無線通信システム
【課題】無線リソースの割り当てを要求する信号又は無線リソースの選択に用いられる信号の送信を抑制する。
【解決手段】第1の無線通信装置は、無線リソースの選択に用いられる信号を第2の無線通信装置に送信し、第2の無線通信装置は、第1の無線通信装置から無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、その無線リソースの選択に用いられる信号に基づいて、割り当てる無線リソースを所定の周波数帯域内から選択し、選択した無線リソースの情報を第1の無線通信装置に送信し、第1の無線通信装置は、その無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおける制御方法において、第1の無線通信装置は、第2の無線通信装置から所定の信号を受信した場合に、その割り当てる無線リソースの選択に用いられる信号の送信を規制する制御を行う。
【解決手段】第1の無線通信装置は、無線リソースの選択に用いられる信号を第2の無線通信装置に送信し、第2の無線通信装置は、第1の無線通信装置から無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、その無線リソースの選択に用いられる信号に基づいて、割り当てる無線リソースを所定の周波数帯域内から選択し、選択した無線リソースの情報を第1の無線通信装置に送信し、第1の無線通信装置は、その無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおける制御方法において、第1の無線通信装置は、第2の無線通信装置から所定の信号を受信した場合に、その割り当てる無線リソースの選択に用いられる信号の送信を規制する制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う無線通信装置及びその制御方法に関する。本発明は、無線リソースの割り当て要求を送信し、無線リソースの割り当てを受けることでデータの送信を行う無線通信装置を含む移動通信システムに用いるのが好適である。
【背景技術】
【0002】
無線通信を通信手段として用いる通信方法は種々知られている。
【0003】
ここでは、無線通信を行う無線通信システムの例として、LTE(Long Term Evolution)について説明する。
【0004】
図1は、無線通信装置の1例としての移動局から、無線通信装置の1例としての基地局に対するデータ送信(上りリンクの送信)についての処理の流れを説明するための図である。
【0005】
基地局と通信を行う場合には、移動局はまず、他の移動局と共有する送信領域でランダムアクセス信号を送信する。基地局は、ランダムアクセス信号を受信すると、応答信号を移動局に送信して、上りリンクの同期を確立するとともに、無線リソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求信号(SR:Scheduling Request)及び割り当てを受ける可能性のある所定の周波数帯域において広帯域に送信される(広帯域)パイロット信号(SRS:Sounding Reference Signal)を送信するための無線リソースを移動局に割り当てる。尚、既にスケジューリング要求信号を送信する無線リソースを割り当てられている場合は、上記処理を省略してよい。
【0006】
さて、スケジューリング要求を送信するための無線リソースを割り当てられた移動局において、送信を希望するデータが発生(データ処理部に到着)すると、移動局は、図のように基地局に対してスケジューリング要求信号(SR)を送信する。基地局は、SRの受信により、この移動局に割り当てる上りリンクの無線リソースを決定(選択)し、選択した無線リソース(周波数等)の情報を移動局に知らせるための無線リソースの割り当て情報(UL allocation grant)を移動局に送信する。従って、移動局は、通知された無線リソースの情報によって特定される上りリソースを用いて、発生(到着)した、送信データの送信を行う。
【0007】
尚、移動局は、SRSを送信するための無線リソースも割り当てられているため、その無線リソースを用いてSRSを送信し、基地局は、SRSの受信状況を観測することで、この移動局に対して割り当てるべき無線リソースは何れの周波数部分が好適が分かるため、最も受信品質が良い周波数部分等に対応する無線リソースをこの移動局に割り当てるようにする。
【0008】
さて、移動局から上りデータが送信されると、基地局は、その受信結果情報(ACK/NACK)を送信する。ここで、ACKは、データを正常に(誤りなく)受信できたことを示し、NACKは、データを正常に(誤りなく)受信できなかったこと(誤りがあったこと)を示す。
【0009】
NACKを送信する場合は、再送のための上りリンクの無線リソースを改めて移動局に割り当てることができるし、ACKを送信する場合は、次の新規送信のための上りリンクの無線リソースを移動局に割り当てることもできる。
【0010】
従って、移動局は、ACKを受信すると、新規データを割り当てられた無線リソースを用いて送信し、NACKを受信すると、再送データを割り当てられた無線リソースを用いて送信する。
【0011】
また、上りデータを送信する際に、下りデータ受信についての受信結果情報(ACK/NACK)を、上りデータに多重して送信することもできるし、上りデータと別個に送信することもできる。
【0012】
例えば、上りデータがない場合は、上りの制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)で、受信結果情報を送信すればよく、上りデータがある場合は、無線リソースの割り当て情報(UL allocation grant)で割り当てられた、無線リソースを用いて、データと受信結果情報とを時間多重して送信すればよい。
【0013】
以上が、上りリンクの送信についての説明であるが、以下、下りリンクの送信について図2を用いて説明する。
【0014】
図2は、基地局から移動局に対するデータ送信(下りリンクの送信)についての処理の流れを説明するための図である。
【0015】
図のように、基地局は、送信すべき下りデータがあると、まず、その宛先である移動局に対して下りデータを送信するための無線リソース及び伝送フォーマットの情報(変調法式、符号化レート等)を含む制御信号(下りスケジューリング情報)を下り制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)で送信する。下り制御チャネルは複数存在するが、移動局は、各制御チャネルを受信し、自局宛の制御信号があるかどうかを判定する。例えば、移動局のID情報が含まれるかどうかによって判定を行う。自局宛の制御情報を検出すると、その制御信号に含まれる無線リソースの割り当て情報及び伝送フォーマット情報に基づいて、下りデータチャネル(PDSHC: Physical Downlink Shared Channel)を受信し、下りデータを取得する。
【0016】
そして、下りデータが正しく復号できた場合は、ACK信号、正しく復号できなかった場合は、NACK信号を基地局に送信する。基地局は、ACK信号を受信すると、次は新規データを送信し、NACK信号を受信すると、次は再送データを送信する。
【0017】
尚、移動局は、下りチャネルの伝送品質も観測しているため、観測結果をチャネル品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)として基地局に送信する。
【0018】
基地局は、CQIを受信すると、移動局において受信品質が良好となるように、無線リソースの選択、伝送フォーマットの選択等を行う。
【0019】
上記LTEに関する技術は、非特許文献1、2に詳しく説明されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】3GPP TS36.300
【非特許文献2】3GPP TS36.211
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
上述した上りリンクのデータ送信のように、一方の無線通信装置が、他方の無線通信装置に対してデータを送信するための無線リソースの割り当てを要求し、他方の無線通信装置がこれに応答して、無線リソースを割り当てる手順を踏む事で円滑な送信制御を行うことができる。
【0022】
しかし、無線リソースの割り当て要求を受信したものの、割り当てるべき無線リソースがない場合もあり得る。しかも、そのような期間が継続することもありえる。
【0023】
このような場合、一方の無線通信装置は、無線リソースの割り当てを要求する信号を送信しても、無線リソースを割り当てられない(基地局から応答のないサイレント状態となる)ため、再び無線リソースの割り当てを要求する信号を送信してしまい、トラフィックを無駄に圧迫したり、移動局の電池の消耗、無駄に干渉増大を招いてしまったりする。
【0024】
先に説明したLTEにおいてもこのような事態が発生し得る。
【0025】
図3はLTEにおける上りリンクのリソース割り当てとデータ送信の流れを示す。この例では、移動局はSRSを定期的に送信し、上りデータパケットの発生(到着)によりSRを送信しているが、基地局は無線リソースを割り当てられず、サイレント状態となっている。従って、移動局は、SRSの周期送信を繰返すとともに、SRを繰返し送信し、やっと、3つ目のSRが基地局において受信される。そして、基地局は、バッファ状態報告(BSR: Buffer Status Report)信号を送信するための上り無線リソースを移動局に割り当てている。
【0026】
基地局は、BSRによって示されるデータ量に応じて、上りデータ送信用として割り当てる上り無線リソースの周波数帯域の幅を調整し、割り当てた無線リソースを移動局に通知し、移動局は、割り当てられた無線リソースを用いてデータを送信している。
【0027】
このように、LTEでも、無線リソースを割り当てられないため、再び無線リソースの割り当てを要求する信号を送信してしまうことが発生することは明らかである。
【0028】
特に無線リソースの割り当て容量の小さい、フェムトセルに対応する基地局等においては、このような問題はより顕著に現われるであろう。
【0029】
そこで、本発明は、無線リソースの割り当てを要求する信号の送信を抑制可能とすることを目的とする。
【0030】
また、本発明は、無線リソースの選択に用いられる信号の送信を抑制可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明では、移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、前記移動局は、前記基地局から受信した所定の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得したときに、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行う制御部、を備えたことを特徴とする無線通信システムを用いる。
【0032】
また、本発明では、移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、前記移動局は、前記基地局から受信した第1の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得して、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行っている場合に、前記基地局から受信した第2の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保された旨を取得して、前記規制する制御を解除する制御部、を備えたことを特徴とする無線通信システムを用いる。
【0033】
また、本発明では、移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、前記移動局は、前記基地局から受信した所定の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得し、送信すべきデータを送信できないときに、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行う制御部、を備えたことを特徴とする無線通信システムを用いる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、無線リソースの割り当てを要求する信号の送信を抑制することができる。
【0035】
また、本発明は、無線リソースの選択に用いられる信号の送信を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】移動局から基地局に対するデータ送信についての処理の流れを示す。
【図2】基地局から移動局に対するデータ送信についての処理の流れを示す。
【図3】上りリンクのリソース割り当てとデータ送信の流れを示す。
【図4】基地局1の構成を示す。
【図5】移動局2の構成を示す。
【図6】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その1)を示す。
【図7】上りリンクの送信に用いられるフレームの構成例(送信データ無しの場合)を示す。
【図8】下りリンクの送信に用いられるフレームの構成例(その1)を示す。
【図9】上りリンクの送信に用いられる無線フレームの構成例(送信データ有りの場合)を示す。
【図10】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その2)を示す。
【図11】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その3)を示す。
【図12】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その4)を示す。
【図13】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その5)を示す。
【図14】下りリンクの送信に用いられるフレームの構成例(その2)を示す。
【図15】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その6)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0038】
この実施例では、第1の無線通信装置は、無線リソースの割当を要求する信号を第2の無線通信装置に送信し、第2の無線通信装置は、第1の無線通信装置から無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースを選択し、選択した無線リソースの情報を第1の無線通信装置に送信し、第1の無線通信装置は、無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおける制御方法において、第2の無線通信装置は、無線リソースの割り当て状況に応じて所定の信号を送信し、第1の無線通信装置は、第2の無線通信装置から所定の信号を受信した場合に、無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行うこととする。
【0039】
従って、この所定の信号の送信により、無線リソースの割り当てを要求する信号の送信を規制することができる。ひいては、トラフィックの圧迫等を回避することができる。
【0040】
以下、無線リソースの割り当て要求に応じて、無線リソースを割り当てて、データの送信を可能とする無線通信システムの1例として先に説明したLTEをとりあげて説明する。もちろん、他の無線通信システムにも、所定の信号を送信する機能を含めれば同様の処理を実行することができる。他のシステムに適用する場合には、それにあわせて、送信処理部、受信処理部の処理方式を変更すればよい。
【0041】
尚、LTEでは、上りは、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)、下りは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を用いて無線信号の送受信を行うため、それにあわせた構成とする。
【0042】
・「無線通信装置(基地局1)の構成」
図4は、無線通信装置の例として基地局1の構成を示す。
【0043】
図において、10は各部の制御を行う制御部を示し、20〜26の受信処理部によって無線通信装置の例としての移動局2から受信した情報(制御情報等)を取得し、また、制御信号(報知情報、個別制御情報)を生成して、14〜18の送信処理部に与えることで、移動局2に対する送信を実行する。生成される制御信号の代表的な例としては、所定の信号(例えば、ゼロ割り当て情報、バックオフ時間)、選択した無線リソースの割り当て情報(UL allocation Grant)、受信結果情報(ACK/NACK)等が挙げられる。
【0044】
11は、データ処理部を示し、接続された移動網の上位側から与えられた、移動局2を含む複数の移動局宛てのデータをスケジューラ12に与える。12は、スケジューラを示し、各移動局に対するデータを送信する順序を制御し、送信スケジュールを決定し、決定したスケジュールに従って、各移動局宛のデータが送信されるように、多重部13に送信データを与える。尚、送信データは予め誤り訂正符号化(ターボ符号化等)されることが好ましい。
【0045】
スケジューリングは、移動局から報告されるCQI情報や、QOS等の種々のパラメータを用いて実行することができる。
【0046】
13は多重部を示し、制御部10が生成した、制御情報(後述する所定の信号を含む)と、データとを多重して、シンボルマッピング部14へ与える。
【0047】
14はシンボルマッピング部を示し、データ、制御信号を所定の信号点にマッピングする。多重部15は、マッピング処理が施された信号と、移動局2がCQIの測定等に用いるパイロット信号とを多重して、複数のサブキャリアに対応する信号として、IFFT処理部16に与える。
【0048】
IFFT(Inverse Fast Fourier Transformation)処理部16は、各サブキャリアに対応する信号について、周波数領域から時間領域への変換処理を施して送信信号を出力する。
【0049】
CP(Cyclic Prefix)挿入部17は、送信信号についてシンボルの後部の一部をシンボル先頭部分にコピーして、いわゆるガードインターンバル(GI:Guard Interval)を形成して無線処理部18に与える。
【0050】
18は無線処理部を示し、無線送信に必要な周波数変換処理(アップコンバート)、増幅処理等を施して、送受共用器としてのDUP19を介してアンテナから無線信号を送信する。尚、アンテナを複数設け、Multi Input Multi Outputに対応させてもよいし、重み付け制御によりビーム方向を調整するアレーアンテナに対応させてもよい。
【0051】
一方、アンテナから受信した信号は、無線処理部20に与えられる。
【0052】
20は無線処理部を示し、受信した信号について不要波除去、増幅処理等を施して、CP削除部21に宛てる。
【0053】
21は、CP削除部を示し、移動局2によって付加されたCPを除去してFFT処理部22に与える、FFT(Fast Fourier Transformation)処理部22は、受信した時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、等化処理部(イコライザ)23により、イコライジング処理を施すことで、歪みを補正し、IFFT処理部に与える。
【0054】
24は、IFFT処理部を示し、周波数領域の信号を再度時間領域の信号に変換し、復調部25に与える。
【0055】
25は、復調部を示し、受信信号を復調して復号部に与え、復号部26は、復調された信号に対して復号処理(例えば、ターボ復号等の誤り訂正復号処理)を施して、復号結果を出力する。尚、データは、移動網側に転送され、制御信号は、制御部10に与えられる。制御部10に与えられる代表的な制御信号の例としては、無線リソースの割り当てを要求する信号(例えば、SR)、無線リソースの割り当てに用いられる信号(例えば、SRS、BSR)、受信結果情報(ACK/NACK)、受信品質情報(CQI)等が挙げられる。
【0056】
27は、チャネル品質測定部を示し、無線処理部20で受信した受信信号について受信品質を測定し、スケジューラ12に測定結果を与える。
【0057】
次に、図5を用いて、無線通信装置の例として移動局2の構成について説明する。
【0058】
・「無線通信装置(移動局2)の構成」
図5は、無線通信装置の例としての移動局2の構成を示す。
【0059】
図において、30は各部の制御を行う制御部を示し、41〜45の受信処理部によって無線通信装置の例としての基地局1から受信した情報(制御情報等)を取得し、また、制御信号(個別制御情報)を生成して、33〜38の送信処理部に与えることで、基地局1に対する制御信号の送信を実行する。生成される制御信号の代表的な例としては、無線リソースの割り当てを要求する信号(例えば、SR)、無線リソースの割り当てに用いられる信号(例えば、BSR)、受信結果情報(ACK/NACK)、受信品質情報(CQI)等が挙げられる。尚、制御信号に対して誤り訂正符号化処理を施しておくこともできる。
【0060】
31は、データ処理部を示し、不図示の入力部から入力された情報又は装置内部で発生したデータ等を多重部32に与える。尚、データは、ターボ符号化等の誤り訂正符号化処理が施されていることが好ましい。
【0061】
32は、多重部を示し、制御部30から与えられた制御信号とデータ処理部からのデータを多重してシンボルマッピング部33に与える。
【0062】
33はシンボルマッピング部を示し、データ、制御信号を所定の信号点にマッピングする。多重部34は、マッピング処理が施された信号と、SRS(制御信号の一種と解することができる)等のパイロット信号とを多重し、FFT処理部35に与える。
【0063】
35は、FFT処理部を示し、入力された信号について、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し周波数マッピング部36へその出力を与える。
【0064】
36は、周波数マッピング部を示し、基地局1に割り当てられた所定の無線リソース(周波数帯)に配置されるように周波数マッピングを行う。
【0065】
37は、IFFT処理部を示し、周波数マッピングされた信号を時間領域の信号に変換して、CP挿入部38に与え、CP挿入部38は、基地局1同様に、CPを挿入して無線処理部39に送信信号を与える。
【0066】
39は、無線処理部を示し、与えられた送信信号について必要なアップコンバート、増幅処理等を施して、送受共用器としてのDUP40を介してアンテナから無線信号として送信する。
【0067】
このようにして、移動局2は、SC-FDMA方式に対応した無線信号を送信する。
【0068】
一方、アンテナで受信した基地局1からの受信信号は、DUP40を介して無線処理部41に与えられる。
【0069】
41は、不要波の除去、必要な増幅処理等を受信信号に施してからCP削除部42に受信信号を与える。
【0070】
42は、CP削除部を示し、受信信号におけるCPを削除し、FFT処理部43に与える。
【0071】
43はFFT処理部を示し、CPの除去された受信信号を周波数領域の信号に変換して出力する。
【0072】
44は、復調部を示し、FFT処理部43からの各サブキャリアに対応する信号について復調処理を行って、復調信号を復号部45に与える。
【0073】
復号部45は、ターボ符号化等の誤り訂正復号化処理を復調信号に施して、データを不不図示の出力部に与えたり、データ処理部31に与える。
【0074】
一方、制御信号は、復号部45から制御部30に与えられる。
【0075】
ここで、制御信号の代表的な例としては、所定の信号(例えば、ゼロ割り当て情報、バックオフ時間)、選択した無線リソースの割り当て情報(UL(Up-link) allocation Grant)、受信結果情報(ACK/NACK)等が挙げられる。
【0076】
次に、図6を用いて、基地局1、移動局2との間で実行される無線通信について説明する。
【0077】
・「処理の流れ(その1)」
図6は、上りリンクのリソース割り当て及びデータの送信の流れ(その1)を示す。
【0078】
この例では、移動局2は、基地局1に対して上りの制御信号を送信可能な状態であるとする。例えば、移動局2は、ランダムアクセス信号の送信により基地局1との間で上りリンクの同期を確立し、基地局2によって、指定された上りチャネルを用いて各種制御信号を送信可能な状態であるとする。
【0079】
さて、移動局2は、上りチャネルを介してSRS信号を送信する。SRS信号は、基地局2において上りリンクの無線リソースを割り当てる際に利用される信号である。例えば、SRSは、基地局2が割り当てる可能性のある所定の帯域(B:帯域幅=BW1)の中で、複数の周波数を用いて送信される既知のパイロット信号とすることができる。この信号がその所定の帯域B内において広帯域に広がるほど、基地局2において無線リソースの選択において役に立つ。
【0080】
この例では、移動局2は、所定の周期で定期的にSRSを送信するようにしているが、SRと同時(同時期)に制限して送信することもできるし、また、SRに対応して送信されるが、SRに対して時間的に先行して送信することもできる。
【0081】
さて、移動局2は、SRSを図のように周期的に送信するが、上りパケットデータがデータ処理部31において発生した(到着した)場合には、制御部30は、SRを生成し、多重部32に与えることにより基地局1に対してSRを送信させる。
【0082】
図7は、上りリンクの送信に用いられるフレームの構成例を示す。
【0083】
例えば、10msの長さを持つ無線フレームを1無線フレームとし、1無線フレームを20個の0.5msのスロットに分割し、2スロットで1サブフレームを構成するようにする。
【0084】
PUCCHiとPUCCHjは、それぞれ、2つの上り制御チャネルを示し、1msサブフレームの真ん中であるスロットの境界でそれぞれ周波数ホップが生じている。
【0085】
移動局2は、基地局1から、PUCCHi、PUCCHjのいずれかを上り制御チャネルとして割り当てられる。
【0086】
例えば、移動局2が、PUCCHjを割り当てられている場合は、そのPUCCHjを用いてSRの送信を行う。SRは、移動局2が上りデータの送信用の無線リソースの割り当てを要求する信号を含む。
【0087】
尚、SRSは、例えば、図のAで示した点線枠(例えば無線サブフレームの先頭から1シンボル分)に含まれる部分の無線リソースを用いて送信することができる。その際、所定の周波数帯域全体に渡ってSRS信号を送信されることもできるが、所定の規則に従って複数の周波数に分割させて送信することもできる。PUCCHの送信に用いる周波数を除外して送信することもできる。
【0088】
SRSをPUCCHと同時に送信する場合には、前半スロットのPUCCHの開始タイミングを後にずらすることで、前半スロットのPUCCHの長さを短くすることもできるし、重複部分のデータを送信しないようにすることもできる。
【0089】
さて、基地局1の受信処理部は、移動局2から送信されたSRを受信し、必要に応じて復号化処理を施して、制御部10にSRに含まれるデータを与える。SRSを基地局1が受信した場合は、チャネル品質を測定するチャネル品質測定部27が、所定の周波数帯域の中で、相対的に受信が良好な周波数帯域がどこであるかを特定し、スケジューラ12に通知する。
【0090】
SRの受信により、制御部10は、移動局2が、上りリンクの無線リソースの割り当てを要求していることを認識し、無線リソースの割り当て処理を実行する。
【0091】
しかし、この場合、制御部10は、上りリンクの無線リソースを既に他の移動局に全て割り当ててしまっている場合等、無線リソースの割り当て状況が、この移動局2に対して無線リソースを割り当てることが困難であることを示していると、所定の信号を生成して、多重部13に与え、移動局2に対して送信させる。
【0092】
所定の信号は、移動局2が、この所定の信号を検出することにより、所定の動作を実行可能な信号である。
【0093】
ここでは、無線リソースの割り当てが行えないこと(ゼロ無線リソースを割り当てる旨)を所定の信号の内容とする。
【0094】
図8は、下りリンクの送信に用いられるフレームの構成例を示す。
【0095】
上りリンクと同様に、0.5msの2つのスロットにより1msのサブレームを構成している。前半スロットの先頭部分には、点線Bで囲んで示した制御チャネル(例えば、PDCCH)の送信領域が設けられる。ここでは、5つの制御チャネルi、j、k、l、mが示されている。図では、周波数上固まった領域に制御チャネルを形成しているが、所定の規則でそれぞれ重複しないように分散させることもできる。各制御チャネルに、移動局2のID(Identification)情報を含めることができる。例えば、制御信号に移動局2のIDを含めておいたり、制御信号にIDを乗算しておくこと等ができる。
【0096】
制御チャネルは、メッセージを含めることができるだけの容量があれば、所定の信号(例えば、無線リソースを割り当てることができない旨知らせる信号)を制御チャネル内で送信することができる。また、制御チャネルは、点線Cで囲んで示した共有データチャネル(例えば、PDSCH)のうち、対応するデータチャネル(i、j、k、l、mのいずれか)を指定する情報を含む。
【0097】
例えば、制御チャネルiは、データチャネルiの送信に用いられる周波数情報、伝送パラメータ(変調方式、符号化レート等)を含むことで、移動局2が、制御チャネルiの受信により、データチャネルiで送信されるデータを受信することを可能とする。
【0098】
従って、例えば、基地局2は、移動局2に対して所定の信号を送信する際に、データチャネルiを用いる場合には、移動局2のID及び所定の信号を含む制御信号を制御チャネルiで送信するとともに、データチャネルiを特定可能な情報(周波数情報等)を制御チャネルiで送信する。
【0099】
尚、図では、制御チャネルと、データチャネルの配置順を合わせているが、順番をそろえないこともできる。
【0100】
さて、基地局1から所定の信号が送信されると、移動局2はこの所定の信号を受信処理部で受信し、制御部30に受信した所定の信号を与える。
【0101】
制御部30は、基地局1から所定の信号を受信したことを検出したため、所定の動作を実行する。
【0102】
即ち、無線リソースの割り当てを要求する(SR)信号の送信を規制する。
【0103】
通常であれば、無線リソースの割り当て要求であるSRを送信したにもかかわらず、基地局1から無線リソースの割り当てを受けなかったため、再度SRを送信する制御を繰返し実行することとなるが、所定の信号の受信により、SRの送信を規制するのである。
【0104】
また、SRSは、SRとは異なる目的で使用される別個の信号であるが、移動局2の制御部30は、所定の信号を受信すると、SRSの送信を規制する。従って、基地局1はSRSを受信し、観測、分析をしなくてもよい。
【0105】
この例では、所定の周期で送信していたSRSの送信を規制する。図では、所定の信号を受信する際に既に2つ目のSRSを送信してしまっているので、制御部30は、その後SRSの送信を規制することとなる。
【0106】
以上のように、SRの無駄な送信を抑制することも可能となり、また、SRSは、基地局1が、移動局2に対して所定の周波数帯域(BW(幅=BW1))のうち、移動局2に割り当てる周波数を選択するために用いられる、SRとは異なる目的の信号であるが、この所定の信号の送信により、SRSの送信を抑制することもできる。
【0107】
さて、所定の信号の送信により、移動局2において規制制御が実行されることとなるが、この実施例では、更に、規制の解除を行う仕組みを導入することとする。
【0108】
・「規制の解除」
移動局2の制御部30は、所定の信号を受信することでSRの送信を規制したり、SRSの送信を規制する規制制御を実行するが、内部タイマを用いた計時により規制を解除することもできる。例えば、所定の信号を受信すると、所定時間Tをタイマにセットし、タイマから時間Tの経過の通知を受けると、規制を解除し、SRや、SRSの送信の規制を解除する。好ましくは、SRSの送信規制の解除をSRより先行して行う。SRと同時期(同時)に解除することもできる。基地局1が、SRに応じて無線リソースの割り当てを行う際に、SRSをSRと同時又は先行して受信していれば、無線品質の状況を反映させた割り当てが実行できるからである。尚、無線リソースの割り当てを行う時に対して、より近い時間にSRSが基地局1に受信されるようにすると、基地局1は、より最新の無線品質の状況を割り当てに反映させることができるので好ましい。
【0109】
Tは、単一の値としたが、異なる複数の所定時間候補T0〜TN(Nは、2以上の値)の中から選択した1つを所定の時間としてタイマにセットしてもよい。選択アルゴリズムは種々考えられるが、移動局間で分散するように、移動局は、それぞれ乱数を発生させ、乱数をN+1で割った余りiに対応するTi(iは0以上、N以下)を所定時間としてタイマにセットしてもよい。
【0110】
また、所定の時刻が訪れることで規制を解除することもできる。例えば、各無線フレームに番号を付与しておき、所定の無線フレームが到来したら、制御部30は規制を解除することもでる。
【0111】
また、基地局1から規制を解除すべきタイミング情報を制御部30が取得し、そのタイミング情報に従って規制を解除することもできる。
【0112】
例えば、基地局1の制御部10は、バックオフ時間を含む所定の信号を生成し、送信処理部に送信させる(制御チャネル(PDCCH)又はデータチャネル(PDSCH)で送信)。
【0113】
そして、移動局2の制御部30は、バックオフ時間を抽出し、バックオフ時間(Tb)で規定される時間に渡って規制を実行し、その後規制を解除する。
【0114】
例えば、図6のように、SRの送信タイミングを起算タイミングとし、Tbで指定された時間規制を行う。起算タイミングは、所定の信号の受信時等、他のタイミングとすることもできる。
【0115】
規制の解除条件が満たされたことを検出した移動局2は、送信すべき上りデータパケットが依然として残っているため、無線リソースの割り当てを再度要求するために、SRの送信を実行する。
【0116】
この例では、SRSがSRに先行して移動局2から送信される。
【0117】
基地局1の制御部10は、SRを受信すると、規制時間の経過により、無線リソースの割り当てを行える状況になったかどうか確認し、無線リソースの割り当てが可能であると検出すると、データ送信の割り当てにどれほどの帯域が必要であるかを判断すべく、バッファ状態報告(BSR)信号の送信用の無線リソースを割り当てる信号を生成し、送信処理部に送信させる。このとき、SRSを移動局2から受信しているため、割り当てる無線リソースの周波数は、SRSで良好な受信品質を示す周波数部分とすることもできる。
【0118】
移動局2は、送信すべきデータを格納するバッファ部を兼ねるデータ処理部31におけるバッファ量を求め、割り当てられた無線リソースを用いて基地局1にバッファ量のレポート(BSRの送信)を行う。
【0119】
基地局1の制御部10は、BSR、SRS(最新のSRS又は積算したSRS)を用いて、必要とされる周波数帯域幅、周波数部分を選択し、データ送信用の無線リソースの情報として移動局2に送信する。
【0120】
従って、移動局2は、選択された無線リソースの情報に従って、データの送信を実行する。
【0121】
図9は、上りリンクの送信に用いられる無線フレームの構成(送信データ有りの場合)を示す。
【0122】
図7に示したように、2つのスロットを含む無線サブフレームを使用し、図のように基地局1に指定された無線リソース(PUSCH)で、データを送信する。尚、移動局2は、基地局1から下りデータの受信を行っている場合は、データ部分に時間多重して受信結果(ACK/NACK)や、CQIを送信することもできる。尚、無線リソースの情報は、DATA等の送信用の無線リソース(周波数等)を指し示す。
【0123】
上述した例では、SRSの送信規制の解除をSRに先行して行っているが、BSRの送信と同時期又はBSRの送信に対して先行してSRSの送信規制を解除することもできる。BSRの送信のための無線リソースの選択に利用することは困難であるかもしれないが、データ送信のための無線リソース選択には利用され得るからである。
【0124】
また、SRやBSRとSRSを別個に送信していたが、同時に送信することもできる。
【0125】
尚、SRを送信したにも関わらず、基地局1から所定の信号が送信されなかった場合(サイレントの場合)は、移動局2は、SR等の送信を規制せず、再度SRの送信を行えばよい。
【0126】
また、SR送信後、BSRを送信してから、データが送信されたが、SRに対して割り当てられた無線リソースを用いて、データの送信を行ってしまうこともできる。例えば、BSRを送信するステップを省略するか、データとBSRとを多重して送信するのである。
【0127】
・「処理の流れ(その2)」
図10は、上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その2)を示す。
【0128】
図6では、基地局1は、SRの受信に応じて所定の信号を送信していたが、ここでは、BSRの受信に応じて所定の信号を送信する。他の処理は、基本的にデータ送信の流れ(その1)と同様にすることができる。
【0129】
即ち、基地局1の制御部10は、移動局2から最初のSRを受信すると、BSRの送信用の無線リソースの割り当てが可能であるか判定し、可能であると判断すると、BSR送信用の無線リソースを移動局2に割り当て、割り当てた無線リソースの情報を図8の制御チャネル(PDCCH)又はデータチャネル(PDSCH)を介して送信する。
【0130】
移動局2の制御部30は、割り当てられた無線リソースの情報を検出し、その無線リソースを用いてBSRを送信するが、基地局1の制御部10は、そのBSRに応じた帯域を確保することが困難と判断する。SRの受信から状況が変わったケース又は移動局2が送信したBSRが、送信すべきデータ量が多いことを示し、そのデータ量に見合う帯域の確保が難しいケース又は送信すべきデータ量が少ないため他の移動局を優先すべく、しばらく送信を待機させるケース等がある。
【0131】
いずれにしても、この場合、基地局1は、データ送信用の無線リソースをこの移動局2に割り当てることは困難として所定の信号を送信する。所定の信号は先に示した所定の信号とすることができる。
【0132】
そして、移動局2の制御部30は、所定の信号の受信により、先に示した規制制御を行い、先に示した解除により、同様の処理を行う。
【0133】
・「処理の流れ(その3)」
図11は、上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その3)を示す。
【0134】
図6では、移動局2は、データの送信を行っていなかったが、この例では、移動局2は既にデータの送信を行っているものとする。また、データにBSRを多重することで、バッファ状態を適宜基地局1に報告しているものとする。他の処理は、基本的にデータ送信の流れ(その1)と同様にすることができる。
【0135】
さて、移動局2は、周期的にSRSを送信するとともに、データにBSRを多重し、基地局1に割り当てられた無線リソースを用いて、多重データの送信を行う。
【0136】
即ち、図9に示すフレームにおいて、DATAで示した領域にBSRを多重するか、又は、ACK/NACK等と示した領域にBSRを格納して送信する。
【0137】
基地局1の制御部10は、受信したデータについて復号部26で復号させ、その復号結果についてCRCチェックビット等を用いた誤り検出処理を施して、受信が成功したかどうか判断する。受信が成功の場合は、ACK信号を生成し、多重部13に与え、失敗の場合は、NACK信号を生成し、多重部13に与える。
【0138】
また、ACK/NACKに応じて新規データ又は再送データを移動局2に送信させるための無線リソースを選択し、受信結果(ACK/NACK)とともに、図8の制御チャネル(PDCCH)又はデータチャネル(PDSCH)を介して送信する。
【0139】
無線リソースの選択は、SRSにより良好な周波数部分を特定するとともに、BSRにより必要な大きさの無線リソースとなるように帯域幅を調整することで行う。
【0140】
さて、受信結果及び無線リソースの更なる割り当てを受けた移動局2は、再度、BSRと対応するデータを送信する。
【0141】
しかし、今回は、基地局1は、先に説明した諸事情により、移動局2に対して無線リソースを割り当てられないと判断し、所定の信号を送信する。
【0142】
所定の信号を受信した移動局2の制御部30は、SR、BSR、SRSの送信を規制する。
【0143】
規制の解除は先に説明したいずれかの手法を用いることができ、この例では、SRSの送信がSRに対して先行して送信されている。
【0144】
規制解除後は、SRの送信、BSR送信用無線リソースの割り当て、BSRの送信、データ送信用無線リソースの割り当て、データ及びBSRの多重データの送信といった一連の処理が実行されることとなる。
【0145】
・「処理の流れ(その4)」
図12は、上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その4)を示す。
【0146】
図6では、移動局2は、SRを送信するための上り制御チャネルを既に獲得していたが、ここでは、SRの送信を行うための上り制御チャネルを獲得しておらず、ランダムアクセス信号の送信から実行する例について説明する。
【0147】
他の処理は、基本的にデータ送信の流れ(その1)と同様にすることができる。
【0148】
まず、移動局2の制御部30は、ランダムアクセスチャネルで送信するランダムアクセス信号としてプリアンブルを生成し、送信処理部から送信させる。
【0149】
ランダムアクセスチャネルは、基地局1との間の通信を開始する際に送信する信号であり、例えば、他の移動局と共有するランダムアクセス信号の送信領域で送信される。
【0150】
この例では、ランダムアクセス信号は、基地局10によって受信されたが、基地局1は、先に示した諸事情によりBSR(SR)の送信のための無線リソースの割り当てが困難であると判断し、所定の信号を送信する。
【0151】
移動局2の制御部30は、所定の信号を受信するため、規制処理を実行する。
【0152】
この場合、規制の対象は、ランダムアクセス信号の送信、SRSの送信等とすることができる。
【0153】
規制の解除条件は、先に説明したいずれかを用いることもできる。但し、SRの送信規制の解除に代えて、ランダムアクセス信号の送信規制の解除と読み替える。
【0154】
この例では、規制の解除条件が満たされることで、移動局2の制御部30は、まず、ランダムアクセス信号を再度送信する。
【0155】
そして、今回は、基地局1の制御部10は、ランダムアクセス信号を受信すると、無線リソースを移動局2に割り当てることができる状況(無線リソースの割り当て状況に余裕がある)かどうか確認し、割り当て可能であえれば、BSR送信用の無線リソースを選択し選択した無線リソースの情報を移動局2に通知する。
【0156】
移動局2は、BSR送信用の無線リソースの割り当てを受けるため、その無線リソースを用いてBSRを送信し、更に、基地局1からデータ送信用の無線リソースの割り当てを受けることで、データの送信を行う。先の例のようにデータとBSRを更に多重して送信することもできる。
【0157】
尚、この例では、ランダムアクセス信号の送信規制が解除されてからも、SRSの送信が行われていない。SRSは、ランダムアクセス信号に対して基地局1から応答があった後にSRSの送信を開始している。
【0158】
SRSは、BSRの送信と独立してBSRに先行して送信を開始し、所定の周期で、図7のAの部分を用いて送信することもできるが(SRSを送信すべきスロット等は基地局1からランダムアクセス信号の応答信号(BSR送信用無線リソースの割り当て含む)として指定される)、ここでは、BSRの送信と同時期に送信することとする。
【0159】
図9の点線で囲んだDの部分でSRSを送信するとともに、DATAで示した部分を1シンボル分短くする。BSRはDATAで示した部分で送信する。ACK/NACK等の信号は送信しないか、又は、DATA部分に時間多重し、SRSと重複しないようにしてもよい。
【0160】
また、この例では、基地局1は、ランダムアクセス信号に対して、BSRの送信用の無線リソースを移動局2に割り当てたが、図7のPUCCHiを移動局2に割り当て、移動局2は、そのPUCCHiを用いて、図6のように、まず、SRを送信するようにすることもできる。
【0161】
尚、ランダムアクセス信号を送信したにも関わらず、基地局1から所定の信号が送信されなかった場合は(サイレントの場合)移動局2は、ランダムアクセス信号等の送信を規制せず、再度ランダムアクセス信号の送信を行えばよい。
【0162】
・「処理の流れ(その5)」
図13は、上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その5)を示す。
【0163】
これまでの例では、基地局1は、所定の信号を、SR、BSR、ランダムアクセス信号の受信を契機として送信していたが、ここでは、基地局1は、所定の信号を報知信号として送信することとする。
【0164】
図14は、下りリンクの送信に用いられるフレームの構成例(その2)を示す。
【0165】
このフレームは、送信に使用する周波数帯の中心部分で、スロットの境界部分を中心とする報知チャネルを設け、その上下にデータチャネルi、k、j、m、同じ周波数帯にデータチャネルlを設けている。制御チャネルは、データチャネルi、j、k、l、mの送信周波数、伝送パラメータを特定可能な情報をそれぞれ含む。
【0166】
尚、報知チャネルは、基地局1が構成するセル内の移動局の複数(全体)に通知する情報を送信するチャネルであり、先のランダムアクセス信号を送信すべき無線リソース情報を送信することもできる。
【0167】
この例では、この報知情報に、所定の信号を含めることとする。
【0168】
即ち、基地局1の制御部10は、所定の信号を生成し、報知情報の一部として多重部13に与えることで、所定の信号を送信する。
【0169】
移動局2は、定期的に報知情報を受信することで、所定の信号を報知情報として受信すると、送信すべき上りパケットデータがあるにもかかわらず、SR(又はランダムアクセス信号)、SRSの送信を先に示したように規制する。
【0170】
それにより、複数の移動局に対して一斉に規制制御をかけることができる。尚、データ送信用又はBSR送信用の無線リソースを既に割り当てられている移動局は、所定の信号を受信しても規制制御を実行しないようにすることもできる。
【0171】
そして、報知情報の更なる受信(例えば、次の報知チャネル受信周期における受信)により、所定の信号を検出しないと、移動局2の制御部30は、SRSの送信規制を解除するとともに、SRの送信規制を解除し、SRS、SRをそれぞれ送信する。ここでは、SRSはSRとは別個に周期的に送信される。
【0172】
SRを受信した基地局1は、SRS等に基づいて割り当てる無線リソースの選択を行い、割り当てた無線リソースの情報を下り制御チャネルで送信する。
【0173】
従って、移動局2の制御部30は、割り当てられた無線リソースの情報に従って、データを送信すべき周波数部分でデータを送信する。
【0174】
もちろん、図6に示したように、基地局1は、まず、BSRの送信用の無線リソースを割り当て、その後データの送信用の無線リソースを割り当てることとすることもできる。
【0175】
・「処理の流れ(その6)」
図15は、上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その6)を示す。
【0176】
ここでは、無線フレームにはシステムフレーム番号(SFN: System Frame Number)が付されており、報知情報は、定期的にフレーム番号を更新しつつ送信することで、移動局2が無線フレームの番号を特定できるようにしている。
【0177】
そして、基地局1の制御部10は、所定の信号を送信する際に、所定のタイミング(例えば、SFN13が開始するタイミング)情報を併せて送信し、移動局2に対して、そのタイミングまで規制処理を行うように指示する。
【0178】
従って、移動局2は、所定の信号の受信により、送信すべき上りパケットが存在しても、SRS、SRの送信を規制する。
【0179】
そして、移動局2は、SFN13が送信される無線フレームのタイミングで再度報知情報チャネルの受信を実行する。尚、所定の信号後、SFN13が到来するまで、受信処理部の電源をオフとすることもできる。ただし、間欠受信等、別途受信が必要な場合は、その受信を行う。
【0180】
さて、移動局2は、SFN13の無線フレームを受信し、報知情報が、所定の信号を送信していないことを検出(無線リソースの割り当てがなされる可能性があることを検出)すると、SRS、SRの送信規制を解除し、SRSの送信、SRの送信を実行する。尚、SRSは、SRと同時に送信してもよいが、ここでは、SRRを先に送信している。
【0181】
SRを受信した基地局1は、SRS等に基づいて割り当てる無線リソースの選択を行い、割り当てた無線リソースの情報を下り制御チャネルで送信する。
【0182】
従って、移動局2の制御部30は、割り当てられた無線リソースの情報に従って、データを送信すべき周波数部分でデータを送信する。
【0183】
もちろん、図6に示したように、基地局1は、まず、BSRの送信用の無線リソースを割り当て、その後データの送信用の無線リソースを割り当てることとすることもできる。
【0184】
尚、データ送信用又はBSR送信用の無線リソースを既に割り当てられている移動局は、所定の信号を受信しても規制制御を実行しないようにすることもできる。
【0185】
以上説明した、各処理の流れ1〜6を任意の組み合わせて用いることもできる。
【符号の説明】
【0186】
1:無線通信装置(基地局)
2:無線通信装置(移動局)
10:制御部
11:データ処理部
12:スケジューラ
13:多重部
14:シンボルマッピング部
15:多重部
16:IFFT処理部
17:CP挿入部
18:無線処理部
19:DUP(デュプレクサ)
20:無線処理部
21:CP削除部
22:FFT処理部
23:等化処理部
24:IFFT処理部
25:復調部
26:復号部
27:チャネル品質測定部
30:制御部
31:データ処理部
32:多重部
33:シンボルマッピング部
34:多重部
35:FFT処理部
36:周波数マッピング部
37:IFFT処理部
38:CP挿入部
39:無線処理部
40:DUP(デュプレクサ)
41:無線処理部
42:CP削除部
43:FFT処理部
44:復調部
45:復号部
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う無線通信装置及びその制御方法に関する。本発明は、無線リソースの割り当て要求を送信し、無線リソースの割り当てを受けることでデータの送信を行う無線通信装置を含む移動通信システムに用いるのが好適である。
【背景技術】
【0002】
無線通信を通信手段として用いる通信方法は種々知られている。
【0003】
ここでは、無線通信を行う無線通信システムの例として、LTE(Long Term Evolution)について説明する。
【0004】
図1は、無線通信装置の1例としての移動局から、無線通信装置の1例としての基地局に対するデータ送信(上りリンクの送信)についての処理の流れを説明するための図である。
【0005】
基地局と通信を行う場合には、移動局はまず、他の移動局と共有する送信領域でランダムアクセス信号を送信する。基地局は、ランダムアクセス信号を受信すると、応答信号を移動局に送信して、上りリンクの同期を確立するとともに、無線リソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求信号(SR:Scheduling Request)及び割り当てを受ける可能性のある所定の周波数帯域において広帯域に送信される(広帯域)パイロット信号(SRS:Sounding Reference Signal)を送信するための無線リソースを移動局に割り当てる。尚、既にスケジューリング要求信号を送信する無線リソースを割り当てられている場合は、上記処理を省略してよい。
【0006】
さて、スケジューリング要求を送信するための無線リソースを割り当てられた移動局において、送信を希望するデータが発生(データ処理部に到着)すると、移動局は、図のように基地局に対してスケジューリング要求信号(SR)を送信する。基地局は、SRの受信により、この移動局に割り当てる上りリンクの無線リソースを決定(選択)し、選択した無線リソース(周波数等)の情報を移動局に知らせるための無線リソースの割り当て情報(UL allocation grant)を移動局に送信する。従って、移動局は、通知された無線リソースの情報によって特定される上りリソースを用いて、発生(到着)した、送信データの送信を行う。
【0007】
尚、移動局は、SRSを送信するための無線リソースも割り当てられているため、その無線リソースを用いてSRSを送信し、基地局は、SRSの受信状況を観測することで、この移動局に対して割り当てるべき無線リソースは何れの周波数部分が好適が分かるため、最も受信品質が良い周波数部分等に対応する無線リソースをこの移動局に割り当てるようにする。
【0008】
さて、移動局から上りデータが送信されると、基地局は、その受信結果情報(ACK/NACK)を送信する。ここで、ACKは、データを正常に(誤りなく)受信できたことを示し、NACKは、データを正常に(誤りなく)受信できなかったこと(誤りがあったこと)を示す。
【0009】
NACKを送信する場合は、再送のための上りリンクの無線リソースを改めて移動局に割り当てることができるし、ACKを送信する場合は、次の新規送信のための上りリンクの無線リソースを移動局に割り当てることもできる。
【0010】
従って、移動局は、ACKを受信すると、新規データを割り当てられた無線リソースを用いて送信し、NACKを受信すると、再送データを割り当てられた無線リソースを用いて送信する。
【0011】
また、上りデータを送信する際に、下りデータ受信についての受信結果情報(ACK/NACK)を、上りデータに多重して送信することもできるし、上りデータと別個に送信することもできる。
【0012】
例えば、上りデータがない場合は、上りの制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)で、受信結果情報を送信すればよく、上りデータがある場合は、無線リソースの割り当て情報(UL allocation grant)で割り当てられた、無線リソースを用いて、データと受信結果情報とを時間多重して送信すればよい。
【0013】
以上が、上りリンクの送信についての説明であるが、以下、下りリンクの送信について図2を用いて説明する。
【0014】
図2は、基地局から移動局に対するデータ送信(下りリンクの送信)についての処理の流れを説明するための図である。
【0015】
図のように、基地局は、送信すべき下りデータがあると、まず、その宛先である移動局に対して下りデータを送信するための無線リソース及び伝送フォーマットの情報(変調法式、符号化レート等)を含む制御信号(下りスケジューリング情報)を下り制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)で送信する。下り制御チャネルは複数存在するが、移動局は、各制御チャネルを受信し、自局宛の制御信号があるかどうかを判定する。例えば、移動局のID情報が含まれるかどうかによって判定を行う。自局宛の制御情報を検出すると、その制御信号に含まれる無線リソースの割り当て情報及び伝送フォーマット情報に基づいて、下りデータチャネル(PDSHC: Physical Downlink Shared Channel)を受信し、下りデータを取得する。
【0016】
そして、下りデータが正しく復号できた場合は、ACK信号、正しく復号できなかった場合は、NACK信号を基地局に送信する。基地局は、ACK信号を受信すると、次は新規データを送信し、NACK信号を受信すると、次は再送データを送信する。
【0017】
尚、移動局は、下りチャネルの伝送品質も観測しているため、観測結果をチャネル品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)として基地局に送信する。
【0018】
基地局は、CQIを受信すると、移動局において受信品質が良好となるように、無線リソースの選択、伝送フォーマットの選択等を行う。
【0019】
上記LTEに関する技術は、非特許文献1、2に詳しく説明されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】3GPP TS36.300
【非特許文献2】3GPP TS36.211
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
上述した上りリンクのデータ送信のように、一方の無線通信装置が、他方の無線通信装置に対してデータを送信するための無線リソースの割り当てを要求し、他方の無線通信装置がこれに応答して、無線リソースを割り当てる手順を踏む事で円滑な送信制御を行うことができる。
【0022】
しかし、無線リソースの割り当て要求を受信したものの、割り当てるべき無線リソースがない場合もあり得る。しかも、そのような期間が継続することもありえる。
【0023】
このような場合、一方の無線通信装置は、無線リソースの割り当てを要求する信号を送信しても、無線リソースを割り当てられない(基地局から応答のないサイレント状態となる)ため、再び無線リソースの割り当てを要求する信号を送信してしまい、トラフィックを無駄に圧迫したり、移動局の電池の消耗、無駄に干渉増大を招いてしまったりする。
【0024】
先に説明したLTEにおいてもこのような事態が発生し得る。
【0025】
図3はLTEにおける上りリンクのリソース割り当てとデータ送信の流れを示す。この例では、移動局はSRSを定期的に送信し、上りデータパケットの発生(到着)によりSRを送信しているが、基地局は無線リソースを割り当てられず、サイレント状態となっている。従って、移動局は、SRSの周期送信を繰返すとともに、SRを繰返し送信し、やっと、3つ目のSRが基地局において受信される。そして、基地局は、バッファ状態報告(BSR: Buffer Status Report)信号を送信するための上り無線リソースを移動局に割り当てている。
【0026】
基地局は、BSRによって示されるデータ量に応じて、上りデータ送信用として割り当てる上り無線リソースの周波数帯域の幅を調整し、割り当てた無線リソースを移動局に通知し、移動局は、割り当てられた無線リソースを用いてデータを送信している。
【0027】
このように、LTEでも、無線リソースを割り当てられないため、再び無線リソースの割り当てを要求する信号を送信してしまうことが発生することは明らかである。
【0028】
特に無線リソースの割り当て容量の小さい、フェムトセルに対応する基地局等においては、このような問題はより顕著に現われるであろう。
【0029】
そこで、本発明は、無線リソースの割り当てを要求する信号の送信を抑制可能とすることを目的とする。
【0030】
また、本発明は、無線リソースの選択に用いられる信号の送信を抑制可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明では、移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、前記移動局は、前記基地局から受信した所定の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得したときに、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行う制御部、を備えたことを特徴とする無線通信システムを用いる。
【0032】
また、本発明では、移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、前記移動局は、前記基地局から受信した第1の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得して、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行っている場合に、前記基地局から受信した第2の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保された旨を取得して、前記規制する制御を解除する制御部、を備えたことを特徴とする無線通信システムを用いる。
【0033】
また、本発明では、移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、前記移動局は、前記基地局から受信した所定の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得し、送信すべきデータを送信できないときに、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行う制御部、を備えたことを特徴とする無線通信システムを用いる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、無線リソースの割り当てを要求する信号の送信を抑制することができる。
【0035】
また、本発明は、無線リソースの選択に用いられる信号の送信を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】移動局から基地局に対するデータ送信についての処理の流れを示す。
【図2】基地局から移動局に対するデータ送信についての処理の流れを示す。
【図3】上りリンクのリソース割り当てとデータ送信の流れを示す。
【図4】基地局1の構成を示す。
【図5】移動局2の構成を示す。
【図6】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その1)を示す。
【図7】上りリンクの送信に用いられるフレームの構成例(送信データ無しの場合)を示す。
【図8】下りリンクの送信に用いられるフレームの構成例(その1)を示す。
【図9】上りリンクの送信に用いられる無線フレームの構成例(送信データ有りの場合)を示す。
【図10】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その2)を示す。
【図11】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その3)を示す。
【図12】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その4)を示す。
【図13】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その5)を示す。
【図14】下りリンクの送信に用いられるフレームの構成例(その2)を示す。
【図15】上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その6)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0038】
この実施例では、第1の無線通信装置は、無線リソースの割当を要求する信号を第2の無線通信装置に送信し、第2の無線通信装置は、第1の無線通信装置から無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースを選択し、選択した無線リソースの情報を第1の無線通信装置に送信し、第1の無線通信装置は、無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおける制御方法において、第2の無線通信装置は、無線リソースの割り当て状況に応じて所定の信号を送信し、第1の無線通信装置は、第2の無線通信装置から所定の信号を受信した場合に、無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行うこととする。
【0039】
従って、この所定の信号の送信により、無線リソースの割り当てを要求する信号の送信を規制することができる。ひいては、トラフィックの圧迫等を回避することができる。
【0040】
以下、無線リソースの割り当て要求に応じて、無線リソースを割り当てて、データの送信を可能とする無線通信システムの1例として先に説明したLTEをとりあげて説明する。もちろん、他の無線通信システムにも、所定の信号を送信する機能を含めれば同様の処理を実行することができる。他のシステムに適用する場合には、それにあわせて、送信処理部、受信処理部の処理方式を変更すればよい。
【0041】
尚、LTEでは、上りは、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)、下りは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を用いて無線信号の送受信を行うため、それにあわせた構成とする。
【0042】
・「無線通信装置(基地局1)の構成」
図4は、無線通信装置の例として基地局1の構成を示す。
【0043】
図において、10は各部の制御を行う制御部を示し、20〜26の受信処理部によって無線通信装置の例としての移動局2から受信した情報(制御情報等)を取得し、また、制御信号(報知情報、個別制御情報)を生成して、14〜18の送信処理部に与えることで、移動局2に対する送信を実行する。生成される制御信号の代表的な例としては、所定の信号(例えば、ゼロ割り当て情報、バックオフ時間)、選択した無線リソースの割り当て情報(UL allocation Grant)、受信結果情報(ACK/NACK)等が挙げられる。
【0044】
11は、データ処理部を示し、接続された移動網の上位側から与えられた、移動局2を含む複数の移動局宛てのデータをスケジューラ12に与える。12は、スケジューラを示し、各移動局に対するデータを送信する順序を制御し、送信スケジュールを決定し、決定したスケジュールに従って、各移動局宛のデータが送信されるように、多重部13に送信データを与える。尚、送信データは予め誤り訂正符号化(ターボ符号化等)されることが好ましい。
【0045】
スケジューリングは、移動局から報告されるCQI情報や、QOS等の種々のパラメータを用いて実行することができる。
【0046】
13は多重部を示し、制御部10が生成した、制御情報(後述する所定の信号を含む)と、データとを多重して、シンボルマッピング部14へ与える。
【0047】
14はシンボルマッピング部を示し、データ、制御信号を所定の信号点にマッピングする。多重部15は、マッピング処理が施された信号と、移動局2がCQIの測定等に用いるパイロット信号とを多重して、複数のサブキャリアに対応する信号として、IFFT処理部16に与える。
【0048】
IFFT(Inverse Fast Fourier Transformation)処理部16は、各サブキャリアに対応する信号について、周波数領域から時間領域への変換処理を施して送信信号を出力する。
【0049】
CP(Cyclic Prefix)挿入部17は、送信信号についてシンボルの後部の一部をシンボル先頭部分にコピーして、いわゆるガードインターンバル(GI:Guard Interval)を形成して無線処理部18に与える。
【0050】
18は無線処理部を示し、無線送信に必要な周波数変換処理(アップコンバート)、増幅処理等を施して、送受共用器としてのDUP19を介してアンテナから無線信号を送信する。尚、アンテナを複数設け、Multi Input Multi Outputに対応させてもよいし、重み付け制御によりビーム方向を調整するアレーアンテナに対応させてもよい。
【0051】
一方、アンテナから受信した信号は、無線処理部20に与えられる。
【0052】
20は無線処理部を示し、受信した信号について不要波除去、増幅処理等を施して、CP削除部21に宛てる。
【0053】
21は、CP削除部を示し、移動局2によって付加されたCPを除去してFFT処理部22に与える、FFT(Fast Fourier Transformation)処理部22は、受信した時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、等化処理部(イコライザ)23により、イコライジング処理を施すことで、歪みを補正し、IFFT処理部に与える。
【0054】
24は、IFFT処理部を示し、周波数領域の信号を再度時間領域の信号に変換し、復調部25に与える。
【0055】
25は、復調部を示し、受信信号を復調して復号部に与え、復号部26は、復調された信号に対して復号処理(例えば、ターボ復号等の誤り訂正復号処理)を施して、復号結果を出力する。尚、データは、移動網側に転送され、制御信号は、制御部10に与えられる。制御部10に与えられる代表的な制御信号の例としては、無線リソースの割り当てを要求する信号(例えば、SR)、無線リソースの割り当てに用いられる信号(例えば、SRS、BSR)、受信結果情報(ACK/NACK)、受信品質情報(CQI)等が挙げられる。
【0056】
27は、チャネル品質測定部を示し、無線処理部20で受信した受信信号について受信品質を測定し、スケジューラ12に測定結果を与える。
【0057】
次に、図5を用いて、無線通信装置の例として移動局2の構成について説明する。
【0058】
・「無線通信装置(移動局2)の構成」
図5は、無線通信装置の例としての移動局2の構成を示す。
【0059】
図において、30は各部の制御を行う制御部を示し、41〜45の受信処理部によって無線通信装置の例としての基地局1から受信した情報(制御情報等)を取得し、また、制御信号(個別制御情報)を生成して、33〜38の送信処理部に与えることで、基地局1に対する制御信号の送信を実行する。生成される制御信号の代表的な例としては、無線リソースの割り当てを要求する信号(例えば、SR)、無線リソースの割り当てに用いられる信号(例えば、BSR)、受信結果情報(ACK/NACK)、受信品質情報(CQI)等が挙げられる。尚、制御信号に対して誤り訂正符号化処理を施しておくこともできる。
【0060】
31は、データ処理部を示し、不図示の入力部から入力された情報又は装置内部で発生したデータ等を多重部32に与える。尚、データは、ターボ符号化等の誤り訂正符号化処理が施されていることが好ましい。
【0061】
32は、多重部を示し、制御部30から与えられた制御信号とデータ処理部からのデータを多重してシンボルマッピング部33に与える。
【0062】
33はシンボルマッピング部を示し、データ、制御信号を所定の信号点にマッピングする。多重部34は、マッピング処理が施された信号と、SRS(制御信号の一種と解することができる)等のパイロット信号とを多重し、FFT処理部35に与える。
【0063】
35は、FFT処理部を示し、入力された信号について、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し周波数マッピング部36へその出力を与える。
【0064】
36は、周波数マッピング部を示し、基地局1に割り当てられた所定の無線リソース(周波数帯)に配置されるように周波数マッピングを行う。
【0065】
37は、IFFT処理部を示し、周波数マッピングされた信号を時間領域の信号に変換して、CP挿入部38に与え、CP挿入部38は、基地局1同様に、CPを挿入して無線処理部39に送信信号を与える。
【0066】
39は、無線処理部を示し、与えられた送信信号について必要なアップコンバート、増幅処理等を施して、送受共用器としてのDUP40を介してアンテナから無線信号として送信する。
【0067】
このようにして、移動局2は、SC-FDMA方式に対応した無線信号を送信する。
【0068】
一方、アンテナで受信した基地局1からの受信信号は、DUP40を介して無線処理部41に与えられる。
【0069】
41は、不要波の除去、必要な増幅処理等を受信信号に施してからCP削除部42に受信信号を与える。
【0070】
42は、CP削除部を示し、受信信号におけるCPを削除し、FFT処理部43に与える。
【0071】
43はFFT処理部を示し、CPの除去された受信信号を周波数領域の信号に変換して出力する。
【0072】
44は、復調部を示し、FFT処理部43からの各サブキャリアに対応する信号について復調処理を行って、復調信号を復号部45に与える。
【0073】
復号部45は、ターボ符号化等の誤り訂正復号化処理を復調信号に施して、データを不不図示の出力部に与えたり、データ処理部31に与える。
【0074】
一方、制御信号は、復号部45から制御部30に与えられる。
【0075】
ここで、制御信号の代表的な例としては、所定の信号(例えば、ゼロ割り当て情報、バックオフ時間)、選択した無線リソースの割り当て情報(UL(Up-link) allocation Grant)、受信結果情報(ACK/NACK)等が挙げられる。
【0076】
次に、図6を用いて、基地局1、移動局2との間で実行される無線通信について説明する。
【0077】
・「処理の流れ(その1)」
図6は、上りリンクのリソース割り当て及びデータの送信の流れ(その1)を示す。
【0078】
この例では、移動局2は、基地局1に対して上りの制御信号を送信可能な状態であるとする。例えば、移動局2は、ランダムアクセス信号の送信により基地局1との間で上りリンクの同期を確立し、基地局2によって、指定された上りチャネルを用いて各種制御信号を送信可能な状態であるとする。
【0079】
さて、移動局2は、上りチャネルを介してSRS信号を送信する。SRS信号は、基地局2において上りリンクの無線リソースを割り当てる際に利用される信号である。例えば、SRSは、基地局2が割り当てる可能性のある所定の帯域(B:帯域幅=BW1)の中で、複数の周波数を用いて送信される既知のパイロット信号とすることができる。この信号がその所定の帯域B内において広帯域に広がるほど、基地局2において無線リソースの選択において役に立つ。
【0080】
この例では、移動局2は、所定の周期で定期的にSRSを送信するようにしているが、SRと同時(同時期)に制限して送信することもできるし、また、SRに対応して送信されるが、SRに対して時間的に先行して送信することもできる。
【0081】
さて、移動局2は、SRSを図のように周期的に送信するが、上りパケットデータがデータ処理部31において発生した(到着した)場合には、制御部30は、SRを生成し、多重部32に与えることにより基地局1に対してSRを送信させる。
【0082】
図7は、上りリンクの送信に用いられるフレームの構成例を示す。
【0083】
例えば、10msの長さを持つ無線フレームを1無線フレームとし、1無線フレームを20個の0.5msのスロットに分割し、2スロットで1サブフレームを構成するようにする。
【0084】
PUCCHiとPUCCHjは、それぞれ、2つの上り制御チャネルを示し、1msサブフレームの真ん中であるスロットの境界でそれぞれ周波数ホップが生じている。
【0085】
移動局2は、基地局1から、PUCCHi、PUCCHjのいずれかを上り制御チャネルとして割り当てられる。
【0086】
例えば、移動局2が、PUCCHjを割り当てられている場合は、そのPUCCHjを用いてSRの送信を行う。SRは、移動局2が上りデータの送信用の無線リソースの割り当てを要求する信号を含む。
【0087】
尚、SRSは、例えば、図のAで示した点線枠(例えば無線サブフレームの先頭から1シンボル分)に含まれる部分の無線リソースを用いて送信することができる。その際、所定の周波数帯域全体に渡ってSRS信号を送信されることもできるが、所定の規則に従って複数の周波数に分割させて送信することもできる。PUCCHの送信に用いる周波数を除外して送信することもできる。
【0088】
SRSをPUCCHと同時に送信する場合には、前半スロットのPUCCHの開始タイミングを後にずらすることで、前半スロットのPUCCHの長さを短くすることもできるし、重複部分のデータを送信しないようにすることもできる。
【0089】
さて、基地局1の受信処理部は、移動局2から送信されたSRを受信し、必要に応じて復号化処理を施して、制御部10にSRに含まれるデータを与える。SRSを基地局1が受信した場合は、チャネル品質を測定するチャネル品質測定部27が、所定の周波数帯域の中で、相対的に受信が良好な周波数帯域がどこであるかを特定し、スケジューラ12に通知する。
【0090】
SRの受信により、制御部10は、移動局2が、上りリンクの無線リソースの割り当てを要求していることを認識し、無線リソースの割り当て処理を実行する。
【0091】
しかし、この場合、制御部10は、上りリンクの無線リソースを既に他の移動局に全て割り当ててしまっている場合等、無線リソースの割り当て状況が、この移動局2に対して無線リソースを割り当てることが困難であることを示していると、所定の信号を生成して、多重部13に与え、移動局2に対して送信させる。
【0092】
所定の信号は、移動局2が、この所定の信号を検出することにより、所定の動作を実行可能な信号である。
【0093】
ここでは、無線リソースの割り当てが行えないこと(ゼロ無線リソースを割り当てる旨)を所定の信号の内容とする。
【0094】
図8は、下りリンクの送信に用いられるフレームの構成例を示す。
【0095】
上りリンクと同様に、0.5msの2つのスロットにより1msのサブレームを構成している。前半スロットの先頭部分には、点線Bで囲んで示した制御チャネル(例えば、PDCCH)の送信領域が設けられる。ここでは、5つの制御チャネルi、j、k、l、mが示されている。図では、周波数上固まった領域に制御チャネルを形成しているが、所定の規則でそれぞれ重複しないように分散させることもできる。各制御チャネルに、移動局2のID(Identification)情報を含めることができる。例えば、制御信号に移動局2のIDを含めておいたり、制御信号にIDを乗算しておくこと等ができる。
【0096】
制御チャネルは、メッセージを含めることができるだけの容量があれば、所定の信号(例えば、無線リソースを割り当てることができない旨知らせる信号)を制御チャネル内で送信することができる。また、制御チャネルは、点線Cで囲んで示した共有データチャネル(例えば、PDSCH)のうち、対応するデータチャネル(i、j、k、l、mのいずれか)を指定する情報を含む。
【0097】
例えば、制御チャネルiは、データチャネルiの送信に用いられる周波数情報、伝送パラメータ(変調方式、符号化レート等)を含むことで、移動局2が、制御チャネルiの受信により、データチャネルiで送信されるデータを受信することを可能とする。
【0098】
従って、例えば、基地局2は、移動局2に対して所定の信号を送信する際に、データチャネルiを用いる場合には、移動局2のID及び所定の信号を含む制御信号を制御チャネルiで送信するとともに、データチャネルiを特定可能な情報(周波数情報等)を制御チャネルiで送信する。
【0099】
尚、図では、制御チャネルと、データチャネルの配置順を合わせているが、順番をそろえないこともできる。
【0100】
さて、基地局1から所定の信号が送信されると、移動局2はこの所定の信号を受信処理部で受信し、制御部30に受信した所定の信号を与える。
【0101】
制御部30は、基地局1から所定の信号を受信したことを検出したため、所定の動作を実行する。
【0102】
即ち、無線リソースの割り当てを要求する(SR)信号の送信を規制する。
【0103】
通常であれば、無線リソースの割り当て要求であるSRを送信したにもかかわらず、基地局1から無線リソースの割り当てを受けなかったため、再度SRを送信する制御を繰返し実行することとなるが、所定の信号の受信により、SRの送信を規制するのである。
【0104】
また、SRSは、SRとは異なる目的で使用される別個の信号であるが、移動局2の制御部30は、所定の信号を受信すると、SRSの送信を規制する。従って、基地局1はSRSを受信し、観測、分析をしなくてもよい。
【0105】
この例では、所定の周期で送信していたSRSの送信を規制する。図では、所定の信号を受信する際に既に2つ目のSRSを送信してしまっているので、制御部30は、その後SRSの送信を規制することとなる。
【0106】
以上のように、SRの無駄な送信を抑制することも可能となり、また、SRSは、基地局1が、移動局2に対して所定の周波数帯域(BW(幅=BW1))のうち、移動局2に割り当てる周波数を選択するために用いられる、SRとは異なる目的の信号であるが、この所定の信号の送信により、SRSの送信を抑制することもできる。
【0107】
さて、所定の信号の送信により、移動局2において規制制御が実行されることとなるが、この実施例では、更に、規制の解除を行う仕組みを導入することとする。
【0108】
・「規制の解除」
移動局2の制御部30は、所定の信号を受信することでSRの送信を規制したり、SRSの送信を規制する規制制御を実行するが、内部タイマを用いた計時により規制を解除することもできる。例えば、所定の信号を受信すると、所定時間Tをタイマにセットし、タイマから時間Tの経過の通知を受けると、規制を解除し、SRや、SRSの送信の規制を解除する。好ましくは、SRSの送信規制の解除をSRより先行して行う。SRと同時期(同時)に解除することもできる。基地局1が、SRに応じて無線リソースの割り当てを行う際に、SRSをSRと同時又は先行して受信していれば、無線品質の状況を反映させた割り当てが実行できるからである。尚、無線リソースの割り当てを行う時に対して、より近い時間にSRSが基地局1に受信されるようにすると、基地局1は、より最新の無線品質の状況を割り当てに反映させることができるので好ましい。
【0109】
Tは、単一の値としたが、異なる複数の所定時間候補T0〜TN(Nは、2以上の値)の中から選択した1つを所定の時間としてタイマにセットしてもよい。選択アルゴリズムは種々考えられるが、移動局間で分散するように、移動局は、それぞれ乱数を発生させ、乱数をN+1で割った余りiに対応するTi(iは0以上、N以下)を所定時間としてタイマにセットしてもよい。
【0110】
また、所定の時刻が訪れることで規制を解除することもできる。例えば、各無線フレームに番号を付与しておき、所定の無線フレームが到来したら、制御部30は規制を解除することもでる。
【0111】
また、基地局1から規制を解除すべきタイミング情報を制御部30が取得し、そのタイミング情報に従って規制を解除することもできる。
【0112】
例えば、基地局1の制御部10は、バックオフ時間を含む所定の信号を生成し、送信処理部に送信させる(制御チャネル(PDCCH)又はデータチャネル(PDSCH)で送信)。
【0113】
そして、移動局2の制御部30は、バックオフ時間を抽出し、バックオフ時間(Tb)で規定される時間に渡って規制を実行し、その後規制を解除する。
【0114】
例えば、図6のように、SRの送信タイミングを起算タイミングとし、Tbで指定された時間規制を行う。起算タイミングは、所定の信号の受信時等、他のタイミングとすることもできる。
【0115】
規制の解除条件が満たされたことを検出した移動局2は、送信すべき上りデータパケットが依然として残っているため、無線リソースの割り当てを再度要求するために、SRの送信を実行する。
【0116】
この例では、SRSがSRに先行して移動局2から送信される。
【0117】
基地局1の制御部10は、SRを受信すると、規制時間の経過により、無線リソースの割り当てを行える状況になったかどうか確認し、無線リソースの割り当てが可能であると検出すると、データ送信の割り当てにどれほどの帯域が必要であるかを判断すべく、バッファ状態報告(BSR)信号の送信用の無線リソースを割り当てる信号を生成し、送信処理部に送信させる。このとき、SRSを移動局2から受信しているため、割り当てる無線リソースの周波数は、SRSで良好な受信品質を示す周波数部分とすることもできる。
【0118】
移動局2は、送信すべきデータを格納するバッファ部を兼ねるデータ処理部31におけるバッファ量を求め、割り当てられた無線リソースを用いて基地局1にバッファ量のレポート(BSRの送信)を行う。
【0119】
基地局1の制御部10は、BSR、SRS(最新のSRS又は積算したSRS)を用いて、必要とされる周波数帯域幅、周波数部分を選択し、データ送信用の無線リソースの情報として移動局2に送信する。
【0120】
従って、移動局2は、選択された無線リソースの情報に従って、データの送信を実行する。
【0121】
図9は、上りリンクの送信に用いられる無線フレームの構成(送信データ有りの場合)を示す。
【0122】
図7に示したように、2つのスロットを含む無線サブフレームを使用し、図のように基地局1に指定された無線リソース(PUSCH)で、データを送信する。尚、移動局2は、基地局1から下りデータの受信を行っている場合は、データ部分に時間多重して受信結果(ACK/NACK)や、CQIを送信することもできる。尚、無線リソースの情報は、DATA等の送信用の無線リソース(周波数等)を指し示す。
【0123】
上述した例では、SRSの送信規制の解除をSRに先行して行っているが、BSRの送信と同時期又はBSRの送信に対して先行してSRSの送信規制を解除することもできる。BSRの送信のための無線リソースの選択に利用することは困難であるかもしれないが、データ送信のための無線リソース選択には利用され得るからである。
【0124】
また、SRやBSRとSRSを別個に送信していたが、同時に送信することもできる。
【0125】
尚、SRを送信したにも関わらず、基地局1から所定の信号が送信されなかった場合(サイレントの場合)は、移動局2は、SR等の送信を規制せず、再度SRの送信を行えばよい。
【0126】
また、SR送信後、BSRを送信してから、データが送信されたが、SRに対して割り当てられた無線リソースを用いて、データの送信を行ってしまうこともできる。例えば、BSRを送信するステップを省略するか、データとBSRとを多重して送信するのである。
【0127】
・「処理の流れ(その2)」
図10は、上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その2)を示す。
【0128】
図6では、基地局1は、SRの受信に応じて所定の信号を送信していたが、ここでは、BSRの受信に応じて所定の信号を送信する。他の処理は、基本的にデータ送信の流れ(その1)と同様にすることができる。
【0129】
即ち、基地局1の制御部10は、移動局2から最初のSRを受信すると、BSRの送信用の無線リソースの割り当てが可能であるか判定し、可能であると判断すると、BSR送信用の無線リソースを移動局2に割り当て、割り当てた無線リソースの情報を図8の制御チャネル(PDCCH)又はデータチャネル(PDSCH)を介して送信する。
【0130】
移動局2の制御部30は、割り当てられた無線リソースの情報を検出し、その無線リソースを用いてBSRを送信するが、基地局1の制御部10は、そのBSRに応じた帯域を確保することが困難と判断する。SRの受信から状況が変わったケース又は移動局2が送信したBSRが、送信すべきデータ量が多いことを示し、そのデータ量に見合う帯域の確保が難しいケース又は送信すべきデータ量が少ないため他の移動局を優先すべく、しばらく送信を待機させるケース等がある。
【0131】
いずれにしても、この場合、基地局1は、データ送信用の無線リソースをこの移動局2に割り当てることは困難として所定の信号を送信する。所定の信号は先に示した所定の信号とすることができる。
【0132】
そして、移動局2の制御部30は、所定の信号の受信により、先に示した規制制御を行い、先に示した解除により、同様の処理を行う。
【0133】
・「処理の流れ(その3)」
図11は、上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その3)を示す。
【0134】
図6では、移動局2は、データの送信を行っていなかったが、この例では、移動局2は既にデータの送信を行っているものとする。また、データにBSRを多重することで、バッファ状態を適宜基地局1に報告しているものとする。他の処理は、基本的にデータ送信の流れ(その1)と同様にすることができる。
【0135】
さて、移動局2は、周期的にSRSを送信するとともに、データにBSRを多重し、基地局1に割り当てられた無線リソースを用いて、多重データの送信を行う。
【0136】
即ち、図9に示すフレームにおいて、DATAで示した領域にBSRを多重するか、又は、ACK/NACK等と示した領域にBSRを格納して送信する。
【0137】
基地局1の制御部10は、受信したデータについて復号部26で復号させ、その復号結果についてCRCチェックビット等を用いた誤り検出処理を施して、受信が成功したかどうか判断する。受信が成功の場合は、ACK信号を生成し、多重部13に与え、失敗の場合は、NACK信号を生成し、多重部13に与える。
【0138】
また、ACK/NACKに応じて新規データ又は再送データを移動局2に送信させるための無線リソースを選択し、受信結果(ACK/NACK)とともに、図8の制御チャネル(PDCCH)又はデータチャネル(PDSCH)を介して送信する。
【0139】
無線リソースの選択は、SRSにより良好な周波数部分を特定するとともに、BSRにより必要な大きさの無線リソースとなるように帯域幅を調整することで行う。
【0140】
さて、受信結果及び無線リソースの更なる割り当てを受けた移動局2は、再度、BSRと対応するデータを送信する。
【0141】
しかし、今回は、基地局1は、先に説明した諸事情により、移動局2に対して無線リソースを割り当てられないと判断し、所定の信号を送信する。
【0142】
所定の信号を受信した移動局2の制御部30は、SR、BSR、SRSの送信を規制する。
【0143】
規制の解除は先に説明したいずれかの手法を用いることができ、この例では、SRSの送信がSRに対して先行して送信されている。
【0144】
規制解除後は、SRの送信、BSR送信用無線リソースの割り当て、BSRの送信、データ送信用無線リソースの割り当て、データ及びBSRの多重データの送信といった一連の処理が実行されることとなる。
【0145】
・「処理の流れ(その4)」
図12は、上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その4)を示す。
【0146】
図6では、移動局2は、SRを送信するための上り制御チャネルを既に獲得していたが、ここでは、SRの送信を行うための上り制御チャネルを獲得しておらず、ランダムアクセス信号の送信から実行する例について説明する。
【0147】
他の処理は、基本的にデータ送信の流れ(その1)と同様にすることができる。
【0148】
まず、移動局2の制御部30は、ランダムアクセスチャネルで送信するランダムアクセス信号としてプリアンブルを生成し、送信処理部から送信させる。
【0149】
ランダムアクセスチャネルは、基地局1との間の通信を開始する際に送信する信号であり、例えば、他の移動局と共有するランダムアクセス信号の送信領域で送信される。
【0150】
この例では、ランダムアクセス信号は、基地局10によって受信されたが、基地局1は、先に示した諸事情によりBSR(SR)の送信のための無線リソースの割り当てが困難であると判断し、所定の信号を送信する。
【0151】
移動局2の制御部30は、所定の信号を受信するため、規制処理を実行する。
【0152】
この場合、規制の対象は、ランダムアクセス信号の送信、SRSの送信等とすることができる。
【0153】
規制の解除条件は、先に説明したいずれかを用いることもできる。但し、SRの送信規制の解除に代えて、ランダムアクセス信号の送信規制の解除と読み替える。
【0154】
この例では、規制の解除条件が満たされることで、移動局2の制御部30は、まず、ランダムアクセス信号を再度送信する。
【0155】
そして、今回は、基地局1の制御部10は、ランダムアクセス信号を受信すると、無線リソースを移動局2に割り当てることができる状況(無線リソースの割り当て状況に余裕がある)かどうか確認し、割り当て可能であえれば、BSR送信用の無線リソースを選択し選択した無線リソースの情報を移動局2に通知する。
【0156】
移動局2は、BSR送信用の無線リソースの割り当てを受けるため、その無線リソースを用いてBSRを送信し、更に、基地局1からデータ送信用の無線リソースの割り当てを受けることで、データの送信を行う。先の例のようにデータとBSRを更に多重して送信することもできる。
【0157】
尚、この例では、ランダムアクセス信号の送信規制が解除されてからも、SRSの送信が行われていない。SRSは、ランダムアクセス信号に対して基地局1から応答があった後にSRSの送信を開始している。
【0158】
SRSは、BSRの送信と独立してBSRに先行して送信を開始し、所定の周期で、図7のAの部分を用いて送信することもできるが(SRSを送信すべきスロット等は基地局1からランダムアクセス信号の応答信号(BSR送信用無線リソースの割り当て含む)として指定される)、ここでは、BSRの送信と同時期に送信することとする。
【0159】
図9の点線で囲んだDの部分でSRSを送信するとともに、DATAで示した部分を1シンボル分短くする。BSRはDATAで示した部分で送信する。ACK/NACK等の信号は送信しないか、又は、DATA部分に時間多重し、SRSと重複しないようにしてもよい。
【0160】
また、この例では、基地局1は、ランダムアクセス信号に対して、BSRの送信用の無線リソースを移動局2に割り当てたが、図7のPUCCHiを移動局2に割り当て、移動局2は、そのPUCCHiを用いて、図6のように、まず、SRを送信するようにすることもできる。
【0161】
尚、ランダムアクセス信号を送信したにも関わらず、基地局1から所定の信号が送信されなかった場合は(サイレントの場合)移動局2は、ランダムアクセス信号等の送信を規制せず、再度ランダムアクセス信号の送信を行えばよい。
【0162】
・「処理の流れ(その5)」
図13は、上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その5)を示す。
【0163】
これまでの例では、基地局1は、所定の信号を、SR、BSR、ランダムアクセス信号の受信を契機として送信していたが、ここでは、基地局1は、所定の信号を報知信号として送信することとする。
【0164】
図14は、下りリンクの送信に用いられるフレームの構成例(その2)を示す。
【0165】
このフレームは、送信に使用する周波数帯の中心部分で、スロットの境界部分を中心とする報知チャネルを設け、その上下にデータチャネルi、k、j、m、同じ周波数帯にデータチャネルlを設けている。制御チャネルは、データチャネルi、j、k、l、mの送信周波数、伝送パラメータを特定可能な情報をそれぞれ含む。
【0166】
尚、報知チャネルは、基地局1が構成するセル内の移動局の複数(全体)に通知する情報を送信するチャネルであり、先のランダムアクセス信号を送信すべき無線リソース情報を送信することもできる。
【0167】
この例では、この報知情報に、所定の信号を含めることとする。
【0168】
即ち、基地局1の制御部10は、所定の信号を生成し、報知情報の一部として多重部13に与えることで、所定の信号を送信する。
【0169】
移動局2は、定期的に報知情報を受信することで、所定の信号を報知情報として受信すると、送信すべき上りパケットデータがあるにもかかわらず、SR(又はランダムアクセス信号)、SRSの送信を先に示したように規制する。
【0170】
それにより、複数の移動局に対して一斉に規制制御をかけることができる。尚、データ送信用又はBSR送信用の無線リソースを既に割り当てられている移動局は、所定の信号を受信しても規制制御を実行しないようにすることもできる。
【0171】
そして、報知情報の更なる受信(例えば、次の報知チャネル受信周期における受信)により、所定の信号を検出しないと、移動局2の制御部30は、SRSの送信規制を解除するとともに、SRの送信規制を解除し、SRS、SRをそれぞれ送信する。ここでは、SRSはSRとは別個に周期的に送信される。
【0172】
SRを受信した基地局1は、SRS等に基づいて割り当てる無線リソースの選択を行い、割り当てた無線リソースの情報を下り制御チャネルで送信する。
【0173】
従って、移動局2の制御部30は、割り当てられた無線リソースの情報に従って、データを送信すべき周波数部分でデータを送信する。
【0174】
もちろん、図6に示したように、基地局1は、まず、BSRの送信用の無線リソースを割り当て、その後データの送信用の無線リソースを割り当てることとすることもできる。
【0175】
・「処理の流れ(その6)」
図15は、上りリンクのリソース割り当て及びデータ送信の流れ(その6)を示す。
【0176】
ここでは、無線フレームにはシステムフレーム番号(SFN: System Frame Number)が付されており、報知情報は、定期的にフレーム番号を更新しつつ送信することで、移動局2が無線フレームの番号を特定できるようにしている。
【0177】
そして、基地局1の制御部10は、所定の信号を送信する際に、所定のタイミング(例えば、SFN13が開始するタイミング)情報を併せて送信し、移動局2に対して、そのタイミングまで規制処理を行うように指示する。
【0178】
従って、移動局2は、所定の信号の受信により、送信すべき上りパケットが存在しても、SRS、SRの送信を規制する。
【0179】
そして、移動局2は、SFN13が送信される無線フレームのタイミングで再度報知情報チャネルの受信を実行する。尚、所定の信号後、SFN13が到来するまで、受信処理部の電源をオフとすることもできる。ただし、間欠受信等、別途受信が必要な場合は、その受信を行う。
【0180】
さて、移動局2は、SFN13の無線フレームを受信し、報知情報が、所定の信号を送信していないことを検出(無線リソースの割り当てがなされる可能性があることを検出)すると、SRS、SRの送信規制を解除し、SRSの送信、SRの送信を実行する。尚、SRSは、SRと同時に送信してもよいが、ここでは、SRRを先に送信している。
【0181】
SRを受信した基地局1は、SRS等に基づいて割り当てる無線リソースの選択を行い、割り当てた無線リソースの情報を下り制御チャネルで送信する。
【0182】
従って、移動局2の制御部30は、割り当てられた無線リソースの情報に従って、データを送信すべき周波数部分でデータを送信する。
【0183】
もちろん、図6に示したように、基地局1は、まず、BSRの送信用の無線リソースを割り当て、その後データの送信用の無線リソースを割り当てることとすることもできる。
【0184】
尚、データ送信用又はBSR送信用の無線リソースを既に割り当てられている移動局は、所定の信号を受信しても規制制御を実行しないようにすることもできる。
【0185】
以上説明した、各処理の流れ1〜6を任意の組み合わせて用いることもできる。
【符号の説明】
【0186】
1:無線通信装置(基地局)
2:無線通信装置(移動局)
10:制御部
11:データ処理部
12:スケジューラ
13:多重部
14:シンボルマッピング部
15:多重部
16:IFFT処理部
17:CP挿入部
18:無線処理部
19:DUP(デュプレクサ)
20:無線処理部
21:CP削除部
22:FFT処理部
23:等化処理部
24:IFFT処理部
25:復調部
26:復号部
27:チャネル品質測定部
30:制御部
31:データ処理部
32:多重部
33:シンボルマッピング部
34:多重部
35:FFT処理部
36:周波数マッピング部
37:IFFT処理部
38:CP挿入部
39:無線処理部
40:DUP(デュプレクサ)
41:無線処理部
42:CP削除部
43:FFT処理部
44:復調部
45:復号部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、
前記移動局は、前記基地局から受信した所定の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得したときに、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行う制御部、
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記基地局は、前記所定の信号を前記移動局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記移動局の制御部は、前記基地局から受信した信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保された旨を取得したときに、前記規制する制御を解除する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記規制は、単一又は複数の時間候補に含まれるいずれかの時間に基づいて決定される期限まで行われる、
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記基地局の送信部は、ランダムアクセス信号又はスケジューリングリクエスト信号のいずれかを受信したことを契機として前記所定の信号を送信する、
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか記載の無線通信システム。
【請求項6】
該無線リソースの割当を要求する信号は、ランダムアクセス信号又はスケジューリングリクエスト信号のいずれか、
であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか記載の無線通信システム。
【請求項7】
移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、
前記移動局は、前記基地局から受信した第1の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得して、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行っている場合に、前記基地局から受信した第2の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保された旨を取得して、前記規制する制御を解除する制御部、
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
前記基地局は、前記第1の信号及び第2の信号の少なくともいずれかを前記移動局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする請求項7記載の無線通信システム。
【請求項9】
移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、
前記移動局は、前記基地局から受信した所定の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得し、送信すべきデータを送信できないときに、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行う制御部、
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
前記基地局は、前記所定の信号を前記移動局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする請求項9記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記移動局の制御部は、前記基地局から受信した信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保された旨を取得したときに、前記規制する制御を解除する、
ことを特徴とする請求項10記載の無線通信システム。
【請求項1】
移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、
前記移動局は、前記基地局から受信した所定の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得したときに、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行う制御部、
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記基地局は、前記所定の信号を前記移動局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記移動局の制御部は、前記基地局から受信した信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保された旨を取得したときに、前記規制する制御を解除する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記規制は、単一又は複数の時間候補に含まれるいずれかの時間に基づいて決定される期限まで行われる、
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記基地局の送信部は、ランダムアクセス信号又はスケジューリングリクエスト信号のいずれかを受信したことを契機として前記所定の信号を送信する、
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか記載の無線通信システム。
【請求項6】
該無線リソースの割当を要求する信号は、ランダムアクセス信号又はスケジューリングリクエスト信号のいずれか、
であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか記載の無線通信システム。
【請求項7】
移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、
前記移動局は、前記基地局から受信した第1の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得して、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行っている場合に、前記基地局から受信した第2の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保された旨を取得して、前記規制する制御を解除する制御部、
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
前記基地局は、前記第1の信号及び第2の信号の少なくともいずれかを前記移動局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする請求項7記載の無線通信システム。
【請求項9】
移動局は、無線リソースの割当を要求する信号を基地局に送信し、該基地局は、該移動局から該無線リソースの割当を要求する信号を受信すると、割り当てる無線リソースの情報を該移動局に送信し、該移動局は、該無線リソースの情報により特定される無線リソースを用いて送信データを送信する、無線通信システムにおいて、
前記移動局は、前記基地局から受信した所定の信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保されなかった旨を取得し、送信すべきデータを送信できないときに、前記無線リソースの割当を要求する信号の送信を規制する制御を行う制御部、
を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
前記基地局は、前記所定の信号を前記移動局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする請求項9記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記移動局の制御部は、前記基地局から受信した信号から、送信すべきデータ量に見合う無線リソースが確保された旨を取得したときに、前記規制する制御を解除する、
ことを特徴とする請求項10記載の無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−213219(P2012−213219A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−142530(P2012−142530)
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【分割の表示】特願2007−335565(P2007−335565)の分割
【原出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【分割の表示】特願2007−335565(P2007−335565)の分割
【原出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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