説明

焦点調節装置及び焦点調節装置の制御方法

【課題】 顔や色といった特徴情報を用いた追尾の精度を保ちつつ、追尾した領域の位相差AF性能を向上させる。
【解決手段】 焦点調節装置は、被写体の特徴情報を検出する被写体検出手段と、電荷蓄積を行ってそれぞれ一対の像信号を生成し出力する複数の信号生成手段と、複数の信号生成手段の電荷蓄積を制御し、被写体検出手段により検出された被写体の特徴情報に対応する第1の信号生成手段から出力された一対の像信号の位相差に基づいて焦点検出を行う焦点検出手段とを有する。焦点検出手段は、被写体検出手段による検出の信頼性が第2のレベルより高い第1のレベルの場合、第2のレベルの場合と比較して、第1の信号生成手段の電荷蓄積時間を長くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の特徴情報に応じて追尾してAF制御を行う焦点調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顔や色のような特徴情報を検出し、その特徴情報の位置に対応する位相差AFセンサーの測距結果に基づいて合焦制御を行う技術が提案されている。特許文献1では、顔領域を追尾して位相差AFにより焦点調節を行うことが開示されている。
【0003】
また、特許文献2では、あらかじめ測光センサーの出力とAFセンサーの出力との関係を設定値として記憶し、輝度の明暗によってAFセンサーの電荷蓄積時間を調整することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−186004号公報
【特許文献2】特許第3442426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、位相差AFと顔・色検出の原理上、それぞれが検出を得意とする被写体の特徴は相反する。具体的には、位相差AFとしてはコントラストがある被写体の方が高い合焦精度が得られるが、一方で顔・色検出では位相差AFが不得手とする肌色などの均一な色を持つ領域の方がより被写体を検出しやすい。この相反する特徴のため、顔・色を検出した位置で合焦制御を行っても十分な合焦精度が得られないという課題がある。
【0006】
特許文献2では、被写体の輝度情報によってAFセンサーの電荷蓄積時間を変更させるものであって、色や顔などの被写体の特徴情報をAFする際にコントラストが低く位相差AFの精度が低下するという問題を回避できない。
【0007】
本発明の目的は、顔や色といった特徴情報を用いた追尾の精度を保ちつつ、追尾した領域の位相差AF性能を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の本発明は、被写体の特徴情報を検出する被写体検出手段と、電荷蓄積を行ってそれぞれ一対の像信号を生成し出力する複数の信号生成手段と、前記複数の信号生成手段の電荷蓄積を制御し、前記被写体検出手段により検出された被写体の特徴情報に対応する第1の信号生成手段から出力された一対の像信号の位相差に基づいて焦点検出を行う焦点検出手段とを有する焦点調節装置であって、前記焦点検出手段は、前記被写体検出手段による検出の信頼性が第2のレベルより高い第1のレベルの場合、前記第2のレベルの場合と比較して、前記第1の信号生成手段の電荷蓄積時間を長くすることを特徴とする。
【0009】
第2の本発明は、電荷蓄積を行ってそれぞれ一対の像信号を生成し出力する複数の信号生成手段を備えた焦点検出装置の制御方法であって、被写体の特徴情報を検出する被写体検出ステップと、前記複数の信号生成手段の電荷蓄積を制御し、前記被写体検出ステップで検出された被写体の特徴情報に対応する第1の信号生成手段から出力された一対の像信号の位相差に基づいて焦点検出を行う焦点検出ステップとを有し、前記焦点検出ステップにおいて、前記被写体検出ステップでの検出の信頼性が第2のレベルより高い第1のレベルの場合、前記第2のレベルの場合と比較して、前記第1の信号生成手段の電荷蓄積時間を長くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像情報から検出した顔や色といった特徴情報領域に対応する位相差AFセンサーを用いて合焦制御を行う際に、特徴情報を用いた追尾の精度を保ちつつ、合焦精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施例1のカメラの構成図
【図2】本実施例1のカメラ機能のブロック図
【図3】本実施例1のAFセンサー面とAEセンサー面の対応を示す図
【図4】本実施例1のAF処理部の処理を説明するフローチャート
【図5】本実施例1のAE画像処理部の処理を説明するフローチャート
【図6】本実施例1の追尾測距点採用判定処理を説明するフローチャート
【図7】本実施例1の追尾測距点のAF電荷蓄積延長判定処理を説明するフローチャート
【図8】本実施例2の追尾測距点のAF電荷蓄積延長判定処理を説明するフローチャート
【図9】追尾測距点のAF電荷蓄積完了待ち処理を説明するフローチャート
【図10】AEセンサー面上での追尾領域の探索を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明を実施した撮像装置の一例としてのデジタルカメラ(以下、単にカメラという)100の構成例を示すブロック図である。また、図2は本発明を実施したカメラの機能を説明する構成図である。カメラボディ部201にはマウントを介してレンズ部202が着脱可能に装着されている。本実施例ではレンズ部についての詳細な説明は行わないが、レンズ部202内のレンズMPUは、カメラMPU6からの指示に基づいてレンズ駆動部221、絞り駆動部220等の駆動制御を行う。
【0014】
カメラMPU6内には、カメラ動作を制御するプログラムを格納したROM、変数を記憶するためのRAM、諸パラメータを記憶するためのEEPROMが内蔵されている。そしてROMに格納されたプログラムを実行することにより、後述の焦点検出処理をはじめとしたカメラボディ部201の動作を実現する。
【0015】
カメラMPU6は被写体の輝度情報を測光/被写体特性情報検出ユニット10から取得し、焦点検出ユニット7を用いて焦点検出を実行する。また、本実施例では、測光/被写体特性情報検出ユニット10は、被写体の顔や色の特徴情報を検出する機能も有する。測光/被写体特性情報検出ユニット10が検出した色情報に対応した領域について、カメラMPU6は焦点検出ユニット7を駆動させることによりピントずれ量の算出が行われる。図3は本実施例のAFセンサー面とAEセンサー面との対応を示し、図3(b)はAEセンサー面を示している。本実施例において、測光/被写体特性情報検出ユニット10に含まれるAEセンサー211は、図3(b)で示されるRGB成分を検出する複数の画素301から構成される。また、図3(a)はAFセンサー面302を示している。焦点検出ユニット7に含まれるAFセンサー(信号生成手段)は、図3(a)で示される複数のラインセンサー対303と測距点304からなる。各ラインセンサーは複数の画素からなる。焦点検出ユニット7は、それぞれの測距点304に対応するラインセンサー対303から出力される一対の像信号の位相差に基づいて、AF制御を行う。換言すると、被写体からの光束の分割方向の相対的位置ずれ量を検出し、AF制御を行う。AEセンサー211における複数画素301の全領域がAFセンサー面302に相当する位置関係となる。
【0016】
なお、本実施例のようにAFセンサーを用いる代わりに、撮像素子上の画素からの出力を用いて位相差方式の焦点検出を行う、いわゆる撮像面位相差AFを行ってもよい。具体的には、撮影光学系の射出瞳の一部が遮光された光束を受光するAF用画素からの出力を用いる方式がある。また、1つのマイクロレンズ下に画素を分割し、分割された各画素からの出力を用いる方式がある。なお、AFセンサーを用いた位相差AFと撮像面位相差AFを併用してもよい。
【0017】
焦点検出ユニット7は、AFセンサーに最大許容蓄積時間を指定する。この最大許容蓄積時間が経過したか、またはAFセンサーの電荷蓄積が十分になされれば、焦点検出ユニット7は読み出し完了をカメラMPU6に通知する。例えば、中央のAFセンサーの電荷蓄積が十分になされたと判断された時点で、他のAFセンサーの読み出しも完了してもよい。焦点検出ユニット7の動作については公知の位相差AFに関する技術を採用する。
【0018】
カメラレンズシステムとしては、カメラMPU6は、レンズとのデータ交換通信とAF処理とレンズ駆動通信とを繰り返し実施することでピント制御を行う。
【0019】
シャッター駆動ユニット8は、カメラMPU6の制御に従い、図示しないシャッターの駆動を行う。ダイヤルユニット9は、カメラボディ部201に対して、ユーザが連続撮影速度、シャッター速度、絞り値、撮像モード等の諸設定を行うための操作部である。撮像面11は、撮像素子208の受光面であり、メインミラー(及びサブミラー)を光路外に移動させシャッターを開くことにより被写体像を受光する。表示ユニット12は、たとえばLCDや有機ELディスプレイなどの表示装置を含み、撮像面11で撮像された画像のレビュー表示や、メニュー画面などのGUI表示に用いる。
【0020】
次に、本実施例の撮像装置の機能について、図2の構成図を用いて説明する。
【0021】
操作検出部213は、ユーザーがカメラボディ部201に取り付けられたダイヤルユニット9や不図示のボタン、スイッチ、接続機器などを介して行った操作を検知し、操作内容に応じた信号をカメラMPU6内のシステム制御部203へ送る。ミラー制御部212はシステム制御部203から送られてくる制御信号に基づいてミラーの制御を行う。
【0022】
システム制御部203は、操作検出部213からSW操作を検出した時および連写時のミラーダウン状態時に、焦点検出ユニット7内のAF処理部205が備えるラインセンサー対303から電荷蓄積データを読み出す。読み出したデータに基づき、システム制御部203は、焦点調節を行う測距点の選択と焦点調節演算を行う。そして、演算結果に基づくレンズ駆動信号をレンズ駆動部221へ送る。レンズ駆動ユニットに含まれるレンズ駆動部221は、システム制御部203から送られてきた信号に基づいてレンズを動かし、合焦制御を行う。絞り駆動部220は図1の絞り駆動ユニット3に含まれる。
【0023】
撮像素子208は、レンズを介して入射する光束を電気信号へ光電変換して画像データを生成する。ディスプレイ制御部は、撮像結果の画像などを表示ユニット12に表示させる。メインメモリ210は、システム制御部203およびAE画像処理部204が行う演算に必要なデータを格納するための記憶装置である。
【0024】
AE画像処理部204は、AEセンサー211から読み出した画像データに基づいて種々の制御動作を行う。AEセンサー面はたとえば図3(b)の画素301に示すような多分割センサー構造となっており、RGBフィルターを備えることで被写体特徴情報としての顔・色情報を検出可能である。この被写体の顔・色情報の検出結果は撮影毎にAF処理部205へ伝達される。なお、例えば顔情報の検出結果は数回の撮影毎に1回、色情報の検出結果は毎回の撮影毎にAF処理部205へ伝達されるようにしてもよい。
【0025】
AE画像処理部204のその他の処理の1つは自動露出演算であり、AEセンサー211の出力結果から演算処理を行う。
【0026】
本実施例では、システム制御部203は、被写体の顔・色情報の検出結果および検出領域に応じてAF処理部205の制御を切り替える。その詳細は後述する。
【0027】
次に、図3を用いて本実施例のAFセンサー面とAEセンサー面について説明する。
【0028】
焦点検出ユニット7は、複数のラインセンサー対303から構成されるAFセンサー面302を備える。AFセンサー面302にはユーザーが選択可能な複数の測距点304が配置され、それぞれの測距点には対応するAFラインセンサー対303が配置される。図3(a)は61個の選択可能な測距点で構成される例を示しており、測距点304には縦方向検出用および横方向検出用それぞれのラインセンサー対が設けられている。
【0029】
一方、測光/被写体特徴情報検出ユニット10は、AEセンサー面を備える。図3(b)のように、AEセンサー面は複数の測光領域301に分割されており、AFセンサーの測距点に対応する領域の測光処理を行うことができる。例えば図3(c)、(d)は、AEセンサー面にて被写体(人物)305を検出した場合のAEセンサー面の検出状態(図3(d))とAFセンサー面(図3(c))との位置関係を示したものである。測光/被写体特徴情報検出ユニット10は、AEセンサー面で被写体305の顔の位置および大きさを検出すると、検出した情報をシステム制御部203に通知する。システム制御部203は、受信した情報に基づいて、検出された顔の領域に対応するAFセンサー面302上の測距点情報を生成する。この図のケースでは、測距点エリアとして領域306が該当する。また、図3(e)、(f)は比較的大きな被写体(人物)を検出した場合のAEセンサー面の検出状態(図3(f))とAFセンサー(図3(e))との位置関係を示している。この場合、被写体人物の目に相当する領域307が検出され、目の領域307に対応するAFセンサー面302上の測距点エリアとして領域308を特定することができる。
【0030】
次に、図4〜図6を用いて本実施例のAE画像処理部204とAF処理部205とからなるAF処理のフローを説明する。
【0031】
図4では、AF処理部205の制御フローを示している。システム制御部203は、操作検出部213によりSW1の入力を受け付けるとAF処理を開始するようAF処理部205を制御する。ステップ401では、AF処理部205は、AE画像処理部204へ被写体検出、測光演算などの各種処理を要求する。
【0032】
ステップ402では、AF処理部205は、AFセンサーの電荷蓄積駆動を開始する。
【0033】
ステップ403では、AE画像処理部204から追尾する被写体の情報が通知されるのを待つ。AE画像処理部204にて行う追尾処理については図5を用いて後述する。AF処理部は、追尾する被写体の情報として、追尾被写体の検出結果の確からしさを示す信頼性の評価値および被写体のAFセンサー面上での位置情報とを取得する。
【0034】
ステップ404では、AF処理部205は、AE画像処理部204から通知された追尾結果を採用するか否かの判定を行う。この判定処理については図6にて後述する。
【0035】
ステップ405では、ステップ404の判定結果を参照し、追尾結果を採用しないと判定すればステップ410へ、追尾結果を採用すると判定すればステップ420へ遷移する。
【0036】
ステップ410では、所定のラインセンサー対(例えば中央のラインセンサー対)の電荷蓄積の完了を待つ。そして、AF処理部205は、ユーザーが操作検出部213により選択した測距点およびその周辺の測距点についてのラインセンサー対について読み出しを行う。選択測距点の周辺の読み出しを行うのは被写体のセンサー面に水平および垂直方向への移動に対して捕捉してピントを合わせるためであって、処理時間の許容する限り広範囲のセンサー情報を読み出すのが好ましい。また、すべての測距点から自動的に適切な測距点を選択する自動選択モードでは全測距点に対応するラインセンサー対から情報を読み出す。
【0037】
ステップ411では、AF処理部205は、ステップ410で読み出したラインセンサー対の電荷蓄積結果から最適な電荷蓄積結果を選択する。より具体的には、位相差AFの信頼度(像信号の信頼度)が所定の閾値より高い電荷蓄積結果を採用する。位相差AFの信頼度は、例えば特開2007−052072号公報で開示されているように2像の一致度などから算出する。あるいは、いわゆる予測モードで焦点検出をしている場合には、AF処理部205は、過去の履歴から予測結果に近い像ずれ量を示すセンサー出力結果を最適な電荷蓄積結果として選択する。
【0038】
ステップ412では、AF処理部205は、ステップ411で選択したセンサー位置に対応する測距点の位置情報および追尾対象を更新する要求とをAE画像処理部204へ通知する。たとえば図3(a)の測距点エリアとして領域309を選択していれば、AF処理部205は、AFセンサー面上の領域309に対応する図3(b)の領域310をAE画像処理部204に通知する。
【0039】
ステップ420は、AE画像処理部204から通知された追尾結果を採用する場合の処理である。AF処理部205は、所定のラインセンサー対(例えば中央のラインセンサー対)の電荷蓄積が完了した時点で、通知された追尾測距点に対応するラインセンサー対(第1の信号生成手段)が電荷蓄積済みか否かを判定する。なお、AE画像処理部204から通知される測距点は複数存在する場合もある。この場合は、当該複数の測距点に対応するすべてのラインセンサー対が、電荷蓄積済みであるかどうかを判定する対象となる。すでに該当するラインセンサー対が電荷蓄積済みであれば、ステップ430にて追尾の指定測距点に対応するラインセンサー対の読み出しを行う。たとえばAE画像処理部204が図3(b)の領域312に追尾対象が存在することを検知すれば、AF処理部205には図3(a)のAFセンサー面302上にて対応する領域313が通知される。本ステップでは、領域313に対応するすべてのラインセンサー対が電荷蓄積済みか否かを判定することとなる。しかしながら、AE画像処理部204は後述するように同一色の被写体を検出するため、ここで通知される領域313の被写体特徴としては均一色のコントラスト成分が小さいものとなる傾向が強い。そのため、コントラスト成分を検出する対象であるラインセンサー対は比較的電荷蓄積に時間がかかる傾向にある。ステップ430では、追尾の指定測距点に対応するラインセンサー対の読み出しを行い、AF処理部205は、これらラインセンサー対の読み出し結果のうち最適なラインセンサー対の読み出し結果を選択する。
【0040】
ステップ421は、ステップ420にてAE画像処理部204から通知された測距点に対応するラインセンサー対が電荷蓄積完了していない場合の処理である。本ステップでは、AF処理部205は、当該センサーの電荷蓄積時間の延長処理を行うか否かの判定を行う。当該判定処理については後述する。
【0041】
ステップ422では、ステップ421で行われた追尾測距点に対応するラインセンサー対の電荷蓄積時間を延長すべきか否かの判定結果を参照する。蓄積延長しないと判定すれば、AF処理部205は、ステップ424にて追尾測距点のAFセンサーの電荷蓄積を打ち切る処理を行い、ステップ430に進んで追尾測距点の読み出し処理を行う。蓄積延長すると判定すれば、AF処理部205は、ステップ423にて当該AFセンサーの電荷蓄積が完了するのを待ち、ステップ430にて追尾測距点の読み出し処理を行う。
【0042】
ステップ431では、AF処理部205は、ステップ430で選択した追尾測距点の測距結果を参照し、追尾測距点を採用してよいか否かを判定する。たとえば、過去の測距履歴と比較し測距結果であるデフォーカス量が著しく乖離している場合は追尾測距点を採用せず、ステップ411へ遷移する。
【0043】
追尾測距点を採用すると判定した場合はステップ432に進み、AE画像処理部204から通知された測距点のうちステップ430にて最終的に選択した測距点をAE画像処理部204へ通知してステップ440へ遷移する。AE画像処理部204の処理については後述するが、この測距点情報に基づき次の追尾処理を行う。
【0044】
ステップ440では、システム制御部203は、ステップ411もしくはステップ430で選択された測距結果から導出されるピントずれ量に基づいてレンズの距離環を駆動するようレンズMPUに指示する。レンズ駆動部221は、レンズMPUの指示に基づいて距離環を駆動する。
【0045】
ステップ441では、システム制御部203は、SW2操作の入力を検知し、ステップ442で本画像撮影処理を行う。ステップ441でSW2が入力されていなければ、再度401のAF処理へ移行する。
【0046】
次に、ステップ404における、AE処理部204から通知された追尾結果を採用するか否かを判定する処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
ステップ601では、システム制御部203は、前回の測距処理のステップ412にて追尾対象の変更要求を通知したか否かを判定し、通知していればステップ603で追尾結果は採用しないと判定する。前回の測距処理のステップ412にて追尾対象の変更要求を通知していない場合、ステップ602へ遷移する。
【0048】
ステップ602では、システム制御部203は、AE画像処理部204から通知された追尾結果が過去の測距履歴と比較してセンサー面上で大きく乖離しているかどうかを判定する。大きく乖離していれば、追尾結果は追尾すべき被写体とは別の被写体を検出している可能性が高いため、システム制御部203は、ステップ603に進んで追尾結果は採用しないと判定する。このとき、センサー面上での過去の選択測距点と追尾結果の測距点との乖離の閾値は、たとえば画角と被写体距離とから決定する。いずれの条件にも当てはまらなければステップ604へ進み、追尾結果は採用と判定する。
【0049】
次に、AE画像処理部204の制御を図5のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップ501で、AE画像処理部204は、AF処理部205からの処理要求を待ち、処理要求があればステップ502へ進む。
【0050】
ステップ502では、AE画像処理部204は、AF処理部205から追尾対象の変更要求が通知されたか否かを判定する。なお、1回目の追尾処理であれば追尾要求があったものと判定する。追尾対象の変更要求が通知されていればステップ503へ進み、AE画像処理部204は、ステップ412で通知されたAF処理部205が選択した測距点領域に基づいて、被写体の顔・色の特徴情報を検出する領域を設定する。追尾対象の変更要求が通知されていなければ、ステップ504へ進み、AE画像処理部204は、前回追尾領域に設定した領域に基づき、その周囲の領域について被写体の顔・色の特徴情報を検出する領域を設定する。ここで、被写体の特徴情報を検出する領域を前回追尾領域の周囲に設定するのは、被写体のセンサー面に水平方向への移動に対して捕捉するためであって、処理時間の許容する限り広範囲のセンサー情報を読み出すのが好ましい。
【0051】
ステップ505では、AE画像処理部204は、AEセンサー211の電荷蓄積駆動を開始する。
【0052】
ステップ506では、AE画像処理部204は、AEセンサー211の電荷蓄積結果を読み出す。
【0053】
ステップ507では、AE画像処理部204は、AEセンサーの読み出し結果から公知の顔検出技術を用いて顔が存在したか否かを判定する。顔を検出した場合にはステップ508へ遷移し、顔を検出していない場合にはステップ510へ遷移する。
【0054】
ステップ508では、AE画像処理部204は、ステップ502での追尾対象変更要求の有無を判定し、追尾対象の変更要求があった場合にはステップ509へ進んで色追尾用の色情報を記憶し直す。これは次のコマ以降の色情報による追尾に使用するためである。なお、ここでは、顔が検出できた場合の顔の確からしさを追尾の信頼度を示す評価値として算出する。
【0055】
ステップ507で顔を検出できなかった場合、ステップ510でAE画像処理部204は、色に基づく追尾の可否を判定する。ここでは、ステップ502での追尾対象変更要求の有無を判定し、追尾対象変更要求があればステップ511へ、追尾対象変更要求がなければステップ512へ遷移する。
【0056】
ステップ511では、AE画像処理部204は、ステップ503にて設定した領域で検出された被写体の色情報を追尾用の色情報として記憶する。これは次のコマ以降の色情報による追尾に使用するためである。この処理は測距開始後の1回目の追尾処理、あるいはAF処理部205が追尾結果を非採用とした次の測距の追尾処理に相当する。このときAF処理部205は、たとえば、図3(a)の測距点エリアとして領域309を選択している場合、AE画像処理部204には領域309に対応する領域310を通知する。本ステップでAE画像処理部204が記憶する色情報は、領域310を含むAE分割領域311に存在する色情報となる。複数の色が存在する場合には、AE画像処理部204は、総面積の大きい色を追尾色として記憶し、同一色の面積の形状、大きさを併せて記憶する。
【0057】
ステップ512では、AE画像処理部204は、ステップ504で設定した検出対象領域について、記憶済みの追尾用色情報と一致する領域を探索する。このとき、AE画像処理部204は、検出対象領域の色情報と記憶済みの追尾用色情報とが一致する領域を探索し、その一致度合いを追尾の信頼性を評価する評価値として算出する。たとえば、ステップ511の処理で説明したようにAFの選択測距点に対応したAEセンサー面上の領域310がAE画像処理部204に通知された場合を図10(a)に示す。図10(a)では、領域310を含むAE分割領域311が検出対象領域となる。AE画像処理部204は、AE分割領域311の中で同一色と判定した領域の占める総面積が最大である色の領域を切りだす。図10(a)では、AE分割領域311内に斜線で示した領域320が同一色で最大の領域と判定された場合を示す。次の撮影画像においては、図10(b)で示すように、AE画像処理部204は、斜線部で示した領域320を参照領域として、参照領域と色情報が合致する領域を追尾領域として探索する。追尾領域の検出時には、参照領域320は複数の領域に分割される。図10(b)の場合は、参照領域320は10個の領域に分割されている。AE画像処理部204は、AEセンサー上の画素301全体について、単位領域323ごとに参照領域320との色情報の一致度を評価する。より具体的には、AE画像処理部204は、単位領域323を参照領域320と同様に分割し、参照領域320中の各分割領域と、単位領域323中の各分割領域とで色成分の比較を行う。本実施例では、単位領域323の大きさは参照領域320の大きさと等しく、両領域で対応する位置にある分割領域どうしの色成分が比較される。AE画像処理部204は、単位領域323と参照領域320の各分割領域の色成分の一致度を全ての分割領域分加算したものを信頼度の評価値として算出し、当該評価値が最も高い単位領域323を追尾領域に設定する。このアルゴリズムにより色成分の一致度を評価して追尾対象を設定しているが、結果として形状の一致度も評価していることになる。
【0058】
また、AE画像処理部204は、前回決定した追尾領域に対して新たに設定された追尾領域がx−y平面上で乖離している場合は、評価値を低くして信頼性を下げる。これは前回検出した追尾領域により近い場所に被写体が存在する可能性が高い事を考慮しているためである。
【0059】
このように、AE画像処理部204は、対象領域の中で追尾用色情報と最も色情報が一致する領域を選択するとともに、記憶した被写体の形状および大きさに基づき、どの程度一致しているかを追尾の信頼性を示す評価値として算出する。
【0060】
ステップ513では、AE画像処理部204は、追尾情報をAF処理部205へ通知する。追尾情報としては、ステップ507で顔を検出したか否かの情報、ステップ511およびステップ512で得られた追尾測距領域および信頼度の情報が含まれる。
【0061】
次に、図7を参照して、本発明の実施例1による、追尾測距点のAF電荷蓄積時間延長判定処理について説明する。
【0062】
図4のステップ421では、AE画像処理部204から通知された測距点に対応するラインセンサー対が電荷蓄積完了していない場合に当該センサー対の電荷蓄積時間延長処理を行うか否かの判定を行う。
【0063】
図7のステップ701では、AF処理部205は、図5のステップ513でAE画像処理部204から通知された追尾の信頼性が十分に良いかを判定する。すなわち、追尾の信頼性が所定のレベルより高いか否かを判定する。信頼性が所定のレベルより高くなければ(第2のレベルの場合)、ステップ708へ遷移し、電荷蓄積時間を延長せずに、AF処理部205は、AE画像処理部204からの通知結果によらず焦点検出結果から優位な結果を採用する。追尾の信頼性が所定のレベルより高い場合には(第1のレベルの場合)ステップ702へ遷移する。ステップ702では、AF処理部205は、新規に得られた追尾の位置情報が過去の履歴から大きく乖離していないかどうかを判定する。たとえば、過去の数コマの撮影の履歴を参照し、過去の追尾の位置が図3(a)の領域309付近であったにもかかわらず、新規に得られた追尾の位置が同図の領域313のように急に大きく乖離した場合にはステップ708へ遷移する。ステップ708では、AF処理部205は、電荷蓄積時間を延長せずに、測距結果から優位な結果を採用する。この時の乖離の閾値は、被写体の距離情報や、レンズの焦点距離から決定する。
【0064】
ステップ703では、AF処理部205は、AE画像処理部204から通知された追尾の結果が顔による追尾か否かを判定する。追尾の結果が顔の情報によるものであった場合にはステップ704に遷移し、追尾の結果が顔でなく色の情報によるものであった場合にはステップ707に遷移する。
【0065】
ステップ704では、AF処理部205は、AE画像処理部204から通知された追尾の結果の顔情報に目の位置が検出されたか否かを判定する。目の位置が検出された場合には、ステップ705へ進み、第1の設定時間を延長蓄積時間として、AF処理部205がAFセンサーの駆動を制御する。目の位置が検出できなかった場合は、第2の設定時間を延長蓄積時間として、AF処理部205がAFセンサーの駆動を制御する。また、ステップ707で色による追尾結果を検出している場合には、第3の設定時間を延長蓄積時間として、AF処理部205がAFセンサーの駆動を制御する。第1、第2、第3の設定時間は個別に設定可能とし、たとえば、第1の設定時間<第2の設定時間<第3の設定時間のように設定する。その理由を説明すると、目の位置が特定できた場合には比較的コントラスト成分を検出しやすいことが想定される。また顔が特定された場合は、平準的な色を検出した場合よりも比較的コントラスト成分を検出しやすいことが期待される。そのため、目や顔が検出された場合には、被写体に応じて延長蓄積時間を必要以上に長く設定しないことでレリーズの応答性を高めることができる。一方、色情報による追尾においては、ステップ512で説明したように、同一色で形状や大きさが近いほど追尾の信頼性が良いと判定される。そのため、色情報による追尾を行う場合は、AF処理においてはコントラスト成分が検出しにくい傾向となるので、より長めに電荷蓄積時間を確保することが好ましい。このとき、追尾の信頼性と位相差AFの検出精度は逆相関の関係になるので、第3の設定時間は追尾の信頼性を示す評価値の逆数で設定しても良い。
【0066】
なお、本実施例では、AFセンサーの最大許容蓄積時間が予め設定されている。電荷蓄積時間を延長する場合、トータルの電荷蓄積時間が上記最大許容蓄積時間内に収まるように延長蓄積時間を設定する必要がある。
【0067】
なお、追尾の信頼性が所定のレベルより高い場合は電荷蓄積時間を所定の時間延長し、追尾の信頼性が所定のレベルより高くない場合は蓄積延長しないようにしてもよい。
【0068】
なお、カメラ設定として顔検出をより積極的に行いたい場合には、第1の設定時間や第2の設定時間を長めに設定してもよい。
【0069】
以上説明したように、本実施例では、顔や色情報に基づく追尾を行った領域に対応させて位相差AFを行う場合、被写体の特徴に応じてAFセンサーの延長蓄積時間を設定する。このように制御することで、追尾の性能を確保しつつ位相差AFの測距精度を確保することができる。
【0070】
次に、図9を参照して、図4のステップ423における電荷蓄積時間を延長した際のAF電荷蓄積の完了待ち処理について説明する。
【0071】
ステップ901では、AF処理部205は、AE画像処理部204から通知された追尾領域に対応する複数のラインセンサー対のうちいずれかが電荷蓄積完了するのを待つ。
【0072】
ステップ902では、AF処理部205は、電荷蓄積が完了したラインセンサー対について読み出しと演算処理を行い、ステップ411で説明したのと同様に位相差AFの信頼度を求める。
【0073】
ステップ903では、AF処理部205は、ステップ902で求めた信頼度が所定の閾値を超えているか否かを判定する。ここで、いずれかのラインセンサー対の電荷蓄積結果が十分に信頼できるのであれば(信頼度が所定の閾値を超えていれば)、AF処理部205は他のラインセンサー対の駆動を止め、本処理を終了する。つまり、AF処理部205は、追尾測距点に対応するラインセンサー対の電荷蓄積時間を延長した場合でも、延長した電荷蓄積時間内に得られた追尾測距点に対応するいずれかのラインセンサー対の電荷蓄積結果の信頼度が高ければ、電荷蓄積を終了する。読み出したラインセンサー対の電荷蓄積結果の信頼性が高くなければ(信頼度が所定の閾値を超えていなければ)、ステップ904へ遷移する。
【0074】
ステップ904では、AF処理部205は、すべての追尾測距点に対応するラインセンサー対の蓄積電荷を読み出したか否かを判定する。まだ読み出していないラインセンサー対があればステップ901へ戻る。すべてのラインセンサー対について読み出し完了していればステップ905へ進み、AF処理部205は、読み出し完了した中から最良の結果を採用する。
【0075】
以上の処理により、AE画像処理部204による追尾の結果を採用しつつ、追尾領域に対応するラインセンサー対の読み出し処理を効率適に行う事でAF処理の応答性を確保することができる。
【実施例2】
【0076】
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例1と共通する部分については説明を省略する。実施例2では、図7で説明した追尾測距点に対応するラインセンサー対の電荷蓄積時間延長判定処理が実施例1と異なる。以下、図8を参照して、実施例2による追尾測距点に対応するラインセンサー対の電荷蓄積時間の延長判定処理について説明する。
【0077】
図4のステップ421では、AF処理部205は、AE画像処理部204から通知された測距点に対応するラインセンサー対が電荷蓄積完了していない場合に、当該ラインセンサー対の電荷蓄積時間の延長処理を行うか否かについて判定を行う。実施例2では、ステップ421での判定の基準として、AF処理部205は、カメラに設定された連写速度の設定を維持できる範囲で電荷蓄積時間を延長する。そこで、AF処理部205は、ステップ401でAF処理を開始した時刻を記憶しておく。
【0078】
ステップ801では、AF処理部205は、ステップ513でAE画像処理部204から通知された追尾の信頼性が十分に良いかを判定する。信頼性が低ければステップ807へ遷移し、AF処理部205は、電荷蓄積時間を延長せずに測距結果から優位な結果を採用する。追尾の信頼性が高い場合にはステップ802へ遷移する。
【0079】
ステップ802では、AF処理部205は、ステップ401で記憶した時刻に対してステップ421までの経過時間T1を計測する。
【0080】
ステップ803では、AF処理部205は、AE画像処理部204から通知された追尾領域に対応するラインセンサー対の読み出し・演算にかかる時間T2を算出する。なお、追尾領域は検出結果によって異なるため、T2は追尾領域に含まれるラインセンサー対の数に応じて異なる。
【0081】
ステップ804では、AF処理部205は、カメラに設定された連写速度の条件に対して、T1とT2の処理時間を除いた残り時間T3を算出する。
【0082】
ステップ805では、AF処理部205は、ステップ804で算出した時間T3に余裕があるか否かを判定する。AF処理部205は、設定された連写速度に対してT3に余裕があると判定すれば、ステップ806にて時間T3について延長蓄積時間を設定する。一方、AF処理部205は、T3に余裕がないと判定すれば、ステップ807に進んで蓄積時間を延長せずに処理を終了する。
【0083】
以上の処理により、本実施例によれば、AE画像処理部204による追尾結果が変わったとしても、カメラに設定された連写速度を維持したうえで、追尾の性能を確保しつつ追尾領域に対応する位相差AFの測距精度を確保することができる。
【0084】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
6 カメラMPU
7 焦点検出ユニット
10 測光/被写体特性情報検出ユニット
201 カメラボディ部
202 レンズ部
203 システム制御部
204 AE画像処理部
205 AF処理部
208 撮像素子
211 AEセンサー
221 レンズ駆動部
301 複数画素
302 AFセンサー面
303 ラインセンサー対
304 測距点


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の特徴情報を検出する被写体検出手段と、
電荷蓄積を行ってそれぞれ一対の像信号を生成し出力する複数の信号生成手段と、
前記複数の信号生成手段の電荷蓄積を制御し、前記被写体検出手段により検出された被写体の特徴情報に対応する第1の信号生成手段から出力された一対の像信号の位相差に基づいて焦点検出を行う焦点検出手段とを有する焦点調節装置であって、
前記焦点検出手段は、前記被写体検出手段による検出の信頼性が第2のレベルより高い第1のレベルの場合、前記第2のレベルの場合と比較して、前記第1の信号生成手段の電荷蓄積時間を長くすることを特徴とする焦点調節装置。
【請求項2】
前記焦点検出手段は、前記被写体検出手段による検出の信頼性が前記第2のレベルの場合、所定の信号生成手段の電荷蓄積が終了したら、前記第1の信号生成手段の電荷蓄積を終了させることを特徴とする請求項1に記載の焦点調節装置。
【請求項3】
前記被写体検出手段は、検出した特徴情報に基づいて被写体の追尾を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の焦点調節装置。
【請求項4】
前記焦点検出手段は、前記被写体検出手段による追尾を行わない場合、前記所定の信号生成手段の電荷蓄積が終了したら、他の信号生成手段の電荷蓄積を終了させることを特徴とする請求項3に記載の焦点調節装置。
【請求項5】
前記焦点検出手段は、前記第1の信号生成手段が複数ある場合、像信号の信頼度が最も高い電荷蓄積結果を用いて焦点検出を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の焦点調節装置。
【請求項6】
前記焦点検出手段は、前記被写体検出手段による検出の信頼性が前記第1のレベルの場合であって、設定した電荷蓄積時間内において少なくとも一つの前記第1の信号生成手段より出力された像信号の信頼度が所定の閾値より高い場合、全ての前記第1の信号生成手段の電荷蓄積を終了させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の焦点調節装置。
【請求項7】
前記焦点調節装置は、撮像装置に備えられ、
前記焦点検出手段は、前記撮像装置に設定された連写速度に応じて前記信号生成手段の電荷蓄積時間を設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の焦点調節装置。
【請求項8】
前記被写体検出手段は、前記被写体の特徴情報として色の情報を検出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の焦点調節装置。
【請求項9】
前記被写体検出手段は、前記被写体の特徴情報として顔の情報を検出することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の焦点調節装置。
【請求項10】
前記被写体の特徴情報として顔の情報が検出された場合、前記焦点検出手段は、前記被写体の特徴情報として顔の情報が検出されなかった場合と比較して、前記第1の信号生成手段の電荷蓄積時間を短くすることを特徴とする請求項9に記載の焦点調節装置。
【請求項11】
前記被写体検出手段は、前記被写体の特徴情報として顔の情報が検出された場合に、さらに目の情報を検出し、
目の情報が検出された場合、前記焦点検出手段は、目の情報が検出されなかった場合と比較して、前記第1の信号生成手段の電荷蓄積時間を短くすることを特徴とする請求項9又は10に記載の焦点調節装置。
【請求項12】
前記信号生成手段は、複数の画素からなるラインセンサーであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の焦点調節装置。
【請求項13】
前記焦点調節装置は、撮影光学系を介して入射した光束を光電変換する撮像素子を有する撮像装置に備えられ、
前記信号生成手段は、前記撮像素子上の画素であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の焦点調節装置。
【請求項14】
電荷蓄積を行ってそれぞれ一対の像信号を生成し出力する複数の信号生成手段を備えた焦点検出装置の制御方法であって、
被写体の特徴情報を検出する被写体検出ステップと、
前記複数の信号生成手段の電荷蓄積を制御し、前記被写体検出ステップで検出された被写体の特徴情報に対応する第1の信号生成手段から出力された一対の像信号の位相差に基づいて焦点検出を行う焦点検出ステップとを有し、
前記焦点検出ステップにおいて、前記被写体検出ステップでの検出の信頼性が第2のレベルより高い第1のレベルの場合、前記第2のレベルの場合と比較して、前記第1の信号生成手段の電荷蓄積時間を長くすることを特徴とする焦点調節装置の制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−101305(P2013−101305A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156628(P2012−156628)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】