説明

無線通信方法、無線通信システム、無線通信装置、及び無線通信プログラム

【課題】接続するユーザデバイスを選択する際に、接続を要求したユーザデバイスが、接続を予期していないユーザデバイスであるか否かの判定をする。
【解決手段】無線通信システムは、少なくとも1つのユーザデバイス1Aと、ユーザデバイス1Bとを具備する。ユーザデバイス1Bが有効なペアリング期間を開始させ、ユーザデバイス1Aが第2無線通信装置との接続を要求するペアリング信号を送信し、ユーザデバイス1Bが有効なペアリング期間において受信したペアリング信号を送信したユーザデバイス1Aのうち、有効なペアリング期間を開始させる前に受信したペアリング信号を送信していないユーザデバイス1Aを接続相手に選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュアな通信を行う無線通信方法、無線通信システム、無線通信装置、及び無線通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Bluetooth(登録商標)において、ユーザデバイス間のペアリング方法が規定されている。当初、策定されたペアリング方法では、ユーザがペアリング対象の両方のデバイスにPIN(Personal Identification Number;個人識別番号)コードを入力し、同一のPINコードが入力されたことを条件にペアリングが行われていた。しかしながら、ヘッドセットなどの、数値を入力するユーザインターフェースが備えられていないなど、ユーザインターフェースが十分でないデバイスの場合、”0000”などの単純かつ固定化されたPINコードが使用されていた。そのため、予期しないデバイスとペアリングが行われるなどの問題があった。
【0003】
そこで、ユーザデバイス間のペアリングをより安全に行うため、Ver2.1(非特許文献1)において、SSP(Simple Secure Pairing)が策定された。SSPでは、入力インターフェースの条件に応じた複数のペアリングの方法が規定されるとともに、公開鍵暗号方式を使用し、データチャネルの盗聴を防止している。
また、入力インターフェースが十分でないデバイス向けに「Just Work」と呼ばれる方法が規定されている。本方法では、ユーザは片方のデバイス上(デバイスA)で、もう片方のデバイス(デバイスB)の名称やMACアドレスなどを確認した上で、ペアリングを許可することが可能となっている。
【0004】
上記で述べたように、Bluetooth(登録商標)のペアリング方法では、ユーザインターフェースが十分でないデバイスの場合には”0000”などの単純かつ固定化されたPINコードが使用されている。この場合、予期しないデバイスとペアリングが行われてしまう問題があった。そこで、特許文献1に記載されている技術では、ペアリングを行うデバイスを近傍に配置し、片方のデバイス(デバイスA)から問い合わせ信号を送信した後、問い合わせ信号に応答した最初のデバイスとペアリングの処理を実行する。また、デバイスAは問い合わせ信号を標準の出力電力レベルより小さい電力で送信することで、予期しないデバイス同士がペアリングされる可能性を低くしている。
【0005】
また、無線LANのアクセスポイント(Access Point;AP)とクライアント間でのセキュリティ情報の設定方法として、WPS(WiFi Protected Setup(登録商標))が規定されている(非特許文献2)。WPSは、APとクライアントとでボタン操作を行うことにより、SSID(Service Set Identifier)や、セキュリティキーなどの必要な情報をクライアントに設定する技術であり、直感的な操作で無線LANの設定が可能となっている。この技術では、APにおいて無線LANの設定を行う専用ボタンを押下することで、APは一定期間(一般的には2分間)の間、ビーコンを使って待機状態であることを報知する。クライアントは、待機状態であるAPを探索した後に、公開鍵暗号方式を用いて必要な情報をAPからクライアントに送信することで、無線LANの設定が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−512205号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Specification of the Bluetooth (V.2.1), Bluetooth SIG, 2007.July
【非特許文献2】"Wi-Fi Protected Setup(登録商標)"、 [online]、Wi-Fi Alliance、 「2011年2月24日検索」、インターネット<URL;www.wi-fi.org/wifi-protected-setup>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
Bluetooth(登録商標)で規定されたSSPを用いることで、規定が策定された当初のペアリング方法に比べ、安全にペアリングを行うことが可能となった。
しかしながら、ユーザインターフェースが十分でないデバイス向けに策定された「Just Work」では、デバイスに表示されたデバイスの名称やMACアドレスなどを確認してペアリングを行うが、デバイス名称やMACアドレスを詐称することは容易であり、予期しないデバイスとペアリングされる可能性があるという問題がある。
【0009】
また、特許文献1に記載されている技術は、予期しないデバイスとのペアリングの問題を解決するため、問い合わせ信号を送信する際の出力電力を制限している。
しかしながら、他のデバイスが近傍に位置する場合における、当該デバイスとのペアリングを防止するための手段が設けられていない。そのため、出力電力を制限した場合においても、電波が到達する範囲内に他のデバイスが位置する場合、予期しないデバイスとペアリングされる可能性があるという問題がある。更に、見通しがよい位置にデバイスが設置されている場合、出力電力を制限していたとしても、電波が到達する範囲が広くなるので、予期しないデバイスとペアリングされてしまう可能性が高くなってしまうという問題もある。
【0010】
また、無線LANで用いられているWPSでは、待機期間中であるAPに対して、いずれのクライアントからもアクセス可能な状態になる。そのため、APは、待機期間中に、予期しないクライアントと接続してしまうという問題がある。
【0011】
このように、PINコードなどを入力するユーザインターフェースが乏しいユーザデバイスを対象にしたペアリング(接続の設定)において、ペアリング相手を判定する方法について対処されていないという問題がある。昨今では、ペアリングされたユーザデバイス間で認証情報などのセキュリティ情報が交換されることもあり、これらのセキュリティ情報が予期しないデバイスに送信された場合には、不正アクセスなどの問題が発生する。
【0012】
すなわち、ユーザデバイス(無線通信装置)を接続する際に、接続するユーザデバイスが予期されていないユーザデバイスであるか否かの判定が十分に行われておらず、予期していない接続による不正なアクセスなどが生じてしまう問題がある。
【0013】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、接続する無線通信装置を選択する際に、接続を要求した無線通信装置が、接続を予期していない無線通信装置であるか否かの判定をすることができる無線通信方法、無線通信システム、無線通信装置、及び無線通信プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記問題を解決するために、本発明は、少なくとも1つの第1無線通信装置と、第2無線通信装置との間における無線通信方法であって、前記第2無線通信装置が有効なペアリング期間を開始させる有効期間開始ステップと、前記第1無線通信装置が前記第2無線通信装置との接続を要求するペアリング信号を送信するペアリング信号送信ステップと、前記第2無線通信装置が前記有効なペアリング期間において受信した前記ペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間を開始させる前に受信した前記ペアリング信号を送信していない第1無線通信装置を接続相手に選択するペアリング制御ステップとを有することを特徴とする無線通信方法である。
【0015】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記第2無線通信装置が、前記有効なペアリング期間を終了させる有効期間終了ステップを更に有し、前記ペアリング制御ステップにおいて、前記有効なペアリング期間に受信した前記ペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間が開始する前、又は前記有効なペアリング期間が終了した後に前記ペアリング信号を送信していない第1無線通信装置を接続相手に選択することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記ペアリング制御ステップにおいて、受信したペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置であって、前記有効なペアリング期間以外の期間にペアリング信号を送信していない前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間が開始されてから最初に受信したペアリング信号を送信した第1無線通信装置を接続相手に選択することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記ペアリング制御ステップにおいて、受信したペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置であって、前記有効なペアリング期間以外の期間にペアリング信号を送信していない第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間において最も受信信号強度が高いペアリング信号を送信した第1無線通信装置を接続相手に選択することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記ペアリング信号送信ステップにおいて、ユーザの入力操作に応じて前記ペアリング信号を送信することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記有効期間開始ステップにおいて、ユーザの入力操作に応じて前記有効なペアリング期間を開始させることを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記ペアリング制御ステップが行われた後に、前記第1無線通信装置が有効な第2ペアリング期間を開始させる第2有効期間開始ステップと、前記第2無線通信装置が前記第1無線通信装置との接続を要求する第2ペアリング信号を送信する第2ペアリング信号送信ステップと、前記第1無線通信装置が前記有効な第2ペアリング期間において受信した前記第2ペアリング信号を送信した前記第2無線通信装置のうち、前記有効な第2ペアリング期間を開始させる前に受信した前記第2ペアリング信号を送信していない第2無線通信装置を接続相手に選択する第2ペアリング制御ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記有効なペアリング期間が開始される直前に予め定められた時間間隔のマージン期間が設けられており、前記マージン期間において受信されたペアリング信号は、前記有効なペアリング期間に受信されたペアリング信号とすることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、少なくとも1つの第1無線通信装置と、第2無線通信装置とを具備する無線通信システムであって、前記第1無線通信装置は、前記第2無線通信装置との接続を要求するペアリング信号を送信するペアリング信号送受信部を備え、前記第2無線通信装置は、有効なペアリング期間を開始させ、前記有効なペアリング期間において受信した前記ペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間を開始させる前に受信した前記ペアリング信号を送信していない第1無線通信装置を接続相手に選択するペアリング制御部を備えることを特徴とする無線通信システムである。
【0020】
また、本発明は、少なくとも1つの第1無線通信装置と、無線通信装置とを具備する無線通信システムにおける無線通信装置であって、有効なペアリング期間を開始させ、前記有効なペアリング期間において受信したペアリング信号であって自装置との接続を要求するペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間を開始させる前に受信した前記ペアリング信号を送信していない第1無線通信装置を接続相手に選択するペアリング制御部を備えることを特徴とする無線通信装置である。
【0021】
また、本発明は、少なくとも1つの第1無線通信装置と、第2無線通信装置とを具備する無線通信システムにおける第2無線通信装置に備えられているコンピュータに、有効なペアリング期間を開始させ、前記有効なペアリング期間において受信したペアリング信号であって自装置との接続を要求するペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間を開始させる前に受信した前記ペアリング信号を送信していない第1無線通信装置を接続相手に選択するペアリング制御ステップを実行させるための無線通信プログラムである。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、第2無線通信装置が有効なペアリング期間を開始させる。また、第2無線通信装置は、有効なペアリング期間以外の期間において、ペアリング信号を受信したか否かに応じて、受信したペアリング信号を送信した第1無線通信装置が、接続を予期していない第1無線通信装置であるか否かを判定することができる。これにより、第2無線通信装置は、予期されていない第1無線通信装置不当な第1無線通信装置を避けて接続相手を選択することができ、セキュアな接続を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態における無線通信システムの一例と、無線通信装置であるユーザデバイスの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施形態におけるペアリング信号を送信する側のユーザデバイス1が行うペアリングの手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態におけるペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1が行うペアリングの手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態におけるペアリングの前処理の一例を示すシーケンス図である。
【図5】本実施形態におけるペアリングの処理の第1例を示すシーケンス図である。
【図6】本実施形態におけるペアリングの処理の第2例を示すシーケンス図である。
【図7】本実施形態におけるペアリング制御部12が行うペアリング判定の一例を示す概略図である。
【図8】本実施形態の無線通信システムにおけるユーザデバイス1A及び1B間の無線通信にBluetooth(登録商標)を適用した場合のペアリングのシーケンスを示す図である。
【図9】本実施形態の無線通信システムにおけるユーザデバイス1A及び1B間の無線通信にZigbee(登録商標)を適用した場合のペアリングのシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における無線通信方法、無線通信システム、無線通信装置、及び無線通信プログラムを説明する。
【0025】
図1は、本実施形態における無線通信システムの一例と、無線通信装置であるユーザデバイスの構成を示す概略ブロック図である。本実施形態における無線通信システムは、無線通信装置であるユーザデバイス1を少なくとも2つ具備している。例えば、無線通信システムは、図1(a)が示すように、一方のユーザデバイス1Aとしての携帯電話と、他方のユーザデバイス1Bとしてのヘッドセットとを具備する。以下、ユーザデバイス1Aとユーザデバイス1Bとの両方、あるいはいずれか一方を示す場合には、ユーザデバイス1という。
【0026】
ここで、本実施形態の無線通信システムにおいて、2つのユーザデバイス1が、接続するか否かの判定を行うペアリングの処理の概略について説明する。
ユーザデバイス1のうちいずれか1つが有効なペアリング期間を設定する。他のユーザデバイス1がペアリング信号を送信する。このとき、有効なペアリング期間を設定したユーザデバイス1は、有効なペアリング期間に受信したペアリング信号の送信元のユーザデバイス1のうち、有効なペアリング期間以外の期間に受信したペアリング信号の送信元ではないユーザデバイス1を選択し、選択したユーザデバイス1と接続する判定を行う。
すなわち、ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1は、有効なペアリング期間以外の期間にペアリング信号を送信したユーザデバイス1を、接続を予期していないユーザデバイス1(不当なユーザデバイス1)として判定し、当該ユーザデバイス1との接続を行わない。これにより、予期していないユーザデバイスが接続される可能性を低くして、セキュアな接続をすることができる。ここで、ペアリング信号は、接続を要求していることを示す信号である。また、ペアリング期間は、ペアリング信号を受け付ける期間である。
【0027】
図1(b)は、本実施形態におけるユーザデバイス1のユーザデバイス1間の接続に関する構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、ユーザデバイス1は、ユーザインターフェース(User Interface;UI)部11と、ペアリング制御部12と、ペアリング信号送受信部13と、無線インターフェース(Interface;I/F)部14と、記憶部15とを備えている。
ユーザインターフェース部11は、ユーザの操作に応じた操作信号を入力するとともに、ユーザに対する情報の出力を行う。入力の手段として、例えば、ユーザインターフェース部11はボタンやスイッチなどを備え、ユーザがボタンを押下したり、スイッチを切り替えたりする操作を行うことにより、操作信号がユーザインターフェース部11に入力される。また、出力の手段としては、例えば、LEDなどのランプを点灯、消灯、点滅させたりすることにより、ユーザインターフェース部11がユーザに対して出力する。
【0028】
ペアリング制御部12は、他のユーザデバイス1と接続するか否かの判定を行うペアリングの処理を行う。また、ペアリング制御部12は、ユーザインターフェース部11に操作信号が入力されたか否かに基づいて、ペアリング信号を送信するタイミングの制御を行う。また、ペアリング制御部12は、受信したペアリング信号の送信元のユーザデバイス1と接続するか否かを判定する。また、ペアリング制御部12は、ペアリング期間における有効期間の長さを定めるタイマー(不図示)を有している。
ペアリング信号送受信部13は、ペアリング制御部12の制御に基づいて、ペアリング信号を生成して出力するとともに、無線インターフェース部14が受信した信号からペアリング信号を検出する。
【0029】
無線インターフェース部14は、予め定められた無線方式を用いて、ペアリング信号の送受信や、その他のデータの送受信を行う。例えば、無線インターフェース部14には、Bluetooth(登録商標)や、Zigbee(登録商標)(IEEE802.15.4)、無線LAN(IEEE802.11)などの無線通信規格で定められた通信方式が用いられる。
記憶部15には、ペアリング信号の受信履歴が時系列に記憶される。受信履歴は、ペアリング信号を受信した時刻と、受信したペアリング信号を送信したユーザデバイス1を識別する情報とを対応付けた情報である。
【0030】
図2は、本実施形態におけるペアリング信号を送信する側のユーザデバイス1が行うペアリングの手順を示すフローチャートである。
ペアリング信号を送信する側のユーザデバイス1において、ユーザの操作、例えば、電源ボタンを押下する操作により起動すると、ペアリング制御部12は、自機を待機状態に設定する(ステップS101)。ここで、待機状態に設定するとは、ユーザの操作に応じた操作信号がユーザインターフェース部11に入力されるまで、待機することである。
ユーザの操作に応じて、トリガー入力として操作信号がユーザインターフェース部11に入力されると(ステップS103)、ペアリング制御部12は、一定時間の間、自機を待ち受け状態に設定する(ステップS105)。ここで、待ち受け状態とは、接続候補としての他のユーザデバイス1から探索リクエスト信号の受信を待つ状態である。また、探索リクエスト信号は、ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1が接続の要求を受け付ける状態であることを示す信号である。また、ステップS103におけるユーザの操作は、例えば、ユーザインターフェース部11に設けられているボタンを押下する操作などである。
【0031】
一定時間が経過すると、ペアリング制御部12は、一定時間の間に、探索リクエスト信号を受信したか否かを判定し(ステップS107)、探索リクエスト信号を受信しなかった場合(ステップS107:No)、処理をステップS101に戻し、待機状態に移行する。
一方、探索リクエスト信号を受信した場合(ステップS107:Yes)、探索リクエスト信号に対する応答としての探索レスポンス信号を送信させる制御を、ペアリング信号送受信部13及び無線インターフェース部14に対して行う(ステップS109)。
続いて、ペアリング制御部12は、一定時間待機し、送信した探索レスポンス信号に対する確認応答信号を、当該一定時間の間に受信したか否かを判定する(ステップS111)。この確認応答信号は、探索レスポンス信号を正しく受信したことを通知するための信号である。
【0032】
ステップS111において、確認応答信号を受信しなかった場合(ステップS111:No)、ペアリング制御部12は、処理をステップS101に戻し、待機状態に移行する。
一方、ステップS111において、確認応答信号を受信した場合(ステップS111:Yes)、ペアリング制御部12は、自機をペアリング処理状態に設定する(ステップS113)。ここで、ペアリング処理状態とは、探索レスポンス信号と確認応答信号とを送受信したユーザデバイス1と接続するか否かの判定を行うペアリングの処理を行っている状態である。また、ペアリング処理状態に設定するとは、ペアリング期間を開始させることである。また、ステップS113において、ペアリング制御部12は、ペアリング期間における状態を無効状態にする。
ペアリング制御部12は、自機をペアリング処理状態に設定すると、一定時間の間に、トリガー入力としての操作信号がユーザインターフェース部11に入力されたか否かを判定する(ステップS115)。
【0033】
ステップS115において、トリガー入力が行われなかった場合(ステップS115:No)、ペアリング制御部12は、処理をステップS101に戻し、待機状態に移行する。
一方、ステップS115において、トリガー入力が行われた場合(ステップS115:Yes)、ペアリング制御部12は、自機との接続を要求するペアリング信号を送信させる制御を、ペアリング信号送受信部13及び無線インターフェース部14に対して行う(ステップS117)。
ペアリング制御部12は、一定時間待機し、送信したペアリング信号に対するペアリング確認信号を当該一定時間の間に受信したか否かを判定する(ステップS119)。
【0034】
ステップS119において、ペアリング確認信号を受信しなかった場合(ステップS119:No)、ペアリング制御部12は、処理をステップS115に戻して、ユーザからのトリガー入力を再度受け付ける。
一方、ステップS119において、ペアリング確認信号を受信した場合(ステップS119:Yes)、ペアリング制御部12は、受信したペアリング確認信号に含まれる接続の可否を示す確認結果が、接続の許可(OK)を示している否かを判定する(ステップS121)。
【0035】
ステップS121において、確認結果が接続の許可(OK)を示ししている場合(ステップS121:Yes)、ペアリング制御部12は、ステップS107において探索リクエスト信号を送信したユーザデバイス1と接続をしてペアリングの処理を完了する。
一方、ステップS121において、確認結果が接続の不許可(NG)を示している場合(ステップS121:No)、ペアリング制御部12は、処理をステップS115に戻して、ユーザからのトリガー入力を再度受け付ける。
【0036】
図3は、本実施形態におけるペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1が行うペアリングの手順を示すフローチャートである。
ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1において、ユーザの操作、例えば、電源ボタンを押下する操作などにより起動すると、ペアリング制御部12は、自機を待機状態に設定する(ステップS201)。
ユーザの操作に応じて、トリガー入力として操作信号がユーザインターフェース部11に入力されると(ステップS203)、ペアリング制御部12は、自機を探索状態に設定する(ステップS205)。ここで、探索状態とは、他のユーザデバイス1から接続の要求を受け付ける状態であって、接続の要求を受け付けることを示す探索リクエスト信号を送信する状態である。
【0037】
ペアリング制御部12は、自機を探索状態に設定すると、探索リクエスト信号を送信させる制御を無線インターフェース部14に対して行う(ステップS207)。ここで、探索リクエスト信号は、特定のユーザデバイス1を宛先とするのではなく、不特定のユーザデバイス1宛てにブロードキャスト(同時通報)される。また、無線インターフェース部14は、探索リクエスト信号を少なくとも1回送信する。なお、無線インターフェース部14は、予め定められた周期で複数回に亘って送信するようにしてもよい。
ペアリング制御部12は、一定時間が経過すると、当該一定時間において、探索リクエスト信号に対する応答としての探索レスポンス信号を受信したか否かを判定する(ステップS209)。
【0038】
探索レスポンス信号を受信しなかった場合(ステップS209:No)、ペアリング制御部12は、処理をステップS201に戻し、待機状態に移行する。
一方、探索レスポンス信号を受信した場合(ステップS209:Yes)、ペアリング制御部12は、受信した探索レスポンス信号を送信したユーザデバイス1宛てに探索レスポンス信号を受信したことを示す確認応答信号を送信させる制御を、無線インターフェース部14に対して行う(ステップS211)。
【0039】
なお、ステップS211において、ペアリング制御部12は、探索レスポンス信号を送信したユーザデバイス1が複数ある場合に、特定の選択基準を用いて、いずれか1つのユーザデバイス1を選択し、選択したユーザデバイス1宛てに確認応答信号を送信するようにしてもよい。また、受信した探索レスポンス信号を送信した全てのユーザデバイス1宛てに確認応答信号を送信するようにしてもよい。特定の選択基準として、例えば、自機が探索状態になってから最初に受信した探索レスポンス信号の送信元のユーザデバイス1を選択するという基準や、受信した探索レスポンス信号のうち最も受信信号強度が高い探索レスポンス信号の送信元のユーザデバイス1を選択するという基準などを用いるようにしてもよい。
【0040】
ペアリング制御部12は、自機をペアリング処理状態に設定し、ペアリング期間における状態を無効状態にする(ステップS213)。ペアリング期間(ステップS213からステップS221までの間)において、ペアリング制御部12は、ペアリング信号が受信されると、受信履歴情報を記憶部15に記憶させる。この受信履歴情報には、ペアリング信号を受信した時刻を示す時刻情報と、ペアリング信号を受信したときの状態(有効期間又は無効期間のいずれか一方)を示す期間情報と、ペアリング信号を送信した送信元のユーザデバイス1を識別する識別情報とを対応付けた情報である。
ペアリング制御部12は、自機をペアリング処理状態に設定した後に、一定時間の間に、トリガー入力としての操作信号がユーザインターフェース部11に入力されたか否かを判定する(ステップS215)。
【0041】
ステップS215において、トリガー入力が行われなかった場合(ステップS215:No)、ペアリング制御部12は、処理をステップS201に戻し、待機状態に移行する。
一方、ステップS215において、トリガー入力が行われた場合(ステップS215:Yes)、ペアリング制御部12は、状態を無効期間から有効期間に切り替えて、有効期間を開始させる(ステップS217)。このとき、ペアリング制御部12は、有効期間から無効期間に切り替えるタイミングを検出するタイマーを起動して、予め定められている所定の時間を計測させる。
ペアリング制御部12は、状態を有効期間に切り替えてから所定の時間が経過した後に、状態を有効期間から無効期間に切り替えて、有効期間を完了させるとともに、無効期間を再び開始させる(ステップS219)。
【0042】
更に、ペアリング制御部12は、状態を無効期間に切り替えてから一定時間が経過した後に、無効期間を完了させて、ペアリング期間を終了させる(ステップS221)。
ペアリング制御部12は、記憶部15に記憶されている受信履歴情報に基づいて、ペアリング期間に受信したペアリング信号を送信したユーザデバイス1と接続するか否かの判定を行い、接続相手としてのユーザデバイス1を選択するペアリング判定を行う。すなわち、ペアリング制御部12は、ペアリング期間において、受信したペアリング信号に基づいて、正当な接続相手としてのユーザデバイス1を選択する(ステップS223)。
具体的には、ペアリング制御部12は、以下の(選択条件1)から(選択条件3)までのうち、いずれかの条件を用いてユーザデバイス1を選択し、選択したユーザデバイス1を正当な接続相手とする。
【0043】
(選択条件1)ペアリング期間において状態が有効期間であるときに、受信したペアリング信号の送信元のユーザデバイス1であり、かつペアリング期間において状態が無効期間であるときに、受信したペアリング信号の送信元のユーザデバイス1でない、ユーザデバイス1を選択する。
(選択条件2)選択条件1を満たすユーザデバイス1のうち、ペアリング期間において状態が有効期間に切り替わってから最初に受信されたペアリング信号の送信元のユーザデバイス1を選択する。
(選択条件3)選択条件1を満たすユーザデバイス1のうち、状態が有効期間であるときに、受信したペアリング信号の受信信号強度が予め定めたしきい値以上であるペアリング信号の送信元のユーザデバイス1を選択する。
【0044】
ペアリング制御部12は、ステップS211において確認応答信号を送信した各ユーザデバイス1宛てに接続相手として選択したか否かを示す確認結果を含むペアリング確認信号を送信させる制御を、無線インターフェース部14に対して行う(ステップS225)。また、ペアリング制御部12は、ペアリング確認信号が送信された後に、選択したユーザデバイス1と接続をしてペアリングの処理を完了する。
ここで、ペアリング確認信号に含まれる確認結果は、接続相手として選択したユーザデバイス1宛てには許可(OK)を示す情報であり、接続相手として選択しなかったユーザデバイス1宛てには不許可(NG)を示す情報である。
【0045】
次に、具体例を示し、2つのユーザデバイス1A、1Bがペアリングの処理を行う手順について説明する。
図4は、本実施形態におけるペアリングの前処理の一例を示すシーケンス図である。
ユーザは、例えば、ペアリングを行うユーザデバイス1Aと、ユーザデバイス1Bとを手元に置き、ペアリングの前処理を開始する。ここでは、ユーザデバイス1Aとユーザデバイス1Bとは、既に待機状態になっている場合について説明する。
【0046】
ユーザは、ユーザデバイス1Aを待ち受け状態に設定するために、ユーザデバイス1Aに備えられているユーザインターフェース部11を操作する(ステップS301)。ユーザインターフェース部11には、ユーザの操作に応じて、トリガーとしての操作信号が入力される(ステップS303)。ペアリング制御部12は、ユーザインターフェース部11にトリガーが入力されると、自機を待ち受け状態に設定する(ステップS305)。ステップS301からステップS305までの処理は、図2におけるステップS103からステップS105までの処理に対応する。
【0047】
ユーザは、ユーザデバイス1Aを待ち受け状態に設定した後に、ユーザデバイス1Bを探索状態に設定するために、ユーザデバイス1Bに備えられているユーザインターフェース部11を操作する(ステップS307)。ユーザインターフェース部11には、ユーザの操作に応じて、操作信号が入力される(ステップS309)。ペアリング制御部12は、ユーザインターフェース部11にトリガーが入力されると自機を探索状態に設定する(ステップS311)。ペアリング制御部12は、自機を探索状態に設定すると、探索リクエスト信号を送信させる制御を、無線インターフェース部14に対して行う(ステップS313)。ステップS307からステップS313までの処理は、図3におけるステップS203からステップS207までの処理に対応する。
【0048】
ユーザデバイス1Aにおいて、ペアリング制御部12は、ユーザデバイス1Bから探索リクエスト信号を受信したことを示す情報が無線インターフェース部14から入力されると、ユーザデバイス1B宛の探索レスポンス信号を送信させる制御を無線インターフェース部14に対して行う(ステップS315)。ステップS315の処理は、図2におけるステップS107からステップS109までの処理に対応する
ユーザデバイス1Bにおいて、ペアリング制御部12は、ユーザデバイス1Aから探索レスポンス信号を受信したことを示す情報が無線インターフェース部14から入力されると、ユーザデバイス1A宛の確認応答信号を送信させる制御を無線インターフェース部14に対して行い(ステップS317)、自機をペアリング処理状態に設定し、状態を無効期間にする(ステップS319)。ステップS317からステップS319までの処理は、図3におけるステップS209からステップS213までの処理に対応する。
【0049】
ユーザデバイス1Aにおいて、ペアリング制御部12は、ユーザデバイス1Bから確認応答信号を受信したことを示す情報が無線インターフェース部14から入力されると、自機をペアリング処理状態に設定し、状態を無効期間にする(ステップS321)。ステップS321の処理は、図2におけるステップS111からステップS113までの処理に対応する。
上記のステップS301からステップS321までの処理により、ユーザデバイス1A、1Bは、ペアリング処理状態となり、以後、接続するか否かの判定を行うペアリングの処理が行われる。
【0050】
続いて、本実施形態におけるペアリングの処理の例を2つ説明する。一方の例は、ユーザデバイス1Bがペアリング期間において無効期間及び有効期間を定めて、ユーザデバイス1Aを接続相手として正当か否かを判定する例である。他方の例は、ユーザデバイス1Bがペアリング期間において無効期間及び有効期間を定めて、ユーザデバイス1Aを接続相手として正当か否かを判定し、更に、ユーザデバイス1Aが同様にユーザデバイス1Bを接続相手として正当か否かを判定する例である。
図5は、本実施形態におけるペアリングの処理の第1例を示すシーケンス図である。ここでは、図4に示したペアリングの前処理が既に行われ、ユーザデバイス1A及びユーザデバイス1Bは、ペアリング処理状態に設定されている場合について説明する。
【0051】
ユーザデバイス1Aとユーザデバイス1Bとを互いに通信相手として選択させるために、ユーザが、ユーザデバイス1Aに備えられているユーザインターフェース部11と、ユーザデバイス1Bに備えられているユーザインターフェース部11とを同時に操作して、トリガーを入力する(ステップS401、ステップS403)。
ユーザデバイス1Bにおいて、ペアリング制御部12は、ユーザインターフェース部11にトリガーが入力されると、状態を有効期間に切り替える(ステップS405)。このとき、ペアリング制御部12は、無効期間に切り替えるタイミングを検出するタイマーを起動させる。
【0052】
また、ユーザデバイス1Aにおいて、ペアリング制御部12は、ユーザインターフェース部11にトリガーが入力されると、ユーザデバイス1Bにペアリング信号を送信させる制御を、ペアリング信号送受信部13及び無線インターフェース部14に対して行う(ステップS407)。
ペアリング信号送受信部13は、ペアリング信号を生成し、無線インターフェース部14を介して、生成したペアリング信号をユーザデバイス1Bに送信する(ステップS409)。このとき、ユーザデバイス1Bにおいて、ペアリング制御部12は、受信したペアリング信号に対応する受信履歴情報を記憶部15に記憶させる。
ステップS401及びステップS405の処理は、図3におけるステップS215及びステップ217の処理に対応する。また、ステップS403、ステップS407、及びステップS409の処理は、図2におけるステップS115及びステップS117に対応する。
【0053】
ユーザデバイス1Bにおいて、ペアリング制御部12は、状態を有効期間に切り替えてから所定の時間が経過すると、状態を無効期間に切り替える(ステップS411)。ペアリング制御部12は、状態を無効期間に切り替えてから一定時間が経過した後に、無効期間を完了させて、ペアリング期間を終了させる(ステップS413)。
ペアリング制御部12は、ペアリング期間を終了させると、記憶部15に記憶されている受信履歴情報に基づいて、ペアリング期間において受信したペアリング信号の送信元であるユーザデバイス1Aが正当な接続相手であると判定し、ユーザデバイス1Aを接続相手に選択する(ステップS415)。
ステップS411からステップS415までの処理は、図3におけるステップS219からステップS223までの処理に対応する。
【0054】
ユーザデバイス1Bにおいて、ペアリング制御部12は、接続相手に選択したことを示す確認結果を含むペアリング確認信号をユーザデバイス1Aに送信させる制御を、無線インターフェース部14に対して行い、無線インターフェース部14がペアリング確認信号を送信する(ステップS417)。このとき、ユーザデバイス1Aのペアリング制御部12は、ユーザデバイス1Bが自機を接続相手に選択したことを示す確認結果を含むペアリング確認信号を受信したことにより、ユーザデバイス1Bを接続相手に選択する。
ステップS417の処理は、図3におけるステップS225の処理に対応する。
【0055】
以上の処理により、ユーザデバイス1Aとユーザデバイス1Bとは、ユーザデバイス1Bがユーザデバイス1Aを接続相手として正当であることを判定し、互いを接続相手に選択してペアリングを完了する。
【0056】
図6は、本実施形態におけるペアリングの処理の第2例を示すシーケンス図である。ここでは、図4に示したペアリングの前処理が既に行われ、ユーザデバイス1A及びユーザデバイス1Bは、ペアリング処理状態に設定されている場合について説明する。また、図6に示す例は、上述したように、ユーザデバイス1Bがペアリング期間において無効期間及び有効期間を定めて、ユーザデバイス1Aを接続相手として正当か否かを判定し、更に、ユーザデバイス1Aが同様にユーザデバイス1Bを接続相手として正当か否かを判定する例である。
【0057】
図6におけるステップS501からステップS515までの処理は、図5におけるステップS401からステップS415までの処理と同じであるので、その説明を省略する。
また、図6におけるステップS601からステップS617までの処理は、ユーザデバイス1Aとユーザデバイス1Bとが行う処理が入れ替わっている点以外は、図5におけるステップS401からステップS417までの処理と同じであるので、その説明を省略する。なお、ステップS609において送信されるペアリング信号には、ユーザデバイス1Bがユーザデバイス1Aからペアリング信号を受信したことを示す情報が含まれている。
また、ユーザデバイス1において、ペアリング期間はペアリングの前処理が完了したとき(図4のステップS321)から開始されているとともに、状態が無効期間になっている。上述したように、ペアリング期間において、ペアリング信号が受信されると、ペアリング制御部12は、受信履歴情報を記憶部15に記憶させる。すなわち、ユーザデバイス1Aがペアリング信号を送信する側となっている期間(ステップS601までの期間)においても、受信履歴情報を記憶部15に記憶させる処理が行われる。
【0058】
図6に示すように、ユーザデバイス1A及びユーザデバイス1Bの双方が、ペアリング信号を送信する側と、ペアリング信号を受信する側とに交互になることで、双方が接続相手として正当か否かの判定を互いに行い、互いを接続相手に選択してペアリングを完了するようにしてもよい。これにより、接続するユーザデバイス1のいずれか一方が接続相手の正当性を判断する場合に比べて、更にセキュアな接続を行うことができる。
【0059】
図5と図6とを用いて、一方のユーザデバイス1がペアリング判定するペアリングの処理と、双方のユーザデバイス1がペアリング判定するペアリングの処理とを説明した。ユーザデバイス1間において、いずれのペアリングの処理を行うかは、ユーザデバイス1ごとに予め定めておいてもよい。また、ペアリングの前処理(図4)において送受信される信号(探索リクエスト信号、探索レスポンス信号、確認応答信号)のうちいずれかの信号で選択するようにしてもよい。
また、一方のユーザデバイス1がペアリング判定する処理が行われる場合、ペアリングの前処理(図4)において送受信される信号のいずれかに、ペアリング信号を送信する側のユーザデバイス1と、ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1との割当てを示す情報を含めるようにしてもよい。また、探索リクエスト信号を送信したユーザデバイス1がペアリング判定すると予め割り当てておいてもよい。
また、双方のユーザデバイス1がペアリング判定する処理が行われる場合、ペアリングの前処理(図4)において送受信される信号のいずれかに、ペアリング信号を送信する順序を示す情報を含めるようにしてもよい。また、探索リクエスト信号を送信したユーザデバイス1が最初にペアリング判定をすると予め割り当てておいてもよい。
【0060】
図7は、本実施形態におけるペアリング制御部12が行うペアリング判定の一例を示す概略図である。ここでは、ユーザデバイス1Bがペアリング信号を受信する側として動作し、ユーザデバイス1C、1D、1E及び1Fがペアリング信号を送信する側として動作する場合について説明する。また、図7に示す例では、ユーザは、ユーザデバイス1Bと、ユーザデバイス1Dとを接続させようとしており、ユーザデバイス1Bの周囲にユーザデバイス1C、1E、及び1Fが存在している。また、ユーザデバイス1C、1E、及び1Fは、各々がペアリング信号を送信している。
【0061】
ユーザデバイス1Bは、図4において示したペアリングの前処理が完了すると、ペアリング期間を開始させるとともに、状態を無効期間にする。また、ユーザの操作に応じてトリガーが入力されると、無効期間から有効期間に状態を切り替え、所定の時間が経過すると、有効期間から無効期間に状態を切り替える。更に、一定時間が経過した後に、無効期間を完了させるととともに、ペアリング期間を終了させる。
上述のペアリング期間において、図7に示すように、ペアリング信号を各ユーザデバイス1から受信した場合について説明する。具体的には、ユーザデバイス1Bは、最初の無効期間においてユーザデバイス1C、1Fの順にペアリング信号を受信し、有効期間においてユーザデバイス1C、1D、1Eの順にペアリング信号を受信し、2度目の無効期間においてユーザデバイス1F、1Cの順にペアリング信号を受信する。
【0062】
ユーザデバイス1Bは、上記の選択条件1を用いた場合、ペアリング期間において受信したペアリング信号の送信元であるユーザデバイス1C〜1Fのうち、無効期間において受信したペアリング信号の送信元のユーザデバイスではなく、かつ有効期間において受信したペアリング信号の送信元のユーザデバイスであるユーザデバイス1D及び1Eを、正当な接続相手として選択する。
【0063】
例えば、ユーザデバイス1Cが、ユーザデバイス1Dになりすましてユーザデバイス1Bに接続する目的で、ユーザデバイス1Dと同様にペアリングの前処理を行ったとしても、周期的にペアリング信号を送信するユーザデバイス1Cは、無効期間においてペアリング信号を送信しているために、正当な接続相手として選択されない。
同様に、ユーザデバイス1Fも、無効期間においてペアリング信号を送信しているので、正当な接続相手として選択されない。
【0064】
また、ユーザデバイス1Eが、ユーザデバイス1Dになりすましてユーザデバイス1Bに接続する目的で動作していた場合、選択条件1を用いると、正当な接続相手として選択されてしまう。しかし、ユーザデバイス1Bが選択条件2を用いて、接続相手を選択することにより、ユーザデバイス1Cより後にペアリング信号を送信したユーザデバイス1Eを接続相手に選択してしまうことを防ぐことができる。
【0065】
図7に示した例では、図5に示した1回のペアリング信号の送受信により接続相手を選択する処理を行う場合を示したが、図6に示した2回のペアリング信号の送受信により接続相手を選択する処理を行うことにより、正当な接続相手になりすましたユーザデバイス1を選択してしまう可能性を低くすることができる。また、上述の選択条件3を用いることにより、選択条件2と同様に、不当な接続を目的としたユーザデバイス1を接続相手に選択してしまう可能性を低くすることができる。
【0066】
図5及び図6では、ユーザがユーザデバイス1A及びユーザデバイス1Bを同時に操作する例を示した。しかし、これに限ることなく、以下のようにしてもよい。例えば、ユーザデバイス1Bにおいて、ユーザの操作に応じて、ユーザインターフェース部11に操作信号が入力され、ペアリング制御部12が状態を有効期間に切替え、ユーザインターフェース部11を介して、状態を有効期間に切り替えたことを示す情報を出力する。ユーザは、ユーザデバイス1Bからの出力を確認した後に、ユーザデバイス1Aを操作して、ユーザデバイス1Aにペアリング信号を送信させる。このとき、ユーザデバイス1Bのユーザインターフェース部11は、状態が有効期間であることを出力するために、例えば、LEDランプを点灯させるなどの動作を行うようにしてもよい。
【0067】
上述のように、本実施形態の無線通信システムでは、接続する少なくとも2つのユーザデバイス1のいずれか1つがペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1として動作し、他のユーザデバイス1がペアリング信号を送信する側のユーザデバイス1として動作する。このとき、ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1は、ペアリング期間において無効期間から有効期間に状態を切り替え、所定の時間が経過した後に再び無効期間に状態を切り替える処理を行う。ペアリング信号を送信する側のユーザデバイス1は、ペアリング信号を送信する処理を行う。ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1は、ペアリング信号を受信したときの状態が無効期間であったか、有効期間であったかに応じて、ペアリング信号を送信したユーザデバイス1を正当な接続相手であるか否かを判定することができる。すなわち、上述の処理により、接続するユーザデバイス1が予期されていないユーザデバイス1であるか否かの判定をすることができる。
【0068】
また、ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1、及びペアリング信号を送信する側のユーザデバイス1において、必要とされるユーザの操作は、トリガーとしての操作信号を入力する操作である。このような操作は、例えば、ボタンを押下する単純な操作などで実現することができるので、ユーザインターフェースが乏しいデバイスに適用した場合においても、セキュアな接続を提供することができる。
また、本実施形態のユーザデバイス1において、ペアリングの処理に要求される入力操作は、単純な操作で実現することができるので、複雑な操作に不慣れなユーザであっても、ユーザデバイス1間においてセキュアな接続を行わせることが容易にできる。
また、ペアリング期間において、無効期間から有効期間に状態を切り替えるタイミングは、接続させるユーザデバイス1を所持しているユーザの操作に基づいている。そのため、悪意のあるユーザが他のデバイスを不正に接続させようとして、断続的にペアリング信号を送信させたとしても、例えば、選択条件1を満たすようにペアリング信号を送信させることは困難であり、不正な接続が生じてしまう可能性を低くすることができる。
【実施例1】
【0069】
図8は、本実施形態の無線通信システムにおけるユーザデバイス1A及び1B間の無線通信にBluetooth(登録商標)を適用した場合のペアリングのシーケンスを示す図である。この場合、ユーザデバイス1Aとユーザデバイス1Bとは、ペアリングの前処理(図4)に対応するACL(Asynchronous Connection-Less)コネクションを確立し(
ステップS701)、その後に「LMP_simple_pairing_confirm」と、「LMP_simple_pairing_number」と、「LMP_accepted」との3種類のメッセージを送受信することにより、ペアリングの処理を行うことができる。この場合、ペアリング信号は「LMP_simple_pairing_number」のメッセージに対応させ、ペアリング確認信号は「LMP_accepted」のメッセージに対応させる。
【0070】
図8に示すように、ステップS703において、ユーザデバイス1Bが「LMP_simple_pairing_confirm」メッセージを送信した後に、ユーザデバイス1A及びユーザデバイス1Bは、ペアリング期間を開始させるとともに、状態を無効期間に設定する。また、ペアリング信号を送信する側のユーザデバイス1は、ユーザインターフェース部11にトリガーとしての操作信号が入力されると、「LMP_simple_pairing_number」メッセージを送信する(ステップS705、ステップS709)。
ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1は、「LMP_simple_pairing_number」メッセージを受信したときの状態が有効期間であるか、無効期間であるかに応じて、接続相手として選択するか否かを判定し、その判定結果を「LMP_accepted」メッセージとして送信する(ステップS707、ステップS711)。
このように、ペアリング信号とペアリング確認信号とに対して、「LMP_simple_pairing_number」メッセージと、「LMP_accepted」メッセージとを対応させることにより、接続させるユーザデバイス1間の無線通信にBluetooth(登録商標)を適用することができる。
【実施例2】
【0071】
図9は、本実施形態の無線通信システムにおけるユーザデバイス1A及び1B間の無線通信にZigbee(登録商標)を適用した場合のペアリングのシーケンスを示す図である。この場合、ユーザデバイス1Aとユーザデバイス1Bとは、ペアリングの前処理(図4)に対応するデバイス発見処理である「Device Discovery」(ステップS801)を行い、その後に、「Pairing Request」メッセージと、「Pairing Response」メッセージとを送受信することにより、ペアリングの処理を行うことができる。
【0072】
図9に示すように、ユーザデバイス1Aとユーザデバイス1Bとは、デバイス発見処理「Device Discovery」(ステップS801)を完了させると、ペアリング期間を開始させて、状態を無効期間に設定する。
ペアリング信号を送信する側のユーザデバイス1は、ユーザインターフェース部11にトリガーとしての操作信号が入力されると、「Pairing Request」メッセージをペアリング信号として送信する(ステップS803、ステップS807)。
また、ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1は、「Pairing Request」メッセージを受信した際の状態が有効期間であるか無効期間であるかに応じて、接続相手として選択するか否かの判定をし、その判定結果を含む「Pairing Response」メッセージをペアリング確認信号として送信する(ステップS805、ステップS809)。
このように、ペアリング信号とペアリング確認信号とに対して、「Pairing Request」メッセージと、「Pairing Response」メッセージとを対応させることにより、接続されるユーザデバイス1間の無線通信にZigbee(登録商標)を適用することができる。
【0073】
なお、本実施形態において、ユーザデバイス1A及びユーザデバイス1Bそれぞれが備えるユーザインターフェース部11は、操作信号を入力する手段と、ユーザに対して出力する手段とを有する場合について説明した。しかし、図5に示した、一方のユーザデバイス1がペアリング判定するペアリングの処理を行う場合、すなわち一方のユーザデバイス1が他方を認証する場合、ペアリング信号を送信する側のユーザデバイス1は、ユーザに対して自機の状態を出力する必要がないので、ユーザインターフェース部11がユーザに対して出力する手段を有せずともよい。
【0074】
また、本実施形態において、ユーザデバイス1A及びユーザデバイス1Bそれぞれが記憶部15を備える構成に付いて説明した。しかし、これに限ることなく、図5に示したペアリングの処理におけるユーザデバイス1Aのように、ペアリング判定を行わないユーザデバイス1は、記憶部15を備えずともよい。これにより、ユーザデバイス1の構成をより簡便にすることができる。
また、本実施形態では、ペアリング期間において、有効期間の前後に無効期間を設ける構成について説明したが、これに限ることなく、有効期間を開始させる前のみ、又は、有効期間を終了させた後のみに、無効期間を設けるようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、ペアリング期間を設けるとともに、有効期間及び無効期間という状態を設ける構成について説明したが、これに限ることなく、ペアリング期間を設けずに、ペアリング制御部12はペアリング信号が受信されると受信履歴情報を記憶部15に常に記憶させるようにするとともに、有効期間以外を無効期間として、ペアリング判定をするようにしてもよい。
また、本実施形態では、ペアリング期間において状態を有効期間から無効期間に切り替えるタイミングを、ペアリング制御部12が有するタイマーにより定める構成について説明したが、これに限らずともよい。例えば、ユーザインターフェース部11を介して入力される操作信号をトリガーとして、有効期間から無効期間に切り替えるようにしてもよい。これにより、状態が有効期間となる期間をユーザが任意に定めることができるので、例えば、この期間を短くすることで、不当なユーザデバイス1が接続されてしまう可能性を更に低くすることができる。
【0076】
また、本実施形態において、記憶部15には、時刻情報と、期間情報と、識別情報とを対応付けて記憶させる構成について説明した。しかし、これに限ることなく、ペアリング期間が有効期間になってから経過した時間を示す経過時間情報や、ペアリング信号の受信信号強度などを対応付けて記憶部15に記憶させるようにしてもよい。この場合、ペアリング制御部12は、経過時間情報が示す時間が最も短いユーザデバイス1を接続相手に選択するようにしてもよい。また、ペアリング制御部12は、受信信号強度が最も強いユーザデバイス1を接続相手に選択するようにしてもよい。
【0077】
また、ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1において、状態を有効期間に切り替える直前にマージン期間を設け、このマージン期間内にペアリング信号を受信した場合、状態が無効期間であっても、受信履歴情報の期間情報を有効期間にして記憶部15に記憶させるようにしてもよい。これにより、ユーザが接続させる双方のユーザデバイス1を同時に操作して接続させようとしたときに、操作に時間差が生じても、不正なユーザデバイス1と判定させずに接続させることができ、利便性を向上させることができる。このとき、マージン期間の長さは、実測値に基づいて、予め定めるようにしてもよい。
【0078】
また、本実施形態で示した図5及び図6では、ペアリングの処理において、ユーザデバイス1がペアリング信号を1回送信する構成について説明した。しかし、これに限ることなく、ペアリングの処理において、ペアリング信号を複数回送信するようにしてもよい。この場合、ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1のペアリング制御部12は、受信したペアリング信号の受信信号強度の統計値(例えば、最大値、平均値、中央値、最頻値など)を算出し、算出した統計値が最も大きいユーザデバイス1を接続相手として選択するようにしてもよい。
また、図5及び図6では、ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1が、ペアリング期間において、1回の有効期間を設定する場合について説明した。しかし、これに限ることなく、ペアリング期間において、複数回の有効期間を設定するようにしてもよい。この場合、ペアリング信号を受信する側のユーザデバイス1のペアリング制御部12は、各有効期間において、有効期間が開始されてからペアリング信号を受信するまでの経過時間を計測し、ペアリング信号の送信元ごとに経過時間の統計値を算出する。そして、ペアリング制御部12は、選択条件1を満たすユーザデバイス1のうち、算出した統計値が最も短いユーザデバイス1を接続相手として選択するようにしてもよい。
このように、複数回のペアリング信号の送受信を行い、接続相手の選択を行うことで、1回のペアリング信号の送受信を行う場合に比べて、不当なユーザデバイス1が接続相手に選択されてしまう可能性を低くすることができ、接続相手の正当性を判定する精度を向上させて、よりセキュアな接続を行うことができる。
【0079】
なお、本発明におけるペアリング制御部12、ペアリング信号送受信部13、無線インターフェース部14、記憶部15の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりペアリングの処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0080】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0081】
無線通信装置(ユーザデバイス)間において、セキュアな接続が要求される無線通信システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F…ユーザデバイス
11…ユーザインターフェース部
12…ペアリング制御部
13…ペアリング信号送受信部
14…無線インターフェース部
15…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1無線通信装置と、第2無線通信装置との間における無線通信方法であって、
前記第2無線通信装置が有効なペアリング期間を開始させる有効期間開始ステップと、
前記第1無線通信装置が前記第2無線通信装置との接続を要求するペアリング信号を送信するペアリング信号送信ステップと、
前記第2無線通信装置が前記有効なペアリング期間において受信した前記ペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間を開始させる前に受信した前記ペアリング信号を送信していない第1無線通信装置を接続相手に選択するペアリング制御ステップと
を有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項2】
前記第2無線通信装置が、前記有効なペアリング期間を終了させる有効期間終了ステップを更に有し、
前記ペアリング制御ステップにおいて、
前記有効なペアリング期間に受信した前記ペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間が開始する前、又は前記有効なペアリング期間が終了した後に前記ペアリング信号を送信していない第1無線通信装置を接続相手に選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
【請求項3】
前記ペアリング制御ステップにおいて、
受信したペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置であって、前記有効なペアリング期間以外の期間にペアリング信号を送信していない前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間が開始されてから最初に受信したペアリング信号を送信した第1無線通信装置を接続相手に選択する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線通信方法。
【請求項4】
前記ペアリング制御ステップにおいて、
受信したペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置であって、前記有効なペアリング期間以外の期間にペアリング信号を送信していない第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間において最も受信信号強度が高いペアリング信号を送信した第1無線通信装置を接続相手に選択する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線通信方法。
【請求項5】
前記ペアリング信号送信ステップにおいて、
ユーザの入力操作に応じて前記ペアリング信号を送信する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【請求項6】
前記有効期間開始ステップにおいて、
ユーザの入力操作に応じて前記有効なペアリング期間を開始させる
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【請求項7】
前記ペアリング制御ステップが行われた後に、
前記第1無線通信装置が有効な第2ペアリング期間を開始させる第2有効期間開始ステップと、
前記第2無線通信装置が前記第1無線通信装置との接続を要求する第2ペアリング信号を送信する第2ペアリング信号送信ステップと、
前記第1無線通信装置が前記有効な第2ペアリング期間において受信した前記第2ペアリング信号を送信した前記第2無線通信装置のうち、前記有効な第2ペアリング期間を開始させる前に受信した前記第2ペアリング信号を送信していない第2無線通信装置を接続相手に選択する第2ペアリング制御ステップと
を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【請求項8】
前記有効なペアリング期間が開始される直前に予め定められた時間間隔のマージン期間が設けられており、
前記マージン期間において受信されたペアリング信号は、前記有効なペアリング期間に受信されたペアリング信号とする
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【請求項9】
少なくとも1つの第1無線通信装置と、第2無線通信装置とを具備する無線通信システムであって、
前記第1無線通信装置は、
前記第2無線通信装置との接続を要求するペアリング信号を送信するペアリング信号送受信部を備え、
前記第2無線通信装置は、
有効なペアリング期間を開始させ、前記有効なペアリング期間において受信した前記ペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間を開始させる前に受信した前記ペアリング信号を送信していない第1無線通信装置を接続相手に選択するペアリング制御部を備える
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
少なくとも1つの第1無線通信装置と、無線通信装置とを具備する無線通信システムにおける無線通信装置であって、
有効なペアリング期間を開始させ、前記有効なペアリング期間において受信したペアリング信号であって自装置との接続を要求するペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間を開始させる前に受信した前記ペアリング信号を送信していない第1無線通信装置を接続相手に選択するペアリング制御部
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項11】
少なくとも1つの第1無線通信装置と、第2無線通信装置とを具備する無線通信システムにおける第2無線通信装置に備えられているコンピュータに、
有効なペアリング期間を開始させ、前記有効なペアリング期間において受信したペアリング信号であって自装置との接続を要求するペアリング信号を送信した前記第1無線通信装置のうち、前記有効なペアリング期間を開始させる前に受信した前記ペアリング信号を送信していない第1無線通信装置を接続相手に選択するペアリング制御ステップ
を実行させるための無線通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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