説明

無針アクセスコネクタおよびそのバルブ部品

【解決手段】無針アクセスコネクタのプライミング量を削減するための、無針アクセスコネクタ(300)で使用するコラプシブルバルブ(304)。低プライミング量の無針アクセスコネクタ。低プライミング量の無針アクセスコネクタを使用して第1医療機器を第2医療機器に接続する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は無針アクセスコネクタに関し、より詳細には、プライミング量が少ないポジティブディスプレイスメント方式の無針アクセスコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の治療では、医療専門家が患者内に液体を注入したり患者から液体を取り出す必要があることが多い。例えば、医療専門家が尿道から尿をまたは静脈から血液を引き出す治療が必要な患者もいる。反対に、医療専門家が患者の静脈内に薬剤または栄養物を注入する(すなわち静脈内(intravenously))必要があることもある。患者内へのまたは患者からの流体の流れの経路を作成するための一つの方法は、患者内に一端が挿入されるカテーテルの使用を医療従事者に要求する。カテーテルの他端はIVラインを通してIV(intravenous)バッグに接続する。無針アクセスコネクタは、針を用いずにデバイス(例えばIVバッグ)をカテーテルから取り外しまたはカテーテルに接続することを可能にするバルブを採用する。無針アクセスコネクタの一例が図1A、1Bに示されている。
【0003】
図1Aは、現在の無針アクセスコネクタ100の断面図である。無針アクセスコネクタ100は雌ルアー取付部101、雄ルアー取付部102およびバルブ103を備える。使用時、雄ルアー取付部102が例えばカテーテルまたは雌ルアーに接続され、雌ルアー取付部101が例えばIVバッグである流体リザーバまたは雄ルアーに接続される。雌ルアー取付部101は、第2雄ルアー取付部106を介して流体リザーバに接続される。第2雄ルアー取付部106は中空部材(図1Bに示す)を有し、雌ルアー取付部101の上面を通して挿入される。雄ルアー106を挿入するとバルブ103が容積104につぶされ、シールが破れて流体の流路が作られる。図1Bは、雌ルアー101内に雄ルアー106を挿入した後のつぶれた位置にあるコラプシブル(collapsible)バルブ103を示す。雄ルアー106は、例えばIVバッグから流体を運び、流体は、バルブ103の周りを流れて雄ルアー取付部102内の流路に入り、カテーテルまたは雌ルアーへと流れる。
【0004】
バルブ103内には、空気で満たされたギャップ(または隔壁、図示せず)がある。無針アクセスコネクタ100はポジティブディスプレイスメント方式のデバイスであり、そのため雌ルアー取付部101で新たな接続が行われると、デバイス100がバルブの雄側(すなわち、雄ルアー取付部102に近接する側)から流体を引く。雌ルアー取付部101で分離が行われると、デバイス100が雌側(すなわち雌ルアー取付部101の上面に近接する側)から流体を押す。このポジティブディスプレイスメント方式の利点は、分離されたときに、デバイス100が雄ルアー取付部102から流体を追い出し、カテーテルを効果的に洗い流すことである。対照的に、今日市場にあるデバイスの一部はネガティブディスプレイスメント方式であり、したがって、雄ルアー(例えば雄ルアー106)が分離されると、この種のデバイスは雄ルアー106側から少量の液体を引き出す。患者の静脈に取り付けられたカテーテルの雄ルアー102側から液体が引かれると、血液がカテーテルの内腔内に押し込まれる。カテーテル内腔内に血液が残ると、血液が凝固して患者の健康問題を引き起こすことがある。ポジティブディスプレイスメント方式のコネクタは、無針アクセスコネクタから雄ルアー(例えば雄ルアー106)が分離されてコラプシブルバルブがつぶれた状態からつぶれていない状態に移るときに、流体を押し出すことによってこの問題を回避する。ポジティブディスプレイスメント方式のコネクタから液体を追い出すことは、カテーテル先端への血液の進入を防止するのに役立ち、これによって血液の凝固/汚染を防止し血流感染を防止する。
【0005】
動作時、無針アクセスコネクタ100の雌端が雄ルアー(図1B)によってアクセスされると、バルブ103が十分な弾性を有しているので通路を曲げて流体を通過可能にし、雌端で分離が行われた後で元の形状に復帰する。こうして、無針アクセスコネクタ100が自身を再封止し、アルコール消毒線を用いて上面110での消毒が可能になる平坦面を形成する。
【0006】
無針アクセスコネクタ100は、ダックビル(duckbill)105のために両側に弱点を有するので、部分的に環状のバルブ本体を有している。ダックビル105はコラプシブルバルブ103のつぶれを促進する。さらに、無針アクセスコネクタ100は、ダックビル105とその周囲であってもバルブ本体内に一様な厚さの壁を備える。
【0007】
無針アクセスコネクタ100を用いてデバイスを例えばカテーテルに接続する前に、無針アクセスコネクタ100はいくらかの空気を含んでいる。患者内に空気が入って患者に害を与える可能性があるので、カテーテルとともに無針アクセスコネクタ100を用いる前にこの空気は除去される。通常、この空気を取り除くために、医療従事者は無針アクセスコネクタを逆さにし、生理食塩水を含む注射器を無針アクセスコネクタに取り付ける。続いて、無針アクセスコネクタを通して生理食塩水が押され、これによってコネクタから空気が追い出される。(このプロセスはプライミングとして知られており、無針アクセスコネクタから全ての空気を取り除くのに必要な最少の液体量はプライミング量として知られている。)一部の医療従事者は、薬剤の送達における遅延を削減するために、プライミング量が少ない方の無針アクセスコネクタを好む。
【0008】
無針アクセスコネクタのプライミング後、医療従事者は通常、カテーテル(図示せず)に雄端102を接続する。医療従事者は、IVバッグ(図示せず)からの雄ルアーを無針アクセスコネクタに接続する。例えば、図1Bに示すように、医療従事者は注射器106の端部を雌ルアー取付部101に接続する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
看護師などの医療従事者の中には、一日を通して無針アクセスコネクタの接続を何度も実行しなければならない人もいるという事実を考慮すると、無針アクセスコネクタに関して上述した医療従事者の好みは特に重要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、プライミング量が少ないポジティブディスプレイスメント方式の無針アクセスコネクタを対象とする。本発明の一実施形態は、無針アクセスコネクタで使用するコラプシブルバルブである。コラプシブルバルブは、その断面に少なくとも一つのスマイリーカット(smiley cut)を有する第1部分を備える。コラプシブルバルブの長さは0.62インチから0.82インチである。さらに、コラプシブルバルブはポジティブディスプレイスメント方式を提供するように構成される。本発明の別の実施形態は、ハウジングと、ハウジング内に配置されたコラプシブルバルブとを備えるポジティブディスプレイスメント方式の無針アクセスコネクタである。コラプシブルバルブの長さは0.62インチから0.82インチである。本発明の一実施形態に係る装置は、ハウジングと、ハウジング内に配置されたコラプシブルバルブとを備えるポジティブディスプレイスメント方式の無針アクセスコネクタである。無針アクセスコネクタから空気を追い出すのに必要な液体の量が約0.17〜0.19ミリリットルになるように、ハウジングとバルブが協動する。
【0011】
本発明の別の実施形態は、ハウジングと、ハウジング内に配置されたコラプシブルバルブとを備えるポジティブディスプレイスメント方式の無針アクセスコネクタである。本発明の一実施形態に係る方法は、無針アクセスコネクタを用いて第1医療機器を第2医療機器に接続することである。この方法は、無針アクセスコネクタの雄ルアーを第2医療機器の雌ルアーに挿入することを含む。この方法は、第1医療機器の雄ルアーを無針アクセスコネクタの雌ルアーに挿入することをさらに含む。無針アクセスコネクタは、ハウジングと、ハウジング内に配置されたコラプシブルバルブとを備えるポジティブディスプレイスメント方式の無針アクセスコネクタである。コラプシブルバルブの長さは0.62インチから0.82インチである。
【0012】
以下で述べる本発明の詳細な説明をより良く理解できるようにするために、本発明の特徴および技術的な利点を上記で広く概説した。本発明の請求項の主題を形成する本発明の別の特徴および利点は後述される。開示された概念および特定の実施形態を、本発明と同一の目的を実行する他の構造の改良および設計の基礎として容易に利用できることを、当業者であれば理解すべきである。このような等価の構成は、添付の特許請求の範囲で述べる本発明の精神および範囲から逸脱しないことを当業者であれば認めるべきである。本発明の特徴的であると考えられる新規の特徴は、その構造および操作方法の両方として、さらなる目的および利点とともに、添付の図面とともに以下の説明を考慮することでより良く理解されるだろう。しかしながら、図面のそれぞれは図解および説明のみを目的として提供されており、本発明を限定する記述として意図されてはいないことを明確に理解すべきである。
【0013】
本発明をより完全に理解するために、添付の図面とともに以下の詳細な説明について述べる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】従来技術の無針アクセスコネクタの断面図である。
【図1B】従来技術の無針アクセスコネクタの断面図である。
【図2A】無針アクセスコネクタのテストで使用された三つの例示的なコラプシブルバルブを示す図である。
【図2B】本発明の実施形態に係るバルブの様々な例示的な構成の上面断面図である。
【図2C】本発明の実施形態に係るバルブの様々な例示的な構成の上面断面図である。
【図3A】本発明の一実施形態に係る例示的な無針アクセスコネクタを示す図である。
【図3B】本発明の一実施形態に係る例示的な無針アクセスコネクタを示す図である。
【図4A】本発明の一実施形態に係る例示的な無針アクセスコネクタのハウジング内の流路を示す図である。
【図4B】本発明の一実施形態に係る例示的な無針アクセスコネクタのハウジング内の流路を示す図である。
【図5】A−Cは、本発明の一実施形態に係る例示的な無針アクセスコネクタのハウジングの様々な方向からの図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
プライミング量を削減するという問題を解決するために、無針アクセスコネクタ用のバルブの様々な構造が開示される。各ポジティブディスプレイスメント方式の無針アクセスコネクタの操作性およびプライミング量について試験を行った。プライミング量とは、無針アクセスコネクタから空気を追い出すために用いられる液体の最少量のことである。それぞれが異なるコラプシブルバルブを含む三つの無針アクセスコネクタに対して試験が実行された。三つの異なるコラプシブルバルブの構造が、図2Aに示されている。従来技術では一部のコラプシブルバルブの重要な部品として知られているダックビルの量およびサイズ、並びに、従来技術のバルブと比較したコラプシブルバルブの長さの減少が、無針アクセスコネクタのプライミング量に影響を与えていることが観察された。
【0016】
コラプシブルバルブ(バルブ200)からダックビルを完全に取り除き、従来技術のバルブの典型的な長さを0.92インチから0.72インチに削減した試験では、このバルブのプライミング量が他の二つのバルブ、すなわち小型のダックビルを有するバルブ201と大型のダックビルを有するバルブ202よりも小さいことが観察された。コラプシブルバルブの長さを0.92インチから0.72インチに削減することで、デバイスの全長を1.32インチから1.12インチに削減できることに注意すべきである。一部の試験結果を以下の表1に示す。
【表1】

【0017】
この試験結果は、様々な実施形態が異なるプライミング量を有するが、バルブ200の構成(すなわち、外表面のかなりの部分が環状である小型化されたコラプシブルバルブ)を採用する無針アクセスコネクタのプライミング量が約0.175ミリリットルとなり、これに付随して流速が改善することを示している。例えば、プライミング量は0.17〜0.19ミリリットルの範囲であってもよい。
【0018】
コラプシブルバルブ200の異なる構成は、環状の外表面を有してもよい。例えば、コラプシブルバルブ200は、第1部分200A、第2部分200B、第3部分200Cを備える。第1部分200Aは、顕著な環状外表面を有していない。この理由は、環状の特徴を中断するスマイリーカット(円弧状切断部)200Dを有するからである。対照的に、第2部分200Bと第3部分200Cは両方とも環状の外表面を有している。図2Bは、y平面と直交するx平面内での第2部分200Bの断面を示す。図2Bに示す、y平面に対しての環状外表面は円形である。図2Cは、別の実施可能な環状外表面を示す。環状外表面の軸長には、スマイリーカットやダックビルのようなつぶれ補助構造を有する外表面の部分が含まれないことに注意すべきである。例えば、コラプシブルバルブ201は、環状の特徴を中断する第2部分201B上のダックビルのために、コラプシブルバルブ200よりも環状面の軸長が小さい。コラプシブルバルブ202は、第2部分202Bを占めるダックビルのために、環状面の軸長がさらに小さい。
【0019】
図2Aは、本発明の例示的な実施形態を示す。コラプシブルバルブ200−202は、無針アクセスコネクタ内で使用できるように小型化されている。コラプシブルバルブ200−202はそれぞれ、第1部分200A−202Aにスマイリーカット200D−202Dを有する。コラプシブルバルブ200−202は0.72インチの軸高を有するが、様々な実施形態では0.62〜0.82インチの範囲であってもよい。コラプシブルバルブ200−202は、部分的には空洞200E−202Eのおかげで、ポジティブディスプレイスメント方式を提供するように構成される。コラプシブルバルブ200−202がその中に取り付けられた無針アクセスコネクタを使用する前に、空洞200E−202Eは空気を含んでいる。
【0020】
図2Aは、本発明の様々な実施形態において、コラプシブルバルブの外表面の環状部が、コラプシブルバルブの全軸長の約30%〜66%に及ぶことを示している。コラプシブルバルブ200−202の全軸長は0.72インチである。これらのバルブのそれぞれに存在するつぶれ補助構造の量およびサイズのために、環状面の軸長の量はバルブ200−202の間で異なっている。これらのバルブはそれぞれ第1部分200A−202A内にスマイリーカットを有しており、これによってバルブ200−202の軸長の一部が環状外表面を有しないようになっている。言い換えると、第1部分200A−202Aの軸長は環状外表面を有しない。第1部分200A−202Aは約0.25インチの軸長を有する。すなわち、バルブ200−202の全軸長の約34%である。このため、バルブ200−202の軸長の少なくとも34%は、スマイリーカット200D−202Dのために、環状外表面を有しない。
【0021】
バルブ200について考えると、第2部分200Bと第3部分200Cは環状外表面を有する。これらの環状部分は、(第1部分200Aは別として)環状外表面を有するバルブ200の軸長の残りの66%である。具体的には、第2部分200Bの軸長は約0.4インチであり、バルブ200の全軸長の約56%である。第3部分200Cの軸長は約0.07インチであり、バルブ200の全軸長の約10%である。
【0022】
コラプシブルバルブ201および202は、第2部分201Bおよび202B内のダックビルのために、コラプシブルバルブ200よりも環状外表面がさらに小さい。例えば、より大きなダックビルを有するコラプシブルバルブ202は、バルブ202の軸長の約30%(すなわち、第2部分202Bで提供される20%と、第3部分202Cによって提供される10%)に及ぶ環状外表面を有してもよい。
【0023】
図3Aは、本発明の一実施形態に係る例示的な無針アクセスコネクタ300の断面図である。無針アクセスコネクタ300はハウジング301を備える。ハウジング301は、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンを含む材料で作られてもよい。ハウジング301は、上側ねじ部302を備える。一部の実施形態では、上側ねじ部302の構造がISO標準594を満足することに注意すべきである。同様に、一部の実施形態では、無針アクセスコネクタ300の基部の雄ルアー303の構造がISO標準594を満足する。コラプシブルバルブ304はハウジング301内に配置される。
【0024】
コラプシブルバルブ304は、変形可能であり生体適合性のあるシリコンゴムなどの弾性材料で作られてもよい。コラプシブルバルブ304が変形可能な材料で作られているので、十分な力が加えられたときにつぶれる。コラプシブルバルブ304は、バルブ304が図3Aに示す非つぶれ状態にあるときに上側ねじ部302内に配置される、第1部分304Aを含む。第1部分304Aは実質的に円筒形状であってもよいし、スマイリーカット304Bなどのこの円形形状からの逸脱を含んでもよい。コラプシブルバルブ304は、ハウジング301の空洞305内に配置される第2部分304Cも備える。図1に示した従来技術とは異なり、第2部分304Cは、ダックビルまたは通常の形状からの任意の他の逸脱が欠けている。すなわち、第2部分304Cの外表面は環状である。同様に、一実施形態では、第2部分304Cは円筒形であり、第1部分304Aの直径dよりも大きな直径dを有する。コラプシブルバルブ304は、第3部分304Dを備えてもよい。第3部分304Dは、第2部分304Cの直径dよりも大きな直径dを有してもよい。
【0025】
コラプシブルバルブ304は、無針アクセスコネクタ200を通る流体の流れを制御し、これによってデバイスをカテーテルに接続する通路を提供する。図3Aに示すように、非つぶれ状態では、コラプシブルバルブ304は上側ねじ部302を封止する。コラプシブルバルブ304によって肩部307がさらに封止される。雄ルアー303がカテーテル308に接続されると、開口部306と肩部307での封止時に、コラプシブルバルブ304がカテーテル308も封止する。図3Bに示すように、IVバッグなどの別のデバイスをカテーテル308に接続するために、開口部306内に雄ルアー309が挿入される。図3Bに示すように、雄ルアー309によって与えられる力によってコラプシブルバルブ304がつぶれ、この結果、無針アクセスコネクタ300を通して雄ルアー309から流体が流れ、バルブ304の周囲を通りカテーテル308へと流れることが可能になる。
【0026】
図4Aおよび4Bに示すように、本発明の一部の実施形態では、ハウジング301が流路401を備える。コラプシブルバルブ304がつぶれた状態にあるとき、流路401はコラプシブルバルブ304の周囲における流体の流れおよびカテーテルに入る流体の流れを補助する。図4Aに示すように、流路401はハウジング301の上部に配置されてもよい。図4Aおよび4Bは、流体の流れを促進する、ハウジング301内の六つの流路401を示す。一部の実施形態では、流路401の幅は、典型的な無針アクセスコネクタにおける流路の幅の半分である。
【0027】
図5Aないし5Cは、本発明の一実施形態に係る例示的な無針アクセスコネクタの外面図である。上述した特定の値は例示的な実施形態についてのものであり、他の実施形態は幾分異なる値を有してもよいことに注意すべきである。異なるサイズおよび形状を持つ他の構造も実施形態の範囲内にある。実際、様々なポジティブディスプレイスメント方式のデバイス(および/またはバルブ)のいずれも、上記の例で説明した概念にしたがって適用することができる。
【0028】
本発明およびその利点について詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、代替および修正をなし得ることを理解すべきである。さらに、明細書に記載されたプロセス、機械、製造、材料組成、手段、方法およびステップの特定の実施形態に本発明の範囲を限定する意図はない。当業者であれば、本明細書に記載の対応する実施形態と実質的に同一の機能を実行しまたは実質的に同一の結果を達成する既存のまたは将来開発されるプロセス、機械、製造、材料組成、手段、方法またはステップを本発明にしたがって利用できることを、本発明の開示から容易に理解するだろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、材料組成、手段、方法またはステップをその範囲内に含むように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器を接続するための無針アクセスコネクタであって、
断面に少なくとも一つのスマイリーカットを有する第1部分と、
コラプシブルでありポジティブディスプレイスメント方式を提供する第2部分と、を備えるコラプシブルバルブを備え、
前記コラプシブルバルブの軸長が0.62〜0.82インチであることを特徴とする無針アクセスコネクタ。
【請求項2】
前記第2部分が前記第1部分よりも軸長が長いことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第2部分が、前記コラプシブルバルブの軸長の30%〜66%に及ぶ環状外表面を有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記環状面が円筒形であることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コラプシブルバルブが弾性材料を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項6】
前記コラプシブルバルブが中に配置されるハウジングをさらに備え、
前記コラプシブルバルブの前記第1部分が前記ハウジングの第1開口部にシールを形成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項7】
前記ハウジングが、一端の雄ルアー取付部と、他端の雌ルアー取付部とをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記ハウジングが、前記コラプシブルバルブがつぶれると流体が流れるように構成された流路を備えることを特徴とする請求項6または7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記無針アクセスコネクタの長さが1.02〜1.13インチであることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項10】
前記コネクタから空気を追い出すために必要な最少液体量が0.17〜0.19ミリリットルになるように、前記ハウジングと前記バルブが協動することを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項11】
前記ハウジングが、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンで作られることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項12】
請求項7ないし11のいずれかに記載のコネクタを使用して第1医療機器を第2医療機器に接続する方法であって、
前記第1医療機器の雄ルアーを前記コネクタの雌ルアー内に挿入するステップと、
前記コネクタの雄ルアーを前記第2医療機器の雌ルアーに挿入するステップと、
を含む方法。
【請求項13】
前記第1医療機器がIVバッグを含み、前記第2医療機器がカテーテルを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公表番号】特表2013−510690(P2013−510690A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539059(P2012−539059)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/056749
【国際公開番号】WO2011/060384
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(505403186)ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】