説明

無酸素加湿風圧低温急速解凍機。

【課題】冷凍食材等の解凍処理、冷凍加工完了時の鮮度を再現するための無酸素加湿風圧低温急速解凍機を提供する。
【解決手段】処理槽1内に低温無酸素液化ガス放散と同時に、加湿機18によって低温無酸素加湿気体に移行させ、加圧送風機22によって処理槽内の低温無酸素加湿気体を、直接又は放散管によって、被処理物に加圧放散、処理槽内低温無酸素気中で加圧風力で急速新鮮解凍する無酸素加湿風圧低温急速解凍機である。高電力の超音波発振装置も冷却装置も不要で、又冷凍冷蔵庫内の一郭に、加湿風圧急速解凍室を設ければ、必要な時に必要な物を冷凍庫から解凍庫に移管すれば新鮮加湿風圧解凍が可能な急速解凍室内蔵の冷凍冷蔵庫になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
主として冷凍食材で、微細シラウオや微細チリメンジャコ等の一定重量ブロック形状冷凍食材、或は和菓子のような、真空包装以外では裸ブロック水中解凍不能な食材の解凍分野である。
【0002】
応用として、医療生態保存物の解凍にも使用される。
【0003】
応用として、電気抵抗検証や湿度と温度対応研究にも使用される。
【0004】
応用炉して、素材開発の温度湿度による種々変化検証にも使用される。
【背景技術】
【0005】
冷凍食材の気中解凍では、従来既存の電気発振装置による発振素子では、一定振幅周波数帯固有の低周波又は高周波単独はっし発振に関する解凍技術が存在するが、振動素子からの直進性の電気的特徴に阻まれたり、被処理物の直射部以外の陰影部位及び裏面部位の処理力の劣りが致命傷で、また低炭素化社会に反して大きな電力を消費し、設備機器も非常に高価で、健康管理上からも種々の問題をはらんでいる。
【0006】
冷凍食材の気中解凍では、人工的各種単一波長の電気高周波発振器による被解凍物の分子振動は、多少の差はあれ、分子摩擦熱解凍が主であり、膨大な電気エネルギ−消費と共に、振動素子は低周波数発信素子、高周波数発信素子共に、周波数帯で耐用期間は替わるが機能低下で年次交換を必要とし、時には、周波数帯によっては近接精密電気機器へのノイズ的悪影響も発生する。
【0007】
冷凍食材の気中解凍では、通常の気中解凍技術は、鮮度維持目的で単に冷蔵温度雰囲気に移管し、6時間乃至12時間或は日単位での解凍まであり、低温相対湿度低下で乾燥劣化が常識で、チリメンジャコ冷凍ブロックのような微細魚の冷凍ブロックでは、全体の表面積が大きく、気中酸化で臭気発生と同時に、相対湿度低下で全体重量の30%前後の重量低下、つまり、乾燥劣化目減り迄ある。
【0008】
冷凍食材の気中解凍では、前日からの長時間を費やして、その上に低温雰囲気にすれば低温乾燥と長時間解凍を要し、常温では高温劣化促進が早く、その上に、客対応の翌日必要量想定解凍では、当日での過不足が平均的に30%前後発生し、余れば食材損失、不足では鮮度味無関係の電子レンジ解凍等、有形無形のロス発生が日常茶飯事の常識論となっている。
【0009】
特に、従来の気中解凍の大きな問題点は、少しでも鮮度維持の為に解凍雰囲気温度を低下させているが、温度差による長時間解凍しか無いと言う先入観的方法論でやむを得ず行っている物である。
【0010】
特に、周知の冷凍冷蔵庫は市中に氾濫しているが、全メ−カ−で、急速解凍室が装填された冷凍解凍冷蔵庫は全世界でも無く、本来、鮮度維持目的の冷凍食材は、必要な時に、必要な量を、分単位で、鮮度維持して、急速解凍で、レストランではオ−ダ−が来て解凍調理、主婦は夕食等の献立調理寸前に解凍が出来なければ、鮮度維持冷凍食材の意味が無く、残念ながら全世界で該当商品は皆無で有る。
【0011】
従来の冷凍食材の解凍の多くは、小型大型のタンクに清水を充填して、被処理物を浸し、被解凍物の大量投入で水温低下の場合は加温装置で加温水とするか、又は水道放流水によって温度低下を回避、それでも長時間解凍で鮮度劣化と水道料金と排水処理に膨大な金額の浪費をしており、気中冷蔵温度解凍でも人工的電気発振装置で高価で大電力消費の一定周波数帯の超音波で、多かれす少なかれ、分子振動摩擦発熱解凍に終始している。
【0012】
日本では法的規制により、あまり必要性が無いが、欧米を含む多くの国では、生態移植医学で、或は生体移植目的の冷凍保存の解凍処理で、微細細胞は別にして人体内蔵移植における秒読み時間帯の中で、現状のような人体体温同様の35℃前後の気中で解凍する組織酸化劣化の医療生態保存物の解凍と、人工周波数照射解凍に没頭している。
【0013】
又、電気抵抗検証や湿度と温度対応研究にも、中央の大型耐候試験装置の使用も悪くはないが、それぞれ分散された各研究棟毎の独立研究室においての使用設備はない。
【0014】
素材開発の温度と湿度及び酸素との関連等による変化検証に必要だが該当機種がない。
【0015】
【特許文献1】 特願2009−20783 特願2009−118018 特願2009−119237 特願2009−141652
【非特許文献】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
真っ先に、現代の全ての加工処理機械は、地球の人類生存条件である低炭素社会にマッチした、省エネルギ−機器でなければならない事が、今後の大きな課題である。
【0017】
多種多様な種類の冷凍食材等の解凍処理、冷凍加工完了時の鮮度を忠実に再現する為には可能な限り低温で急速に、必要に応じて付着菌類の滅菌処理解凍等、自然界の原理で危険な人工的超音波発振器を使わずに、絶対安全なしかも低コストで、これらの全てを機能的に保持しなければならない。
【0018】
現状の解凍では、気中解凍処理、或は水中解凍処理共に、前日からの長時間解凍の為に必要量予想解凍処理で30%前後の想定誤差があり、解凍量過不足発生等、又、長時間の為の時間外の勤務時間的にも、有形無形のロスが日常茶飯事で大きな課題である。
【0019】
気中解凍法では、冷凍加工物を、気中温度その儘雰囲気に放置して、長時間解凍している物まであり、鮮度劣化もさることながら、10℃超過温度での菌類急速増殖も有り、食の安全性からも雑菌繁殖が大きな課題である。
【0020】
気中解凍法では、周知の事実である冷凍庫から冷蔵庫の5℃前後に移管して、長時間低温乾燥の鮮度劣化と大きな目減りも、重量単価の中で販売価格に乗せて商売している。
【0021】
気中解凍法では、常温又は冷蔵温度に移管し、電気的超音波発振装置を併用しているものでは、解凍処理に必要な大電力消費と共に、周波数によっては人体への影響と関係機関への届け出も必要で、健康的安全性も考慮すべきである。
【0022】
又、従来の電気的超音波発振装置による振動素子からの強制振動波長は直進性を持ち、高周波になればなる程に被処理物の分子振動摩擦熱が大きくなり、電気的特性の波動直進性による受波面の組織劣化に繋がり、気中超音波発振の場合は構造的安全性と、水中発進の場合は作業者の水中接触を禁止すべきで有るが、健康面に影響があり得るにも係らず法的規制はないが、作業者健康保護にも慎重に対応すべきである。
【0023】
気中解凍処理は、水中での解凍では商品価値低下と共に、作業工程の増加の為に不可能な被処理物、例えばチリメンジャコの冷凍ブロック解凍の場合、漁獲後ボイルド、水切り、一定水分乾燥、流通形状の小型ブロックでは約1.5kg,大型ブロックでは約6.5kgにする為に、計量後箱に装填、冷凍庫で長時間気中冷凍加工の解凍処理では、冷凍ブロックのチリメンジャコは真空包装工程後の水中解凍ならいざ知れず、余剰行程コスト回避は気中解凍しかなく、現状の低温長時間気中解凍では、乾燥減量度は30%前後にもなり、往々にして長時間解凍では臭気も発生し、企業経営に大きな影響を与えている。
【0024】
又、日本料理のダシに欠かせられないイリコの元の鰯の稚魚も、日本の瀬戸内海で漁獲されるが大漁時に冷凍保管して必要時に解凍処理等、一端冷凍加工すれば水中での解凍が不能な食材は数知れず、現状では致し方なく低温乾燥解凍しか無い。
【0025】
日本では法的規制により、将来は別として現状では余り必要では無いが、欧米を含む多くの国では、生態移植医学で、或は生体移植目的の冷凍保存の解凍処理で、卵子精子の微細細胞ですら低温放散した核水分の自己再吸入度合いが使用可否の別れ道で、人体内蔵移植秒読み時間帯の中で、現状の体温同様の35℃前後の気中解凍の組織酸化劣化の医療生態解凍に、無酸素低温気中で、乾燥することなく、急速に解凍処理方策が望まれている。
【0026】
又、電気抵抗検証や湿度と温度対応研究にも、中央の大型耐候試験装置の使用も悪くはないが、それぞれ分散された各研究棟毎の独立研究室において種々目的に便利に小型化された機器が望まれている。
【0027】
素材開発の温度と湿度及び酸素との関連等による種々変化検証にも同様である。
【0028】
現状の水中での解凍は、多くの欠点を抱えながら使用されているが、本発明の目的が気中解凍で或ることから水中解凍論議はしない。
【0029】
重要な事は、冷凍物の宿命である解凍方法が、解凍劣化による諸リスクから逃避している冷凍製造業界の技術的或は精神的課題を消費者は指摘すべきであるが、残念ながら冷凍加工業界も消費者も、全てが温度差冷凍、温度差解凍での現状の先入観に浸っており、ノ−エネルギ−で安全な鮮度保持解凍などは意中に無い。
【課題を解決する為の手段】
【0030】
食品分野、医療分野、或は各種研究分野等、解凍処理に必要な鮮度再現基本条件は、水中解凍或は気中解凍共に、無酸素、低温、無乾燥、急速、滅菌、簡易操作、安全性、ランニング費用低廉、設備費用低廉、同時に低炭素社会対応、これら全てが必須条件である。
【0031】
これらの各条件の全ての項目を可能ならしめるには、常識的見解を破棄して、冷凍に使用されている−196℃超低温の液化窒素ガスの使用がベストである事に留意すべきである。
【0032】
例えば、−196℃の液化窒素ガス使用の冷凍加工は、急速冷凍温度域からの凍結認識で古来から周知の事実であり、超低温下冷凍は小学生でも常識の域である。
【0033】
しかし、−196℃の液化窒素ガス使用の解凍処理と言えば、国内外を問わず全世界の液化窒素冷凍加工業界の製造技術者でも、温度差による冷凍と温度差による解凍と言う常識的先入観から、本発明と彼ら思想は天と地程のかけ離れた技術であるが、冷凍も解凍も鮮度維持の同一目的である限り、−196℃液化窒素ガスは冷凍と解凍は同類項的域の媒体素材に匹敵する物であることに留意しなければならない。
【0034】
否、それ以上に、−1956℃液化窒素ガスは、冷凍加工よりも解凍処理に適している媒体素材である。
【0035】
何故ならば、超低温無酸素環境での冷凍加工が鮮度維持に適していると思われるが、冷凍加工可能な低温域では相対湿度はゼロであり、仮に気中加湿しても気中水分は独立微細水滴で瞬間的に氷結し、冷凍加工物の水分蒸散防止には全く意味が無いことは周知の事実で、一例が、−196℃液化窒素での体外受精の卵子保存の卵子摘出時には、シャ−レ−内で放散水分の卵子自体での特種水分吸収をさせ、水分吸収された卵子のみが受精行程に入れるもので、全てが受精作業に適しているものではないことからも、超低温の液体窒素による急速冷凍でも欠点がある。
【0036】
しかし、解凍処理の条件は、低温とはいえ冷凍温度と異なり、冷蔵温度以上の0℃から10℃の範囲では、加湿機による湿度上昇が容易に可能で、解凍処理工程では、低温冷凍時に蒸散させられた体内水分の補完すら可能である。
【0037】
気中解凍処理は、酸化劣化防止目的で、処理槽内に20%酸素保有の空気を、液化窒素ガスに置き換えれば目的達成で、従来の高価な真空ポンプ及びそれに必要な気密性処理槽の必要性は全く無い。
【0038】
気中解凍処理は、当然ながら鮮度維持目的で低温雰囲気であり、処理槽内に液化窒素ガスの一定温度低下迄の継続充満で低温化は充分に可能で、従来の高価で電力を消費し、故障発生も高い空気冷却装置の必要性は全くない。
【0039】
気中解凍処理は、無乾燥環境での解凍処理が重要であり、被解凍物の外部水分蒸散は必然的に浸透圧によって内部水分も細胞外に漏洩し、鮮度劣化や重量低下によるロスも発生し、この水分蒸散劣化回避には、加湿器で槽内無酸素ガス気体を吸引して加湿無酸素ガスで処理槽内に循環的に戻し、絶えず処理槽内の規定湿度を保ち鮮度維持を計る。
【0040】
これらの解凍処理環境だけでも理想論的雰囲気であると思われるかも知れないが、これらの理想論的環境の全てが備わって初めて可能な事項が、加圧送風機による低温の無酸素加湿気体を被解凍物に放散する事で、これによって無酸素の目視不能な気中水滴と無酸素気体の放散衝突で低周波的超音波も発生し、水中波動にも匹敵する解凍速度の上昇にも繋がる。
【0041】
この急速解凍は、処理槽内の無酸素加湿低温ガスを加圧ファンによって吸引し、被処理物に加圧吹きつけする事で、処理槽内加湿水分子が被処理物の表裏に風と共に衝突する時の衝撃波動で冷凍物にあらゆる複合波動を与え、従来の槽内静止放置長時間乾燥劣化解凍或は、それに高価で人工電気的分子摩擦発熱特性と、直進性超音波照射の受波面の直射部分瑕疵と反対面の解凍遅延ギャップ等の解消に、百万円単位での設備投資削減にもなる事が実証された。
【0042】
滅菌解凍の目的は、本来冷凍時点で滅菌冷凍されるべき物が、輸入相手国での状況把握不透明の為、或は国内産でもチリメンジャコのような生食冷凍食品の解凍には欠かせられない。
【0043】
これには、食品安全法に基づく種々の安全滅菌剤を、気中解凍では加湿器蒸散水に自動又は手動で点滴することで、又水中解凍の場合は処理槽内の清水又は海水の解凍水に添加すれば、被解凍物の外部全域にくまなく滅菌機能を発揮し、安全を確保する。
【0044】
操作の安全性については、当然ながらソフトやハ−ドの知識がない厨房担当者が、如何なる状況にあっても危険性を持たない安全性を追求し、安全装置故障による人体悪影響の電波、磁力、赤外線等の使用は必要がない。
【0045】
ランニング費用の低減化は低炭素化社会で機器開発企業の義務であり、液化窒素ガスの消費量においては、解凍処理に必要な液化窒素の必要量は被解凍物の種類によって多少の差はあるが、被解凍物1kg当たりの液化窒素消費量は0.1kg乃至0.2kgで、冷凍加工に消費する量の10%乃至20%で、金額換算では、液化窒素シリンダ−の小分け配達では日本円で20円前後、屋外設置液化窒素タンクでは日本円で0.5円前後と言う僅かなランニング金額であり、当然ながら屋外タンクの設置費用はタンク基礎コンクリ−トと配管のみで、タンク自体は液化ガス販売社負担である。
【0046】
従来の諸設備機器で最もランニングコストが大きいのは電力費用で、冷蔵温度での解凍ではチ−リングユニットのコンプレッサ−、それに加えて各種波長の超音波発進装置では大型になればなる程に直線的に電力を消費するが、本発明の電力消費機器は、僅かな電力消費の加湿器と、20W前後の加圧送風機がいくつか装備されるだけで、大型槽でもト−タルコスト的に超低廉となり、従来機器と比較して、京都議定書規制以上の、2005年の15%節減はもとより、省エネルギ−を完遂する物である。
【0047】
設備費用は、高度な解凍機能を有しながら、管材以外の電気機器は加湿機(17)、及び加圧送風機(21)以外は必要無く、従来解凍機器の高価な冷却装置、及び超音波発振装置と超音波振動素子等の百万円単位の各機器は不要であり、設備費用及び消費電力共に僅かである。
【0048】
「請求項2」は、酸化劣化防止の為の低温液化ガス(5)であることから、液化酸素ガス(28)は酸化劣化促進で使用されず、その他の液化ガスで価格的に使用可能な液化ガスであれば良いが、低炭素社会の構築過程での液化炭酸ガスの使用は液化ガス温度は充分に使用可能でありコスト的にも安いが、低炭素化社会構築の現状から使用を遠慮しているが、新興国では何の遠慮もなく使用されることが想像する。
【0049】
「請求項3」は、酸化劣化防止の為の低温液化ガス(5)であるが、空気から酸素吸着材或は火炎通過、その他の酸素減少法での酸素減少空気を、低酸素液化空気(29)として使用する物で、低酸素液化空気(29)は処理槽(1)内の低温化は可能でも、火炎通過で酸素を減少させて酸素減少空気は、処理槽(1)内の低温機能はなく、低温窒素ガスと有酸素空気を併合して使用する事もある。
【0050】
「請求項4」、「請求項5」及び「請求項6」は、客先使用状態による処理槽(1)の形状に関する項で、横箱型上部開放のバスタブ形状で必要に応じて蓋付きとするものは、比較的少量の被処理物(2)を扱う小型の処理槽と、大量処理の場合はステンレス網製のベルトコンベア−(32)によっての流れ作業が可能で、又縦箱型前面扉付きの冷蔵庫形状では、冷凍保管庫内で台車に積み込み、移動台車のまま処理槽内に装填して処理をするような省労力も考慮した物で、被処理物(2)の種類と処理量によって使い分けをする。
【0051】
「請求項7」は、横箱型上部開放のバスタブ形状で必要に応じて蓋付きとするもの、又縦箱型前面扉付きの冷蔵庫形状の両者共の、処理槽(1)内部の放散管枠(8)は装着されずに、低温液化ガス(5)と加湿機(18)によって直接的に処理槽(1)内を無酸素加湿気体(21)にし、被処理物(2)が入った処理物装填網籠(30)が、加圧送風機(22)が必要個所に装着された処理物装填枠(31)に装填されて、横箱型上部開放の処理槽(1)の場合は吊り上げ昇降装置で処理槽(1)内に装填、縦箱型前面扉付きの処理槽(1)の場合は処理物装填枠(31)自体に移動車輪が装着されてそのまま処理槽(1)内に移動して解凍処理をする物である。
【0052】
「請求項8」は、無酸素加湿風圧低温急速解凍における加水氷結角型ブロック冷凍の海老やチリメンジャコ等の場合で被処理物(2)の大量同時処理の場合、加圧送風機(22)設置場所が前後左右上下のいずれからの受風も有効な装填姿勢として、処理物装填網籠(26)等への装填姿勢が約45度傾斜装填とし、同時に被処理物(2)解凍後の網目から落下防止の各種網目の処理物装填網籠(26)及び処理物装填エキスパンド籠(30)等の内部に、固定又は任意位置装着で脱着可能な被処理物(2)の受風面傾斜姿勢維持棒(33)か装着された被処理物装填網籠(26)及び処理物装填エキスパンド籠(30)である。
【0053】
「請求項9」は、周知市販の冷凍冷蔵庫内に、加湿風圧急速解凍室(33)を設けて、冷蔵温度による冷却空気に加湿機(18)によって湿度を加えて低温加湿気体対流冷蔵解凍室(34)で、冷蔵温度加湿対流気体(35)を被処理物(2)に向かって放散し、無酸素気体(16)とは理論的に差はあるが急速解凍という利点から鮮度維持を計り、従来の冷蔵庫移管での長時間解低温乾燥劣化解凍とは雲泥の差の鮮度維持解凍が得られるもので、解凍室付きの冷凍解凍冷蔵庫である。
【発明の効果】
【0054】
−196℃液化窒素ガスは、解凍には冷凍加工以上に不可欠な機能素材であり、超低温素材が故に温度的に冷凍にのみ用いれれる従来の感覚こそが技術とは言えない先入観的レベルであり、本発明の効果は下記の通りである。
【0055】
1、超低温の液化ガスの新用途開発で、冷凍加工食材業界は輸入が多く、冷凍食材流通の 殆どが宿命的な解凍処理を要し、世界で初めて冷凍機器から解凍機器迄の一貫した、 本来の企業の社会的責任(CSR)完遂の食品機械で、種々の食品分野への進展が可 能となった。
2、各業界で、従来に無い格安設備費と格安のランニングコストで、しかも最高の機能が 得られる。
3、設備は処理槽と加湿器及び加圧送風機と管材ユニット、後は低温液化ガスボンベ或は 液化ガス貯留タンク等の貸与設置のみ。
4、目的に応じて、処理槽容量選択と冷蔵庫類似形状からバスタブ形状迄の選択で高機能 性と格安設備。
5、時には、大型既存設備保有のユ−ザ−の各形状タンクの有効流用で経費節減と高機能 性で全世界制覇が可能。
6、CSRとトレサビリティ−で、従来解凍法では開示不能な生管理解凍の開示アピ−ル も可能。
7、従来の真空装置や電磁波等の電力浪費及び人体影響懸念を除去し、低温無酸素加湿風 圧による急速解凍処理が可能。
8、従来の低温空気環境による長時間酸化乾燥劣化を防止し、低温加湿無酸素風圧気体に よる急速解凍処理が可能。
9、本発明は−196℃窒素ガスを処理槽内に放散して酸素保有空気と交換するだけで槽 内温度も低下し、規定温度に低下すれば処理槽内への放散を止め、温度低下した処理 槽内の低温の無酸素加湿気体の循環使用放散で、液化窒素ガスの消費を制御しながら 低温無酸素加湿風圧衝突気中急速解凍で鮮度再現し、各種機器装備不要と短時間解凍 による労務費用までも節減可能。
10、当然ながら、気中冷凍処理、気中解凍処理、気中チルド加工、気中加湿滅菌処理が 可能で、又、処理槽の形状が横型のバスタブ形状の処理槽の場合で吹き出し孔を持っ た放散管枠が装着された処理槽では、処理槽内に清水又は海水を装填するだけで、上 記の気中各処理同様機能が水中処理で可能である。
11、販路を広げる目的で、家庭用冷凍冷蔵庫の冷蔵室を利用すれば、高価な無酸素冷蔵 室と、安価な冷蔵温度有酸素加湿気体での新鮮急速解凍室付きの、冷凍解凍冷蔵庫に もなる。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0056】
請求項1は、処理槽(1)内の低温液化ガス(5)を無酸素加湿気体(21)に変えて気中微細加湿水分粒子を被処理物(2)に吹きつける風圧衝突によって発生する自然の複合周波数発生と被処理物(2)自体の外部温度の強制放散で、必要設備は処理槽(1)と配管類、及び加湿器(18)と加圧送風機(22)だけで、僅かな低温無酸素液化ガス(5)の消費で、被処理物(2)を乾燥劣化することなく急速に気中解凍するもので、従来の高価な各種装置設備費用と高額な電力消費を排除した上で、低温無酸素加湿液化ガス雰囲気によって、従来の設備解凍では得られない、急速鮮度維持解凍を可能とするものである。
【0057】
食材、医学研究等の解凍に使用する限り、処理槽(1)の構成素材は、ステンレス鋼、或は食品安全性を考慮した樹脂製で、その両者共、種々の断熱材で、外気と断熱処理が施される事が望ましい。
【0058】
被処理物(2)が千差万別であるこ事と同時に、処理量や加工工程も種々ある中で、処理槽(1)の形状や装置も、自由に選べる事とした。
【0059】
その一つは、横型上部開放のバスタブ形状の処理槽(1)の場合、処理槽(1)内に、単数或は複数の水平又は傾斜放散管(3)が、処理槽(1)の底部位及び上部位の両方装着或は底部位又は上部位の単独装着で一定間隔で設置され、処理槽(1)の深さによっては垂直放散管(4)も単数又は複数装着で、低温無酸素液化ガス(5)の種類選択で、液化窒素ガス(6)を使用すれば、液化窒素ガス(6)が放散管に開けられた目的に合った大小の口径の吹き出し孔(7)から処理槽(1)内の被処理物(2)に加圧放散されるように放散管枠(8)として組まれ、処理槽(1)内の洗浄滅菌作業を容易にする為に、放散管枠(8)は、挿入及び撤去が容易に可能な状態で装填される。
【0060】
処理槽壁(8)貫通又は処理槽(1)上部から挿入の、液化ガス供給弁(10)が装着された液化ガス導入管(11)の一端は処理槽(1)内の放散管枠(8)に結合され、他の一端は液化ガス貯留タンク(12)の貯留タンク放出管(13)に結続される。
【0061】
貯留タンク放出管(13)は、液化ガス貯留タンク(12)に既設の貯留タンク液体開閉弁(14)と貯留タンクガス開閉弁(15)との合流で、液化ガス貯留タンク(12)内部の低温液体又は低温ガス両者の選択で貯留タンク放出管(13)に吐出可能とする。
【0062】
これにより、処理槽(1)内の水平又は傾斜放散管(3)及び垂直放散管(4)の片方或は両方の放散管枠(8)によって、大小複数の吹き出し孔(7)から低温無酸素液化ガス(5)の液化窒素ガス(6)が、液化ガス貯留タンク(12)の持つ液化ガス自己圧力によって、処理槽(1)内に吹き出して処理槽(1)内の20%前後の酸素含有空気を追い出して無酸素気体(16)の空間とするが、無酸素気体(16)の空間維持には処理槽(1)に密閉蓋を装着する事もあるが、その場合は圧力対応の安全弁(17)を装着して一種の低温無酸素解凍圧力容器とする事もある。
【0063】
処理槽(1)の外部又は内部には、水又は滅菌水の蒸散水による加湿機(18)が装置され、処理槽(1)内に放散された低温無酸素液化ガス(5)による無酸素気体(16)を、加湿器(18)を外部設置の場合は加湿機吸引管(19)と加湿機吐出管(20)により、処理槽(1)内の無酸素気体(16)を吸引加湿して、無酸素加湿気体(21)空間に変換するが、必要加湿度の調整は加湿機(18)の自動又は手動による稼動停止コントロールをする事で、処理槽(1)内の無酸素気体(16)を、湿度ゼロ%から、湿度100%迄が自由に選択可能であり、解凍目的物によっては、乾燥劣化或は減量が激しい無加水ブロック冷凍のチリメンジャコ等の小魚の場合には加湿が有効で、逆に加水冷凍ブロックのエビ等は冷凍ブロック周囲が氷塊に覆われており、加湿及び無加湿のいずれでも有効である。
【0064】
処理槽(1)外には、加圧送風機(22)が装置され、処理槽(1)内に放散された低温無酸素液化ガス(5)による無酸素気体(16)或は無酸素加湿気体(21)を、加圧送風機(22)の送風機吸引管(23)で吸引し、送風機吐出管(24)により、処理槽(1)内に直接吐出するか、又は、処理槽(1)内の放散管枠(8)に結続して吹き出し孔(7)から被処理物(2)にダイレクト加圧放射するかの方式がある。
【0065】
処理槽(1)内の無酸素気体(16)或は無酸素加湿気体(21)を冷却するには、急を要する場合は貯留タンク液体開閉弁(14)開放で処理槽(1)内に放散導入すれば急激に温度低下し、処理槽(1)内が規定温度に達すれば貯留タンクガス開閉弁(15)の開放及び閉鎖での温度維持をする。
【0066】
しかし、既存保有の処理槽(1)を利用する場合で、既に処理槽(1)内部温度調整を電気的冷却装置等で行っている場合、或は温度低下目的に液化窒素ガス(4)の消費を押さえたい場合は、電気的冷却装置等の稼動と共に、無酸素雰囲気環境の創成に貯留タンクガス開閉弁(15)のみの操作でも良い。
【0067】
解凍目的の被処理物(2)が、輸入の加水氷塊ブロック冷凍エビのような場合、冷凍エビブロック周囲を覆っている加水氷塊の解氷水により、処理槽(1)底部位に落下滞留水となる時には、処理槽(1)内の槽内洗浄排水弁(27)の開放で槽外排出をすることも出来る。
【0068】
処理槽(1)内に、大量の解凍目的の被処理物(2)が装填されて処理槽(1)内の温度が0℃に向かって低下する場合は、低温無酸素液化ガス(5)の処理槽(1)内への放散を止めて、槽内の無酸素加湿気体(21)を、加圧送風機(22)によって吸引し、送風機吐出管(24)に加熱器機再び処理槽(1)内に循環加圧送風する循環送風で処理槽(1)内部温度の極端な温度低下を防止するが、時には送風機吐出管(24)に加熱装置(25)装着、或は加熱装置(25)を処理槽(1)内に装填する事もあるが、いずれも処理槽(1)内の最適温度維持の温度調整用である。
【0069】
しかし、必要に応じては、無酸素気体(16)の加熱乾燥にも使用可能であるが、乾燥処理に使用する場合は加湿機(18)の稼動停止で低温無酸素の乾燥気体となる。
【0070】
「請求高2」は、液化酸素ガス(28)は酸化弊害で使用出来ず、価格的に使用可能な液化ガスで、液化炭酸ガスの使用は、液化ガス温度は充分に使用可能であり、コスト的にも安いが、低炭素化社会構築の現状から、使用を遠慮しているだけである。
【0071】
「請求高3」は、空気から酸素減衰減少させた酸素減少空気で低酸素液化空気(29)として使用する物で、低酸素液化空気(29)は処理槽(1)内の低温化は可能でも、液化でない酸素減少空気は、処理槽(1)内の低温維持機能はなく、低温窒素ガスと有酸素空気を併合して使用する事もある。
【0072】
「請求項4」、「請求項5」及び「請求項6」は、処理槽(1)の形状で、横箱型上部開放のバスタブ形状で必要に応じて蓋付きとするものは、比較的少量の被処理物(2)を扱う小型の処理槽と、大量処理の場合はステンレス網製のベルトコンベアー(32)の装填によっての流れ作業が可能で、又縦箱型前面扉付きの冷蔵庫形状では、冷凍保管庫内で台車に積み込み、移動台車のまま処理槽内に装填する。
【0073】
「請求項7」は、横箱型上部開放のバスタブ形状で必要に応じて蓋付きとするもの、又縦箱型前面扉付きの冷蔵庫形状の両者共、処理槽(1)内部の放散管枠(8)は装着されずに、低温液化ガス(5)と加湿機(18)がによって直接的に処理槽(1)内を無酸素加湿気体(21)にし、被処理物(2)が入った処理物装填網籠(26)又は処理物装填エキスパンド籠(30)が、加圧送風機(22)が必要個所に装着された処理物装填枠(31)が、横箱型上部開放の処理槽(1)の場合は吊り上げ昇降装置で処理槽(1)内に装填、縦箱型前面扉付きの処理槽(1)の場合は加圧送風機(22)が必要個所に装着された処理物装填枠(31)に移動車輪が装着されてそのまま処理槽(1)内に移動して解凍処理をする物である。
【0074】
「請求項8」は、無酸素加湿風圧低温急速解凍における集合角型ブロック冷凍、例えば加水氷塊ブロック冷凍海老や、チリメンジャコのブロック形状冷凍等々の被処理物(2)の場合、被処理物(2)の処理物装填網籠(26)等への装填姿勢維持で、如何なる解凍理法においても被処理物(2)同士の間隙保有が処理時間を左右し、本発明で重要な風圧受面有効装填形状における約45度傾斜維持装填姿勢で、同時に、量の数の処理を急速に行う最善の姿勢維持で、処理物装填網籠(26)、或は処理物装填エキスパンド籠(30)内部位に固定又は任意位置設定脱着可能な単数又は複数の受風面傾斜姿勢維持棒(33)を持ち、低温の無酸素加湿気体(21)の受圧や流速の妨げにならない様に配慮した。
【0075】
「請求項9」は、冷凍冷蔵庫内の一部又は全部を、低温加湿気体対流冷蔵解凍室(34)として、冷蔵保管食材の乾燥防止鮮度維持冷蔵及び従来通りの静止緩慢解凍にもなり、同時に、冷蔵温度に加湿機(18)によって湿度を加え、冷蔵温度加湿対流気体(35)にして被処理物(2)に向かって加圧放散し、酸素除去が最善であるがそれが不可能な小型機の場合はその儘の有酸素空気でも、風圧調整と風向き調整が可能な加圧送風機(22)で、従来の冷蔵温度静止乾燥長時間解凍とは雲泥の差の鮮度維持急速解凍が得られるもので、解凍室付きの冷凍解凍冷蔵庫である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】 処理槽の形状が、横型上部位開放のバスタブ形状で、放散管枠投入装填の、断面図、一部透明斜視図である。
【図2】 処理槽の形状が、横型上部位開放のバスタブ形状で、放散管枠投入装填の、上視図、一部透明斜視図である。
【図3】 処理槽の形状が、縦形前面開放扉付き冷蔵庫形状で、放散管が槽内固定で、処理槽正面開放扉付きの縦箱型方式の平面図一部透視図である。処理物装填枠(31)が設置された、斜視図である。
【図4】 処理槽の形状が、縦形前面開放扉付き冷蔵庫形状で、移動車輪が対や処理物装填枠(31)がそのまま処理槽内に進入装填状況の、部分的斜視図である。
【図5】 処理槽の形状が、横型上部位開放のバスタブ形状の場合は昇降移動装填で、縦形前面開放扉付き冷蔵庫形状では自力走行進入装填で、処理物装填枠自体が放散管枠で処理槽内の低温の無酸素加湿気体を放散する斜視図である。
【図6】 処理槽の形状が、横型上部位開放のバスタブ形状の場合は昇降移動装填で、縦形前面開放扉付き冷蔵庫形状では自力走行進入装填で、処理物装填枠の上部位に加圧送風機が装着され、処理槽内の低温の無酸素加湿気体を放散する斜視図である。
【図7】 処理槽の形状が、横型上部位開放のバスタブ形状の場合は昇降移動装填で、縦形前面開放扉付き冷蔵庫形状では自力走行進入装填で、処理物装填枠の上部位と左右の一部に加圧送風機が装着され処理槽内の低温の無酸素加湿気体を放散する斜視図である。
【図8】 処理槽の形状が、横型上部位開放のバスタブ形状の場合は昇降移動装填で、縦形前面開放扉付き冷蔵庫形状では自力走行進入装填で、処理物装填枠の左右に加圧送風機が装着され処理槽内の低温の無酸素加湿気体を放散する斜視図である。
【図9】 処理槽の形状が、横型上部位開放のバスタブ形状の場合は昇降移動装填で、縦形前面開放扉付き冷蔵庫形状では自力走行進入装填で、処理物装填枠の前後に加圧送風機が装着され処理槽内の低温の無酸素加湿気体を放散する斜視図である。
【図10】 処理槽の形状が、縦形前面開放扉付き大型冷蔵庫形状で、車輪付き自力走行の処理物装填枠が処理槽内に進入装填される後部斜視一部透明図である。
【図11】 処理槽の形状が、縦形前面開放扉付き小型冷蔵庫形状で、車輪付き自力走行の処理物装填枠が処理槽内に進入装填され、必要に応じて複数の処理槽設置の後部斜視一部透明図である。
【図12】 処理物装填網籠或は処理物装填エキスパンド籠に装填される矩形立方体のブロック冷凍の受風面傾斜姿勢維持棒が装着された斜視図である。
【図13】 処理槽の形状が、横箱型上部位開放のバスタブ形状で、処理槽内の低温の無酸素加湿気体を走行するチェーンコンベアー装着の、断面図である。
【図14】 冷凍冷蔵庫の冷蔵室に、加湿機と送風方向可変の加圧送風機を装着して、低温加湿気体加圧放散する解凍室付きの冷凍解凍冷蔵庫の斜視図である。
【符号の説明】
【0077】
1 処理槽
2 被処理物
3 水平又は傾斜放散管
4 垂直放散管
5 低温液化ガス
6 液化窒素ガス
7 吹き出し孔
8 放散管枠
9 処理槽壁
10 液化ガス供給弁
11 液化ガス導入管
12 液化ガス貯留タンク
13 貯留タンク放出管
14 貯留タンク液体開閉弁
15 貯留タンクガス開閉弁
16 無酸素気体
17 安全弁
18 加湿機
19 加湿機吸引管
20 加湿機吐出管
21 無酸素加湿気体
22 加圧送風機
23 送風機吸引管
24 送風機吐出管
25 加熱装置
26 処理物装填網籠
27 槽内洗浄排水弁
28 液化酸素ガス
29 低酸素液化空気
30 処理物装填エキスパンド籠
31 処理物装填枠
32 ベルトコンベアー
33 受風面傾斜姿勢維持棒
34 低温加湿気体対流冷蔵解凍室
35 冷蔵温度加湿対流気体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽(1)内に装填される被処理物(2)が千差万別である為に、水平又は傾斜放散管(3)或は垂直放散管(4)の、単独又は複合で、低温液化ガス(5)に液化窒素ガス(6)を使用した場合、液化窒素ガス(6)の吹き出し孔(7)が付いた放散管枠(8)が必要に応じて装着される事もあり、又放散管枠(8)の装着をせずに、処理槽(1)内に液化窒素ガス(6)を直接放散する事もある。
処理槽(1)内に放散管枠(8)を横着する場合は、槽内衛生管理の目的で処理槽(1)内部の滅菌洗浄等で簡単に撤去可能な状態で装着される事もある。
処理槽壁(9)貫通装着の液化ガス供給弁(10)付きの液化ガス導入管(11)は、その一端は処理槽(1)内に直接放散又は放散管枠(8)に結続され、他の一端は液化ガス貯留タンク(12)の、貯留タンク放出管(13)に結続され、貯留タンク液体開閉弁(14)及び貯留タンクガス開閉弁(15)の両者選択放出が可能状態で、処理槽(1)内に放散される。
これにより、処理槽(1)内を、通常気圧又は加圧で、無酸素気体(16)の空間とするが、槽内気圧上昇の場合には、必ず規定圧力の安全弁(17)を装着する事は言うまでもない。
処理槽(1)内又は処理槽(1)外には、水又は滅菌水等が充填された加湿機(18)が設置され、処理槽(1)内の無酸素気体(16)を加湿機吸引管(19)によって吸引し、加湿した上で無酸素加湿気体(21)に変換し、加湿機吐出管(20)によって処理槽(1)内に直接、又は処理槽(1)内の放散管枠(8)経由で槽内放散されるが、加湿の必要度合いによっては、加湿機(18)の稼動制御によってコントロ−ルする。
処理槽(1)外又は処理槽(1)内に設置された加圧送風機(22)は、処理槽(1)外に設置の場合は送風機吸気管(23)によって槽内の無酸素気体(16)又は無酸素加湿気体(21)を吸引して、処理槽(1)内に直接放散、又は送風機吐出管(24)と処理槽(1)内の放散管枠(8)に結続して吹き出し孔(7)から、処理槽(1)内の被処理物(2)に向けて、無酸素気体(16)又は無酸素加湿気体(21)が加圧放散されるが、処理槽(1)内に単数又は複数の加圧送風機(22)が装着される場合は、当然ながら被処理物(2)装填の処理物装填網籠(26)に向けて放散される。
無酸素気体(16)又は無酸素加湿気体(21)の低温化は、急速低温化には貯留タンク液体開閉弁(14)を開放し、急を要しない低温化の場合は貯留タンクガス開閉弁(15)の開放度合いで対応するが、処理槽(1)内に直接拡散放散、又は放散枠(8)経由で、加圧送風放散して処理槽(1)内を冷却する。
被処理物(2)が加水氷塊ブロック冷凍物の気中解凍の場合では、氷解水が処理槽(1)内の底部位に落下滞留する時には、槽内洗浄排水弁(27)の開放で槽外排水も可能とする。
処理槽(1)内に、低温の被処理物(2)が大量に装填されて槽内温度が極端に低温化する場合には、送風機吐出管(24)に加熱装置(25)を装着するか、或は処理槽(1)内に加熱装置(25)を装填する事もあり、当然ながら低温液化ガス(4)の槽内放散は停止して、処理槽(1)内の無酸素加湿気体(21)を加圧送風機(22)によって槽内気体循環を行い、低温液化ガス(5)の節減を計る。
本発明は水中での種々の処理が不能な被処理物(2)の為の気中無酸素鮮度維持処理目的であるが、従来に無い低温無酸素加湿液化ガスの風圧と言う特種気中処理解凍のみならず、低温無酸素加湿液化ガスの風圧による、種々の低温処理が可能な上、食品対応滅菌剤添加の加湿蒸散水では、付着菌類の滅菌処理も可能な、多くの目的用途の機能性をも有する、無酸素加湿風圧低温急速気中解凍機。
【請求項2】
低温液化ガス(5)が、液化酸素ガス(28)を除く、各種低温液化ガス、例えば液化炭酸ガス等の、請求項1記載の無酸素加湿風圧低温急速解凍機。
【請求項3】
低温液化ガス(5)が、低酸素液化空気(29)の、請求項1記載の液化ガスによる無酸素加湿風圧低温急速解凍機。
【請求項4】
処理槽(1)形状が、横箱形で上部位開放又は上部位蓋付き、或は縦箱形で前面扉付き形状の、請求項1乃至3記載の、無酸素加湿風圧低温急速解凍機。
【請求項5】
処理槽(1)形状が、横箱形で上部位開放又は上部位蓋付きの場合、或は縦箱型で前面扉付きの場合、被処理物(2)が装填された処理物装填網籠(26)又は処理物装填エキスパンド籠(30)が、処理物装填枠(31)に積載されて処理される場合、横箱型上部位開放又は蓋付きのばあいは昇降装置で吊り上げ装填及び撤去、縦箱型目面扉付きの場合は移動車輪によって処理槽(1)内に走行移動装填される、請求項1乃至4記載の無酸素加湿風圧低温急速解凍機。
【請求項6】
処理槽(1)形状が横箱形で上部位開放又は上部位天蓋付きの場合で、被処理物(2)が装填された処理物装填網籠(26)又は処理物装填エキスパンド籠(30)が、ステンレス製網状エンドレスのベルトコンベア−(32)の上に積載され、ベルトコンベア−(32)の進行方向に向かって左右上下の全部位或は複数部位、時には単数部位から、処理槽(1)内の無酸素加湿気体(21)を、加圧送風機(22)によって被処理物(2)に向かって送風する、請求項1乃至4記載の無酸素加湿風圧低温急速解凍機。
【請求項7】
処理槽(1)形状が、横箱形で上部位開放又は上部位蓋付きの場合、又は縦箱形で前面扉付きの場合、処理槽(1)内に放散管枠(8)が装着されずに、低温液化ガス(5)の自己圧力で処理槽(1)内に加圧導入と、処理槽(1)内無酸素気体(16)を吸引加湿循環する加湿機(18)による無酸素加湿気体(21)が直接処理槽(1)内に導入され、処理物装填網籠(26)又は処理物装填エキスパンド籠(30)が積載された処理物装填枠(31)自体の上下左右前後の各面の一部或は全面に、加圧送風機(22)が装着されて、昇降装置又は移動車輪によって処理槽(1)内に装填される、請求項1乃至5記載の無酸素加湿風圧低温急速解凍機。
【請求項8】
無酸素加湿風圧低温急速解凍における加水氷結角型ブロック冷凍の海老やチリメンジャコ等の場合で被処理物(2)の大量同時処理の場合、加圧送風機(22)設置場所が前後左右上下のいずれからの受風も有効な装填姿勢として、処理物装填網籠(26)等への装填姿勢が約45度傾斜装填とし、同時に被処理物(2)解凍後の網目から落下防止の各種網目の処理物装填網籠(26)及び処理物装填エキスパンド籠(30)等の内部に、固定又は任意位置装着で脱着可能な被処理物(2)の受風面傾斜姿勢維持棒(33)か装着された被処理物装填網籠(26)及び処理物装填エキスパンド籠(30)の、請求項1乃至7記載の無酸素加湿風圧低温急速解凍機。
【請求項9】
冷凍冷蔵庫の冷蔵室の一部又は全部を、低温加湿気体対流冷蔵解凍室(34)とし、冷蔵室内の低温空気を加湿機(18)によって吸引加湿放散の循環で、マイナス温度の冷凍室では気中氷結浮遊で加湿空気とならず、冷凍室では不可能な冷蔵温度加湿対流気体(35)に変換し、又、低温気体静止雰囲気では不可能な、鮮度維持急速解凍では最も重要な加圧送風機(22)による低温の冷蔵温度加湿対流気体(35)の、時には風圧強弱調整可能な加圧送風機(22)をも使用し、低温加湿気体対流冷蔵解凍室(34)内壁の前後左右上下の単数面或は複数面に装着し、各種冷凍食材の被処理物(2)に向かって加圧送風する事で、乾燥劣化することなく鮮度維持急速解凍する構成の、急速解凍機能を持った解凍室付き冷凍解凍冷蔵庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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