説明

無線通信装置、無線通信制御方法

【課題】可能な限り高スループットまたは低消費電力にしつつも通信の信頼性を確保できる無線通信装置を提供する。
【解決手段】受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出する(ST101)。受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出する(ST102)。伝送路状態評価値を所定閾値と比較して、現在のデータレートよりも高いデータレートに変更できると判断した場合(ST106:YES)、さらに、フェージング評価値に基づく判断を実行する(ST108)。フェージングによる歪が許容値よりも少ない場合(ST108:YES)、現在よりも高いデータレートを選択する(ST111)。フェージングによる歪が許容値以上である場合(ST108:NO)、現在のデータレートを保留する(ST110)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信制御方法に関する。具体的には、適応変調と送信電力制御とのうち少なくともいずれかを行う無線通信装置、無線通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データ通信の帯域をできる限り広く確保したり、通信の信頼性を高めたりするために、無線通信システムにおける適応変調や送信電力の制御が用いられている。
例えば、特開2007-221357号公報(特許文献1)には、降雨時でも十分な回線品質を確保しながら回線の距離を延ばせるように伝播状況を考慮した変調方式を選択する無線中継装置が開示されている。
特許文献1に記載の無線中継装置は受信レベル検出部を備え、選択した変調方式に必要な受信レベルと実際の受信レベルとを比較する。そして、選択した変調方式に必要な受信レベルと実際の受信レベルとの差に応じて送信電力の制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-221357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の無線通信装置では、受信信号レベルを判断基準としてデータレート(変調多値数やシンボル速度)や送信電力の変更可否を判断していた。
しかしながら、単純に受信信号レベルを判断基準として適応変調や送信電力の変更を行うと、かえって無線リンクが劣化、切断する場合があった。
たとえば、フェージングにより周波数領域上に深いノッチがある場合がある。このとき、フェージングは等化器による等化処理によって補償でき、BER(Bit error ratio)は良い状況にできる。
【0005】
しかし、受信レベルやBERが確保できているからといって例えばデータレートを高スループットに変更すると、フェージングによって損傷を受けるデータ量が多くなり、クロック再生等が不安定になるなどの現象が発生してしまう。
このように、受信レベルやBERを判断基準として高データレートや低送信電力へ単純に切り替えると、かえって無線リンクが劣化し、最悪の場合にはリンクが切断されてしまうことになる。
これでは通信の信頼性が確保できないという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、可能な限り高スループットまたは低消費電力にしつつも通信の信頼性を確保できる無線通信装置、無線通信制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の無線通信装置は、
他の無線局から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部にて受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出する伝送路状態評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出するフェージング評価値算出部と、
前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信のデータレートを選択する変調方式制御部と、
前記変調方式制御部にて選択されたデータレートに従った変調を実行する適応変調部と、
前記適応変調部にて変調された信号を送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の無線通信装置は、
他の無線局から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部にて受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出する伝送路状態評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出するフェージング評価値算出部と、
前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信電力レベルを選択する送信電力制御部と、
前記送信電力制御部にて選択された送信電力レベルで信号を送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする。
【0009】
本発明の無線通信装置は、
他の無線局から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部にて受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出する伝送路状態評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出するフェージング評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号に含まれ他の無線局が算出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とを抽出する評価値情報抽出部と、
前記評価値情報抽出部にて抽出された前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信のデータレートを選択する変調方式制御部と、
前記変調方式制御部にて選択されたデータレートに従った変調を実行するとともに、伝送路状態評価値算出部にて算出した前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値算出部にて算出したフェージング評価値とを無線フレームに格納する適応変調部と、
前記適応変調部にて変調された信号を送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の無線通信装置は、
他の無線局から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部にて受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出する伝送路状態評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出するフェージング評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号に含まれ他の無線局が算出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とを抽出する評価値情報抽出部と、
前記評価値情報抽出部にて抽出された前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信電力レベルを選択する送信電力制御部と、
伝送路状態評価値算出部にて算出した前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値算出部にて算出したフェージング評価値と含む送信データを前記送信電力制御部にて選択された送信電力レベルで送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の無線通信制御方法は、
受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出し、
受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出し、
前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信のデータレートを選択し、
前記選択したデータレートに従った変調を実行する
ことを特徴とする。
【0012】
本発明の無線通信制御方法は、
受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出し、
受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出し、
前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信電力レベルを選択し、
前記選択した送信電力レベルで信号を送信する
ことを特徴とする。
【0013】
本発明の無線通信制御方法は、
受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出し、
受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出し、
受信した信号に含まれ他の無線局が算出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とを抽出し、
前記抽出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とに基づいて送信のデータレートを選択し、
前記選択したデータレートに従った変調を実行するとともに、算出した前記伝送路状態評価値とフェージング評価値とを無線フレームに格納して送信する
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の無線通信制御方法は、
受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出し、
受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出し、
受信した信号に含まれ他の無線局が算出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とを抽出し、
前記抽出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とに基づいて送信電力レベルを選択し、
算出した前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値と含む送信データを前記選択した送信電力レベルで送信する
ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る無線通信装置の構成を示す図。
【図2】第1実施形態において、データレート変更の判断手順を示すフローチャート。
【図3】第2実施形態の構成を示す図。
【図4】第2実施形態において、送信電力変更の判断手順を示すフローチャート。
【図5】第3実施形態の構成を示す図。
【図6】第4実施形態の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について図示例を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の無線通信装置の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る無線通信装置100の構成を示す図である。
なお、第1実施形態は、主として、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)で通信する無線通信装置に好適である。
【0017】
無線通信装置100は、アンテナ1と、受信部2と、トランスバーサル自動等化器3と、信号点誤差検出部4と、復調復号化部5と、誤り訂正部6と、伝送路状態評価値算出部7と、フェージング評価値算出部8と、変調方式制御部9と、適応変調部10と、送信部11と、を備える。
【0018】
アンテナ1は、無線信号を送受信する。
受信部2は、アンテナ1で受信された無線信号をベースバンド信号に変換し、トランスバーサル自動等化器3に出力する。
トランスバーサル自動等化器3は、ベースバンド信号の符号間干渉を低減し、干渉補償したベースバンド信号を信号点誤差検出部4および復調復号化部5に出力する。
さらに、トランスバーサル自動等化器3は、等化処理に用いた係数値(タップ係数)をフェージング評価値算出部8に出力する。
【0019】
信号点誤差検出部4は、トランスバーサル自動等化器3からのベースバンド信号の信号点誤差を検出し、伝送路状態評価値算出部7へ出力する。
復調復号化部5は、トランスバーサル自動等化器3からのベースバンド信号を復調し、さらに復号化する。復調復号化部5は復調および復号化した信号を誤り訂正部6に出力する。
【0020】
誤り訂正部6は、復調・復号された信号の誤り訂正を行う。誤り訂正部6にて誤り訂正された信号は外部の入出力装置900に送られ、音声出力部940や表示出力部950によって出力される。また、誤り訂正部6は、シンドローム値を伝送路状態評価値算出部7に出力する。
【0021】
伝送路状態評価値算出部7には、信号点誤差検出部4からの誤差情報と、誤り訂正部6による誤り訂正の過程で得られるシンドローム値と、が入力されている。
伝送路状態評価値算出部7は、前記誤差情報と前記シンドローム値とに基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出する。
このとき、伝送路状態評価値算出部7は、信号点誤差が大きいほど、また、シンドローム値の値が大きいほど、伝送路の状態が悪いことを示す伝送路状態評価値を算出する。
算出された伝送路状態評価値は変調方式制御部9に出力される。
【0022】
フェージング評価値算出部8には、トランスバーサル自動等化器3における等化処理で用いられた係数(タップ係数)が入力されている。そして、フェージング評価値算出部8は、前記係数(タップ係数)を用いてフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出する。すなわち、フェージング評価値算出部8は、トランスバーサル自動等化器3のタップ係数を用いた所定の演算によりフェージング評価値を求める。このとき、タップ係数の絶対値が大きいほど、フェージングの状態が悪いことを示す評価値になるように演算する。
フェージング状態の推定結果は変調方式制御部9に出力される。
【0023】
ここで、フェージング評価値算出部8で行う演算について説明する。
トランスバーサル自動等化器3はフェージングによる歪を等化処理して符号間干渉を低減する。すなわち、トランスバーサル自動等化器3は、干渉補償する前後の信号のレベル差を比較することによって隣接ビットからの干渉成分を抽出し,その逆成分の信号を加えることによって干渉を自動的に抑圧する。
このとき、トランスバーサル自動等化器3は、誤差信号の二乗平均が最小となるように等化フィルタ(トランスバーサルフィルタ)のタップ係数を自動調整する。
フェージングの強さに従ってタップ係数の絶対値は大きくなるため、フェージングの状態の推定にはタップ係数の絶対値の総和や幾何平均などを用いることが出来る。そこで、タップ係数の絶対値の総和や幾何平均などが大きくなるときに、フェージング評価値が小さくなるような演算を設定しておく。
これにより、フェージングによる歪が大きいときには値が小さく、歪が小さいときには値が大きくなるフェージング評価値が得られる。
【0024】
変調方式制御部9には、伝送路状態評価値算出部7にて算出された伝送路状態評価値と、フェージング評価値算出部8にて算出されたフェージング評価値と、が入力されている。
変調方式制御部9は、伝送路状態評価値とフェージング評価値とに基づいて、適応変調部10のデータレートを制御する信号を生成する。すなわち、変調方式制御部9は、伝送路状態評価値のみならず、フェージング評価値もデータレート変更可否の判断基準として使用する。
変調方式制御部9には、閾値テーブル91が付設されている。閾値テーブル91には、データレート変更の可否を判断するための閾値が予め設定されている。
なお、変調方式制御部9におけるデータレート変更の判断手順および閾値テーブル91については図2を参照して後述する。
【0025】
適応変調部10には、変調方式制御部9からのデータレート制御信号が入力されている。
また、音声入力部920や操作部930によって入力されたデータが制御回路910を介して適応変調部10に入力されている。
適応変調部10は、変調方式制御部9からの制御信号に応じてデータレートを選択し、この選択したデータレートで入出力装置900からのデータを変調する。
変調の方式としては特に限定されるものではなく、位相偏移変調(PSK:Phase Shift Keying)、周波数偏移変調(FSK:Frequency Shift Keying)、振幅偏移変調(ASK:Amplitude Shift Keying)、直交振幅変調(QAM:quadrature amplitude modulation)などが適用できる。
なお、本発明では、フェージングの影響を受けやすい変調方式、たとえば、PSKやQAMの場合に利点が大きい。
【0026】
適応変調部10にて変調されたベースバンド信号は送信部11に出力される。送信部11は、適応変調部10にて変調されたベースバンド信号を無線信号に変換し、アンテナ1から送信する。
【0027】
次に、変調方式制御部9におけるデータレート変更の判断について説明する。
図2は、データレート変更の判断手順を示すフローチャートである。
【0028】
ST101において、伝送路状態評価値算出部7により伝送路状態評価値が算出される。
伝送路状態評価値は、信号点誤差検出部4による誤差情報と、誤り訂正部6による誤り訂正の過程で得られるシンドローム値と、に基づいて算出される。
算出された伝送路状態評価値は変調方式制御部9に入力される。
【0029】
また、ST102において、フェージング評価値算出部8により、フェージング状態の評価値が算出される。
フェージング評価値は、トランスバーサル自動等化器3における等化処理で用いられたタップ係数に基づく所定演算によって算出される。
算出されたフェージング評価値は変調方式制御部9に入力される。
【0030】
変調方式制御部9は、フェージング評価値算出部8にて算出されたフェージング評価値および伝送路状態評価値算出部7にて算出された伝送路状態評価値を判断基準としてデータレート制御信号を生成する。
ここで、現在のデータレートで許容できるBERを維持するために必要な受信電界の強度やC/N(Carrier to Noise Ratio)があるところ、閾値テーブル91には、現データレートに必要な伝送路状態に応じた閾値αが予め設定されている。
変調方式制御部9は、閾値テーブル91から現データレートに応じた閾値αを読み出す(ST103)。そして、変調方式制御部9は、伝送路状態評価値と前記閾値αとを比較する(ST104)。比較の結果、伝送路状態評価値が閾値αより高い場合(ST104:YES)、無線リンクの状態は良いと判断できる。この場合、さらに高いデータレートに変更してもよいかの判断に移行する。
【0031】
現在のデータレートより高い高データレートで許容できるBERを維持するために必要な受信電界強度やC/Nなどの伝送路状態があるところ、閾値テーブル91には、高データレートに必要な伝送路状態に応じた閾値βが予め設定されている。
変調方式制御部9は、閾値テーブル91から高データレートに応じた閾値βを読み出す(ST105)。そして、変調方式制御部9は、伝送路状態評価値と前記閾値βとを比較する(ST106)。比較の結果、伝送路状態評価値が閾値βより高い場合(ST106:YES)、無線リンクの状態は現在より高データレートに切り替えられる程度に良いと判断できる。この場合、さらに、フェージング状態の評価に移行する。
【0032】
信号伝送の周波数帯域においてクロック再生を維持するために許容できるノッチ深さがあるところ、閾値テーブル91には、許容できるノッチ深さに応じた閾値γが予め設定されている。
変調方式制御部9は、閾値テーブル91から前記閾値γを読み出す(ST107)。そして、変調方式制御部9は、フェージング評価値と前記閾値γとを比較する(ST108)。
比較の結果、フェージング評価値が閾値γより高い場合(ST108:YES)、フェージング状態が良いと判断できる。そしてST106およびST108での判断より、フェージング状態が良好であり、かつ、無線リンクの状態も良いと判断できる。この場合、変調方式制御部9は、高データレートに切り替える制御信号を適応変調部10に出力する(ST111)。
【0033】
一方、ST104において伝送路状態評価値が閾値α以下である場合(ST104:NO)、無線リンクの状態が現在のデータレートを保持できるほど良くないと判断できる。
この場合、変調方式制御部9は、低データレートに切り替える制御信号を適応変調部10に出力する(ST109)。
【0034】
また、ST106において伝送路状態評価値が閾値β以下である場合(ST106:NO)、無線リンクの状態は、現在よりも高いデータレートに切り替えられるほど良くないと判断できる。
この場合、変調方式制御部9はデータレートを現状のまま保留する制御信号を適応変調部10に出力する(ST110)。
【0035】
また、ST108においてフェージング評価値が閾値γ以下である場合(ST108:NO)、フェージングの状態が悪いと判断する。
この場合、伝送路状態は良いがフェージング状態が良くないので、データレートを現状のまま保留する。すなわち、変調方式制御部9はデータレート変更を保留する制御信号を適応変調部10に出力する(ST110)。
【0036】
適応変調部10は、上記の判断手順によって選択されたデータレートで入出力装置900からのデータを変調し、送信部11に出力する。すると、アンテナ1を介してデータが送信される。
【0037】
本第1実施形態においては、無線リンクの状態が良いと推定される場合(ST106:YES)であっても、フェージング状態が悪いと推定される場合(ST108:NO)にはデータレートを上げることなく保留する。
トランスバーサル自動等化器3によりフェージングの歪が等化されるので、伝送路状態評価値にはフェージングによる歪が反映されない。
従来の適応変調無線装置では、伝送路状態評価値のみをデータレート変更の判断基準に使い、フェージング状態が悪いことを検出せずにデータレートの変更を行っていた。そのため、データレートを高くした場合にフェージングの影響を大きく受けて無線リンクの劣化、切断が生じることがあった。
この点、本実施形態では伝送路状態が良くても、フェージング状態が悪い状態を検出した場合には、データレートの変更を保留することとしている。
これにより、可能な限り高スループットにしつつも通信の信頼性を確保することができる。
【0038】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の基本的構成は第1実施形態に同様であるが、第2実施形態では送信電力を変更する点に特徴を有する。
図3は、第2実施形態の構成を示す図である。
【0039】
第2実施形態では、送信電力制御部12を備えている。
送信電力制御部12は、伝送路状態評価値算出部7からの伝送路状態評価値およびフェージング評価値算出部8からのフェージング評価値を用いて、送信部14における送信電力を制御する。
送信電力制御部12には、閾値テーブル121が付設されている。
閾値テーブル121には、送信電力変更の可否を判断するための閾値が予め設定されている。
送信電力制御部12における送信電力変更の判断手順および閾値テーブル121については図4を参照して後述する。
【0040】
なお、第1実施形態では、適応変調部10によってデータレートを変更したが、本第2実施形態の変調部13は、外部より受けた信号を既定の変調方式で変調するにとどまり、データレートを変更するなどの機能はない。
【0041】
送信部14は、送信電力制御部12の制御信号にて指示された送信電力を用いてベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ1から送信する。
【0042】
図4は、送信電力変更の判断手順を示すフローチャートである。
ST201において、伝送路状態評価値算出部7により伝送路状態評価値が算出され、送信電力制御部12に入力される。
また、ST202において、フェージング評価値算出部8によりフェージング状態の評価値が算出され、送信電力制御部12に入力される。
【0043】
送信電力制御部12は、フェージング評価値算出部8にて算出されたフェージング評価値および伝送路状態評価値算出部7にて算出された伝送路状態評価値を判断基準として送信電力制御信号を生成する。
現在の送信電力で許容できるBERを維持するのに必要な電界強度やC/Nなどの伝送路状態があるところ、閾値テーブル121には、現在の送信電力に必要な伝送路状態に応じた閾値α´が予め設定されている。
送信電力制御部12は、現在の送信電力に必要な伝送路状態に応じた閾値α´を閾値テーブル121から読み出す(ST203)。そして、送信電力制御部12は、伝送路状態評価値と前記閾値α´とを比較する(ST204)。比較の結果、伝送路状態評価値が閾値α´より高い場合(ST204:YES)、無線リンクの状態が良い可能性があると判断できる。
この場合、低い送信電力に変更してもよいかの判断に移行する。
【0044】
現在の送信電力より低い送信電力で許容できるBERを維持するために必要な受信電界強度やC/Nなどの伝送路状態があるところ、閾値テーブル121には、低い送信電力に必要な伝送路状態に応じた閾値β´が予め設定されている。
送信電力制御部12は、低い送信電力に必要な受信電界強度に応じた閾値β´を閾値テーブル121から読み出す(ST205)。そして、送信電力制御部12は、伝送路状態評価値と前記閾値β´とを比較する(ST206)。比較の結果、伝送路状態評価値が閾値β´より高い場合(ST206:YES)、無線リンクの状態が現在より低送信電力に切り替えられる可能性があると判断できる。
この場合、フェージング状態の評価に移行する。
【0045】
信号伝送の帯域においてクロック再生を維持するために許容できるノッチ深さがあるところ、閾値テーブル121には、許容できるノッチ深さに応じた閾値γが予め設定されている。
送信電力制御部12は、閾値テーブル121から前記閾値γを読み出す(ST207)。そして、送信電力制御部12は、フェージング評価値と前記閾値γとを比較する(ST208)。比較の結果、フェージング評価値が閾値γより高い場合(ST208:YES)、フェージング状態が良いと判断できる。そしてST206およびST208での判断より、フェージング状態が良好であり、かつ、無線リンクの状態も良いと判断できる。
この場合、送信電力制御部12は、低送信電力に切り替える制御信号を送信部14に出力する(ST211)。
【0046】
一方、ST204において伝送路状態評価値が閾値α´より低い場合(ST204:NO)、現在の送信電力では許容値以上の送信エラーが生じる無線リンクの状態になっていると判断できる。
この場合、送信電力制御部12は、高送信電力に切り替える制御信号を送信部14に出力する(ST209)。
【0047】
また、ST206において伝送路状態評価値が閾値β´より低い場合(ST206:NO)、無線リンクの状態が現在より低い送信電力に切り替えられるほど良くないと判断する。
この場合、送信電力制御部12は送信電力の変更を保留する制御信号を送信部14に出力する(ST210)。
【0048】
また、ST208においてフェージング評価値が閾値γより低い場合(ST208:NO)、フェージングの状態が悪いと判断する。
この場合、伝送路状態は良いがフェージング状態が良くないので、送信電力を現状のまま保留する。すなわち、送信電力制御部12は送信電力の変更を保留する制御信号を送信部14に出力する(ST210)。
【0049】
本第2実施形態では、無線リンクの状態が良いと推定される場合(ST206:YES)であっても、フェージング状態が悪いと推定される場合(ST208:NO)には送信電力を下げることなく保留する。
この状態はトランスバーサル自動等化器3によりフェージング状態が等化され、伝送路状態評価値に伝送路の劣化状態が現れなくなっている場合である。
伝送路状態評価値のみをデータレート変更の判断基準に使う従来の適応変調無線装置ではフェージング状態が悪いことを検出せずに送信電力の変更を行っていたため、対向無線通信装置との無線リンクの劣化、切断が起こっていた。
この点、本実施形態では伝送路状態が良くても、フェージング状態が悪い状態を検出した場合には、送信電力の変更を保留する。
これにより、可能な限り低送信電力にしつつも通信の信頼性を確保することができる。
【0050】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の基本的構成は第1実施形態に同様であるが、第3実施形態では、他局から送信されたフェージング評価値および伝送路状態評価値に基づいて自局から送信する際の変調制御を実行する点に特徴を有する。
なお、第3実施形態は、主として、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)で通信する無線通信装置に好適である。
【0051】
図5は、第3実施形態の構成を示す図である。
図5において、自局としての第1無線局300と、他局としての第2無線局400と、の間で無線リンクを介した通信を行う。
第1無線局300と第2無線局400との構成は同じであり、以下では第1無線局300の構成を説明する。
【0052】
図5において、第1無線局300は、伝送路状態評価値算出部317とフェージング評価値算出部308とを備えている。
ここで、第3実施形態では、伝送路状態評価値算出部317にて算出された伝送路状態評価値は適応変調部318に出力される。
同様に、フェージング評価値算出部308にて算出されたフェージング評価値は適応変調部318に出力される。そして、適応変調部318は、外部から与えられる送信データとともに前記伝送路状態評価値および前記フェージング評価値を変調して送信部311に出力する。すると、アンテナ301からは送信データとともに伝送路状態評価値およびフェージング評価値が送信される。
【0053】
また、図5において、第1無線局300は、評価値情報抽出部315を備えている。
評価値情報抽出部315は、他局(第2無線局400)からの受信データ中に含まれる伝送路状態評価値とフェージング評価値とを抽出する。
第2無線局400においても伝送路状態評価値とフェージング評価値とを算出し、これらを送信データにのせて送信する。すなわち、第2無線局400から第1無線局300に送られるデータには、第2無線局400が受信に使用する帯域に関する伝送路状態評価値とフェージング評価値とが含まれている。
第1無線局300では、第2無線局400からの受信データを復調復号化部305にて復調および復号したのち、誤り訂正部306にて誤り訂正する。そして、評価値情報抽出部315は、訂正済みデータから伝送路状態評価値とフェージング評価値とを抽出する。
評価値情報抽出部315は、抽出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とを変調方式制御部316に出力する。
【0054】
変調方式制御部316は、前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とを参照して適応変調部318のデータレートを制御する制御信号を生成する。
ここで、変調方式制御部316によるデータレート変更の判断は、第1実施形態の変調方式制御部によるデータレート変更の判断手順(図2)と同じである。すなわち、他局(第2無線局400)からの受信データに含まれる評価値(伝送路状態評価値およびフェージング評価値)に基づいてデータレートの変更可否を判断し、データレート制御信号を適応変調部318に出力する。
【0055】
適応変調部318は、変調方式制御部316からの制御信号に応じて変調のデータレートを選択する。そして、外部から与えられる送信データを選択したデータレートで変調し、同時に、フェージング評価値算出部308で算出されたフェージング評価値および伝送路状態評価値算出部317で算出された伝送路状態評価値を無線フレームに格納する。
変調されたデータは送信部311に出力され、アンテナ301を介して送信される。
【0056】
本第3実施形態では、周波数分割複信で通信する無線通信装置同士において、対向無線局からのフェージング評価値および伝送路状態評価値を得る。そして、対向無線局から得たフェージング評価値および伝送路状態評価値を用いて自局から他局へ送信する際のデータレート変更を判断する。
これにより、周波数分割複信で通信する場合であっても、伝送路状態およびフェージング状態を含めた相手側の受信状態を十分に考慮したうえでデータレートの変更を行うことができる。したがって、可能な限り高スループットにしつつも通信の信頼性を確保することができる。
【0057】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。
図6は、第4実施形態の構成を示す図である。
第4実施形態においては、第1実施形態のトランスバーサル自動等化器に代えて、周波数領域自動等化器18を備える。
周波数領域自動等化器18は、伝送路の歪を周波数領域で等化することにより信号の歪を低減する。
等化処理された信号は復調復号化部5と信号点誤差検出部4とに出力される。
また、周波数領域自動等化器18は、等化処理に用いた係数をフェージング評価値算出部19に出力する。
【0058】
フェージング評価値算出部19は、周波数領域自動等化器18で使用された係数を用いた所定演算により、フェージング状態を評価するフェージング評価値を算出する。
【0059】
変調方式制御部9は、伝送路状態評価値算出部7にて算出された伝送路状態評価値とフェージング評価値算出部19にて算出されたフェージング評価値とを用いてデータレート変更の可否を判断し、データレート制御信号を適応変調部10に出力する。
ここで、変調方式制御部9によるデータレート変更の判断は、第1実施形態の変調方式制御部9によるデータレート変更の判断手順(図2)と同じである。
【0060】
このような構成を備える第4実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0061】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することできる。
【0062】
フェージング評価値の算出方法としては次のようにしてもよい。すなわち、トランスバーサル自動等化器は時間に対しての伝送路状態を等化したものなので、FFTなどで周波数領域の情報に変換する。そして、周波数領域の伝送特性と、切り替えしようとしている高データレートが必要とする周波数領域の伝送特性(これを閾値とする)と、を比較し、直接に信号伝送に必要な帯域内にフェージングによるノッチが入っていないかを判断することができる。
【0063】
上記第1実施形態では変調方式を変更する場合を説明し、第2実施形態では送信電力を変更する場合を説明したが、第1実施形態の構成と第2実施形態の構成とを合わせもつことにより、変調方式の変更を行いかつ送信電力の変更も行うことができる。
これにより、可能な限り高スループットかつ低消費電力にしつつも、通信の信頼性を確保できる無線通信装置を提供することができる。
【0064】
第3実施形態においては、データレートを変更する場合を例示したが、第2実施形態のように送信電力を変更するようにしてもよいことはもちろんである。
【0065】
上記第1実施形態では、無線通信装置に入出力装置900が付加された移動通信端末(携帯電話機)の構成を例示したが、例えば、基地局や拠点間通信を行う無線通信装置としてはこのような入出力装置900は無くてもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0066】
1…アンテナ、2…受信部、3…トランスバーサル自動等化器、4…信号点誤差検出部、5…復調復号化部、6…誤り訂正部、7…伝送路状態評価値算出部、8…フェージング評価値算出部、9…変調方式制御部、10…適応変調部、11…送信部、12…送信電力制御部、13…変調部、14…送信部、18…周波数領域自動等化器、19…フェージング評価値算出部、91…閾値テーブル、100…無線通信装置、121…閾値テーブル、300…第1無線局、301…アンテナ、305…復調復号化部、306…誤り訂正部、308…フェージング評価値算出部、311…送信部、315…評価値情報抽出部、316…変調方式制御部、317…伝送路状態評価値算出部、318…適応変調部、400…第2無線局、900…入出力装置、910…制御回路、920…音声入力部、930…操作部、940…音声出力部、950…表示出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の無線局から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部にて受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出する伝送路状態評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出するフェージング評価値算出部と、
前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信のデータレートを選択する変調方式制御部と、
前記変調方式制御部にて選択されたデータレートに従った変調を実行する適応変調部と、
前記適応変調部にて変調された信号を送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
他の無線局から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部にて受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出する伝送路状態評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出するフェージング評価値算出部と、
前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信電力レベルを選択する送信電力制御部と、
前記送信電力制御部にて選択された送信電力レベルで信号を送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
他の無線局から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部にて受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出する伝送路状態評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出するフェージング評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号に含まれ他の無線局が算出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とを抽出する評価値情報抽出部と、
前記評価値情報抽出部にて抽出された前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信のデータレートを選択する変調方式制御部と、
前記変調方式制御部にて選択されたデータレートに従った変調を実行するとともに、伝送路状態評価値算出部にて算出した前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値算出部にて算出したフェージング評価値とを無線フレームに格納する適応変調部と、
前記適応変調部にて変調された信号を送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
他の無線局から送信される信号を受信する受信部と、
前記受信部にて受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出する伝送路状態評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出するフェージング評価値算出部と、
前記受信部にて受信した信号に含まれ他の無線局が算出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とを抽出する評価値情報抽出部と、
前記評価値情報抽出部にて抽出された前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信電力レベルを選択する送信電力制御部と、
伝送路状態評価値算出部にて算出した前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値算出部にて算出したフェージング評価値と含む送信データを前記送信電力制御部にて選択された送信電力レベルで送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項5】
請求項1または請求項3に記載の無線通信装置において、
前記変調方式制御部は、前記伝送路状態評価値に基づく判断によって現在のデータレートよりも高いデータレートに変更できると判断した場合、
さらに、前記フェージング評価値に基づく判断を実行し、
フェージングによる歪が許容値よりも少ない場合には、現在よりも高いデータレートを選択し、フェージングによる歪が許容値以上である場合には現在のデータレートを保留する
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項6】
請求項2または請求項4に記載の無線通信装置において、
前記送信電力制御部は、前記伝送路状態評価値に基づく判断によって現在の送信電力よりも低い送信電力レベルに変更できると判断した場合、
さらに、前記フェージング評価値に基づく判断を実行し、
フェージングによる歪が許容値よりも少ない場合には現在よりも低い送信電力レベルを選択し、フェージングによる歪が許容値以上である場合には現在の送信電力レベルを保留する
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の無線通信装置において、
受信信号を等化処理するトランスバーサル自動等化器または周波数領域自動等化器を備え、
前記フェージング評価値算出部は、前記トランスバーサル自動等化器または前記周波数領域自動等化器による等化処理に使用された係数を用いて前記フェージング評価値を算出する
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項8】
受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出し、
受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出し、
前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信のデータレートを選択し、
前記選択したデータレートに従った変調を実行する
ことを特徴とする無線通信制御方法。
【請求項9】
受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出し、
受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出し、
前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値とに基づいて送信電力レベルを選択し、
前記選択した送信電力レベルで信号を送信する
ことを特徴とする無線通信制御方法。
【請求項10】
受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出し、
受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出し、
受信した信号に含まれ他の無線局が算出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とを抽出し、
前記抽出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とに基づいて送信のデータレートを選択し、
前記選択したデータレートに従った変調を実行するとともに、算出した前記伝送路状態評価値とフェージング評価値とを無線フレームに格納して送信する
ことを特徴とする無線通信制御方法。
【請求項11】
受信した信号の誤差に基づいて伝送路状態を評価する伝送路状態評価値を算出し、
受信した信号からフェージング状態を評価するフェージング評価値を算出し、
受信した信号に含まれ他の無線局が算出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とを抽出し、
前記抽出した伝送路状態評価値とフェージング評価値とに基づいて送信電力レベルを選択し、
算出した前記伝送路状態評価値と前記フェージング評価値と含む送信データを前記選択した送信電力レベルで送信する
ことを特徴とする無線通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−4118(P2011−4118A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145025(P2009−145025)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】