説明

無線通信装置及び再送制御方法

【課題】MIMO伝送時の再送において再送回数を少なくすることができるようにする。
【解決手段】MIMO空間多重技術をサポートする無線通信システムにおいて、空間的に分割されるストリームS1及びストリームS2を無線端末UEとの間に形成する基地局eNBは、ストリームS1及びストリームS2毎に異なるデータ信号を送信するMIMO伝送によってデータ信号#1及びデータ信号#2を送信する。基地局eNBは、MIMO伝送によって送信したデータ信号#1及びデータ信号#2のうち単一のデータ信号#1の再送を無線端末UEから要求されると、ストリームS1及びストリームS2のそれぞれで同一のデータ信号を送信する送信ダイバシティに切り替えて、再送が要求されたデータ信号#1を再送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多入力多出力空間多重技術をサポートする無線通信装置及び再送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信システムでは、周波数利用効率を高めて伝送速度の向上を図るために、様々な多重化技術が実現されている。例えば、複数の送信アンテナを介して複数のデータ信号を同一の時間・周波数リソースを用いて送信するとともに、複数の受信アンテナを介して該複数のデータ信号を受信し、各データ信号に分離して復号する多入力多出力(MIMO)空間多重技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
MIMO空間多重技術では、データ信号毎に異なる送信アンテナ又は異なる送信指向性を用いることによって、送信側と受信側との間に、空間的に分割される論理伝送路(「ストリーム」と称される)を複数形成する。このようなストリームは「レイヤ」と称されることもある。
【0004】
一方で、無線通信システムでは、伝送誤りが頻繁に発生するため、通信の信頼性を確保するための自動再送要求(ARQ)又はハイブリッド自動再送要求(HARQ)が用いられている。このような再送制御技術では、受信側は、送信側から受信したデータ信号の復号に失敗すると、該データ信号の再送を送信装置に要求し、送信側は、再送が要求されたデータ信号の再送を行う。そして、受信側は、送信側から受信したデータ信号の復号に成功すると、該データ信号の復号成功を送信装置に通知する。
【0005】
なお、受信側から送信側へ否定確認応答(NACK)を送信することによって再送要求が行われ、受信側から送信側へ肯定確認応答(ACK)を送信することによって復号成功通知が行われることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−19806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、送信側がMIMO空間多重技術により複数のデータ信号の送信(MIMO伝送)を行っている場合に、該複数のデータ信号のうち単一のデータ信号の再送を要求されると、MIMO伝送を中止し、該単一のデータ信号に対応する単一のストリームのみを用いて該単一のデータ信号の再送を行うことが想定される。
【0008】
しかしながら、このような再送制御方法では、受信側で該単一のデータ信号の復号に成功する確率は低いため、該単一のデータ信号の復号に失敗することによって、該単一のデータ信号の再送を再び要求する可能性が高い。このような再送要求が繰り返されることで再送回数が増大すると、伝送速度が低下するという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、MIMO伝送時の再送において再送回数を少なくすることができる無線通信装置及び再送制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
【0011】
まず、本発明に係る無線通信装置の特徴は、MIMO空間多重技術をサポートする無線通信システムにおいて、空間的に分割される複数のストリーム(例えばストリームS1及びストリームS2)を他の無線通信装置(例えば無線端末UE)との間に形成する無線通信装置(例えば基地局eNB)であって、前記複数のストリーム毎に異なるデータ信号を送信する第1の送信方式(MIMO伝送)と、前記複数のストリームのそれぞれで同一のデータ信号を送信する第2の送信方式(送信ダイバシティ)との何れかでデータ信号を送信するように構成された送信部(例えば送信部110)と、前記第1の送信方式によって前記送信部が送信した複数のデータ信号(例えばデータ信号#1及びデータ信号#2)のうち、単一のデータ信号(例えばデータ信号#1)の再送を前記他の無線通信装置から要求されると、前記第1の送信方式から前記第2の送信方式に切り替えるとともに、該単一のデータ信号の再送を前記第2の送信方式により行うように前記送信部を制御する制御部(例えば制御部101)と、を備えることを要旨とする。
【0012】
このような無線通信装置によれば、第1の送信方式によって送信した複数のデータ信号のうち単一のデータ信号の再送を要求されると、第1の送信方式から第2の送信方式に切り替えるとともに、該単一のデータ信号の再送を第2の送信方式により行うことによって、ダイバシティゲインを得る。これにより、受信側で該単一のデータ信号の復号に成功する確率が高まるため、再送回数を少なくすることができる。従って、本特徴によれば、MIMO伝送時の再送において再送回数を少なくすることができる無線通信装置が提供される。
【0013】
本発明に係る無線通信装置の他の特徴は、上記特徴に係る無線通信装置において、前記制御部は、前記第1の送信方式によって前記送信部が送信した複数のデータ信号(例えばデータ信号#1及びデータ信号#2)のうち、2以上のデータ信号(例えばデータ信号#1及びデータ信号#2)の再送を前記他の無線通信装置から要求されると、前記複数のストリームのそれぞれに対するデータ信号の割り当てを変更するとともに、該2以上のデータ信号の再送を前記第1の送信方式により行うように前記送信部を制御する、ことを要旨とする。
【0014】
本発明に係る無線通信装置の他の特徴は、上記特徴に係る無線通信装置において、前記制御部は、前記他の無線通信装置との間の伝搬路状態が劣化している場合に、前記第1の送信方式によって前記送信部が送信した複数のデータ信号(例えばデータ信号#1及びデータ信号#2)のうち、単一のデータ信号(例えばデータ信号#1)の再送を前記他の無線通信装置から要求されると、前記第1の送信方式から前記第2の送信方式に切り替えるとともに、該単一のデータ信号の再送を前記第2の送信方式により行うように前記送信部を制御する、ことを要旨とする。
【0015】
本発明に係る無線通信装置の他の特徴は、上記特徴に係る無線通信装置において、前記制御部は、前記第1の送信方式から前記第2の送信方式に切り替えた後、前記第2の送信方式によって再送した単一のデータ信号の復号成功を前記他の無線通信装置から通知されると、前記第2の送信方式から前記第1の送信方式に切り替えるように前記送信部を制御する、ことを要旨とする。
【0016】
本発明に係る無線通信装置の他の特徴は、上記特徴に係る無線通信装置において、MIMO空間多重技術をサポートする無線通信システムにおいて、空間的に分割される複数のストリームを他の無線通信装置との間に形成する無線通信装置で用いられる再送制御方法であって、前記複数のストリーム毎に異なるデータ信号を送信する第1の送信方式によって、複数のデータ信号を送信するステップと、前記第1の送信方式によって送信した前記複数のデータ信号のうち、単一のデータ信号の再送を前記他の無線通信装置から要求されると、前記複数のストリームのそれぞれで同一のデータ信号を送信する第2の送信方式に切り替えるステップと、前記第2の送信方式によって、前記再送が要求された単一のデータ信号を再送するステップと、を含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、MIMO伝送時の再送において再送回数を少なくすることができる無線通信装置及び再送制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの概要を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基地局の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る無線端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基地局の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る無線端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面を参照して、本発明の実施形態に係る無線通信システムについて、(1)無線通信システムの概要、(2)無線通信システムの詳細構成例、(3)無線通信システムの動作例、(4)実施形態の効果、(5)その他の実施形態の順に説明する。以下の実施形態における図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
【0020】
(1)無線通信システムの概要
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの概要を説明するための図である。本実施形態に係る無線通信システムは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で仕様が策定されているLTE(Long Term Evolution)に基づいて構成されている。
【0021】
図1(a)に示すように、本実施形態に係る無線通信システムは、基地局eNBと、基地局eNBとの無線通信を行う無線端末UEとを有する。本実施形態では、基地局eNBは2つの送信アンテナ(送信アンテナ11及び送信アンテナ12)を有し、無線端末UEは2つの受信アンテナ(受信アンテナ21及び受信アンテナ22)を有する。なお、基地局eNBに設けられる送信アンテナの数及び無線端末UEに設けられる受信アンテナの数は、2つよりも多くてもよい。
【0022】
基地局eNB及び無線端末UEは、下りリンクにおいてMIMO空間多重技術をサポートする。本実施形態では、基地局eNBと無線端末UEとの間の伝搬路特性の情報(いわゆる、伝搬路状態情報(CSI))が無線端末UEから基地局eNBにフィードバックされない形態のMIMO伝送、すなわち開ループMIMOが適用される。
【0023】
MIMO空間多重技術では、データ信号毎に異なる送信アンテナ又は異なる送信指向性を用いることによって、送信側と受信側との間に、空間的に分割されるストリームを複数形成することができる。本実施形態では、データ信号#1及びデータ信号#2毎に異なる送信アンテナ11及び送信アンテナ12を用いることで、ストリームS1及びストリームS2が形成されている。
【0024】
基地局eNBは、ストリームS1及びストリームS2を用いてデータ信号#1及びデータ信号#2をそれぞれ送信する。その際、基地局eNBは、送信アンテナ11及び送信アンテナ12毎に異なる既知信号(パイロット信号)を挿入して送信する。
【0025】
無線端末UEは、データ信号#1及びデータ信号#2を混信状態で受信するが、送信アンテナ11及び送信アンテナ12毎の既知信号から送信アンテナ11及び送信アンテナ12毎の伝搬路特性を推定し、これらの伝搬路特性の相違に基づいて各データ信号#1及びデータ信号#2を分離し、分離したデータ信号#1及びデータ信号#2のそれぞれを復号する。
【0026】
また、本実施形態に係る無線通信システムは、HARQをサポートする。HARQの方式としては、チェイス合成(CC)方式やインクリメンタル・リダンダンシ(IR)方式等の既存の技術が使用できるが、本実施形態では、CC方式を使用するものとする。
【0027】
無線端末UEは、基地局eNBから受信したデータ信号#1及び/又はデータ信号#2の復号に失敗すると、復号に失敗したデータ信号の再送を基地局eNBに要求し、基地局eNBは、再送が要求されたデータ信号の再送を行う。その際、無線端末UEは、復号に失敗したデータ信号に係る情報を保持しておき、保持している情報を、再送されたデータ信号の復号に利用する。無線端末UEは、基地局eNBから受信したデータ信号の復号に成功すると、該データ信号の復号成功を送信装置に通知する。
【0028】
本実施形態では、無線端末UEから基地局eNBへNACKを送信することによって再送要求が行われ、無線端末UEから基地局eNBへACKを送信することによって復号成功通知が行われる。
【0029】
例えば、無線端末UEは、データ信号#1及びデータ信号#2の何れも復号成功である場合には、データ信号#1及びデータ信号#2についてのACKを送信する。無線端末UEは、データ信号#1及びデータ信号#2の何れも復号失敗である場合には、データ信号#1及びデータ信号#2についてのNACKを送信する。無線端末UEは、データ信号#1及びデータ信号#2の一方が復号成功であって他方が復号失敗である場合には、該一方のデータ信号についてのACKを送信するとともに、該他方のデータ信号についてのNACKを送信する。
【0030】
図1(b)は、本実施形態に係る無線通信システムにおいて、図1(a)に示したデータ信号#1及びデータ信号#2のうちデータ信号#1が復号失敗であってデータ信号#2が復号成功である場合、すなわち単一のデータ信号#1の再送が要求される場合の再送制御を説明するための図である。この場合、無線端末UEは、データ信号#1についてのNACKを送信するとともに、データ信号#2についてのACKを送信するものとする。
【0031】
図1(b)に示すように、基地局eNBは、図1(a)に示したデータ信号#1及びデータ信号#2のうち単一のデータ信号#1の再送を無線端末UEから要求されると、ストリームS1及びストリームS2のそれぞれで同一のデータ信号を送信する送信ダイバシティに切り替えて、再送が要求されたデータ信号#1を再送する。これにより、ダイバシティゲインを得ることができる。なお、送信ダイバシティは、ストリームS1及びストリームS2のそれぞれで同一のデータ信号を送信するものであるが、データ信号の同一性が保たれていれば、一方のデータ信号を遅延させる方式や一方のデータ信号を符号化する方式であってもよい。
【0032】
このように、データ信号#1及びデータ信号#2のうち単一のデータ信号#1の再送時に送信ダイバシティに切り替えることで、次のような効果が得られる。例えば、ストリームS1で再送されたデータ信号#1を構成する各ビットb1,b2,b3のうちビットb3に伝送誤りが生じ、ストリームS2で再送されたデータ信号#1を構成する各ビットb1,b2,b3のうちビットb2に伝送誤りが生じても、両ストリームのデータ信号#1を合成することによって、これらの伝送誤りを相互に補完することができる。その結果、再送されたデータ信号#1の復号成功率を高めることができる。
【0033】
図1(c)は、本実施形態に係る無線通信システムにおいて、図1(a)に示したデータ信号#1及びデータ信号#2の両方が復号失敗である場合、すなわち複数のデータ信号の再送が要求される場合の再送制御を説明するための図である。この場合、無線端末UEは、データ信号#1及びデータ信号#2についてのNACKを送信するものとする。
【0034】
図1(c)に示すように、基地局eNBは、図1(a)に示したデータ信号#1及びデータ信号#2のそれぞれの再送を無線端末UEから要求されると、ストリームS1及びストリームS2のそれぞれに対するデータ信号の割り当てを変更する(入れ替える)とともに、データ信号#1及びデータ信号#2の再送をMIMO伝送により行う。詳細には、図1(a)では、ストリームS1にデータ信号#1が割り当てられ、且つストリームS2にデータ信号#2が割り当てられているが、図1(c)では、ストリームS1にデータ信号#2が割り当てられ、且つストリームS2にデータ信号#1が割り当てられている。
【0035】
このように、データ信号#1及びデータ信号#2の両データ信号の再送時に入れ替えを行うことで、次のようなダイバシティゲインが得られる。例えば、図1(a)で、ストリームS1で送信されたデータ信号#1を構成する各ビットb1,b2,b3のうちビットb3に伝送誤りが生じ、復号失敗したケースを想定する。この場合、HARQの機能によりビットb1,b2に係る復号情報が無線端末UEに保持される。ここで、再送時にストリームS1でデータ信号#1を送信すると、ビットb3が再び誤る可能性が高く、保持している復号情報を用いても復号に失敗することになる。これに対し、再送時にストリームS2でデータ信号#1を送信すると、ビットb3が再び誤る可能性が低く、保持している復号情報を用いて復号に成功する確率を高めることができる。
【0036】
(2)無線通信システムの詳細構成例
次に、本実施形態に係る無線通信システムの詳細構成例について、(2.1)基地局の構成、(2.2)無線端末の構成の順に説明する。
【0037】
(2.1)基地局の構成
図2は、本実施形態に係る基地局eNBの構成を示すブロック図である。なお、ここでは本発明に関連する構成を主として説明する。
【0038】
図2に示すように、基地局eNBは、制御部101と、データ生成部102と、ストリーム分割部103と、誤り訂正符号化部104#1及び誤り訂正符号化部104#2と、変調部105#1及び変調部105#2と、マッピング・プリコーディング部106#1及びマッピング・プリコーディング部106#2と、逆高速フーリエ変換(IFFT)部107#1及びIFFT部107#2と、送信アンテナ11及び送信アンテナ12とを含む。
【0039】
制御部101は、例えば中央演算処理装置(CPU)やメモリ等からなる。制御部101は、送信部110を制御する。
【0040】
送信部110は、データ信号の送信を行うものであって、例えばデジタル信号プロセッサ(DSP)等からなり、データ生成部102と、ストリーム分割部103と、誤り訂正符号化部104#1及び誤り訂正符号化部104#2と、変調部105#1及び変調部105#2と、マッピング・プリコーディング部106#1及びマッピング・プリコーディング部106#2と、IFFT部107#1及びIFFT部107#2によって構成される。
【0041】
誤り訂正符号化部104#1と、変調部105#1と、マッピング・プリコーディング部106#1と、IFFT部107#1と、送信アンテナ11は、図1に示したストリームS1に対応して設けられている。誤り訂正符号化部104#2と、変調部105#2と、マッピング・プリコーディング部106#2と、IFFT部107#2と、送信アンテナ12は、図1に示したストリームS2に対応して設けられている。
【0042】
データ生成部102は、制御部101の制御下で、無線端末UEに送信すべきデータ信号を生成し、生成したデータ信号をストリーム分割部103に出力する。なお、伝送用にフォーマットされる前のデータ信号はコードワードと称されることがある。詳細には、データ生成部102は、MIMO伝送時には、2つの異なるデータ信号(マルチコードワード)を生成し、生成した2つのデータ信号をストリーム分割部103に出力する。また、データ生成部102は、HARQに係る再送処理を行うために、生成したデータ信号のバッファリングを行う。データ生成部102は、送信ダイバシティ時には、1つのデータ信号(シングルコードワード)をストリーム分割部103に出力する。
【0043】
ストリーム分割部103は、データ生成部102から入力されたデータ信号を誤り訂正符号化部104#1及び誤り訂正符号化部104#2のそれぞれに振り分ける処理を行う。MIMO伝送時には、2つの異なるデータ信号がストリーム分割部103に入力されるため、ストリーム分割部103は、一方のデータ信号を誤り訂正符号化部104#1に出力し、他方のデータ信号を誤り訂正符号化部104#2に出力する。これに対し、送信ダイバシティ時には、1つのデータ信号がストリーム分割部103に入力されるため、ストリーム分割部103は、該データ信号の複製を作成し、一方のデータ信号を誤り訂正符号化部104#1に出力し、他方のデータ信号を誤り訂正符号化部104#2に出力する。
【0044】
誤り訂正符号化部104#1及び誤り訂正符号化部104#2は、ストリーム分割部103から入力されたデータ信号を誤り訂正符号化して変調部105#1及び変調部105#2にそれぞれ出力する。
【0045】
変調部105#1及び変調部105#2は、誤り訂正符号化部104#1及び誤り訂正符号化部104#2からそれぞれ入力されるデータ信号を変調してマッピング・プリコーディング部106#1及びマッピング・プリコーディング部106#2にそれぞれ出力する。
【0046】
マッピング・プリコーディング部106#1及びマッピング・プリコーディング部106#2は、変調部105#1及び変調部105#2からそれぞれ入力されるデータ信号を各サブキャリアにマッピングするとともに、送信方式(MIMO伝送/送信ダイバシティ)に応じたプリコーディングを行ってIFFT部107#1及びIFFT部107#2にそれぞれ出力する。
【0047】
IFFT部107#1及びIFFT部107#2は、マッピング・プリコーディング部106#1及びマッピング・プリコーディング部106#2からそれぞれ入力されるデータ信号にIFFTを施して出力する。IFFT部107#1及びIFFT部107#2が出力する各データ信号には、図示を省略するサイクリックプリフィックス(CP)付加部によってCPが付加された後、図示を省略するアップコンバータ及びパワーアンプ等を介してRF帯に変換される。送信アンテナ11及び送信アンテナ12は、RF帯のデータ信号をそれぞれ送出する。
【0048】
(2.2)無線端末の構成
図3は、本実施形態に係る無線端末UEの構成を示すブロック図である。
【0049】
図3に示すように、無線端末UEは、受信アンテナ21及び受信アンテナ22と、高速フーリエ変換(FFT)部201#1及びFFT部201#2と、送信方式判別部203と、MIMO検出部204と、復調部205#1及び復調部205#2と、誤り訂正復号部206#1及び誤り訂正復号部206#2と、巡回冗長検査(CRC)部207#1及びCRC部207#2と、HARQ制御部208#1及びHARQ制御部208#2と、ストリーム合成部209とを含む。
【0050】
受信アンテナ21及び受信アンテナ22のそれぞれは、基地局eNBからのRF帯のデータ信号を受信する。受信アンテナ21及び受信アンテナ22のそれぞれが受信したRF帯のデータ信号は、図示を省略するローノイズアンプやダウンコンバータを介してベースバンド帯に変換される。
【0051】
FFT部201#1は、受信アンテナ21からのベースバンド帯のデータ信号にFFTを施して送信方式判別部203に出力する。FFT部201#2は、受信アンテナ22からのベースバンド帯のデータ信号にFFTを施して送信方式判別部203に出力する。
【0052】
送信方式判別部203は、FFT部201#1及びFFT部201#2のそれぞれから入力されるデータ信号に基づいて送信方式(MIMO伝送/送信ダイバシティ)を判別する。例えば、送信方式判別部203は、該データ信号に含まれる送信方式情報から送信方式(MIMO伝送/送信ダイバシティ)を判別することができる。
【0053】
MIMO検出部204は、MIMO伝送時において、ストリーム毎のデータ信号を分離するためのMIMO検出処理を行う。MIMO検出処理の方式としては、Zero Forcing、MMSE、MRC、MLD等の既存の方式が使用できる。例えば、MIMO検出部204は、送信アンテナ11及び送信アンテナ12毎の既知信号(パイロット信号)から送信アンテナ11及び送信アンテナ12毎の伝搬路特性を推定し、これらの伝搬路特性の相違に基づいて各データ信号を分離し、一方のデータ信号を復調部205#1に出力し、他方のデータ信号を復調部205#2に出力する。これに対し、送信ダイバシティ時には、ストリーム毎に同一のデータ信号を受信しているため、MIMO検出部204は、該同一のデータ信号を復調部205#1にのみ出力する。
【0054】
復調部205#1及び復調部205#2は、MIMO検出部204からそれぞれ入力されるデータ信号を復調して誤り訂正復号部206#1及び誤り訂正復号部206#2にそれぞれ出力する。
【0055】
誤り訂正復号部206#1及び誤り訂正復号部206#2は、復調部205#1及び復調部205#2からそれぞれ入力されるデータ信号を誤り訂正復号してCRC部207#1及びCRC部207#2にそれぞれ出力する。また、誤り訂正復号部206#1及び誤り訂正復号部206#2は、HARQ制御部208#1及びHARQ制御部208#2の制御下で、HARQに係る合成処理を行う。
【0056】
CRC部207#1及びCRC部207#2は、誤り訂正復号部206#1及び誤り訂正復号部206#2からそれぞれ入力されるデータ信号に対してCRCによる誤り検出を行って、伝送誤りの有無(復号成功/復号失敗)をHARQ制御部208#1及びHARQ制御部208#2にそれぞれ通知する。CRC部207#1及びCRC部207#2のそれぞれは、復号成功の場合にはデータ信号をストリーム合成部209に出力する。
【0057】
HARQ制御部208#1及びHARQ制御部208#2は、CRC部207#1及びCRC部207#2からそれぞれ通知された伝送誤りの有無(復号成功/復号失敗)に応じて、ACK/NACKを基地局eNBに送信するための処理を行う。また、HARQ制御部208#1及びHARQ制御部208#2は、復号に失敗したデータ信号に係る復号情報を保持し、保持している復号情報を誤り訂正復号部206#1及び誤り訂正復号部206#2に出力する。
【0058】
ストリーム合成部209は、CRC部207#1及びCRC部207#2からそれぞれ入力されるデータ信号を合成して元のデータ信号を復元し、図示を省略する上位レイヤのブロックに出力する。
【0059】
(3)無線通信システムの動作例
次に、本実施形態に係る無線通信システムの詳細構成例について、(3.1)基地局の動作、(3.2)無線端末の動作の順に説明する。ここでは、図1に示したシステム構成での動作を例に説明する。
【0060】
(3.1)基地局の動作
図4は、本実施形態に係る基地局eNBの動作を示すフローチャートである。
【0061】
図4に示すように、ステップS101において、制御部101は、初送であるか再送であるかを判定する。ストリームS1又はストリームS2の少なくとも一方についてのNACKを無線端末UEから受信している場合には、該NACKについての再送を行うと判定する。ストリームS1及びストリームS2の両方についてのACKを無線端末UEから受信している場合には、初送を行うと判定する。なお、再送回数の上限が設けられ、且つ再送回数が上限に達している場合には、再送を打ち切ると判定して初送を行うと判定してもよい。
【0062】
初送であると判定すると、制御部101は処理をステップS102に進める。一方、再送であると判定すると、制御部101は処理をステップS203に進める。
【0063】
ステップS102において、制御部101は、MIMO伝送を行うために、無線端末UEに送信すべき2つのデータ信号#1及びデータ信号#2(マルチコードワード)を生成するようにデータ生成部102を制御する。
【0064】
一方、ステップS103において、制御部101は、ACK/NACKに基づいて、ストリームS1及びストリームS2の両ストリームのデータ信号の再送が要求されたのか、ストリームS1又はストリームS2の何れか一方のみのデータ信号の再送が要求されたのかを判定する。
【0065】
ストリームS1及びストリームS2の両ストリームのデータ信号の再送が要求されたと判定すると、制御部101は処理をステップS104に進める。一方、ストリームS1又はストリームS2の何れか一方のみのデータ信号(ここでは、データ信号#1とする)の再送が要求されたと判定すると、制御部101は処理をステップS105に進める。
【0066】
ステップS104において、制御部101は、再送用のデータ信号#1及びデータ信号#2を出力するようにデータ生成部102を制御し、且つ、該データ信号#1及びデータ信号#2の出力先を変更するようにストリーム分割部103を制御する。例えば、初送時にデータ信号#1を誤り訂正符号化部104#1に出力し、データ信号#2を誤り訂正符号化部104#2に出力している場合には、再送時にデータ信号#1を誤り訂正符号化部104#2に出力し、データ信号#2を誤り訂正符号化部104#1に出力するようストリーム分割部103に設定する。
【0067】
ステップS105において、制御部101は、再送用のデータ信号#1を出力するようにデータ生成部102を制御し、且つ、該データ信号#1を誤り訂正符号化部104#1及び誤り訂正符号化部104#2のそれぞれに出力するようストリーム分割部103に設定する。
【0068】
ステップS106において、ストリーム分割部103は、制御部101からの制御に従い、入力されるデータ信号を誤り訂正符号化部104#1及び誤り訂正符号化部104#2に出力する。
【0069】
ステップS107において、誤り訂正符号化部104#1及び誤り訂正符号化部104#2は、ストリーム分割部103から入力されたデータ信号を誤り訂正符号化して変調部105#1及び変調部105#2にそれぞれ出力する。
【0070】
ステップS108において、変調部105#1及び変調部105#2は、誤り訂正符号化部104#1及び誤り訂正符号化部104#2からそれぞれ入力されるデータ信号を変調してマッピング・プリコーディング部106#1及びマッピング・プリコーディング部106#2にそれぞれ出力する。
【0071】
ステップS109において、マッピング・プリコーディング部106#1及びマッピング・プリコーディング部106#2は、変調部105#1及び変調部105#2からそれぞれ入力されるデータ信号を各サブキャリアにマッピングするとともに、送信方式(MIMO伝送/送信ダイバシティ)に応じたプリコーディングを行ってIFFT部107#1及びIFFT部107#2にそれぞれ出力する。
【0072】
ステップS110において、IFFT部107#1及びIFFT部107#2は、マッピング・プリコーディング部106#1及びマッピング・プリコーディング部106#2からそれぞれ入力されるデータ信号にIFFTを施して出力する。
【0073】
ステップS111において、送信アンテナ11及び送信アンテナ12は、RF帯のデータ信号をそれぞれ送出する。
【0074】
(3.2)無線端末の動作
図5は、本実施形態に係る無線端末UEの動作を示すフローチャートである。
【0075】
図5に示すように、ステップS201において、受信アンテナ21及び受信アンテナ22のそれぞれは、基地局eNBからのRF帯のデータ信号を受信する。
【0076】
ステップS202において、FFT部201#1は、受信アンテナ21からのベースバンド帯のデータ信号にFFTを施して送信方式判別部203に出力する。
【0077】
ステップS203において、送信方式判別部203は、FFT部201#1及びFFT部201#2のそれぞれから入力されるデータ信号に基づいて送信方式(MIMO伝送/送信ダイバシティ)を判別する。そして、MIMO伝送であると判定すると、処理をステップS204に進める。一方、送信ダイバシティであると判定すると、処理をステップS205に進める。
【0078】
ステップS204において、MIMO検出部204は、ストリーム毎のデータ信号#1及びデータ信号#2を分離するためのMIMO検出処理を行い、一方のデータ信号を復調部205#1に出力し、他方のデータ信号を復調部205#2に出力する。一方、ステップS205において、MIMO検出部204は、ストリーム毎に同一のデータ信号#1を受信しているため、該同一のデータ信号#1を復調部205#1にのみ出力する。なお、以下の処理は、MIMO伝送時について説明する。
【0079】
ステップS206において、復調部205#1及び復調部205#2は、MIMO検出部204からそれぞれ入力されるデータ信号を復調して誤り訂正復号部206#1及び誤り訂正復号部206#2にそれぞれ出力する。
【0080】
ステップS207において、誤り訂正復号部206#1及び誤り訂正復号部206#2は、復調部205#1及び復調部205#2からそれぞれ入力されるデータ信号を誤り訂正復号してCRC部207#1及びCRC部207#2にそれぞれ出力する。また、誤り訂正復号部206#1及び誤り訂正復号部206#2は、再送時には、HARQ制御部208#1及びHARQ制御部208#2の制御下で、HARQに係る合成処理を行う。
【0081】
ステップS208において、CRC部207#1及びCRC部207#2は、誤り訂正復号部206#1及び誤り訂正復号部206#2からそれぞれ入力されるデータ信号に対してCRCによる誤り検出を行って、伝送誤りの有無(復号成功/復号失敗)をHARQ制御部208#1及びHARQ制御部208#2にそれぞれ通知する。CRC部207#1及びCRC部207#2のそれぞれは、復号成功の場合(ステップS208;YES)、データ信号をストリーム合成部209に出力する。
【0082】
ステップS209において、ストリーム合成部209は、CRC部207#1及びCRC部207#2からそれぞれ入力されるデータ信号を合成して元のデータ信号を復元し、図示を省略する上位レイヤのブロックに出力する。
【0083】
(4)実施形態の効果
以上説明したように、本実施形態に係る基地局eNBは、MIMO伝送によって送信したデータ信号#1及びデータ信号#2のうち単一のデータ信号#1の再送を要求されると、MIMO伝送から送信ダイバシティに切り替えるとともに、データ信号#1の再送を送信ダイバシティにより行う。これにより、ダイバシティゲインを得ることができ、受信側でデータ信号#1の復号に成功する確率が高まるため、再送回数を少なくすることができる。
【0084】
また、本実施形態に係る基地局eNBは、MIMO伝送によって送信したデータ信号#1及びデータ信号#2の両データ信号の再送を要求されると、ストリームS1及びストリームS2のそれぞれに対するデータ信号の割り当てを変更する(入れ替える)とともに、データ信号#1及びデータ信号#2の再送をMIMO伝送により行う。これにより、空間ダイバシティ効果を得ることができ、受信側でデータ信号#1及びデータ信号#2の復号に成功する確率が高まるため、再送回数を少なくすることができる。
【0085】
このように、本実施形態に係る基地局eNBは、MIMO伝送時の再送において再送回数を少なくすることができる。
【0086】
さらに、本実施形態に係る基地局eNBは、MIMO伝送から送信ダイバシティに切り替えた後、送信ダイバシティによって再送した単一のデータ信号#1の復号成功を無線端末UEから通知されると、送信ダイバシティからMIMO伝送に切り替える。これにより、伝送速度の向上を図ることができる。
【0087】
(5)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0088】
(5.1)変更例1
例えば、MIMO伝送から送信ダイバシティに切り替えるための条件として、基地局eNBと無線端末UEとの間の伝搬路状態が劣化しているという条件を加えてもよい。基地局eNBの制御部101は、無線端末UEから受信する信号のSINRが閾値を下回ったこと、又は、該信号のフェージング周波数が閾値を上回ったことを以て、基地局eNBと無線端末UEとの間の伝搬路状態が劣化していると判断する。あるいは、基地局eNBの制御部101は、無線端末UEからフィードバックされるSINR情報(CQI;Channel Quality Indicator)が閾値を下回ったことを以て、基地局eNBと無線端末UEとの間の伝搬路状態が劣化していると判断する。
【0089】
そして、制御部101は、基地局eNBと無線端末UEとの間の伝搬路状態が劣化している場合であって、且つ、MIMO伝送によって送信したデータ信号#1及びデータ信号#2のうち、単一のデータ信号#1の再送を無線端末UEから要求されると、MIMO伝送から送信ダイバシティに切り替えるとともに、該単一のデータ信号#1の再送を送信ダイバシティにより行うように送信部110を制御する。このように、伝搬路状態が劣化している場合には、受信側でデータ信号#1の復号に成功する確率が非常に低くなることから、該単一のデータ信号#1の再送を送信ダイバシティにより行うことによって、受信側で該単一のデータ信号#1の復号に成功する確率が高まるため、再送回数を少なくすることができる。
【0090】
(5.2)変更例2
上述した実施形態では、無線端末UEから基地局eNBへNACKを送信することによって再送要求が行われ、無線端末UEから基地局eNBへACKを送信することによって復号成功通知が行われていた。しかしながら、このような明示的な再送要求/復号成功通知に代えて、暗黙的な再送要求/復号成功通知を適用してもよい。例えば、NACKを使用しないシステムでは、基地局eNBは、無線端末UEからのACKを受信しないことを以て、再送が暗黙的に要求されたとみなして再送を行ってもよい。また、ACKを使用しないシステムでは、基地局eNBは、無線端末UEからのNACKを受信しないことを以て、復号成功が暗黙的に通知されたとみなしてもよい。
【0091】
(5.3)変更例3
上述した実施形態では、主に下りリンクについてのデータ信号の伝送を説明したが、本発明は下りリンクに限定されるものではなく、上りリンクにも本発明を適用可能である。この場合、上述した実施形態で基地局eNBが行っていた処理を無線端末UEが行い、上述した実施形態で無線端末UEが行っていた処理を基地局eNBが行うことになる。また、基地局eNBと無線端末UEとの間の無線通信に限らず、基地局eNBと無線中継局(リレーノード)との間の無線通信や、無線中継局と無線端末UEとの間の無線通信にも本発明を適用可能である。
【0092】
さらに、上述した実施形態では、LTEに基づく無線通信システムを例に説明したが、WiMAX(IEEE802.16シリーズ)や無線LAN(IEEE802.11シリーズ)、次世代PHS等に基づく無線通信システム対して本発明を適用してもよい。
【0093】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0094】
eNB…基地局、UE…無線端末、11,12…送信アンテナ、21,22…受信アンテナ、101…制御部、102…データ生成部、103…ストリーム分割部、104#1,#2…誤り訂正符号化部、105#1,#2…変調部、106#1,#2…マッピング・プリコーディング部、107#1,#2…IFFT部、110…送信部、201#1,#2…FFT部、203…送信方式判別部、204…MIMO検出部、205#1,#2…復調部、206#1,#2…誤り訂正復号部、207#1,#2…CRC部、208#1,#2…HARQ制御部、209…ストリーム合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多入力多出力(MIMO)空間多重技術をサポートする無線通信システムにおいて、空間的に分割される複数のストリームを他の無線通信装置との間に形成する無線通信装置であって、
前記複数のストリーム毎に異なるデータ信号を送信する第1の送信方式と、前記複数のストリームのそれぞれで同一のデータ信号を送信する第2の送信方式との何れかでデータ信号を送信するように構成された送信部と、
前記第1の送信方式によって前記送信部が送信した複数のデータ信号のうち、単一のデータ信号の再送を前記他の無線通信装置から要求されると、該単一のデータ信号の再送を前記第2の送信方式により行うように前記送信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の送信方式によって前記送信部が送信した複数のデータ信号のうち、2以上のデータ信号の再送を前記他の無線通信装置から要求されると、前記複数のストリームのそれぞれに対するデータ信号の割り当てを変更するとともに、該2以上のデータ信号の再送を前記第1の送信方式により行うように前記送信部を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記他の無線通信装置との間の伝搬路状態が劣化している場合に、前記第1の送信方式によって前記送信部が送信した複数のデータ信号のうち、単一のデータ信号の再送を前記他の無線通信装置から要求されると、該単一のデータ信号の再送を前記第2の送信方式により行うように前記送信部を制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
多入力多出力(MIMO)空間多重技術をサポートする無線通信システムにおいて、空間的に分割される複数のストリームを他の無線通信装置との間に形成する無線通信装置で用いられる再送制御方法であって、
前記複数のストリーム毎に異なるデータ信号を送信する第1の送信方式によって、複数のデータ信号を送信するステップと、
前記第1の送信方式によって送信した前記複数のデータ信号のうち、単一のデータ信号の再送を前記他の無線通信装置から要求されると、第2の送信方式によって、前記再送が要求された単一のデータ信号を再送するステップと、
を含むことを特徴とする再送制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−222519(P2012−222519A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84757(P2011−84757)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】