説明

無電解錫めっき液

【課題】錫めっき皮膜のウィスカーの発生を防止する熱処理時間をより短縮し、製品の生産性を向上させる方法を提供する。
【解決手段】可溶性錫塩と、錯化剤と、酸を含み、クロム、マンガン、鉄、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、モリブデンを含有しない無電解錫めっき液であって、前記酸の少なくとも1成分として、リンゴ酸を5〜200g/L含有し、アルカンスルホン酸とアルカノールスルホン酸のアニオン部分が共存しないことを特徴とする無電解錫めっき液。及び前記無電解錫めっき液に少なくとも表面に銅を有する被めっき物を浸漬した後、温度110〜130℃で45〜90分熱処理を行い、得られる錫めっき皮膜中の純錫層の厚さを0.100〜0.250μmとすることを特徴とする銅上に形成された錫めっき皮膜を有するめっき物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無電解錫めっき液、該めっき液を用いて得られるめっき皮膜を有するめっき物、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無電解錫めっきは、従来、フレキシブル基板への錫めっき処理方法として広く用いられてきた。
又、近年では鉛フリー化の動きからリジッドプリント基板の最終表面処理方法として、無電解錫めっきプロセスが注目を浴びつつある。しかし、錫めっきは電気めっき・無電解めっきを問わず、室温下で放置されることにより、ウィスカーと呼ばれるひげ状単結晶が発生するという現象が見られる。ウィスカーの発生するめっき皮膜を電子部品等に用いると、回路や端子のショートを引き起こし、電子部品等の製品の性能や信頼性を著しく低下させる結果となり、問題となっている。
上記のように、ウィスカーはめっき製品において大きな問題となるため、ウィスカーの発生を防止する目的で無電解錫めっきにより得られためっき層を熱処理し、得られるめっき皮膜の純錫層の厚さを制御することが一般に行われている。特にTABフィルムキャリアの製造においては、一般的には0.3〜0.6μmの無電解錫めっき層をめっきしてから、100〜130℃程度の条件で2〜3時間程度の熱処理を行うことにより、0.100〜0.250μm程度の純錫層にする必要があり、この処理時間の長さが製品の生産性を上げる上で大きなボトルネックとなっていた。
【0003】
無電解錫めっき液としては、特許文献1に、(A)可溶性第一錫塩と、(B)無機酸及び有機酸の少なくともいずれかの酸と、(C)チオ尿素類と、(D)オキシカルボン酸よりなる浴安定用錯化剤と、(E)クロム、マンガン、鉄、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、モリブデンよりなる群から選ばれた金属のイオンの少なくとも1種とを含有し、pHが2.5〜7である無電解錫めっき浴が記載されている。オキシカルボン酸とともに上記金属イオンを共存させることにより、浴の経時安定性を向上させ、無電解めっきの連続処理を円滑に行うことができるとしている。
また、特許文献2には、可溶性第一錫塩と、チオ尿素と、アルカンスルホン酸とアルカノールスルホン酸のアニオン部分と、カルボン酸と、次亜リン酸を所定濃度で含有する、ハンダ濡れ性に優れた錫皮膜を形成する無電解錫めっき浴が記載されている。
上記いずれの錫めっき浴を用いても、ウィスカーの発生を防止するためには、100〜130℃程度の条件で2〜3時間程度の熱処理を行うことが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−35794号公報
【特許文献2】特開2007−119863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、錫めっき皮膜のウィスカーの発生を防止する熱処理時間をより短縮し、製品の生産性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行ったところ、無電解錫めっき液にリンゴ酸を特定量添加することにより、錫めっき皮膜のウィスカーの発生を防止する熱処理時間をより短縮することができ、製品の生産性を向上させることができることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)可溶性錫塩と、錯化剤と、酸を含み、クロム、マンガン、鉄、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、モリブデンを含有しない無電解錫めっき液であって、前記酸の少なくとも1成分として、リンゴ酸を5〜200g/L含有し、アルカンスルホン酸とアルカノールスルホン酸のアニオン部分が共存しないことを特徴とする無電解錫めっき液。
(2)無電解錫めっき液に少なくとも表面に銅を有する被めっき物を浸漬した後、熱処理を行うことにより得られる錫めっき皮膜を有するめっき物の製造方法であって、前記(1)に記載の無電解錫めっき液を用い、温度110〜130℃で45〜90分熱処理を行い、得られる錫めっき皮膜中の純錫層の厚さを0.100〜0.250μmとすることを特徴とする銅上に形成された錫めっき皮膜を有するめっき物の製造方法。
(3)無電解錫めっき液に少なくとも表面に銅を有する被めっき物を浸漬した後、熱処理を行うことにより得られる錫めっき皮膜を有するめっき物であって、前記(1)に記載の無電解錫めっき液を用い、温度110〜130℃で45〜90分熱処理を行い、得られる錫めっき皮膜中の純錫層の厚さが0.100〜0.250μmであることを特徴とする銅上に形成された錫めっき皮膜を有するめっき物。
(4)前記(3)に記載の錫めっき皮膜を有するめっき物であって、銅が銅ブロック、銅板、銅箔、銅薄膜、銅層のいずれかであることを特徴とする錫めっき皮膜を有するめっき物。
(5)前記(3)又は(4)に記載の錫めっき皮膜を有するめっき物を有することを特徴とする電子部品。
(6)前記電子部品がプリント配線基板であることを特徴とする前記(5)に記載の電子部品。
(7)前記電子部品がTABフィルムキャリアであることを特徴とする前記(5)に記載の電子部品。
(8)前記電子部品がウェハ基板であることを特徴とする前記(5)に記載の電子部品。
(9)前記電子部品がコネクタであることを特徴とする前記(5)に記載の電子部品。
【発明の効果】
【0007】
本発明の無電解錫めっき液を用いることにより、得られた錫めっき皮膜のウィスカーの発生を防止する熱処理時間をより短縮し、製品の生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の無電解錫めっき液は、可溶性錫塩と、錯化剤と、酸を含み、前記酸の少なくとも1成分として、リンゴ酸を5〜200g/L含有する。また、クロム、マンガン、鉄、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、モリブデンは含有しない。
酸としてリンゴ酸を特定の濃度で含有することにより、ウィスカーの発生を防止する熱処理時間を短縮する効果がある。リンゴ酸の錯化作用等といった錫イオンへの影響が他の酸と比較した場合と異なっているため、錫皮膜の析出状態にも影響を及ぼし、その結果より短い熱処理時間により、より薄い純錫層を達成することができたと考えられる。
クロム、マンガン、鉄、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、モリブデンを含有させると、金−錫共晶接合に悪影響を与えたり、錫めっき皮膜が硬くなることにより、耐折性の劣化が生じる可能性がある。
【0009】
リンゴ酸はD−体でもL−体でもその混合物でも用いることができ、効果を有する。無電解錫めっき液中のリンゴ酸の濃度は5〜200g/Lで良好な結果が得られるが、好ましくは10〜180g/Lであり、より好ましくは20〜150g/Lである。5g/L未満であると十分な効果が得られず、200g/Lを超えるとめっき液の持ち出しによるコストが増えるだけで、メリットがない。
【0010】
酸としては有機酸と無機酸が挙げられる。
有機酸としては、リンゴ酸とともにその他の有機酸を含有しても良い。
その他の有機酸としては、クエン酸、グリコール酸、乳酸、メタンスルホン酸、イセチオン酸(2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸)、フェノールスルホン酸等が挙げられ、1種もしくは2種以上を使用することができる。ただし、メタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸と、イセチオン酸等のアルカノールスルホン酸は併用しないことが重要である。アルカンスルホン酸とアルカノールスルホン酸のカチオン部分が共存すると、リンゴ酸の効果が十分に発揮されない。これは、リンゴ酸と錫イオンとの錯形成が阻害されるためと考えられる。
【0011】
無機酸としては、任意の無機酸を用いることができ、硫酸、ホウフッ酸、塩酸、リン酸、硝酸などを用いることができる。
めっき液中のリンゴ酸以外の酸の含有量は、好ましくは3〜400g/Lであり、より好ましくは10〜300g/Lである。
【0012】
めっき液に用いる可溶性錫塩、錯化剤としては公知のものを用いることができる。
可溶性錫塩としては、任意の可溶性の第一錫塩類を用いることができ、錫の酸化物、塩化物、ホウフッ化物、硫酸塩及び有機スルホン酸塩等を用いることができる。
上記有機スルホン酸塩の有機スルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メタノールスルホン酸、エタノールスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフトールスルホン酸、イセチオン酸等を挙げることができ、これらの1種もしくは2種以上を用いることができる。錫の有機スルホン酸塩を用いる場合も有機酸と同様にアルカンスルホン酸塩とアルカノールスルホン酸塩を併用しないことが重要である。
また、錫塩として有機スルホン酸塩を用いる場合、有機酸としても同じ有機スルホン酸を用いることが好ましく、塩化物、ホウフッ化物、硫酸塩等の無機酸塩を用いた場合は、酸として塩酸、ホウフッ酸、硫酸等、無機酸塩の酸と同じ無機酸を用いることが好ましい。
錫めっき液中の錫塩の濃度は、金属濃度として1〜200g/Lが好ましく、より好ましくは2〜100g/Lである。
【0013】
錯化剤は、銅、銅合金などの当該母材金属に配位して錯イオンを形成するものであり、下記の(1)〜(3)のキレート剤などを単用又は併用するのが好ましい。
(1)チオ尿素、及び1,3−ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素(例えば、1,3−ジエチル−2−チオ尿素)、N,N′−ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジドなどのチオ尿素誘導体。
(2)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA・2Na)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、エチレンジアミンテトラメチレンリン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンリン酸など。
(3)ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸(IDP)、アミノトリメチレンリン酸、アミノトリメチレンリン酸五ナトリウム塩、ベンジルアミン、2−ナフチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、シンナミルアミン、p−メトキシシンナミルアミンなど。
上記錯化剤の添加量は、一般に5〜300g/Lである。
【0014】
その他の成分としては、界面活性剤、酸化防止剤等が挙げられる。
界面活性剤は、析出結晶を微細化しかつ均一化するという効果を奏する。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性の各種の界面活性剤を用いることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシルリン酸(塩)、ソルビタンエステル、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを2〜300モル付加重合させたもの等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、モノアルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン、イミダゾリンベタイン、アミノカルボン酸等が挙げられる。
界面活性剤の濃度は、0.01〜10g/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜5g/Lである。
【0015】
酸化防止剤は、錫の酸化を防止するために添加するものであり、例えば次亜リン酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩、ヒドラジン等を用いることができる。
酸化防止剤の濃度は、1〜200g/Lが好ましい。
【0016】
本発明の無電解錫めっき液は、水溶液であり、めっき浴温度は5〜90℃が好ましく、より好ましくは30〜80℃である。5℃未満ではめっき皮膜の析出速度が低くなる。また、90℃を超えると、錫の沈殿が見られるようになり、浴分解等の不具合が生じるようになる。
【0017】
本発明の無電解錫めっき液を用いためっき方法としては、被めっき物をめっき液中に浸漬すればよい。
めっき処理時間は、10〜1800秒、好ましくは60〜1000秒である。10秒未満では成膜性が低く、良好な特性がでない。また、1800秒を超えると錫皮膜の析出速度がかなり落ちてしまうので、メリットがない。
得られる錫めっき層の膜厚は、好ましくは0.2〜0.8μm、さらに好ましくは0.3〜0.6μmである。
【0018】
被めっき物としては、表面に銅を有するものが挙げられ、銅ブロック、銅板、銅箔、表面に銅薄膜、銅層を有するものが好ましく、例えばプリント配線基板、TABフィルムキャリア、ウェハ基板、コネクタ、リードフレーム等の電子部品が挙げられる。これらの電子部品は、表面に銅パターンを有するものが好ましい。
【0019】
本発明の無電解錫めっき液に少なくとも表面に銅を有する被めっき物を浸漬してめっき層を形成した後、温度110〜130℃で45〜90分熱処理を行って得られる錫めっき皮膜中の純錫層の厚さは0.100〜0.250μmであることが好ましい。
純錫層の厚さが0.250μmを超えるとウィスカーが成長するリスクが増大する恐れがあり、0.100μm未満であると、金−錫結合がうまくできなくなる恐れがある。
TABテープの1種であるCOF(Chip on Film)フィルムに実装されるドライバICのボンディングパッド上には通常金めっきが施され金めっきバンプを形成している。その金めっきバンプがついたICと回路形成された錫めっき皮膜を有するCOFフィルムとを、画像認識カメラを用いて高精度に位置合わせしてから、IC素子を400℃程度のボンディングツール治具で加熱加圧し、COFテープ上にAu−Sn熱圧着接合する。この際、純錫層が薄すぎるとボンディング不良などの問題が起こる可能性がある。
【0020】
めっき層を熱処理することにより、純錫層以外に、銅との界面付近ではCu6Sn5やCu3SNといった銅との金属間化合物層を形成する。
この時熱処理温度が低すぎると、純錫層が厚くなりすぎる可能性がある。時間をかければ所望の厚さに純錫層にすることができるが、その場合は生産性が上がらない。
また、熱処理温度が高すぎると、純錫層が薄くなりすぎる可能性がある。また、錫皮膜が酸化されることにより、金−錫接合がうまくできなくなる恐れがある。
本発明においては温度110〜130℃で45〜90分熱処理を行うことにより、めっき皮膜の厚さと純錫層の厚さを制御することができ、ウィスカーの発生を防ぐことができる。
【実施例】
【0021】
以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1〜15、比較例1〜4
被めっき物としてポリイミドフィルム(37.5μm厚のカプトンE(デュポン製))上にNiCrを10nm+Cuを20000Åスパッタ形膜したものに銅電気めっきを施し、厚さ9μmの銅層を形成したものを用い、表1に記載の組成を有するめっき液(表1中めっき液を構成する化合物の単位はg/Lである)を作製し、無電解錫めっきを行った。
その後、120℃で80分間熱処理を行い、4000時間室温大気下で放置した後、顕微鏡にてウェスカー発生状態を調べた。また、無電解めっきを行った後、125℃で55分間熱処理を行い、4000時間室温大気下で放置した後についても、顕微鏡にてウェスカー発生状態を調べた。評価は以下のように判断した。
○・・・5μm以上の長さのウィスカーは全く見られなかった。
△・・・5μm以上の長さのウィスカーが少数であるが観察された。
×・・・5μm以上の長さのウィスカーが多数観察された。
【0022】
また、加熱処理後の錫めっき皮膜の厚み(全錫厚み)をXRF(蛍光X線式膜厚計)にて測定し、純錫層の厚みを電解式膜厚計にて測定した。XRFの測定で得られる膜厚(全錫厚み)は、純錫層・合金層に関係なくトータルで錫がすべて純錫と仮定した場合の膜厚であり、得られる膜厚は加熱前後で同じとなる。
結果を表1に示す。
【0023】
【表1−1】

【0024】
【表1−2】

実施例1〜15においては、ウィスカーの発生は見られなかったが、比較例においては純錫層の厚さも非常に厚く、又、ウィスカーの発生も散見された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可溶性錫塩と、錯化剤と、酸を含み、クロム、マンガン、鉄、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、モリブデンを含有しない無電解錫めっき液であって、前記酸の少なくとも1成分として、リンゴ酸を5〜200g/L含有し、アルカンスルホン酸とアルカノールスルホン酸のアニオン部分が共存しないことを特徴とする無電解錫めっき液。
【請求項2】
無電解錫めっき液に少なくとも表面に銅を有する被めっき物を浸漬した後、熱処理を行うことにより得られる錫めっき皮膜を有するめっき物の製造方法であって、請求項1に記載の無電解錫めっき液を用い、温度110〜130℃で45〜90分熱処理を行い、得られる錫めっき皮膜中の純錫層の厚さを0.100〜0.250μmとすることを特徴とする銅上に形成された錫めっき皮膜を有するめっき物の製造方法。
【請求項3】
無電解錫めっき液に少なくとも表面に銅を有する被めっき物を浸漬した後、熱処理を行うことにより得られる錫めっき皮膜を有するめっき物であって、請求項1に記載の無電解錫めっき液を用い、温度110〜130℃で45〜90分熱処理を行い、得られる錫めっき皮膜中の純錫層の厚さが0.100〜0.250μmであることを特徴とする銅上に形成された錫めっき皮膜を有するめっき物。
【請求項4】
請求項3に記載の錫めっき皮膜を有するめっき物であって、銅が銅ブロック、銅板、銅箔、銅薄膜、銅層のいずれかであることを特徴とする錫めっき皮膜を有するめっき物。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の錫めっき皮膜を有するめっき物を有することを特徴とする電子部品。
【請求項6】
前記電子部品がプリント配線基板であることを特徴とする請求項5に記載の電子部品。
【請求項7】
前記電子部品がTABフィルムキャリアであることを特徴とする請求項5に記載の電子部品。
【請求項8】
前記電子部品がウェハ基板であることを特徴とする請求項5に記載の電子部品。
【請求項9】
前記電子部品がコネクタであることを特徴とする請求項5に記載の電子部品。

【公開番号】特開2011−184745(P2011−184745A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51873(P2010−51873)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(502362758)JX日鉱日石金属株式会社 (482)
【Fターム(参考)】