説明

無菌ランセット用のレーザによる箔の接合

包装されたランセットを製造するための方法であって、ランセット先端およびランセット本体を備える複数のランセットを備えるテープを用意する工程と、少なくとも1つの箔によって少なくとも前記ランセット先端を包むことにより、前記少なくとも1つの箔が少なくとも部分的に重なり合う第1および第2の部分を形成する工程と、少なくとも重ね合わせ部分の前記第1および第2の部分の端縁においてレーザ光線によって前記少なくとも1つの箔を密封する工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、バイオセンサ、試験素子、または、ランセットもしくは針のような穿刺器具等の医療器具を密封するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
試験試料中の選択された検体の存在または濃度を測定するための試験素子またはバイオセンサのような医療器具がよく知られている。同じことが、針、ランセット、または、刃物のような穿刺素子についてあてはまる。通常、これらの医療器具は、無菌環境内に包装されて保管される。特に、穿刺素子は、それらが使用されるまで無菌に保たれなければならない。無菌環境内にランセットを包装する方法について従来技術において記載された多様な方法がある。
【0003】
米国特許出願公開第2004/0163987号明細書において、ランセットのような医療器具の密封方法が記載されている。ここでは、熱または感圧接着剤を使用することによって密封に達せられる。
【0004】
欧州特許第1508304号明細書にもまた、加熱活性化または感圧の可能性がある接着剤が記載されている。一般に、包装されたランセットについての製造プロセスは、ラミネート技術によって行われる。スクリーン印刷、スロットコーティングのようなやり方がまた、ランセットの包装について言及されている。これらのラミネートプロセス前に、接着剤がレーザスクライブまたは穿孔されてもよい。
【0005】
さらなる特許出願、米国特許出願公開第2006092281号明細書において、試験素子に結合される可能性があるランセットの密封はまた、接着剤またはヒートシールによって記載されている。
【0006】
全ての製造プロセスは、接着剤のような追加材料がランセットを包囲している包装材料を接合するために使用されるという不都合を有する。これらの追加材料は、ランセットを汚染する可能性がある。接着剤またはヒートシールのさらなる不都合は、これらのプロセスにより、層状の密封または接合プロセスのみが達成されるという事実である。この層状化プロセスは、ランセットを包囲する多くの空間を必要とし、ランセットがマガジン内に格納される場合に特に不都合である。そうでなければ密封プロセスが完全でなく、ランセットのための無菌環境が達しないことから、密封線は、狭くなることができなかった。さらに、システムの使用中における無菌包装の自動除去は、無菌カバーを介してランセットを穿刺することによって達成されることができる。しかしながら、上述したように、そのような包装を介して針を押し込むことによって針先が頻繁に損傷を受けることが示されている。
【0007】
特に、小さくて薄いランセットが無痛穿刺措置のために使用される場合、針先の損傷が起こりやすい。そのため、ランセットを有効な方法で保管するためにランセットを密封し、マガジンの自動開封を可能とし、したがって、ランセットがユーザの相互作用を必要とせずに切開器具によって容易に取り扱われることができるように、再現性があって信頼性があるプロセスの必要がある。
【発明の概要】
【0008】
従来技術において公知のプロセスに関連したよくない態様を克服するために、包装されたランセットを製造するための方法であって、ランセット先端およびランセット本体を備える複数のランセットを備えるテープを用意する工程と、少なくとも1つの箔によって少なくとも前記ランセット先端を包むことにより、前記少なくとも1つの箔が少なくとも部分的に重なり合う第1および第2の部分を形成する工程と、少なくとも重ね合わせ部分の前記第1および第2の部分の端縁において好ましくはレーザ光線によって前記少なくとも1つの箔を密封する工程とを備える方法が記載される。
【0009】
本方法は、たとえばブリスターパック内に包装されるランセットについての製造プロセスを記載する。ランセットは、穿刺プロセスを実行するためにランセットを加速するようにマガジン内のランセットと自動的に連結されることができる駆動装置を有する切開器具において使用されることができる。そのような切開器具は、通常、病院において、または、たとえばホームモニタリングシステムによって血糖等の検体を測定するために1日に数回血液を抽出する患者自身によって使用される。切開器具の便利な取り扱いのために、穿刺工程の後にユーザがランセットを手作業で変える必要がないように、システム内にいくつかのランセットを格納することは有利である。したがって、複数のランセットは、通常、現代的な切開システムのマガジン内に格納され、システム自身によって自動的に取り扱われる。特に、ランセットは、切開器具の駆動装置と自動的に連結され、穿刺工程を実行するためにマガジンから外部に駆動される。その後、ランセットは、好ましくは器具のハウジング内のマガジンに再度格納され、そして、患者が次の穿刺プロセスを実行する場合に新たなランセットが駆動装置に対して接続されることができるように駆動装置から切り離される。特に針先が無菌カバーから解放されるように、自動の取り扱いはまた、無菌包装の除去を含む。しかしながら、汚染または感染症を回避するために、ランセットは、ランセットが患者によって使用されるまで、ランセットマガジンの製造プロセスの後に無菌環境内に保管されなければならない。それは、複数のランセットが格納されるマガジンが、たとえば数年といった長い期間にわたってランセットの無菌の環境を保持するのに適していなければならないということを意味する。したがって、包装は、特に無菌カバーが構成される材料、および、したがってカバーが密封されなければならない製造プロセスに関して、特定の要件を満たさなければならない。結果として、金属箔がたとえばランセットを気密環境内に密封するために使用される。しかしながら、たとえば独国特許第2803345号明細書に記載されたように、プラスチック箔がたとえばブリスターパックにおいて使用される場合であっても、無菌カバーの自動除去のために、針は、従来技術において記載されたように、頻繁に単に箔を介して駆動された後、金属箔によって損傷される。そのようなブリスターパックは、2つの箔を一体に組み立て、熱溶解プロセスによってこの箔を密封することによって製造される。結果として、針は、溶接線に包囲される。その後、針が箔を介して押し込まれた場合、針は、溶接線を介して駆動されなければならず、これにより、針先は、軟かいプラスチック箔が使用されるにもかかわらず損傷されることがある。代わりに、従来技術のシステムは、穿刺工程が実行される前にキャップを除去するキャップ除去機構を備える。そのような機構は、小型で小さい切開器具が実現されることができないために、あいにく通常は複雑である。
【0010】
独創的に特許請求された製造方法は、溶接線が従来技術のシステムにおいて実現されるような針を包囲するために、一体に組み立てられる2つの分離した箔を使用しない。従来技術とは対照的に、独創的な方法は、箔の第1および第2の部分がランセット先端の領域において少なくとも部分的に重なり合うように針先に巻き付けられた箔を使用する。特に、密封プロセスは、ランセット先端が位置する箔のこの端部に適用されない。それは、針が穿刺プロセス中に押し込まれる箔の領域が溶接線を有しないということを意味する。したがって、針先は、溶接線を介して駆動される必要はなく、損傷は回避されることができる。箔を針先に巻き付けた後に、箔は、第1および第2の部分が結合されるように、好ましくはレーザ光線によって密封されることができる。
【0011】
しかしながら、箔が上述したように巻き付けられた場合、密封プロセスが時々限界になることが示されている。特に、巻き付けプロセスによってループが生じることがあり、これにより、箔の部分がもはや密接に接触しない。特に、箔の巻き付けプロセスは、箔が巻き付けられるこの端部において空洞がなおも残存するというリスクを負い、空洞は、密封プロセスの後に特に溶接線における包装内になおも残存する。その場合、無菌環境は、もはや空洞の大きさに依存することが確実にされることができない。
【0012】
したがって、本発明の他の態様は、少なくともランセット先端が、ランセット先端およびランセット本体を備える複数のランセットを備えるテープを用意し、これにより、少なくともランセット先端が少なくとも1つの箔によって包まれ、前記少なくとも1つの箔が少なくとも部分的に重なり合う第1および第2の部分を形成し、前記箔の前記第1および第2の部分が重なり合い、前記箔の少なくとも1つの部分が前記ランセット先端の反対側の前記ランセットの端部に向かって平らにされるように、第1の方向に前記箔が前記ランセット上に押圧される方法で前記箔に対して力を加え、さらに、少なくとも部分的に力がまた、第1の方向に対して垂直な第2の方向に加えられ、少なくとも重ね合わせ部分の前記第1および第2の部分の端縁において好ましくはレーザ光線によって前記少なくとも1つの箔を密封することによる、上述した方法の改良である。
【0013】
したがって、箔の部分が一体に密封される前に、力が箔に加えられる。一方では、力はランセット上に箔を押圧し、したがって、箔の一部は、互いに密接に接触する。他方では、力はまた、箔を平らにして、ランセット先端の反対側のランセットの後端部に向かって箔を引き伸ばすように、それに対して垂直な方向に作用する。結果として、箔の一部は、特に箔がランセット先端に巻き付けられるこの領域におけるループなしで一体に接合されることができる。好ましくは、これは、力が、それに対して垂直な方向とともに、箔上に直接加えられることができるように、たとえば0〜90°の方向に箔上に向けられる空気圧による非接触プロセスによって実現される。好ましい実施形態において、箔に対して特定の角度で調整可能な空気ノズルが使用される。さらに、空気の圧力は、制御されることができ、好ましくは設定している角度の関数として調整可能である。それにもかかわらず、力を箔に加える他のプロセスもまた考慮すべきである。たとえば従来技術において周知であるように針先の反対側の針の後端部に箔を押し込むまたは引き込む機械的手段がまた使用されることができる。
【0014】
本発明の他の態様は、包装内のランセットの位置に再現性があるように、箔に対するランセットの正確な位置決めである。
【0015】
包装されたランセットを製造するための方法であって、少なくとも1つの所定の切断点を介して金属シートに固定されたランセット先端およびランセット本体を備える複数のランセットを備える前記金属シートを用意する工程を備える。少なくとも前記ランセット先端を包むための少なくとも1つの箔を備えるテープに対して前記金属シートを配置し、前記少なくとも1つの切断点が砕壊されて前記ランセットがもはや前記金属シートに接続されないように、前記テープ上に少なくとも1つのランセットを設置し、前記テープ上の前記少なくとも1つのランセットを押圧する。前記テープ上の前記ランセットを固定する前に、同時にまたはその後に、前記金属シートを除去し、前記箔によって少なくとも前記ランセット先端を包むことにより、前記箔が少なくとも部分的に重なり合う第1および第2の部分を形成し、少なくとも重ね合わせ部分の前記第1および第2の部分の端縁において好ましくはレーザ光線によって前記少なくとも1つの箔を密封する。
【0016】
ランセットの正確な位置決めは、たとえばランセットが上述したように切開器具において使用される場合には重要である。特に、ランセットを駆動装置と接続する連結素子が、明確で再現性がある方法でランセットに対して正確に連結されることができるように、ランセットは、切開器具の駆動装置に対して規定の方法でマガジン内に位置決めされなければならない。結果として、システム内のランセットの位置は、正確に決定されることができ、穿刺深さの正確な制御は、無痛の穿刺プロセスを確実にすることが可能である。したがって、箔内のランセットの再現性がある位置決めは、製造プロセス中においてもまた確実にされなければならない。それは、通常は1cmよりも長くないランセットが、大量生産プロセス中に正確な方法で取り扱われなければならないということを意味する。独創的に、問題は、ランセット構造物を備える金属シートを用意することによって解決される。好ましくは、ランセット構造物は、低い公差で容易に実現されることができるエッチングプロセスによって作り出される。もちろん、金属シートにおけるランセット構造物を切り離す他のプロセスがまた可能である。たとえば、レーザによる切断プロセスがまた適用可能であり、または、従来技術において周知であるような他のプロセスも適用可能である。しかしながら、ランセット構造物は、金属シートから完全に切り離されず、ランセットが金属シートの寸法に対して規定の方法でなおも配置されるように、所定の切断点を介して金属シートとなおも接続される。したがって、単一のランセットが取り扱われて箔上に配置される必要はなく、少なくともランセット先端を包むために、連続的な金属シートがここではテープに対して規定の方法で配置されなければならない。当業者によって周知であるように、2つのテープの正確な位置は、大量生産プロセスにおいてもまた容易に実現されることができる。そして、金属シートは、少なくともランセット先端を包むための好ましくはプラスチック箔であるテープ上に設置される。このとき、ランセットは、ここではプラスチック箔上に設置された金属シートになおも接続され、その後、テープ上に下方に押圧され、これにより、たとえば熱溶解プロセスによってテープに固定される。同時に、その前にまたはその後に、ランセットは、所定の切断点を破壊することによって金属シートから分離される。ランセットがテープに固定されて金属シートから分離された後、金属シートは、それから除去されることができる。その後、少なくともランセットの先端は、少なくとも部分的に重なり合うテープの第1および第2の部分を形成することによって包まれる。最後に、ランセットが無菌環境内に密封されることができるように、箔は、重ね合わせ部分の第1および第2の部分の端縁において密封される。好ましくは、したがって、箔の端縁が密封される前に力が箔に加えられ、その結果、上述したように箔の第1および第2の部分が重なり合って互いに密接に接触するように、箔が針先の反対側の針の後端部に向かって平らにされる。箔の第1および第2の部分は、ここではランセットの無菌包装のための要件を満たす気密な方法で密封される。さらに、有利なプロセスにおいて、レーザ光線が密封工程のために使用される。
【0017】
好ましくはレーザによって少なくともランセットの先端を包囲している少なくとも1つの箔を密封するプロセスはまた、非接触プロセスである。複雑な3次元の物体であっても、このプロセスによって密封されることができる。これらの物体の例は、箔によって包囲されたランセットである。さらなる材料はランセットを包囲している材料との接触に至らないため、箔またはランセットの汚染は起こらない。対照的に、箔および基体に対するレーザ適用がレーザ中に使用される場合、密封プロセスは、レーザによって接触された表面の無菌環境でさえも保証する。レーザが少なくとも1つの箔の重ね合わせ部分に集中されたとき、密封線は、箔の2つの層間に形成される。レーザ光線の拡張が(光波長の寸法において)非常に小さいことから、レーザ密封プロセスについて、密封線の寸法は、他の密封技術と比較して小さくなる。箔の密封プロセスが層状のレーザ密封プロセスによって構築される場合であっても、密封線の寸法は、従来技術において記載された接着剤または熱密封によって処理される密封のものよりも非常に小さい。レーザ密封プロセスのさらなる利点は、箔が気密な方法で密封されるという保証である。この保証は、箔を均一にかつ再現性がある方法で溶解する箔に対するレーザの十分なエネルギ入力によって達せられる。それにもかかわらず、従来技術において公知の他の密封プロセスもまた、たとえば熱溶解プロセスのように可能である。しかしながら、レーザ密封プロセスが独創的なプロセスとあいまって特に有利であることが示されている。たとえば、レーザ密封プロセスは、容易に制御されることができる。制御されなければならない以下の少なくとも3つのパラメータがある。
・ある領域に集中するレーザ出力
・箔の均一性
・密封場所における箔の近さ
【0018】
レーザ密封プロセスにおいて、材料は、箔として使用されるかもしれず、それは箔がレーザによって溶解されかつこの溶解プロセスが箔の切断または破壊なしで2つの箔層の接着をもたらす方法でレーザによって溶解可能である。箔の材料として使用されるいくつかの基体は、たとえば、PET(ポリエステル)箔、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、環状ポリオレフィン(たとえばTOPAS(登録商標))、PVAC(ポリ酢酸ビニル)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、または、PA(ポリアミド)とすることができる。このプロセスによって破壊されずにレーザのエネルギによって溶解可能でなければならないという事実にもかかわらず、このプロセスにおいて利用される箔の材料の制限はない。
【0019】
箔の第1および第2の部分について異なる材料を使用することが可能である。少なくとも1つの材料は、レーザの光によって溶解可能でなければならない。他の部分は、2つの部分の安定な相互作用に達せられる方法で、溶解された部分と相互作用しなければならない。好ましい実施形態において、双方の部分は、同一の材料からなる。
【0020】
2つの部分が1つの箔に属する場合において、第3の部分はまた、箔の一部である。この好ましい実施形態において、第3の部分は、箔によって形成された重ね合わせの第1および第2の部分間に端縁を形成する。1つの箔のみがランセットを包囲するために使用される場合には、プロセスは、時間的および材料的に非常に有効な方法で構築されることができる。1つの箔のみを用いたプロセスは、2つの異なる箔が使用されるプロセスよりも少ない1つの工程を備える。1つの箔のみでランセットを包囲することは、1つの供給機構のみが作動される必要があり、ランセットとの箔の位置決めが一度確立されれば済むことから、2つ以上の箔を用いるよりも非常に容易に構築されることができる。
【0021】
少なくとも重ね合わせ部分の第1および第2の部分の端縁において少なくとも1つの箔を密封するプロセスは、異なる種類のレーザによって構築されることができる。レーザ光線のエネルギは、少なくとも1つの箔の溶解特性に適合されなければならない。レーザの例は、以下の通りである。
a)Nd:YAG
b)CO2
c)ダイオードレーザ
d)ファイバレーザ
【0022】
これらのレーザは、この密封および切断プロセスにおける異なる目的のために使用されることができる異なる特性を有する。Nd:YAGレーザは、高い安定性、小さいレーザスポット(約10〜50μm)のために高いビーム品質を有し、光ファイバケーブルを介して導光されることができる。このレーザは、バッチモードとともに連続的に使用されることができ、20〜600Wの出力が通常は連続的な方法で使用されるが、レーザはまた、5kWの出力で放射することも可能である。
【0023】
CO2レーザは、レーザスポットが約150〜350μmまで集光することができるため、より低い品質を有する。したがって、このレーザは、非常により安価である。それはまた、特に10〜600W、最高で5kWの出力領域でポリマーの溶解のために連続モードで使用されることができる。ビームは、通常はミラー光学部品を介して基体上に集光する。
【0024】
ダイオードレーザは、その小さい寸法(数センチメートル)のために、非常に縮小されたシステム内に形成されて一体化される利点を有する。レーザダイオードは、赤外領域における効率的なビーム源を形成し、その効率は約50%である。1つのレーザダイオードは、約100Wの出力に達することがあるが、キロワット領域に達するために他のダイオードと結合されてもよい。
【0025】
少なくともランセットの先端は、少なくとも1つの箔によって包囲される。密封プロセス中に、レーザ光線は、少なくとも1つの箔の重なり合う部分の端縁を少なくとも横切って導光される。少なくとも1つの箔の重ね合わせの形状は限定されるものではない。重ね合わせ箔は、円形、三角形、正方形または長方形、並びに、楕円およびその組み合わせの形態であってもよい。好ましい実施形態において、箔の形状は長方形である。箔の第1および第2の部分の寸法は、同一であってもよく、また、異なる大きさであってもよい。好ましい実施形態において、第1および第2の部分の寸法は同一である。
【0026】
密封線の寸法が非常に小さいことから、少なくとも非常に空間を縮小した方法でランセット先端の領域内にランセットをカプセル化することが可能である。その結果は、空間的および材料的に有効なプロセスであり、多くのランセットを小さい格納機器に格納する可能性をもたらす。
【0027】
他の好ましい実施形態において、ランセットは、そのランセット本体と一体に少なくとも1つの箔の2つの部分間に密封される。ランセットがテープ内にまたはその上に配置される前に、ランセット本体は、溶融可能な接着剤によって少なくとも部分的に被覆されてもよい。この溶融可能な接着剤により、ランセットは、少なくとも部分的に基体またはテープに固定されることができる。この固定により、ランセットの使用前の箔の不要な破壊が回避されることができる。この実施形態において、ランセット先端は、偶然に箔を破壊するリスクなしで格納された形態で、密封された環境内で移動可能であってもよい。
【0028】
穿刺器具とランセットの組み合わせにおいて、ランセットは、体液を発生させる目的で患者の皮膚を刺通または穿刺するために使用されることができる。体液は、間質液、血清、血漿または全血の形態で収集されることができる。穿刺器具におけるランセットの使用中に、少なくともランセット先端は、箔を介して押し進められる。箔が非常に薄い厚みを有することから、ランセット先端は、箔を切断することによって鈍化または汚染されない。体液の試料を発生させた後に、試料は、試料中の検体とともに反応することが可能な試薬を含む試験素子へと移されてもよい。この検体は、たとえば、ブドウ糖、コレステロールまたは流体中の他の物質等、試料中の任意の分子であり得る。
【0029】
穿刺器具および/または試験素子は、検体の濃度についての結果を発生させるために試験素子を分析することが可能である計測器の一部であってもよい。これは、光学、電気化学、電流測定、電位差測定、または、体液中の検体の検出についての従来技術において公知である他の任意の検出方法であってもよい。
【0030】
穿刺器具、試験素子、および、計測器は、従来技術において周知であり、当業者にとって詳細に説明される必要はない。例は、穿刺器具についての米国特許第5,879,311号明細書、米国特許第6,866,675号明細書、および、米国特許第5,857,983号明細書において、試験素子についての米国特許第4,999,582号明細書、米国特許第6,506,575号明細書、米国特許第6,036,919号明細書および、欧州特許第0230472号明細書において、または、計測器についての欧州特許第591226号明細書においてみられる。ランセットおよびそれらの製造の手順は、たとえば欧州特許第0565970号明細書から公知である。
【0031】
それは、少なくとも1つの箔の融点および厚みに依存し、エネルギ入力がミリ秒の短時間範囲で十分に箔を溶解することが必要である。箔の厚みは、1μm〜100μmの範囲内、好ましくは5μm〜30μmの範囲内、最も好ましくは約10μmとするのがよい。このプロセスは、約5メートル/分の速度で確立されてもよい。箔によってランセットおよび/または基体を被覆するプロセス中に、箔は、箔層の1または2次元内で曲げられてもよい。この箔の曲げにより、ランセットのプレストレスカバーは、切開プロセス中にランセットによって容易に破壊されることができるようになる。箔のプレストレス状態により、箔の切断端縁は、切断プロセス中にまたはその後にランセット先端から移動して離れ、その結果、ランセットの任意の材料をともなったより少ない汚染が、このプレストレスとともに達せられることができる。
【0032】
密封プロセス中に、少なくとも1つの箔の重ね合わせの第1および第2の部分は、少なくともそれらが一体に密封される部分において、互いに非常に近くになければならず、好ましくは互いに接触しなければならない。箔は、接着力によって基体の近くに保持されてもよい。これらの接着力は、材料の選択によって変化することがある。これらの接着力は、箔の表面特性の結果である。静電的に取り込まれることがある材料は、接着力を増大する。材料の表面上に静電力を取り込む手順は、従来技術において周知である。これらの接着力は、基体が箔に対して気密に被覆される強度からなってもよい。これらの接着力はまた、基体またはテープ内にまたはその上に設置されたランセットを被覆する箔の2つの部分間に発生させられてもよい。
【0033】
ランセットおよび/または基体周囲で箔を気密の状態に至らせる他の選択は、ランセットおよび/または基体周囲で箔を被覆するプロセス中における真空または圧力の適用である。このプロセスにより、箔部分は、互いにラミネートされる。これはまた、箔がランセットおよび基体とともに案内されるローラによって達せられてもよい。
【0034】
この最適化されたプロセスにより、少なくとも1つの箔の第1および第2の部分の少なくとも一部は、密封プロセス中にレーザ光線によって溶解される。溶解された部分の寸法は、レーザ光線の幅の広さおよびレーザの光エネルギを吸収する箔の能力に依存する。溶解線の寸法は、0.05mm〜数ミリメートルまで変化してもよい。
【0035】
プロセス中に、少なくとも1つの箔は、密封プロセスによって切断されてもよい。ランセットがたとえばエッチングまたは他の技術による方法のようにウェブにおいて形成される場合、密封プロセスはまた、ランセットを単数化するために使用されることができる。連続プロセスについての例として、たとえば使用される3mmのスポット範囲を有するレーザダイオード(940nm)のレーザ出力は、20Wとすることができる。これは、使用される材料およびプロセスの速度に応じて広範囲に変化してもよい。
【0036】
ウェブの例は、少なくともランセット先端がエッチングまたはスタンピングされた平坦な鋼鉄箔とすることができる。この鋼鉄箔は、0.07〜1mmの厚みを有してもよい。ランセット先端は、単数化工程の前に、その後にまたはさらにはその最中に、箔によって密封されてもよい。これは、レーザ加工の目的に依存する。使用前にランセットが単数化されないまたは単数化工程がレーザによって構築されず、ウェブがマガジン格納形態として使用される場合、レーザのエネルギは、それを切断せずに少なくとも1つの箔を単に溶解するのに適している。
【0037】
好ましい実施形態において、ランセット先端の密封および単数化は、レーザによる1つのプロセス工程において行われる。ここで、たとえば鋼鉄箔であるウェブが、箔の密封を越えてこのプロセスにおいて切断されなければならないことから、レーザエネルギは、より高くなければならない。
【0038】
1つの実施形態において、1つの箔は、第1の部分を形成するランセットの第1の側を被覆し、第2の箔は、第2の部分を形成するランセットの第2の側を被覆する。これらの2つの箔は、同じ材料を備えてもよく、または、異なる材料によって構成されてもよい。
【0039】
他の実施形態において、少なくとも1つの箔の2つの部分のうちの少なくとも一方はまた、ランセットの本体を被覆する。
【0040】
少なくとも1つのランセットの本体は、箔に添着されてもよい。この添着は、レーザまたはホットスタンプのような他の熱源によって実行されてもよい。
【0041】
ランセット本体上の箔の加熱は、箔がランセット本体に接触しながら小さい部分においてさえも溶解することから、ランセット本体上への箔の固定をもたらす。この実施形態において、箔およびランセット本体の材料は、箔が溶解されるときにそれらが互いに接着する方法で選択されてもよい。このプロセス中に、ランセット本体は、好ましくは加えられる熱によって溶解しない。
【0042】
他の実施形態において、箔の第1の部分は、ランセットの第1の側を被覆し、第2の部分は、ランセットの第2の側を被覆し、第1および第2の部分は、ランセット先端の前に位置する第3の部分によって接続される。これらの3つの部分は、少なくともランセットの一部に重なり合う1つの箔に属してもよい。第1および第2の部分は、ランセットの長さの異なる側をそれぞれ被覆してもよく、第3の部分は、ランセット先端を包囲することによってこれらの2つの部分を結合する。箔部分の材料および/または厚みは、これらの3つの部分において変化してもよいが、好ましくは、3つの箔部分の材料は同一であり、厚みさえも同一であってもよい。
【0043】
箔の密封は、層状のレーザ密封プロセスによって構築されてもよい。この層状のレーザ密封プロセスにおいて、非常に集光されたレーザ加工による密封よりも広い密封線を有するレーザ密封が達成される。層状のレーザ密封プロセスは、通常はCO2レーザまたはダイオードレーザによって構築される。
【0044】
ランセットは、金属もしくは金属の混合物、ポリマー、セラミックス、または、変形、曲げまたは破壊されることなく患者の皮膚に入るのに十分強い鋭利なランセット先端が形成されることができる任意の他の安定な材料のような任意の材料からなってもよい。たとえばランセット先端がエッチングプロセスにおいて形成される金属ウェブまたはテープの形態でランセットが作られる場合、複数のランセットは、密封プロセス中にレーザ光線によって分離されてもよい。このプロセス内で、レーザの出力は、0.07〜1mmの範囲において金属シートを切断するのに十分高くなければならない。このプロセスにより、金属が切断されながら箔層が切断され、箔がランセット本体の金属端縁に固定される。
【0045】
密封および/または切断プロセス中またはその前に、複数のランセットは、基体に設置されてもよい。基体の材料は、変化してもよい。それは、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン(たとえばTOPAS(登録商標))、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、または、ポリアミド等の様々な織物からなる他の箔またはウェブであってもよい。様々な材料の例は、米国特許出願公開第20050245845号明細書において挙げられる。マガジン格納の目的のために、複数のランセットは、ローラまたはコイルにテープを巻回するのに十分曲げやすいテープ上に固定されてもよい。
【0046】
ランセットは、それらの単数化の後に異なる方法で格納されてもよい。1つの実施形態において、それらはウェブ上に設置され、これにより、各ランセットは別個に作動されることができる。ランセットは、ウェブ上にランセットを設置する前にまたはその後に試験素子と結合されてもよい。他の実施形態において、試験素子は、ランセット間に設置されてもよい。
【0047】
単数化されたランセットを格納する異なる形態は、たとえば積み重ねマガジン格納である。ランセットまたは試験素子と一体化されたランセットを格納する他の形態も同様に可能である。従来技術において周知であるいくつかの変形例がある。
【0048】
切断および/または密封プロセスの後にまたはその最中に、ランセットは殺菌されてもよい。この殺菌は、たとえば熱によってまたは放射線または他の公知の殺菌手順によって構築されてもよい。
【0049】
さらに、ランセット本体は、試験素子に取り付けられてもよい。この試験素子は、好ましくは、血液のような流体試料が塗布される試験領域を有する。ランセットとあいまって、この試験素子は、血液が試験領域によって取り込まれることができる刺し通された組織と直接接触した状態に至らせられてもよい。試験素子と連結されたランセットの例は、米国特許出願公開第20060079810号明細書に示されている。試験素子とランセットとを結合する他の可能性は、米国特許第6,866,675号明細書に記載されている。ここで、ランセットは、さらに、患者の皮膚内に刺し通した後に体液を収集するために毛細管路または異なる構造物を含む。その後、この血液は、毛細管路に対して直接接触して配置されるかまたは別個に格納されてもよい試験素子へと移されてもよい。
【0050】
試験領域は、検体の濃度を測定するために試料の検体と相互作用する酵素のような化学物質を含んでもよい。
【0051】
記載された本発明はまた、体液を収集するための器具であって、
a.ランセット先端およびランセット本体を有するランセットと、
b.少なくとも前記ランセットの先端を包むことにより、少なくとも部分的に互いに重なり合う第1および第2の部分を形成する少なくとも1つの箔とを備え、
密封環境内に少なくとも前記ランセット先端を保持するようにレーザによって前記少なくとも1つの箔の前記2つの部分的に重なり合う部分によって形成された少なくとも端縁を処理することによって少なくとも前記ランセットの一部を包んだ後に前記箔が密封される器具に及ぶ。
【0052】
この器具は、先に記載されたプロセスによって処理されてもよい。
【0053】
器具がさらなる試験素子に取り付けられるとき、少なくともランセットは、箔内で移動可能であってもよい。これは、試験素子に対してかつ箔に対してランセットの分離した移動を可能とする。箔を介してランセットを移動するために、試験素子および/またはランセットを有する器具は、ランセットアクチュエータを含んでもよい計測器に設置されてもよい。さらにまた、計測器は、ランセットアクチュエータと同様であってもよい試験素子アクチュエータを含んでもよく、さらに、試験素子から読み取るための読み取り機器を備えてもよい。この読み取りは、試験素子の仕様に応じて、異なる結果を供給してもよい。
【0054】
レーザ密封による製造プロセスの例は、以下の通りである。
【0055】
ランセットラベルマスターの製造プロセス
・19μmの厚みを有するPET(ポリエチレンテレフタラート)箔(DuPont社製のMelinex S(登録商標))がテープの形態で基体を形成する。箔の表面は、たとえばトルエン中に20gのVinnapas B500/20VL(登録商標)(Wacker AG Burghausen社製)の混合物によるラミネート装置におけるドクターブレードによってコーティングされる。ドクターブレードの間隔は約120μmであり、テープの速度は0.5m/分である。コーティングの乾燥は、約50℃の温風によって実行される。乾燥後のコーティングの厚みは約12μmである。Vinnapasコーティングは、以下の工程におけるホットメルトとして作用する。
【0056】
・エッチングによって形成された76μmの厚みおよび2.25mmの幅および4.56mmの長さを有するステンレス鋼304(登録商標)製の平坦なランセットが、PETテープのコーティングされた表面上に所定距離で正確に配置され、ホットメルトコーティングを活性化するためにホットスタンプまたはレーザパルスによって単にランセット本体を加熱することによってテープに固定される。
【0057】
・6μmの厚みを有する双方向に引き伸ばされたPET箔(ウィースバーデンのMitsubishi Polyester Film社製のHostaphan RN(登録商標))が、軟かいローラを使用することによって滑らかにランセットテープに塗布される。箔の余分な部分は、CO2レーザStarshape 300C(登録商標)(Ronin社製)によってテープの端縁において切断される。レーザの調整は、以下の通りである。200mmのレンズ、1000mm/秒のミラー速度、(power 120 parts)=31J/m。切断幅は、約300μmである。
【0058】
・そのように接着されたテープは、DuroTak(登録商標)タイプ387−2825/87−285(National Starch B.V.社製)転写接着箔上にその下側がラミネートされる。この接着剤転写箔は、剥離ライナおよび20μmの接着剤の膜からなる。ラミネートの後、テープは、巻き取られてたとえば放射線によって殺菌される。
【0059】
マスターからのランセットラベルの製造プロセス
・CO2レーザStarshape 300C(登録商標)(Ronin社製)により、ランセットラベルは、テープから切断される。各ラベルは、列をなして、1本、2本または3本のランセットを備えてもよい。切断線までのランセットの最も広い部分の距離は、少なくとも0.5mmである。ラベルの幅は、ランセットの長さよりも少なくとも1mm広い。ラベルに属しない残りの材料は除去される。それは、自動接着性のランセットラベルを有するライナをもたらす。
【0060】
ランセットテープの製造プロセス
・結果として生じたランセットテープの転写箔は、12μmの厚みを有する双方向に引き伸ばされたPET箔(ウィースバーデンのMitsubishi Polyester Film社製のHostaphan RN(登録商標))である。単一のランセットラベルは、箔上に正確に位置決めすることによってこのPET転写箔へと転写される。この転写の精度は、少なくとも±1/10mmである。このランセットテープは、CO2レーザStarshape 300C(登録商標)(Ronin社製)により、5.0mmの幅を有する3つのランセットテープに切断される。ランセット本体の端部は、切断端縁から約0.2mmに配置される。
【0061】
これらのプロセスにより、非常に正確で再現性がある密封結果をともない非常に高速な密封が達成されることができる。密封プロセスの品質は、熱接着およびホットスタンピングのプロセスのように、より正確であってかつより再現性がある。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、少なくともランセットの先端を包囲している箔を有するランセット格納マガジンの斜視図である。
【図2】全ての端縁がレーザ切断によって密封されたレーザによって切断された密封ランセットを示している。
【図3】密封箔によって包囲されることにより、箔がレーザ溶接によって基体に対して接着された基体内のまたはその上のランセットを示している。
【図4】複数のランセットが内部またはその上に設置されたテープの形態の基体が示されており、密封箔によって少なくとも部分的に重なり合っている。
【図5】レーザによってテープ上のランセットラベルを単数化するプロセスを示している。
【図6】ランセットテープから他のテープへの単数化されたランセットラベルの転写を示している。
【図7】少なくとも1つの箔間のレーザ密封によって一体に密封されたランセット一体化試験素子(LIT)へのランセットおよび試験素子の接合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1において、複数のランセット(2)がランセットテープ(3)上に配置されているまたはランセットテープ(3)の一部であるランセットテープ(3)が示されている。好ましくは、ランセット(2)は、全て、テープ(3)上にまたはその上に同一方向に配置される。ランセット(2)のランセット先端(2a)は、テープ(3)の少なくとも1つの側から到達可能でなければならない。このランセットテープ(3)は、テープの両側上においてランセット先端(2a)の次に重なり合う箔(5)によって被覆されている。ランセットテープ(3)の一方の側において、この箔(5)は、箔の第1の部分(5a)を形成する。ランセットテープ(3)の反対側において、箔(5)の第2の部分(5b)が設置されている。ランセットテープ(3)が1つの箔(5)のみによって被覆されているとき、この箔(5)は、少なくともランセットテープ(3)の1つの端縁におけるランセット先端(2a)の領域における箔(5)の重なり合いによって形成された第3の部分(5c)を形成する。箔(5)の2つの部分(5a)および(5b)が2つの分離した箔によって形成された場合、第3の部分(5c)は、基体(3a)を越えて延在する2つの箔の重ね合わせ部分によって形成される。密封線の形態で密封プロセスにおいて2つの箔がともに溶解されるとき、この第3の部分(5c)が形成される。2つの箔が使用されるラベル(1)の密封プロセス中に、基体(3a)を越えた箔の重ね合わせ部分は、密封プロセスまたは切断プロセスまたは密封および切断プロセス中に切断される。箔(5)の重ね合わせ部分(5a)および(5b)の間において、少なくともランセット(2)の先端(2a)が配置される。示された実施形態において、全てのランセット(2)は、箔(5)の第1の部分(5a)および第2の部分(5b)によって被覆されている。
【0064】
ランセット(2)は、レーザ(4)によってランセットテープ(3)を切断することによってランセットラベル(1)の形態でこのランセットテープ(3)から単数化されることができる。少なくとも1つの箔との少なくともランセット先端(2a)の重なり合い後に、箔の3つの部分(5a)、(5b)および(5c)は、CO2またはNd:YAGレーザによって一体にレーザ密封される。この密封プロセスの後、少なくともランセット先端(2a)は、箔部分(5a、5b、5c)によって密封される。
【0065】
図2において、基体(3a)の形態でランセットテープ(3)の一部を含むランセットラベル(1)が示されている。この基体(3a)内にまたはその上において、ランセット(2)が配置される。この場合において、ランセットラベル(1)の形態は長方形であるが、このランセットラベル(1)の形状に限定はない。それはまた、円形または楕円形を有することができる。単数化プロセス中に、レーザ(4)は、ランセットテープ(3)の基体(3a)とともに箔(5)を切断する。箔は、ランセットラベル(1)が切断端縁(8)および(9)において密封されるように、このプロセスによって溶解されて基体(3a)上に貼り付く。ランセット(2)は、密封された方法で3つの部分(5a)、(5b)および(5c)によって包囲される。図1および2において示されていないプロセスは、ランセット(2)がランセットテープ(3)に配置されたときに、ランセットテープ(3)の基体(3a)内に形成されたその空洞(10)におけるランセット(2)の密封である。ランセットラベル(1)がレーザ切断プロセスによって形成される前に、ランセット(2)がこの空洞内に配置されることができるように、これらの空洞(10)は、切断によってランセットテープ(3)内に形成される。図1において示された切断プロセス中にまたはその前に、空洞(10)は、レーザ(4)によって密封され、これにより、ランセット(2)は、その内部に設置された空洞(10)をレーザ光線(4)が包囲する。このプロセスにより、ランセット(2)がその空洞(10)内で無菌に保持されることができるように、箔(5)は基体(3a)に溶解される。この密封プロセスについて、レーザ(4)のレーザ出力は、図1において示された切断プロセスのためのものよりも少ない。密封プロセスの後、少なくともランセット(2)は、箔(5)の3つの部分(5a、5b、5c)によって包囲される。密封線(12)は、空洞(10)の形状に調整されてもよい。この密封プロセスは、光学または高温測定プロセスによって確認されてもよい。これは、たとえば、CCDカメラ、熱カメラまたは高温計によって実行されてもよい。
【0066】
図3、3aおよび4において、2つの異なるプロセスがランセットラベル(1)またはランセットテープ(3)を箔(5)によって被覆するように示されている。図3において、各ランセットラベル(1)は、すでに切断されて単数化されている。切断されたランセットラベル(1)は、箔(5)がラベル(1)の前端縁(11)にわたって折り重ねられる前に、箔(5)上に配置され、これにより、空洞(10)がランセット(2)で満たされる。その後、箔(5)は、箔部分(5a)および(5b)が重なり合うような方法で折り重ねられる。図3aにおいて示されているように、箔が折り重ねられてランセット先端を包囲するこの領域において折り重ねプロセスからループ(5c)が生じる。そのようなループを回避するために、箔がランセットラベル(1)上に押圧されるように空気圧(P)が箔に対して加えられ、さらに、箔がランセット本体の後端部に向かって平らにされ、ランセットラベルと密接に位置合わせされるように、力がまたそれに対して垂直な方向に加えられる。特に、力は、テープに対して規定角度(a)で加えられる。その後、箔は、たとえばレーザ溶接によって基体(3a)に固定される。溶接プロセスにおいてさえもレーザの小さい寸法のため、ランセットは、この溶接プロセスにおいて関与しない。その結果、ランセットは、この溶接プロセスによって固定されない。この溶接プロセスの後、箔(5)は、少なくともレーザ密封によって空洞(10)を密封することによって無菌に保持されるランセット先端(2a)をもたらす端縁(10d)において密封されてもよい。この溶接および密封プロセスは、940nmの波長を有するダイオードレーザによって実行されてもよい。さらに、好ましくはランセット先端ではなくランセット本体はまた、従来技術において周知であるような溶接プロセスの追加工程によってテープに固定されることができる。
【0067】
好ましい密封プロセスにおいて、空洞(10)は、さらに、ランセット(2)の周囲の端縁(10a、10b、10c、10d)において密封される。その結果、ランセット(2)は、少なくとも4つの密封線(図示しない)によって包囲され、これにより、端縁(10d)における少なくとも1つの密封線は、箔部分(5a)および(5b)のみに形成されるのに対して、端縁(10a、10b、10c)における他の密封線は、箔(5)と基体(3a)との間に形成される。端縁(10d)において箔部分(5a)および(5b)によって形成される密封線の位置に応じて、小流路が箔(5)の第3の部分(5c)とともに第1(5a)および第2の部分(5b)の部分から外部に形成されてもよい。第1(5a)および第2の部分(5b)が密封線に関与するように、密封線が直接端縁(10d)に配置されないがランセット先端(2a)により近い場合には、密封線は、端縁(10d)においてこの流路を形成することによって箔(5)の残りから箔(5)の第3の部分(5c)を分離する。この流路は、空洞(10)の密封プロセスの後、ランセット(2)の内側による密封された空胴(10)の密封分離を保証する。密封された空胴(10)に達するように端縁(10d)に密封線を配置することもまた可能である。ここで、密封線は、箔の第3の部分を含むのみである。
【0068】
ランセット本体(2b)は、作動または刺通器具のようなシステム要素と協動するように素子(2c)を含んでもよい。この素子(2c)は、孔もしくは空洞、チャンプもしくはフック、または、案内要素のような様々な形状を有してもよい。この素子は、作動装置または計測器のプランジャ(図示されていない)に接触してもよい。このランセット(2)および作動装置の相互作用により、ランセット(2)は、ランセット先端(2a)によって第3の部分(5c)において箔(5)を破壊することにより、窪みまたは空洞(10)から外部に移動されてもよい。このランセット(2)の作動プロセスによっても、他の部分(5a)および(5b)の部分が破壊されることがある。ランセットの作動後に箔の破壊された部分は、空洞(10)の外部に優先的に押し込まれるので、ランセット(2)は、ユーザの皮膚に達したときにいかなる材料もない。
【0069】
代わりに、箔は、穿刺器具(図示しない)におけるランセット(2)の使用中に、たとえばピンセットの形態のたとえば把持部によって剥がされてもよい。
【0070】
図4において、分離したラベル(1)を形成するように切断プロセスの前に密封プロセスが構築されるランセットテープ(3)の包囲が示されている。ここで、ほぼ連続的な箔(5)は、基体(3a)およびランセット(2)の両側を被覆するために使用されてもよい。図4において、1つの箔(5)のみが基体(3a)の両側を被覆するために使用され、これにより、箔部分(5a)および(5b)の双方が、基体(3a)の前端縁(11)において箔(5)の重なり合い部分によって形成された第3の部分(5c)内を越える。
【0071】
図4aは、密封プロセスの前に、または熱密封プロセスの後におけるその空洞(10)内のランセット(2)を示している。双方の場合において、箔(5)は、基体(3a)の端縁(10d)、(11)のそれぞれにおいて重ね合わせ部分(5c)を形成する。熱密封プロセスがランセット先端(2a)の前において第3の部分(5c)の形態で重ね合わせ部分に達することが可能ではないことから、この重ね合わせ部分(6)は、密封プロセスの後にランセット(2)の密封環境を緩めるリスクを形成する。これは、レーザ密封線のように、そのような小さい寸法に調整されることができなかった熱密封スタンプの寸法の結果である。
【0072】
図4bは、レーザ密封プロセスの後のランセット(2)を示している。箔(5)が基体(3a)の端縁(10d)において重なり合いを形成することなく基体(3a)上に溶接されることがみられる。ここで、密封線は、基体(3a)の端縁(10d)と同一である。この図4aのランセット(2)の密封包囲とは対照的に、図4bにおいて、箔(5)の重ね合わせ部分(6)は、ランセット(2)が熱密封のような異なる密封プロセスによって密封されたとき、基体(3a)の端縁(3b)および(3c)を包囲する。
【0073】
図5および5a、5bは、連続プロセスにおけるランセットラベル(1)の切断および密封プロセスを示している。図5aは、たとえばエッチングプロセス、または、たとえばレーザ光線による切断プロセスもしくはスタンピングプロセス等の従来技術において周知である他のプロセスによって形成されたランセット構造物を有する金属シートを示している。さらに、ランセット構造物(2)に加え、位置決め孔(57)がまた、ランセットに対して規定位置にある金属シート内にある。先に説明されたように、ランセットは、金属シートから切断されるが、たとえばランセット本体の後端部において少なくとも1つの所定の切断点(58)により、それに対してなおも接続される。後に説明されるように、ランセットが図5において示されるようにランセットテープ(3)を作り上げるために箔上に設置される場合、この切断点は破壊される。図5b〜5dにおいて示されるように、金属シートは、図5において示されるようにランセットテープ(3)を作り上げるために、ここで箔(51A)上に設置される。有利には、箔(51A)は、たとえば自動接着性であるPET箔であるプラスチックからできている。特に、箔は、マトリクスに対して規定の方法で金属シート(56)を配置するために使用されるピン(58)を備えるマトリクス(101)の下に配置される。したがって、金属シートの位置決め孔(57)は、マトリクス(101)の表面構造内に適合し、金属シートをマトリクス上に、したがって金属シートをマトリクス上に位置決めして固定するのを可能とする。マトリクスは、さらに、ランセットが内部に直接、したがってプラスチック箔(51a)上に直接位置決めされる切り取り部分(102)を有する。スタンプ(100)は、ここで、図5cおよび5dにおいて示されるようにプラスチック箔(51a)上に下方にランセットを押圧し、これにより、最初にランセットの一部がプラスチック箔と接触のみされ、たとえば熱溶解プロセスによってすでにそれに対して固定される。同時にまたはその後に、ランセットが金属シートから分離されるように所定の切断点が破壊される。スタンプ(100)は、好ましくは、ランセット先端が最初に箔と接触されるように、ランセットを接触する傾斜面(101)を有する。その後、全てのランセットが箔に対してスタンプによって押圧され、それに対して固定される。好ましくは、箔(51a)は、スタンプによってランセットに作用する圧力がランセットを損傷することができないように、弾性支持部材(59)上に設置される。そのような弾性支持部材は、薄い鋼鉄層(59b)によって被覆された弾性層(59a)から形成されることができる。好ましくは、鋼鉄層はまた、熱溶解プロセスを介して箔上にランセットを固定するようにレーザ光線が向けられることができるいくつかの切り取り部分(59c)を有する。それにもかかわらず、いくつかの周知のプロセスがランセットを箔(51a)に固定するために一般に可能である。さらに、たとえば磁力によって一時的にテープ上の規定位置にランセットを保持し、その後にランセットを金属シートから分離することもまた可能である。その後、ランセットは、上述したように、永久に固定されることができる。好ましくは、テープに対するランセットの永久的な固定は、穿刺プロセスを実行するために分離されることができる。特に、接続は、ランセットが駆動装置によって加速されたときに、穿刺プロセス中に自動的に破壊される。代わりに、ランセットは、穿刺プロセス中にテープになおも固定されることができる。特に、ランセット本体の後端部は、その後、テープになおも固定され、テープは、ランセットとともに移動されることができる。
【0074】
さらに、ランセットテープ(3)は、少なくとも3つの層、転写層(51a)、輸送層(52)、および、カバー層(53)から形成されることができる。これらの3つの層(51a)、(52)、(53)は、同一材料に全て属してもよく、箔として形成されてもよい。これらの層は、層を一体に貼り付ける接着剤によって互いに固定されてもよい。少なくとも1つの層は、ランセット(2)を被覆する箔を形成する。箔の材料は、異なってもよく、または、同一材料であってもよい。優先的には、箔は同一材料に属する。ランセット(2)は、転写層(51a)に含まれ、これにより、輸送層(52)は、転写層(51a)の底部に配置され、カバー層(53)は、転写層(51a)の上に配置される。カバー層(53)は、ランセットのレーザ切断および密封プロセス前に、直接ローラ(54)によって除去される。カバー層(53)の除去後に、レーザ(4)は、輸送層(52)からランセットラベル(1)を切断し、これにより、輸送層(52)の部分は、転写層(51a)上に箔を密封したままとし、ランセット(2)を密封包囲する。この転写層(51a)は、ここで、密封されたランセットラベル(1)のためにランセット(2)が殺菌されて無菌に保持される殺菌プロセスに導かれてもよい。
【0075】
これらのランセットラベル(1)は、転写層(51a)をテープ(60)と接触することによって他のテープ(60)に転写されてもよい。この接触のみが、転写層(51a)の接触点および2つのローラ(61)および(62)の間に送られるテープにおいて起こる。図6において示されるように、ランセットラベル(1)が転写層(51a)に配置される領域において、テープ(60)に対するランセットラベル(1)の接着力は、転写層(51a)に対するよりも高い。この転写プロセスを容易とするために、いずれか一方のテープ(60)は、粘着性がある領域を含む、または、ランセットラベル(1)上の箔は、粘着性がある材料もしくは接着剤によって被覆される。このランセットラベル(1)に対するテープ(60)の接触は、ローラによって実現される。ローラは、制御された方法で互いに押圧されることができる2つのローラ(61)および(62)から形成される。これらの2つのローラ間において、テープ(60)および転写層(51a)は送られる。ローラ(61)は転写層(51a)を移動し、ローラ(62)はテープ(60)を移動する。2つのローラ(61)および(62)の間の圧力を変化させることにより、かつ、ローラ(61)および(62)を異なる速度で移動することにより、転写層(51a)からテープ(60)までのランセットラベル(1)の転写の場所が変化してもよい。
【0076】
図7を参照すると、ランセットアセンブリ(22)が形成された後、ランセットアセンブリ(22)は、箔(24)内で包装されることができる。下記の議論から明らかなように、ランセットアセンブリ(22)は、ランセットアセンブリ(22)が殺菌される前に、その最中に、その後に、箔(24)内に包装されることができる。図示された実施形態において、箔(24)は、金属箔からなるシートであり、他の実施形態において、箔(24)は、プラスチックからできている。箔(24)が他の種類の材料からできていることがあり得ると認識されるべきである。製造中に、箔(24)は、図7において示されるように、中間に折り目(42)を有して2つの箔部分(40)に折り重ねられる。折り重ねの後、ランセットアセンブリ(22)は、折り目(42)がランセットアセンブリ(22)における空洞(31)の空洞開口(34)を閉塞するように、2つの箔部分(40)の間に挟持される。箔部分(40)は、ランセット(30)が折り目(42)によって閉塞される空洞開口(34)を有する空洞(31)の内部に密封されるように、ランセットアセンブリ(22)の反対の(平らな)側に固定される。1つの形態において、接着剤が案内部材(28)に箔を固定するために使用される。ランセット(30)が空洞(31)内でさらに滑るのを可能とするように、接着剤が空洞(31)の周囲の案内部材(28)に塗布されるが、ランセット(30)には塗布されない。接着剤が図示された実施形態において使用されるにもかかわらず、当然のことながら、箔(24)は、たとえば熱密封によって等、他の方法で案内部材(28)によって密封されることができる。図示された実施形態において、箔部分(40)の端縁は一体に密封されないが、他の実施形態において、箔(24)の端縁がランセットアセンブリ(22)の全体を囲む窪みを形成するために一体に密封されることができると想像される。さらに他の実施形態において、箔(24)を折り重ねる代わりに、2つの箔(24)は、中間に挟持されたランセットアセンブリ(22)と結合される。
【0077】
図示されたように、1つの実施形態における一体化された切開試験素子(20)が連続プロセスにおいて形成される。連続プロセスにおいて、箔(24)は、リールから繰り出されて連続帯の周囲に折り重ねられた連続帯、または、同様にリールから巻かれたランセットアセンブリ(22)のベルトである。ランセットアセンブリ(22)は、箔(24)の箔部分(40)の間に密封され、試験素子(26)は、上述したような方法でシート(24)に取り付けられる。箔(24)は、連続的なLITテープ(19)を形成するように、隣接するランセット一体化試験素子(LIT)ユニット(20)を一体に接合する。個々のユニット(20)の間において、箔(24)は、テープ(19)が格納のために連続方法で折り重ねられるのを可能とする折り目または脆弱線(43)を有する。折り重ね線(43)はまた、個々のユニット(20)が互いから分離されるのを可能とするように構成されることができる。箔(24)は、当業者にとって気付くように任意数の方法で折り重ね線(43)において弱められることができる。たとえば、シート(24)は、折り重ね線(43)において折り線が書かれることができるかまたは薄くなることができ、折り重ね線(43)が連続または不連続であり得ることが意図される。ランセットアセンブリ(22)が箔(24)によって被覆される前にまたはその後に、折り重ね線(43)は形成されることができる。テープ(19)が連続または他の方法で自然に折り重なるように、他の実施形態における折り重ね線(43)が任意であり得ると想像される。好ましい実施形態において、この折り重ね線は、LITユニットが単数化されなければならないとき、レーザによって切断される。
【0078】
一旦結合されると、ランセットアセンブリ(22)および箔(24)は、ランセット包装または小包(44)を形成する。先に述べたように、ランセットアセンブリ(22)は、箔(24)内に包まれる前にまたはその後に殺菌されることができる。ランセットアセンブリ(22)は、少し例を挙げると、たとえば通しの化学、熱および/または放射線殺菌技術等、当業者にとって気付くように、任意数の殺菌技術によって殺菌されることができる。当然のことながら、ランセットアセンブリ(22)の全部または一部が殺菌されることができる。たとえば、そのように所望するならば、ランセット(30)および空洞(31)のみが殺菌されることができる。他の実施形態において、ランセットアセンブリ(22)がランセット包装(44)内部に包装された後、ランセットアセンブリ(22)は殺菌される。1つの形態において、一旦ランセット(30)が箔(24)によって包まれると、放射線殺菌技術が使用される。ランセット包装(44)により、ランセットアセンブリ(22)の殺菌は、試験素子(26)をランセット殺菌の望ましくない影響に晒すことなく起こることができる。したがって、ランセット包装(44)が試験素子に取り付けられる前に、多くの特定の校正データが発生させられることができる。
【0079】
図示された実施形態において、試験素子(26)は、電気化学タイプの試験素子である。1つの特定の形態において、試験素子(26)は、ACCU−CHEK(登録商標)ブランドの試験素子(Roche Diagnostics GmbH社)のうちのいずれかの改められた種類を含むが、他のタイプの試験素子が使用されることができると想像される。たとえば、他の実施形態における試験素子(26)は、光学タイプの試験素子を含むことができるかまたは他の方法で流体試料を分析することができる。一端において、図示された実施形態における試験素子(26)は、試料読み取り値を計測器に対して送信する電気的接点(47)との接続部分(46)を含む。接続部分(46)の反対側において、試験素子(26)は、毛細管現象を介してランセット(30)によって形成された切り口から体液試料を引き込むように構成された毛管開口(49)を有する毛細管路(48)を有する。当然のことのように、毛細管路(48)内部の試験素子(26)は、作動、対向および基準電極等の電極と、流体試料を分析するための試薬とを含む分析領域を含む。1つの形態において、接続部分(46)は、計測器に接続されており、分析領域における電極からの試料読み取り値は、電気的接点を介して計測器に対して送信される。
【0080】
先に簡潔に述べたように、殺菌されたランセット包装(44)は、一体化された切開試験素子ユニット(20)を形成するために試験素子(26)に取り付けられる。図示されたように、ランセット包装(44)は、毛細管路(48)の毛細開口(49)に近接した試験素子(26)の端部に取り付けられる。特に、ランセットアセンブリ(22)の空洞開口(34)および試験素子(26)の毛細開口(49)は、ランセット(30)が切り口を形成するように、互いに並んだ関係で配置され、毛細管路開口(49)は、体液を収集するためにごく近接して配置される。試験素子(26)は、一体化された試験素子(20)の必要を満たすように切開部材(22)を包んでいる箔(24)の外部に取り付けられる。1つの形態における試験素子(26)は、接着剤によってランセット包装(44)に取り付けられるが、試験素子(26)およびランセット包装(44)は、他の方法で取り付けられることができると認識されるべきである。1つの形態において、ランセット包装(44)は、双方の終端縁が他と位置合わせされるように、試験素子(26)に取り付けられる。しかしながら、他の実施形態において、ランセット包装(44)の端縁および試験素子(26)は、互いからオフセットされることができる。たとえば、図示された実施形態におけるランセット包装(44)の端縁は、折り目によって境界が定められているように、第3の部分(42)の形態で、毛細開口(49)において試験素子(26)の端縁から僅かに奥まっている。奥まったランセット包装(44)を有することにより、毛細管路開口(49)の流動が促進される。他の例において、箔(24)は、折り目(42)が試験素子(26)の端縁を過ぎて延在するように配置される。この実施形態により、箔(24)の全部または一部は、毛細管路(48)の方に流動を向けるために疎水性および/または親水性とすることができる。1つの特定の形態において、箔(24)が流体を毛細管路(48)内に引き込む曲げやすいウィッキングフラグのように作用するように、箔(24)は試験素子(26)から延在する。
【0081】
毛細管路開口(49)に向かってランセット(30)から離れて体液を引き込むために、図示された実施形態における試験素子(26)は、ランセット包装(44)に面している流体方向切り込みを有する。毛細管路開口(49)に向かう流動を高めるために、箔(24)は、扱われることができおよび/または疎水性とされることができる。疎水性の箔(24)により、ランセット(30)が空洞(31)の内部に縮退することから、箔は、ランセット(30)から体液を拭き取ることができる。箔(24)の拭き取り作用は、廃棄目的のためにランセット(30)をよりきれいにするとともに、抽出のために利用可能な体液の量を増やすと考えられる。先に述べたように、ランセット包装(44)内に密封されたランセット(30)により、ランセット(30)と試験素子(26)との間の二次汚染のリスクが低減される。
【0082】
図7において、試験素子(26)は、さらに、取り込みおよび点火中にランセット(30)を係合するときに、カムアームのブレード先端が延在するレリーフスロット(51)を画定する。さらに、レリーフスロット(51)は、流体が収集されるとき、毛細管路(48)から空気を排気するために使用されることができる。レリーフスロット(51)の長さは、一般に、ランセット(30)を作動するために使用される点火機構の切開ストロークの長さに近い。ランセット包装(44)が試験素子(26)に取り付けられるとき、ランセット(30)上の係合切り込み(39)は、試験素子(26)におけるレリーフスロット(51)と位置合わせされる。米国特許出願公開第2006/0200045号明細書においてより詳細に記載されているように、点火機構のためのカムアームのブレード先端は、レリーフスロット(51)内とともにランセット(30)の係合切り込み(39)を通って延在する。そのように行うとき、ブレード先端は箔(24)を貫通する。切開中に、ブレードを介したカムアームは、試験素子(26)に対してランセット(30)を引き伸ばして縮める。ランセット(30)が伸びるのにともない、ランセット(30)の先端(38)は、折り目(42)において箔(24)を貫通する。1つの形態において、折り目(42)における箔(24)は、ランセット(30)によって穿刺するのに役立つために弱められるが、他の形態において、折り目(42)は弱められない。一旦ランセット(30)が空洞(31)内部に縮退されると、箔(24)の2つの箔部分(40)は、摩擦を介して内部にランセット(30)を保持することができる。そのような方法でランセット(30)を係合することにより、手作業でおよび/または偶然にランセット(30)を作動することはより困難であることから、一体化された切開試験素子(22)による不測の穿刺のリスクが低減される。ランセットアセンブリ(22)は、ランセット(30)を係合するための他の構造を含むことができると認識されるべきである。たとえば、ランセット(30)における係合切り込み(39)は、突起またはつまみと交換されることができる。ランセットは、箔(24)の穿刺を必要としない非機械的および/または非接触技術によって点火されることができることもまた意図される。一例として、他の実施形態におけるランセット(30)は、音声コイル駆動装置または他の磁気駆動装置によって磁化されて磁気的に点火される。切開の前後において箔(24)内に包まれるランセット(30)により、汚染のリスクは低減され、不測のけがのリスクは同様に低減される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装されたランセットを製造するための方法であって、
・少なくとも1つの所定の切断点を介して金属シートに固定されたランセット先端およびランセット本体を備える複数のランセットを備える前記金属シートを用意する工程と、
・少なくとも前記ランセット先端を包むための少なくとも1つの箔を備えるテープに対して前記金属シートを配置する工程と、
・前記少なくとも1つの切断点が砕壊されて前記ランセットがもはや前記金属シートに接続されないように、前記テープ上に少なくとも1つのランセットを設置し、前記テープ上の前記少なくとも1つのランセットを押圧する工程と、
前記テープ上の前記ランセットを固定する前に、同時にまたはその後に、
・前記金属シートを除去する工程と、
・前記箔によって少なくとも前記ランセット先端を包むことにより、前記箔が少なくとも部分的に重なり合う第1および第2の部分を形成する工程と、
・少なくとも重ね合わせ部分の前記第1および第2の部分の端縁において好ましくはレーザ光線によって前記少なくとも1つの箔を密封する工程とを備える方法。
【請求項2】
包装されたランセットを製造するための方法であって、
・ランセット先端およびランセット本体を備える複数のランセットを備えるテープを用意する工程と、
・少なくとも1つの箔によって少なくとも前記ランセット先端を包むことにより、前記少なくとも1つの箔が少なくとも部分的に重なり合う第1および第2の部分を形成する工程と、
・前記箔の前記第1および第2の部分が重なり合い、前記箔の少なくとも1つの部分が前記ランセット先端の反対側の前記ランセットの端部に向かって平らにされるように、第1の方向における力の第1の成分によって、さらに、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向における力の第2の成分によって前記箔が前記ランセット上に押圧される方法で前記箔に対して前記力を加える工程と、
・少なくとも重ね合わせ部分の前記第1および第2の部分の端縁において好ましくはレーザ光線によって前記少なくとも1つの箔を密封する工程とを備える方法。
【請求項3】
1つの箔が前記テープの第1の側を被覆し、第2の箔が前記テープの第2の側を被覆する請求項1および2記載の方法。
【請求項4】
前記箔の第1の部分が前記テープの第1の側を被覆し、第2の部分が前記テープの第2の側を被覆し、前記第1および第2の部分が前記ランセット先端の前に位置する第3の部分によって接続されている請求項1および2記載の方法。
【請求項5】
前記箔の密封が層状のレーザ密封プロセスによって構築される請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記テープが前記ランセットを分離するように前記レーザによって切断される請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記テープが前記レーザによって切断されたときに前記レーザによって前記箔の密封が構築される請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記ランセットの密封および切断のために異なるエネルギ比率を使用する請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記テープがポリマー、好ましくはポリエステルから構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ランセットを殺菌する追加工程を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ランセット本体が試験素子に取り付けられる請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
体液を収集するための器具であって、
ランセット先端およびランセット本体を有するランセットと、
少なくとも前記ランセットの先端を包むことにより、少なくとも部分的に互いに重なり合う第1および第2の部分を形成する少なくとも1つの箔とを備え、
密封環境内に少なくとも前記ランセット先端を保持するように好ましくはレーザによって前記少なくとも1つの箔の前記2つの部分的に重なり合う部分によって形成された少なくとも端縁を処理することによって少なくとも前記ランセットの一部を包んだ後に前記箔が密封される器具。
【請求項13】
前記第1および第2の部分が2つの箔によって形成されている請求項12記載の器具。
【請求項14】
前記2つの部分が前記ランセットの先端の前に位置する第3の部分によって接続されている請求項12記載の器具。
【請求項15】
前記箔の異なる領域が前記レーザの異なるエネルギによって処理される請求項11〜14記載の器具。
【請求項16】
前記器具がまた試験素子を含んでいる請求項11〜15記載の器具。
【請求項17】
前記ランセットが前記箔内で移動可能である請求項11〜16記載の器具。
【請求項18】
前記箔が前記レーザ光線からエネルギを吸収することが可能であるポリマー材料から構成されている請求項11〜17記載の器具。
【請求項19】
前記箔が
・ポリエステル
・ポリプロピレン
・ポリエチレン
・環状ポリオレフィン
・ポリメタクリル酸メチル
・ポリ酢酸ビニル
・ポリアミド
の材料のうちの1つ以上から構成されている請求項11〜18記載の器具。
【請求項20】
前記レーザが
・Nd:YAG
・CO2
・ダイオードレーザ
・ファイバレーザ
のうちの1つである請求項11〜19記載の器具。
【請求項21】
前記ランセットがアクチュエータによって作動される請求項11〜20記載の器具。
【請求項22】
作動されたときに、前記ランセットが前記箔を貫通する請求項21記載の器具。
【請求項23】
前記ランセットが穿刺プロセスを実行するために駆動される前記ランセット先端の前の前記箔の領域が溶接線を有しない請求項12記載の器具。
【請求項24】
体液内の成分を分析するための器具を製造する方法であって、
請求項12記載のランセットを備え、
前記器具を密封する前または後に、体液塗布領域を備える試験素子と前記ランセットを接合する方法。
【請求項25】
前記力がエアブラシ機によって加えられる請求項2記載の方法。
【請求項26】
前記力が前記ランセットテープに対して規定角度で加えられる請求項2記載の方法。
【請求項27】
前記角度が空気圧の関数として好ましくは調整可能である請求項26記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate

【図5d】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2011−501983(P2011−501983A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525255(P2010−525255)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007875
【国際公開番号】WO2009/036986
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】