説明

焼結機

【課題】方吸引式の焼結機において、高強度高品質の焼結鉱を、高歩留でかつ安全に製造することができる焼結鉱の製造方法と焼結機を提供する。
【解決手段】循環移動するパレット6上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成し、この装入層の炭材に点火炉10で点火し、点火炉10の下流側に配設された複数の気体燃料供給装置12a〜12cにより、気体燃料を前記装入層の上方の大気中に噴出し、空気と混合させて希釈気体燃料としてウインドボックス25の吸引力によって装入層内に導入する。複数の気体燃料供給装置12a〜12cの異常を個別に検出する異常検出部と、該異常検出部で前記気体燃料供給装置の異常を検出したときに、該当する気体燃料供給装置の前記遮断弁を閉状態に制御する気体燃料遮断制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下方吸引式のドワイトロイド(DL)焼結機を用いて、高強度高品質の焼結鉱を製造する焼結機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高炉製銑法の主原料である焼結鉱は、一般に、図12に示すような工程を経て製造される。原料は、鉄鉱石粉、製鉄所内回収粉、焼結鉱篩下粉(返鉱)、石灰石およびドロマイトなどの含CaO系副原料、生石灰等の造粒助剤、コークス粉や無煙炭などである。これらの原料は、ホッパー201・・・の各々から、コンベヤ上に所定の割合で切り出される。切り出した原料は、ドラムミキサー202、ロータリーキルン203等により適量の水を加えて混合し、造粒して、3.0〜6.0mmの平均径を有する擬似粒子である焼結原料とする。一方、整粒した塊鉱石を床敷ホッパー204から切り出して焼結機パレット208のグレート上に床敷層を形成させる。
【0003】
焼結原料は、焼結機上に配置されているサージホッパー205からドラムフィーダー206と切り出しシュート207を介して、無端移動式の焼結機パレット208上の床敷層上に装入され、焼結ベッドともいわれる焼結原料の装入層209を形成する。装入層の厚さ(高さ)は通常400〜800mm前後である。その後、装入層209の上方に設置された点火炉10で、この装入層209の表層中の炭材に点火するとともに、パレット208の下に配設されているウインドボックス211を介して空気を下方に吸引することにより、該装入層中の炭材を順次燃焼させ、このときに発生する燃焼熱によって、前記焼結原料を燃焼、溶融して焼結ケーキを得る。このようにして得た焼結ケーキは、その後、破砕、整粒され、5.0mm以上の塊成物からなる成品焼結鉱として回収される。
【0004】
前記製造プロセスにおいては、まず、点火炉210により装入層表層に点火が行われる。点火された装入層中の炭材は、ウインドボックスにより装入層の上層部から下層部に向かって吸引される空気によって燃焼を続け、その燃焼帯はパレット208の移動につれて次第に下層にかつ前方(下流側)に進行する。この燃焼の進行にともない、装入層中の焼結原料粒子中に含まれる水分は、炭材の燃焼で発生する熱によって気化し、下方に吸引されて、まだ温度が上昇していない下層の焼結原料中に濃縮し湿潤帯を形成する。その水分濃度がある程度以上になると、吸引ガスの流路である原料粒子間の空隙を、水分が埋めるようになり、通気抵抗を増大させる。なお、燃焼帯に発生する焼結化反応に必要な溶融部分も、通気抵抗を高める要因となる。
【0005】
焼結機の生産量(t/hr)は、一般に、焼結生産率(t/hr・m2)×焼結機面積(m2)により決定される。即ち、焼結機の生産量は、焼結機の機幅や機長、原料堆積層の厚さ(装入層厚さ)、焼結原料の嵩密度、焼結(燃焼)時間、歩留などにより変化する。そして、焼結鉱の生産量を増加させるには、装入層の通気性(圧損)を改善して焼結時間を短縮する、あるいは、破砕前の焼結ケーキの冷間強度を高めて歩留を向上することなどが有効であると考えられている。
【0006】
図13は、厚さが600mmの装入層中を移動する燃焼(火炎)前線が、該装入層のパレット上約400mm(装入層表面から200mm)の位置にあるときにおける装入層内の圧損と温度の分布を示したものである。このときの圧損分布は、湿潤帯におけるものが約60%、燃焼・溶融帯におけるものが約40%である。
図14は、焼結鉱の高生産時と低生産時の装入層内の温度分布を示したものである。原料粒子が溶融し始める1200℃以上の温度に保持される時間(以降、「高温域保持時間」と称する)は、低生産の場合にはt1、生産性を重視した高生産の場合にはt2で表されている。高生産の場合、パレットの移動速度を上げるため、高温域保持時間t2が低生産場合のt1と比べて短くなる。高温域保持時間が短くなると、焼成不足となって、焼結鉱の冷間強度の低下を招き、歩留が低下する。したがって、高強度焼結鉱の生産量を上げるためには、短時間の焼結においても、焼結ケーキの強度、即ち焼結鉱の冷間強度を上げて、歩留の維持、向上を図ることができる何らかの手段を講じる必要がある。なお、焼結鉱の冷間強度を表す指標としては、一般に、SI(シャッターインデックス)、TI(タンブラーインデックス)が用いられる。
【0007】
図15(a)は焼結機パレット上の装入層における焼結の進行過程を、図15(b)は装入層内の焼結過程における温度分布(ヒートパターン)を、図15(c)は焼結ケーキの歩留分布を示したものである。図15(b)からわかるように、装入層の上部は下層部に比べて温度が上昇し難く、高温域保持時間も短くなる。そのため、この装入層上部では、燃焼溶融反応(焼結化反応)が不十分となり、焼結ケーキの強度が低くなるため、図15(c)に示すように、歩留が低く、生産性の低下を招く要因となっている。
【0008】
こうした問題点に鑑み、装入層上層部に高温保持を付与するための方法が従来から提案されている。例えば、特許文献1は、装入層に点火後、装入層上に気体燃料を噴射する技術を開示している。しかし、上記技術は、気体燃料(可燃性ガス)の種類が不明であるが、プロパンガス(LPG)や天然ガス(LNG)であるとしても、高濃度のガスを使用している。しかも、可燃性ガスの吹き込みに際し、炭材量を削減していないため、焼結層内が、1380℃を超える高温となる。そのため、この技術では、十分な冷間強度の向上や歩留の改善効果を享受できていない。しかも、点火炉直後に可燃性ガスを噴射した場合には、可燃性ガスの燃焼により焼結ベッド上部空間で火災を起こす危険が高く、現実性に乏しい技術であって、実用化には至っていない。
【0009】
また、特許文献2も、装入層に点火後、装入層に吸引される空気中に可燃性ガスを添加する技術を開示している。点火後、約1〜10分程度の供給が好ましいとされているが、点火炉での点火直後の表層部は、赤熱状態の焼結鉱が残存しており、供給の仕方によっては可燃性ガスの燃焼により火災を起こす危険が高く、また、具体的記述は少ないが、焼結済みの焼結帯で可燃ガスを燃焼させても効果は無く、焼結帯で燃焼すると、燃焼ガスによる温度上昇と熱膨張により通気性を悪化させるため、生産性を低減させてしまう傾向にあるので、これまで実用化には至っていない。また、この技術にしても可燃性ガスの吹き込みに際し、炭材量を削減していないため、焼結層内が1380℃を超える高温となる。そのため、十分な冷間強度の向上や歩留りの改善効果を享受できていない。さらに、得られる焼結鉱も被還元性の悪い焼結鉱となる。
【0010】
また、特許文献3は、焼結原料の装入層内を高温にするため、装入層の上にフードを配設し、そのフードを通じて空気やコークス炉ガスとの混合ガスを点火炉直後の位置で吹き込むことを開示している。しかし、この技術も、焼結層内の燃焼溶融帯の温度が1380℃を超える高温となるため、コークス炉ガス吹き込みの効果を享受できないとともに、可燃性混合ガスが焼結ベッド上部空間で発火し、火災を起こす危険性があり、実用化されていない。
【0011】
さらに、特許文献4は、低融点溶剤と炭材や可燃性ガスを同時に、点火炉直後の位置で吹き込む方法を開示している。しかし、この方法もまた、表面に火炎が残留した状態で可燃性ガスを吹き込むため、焼結ベッド上部空間で火災になる危険性が高く、また、焼結帯の幅を十分に厚くできない(約15mm未満)ため、可燃性ガス吹き込みの効果を十分に発現することができない。さらに、低融点溶剤が多く存在するため、上層部において過剰な溶融現象を引き起こして、空気の流路となる気孔を閉塞してしまい、通気性を悪化させて、生産性の低下を招くことから、この技術もまた、現在に至るまで実用化されていない。
【0012】
以上説明したように、これまで提案された従来技術は、いずれも実用化されておらず、実施可能な可燃性ガス吹込み技術の開発が切望されていた。
上記問題点を解決する技術として、本出願人は、特許文献5において、焼結機のパレット上に大切させた焼結原料の装入層の上から燃焼下限濃度以下に希釈した各種気体燃料を供給して装入層中に導入し、燃焼させることにより、装入層内の最高到達温度および高温域保持時間の何れか一方又は双方を調整する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開昭48−18102号公報
【特許文献2】特公昭46−27126号公報
【特許文献3】特開昭55−18585号公報
【特許文献4】特開平5−311257号公報
【特許文献5】WO2007−052776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記特許文献5の技術は、下方吸引式焼結機において、所定の濃度に希釈した気体燃料を装入層中に供給(導入)し、装入層内の目標とする位置で燃焼させる気体燃料供給を行うことにより、焼結原料の燃焼時の最高到達温度や高温域保持時間を適正に制御することができ、ひいては、熱量不足で焼結鉱の冷間強度が低くなりやすい装入層上層部のみならず、装入層中層部以下の任意の部分における焼結鉱強度を高めるような操業を行うことができる。
【0015】
しかし、上記気体燃料供給焼結操業を行う場合、焼結ベッドや焼結ケーキのひび割れ部などの高温部が火種となって気体燃料に逆火し、気体燃料が燃焼する(着火)おそれがある。このような引火状態で焼結操業を続けると(爆発の問題は別として)、気体燃料を装入層内に供給できなくなるばかりでなく、気体燃料の燃焼によって酸素が消費された酸素不足の大気が装入層中に供給(導入)されることになる。その結果、燃焼時の最高到達温度や高温域保持時間を制御できなくなるばかりでなく、燃焼不足を起こして、焼結鉱の強度低下を招き、歩留りや生産性を低下させるため、焼結操業に重大な悪影響を及ぼすことになる。
【0016】
そこで、本発明は上記従来例の課題に着目してなされたものであり、下方吸引式の焼結機において、高強度高品質の焼結鉱を、高歩留りでかつ安全に製造することができる焼結機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明に係る焼結機は、循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する原料供給装置と、前記装入層の炭材に点火するための点火炉と、前記パレットの下方に配設したウインドボックスと、前記点火炉の下流側に配設された、気体燃料を前記装入層の上方の大気中に噴出し、空気と混合させて燃焼下限濃度以下の希釈気体燃料とする複数の気体燃料供給装置とを備え、前記各気体燃料供給装置は、気体供給フード内に配設した前記気体燃料を供給する複数本の気体燃料供給配管と、各気体燃料供給配管に対する気体燃料の供給を遮断する遮断弁とを備え、前記複数の気体燃料供給装置の異常を個別に検出する異常検出部と、該異常検出部で前記気体燃料供給装置の異常を検出したときに、該当する気体燃料供給装置の前記遮断弁を閉状態に制御する気体燃料遮断制御部とを有することを特徴としている。
【0018】
また、請求項2に係る焼結機は、請求項1に係る発明において、前記異常検出部は、少なくとも前記気体供給フード内の希釈気体燃料濃度を測定する濃度計、前記気体供給フード内の火炎を検出する火炎検出器、前記気体供給フード内の圧力を検出する圧力検出器、前記気体燃料供給配管に供給する気体燃料の供給系統の圧力異常を検出する気体燃料供給異常検出器、および前記ウインドボックスに接続された排風系統の異常を検出する排風系統異常検出器の少なくとも一つを備えていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項3に係る焼結機は、請求項1又は2に係る発明において、前記各気体燃料供給装置は、気体燃料供給源の気体燃料供給主配管に接続された気体燃料供給枝配管と、該気体燃料供給枝配管に接続され且つ前記各気体燃料供給配管が並列に接続された気体燃料分岐部とを備え、前記気体燃料供給枝配管に前記遮断弁が介挿されていることを特徴としている。
【0020】
また、請求項4に係る焼結機は、請求項1乃至3の何れか1つに係る発明において、前記各気体燃料供給装置の各気体燃料供給配管は、個別に流量計および流量制御弁が介挿されていることを特徴としている。
また、請求項5に係る焼結機は、請求項3に係る発明において、前記各気体燃料供給装置は、前記気体燃料主配管に流量計および流量制御弁が介挿されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、下方吸引式焼結機において、点火炉の下流側で、装入層の上方で気体燃料を噴射して空気と混合して希釈気体燃料とし、この希釈気体燃料を装入層内に導入させる気体燃料供給装置を複数直列に配置し、各気体燃料供給装置は、気体供給フード内に配設した前記気体燃料を供給する複数本の気体燃料供給配管と、各気体燃料供給配管に供給する気体燃料を遮断する遮断弁とを備え、異常検出部で気体燃料供給装置の気体燃料供給系統異常、排風系統異常等の異常を検出したときに、該当する気体燃料供給装置の遮断弁を閉状態に制御するようにしたので、異常発生時に直ちに該当する気体燃料供給装置内の気体燃料の供給を停止することができ、安全操業を確保することができるという効果が得られる。
【0022】
また、各気体燃料供給装置は、少なくとも気体燃料供給配管に流量計および流量制御弁で構成される流量制御部を設けることにより、各気体燃料供給配管を通じて供給する気体燃料の流量を適正に制御することができ、気体供給フード内で均一な希釈気体燃料を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】気体燃料供給装置の概略構成図である。
【図3】気体燃料供給装置の搬送方向と直交する方向の断面図である。
【図4】気体燃料供給装置の気体燃料噴射状態を示す説明図である。
【図5】気体燃料の吐出速度、ノズル径が希釈気体燃料の濃度分布に及ぼす影響を示すグラフである。
【図6】焼結ケーキへの気体燃料供給位置の影響を調べる実験を説明する図である。
【図7】気体供給フードの焼結機パレット搬送方向のシール機構を示す図である。
【図8】保温炉、気体燃料供給装置への気体燃料の供給系統を示す図である。
【図9】気体燃料供給源の気体燃料供給系統を示す図である。
【図10】制御装置を示すブロック図である。
【図11】制御装置で実行する異常制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】従来の焼結プロセスを説明する図である。
【図13】焼結層内における圧損と温度分布を説明する図である。
【図14】高生産時と低生産時の温度分布を比較した説明図である。
【図15】焼結機内における温度分布と歩留分布のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の焼結機を示す概略構成図であって、焼結原料生成部1で焼結原料が生成される。この焼結原料生成部1では、二つの無煙炭ホッパー1aとコークスホッパー1bから切り出しされた無煙炭又はコースがベルトコンベヤCV1によってロッドミル1cに供給されて、所定の粒度に粉砕された後、配合槽となるコークスホッパー1dおよび無煙炭ホッパー1eに貯留される。一方、図示しないベッティングヤードからベルトコンベヤCV2によって搬送されてくる鉄鉱石粉が配合槽としての複数の鉄鉱石粉ホッパー1fに貯留されるとともに、同様にベッティングヤードからベルトコンベヤCV2によって搬送されてくる石灰および生石灰が配合槽としての石灰ホッパー1gおよび生石灰ホッパー1hに貯留され、さらに後述する整粒部17で篩い分けされた例えば5mm未満の焼結鉱が返鉱として配合槽としての返鉱ホッパー1iに貯留される。
【0025】
そして、各ホッパー1d〜1iから予め設定された切り出し量で定量切り出されて配合され、ベルトコンベヤCV3でドラムミキサー2aおよび2bで混合・造粒されて擬似粒子状に調整される。この擬似粒子状に調整された焼結原料および後述する整粒部17で篩い分けされた例えば8mm〜15mmの焼結鉱を床敷鉱として焼結部3に送る。
この焼結部3では、焼結原料生成部1で生成された焼結原料をサージホッパー4に貯留するとともに、後述する整粒部17で篩い分けされた例えば8mm〜15mmの焼結鉱を床敷鉱として床敷ホッパー5に貯留する。
【0026】
これらサージホッパー4および床敷ホッパー5は床敷ホッパー5をサージホッパー4より上流側となるように無端移動式の焼結機パレット6の上方に配置されている。
そして、床敷ホッパー5から切り出された床敷鉱を焼結機パレット6のグレート上に床敷層を形成し、この床敷層上にサージホッパー4からドラムフィーダー7によって定量切り出した焼結原料を充填装入して、図2に示すように、焼結ベッドとも言われる400〜800mm程度の厚さ(高さ)の装入層8を形成する。ここで、サージホッパー4及び床敷ホッパー5及びドラムフィーダー7とで原料供給装置が構成されている。
【0027】
そして、形成された装入層8は、点火炉10で表層部の炭材に点火されて、焼結機パレット6の搬送とともに燃焼・溶融帯が下方に下がり、この燃焼・溶融帯上に焼結ケーキが形成される。そして、点火炉10の下流側に保温炉11および複数例えば3台の気体燃料供給装置12a〜12cが配設され、気体燃料供給装置12a〜12cによって燃焼・溶融帯の拡幅が行われるとともに、高温域保持時間が長くされて、良好な焼結鉱の焼成を行うことができる。ここで、保温炉11は、焼結鉱用クーラーの高温排ガスが吹込まれ、点火炉10で点火された装入層8を予熱するために設けられているが、後述するように気体燃料供給装置としての機能も有する。
【0028】
この焼結部3で焼成された焼結ケーキは焼結機パレット6から排鉱され、クーラー16で冷却され、そして整粒部17に受け渡される。
整粒部17では、冷却された焼結ケーキを目開き50mm程度の篩い18で篩い分けし、篩い上の焼結鉱を破砕機19で例えば40mm以下に破砕し、破砕された焼結鉱および篩い下の50mm未満の焼結鉱を例えば目開き15mmの篩い20で篩い分けし、15mm以上の焼結鉱を成品焼結鉱として図示しない高炉に供給する。篩い下の15mm未満の焼結鉱は、目開き8mm程度の篩い21で篩い分けし、8mm以上の焼結鉱の一部を床敷鉱として床敷ホッパー5に戻す。
【0029】
また、装入層8が形成された焼結機パレット6の下側では、焼結機パレット6の搬送方向に沿って複数個のウインドボックス(風箱)25が配設され、これらウインドボックス25が主排気ダクト26を介して乾式の電気集塵機27に接続され、この電気集塵機27の出側に主排風装置28が接続されている。
この主排風装置28の出側から排出される排ガスは、熱交換機29および30、SOxを始めとする硫黄化合物を除去する脱硫処理を行う吸収塔31、湿式集塵機32、ブースター33および34、加熱炉35および反応器36等を有する排ガス処理部37で排ガス処理されて煙突38に排出される。
【0030】
焼結機パレット6の装入層8の上部に配設された点火炉10には、製鉄所内のコークス炉で発生する所謂Cガスと称されるコークス炉ガスが供給されており、このコークス炉ガスを燃焼させることにより、装入層8の表層中の炭材に点火する。
この点火炉10の下流側に配設された保温炉11および気体燃料供給装置12a〜12cには、後述する気体燃料供給源60から気体燃料が供給される。
【0031】
この気体燃料供給装置12a〜12cのそれぞれは、図2に示すように、点火炉10の下流側且つ燃焼・溶融帯が装入層8中を進行する過程におけるパレット進行方向の何れかの位置に一つ以上配設され、装入層8中への気体燃料の供給は、装入層8中の炭材への点火後の位置で行われるのが好ましい。
この気体燃料供給装置12a〜12cは、点火炉10の下流側で、燃焼前線が表層下に進行した以降の任意の位置に一つ又は複数個配設されるものであり、目標とする製品焼結鉱の冷間強度および被還元性を調整する観点から、大きさ、位置、配置数が後述するように決められる。
【0032】
この気体燃料供給装置12a〜12cは、図2および図3に示すように、焼結機パレット6の上部を覆う気体供給フード41で、気体供給フード41外に気体燃料が漏洩しないように囲われている。この気体供給フード41は、焼結機パレット6の搬送方向と直交して延長する前後ウォール41aと、焼結機パレット6の搬送方向に沿う左右ウォール41bとで構成され、上部に開口41cが形成されている。
【0033】
気体供給フード41内には、図3に示すように、その前後ウォール41a間に焼結機パレット6の搬送方向に沿って延長し、頂点を上方とする断面く字状の邪魔板42を焼結機パレット6の搬送方向と直交する幅方向に所定ピッチpを保って所定本数平行に配設した構成を有する邪魔板列43を配して、吸引され邪魔板列43間を通じて通過する空気と、後述する気体燃料噴射ノズル46から供給される気体燃料との混合を図り、気体燃料を希釈できるようになっている。本例では、邪魔板列43は上下方向に3列配置し、上下方向に隣接する邪魔板列43間で、一方の邪魔板列43の邪魔板42間に他方の邪魔板列43の邪魔板42が位置するように配設されている。
【0034】
また、最下段の邪魔板列43の下側における邪魔板42間に焼結機パレット6の搬送方向に延長し、搬送方向と直交する幅方向に所定間隔を保ち且つ装入層8の表面から例えば500mmの高さ位置に例えば7本の気体燃料供給配管45が配設されている。
この気体燃料供給配管45に供給する気体燃料としては、プロパンガス、水素ガス、メタンガス、一酸化炭酸ガス(CO)、コークス炉ガス(Cガス)、液化天然ガス、高炉ガス(Bガス)、高炉・コークス炉混合ガス(Mガス)、都市ガスまたはこれらの混合ガスの何れかを適用することができる。
【0035】
これ気体燃料は、いずれも燃焼成分を含有しており、これらの気体燃料のいずれかを空気中に高速で吐出させて空気と混合して希釈し、燃焼下限濃度の75%程度以下の希釈気体燃料として装入層8中に供給(導入)する。
ここで、上記気体燃料中のプロパンガス、水素ガス、メタンガス、炭酸ガス、コークス炉ガス、LNG、高炉ガスについての性状を下記表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
本実施形態では、気体燃料としてLNGを適用している。
各気体燃料供給配管45の内、幅方向の両端の気体燃料供給配管45については内側向きに気体燃料噴射ノズル46が配設され、残りの気体燃料供給配管45については隣接する気体燃料供給配管45に対向する対称位置に焼結機パレット6の搬送方向に所定ピッチで所定数の気体燃料を水平方向に噴出する噴出口としての気体燃料噴射ノズル46が配設されている。
【0038】
ここで、隣接する気体燃料供給配管45間で、図4に示すように、一方の気体燃料供給配管45の気体燃料噴射ノズル46が他方の気体燃料供給配管45の気体燃料噴射ノズル46間の中央位置に配置されるように隣接する気体燃料供給配管45間で気体燃料噴射ノズル46が焼結機パレット6の搬送方向に千鳥状に配置されている。
このため、隣接する気体燃料供給配管45で水平方向に噴射される気体燃料が互いに干渉することなく、均一に分散されて装入層8上に噴射されて空気と混合されて希釈気体燃料47となる。
【0039】
この希釈気体燃料47は、焼結機パレット6下のウインドボックス25の吸引力を利用して、装入層8の表層に生成した焼結ケーキを経て、装入層の深部(下層)にまで導入される。
また、上記気体燃料供給装置12a〜12cのそれぞれは、気体燃料を、装入層8の上方で、大気中に高速で吐出させ、それによって周囲の空気と短時間で混合し、その気体燃料の燃焼下限濃度以下の濃度に希釈し、その後、装入層中にその希釈気体燃料を導入する必要がある。
【0040】
また、本発明では、上記気体燃料供給装置12a〜12cにより、気体燃料を、装入層8の上方で、大気中に高速で吐出させ、それによって周囲の空気と短時間で混合し、その気体燃料が有する燃焼下限濃度以下の濃度に希釈し、その後、装入層中にその希釈気体燃料47を導入する必要がある理由は、下記による。
【0041】
図5(a)に示したように、内径300mmφ×高さ400mmの焼結鍋に焼結ケーキを充填し、その焼結ケーキの中央部の上から深さ90mmの位置にノズルを埋め込んで、対空気で1vol%となるよう100%濃度のメタンガスを吹き込み、焼結ケーキ内の円周方向および深さ方向におけるメタンガス濃度を測定した結果を表4に示した。一方、図5(b)に示したように、同じノズルを用いて、焼結ケーキの上方350mmの位置からメタンガスを供給した場合について、上記と同様にしてメタンガス濃度の分布を測定した結果を表2および表3に示した。これらの結果から、メタンガスを焼結ケーキ中に直接導入した場合には、メタンガスの横方向の拡散が不十分であるのに対して、メタンガスを焼結ケーキ上方で供給した場合には、焼結ケーキ内のメタンガス濃度はほぼ均一であり、十分に横方向に拡散していることがわかる。以上の結果から、気体燃料は、焼結ケーキの上方で空気中に供給することにより、装入層内に導入される前に、均一に希釈しておくことが好ましいことがわかる。
【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
なお、上記気体燃料供給装置12a〜12cでの気体燃料の吐出は、装入層表面上方300mm以上の高さで行うことが好ましい。図6は、ノズル径が2mmφと1mmφの2種類のノズルからメタンガス(濃度:100%)を流速20〜300m/sの範囲で変化させて鉛直下方方向に吐出した時の、メタンガスの拡がりを測定した結果であり、ノズル先端から0.2m、0.4m、0.6mおよび0.8mの位置での拡がりを示したものである。これらの図から、ノズルの径は小さいほど、また、吐出させる気体燃料の速度は速いほど、周囲の空気との混合が起こりやすく希釈が促進されること、特に、増速による希釈促進効果は、ノズル先端からの距離が0.4mで大きくなっていることがわかる。そこで、本発明は、この結果と、吐出された気体燃料の装入層表面における跳ね返りを考慮し、気体燃料の大気中への供給は、装入層表面上方300mm以上の高さで行うこととする。
【0045】
次に、本発明においては、気体燃料供給装置12a〜12cの気体燃料供給配管45に設けられた気体燃料噴射ノズル46からの気体燃料の吐出速度は、逆火を防止する観点から高速で吐出させる必要があり、具体的には、その気体燃料の燃焼速度の2倍以上の速度、より好ましくは、その気体燃料の乱流燃焼速度の2倍以上の速度で吐出させることが望ましい。すなわち、本発明の焼結操業においては、焼結機パレット内に燃焼・溶融帯を形成する、あるいは形成しつつある焼結層が存在し、常に火種を有する状態において、装入層8の上方で、気体燃料の吐出操作が行われる。上記気体燃料は、装入層表層に吸引・導入される段階までに、希釈されて大気中での燃焼下限濃度以下となっているが、逆火の可能性が常に付きまとうことになる。そこで、気体燃料側に着火しても、逆火しないようにするために、気体燃料の吐出速度は、その気体燃料が有する燃焼速度の2倍以上、より好ましくは、乱流燃焼速度の2倍以上の速度で吐出させるのが望ましい。
【0046】
上記気体燃料の吐出速度を得るためには、気体燃料噴射ノズル46からの気体燃料の吐出圧力を、雰囲気圧力に対して300mmAq以上40000mmAq未満とすることが好ましい。
また、気体燃料を吐出させる配管と開口部が同一形状である場合、一般的に、燃料を供給元ヘッダーに近いほど、燃料が出やすく、遠くなるほど燃料が出にくくなる。そこで、長尺の配管を使用する場合には、
(a)配管内の断面積を徐々に小さくしたテーパー状配管を用いる
(b)燃料供給元ヘッダーより遠ざかるほど、開口断面積を大きくする
(c)燃料供給元ヘッダーより遠ざかるほど、開口部やノズルのピッチを狭め、単位配管長さ当りの開口部ないしノズル断面積の和が大きくする、
のいずれか1つを適用するか、これらを組み合わせて適用することにより、配管長さが長い場合でも、均等に燃料を供給することができる。
【0047】
次に、本発明の気体燃料供給装置の横風対策について説明する。
本発明では、前述したように、焼結機パレット6の上部を覆うフード41を設けている。このフード41によって横風による希釈気体燃料の濃度分布に与える影響を抑制するようにしている。すなわち、本発明者等は、種々の検討を行った結果、フード41の設置は、横風対策として、衝立以上の効果があることが分かった。但し、このフード41は前述したように、上方に開口41cを有するか又は適当な透過率(空隙率)を有するものとし、この部分から、大気を取り入れることができる構造とする必要がある。
【0048】
これにより、フード41内部で、気体燃料噴射ノズル46から噴射されたコークス炉ガスと大気とが混合される。
さらに、フード41の焼結機パレット6の搬送方向に沿う左右のサイドウォール17bの上端に、図3に示すように、透過率30%程度のパンチメタル等で構成される横風減衰フェンス41eを設けることが好ましい。
【0049】
また、フード41の下側と、焼結ベッド表面(装入層表面)との間には、必然的に間隙が生じるが、この間隙部分のシールが十分でないと、例えば、透過率が20〜30%あると、この部分からフード41内部に空気を巻き込み、希釈気体燃料の濃度分布の偏りを増大させることが分かった。したがって、フード41の下端からの空気の侵入を防止することは重要である。
【0050】
このため、フード41の焼結機パレット6の搬送方向に沿う左右ウォール41bの下端とパレットサイドウォール6aとの間には、図3に模式的に示すように焼結機パレット6の搬送方向に延長するワイヤーブラシ間にシールシートを介挿したワイプレシール48が設置され、その外側にワイプレシール48を外側から覆うカバー49が設けられている。なお、シール材としてはワイプレシール48に限らず、チェーンカーテン、シールブラシ、密着シール等のシール材を適用することができる。また、上記シール材は、耐熱性があり、且つ、可撓性ないし変形の自由度が大きく、装入層8の表面を傷つけないものであることが好ましい。
【0051】
一方、焼結機パレット6の搬送方向の上流側および下流側でのフード41の前後ウォール41aおよび左右ウォール41bの下端と装入層8の表面との間では、図7に示すようなフード41の前後ウォール41aに沿って空気通路171を配設し、この空気通路171の下方から空気を噴出させてエアカーテン172を形成することが好ましい。
また、気体燃料供給装置12a〜12cの設置位置、大きさ、配置数は以下のようにして設定される。
【0052】
すなわち、装入層8中の炭材に点火された後に、希釈気体燃料47を装入層8上へ供給(導入)する。その理由は、点火直後の位置で希釈気体燃料47を供給しても、装入層8の表層上で燃焼するだけであり、希釈気体燃料47が燃焼層に何ら影響を与えることはないからである。したがって、装入層8の上部の焼結原料が焼成されて、焼結ケーキの層が形成された後に、希釈気体燃料47を装入層8へ供給する必要がある。なお、希釈気体燃料47の供給は、装入層8の表面に焼結ケーキの層が形成されていれば、焼結が完了するまでの任意の位置で行うことができる。希釈気体燃料47の供給を焼結ケーキの層が形成された後に行う上記以外の理由は、下記の通りである。
(a)装入層8の上部に焼結ケーキ(焼結層)が生成していない状態で希釈気体燃料47の供給を行うと、この装入層8の上で燃焼を起こす可能性がある。
(b)希釈気体燃料の供給は、焼結鉱の歩留りを向上させる必要のある部分に対して行う、即ち、焼結鉱の強度を上昇させたい部分で燃焼を起こすよう供給するのが好ましい。
【0053】
希釈気体燃料47の装入層8の上方側で燃焼しないようにするには、装入層8の表層部に点火炉10による着火後、着火して焼結ケーキが表面に生成された後は、装入層8の表層部分に火種が無く逆火(引火)の確率は低くなる。この焼結ケーキは前述した図15(a)に示すように、焼結機パレット6が点火炉10から下流側に移動するに応じて厚みが厚くなることから、焼結ケーキの装入層8の表面からの厚みが20mm以上となると逆火を生じる可能性が十分に低く、焼結ケーキの厚みが50mm以上となると逆火を確実に防止することができる。
【0054】
このように、焼結ケーキの厚みが20mm以上、好ましくは50mm以上となる希釈気体燃料の好適な吹込み位置は、点火炉10から下流側に5〜6mの位置となり、この位置に最初の気体燃料供給装置12aを配設する。複数の気体燃料供給装置12a〜12cを配設する場合には、最初の気体燃料供給装置12aの下流側であれば、装入層8の表面に火種が全くないので、任意の位置に気体燃料供給装置12b,12cを設けることができ、本実施形態では3台の気体燃料供給装置12a〜12cが焼結機パレット6の搬送方向に沿って直列に配設されている。
【0055】
また、装入層8の最高筒体温度又は高温領域保持時間の何れか又は両方を調整するために、燃焼・溶融帯の厚みが少なくとも15mm以上、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上となった状態において、希釈気体燃料47の供給を行うことが好ましい。燃焼・溶融帯の厚みが15mm未満では、焼結ケーキ(焼結層)を通して吸引される空気と希釈気体燃料47による冷却効果によって、希釈気体燃料47を燃焼させてもその効果が不十分となり、燃焼・溶融帯の厚みの拡大を図れないからである。
【0056】
一方、前記燃焼・溶融帯の厚みが15mm以上、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上となる段階で希釈気体燃料47を供給すると、燃焼・溶融帯の厚みが大きく拡大し、高温域保持時間を延長することができ、ひいては冷間強度の高い焼結鉱を得ることができる。
また、希釈気体燃料47の装入層8への導入は、燃焼前線が表層下に下がり、燃焼・溶融帯が表層から100mm以上、好ましくは200mm以上下がった位置、すなわち、装入層8の中・下層に生成した焼結ケーキ領域(焼結層)を燃焼することなく通過し、燃焼前線が表層から100mm以上移動した段階で燃焼するように供給するのが好ましい。その理由は、燃焼前線が表層から100mm以上下がった位置であれば、焼結層を通して吸引される空気による冷却の悪影響が軽減され、燃焼・溶融帯の厚みの拡大を図ることができるからである。さらに、燃焼・溶融帯が表層から200mm以上下がった位置であれば、空気による冷却の影響が略解消されて、燃焼・溶融帯の厚みを30mm以上に拡大することができる。また、希釈気体燃料47の供給は、歩留り低下の大きいパレット幅方向両炭部のサイドウォール近傍で行うことがより好ましい。
【0057】
なお、気体燃料供給装置12aは、焼結機の規模にもよって異なるが、例えば、生産量が約1.5万t/日で、機長が90mの規模の焼結機では、点火炉10の下流側約5m以降の位置に配置することが好ましい。
本発明では、装入層中への希釈気体燃料47の導入は、生成した焼結ケーキの再加熱を促進するものであることも意味している。即ち、この希釈気体燃料の供給は、もともと高温域保持時間が短く熱不足となりやすく、焼結鉱の冷間強度が低い部分に対して、固体燃料に比べて反応性の高い気体燃料を供給することによって、不足しやすいこの部分の燃焼熱を補填し、燃焼・溶融帯の再生−拡大を図るという意義を担うものだからである。
【0058】
また、本発明では、点火後の装入層上部からの希釈気体燃料47の供給は、装入層内する導入された希釈気体燃料47の少なくとも一部が未燃焼のまま、燃焼・溶融帯にまで到達して、燃焼熱の補填を図りたい目標位置で燃焼するようにするのが好ましい。それは、希釈気体燃料の供給、即ち装入層中への導入効果を単に装入層上部のみならず、厚み方向の中央部である燃焼・溶融帯にまで波及させることがより効果的と考えられるからである。つまり、希釈気体燃料47の供給が、熱不足(高温域保持時間の不足)になりやすい装入層の上層部で行われると、十分な燃焼熱を提供することになり、この部分の焼結ケーキの品質を改善することができ、さらに、希釈気体燃料47の供給作用を中層部以下の帯域にまで及ぶようにすると、本来の炭材による燃焼・溶融帯の上に希釈気体燃料47による再燃焼・溶融帯を形成するのと等しい結果となり、燃焼・溶融帯の上下方向の拡幅につながるので、最高到達温度を上げることなく、高温域保持時間の延長を果すことが可能になるので、パレットの移動速度を落すことなく十分な焼結が実現できるからである。その結果、装入層8全体の焼結ケーキの品質改善(冷間強度の向上)をもたらし、ひいては成品焼結鉱の品質(冷間強度)と生産性の向上につながる。
【0059】
また、本発明において、希釈気体燃料47を装入層8中へ導入(供給)するに当っては、その供給位置を調整するだけでなく、燃焼・溶融帯自体の形態を制御し、ひいては、燃焼・溶融帯における最高到達温度および/または高温域保持時間をも制御するようにすることが好ましい構成である。
【0060】
一般に、点火後の装入層8では、焼結機パレット6の移動に伴って燃焼(火炎)前線が次第に下方にかつ前方(下流側)に拡大していく中で、燃焼・溶融帯の位置が前述した図15(a)に示すように変化する。そして、図15(b)に示すように、焼結層内の焼結過程で受ける熱履歴は、上層、中層、下層で異なり、上層〜下層間では、高温域保持時間(約1200℃以上となる時間)は大きく異なる。その結果、パレット6内の位置別焼結鉱の歩留まりは、図15(c)に示すような分布を示す。即ち、表層部(上層部)の歩留は低く、中層、下層部で高い歩留分布となる。そこで、本発明方法に従って、前記希釈気体燃料47を供給すると、燃焼・溶融帯は、上下方向の厚みやパレット進行方向の幅などが拡大し、これが成品焼結鉱の品質向上に反映されるのである。そして、高い歩留分布となる中層部や下層部は、さらに高温域保持時間を制御できるため、歩留をより上昇させることができる。
【0061】
前記希釈気体燃料47の供給(導入)位置を調整することにより、燃焼・溶融帯の形態、即ち、燃焼・溶融帯の高さ方向の厚さおよび/またはパレット進行方向の幅を制御できると共に、最高到達温度や高温域保持時間を制御することができる。これらの制御は、本発明の効果をより一層際立たせて、燃焼・溶融帯の上下方向の厚さやパレット進行方向の幅の拡大や、最高到達温度、高温域保持時間の制御を通じて、常に十分な焼成を果し、成品焼結鉱の冷間強度の向上に有効に寄与する。
【0062】
また、本発明において、装入層8中への希釈気体燃料47の供給(導入)は、成品焼結鉱全体の冷間強度を制御するためであると言うこともできる。すなわち、希釈気体燃料47を供給するそもそもの目的は、焼結ケーキ、ひいては焼結鉱の冷間強度を向上させることにあり、とくに、希釈気体燃料47の供給位置制御や、焼結原料が燃焼・溶融帯に滞在する時間である高温域保持時間の制御、最高到達温度の制御を通じて、焼結鉱の冷間強度(シャッターインデックスSI)を75〜85%程度、好ましくは80%以上、より好ましく90%以上にすることである。
【0063】
この強度レベルは、本発明では、とくに前記希釈気体燃料47の濃度、供給量、供給位置および供給範囲を、好ましく焼結原料中の炭材量を考慮した(投入熱量を一定にする条件下で)上で調整することによって、安価に達成することができる。なお、焼結鉱の冷間強度の向上は、一方で、通気抵抗の増大と生産性の低下を招くことがあるが、本発明では、そうした問題を最高到達温度や高温域保持時間をも制御することによって解消した上で、焼結鉱の冷間強度を向上させる。なお、実機焼結機によって製造された焼結鉱の冷間強度SI値は、鍋試験で得られる値よりもさらに10〜15%高い値を示す。
【0064】
本発明において、パレット進行方向における前記希釈気体燃料47の装入層8中への導入位置は、装入層8中に生成した焼結ケーキから湿潤帯までの間の任意の帯域における焼結鉱の冷間強度をどのようにするかということを基準とする。この制御のために、本発明では、気体燃料噴射装置の規模(大きさ)、数、位置(点火炉からの距離)、ガス濃度を、好ましくは焼結原料中の炭材量(固体燃料)に応じて調整することにより、主として燃焼・溶融帯の大きさ(上下方向の厚さおよびパレット進行方向の幅)のみならず、高温到達温度、高温域保持時間をも制御し、このことによって、装入層8中に生成する焼結ケーキの強度を制御する。
【0065】
下記の表4は、各種気体燃料の燃焼下限濃度と、その気体燃料の吹き込み上限濃度(燃焼下限濃度の75%、60%、25%)を示したものである。
例えば、プロパンガスは、燃焼下限濃度は2.2vol%であるから、75%に希釈したガス濃度上限は1.7vol%、60%に希釈したガス濃度上限は1.3vol%、25%に希釈したガス濃度は0.6vol%のものを用いるということである。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。なお、希釈したガス濃度の下限、即ち、気体燃料供給の効果が顕れる下限濃度は、プロパンガスの場合は0.05vol%である。
好ましい範囲(1): 2.2vol%〜0.05vol%
好ましい範囲(2): 1.7vol%〜0.05vol%
好ましい範囲(3): 1.3vol%〜0.05vol%
好ましい範囲(4): 0.6vol%〜0.05vol%
【0066】
また、Cガスは、燃焼下限濃度は5.0vol%であるから、75%に希釈したガス濃度上限は3.8vol%、60%に希釈したガス濃度上限は3.0vol%、25%に希釈したガス濃度は1.3vol%のものを用いるということである。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。なお、Cガスの場合、気体燃料供給の効果が顕れる下限濃度は0.24vol%である。
好ましい範囲(1): 5.0vol%〜0.24vol%
好ましい範囲(2): 3.8vol%〜0.24vol%
好ましい範囲(3): 3.0vol%〜0.24vol%
好ましい範囲(4): 1.3vol%〜0.24vol%
【0067】
また、LNGガスは、燃焼下限濃度は4.8vol%であるから、75%に希釈したガス濃度上限は3.6vol%、60%に希釈したガス濃度上限は2.9vol%、25%に希釈したガス濃度は1.2vol%のものを用いるということである。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。なお、LNGガスの気体燃料供給の効果が顕れる下限濃度は0.1vol%である。
好ましい範囲(1): 4.8vol%〜0.1vol%
好ましい範囲(2): 3.6vol%〜0.1vol%
好ましい範囲(3): 2.9vol%〜0.1vol%
好ましい範囲(4): 1.2vol%〜0.1vol%
【0068】
また、高炉ガスは、燃焼下限濃度は40.0vol%であるから、75%に希釈したガス濃度上限は30.0vol%、60%に希釈したガス濃度上限は24.0vol%、25%に希釈したガス濃度は10.0vol%のものを用いるということである。したがって、好ましい範囲は以下のようになる。なお、高炉ガスの気体燃料供給の効果が顕れる下限濃度は0.24vol%である。
好ましい範囲(1): 40.0vol%〜1.25vol%
好ましい範囲(2): 30.0vol%〜1.25vol%
好ましい範囲(3): 24.0vol%〜1.25vol%
好ましい範囲(4): 10.0vol%〜1.25vol%
【0069】
【表4】

【0070】
保温炉11については、図8に示すように、気体供給フード11a内に配設された気体燃料供給配管11bが4本に設定されていることを除いては気体燃料供給装置12a〜12cと同様の構成を有する。
そして、保温炉11および各気体燃料供給装置12a〜12cの気体供給フード11aおよび41内の四隅には、図8に示すように、例えばメタンCH4濃度を検出するガス分析計51が気体燃料供給配管45と略同じ高さ位置にそれぞれ配設され、さらに着火検知器52がガス分析計51の下側に配設され、さらにガス分析計51および着火検知器52の中間位置に気体供給フード11aおよび41内の圧力を検出する圧力発信機53が手動弁54を介して配設されている。これらガス分析計51、着火検知器52及び圧力発信機53が異常検出部を構成している。そして、保温炉11および気体燃料供給装置12a〜12cへの気体燃料供給系統は、図8および図9に示すように構成されている。
【0071】
すなわち、気体燃料供給系統は、保温炉11および気体燃料供給装置12a〜12cに気体燃料を供給する気体燃料供給源60と、この気体燃料供給源60から気体燃料が供給される保温炉11および各気体燃料供給装置12a〜12cの近傍に設けられた個別気体燃料供給制御部61および62a〜62cとで構成されている。
気体燃料供給源60には、図8および図9に示すように、LNG又は都市ガスが供給される気体燃料入力部71と、配管内をパージする窒素ガスが供給される窒素ガス入力部72と、後述する自動弁や各ノズルのパージ空気として使用する雑用エアーが供給される雑用エアー入力部73とが設けられている。
【0072】
気体燃料入力部71には、図9に示すように、気体燃料供給主配管74が接続されている。この気体燃料供給主配管74には、気体燃料入力部71の近傍に3つの手動弁75で構成される圧抜き部76が配設されている。また、気体燃料供給主配管74の圧抜き部76の下流側には圧力発信機77、温度計78および電磁流量計79が設けられて、これらによって気体燃料供給主配管74の圧力、温度および流量を測定する。
【0073】
また、気体燃料供給主配管74には、電磁流量計79の下流側に前後に手動弁80,81が配設された流量調節弁82と、遮断弁83、逆止弁84、遮断弁85および火炎が気体燃料供給元へ侵入することを阻止するフレームアレスタ86がその順に配設され、流量調節弁82によって、保温炉11および各気体燃料供給装置12a〜12cの個別気体燃料供給制御部61および62a〜62cで検出した気体燃料供給量の積算値に基づいて気体燃料供給系統全体の気体燃料流量が制御される。そして、逆止弁85およびフレームアレスタ86間に、窒素パージライン98が接続されている。
【0074】
また、窒素ガス入力部72には、図9に示すように、窒素ガス配管90が接続されている。この窒素ガス配管89には、窒素ガス入力部72の近傍に3つの手動弁91で構成される圧抜き部92が配設されている。また、窒素ガス配管90には、圧力計93、遮断弁94、手動弁95、逆止弁96および遮断弁97を介して窒素パージライン98が接続され、この窒素パージライン98が手動弁99を介して気体燃料供給主配管74に接続されている。さらに、ガス抜き部92と圧力計93との間に、手動弁99および100を介して2本の窒素パージライン101および102が接続されている。
【0075】
雑用エアー入力部63には、エアー配管110が接続され、このエアー配管110が手動弁111を介して図示しないが保温炉11および各気体燃料供給装置12a〜12cの各気体燃料噴射ノズル46のパージ空気として供給されるとともに、フィルタ112および手動弁113を介して保温炉11および各気体燃料供給装置12a〜12cに配設されたガス分析計51に供給され、さらに各空気駆動弁に弁駆動用として供給される。
【0076】
そして、気体燃料供給主配管74は保温炉11および各気体燃料供給装置12a〜12cの近傍まで延長され、この気体燃料供給主配管74に保温炉11および各気体燃料供給装置12a〜12cに形成された個別気体燃料供給制御部61および62a〜62cが接続されている。
これら個別気体燃料供給制御部61および62a〜62cのそれぞれは、同一構成を有するので、これらを代表して個別気体燃料供給制御部62cについて図8を用いて説明する。
【0077】
個別気体燃料供給制御部62cは、気体燃料供給源60の気体燃料供給主配管74に接続された気体燃料供給枝配管120を有し、この気体燃料供給枝配管120に手動弁121、空気駆動式の気体燃料用遮断弁122、逆止弁123、空気駆動式の気体燃料用遮断弁124、フレームアレスタ125、圧力発信機126、手動弁127、流量計128、自動調節弁129および手動弁130が介挿されている。そして、気体燃料供給枝配管120の終端が分岐部131に接続されている。圧力発信機126と手動弁127との間および分岐部131の上流側間にバイパス配管132が接続され、このバイパス配管132に手動弁133が介挿されている。ここで、流量計68および自動調節弁69で気体燃料供給装置12cに供給する気体燃料流量を所定値に調整している。
【0078】
分岐部131では、気体燃料供給枝配管120から入力される気体燃料を気体燃料供給装置12cの気体供給フード41内に配設された複数例えば7本の気体燃料供給配管45に気体燃料を等分に分配する。そして、各気体燃料供給配管45には、手動弁134、流量計135、逆止弁136、手動調節弁137、圧力計138および圧力発信機139が介挿され、流量計135で計測した流量が設定流量となるように手動調節弁137を調整するようになっている。なお、分岐部131には、手動弁140を介挿した放散用配管141と、同様に手動弁142を介挿したサンプリング用配管143が接続されている。
【0079】
また、個別気体燃料供給制御部62cには、気体燃料供給源60の窒素パージライン102が圧力計145、空気駆動式の窒素ガス用遮断弁146、手動弁147、逆止弁148、空気駆動式の窒素ガス用遮断弁149を介して気体燃料供給枝配管120のフレームアレスタ125および圧力発信機126間に接続されている。また、気体燃料供給源60の窒素パージライン101は手動弁151、異常時に接続可能なカップリング152および手動弁153を介してバイパス配管132における手動弁133の下流側に接続されている。
【0080】
他の気体燃料供給装置12aおよび12bも上記と同様の気体燃料供給系統とされ、保温炉11については図8に示すように気体供給フード11a内に気体燃料供給配管11bが4本とされていることを除いては気体燃料供給装置12a〜12cと同様の気体燃料供給系統が形成されて、気体燃料供給装置12a〜12cと同様の気体燃料供給装置としての機能を有する。
【0081】
そして、図10に示すように、異常検出部を構成する、保温炉11及び各気体燃料供給装置12a〜12cの気体供給フード41内に配設されたガス分析計51、着火検知器52及び圧力発信器53の各検出値と、気体燃料供給源60の気体燃料供給主配管74の圧力発信機77、温度計78および流量計79の各検出値、各個別気体燃料供給制御部61および62a〜62cの気体燃料供給枝配管120の圧力発信機126、各気体燃料供給配管45に介挿された圧力発信機139の圧力検出値、主排風装置28および昇圧ブースター33,34の回転状態を検出する回転センサ160a〜160cの回転検出信号が、例えばマイクロコンピュータで構成される気体燃料遮断制御部としての制御装置161に供給されている。この制御装置161の出力側には、気体燃料供給主配管74に介挿された遮断弁83,85、各気体燃料供給枝配管120に介挿された遮断弁122,124を駆動制御する遮断弁駆動回路162が接続されている。
【0082】
そして、制御装置161では、図11に示す異常制御処理を実行する。
この異常制御処理は、図11に示すように、先ず、ステップS1で、保温炉11および各気体燃料供給装置12a〜12cに配設されたガス分析計51で検出したガス濃度、着火検知器52、各種圧力発信機の各種検出信号、主排風装置28および昇圧ブースター33及び34の回転センサ160a〜160cの検出値を読込む。
【0083】
次いで、ステップS2に移行して、読込んだ圧力発信機の圧力検出値P1〜Pnのうち個別に設定された圧力上限値P1max〜Pnmaxを超えている圧力検出値が存在するか否かを判定する。この判定結果が、圧力検出値Pi(i=1〜n)が圧力上限値Pimaxを超えているときには、ステップS3に移行して、Pi>Pimaxとなっている圧力発信機が何処の領域すなわち、気体燃料供給源60、個別気体燃料供給制御部61および62a〜62cの何れに存在するかを判別し、該当領域に存在する気体燃料用遮断弁83,85又は122,124を遮断する遮断信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力する。次いで、ステップS4に移行して、該動する領域における窒素ガス用遮断弁94,97又は146,149を所定時間だけ開操作する開操作信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力する。次いでステップS5に移行して異常警報信号を警報装置163に出力してから前記ステップS1に戻る。
【0084】
一方、ステップS2の判定結果が、圧力検出値Piが圧力上限値Pimaxを超える圧力発信機が存在しなかった場合には、ステップS6に移行する。このステップS6では、予め設定した希釈気体燃料濃度閾値を超える希釈気体燃料濃度を検出したガス分析計51が存在するか否かを判定する。この判定結果が、希釈気体燃料濃度閾値を超える希釈気体燃料濃度を検出したガス分析計51が存在する場合には、ステップS7に移行して該当する保温炉11又は気体燃料供給装置12a〜12cの何れかの個別気体燃料供給制御部61、62a〜62cの気体燃料用遮断弁122および124を遮断状態に制御する遮断信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力する。次いでステップS8に移行して該当領域に窒素ガス用遮断弁146及び149を所定時間だけ開操作する開操作信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力してから前記ステップS5に移行する。
【0085】
さらに、前記ステップS6の判定結果が、希釈気体燃料濃度閾値を超える希釈気体燃料濃度を検出したガス分析計51が存在しない場合には、ステップS9に移行して、着火を検知している着火検知器52が存在するか否かを判定し、着火を検知している着火検知器52が存在する場合には、ステップS10に移行して、該当する保温炉11又は気体燃料供給装置12a〜12cの何れかの個別気体燃料供給制御部61、62a〜62cの気体燃料用遮断弁122および124を遮断状態に制御する遮断信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力する。次いで、ステップS11に移行して、該当する個別気体燃料供給制御部61、62a〜62cの窒素ガス用遮断弁146および149を所定時間だけ開操作する開操作信号を遮断弁駆動回路162に出力してから前記ステップS5に移行する。
【0086】
さらにまた、前記ステップS9の判定結果が、着火を検知している着火検知器52が存在しない場合には、ステップS12に移行して、予め設定した内部圧力設定値を超えている圧力検出値の圧力発信機53が存在するか否かを判定する。この判定結果が、内部圧力設定値を超えている圧力検出値を検出した圧力発信機53が存在する場合には、ステップS13に移行して、該当する保温炉11又は気体燃料供給装置12a〜12cの何れかの個別気体燃料供給制御部61、62a〜62cの気体燃料用遮断弁122および124を遮断状態に制御する遮断信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力してから前記ステップS5へ移行する。次いで、ステップS14に移行して、該当する個別気体燃料供給制御部61、62a〜62cの窒素ガス用遮断弁146および149を所定時間だけ開操作する開操作信号を遮断弁駆動回路162に出力してから前記ステップS5に移行する。
【0087】
さらに、ステップS12の判定結果が、内部圧力設定値を超えている圧力検出値の圧力発信機53が存在しない場合には、ステップS15に移行して、主排風装置28の回転センサ160aの回転速度検出値が予め設定した回転速度閾値未満であるか否かを判定し、回転速度検出値が回転速度閾値未満であるときにはステップS16に移行して、前記気体燃料供給源60の気体燃料供給主配管74に介挿された気体燃料用遮断弁83および85を遮断状態とする遮断信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力する。次いで、ステップS17に移行して気体燃料供給源60の窒素ガス用遮断弁94及び97を所定時間だけ開操作する開操作信号を該当する遮断弁駆動回路162へ出力してから前記ステップS5へ移行する。
【0088】
さらにまた、ステップS15の判定結果が、主排風装置28の回転速度検出値が回転速度閾値以上であるときにはステップS18に移行して、昇圧ブースター33および34の回転センサ160bおよび160cの回転速度検出値が回転速度閾値未満であるか否かを判定し、回転検出値が回転数閾値未満であるときには前記ステップS16に移行する。
前記ステップS18の判定結果が、昇圧ブースター33および34の回転センサ160bおよび160cの回転速度が正常であるときには前記ステップS1に戻る。
【0089】
次に、上記実施形態の動作を説明する。
先ず、図1に示すように、床敷ホッパー5から整粒した焼結鉱を切り出して焼結機パレット6のグレート上に床敷層を形成し、この床敷層上にサージホッパー4からドラムフィーダー7で定量切り出しされた焼結原料が装入されて焼結ベッドとも言われる400〜800mm程度の装入層8を形成する。
【0090】
そして、焼結機パレット6の搬送に伴って、点火炉10下に移動された装入層8の表層中の炭材に点火される。
点火後の装入層8では、保温炉11での加熱に伴って、焼結機パレット6の移動に伴って燃焼(火炎)前線が次第に下方にかつ前方(下流側)に拡大していく中で、燃焼・溶融帯の位置が前述した図15(a)に示すように変化する。そして、燃焼・溶融帯の位置が上層から中層に移行する表層から20mm程度に達するときに、焼結機パレット6が最初の気体燃料供給装置12aの位置に達する。
【0091】
この気体燃料供給装置12aでは、焼結機パレット6の上方を覆うフード41内で気体燃料噴射ノズル46によってLNGが水平方向に噴射される。
このとき、この気体燃料噴射ノズル46が図4に示すように、隣接する気体燃料供給配管45の気体燃料噴射ノズル同士が対向しないように隣接する組間で焼結機パレット6の搬送方向に半ピッチずらして配置されているので、隣接する組における気体燃料噴射ノズル46から噴射されるLNGが互いに干渉することなく焼結機パレット6の搬送方向に均一な噴射領域が形成される。
【0092】
噴射された気体燃料は、邪魔板42によって乱流とされた空気と混合されて常温における燃焼下限濃度以下に希釈され、装入層8の上方での燃焼を抑制することができる。
そして、気体燃料噴射ノズル46から噴射され空気で希釈された希釈気体燃料47は、焼結機パレット6の下側に配設された主排風装置28によってウインドボックス25を介して空気を下方に吸引することにより、装入層8内に導入される。
【0093】
装入層8内に導入された希釈気体燃料47は、表層部に生成された焼結ケーキを通過して表面から20mm以上下側の燃焼・溶融帯に達し、この燃焼・溶融層で燃焼される。このため、元々高温域保持時間が短く熱不足となりやすく、焼結鉱の冷間強度が低い上・中層域を1200℃以上の高温域に保持する高温域保持時間を長くすることができ、焼結鉱の冷間強度を向上させることができる。したがって、希釈気体燃料47の吹き込みを行わない場合の図15(c)に示す歩留りの低い上・中層部の歩留りを向上させることができる。
【0094】
このように、希釈気体燃料47の供給作用を中層部以下の領域にまで及ぶようにすると、本来の炭材による燃焼・溶融帯の上に希釈気体燃料47による再燃焼・溶融帯を形成するのと等しい結果となり、燃焼・溶融帯の上下方向の拡幅につながるので、最高到達温度を上げることなく高温域保持時間の延長を果たすことが可能になるので、焼結機パレット6の移動速度を落とすことなく十分な焼結が実現できる。その結果、装入層8全体の焼結ケーキの品質改善(冷間強度の向上)をもたらし、ひいては焼結鉱の品質(冷間強度)と生産性の向上につながる。
【0095】
このとき、正常な焼結操業状態である場合には、保温炉11及び各気体燃料供給装置12a〜12cの気体供給フード11a及び41内での気体燃料噴射ノズル46から噴射された気体燃料が邪魔板列43の各邪魔板42を通って供給される空気と混合されてメタンCH4濃度が燃焼下限濃度の1/3以下に制御されており、メタンCH4濃度の偏りによる高濃度部の発生や、外部へのLNGの漏洩や着火が生じることはない。
【0096】
このため、制御装置161で、図11の気体燃料供給制御処理が実行されたときに、各圧力発信機で検出される圧力検出値Piが個別に設定された圧力上限値Pimaxを超えることはないとともに、保温炉11及び各気体燃料供給装置12a〜12cに配設されたガス分析計51で検出されるメタンCH4濃度も設定値未満となり、着火検知器52で着火状態が検知されず、圧力発信機53で検出される内部圧力も設定範囲内となり、さらに主排風装置28及び昇圧ブースター33,34が正常である状態では、警報装置163で警報が発せられることはなく、各遮断弁は開状態を維持している。
【0097】
このため、個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62cにおいて、流量計128で検出された気体燃料流量が予め設定した設定範囲内となるように流量調節弁129が制御される。これと同時に、各個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62cの流量計128で検出された圧力検出値を積算した値によって気体燃料供給主配管74の気体燃料流量が制御される。
【0098】
また、各個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62cでは、分岐部131によって分岐された気体燃料の流量が流量計135で検出され、この流量計135の流量が設定流量となるように手動調節弁137を手動調整することにより、各気体燃料供給配管45の気体燃料噴射ノズル46から水平方向に噴射される気体燃料吐出量が個別に設定して、気体供給フード11a及び41内の希釈気体燃料47の濃度が偏ることなく均一化することができる。
【0099】
この通常焼結操業状態で、保温炉11及び各気体燃料供給装置12a〜12cの全ての122,124及び気体燃料供給主配管74の遮断弁83,85が開状態に制御されて、各気体燃料供給配管11bおよび46に設けた気体燃料噴射ノズルからLNGが噴射され、これが空気と混合して希釈気体燃料47となり、この希釈気体燃料47がウインドボックス25からの吸引によって装入層8に導入され、焼結・燃焼帯を拡幅し、高温域保持時間の延長を図ることができる。
【0100】
ところが、通常では、装入層8の表層部に焼結ケーキが形成されて、焼結・燃焼帯が装入層8の表面から30mm好ましくは50mm下となった状態で、希釈気体燃料47が装入層8内に導入されるので、装入層8の上面には火種がなく、希釈気体燃料47が燃焼することはないが、何らかの原因で希釈気体燃料47が装入層8の上方側で燃焼することになると、これが着火検知器52で検出される。
【0101】
このため、制御装置161の異常制御処理で、ステップS9からステップS10に移行して、着火が検出された着火検知器52が例えば保温炉11である場合には、この保温炉11の個別気体燃料供給制御部61の気体燃料用遮断弁122および124を遮断する遮断信号を遮断弁駆動回路162に出力する。このため、この遮断弁駆動回路162で、気体燃料用遮断弁122及び124に弁駆動用エアーが供給されて遮断状態となり、保温炉11への気体燃料の供給が直ちに停止される。このため、保温炉11での着火が広がることを確実に防止して暴爆効果を発揮することができる。次いで、ステップS11に移行して、保温炉11の個別気体燃料供給制御部61の窒素ガス用遮断弁146及び149を所定時間だけ開操作する開操作信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力して、窒素ガスを個別気体燃料供給制御部61のフレームアレスタ125の下流側に窒素ガスを供給し、気体燃料供給枝配管120、分岐部131および各気体燃料供給配管45に残留する気体燃料を排出する。
【0102】
同様に、各気体燃料供給装置12a〜12cの何れかに配設された着火検知器52で着火が検知された場合にも、該当する気体燃料供給装置12j(j=a〜c)の個別気体燃料供給制御部62jの気体燃料用遮断弁122及び124が遮断状態とされて、気体燃料供給装置12jへの気体燃料の供給が直ちに停止される。次いで、窒素ガス用遮断弁146および149が所定時間だけ開操作されて気体燃料供給枝配管120、分岐部131および各気体燃料供給配管45に残留する気体燃料が排出される。
【0103】
このように、保温炉11および気体燃料供給装置12a〜12cの個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62cの少なくとも1つの気体燃料用遮断弁122および124を遮断した場合には、ステップS5に移行して、警報装置163に対して警報信号が出力されるので、この警報装置163で警報が発せられて、オペレータに気体燃料の供給が停止されたことを報知することができる。
【0104】
また、保温炉11および気体燃料供給装置12a〜12cの少なくとも1つの気体供給フード11a又は41内に配設された気体燃料供給配管45に破穴が発生したり、個別気体燃料供給制御部61、62a〜62cの流量制御部が故障したり、さらには気体供給フード11a及び41内の一部の気体燃料供給配管45の閉塞による気体燃料の偏流や主排風装置28の回転速度低下による吸い込み空気量の減少などにより、気体供給フード11a又は41内の希釈ガス濃度が増加して、ガス分析計51から出力されるガス濃度が希釈気体燃料濃度閾値を超えたときには、図11の異常制御処理において、ステップS6からステップS7に移行して、該当するガス分析計51が属する個別気体燃料供給制御部61、62a〜62cの何れかに対して気体燃料用遮断弁122および124を遮断状態とする遮断信号を遮断弁駆動回路162に出力して気体燃料用遮断弁122および124を遮断する。次いで、ステップS8に移行して、該当する個別気体燃料供給制御部61の窒素ガス用遮断弁146および149を所定時間だけ開操作する開操作信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力して、窒素ガス用遮断弁146および149を所定時間だけ開操作することにより、気体燃料供給枝配管120、分岐部131および気体燃料供給配管45に残留する気体燃料を排出する。この状態でもステップS5に移行して警報装置163に警報信号が出力され、この警報装置613で警報が発せられる。
【0105】
さらに、保温炉11及び気体燃料供給装置12a〜12cの気体燃料供給配管11b及び45や分岐部131や気体燃料供給枝配管120に閉塞が生じて各部に配設された圧力発信機139、126で検出した圧力検出値Piが圧力上限値Pimaxを超えると、前述した図11の異常制御処理でステップS2からステップS3に移行して、該当する圧力発信機139、126が個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62cの何れに属するかを判別し、該当する個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62cの何れかの遮断弁122および124を遮断する遮断信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力して、該当する個別気体燃料供給制御部での気体燃料の供給を遮断する。その後、ステップS4に移行して、該当する個別気体燃料供給制御部の窒素ガス用遮断弁146及び149を所定時間だけ開操作する開操作信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力して、窒素ガス用遮断弁146および149を所定時間だけ開操作することにより、気体燃料供給枝配管120の遮断弁124の下流側に窒素ガスを供給して、残留する気体燃料を排出する。この状態でもステップS5に移行して警報装置163に警報信号が出力され、この警報装置613で警報が発せられる。
【0106】
さらに、何らかの原因で、気体燃料供給源60の気体燃料供給主配管74の圧力が上昇して圧力発信機77で検出した圧力検出値Piが圧力上限値Pimaxを超えたときにも、前述した図11の異常制御処理において、ステップS2からステップS3に移行して、気体燃料供給源60の遮断弁83及び85を遮断状態とする遮断信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力して、気体燃料用遮断弁83及び84を遮断状態として、各個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62cへの気体燃料の供給を停止する。その後、気体燃料供給源60の窒素ガス用遮断弁94および97を所定時間だけ開操作する開操作信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力して、窒素ガス用遮断弁94および97を所定時間開状態とすることにより、気体燃料供給主配管74の気体燃料用遮断弁85の下流側に窒素ガスを供給して、各個別気体燃料供給制御部61および62a〜62cに残留する気体燃料を全て排出する。この状態となると、警報装置163に警報信号が供給されて警報が発せられる。
【0107】
さらにまた、主排風装置28の回転センサ160aで検出した回転速度が回転速度閾値以下となったときおよび昇圧ブースター33および34の回転センサ160bおよび160cで検出した回転速度が回転速度閾値以下となったときには、図11の異常制御処理において、ステップS15又はステップS18からステップS16に移行して、気体燃料供給源60の気体燃料用遮断弁83及び85を遮断する遮断信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力して、気体燃料用遮断弁83及び85を遮断状態として、各個別気体燃料供給制御部61および62a〜62cへの気体燃料の供給を停止する。次いで、ステップS17に移行して、気体燃料供給源60の窒素ガス用遮断弁94及び97を所定時間だけ開操作する開操作信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力して、窒素ガス用遮断弁94および97を所定時間開状態として窒素ガスを気体燃料供給主配管74の気体燃料用遮断弁85の下流側に窒素ガスを供給して個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62cに残留する気体燃料を排出する。次いで、ステップS5に移行して、警報装置163に対して警報信号を出力して、この警報装置163から警報を発する。
【0108】
このように、本発明によれば、保温炉11及び気体燃料供給装置12a〜12cの気体供給フード11a及び41内の圧力が上昇したり、希釈気体燃料濃度が上昇したりすることにより、気体供給フード11a及び41から気体燃料が外部に漏洩するおそれがある状態となると、該当する個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62cの気体燃料用遮断弁122および124を遮断状態とすることにより、気体供給フード11a及び41内からの気体燃料の漏洩を確実に防止することができる。
【0109】
同様に、保温炉11及び気体燃料供給装置12a〜12cの気体供給フード11a及び41内で気体燃料の着火を着火検知器52で検知した場合も、該当する個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62cの気体燃料用遮断弁122および124を遮断状態とすることにより、気体供給フード11a及び41内からの気体燃料の着火状態が継続されることを確実に防止することができる。
【0110】
さらに、各個別気体燃料供給制御部61及び62a〜62c内の気体燃料供給枝配管120及び気体燃料供給配管45の何れかで配管閉塞による圧力検出値Piの増加が圧力発信機126及び139で検出され、これが圧力上限値Pimaxを超えたときには、該当する個別気体燃料供給制御部61および62a〜62cへの気体燃料の供給が停止されて、配管閉塞による気体供給フード11a及び41内の希釈気体燃料の偏りを未然に防止することができる。
【0111】
なお、上記実施形態においては、保温炉11が設けられている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、保温炉11を省略することができる。また、気体燃料供給装置12a〜12cの数も上記に限定されるものではなく、燃焼・溶融帯への気体燃料の吹込み量に応じて適宜設定することができる。
また、上記実施形態においては、保温炉11及び気体燃料供給装置12a〜12cに供給する気体燃料を同一燃料とした場合ついて説明したが、これに限定されるものではなく、保温炉11及び気体燃料供給装置12a〜12cで個別に異なる気体燃料を供給するようにしてもよい。
【0112】
また、上記実施形態においては、気体燃料としてLNGを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他のプロパンガス、水素ガス、メタンガス、一酸化炭酸ガス(CO)、コークス炉ガス(Cガス)、高炉ガス(Bガス)、高炉・コークス炉混合ガス(Mガス)、都市ガスまたはこれらの混合ガスの何れかを適用することができる。この場合、適用する気体燃料に応じた濃度計を適用すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の技術は、製鉄用、とくに高炉用原料として使われる焼結鉱の製造技術として有用であるが、その他の鉱石塊成化技術としても利用することができる。
【符号の説明】
【0114】
1…焼成原料生成部
2a,2b…ドラムミキサー
3…焼結部
4…サージホッパー
5…床敷ホッパー
6…焼結機パレット
7…ドラムフィーダー
8…装入層
10…点火炉
11…保温炉
11a…気体供給フード
11b…気体燃料供給配管
12a〜12c…気体燃料供給装置
16…焼結機クーラー
17…整流部
25…ウインドボックス
28…主排風装置
33,34…昇圧ブースター
37…排ガス処理部
41…気体供給フード、
42…邪魔板
43…邪魔板列
45…気体燃料配管
46…気体燃料噴射ノズル
47…希釈気体燃料
51…ガス分析計
52…着火検知器
53…圧力発信機
60…気体燃料供給源
61,62a〜62c…個別気体燃料供給制御部
77,126,139…圧力発信機
83,85,122,124…気体燃料用遮断弁
160a〜160c…回転センサ
161…制御装置
162…遮断弁駆動回路
163…警報装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環移動するパレット上に粉鉱石と炭材を含む焼結原料を装入して装入層を形成する原料供給装置と、
前記装入層の炭材に点火するための点火炉と、
前記パレットの下方に配設したウインドボックスと、
前記点火炉の下流側に配設された、気体燃料を前記装入層の上方の大気中に噴出し、空気と混合させて燃焼下限濃度以下の希釈気体燃料とする複数の気体燃料供給装置とを備え、
前記各気体燃料供給装置は、気体供給フード内に配設した前記気体燃料を供給する複数本の気体燃料供給配管と、各気体燃料供給配管に対する気体燃料の供給を遮断する遮断弁とを備え、前記複数の気体燃料供給装置の異常を個別に検出する異常検出部と、該異常検出部で前記気体燃料供給装置の異常を検出したときに、該当する気体燃料供給装置の前記遮断弁を閉状態に制御する気体燃料遮断制御部とを有することを特徴とする焼結機。
【請求項2】
前記異常検出部は、少なくとも前記気体供給フード内の希釈気体燃料濃度を測定する濃度計、前記気体供給フード内の火炎を検出する火炎検出器、前記気体供給フード内の圧力を検出する圧力検出器、前記気体燃料供給配管に供給する気体燃料の供給系統の圧力異常を検出する気体燃料供給異常検出器、および前記ウインドボックスに接続された排風系統の異常を検出する排風系統異常検出器の少なくとも一つを備えていることを特徴とする請求項1に記載の焼結機。
【請求項3】
前記各気体燃料供給装置は、気体燃料供給源の気体燃料供給主配管に接続された気体燃料供給枝配管と、該気体燃料供給枝配管に接続され且つ前記各気体燃料供給配管が並列に接続された気体燃料分岐部とを備え、前記気体燃料供給枝配管に前記遮断弁が介挿されていることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結機。
【請求項4】
前記各気体燃料供給装置の各気体燃料供給配管は、個別に流量計および流量制御弁が介挿されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の焼結機。
【請求項5】
前記各気体燃料供給装置は、前記気体燃料枝配管に流量計および流量調節弁が介挿されていることを特徴とする請求項3に記載の焼結機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−52857(P2011−52857A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199898(P2009−199898)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】