説明

無線通信システムにおけるマルチキャリア変調のためのピーク対平均値電力比の管理

【課題】
【解決手段】無線通信システムにおけるマルチキャリア変調のためのピーク対平均値電力比(PAPR)を管理するための技術。多元接続システムにおける異なる複数の端末は異なる必要送信電力を有する。各端末に割り当てられるキャリア数は必要とする送信電力によって決まる。高い送信電力を要する端末には少ない数のキャリア(小さいPAPRを持つ)が割り当てられ、その電力増幅器が高い電力レベルで動作するようにされる。低い送信電力を要する端末にはより多くのキャリア(大きいPAPRを持つ)が割り当てられ、その電力増幅器が低い電力レベルで動作するようにされる。端末に割り振られた特定キャリア数はバンド外放射を減少させるためにその送信電力レベルが決定される。高い送信電力を必要とする端末には動作バンドの中央に近いキャリアが割り当てられ、低い送信電力を必要とする端末には動作バンドの端に近いキャリアが割り当てられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信に関し、特に無線通信システムにおけるマルチキャリア変調のためのピーク対平均値電力比(PAPR)の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは音声やデータなどの色々なタイプの通信に広く用いられている。これらのシステムは、利用可能なシステムリソース(例えばバンド幅および送信電力など)を分け合うことにより複数のユーザーとの通信をサポートできる多元接続システムである。このような多元接続は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時間分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、および直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムなどを含む。
【0003】
無線通信システムはデータ送信のためにマルチキャリア変調を用いることができる。マルチキャリア変調を共通に用いる例としては直交周波数分割多重(OFDM)および個別マルチトーン(DMT)が含まれる。OFDMはシステム全体のバンド幅を複数の直交サブバンドに効果的に分割する。各サブバンドにはデータで変調するための対応するキャリアが付属している。サブバンドのキャリアはデータにより個々に変調され、変調されたキャリアは出力波形を形成するように共に加え合わされる。
【0004】
このマルチキャリア変調はマルチパス効果に対する有効性を含む望ましい特徴を持っている。しかしながらマルチキャリア変調の主な欠点は出力波形に対する高いピーク対平均値電力比(PAPR)、即ち、マルチキャリア変調によって形成された波形のピーク電力対平均電力比(PARP)が高いことである。この高いPARPによりキャリアが夫々個々にデータにより変調されたときに全てのキャリアの同相(叉はコヒーレント)加算が生じる可能性があるということである。実際に、例えばキャリア数をNとした場合、ピーク電力はマルチキャリア変調の平均値電力のN倍より大きな値となることがある。
【0005】
マルチキャリア変調により形成された波形の高いPAPRは、ピーク電力レベルよりずっと小さい(即ち、ピーク電力からバックオフした)平均電力レベルで動作するような電力増幅器を必要とする。このことは、波形の高いピークにより電力増幅器が高い非線型領域で動作するために波形のクリップが生じる結果を伴い、これにより信号の品質を劣化させる変調歪みなどの要因となる。電力増幅器をピーク電力からバックオフの点で、典型的には4から7dBのバックオフの範囲で動作させることにより、電力増幅器は大きな歪みが無い状態で波形の大きなピークを取り扱うことができる。しかしながら、このバックオフは波形の中に大きなピークが無い他の場合には電力増幅器が不適切な動作を示すことになる。即ち、もし必要な場合には、波形のPAPRを最小にして、電力増幅器をピーク電力レベルに近く動作させることが極めて望ましいことになる。
【0006】
マルチキャリア変調のためにPAPRを小さくするための多くの方法が導入されている。これらの方法の多くは波形のPAPRそのものを小さくすることを目的とするものである。例えば、従来の一つの方法は、低いPAPRに対応するために特に選択された特定のコードワード中に送信すべきデータをマッピングする方法である。他の従来の方法は、波形中のピークを減少させるように変調された「ピーク減少キャリア」を用いる方法である。更に他の従来の方法は、全てのキャリアを異なる位相で変調することにより波形のPAPRを減少させる方法である。PAPRを減少させるためのこれらの従来の方法は、幾つかのマルチキャリア通信システムには適用できない。これらは例えば以下に説明するように、データが全てのキャリアに適応しない、あるいはアクセスできない場合である。
【0007】
従って、無線通信システムにおけるマルチキャリア変調のためのPAPRを管理する技術がこの技術分野で必要とされている。
【発明の開示】
【0008】
ここでは、種々の無線多元接続のマルチキャリア通信システム(例えばOFDMAシステム)におけるPAPRを管理するための技術が説明されている。多元接続通信システムの異なる端末は、その受信信号の所望の品質を達成するために異なる送信電力を必要とすることが分かっている。各キャリアはその必要とされる送信電力に基づいて各端末に割り振られる。
【0009】
この発明の一態様において、各端末に割り当てられるキャリア数はその必要送信電力に対応する。必要送信電力が高い端末には少数のキャリアが割り当てられる。少数のキャリアで発生される波形ではPAPRは小さくなるので、電力増幅器は小さいバックオフで動作し、波形は高い電力レベルで送信される。反対に、より多くのキャリアが端末に割り当てられると、必要とされる送信電力は低くなる。大きいPAPRは多くのキャリアで発生される波形に対応するが、必要とされる送信電力が低くなるので電力増幅器は大きなバックオフを提供できる。
【0010】
他の態様において、端末に割り振られる特定のキャリアはその送信電力レベルによって決定される。高い送信電力を要する端末は高いレベルの変調歪みを発生させることがある。これらの端末には動作バンドの中間に近いキャリアが割り当てられ、従ってこれらの変調歪みは動作バンド内に発生する。反対に、低い送信電力を要する端末は低いレベルの変調歪みを発生させる。これらの端末には動作バンドの端に近いキャリアが割り当てられるので歪みは特定のバンド外放射要求より低くなる。
【0011】
この発明の種々の態様と実施形態が以下に詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1はマルチキャリア変調を用いた無線多元接続通信システム100を示す。システム100は複数のアクセスポイント110(図1では簡単のために二つのアクセスポイント110a,110bのみ示されている)を有し、複数の端末120と通信を行う。アクセスポイントは端末と通信するために用いられる固定局である。このアクセスポイントはさらに基地局または他の呼び名で呼ばれる。
【0013】
端末はアクセスポイントとの間で通信を行うステーションである。この端末はまた、アクセス端末、ユーザー端末、リモートステーション、移動局、無線通信装置又は他の呼び名で呼ばれることがある。各端末は任意の時点においてダウンリンク及びアップリンクの双方又はいずれか一方の一つまたは複数のアクセスポイントとの間で通信を行うことができる。ダウンリンク(即ちフォワードリンク)はアクセルポイントから端末への送信を言い、アップリンク(即ちリバースリンク)は端末からアクセスポイントへの送信を言う。
【0014】
システムコントローラ130はアクセスポイントと結合され、更に他のシステム/ネットワーク(例えばパケットデータネットワーク)に結合される。システムコントローラ130はアクセスポイントの動作の調整および制御を行う。アクセスポイントを介してシステムコントローラ130は端末相互のデータ伝送を制御し、または他のシステム/ネットワークに結合された端末とユーザーとの間のデータの伝送を制御する。
【0015】
この明細書に説明されているPAPRを管理するための技術は種々の無線多元接続のマルチキャリア通信システムにも用いることが出来る。例えば、システム100はOFDMAシステムであり、データ伝送のためにOFDMを用いる。更に、この技術はアップリンク及びダウンリンクで用いることができる。説明の明確化のために以下の説明ではこの技術をOFDMAシステムにおけるアップリングに適用した場合として説明する。以下の説明では一つの端末がアップリンク(さらにダウンリンク)上でデータ送信を行うためにスケジューリングされている。
【0016】
図2はサブバンド/キャリア構成200を示し、これはOFDMAシステムに用いられるものである。このシステムはシステム全体のバンド幅がWMHzであり、このバンド幅がOFDMを用いるN個の直交サブバンド210に分けられている。各サブバンドはW/NMHzのバンド幅を有し、それぞれのキャリア212が対応して用意され、このキャリアがデータによって変調される。
【0017】
代表的なOFDMシステムにおいては、N個のキャリアの内、M個のキャリアがデータ伝送に使用される。ここで、M<Nである。残りのキャリア、即ちN−M個のキャリアはデータ伝送には用いられず、それらに付随するサブバンドがガードサブバンドとしてシステムがスペクトラルマスクの要求を満たすように用いられる。M個の使用可能のキャリアはF個からF+M−1個のキャリアを含む。ここでFはM個の使用可能のキャリアが動作バンドの中間の中央部になるように選択された整数を表す。
【0018】
OFDMにおいては、N個のサブバンドの最大N個のキャリアがデータにより個々に変調される。変調されたキャリアは互いに加算され、出力波形が形成される。変調されたキャリアはコヒーレントの関係で(即ち同相で)加算され、この場合には波形は大きな振幅を持つことになる。N個の独立に変調されたキャリアにより形成された波形のピーク電力は波形の平均電力の数倍も高くなる。PAPRの正確な値は多くのファクタに依存する。更に、この値はしばしばピーク値の絶対値ではなくある統計値、例えばその時点の瞬間値電力の例えば99%オーバーした値を用いる。
【0019】
図3Aはマルチキャリア変調で生成された二つの仮定の波形310、312を示す波形図である。水平軸は時間を示し、垂直軸は電力を示す。波形310はL個のキャリアで形成され、波形312は2・L個のキャリアで形成される。ここで、Lは1以上の整数である。波形310の平均電力は波形312のそれと同じである。しかしながら、波形312のピーク電力は、波形310のそれの2倍である。これは、波形312を形成するのに2倍のキャリアが用いられているからである。従って、波形312のPAPRは波形310のPAPRより大きい。
【0020】
マルチキャリア変調により形成された波形は特に変調時歪み量を制限する方法で送信される。この時に電力増幅器としてはピークまたは最大電力レベルPmaxより減少されあるいはバックオフされた平均電力レベルPavgで動作する電力増幅器が必要となる。このときのバックオフ量は電力増幅器が高い非線形叉はクリップ領域で動作しない(または最小である)ように選択される。より詳細には、このバックオフは電力増幅器により発生される歪みが特定のレベルに制限されるように選択される。
【0021】
図3Bは図3Aの二つの波形が最大送信電力Pmaxでかつ最小の歪みになるように選択された状態を示す。波形310はバックオフBO1で送信されが、これは部分的にPAPR1に対する波形(例えばBO1≦PAPR1)によって決定される。同様に、波形312はバックオフBO2で送信されるが、これは部分的にPAPR2に対する波形(例えばBO2≦PAPR2)によって決定される。波形310の平均送信電力(Pavg1)は波形312の平均送信電力(Pavg2)の約2倍であるが、その歪みはほぼ同じレベルに制限されている。Pavg1とPavg2との厳密な比は波形310と312との設定されたバックオフに従っている。
【0022】
OFDMAシステムでは、M個の使用可能のキャリアが複数の動作端末間で分配して用いられる。アップリンク上では各動作端末には特定の組のキャリアが割り当てられ、データ送信に用いられる。各動作端末に割り当てられるキャリア数と特定のキャリアとは以下に説明するようにして決定される。各端末に割り振られたキャリアは連続している場合と不連続の場合とある。各動作端末はそれら割り振られた特定のキャリアを用いて送信を行う。
【0023】
図1に戻って、各端末はシステム全体に亘って分散されている。各端末にはそのアクセスポイントにおいて特定の伝送路損失があり、この損失は端末とアクセスポイントとの間の距離に大きく依存している。各端末は更に、通信パフォーマンスを行うに必要なレベルを達成するためにアクセスポイントにおいて特定の信号受信品質を必要とする。必要な受信信号品質は受信信号の信号対ノイズ比(SNR)によって決定され、通信パフォーマンスに必要なレベルは特定のフレームエラー比(FER)や、パケットエラー比(PER)などによって決定される。各端末に必要な送信電力はその伝送路損失と受信信号品質に依存している。
【0024】
もし端末がシステム全体に分散されていれば、伝送路損失は端末から端末までの距離によって異なる。更に、所望の受信信号品質は例えばそのデータ速度に応じて端末毎に異なる。即ち、必要な送信電力は端末毎に異なる。一般に、アクセスポイントから遠く離れた端末はアクセスポイントまでの伝送路損失が大きく、所望の信号品質を達成するには高い送信電力を必要とする。例えば、夫々のアクセスポイントにおいて同等の信号品質で受信するためには、端末120a、120b、120d、120gは端末120c、120e、120fより大きい送信電力を必要とする。
【0025】
各端末はデータ送信のために特定の最大送信電力Pmaxを持っている。この最大送信電力は強制的な規制、システムデザイン、端末に用いられる電力増幅器の制限などの内の一つまたはこれらの組み合わせによって決定される。アップリンクデータ送信のための最大送信電力は従ってPmaxにより制限される。
【0026】
各動作端末の送信電力を制御するために電力制御ループが用いられる。動作端末の伝送路損失には大きな不均衡があるので、もしこれらの全ての端末が同じ電力レベルで送信しても、これらの端末からのアクセスポイントにおける受信電力には大きな差(例えば80dB)がある。直交サブバンドがOFDMで形成されたとしても、動作端末からのアップリンク送信は、例えば、それらのタイミングおよび周波数の双方叉はいずれか一方のオフセットによって、互いに干渉し合うことになる。隣接するキャリアの干渉量を制限するために、各動作端末の送信電力は端末の受信信号品質が許容値内にあるように制御叉は調整される。各端末の必要な送信電力はアップリンク電力制御に基づいて決定されるが、これは荒い制御である。
【0027】
一つの実施形態においては、各動作端末に割り当てられるキャリア数はその必要とする送信電力に依存する。即ち、異なる端末に対してはその必要とする送信電力に応じた異なる数のキャリアが割り当てられる。伝送路損失が大きいときは、所望の信号品質を達成するためには高い送信電力が必要となる。もしも高い送信電力が必要になると、より少ない数のキャリアが割り当てられる。このような少ないキャリア数によって形成された波形に対応するPAPRは小さいので、電力増幅器は小さいバックオフで動作し、波形は高い電力レベルで送信される。反対に、伝送路損失が小さいときは必要な送信電力も低くなり、より多い数のキャリアが割り当てられる。より多くのキャリアにより形成された波形に対応するPAPRが大きくても、その波形の送信に必要な電力は低いので、大きなバックオフが得られる。
【0028】
図3Cは図3Aの二つの波形の送信波形を示す。ここで、最大送信電力はPmaxであり、受信信号品質を得るために電力制御が用いられている。波形310は必要な平均電力Preq1で送信され、Pmaxから少なくともBO1だけバックオフされている。波形312は必要な平均電力Preq2で送信され、Pmaxから少なくともBO2だけバックオフされている。必要な平均電力Preq1、Preq2はこれらの波形を送信する端末における伝送路損失と受信信号品質とによって決定される。波形310に対する高い平均電力の要求は大きな伝送路損失およびその波形に対する高い受信信号品質とが原因となっている。BO1、BO2のバックオフは上述したようにこれらの波形のPAPRに基づいて決定される。
【0029】
図3Cに示したように、最大送信電力Pmaxによって規定された電力増幅器により、波形310に対する高い平均電力Preq1が供給される。この波形は少ないキャリアにより形成され、小さいバックオフを持つ。波形312がより多くのキャリアにより形成され、大きなバックオフを持っていても、この波形に対する必要な平均電力Preq2は、そのレベルが低いので、この電力増幅器により供給できる。
【0030】
各動作端末に割り当てられるキャリアの最大数はその端末の必要な送信電力と最大送信電力とに依存する。各端末に対する最大キャリア数の決定は種々のスキームにより決められるが、そのうちの二つに付いて以下に説明する。
【0031】
第一のキャリア割り当てスキームにおいて、最大許容平均電力対キャリア数を与える表が形成された。この表は割り振られる各キャリアの可能となる数の一つの例を示す。例えば、この表はN個のキャリアに対するN個の割り振りの例を示す。ここで、iはi番目の例のキャリア数を示す。各例において、キャリア数をiとしたときの最も高い平均電力はPmavg,i値として(例えば経験に基づき、或いはシミュレーションにより、或いは他の手段により)決定される。この最大許容平均電力Pmavg,iはその端末に対する最大送信電力をPmax(このシステム又は規定値として設定される)と仮定して与えられている。この表は以下の表1に示されている。
【表1】

【0032】
より多くのキャリアに対する波形はより大きいバックオフを伴っているので、最大許容平均電力はキャリア数が増加するにつれて減少する(即ち、Pmavg,1>Pmavg,2>・・・>Pmavg,N)。
【0033】
各動作端末に割り当てられる最大キャリア数はその端末とこの表に対して必要とする送信電力Preqに基づいて決定される。特に、端末に対する必要な送信電力は表中の最大許容平均電力と比較される。この電力Preqより大きい或いは等しい値を持つ最小の最大許容平均電力Pmavg,sが決定され、この値Pmavg,sに対応するキャリア数Sの値が決定される。この端末には、この値Sより小さいか或いは等しいどのような数のキャリアも割り当てることができる。
【0034】
第二のキャリア割り当てスキームでは、必要とされるバックオフ対キャリア数の表が形成される。この表も割り当てられるキャリア数が各々の例に含まれる。各例において、キャリア数iに対する最小バックオフBOiが(例えば、経験に基づき、或いはシミュレーションにより、或いは他の手段により)決定される。この表は以下の表2として形成される。
【表2】

【0035】
より多数のキャリアに対する波形はより大きいバックオフを伴い、従って、BON>・・・BO2>BOiとなる。
【0036】
各動作端末に割り当てられる最大キャリア数は必要な送信電力とその端末のための最大送信電力とに基づいて決定される。特に、その端末に対する最大電力と必要な送信送信電力との差が最初に計算される。この計算された差の値は表中の必要なバックオフと比較される。この計算された差の値より小さいか或いは等しい最も大きい必要なバックオフ(BOS)が決定され、このBOSに対応するキャリア数Sが決定される。この端末にはこのSの数より小さいか或いは等しいいかなるキャリア数が割り当てられる。
【0037】
このように、各動作端末に対して割り当てられるキャリア数が最初に決定される。各端末に対する実際の割り当てキャリア数は更に他のいろいろなファクタに従って決定される。このファクタとしては、(1)送信データ量、(2)正確性、(3)端末の優先度などに関するものである。各端末に実際に割り当てられた特定のキャリア数は割り当てられた最大キャリア数と等しいかあるいはより少ない。この端末に割り当てられた特定数のキャリアは連続したものであっても、或いは不連続のものであってもよい。
【0038】
多くの無線通信システムがバンド外放射を制限するスペクトラルマスク要求を伴う周波数バンド内で動作される。これらのシステムに対して、端末に対して選択されたキャリアが割り当てられ、バンド外放射ができるだけ少なくなるようにされる。
【0039】
図4は典型的な高周波(RF)動作バンドにおける代表的な放射要求を示す。この動作バンドは特定の最大バンド内放射とバンド外放射とにより特徴付けられたスペクトラルマスク要求を持つ。最大バンド内放射は、例えば、特定のMHz帯の送信電力規定によって設定される。同様に、最大バンド外放射は、周波数f1以下及び周波数f2以上のMHz帯の送信電力規定により設定される。
【0040】
電力増幅器は通常、その出力電力レベルが低い値から中間の値までは線形の特性を持ち、それより高い出力電力レベルでは非線形となるようにデザインされる。従って、この電力増幅器が高い出力電力レベルで動作すると、電力増幅器の高い非線形の出力レベルによって変調時歪みが信号バンドの外側で発生する。この歪み量は電力増幅器の設計と出力電力レベルとに依存する。もしも非線形でかつ出力レベルが充分に高い場合には、その結果として特定の最大バンド外放射要求を超える歪みが発生する。
【0041】
他の実施形態において、動作端末に割り当てられる特定のキャリアはその必要とする送信電力によって決定される。アクセスポイントまでの伝送路損失が大きい端末(例えばシステムカバー範囲の端に位置する端末)あるいはより高い受信信号品質を要する端末は、アクセスポイントにおける必要とする受信信号品質を達成するために高い電力レベルで送信する必要がある。この端末は従ってより高いレベルの変調時歪みを発生させる可能性がある。この端末に動作バンドの中間に近いキャリアが割り当てられると、その歪みが動作バンドの内部に発生することになる。この端末からの高いレベルの歪みは、他のキャリアに対する更なる干渉を発生し、これらのキャリアに対する送信電力は更に増加し、更に高いレベルの干渉をもたらす。
【0042】
これとは逆に、アクセスポイントまでの伝送路損失が小さい端末(例えば、アクセスポイントに近い位置にある端末)あるいは受信信号の要求品質が低い場合には、低い電力レベルで送信を行うことができるとともにアクセスポイントにおける信号の要求品質も達成できる。この端末は変調時の歪みのレベルも低いことになる。この端末には、その歪みが要求される最大バンド外放射より低いために、動作バンドの端に近いキャリアを割り当てることができる。各端末に割り当てられるキャリアは動作バンドの特定の位置に設定されるが、各キャリアは連続したものである必要はない。
【0043】
図4は更に、バンド外放射を減少させるように動作端末にキャリアを割り振る方法を示している。動作バンドの中間にあるキャリアグループ410は高い出力電力レベルで送信を行う必要がある端末に割り振られる。二つのキャリアグループ412、414は動作バンドの端に近い位置にあり、低い出力レベルで送信を行うことができる同じ端末叉は異なる端末に割り振られる。これらのキャリアによるアップリンク送信は複数の端末からのものである。しかしながら、これらのアップリンク送信は図4では説明の簡単のために同じ位置に重ねて表示されている。
【0044】
一つのキャリア割り振りスキームにおいて、キャリアはその要求された送信電力に応じて動作端末に割り振られる。与えられた送信間隔において、各動作端末を割り振るための複数のキャリアが最初に決定(例えば、動作端末の要求送信電力及び他の上述したファクタに基づいて)される。これらの動作端末は異なる要求送信電力を伴っている。最も大きい要求送信電力を伴う動作端末に割り振られるキャリアグループが動作バンドの中央に近い位置に選択され、次に大きい要求送信電力を伴う動作端末に割り振られるキャリアグループがこの中央に近い位置に最も近い位置に選択され、以下同様にして、順次より低い要求送信電力を伴う動作端末に割り振られるキャリアグループが動作バンドの端に向かった位置に選択される。このキャリアの割り振りスキームによりバンド外放射をできるだけ減少させることができる。
【0045】
他のキャリア割り振りスキームでは、各使用可能のキャリアがそれぞれ閾値電力レベルを伴い、これらのキャリアは動作端末に対して、この閾値電力レベルと端末に対する要求送信電力とに基づいて割り振られる。特に、要求送信電力が閾値電力レベルと等しいか或いはそれより小さい場合には、与えられたキャリアがその端末に割り振られる。動作バンドの中央に近いキャリアは高い閾値電力レベルを伴い、バンドの端に近いキャリアは低い閾値電力レベルを伴う。与えられたマルチキャリア変調スキームに対して特定のバンド外放射が要求値以内となるように、これらの閾値電力レベルが選択される。即ち、動作カバー領域内の端に近い位置にありかつ高い要求送信電力を持つ端末は動作バンドの中央に近いキャリアのみを割り振られ、一方、低い要求送信電力の端末は動作バンドのどのような位置にあるキャリアでも割り振られることができる。
【0046】
これらのキャリアはバンド外放射を減少させることができるいろいろな方法で動作端末に割り振られることができ、これらの方法はいずれもこの発明の技術範囲に入るものである。更に、ここで説明されたキャリア割り振り方法の一つ叉は複数は上述のキャリア割り当て技術に組み合わせて用いることができる。
【0047】
図5はキャリアを動作端末に割り当て、割り振るためのプロセス500の実施態様の流れ図を示す。最初に、データ送信のためにスケジューリングされるべき各端末の送信電力に関する必要な情報が取得される(ステップ512)。この例では各端末に対する要求される最大の送信電力が取得される。この要求される最大の電力はその端末から送ることができ、或いは他の方法に基づいて取得できる。各端末の最大送信電力は端末により送信することができ、あるいは他の手段により取得することができる。他の実施態様においては、各端末における最大電力と要求送信電力との差が取得される。更に他の実施態様においては、各端末の最大送信電力と初期送信電力(例えば登録の段階で)取得することもできる。その後、その端末の要求送信電力が初期送信電力と端末に送信された全ての電力制御コマンドの累積とに基づいて見積もられる。このように必要な送信電力情報はいろいろな方法により取得することができる。
【0048】
各端末に割り当てられる最大キャリア数が送信電力情報(例えば要求最大送信電力に基づいて)決定される(ステップ513)。これは上述の二つのキャリア割り当てスキームのような種々のスキームを用いて行われる。次に、特定の数のキャリアが、(1)端末に割り当てられる最大キャリア数、(2)全ての端末に割り当てることができるキャリアの総数、(3)他のファクタなどに基づいて決定される。各端末に割り当てられるキャリア数は割り当てられる最大キャリア数に拘束される。更に、端末に割り当てられる全てのキャリアの総数は割り当てることができるキャリアの総数により拘束される。
【0049】
次に、バンド外放射量が減少されまたは最小になるようにして特定のキャリアが各端末に割り振られる(ステップ518)。これは、上述した二つのキャリア割り振りスキームのような色々のスキームを用いて実現できる。各端末に割り振られたキャリアはキャリア割り振りを介して端末に通信される。各スケジューリングされた端末は割り振られた特定のキャリアを用いてスケジューリングにより定められた時間内に送信する。
【0050】
図6は多元接続マルチキャリア通信システム100における、アクセスポイント110Xと二つの端末120X、120Yの実施形態のブロック図を示している。ダウンリンク上のアクセスポイント110Xにおいて、送信(TX)データプロセッサ614はデータソース612からのトラヒックデータ(即ち情報ビット)を受信し、信号及び他の情報をコントローラ620およびスケジューラ630から受信する。例えば、コントローラ620は動作端末の送信電力を調整するために用いられる電力制御(PC)コマンドを供給し、スケジューラ630は端末のためのキャリアの割り振りを行う。これらの色々な種類のデータは異なる伝送チャンネルを通じて送ることができる。TXデータプロセッサ614はマルチキャリア変調(例えばOFDM)を用いて受信データを符号化および変調して変調データ(例えばOFDM記号)を形成する。送信ユニット(TMTR)616はこの変調データを処理してダウンリンク変調信号を形成し、これをアンテナ618から送信する。
【0051】
端末120Xおよび120Yの夫々において、送信されたダウンリンク変調信号はアンテナ652により受信されて、受信ユニット(RCVR)654に供給される。この受信ユニット654は受信信号を処理してデジタル化し、サンプルを形成する。受信(RX)データプロセッサ656はこのサンプルを復調して復号化し、復元されたトラヒックデータ、メッセージ、信号などを含む復号データを形成する。トラヒックデータはデータシンク658に供給され、端末に送信されたキャリア割り振りおよびPCコマンドがコントローラ660に供給される。
【0052】
コントローラ660は端末に割り振られ、かつ受信したキャリア割り振りに指示された特定のキャリアを用いてアップリンク上のデータ送信を制御する。コントローラ660は更に、受信したPCコマンドに基づいてアップリンク送信に用いられる送信電力を調整する。
【0053】
各動作端末120におけるアップリンクにおいて、TXデータプロセッサ674はデータソース672からのトラヒックデータを受信し、信号及び他の情報をコントローラ660から受け取る。たとえば、コントローラ660は要求された送信電力、最大送信電力あるいはこの端末における最大送信電力と要求された送信電力との差を示す情報を供給する。TXデータプロセッサ674において色々な種類のデータが割り振られたキャリアによって符号化され変調され、更に、送信ユニット676によって処理されてアップリンク変調信号が形成されてアンテナ652から送信される。
【0054】
アクセスポイント110Xにおいて、端末から送信されたアップリンク変調信号はアンテナ618で受信され、受信ユニット632で処理され、RXデータプロセッサ634により復調され、復号化される。受信ユニット632は各端末に対して受信信号品質(例えば、受信信号対ノイズ比(SNR))を評価し、この情報をコントローラ620に供給する。コントローラ620は各端末に対してPCコマンドを抽出し、その端末の受信信号品質が許容範囲内に維持される。RXデータプロセッサ634は復元された各端末のフィードバック情報(例えば要求された送信電力)をコントローラ620とスケジューラ630に供給する。
【0055】
スケジューラ630はこのフィードバック情報を用いて種々の動作、例えば(1)アップリンク上でデータ送信を行う端末の選択、(2)選択された端末へのキャリアの割り振り、などを実行する。このスケジューリングされた端末へのキャリア割り振りはこれらの端末に対するダウンリンクへ送信される。
【0056】
説明の簡単のためにPAPRの管理の方法はOFDMAシステムにおけるアップリンクに対して説明した。この方法は更にアクセスポイントから端末へのダウンリンク送信にも用いることができる。一つのダウンリンク送信スキームにおいて、OFDMAはアップリンク同様にダウンリンクにも用いることができ、キャリアの多重化も、与えられた時間内において同時にダウンリンク上の多くの端末にデータを送信するために用いることができる。他のダウンリンク送信スキームにおいては、データは時分割多重(TDM)の形式で一つの時間帯に一つの端末に送信される。これらのいずれのダウンリンク送信スキームにおいて、上述したように、端末に対する要求された送信電力に基づいて、各端末に割り当てられるキャリア数と各端末に割り振られる特定の端末が決定される。OFDMAダウンリンク送信スキームにおいて、使用可能なキャリアが複数の端末に割り振られ、全てのスケジューリングされた端末に対するダウンリンク信号のPAPRが特定の目標値内に維持される。TDM−OFDMダウンリンク送信スキームにおいて、使用される端末に割り振られるキャリア数はこの端末に対するダウンリンク信号のPAPRが目標値内に維持されるように選択される。各スケジューリングされた端末に対してデータが特定の割り振られたキャリアを用いかつその端末に対する要求された送信電力で送信される。
【0057】
OFDMに対しては、各キャリアによって送信されるデータは最初に各記号期間で一つの変調記号を形成するようにそのキャリアを用いる特定の変調スキームを用いて変調(即ち記号マップ化)される。各端末の変調記号はスケーリングされてその端末に対する必要な送信電力が得られる。ここで使用されないキャリアには信号ゼロが与えられる。各記号期間において、M個の使用可能のキャリアに対するMでスケーリングされた記号、非使用のキャリアに対するN−M個のゼロの記号がN個のタイム−ドメイン記号を含む「変換」記号を取得するために逆高速フーリエ変換(IFFT)を用いてタイムドメインに変換される。周波数選択フェージング(マルチパスチャネルに原因する)により生じる記号間干渉を避けるために、各変換記号の一部が繰り返されて、対応するOFDM記号が形成される。このようにして形成された異なる記号期間に対するOFDM記号は各端末に送信されるためのダウンリンク変調信号を形成するために処理される。
【0058】
ダウンリンクにおいて、もしも使用可能のキャリアがすべて同じ電力レベルで送信されると、OFDM波形のPAPRは大きくなってしまう。しかしながら、低い要求送信電力の端末には多くのキャリアを割り振り、高い要求送信電力の端末には少ないキャリアを割り振ることにより波形のPAPRはより小さくなる。これによりアクセスポイントにおける電力増幅器は小さいバックオフと高い出力電力レベルで動作させることができるようになる。換言すれば、一つ叉は多くの端末についてより高いデータ速度の通信を可能とすることになる。
【0059】
ここで説明されたマルチキャリア変調のためのPAPR管理の方法は色々な手段によって使用できる。例えば、これらの方法はハードウエア、ソフトウエア、またはそれらの組み合わせにおいて使用できる。ハードウエアを使用する場合には、各アクセスポイントと端末においてこの方法の実施に用いられる構成素子は一つ叉はそれ以上のアプリケーションスペシフィック集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジック装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ここで説明された機能を果たすように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組み合わせ装置などがある。
【0060】
ソフトウエアを使用する場合には、ここで説明された方法は、ここで述べられた機能を達成するモジュール(例えば工程、機能など)によって実現される。ソフトウエアコードはメモリユニット(例えば図6に示したメモリユニット622、662など)に格納され、プロセッサ(例えばコントローラ620、660とスケジューラ630など)によって実行される。メモリユニットはプロセッサ叉は外部プロセッサ内で使用され、その場合にはこの技術分野においてよく知られた種々の手段を介してプロセッサに通信可能に結合されることができる。
【0061】
以上の実施形態の説明は当業者がこの発明を実施し使用できるように行われている。これらの実施形態の種々の変形は当業者にとって容易であり、ここに説明された概念はこの発明の範囲を逸脱しないで他の実施形態に適用できることは明らかである。従って、この発明はここに説明した実施形態に限定すること無く、この説明の原理と新規な特徴に基づいて最も広い範囲に及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
この発明の特徴、性質及び効果は以下の図面を参照した説明でより明らかにされるが、この図面において同様の参照符号は全体に渡って同じ特徴を表すものである。
【図1】無線多元接続通信システムのブロック図。
【図2】OFDMAシステムに用いられるサブバンド/キャリア構成を示す図。
【図3A】マルチキャリア変調により形成された二つの仮定された波形を示す図。
【図3B】二つの波形を最大送信電力Pmaxでかつ最小変調歪みで送信するときの波形図。
【図3C】二つの波形を最大送信電力Pmaxでかつ受信時に所望の信号品質を与える電力制御を用いて送信する時の波形図。
【図4】バンド外放射を減少するための端末におけるキャリアの割り振りを示す図。
【図5】端末にキャリアを割当てる処理を示す図。
【図6】アクセスポイントと二つの端末を示すブロック図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線マルチキャリア通信システム中のマルチキャリア変調のためのピーク対平均電力比(PAPR)を管理する方法であって、
端末に必要な送信電力に基づいて複数の端末の各々に割り当てられるキャリアの最大数を決定し、
各端末に決定された最大キャリア数より少ないか或いは等しい数の特定数のキャリアを各端末に割り当てる、
方法。
【請求項2】
前記各端末に対する最大キャリア数の決定は、
その端末に必要な送信電力を異なるキャリア数における最大許容電力と比較し、その端末に割り当てられる最大キャリア数を、必要な送信電力より高い最大許容電力の最小値に対応するキャリア数に等しくする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各端末に対する最大キャリア数の決定は、
その端末の最大送信電力とその端末に必要な送信電力との差を計算し、その端末に割り当てられる最大のキャリア数を前記計算された差に基づいて決定する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記各端末に対する最大キャリア数の決定は、
前記計算された差の値を異なるキャリア数に対する要求されたバックオフと比較し、その端末に割り当てられた最大キャリア数を前記計算された差の値より小さい最大要求バックオフに対応するキャリア数と等しくする、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更に、各端末にバンド外放射を減少させるように特定のキャリアを割り振る、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記必要な送信電力が大きい端末には動作バンドの中間に位置するキャリアが割り振られ、必要な送信電力が小さい端末には動作バンドの端に近く位置するキャリアが割り振られる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記端末への特定のキャリアの割り振りは、
端末への必要な送信電力に基づいて割り振ることができる一組のキャリアが決定され、
この一組のキャリアから端末へ割り振る特定のキャリアが選択される、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
更に、各端末に割り当てられた特定数のキャリアを用いてその端末に必要な電力でデータを送信する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
更に、端末に割り当てられた特定数のキャリアを用いて各端末からのデータを受信する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
各端末に割り当てられたキャリアの特定数は複数の端末に割り当てることができる全体のキャリアの数に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記各端末に割り当てられたキャリアの特定数は少なくとも一つの他のファクタに基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも一つの他のファクタは送信データ量を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各端末の必要な送信電力は端末の受信信号の必要な品質に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
各端末の必要な送信電力は各端末に設けられた電力制御ループに基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記無線通信システムは直交周波数分割多重方式(OFDM)を用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
直交周波数分割多重(OFDM)方式の無線通信システム内のピーク対平均値電力比を管理するためのキャリア割り当て方法であって、
端末に必要な送信電力に基づいて複数の端末の各々に割り当てられるキャリアの最大数を決定し、
各端末に決定された最大キャリア数より少ないか或いは等しい数の特定数のキャリアを各端末に割り当て、
バンド外放射を減少するように各端末に特定のキャリアを割り振る、
方法。
【請求項17】
端末に必要な送信電力に基づいて複数の端末の各々に割り当てられるキャリアの最大数を決定する手段と、
各端末に決定された最大キャリア数より少ないか或いは等しい数の特定数のキャリアを各端末に割り当てる手段と、
を具備した無線マルチキャリア通信システムにおける装置。
【請求項18】
更に、バンド外放射を減少するように各端末に特定のキャリアを割り振る手段を具備した、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
更に、各端末に割り当てられた特定数のキャリアによるデータ送信を受信する手段を具備する請求項17に記載の装置。
【請求項20】
更に、各端末に割り当てられた特定数のキャリアによりかつその端末に必要な送信電力でデータを送信する手段を具備する請求項17に記載の装置。
【請求項21】
端末に必要な送信電力に基づいて複数の端末の各々に割り当てられるキャリアの最大数を決定し、各端末に決定された最大キャリア数より少ないか或いは等しい数の特定数のキャリアを各端末に割当て、各端末に割り当てられたキャリアの特定数を示すキャリア割り振りを行うように作動するスケジューラと、
複数の端末に対して送信を行うためのキャリアの割り振り動作を処理する送信データプロセッサと、
を具備する無線マルチキャリア通信システムのアクセスポイント。
【請求項22】
無線通信システムにおけるマルチキャリア変調を用いたデータ送信方法であって、
データ送信のために用いられる特定数のキャリアであって、この特定数はデータ送信のために用いられる最大キャリア数より少ないか或いは等しい数であり、この最大キャリア数はデータ送信のための必要な送信電力に基づいて決定されるところのキャリアの割り当てを受け、
この特定数のキャリアを用いてデータを送信する、
データ送信方法。
【請求項23】
前記データの送信はバンド外放射を減少させるように割り振られた特定キャリアにより行われる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
データ送信のために用いられる特定数のキャリアであって、この特定数はデータ送信のために用いられる最大キャリア数より少ないか或いは等しい数であり、この最大キャリア数はデータ送信のための必要な送信電力に基づいて決定されるところのキャリアの割り当てを受ける手段と、
この特定数のキャリアを用いてデータを送信する手段と、
を具備する無線マルチキャリア通信システムにおける装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−521715(P2007−521715A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503641(P2006−503641)
【出願日】平成16年2月17日(2004.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/004667
【国際公開番号】WO2004/075444
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】