説明

無線通信において無線リソース管理のための測定値を求めるシステムおよび方法

エアインタフェースリソースを監視する無線リソース制御ユニットは、エアインタフェース測定値を得るエアインタフェース測定ユニットと、エアインタフェース測定値および対応するタイムスタンプを格納する記憶装置と、エアインタフェース測定値を処理する処理装置とを含む。インタフェース測定値の少なくとも一部は予測値でよい。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には無線通信システムに関する。より詳細には、本発明は、測定値ベースの無線リソース管理を使用する無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムでの無線リソース管理(RRM)の目的は、エアインタフェース上のリソース(すなわち無線リソース)の使用を効率的に管理することである。エアインタフェース能力を最大にし、接続信頼性およびネットワーク安定性を保証し、無線送信/受信ユニット(WTRU)の電池消費を低減するために、無線リソースのインテリジェント管理が不可欠である。
【0003】
典型的なRRM機能には、1)システム負荷および品質目標に基づいて、新しい無線リンクを求める要求を許可または拒絶するコールアドミッション制御、2)WTRUがあるセルのカバレッジエリアから別のセルのカバレッジエリアに移動するとき、呼(接続)がドロップされないように保証するハンドオーバ制御、3)許容可能なリンク品質を提供すると共に干渉レベルを最小に維持する出力電力制御、4)個々の無線リンクに関するサービス品質要件が満たされるように保証する無線リンクメインテナンス、および5)高輻輳の期間にネットワーク安定性を維持する輻輳制御が含まれる。
【0004】
RRM機能は、様々な入力に基づいてトリガされ、判断を行う。こうした入力の中で、WTRUおよびNode Bによって観測されるエアインタフェース測定値が広く使用される。エアインタフェース測定値は、WTRUまたはNode Bから発信することができる。WTRU測定値および無線リンク特有のNode B測定値は、専用測定値と呼ばれる。セル特有のNode B測定値は、共通測定値と呼ばれる。無線環境の現状態を正確に評価するのに両者のタイプの測定値が使用される。例えば、干渉測定値を使用して、タイムスロットまたは周波数帯内の物理リソースの割当てを決定することができる。
【0005】
無線環境の状況を評価するのにRRM機能が依拠する典型的な測定値には、干渉信号コードパワー(ISCP)、受信電力測定値(個々の無線リンクと受信全広帯域電力(RTWP)の両方)、受信信号強度表示(RSSI)、送信出力電力(個々の無線リンク電力と全電力を含む)、および信号対妨害比(SIR)測定値が含まれる。こうした測定値は、提案される発明において、適用可能な多くの測定値のうちのほんの数例である。
【0006】
以下に説明するように、こうした測定値の一部を予測することができ、その最新のレポートとその予測の組合せを、システムが過渡段階にあるときに使用することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
残念ながら、現在のRRM機能を実施する方式には欠点がある。前述の測定値を利用不能または無効にさせてしまう可能性のあるいくつかの状態がある。まず、測定値が単にレポートされない可能性があり、または測定レポートがエアインタフェースを介して破壊されてしまう可能性がある。例えば、WTRU測定レポートは最終的に、巡回冗長検査(CRC)ビットが添付される伝送ブロック(TB)内にカプセル化される。Node B物理層は、CRCビットを検査することによって誤りが生じたかどうかを判定する。誤りがある場合、Node B物理層は、誤りのあるTBを誤り表示と共に上層に送達するか、または単に、誤りのあるTBが特定の伝送チャネル上もしくは1組の伝送チャネル上で受信されたことを上層に示す。そのようなシナリオは、WTRU測定値を考慮するときに特に関連する。WTRU測定値はエアインタフェースを介して送信されるからである。
【0008】
第2に、測定値は一般に、その測定値がそれ以後は無効であるとみなされる寿命期間のしきい値(age threshold)を有する。測定レポートが十分に頻繁でない場合、有効な測定値が最終的に無効となり、したがってRRM機能にとって利用不能となる可能性がある。
【0009】
最後に、無線リンクまたはシステムが安定化中の過渡的な段階に入ったために測定値が単に無効である可能性がある。例えば、出力電力制御の過渡的な段階のため、無線リンクの構成または再構成に続いて、干渉測定値は一定の期間(最大1/2秒)不安定となる。無線リンクまたはシステムの現状態が不安定であるので、そのような測定値は、RRM機能をトリガし、または判定を行うのに使用すべきではない。
【0010】
したがって、より効果的な無線リソース管理のための測定値を得る改良型のシステムおよび方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、エアインタフェースリソースを管理する無線リソース制御システムおよび方法である。本発明によれば、無線通信システムが、一定のシステム測定値の利用可能性および有効性を判定することによってRRMデータを取得する。まず、実際のシステム測定値および予測測定値が利用可能であるかが判定され、実際のシステム測定値が有効であるかどうかも判定される。判定結果に応じて、実際のエアインタフェース測定値、予測値、およびデフォルト値の選択的組合せが使用される。あるいは、RRM測定値が所望の無線リソースを使用のために割り当てられないこともある。
【0012】
例示によって与えられ、添付の図面と共に理解すべきである好ましい実施形態に関する以下の説明から、本発明のより詳細な理解を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
汎用移動通信システム(UMTS)の一実装である第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)広帯域符号分割多重接続(W−CDMA)通信システムによる通常の伝送およびHSDPA伝送を使用する音声またはデータ用の本発明の応用例に関連して、本明細書で好ましい実施形態を説明する。本明細書全体を通して3GPPの用語を使用するが、3GPPシステムは単に一例として使用しているに過ぎず、測定ベースのRRMが適用できる他の無線通信システムに本発明を応用することができる。
【0014】
本明細書全体を通して使用される際、「無線送信/受信ユニット」(WTRU)という用語は、限定はしないが、ユーザ装置、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャ、または無線環境において動作することのできるその他のどんなタイプの装置も含む。こうした例示的なタイプの無線環境は、限定はしないが、無線LANおよび公衆陸上移動ネットワークを含む。「Node B」という用語は、限定はしないが、基地局、サイトコントローラ、アクセスポイント、または無線環境内のその他のどんなタイプのインタフェース装置も含む。
【0015】
図1は、本発明によるRRM機能によって使用される測定値を求める手順20のフロー図である。まず、実際の測定値および予測値を受け取り、受け取ったときのタイムスタンプと共にデータベースに格納する(ステップ22)。こうした測定値および値は、コールアドミッション制御、ハンドオーバ制御、出力電力制御、および無線リンクメインテナンスなどの様々なRRM機能から受信される。それが実際のシステム測定値であるか、それとも予測値であるか(例えば、新しい呼の許可時のシステム影響を予測するコールアドミッション制御機能の場合など)に関わらず、データベースに格納される。RNCは、測定値および予測値と、それが格納された時の両方のデータベースを維持する。
【0016】
RNCが測定値または値を受け取るごとに、RNCは、受け取った時間に対応するタイムスタンプと共に、それをデータベースに格納する。そのようにすることにより、RNCは、測定値または値が利用可能であるか(すなわちデータベースに格納されているか)どうかを、その後で判定することができ、利用可能である場合、それがその寿命期間の点で有効であるかどうか(すなわちその寿命期間が一定の寿命期間のしきい値未満であるかどうか)を判定することができる。
【0017】
RRM測定値要求を受け取っていないとステップ30で判定した場合、さらなる動作は行わず、引き続きステップ22で実際の測定値および予測値を受信および格納する。RRM測定値を求める要求を受け取ったとステップ30で判定した場合、RNCは、要求されたRRM測定値についてデータベースを調査し、要求されたRRM測定値が利用可能であるかどうかを判定する。測定値レポートが送られなかったため、または測定値レポートがエアインタフェース上で破壊されたために、測定値が利用不能である(すなわち測定値がデータベースに格納されていない)可能性がある。実際のシステム測定値が利用不能であるとステップ34で判定した場合、予測値が利用可能であるかどうかに関して判定を行う(ステップ36)。
【0018】
予測値(MPREDICTED)は以下のように求められる。あるRRM機能が動作を実行したとき、その動作を実行した後に、あるシステム測定値(干渉や出力電力など)がどうなるかを予測することができる。例えば、1つのRRM機能はコールアドミッション制御(CAC)アルゴリズムである。CACアルゴリズムは、呼が追加された後に干渉および出力電力がどうなるかを予測する。予測したレベルが許容可能である場合、その呼を追加する。予測したレベルが許容可能ではない場合、その呼を拒絶する。本発明によれば、予測した干渉値および出力値(ならびにその他のタイプの予測値)が格納され、干渉および出力電力に関する予測値として使用される。RRM値の予測は多くの異なるタイプのRRM機能に関して従来技術において周知であり、特定の予測方法は本発明にとって重要ではないので、以下では詳細に説明しない。
【0019】
予測値が利用可能である場合、予測値を使用し(ステップ38)、そうでない場合、デフォルト値を使用する(ステップ40)。
【0020】
デフォルト値は、履歴状態および一連の測定値または評価によって確立される所定の値である。本質的には、デフォルト値は、事前に格納され、所望のときに取り出される所定の値である。デフォルト値は通常、RRM機能が控え目な形で振る舞うように選ばれる。
【0021】
実際のシステム測定値が利用可能であるとステップ34で判定した場合、実際のシステム測定値が有効であるかどうかを判定する(ステップ42)。前述のように、実際のシステム測定値の有効性に関して、こうした測定値は、古過ぎるために無効である可能性があり、またはシステムが過渡的な段階にあり、測定値がシステムの状態を正確に表さないために無効である可能性がある。
【0022】
測定値の寿命期間に関して、測定値レポートをRNCデータベースで受け取ると、それにタイムスタンプを割り当てる。タイムスタンプは、測定値レポートを受け取った時間に対応する。測定値をメモリから取り出したとき、そのタイムスタンプを読み取る。測定値が、ある測定値の寿命期間しきい値(例えば1秒)よりも古いことをタイムスタンプが示す場合、その測定値は無効とみなされる。
【0023】
システムが過渡期のときに測定値が取得されたことによる測定値の無効性に関して、前述のように、各RRM機能を1つまたは複数のRRM測定値と関連付ける。RRM機能がシステム上で動作を実施するごとに、RRMは、動作が行われた時刻を求める。この時刻が「過渡期間」の開始に対応する。過渡期間は一定の期間続き、その後の時点でシステムは再び安定であるとみなされる。過渡期間の継続時間は、RRM機能によって実行された動作のタイプに依存する。過渡期間の継続時間は、設計パラメータである。
【0024】
特定のRRM測定値をそのRRM機能の過渡期間の間に取得したとき、それは無効とみなされる。このことは、いくつかの方式によって判定することができる。第1の選択肢では、RRM測定値が過渡期間の間に取得されたか否かについての表示を、データベースに格納された各RRM測定値に関連付ける。こうした測定値は格納されるが、無効とみなされることになる。
【0025】
第2の選択肢では、各RRM過渡期の始まりについてのタイムスタンプを別々に格納する。RRM測定値をデータベースから取り出したとき、そのタイムスタンプを、過渡期間のタイムスタンプと比較することができる。取り出されたRRM測定値のタイムスタンプが過渡期間(すなわちRRM過渡期の始まりのタイムスタンプと過渡期間の継続時間の和)内にある場合、その取り出されたRRM測定値は無効であると判定する。
【0026】
第3の選択肢では、単に、予測測定値がデータベース内にあるかどうかを判定し、データベース内にある場合、そのタイムスタンプを求めることにより、実際の測定値を無効と宣言することができる。この選択肢は、予測測定値をデータベースに書き込むときにちょうど過渡期が始まると仮定する。そのような無効性の判定を実施することのできる多くの異なる方式が存在するので、こうした選択肢は例示的なものに過ぎず、限定的なものではないものとする。
【0027】
システムは、実際の測定値の寿命期間とシステムの安定性の両方に鑑みて実際の測定値の有効性を判定する。実際の測定値が有効であるとステップ42で判定した場合、実際の測定値を使用する(ステップ44)。
【0028】
ステップ42で実際の測定値が有効ではないとみなされる場合、予測値が利用可能かどうかに関して判定を行う(ステップ46)。ステップ46で予測値が利用可能であると判定した場合、実際の測定値を予測値と組み合わせる(ステップ48)。
【0029】
次に、ステップ48で実施される実際の測定値と予測値の組合せを説明する。値を組み合わせるための多くの異なる方式があることを当業者は理解しているが、好ましい一実施形態においては、本発明は、以下のような実際の測定値(MACTUAL)と予測値(MPREDICTED)の組合せを使用する。
【0030】
M(t)=α(t)・MPREDICTED+(1−α(t))・MACTUAL 式(1)
【0031】
上式において、α(t)は時間変動重み関数であり、tは過渡期間の始まりから経過した時間に関する量を表す(すなわち、過渡期間はt=0で始まる)。M(t)は、RRM機能に供給される、時刻tにおける組合せ後の測定値を表す。通常αは、1と0との間で単調減少する関数である。好ましくは、αはt=0、すなわち過渡期間の始まりの直後では1に等しくなるべきであり、過渡期間の終り、すなわち実際の測定値が安定であるとみなされた後は0に等しくなるべきである。
【0032】
1秒の継続時間の過渡段階について、例α重み関数を図2Aおよび図2Bに示す。図2Aでは、時間変動はほぼ直線的関数であり、一方図2Bでは、時間変動によりαが当初ゆっくりと減少し、その後に急速に減少する。αの性質に応じて、これを指数関数的変化または幾何学的変化で近似することができる。
【0033】
過渡期中(すなわちαがゼロに達する前)に後続の動作を行うことが可能である。後続の動作がRRM機能によって行われるとき、システムは「新しい」過渡期間に入る。いくつかのRRM機能は通常、時刻tで行われる動作に続いて値がどうなるかを予測するので、予測値はM(t)に基づく。この場合、MPREDICTEDはM(t)に基づいて作成される。ただしtは後続の動作がトリガされる時である。
【0034】
さらに、後続の動作の完了時にtがゼロにリセットされる(すなわち新しい過渡期間が始まる)。新しい過渡期間が始まる場合、tで動作する後続の任意のRRM機能は、過渡段階の始まりとしてtを使用する。その結果、式1中のtはt=t−tとなる。
【0035】
図1に戻ると、実際の測定値は有効でないとステップ42において判定し、予測値が利用可能でないとステップ46で判定した場合、RNCは、以下の4つのオプションのうちの1つを実施することができる(ステップ50)。1)ステップ40と同様にデフォルト値を使用する、2)実際の測定値をデフォルト値と組み合わせる、3)実際の測定値にマージンを加える、または4)問題のリソースを利用不能と宣言する。
【0036】
第1のオプション、デフォルト値を使用、に関しては、これはステップ40を参照して説明した。
【0037】
第2のオプション、実際の測定値とデフォルト値を組み合わせ、に関しては、RNCは、測定値が無効である理由に基づいて異なる方式でこれらを組み合わせる。データベース内の最新の測定値が古過ぎるために測定値が無効である場合、式(1)と同様の式を使用することができる。
【0038】
M(t)=α(t)・MACTUAL+(1−α(t))・MDEFAULT
式(2)
【0039】
式(2)では、時間遅延αの項がMACTUALに適用され、tは、測定値がデータベースに格納されてから経過した時間である。好ましくは、このα関数は、ずっとゆっくりと減衰するように選ばれる点で、式(1)において使用される関数とは異なる。
【0040】
システムが過渡状態にあるために実際の測定値が無効であると宣言されるが、新しい実際の測定値が利用可能である場合、実際の測定値とデフォルト値との重み付け組合せを使用する。
【0041】
M=A・MACTUAL+B・MDEFAULT 式(3)
【0042】
上式においてA+B=1であり、重み因子AおよびBは、シミュレーションまたはシステムの観測に基づいて最適化される構成可能なパラメータである。異なる測定値が異なる重み因子を有することができることに留意されたい。
【0043】
マージンを実際の測定値に追加する第3のオプションに関しては、好ましくは、時間変化する誤差マージンが、以下に記述されるように実際の測定値に加算される。
【0044】
M=MACTUAL±MARGIN 式(4)
【0045】
上式においてMARGINは、時刻ゼロ、すなわち過渡期間の開始の直後に大きく、過渡期が終了するときにゼロまで単調減少する時間変化するマージンである。式(1)の場合と同じく、実際の測定値が利用可能であるときに式(4)が実行されるが、過渡期間またはタイムスタンプの満了のために有効ではないとみなされる。このオプションは、測定値または指標値(metric)が収束値に向かって単調増加または単調減少する場合にのみ有効であることに留意されたい。測定値または指標値が収束値の周りで振動している場合、このオプションは最適ではない。
【0046】
このオプションは、予測測定値が過渡期間の間に存在すると想定する必要はないという利点を有する。予測測定値が利用可能であるときに式(1)を実行し、マージンが最良の「予測」と考えられるときに式(4)を実行することがさらに可能である。
【0047】
リソースが利用不能であると宣言することに関するステップ50の最後のオプションに関しては、実際の測定値、予測値、実際の測定値にマージンを加えること、またはこれらのオプションのいずれかの組合せが望ましくないと判定した場合、システムは単に、RRM測定値の送信を拒否することができ、RRM測定値が要求されたリソースがアシスタントによって利用不能とみなされる。したがって、こうしたリソースは使用されない。
【0048】
次いで、ステップ44で実際の値を使用するか、ステップ38で予測値を使用するか、ステップ40でデフォルト値を使用するか、ステップ48で実際の測定値と予測値の組合せを使用するか、それともステップ50でオプションのうちの1つを使用するかに関する判定結果を使用して、要求されたRRM測定値を提供する。
【0049】
測定値の管理を容易にするために、RNCにおいて、集中型測定制御ユニットが使用される。集中型測定制御ユニットは以下の機能を実施する。1)受信した測定値を中央システム(structure)内に格納すること、および2)測定値フィルタリング、測定値寿命期間および有効性の追跡(例えば受信時にタイムスタンプを割り当てること、および寿命期間のしきい値と比較)、および予測値と実際の測定値の間で選択し、またはそれらを組み合わせることを含む測定値処理。
【0050】
本発明に従って作成された集中型測定値制御ユニット80を図3に示す。測定値制御ユニット80は、測定値セットアップユニット81、測定値受信および格納ユニット82、測定値処理装置83、および測定値出力ユニット84を含む。
【0051】
測定値セットアップユニット81は、WTRUおよびNode Bに関する測定値セットアップ手順を実施する。測定値セットアップユニット81は、測定値のセットアップおよび構成を担当する。より具体的には、測定値セットアップユニット81は、Node BおよびWTRU RRC層と通信して測定値をセットアップ、修正、および終了し、すべての測定値構成の詳細を与える(例えば平均期間、レポート基準/期間)。
【0052】
測定値受信および格納ユニット82は、実際の、および予測されるWTRUおよびNode B測定値を組織化されたシステム(structure)内に格納する。これは、測定値の寿命期間を追跡するために測定値の受信時にタイムスタンプ情報を割り当てることを含む。
【0053】
測定値処理装置83は、受信した測定値をフィルタし、測定値の有効性および/または利用可能性を検証し、実際の測定値、予測値、およびデフォルトを適宜組み合わせる。測定処理装置83は、本発明に記載の測定値処理のすべてを担う。
【0054】
測定値出力ユニット84は、適切な測定値を要求時にRRMに提供する(すなわち、図1のステップ38、40、44、48、および50に示すように、有効なときに実際の測定値を提供し、利用不能または無効なときは予測値を提供し、あるいは実際の測定値、予測値、およびデフォルト値の組合せを提供する)。さらに、任意に、測定値出力ユニット84は、測定値が所定のしきい値を超過したときにRRM機能をトリガする役目を担うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明によるRRM機能に関する異なるタイプの値の使用を示すフロー図である。
【図2A】本発明に従って使用される時間変動重み関数である。
【図2B】本発明に従って使用される時間変動重み関数である。
【図3】本発明に従って作成された集中型測定制御ユニットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアインタフェースリソースを監視し、無線リソース管理に関する出力を提供する無線リソース制御ユニットであって、
エアインタフェース測定値を得るエアインタフェース測定ユニットと、
前記エアインタフェース測定値を格納する記憶装置と、
前記出力を提供するために、前記エアインタフェース測定値を処理する処理装置と、
を備え、
前記エアインタフェース測定値の少なくとも一部は予測測定値であることを特徴とする制御ユニット。
【請求項2】
前記エアインタフェース測定値の少なくとも一部は、実際の測定値であることを特徴とする請求項1に記載の制御ユニット。
【請求項3】
実際の測定値および予測測定値が、前記処理装置によって選択的に組み合わされることを特徴とする請求項2に記載の制御ユニット。
【請求項4】
前記記憶装置は、格納したエアインタフェース測定値ごとにタイムスタンプも格納し、前記タイムスタンプは、前記エアインタフェース測定値が格納された時刻に対応することを特徴とする請求項1に記載の制御ユニット。
【請求項5】
無線リソース管理データを得る方法であって、
エアインタフェース測定値を得るステップと、
前記エアインタフェース測定値を格納するステップと、
各エアインタフェース測定値が格納される時間を示すタイムスタンプを生成および格納するステップと、
出力データを提供するために、前記エアインタフェース測定値を処理するステップと、
を備え、
前記エアインタフェース測定値の少なくとも一部は予測値であることを特徴とする方法。
【請求項6】
処理する前記ステップは、対応するタイムスタンプをしきい値と比較することによってエアインタフェース測定値が有効であるかどうかを判定し、前記タイムスタンプが前記エアインタフェースしきい値よりも古い場合、前記エアインタフェース測定値は無効と宣言されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
処理する前記ステップは、
過渡期間の発生を判定すること、および
エアインタフェース測定値のタイムスタンプを過渡期間の発生と比較することによってエアインタフェース測定値が有効であるかどうかを判定し、前記タイムスタンプが前記過渡期間内にある場合、前記エアインタフェース測定値を無効と宣言すること、
を特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記判定することは、前記エアインタフェース測定値が格納されるときに実行され、対応する有効性の表示も前記エアインタフェース測定値と共に格納されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記出力データは、デフォルト値を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記出力データは、予測値と実際のデータの組合せを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−521746(P2007−521746A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517127(P2006−517127)
【出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/015797
【国際公開番号】WO2005/002114
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】