説明

無線LAN中継装置

【課題】従来の無線LAN中継装置の場合、中継装置内に使用されているアンテナ間の電波の干渉を回避するために中継装置内のアンテナどうしを1m以上離す必要があり無線LAN中継装置が大型なものになってしまっている。
【解決手段】無線LAN装置に使用しているアンテナを垂直に配置することにより、中継装置内に使用されているアンテナ間の電波の干渉を回避することができ、小型な中継装置が可能になる。また、垂直上方に配置されたアンテナからの同軸ケーブルは、下方に配置されたアンテナの側面を通ることにより、下方に配置されたアンテナからの電波が妨害されるので、垂直下方に配置されたアンテナを中空構造にして、その中を上方に配置されたアンテナからの同軸ケーブルを通すことにより電波妨害を回避する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN中継装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は従来の無線LAN装置のシステム図である。本システム図について説明する。他中継装置101からの電波はアンテナ21で受信され同軸ケーブル22を介して中継器23に送られ、中継器23ではパケット復調され、この信号はLANケーブル81で中継器33に送られ、中継器33でパケット変調され、同軸ケーブル32を介してアンテナ31に送られ、アンテナ31から他の中継装置102に送出される。このようにして他中継装置101からの電波は中継装置1を介して他中継装置102に中継される。
【0003】
また、他中継装置102からの電波は中継装置1を介して他中継装置101に中継される。中継される方法は前記内容と同様に行われる。
【0004】
また、中継装置1の周辺地域の端末14との中継も可能である。端末14からの電波をアンテナ11が受け同軸ケーブル12を介して端末用中継器13に送られ、端末中継器13でパケット復調されLANケーブル81で、中継器33(23)、同軸ケーブル32(22)、アンテナ31(21)を経由して他中継装置102(101)に中継される。他中継装置102(101)からの電波も中継装置1を介して端末14に中継され、中継される方法は前記内容と同様に行われる。
【0005】
本中継装置は簡易中継装置として設置されることもあり、この場合図1に示す支柱3で中継装置筐体2を地面に固定することがある。この様な場合は特に中継装置1の小型化が重要である。
【0006】
【特許文献1】特開2004−7411
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1に示す従来例では、アンテナ11、21、31間の電波の干渉を回避するためにアンテナ11とアンテナ21間のA、およびアンテナ21とアンテナ31間のBは1m以上の距離を取る必要があり、中継装置の小型化が困難であった。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたものであって、アンテナを垂直面に配置して小型化実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、上述の目的を達成するために次のように構成している。
【0010】
すなわち、本発明は、他中継装置との間で電波を送受するための複数のアンテナと、前記送受電波信号をパケット変復調する複数の中継器と、前記アンテナと中継器をつなぐ複数の同軸ケーブルと、前記中継器どうしの信号をやり取りするLANケーブルから構成される無線LAN中継装置において、複数のアンテナを垂直面に配置する無線LAN中継装置である。
【0011】
また、他中継装置との間で電波を送受するための複数のアンテナと、端末との間で電波を送受するためのアンテナと、前記送受電波信号をパケット変復調する複数の中継器と、前記アンテナと中継器をつなぐ同軸ケーブルと、前記中継器どうしの信号をやり取りするLANケーブルから構成される無線LAN中継装置において、複数のアンテナを垂直面に配置する無線LAN中継装置である。
【0012】
また、前記中継装置において、垂直面下方に配置されたアンテナを中空構造として、垂直面の上方に配置されたアンテナからの同軸ケーブルを垂直面下方に配置されたアンテナの中空構造部を通す無線LAN中継装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、小型な無線LAN中継装置が実現できる。
【実施例】
【0014】
以下、図面によって本発明の実施例について、詳細に説明する。図2は、本発明の実施例である。図1の従来例に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
他中継装置101からの電波はアンテナ21で受信され同軸ケーブル22を介して中継器23に送られ、中継器23ではパケット復調され、この信号はLANケーブル81で中継器33に送られ、中継器33でパケット変調され、同軸ケーブル32を介してアンテナ31に送られ、アンテナ31から他の中継装置102に送出される。このようにして他中継装置101からの電波は中継装置1を介して他中継装置102に中継される。
【0015】
また、他中継装置102からの電波は中継装置1を介して他中継装置101に中継される。中継される方法は前記内容と同様に行われる。
【0016】
また、中継装置1の周辺地域の端末14との中継も可能である。端末14からの電波をアンテナ11が受け同軸ケーブル12を介して端末用中継器13に送られ、端末中継器13でパケット復調されLANケーブル81で、中継器33(23)、同軸ケーブル32(22)、アンテナ31(21)を経由して他中継装置102(101)に中継される。
【0017】
また、他中継装置102(101)からの電波も中継装置1を介して端末14に中継される。中継される方法は前記内容と同様に行われる。
【0018】
アンテナ21、31、11はお互いの干渉を避けるため図2に示すように垂直面上に配置される。
【0019】
垂直面上に配置された場合、図5に示すように、上方に配置されたアンテナの同軸ケーブルは下方に配置されたアンテナの側面を通るのでこのアンテナからの電波を妨害することがある。無線LAN中継装置に使用されるアンテナの一般的な外形を図3に示す。
【0020】
この妨害を回避するため図6に示すように下方に配置されるアンテナを中空構造として、この中を上方に配置されたアンテナからの同軸ケーブルを通す。
図4に同軸ケーブル配置改善前と改善後の図を示す。
【0021】
本発明は、無線LAN中継装置の小型化のため利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来の無線LAN中継装置のシステム図
【図2】本発明の無線LAN中継装置のシステム図
【図3】無線LAN中継装置に使用されるアンテナの一般的な外形図
【図4】同軸ケーブルの配置改善前後図
【図5】同軸ケーブル配置 改善前図
【図6】同軸ケーブル配置 改善後図
【符号の説明】
【0023】
11,21,31 アンテナ
12,22,32 同軸ケーブル
13、23、33 中継器
71、72、74 電波
14 端末
1 中継装置
2 中継装置筐体
3 支柱
81 LANケーブル
101 102 他中継装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
他中継装置との間で電波を送受するための複数のアンテナと、前記送受電波信号をパケット変復調する複数の中継器と、前記アンテナと中継器をつなぐ複数の同軸ケーブルと、前記中継器どうしの信号をやり取りするLANケーブルから構成される無線LAN中継装置において、複数のアンテナを垂直面に配置することを特徴とする無線LAN中継装置。
【請求項2】
他中継装置との間で電波を送受するための複数のアンテナと、端末との間で電波を送受するためのアンテナと、前記送受電波信号をパケット変復調する複数の中継器と、前記アンテナと中継器をつなぐ同軸ケーブルと、前記中継器どうしの信号をやり取りするLANケーブルから構成される無線LAN中継装置において、複数のアンテナを垂直面に配置することを特徴とする無線LAN中継装置。
【請求項3】
請求項1の中継装置において、垂直面下方に配置されたアンテナを中空構造として、垂直面の上方に配置されたアンテナからの同軸ケーブルを垂直面下方に配置されたアンテナの中空構造部を通すことを特徴とする無線LAN中継装置。
【請求項4】
請求項2の中継装置において、垂直面下方に配置されたアンテナを中空構造として、垂直面の上方に配置されたアンテナからの同軸ケーブルを垂直面下方に配置されたアンテナの中空構造部を通すことを特徴とする無線LAN中継装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−301334(P2008−301334A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146808(P2007−146808)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】