説明

無線通信システムにおいて使用される方法及び装置

本発明は、通信システムにおいてリソースを割り当てる方法及び装置に関する。また、無線ネットワーク制御ノード、並びに、このような装置を含む無線アクセスネットワークにも関する。チャネルリソースの割り当ての要求を受信する(301)。それに応答して、特定のチャネルリソースがいつ開放されるかについての推定値と、既に割り当てられている他のチャネルリソースがいつ開放されるかについての推定値とを考慮することを含む予め決定された規則に従って特定のチャネルリソースを割り当てる(302)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムにおけるリソース(資源)の割り当て方法に関する。また、リソース割り当て装置、無線ネットワーク制御装置、並びに、このようなリソース割り当て装置を含む無線アクセスネットワークにも関する。特に、本発明は、通信システムでのチャネルリソースの割り当てに関する。
【背景技術】
【0002】
無線リソース管理(RRM)は、セルラー方式の無線通信システムにおける一機能である。無線リソース管理(RRM)は、特定の移動局を含むセルまたはデータトランザクションを確立する際に、無線チャネルの割り当てを担当している。GSMにおけるBSC、または、3GPP‐UMTSシステム(しばしば、WCDMAシステムと呼ばれる。)におけるRNCのように、典型的に、RRMは無線ネットワークノード内に配置されている。3GPP‐WCDMAでのチャネルは拡散符号により確定されるが、GSMでのチャネルはタイムスロットにより確定される。GSMでは、チャネルらは帯域幅が基本的に固定されている。また、1つのタイムスロットは16kbpsのチャネルに対応している。WCDMAでは、12.2kbpsから2Mbpsまでの異なった帯域幅のチャネルがある。WCDMAシステムで動作する移動局がチャネルを要求するときは、移動局が、そのチャネルの必要帯域幅を特定しなければならない。異なった帯域幅のチャネルが存在するが、これらの帯域幅は、拡散符号、すなわち、OVSF符号の長さによって決定される。OVSFは、直交可変拡散率を意味する。利用可能なOVSFは、長さの異なる符号らによるコードツリー(符号木)を形成する。コードツリー上で高ければ高い位置にある符号ほど、より一層短い符号となり、また、より高いビットレートを提供できる符号となる。符号が割り当てられると、そのブランチ(枝)の上位及び下位にあるその他の符号は制約されるため、割り当てることができなくなる。
【0003】
RRMは、チャネル(符号)割り当てアルゴリズム、すなわち、チャネルを割り当てる規則に従ってチャネルを割り当てる。利用可能な符号は、システムにとって貴重なリソースである。システムの能力を最適化するためには、アルゴリズムが最適に動作することが重要である。WCDMAでの符号割り当ての最適化原理は、大きな値の符号を可能な限り多く保持することである。現在のWCDMAシステムで、この原理は、符号が割り当てられていないブランチ上の符号を採用するのではなく、割り当て済みの符号と同一レートである他の符号の隣にある符号らを選択することにより達成される。
【0004】
国際出願公開第WO99/12284号は、DS‐CDMA通信システムにおいて可変ビットレートを用いるフォワードリンクに拡散符号を割り当てる方法を開示している。WO99/12284号で開示された一実施形態によれば、第1の直交符号セットで利用可能な拡散符号がある限り、第1の直交符号セットから拡散符号がフォワードリンクに割り当てられる。さらなる拡散符号を第1の直交符号セットで利用できなければ、第1の直交符号セット内の拡散符号に対して非直交である第2の直交拡散符号セットから拡散符号がフォワードリンク接続へ割り当てられる。
【0005】
カール・イー・フォッサ・ジュニア(Carl E.Fossa Jr)氏及びナサニアル・ジェー・デイビス四世(Nathanial J.Davis IV)氏らによる「Dynamic Code Assignment Improves Channel Utilization for Bursty Traffic in Third−Generation Wireless Networks」は、異なるQoS要件を有するバーストトラヒックソース間で帯域幅を共有する動的なOVSF符号割り当てアルゴリズムを開示している。ここでは、高いQoSのトラヒックに割り当てられた拡散符号及び帯域幅は動的に変更される。高いQoSのトラヒックがピークデータレートで送信されない場合、ベストエフォート型のトラヒックが直交拡散符号を用いることを許容される。
【0006】
ゴリア(Goria)氏らによる「Signalling delay of code allocation strategies」は、WCDMAシステムにおけるOVSF符号の動的符号割り当て(DCA)方式の使用を唱えている。ここでは、OVSF符号が再割り当てされる、すなわち、符号が制約されないようにするため、通信中の呼が符号の変更(「符号ハンドオーバ」)を強いられる。
【0007】
WCDMAシステムでOVSF符号を割り当てる従来技術のアルゴリズムは、新たなチャネルが必要とされるときに、一時的にリソースの割り当てを最適化できるOVSF符号の割り当て方法をベースとしている。しかし、リソースの状態は動的であるため、新たなチャネルが追加されたり、前のチャネルが開放されたりすることもある。特定の符号を割り当てることで、割り当てられた符号だけでなく、OVSF符号ツリー内の上位及び下位にあるその他の符号をも割り当てが制約されてしまう。そのため、リソース最適化に関して、ある時点では2つの符号割り当てが同様のものに見えたとしても、その直後に他の符号が開放された時点では、著しく異なって見える可能性もある。従って、現在のアルゴリズムは、長期にわたって見たときに、キャパシティの観点から最適でない符号の割り当てを決定するおそれがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、無線通信システムにおいてチャネルリソースを割り当てる代替的な方法を提供することを目的としている。
【0009】
この目的は、請求項1に記載の方法、または請求項11に記載の装置により達成される。
【0010】
本発明の全体的な目的は、無線通信システムにおいてチャネルリソースを割り当てる代替的な方法を提供することである。
【0011】
他の目的は、無線通信システムにおいてチャネルリソースを割り当てる方法を改善した方法であって、あるチャネルリソースの割り当てが他のチャネルリソースの割り当ての利用可能性にも影響を与えるようにチャネルリソースが階層的に組織化された方法を提供することである。
【0012】
その他の目的は、UMTSまたはCDMA2000のようにCDMAをベースとする通信システムにおいてチャネルリソースを割り当てる方法を改善した方法であって、ダウンリンク方向で生じる符号の制約に関する危険性を低減することである。
【0013】
本発明の例示的な実施形態に関連して、添付図面を参照しながら本発明を詳細に記述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明を適用可能な通信システムSYS1の一例を示す。図1に示す例示的な通信システムSYS1は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によるユニバーサル移動体通信システム(UMTS)である。通信システムSYS1は、コアネットワークCN1と、UMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)RAN1と、移動局(MS)と呼ばれることもあるユーザー機器(UE)とを含む。
【0015】
コアネットワークCN1は、回線交換サービスを行う移動通信交換局(MSC)ノードMSC1と、しばしば在圏GPRSサポートノード(SGSN)と呼ばれることもある、パケット交換型サービスを提供するように適合された汎用パケット無線サービス(GPRS)ノードSGSN1とを含む。
【0016】
コアネットワークのノードMSC1,SGSN1の各々は、Iuインターフェースと呼ばれる無線アクセスネットワークインターフェース上で無線アクセスネットワークRAN1に接続されている。無線アクセスネットワークRAN1は、1以上の無線ネットワーク制御装置(RNC)を含む。単純化のため、図1の無線アクセスネットワークRAN1には、1つだけの無線ネットワーク制御装置ノードRNC1を示す。各無線ネットワーク制御装置は、複数の無線基地局(RBS)に接続され、これらを制御する。この場合も単純化のため、例えば、図1には、無線ネットワーク制御装置ノードRNC1に接続された第1の無線基地局ノードRBS1及び第2の無線基地局ノードRBS2だけを示す。無線ネットワーク制御装置RNC1と基地局RBS1,RBS2との間のインターフェースをIubインターフェースと称する。
【0017】
図1に示す移動局MS1のような移動局は、Uuインターフェースと称する無線または空中インターフェース上で1以上の無線基地局RBS1,RBS2と通信する。無線基地局RBS1,RBS2から移動局方向への通信を、ダウンリンク(または、フォワード)方向の通信と称する。その一方で、逆方向、すなわち、移動局から無線基地局RBS1,RBS2への通信を、アップリンク(または、リバース)方向の通信と称す。
【0018】
図1において、無線インターフェースUu、Iuインターフェース及びIubインターフェースの各々を破線により示す。
【0019】
ダウンリンク方向に送信される情報は、チャネル分離符号(チャネライゼーションコード)を用いてチップレート(3.84Mcps)となるように拡散される。その後、セル固有のスクランブリング符号によりスクランブル(暗号化)される。一方で、アップリンク方向に送信される情報は、チャネル分離符号を用いてチップレートに拡散され、その後、移動局固有のスクランブリング符号によりスクランブルされる。
【0020】
当業者に周知であるように、拡散に用いるチャネル分離符号は、直交可変拡散率(OVSF)符号であって、基本的には、長さの異なる複数の直交ウォルシュ符号である。
【0021】
OVSF符号は、レートや拡散率(SF)が異なる複数のダウンリンク物理チャネル間の直交性を確保するための符号である。OVSF符号については、図2に示すようなツリー構造により組織化できる。
【0022】
ツリー201におけるOVSF符号C11〜C88に関しては、ツリー内でのレベルが異なれば、符号長も異なることを意味する。符号長が異なれば、拡散率(拡散率は、拡散処理の出力データレートと入力データレートとの間の比率である。)や帯域幅も異なってくる。ツリー構造内で、より上位のレベルにある符号は、より下位のレベルにある符号よりも符号長が短い。そのため、より上位のレベルにある符号は、拡散率がより小さく、かつ、帯域幅がより広くなる。
【0023】
ツリーの頂点/ルート(根)からの経路において、または、特定の符号よりも下位のサブツリーにおいて、同一のスクランブリング符号(1つのダウンリンクスクランブリング符号をセル内で用いるのが好ましいが、複数のダウンリンクスクランブリング符号をも用いることができる)とともに他の符号が用いられていないときにだけ、特定の符号を用いる(割り当てる)ことができる。一例として、符号C41(図2参照)が、物理チャネルを形成するために割り当てられるとする。この場合、符号C41の上位符号C21,C11と、符号C41よりも下位のサブツリー内でC41から派生した符号C81,C82とは、符号C41が割り当てられたままである限り、割り当てに利用できなくなる。なお、符号C41を割り当てたとしても、ツリー内における他の符号(符号C22,C42及びそれらの派生符号)を、他のチャネルを形成するために割り当てることを妨げることはない。
【0024】
利用できるOVSF符号の数が限られているという事実、および、ある符号を割り当てることでその上位符号及び派生符号を割り当てに利用できなくなるという事実があるため、通信システムSYS1においてダウンリンクのチャネル分離符号を割り当てるためのチャネル(符号)割り当てアルゴリズムは、システムのキャパシティを最適化するために重要となる。ツリー内でより上位にある符号は、拡散率がより小さく帯域幅がより広い符号となるが、もちろん、ツリー内においてより下位に位置する符号よりも広い帯域幅を有する。WCDMAでのチャネル割り当ての最適化原理は、可能な限り多くの広い帯域幅の符号を保持することである。
【0025】
現在のWCDMAシステムでは、このことを、いかなる符号も割り当てられていないブランチ上の1つを選択するのではなく、既に割り当てられた符号と同一レートのもう1つの符号の隣にある符号を選択することにより達成している。すなわち、その符号もその親符号もともに割り当て可能な符号よりも、親符号については既に割り当てに利用できない符号の方がより好ましいのである。符号を割り当てるためのこのアルゴリズムを図示する例示的なシナリオ(図2参照)として、拡散率8の符号について割り当て要求を受信したときに、符号ツリー201で現在、符号C88,C86のみが割り当て済みあるという状態を検討する。受信した要求を満たすために拡散率8が最も適切となる符号を割り当てることは、符号割り当てアルゴリズムのタスクである。符号C87,C85,C81〜C84を割り当てに利用できる。しかし、符号C88,C86が使用中のため、C87,C85の親符号、すなわち、符号C44,C43をそれぞれ、現在、割り当てに利用できない。一方で、符号C81〜C84の親符号、すなわち、符号C41,C42を割り当てに利用できるので、符号C87,C85は、好ましい割り当て候補といえる。従って、受信したチャネル要求に応答して符号C87またはC85のどちらかを割り当てる。このアルゴリズムは、符号C87またはC85のどちらが割り当てに、より良く適しているかという区別を行わず、無作為な選択によって符号C87よりも符号C85を選択する可能性がある。
【0026】
上説した従来技術のチャネル(符号)割り当てアルゴリズムは、新たなチャネルが必要とされた時点で、リソースの割り当てを一時的に最適化することを基本としている。しかし、リソースの状態は動的であるため、新たなチャネルが追加されたり、前のチャネルが開放されたりすることもある。特定の符号を割り当てることで、割り当てられた符号だけでなく、符号ツリー内の上位及び下位に位置する他の符号をも割り当てが制約されてしまう。そのため、現時点では、2つの代替的な割り当て候補についてリソース最適化の見通しが同様に見えたとしても、その直後に他の符号が開放された時点では、これらのリソース最適化の見通しが著しく異なってくる可能性もある。従って、現在のアルゴリズムは、長期にわたって見た時に、キャパシティに観点から最適でない符号の割り当てを決定するおそれがある。
【0027】
本発明は、通信システムにおいてチャネルリソースを割り当てる方法を改善した方法であって、上記に示した問題に対処する方法を提供する。
【0028】
図3には、通信システムにおいてチャネルリソースを割り当てる本発明による基本的な方法を示す。
【0029】
ステップ301では、チャネルリソース、例えば、拡散符号の割り当て要求を受信する。
【0030】
ステップ302では、それに応答して、予め決定された規則に従って、前記特定のチャネルリソースを割り当てる。この規則には、特定のチャネルリソースがいつ開放されるかについての推定値と、既に割り当てられている他のチャネルリソースがいつ開放されるかについての推定値とを考慮することが含まれる。
【0031】
異なる種類のチャネルリソースを用いる種々の通信システムにおいて、この基本的な方法を適用できる。但し、高いレベルのチャネルリソースと、相対的に低いレベルのチャネルリソースとを含むようにチャネルリソースが階層的に組織化されており、かつ、低いレベルのチャネルリソースの割り当てによって、相対的に高いレベルのチャネルリソースを割り当てに利用できなくなるWCDMAなど、符号分割多重アクセス方式(CDMA)をベースとしたシステムなどに本発明を適用するのが特に有益である。
【0032】
一例として、図2において、OVSF符号C81〜C88は、相対的に低いレベルのチャネルリソースであり、OVSF符号C41〜C44は、相対的に高いレベルのチャネルリソースである。この例では、高いレベルのチャネルリソースの各々は、2つの低いレベルのチャネルリソースと関連付けられている。例えば、高いレベルのOVSF符号C41は、2つの低いレベルのOVSF符号C81,C82と関連付けられている。さらに、低いレベルのチャネルリソースの双方を割り当てに利用できる場合にのみ、高いレベルのチャネルリソースも割り当てに利用できる。例えば、低いレベルのOVSF符号C81,C82の双方またはいずれか一方が割り当て済みとなると、高いレベルのOVSF符号C41を割り当てに利用できなくなる。
【0033】
図4A〜図4Bには、図1の通信システムSYS1で用いられるチャネルリソースを割り当てる方法について、第1の例示的な実施形態を示す。無線ネットワーク制御装置ノードRNC1に設けられたチャネルリソースハンドラRH1(図1参照)は、OVSF符号の形態をしたチャネルリソースの割り当て処理を実行する。チャネルリソースハンドラRH1は、一般に、無線ネットワーク制御装置ノードRNC1内のプロセッサで実行するソフトウェアとして実装される。チャネルリソースハンドラRH1は、受信したチャネル要求101に応答してOVSF符号102を割り当てる。
【0034】
図4Aのステップ401で、リソースハンドラRH1は、チャネルリソースの要求を受信する。この要求は、チャネルリソースが必要とされる期間がどれくらいかについての推定値を含む。本発明に係るこの例示的な実施形態では、アプリケーション(例:ビデオオンデマンドサービスを行うストリーミングマルチメディアアプリケーション)が、ある移動局との通信セッションを確立する継続期間パラメータと、必要な帯域幅を表すQoSパラメータとを提供する。リソースハンドラRH1は、提供された継続期間パラメータを、要求されたチャネルリソースが現在の時刻に基づいていつ開放されるかについての推定値に変換する。
【0035】
ステップ402では、割り当てに利用できる適切な帯域幅のOVSF符号が少なくとも1つ存在するかについてのチェックを行う。利用できる符号が見つからなければ(ステップ402での選択肢NO)、受信した要求を満たすために適切なOVSF符号を利用できないことになるので、リソースハンドラRH1は、通信セッションを確立するための要求を拒否するか、あるいは、帯域幅について再度の交渉(ネゴシエーション)が開始されることを通知する。
【0036】
割り当てに利用できる適切な帯域幅のOVSF符号が少なくとも1つ存在すれば(ステップ402での選択肢YES)、ステップ403で、割り当てに利用できるこのような符号が2つ以上存在するかについてチェックする。割り当てに利用できる適切な帯域幅の符号が1つだけしか存在しなければ(ステップ403での選択肢NO)、ステップ404で、割り当てにただ1つ利用できる候補符号としてこの符号を選択し、ステップ413で、受信したチャネル要求に応答してこの符号を割り当てる。
【0037】
割り当てに利用できる適切な帯域幅のOVSF符号が2つ以上存在すれば(ステップ403での選択肢YES)、ステップ405で、適切な帯域幅の利用可能なOVSF符号のすべてを「候補符号」として識別し、このような候補符号のうちで第1の符号をさらなる分析のために選択する。
【0038】
ステップ406では、候補符号の親符号を割り当てに利用できるかどうかを考慮することにより、選択した候補符号の分析を開始する。親符号を割り当てに利用できれば(ステップ406での選択肢YES)、すなわち、親符号の派生符号のすべてを割り当てに利用できれば、ステップ407で、候補符号をリストCへ加える。親符号を割り当てに利用できなければ(ステップ406での選択肢NO)、候補符号の兄弟符号(候補符号と同じ親符号を有する符号)も割り当てに利用できないということを意味するので、ステップ408で、候補符号の分析が継続される。
【0039】
ステップ408では、要求されたチャネルリソースを開放する推定時間(推定時刻)を、候補符号の親符号をいつ割り当てに利用できるようになるかについての推定値と比較する。要求されたチャネルリソースを開放する推定時間が、親符号をいつ割り当てに利用できるようになるかという推定時間よりも前、あるいは、これと同じであれば(ステップ408での選択肢YES)、ステップ409で、この候補符号をリストAへ加える。そうでなければ(ステップ408での選択肢NO)、すなわち、要求されたチャネルリソースを開放する推定時間が、親符号をいつ利用できるようになるかという推定時間よりも後であれば、ステップS410で、この候補符号をリストBへ加える。
【0040】
ステップ407,409,410のいずれか1つが実行された後、処理手続きがステップ411において続行される。このステップ411では、すべての候補符号を分析したかどうかのチェックを行う。分析する必要がある候補符号が残っていれば(ステップ411での選択肢NO)、ステップ406に進み、残存している候補符号の1つについて分析が開始される。すべての候補符号について分析が完了していれば(ステップ411での選択肢YES)、すべての候補符号はリストA,B,Cのいずれか1つに入っていることになるので、ステップ412で、割り当てに最も適すると考えられる候補符号をこのようなリストから選択する。ステップ413で、受信したチャネル要求に応答して選択した候補符号を割り当てる。
【0041】
ステップ412を図4Bでさらに詳細に説明する。ステップ412に入ったら、リストA,Bは、割り当てに既に利用できない親符号を有するこれらの候補を含む。リストAは、要求されたチャネルリソースの推定された開放の後に(または、これと同時に)割り当てに利用できるようになると推定された親を有する候補符号を含むが、その一方、リストBは、要求されたチャネルリソースの推定された開放の前に割り当てに利用できるようになると推定された親を有する候補符号を含む。リストCは、割り当てに現在、利用できる親符号を有するこれらの候補を含む。
【0042】
ステップ414では、リストA内に何らかの候補符号が存在するかどうかのチェックを行う。リストAが少なくとも1つの候補符号を含んでいれば(ステップ414での選択肢YES)、割り当てに最初に利用できるようになる親符号を有するリストAの候補符号を、割り当てに最も適するとして選択する。リストAからの候補符号を割り当てに選択することは、対応する親符号について割り当てに利用できるようになる推定時間が延期されないことを意味する。但し、最初に利用できるようになる親符号を有する候補符号を選択することで、類似した期間の割り当てが一緒にまとめられことになるため、このことは良いことであろう。なぜなら、符号ツリーの広い領域が一度に自由となって「大きな塊」となり、これをチャネルリソースの割り当てに利用できるようになるからである。
【0043】
ステップ414でリストAが空であれば(選択肢NO)、ステップ416で、リストB内に何らかの候補符号が存在するかどうかのチェックを行う。リストBが少なくとも1つの候補符号を含んでいれば(ステップ416での選択肢YES)、ステップS417で、割り当てに最後に利用できるようになる親符号を有するリストBの候補符号を、割り当てに最も適するとして選択する。リストBからの候補符号を割り当てに選択することは、割り当てに利用できるようになる対応の親符号の推定時間を多少延期するということを意味するが、一方で、最後に利用できるようになる親を有する候補符号を選択することは、このような延期を最小限に抑えるということをも意味する。
【0044】
最後に、リストBも空であれば(ステップ416での選択肢NO)、ステップ418で、候補符号をリストCから選択する。リストCからの候補符号を割り当てに選択することは、対応の親符号を割り当てに利用できなくなるということを意味する。
【0045】
割り当てのためにリストAまたはBから候補符号を選択することは、要求されたチャネルリソースが開放されることになる推定時間が、候補符号の親符号を割り当てに利用できるようになる推定時間にどのように関連するかを考慮することを含む。従って、割り当てに利用できるようになるそれぞれの親符号の推定時間に基づいて、リストA,Bのそれぞれについて候補符号をソートすることが好ましい。ステップ412を実行するときに、リストA及びリストBのそれぞれにおける第1の候補符号が、これらリストから選択される候補符号である。すなわち、リストAの第1の候補符号についてその親符号が、要求されたチャネルリソースが開放された後、または、好ましくは開放と同時に利用可能となる最初の親符号であると推定されている場合に、リストAの第1の候補符号が選択される。一方で、リストBにおける最初の候補符号の親符号が、要求されたチャネルリソースを開放する前に利用可能となる最後の親符号である場合にリストBにおける最初の候補符号が選択される。このように、リストA,B内の候補符号らがソートされることが好ましい。
【0046】
リストA,B,Cは、選択処理を管理するため、利用可能なチャネルリソース(すなわち、候補符号)を、異なるサブセット(補集合)内へと組織化するのに用いられる。
【0047】
第1レベルでは、候補符号らが、現在、割り当てに利用できる親符号(高レベルのチャネルリソース)に関連付けられた候補符号(低レベルのチャネルリソース)を含む第1サブセットと、現在、割り当てに利用できない親符号に関連付けられた候補符号を含む第2サブセットとに分割されている。候補符号の第1サブセットはリストCにより表現されるが、候補符号の第2サブセットはリストA,Bの組み合わせにより表現される。
【0048】
候補符号の第2サブセットは、要求されたチャネルリソースの推定された開放と同時に、または、開放後に割り当てに利用できるようになると推定されている親符号に関連付けられた候補符号を含む第3サブセットと、要求されたチャネルリソースの推定された開放前に、割り当てに利用できるようになると推定されている親符号に関連付けられた候補符号を含む第4サブセットとにさらに分割されている。候補符号の第3サブセットはリストAにより表されるが、候補符号の第4サブセットはリストBにより表される。
【0049】
従って、上記したチャネルリソース(OVSF符号)を割り当てる規則に従って、割り当てに既に利用できない親符号を有する候補符号の割り当ては、割り当てに利用できる親符号を有する符号の割り当てよりも優先される。割り当てに既に利用できない親符号を有するこれらの候補符号に関して、要求されたチャネルリソースについて推定された開放が行なわれた後、または、開放と同時に割り当てに利用できるようになると推定されている親符号を有する符号の割り当ては、要求したチャネルリソースについて推定された開放が行なわれる前に開放されると推定されている親符号を有する符号の割り当てよりも優先される。最後に、上述した基準を考慮したところ、2以上の候補符号が選択に適していると判定された場合、これらの2以上の候補符号のうち、要求されたチャネルリソースについて推定された開放時間に最も近い時点で割り当てに利用できるようになると推定されている親符号を有する候補符号を、割り当てのために選択する。
【0050】
図5には、図2のOVSF符号ツリーを表す例示的なデータ構造体を示す。このデータ構造体は、OVSF符号を表すレコードの配列を有する。これらレコードは、インデックス(索引)として1〜nを有する。ここで、nは、OVSF符号ツリー内のOVSF符号の総数である。1つのOVSF符号を表す各レコードは、以下のフィールドを含む。すなわち、
親符号の参照情報501:
各符号の親符号についてのインデックスである。なお、ツリーのルートとなる符号は親符号を持っていないので、専用のゼロ値(例えば、0)により表される。
【0051】
拡散率502:
OVSF符号の拡散率である。
【0052】
状態503:
OVSF符号が割り当てられている/割り当てられていないことを示す。
【0053】
開放の推定時間504:
符号が割り当てられた場合、割り当てが開放されることになる推定時間を示す。
【0054】
符号505:
レコードにより表されるOVSF符号の番号である。
【0055】
OVSF符号を割り当てる必要がある度、図5に示すレコードの配列は、割り当てに利用できる候補符号を求めるために詳しく検討される。利用可能な候補符号のインデックスは、対応する親符号を割り当てにいつ利用できるようになるかについての推定値とともに、一時データ構造体内に登録される。一時データ構造体は、リストA,B,Cを表す(図5には、示していない)。候補符号の親符号を割り当てにいつ利用できるようになるかについての推定値は、親符号から派生した符号のいずれか1つが、割り当てられたままと推定される最も長い時間に対応する。
【0056】
上記に開示した本発明の最初の例示的な実施形態のほかにも、第1の実施形態を再構成し、一部修正し、または一部置換することで、本発明のさらなる実施形態がいくつかもたらされる。
【0057】
チャネルリソースがどれくらいの期間必要とされるかを推定するのに多数の実行可能な代替的な方法がある。上記に開示した本発明の第1の例示的な実施形態によれば、チャネルリソースが開放されることになる推定時間は、ある移動局との通信セッションを確立する時にアプリケーションにより提供される期間パラメータに基づいている。あるいは、アプリケーションが、送信対象となっているデータの量(例えば、送信すべき画像、MMSメッセージまたはファイルのサイズ)を示すことができるのであれば、データの量と、利用できる(または、アプリケーションにより要求された)帯域幅とに基づいて、チャネルリソースを開放する推定時間を決定できよう。さらに別の代替的な方法では、あるQoSパラメータのセットに基づいて確立された、アプリケーションセッション、ユーザーセッション及び通信セッションの少なくとも1つによって、チャネルリソースがどれくらいの期間必要とされるかについての統計データに基づいて推定値を提供できるであろう。
【0058】
要求されたチャネルリソースを開放することになる推定時間と、既に割り当てられているチャネルリソースを開放することになる推定時間とを考慮しながら、チャネルリソースをどのように割り当てるかについて、異なる規則を規定してもよい。従って、上記に開示した第1の例示的な実施形態において適用された規則に代わる一例は、利用可能な候補符号らを、現在、割り当てに利用できる親符号と関連付けられた候補符号と、現在、割り当てに利用できない親符号と関連付けられた候補符号とに分類し、次に、割り当てに利用できるようになる推定時間が、要求されたチャネルリソースを開放する推定時間に最も近い親符号と関連付けられた候補符号を、後者のサブセット内の候補符号(すなわち、現在、割り当てに利用できない親符号と関連付けられた利用可能な候補符号)から選択することになる(要求されたチャネルリソースについて推定された開放時刻よりも前か後に親符号が利用できるようになるか否かには依存しない。)。
【0059】
ある移動局と確立された通信セッション(例えば、マルチメディアセッション)を終了する前に、従って、通信セッションの残りの部分をサポートする新たなチャネルリソースの割り当てを必要とする前に、割り当てられたチャネルリソース(例えば、OVSF符号)を開放できる。このことは、例えば、最初に第1セルにおいて割り当てられていたチャネルリソースの開放と、第2セルにおいて新たなチャネルリソースの割り当てとを必要とする、第1セルから第2セルへのハンドオーバの結果として起こる場合がある(ここで留意すべきは、ソフトハンドオーバを用いる場合、第1セル内のチャネルリソースを少なくとも少しの間、維持できるということである)。このことは、例えば、より良いリソースの利用をセル内で達成するのために、セル内で符号の再割り当てが実行されたと結果としても起こる場合がある。新たなチャネルリソースがいつ開放されるかについての推定値は、この場合、最初に割り当てられていたチャネルリソースについて推定された開放時刻までの残りの時間を基礎とすることができる。新たなチャネルリソースの割り当ては、その後、本発明に従って、新たなチャネルリソースがいつ開放されるかという推定値に基づいて実行できる。
【0060】
チャネルリソースがいつ利用できるようになるかについての推定値を続いて更新(延期または短縮)させることも可能である。
【0061】
第1の例示的な実施形態では、本発明を3GPP‐UMTSシステムに適用したが、その他の無線通信システムに本発明を適用してもよい。特に、あるチャネルリソースの割り当てが、他のチャネルリソースの割り当てにも影響を与えるような、チャネルリソースが階層的に組織化された通信システムにも本発明を適用できることもちろんである。階層的に組織化されたチャネルリソースを有するシステムのもう1つの例は、長さの異なるウォルシュ符号の形態でチャネルリソースを使用する、UMTSに類似したCDMA2000である。階層的に組織化されたリソースを用いるシステムのさらなる例は、TIA/EIA‐136(DAMPS)である。搬送周波数と、これら搬送周波数に関するタイムスロットとの形態でチャネルリソースを用いるTIA/EIA‐136システムに本発明を用いることにより、適応チャネル割り当て(ACA)方式を実現できる。この方式では、同一の搬送周波数上での類似した期間らの割り当てをまとめることにより、セル内において通信に動的に使用される搬送周波数の数を最小限に抑えることができる。
【0062】
略語
ACA 適応チャネル割り当て
BSC 基地局制御装置
CDMA 符号分割多元アクセス
DAMPS デジタル先進移動電話システム
EIA 電気工業会
GPRS 汎用パケット無線サービス
GSM 移動通信システムのためのグローバルシステム
MS 移動局
MSC 移動通信交換局
OVSF 直交可変拡散率
QoS サービスの品質
RBS 無線基地局
RNC 無線ネットワーク制御装置
RRM 無線リソース管理手段
SF 拡散率
TIA 電気通信工業会
SGSN 在圏GPRSサポートノード
UE ユーザー機器
UMTS ユニバーサル移動体通信システム
UTRAN UMTS地上無線アクセスネットワーク
WCDMA 広帯域CDMA
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明を有利に使用できる例示的な通信システムを示した概略図である。
【図2】OVSF符号ツリーを示したチャートである。
【図3】チャネルリソースを割り当てる本発明による基本的な方法を示す流れ図である。
【図4A】本発明の最初の例示的な実施形態に従ってチャネルリソースを割り当てる方法を示す流れ図である。
【図4B】本発明の最初の例示的な実施形態に従ってチャネルリソースを割り当てる方法を示す流れ図である。
【図5】OVSF符号ツリーを表し、図4A〜Bに示したリソースの割り当て方法を支援する最初の例示的なデータ構造体を示す線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システム(SYS1)においてチャネルリソースを割り当てる方法であって、
チャネルリソースの割り当て要求を受信するステップ(301)と、
割り当て対象となる特定のチャネルリソース(C11−C88)がいつ開放されるかについての推定値と、既に割り当てられている他のチャネルリソースがいつ開放されるかについての推定値とを考慮することを含む予め決定された規則に従って、該特定のチャネルリソースを割り当てる(302)ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記無線通信システムは符号分割多元接続をベースとしたシステムであり、前記チャネルリソースは拡散符号であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記拡散符号は、直交可変拡散率符号(C11−C88)であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記チャネルリソースは、少なくとも2つの上位レベルのチャネルリソース(C41,C42)を含み、各上位レベルのチャネルリソースは、それぞれ少なくとも2つの下位レベルのチャネルリソース(C81−C82,C83−C84)に関連付けられており、各上位レベルのチャネルリソースは、関連付けられている下位レベルのチャネルリソースの全てが割り当て可能な場合にのみ、割り当て可能となるものであり、各下位レベルのチャネルリソースは、対応する上位レベルのチャネルリソースの拡散率よりも大きな拡散率を有していることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記チャネルリソースらは、階層的に組織化されており、かつ、少なくとも2つの上位レベルのチャネルリソースを含み、各上位レベルのチャネルリソースは、それぞれ少なくとも2つの下位レベルのチャネルリソースに関連付けられており、各上位レベルのチャネルリソースは、関連付けられている下位レベルのチャネルリソースの全てが割り当て可能な場合にのみ、割り当て可能となることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記予め決定された規則によれば、
少なくとも2つの下位レベルのチャネルリソースが、前記特定のチャネルリソースとして利用可能な割り当て候補である場合であって、かつ、
前記利用可能な割り当て候補は、下位レベルのチャネルリソースについての第1のサブセットと第2のサブセットの双方を含む場合に、
前記第2のサブセット内における下位レベルのチャネルリソースが前記特定のチャネルリソースとして選択され、
前記第1のサブセットおよび前記第2のサブセットは、それぞれ少なくとも1つの下位レベルのチャネルリソースを含み、前記第1のサブセット内の各下位レベルのチャネルリソースは、現時点で割り当てに利用可能な上位レベルのチャネルリソースに関連付けられており、前記第2のサブセット内の各下位レベルのチャネルリソースは、現時点で割り当てに利用不可能な上位レベルのチャネルリソースに関連付けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記予め決定された規則によれば、
前記第2のサブセットが少なくとも2つの下位レベルのチャネルリソースを含む場合に、
前記第2のサブセット内の前記下位レベルのチャネルリソースに関連付けられている前記上位レベルのチャネルリソースが割り当てに利用可能となる時間の推定値と、前記特定のチャネルリソースが開放されることになる時間の推定値とが比較されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記予め決定された規則によれば、
前記第2のサブセットが第3のサブセットおよび第4のサブセットを含む場合に、前記第3のサブセット内における下位レベルのチャネルリソースが前記特定のチャネルリソースとして選択され、
前記第3のサブセットおよび前記第4のサブセットは、それぞれ少なくとも1つの下位レベルのチャネルリソースを含み、
前記第3のサブセット内における各下位レベルのチャネルリソースは、前記特定のチャネルリソースについての推定された開放時間と同時または該開放時間となった後で割り当てに利用可能となる上位レベルのチャネルリソースに関連付けられており、
前記第4のサブセット内における各下位レベルのチャネルリソースは、前記特定のチャネルリソースの推定された開放時間となる前に割り当てに利用可能となる上位レベルのチャネルリソースに関連付けられていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記予め決定された規則によれば、
前記第3のサブセットが少なくとも2つの下位レベルのチャネルリソースを含む場合に、
上位レベルのチャネルリソースのうち、割り当てに利用可能となる時間が、前記特定のチャネルリソースが開放されることになる推定時間に最も近い上位レベルのチャネルリソースに関連付けられている前記第3のサブセット内における下位レベルのチャネルリソースを、前記特定のチャネルリソースとして選択することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記予め決定された規則によれば、
上位レベルのチャネルリソースのうち、割り当てに利用可能となる時間が、前記特定のチャネルリソースが開放されることになる推定時間に最も近い上位レベルのチャネルリソースに関連付けられている前記第2のサブセット内における下位レベルのチャネルリソースを、前記特定のチャネルリソースとして選択することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
無線通信システムにおいてチャネルリソースを割り当てる装置(RH1)であって、
チャネルリソースの割り当て要求を受信するための電気回路と、
割り当て対象となる特定のチャネルリソースがいつ開放されるかについての推定値と、既に割り当てられている他のチャネルリソースがいつ開放されるかについての推定値とを考慮することを含む予め決定された規則に従って、該特定のチャネルリソースを割り当てるための電気回路と
を含むことを特徴とする装置。
【請求項12】
前記無線通信システムは符号分割多元接続をベースとしたシステムであり、前記チャネルリソースは拡散符号であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記拡散符号は、直交可変拡散率符号(C11−C88)であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記チャネルリソースは、少なくとも2つの上位レベルのチャネルリソース(C41,C42)を含み、各上位レベルのチャネルリソースは、それぞれ少なくとも2つの下位レベルのチャネルリソース(C81−C82,C83−C84)に関連付けられており、各上位レベルのチャネルリソースは、関連付けられている下位レベルのチャネルリソースの全てが割り当て可能な場合にのみ、割り当て可能となるものであり、各下位レベルのチャネルリソースは、対応する上位レベルのチャネルリソースの拡散率よりも大きな拡散率を有していることを特徴とする請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
前記チャネルリソースらは、階層的に組織化されており、かつ、少なくとも2つの上位レベルのチャネルリソースを含み、各上位レベルのチャネルリソースは、それぞれ少なくとも2つの下位レベルのチャネルリソースに関連付けられており、各上位レベルのチャネルリソースは、関連付けられている下位レベルのチャネルリソースの全てが割り当て可能な場合にのみ、割り当て可能となることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記予め決定された規則によれば、
少なくとも2つの下位レベルのチャネルリソースが、前記特定のチャネルリソースとして利用可能な割り当て候補である場合であって、かつ、
前記利用可能な割り当て候補は、下位レベルのチャネルリソースについての第1のサブセットと第2のサブセットの双方を含む場合に、
前記第2のサブセット内における下位レベルのチャネルリソースが前記特定のチャネルリソースとして選択され、
前記第1のサブセットおよび前記第2のサブセットは、それぞれ少なくとも1つの下位レベルのチャネルリソースを含み、前記第1のサブセット内の各下位レベルのチャネルリソースは、現時点で割り当てに利用可能な上位レベルのチャネルリソースに関連付けられており、前記第2のサブセット内の各下位レベルのチャネルリソースは、現時点で割り当てに利用不可能な上位レベルのチャネルリソースに関連付けられていることを特徴とする請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
前記予め決定された規則によれば、
前記第2のサブセットが少なくとも2つの下位レベルのチャネルリソースを含む場合に、
前記第2のサブセット内の前記下位レベルのチャネルリソースに関連付けられている前記上位レベルのチャネルリソースが割り当てに利用可能となる時間の推定値と、前記特定のチャネルリソースが開放されることになる時間の推定値とが比較されることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記予め決定された規則によれば、
前記第2のサブセットが第3のサブセットおよび第4のサブセットを含む場合に、前記第3のサブセット内における下位レベルのチャネルリソースが前記特定のチャネルリソースとして選択され、
前記第3のサブセットおよび前記第4のサブセットは、それぞれ少なくとも1つの下位レベルのチャネルリソースを含み、
前記第3のサブセット内における各下位レベルのチャネルリソースは、前記特定のチャネルリソースについての推定された開放時間と同時または該開放時間となった後で割り当てに利用可能となる上位レベルのチャネルリソースに関連付けられており、
前記第4のサブセット内における各下位レベルのチャネルリソースは、前記特定のチャネルリソースの推定された開放時間となる前に割り当てに利用可能となる上位レベルのチャネルリソースに関連付けられていることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記予め決定された規則によれば、
前記第3のサブセットが少なくとも2つの下位レベルのチャネルリソースを含む場合に、
上位レベルのチャネルリソースのうち、割り当てに利用可能となる時間が、前記特定のチャネルリソースが開放されることになる推定時間に最も近い上位レベルのチャネルリソースに関連付けられている前記第3のサブセット内における下位レベルのチャネルリソースを、前記特定のチャネルリソースとして選択することを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記予め決定された規則によれば、
上位レベルのチャネルリソースのうち、割り当てに利用可能となる時間が、前記特定のチャネルリソースが開放されることになる推定時間に最も近い上位レベルのチャネルリソースに関連付けられている前記第2のサブセット内における下位レベルのチャネルリソースを、前記特定のチャネルリソースとして選択することを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
無線通信システムにおいて使用される無線ネットワーク制御ノードであって、請求項11ないし20のいずれかに記載された前記装置を含むことを特徴とする無線ネットワーク制御ノード。
【請求項22】
無線アクセスネットワークであって、請求項11ないし20のいずれかに記載された前記装置を含むことを特徴とする無線アクセスネットワーク。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

image rotate

image rotate


【公表番号】特表2007−521671(P2007−521671A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−500950(P2005−500950)
【出願日】平成15年6月26日(2003.6.26)
【国際出願番号】PCT/SE2003/001114
【国際公開番号】WO2004/114565
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】