説明

無線通信システムにおいて無線通信を暗号化する方法及び装置

通信装置(202)は、無線リンクを通じて送信されるデータの暗号化を改善するため、物理レイヤで符号を暗号化する。通信装置の符号マッパ(208)は、複数のビットを具備するビット・ストリームを受信し、その複数ビットを複数符号にマッピングする。通信装置の振幅位相調整器(210)は、複数符号を受信し、位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを各符号に適用することによって符号を暗号化して、無線リンクを通じて送信すべき複数の暗号化符号を生成する。本発明の別の実施例において、送信通信装置によって符号に適用された位相シフト又は振幅調整に対応する位相シフトと振幅調整のうちの少なくとも一つを各暗号化符号に適用することによって、暗号化符号を暗号解読できる通信装置(250)が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して無線通信システムに係り、より具体的には無線通信システムにおける無線通信の暗号化に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な無線通信方式において、通信セッションがセットアップされると、セッション鍵が送信及び受信通信装置の間に分配される。セッション鍵は、次に、送信通信によって使用され、無線送信されたデータについてレイヤ2又レイヤ3暗号化を実施する。物理レイヤ、すなわちレイヤ1暗号化は行われず、すなわち、変調波形の暗号化は存在しない。更に、通常ユーザ・データだけが暗号化され、パイロット符号及び同期化符号はされないので、これらの符号はタイミング同期とフェージング回復の基準(reference)として使用されなければならない。
【非特許文献1】3GPP(第三世代パートナーシップ・プロジェクト)TS(技術的明細事項)55.216 v6.2.0
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
レイヤ2又はレイヤ3暗号化を実施すると、セッション鍵を傍受するか、或いは暴力(brute force)を適用することによってデータを暗号解読する傍受通信装置によって暗号解読され易いデータが放出される。従って、無線通信システムにおける通信の不都合な傍受器による暗号解読に対して、エアインタフェースをより安全にする方法及び装置の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
無線通信システムにおける通信の不都合な傍受器による暗号解読に対してエアインタフェースをより安全にする方法及び装置の必要性に取り組むため、無線リンクを通じて送信されるデータの暗号化を改善するため、物理レイヤで符号を暗号化する通信装置を提供する。通信装置の符号マッパ(mapper)は複数ビットを具備するビット・ストリームを受信し、当該複数ビットを複数符号にマッピングする。通信装置の振幅位相調整器は複数符号を受信し、位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを複数符号の各符号に適用することによって符号を暗号化して、無線リンクを通じて送信する複数の暗号化符号を生成する。本発明の別の実施例において、送信通信装置によって符号に適用された位相シフト又は振幅調整に対応する位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを各暗号化符号に適用することによって、暗号化符号を暗号解読できる通信装置を提供する。
【0005】
全般的に、本発明の実施例は、無線送信を暗号化する方法を含む。該方法は、複数符号を受信することと、複数の調整符号を生成すべく、複数符号の各符号に位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを適用することと、無線リンクを介して複数の調整符号を送信することとを含む。
【0006】
本発明の別の実施例は、暗号化無線送信を受信する方法を含む。該方法は、無線リンクを介して複数の暗号化符号を受信することであって、複数暗号化符号の各符号は、位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを符号に適用することによって暗号化されていることと、複数の暗号解読符号を生成すべく、位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを複数暗号化符号の各暗号化符号に適用することとを含む。
【0007】
本発明の更に別の実施例は、複数ビットを具備するビット・ストリームを受信し、該複数ビットを複数符号にマッピングする符号マッパを含む通信装置を包含する。通信装置は、更に、符号マッパから複数符号を受信し、位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを複数符号の各符号に適用して、無線リンクを通じて送信する複数の調整符号を生成する振幅位相調整器を含む。
【0008】
本発明の更に別の実施例は、無線リンクを通じて送信された複数暗号化符号を受信し、複数暗号化符号の各符号は、位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを符号に適用することによって暗号化されており、位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを複数暗号化符号の各暗号化符号に適用して、複数の暗号解読符号を生成する振幅位相調整器を含む通信装置を包含する。通信装置は、更に、複数暗号解読符号を受信し、複数暗号解読符号の各暗号解読符号をコンステレーション(constellation)の一点にマッピングして、ビット・ストリームを生成する逆符号マッパを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、図1〜図8を参照して更に十分に説明し得る。図1は、本発明の実施例に従う無線通信システム100のブロック図である。通信システム100は、エアインタフェース104を介して、携帯電話、無線電話、無線データ・モデムのような移動局(MS)110と無線通信できる基地局(BTS)102を含む。エアインタフェース104は、トラフィックと、パイロットと、ページング(paging)と、信号チャネルとを具備するフォワードリンク108を含む。エアインタフェース104は、更に、トラフィックと、アクセスと、信号チャネルとを具備するリバースリンク106を含む。
【0010】
図2は、通信システム100の基本設計概念200のブロック図である。通信システム100の送信側において、BTS102のような送信通信装置202はビット・ストリームを受信し、そのビット・ストリームを対応する符号ストリームに変換し、暗号化符号ストリームを生成すべく、符号ストリームを暗号化することによって物理レイヤで暗号化を提供し、エアインタフェース104のようなエアインタフェースを介して暗号化符号ストリームを送信する。通信システム100の受信側において、MS110のような受信通信装置250は送信された暗号化符号ストリームを受信し、各受信データ符号に対応する送信ビット・ストリームのビットを回復すべく、受信符号を暗号解読することによって、物理レイヤで暗号解読を提供する。しかし、当業者は、BTS102及びMS110が、本発明の実施例に関する送信通信装置又は受信通信装置のいずれかとして各々動作可能なことを理解している。
【0011】
各々の送信通信装置202及び受信通信装置250は、一つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号処理装置(DSP)、それらの組み合わせのような又は当業者にとって公知なその他のデバイスのような各々の信号処理ユニット204,270を含む。当業者は承知しているように、本明細書において記載されるような信号処理ユニット204,270の様々な機能は、また、プログラマブル論理アレイ(PLA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)のようなハードウエア回路において実行し得る。信号処理ユニット204は、前進型誤信号訂正(FEC)エンコーダ206と、エンコーダに連結された符号マッパ208と、符号マッパに連結された振幅位相調整器210と、振幅位相調整器に連結された符号語発生器212とを含む。信号処理ユニット270は、振幅位相調整器272と、振幅位相調整器に各々連結されたパイロット補間機能274及び符号語発生器280と、パイロット補間機能に連結された逆符号マッパ276と、逆符号マッパに連結されたFECデコーダ278とを含む。
【0012】
各々の送信通信装置202及び受信通信装置250は、更に、信号処理ユニットによって実行し得るデータ及びプログラムを保持し、通信システム100において信号処理ユニットを作動させる、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、及び/又は読出し専用メモリ(ROM)又はその等価物のような、各々の信号処理ユニットと関連した各々少なくとも一つの記憶装置230,290を含む。各々の送信通信装置202及び受信通信装置250は、更に、当該分野において公知なように二つのデバイス間の通信セッションをセットアップ中に送信及び受信通信装置によってやり取りされるセッション鍵を、各々少なくとも一つの記憶装置230,290において保持する。各々の送信通信装置202及び受信通信装置250は、更に、それらの各々少なくとも一つの記憶装置230,290において、MS110と独自に関連する携帯電話シリアル番号を保持し得る。通信システム100が時分割多重アクセス通信システムの場合、各々の送信通信装置202及び受信通信装置250は、更に、それらの各々少なくとも一つの記憶装置230,290において、当該分野において公知なように通信セッションのセットアップ中にMS110に割り当てられたタイム・スロット番号を保持し得る。
【0013】
図3は、本発明の実施例に従う通信システム100における送信通信装置202の動作を例示する論理フローチャート300を示す。次に図2及び図3を参照すると、データソース(表示なし)が、好ましくはビットのようなバイナリ・フォーマットでデータ・ストリームを信号処理ユニット204に提供すると、論理のフロー300が始まる(302)。データ・ストリームは、限定されないが、音声及び画像データを含むデジタルフォーマットで示せるほぼ全てのものを含み得る。信号処理ユニット204はデータをエンコーダ206に転送する。エンコーダ206は誤り訂正符号、好ましくは前方誤り訂正符号(FEC)をデータに適用する。例えば、エンコーダ206は、ビタビ(Viterbi)符号化アルゴリズムのような畳み込み符号を使用することによって、データを符号化し得るが、ブロック符号を使用してもよい。畳み込み符号及びブロック符号は当該分野において周知であり、より詳細には説明しない。用いられる誤り訂正符号の型は、本発明にとって重要ではなく、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から外れることなくデータに適用し得る多くの型の誤り訂正符号を承知している。とにかく、エンコーダ206の出力は、好ましくはバイナリ・データ(ビット)フォーマットで示される情報を含む。
【0014】
エンコーダ206によって出力されたデータ・ストリームは、次に、符号マッパ208に提供される。しかし、本発明の別の実施例において、データソースによって提供されたデータ・ストリームは、符号マッパ208に直接入力し得る。本発明の更に別の実施例において、信号処理ユニット204は、更に、符号化データがエンコーダ206によって符号マッパ208に伝送される前に符号化データをインターリーブ(interleave)するインターリーバ(interleaver)を含み得る。
【0015】
符号マッパ208は、符号化データに対応する複数符号を具備する符号ストリームを生成すべく、符号のコンステレーションに含まれる複数符号の一つに符号化データをマッピングする(306)。好ましくは、符号マッパ208は、データをマッピングする直交振幅変調(QAM)マッピング方式を利用する。しかし、用いられマッピング方式は本発明にとって重要ではなく、当業者は、二相位相変調方式(BPSK)又は直交位相変調方式(QPSK)のような様々な種類のマッピング方式を本発明の趣旨と範囲から外れることなく本明細書において使用し得ることを理解している。
【0016】
データ・ストリームをマッピングするため、符号マッパ208は、データ・ビットのような、Pバイナリ・データ単位のグループに入力データ・ストリームをグループ分けして、複数のPタプル(P-tuple)を形成する。次に、符号マッパ208は、PタプルをM可能点(M-possible points)の内の対応する点にマッピングすることによって、複数の各Pタプルを変調する。この場合、所定のQAMコンステレーションにおいて、M=2である。この目的のため、M可能点を含む所定のQAMコンステレーションは、多次元空間内、好ましくは複合二次元(I/Q)空間内に規定される。二次元空間内の各点は、二つの概算基底ベクトルのベクトル和として考え得る。二つの概算基底ベクトルは、コンステレーション点、又は対応するデータ符号の同相(I)成分及び直角(Q)成分に各々対応する。特定の点を規定すべく用いられる二つの基底ベクトルの各振幅は、その点の二次元座標(I,Q)として考え得る。しかし、当業者は、そのコンステレーションの各点が、また、対応する大きさと位相によって示し得ることを理解している。符号マッパ208による各Pタプルの変調後、符号マッパは生じた符号を振幅位相調整器210に伝送する。
【0017】
次に、振幅位相調整器210は、暗号化した位相及び/又は振幅調整符号を生成すべく、位相シフト「θ」及び振幅調整「A」の少なくとも一つを符号に適用することによって、振幅位相調整器によって受信された各符号を暗号化する(308)。好ましくは位相及び/又は振幅調整は、通信セッションのセットアップ中に送信通信装置202及び受信通信装置250によってやり取りされ、それらの各々少なくとも一つの記憶装置230,290内で保持されるセッション鍵に基づく。通信システム100が時分割多重アクセス(TDMA)通信システムの場合、位相及び/又は振幅調整は、更に、MS110に割り当てられたタイム・スロット番号に基づき得る。
【0018】
より具体的には、振幅位相調整器210によって適用される各位相シフト「θ」及び振幅調整「A」は、符号語発生器212によって生成された符号語に基づく。本発明の一実施例において、符号語発生器212は、新暗号化標準(AES)アルゴリズム、又は本明細書において非特許文献1に記載されるような、信号処理ユニット204によって実行される暗号化アルゴリズムを具備する。アルゴリズムへの入力は、セッション鍵又はセッションの導出を含み、更に、ハッシュ型タイム・スロット番号のような、タイム・スロット番号又はタイム・スロット番号の導出を含み得る。位相シフト「θ」及び振幅調整「A」は、次に、暗号化アルゴリズムの対応出力から得られる。例えば、振幅位相調整器210によって符号に適用される位相シフト「θ」又は振幅調整「A」は、暗号化アルゴリズムによって出力される第一「n」ビットに基づき得るか、或いは位相シフト「θ」は、暗号化アルゴリズムによって出力される第一「n」ビットに基づき、振幅調整「A」はアルゴリズムによって出力される次の「m」ビットに基づき得る。
【0019】
例えば、「n」=4と仮定する。振幅位相調整器210に入力された符号に対応して、振幅位相調整器は符号語発生器212によって出力された4ビットを読み取る。一度に4ビットを読み取ることによって、通信システム100は、「360°/2」、又は22.5°の位相シフト増分を実行することができる。振幅位相調整器210によって適用された位相シフト「θ」は、その結果「N×(360°/2)」になり得る。「N」は「n」ビットに対応する値である。例えば、信号処理ユニット204によって読み取られた「n」ビットが「1001」であると仮定する。これらのビットは「9」の値、すなわち、N=9に対応する。結果として、振幅位相調整器210によって適用される対応位相シフト「θ」は、「9×22.5」、又は202.5°になり得る。結果として、振幅位相調整器210に入力された符号の位相「φ」が45°であれば、振幅位相調整器210によって出力される対応位相シフト符号は位相「φ+θ」、すなわち、247.5°を具備する。同様に、「n」(又は「m」)=4のとき、「n」(又は「m」)ビットを使用して符号の振幅調整を決定し得る。例えば、ビットが値「9」に対応するとき、この値を使用して振幅の微少、又は百分率、変化を決定し得る。当業者は、符号語発生器212によって出力された符号語に基づいて符号の位相又は振幅を調整する無数のアルゴリズムを思い浮かべることができ、このようなアルゴリズムはいずれも、本発明の趣旨と範囲から外れることなく本明細書において使用し得る。
【0020】
振幅位相調整器210内へ入力された各連続符号に関して、振幅位相調整器は、符号語発生器212によって出力された次の連続「n」ビット、又は「n+m」ビットのいずれか適当な方を読み取る。これらの位相振幅調整を実行するため、振幅位相調整器210は、符号語発生器212によって出力された符号語を保存するバッファを具備でき、そのバッファから振幅位相調整器は「n」、又は「n+m」ビットを読み取り得る。
【0021】
送信通信装置202及び受信通信装置250間の通信セッションがセットアップされると、信号処理ユニット204は、セッション鍵、通常、一連のビット、又はセッション鍵、及び/又はハッシュ型タイム・スロット番号のような、タイム・スロット番号、又はタイム・スロット番号から得られた一連のビットを符号語発生器212内に入力することによって、符号語発生器212を初期化する。振幅位相調整器210内に入力された各符号に対応して、振幅位相調整器210は、符号語発生器212の出力の「n」、又は「n+m」ビットを読み取る。値「n」及び「m」は、各々の送信及び受信通信装置202,250の少なくとも一つの記憶装置230,290内に保持される。信号処理ユニット204は、次に、読み取り「n」ビットに基づいて位相シフト「θ」又は振幅調整「A」を決定し、或いは「n」ビットに基づいて位相シフト「θ」及び符号語の次の「m」ビットに基づいて振幅調整「A」を決定する。
【0022】
本発明の別の実施例において、符号語発生器212は、信号処理ユニット204又は少なくとも一つの記憶装置230内に保持される、線形フィードバック・シフト・レジスタ(LFSR)のようなシフト・レジスタを具備し得る。送信通信装置202及び受信通信装置250間の通信セッションがセットアップされると、信号処理ユニット204は、シフト・レジスタ内にセッション鍵、又はセッション鍵から得られた一連のビットを書き込み、更に、タイム・スロット番号、又はタイム・スロット番号から得られた一連のビットを書き込み得る。振幅位相調整器210内に入力された各符号に対応して、信号処理ユニット204は、次に、シフト・レジスタの「n」、又は「n+m」ビット、好ましくはシフト・レジスタ212内の「n」、又は「n+m」最下位ビットを読み取る。信号処理ユニット204が、シフト・レジスタ212から「n」、又は「n+m」ビットを読み取るごとに、信号処理ユニットは、次の位相及び/又は振幅調整に対応する値を読み取る前に、シフト・レジスタ内のビットを一つ以上のビットだけシフトさせ、一つ以上の新しい最上位ビットに書き込む。位相及び/又は振幅調整が読み取られるごとにシフト・レジスタがシフトされるシフト・レジスタのシフト、すなわち、ビット数に対応し、及び新しい一つ以上の最上位ビットの決定方法に対応するシフト・レジスタ・アルゴリズムは、各々の送信及び受信通信装置202,250の少なくとも一つの記憶装置230,290内に保持し得る。多くのこのようなアルゴリズムは公知であり、本明細書において使用される特定のアルゴリズムは本明細書にとって重要ではない。
【0023】
いずれにしても本発明を限定しようとするものではないが、本発明を理解する上で読者を助けるため及び単に本発明の原理を例示するため、振幅位相調整器210によって符号に適用される位相シフトのグラフ図を図4に示す。振幅位相調整器210内に入力された符号(I,Q)は、大きさ│R│と位相φを備えるように示される。位相シフト「θ」に対応する符号語は、シフト・レジスタ212によって出力され、振幅位相調整器210に入力される。次に、振幅位相調整器210は、大きさ│R│及び位相「φ+θ」を備える位相シフト符号(I’,Q’)を出力する。
【0024】
当該分野において公知なように、データはフレームとして公知なグループに分類して無線で送信される。通信セッションのセットアップ後、送信通信装置202が新フレームを開始するごとに、信号処理ユニット204は、符号語発生器212を再初期化するので、新フレームに埋め込むために暗号化された時間的に第一の符号は、再初期化符号語発生器に基づいて暗号化される。新フレームのヘッダは新フレーム・インジケータ(NFI)を含み、これが新フレームであることを示し、NFIは、受信通信装置が同様にその符号語発生器を再初期化すべきことを受信通信装置250に示す。従って、同期化は、送信及び受信通信装置202,250の各々の符号語発生器212,280間で保持される。
【0025】
振幅位相調整器210は、信号処理ユニット204に連結される送信通信装置202の送信機部分220に各位相及び/又は振幅調整符号を伝送する。送信機部分220は、増幅器224に連結された変調器222を含む。送信機部分220は、位相及び/または振幅調整符号を変調器222に転送する。変調器222は、各暗号化位相及び/又は振幅調整符号を無線周波数(RF)搬送波に変調して変調搬送波を生成し(310)、変調搬送波を増幅器224に伝送する。増幅器224は、増幅信号を生成すべく、変調搬送波を増幅し(312)、次に、アンテナ226及びエアインタフェース104を介して増幅信号を送信する(314)。論理のフロー300は、その後、終了する(316)。
【0026】
次に図5を参照すると、本発明の実施例に従う通信システム100における受信通信装置250の動作を例示する論理フローチャート500が示される。受信通信装置250は、送信通信装置202に対して逆の機能を実行する。受信通信装置250のアンテナ252が、送信通信装置202によって送信された変調搬送波を受信し、受信変調搬送波を受信通信装置の受信機部分260に転送すると、論理のフロー500が始まる(502)。受信機部分260は復調器264を具備し、更に、復調器に連結された低雑音増幅器(LNA)262を具備し得る。受信機部分260が変調搬送波を受信すると、受信機部分は受信信号をLNA262に転送し、LNAは変調搬送波を増幅し、増幅受信信号を復調器264に転送する。復調器264は、複数の暗号化符号を具備するベースバンド、暗号化符号ストリームを生成すべく、搬送波を除去することによって増幅信号を復調する(504)。復調器264は、次に、ベースバンド、暗号化符号ストリームを受信通信装置250の信号処理ユニット270に転送する。
【0027】
信号処理ユニット270は、ベースバンド、暗号化符号ストリームを振幅位相調整器272に転送する。振幅位相調整器272は、振幅位相調整器210によって符号に加えられた位相及び/又は振幅調整を相殺する位相及び/又は振幅調整を暗号化符号に適用することによって各暗号化符号を暗号解読し(506)、それによって複数の暗号解読符号を生成する。例えば、本発明の一実施例において、振幅位相調整器272は、振幅位相調整器210によって符号に適用された位相シフトと等しい位相シフトを符号の位相から差し引き得る。本発明の別の実施例において、振幅位相調整器272は、複素平面の周りに符号を完全に360°回転させ得る位相シフトを符号の位相に添加し得る。すなわち、「360°−θ」にほぼ等しい位相シフトを適用し得る。例えば、振幅位相調整器210が位相シフト202.5°を符号に適用したなら、振幅位相調整器272は約「360°−202.5°」、又は157.5°の位相シフトを符号に適用し得る。同様に、振幅位相調整器272は、振幅位相調整器210によって適用された振幅調整と逆の振幅調整を暗号化符号に適用する。
【0028】
振幅位相調整器272によって実行される位相及び/又は振幅調整は、振幅位相調整器210において対応する位相及び/又は振幅調整を決定するのに用いられる符号語と同じ符号語に基づく。符号語は、振幅位相調整器272に連結された符号語発生器280によって生成される。符号語発生器280は、符号語発生器212と同様に動作し、セッション鍵に基づいて符号語を生成し、更に、タイム・スロット番号に基づいて符合語を生成し得る。セッション鍵及びタイム・スロット番号は、受信通信装置250の少なくとも一つの記憶装置290内に保持される。
【0029】
送信通信装置202及び受信通信装置250間の通信セッションがまずセットアップされると、信号処理ユニット270は、セッション鍵、又はセッション鍵から得られた一連のビットを入力することによって符号語発生器280を初期化し、更に、タイム・スロット番号、又はタイム・スロット番号から得られた一連のビットを符号語発生器内に入力し得る。次に、振幅位相調整器272内に入力された各符号に関して、振幅位相調整器は、次に、符号語発生器280によって生成された符号語の「n」、又は「n+m」ビットを読み取る。値「n」及び「m」は、受信通信装置250の少なくとも一つの記憶装置290内に保持される。振幅位相調整器272は、次に、「n」、又は「n+m」ビットに基づいて位相シフト及び/又は振幅調整を決定し、決定された位相シフト及び/又は振幅調整を符号に適用して、暗号解読符号を生成する。通信セッションのセットアップ後、受信通信装置250が新フレームを受信するごとに、信号処理ユニット270は符号語発生器280を再初期化するので、新フレームから暗号解読された時間的に第一の符号は再初期化符号語発生器に基づいて暗号解読される。
【0030】
振幅位相調整器210と同様に、振幅位相調整器272は、符号語発生器280によって出力された符号語を保存するバッファを具備でき、そのバッファから振幅位相調整器は「n」、又は「n+m」ビットを読み取り得る。
【0031】
振幅位相調整器272は、次に、複数の暗号解読符号をパイロット補間機能274に転送する。フェージング作用を軽減するため、パイロット補間機能274は、当該分野において公知なように、パイロット信号及び同期化信号のような受信アプリオリ信号に基づいて複数の暗号解読符号についてパイロット補間を行う。パイロット補間機能274は、次に、フェージング補正された複数の暗号解読符号を逆記号マッパ276に転送する。逆符号マッパ276は、符号マッパ208に対応し、符号マッパ208の逆機能を実施する。逆符号マッパ276は、符号マッパ208によって用いられる符号マッピング方式に基づいて各符号に対応するPタプルを回復することによって、回復ビット・ストリームを生成する(510)。逆符号マッパ276は、次に、回復ビット・ストリームをデコーダ278、好ましくはFECデコーダに伝送する。デコーダ278は、復号化ビット・ストリームを生成すべく、エンコーダ206によって用いられた符号化アルゴリズムに基づいて回復ビット・ストリームを復号化する(512)。復号化ビット・ストリームは、次に、周知の信号処理技術に従って受信通信装置250によって更に処理され(514)、その後、論理のフロー500が終了する(516)。本発明の他の実施例において、受信通信装置250は、送信通信装置202の形成構成に依存して、デコーダを含まなくてもよく、或いは更にインターリーバを含み得る。
【0032】
無線リンクを介して送信すべき複数符号の各符号に位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを適用することによって、送信通信装置202は、無線リンクを通じて送信されるデータの先行技術の暗号化を更に高める物理レイヤ暗号化を提供する。先行技術のレイヤ2又はレイヤ3暗号化に物理レイヤ暗号化を加えることによって、セッション鍵を傍受するか暴力の適用によってデータを暗号解読しようと試みる傍受通信装置による暗号解読に対してデータをより安全にする。
【0033】
本発明の別の実施例、時分割多重アクセス(TDMA)実施例において、送信通信装置の信号処理ユニットは、更に、パイロット・データ、同期化データ、及びユーザ・データのような種々のデータ型を個別に処理し、タイム・スロットに挿入する要素を含み得る。次に、図6を参照すると、本発明のTDMA実施例に従う送信通信装置の信号処理ユニット600のブロック図が提供される。信号処理ユニット600は、パイロット・データ、同期化データ、及びユーザ・データのような複数のデータ型を平行処理すべく用意される。平行処理を提供するため、信号処理ユニット600は、複数のデータ型を処理すべく複数の符号マッパと、複数の振幅位相調整器とを含む。
【0034】
エンコーダ604、好ましくはFECエンコーダは、ユーザ・データに関連したビット・ストリームを受信する。エンコーダ604は、エンコーダ206と同様に動作し、エンコーダ206に関して上述したようにエンコーダによって受信されたデータを符号化して、符号化データを生成する。エンコーダの種類は本発明にとって重要ではなく、本発明に必要な特殊な符号化でもない。
【0035】
エンコーダ604は、エンコーダによって生成された符号化データを符号マッパ608のような、複数の符号マッパ606〜608(三つが表示される)の一つに伝送する。パイロット・データ及び同期化データのような他のデータ型は、符号マッパ606及び607のような、複数の符号マッパ606〜608の別の符号マッパに直接伝送される。各符号マッパ606〜608は、符号マッパ208と同様に動作し、符号マッパによって受信されたデータを符号のコンステレーションに含められた複数符号の一つにマッピングして、符号化データに対応する符号ストリームを生成する。本発明の別の実施例において、エンコーダ604内に入力されるデータ・ストリームは、エンコーダ604を介してよりはむしろ符号マッパ608に直接入力し得る。本発明の更に別の実施例において、信号処理ユニット204は、更に、符号化データがエンコーダによって対応する符号マッパに伝送される前に、各々が符号化データをインターリーブする複数のインターリーバを含み得る。
【0036】
各符号マッパ606〜608は、次に、符号マッパによって生成された符号ストリームを振幅位相調整器ユニット610に伝送する。振幅位相調整器ユニット610は、複数の振幅位相調整器610〜610を具備し(三つを表示する)、振幅位相調整器は各対応データ型及び関連符号マッパ606〜608に割り付けられる。振幅位相調整器ユニット610は、符号語発生器612に連結され、複数の振幅位相調整器610〜610の各振幅位相調整器は、符号語発生器によって出力された符号語に基づいて振幅位相調整器によって受信された各符号に位相シフトを適用して、暗号化された位相シフト符号を生成する。
【0037】
好ましくは、各振幅位相調整器610〜610は振幅位相調整器210と同様に動作し、符号語発生器612は符号語発生器212と同様に動作する。符号語発生器612によって出力された符号語の第一「n」ビット、すなわち、「n」ビット、又は第一「n+m」ビット、すなわち、「(n+m)」ビットは、信号処理ユニット600、より具体的には振幅位相調整器ユニット610によって、複数の振幅位相調整器の振幅位相調整器610のような第一振幅位相調整器に提供される。符号語発生器612によって出力された符号語の第二の異なる「n」ビット、すなわち、「n」ビット、又は第二の異なる「n+m」ビット、すなわち、「(n+m)」ビットは、振幅位相調整器ユニット610によって、複数の振幅位相調整器の振幅位相調整器610のような第二振幅位相調整器に提供される。更に符号語発生器612によって出力された符号語の第三の異なる「n」ビット、すなわち、「n」ビット、又は第三の異なる「n+m」ビット、すなわち、「(n+m)」ビットは、振幅位相調整器ユニット610によって、複数の振幅位相調整器の振幅位相調整器610のような第三振幅位相調整器に提供される。同じ振幅位相調整器610〜610内に次に入力される各記号に関して、符号語発生器612によって出力される符号語の更に別の異なる「n」又は「n+m」ビットが振幅位相調整器に提供される。しかし、本発明の別の実施例において、振幅位相調整器610のような、同期化記号で動作する振幅位相調整器は、受信通信装置において同期化符号に関連する自己相関値を最大化するため、全同期化符号に同じ位相シフトを適用し得る。振幅位相調整器ユニット610は、更に、符号語発生器612によって出力された符号語を保存するバッファを含むことができ、そのバッファから振幅位相調整器ユニットは、各振幅位相調整器610〜610に提供された「n」、又は「n+m」ビットを読み取り得る。
【0038】
各振幅位相調整器610〜610は、次に、振幅位相調整器によって生成された各位相及び/又は振幅調整符号をタイム・スロット符号マッパ614に伝送する。タイム・スロット符号マッパ614は、振幅位相調整器610〜610から受信された各位相及び/又は振幅調整符号をタイム・スロット内の適当なブロックにマッピングする。例えば、図7は、本発明のTDMA実施例において用い得る模範的タイム・スロット700のブロック図である。タイム・スロット中、割り当て無線周波数(RF)信号の全帯域を使用すべくタイム・スロットの割り当てユーザが登録される。図7に示すように、タイム・スロット700は四つの周波数サブチャネル701〜704、すなわち、割り当てRF帯域の周波数サブチャネルを生成すべく、個別のオフセット周波数の信号と各々が混合される四つの信号経路を具備する。各サブチャネル701〜704は混合信号の周波数オフセットのため、他のサブチャネルから相殺される。例えば、タイム・スロット700は、イリノイ州シャンバーグのモトローラ社(Motorola,Inc.,Schaumburg,Illinois)から入手可能な「iDEN」無線システム機器によって使用される「iDEN」タイム・スロットであり得る。タイム・スロット700内の各サブチャネル701〜704は、全タイム・スロット700内の総計212の符号位置に対して、53の符号位置を含み得る。タイム・スロット符号マッパ614は、次に、各サブチャネル701〜704の最初の三つの符号位置(符号位置は、タイム・スロット700において「S」によって示される)の三つの同期化符号をインターリーブでき、更に、各サブチャネル701〜704における所定の符号位置(符号位置は、タイム・スロット700において、各々「P」と「D」によって示される)のパイロット符号をユーザ・データ符号とインターリーブし得る。
【0039】
タイム・スロット符号マッパ614は、次に、タイム・スロットを送信機部分に転送し、送信機部分でタイム・スロットは無線周波数(RF)サブチャネルに変調され、変調信号は、受信通信装置に送信される増幅RFサブチャネルを生成すべく増幅される。
【0040】
同様に、TDMA実施例において、受信通信装置の信号処理ユニットは対応する送信通信装置によって送信された、パイロット・データ、同期化データ、及びユーザ・データのような様々なデータ型を個別に処理する要素を相応に具備し得る。次に、図8を参照すると、本発明のTDMA実施例に従う受信通信装置の信号処理ユニット800のブロック図が提供される。信号処理ユニット800は、信号処理ユニット600に対して逆の機能を実行する。より具体的には、信号処理ユニット800は、受信通信装置の受信機部分の復調器によってベースバンドにダウンコンバートされたタイム・スロットを受信し、タイム・スロットの符号位置内に配置された符号をデインターリーブ(de-interleave)する逆タイム・スロット符号マッパ802を具備する。逆タイム・スロット符号マッパ802は、次に、各符号を振幅位相調整器ユニット804に転送する。
【0041】
振幅位相調整器ユニット804は、パイロット・データ、同期化データ、及びユーザ・データのような対応する各データ型に割り付けられた振幅位相調整器を備えた複数の振幅位相調整器804〜804(三つを表示)と、関連する逆符号マッパ812〜814とを具備する。振幅位相調整器ユニット804は符号語発生器280と同様に動作し、一つ以上の符号語を振幅位相調整器ユニット804に調達する符号語発生器806に連結される。各振幅位相調整器804〜804は、次に、符号語発生器806によって調達された一つ以上の符号語に基づいて符号に位相シフト及び/又は振幅調整を適用することによって、振幅位相調整器によって受信された各符号を暗号解読して、暗号解読符号を生成する。好ましくは、各振幅位相調整器804〜804は振幅位相調整器272と同様に動作する。更に、振幅位相調整器ユニット804は、振幅位相調整器ユニットが振幅位相調整器によって受信された異なる各符号に関して、異なる「n」、又は「n+m」ビットを異なる各振幅位相調整器804〜804に提供し、更にまた、同じ各振幅位相調整器に提供するという点において、振幅位相調整器ユニット610と同様に動作する。しかし、本発明の別の実施例において、振幅位相調整器804のような、同期化符号で動作する振幅位相調整器は、送信通信装置において対応する振幅位相調整器によって同期化符号に適用された位相シフトに依存して、全同期化符号に同じ位相シフトを適用し得る。振幅位相調整器ユニット804は、更に、符号語発生器806によって出力された符号語を保存するバッファを具備でき、そのバッファから振幅位相調整器が各振幅位相調整器804〜804に提供された「n」、又は「n+m」ビットを読み取る。
【0042】
各振幅位相調整器804〜804は、次に、振幅位相調整器によって生成された各調整符号をパイロット補間機能810に転送する。パイロット補間機能274に類似するパイロット補間機能810は、当該分野において公知なように、パイロット・データ及び同期化データのような受信アプリオリ・データに基づいてパイロット補間機能によって受信された各調整ユーザ・データ符号についてパイロット補間を実施する。パイロット補間機能810は、次に、受信パイロット・データ及び同期化データをドロップでき、受信ユーザ・データに対応する各フェージング補正調整符号を逆符号マッパ814に転送し、逆符号マッパは各符号マッパ606〜608によって実施される機能の逆機能を実施する。すなわち、逆符号マッパ814は、逆符号マッパ276と同様に動作し、暗号解読符号に対応するPタプルを回復して、受信ユーザ・データに対応する回復ビット・ストリームを生成する。逆符号マッパ814は、次に、回復ビット・ストリームをデコーダ818、好ましくはFECデコーダに伝送し、デコーダはデコーダ278と同様に動作し、回復ビット・ストリームを復号化して復号化ビット・ストリームを生成する。復号化ビット・ストリームは、次に、周知の信号処理技術に従って受信通信装置によって更に処理される。本発明の他の実施例において、この場合もやはり、信号処理ユニット270に類似して、信号処理ユニット800は、対応する送信通信装置の形状構成に依存して、デコーダ818を含まなくてもよいか、或いは複数のデインターリーバを更に含み得る。
【0043】
この場合もまた、無線リンクを介して送信すべき複数符号の各符号に位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを適用することによって、無線リンクを通じて送信される先行技術のデータ暗号化を増強する物理レイヤ暗号化を提供する送信通信装置が提供される。例えば、パイロット・データ、同期化データ、及びユーザ・データの複数のデータ型が同時に送信される場合、送信通信装置は各データ・ストリームの暗号化をカスタマイズするため、各データ・ストリームの符号を個別に暗号化し得る。本発明の別の実施例において、送信通信装置によって符号に適用された位相シフト又は振幅調整に対応する各暗号化符号に、位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを適用することによって、暗号化符号を暗号解読できる受信通信装置が提供される。
【0044】
本発明はその特定の実施例を参照して具体的に示し、説明してきたが、以下の請求項に示されるような本発明の範囲から外れることなく改変し得ること、及びそれらの要素を等価物と置換し得ることは当業者によって理解され得る。更に、本明細書において詳述された送信通信装置と受信通信装置の要素及び動作は包括的ではなく、とにかく発明を限定するよりはむしろ本発明の発明原理と優位性の理解及び認識を高めるために単に提供されることを当業者は十分に解っている。従って、明細書と図面は、制限的意味よりはむしろ例示的意味でみなされるべきであり、このような改変および置換は全て、本発明の範囲内に含めようとするものである。
【0045】
利益、他の優位性、及び問題に対する解決方法を特定の実施例に関して上述してきた。しかし、これらの利益、優位性、問題に対する解決方法、及び任意の利益、優位性、又は解決方法を生じさせるか又はより明白にし得る如何なる要素も、何れかの又は全ての請求項の重要な、必須な、又は本質的な特徴又は要素であるとして解釈してはならない。本明細書で用いる場合、用語「具備する」、「具備している」、又はその他の如何なる変形も、非排他的な包含を網羅していることが意図されている。すなわち、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、又は装置には、これらの要素のみが含まれるのではなく、明白にリストにされてはいないか又はこのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素が含まれていてもよい。更に、本明細書において別に示されなければ、存在する場合、第一と第二、上部と底部などの関係語の使用は、単に、別の実体又は働きから一つの実体又は働きを区別するために使用され、任意の実際上のこのような実体又は働きの間の如何なる関係または順番も必ずしも要求又は暗示することはない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施例に従う無線通信システムのブロック図。
【図2】本発明の実施例に従う図1の通信システムの基本設計概念のブロック図。
【図3】本発明の実施例に従う図2の送信通信装置の動作を例示する論理フローチャート。
【図4】本発明の実施例に従う図2の送信通信装置の振幅位相調整器の動作のグラフ図。
【図5】本発明の実施例に従う図2の受信通信装置の動作を例示する論理フローチャート。
【図6】本発明の別の実施例に従う送信通信装置の信号処理ユニットのブロック図。
【図7】本発明の別の実施例に従う模範的タイム・スロットのブロック図。
【図8】本発明の別の実施例に従う受信通信装置の信号処理ユニットのブロック図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信を暗号化する方法であって、該方法は、
複数の符号を受信することと、
位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを前記複数符号の各符号に適用することによって、複数の調整符号を生成することと、
無線リンクを介して前記複数の調整符号を送信することと
を具備する無線送信の暗号化方法。
【請求項2】
位相シフト及び振幅調整のうちの前記少なくとも一つは、セッション鍵及びタイム・スロット番号のうちの少なくとも一つに基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は更に、符号語を生成することを具備し、
位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを各符号に適用することは、前記符号語に基づいて前記複数符号の各符号に位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを適用することによって前記複数の調整符号を生成することを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数符号のうちの第一符号に適用される位相シフト及び振幅調整のうちの前記少なくとも一つは、前記複数符号のうちの第二符号に適用される位相シフト及び振幅調整のうちの前記少なくとも一つとは異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
暗号化無線送信を受信する方法であって、該方法は、
無線リンクを介して複数の暗号化符号を受信することであって、前記複数の暗号化符号の各符号は、位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを前記符号に適用することによって暗号化されていたことと、
位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを前記複数の暗号化符号のうちの各暗号化符号に適用することによって、複数の復号化符号を生成することと
を具備する暗号化無線送信の受信方法。
【請求項6】
位相シフト及び振幅調整のうちの前記少なくとも一つは、セッション鍵及びタイム・スロット番号のうちの少なくとも一つに基づくことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、更に符号語を生成することを具備し、
前記位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを各暗号化符号に適用することは、複数の暗号解読符号を生成すべく、前記符号語に基づいて前記複数の暗号化符号の各暗号化符号に前記位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを適用することを具備することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の暗号化符号のうちの第一暗号化符号に適用される位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つは、前記複数の暗号化符号のうちの第二暗号化符号に適用される位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つとは異なることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
通信装置であって、該装置は、
複数のビットを具備するビット・ストリームを受信する符号マッパであって、該符号マッパは、前記複数ビットを複数の符号にマッピングすることと、
前記符号マッパから前記複数符号を受信する振幅位相調整器であって、該振幅位相調整器は、無線リンクを通じて送信する複数の調整符号を生成すべく、前記複数符号の各符号に位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを適用することによって、各符号を暗号化することと
を具備する通信装置。
【請求項10】
前記符号マッパは第一符号マッパを具備し、前記通信装置は更に、
前記複数調整符号を受信する第二符号マッパであって、該第二符号マッパは、前記複数調整符号の各調整符号を、タイム・スロット内の符号位置にマッピングすることと、
変調タイム・スロットを生成すべく、前記タイム・スロットにおける前記符号を変調する変調器と、
無線リンクを通じて送信する増幅タイム・スロットを生成すべく、前記変調タイム・スロットを増幅する電力増幅器と
を具備することを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記通信装置は更に、セッション鍵及びタイム・スロット番号のうちの少なくとも一つを保持する少なくとも一つの記憶装置を具備し、
位相シフト及び振幅調整のうちの前記少なくとも一つは、セッション鍵及びタイム・スロット番号のうちの前記少なくとも一つに基づくことを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信装置は更に、前記振幅位相調整器に連結されて符号語を生成する符号語発生器を具備し、
前記振幅位相調整器は、位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを前記符号語に基づいて前記符号に適用することによって、位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを前記複数符号の各符号に適用することを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
【請求項13】
通信装置であって、該通信装置は、
無線リンクを通じて送信された複数の暗号化符号を受信する振幅位相調整器であって、前記複数暗号化符号の各符号は、位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを前記符号に適用することによって暗号化されて、前記振幅位相調整器は複数の暗号解読符号を生成すべく、前記複数暗号化符号のうちの各暗号化符号に位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを適用することと、
前記複数の暗号解読符号を受信する逆符号マッパであって、該逆符号マッパは、前記複数の暗号解読符号の各暗号解読符号をコンステレーション内の一点にマッピングすることによってビット・ストリームを生成することと
を具備する通信装置。
【請求項14】
前記符号マッパは第一符号マッパを具備し、前記通信装置は更に、
無線リンクを通じて送信されたタイム・スロットを受信する復調器であって、該復調器は、前記タイム・スロットを復調することによって復調タイム・スロットを生成することと、
前記復調タイム・スロットを受信する第二符号マッパであって、該第二符号マッパは、前記タイム・スロットをデインターリーブすることによって前記複数暗号化符号を生成することと
を具備することを特徴とする請求項13に記載の通信装置。
【請求項15】
前記通信装置は更に、セッション鍵及びタイム・スロット番号の少なくとも一つを保持する少なくとも一つの記憶装置を具備し、
位相シフト及び振幅調整のうちの前記少なくとも一つは、前記セッション鍵及びタイム・スロット番号のうちの前記少なくとも一つに基づくことを特徴とする請求項13に記載の通信装置。
【請求項16】
前記通信装置は更に、前記振幅位相調整器に連結されて符号語を生成する符号語発生器を具備し、
前記振幅位相調整器は、位相シフト及び振幅調整の少なくとも一つを、前記符号語に基づいて前記暗号化符号に適用することによって、位相シフト及び振幅調整のうちの少なくとも一つを前記複数暗号化符号の各暗号化符号に適用することを特徴とする請求項13に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−514159(P2008−514159A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533529(P2007−533529)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/032540
【国際公開番号】WO2006/036532
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】