無線通信システム
【課題】
無線通信システムの無線設備の更新や保守点検の場合にも無線システムの動作を停止することなく、簡単な方法で設備の更新や保守点検が可能な無線通信システムの実現が望まれている。
【解決手段】
統制局と、基地局と、移動局を有する無線通信システムにおいて、上記基地局は、着脱可能な基板を有し、上記基板上に上記移動局と送受信する送受信部と上記送受信部を制御するマイコンとを有し、上記統制局は、回線接続装置と、上記基地局の基板を着脱可能に取付ける基板着脱機構部と、上記基板着脱機構部を介して上記マイコンと接続されるシステムマイコンを有し、上記基地局の基板を上記基板着脱機構部から取外す場合、上記システムマイコンは、上記基地局の基板を取外す直前の上記送受信部のデータを上記マイコンから読出し、上記第システムマイコンの記憶部に記憶するように構成される。
無線通信システムの無線設備の更新や保守点検の場合にも無線システムの動作を停止することなく、簡単な方法で設備の更新や保守点検が可能な無線通信システムの実現が望まれている。
【解決手段】
統制局と、基地局と、移動局を有する無線通信システムにおいて、上記基地局は、着脱可能な基板を有し、上記基板上に上記移動局と送受信する送受信部と上記送受信部を制御するマイコンとを有し、上記統制局は、回線接続装置と、上記基地局の基板を着脱可能に取付ける基板着脱機構部と、上記基板着脱機構部を介して上記マイコンと接続されるシステムマイコンを有し、上記基地局の基板を上記基板着脱機構部から取外す場合、上記システムマイコンは、上記基地局の基板を取外す直前の上記送受信部のデータを上記マイコンから読出し、上記第システムマイコンの記憶部に記憶するように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特に、基板の交換を容易にする無線通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信システムにおいては、列車等の移動局(以下移動局と称する。)が複数の基地局ゾーンにまたがって通信を行う場合、各基地局から異なる基地局識別信号を送信し、移動局では、受信した基地局識別信号を基地局指定信号として返送するといった一連のシーケンスを使用することによって、移動局と基地局の接続を行う方式が一般的であった。この方式によれば、次のゾーンが空いている場合は、接続の継続が可能であり、また、移動局が存在するゾーンを占有することができるため、通信効率が良い利点がある。
【0003】
従来の無線通信システム(例えば、特許文献1参照)の一例を図5に示す。図5において、501、502は、電波の輻射および受信を行う漏洩同軸ケーブル(以下LCXケーブルと言う。)で、LCXケーブル501、502毎に異なる無線ゾーンを構成する。503は、LCXケーブル501に接続され、LCXケーブル501のLCXゾーン(LCXゾーンAと言う。)を構成する基地局Aである。この基地局503は、アンテナ共用器505、受信機Rx506、送信機Tx507、基地局識別信号発生器508をもって無線基地局を構成する。同様に、504は、LCXケーブル502に接続され、LCXケーブル502のLCXゾーン(LCXゾーンBと言う。)を構成する基地局Bである。この基地局504は、アンテナ共用器509、受信機Rx510、送信機Tx511、基地局識別信号発生器512をもって無線基地局を構成する。各基地局503、504は、異なる基地局識別信号を送信し、移動局530は、受信した基地局識別信号を基地局指定信号として返送する。また、各基地局は、制御装置520にそれぞれ接続され、移動局530から返送された基地局指定信号を制御装置520に供給する。制御装置520は、基地局指定信号検出器521および522で検出された基地局指定信号に基づいて、切替器523を切り替えて受信する基地局系統を選択する。同様にして切替器524は、送信基地局系統を選択する。回線接続装置525は、制御装置520と電話等の端末526、527に接続されている。
【0004】
一方、移動局530は、アンテナ531でLCXケーブル501、502からの電波が受信され、共用器532を経由して受信機Rx533で復調され、回線接続装置536に供給される。また、受信機Rx533からの出力のもう一方は、基地局識別信号検出器535に供給され、その結果が回線接続装置536に出力される。回線接続装置536からの送信出力は、基地局識別信号に応じて、基地局指定信号と合成して送信機Tx534、共用器532を経由してアンテナ531から送信される。
【0005】
次に、図5に示すシステムの動作について説明する。図5において、基地局A503内の基地局識別信号発生器508から発生した信号は、送信機507から送信され、共用器505を経由して、常時LCXケーブル501から送信される。同様に、基地局B504内の基地局識別信号発生器512から発生した信号は、送信機511から送信され、共用器509を経由して常時LCXケーブル502から送信される。これら識別信号は、LCXゾーンAとLCXゾーンBでは異なるものである。移動局530がLCXゾーンAを通過しているとき、移動局530のアンテナ531でLCXケーブル501からの電波を受信し、共用器532、受信機533を経由して基地局識別信号検出器535で基地局識別信号CC1が検出される。
【0006】
移動局530が送信する場合は、基地局指定信号としてLCXゾーンAを指定する信号を付加して送信することにより、LCXゾーンAの基地局A503と通信回線が接続される。移動局530がLCXゾーンAをはずれて隣接するLCXゾーンBに入った場合は、移動局530のアンテナ531でLCXゾーンBからの電波を受信することになり、基地局識別信号検出器535でLCXゾーンBの基地局B504の識別信号CC2を検出する。また、送信するときの基地局指定信号は、LCXゾーンBを指定することにより、LCXゾーンBの基地局B504と通信回線が接続される。上述したように移動局と複数の基地局の異なるゾーン間での通信が順次切替えられ通信がなされるように構成されている。なお、上記従来の例では、基地局A503と基地局B504の2つの基地局で説明したが、実際には複数の基地局が数Kmから数十Kmの間隔で設置されている。
【0007】
さて、現在使用されている列車無線システムは、空間波方式からLCXケーブル化方式となり、列車無線回線の品質向上、回線容量の増強あるいは新たなデータ回線も導入されるようになった。これらに伴い列車無線回線は、指令電話等の業務電話、公衆電話、文字ニュース等の旅客サービスにも利用が広がり、高速、高密度運転を実施する上で、乗務員や旅客への適切かつ迅速な情報を提供する上で不可欠な設備となっている。
【0008】
しかしながら最近の通信技術は、著しい発展を遂げており、列車無線システムにおいても一層の業務効率、保守機能の強化、旅客サービスの向上に答えるためにシステムのデジタル化やシステムの更新が避けられない状況にきている。更に、最近の鉄道会社では、乗客の利便性や業務拡大あるいは乗客確保等の観点から2社、3社の鉄道会社が相互に車両の乗り入れを行う場合が発生している。また、鉄道会社内でも鉄道の設備更新は、別の通信方式の採用等の場合、全線の設備更新や別の通信方式への切替を一度に行うことはコスト面で問題があり、鉄道沿線の部分的な設備更新や別の通信方式の採用等を行う場合が発生するが、いずれも設備の更新には、莫大な費用が必要となる。また、保守点検の場合にも無線システム全体の動作を停止することは、公共の列車システムでは、できるだけ避けることが要求されており、無線システムの一部分の停止のみ、あるいは、簡単な方法で設備の更新や保守点検が可能な無線通信システムの実現が望まれている。
【0009】
【特許文献1】特開2000−49683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
無線通信システムの無線設備の更新や保守点検の場合にも無線システム全体の動作を停止することなく、無線システムの一部分の停止のみ、あるいは、簡単な方法で設備の更新や保守点検が可能な無線通信システムの実現が望まれている。
【0011】
本発明の目的は、無線設備の更新や保守点検が容易に行える無線通信システムを提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、無線システム全体の動作を停止せずに無線設備の更新や保守点検のできる無線通信システムを提供することである。
【0013】
本発明の更に他の目的は、基板交換により無線設備の更新や保守点検が可能な無線通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、統制局と、上記統制局に接続される複数の基地局と、上記基地局と無線回線で接続される移動局を有する無線通信システムにおいて、上記基地局は、着脱可能な第1の基板を有し、上記第1の基板上に上記移動局と送受信する第1の送受信部と上記第1の送受信部を制御する第1のマイコンとを有し、上記統制局は、上記基地局の第1の送受信部からの信号を入力される第1の回線接続装置と、上記基地局の第1の基板を着脱可能に取付ける第1の基板着脱機構部と、上記第1の基板着脱機構部を介して上記第1のマイコンと接続される第1のシステムマイコンを有し、上記基地局の第1の基板を上記第1の基板着脱機構部から取外す場合、上記第1のシステムマイコンは、上記基地局の第1の基板を取外す直前の上記第1の送受信部のデータを上記第1のマイコンから読出し、上記第1のシステムマイコンの記憶部に記憶するように構成される。
【0015】
また、本発明の無線通信システムにおいて、上記第1の基板を上記第1の基板着脱機構部から取外し、第2の基板を上記第1の基板着脱機構部に装着した場合、上記第1のシステムマイコンは、上記第2の基板上の第2のマイコンに上記第1のマイコンから読出した上記第1の送受信部のデータを書込むように構成される。
【0016】
また、本発明は、統制局と、上記統制局に接続される複数の基地局と、上記基地局と無線回線で接続される移動局を有する無線通信システムにおいて、上記移動局は、着脱可能な第2の基板を有し、上記第2の基板上に上記基地局と送受信する第2の送受信部と上記第2の送受信部を制御する第2のマイコンとを有し、上記移動局は、上記第2の基板の第2の送受信部からの信号を入力される第2の回線接続装置と、上記第2の基板を上記移動局から着脱可能に取付ける第2の基板着脱機構部と、上記第2の基板着脱機構部を介して上記第2のマイコンと接続される第2のシステムマイコンを有し、上記移動局の第2の基板を上記第2の基板着脱機構部から取外す場合、上記第2のシステムマイコンは、上記移動局の第2の基板を取外す直前の上記第2の送受信部のデータを上記第2のマイコンから読出し、上記第2のシステムマイコンの記憶部に記憶するように構成される。
【0017】
また、本発明の無線通信システムにおいて、上記第2の基板を上記第2の基板着脱機構部から取外し、第3の基板を上記第2の基板着脱機構部に装着した場合、上記第2のシステムマイコンは、上記第3の基板上の第3のマイコンに上記第2のマイコンから読出した上記第2の送受信部のデータを書込むように構成される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、無線システムの一部分の停止のみ、あるいは、簡単な方法で設備の更新や保守点検が可能な無線通信システムを実現することができる。また、無線通信システムの無線設備の更新や保守点検の場合にも無線システム全体の動作を停止することなく、しかも基板の交換が容易に行える無線通信システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
まず、本発明を説明する前に、本発明が適応される無線通信システムについて、図1〜図4を用いて説明する。なお、ここで説明する無線通信システムは、本出願人が先に出願している特願2006−110612(出願日:平成18年4月13日)に詳細に説明している。図1は、本発明が適応される無線通信システムの概略構成のブロック図を示し、例えば、アナログA方式の無線通信システムとアナログB方式の無線通信システムを接続する場合を示している。このような接続は、例えば、A社とB社が列車を相互に乗り入れする場合等が考えられる。図1において、101−Aは、アナログA方式の統制局を表す。101−Bは、アナログA方式とアナログB方式の混在する統制局を表す。また、101−Cは、アナログB方式の統制局を表す。なお、統制局を代表する場合は、統制局101と称する。102−(m−4)、102−(m−3)、102−(m−2)、102−(m−1)、102−mは、それぞれ基地局A(m−4)、基地局A(m−3)、基地局A(m−2)、基地局A(m−1)、基地局Amを表す。なお、アナログA方式の基地局を代表する場合は、基地局A102と称する。103−1、103−2、103−3、103−4は、それぞれ基地局B1、基地局B2、基地局B3、基地局B4を表す。なお、アナログB方式の基地局を代表する場合は、基地局B103と称する。104−(m−4)、104−(m−3)、104−(m−2)、104−(m−1)、104−mは、それぞれ漏洩同軸ケーブル(以下LCXと略称する。)LCX(m−4)、LCX(m−3)、LCX(m−2)、LCX(m−1)、LCXmを表す。なお、アナログA方式のLCXを代表する場合は、LCX104と称する。105−1、105−2、105−3、105−4は、それぞれLCX1、LCX2、LCX3、LCX4を表す。なお、アナログB方式のLCXを代表する場合は、LCX105と称する。106は、列車等の移動局を表している。
【0020】
さて、上述した統制局101、基地局A102、基地局B103、LCX104およびLCX105は、それぞれ図1に示すように伝送路で接続され、また、通信ゾーン(m−4)、・・・m、1、・・・4毎に分かれて配置されている。LCX104、105は、例えば、鉄道の線路に沿って敷設され、これらLCX104、105を介して移動局106と基地局A102および基地局B103との間の通信が行われる。
【0021】
ここで、アナログA方式とアナログB方式について説明する。先に説明したように、鉄道会社が相互に車両の乗り入れを行う場合とか、また、同じ鉄道会社内でも鉄道の設備更新等により新旧のシステムが併存される場合があることを説明した。このような場合、アナログA方式は、例えば、LCXから放出される周波数がF1、通信信号伝送のためのフレーム構成がT1であるのに対して、アナログB方式とは、例えば、LCXから放出される周波数がF2、通信信号伝送のためのフレーム構成がT2である場合が考えられる。このように周波数や信号のフレーム構成が異なる通信方式は、当然のことながら相互に通信を行うことは不可能である。ここで説明する無線通信システムは、このように通信方式の異なる場合に両方の通信方式に対して送受信できる無線通信システムを実現するものである。なお、図1において、統制局A101−Aは、アナログA方式のゾーンに位置し、統制局101−Cは、アナログB方式のゾーンに位置している。しかしながら、統制局101−Bは、アナログA方式のゾーンとアナログB方式のゾーンとが混在するゾーンに位置している。そして、基地局A102−(m−4)、基地局A102−(m−3)は、統制局A101−Aのゾーンに位置し、基地局A102−(m−2)、基地局A102−(m−1)、基地局A102−m、基地局B103−1、基地局B103−2は、統制局B101−Bのゾーンに位置し、基地局B103−3、基地局B103−4は、統制局C101−Cのゾーンに位置している。
【0022】
次に、統制局101および基地局102および103について図2および図3を用いて説明する。図2は、アナログA方式のゾーンに位置する基地局A102−(m−2)と基地局A102−(m−1)および統制局101−Bの一部分を示す概略構成のブロック図である。なお、基地局A102−1〜基地局A102−(m−3)の(m−3)個の基地局Aは、全てアナログA方式のゾーンに位置するのでその構成は、全て図2に示す構成と同じであるので、基地局A102−(m−2)と基地局A102−(m−1)で代表して説明するものとする。同様に、基地局B103−2〜基地局B103−nの(n−1)個の基地局Bは、全てアナログB方式のゾーンに位置するのでその構成は、全て図2に示す構成とほぼ同じである。異なるのは、例えば、アナログA方式か、アナログB方式かの違いのみである。従って、基地局A102−(m−2)と基地局A102−(m−1)で代表して説明するものとする。ここで、説明の都合上、アナログA方式とは、本実施例では、例えば、上述したLCXから放出される周波数がF1、通信信号伝送のためのフレーム構成がT1であるような方式であり、アナログB方式とは、本実施例では、例えば、上述したLCXから放出される周波数がF2、通信信号伝送のためのフレーム構成がT2であるような方式とするが、これに限定されるものではない。また、図2に示す実施例の構成および動作は、図5に示す従来の無線通信システムとほぼ同様であるので、ここでは簡単に説明する。
【0023】
図2において、ゾーン(M−2)を構成する基地局A102−(m−2)は、アンテナ共用器201、受信機ARx202、送信機ATx203、基地局識別信号発生器204で構成されている。同様に、基地局A102−(m−1)は、アンテナ共用器210、受信機ARx211、送信機ATx212、基地局識別信号発生器213で構成されている。ここで、各基地局A102−(m−2)、102−(m−1)は、それぞれ異なる基地局識別信号、例えば、識別IDとしてAS(m−2)、AS(m−1)を送信し、移動局106は、受信した基地局識別信号を基地局指定信号として返送する。また、各基地局は、制御部220にそれぞれ接続され、移動局106から返送された基地局指定信号を制御部220に供給する。制御部220は、基地局指定信号検出器221および222で検出された基地局指定信号に基づいて、切替器223を切替えて受信する基地局系統を選択する。同様にして切替器224は、送信基地局系統を選択する。回線接続装置225は、制御部220と電話等の端末226、227に接続されている。
【0024】
図3は、統制局Bの一部分と、基地局A102−mおよび基地局B103−1の概略構成のブロック図を示す。なお、基地局A102−mと基地局B103−1とは、アナログA方式のゾーンからアナログB方式のゾーンに切替わるゾーンに位置している。図3において、基地局A102−mは、LCX104−mに接続され、LCXゾーンmを構成する基地局A102−mである。この基地局A102−mは、アンテナ共用器301、アナログA方式受信機ARx302、アナログA方式送信機ATx303、基地局識別信号ASmを発生する基地局識別信号発生器304で構成されている。また、基地局B103−1は、LCX105−1に接続され、LCX105−1のLCXゾーン1を構成する基地局B103−1である。この基地局B103−1は、アンテナ共用器310、アナログB方式受信機BRx311、アナログB方式送信機BTx312、基地局識別信号BS1を発生する基地局識別信号発生器313をもって無線基地局を構成する。従って、各基地局A102−mおよび基地局B103−1は、異なる基地局識別信号ASmおよびBS1を送信する。
【0025】
305は、基地局A102−mを介して後述する移動局106から送られてくる基地局指定信号を検出する基地局指定信号検出部である。306は、インターフェース部(I/F部)であり、このI/F部306を介して基地局A102−mは、回線接続装置324と接続される。また、314は、基地局B103−1を介して後述する移動局106から送られてくる基地局指定信号を検出する基地局指定信号検出部である。315は、インターフェース部(I/F部)であり、このI/F部315を介して基地局B103−1は、回線接続装置324と接続される。321は、制御部であり、基地局指定信号検出部305および314からの基地局指定信号が入力され、この基地局指定信号に基づいてI/F部306および315が制御される。322は、カウンタ、323は、記憶部である。また、325、326は、電話等の端末装置である。
【0026】
図4は、移動局106の概略構成のブロック図を示す。図4において、401は、アナログA方式送受信部、402は、アナログB方式送受信部、403は、制御部、404は、回線接続装置、405、406は、電話等の端末装置である。アナログA方式送受信部401は、アンテナ411、アンテナ共用器412、アナログA方式受信部413、アナログA方式送信部414、基地局識別信号を検出する基地局識別信号検出器415、I/F部416で構成されている。また、アナログB方式送受信部402は、アンテナ421、アンテナ共用器422、アナログB方式受信部423、アナログB方式送信部424、基地局識別信号を検出する基地局識別信号検出器425、I/F部426で構成されている。また、制御部403は、カウンタ431および記憶部403を有し、基地局識別信号検出器415および424からの検出信号に基づいてI/F部416および426を制御する。
【0027】
次に、図1〜4を用いてこの無線通信システムの動作を説明する。まず、移動局106は、図1に示す矢印の方向に進行しているものとする。そして、この移動局106が、基地局A102−(m−2)のゾーン(m−2)を通過している場合について図2を用いて説明する。基地局A102−(m−2)内の基地局識別信号発生器204で発生された基地局識別信号AS(m−2)は、アナログA方式送信部203から送信され、共用器201を経由して、常時LCXケーブル104−(m−2)から送信される。この時のアナログA方式は、前述のように、例えば、周波数F1、通信信号伝送のためのフレーム構成がT1であるような信号が送信される。同様に、基地局A102−(m−1)内の基地局識別信号発生器213で発生された基地局識別信号AS(m−1)は、アナログA方式送信部212から送信され、共用器210を経由して常時LCXケーブル104−(m−1)から送信される。
【0028】
而して、移動局106が基地局A102−(m−2)のゾーン(m−2)を通過していると、移動局106のアナログA方式送受信部401が基地局A102−(m−2)と信号の送受信を行う。即ち、アンテナ411がLCXケーブル104−(m−2)からの電波を受信し、共用器412、アナログA方式受信部413を経由して基地局識別信号検出器415で基地局識別信号AS(m−2)を検出する。この信号を検出すると、基地局識別信号検出器415は、制御部403に基地局識別信号AS(m−2)を供給する。制御部403では、この信号を受けると、カウンタ431で基地局A102−(m−2)をカウントし、I/F部416を回線接続装置404に接続するように制御する。なお、制御部403の動作については、後述する。
【0029】
一方、基地局識別信号AS(m−2)を検出した移動局106は、基地局A102−(m−2)を指定する信号、例えば、基地局指定信号AS(m−2)を、移動局106から送信する信号に添付して送信する。移動局106から基地局指定信号AS(m−2)を添付された信号は、回線接続装置404からI/F部416、アナログA方式送信部414、共用器412、アンテナ411からLCXケーブル104−(m−2)に送信する。基地局A102−(m−2)は、LCXケーブル104−(m−2)から移動局106からの信号を受信すると、共用器201、アナログA方式受信部202を介して基地局指定信号検出部221で、基地局指定信号AS(m−2)を検出し、切替器223、224に供給する。切替器223、224は、基地局102の切替を制御する機能を有している。なお、この例では、切替器223、224は、基地局A102−(m−2)および基地局A102−(m−1)の切替のみ示しているが、3以上の基地局がある場合には、それぞれについて切替動作をする機能を有している。図2の場合、基地局指定信号AS(m−2)を検出しているので、切替器223、224は、移動局106がゾーン(m−2)を通過中であると判断し、回線接続装置225をアナログA方式受信部202およびアナログA方式送信部203に接続する。これによって移動局106の端末装置405、406と統制局Bの端末装置226、227が通話することができる。なお、この例では、基地局識別信号AS(m−2)と基地局指定信号AS(m−2)を同じ信号としているが、基地局指定信号を基地局識別信号と異なるようにすることもできる。
【0030】
同様に、移動局106が基地局A102−(m−1)のゾーン(m−1)に進入すると、移動局106のアナログA方式送受信部401が基地局A102−(m−1)と信号の送受信を行う。即ち、アンテナ411がLCXケーブル104−(m−1)からの電波を受信し、共用器412、アナログA方式受信部413を経由して基地局識別信号検出器415で基地局識別信号AS(m−1)を検出する。この信号を検出すると、基地局識別信号検出器415は、制御部403に基地局識別信号AS(m−1)を供給する。制御部403では、この信号を受けると、カウンタ431で基地局A102−(m−1)をカウントし、I/F部416を回線接続装置404に接続するように制御する。なお、制御部403の動作については、後述する。
【0031】
一方、基地局識別信号AS(m−1)を検出した移動局106は、基地局A102−(m−1)を指定する信号、例えば、基地局指定信号AS(m−1)を、移動局106から送信する信号に添付して送信する。移動局106から基地局指定信号AS(m−1)を添付された信号は、回線接続装置404からI/F部416、アナログA方式送信部414、共用器412、アンテナ411からLCXケーブル104−(m−1)に送信する。基地局A102−(m−1)は、LCXケーブル104−(m−1)から移動局106からの信号を受信すると、共用器210、アナログA方式受信部211を介して基地局指定信号検出部222で、基地局指定信号AS(m−1)を検出し、切替器223、224に供給する。切替器223、224は、前述したように基地局102の切替を制御する機能を有している。そして、図2の場合、基地局指定信号AS(m−1)を検出しているので、切替器223、224は、移動局106がゾーン(m−1)を通過中であると判断し、回線接続装置225をアナログA方式受信部211およびアナログA方式送信部212に接続する。これによって移動局106の端末装置405、406と統制局Bの端末装置226、227が通話することができる。このようにして移動局106の進行に合わせて基地局102が順次切替えられ、移動局106と基地局102が通信できるように構成されている。
【0032】
以上の説明では、同一の通信方式、即ち、アナログA方式のゾーンを移動局106が通過している場合、上記の切替で順次基地局102が切替えられ、通信が継続される。しかしながら、通信方式が異なる場合、例えば、移動局106がアナログA方式のゾーンからアナログB方式のゾーンに侵入する場合、即ち、基地局A102―mから基地局B103−1に移動局106が移動する場合、上記のように切替を行うことができない。これは、基地局A102―mと基地局B103−1の通信方式が異なるため、移動局106のアナログA方式送受信部401は、基地局B103−1からの信号を受信できないことによる。
【0033】
この問題を解決する方法について図3、図4を用いて説明する。まず、図3および図4に示す制御部321の記憶部323および制御部403の記憶部432には、表1に示される基地局ID(または番号)とゾーン渡りカウンタNo.が記憶されている。以下、このテーブルを基地局IDテーブルと称する。
【0034】
【表1】
表1において、通信方式は、アナログA方式、アナログB方式を表し、基地局名(またはID)は、図1に示す各基地局102および103を表す。ゾーン渡りカウンタNo.は、移動局106が所定の基地局のゾーンから次の基地局のゾーンへ移るときに各制御部321のカウンタ322および制御部403のカウンタ431のカウント番号をカウントする、所謂、ゾーン渡りカウンタNo.を表している。
【0035】
さて、先に説明したように移動局106が基地局A102−(m−1)を通過中の場合、基地局指定信号AS(m−1)が切替器223および224に供給されることを説明した。これら切替器223および224の基地局指定信号AS(m−1)は、制御部321にも供給される(図示せず。)。従って、各制御部321および403では、それぞれの記憶部323および432に記憶されている表1に示される基地局IDテーブルを参照することにより移動局106がどの基地局の通信ゾーンを通過中であるかが分かる。
【0036】
次に、移動局106が基地局A102−mのゾーンmから基地局B103−1のゾーン1に移動する場合について説明する。まず、基地局A102−m内の基地局識別信号発生器303で発生された基地局識別信号ASmは、アナログA方式送信部303から送信され、共用器301を経由して、常時LCXケーブル104−mから送信される。一方、基地局B103−1内の基地局識別信号発生器313で発生された基地局識別信号BS1は、アナログB方式送信部312から送信され、共用器310を経由して常時LCXケーブル105−1から送信される。
【0037】
而して、移動局106が基地局A102−mのゾーンmを通過している間、移動局106のアナログA方式送受信部401が基地局A102−mと信号の送受信を行う。即ち、アンテナ411がLCXケーブル104−mからの電波を受信し、共用器412、アナログA方式受信部413を経由して基地局識別信号検出器415で基地局識別信号ASmを検出する。この信号を検出すると、基地局識別信号検出器415は、制御部403に基地局識別信号ASmを供給する。制御部403では、この信号を受けると、表1に示す基地局IDテーブルに基づいてカウンタ431は、ゾーン渡りカウンタNo.を1つインクリメントし、“19”とする。ここで、mは、例えば、20とする。即ち、アナログA方式の基地局が20基地局あるとした場合である。そして、ゾーン渡りカウンタNo.19は、まだ、アナログA方式の基地局であることが分かる。従って、制御部403は、I/F部416を回線接続装置404に接続するように制御する。
【0038】
一方、基地局識別信号ASmを検出した移動局106は、基地局A102−mを指定する信号、例えば、基地局指定信号ASmを、移動局106から送信する信号に添付して送信する。移動局106から基地局指定信号ASmを添付された信号は、回線接続装置404からI/F部416、アナログA方式送信部414、共用器412、アンテナ411からLCXケーブル104−mに送信する。基地局A102−mは、LCXケーブル104−mから移動局106からの信号を受信すると、共用器301、アナログA方式受信部302を介して基地局指定信号検出部305で、基地局指定信号ASmを検出する。検出された基地局指定信号ASmは、制御部321に供給される。制御部321では、この信号を受けると、表1に示す基地局IDテーブルに基づいてカウンタ322は、ゾーン渡りカウンタNo.を1つインクリメントし、“19”とする。
【0039】
制御部321では、記憶部323に記憶されている表1に示す基地局IDテーブルから、まだ、基地局A102−mを通過中であることが分かるので、制御部321は、I/F部306を制御して、回線接続装置324を基地局102−mに接続する。これによって移動局106の端末装置405、406と統制局101−Bの端末装置325、326が通話することができる。
【0040】
次に、移動局106が、更に、走行し、基地局B103−1のゾーン1に入ったとすると、移動局106のアナログA方式送受信部401は、アナログB方式の基地局B103−1と接続されているLCXケーブル105−1からの信号を受信できない。しかしながら、移動局106のアナログB方式送受信部402は、アナログB方式の基地局B103−1と接続されているLCXケーブル105−1からの信号を受信することができる。
【0041】
さて、統制局101−Bの制御部321と移動局106の制御部403では、先に説明したようにゾーン渡りカウンタNo.19をカウントすると、次のゾーン渡りカウンタNo.20では、アナログA方式のゾーンからアナログB方式のゾーンに切替わることが前もって記憶部323および403に記憶されているので、移動局106の進行する所定の時点で制御部101−Bの制御部321は、I/F部306をOFFし、I/F部315をONし、回線制御装置324をアナログB方式の基地局103−1に接続する。同様に、移動局106の制御部403は、I/F部416をOFFし、I/F部426をONし、回線接続装置404をアナログB方式送受信部402に接続する。同時に、制御部321および403のカウンタ322および431を1つインクリメントして、ゾーン渡りカウンタNo.を“20”とする。
【0042】
その結果、基地局B103−1内の基地局識別信号発生器312で発生された基地局識別信号BS1は、アナログB方式送信部312から送信され、共用器310を経由して、LCXケーブル105−1から送信される。
【0043】
従って、移動局106のアナログB方式送受信部402が基地局B103−1と信号の送受信を行う。即ち、アンテナ421がLCXケーブル105−1からの電波を受信し、共用器422、アナログB方式受信部423を経由して基地局識別信号検出器425で基地局識別信号BS1を検出する。この信号を検出すると、基地局識別信号検出器425は、制御部403に基地局識別信号BS1を供給する。これによって回線接続装置404は、送信信号に基地局指定信号BS1を添付してI/F部426、アナログB方式送信部424、共用器422、アンテナ421からLCXケーブル105−1に送信する。基地局B103−1では、移動局106からの信号を共用器310、アナログB方式受信部311、基地局指定信号検出器314に供給する。基地局指定信号検出器314では、移動局106から送信された基地局指定信号BS1を検出し、制御部321に供給する。制御部321では、基地局指定信号BS1に基づき、カウンタ322を1つインクリメントして、ゾーン渡りカウンタNo.を20とする。更に、移動局106が順次基地局103を通過するに従って、前述したアナログB方式の基地局103と順次切替わることは、アナログA方式の基地局102で説明した場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0044】
次に、先の説明で移動局106の進行に従って基地局を順次切替える方法について説明する。まず、アナログA方式のゾーンに位置する基地局A102−1〜基地局A102−(m−1)の切替について図6を用いて説明する。各基地局ゾーンの境界でのLCXケーブルは、図6に示されるようになっている。図6において、横軸は、距離を、縦軸は、LCXケーブルから漏洩される電波の電界強度Eを示している。また、601は、LCXケーブル1からの漏洩電波の電界強度曲線、602は、LCXケーブル2からの漏洩電波の電界強度曲線を示している。そして、Lは、LCXケーブルの間隙を示し、約1mから数mの長さである。この図6から明らかなようにLCXケーブル1と2の間隙部分Lでは、電界強度が減少し、基地局ゾーンが変わることを示している。即ち、基地局指定信号が変わることに相当する。
【0045】
これについて基地局A102−(m−2)と基地局A102−(m−1)を例にして説明する。移動局106が基地局A102−(m−2)のゾーン(m−2)を移動している場合、移動局106のアナログA方式送受信部401のアナログA方式受信部413は、基地局A102−(m−2)のLCXケーブル104−(m−2)(図6に示すLCX1に相当する。)から十分なレベルの電波が受信され、これによって基地局A102−(m−2)と通信が行われている。移動局106のアンテナ411が次第にLCXケーブル1と2の間隙部分Lに近づくと、アナログA方式受信部413で受信できる漏洩電波の電界強度が電界強度曲線601で示されるように次第に減少し、遂に、閾値Eth以下に減少する。この情報は、アナログA方式受信部413から制御部403に供給される。なお、この例では、電界強度は、例えば、アンテナ411から入力されるアナログA方式受信部413のRF増幅部(図示せず。)の利得を検出することで計測することができる。以下の説明でも同様である。
【0046】
一方、移動局106のアナログA方式送受信部401のアナログA方式受信部413には、基地局A102−(m−1)のLCXケーブル104−(m−1)(図6に示すLCX2に相当する。)からの信号が受信され始め、移動局106の進行に従って、アナログA方式受信部413で受信できる漏洩電波の電界強度が電界強度曲線602で示されるように次第に増加し、遂に、閾値Eth以上に増加する。この情報は、アナログA方式受信部413から制御部403に供給される。従って、制御部403では、LCXケーブル104−(m−2)からの電界強度が閾値Eth以下に減少する時点(またはLCXケーブル104−(m−1)からの電界強度が閾値Eth以上に増加する時点)で、カウンタ431を1つインクリメントして、ゾーン渡りカウンタNo.を“19”とする。なお、このようにカウンタ431を1つインクリメントして、ゾーン渡りカウンタNo.を1づつ増加する方法は、他の基地局ゾーンを変更する場合も同様である。また、閾値Ethは、前もって実験的に定めておくことができる。
【0047】
次に、基地局A102−mと基地局B103−1のゾーン切替について説明する。この場合のゾーン切替は、アナログA方式の通信方式からアナログB方式の通信方式に切替が必要である。まず、移動局106が基地局A102−mのゾーンmを移動している場合、移動局106のアナログA方式送受信部401のアナログA方式受信部413は、基地局A102−mのLCXケーブル104−m(図6に示すLCX1に相当する。)から十分なレベルの電波が受信され、これによって基地局A102−mと通信が行われている。移動局106のアンテナ411が次第にLCXケーブル1と2の間隙部分Lに近づくと、アナログA方式受信部413で受信できる漏洩電波の電界強度が電界強度曲線601で示されるように次第に減少し、遂に、閾値Eth以下に減少する。この情報は、アナログA方式受信部413から制御部403に供給される。更に、移動局106が進行すると、遂には、アナログA方式受信部413では、基地局A102−mの信号を受信できなくなる。勿論、アナログA方式受信部413は、通信方式の異なるアナログB方式の基地局B103−1との通信はできない。
【0048】
従って、この例では、アナログA方式の通信方式からアナログB方式の通信方式に切替えるタイミングを表2に示す条件に設定している。
【0049】
【表2】
即ち、表2に示すようにアナログA方式受信部413で受信できる漏洩電波の電界強度E(図6の電界強度曲線601で示される電界強度)が次第に減少し、閾値Eth以下(E≦Eth)となった場合、制御部403は、記憶部432に記憶されているゾーン渡りカウンタNo.を参照し、その時点で、ゾーン渡りカウンタNo.が“19”であれば、制御部403は、I/F部416をOFFし、I/F部426をONする。これによってアナログB方式送受信部402が回線接続装置404に接続される。その結果、移動局106のアナログB方式送受信部402のアナログA方式受信部423には、基地局B103−1のLCXケーブル105−1(図6のLCX2に相当する。)からの信号が受信され始め、移動局106の進行に従って、アナログB方式受信部423で受信できる漏洩電波の電界強度が電界強度曲線602で示されるように次第に増加する。これによって移動局106のアナログB方式送受信部402は、アナログB方式の基地局B103−1と通信を行うことができる。
【0050】
さて、上述したようにアナログA方式の無線通信システムにアナログB方式の無線通信システムを接続するには、統制局101の構成あるいは基地局103の構成を変更することが必要であり、そのためには多大な工事期間と費用が必要になる。しかしながら列車等の公共機関に使用されている無線通信システムでは、長期間のシステムの停止できないという問題がある。同様にアナログ方式にデジタル方式を採用する場合もこのような問題が発生する。更に、システムの保守、点検あるいは不良部分の交換という場合についても同じような問題が発生する。
【0051】
本発明は、これらの問題を解決するための方法を提供するものであって、以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。図7は、本発明の一実施例の概略構成のブロック図を示し、図1に示す統制局B、基地局AmおよびB1の具体的な構成を示している。なお、図3と同じものには同じ符号が付されている。図7において、701は、統制局Bを示す。702−mおよび703−1は、それぞれ基地局Amおよび基地局B1を示し、そして基地局702−mおよび基地局703−1は、それぞれ回路等の部品が実装された実装基板を示している。なお、各実装基板は、1個の実装基板で構成される場合もあれば、規模に応じて複数の実装基板で構成することもできるが、本実施例では、1個の実装基板で説明する。以下の実施例についても同様である。また、本実施例では、統制局Bおよび基地局702−mおよび基地局703−1について説明しているが、他の統制局および他の基地局についても同様であるので、説明は省略する。
【0052】
704は、システムマイコンであり、統制局Bおよび基地局Amの基板702−mおよび基地局B1の基板703−1を制御する。なお、システムマイコン704は、図3で示される制御部321の機能を内蔵している。705は、各種信号が伝送される、例えば、バスラインであり、このバスライン705には、I/F306、315が接続されている。なお、バスライン705は、LAN(Local Area Network)等の伝送路で構成することもできる。
【0053】
706−1、706−2は、基板着脱機構部、707は、基板着脱検出部である。この基板着脱検出部707は、基板着脱機構部706−1、706−2より基板702−m、703−1の着脱状態を検出し、この検出信号をシステムマイコン704に送出する。715は、電源部であり、この電源部715からの供給電源は、基板着脱機構部706−1、706−2を介して基板702−m、703−1に電源を供給する。なお、基板着脱機構部706−1、706−2の電源の着脱は、電源ON状態で基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されており、基板702−m、703−1の着脱時に電源部715の電源をON/OFFする必要がない特徴がある。もっともシステムマイコン704で基板702−m、703−1の着脱時に電源部715をON/OFFすることもできる。708は、操作表示部、709は、記憶部である。
【0054】
710−1、710−2は、マイコンを示し、それぞれ基板702−m、703−1を制御している。711−1、711−2は、マイコン710−1、710−2にそれぞれ接続されたバスラインであり、712−1、712−2は、I/Fである。713−1、713−2は、コネクタを示し、例えば、図3に示すLCXケーブル104−m、105−1と着脱可能に構成されたコネクタである。
【0055】
次に、図7の構成の動作について説明する。図7において、システムマイコン704は、バスライン705、基板着脱機構部706−1、706−2を介して基板702−mのマイコン710−1および基板703−1のマイコン710−2と接続されている。そして、操作表示部708で操作された操作データは、システムマイコン704を介してマイコン710−1、710−2に送信される。一方、マイコン710−1、710−2は、システムマイコン704からの制御に基づいて基盤702−mおよび基板703−1の動作を制御すると共に、必要に応じてマイコン710−1、710−2のデータもシステムマイコン704に送出している。
【0056】
さて、この状態で、基板702−mまたは基板703−1を上述したようにシステム変更あるいは保守点検の結果、例えば、基板703−1を交換する必要が生じたとする。この場合、操作者は、統制局B701の操作表示部708を操作してシステムマイコン704に基板703−1の動作停止を指示する。動作停止を指示されたシステムマイコン704は、バスライン705を介して基板703−1のマイコン710−2から基板703−1の動作停止直前の動作データおよび設定データ等を読取ると共に、記憶部709に記憶する。そしてマイコン710−2を停止させる。ここで、動作データおよび設定データ等とは、例えば、図3でも説明したように基地局B1の受信する周波数がF2、フレーム構成がT2および基地局識別信号BS1等である。これによってシステムマイコン704は、動作停止直前の動作データおよび設定データ等を保存しているので、基板着脱機構部706−2を操作して基板703−1を統制局B701から切り離す。同時にコネクタ713−2をLCXケーブル105−1がら切り離す。
【0057】
次に、新しい基板を基板703−1に代えて装着する。これについて図8を用いて説明する。図8は、基板703−1と交換される基板801を示している。図8において、802は、マイコン、803は、バスライン、804は、I/F、805は、コネクタ、806は、共用器、807は、受信機、808は、送信機、809は、基地局識別信号発生器である。この基板801を図7に示す基板703−1に代えて装着する。なお、この基板801は、未だ何らのデータも、設定もされていない新しい基板あるいは古いデータや設定がされている場合には、全て消去されている基板である。そして、基板着脱機構部706−2およびコネクタ805を操作して基板801を統制局B701に接続する。基板801が接続されると、既に説明したように基板着脱機構部706−2は、基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されているので、電源部708からの電力が基板801に供給される。また、基板着脱検出部707は、基板801が基板着脱機構部706−2に装着されたことを検出し、システムマイコン704に検知信号を送信する。
【0058】
この検知信号を受信したシステムマイコン704は、先に基板703−1の動作停止直前の動作データおよび設定データ等をバスライン705、基板着脱機構部706−2を介して基板801のマイコン802に送信する。従って、マイコン802は、基板801上に搭載された各部品の初期化を行った後、システムマイコン704から送信された基板703−1の動作停止直前の動作データおよび設定データ等に基づいて基板801の各部品の設定を行う。即ち、受信機807については、例えば、受信する周波数をF2、フレーム構成をT2に設定し、また、送信機808については、送信する周波数をF2、フレーム構成をT2に設定する。また、基地局識別信号発生器809については、基地局識別信号BS1となるように設定する。これによって新しい基板801は、アナログB方式の基地局B1として正常に動作することができる。
【0059】
なお、上記実施例では、アナログB方式の基地局B1の基板703−1に代えて図8に示す新しい基板801を装着し、システムマイコン704から送信された基板703−1の動作停止直前の動作データおよび設定データ等に基づいて基板801上に搭載された各部品の設定を行い、アナログB方式の基地局B1の基板801として動作する場合について説明したが、例えば、アナログA方式の基地局Amの基板702−mを図8に示す基板801に交換する場合は、例えば、アナログA方式の基地局Amの基板702−mが停止する直前の動作データおよび設定データ等をマイコン710−1からシステムマイコン704に読出し、記憶部709に記憶する。その後、基板702−mを新しい基板801に交換し、その後、基板702−mが停止する直前の動作データおよび設定データ等に基づいて、受信機807については、例えば、受信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定し、また、送信機808については、送信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定する。また、基地局識別信号発生器809については、基地局識別信号ASmとなるように設定する。これによって新しい基板801は、アナログA方式の基地局Amとして正常に動作させることができる。なお、他の基地局の基板についても同様であるので詳細な説明は省略する。
【0060】
次に、移動局106についても上記基地局と同様に基板を交換することで、方式変更や保守点検を容易に行うことができる。以下、これについて図9を用いて説明する。図9は、移動局の一実施例の概略構成のブロック図を示す。図9において、901は、システムマイコンであり、図4の制御部403を内在している。902は、バスライン、903−1、903−2は、基板着脱機構、904は、基板着脱検出部、905は、操作表示部、906は、記憶部、907は、I/F、908は、電源部である。また、911−1は、例えば、アナログA方式送受信部基板、911−2は、アナログB方式送受信部基板を示している。912−1、912−2は、マイコン、913−1、913−2は、バスライン、914−1、914−2は、I/Fである。なお、図4と同じものには同じ符号が付されている。
【0061】
次に、図9の構成の動作について説明する。図9において、システムマイコン901は、バスライン902、基板着脱機構部903−1、903−2を介して基板911−1のマイコン912−1および基板911−2のマイコン912−2と接続されている。そして、操作表示部905で操作された操作データは、システムマイコン901を介してマイコン912−1、912−2に送信される。一方、マイコン912−1、912−2は、システムマイコン901からの制御に基づいて基盤911−1および基板911−2の動作を制御すると共に、必要に応じてマイコン912−1、912−2のデータもシステムマイコン901に送出している。
【0062】
さて、この状態で、基板911−1または基板911−2を上述したようにシステム変更あるいは保守点検の結果、例えば、基板911−2を交換する必要が生じたとする。この場合、操作者は、移動局106の操作表示部905を操作してシステムマイコン901に基板911−2の動作停止を指示する。動作停止を指示されたシステムマイコン901は、バスライン902を介して基板911−2のマイコン912−2から基板911−2の動作停止直前の動作データおよび設定データ等を読取ると共に、記憶部906に記憶する。そしてマイコン912−2を停止させる。ここで、動作データおよび設定データ等とは、例えば、図3でも説明したように基地局B1から受信する周波数F2、フレーム構成T2等である。これによってシステムマイコン901は、動作停止直前の動作データおよび設定データ等を保存しているので、基板着脱機構部903−2を操作して基板911−2を移動局106から切り離す。なお、アンテナ421は、図示していないが着脱可能に構成されることはいうまでもない。以下の実施例でも同様である。
【0063】
次に、新しい基板を基板911−2に代えて装着する。これについて図10を用いて説明する。図10は、基板911−2と交換される基板1001を示している。図10において、1002は、マイコン、1003は、バスライン、1004は、I/F、1005は、共用器、1006は、受信機、1007は、送信機、1008は、基地局識別信号検出器、1009は、アンテナである。この基板1001を図9に示す基板912−2に代えて装着する。なお、この基板1001は、未だ何らのデータも、設定もされていない新しい基板あるいは古いデータや設定がされている場合には、全て消去されている基板である。そして、基板着脱機構部903−2を操作して基板1001を移動局106に接続する。基板1001が接続されると、既に図7でも説明したように基板着脱機構部903−2は、基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されているので、電源部908からの電力が基板1001に供給される。また、基板着脱検出部904は、基板1001が基板着脱機構部903−2に装着されたことを検出し、システムマイコン901に検知信号を送信する。
【0064】
この検知信号を受信したシステムマイコン901は、先に基板911−2の動作停止直前の動作データおよび設定データ等をバスライン902、基板着脱機構部903−2を介して基板1001のマイコン1002に送信する。従って、マイコン1002は、基板1001上に搭載された各部品の初期化を行った後、システムマイコン901から送信された基板911−2の動作停止直前の動作データおよび設定データ等に基づいて基板1001の各部品の設定を行う。即ち、受信機1006については、例えば、受信する周波数をF2、フレーム構成をT2に設定し、また、送信機1007については、送信する周波数をF2、フレーム構成をT2に設定する。これによって新しい基板1001は、アナログB方式の基地局からの信号を正常に受信できるようになる。
【0065】
図11は、本発明の他の一実施例を説明するための無線通信システムの概略構成のブロック図を示す。図11に示す例では、全てデジタル方式であるが、デジタルA方式とデジタルB方式が混在する場合を示している。図11において、1101−Aは、デジタルA方式の統制局を表す。1101−Bは、デジタルA方式とデジタルB方式の混在する統制局を表す。また、1101−Cは、デジタルB方式の統制局を表す。なお、デジタル統制局を代表する場合は、デジタル統制局1101と称する。1102−(m−4)、1102−(m−3)、1102−(m−2)、1102−(m−1)、1102−mは、それぞれデジタル基地局A(m−4)、デジタル基地局A(m−3)、デジタル基地局A(m−2)、デジタル基地局A(m−1)、デジタル基地局Amを表す。なお、デジタルA方式の基地局を代表する場合は、デジタル基地局A702と称する。1103−1、1103−2、1103−3、1103−4は、それぞれデジタル基地局B1、デジタル基地局B2、デジタル基地局B3、デジタル基地局B4を表す。なお、デジタルB方式の基地局を代表する場合は、デジタル基地局B1103と称する。1104−(m−4)、1104−(m−3)、1104−(m−2)、1104−(m−1)、1104−mは、それぞれLCX(m−4)、LCX(m−3)、LCX(m−2)、LCX(m−1)、LCXmを表す。なお、LCXを代表する場合は、LCX1104と称する。1105−1、1105−2、1105−3、1105−4は、それぞれLCX1、LCX2、LCX3、LCX4を表す。なお、LCXを代表する場合は、LCX1105と称する。1106は、列車等の移動局を表している。
【0066】
さて、上述したデジタル統制局1101、デジタル基地局A1102、デジタル基地局B1103、LCX1104およびLCX1105は、それぞれ図11に示すように伝送路で接続され、また、通信ゾーン(m−4)、(m−3)、(m−2)、(m−1)、m、1、2、3、4毎に分かれて配置されている。1104、1105は、例えば、鉄道の線路に沿って敷設され、これらLCX1104、1105を介して移動局1106とデジタル基地局A1102およびデジタル基地局B1103との間の通信が行われる。
【0067】
さて、図11に示されるデジタル方式の無線通信システムは、図1に示されるアナログ方式の無線通信システムとほぼ同じである。即ち、デジタル方式の無線通信システムは、回路構成が全てデジタル回路で構成され、伝送される信号もデジタル信号である点を除けば、アナログ方式の無線通信システムと同じである。また、移動局1106も全てデジタル回路で構成され、図4に示されるアナログ方式の移動局と実質的に同じである。即ち、アナログA方式送受信部がデジタルA方式送受信部に、また、アナログB方式送受信部がデジタルB方式送受信部に変更になる程度であるので、デジタル方式の移動局の構成については、説明を省略する。また、デジタル方式の無線通信システムの動作についてもアナログ方式と類似している。従って、先に図7〜図10で説明した本発明の基板着脱方式の技術を回路構成をデジタル方式に変えるだけで適応することができるので、詳細な説明は省略する。
【0068】
図12は、本発明の更に他の一実施例を説明するための無線通信システムの概略構成のブロック図を示す。図12に示す例では、デジタル方式とアナログ方式が混在する場合を示している。図12において、1201−Aは、デジタルA方式の統制局を表し、図11に示すデジタルA方式の統制局1101−Aと同じである。1201−Bは、デジタルA方式とアナログB方式の混在する統制局を表す。これについては後述する。また、1201−Cは、アナログB方式の統制局を表し、図1に示すアナログB方式の統制局101−Cと同じである。1202−(m−4)、1202−(m−3)、1202−(m−2)、1202−(m−1)、1202−mは、デジタルA方式の基地局を表し、図11に示すデジタル基地局A1102−(m−4)、デジタル基地局A1102−(m−3)、デジタル基地局A1102−(m−2)、デジタル基地局A1102−(m−1)、デジタル基地局A1102−mに対応する。なお、デジタル基地局を代表する場合は、デジタル基地局A1202と称する。また、1203−1、1203−2、1203−3、1203−4は、それぞれアナログ基地局Bを表し、図1に示すアナログ基地局B103−1、アナログ基地局B103−2、アナログ基地局B103−3、アナログ基地局B103−4に対応する。なお、アナログ基地局を代表する場合は、アナログ基地局B1203と称する。
【0069】
また、1204−(m−4)、1204−(m−3)、1204−(m−2)、1204−(m−1)、1204−mは、それぞれ漏洩同軸ケーブルLCX(m−4)、LCX(m−3)、LCX(m−2)、LCX(m−1)、LCXmを表し、図11に示す漏洩同軸ケーブルLCX1104―(m−4)、LCX1104―(m−3)、LCX1104―(m−2)、LCX1104―(m−1)、LCX1104―mに対応する。1205−1、1205−2、1205−3、1205−4は、それぞれLCX1、LCX2、LCX3、LCX4を表し、図1に示すLCX105−1、LCX105−2、LCX105−3、LCX105−4に対応する。1206は、移動局である。
【0070】
さて、上述したデジタル統制局1201―A、統制局1201−B、アナログ統制局1201−C、デジタル基地局A1202、アナログ基地局B1203、LCX1204およびLCX1205は、それぞれ図12に示すように伝送路で接続され、また、通信ゾーン毎に分かれて配置されている。LCX1204、1205は、例えば、鉄道の線路に沿って敷設され、これらLCX1204、1205を介して移動局1206とデジタル基地局A1202およびアナログ基地局B1203との間の通信が行われる。
【0071】
図13は、本発明の他の一実施例の概略構成のブロック図を示し、統制局1201−Bの一部分と、デジタル基地局A1202−mおよびアナログ基地局B1203−1の概略構成のブロック図を示す。なお、デジタル基地局A1202−mとアナログ基地局B1203−1とは、デジタルA方式のゾーンからアナログB方式のゾーンに切替わるゾーンに位置している。図13において、1201−Bは、統制局Bを示す。1202−mおよび1203−1は、それぞれ基地局Amおよび基地局B1を示し、そして基地局1202−mおよび基地局1203−1は、それぞれ回路等の部品が実装された実装基板を示している。なお、各実装基板は、1個の実装基板で構成される場合もあれば、規模に応じて複数の実装基板で構成することもできるが、本実施例では、1個の実装基板で説明する。また、本実施例では、統制局1201−Bおよび基地局Amおよび基地局B1について説明しているが、他の統制局および他の基地局についても同様であるので、説明は省略する。
【0072】
1331は、システムマイコンであり、統制局1201−Bおよび基地局Amの基板1202−mおよび基地局B1の基板1203−1を制御する。なお、システムマイコン1332は、図3で示される制御部321の機能を内蔵している。1343は、各種信号が伝送される、例えば、バスラインであり、このバスライン1343には、I/F1336、1337が接続されている。なお、バスライン1343は、LAN(Local Area Network)等の伝送路で構成することもできる。
【0073】
1338、1339は、基板着脱機構部、1340は、基板着脱検出部である。この基板着脱検出部1340は、基板着脱機構部1338、1339より基板1202−m、1203−1の着脱状態を検出し、この検出信号をシステムマイコン1331に送出する。1341は、電源部であり、この電源部1341からの供給電源は、基板着脱機構部1338、1339を介して基板1202−m、1203−1に電源を供給する。なお、基板着脱機構部1338、1339の電源の着脱は、電源ON状態で基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されており、基板1202−m、1203−1の着脱時に電源部1341の電源をON/OFFする必要がない特徴がある。もっともシステムマイコン1331で基板1202−m、1203−1の着脱時に電源部1341をON/OFFすることもできる。1333は、回線接続装置、1334、1335は、端末装置、1332は、操作表示部、1342は、記憶部である。
【0074】
デジタル基地局Amの基板1202−mには、コネクタ1301、アンテナ共用器1302、デジタルA方式受信機ARx1303、デジタルA方式送信機ATx1304、基地局識別信号ASm、例えば、mを20とすると、デジタル信号“10100”(アナログ番号20に相当するデジタル信号)を発生する基地局識別信号発生器1305が搭載されている。1306は、DAC(デジタル/アナログ変換器)であり、デジタルA方式受信機ARx1303のデジタル信号をアナログ信号に変換し、I/F1308に供給する。1307は、ADC(アナログ/デジタル変換器)であり、I/F1308からのアナログ出力信号をデジタル信号に変換し、デジタルA方式送信機ATx1304に供給する。1309は、マイコンであり、バスライン1310を介してI/F1308と接続されている。
【0075】
また、アナログ基地局B1の基板1203−1は、コネクタ1321を介してLCX1205−1に接続され、LCX1205−1のLCXゾーン1を構成するアナログ基地局B1である。このアナログ基地局B1の基板1203−1には、アンテナ共用器1322、アナログB方式受信機BRx1323、アナログB方式送信機BTx1324、基地局識別信号BS1、例えば、No.21を発生する基地局識別信号発生器1325、マイコン1327が搭載されている。マイコン1327は、バスライン1328を介してI/F1326と接続されている。
【0076】
次に、図13の構成の動作について説明する。図13において、システムマイコン1331は、バスライン1343、基板着脱機構部1338、1339を介して基板1202−mのマイコン1309および基板1203−1のマイコン1327と接続されている。そして、操作表示部1332で操作された操作データは、システムマイコン1331を介してマイコン1309、1327に送信される。一方、マイコン1309、1327は、システムマイコン1331からの制御に基づいて基盤1202−mおよび基板1203−1の動作を制御すると共に、必要に応じてマイコン1309、1327のデータもシステムマイコン1331に送出している。
【0077】
さて、この状態で、基板1202−mまたは基板1203−1を上述したようにシステム変更あるいは保守点検の結果、例えば、基板1202−mを交換する必要が生じたとする。この場合、操作者は、統制局1201−Bの操作表示部1332を操作してシステムマイコン1331に基板1202−mの動作停止を指示する。動作停止を指示されたシステムマイコン1331は、バスライン1343を介して基板1202−mのマイコン1309から基板1202−mの動作停止直前の動作データおよび設定データ等を読取ると共に、記憶部1342に記憶する。そしてマイコン1309を停止させる。ここで、動作データおよび設定データ等とは、例えば、図3でも説明したように基地局Amの受信する周波数がF1、フレーム構成がT1および基地局識別信号ASm等である。なお、基板1202−mでは、これらの動作データおよび設定データ等は、デジタルデータである。これによってシステムマイコン1331は、動作停止直前の動作データおよび設定データ等を保存しているので、基板着脱機構部1338を操作して基板1202−mを統制局1201−Bから切り離す。同時にコネクタ1301をLCXケーブル1204−mがら切り離す。
【0078】
次に、新しい基板を基板1202−mに代えて装着する。これについて図14を用いて説明する。図14は、基板1202−mと交換される基板1401を示している。図14において、1402は、マイコン、1403は、バスライン、1404は、I/F、1405は、コネクタ、1406は、共用器、1407は、受信機、1408は、送信機、1409は、基地局識別信号発生器、1410は、DAC、1411は、ADCである。この基板1401を図13に示す基板1202−mに代えて装着する。なお、この基板1401は、未だ何らのデータも、設定もされていない新しい基板あるいは古いデータが書き込まれたり、設定がされている場合には、全て消去されている基板である。そして、基板着脱機構部1338およびコネクタ1405を操作して基板1401を統制局1201−Bに接続する。基板1401が接続されると、既に説明したように基板着脱機構部1338は、基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されているので、電源部1341からの電力が基板1401に供給される。また、基板着脱検出部1340は、基板1401が基板着脱機構部1338に装着されたことを検出し、システムマイコン1331に検知信号を送信する。
【0079】
この検知信号を受信したシステムマイコン1331は、先に基板1202−mの動作停止直前の動作データおよび設定データ等をバスライン1343、基板着脱機構部1338を介して基板1401のマイコン1402に送信する。従って、マイコン1402は、基板1401上に搭載されている各部品の初期化を行った後、システムマイコン1331から送信された基板1202−mの動作停止直前の動作データおよび設定データ等に基づいて基板1401の各部品に動作データの書込みやデータの設定を行う。即ち、受信機1407については、例えば、デジタル受信機の受信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定し、また、送信機1408については、デジタル送信機の送信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定する。また、基地局識別信号発生器1409については、デジタルの基地局識別信号ASmとなるように設定する。これによって新しい基板1401は、デジタルA方式の基地局Amとして正常に動作することができる。
【0080】
なお、上記実施例では、デジタルA方式の基地局Amの基板1202−mに代えて図14に示す新しい基板1401を装着することについて説明したが、例えば、アナログB方式の基地局B1の基板1203−1に代えて、先に説明した図8に示す新しい基板801を装着する場合も同様に構成できることは言うまでもない。
【0081】
次に、本発明の更に他の一実施例について図15および図16を用いて説明する。本実施例は、デジタルA方式とアナログB方式の混在したシステムにおける移動局106についても上記基地局と同様に基板を交換することで、方式変更や保守点検を容易に行うことができることを説明する。図15において、1501は、デジタルA方式送受信部基板を示す。このデジタルA方式送受信部基板1501は、マイコン1502、バスライン1503、I/F1504、共用器1505、デジタルA方式受信部1506、デジタルA方式送信部1507、デジタルA方式受信部1506からのデジタル信号をアナログ信号に変換するDAC(デジタル/アナログ変換器)1508、基地局識別信号を検出する基地局識別信号検出器1510、I/F部1504からのアナログ信号出力をデジタル信号出力に変換し、デジタルA方式送信部1507に供給するADC(アナログ/デジタル変換器)1509で構成されている。なお、図9と同じものには同じ符号が付されている。
【0082】
図15の構成の動作について説明する。図15において、システムマイコン901は、バスライン902、基板着脱機構部903−1、903−2を介して基板1501のマイコン1502および基板911−2のマイコン912−2と接続されている。そして、操作表示部905で操作された操作データは、システムマイコン901を介してマイコン1502、912−2に送信される。一方、マイコン1502、912−2は、システムマイコン901からの制御に基づいて基盤1501および基板911−2の動作を制御すると共に、必要に応じてマイコン1502、912−2のデータもシステムマイコン901に送出している。
【0083】
さて、この状態で、基板1501または基板911−2を上述したようにシステム変更あるいは保守点検の結果、例えば、基板1501を交換する必要が生じたとする。この場合、操作者は、移動局106の操作表示部905を操作してシステムマイコン901に基板1502の動作停止を指示する。動作停止を指示されたシステムマイコン901は、バスライン902を介して基板1501のマイコン1502から基板1501の動作停止直前の動作データおよび設定データ等を読取ると共に、記憶部906に記憶する。そしてマイコン1502を停止させる。ここで、動作データおよび設定データ等とは、例えば、図12でも説明したようにデジタル基地局Amから受信する周波数F1、フレーム構成T1等である。これによってシステムマイコン901は、動作停止直前の動作データおよび設定データ等を保存しているので、基板着脱機構部903−1を操作して基板1501を移動局106から切り離す。
【0084】
次に、新しい基板を基板1501に代えて装着する。これについて図16を用いて説明する。図16は、基板1501と交換される基板1601を示している。図16において、1602は、マイコン、1603は、バスライン、1604は、I/F、1605は、共用器、1606は、受信機、1607は、送信機、1608は、DAC(デジタル/アナログ変換器)、1609は、ADC(アナログ/デジタル変換器)、1610は、基地局識別信号検出器、1611は、アンテナである。この基板1601を図15に示す基板1501に代えて装着する。なお、この基板1601は、前述の場合と同様に未だ何らのデータ書込みも、設定もされていない新しい基板あるいは古いデータの書込みや設定がされている場合には、全て消去されている基板である。そして、基板着脱機構部903−1を操作して基板1601を移動局106に接続する。基板1601が接続されると、既に図9でも説明したように基板着脱機構部903−1は、基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されているので、電源部908からの電力が基板1601に供給される。また、基板着脱検出部904は、基板1601が基板着脱機構部903−1に装着されたことを検出し、システムマイコン901に検知信号を送信する。
【0085】
この検知信号を受信したシステムマイコン901は、先に基板1501の動作停止直前の動作データおよび設定データ等をバスライン902、基板着脱機構部903−1を介して基板1601のマイコン1602に送信する。従って、マイコン1602は、基板1601の各部品の初期化を行った後、システムマイコン901から送信された基板1501の動作停止直前の動作データおよび設定データ等に基づいて基板1601の各部品にデータの書き込み、データの設定を行う。即ち、受信機1606については、例えば、受信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定し、また、送信機1607については、送信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定する。これによって新しい基板1601は、デジタルA方式の基地局Amからの信号を正常に受信できるようになる。なお、アナログB方式送受信部基板を交換する場合には、前述したように図10に示す新しい基板と交換し、前述と同様に構成することができることはいうまでもない。
【0086】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された無線通信システムの実施例に限定されるものではなく、上記以外の無線通信システムのような方式の異なるシステムが混在する場合のシステムであっても容易に適応することが出来ることは、いうまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明を説明するための無線通信システムの概略構成のブロック図を示す。
【図2】図1に示す無線通信システムの統制局および基地局の概略構成のブロック図を示す。
【図3】図1に示す無線通信システムの統制局および他の基地局の概略構成のブロック図を示す。
【図4】図1に示す無線通信システムの移動局の概略構成のブロック図を示す。
【図5】従来の無線通信システムの一例の概略構成のブロック図を示す。
【図6】図1に示す無線通信システムの動作を説明するための電界強度分布を示す図である。
【図7】本発明の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図8】図7の実施例で使用する基板の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図9】本発明の他の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図10】図9の実施例で使用する基板の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図11】本発明の他の実施例を説明するための無線通信システムの概略構成のブロック図を示す。
【図12】本発明の更に他の実施例を説明するための無線通信システムの概略構成のブロック図を示す。
【図13】本発明の他の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図14】図13の実施例で使用する基板の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図15】本発明の更に一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図16】図15の実施例で使用する基板の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【符号の説明】
【0088】
101、1201:統制局、102、103:基地局、104、105、501、502、1104、1105、1204、1205:漏洩同軸ケーブル、106、1106、1206:移動局、201、210、301、310、412、422、532、806、1005、1302、1322、1406、1505、1605:共用器、202、211、302、413:アナログA方式受信部、203、212、303、414:アナログA方式送信部、204、213、304、313、508、512、809、1305、1325、1409:基地局識別信号発生器、220、321、403:制御部、221、222、305、314、415、425、521、522、1008、1510、1610:基地局指定信号検出器、223、224、523、524:切替器、225、324、404、525、536、1333:回線接続装置、226、227、325、326、405、406、526、527、1334、1335:端末装置、311、423:アナログB方式受信部、312、424:アナログB方式送信部、306、315、416、426、712、804、907、914、1004、1308、1326、1336、1337、1404、1504:I/F、322、431:カウンタ、323、432、709、906、1342:記憶部、401:アナログA方式送受信部、402:アナログB方式送受信部、411、421、531、1009:アンテナ、503:基地局A、504:基地局B、506、510、533、807、1006、1407:受信機、507、511、534、808、1007、1408:送信機、520:制御装置、701:統制局B、702、703、801、911、1001、1401、1501、1601:基板、704、901、1331:システムマイコン、705、711、803、902、913、1003、1310、1328、1343、1403、1503:バスライン、706、903、1338、1339:基板着脱機構部、707、904、1340:基板着脱検出部、708、905、1332:操作表示部、710、802、912、1002、1309、1327、1402、1502、1602:マイコン、713、805、1301、1321、1405:コネクタ、715、908、1341:電源部、1101:デジタル統制局、1102、1103、1202:デジタル基地局、1203:アナログ基地局、1207、1306、1410、1508、1608:DAC、1303、1506:デジタルA方式受信部、1304、1507:デジタルA方式送信部、1307、1411、1509、1609:ADC、1323:アナログB方式受信部、1324:アナログB方式送信部、1606:デジタル受信部、1607:デジタル送信部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特に、基板の交換を容易にする無線通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信システムにおいては、列車等の移動局(以下移動局と称する。)が複数の基地局ゾーンにまたがって通信を行う場合、各基地局から異なる基地局識別信号を送信し、移動局では、受信した基地局識別信号を基地局指定信号として返送するといった一連のシーケンスを使用することによって、移動局と基地局の接続を行う方式が一般的であった。この方式によれば、次のゾーンが空いている場合は、接続の継続が可能であり、また、移動局が存在するゾーンを占有することができるため、通信効率が良い利点がある。
【0003】
従来の無線通信システム(例えば、特許文献1参照)の一例を図5に示す。図5において、501、502は、電波の輻射および受信を行う漏洩同軸ケーブル(以下LCXケーブルと言う。)で、LCXケーブル501、502毎に異なる無線ゾーンを構成する。503は、LCXケーブル501に接続され、LCXケーブル501のLCXゾーン(LCXゾーンAと言う。)を構成する基地局Aである。この基地局503は、アンテナ共用器505、受信機Rx506、送信機Tx507、基地局識別信号発生器508をもって無線基地局を構成する。同様に、504は、LCXケーブル502に接続され、LCXケーブル502のLCXゾーン(LCXゾーンBと言う。)を構成する基地局Bである。この基地局504は、アンテナ共用器509、受信機Rx510、送信機Tx511、基地局識別信号発生器512をもって無線基地局を構成する。各基地局503、504は、異なる基地局識別信号を送信し、移動局530は、受信した基地局識別信号を基地局指定信号として返送する。また、各基地局は、制御装置520にそれぞれ接続され、移動局530から返送された基地局指定信号を制御装置520に供給する。制御装置520は、基地局指定信号検出器521および522で検出された基地局指定信号に基づいて、切替器523を切り替えて受信する基地局系統を選択する。同様にして切替器524は、送信基地局系統を選択する。回線接続装置525は、制御装置520と電話等の端末526、527に接続されている。
【0004】
一方、移動局530は、アンテナ531でLCXケーブル501、502からの電波が受信され、共用器532を経由して受信機Rx533で復調され、回線接続装置536に供給される。また、受信機Rx533からの出力のもう一方は、基地局識別信号検出器535に供給され、その結果が回線接続装置536に出力される。回線接続装置536からの送信出力は、基地局識別信号に応じて、基地局指定信号と合成して送信機Tx534、共用器532を経由してアンテナ531から送信される。
【0005】
次に、図5に示すシステムの動作について説明する。図5において、基地局A503内の基地局識別信号発生器508から発生した信号は、送信機507から送信され、共用器505を経由して、常時LCXケーブル501から送信される。同様に、基地局B504内の基地局識別信号発生器512から発生した信号は、送信機511から送信され、共用器509を経由して常時LCXケーブル502から送信される。これら識別信号は、LCXゾーンAとLCXゾーンBでは異なるものである。移動局530がLCXゾーンAを通過しているとき、移動局530のアンテナ531でLCXケーブル501からの電波を受信し、共用器532、受信機533を経由して基地局識別信号検出器535で基地局識別信号CC1が検出される。
【0006】
移動局530が送信する場合は、基地局指定信号としてLCXゾーンAを指定する信号を付加して送信することにより、LCXゾーンAの基地局A503と通信回線が接続される。移動局530がLCXゾーンAをはずれて隣接するLCXゾーンBに入った場合は、移動局530のアンテナ531でLCXゾーンBからの電波を受信することになり、基地局識別信号検出器535でLCXゾーンBの基地局B504の識別信号CC2を検出する。また、送信するときの基地局指定信号は、LCXゾーンBを指定することにより、LCXゾーンBの基地局B504と通信回線が接続される。上述したように移動局と複数の基地局の異なるゾーン間での通信が順次切替えられ通信がなされるように構成されている。なお、上記従来の例では、基地局A503と基地局B504の2つの基地局で説明したが、実際には複数の基地局が数Kmから数十Kmの間隔で設置されている。
【0007】
さて、現在使用されている列車無線システムは、空間波方式からLCXケーブル化方式となり、列車無線回線の品質向上、回線容量の増強あるいは新たなデータ回線も導入されるようになった。これらに伴い列車無線回線は、指令電話等の業務電話、公衆電話、文字ニュース等の旅客サービスにも利用が広がり、高速、高密度運転を実施する上で、乗務員や旅客への適切かつ迅速な情報を提供する上で不可欠な設備となっている。
【0008】
しかしながら最近の通信技術は、著しい発展を遂げており、列車無線システムにおいても一層の業務効率、保守機能の強化、旅客サービスの向上に答えるためにシステムのデジタル化やシステムの更新が避けられない状況にきている。更に、最近の鉄道会社では、乗客の利便性や業務拡大あるいは乗客確保等の観点から2社、3社の鉄道会社が相互に車両の乗り入れを行う場合が発生している。また、鉄道会社内でも鉄道の設備更新は、別の通信方式の採用等の場合、全線の設備更新や別の通信方式への切替を一度に行うことはコスト面で問題があり、鉄道沿線の部分的な設備更新や別の通信方式の採用等を行う場合が発生するが、いずれも設備の更新には、莫大な費用が必要となる。また、保守点検の場合にも無線システム全体の動作を停止することは、公共の列車システムでは、できるだけ避けることが要求されており、無線システムの一部分の停止のみ、あるいは、簡単な方法で設備の更新や保守点検が可能な無線通信システムの実現が望まれている。
【0009】
【特許文献1】特開2000−49683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
無線通信システムの無線設備の更新や保守点検の場合にも無線システム全体の動作を停止することなく、無線システムの一部分の停止のみ、あるいは、簡単な方法で設備の更新や保守点検が可能な無線通信システムの実現が望まれている。
【0011】
本発明の目的は、無線設備の更新や保守点検が容易に行える無線通信システムを提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、無線システム全体の動作を停止せずに無線設備の更新や保守点検のできる無線通信システムを提供することである。
【0013】
本発明の更に他の目的は、基板交換により無線設備の更新や保守点検が可能な無線通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、統制局と、上記統制局に接続される複数の基地局と、上記基地局と無線回線で接続される移動局を有する無線通信システムにおいて、上記基地局は、着脱可能な第1の基板を有し、上記第1の基板上に上記移動局と送受信する第1の送受信部と上記第1の送受信部を制御する第1のマイコンとを有し、上記統制局は、上記基地局の第1の送受信部からの信号を入力される第1の回線接続装置と、上記基地局の第1の基板を着脱可能に取付ける第1の基板着脱機構部と、上記第1の基板着脱機構部を介して上記第1のマイコンと接続される第1のシステムマイコンを有し、上記基地局の第1の基板を上記第1の基板着脱機構部から取外す場合、上記第1のシステムマイコンは、上記基地局の第1の基板を取外す直前の上記第1の送受信部のデータを上記第1のマイコンから読出し、上記第1のシステムマイコンの記憶部に記憶するように構成される。
【0015】
また、本発明の無線通信システムにおいて、上記第1の基板を上記第1の基板着脱機構部から取外し、第2の基板を上記第1の基板着脱機構部に装着した場合、上記第1のシステムマイコンは、上記第2の基板上の第2のマイコンに上記第1のマイコンから読出した上記第1の送受信部のデータを書込むように構成される。
【0016】
また、本発明は、統制局と、上記統制局に接続される複数の基地局と、上記基地局と無線回線で接続される移動局を有する無線通信システムにおいて、上記移動局は、着脱可能な第2の基板を有し、上記第2の基板上に上記基地局と送受信する第2の送受信部と上記第2の送受信部を制御する第2のマイコンとを有し、上記移動局は、上記第2の基板の第2の送受信部からの信号を入力される第2の回線接続装置と、上記第2の基板を上記移動局から着脱可能に取付ける第2の基板着脱機構部と、上記第2の基板着脱機構部を介して上記第2のマイコンと接続される第2のシステムマイコンを有し、上記移動局の第2の基板を上記第2の基板着脱機構部から取外す場合、上記第2のシステムマイコンは、上記移動局の第2の基板を取外す直前の上記第2の送受信部のデータを上記第2のマイコンから読出し、上記第2のシステムマイコンの記憶部に記憶するように構成される。
【0017】
また、本発明の無線通信システムにおいて、上記第2の基板を上記第2の基板着脱機構部から取外し、第3の基板を上記第2の基板着脱機構部に装着した場合、上記第2のシステムマイコンは、上記第3の基板上の第3のマイコンに上記第2のマイコンから読出した上記第2の送受信部のデータを書込むように構成される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、無線システムの一部分の停止のみ、あるいは、簡単な方法で設備の更新や保守点検が可能な無線通信システムを実現することができる。また、無線通信システムの無線設備の更新や保守点検の場合にも無線システム全体の動作を停止することなく、しかも基板の交換が容易に行える無線通信システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
まず、本発明を説明する前に、本発明が適応される無線通信システムについて、図1〜図4を用いて説明する。なお、ここで説明する無線通信システムは、本出願人が先に出願している特願2006−110612(出願日:平成18年4月13日)に詳細に説明している。図1は、本発明が適応される無線通信システムの概略構成のブロック図を示し、例えば、アナログA方式の無線通信システムとアナログB方式の無線通信システムを接続する場合を示している。このような接続は、例えば、A社とB社が列車を相互に乗り入れする場合等が考えられる。図1において、101−Aは、アナログA方式の統制局を表す。101−Bは、アナログA方式とアナログB方式の混在する統制局を表す。また、101−Cは、アナログB方式の統制局を表す。なお、統制局を代表する場合は、統制局101と称する。102−(m−4)、102−(m−3)、102−(m−2)、102−(m−1)、102−mは、それぞれ基地局A(m−4)、基地局A(m−3)、基地局A(m−2)、基地局A(m−1)、基地局Amを表す。なお、アナログA方式の基地局を代表する場合は、基地局A102と称する。103−1、103−2、103−3、103−4は、それぞれ基地局B1、基地局B2、基地局B3、基地局B4を表す。なお、アナログB方式の基地局を代表する場合は、基地局B103と称する。104−(m−4)、104−(m−3)、104−(m−2)、104−(m−1)、104−mは、それぞれ漏洩同軸ケーブル(以下LCXと略称する。)LCX(m−4)、LCX(m−3)、LCX(m−2)、LCX(m−1)、LCXmを表す。なお、アナログA方式のLCXを代表する場合は、LCX104と称する。105−1、105−2、105−3、105−4は、それぞれLCX1、LCX2、LCX3、LCX4を表す。なお、アナログB方式のLCXを代表する場合は、LCX105と称する。106は、列車等の移動局を表している。
【0020】
さて、上述した統制局101、基地局A102、基地局B103、LCX104およびLCX105は、それぞれ図1に示すように伝送路で接続され、また、通信ゾーン(m−4)、・・・m、1、・・・4毎に分かれて配置されている。LCX104、105は、例えば、鉄道の線路に沿って敷設され、これらLCX104、105を介して移動局106と基地局A102および基地局B103との間の通信が行われる。
【0021】
ここで、アナログA方式とアナログB方式について説明する。先に説明したように、鉄道会社が相互に車両の乗り入れを行う場合とか、また、同じ鉄道会社内でも鉄道の設備更新等により新旧のシステムが併存される場合があることを説明した。このような場合、アナログA方式は、例えば、LCXから放出される周波数がF1、通信信号伝送のためのフレーム構成がT1であるのに対して、アナログB方式とは、例えば、LCXから放出される周波数がF2、通信信号伝送のためのフレーム構成がT2である場合が考えられる。このように周波数や信号のフレーム構成が異なる通信方式は、当然のことながら相互に通信を行うことは不可能である。ここで説明する無線通信システムは、このように通信方式の異なる場合に両方の通信方式に対して送受信できる無線通信システムを実現するものである。なお、図1において、統制局A101−Aは、アナログA方式のゾーンに位置し、統制局101−Cは、アナログB方式のゾーンに位置している。しかしながら、統制局101−Bは、アナログA方式のゾーンとアナログB方式のゾーンとが混在するゾーンに位置している。そして、基地局A102−(m−4)、基地局A102−(m−3)は、統制局A101−Aのゾーンに位置し、基地局A102−(m−2)、基地局A102−(m−1)、基地局A102−m、基地局B103−1、基地局B103−2は、統制局B101−Bのゾーンに位置し、基地局B103−3、基地局B103−4は、統制局C101−Cのゾーンに位置している。
【0022】
次に、統制局101および基地局102および103について図2および図3を用いて説明する。図2は、アナログA方式のゾーンに位置する基地局A102−(m−2)と基地局A102−(m−1)および統制局101−Bの一部分を示す概略構成のブロック図である。なお、基地局A102−1〜基地局A102−(m−3)の(m−3)個の基地局Aは、全てアナログA方式のゾーンに位置するのでその構成は、全て図2に示す構成と同じであるので、基地局A102−(m−2)と基地局A102−(m−1)で代表して説明するものとする。同様に、基地局B103−2〜基地局B103−nの(n−1)個の基地局Bは、全てアナログB方式のゾーンに位置するのでその構成は、全て図2に示す構成とほぼ同じである。異なるのは、例えば、アナログA方式か、アナログB方式かの違いのみである。従って、基地局A102−(m−2)と基地局A102−(m−1)で代表して説明するものとする。ここで、説明の都合上、アナログA方式とは、本実施例では、例えば、上述したLCXから放出される周波数がF1、通信信号伝送のためのフレーム構成がT1であるような方式であり、アナログB方式とは、本実施例では、例えば、上述したLCXから放出される周波数がF2、通信信号伝送のためのフレーム構成がT2であるような方式とするが、これに限定されるものではない。また、図2に示す実施例の構成および動作は、図5に示す従来の無線通信システムとほぼ同様であるので、ここでは簡単に説明する。
【0023】
図2において、ゾーン(M−2)を構成する基地局A102−(m−2)は、アンテナ共用器201、受信機ARx202、送信機ATx203、基地局識別信号発生器204で構成されている。同様に、基地局A102−(m−1)は、アンテナ共用器210、受信機ARx211、送信機ATx212、基地局識別信号発生器213で構成されている。ここで、各基地局A102−(m−2)、102−(m−1)は、それぞれ異なる基地局識別信号、例えば、識別IDとしてAS(m−2)、AS(m−1)を送信し、移動局106は、受信した基地局識別信号を基地局指定信号として返送する。また、各基地局は、制御部220にそれぞれ接続され、移動局106から返送された基地局指定信号を制御部220に供給する。制御部220は、基地局指定信号検出器221および222で検出された基地局指定信号に基づいて、切替器223を切替えて受信する基地局系統を選択する。同様にして切替器224は、送信基地局系統を選択する。回線接続装置225は、制御部220と電話等の端末226、227に接続されている。
【0024】
図3は、統制局Bの一部分と、基地局A102−mおよび基地局B103−1の概略構成のブロック図を示す。なお、基地局A102−mと基地局B103−1とは、アナログA方式のゾーンからアナログB方式のゾーンに切替わるゾーンに位置している。図3において、基地局A102−mは、LCX104−mに接続され、LCXゾーンmを構成する基地局A102−mである。この基地局A102−mは、アンテナ共用器301、アナログA方式受信機ARx302、アナログA方式送信機ATx303、基地局識別信号ASmを発生する基地局識別信号発生器304で構成されている。また、基地局B103−1は、LCX105−1に接続され、LCX105−1のLCXゾーン1を構成する基地局B103−1である。この基地局B103−1は、アンテナ共用器310、アナログB方式受信機BRx311、アナログB方式送信機BTx312、基地局識別信号BS1を発生する基地局識別信号発生器313をもって無線基地局を構成する。従って、各基地局A102−mおよび基地局B103−1は、異なる基地局識別信号ASmおよびBS1を送信する。
【0025】
305は、基地局A102−mを介して後述する移動局106から送られてくる基地局指定信号を検出する基地局指定信号検出部である。306は、インターフェース部(I/F部)であり、このI/F部306を介して基地局A102−mは、回線接続装置324と接続される。また、314は、基地局B103−1を介して後述する移動局106から送られてくる基地局指定信号を検出する基地局指定信号検出部である。315は、インターフェース部(I/F部)であり、このI/F部315を介して基地局B103−1は、回線接続装置324と接続される。321は、制御部であり、基地局指定信号検出部305および314からの基地局指定信号が入力され、この基地局指定信号に基づいてI/F部306および315が制御される。322は、カウンタ、323は、記憶部である。また、325、326は、電話等の端末装置である。
【0026】
図4は、移動局106の概略構成のブロック図を示す。図4において、401は、アナログA方式送受信部、402は、アナログB方式送受信部、403は、制御部、404は、回線接続装置、405、406は、電話等の端末装置である。アナログA方式送受信部401は、アンテナ411、アンテナ共用器412、アナログA方式受信部413、アナログA方式送信部414、基地局識別信号を検出する基地局識別信号検出器415、I/F部416で構成されている。また、アナログB方式送受信部402は、アンテナ421、アンテナ共用器422、アナログB方式受信部423、アナログB方式送信部424、基地局識別信号を検出する基地局識別信号検出器425、I/F部426で構成されている。また、制御部403は、カウンタ431および記憶部403を有し、基地局識別信号検出器415および424からの検出信号に基づいてI/F部416および426を制御する。
【0027】
次に、図1〜4を用いてこの無線通信システムの動作を説明する。まず、移動局106は、図1に示す矢印の方向に進行しているものとする。そして、この移動局106が、基地局A102−(m−2)のゾーン(m−2)を通過している場合について図2を用いて説明する。基地局A102−(m−2)内の基地局識別信号発生器204で発生された基地局識別信号AS(m−2)は、アナログA方式送信部203から送信され、共用器201を経由して、常時LCXケーブル104−(m−2)から送信される。この時のアナログA方式は、前述のように、例えば、周波数F1、通信信号伝送のためのフレーム構成がT1であるような信号が送信される。同様に、基地局A102−(m−1)内の基地局識別信号発生器213で発生された基地局識別信号AS(m−1)は、アナログA方式送信部212から送信され、共用器210を経由して常時LCXケーブル104−(m−1)から送信される。
【0028】
而して、移動局106が基地局A102−(m−2)のゾーン(m−2)を通過していると、移動局106のアナログA方式送受信部401が基地局A102−(m−2)と信号の送受信を行う。即ち、アンテナ411がLCXケーブル104−(m−2)からの電波を受信し、共用器412、アナログA方式受信部413を経由して基地局識別信号検出器415で基地局識別信号AS(m−2)を検出する。この信号を検出すると、基地局識別信号検出器415は、制御部403に基地局識別信号AS(m−2)を供給する。制御部403では、この信号を受けると、カウンタ431で基地局A102−(m−2)をカウントし、I/F部416を回線接続装置404に接続するように制御する。なお、制御部403の動作については、後述する。
【0029】
一方、基地局識別信号AS(m−2)を検出した移動局106は、基地局A102−(m−2)を指定する信号、例えば、基地局指定信号AS(m−2)を、移動局106から送信する信号に添付して送信する。移動局106から基地局指定信号AS(m−2)を添付された信号は、回線接続装置404からI/F部416、アナログA方式送信部414、共用器412、アンテナ411からLCXケーブル104−(m−2)に送信する。基地局A102−(m−2)は、LCXケーブル104−(m−2)から移動局106からの信号を受信すると、共用器201、アナログA方式受信部202を介して基地局指定信号検出部221で、基地局指定信号AS(m−2)を検出し、切替器223、224に供給する。切替器223、224は、基地局102の切替を制御する機能を有している。なお、この例では、切替器223、224は、基地局A102−(m−2)および基地局A102−(m−1)の切替のみ示しているが、3以上の基地局がある場合には、それぞれについて切替動作をする機能を有している。図2の場合、基地局指定信号AS(m−2)を検出しているので、切替器223、224は、移動局106がゾーン(m−2)を通過中であると判断し、回線接続装置225をアナログA方式受信部202およびアナログA方式送信部203に接続する。これによって移動局106の端末装置405、406と統制局Bの端末装置226、227が通話することができる。なお、この例では、基地局識別信号AS(m−2)と基地局指定信号AS(m−2)を同じ信号としているが、基地局指定信号を基地局識別信号と異なるようにすることもできる。
【0030】
同様に、移動局106が基地局A102−(m−1)のゾーン(m−1)に進入すると、移動局106のアナログA方式送受信部401が基地局A102−(m−1)と信号の送受信を行う。即ち、アンテナ411がLCXケーブル104−(m−1)からの電波を受信し、共用器412、アナログA方式受信部413を経由して基地局識別信号検出器415で基地局識別信号AS(m−1)を検出する。この信号を検出すると、基地局識別信号検出器415は、制御部403に基地局識別信号AS(m−1)を供給する。制御部403では、この信号を受けると、カウンタ431で基地局A102−(m−1)をカウントし、I/F部416を回線接続装置404に接続するように制御する。なお、制御部403の動作については、後述する。
【0031】
一方、基地局識別信号AS(m−1)を検出した移動局106は、基地局A102−(m−1)を指定する信号、例えば、基地局指定信号AS(m−1)を、移動局106から送信する信号に添付して送信する。移動局106から基地局指定信号AS(m−1)を添付された信号は、回線接続装置404からI/F部416、アナログA方式送信部414、共用器412、アンテナ411からLCXケーブル104−(m−1)に送信する。基地局A102−(m−1)は、LCXケーブル104−(m−1)から移動局106からの信号を受信すると、共用器210、アナログA方式受信部211を介して基地局指定信号検出部222で、基地局指定信号AS(m−1)を検出し、切替器223、224に供給する。切替器223、224は、前述したように基地局102の切替を制御する機能を有している。そして、図2の場合、基地局指定信号AS(m−1)を検出しているので、切替器223、224は、移動局106がゾーン(m−1)を通過中であると判断し、回線接続装置225をアナログA方式受信部211およびアナログA方式送信部212に接続する。これによって移動局106の端末装置405、406と統制局Bの端末装置226、227が通話することができる。このようにして移動局106の進行に合わせて基地局102が順次切替えられ、移動局106と基地局102が通信できるように構成されている。
【0032】
以上の説明では、同一の通信方式、即ち、アナログA方式のゾーンを移動局106が通過している場合、上記の切替で順次基地局102が切替えられ、通信が継続される。しかしながら、通信方式が異なる場合、例えば、移動局106がアナログA方式のゾーンからアナログB方式のゾーンに侵入する場合、即ち、基地局A102―mから基地局B103−1に移動局106が移動する場合、上記のように切替を行うことができない。これは、基地局A102―mと基地局B103−1の通信方式が異なるため、移動局106のアナログA方式送受信部401は、基地局B103−1からの信号を受信できないことによる。
【0033】
この問題を解決する方法について図3、図4を用いて説明する。まず、図3および図4に示す制御部321の記憶部323および制御部403の記憶部432には、表1に示される基地局ID(または番号)とゾーン渡りカウンタNo.が記憶されている。以下、このテーブルを基地局IDテーブルと称する。
【0034】
【表1】
表1において、通信方式は、アナログA方式、アナログB方式を表し、基地局名(またはID)は、図1に示す各基地局102および103を表す。ゾーン渡りカウンタNo.は、移動局106が所定の基地局のゾーンから次の基地局のゾーンへ移るときに各制御部321のカウンタ322および制御部403のカウンタ431のカウント番号をカウントする、所謂、ゾーン渡りカウンタNo.を表している。
【0035】
さて、先に説明したように移動局106が基地局A102−(m−1)を通過中の場合、基地局指定信号AS(m−1)が切替器223および224に供給されることを説明した。これら切替器223および224の基地局指定信号AS(m−1)は、制御部321にも供給される(図示せず。)。従って、各制御部321および403では、それぞれの記憶部323および432に記憶されている表1に示される基地局IDテーブルを参照することにより移動局106がどの基地局の通信ゾーンを通過中であるかが分かる。
【0036】
次に、移動局106が基地局A102−mのゾーンmから基地局B103−1のゾーン1に移動する場合について説明する。まず、基地局A102−m内の基地局識別信号発生器303で発生された基地局識別信号ASmは、アナログA方式送信部303から送信され、共用器301を経由して、常時LCXケーブル104−mから送信される。一方、基地局B103−1内の基地局識別信号発生器313で発生された基地局識別信号BS1は、アナログB方式送信部312から送信され、共用器310を経由して常時LCXケーブル105−1から送信される。
【0037】
而して、移動局106が基地局A102−mのゾーンmを通過している間、移動局106のアナログA方式送受信部401が基地局A102−mと信号の送受信を行う。即ち、アンテナ411がLCXケーブル104−mからの電波を受信し、共用器412、アナログA方式受信部413を経由して基地局識別信号検出器415で基地局識別信号ASmを検出する。この信号を検出すると、基地局識別信号検出器415は、制御部403に基地局識別信号ASmを供給する。制御部403では、この信号を受けると、表1に示す基地局IDテーブルに基づいてカウンタ431は、ゾーン渡りカウンタNo.を1つインクリメントし、“19”とする。ここで、mは、例えば、20とする。即ち、アナログA方式の基地局が20基地局あるとした場合である。そして、ゾーン渡りカウンタNo.19は、まだ、アナログA方式の基地局であることが分かる。従って、制御部403は、I/F部416を回線接続装置404に接続するように制御する。
【0038】
一方、基地局識別信号ASmを検出した移動局106は、基地局A102−mを指定する信号、例えば、基地局指定信号ASmを、移動局106から送信する信号に添付して送信する。移動局106から基地局指定信号ASmを添付された信号は、回線接続装置404からI/F部416、アナログA方式送信部414、共用器412、アンテナ411からLCXケーブル104−mに送信する。基地局A102−mは、LCXケーブル104−mから移動局106からの信号を受信すると、共用器301、アナログA方式受信部302を介して基地局指定信号検出部305で、基地局指定信号ASmを検出する。検出された基地局指定信号ASmは、制御部321に供給される。制御部321では、この信号を受けると、表1に示す基地局IDテーブルに基づいてカウンタ322は、ゾーン渡りカウンタNo.を1つインクリメントし、“19”とする。
【0039】
制御部321では、記憶部323に記憶されている表1に示す基地局IDテーブルから、まだ、基地局A102−mを通過中であることが分かるので、制御部321は、I/F部306を制御して、回線接続装置324を基地局102−mに接続する。これによって移動局106の端末装置405、406と統制局101−Bの端末装置325、326が通話することができる。
【0040】
次に、移動局106が、更に、走行し、基地局B103−1のゾーン1に入ったとすると、移動局106のアナログA方式送受信部401は、アナログB方式の基地局B103−1と接続されているLCXケーブル105−1からの信号を受信できない。しかしながら、移動局106のアナログB方式送受信部402は、アナログB方式の基地局B103−1と接続されているLCXケーブル105−1からの信号を受信することができる。
【0041】
さて、統制局101−Bの制御部321と移動局106の制御部403では、先に説明したようにゾーン渡りカウンタNo.19をカウントすると、次のゾーン渡りカウンタNo.20では、アナログA方式のゾーンからアナログB方式のゾーンに切替わることが前もって記憶部323および403に記憶されているので、移動局106の進行する所定の時点で制御部101−Bの制御部321は、I/F部306をOFFし、I/F部315をONし、回線制御装置324をアナログB方式の基地局103−1に接続する。同様に、移動局106の制御部403は、I/F部416をOFFし、I/F部426をONし、回線接続装置404をアナログB方式送受信部402に接続する。同時に、制御部321および403のカウンタ322および431を1つインクリメントして、ゾーン渡りカウンタNo.を“20”とする。
【0042】
その結果、基地局B103−1内の基地局識別信号発生器312で発生された基地局識別信号BS1は、アナログB方式送信部312から送信され、共用器310を経由して、LCXケーブル105−1から送信される。
【0043】
従って、移動局106のアナログB方式送受信部402が基地局B103−1と信号の送受信を行う。即ち、アンテナ421がLCXケーブル105−1からの電波を受信し、共用器422、アナログB方式受信部423を経由して基地局識別信号検出器425で基地局識別信号BS1を検出する。この信号を検出すると、基地局識別信号検出器425は、制御部403に基地局識別信号BS1を供給する。これによって回線接続装置404は、送信信号に基地局指定信号BS1を添付してI/F部426、アナログB方式送信部424、共用器422、アンテナ421からLCXケーブル105−1に送信する。基地局B103−1では、移動局106からの信号を共用器310、アナログB方式受信部311、基地局指定信号検出器314に供給する。基地局指定信号検出器314では、移動局106から送信された基地局指定信号BS1を検出し、制御部321に供給する。制御部321では、基地局指定信号BS1に基づき、カウンタ322を1つインクリメントして、ゾーン渡りカウンタNo.を20とする。更に、移動局106が順次基地局103を通過するに従って、前述したアナログB方式の基地局103と順次切替わることは、アナログA方式の基地局102で説明した場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0044】
次に、先の説明で移動局106の進行に従って基地局を順次切替える方法について説明する。まず、アナログA方式のゾーンに位置する基地局A102−1〜基地局A102−(m−1)の切替について図6を用いて説明する。各基地局ゾーンの境界でのLCXケーブルは、図6に示されるようになっている。図6において、横軸は、距離を、縦軸は、LCXケーブルから漏洩される電波の電界強度Eを示している。また、601は、LCXケーブル1からの漏洩電波の電界強度曲線、602は、LCXケーブル2からの漏洩電波の電界強度曲線を示している。そして、Lは、LCXケーブルの間隙を示し、約1mから数mの長さである。この図6から明らかなようにLCXケーブル1と2の間隙部分Lでは、電界強度が減少し、基地局ゾーンが変わることを示している。即ち、基地局指定信号が変わることに相当する。
【0045】
これについて基地局A102−(m−2)と基地局A102−(m−1)を例にして説明する。移動局106が基地局A102−(m−2)のゾーン(m−2)を移動している場合、移動局106のアナログA方式送受信部401のアナログA方式受信部413は、基地局A102−(m−2)のLCXケーブル104−(m−2)(図6に示すLCX1に相当する。)から十分なレベルの電波が受信され、これによって基地局A102−(m−2)と通信が行われている。移動局106のアンテナ411が次第にLCXケーブル1と2の間隙部分Lに近づくと、アナログA方式受信部413で受信できる漏洩電波の電界強度が電界強度曲線601で示されるように次第に減少し、遂に、閾値Eth以下に減少する。この情報は、アナログA方式受信部413から制御部403に供給される。なお、この例では、電界強度は、例えば、アンテナ411から入力されるアナログA方式受信部413のRF増幅部(図示せず。)の利得を検出することで計測することができる。以下の説明でも同様である。
【0046】
一方、移動局106のアナログA方式送受信部401のアナログA方式受信部413には、基地局A102−(m−1)のLCXケーブル104−(m−1)(図6に示すLCX2に相当する。)からの信号が受信され始め、移動局106の進行に従って、アナログA方式受信部413で受信できる漏洩電波の電界強度が電界強度曲線602で示されるように次第に増加し、遂に、閾値Eth以上に増加する。この情報は、アナログA方式受信部413から制御部403に供給される。従って、制御部403では、LCXケーブル104−(m−2)からの電界強度が閾値Eth以下に減少する時点(またはLCXケーブル104−(m−1)からの電界強度が閾値Eth以上に増加する時点)で、カウンタ431を1つインクリメントして、ゾーン渡りカウンタNo.を“19”とする。なお、このようにカウンタ431を1つインクリメントして、ゾーン渡りカウンタNo.を1づつ増加する方法は、他の基地局ゾーンを変更する場合も同様である。また、閾値Ethは、前もって実験的に定めておくことができる。
【0047】
次に、基地局A102−mと基地局B103−1のゾーン切替について説明する。この場合のゾーン切替は、アナログA方式の通信方式からアナログB方式の通信方式に切替が必要である。まず、移動局106が基地局A102−mのゾーンmを移動している場合、移動局106のアナログA方式送受信部401のアナログA方式受信部413は、基地局A102−mのLCXケーブル104−m(図6に示すLCX1に相当する。)から十分なレベルの電波が受信され、これによって基地局A102−mと通信が行われている。移動局106のアンテナ411が次第にLCXケーブル1と2の間隙部分Lに近づくと、アナログA方式受信部413で受信できる漏洩電波の電界強度が電界強度曲線601で示されるように次第に減少し、遂に、閾値Eth以下に減少する。この情報は、アナログA方式受信部413から制御部403に供給される。更に、移動局106が進行すると、遂には、アナログA方式受信部413では、基地局A102−mの信号を受信できなくなる。勿論、アナログA方式受信部413は、通信方式の異なるアナログB方式の基地局B103−1との通信はできない。
【0048】
従って、この例では、アナログA方式の通信方式からアナログB方式の通信方式に切替えるタイミングを表2に示す条件に設定している。
【0049】
【表2】
即ち、表2に示すようにアナログA方式受信部413で受信できる漏洩電波の電界強度E(図6の電界強度曲線601で示される電界強度)が次第に減少し、閾値Eth以下(E≦Eth)となった場合、制御部403は、記憶部432に記憶されているゾーン渡りカウンタNo.を参照し、その時点で、ゾーン渡りカウンタNo.が“19”であれば、制御部403は、I/F部416をOFFし、I/F部426をONする。これによってアナログB方式送受信部402が回線接続装置404に接続される。その結果、移動局106のアナログB方式送受信部402のアナログA方式受信部423には、基地局B103−1のLCXケーブル105−1(図6のLCX2に相当する。)からの信号が受信され始め、移動局106の進行に従って、アナログB方式受信部423で受信できる漏洩電波の電界強度が電界強度曲線602で示されるように次第に増加する。これによって移動局106のアナログB方式送受信部402は、アナログB方式の基地局B103−1と通信を行うことができる。
【0050】
さて、上述したようにアナログA方式の無線通信システムにアナログB方式の無線通信システムを接続するには、統制局101の構成あるいは基地局103の構成を変更することが必要であり、そのためには多大な工事期間と費用が必要になる。しかしながら列車等の公共機関に使用されている無線通信システムでは、長期間のシステムの停止できないという問題がある。同様にアナログ方式にデジタル方式を採用する場合もこのような問題が発生する。更に、システムの保守、点検あるいは不良部分の交換という場合についても同じような問題が発生する。
【0051】
本発明は、これらの問題を解決するための方法を提供するものであって、以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。図7は、本発明の一実施例の概略構成のブロック図を示し、図1に示す統制局B、基地局AmおよびB1の具体的な構成を示している。なお、図3と同じものには同じ符号が付されている。図7において、701は、統制局Bを示す。702−mおよび703−1は、それぞれ基地局Amおよび基地局B1を示し、そして基地局702−mおよび基地局703−1は、それぞれ回路等の部品が実装された実装基板を示している。なお、各実装基板は、1個の実装基板で構成される場合もあれば、規模に応じて複数の実装基板で構成することもできるが、本実施例では、1個の実装基板で説明する。以下の実施例についても同様である。また、本実施例では、統制局Bおよび基地局702−mおよび基地局703−1について説明しているが、他の統制局および他の基地局についても同様であるので、説明は省略する。
【0052】
704は、システムマイコンであり、統制局Bおよび基地局Amの基板702−mおよび基地局B1の基板703−1を制御する。なお、システムマイコン704は、図3で示される制御部321の機能を内蔵している。705は、各種信号が伝送される、例えば、バスラインであり、このバスライン705には、I/F306、315が接続されている。なお、バスライン705は、LAN(Local Area Network)等の伝送路で構成することもできる。
【0053】
706−1、706−2は、基板着脱機構部、707は、基板着脱検出部である。この基板着脱検出部707は、基板着脱機構部706−1、706−2より基板702−m、703−1の着脱状態を検出し、この検出信号をシステムマイコン704に送出する。715は、電源部であり、この電源部715からの供給電源は、基板着脱機構部706−1、706−2を介して基板702−m、703−1に電源を供給する。なお、基板着脱機構部706−1、706−2の電源の着脱は、電源ON状態で基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されており、基板702−m、703−1の着脱時に電源部715の電源をON/OFFする必要がない特徴がある。もっともシステムマイコン704で基板702−m、703−1の着脱時に電源部715をON/OFFすることもできる。708は、操作表示部、709は、記憶部である。
【0054】
710−1、710−2は、マイコンを示し、それぞれ基板702−m、703−1を制御している。711−1、711−2は、マイコン710−1、710−2にそれぞれ接続されたバスラインであり、712−1、712−2は、I/Fである。713−1、713−2は、コネクタを示し、例えば、図3に示すLCXケーブル104−m、105−1と着脱可能に構成されたコネクタである。
【0055】
次に、図7の構成の動作について説明する。図7において、システムマイコン704は、バスライン705、基板着脱機構部706−1、706−2を介して基板702−mのマイコン710−1および基板703−1のマイコン710−2と接続されている。そして、操作表示部708で操作された操作データは、システムマイコン704を介してマイコン710−1、710−2に送信される。一方、マイコン710−1、710−2は、システムマイコン704からの制御に基づいて基盤702−mおよび基板703−1の動作を制御すると共に、必要に応じてマイコン710−1、710−2のデータもシステムマイコン704に送出している。
【0056】
さて、この状態で、基板702−mまたは基板703−1を上述したようにシステム変更あるいは保守点検の結果、例えば、基板703−1を交換する必要が生じたとする。この場合、操作者は、統制局B701の操作表示部708を操作してシステムマイコン704に基板703−1の動作停止を指示する。動作停止を指示されたシステムマイコン704は、バスライン705を介して基板703−1のマイコン710−2から基板703−1の動作停止直前の動作データおよび設定データ等を読取ると共に、記憶部709に記憶する。そしてマイコン710−2を停止させる。ここで、動作データおよび設定データ等とは、例えば、図3でも説明したように基地局B1の受信する周波数がF2、フレーム構成がT2および基地局識別信号BS1等である。これによってシステムマイコン704は、動作停止直前の動作データおよび設定データ等を保存しているので、基板着脱機構部706−2を操作して基板703−1を統制局B701から切り離す。同時にコネクタ713−2をLCXケーブル105−1がら切り離す。
【0057】
次に、新しい基板を基板703−1に代えて装着する。これについて図8を用いて説明する。図8は、基板703−1と交換される基板801を示している。図8において、802は、マイコン、803は、バスライン、804は、I/F、805は、コネクタ、806は、共用器、807は、受信機、808は、送信機、809は、基地局識別信号発生器である。この基板801を図7に示す基板703−1に代えて装着する。なお、この基板801は、未だ何らのデータも、設定もされていない新しい基板あるいは古いデータや設定がされている場合には、全て消去されている基板である。そして、基板着脱機構部706−2およびコネクタ805を操作して基板801を統制局B701に接続する。基板801が接続されると、既に説明したように基板着脱機構部706−2は、基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されているので、電源部708からの電力が基板801に供給される。また、基板着脱検出部707は、基板801が基板着脱機構部706−2に装着されたことを検出し、システムマイコン704に検知信号を送信する。
【0058】
この検知信号を受信したシステムマイコン704は、先に基板703−1の動作停止直前の動作データおよび設定データ等をバスライン705、基板着脱機構部706−2を介して基板801のマイコン802に送信する。従って、マイコン802は、基板801上に搭載された各部品の初期化を行った後、システムマイコン704から送信された基板703−1の動作停止直前の動作データおよび設定データ等に基づいて基板801の各部品の設定を行う。即ち、受信機807については、例えば、受信する周波数をF2、フレーム構成をT2に設定し、また、送信機808については、送信する周波数をF2、フレーム構成をT2に設定する。また、基地局識別信号発生器809については、基地局識別信号BS1となるように設定する。これによって新しい基板801は、アナログB方式の基地局B1として正常に動作することができる。
【0059】
なお、上記実施例では、アナログB方式の基地局B1の基板703−1に代えて図8に示す新しい基板801を装着し、システムマイコン704から送信された基板703−1の動作停止直前の動作データおよび設定データ等に基づいて基板801上に搭載された各部品の設定を行い、アナログB方式の基地局B1の基板801として動作する場合について説明したが、例えば、アナログA方式の基地局Amの基板702−mを図8に示す基板801に交換する場合は、例えば、アナログA方式の基地局Amの基板702−mが停止する直前の動作データおよび設定データ等をマイコン710−1からシステムマイコン704に読出し、記憶部709に記憶する。その後、基板702−mを新しい基板801に交換し、その後、基板702−mが停止する直前の動作データおよび設定データ等に基づいて、受信機807については、例えば、受信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定し、また、送信機808については、送信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定する。また、基地局識別信号発生器809については、基地局識別信号ASmとなるように設定する。これによって新しい基板801は、アナログA方式の基地局Amとして正常に動作させることができる。なお、他の基地局の基板についても同様であるので詳細な説明は省略する。
【0060】
次に、移動局106についても上記基地局と同様に基板を交換することで、方式変更や保守点検を容易に行うことができる。以下、これについて図9を用いて説明する。図9は、移動局の一実施例の概略構成のブロック図を示す。図9において、901は、システムマイコンであり、図4の制御部403を内在している。902は、バスライン、903−1、903−2は、基板着脱機構、904は、基板着脱検出部、905は、操作表示部、906は、記憶部、907は、I/F、908は、電源部である。また、911−1は、例えば、アナログA方式送受信部基板、911−2は、アナログB方式送受信部基板を示している。912−1、912−2は、マイコン、913−1、913−2は、バスライン、914−1、914−2は、I/Fである。なお、図4と同じものには同じ符号が付されている。
【0061】
次に、図9の構成の動作について説明する。図9において、システムマイコン901は、バスライン902、基板着脱機構部903−1、903−2を介して基板911−1のマイコン912−1および基板911−2のマイコン912−2と接続されている。そして、操作表示部905で操作された操作データは、システムマイコン901を介してマイコン912−1、912−2に送信される。一方、マイコン912−1、912−2は、システムマイコン901からの制御に基づいて基盤911−1および基板911−2の動作を制御すると共に、必要に応じてマイコン912−1、912−2のデータもシステムマイコン901に送出している。
【0062】
さて、この状態で、基板911−1または基板911−2を上述したようにシステム変更あるいは保守点検の結果、例えば、基板911−2を交換する必要が生じたとする。この場合、操作者は、移動局106の操作表示部905を操作してシステムマイコン901に基板911−2の動作停止を指示する。動作停止を指示されたシステムマイコン901は、バスライン902を介して基板911−2のマイコン912−2から基板911−2の動作停止直前の動作データおよび設定データ等を読取ると共に、記憶部906に記憶する。そしてマイコン912−2を停止させる。ここで、動作データおよび設定データ等とは、例えば、図3でも説明したように基地局B1から受信する周波数F2、フレーム構成T2等である。これによってシステムマイコン901は、動作停止直前の動作データおよび設定データ等を保存しているので、基板着脱機構部903−2を操作して基板911−2を移動局106から切り離す。なお、アンテナ421は、図示していないが着脱可能に構成されることはいうまでもない。以下の実施例でも同様である。
【0063】
次に、新しい基板を基板911−2に代えて装着する。これについて図10を用いて説明する。図10は、基板911−2と交換される基板1001を示している。図10において、1002は、マイコン、1003は、バスライン、1004は、I/F、1005は、共用器、1006は、受信機、1007は、送信機、1008は、基地局識別信号検出器、1009は、アンテナである。この基板1001を図9に示す基板912−2に代えて装着する。なお、この基板1001は、未だ何らのデータも、設定もされていない新しい基板あるいは古いデータや設定がされている場合には、全て消去されている基板である。そして、基板着脱機構部903−2を操作して基板1001を移動局106に接続する。基板1001が接続されると、既に図7でも説明したように基板着脱機構部903−2は、基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されているので、電源部908からの電力が基板1001に供給される。また、基板着脱検出部904は、基板1001が基板着脱機構部903−2に装着されたことを検出し、システムマイコン901に検知信号を送信する。
【0064】
この検知信号を受信したシステムマイコン901は、先に基板911−2の動作停止直前の動作データおよび設定データ等をバスライン902、基板着脱機構部903−2を介して基板1001のマイコン1002に送信する。従って、マイコン1002は、基板1001上に搭載された各部品の初期化を行った後、システムマイコン901から送信された基板911−2の動作停止直前の動作データおよび設定データ等に基づいて基板1001の各部品の設定を行う。即ち、受信機1006については、例えば、受信する周波数をF2、フレーム構成をT2に設定し、また、送信機1007については、送信する周波数をF2、フレーム構成をT2に設定する。これによって新しい基板1001は、アナログB方式の基地局からの信号を正常に受信できるようになる。
【0065】
図11は、本発明の他の一実施例を説明するための無線通信システムの概略構成のブロック図を示す。図11に示す例では、全てデジタル方式であるが、デジタルA方式とデジタルB方式が混在する場合を示している。図11において、1101−Aは、デジタルA方式の統制局を表す。1101−Bは、デジタルA方式とデジタルB方式の混在する統制局を表す。また、1101−Cは、デジタルB方式の統制局を表す。なお、デジタル統制局を代表する場合は、デジタル統制局1101と称する。1102−(m−4)、1102−(m−3)、1102−(m−2)、1102−(m−1)、1102−mは、それぞれデジタル基地局A(m−4)、デジタル基地局A(m−3)、デジタル基地局A(m−2)、デジタル基地局A(m−1)、デジタル基地局Amを表す。なお、デジタルA方式の基地局を代表する場合は、デジタル基地局A702と称する。1103−1、1103−2、1103−3、1103−4は、それぞれデジタル基地局B1、デジタル基地局B2、デジタル基地局B3、デジタル基地局B4を表す。なお、デジタルB方式の基地局を代表する場合は、デジタル基地局B1103と称する。1104−(m−4)、1104−(m−3)、1104−(m−2)、1104−(m−1)、1104−mは、それぞれLCX(m−4)、LCX(m−3)、LCX(m−2)、LCX(m−1)、LCXmを表す。なお、LCXを代表する場合は、LCX1104と称する。1105−1、1105−2、1105−3、1105−4は、それぞれLCX1、LCX2、LCX3、LCX4を表す。なお、LCXを代表する場合は、LCX1105と称する。1106は、列車等の移動局を表している。
【0066】
さて、上述したデジタル統制局1101、デジタル基地局A1102、デジタル基地局B1103、LCX1104およびLCX1105は、それぞれ図11に示すように伝送路で接続され、また、通信ゾーン(m−4)、(m−3)、(m−2)、(m−1)、m、1、2、3、4毎に分かれて配置されている。1104、1105は、例えば、鉄道の線路に沿って敷設され、これらLCX1104、1105を介して移動局1106とデジタル基地局A1102およびデジタル基地局B1103との間の通信が行われる。
【0067】
さて、図11に示されるデジタル方式の無線通信システムは、図1に示されるアナログ方式の無線通信システムとほぼ同じである。即ち、デジタル方式の無線通信システムは、回路構成が全てデジタル回路で構成され、伝送される信号もデジタル信号である点を除けば、アナログ方式の無線通信システムと同じである。また、移動局1106も全てデジタル回路で構成され、図4に示されるアナログ方式の移動局と実質的に同じである。即ち、アナログA方式送受信部がデジタルA方式送受信部に、また、アナログB方式送受信部がデジタルB方式送受信部に変更になる程度であるので、デジタル方式の移動局の構成については、説明を省略する。また、デジタル方式の無線通信システムの動作についてもアナログ方式と類似している。従って、先に図7〜図10で説明した本発明の基板着脱方式の技術を回路構成をデジタル方式に変えるだけで適応することができるので、詳細な説明は省略する。
【0068】
図12は、本発明の更に他の一実施例を説明するための無線通信システムの概略構成のブロック図を示す。図12に示す例では、デジタル方式とアナログ方式が混在する場合を示している。図12において、1201−Aは、デジタルA方式の統制局を表し、図11に示すデジタルA方式の統制局1101−Aと同じである。1201−Bは、デジタルA方式とアナログB方式の混在する統制局を表す。これについては後述する。また、1201−Cは、アナログB方式の統制局を表し、図1に示すアナログB方式の統制局101−Cと同じである。1202−(m−4)、1202−(m−3)、1202−(m−2)、1202−(m−1)、1202−mは、デジタルA方式の基地局を表し、図11に示すデジタル基地局A1102−(m−4)、デジタル基地局A1102−(m−3)、デジタル基地局A1102−(m−2)、デジタル基地局A1102−(m−1)、デジタル基地局A1102−mに対応する。なお、デジタル基地局を代表する場合は、デジタル基地局A1202と称する。また、1203−1、1203−2、1203−3、1203−4は、それぞれアナログ基地局Bを表し、図1に示すアナログ基地局B103−1、アナログ基地局B103−2、アナログ基地局B103−3、アナログ基地局B103−4に対応する。なお、アナログ基地局を代表する場合は、アナログ基地局B1203と称する。
【0069】
また、1204−(m−4)、1204−(m−3)、1204−(m−2)、1204−(m−1)、1204−mは、それぞれ漏洩同軸ケーブルLCX(m−4)、LCX(m−3)、LCX(m−2)、LCX(m−1)、LCXmを表し、図11に示す漏洩同軸ケーブルLCX1104―(m−4)、LCX1104―(m−3)、LCX1104―(m−2)、LCX1104―(m−1)、LCX1104―mに対応する。1205−1、1205−2、1205−3、1205−4は、それぞれLCX1、LCX2、LCX3、LCX4を表し、図1に示すLCX105−1、LCX105−2、LCX105−3、LCX105−4に対応する。1206は、移動局である。
【0070】
さて、上述したデジタル統制局1201―A、統制局1201−B、アナログ統制局1201−C、デジタル基地局A1202、アナログ基地局B1203、LCX1204およびLCX1205は、それぞれ図12に示すように伝送路で接続され、また、通信ゾーン毎に分かれて配置されている。LCX1204、1205は、例えば、鉄道の線路に沿って敷設され、これらLCX1204、1205を介して移動局1206とデジタル基地局A1202およびアナログ基地局B1203との間の通信が行われる。
【0071】
図13は、本発明の他の一実施例の概略構成のブロック図を示し、統制局1201−Bの一部分と、デジタル基地局A1202−mおよびアナログ基地局B1203−1の概略構成のブロック図を示す。なお、デジタル基地局A1202−mとアナログ基地局B1203−1とは、デジタルA方式のゾーンからアナログB方式のゾーンに切替わるゾーンに位置している。図13において、1201−Bは、統制局Bを示す。1202−mおよび1203−1は、それぞれ基地局Amおよび基地局B1を示し、そして基地局1202−mおよび基地局1203−1は、それぞれ回路等の部品が実装された実装基板を示している。なお、各実装基板は、1個の実装基板で構成される場合もあれば、規模に応じて複数の実装基板で構成することもできるが、本実施例では、1個の実装基板で説明する。また、本実施例では、統制局1201−Bおよび基地局Amおよび基地局B1について説明しているが、他の統制局および他の基地局についても同様であるので、説明は省略する。
【0072】
1331は、システムマイコンであり、統制局1201−Bおよび基地局Amの基板1202−mおよび基地局B1の基板1203−1を制御する。なお、システムマイコン1332は、図3で示される制御部321の機能を内蔵している。1343は、各種信号が伝送される、例えば、バスラインであり、このバスライン1343には、I/F1336、1337が接続されている。なお、バスライン1343は、LAN(Local Area Network)等の伝送路で構成することもできる。
【0073】
1338、1339は、基板着脱機構部、1340は、基板着脱検出部である。この基板着脱検出部1340は、基板着脱機構部1338、1339より基板1202−m、1203−1の着脱状態を検出し、この検出信号をシステムマイコン1331に送出する。1341は、電源部であり、この電源部1341からの供給電源は、基板着脱機構部1338、1339を介して基板1202−m、1203−1に電源を供給する。なお、基板着脱機構部1338、1339の電源の着脱は、電源ON状態で基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されており、基板1202−m、1203−1の着脱時に電源部1341の電源をON/OFFする必要がない特徴がある。もっともシステムマイコン1331で基板1202−m、1203−1の着脱時に電源部1341をON/OFFすることもできる。1333は、回線接続装置、1334、1335は、端末装置、1332は、操作表示部、1342は、記憶部である。
【0074】
デジタル基地局Amの基板1202−mには、コネクタ1301、アンテナ共用器1302、デジタルA方式受信機ARx1303、デジタルA方式送信機ATx1304、基地局識別信号ASm、例えば、mを20とすると、デジタル信号“10100”(アナログ番号20に相当するデジタル信号)を発生する基地局識別信号発生器1305が搭載されている。1306は、DAC(デジタル/アナログ変換器)であり、デジタルA方式受信機ARx1303のデジタル信号をアナログ信号に変換し、I/F1308に供給する。1307は、ADC(アナログ/デジタル変換器)であり、I/F1308からのアナログ出力信号をデジタル信号に変換し、デジタルA方式送信機ATx1304に供給する。1309は、マイコンであり、バスライン1310を介してI/F1308と接続されている。
【0075】
また、アナログ基地局B1の基板1203−1は、コネクタ1321を介してLCX1205−1に接続され、LCX1205−1のLCXゾーン1を構成するアナログ基地局B1である。このアナログ基地局B1の基板1203−1には、アンテナ共用器1322、アナログB方式受信機BRx1323、アナログB方式送信機BTx1324、基地局識別信号BS1、例えば、No.21を発生する基地局識別信号発生器1325、マイコン1327が搭載されている。マイコン1327は、バスライン1328を介してI/F1326と接続されている。
【0076】
次に、図13の構成の動作について説明する。図13において、システムマイコン1331は、バスライン1343、基板着脱機構部1338、1339を介して基板1202−mのマイコン1309および基板1203−1のマイコン1327と接続されている。そして、操作表示部1332で操作された操作データは、システムマイコン1331を介してマイコン1309、1327に送信される。一方、マイコン1309、1327は、システムマイコン1331からの制御に基づいて基盤1202−mおよび基板1203−1の動作を制御すると共に、必要に応じてマイコン1309、1327のデータもシステムマイコン1331に送出している。
【0077】
さて、この状態で、基板1202−mまたは基板1203−1を上述したようにシステム変更あるいは保守点検の結果、例えば、基板1202−mを交換する必要が生じたとする。この場合、操作者は、統制局1201−Bの操作表示部1332を操作してシステムマイコン1331に基板1202−mの動作停止を指示する。動作停止を指示されたシステムマイコン1331は、バスライン1343を介して基板1202−mのマイコン1309から基板1202−mの動作停止直前の動作データおよび設定データ等を読取ると共に、記憶部1342に記憶する。そしてマイコン1309を停止させる。ここで、動作データおよび設定データ等とは、例えば、図3でも説明したように基地局Amの受信する周波数がF1、フレーム構成がT1および基地局識別信号ASm等である。なお、基板1202−mでは、これらの動作データおよび設定データ等は、デジタルデータである。これによってシステムマイコン1331は、動作停止直前の動作データおよび設定データ等を保存しているので、基板着脱機構部1338を操作して基板1202−mを統制局1201−Bから切り離す。同時にコネクタ1301をLCXケーブル1204−mがら切り離す。
【0078】
次に、新しい基板を基板1202−mに代えて装着する。これについて図14を用いて説明する。図14は、基板1202−mと交換される基板1401を示している。図14において、1402は、マイコン、1403は、バスライン、1404は、I/F、1405は、コネクタ、1406は、共用器、1407は、受信機、1408は、送信機、1409は、基地局識別信号発生器、1410は、DAC、1411は、ADCである。この基板1401を図13に示す基板1202−mに代えて装着する。なお、この基板1401は、未だ何らのデータも、設定もされていない新しい基板あるいは古いデータが書き込まれたり、設定がされている場合には、全て消去されている基板である。そして、基板着脱機構部1338およびコネクタ1405を操作して基板1401を統制局1201−Bに接続する。基板1401が接続されると、既に説明したように基板着脱機構部1338は、基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されているので、電源部1341からの電力が基板1401に供給される。また、基板着脱検出部1340は、基板1401が基板着脱機構部1338に装着されたことを検出し、システムマイコン1331に検知信号を送信する。
【0079】
この検知信号を受信したシステムマイコン1331は、先に基板1202−mの動作停止直前の動作データおよび設定データ等をバスライン1343、基板着脱機構部1338を介して基板1401のマイコン1402に送信する。従って、マイコン1402は、基板1401上に搭載されている各部品の初期化を行った後、システムマイコン1331から送信された基板1202−mの動作停止直前の動作データおよび設定データ等に基づいて基板1401の各部品に動作データの書込みやデータの設定を行う。即ち、受信機1407については、例えば、デジタル受信機の受信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定し、また、送信機1408については、デジタル送信機の送信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定する。また、基地局識別信号発生器1409については、デジタルの基地局識別信号ASmとなるように設定する。これによって新しい基板1401は、デジタルA方式の基地局Amとして正常に動作することができる。
【0080】
なお、上記実施例では、デジタルA方式の基地局Amの基板1202−mに代えて図14に示す新しい基板1401を装着することについて説明したが、例えば、アナログB方式の基地局B1の基板1203−1に代えて、先に説明した図8に示す新しい基板801を装着する場合も同様に構成できることは言うまでもない。
【0081】
次に、本発明の更に他の一実施例について図15および図16を用いて説明する。本実施例は、デジタルA方式とアナログB方式の混在したシステムにおける移動局106についても上記基地局と同様に基板を交換することで、方式変更や保守点検を容易に行うことができることを説明する。図15において、1501は、デジタルA方式送受信部基板を示す。このデジタルA方式送受信部基板1501は、マイコン1502、バスライン1503、I/F1504、共用器1505、デジタルA方式受信部1506、デジタルA方式送信部1507、デジタルA方式受信部1506からのデジタル信号をアナログ信号に変換するDAC(デジタル/アナログ変換器)1508、基地局識別信号を検出する基地局識別信号検出器1510、I/F部1504からのアナログ信号出力をデジタル信号出力に変換し、デジタルA方式送信部1507に供給するADC(アナログ/デジタル変換器)1509で構成されている。なお、図9と同じものには同じ符号が付されている。
【0082】
図15の構成の動作について説明する。図15において、システムマイコン901は、バスライン902、基板着脱機構部903−1、903−2を介して基板1501のマイコン1502および基板911−2のマイコン912−2と接続されている。そして、操作表示部905で操作された操作データは、システムマイコン901を介してマイコン1502、912−2に送信される。一方、マイコン1502、912−2は、システムマイコン901からの制御に基づいて基盤1501および基板911−2の動作を制御すると共に、必要に応じてマイコン1502、912−2のデータもシステムマイコン901に送出している。
【0083】
さて、この状態で、基板1501または基板911−2を上述したようにシステム変更あるいは保守点検の結果、例えば、基板1501を交換する必要が生じたとする。この場合、操作者は、移動局106の操作表示部905を操作してシステムマイコン901に基板1502の動作停止を指示する。動作停止を指示されたシステムマイコン901は、バスライン902を介して基板1501のマイコン1502から基板1501の動作停止直前の動作データおよび設定データ等を読取ると共に、記憶部906に記憶する。そしてマイコン1502を停止させる。ここで、動作データおよび設定データ等とは、例えば、図12でも説明したようにデジタル基地局Amから受信する周波数F1、フレーム構成T1等である。これによってシステムマイコン901は、動作停止直前の動作データおよび設定データ等を保存しているので、基板着脱機構部903−1を操作して基板1501を移動局106から切り離す。
【0084】
次に、新しい基板を基板1501に代えて装着する。これについて図16を用いて説明する。図16は、基板1501と交換される基板1601を示している。図16において、1602は、マイコン、1603は、バスライン、1604は、I/F、1605は、共用器、1606は、受信機、1607は、送信機、1608は、DAC(デジタル/アナログ変換器)、1609は、ADC(アナログ/デジタル変換器)、1610は、基地局識別信号検出器、1611は、アンテナである。この基板1601を図15に示す基板1501に代えて装着する。なお、この基板1601は、前述の場合と同様に未だ何らのデータ書込みも、設定もされていない新しい基板あるいは古いデータの書込みや設定がされている場合には、全て消去されている基板である。そして、基板着脱機構部903−1を操作して基板1601を移動局106に接続する。基板1601が接続されると、既に図9でも説明したように基板着脱機構部903−1は、基板の着脱可能な活栓挿抜機構で構成されているので、電源部908からの電力が基板1601に供給される。また、基板着脱検出部904は、基板1601が基板着脱機構部903−1に装着されたことを検出し、システムマイコン901に検知信号を送信する。
【0085】
この検知信号を受信したシステムマイコン901は、先に基板1501の動作停止直前の動作データおよび設定データ等をバスライン902、基板着脱機構部903−1を介して基板1601のマイコン1602に送信する。従って、マイコン1602は、基板1601の各部品の初期化を行った後、システムマイコン901から送信された基板1501の動作停止直前の動作データおよび設定データ等に基づいて基板1601の各部品にデータの書き込み、データの設定を行う。即ち、受信機1606については、例えば、受信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定し、また、送信機1607については、送信する周波数をF1、フレーム構成をT1に設定する。これによって新しい基板1601は、デジタルA方式の基地局Amからの信号を正常に受信できるようになる。なお、アナログB方式送受信部基板を交換する場合には、前述したように図10に示す新しい基板と交換し、前述と同様に構成することができることはいうまでもない。
【0086】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された無線通信システムの実施例に限定されるものではなく、上記以外の無線通信システムのような方式の異なるシステムが混在する場合のシステムであっても容易に適応することが出来ることは、いうまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明を説明するための無線通信システムの概略構成のブロック図を示す。
【図2】図1に示す無線通信システムの統制局および基地局の概略構成のブロック図を示す。
【図3】図1に示す無線通信システムの統制局および他の基地局の概略構成のブロック図を示す。
【図4】図1に示す無線通信システムの移動局の概略構成のブロック図を示す。
【図5】従来の無線通信システムの一例の概略構成のブロック図を示す。
【図6】図1に示す無線通信システムの動作を説明するための電界強度分布を示す図である。
【図7】本発明の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図8】図7の実施例で使用する基板の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図9】本発明の他の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図10】図9の実施例で使用する基板の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図11】本発明の他の実施例を説明するための無線通信システムの概略構成のブロック図を示す。
【図12】本発明の更に他の実施例を説明するための無線通信システムの概略構成のブロック図を示す。
【図13】本発明の他の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図14】図13の実施例で使用する基板の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図15】本発明の更に一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【図16】図15の実施例で使用する基板の一実施例の概略構成のブロック図を示す。
【符号の説明】
【0088】
101、1201:統制局、102、103:基地局、104、105、501、502、1104、1105、1204、1205:漏洩同軸ケーブル、106、1106、1206:移動局、201、210、301、310、412、422、532、806、1005、1302、1322、1406、1505、1605:共用器、202、211、302、413:アナログA方式受信部、203、212、303、414:アナログA方式送信部、204、213、304、313、508、512、809、1305、1325、1409:基地局識別信号発生器、220、321、403:制御部、221、222、305、314、415、425、521、522、1008、1510、1610:基地局指定信号検出器、223、224、523、524:切替器、225、324、404、525、536、1333:回線接続装置、226、227、325、326、405、406、526、527、1334、1335:端末装置、311、423:アナログB方式受信部、312、424:アナログB方式送信部、306、315、416、426、712、804、907、914、1004、1308、1326、1336、1337、1404、1504:I/F、322、431:カウンタ、323、432、709、906、1342:記憶部、401:アナログA方式送受信部、402:アナログB方式送受信部、411、421、531、1009:アンテナ、503:基地局A、504:基地局B、506、510、533、807、1006、1407:受信機、507、511、534、808、1007、1408:送信機、520:制御装置、701:統制局B、702、703、801、911、1001、1401、1501、1601:基板、704、901、1331:システムマイコン、705、711、803、902、913、1003、1310、1328、1343、1403、1503:バスライン、706、903、1338、1339:基板着脱機構部、707、904、1340:基板着脱検出部、708、905、1332:操作表示部、710、802、912、1002、1309、1327、1402、1502、1602:マイコン、713、805、1301、1321、1405:コネクタ、715、908、1341:電源部、1101:デジタル統制局、1102、1103、1202:デジタル基地局、1203:アナログ基地局、1207、1306、1410、1508、1608:DAC、1303、1506:デジタルA方式受信部、1304、1507:デジタルA方式送信部、1307、1411、1509、1609:ADC、1323:アナログB方式受信部、1324:アナログB方式送信部、1606:デジタル受信部、1607:デジタル送信部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
統制局と、上記統制局に接続される複数の基地局と、上記基地局と無線回線で接続される移動局を有する無線通信システムにおいて、上記基地局は、着脱可能な第1の基板を有し、上記第1の基板上に上記移動局と送受信する第1の送受信部と上記第1の送受信部を制御する第1のマイコンとを有し、上記統制局は、上記基地局の第1の送受信部からの信号を入力される第1の回線接続装置と、上記基地局の第1の基板を着脱可能に取付ける第1の基板着脱機構部と、上記第1の基板着脱機構部を介して上記第1のマイコンと接続される第1のシステムマイコンを有し、上記基地局の第1の基板を上記第1の基板着脱機構部から取外す場合、上記第1のシステムマイコンは、上記基地局の第1の基板を取外す直前の上記第1の送受信部のデータを上記第1のマイコンから読出し、上記第1のシステムマイコンの記憶部に記憶したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信システムにおいて、上記第1の基板を上記第1の基板着脱機構部から取外し、第2の基板を上記第1の基板着脱機構部に装着した場合、上記第1のシステムマイコンは、上記第2の基板上の第2のマイコンに上記第1のマイコンから読出した上記第1の送受信部のデータを書込むことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
統制局と、上記統制局に接続される複数の基地局と、上記基地局と無線回線で接続される移動局を有する無線通信システムにおいて、上記移動局は、着脱可能な第2の基板を有し、上記第2の基板上に上記基地局と送受信する第2の送受信部と上記第2の送受信部を制御する第2のマイコンとを有し、上記移動局は、上記第2の基板の第2の送受信部からの信号を入力される第2の回線接続装置と、上記第2の基板を上記移動局から着脱可能に取付ける第2の基板着脱機構部と、上記第2の基板着脱機構部を介して上記第2のマイコンと接続される第2のシステムマイコンを有し、上記移動局の第2の基板を上記第2の基板着脱機構部から取外す場合、上記第2のシステムマイコンは、上記移動局の第2の基板を取外す直前の上記第2の送受信部のデータを上記第2のマイコンから読出し、上記第2のシステムマイコンの記憶部に記憶したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項3記載の無線通信システムにおいて、上記第2の基板を上記第2の基板着脱機構部から取外し、第3の基板を上記第2の基板着脱機構部に装着した場合、上記第2のシステムマイコンは、上記第3の基板上の第3のマイコンに上記第2のマイコンから読出した上記第2の送受信部のデータを書込むことを特徴とする無線通信システム。
【請求項1】
統制局と、上記統制局に接続される複数の基地局と、上記基地局と無線回線で接続される移動局を有する無線通信システムにおいて、上記基地局は、着脱可能な第1の基板を有し、上記第1の基板上に上記移動局と送受信する第1の送受信部と上記第1の送受信部を制御する第1のマイコンとを有し、上記統制局は、上記基地局の第1の送受信部からの信号を入力される第1の回線接続装置と、上記基地局の第1の基板を着脱可能に取付ける第1の基板着脱機構部と、上記第1の基板着脱機構部を介して上記第1のマイコンと接続される第1のシステムマイコンを有し、上記基地局の第1の基板を上記第1の基板着脱機構部から取外す場合、上記第1のシステムマイコンは、上記基地局の第1の基板を取外す直前の上記第1の送受信部のデータを上記第1のマイコンから読出し、上記第1のシステムマイコンの記憶部に記憶したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信システムにおいて、上記第1の基板を上記第1の基板着脱機構部から取外し、第2の基板を上記第1の基板着脱機構部に装着した場合、上記第1のシステムマイコンは、上記第2の基板上の第2のマイコンに上記第1のマイコンから読出した上記第1の送受信部のデータを書込むことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
統制局と、上記統制局に接続される複数の基地局と、上記基地局と無線回線で接続される移動局を有する無線通信システムにおいて、上記移動局は、着脱可能な第2の基板を有し、上記第2の基板上に上記基地局と送受信する第2の送受信部と上記第2の送受信部を制御する第2のマイコンとを有し、上記移動局は、上記第2の基板の第2の送受信部からの信号を入力される第2の回線接続装置と、上記第2の基板を上記移動局から着脱可能に取付ける第2の基板着脱機構部と、上記第2の基板着脱機構部を介して上記第2のマイコンと接続される第2のシステムマイコンを有し、上記移動局の第2の基板を上記第2の基板着脱機構部から取外す場合、上記第2のシステムマイコンは、上記移動局の第2の基板を取外す直前の上記第2の送受信部のデータを上記第2のマイコンから読出し、上記第2のシステムマイコンの記憶部に記憶したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項3記載の無線通信システムにおいて、上記第2の基板を上記第2の基板着脱機構部から取外し、第3の基板を上記第2の基板着脱機構部に装着した場合、上記第2のシステムマイコンは、上記第3の基板上の第3のマイコンに上記第2のマイコンから読出した上記第2の送受信部のデータを書込むことを特徴とする無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−11310(P2008−11310A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180892(P2006−180892)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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