説明

無線通信システムおよび紙葉類処理装置

【課題】無線通信媒体が紙葉類に組み込まれ高速かつ連続的に処理する場合において、無線通信装置を紙葉類の搬送経路に沿って組み込む際に、紙葉類の搬送が想定している搬送間隔よりも短い場合、あるいは、紙葉類が複数重なった状態で搬送された場合においても、無線通信装置の読取りエラーを防止することができる無線通信システムおよび紙葉類処理装置を提供する。
【解決手段】電磁波を利用して無線タグや非接触ICカード等の無線通信媒体との通信を行なう無線タグリーダや非接触ICカードリーダ等の無線通信システムであって、無線通信媒体が有価証券や郵便物あるいは通行券等の紙葉類に取付けられ固体識別される形態において、初段の無線通信装置の後段に複数の無線通信装置を並列的に配設し、搬送される紙葉類が想定している搬送間隔よりも短い場合や、2枚重なった状態にある場合、それを検知して当該紙葉類の搬送経路を切換え、後段の無線通信装置にて当該紙葉類内の無線通信媒体との通信処理を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、電磁波を利用して無線タグや非接触ICカード等の無線通信媒体との通信を行なう無線タグリーダや非接触ICカードリーダ等の無線通信システムに係り、例示するならば無線通信媒体が有価証券や郵便物あるいは通行券等の紙葉類に取付けられ固体識別される形態において、当該紙葉類が連続的にかつ高速で処理される紙葉類処理装置等に適用される無線通信システム、および、この無線通信システムを用いた紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、従来の紙葉類処理装置(たとえば、特許文献1参照)に無線タグリーダ等の無線通信装置を組込んだ場合の構成例を模式的に示している。従来の紙葉類処理装置500は、無線通信媒体(無線タグ等)10が組み込まれている有価証券等の紙葉類P1(実際には紙葉類P1の内部に無線通信媒体10が埋設されている)を1枚ずつ供給する供給部501、供給される紙葉類P1を1枚ずつ順次搬送する搬送路502、搬送路502に供給される紙葉類P1を検知して通過検知信号を出力する通過検知器503、搬送路502により搬送される紙葉類P1に組み込まれた無線通信媒体10との間で無線通信を行なう無線通信装置504、通過検知器503から得られる通過検知信号に基づく所定のタイミングで無線通信装置504を駆動したり、無線通信媒体10から読取った情報に基づきあらかじめ定められた所定の処理等を行なう制御部505、搬送路502により搬送されてきた紙葉類P1を集積する集積部506によって構成されている。
【0003】
紙葉類P1に組み込まれた無線通信媒体10は、無線通信装置504の通信エリア内に進入すると、無線通信装置504から放射される電磁波により動作用の電力を供給され、当該無線通信媒体10の動作電源電圧に到達すると、無線通信装置504からのポーリングコマンド受付可能状態となる。無線通信装置504は、一定周期でポーリングコマンド(無線通信信号)を送出しており、それを受信した無線通信媒体10からの応答を受信したら通信完了となり、再度ポーリングコマンド送出状態となる。
【0004】
以下、従来の紙葉類処理装置500の動作を簡単に説明する。
供給部501から供給された紙葉類P1が通過検知器503を通過すると、通過検知器503から制御部505へ通過検知信号が送られる。制御部505は、受信した通過検知信号からあらかじめ設定された所定時間後に、無線通信装置504へ読出し指示信号を送る。搬送路502で搬送される紙葉類P1内の無線通信媒体10は、無線通信装置504からの電波を受信すると起動され、内部のメモリにあらかじめ記憶された情報を無線通信により出力する。無線通信装置504は、紙葉類P1内の無線通信媒体10から送信される情報を受信し、制御部505へ送る。制御部505は、無線通信媒体10からの読出情報に基づき、あらかじめ設定された所定の処理を実行する。無線通信媒体10が情報送信を完了した紙葉類P1はそのまま搬送され、集積部506へと送られる。
【0005】
次に、従来の紙葉類処理装置500における紙葉類搬送時の無線通信装置と無線通信媒体との通信処理動作タイミングについて図6を参照して説明する。
まず、通常の搬送状態の場合(紙葉類の搬送間隔が期待値のt1[s]である場合)、図6(a)に示すように、通過検知器503により紙葉類P1の通過が通知されると、無線通信装置504はポーリングコマンドCを送出する。無線通信装置504からポーリングコマンドCを受信した紙葉類P1内の無線通信媒体10は、図示しないメモリにあらかじめ記憶されているID番号Nを応答する。
【0006】
無線通信装置504は、ID番号Nを受信すると読出し許可信号Rを送出し、読出し許可信号Rを受信した紙葉類P1内の無線通信媒体10は、図示しないメモリにあらかじめ記憶されている情報(識別情報等)Dを送出し、通信を完了する。以降、無線通信装置504は通過検知信号に基づき順次同様の動作を繰り返す。
【0007】
次に、たとえば、紙葉類の搬送間隔が期待値よりも短い状態になった場合(紙葉類の搬送間隔が期待値t1[s]よりも短いt[s]であった場合)、図6(b)に示すように、紙葉類P2が無線通信装置504からのポーリングコマンドCを受信し、読出し情報Dの送信中に、後続の紙葉類P3の通過を通知する通過検知信号を受信することとなる。
これにより、後続の紙葉類P3は搬送路502を通過中に無線通信装置504からのポーリングコマンドCを受信できず、結果として応答を返さないまま通過することになる。
【0008】
次に、たとえば、紙葉類の取出しにおいて2枚重なった状態で取出され、その結果2枚重なった状態で搬送路502へ供給された場合、図6(c)に示すように、2枚重なった状態の紙葉類P4,P5の通過を通知する通過検知信号が通過検知器503から1回送出され、無線通信装置504からポーリングコマンドCが送出される。無線通信装置504の通信エリア内には、紙葉類P4,P5内の各無線通信媒体10が存在するため、2つのID番号N4,N5が応答される。
【0009】
無線通信装置504は、2つのID番号N4,N5を受信し、最初に紙葉類P4内の無線通信媒体10に読出し許可信号R4を送出し、これに対し紙葉類P4内の無線通信媒体10は、図示しないメモリにあらかじめ記憶されている情報D4を送出する。引き続き無線通信装置504は、紙葉類P5内の無線通信媒体10に読出し許可信号R5を送出し、これに対し紙葉類P5内の無線通信媒体10は、図示しないメモリにあらかじめ記憶されている情報D5を送出する。
【0010】
しかしながら、2枚重なった状態の紙葉類P4,P5内の各無線通信媒体10に対し順次読取中に次の紙葉類P6が搬送されることとなり、無線通信装置504は紙葉類P6の通過を通知する通過検知信号を受信し、次のポーリングコマンドCの送出を開始し、結果として紙葉類P4,P5の情報読出しと紙葉類P6内の無線通信媒体10からのID番号N6の応答とが衝突することとなり、通信エラーとなる。
【特許文献1】特開2003−296786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記した従来の技術によれば、無線通信媒体が紙葉類に組み込まれ高速で連続的に処理する場合において、紙葉類の搬送経路に沿って無線通信装置を組み込む際に、単一の無線通信装置では、紙葉類の搬送が想定している搬送間隔よりも短い場合、先着の紙葉類の無線通信媒体の情報読出中に後着の紙葉類の無線通信媒体が無線通信装置の通信エリアに進入することとなり、後着の紙葉類の無線通信媒体は無線通信装置からのポーリングコマンドを受信できず、結果として後着の紙葉類の無線通信媒体は応答せずに通過し、読取りエラーとなるという問題がある。
【0012】
また、たとえば、紙葉類の取出しに失敗し、紙葉類が2枚重なった状態で搬送された場合、無線通信装置は2枚重なった状態の紙葉類の各無線通信媒体からの応答を受信することとなり、2つの無線通信媒体からの応答を受信中に次の紙葉類の無線通信媒体が無線通信装置の通信エリアに進入するため、無線通信装置は後着の紙葉類の無線通信媒体にポーリングコマンドを送出することができず、読取りエラーとなり、結果として紙葉類処理装置としての処理量が低下するという問題がある。
【0013】
そこで、本発明は、たとえば、無線通信媒体が紙葉類に組み込まれ高速かつ連続的に処理する場合において、無線通信装置を紙葉類の搬送経路に沿って組み込む際に、紙葉類の搬送が想定している搬送間隔よりも短い場合、あるいは、紙葉類が複数重なった状態で搬送された場合においても、無線通信装置の読取りエラーを防止することができる無線通信システムおよび紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の無線通信システムは、供給される無線通信媒体を所定の間隔で順次搬送する第1の搬送手段と、この第1の搬送手段に供給される無線通信媒体を検知し、通過検知信号を出力する通過検知手段と、前記第1の搬送手段に設けられ、前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づく所定のタイミングで当該第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体との間で無線通信を行なう第1の無線通信装置と、前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づき、前記第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体の間隔があらかじめ定められた所定の間隔よりも短いか否かを判定する第1の判定手段と、この第1の判定手段により前記第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体の間隔が所定の間隔よりも短いと判定された場合、その間隔が短い無線通信媒体の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換える搬送経路切換手段と、この搬送経路切換手段により搬送経路を切換えられた無線通信媒体を搬送する第2の搬送手段と、この第2の搬送手段に設けられ、当該第2の搬送手段により搬送される無線通信媒体との間で無線通信を行なう第2の無線通信装置と、前記第1の無線通信装置の前記第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体との無線通信結果に基づき、当該無線通信媒体は複数重なった状態にあるか否かを判定する第2の判定手段と、この第2の判定手段により当該無線通信媒体は複数重なった状態にあると判定された場合、その複数重なった状態にある無線通信媒体の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換えて取込み、当該複数重なった状態にある無線通信媒体を1つごとに分離する分離手段と、この分離手段により1つごとに分離された各無線通信媒体をそれぞれ搬送する複数の第3の搬送手段と、この複数の第3の搬送手段にそれぞれ設けられ、当該第3の搬送手段により搬送される無線通信媒体との間で無線通信を行なう複数の第3の無線通信装置とを具備している。
【0015】
また、本発明の紙葉類処理装置は、供給される無線通信媒体が取付けられた紙葉類を所定の間隔で順次搬送する第1の搬送手段と、この第1の搬送手段に供給される紙葉類を検知し、通過検知信号を出力する通過検知手段と、前記第1の搬送手段に設けられ、前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づく所定のタイミングで当該第1の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との間で無線通信を行なう第1の無線通信装置と、前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づき、前記第1の搬送手段により搬送される紙葉類の間隔があらかじめ定められた所定の間隔よりも短いか否かを判定する第1の判定手段と、この第1の判定手段により前記第1の搬送手段により搬送される紙葉類の間隔が所定の間隔よりも短いと判定された場合、その間隔が短い紙葉類の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換える搬送経路切換手段と、この搬送経路切換手段により搬送経路を切換えられた紙葉類を搬送する第2の搬送手段と、この第2の搬送手段に設けられ、当該第2の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との間で無線通信を行なう第2の無線通信装置と、前記第1の無線通信装置の前記第1の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との無線通信結果に基づき、当該紙葉類は複数重なった状態にあるか否かを判定する第2の判定手段と、この第2の判定手段により当該紙葉類は複数重なった状態にあると判定された場合、その複数重なった状態にある紙葉類の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換えて取込み、当該複数重なった状態にある紙葉類を1つごとに分離する分離手段と、この分離手段により1つごとに分離された各紙葉類をそれぞれ搬送する複数の第3の搬送手段と、この複数の第3の搬送手段にそれぞれ設けられ、当該第3の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との間で無線通信を行なう複数の第3の無線通信装置と、前記第1、第2、第3の無線通信装置の無線通信媒体との無線通信結果に基づき当該無線通信媒体が取付けられた紙葉類に対し所定の処理を行なう処理手段とを具備している。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、たとえば、無線通信媒体が紙葉類に組み込まれ高速かつ連続的に処理する場合において、無線通信装置を紙葉類の搬送経路に沿って組み込む際に、紙葉類の搬送が想定している搬送間隔よりも短い場合、あるいは、紙葉類が複数重なった状態で搬送された場合においても、無線通信装置の読取りエラーを防止することができる無線通信システムおよび紙葉類処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、本実施の形態では、たとえば、2.45GHz帯を使用した無線通信媒体が内蔵電池を持たず無線通信装置からの電磁波によりその電力の供給を受け通信処理を行なう形態のものについて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムが適用される紙葉類処理装置の構成例を模式的に示すものである。この紙葉類処理装置100は以下のように構成されている。すなわち、供給部101は、無線通信媒体(無線タグ等)10が組み込まれている有価証券等の紙葉類P1(実際には紙葉類P1の内部に無線通信媒体10が埋設されている)を1枚ずつ供給する。無線通信媒体10は、たとえば、図示しないメモリ等を有していて、そのメモリにはID番号や識別情報等の情報があらかじめ記憶されている。
【0019】
供給部101の下流側には、供給される紙葉類P1を1枚ずつ順次搬送する搬送手段としての搬送路102が設けられている。供給部101と搬送路102の始端部との間には、搬送路102に供給される紙葉類P1を検知して通過検知信号を出力する通過検知手段としての光学的な通過検知器103が設けられている。
【0020】
搬送路102の中途部には、搬送路102により搬送される紙葉類P1に組み込まれた無線通信媒体10との間で無線通信を行なう無線通信装置104が設けられている。搬送路102の終端部には、搬送路102により搬送される紙葉類の搬送経路を切換える搬送経路切換手段としての搬送経路切換部105が設けられている。
【0021】
搬送経路切換部105の下流側には、紙葉類を搬送する3つの搬送手段としての搬送路106,107,108が設けられている。搬送経路切換部105と搬送路107,108の始端部との間には、2枚重なった状態の紙葉類を1枚ずつに分離する分離手段としての紙葉類分離部109が設けられている。
【0022】
搬送経路切換部105は、通常搬送時は、搬送路102により搬送されてくる紙葉類を搬送路106へ導き、搬送間隔が期待値よりも短くなった場合は、当該紙葉類の搬送経路を切換えて搬送路107へ導き、2枚重なった状態の紙葉類が検知された場合は、当該紙葉類の搬送経路を切換えて紙葉類分離部109へ導くようになっている。
【0023】
紙葉類分離部109は、搬送経路切換部105から送られる2枚重なった状態の紙葉類を1枚ずつに分離し、その分離した一方の紙葉類を搬送路107へ導き、他方の紙葉類を搬送路108へ導くようになっている。
【0024】
搬送路107,108の各中途部には、それぞれ搬送路107,108により搬送される紙葉類に組み込まれた無線通信媒体10との間で無線通信を行なう無線通信装置110,111が設けられている。搬送路106,107,108の終端部には、搬送されてきた紙葉類を集積する集積部112が設けられている。
【0025】
通過検知器103、無線通信装置104、搬送経路切換部105、紙葉類分離部109、無線通信装置110,111はそれぞれ制御部113に接続されている。制御部113は、通過検知器103から得られる通過検知信号に基づく所定のタイミングで無線通信装置104を駆動したり、無線通信媒体10から読取った情報に基づきあらかじめ定められた所定の処理(紙葉類の搬送、仕分け、検査等)を行なう。
【0026】
また、制御部113は、通過検知器103から得られる通過検知信号に基づき紙葉類の搬送間隔があらかじめ定められた所定の間隔よりも短いか否かを判定する判定手段、および、無線通信装置104の無線通信結果に基づき当該紙葉類は2枚重なった状態にあるか否かを判定する判定手段としても機能し、これら判定手段の判定結果に基づき搬送経路切換部105、紙葉類分離部109を制御するようになっている。
【0027】
図2は、無線通信媒体10および無線通信装置104,110,111の構成を概略的に示すものである。
まず、無線通信媒体10について説明する。無線通信媒体10は、通信用アンテナ11、変調部12、整流・復調部13およびメモリ部14によって構成されていて、これらのうち変調部12、整流・復調部13およびメモリ部14は1つのICチップ15により形成されている。メモリ部14には、たとえば、固有のID番号や当該無線通信媒体10が組み込まれた紙葉類を識別する識別情報などの情報があらかじめ記憶されている。
【0028】
無線通信媒体10においては、搬送されながら無線通信装置104(110,111)の通信エリア内に進入すると、無線通信装置104(110,111)のアンテナ装置21からの電磁波がアンテナ11で受信され、その受信電波は整流・復調部13で整流されて直流電源に変換され、当該無線通信媒体10の動作電源となる。
【0029】
無線通信媒体10は、この生成された直流電源により動作可能状態となり、無線通信装置104(110,111)からのポーリングコマンドを受信し、内部メモリ部14からあらかじめ記憶されている情報(ID番号や識別情報等)を送出する。この送出情報は変調部12で変調処理される。変調部12は、ダイオードスイッチなどで構成されており、送信データの状態に応じてオン/オフと切換る。情報が“1”のときオンとなり、アンテナ11はアンテナインピーダンスで終端され、その結果、無線通信装置104(110,111)からの電磁波は吸収される。情報が“0”のときはオフとなり、つまりダイオードスイッチはオープン状態になり、アンテナ11の終端もオープン状態になり、その結果、無線通信装置104(110,111)からの電磁波は反射される。
無線通信媒体10は、以上のようなバックスキャッタ方式により無線通信装置104(110,111)へ情報を送信する。
【0030】
次に、無線通信装置104(110,111)について説明する。無線通信装置104(110,111)は、アンテナ装置21、サーキュレータ22、ミキサ23,24、発振器25、復調部26、ベースバンド処理部27、上位インタフェイス部28および通信制御部29によって構成されている。
【0031】
無線通信装置104(110,111)においては、無線通信媒体10への送信方向では、上位装置としての制御部113からの読出し指示により、上位インタフェイス部28を介して通信制御部29へ通知され、ベースバンド処理部27に読出しコマンドが発行される。
【0032】
ベースバンド処理部27では、その読出しコマンドに基づき送信情報としての編集、フィルタリングが行なわれ、その送信情報はベースバンド信号としてミキサ24に送られ、ASK変調(振幅偏移変調)される。ASK変調された信号は、サーキュレータ22を介してアンテナ装置21から電磁波として放射され、無線通信媒体10へ送信される。
【0033】
この送信電波は、前述のように無線通信媒体10にてバックスキャッタ方式にて反射され、その信号がアンテナ装置21で受信され、送信時と同一ローカル周波数が入力されているミキサ23に入力され、ミキサ23から無線通信媒体10での変調信号が抽出される。
【0034】
復調部26では、その抽出信号から“1”、“0”の情報への復調が行なわれ、ベースバンド処理部27へ送られ、情報が抽出される。抽出された情報は、上位インタフェイス部28を介して制御部113へ送信される。
無線通信装置104(110,111)は、以上のようにして無線通信媒体10のメモリ部14に記憶されている情報を非接触で読出すことが可能となる。
【0035】
次に、このような構成において紙葉類処理装置100の動作を説明する。なお、搬送経路切換部105は、通常、紙葉類の搬送経路を搬送路106に設定しているものとする。
まず、図3に示すタイミングチャートを参照して動作の概略を説明する。
【0036】
まず、通常の搬送状態の場合(紙葉類の搬送間隔が期待値のt1[s]である場合)、図3(a)に示すように、通過検知器103により紙葉類P1の通過が通知されると、無線通信装置104はポーリングコマンドCを送出する。無線通信装置104からポーリングコマンドCを受信した紙葉類P1内の無線通信媒体10は、メモリ部14内のID番号Nを応答する。
【0037】
無線通信装置104は、無線通信媒体10からのID番号Nを受信し、受信したID番号Nが1つの場合、読出し許可信号Rを送出し、読出し許可信号Rを受信した紙葉類P1内の無線通信媒体10は、メモリ部14内の情報(識別情報等)Dを送出し、通信を完了する。通信を完了した紙葉類P1(無線通信媒体10)は、搬送路102から搬送経路切換部105を介して搬送路106へ受け渡され、集積部112へ送られる。
以降、無線通信装置104は通過検知信号に基づき順次同様の動作を繰り返す。
【0038】
次に、たとえば、紙葉類の搬送間隔が期待値よりも短い状態になった場合(紙葉類の搬送間隔が期待値t1[s]よりも短いt[s]であった場合)、図3(b)に示すように、紙葉類P2が通過検知器103により検知され、無線通信装置104からのポーリングコマンドCが送出される。ここで、あらかじめ設定されている所定時間(搬送間隔)t1[s]よりも短い時間で次の紙葉類P3の通過が検知された場合、無線通信装置104は紙葉類P2内の無線通信媒体10に対する通信処理をそのまま実行し、当該紙葉類P2は搬送路106を通り、集積部112へ送られる。
【0039】
搬送間隔の近接が検知された紙葉類P3は、無線通信装置104では処理されず、先着の紙葉類P2が搬送経路切換部105を通過した直後、制御部113から出力される切換信号(搬送路107選択信号)S107により搬送経路切換部105が搬送路107を選択し、無線通信装置110にてポーリングコマンドCの送信、ID番号Nの応答受信、読出し許可信号Rの送出、読出し情報Dの応答受信という一連の通信処理が実行され、通信を完了した紙葉類P3は集積部112へ送られる。
【0040】
なお、後着の紙葉類P3が搬送経路切換部105を通過した後に、制御部113から出力される切換信号(搬送路106選択信号)S106により搬送経路切換部105が搬送路106を選択し、次の紙葉類に備える。
【0041】
次に、たとえば、紙葉類の取出しにおいて2枚重なった状態で取出され、その結果2枚重なった状態で搬送路102へ供給された場合、図3(c)に示すように、2枚重なった状態の紙葉類P4,P5の通過を通知する通過検知信号が通過検知器103から1回送出され、無線通信装置104からポーリングコマンドCが送出される。
【0042】
このポーリングコマンドCに対し紙葉類P4,P5内の各無線通信媒体10からそれぞれID番号N4,N5が応答される。無線通信装置104は、2つのID番号N4,N5を受信する。無線通信装置104で2つのID番号N4,N5が受信されると、制御部113は、2枚重なった状態の紙葉類P4,P5であることを認識し、搬送経路切換部105に対し切換信号(分離部109選択信号)S109が送られる。
【0043】
これにより、紙葉類P4,P5は2枚重なったままの状態で分離部109へ搬送され、重なった2枚の紙葉類P4,P5が分離され、紙葉類P4は搬送路107へ送られ、紙葉類P5は搬送路108へ送られる。搬送路107へ送られた紙葉類P4内の無線通信媒体10は無線通信装置110で、搬送路108へ送られた紙葉類P5内の無線通信媒体10は無線通信装置111で、それぞれ通信処理が実行され、通信完了後、紙葉類P4,P5は集積部112へ送られる。
【0044】
なお、重なった2枚の紙葉類P4,P5が搬送経路切換部105を通過した後に、制御部113から出力される切換信号(搬送路106選択信号)S106により搬送経路切換部105が搬送路106を選択し、次の紙葉類に備える。
【0045】
次に、図4に示すフローチャートを参照して動作の詳細を説明する。
【0046】
制御部113は、通過検知器103からの通過検知信号を受信したか否かを常にチェックしていて(ステップS1)、通過検知信号を受信すると、あらかじめ設定された所定時間後に無線通信装置104へ読出し指示信号を送る。無線通信装置104は、読出し指示信号を受信すると、ポーリングコマンドを送出し(ステップS2)、搬送路102で搬送される紙葉類内の無線通信媒体10からID番号の応答があるか否かをチェックする(ステップS3)。
【0047】
このチェックの結果、紙葉類内の無線通信媒体10からID番号の応答がない場合はステップS1に戻り、上記同様な動作を繰り返す。ステップS3におけるチェックの結果、紙葉類内の無線通信媒体10からID番号の応答があってそれが1つの場合、無線通信装置104にてID番号の応答受信(ステップS4)、読出し許可信号の送出(ステップS5)、読出し情報の応答受信(ステップS6)という一連の通信処理を実行し、ステップS1に戻る。
【0048】
また、ステップS1にて通過検知信号を受信すると、制御部113は、図示しないタイマの計時動作をスタートさせ(ステップS7)、通過検知器103からの通過検知信号を受信したか否かをチェックする(ステップS8)。通過検知信号を受信すると、上記タイマの計時時間Tがあらかじめ設定された所定時間t1[s](期待する紙葉類の搬送間隔時間)よりも大きいか否かをチェックし(ステップS9)、タイマの計時時間Tが所定時間t1[s]よりも大きい場合は上記タイマをクリアし(ステップS10)、ステップS1に戻って上記同様な動作を繰り返す。
【0049】
ステップS9におけるチェックの結果、タイマの計時時間Tが所定時間t1[s]よりも小さい場合、制御部113は、当該紙葉類の搬送間隔が期待値よりも短くなったものと判断し、切換信号(搬送路107選択信号)を搬送経路切換部105へ送ることにより、搬送路107を選択する(ステップS11)。
【0050】
次に、制御部113は、無線通信装置110へ読出し指示信号を送る。無線通信装置110は、読出し指示信号を受信すると、ポーリングコマンドを送出し(ステップS12)、これに対し搬送路107で搬送される紙葉類内の無線通信媒体10から送出されるID番号の応答を受信する(ステップS13)。
【0051】
次に、無線通信装置110は、ID番号の応答を受信すると、読出し許可信号を送出し(ステップS14)、これに対し搬送路107で搬送される紙葉類内の無線通信媒体10から送出される読出し情報の応答を受信し(ステップS15)、ステップS1に戻る。
【0052】
なお、制御部113は、ステップS11で搬送路107を選択した後、あらかじめ定められた所定のタイミングで切換信号(搬送路106選択信号)を搬送経路切換部105へ送ることにより、搬送路106を選択し、次の紙葉類に備える(ステップS16)。
【0053】
ステップS3におけるチェックの結果、紙葉類内の無線通信媒体10からID番号の応答があってそれが2つの場合、制御部113は、当該紙葉類は2枚重なった状態にあるものと判断し、切換信号(分離部109選択信号)を搬送経路切換部105へ送ることにより、分離部109を選択する(ステップS17)。
分離部109は、重なった2枚の紙葉類を分離し(ステップS18)、分離した一方の紙葉類は搬送路107へ送り、他方の紙葉類は搬送路108へ送る。
【0054】
次に、制御部113は、無線通信装置110,111へ読出し指示信号を送る。無線通信装置110,111は、読出し指示信号を受信すると、ポーリングコマンドを送出し(ステップS19)、これに対し搬送路107,108で搬送される各紙葉類内の無線通信媒体10から送出されるID番号の応答を受信する(ステップS20)。
【0055】
次に、無線通信装置110,111は、ID番号の応答を受信すると、読出し許可信号を送出し(ステップS21)、これに対し搬送路107,108で搬送される各紙葉類内の無線通信媒体10から送出される読出し情報の応答を受信し(ステップS22)、ステップS1に戻る。
【0056】
なお、制御部113は、ステップS17で分離部109を選択した後、あらかじめ定められた所定のタイミングで切換信号(搬送路106選択信号)を搬送経路切換部105へ送ることにより、搬送路106を選択し、次の紙葉類に備える(ステップS23)。
【0057】
以上説明したように、上記実施の形態によれば、初段の無線通信装置の後段に複数の無線通信装置を並列的に配設し、搬送される紙葉類が想定している搬送間隔よりも短い場合や、2枚重なった状態にある場合、それを検知して当該紙葉類の搬送経路を切換え、後段の無線通信装置にて当該紙葉類内の無線通信媒体との通信処理を行なうことにより、紙葉類の搬送間隔が想定している間隔よりも短い場合や、紙葉類が2枚重なって搬送された場合でも、無線通信装置の読取りエラーを防止して、正常な通信処理を行なうことができ、結果として紙葉類の処理量の低下を防ぐことができる。
【0058】
なお、以上の実施の形態にて説明した紙葉類には、前記説明で例示した有価証券(銀行券、紙幣等を含む)の他に、銀行カードやクレジットカードなどのカード媒体も含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線通信システムが適用される紙葉類処理装置の構成例を概略的に示す模式図。
【図2】無線通信媒体および無線通信装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図3】紙葉類搬送時の無線通信装置と無線通信媒体との通信処理動作タイミングについて説明するタイミングチャート。
【図4】動作の詳細を説明するフローチャート。
【図5】従来の紙葉類処理装置に無線通信装置を組込んだ場合の構成例を示す模式図。
【図6】従来の紙葉類搬送時の無線通信装置と無線通信媒体との通信処理動作タイミングについて説明するタイミングチャート。
【符号の説明】
【0060】
P1,P2,P3,P4,P5,P6…紙葉類、10…無線通信媒体、100…紙葉類処理装置、101…供給部、102…搬送路、103…通過検知器(通過検知手段)、104…無線通信装置、105…搬送経路切換部(搬送経路切換手段)、106,107,108…搬送路、109…分離部(分離手段)、110,111…無線通信装置、112…集積部、113…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される無線通信媒体を所定の間隔で順次搬送する第1の搬送手段と、
この第1の搬送手段に供給される無線通信媒体を検知し、通過検知信号を出力する通過検知手段と、
前記第1の搬送手段に設けられ、前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づく所定のタイミングで当該第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体との間で無線通信を行なう第1の無線通信装置と、
前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づき、前記第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体の間隔があらかじめ定められた所定の間隔よりも短いか否かを判定する第1の判定手段と、
この第1の判定手段により前記第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体の間隔が所定の間隔よりも短いと判定された場合、その間隔が短い無線通信媒体の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換える搬送経路切換手段と、
この搬送経路切換手段により搬送経路を切換えられた無線通信媒体を搬送する第2の搬送手段と、
この第2の搬送手段に設けられ、当該第2の搬送手段により搬送される無線通信媒体との間で無線通信を行なう第2の無線通信装置と、
前記第1の無線通信装置の前記第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体との無線通信結果に基づき、当該無線通信媒体は複数重なった状態にあるか否かを判定する第2の判定手段と、
この第2の判定手段により当該無線通信媒体は複数重なった状態にあると判定された場合、その複数重なった状態にある無線通信媒体の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換えて取込み、当該複数重なった状態にある無線通信媒体を1つごとに分離する分離手段と、
この分離手段により1つごとに分離された各無線通信媒体をそれぞれ搬送する複数の第3の搬送手段と、
この複数の第3の搬送手段にそれぞれ設けられ、当該第3の搬送手段により搬送される無線通信媒体との間で無線通信を行なう複数の第3の無線通信装置と、
を具備したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
供給される無線通信媒体を所定の間隔で順次搬送する第1の搬送手段と、
この第1の搬送手段に供給される無線通信媒体を検知し、通過検知信号を出力する通過検知手段と、
前記第1の搬送手段に設けられ、前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づく所定のタイミングで当該第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体との間で無線通信を行なう第1の無線通信装置と、
前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づき、前記第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体の間隔があらかじめ定められた所定の間隔よりも短いか否かを判定する判定手段と、
この判定手段により前記第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体の間隔が所定の間隔よりも短いと判定された場合、その間隔が短い無線通信媒体の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換える搬送経路切換手段と、
この搬送経路切換手段により搬送経路を切換えられた無線通信媒体を搬送する第2の搬送手段と、
この第2の搬送手段に設けられ、当該第2の搬送手段により搬送される無線通信媒体との間で無線通信を行なう第2の無線通信装置と、
を具備したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
供給される無線通信媒体を所定の間隔で順次搬送する第1の搬送手段と、
この第1の搬送手段に供給される無線通信媒体を検知し、通過検知信号を出力する通過検知手段と、
前記第1の搬送手段に設けられ、前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づく所定のタイミングで当該第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体との間で無線通信を行なう第1の無線通信装置と、
この第1の無線通信装置の前記第1の搬送手段により搬送される無線通信媒体との無線通信結果に基づき、当該無線通信媒体は複数重なった状態にあるか否かを判定する判定手段と、
この判定手段により当該無線通信媒体は複数重なった状態にあると判定された場合、その複数重なった状態にある無線通信媒体の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換えて取込み、当該複数重なった状態にある無線通信媒体を1つごとに分離する分離手段と、
この分離手段により1つごとに分離された各無線通信媒体をそれぞれ搬送する複数の第2の搬送手段と、
この複数の第2の搬送手段にそれぞれ設けられ、当該第2の搬送手段により搬送される無線通信媒体との間で無線通信を行なう複数の第2の無線通信装置と、
を具備したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
前記第2の搬送手段は前記複数の第3の搬送手段のうちの1つを兼用していることを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項5】
供給される無線通信媒体が取付けられた紙葉類を所定の間隔で順次搬送する第1の搬送手段と、
この第1の搬送手段に供給される紙葉類を検知し、通過検知信号を出力する通過検知手段と、
前記第1の搬送手段に設けられ、前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づく所定のタイミングで当該第1の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との間で無線通信を行なう第1の無線通信装置と、
前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づき、前記第1の搬送手段により搬送される紙葉類の間隔があらかじめ定められた所定の間隔よりも短いか否かを判定する第1の判定手段と、
この第1の判定手段により前記第1の搬送手段により搬送される紙葉類の間隔が所定の間隔よりも短いと判定された場合、その間隔が短い紙葉類の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換える搬送経路切換手段と、
この搬送経路切換手段により搬送経路を切換えられた紙葉類を搬送する第2の搬送手段と、
この第2の搬送手段に設けられ、当該第2の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との間で無線通信を行なう第2の無線通信装置と、
前記第1の無線通信装置の前記第1の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との無線通信結果に基づき、当該紙葉類は複数重なった状態にあるか否かを判定する第2の判定手段と、
この第2の判定手段により当該紙葉類は複数重なった状態にあると判定された場合、その複数重なった状態にある紙葉類の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換えて取込み、当該複数重なった状態にある紙葉類を1つごとに分離する分離手段と、
この分離手段により1つごとに分離された各紙葉類をそれぞれ搬送する複数の第3の搬送手段と、
この複数の第3の搬送手段にそれぞれ設けられ、当該第3の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との間で無線通信を行なう複数の第3の無線通信装置と、
前記第1、第2、第3の無線通信装置の無線通信媒体との無線通信結果に基づき当該無線通信媒体が取付けられた紙葉類に対し所定の処理を行なう処理手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項6】
供給される無線通信媒体が取付けられた紙葉類を所定の間隔で順次搬送する第1の搬送手段と、
この第1の搬送手段に供給される紙葉類を検知し、通過検知信号を出力する通過検知手段と、
前記第1の搬送手段に設けられ、前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づく所定のタイミングで当該第1の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との間で無線通信を行なう第1の無線通信装置と、
前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づき、前記第1の搬送手段により搬送される紙葉類の間隔があらかじめ定められた所定の間隔よりも短いか否かを判定する判定手段と、
この判定手段により前記第1の搬送手段により搬送される紙葉類の間隔が所定の間隔よりも短いと判定された場合、その間隔が短い紙葉類の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換える搬送経路切換手段と、
この搬送経路切換手段により搬送経路を切換えられた紙葉類を搬送する第2の搬送手段と、
この第2の搬送手段に設けられ、当該第2の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との間で無線通信を行なう第2の無線通信装置と、
前記第1、第2の無線通信装置の無線通信媒体との無線通信結果に基づき当該無線通信媒体が取付けられた紙葉類に対し所定の処理を行なう処理手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項7】
供給される無線通信媒体が取付けられた紙葉類を所定の間隔で順次搬送する第1の搬送手段と、
この第1の搬送手段に供給される紙葉類を検知し、通過検知信号を出力する通過検知手段と、
前記第1の搬送手段に設けられ、前記通過検知手段から得られる通過検知信号に基づく所定のタイミングで当該第1の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との間で無線通信を行なう第1の無線通信装置と、
この第1の無線通信装置の前記第1の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との無線通信結果に基づき、当該紙葉類は複数重なった状態にあるか否かを判定する判定手段と、
この判定手段により当該紙葉類は複数重なった状態にあると判定された場合、その複数重なった状態にある紙葉類の搬送経路を前記第1の搬送手段から切換えて取込み、当該複数重なった状態にある紙葉類を1つごとに分離する分離手段と、
この分離手段により1つごとに分離された各紙葉類をそれぞれ搬送する複数の第2の搬送手段と、
この複数の第2の搬送手段にそれぞれ設けられ、当該第2の搬送手段により搬送される紙葉類に取付けられた無線通信媒体との間で無線通信を行なう複数の第2の無線通信装置と、
前記第1、第2の無線通信装置の無線通信媒体との無線通信結果に基づき当該無線通信媒体が取付けられた紙葉類に対し所定の処理を行なう処理手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項8】
前記第2の搬送手段は前記複数の第3の搬送手段のうちの1つを兼用していることを特徴とする請求項5記載の紙葉類処理装置。
【請求項9】
前記無線通信媒体は当該無線通信媒体が取付けられた紙葉類の識別情報等を記憶しており、
前記処理手段は、前記第1、第2、第3の無線通信装置の無線通信媒体との無線通信の結果得られた前記識別情報に基づき当該無線通信媒体が取付けられた紙葉類に対し仕分けあるいは検査等の処理を行なうことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1つに記載の紙葉類処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−48149(P2007−48149A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−233512(P2005−233512)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】