、端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部とを備える無線端末と、
前記無線部から送られてくる端末識別信号から第一のパラメータを取得し前記端末識別信号と合わせて位置計測部に送信する第一の無線基地局と、
前記無線部から送られてくる端末識別信号から第二のパラメータを取得し前記端末識別信号と合わせて位置計測部に送信する第二の無線基地局と、
前記無線部から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号と合わせて位置計測部に送信する第三の無線基地局と、
前記送信部から送られてくる端末識別信号を受信した場合に、前記送信部から送られてくる端末識別信号と合わせて第四のパラメータを位置計測部に送信する近距離受信部と、
前記第一のパラメータまたは前記第二のパラメータまたは前記第三のパラメータの取得時間と、前記第四のパラメータを取得した時間との時間差が閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が閾値以上と判定した場合は、前記第一のパラメータと、前記第二のパラメータと、前記第三のパラメータの端末識別信号をマッチングさせて前記前記無線端末の位置を計測する三次元位置計測部と、
前記判定部が閾値未満と判定した場合は、前記第一のパラメータと、前記第二のパラメータと、前記第四のパラメータの端末識別信号をマッチングさせて前記前記無線端末の位置を計測する二元位置計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項7】
前記画像はQRコードである
請求項2または4に記載する無線端末位置計測システム。
【請求項8】
前記送信部は、アクティブ型RFIDであり
前記近距離受信部は、パッシブ型RFIDである
請求項6に記載する無線端末位置計測システム。
【請求項1】
測定対象エリア内に存在する無線端末と無線信号を送受信する固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
第一のパラメータを検出する測距センサ部と、前記第一のパラメータに関する情報と端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部と、を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第二のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第一の無線基地局と、
前記無線部から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
受信した前記第一のパラメータと、前記第二のパラメータと、前記第三のパラメータから前記無線端末の位置を計測する
測位計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項2】
測定対象エリア内に存在する無線端末と無線信号を送受信する固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
無線端末に備えられ、前記無線端末の端末識別情報を示す画像を表示するマーカ部を検出するセンサ部と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第一のパラメータを取得し前記端末識別信号と前記画像に関する情報とを位置計測部に送信する送信部とを
備える第一の無線基地局と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
前記画像から前記第一の無線基地局近傍にいるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合に、前記第一の無線基地局の固定位置座標と、前記第一のパラメータまたは前記第二のパラメータとから前記無線端末の位置を計測する測位計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項3】
測定対象エリア内に存在し無線信号を送受信する無線端末と、固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第一のパラメータ及び第二のパラメータを取得し、前記端末識別信号と前記第一のパラメータおよび前記第二のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第一の無線基地局と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
前記第二のパラメータから前記第一の無線基地局近傍にいるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合に、前記第一の無線基地局の固定位置座標と、前記第一のパラメータまたは前記第三にパラメータとから前記無線端末の位置を計測する測位計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項4】
測定対象エリア内に存在し無線信号を送受信する無線端末と、固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
無線端末に備えられ、前記無線端末の端末識別情報を示す画像を表示するマーカ部を検出するセンサ部と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第一のパラメータを取得する取得部と、
前記画像から無線基地局近傍にいるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合に、前記端末識別信号と第一の無線基地局の識別情報とを測位計測部に送信する送信部と、
を備える第一の無線基地局と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第二のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第二のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合送られてきたに前記第一の無線基地局の固定位置座標と、前記第二のパラメータとから前記無線端末の位置を計測する測位計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項5】
測定対象エリア内に存在し無線信号を送受信する無線端末と、固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて前記無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第一のパラメータ及び第二のパラメータを取得する取得部と、
前記第二のパラメータから無線基地局近傍にいるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合に、前記端末識別信号と第一の無線基地局の識別情報とを測位計測部に送信する送信部と、
を備える第一の無線基地局と、
端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部を備える無線端末から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号および前記第三のパラメータに関する情報とを測位計測部に送信する
第二の無線基地局と、
前記判定部により前記第一の無線基地局近傍にいると判定された場合送られてきたに前記第一の無線基地局の固定位置座標と、前記第二のパラメータとから前記無線端末の位置を計測する測位計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項6】
測定対象エリア内に存在し無線信号を送受信する無線端末と、固定位置に設置された複数の無線基地局と、前記無線基地局で受信した無線信号から得られるパラメータを用いて無線端末の位置を計測する測位計測部を含む構成の無線端末位置計測システムであって、
前記測定対象エリア内に設置され、前記測定対象エリアで近距離通信により端末識別信号を受信する近距離受信部と、
前記受信部に近距離通信により端末識別情報を送信する送信部と、端末識別信号を前記無線基地局に送信する無線部とを備える無線端末と、
前記無線部から送られてくる端末識別信号から第一のパラメータを取得し前記端末識別信号と合わせて位置計測部に送信する第一の無線基地局と、
前記無線部から送られてくる端末識別信号から第二のパラメータを取得し前記端末識別信号と合わせて位置計測部に送信する第二の無線基地局と、
前記無線部から送られてくる端末識別信号から第三のパラメータを取得し前記端末識別信号と合わせて位置計測部に送信する第三の無線基地局と、
前記送信部から送られてくる端末識別信号を受信した場合に、前記送信部から送られてくる端末識別信号と合わせて第四のパラメータを位置計測部に送信する近距離受信部と、
前記第一のパラメータまたは前記第二のパラメータまたは前記第三のパラメータの取得時間と、前記第四のパラメータを取得した時間との時間差が閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が閾値以上と判定した場合は、前記第一のパラメータと、前記第二のパラメータと、前記第三のパラメータの端末識別信号をマッチングさせて前記前記無線端末の位置を計測する三次元位置計測部と、
前記判定部が閾値未満と判定した場合は、前記第一のパラメータと、前記第二のパラメータと、前記第四のパラメータの端末識別信号をマッチングさせて前記前記無線端末の位置を計測する二元位置計測部と、
を備える無線端末位置計測システム。
【請求項7】
前記画像はQRコードである
請求項2または4に記載する無線端末位置計測システム。
【請求項8】
前記送信部は、アクティブ型RFIDであり
前記近距離受信部は、パッシブ型RFIDである
請求項6に記載する無線端末位置計測システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−202734(P2012−202734A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65285(P2011−65285)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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