説明

煙道ガス脱硫で使用するための懸濁溶液フィルタシーブバスケット

本発明は、煙道ガス脱硫で使用するための懸濁溶液フィルタシーブバスケット及び懸濁溶液フィルタシーブバスケットを製造する方法に関する。本発明では、懸濁溶液フィルタシーブバスケットが、外側から内側に向かって一貫して拡幅する穴(6a)を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大規模発電所の煙道ガス脱硫(REA:Rauchgasentschwefelung)で使用するための懸濁溶液フィルタシーブバスケット(Suspensionsloesungsfiltersiebkorb)及びこの懸濁溶液フィルタシーブバスケットを製造する方法に関する。
【0002】
石炭、石油又は褐炭を用いた発電所の上述のREAは、燃焼プロセスで発生するSOを分離して、SOから大気中でSO、つまり硫酸が形成されてしまうことを防止する。すなわち、硫酸は、雨とともに落下して土壌を酸性化し、ヨーロッパの広い範囲において森林を枯らす原因となった(酸性雨)。
【0003】
REAにおける化学プロセスは、SOを石灰石その他の反応体と結合させて石膏を形成する。その際、多様な化学反応が生じる。化学反応には、典型的には煙道ガスの成分であるか、又はREAの反応体、一般には石灰石とともにプロセスに供給される多数の物質が関与可能である。これらの物質には、フライアッシュ、塩化物、フッ化物、鉱物等が含まれる。
【0004】
大規模発電所におけるREAプロセスの経験から、デポジット(Anbackung)が繰り返しREAの壁や内部部品(管路、ノズル、ビーム等)に形成されてしまうことが判っている。これらのデポジットは、一方では、SOの酸化プロセスの産物であり、他方では、煙道ガスのその他の成分と石灰石との化学プロセスの産物である。これらの堆積物は、しばしば、化学的な結晶化プロセスの産物であり、それゆえ極めて硬く、かつ剛体である。これらの堆積物は、しばしば陶器片又は磁器片の硬度及びちょう度を有しており、しばしば陶器又は磁器の外見を呈している。
【0005】
これらのデポジットは、完全に運転中基層から解離する場合がある。この剥離の原因は、温度変動(熱膨張及び収縮は、堆積物を破壊し、解離する。)又は機械的な力、例えば振動又は圧力衝撃である。その後、これらのデポジットは、スクラバ槽内に落下する。デポジットは、それぞれ異なる大きさ、例えば10mm〜1000mmの直径を有している。
【0006】
これらのデポジット片及び固体は、REAプロセスにおいてかなり有害に働く場合がある。デポジット片及び固体は、REAの部品を損傷させたり、損耗を早めたり、詰まることによりプロセスをかなり妨害したりする場合がある。
【0007】
典型的な損傷及び障害として以下の例が挙げられる。
1. ポンプにおける損傷
ゴム張りされた再循環ポンプにおいて、これらの硬質の、部分的にはそれどころか鋭利な稜を有するデポジット片が、ゴム張りを損傷させ、ひいてはポンプボディの腐食に至らしめる場合がある。
2. 再循環管路における摩耗
再循環管路の内層、例えばゴム張り、GFRP又はポリプロピレンは、懸濁液が上方に噴霧平面に向かって流動するとき、これらの大きな硬い物体により削られ、損耗される。
3. 噴霧平面及び噴霧ノズルの詰まり
大きな塊あるいは粒子は、噴霧平面内で集合してより大きな山を形成する。これは懸濁液よりゆっくりと流れる。十分な数の大きな塊あるいは粒子が集まると、ノズル管がより狭隘な箇所で詰まったり、塊あるいは粒子が噴霧ノズル内で静止して、噴霧ノズルを詰まらせたりすることが起こり得る。
4. 噴霧平面における摩耗
これらのデポジット片は、噴霧ノズルにより、噴霧ノズル下に位置する噴霧平面に向かって放出され、表面に衝突したときに摩耗及び損傷を惹起する。
5. 石膏脱水
石膏脱水プロセスにおいて、これらの塊は、やはり障害となったり、問題となったりする場合がある。
【0008】
それゆえ、発電所は、比較的大きなこれらのデポジット片をREA槽内に保持し、かつこれらのデポジット片が他の構成要素内に達して、そこに損傷又は障害を惹起することを回避することに関心を抱いている。
【0009】
これが、ポンプの上流及び石膏脱水部に通じる出口の上流に設置される懸濁溶液フィルタシーブバスケットの役割である。これらの懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、大きな固体粒子をREA槽内に保持し、この固体粒子が他のプロセスステップに到達して、そこに上述の損傷を引き起こすことを防止する。
【0010】
これらの懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、一般に、20mm〜25mmの穴を備えて製造されており、つまり、これ以上の直径を有するすべての粒子を堰止める。
【0011】
これらのシーブは、最初、高価値の特殊鋼から製造された。このことは、一方では、これらの懸濁溶液フィルタシーブバスケットの調達及び設置が極めてハイコストな投資に至るという結果を示した。他方では、特殊鋼が極めて限定的にのみこれらのデポジットのために適していることを確認せざるを得なかった。
【0012】
こうして、繰り返しこれらの懸濁溶液フィルタシーブバスケットの強い腐食が発生し、懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、交換せざるを得なかった。これらの腐食を回避するために、ますます高合金化された鋼を採用せざるを得なかった(このことはもちろんコストをさらに上昇させる。)。
【0013】
他方、鋼にもデポジットが形成されることを確認せざるを得なかった。懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、時の経過とともに規則的に閉塞される。圧力損失は、増大し、シーブは、オフラインでクリーニングされなければならなかった。
【0014】
GFRPからなるシーブも使用された。この場合も、機能が制限されていることをすぐに確認した。一方では、繰り返しGFRPの損傷が発生して、GFRPの腐食に至らしめ(樹脂からのガラス繊維の剥離)、他方では、落下した大きなデポジットと、ポンプのオン/オフ切換時の急速な圧力変動により繰り返し破損が生じた。GFRPは、この用途のためには不適な材料と判断された。
【0015】
熱可塑性樹脂、好ましくはポリプロピレンは、この用途のために最適であることが判明した。一方では、熱可塑性樹脂は、この環境においても腐食なしであり、他方では、熱可塑性樹脂からなる懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、頑強であり、かつ汚損しづらいことが判った。GFRPで生じるような損傷も、特殊鋼で生じるような堅固なデポジットも発生しなかった。こうして、すべての新しいREAの多数は、ポリプロピレンからなる懸濁溶液フィルタシーブバスケットを装備するようになってきている。
【0016】
REA槽内を支配する温度で、ポリプロピレンは、比較的軟らかく、制限された安定性しか有しない。それゆえ、懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、比較的厚い材料から製造され(20mmのポリプロピレンプレート)、付加的にリブにより補強されなければならない。
【0017】
それにもかかわらず、運転中の懸濁溶液フィルタシーブバスケットの損傷が繰り返される。この損傷の原因は、一般に、デポジット片が懸濁溶液フィルタシーブバスケットの穴内に捕捉されて、填ったままになってしまうことにある。管は、ほぼ又は完全に詰まってしまう。多数の穴が詰まると、圧力損失が増大し、懸濁溶液フィルタシーブバスケットのボディに導入されるポンプ吸い込み力が増大する。いずれ懸濁溶液フィルタシーブバスケットの変形、最終的には破壊に至る。
【0018】
発電所は、もちろん、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの運転を監視して、さし迫った損傷を認識し、事前にこれを回避することに努めている。ポンプの消費電力又はポンプの圧力損失が測定される。消費電力が増大するか、又は圧力損失比が変化すると、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの穴の大部分が目詰まりしていることの示唆となる。
【0019】
内部のオンライン洗浄システムを用いた試験が行われた。しかし、水中ではこれらのクリーニング機構が極めて限定的にのみ使用可能であることが判った。それゆえ、他の方策が模索され、これらの懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、「バックフラッシュ(backflush)」により濯がれる。ポンプは停止され、再循環管路内の液体は、脱水排流部を介して排出されずに、懸濁溶液フィルタシーブバスケットを介して再び槽内に逆流される。この懸濁溶液フィルタシーブバスケットを通る逆流は、懸濁溶液フィルタシーブバスケットを、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの穴内に填るか、又はそれどころか穴に接しているだけで、そこに吸い込み力により保持されているにすぎないデポジット塊から解放する。懸濁溶液フィルタシーブバスケット内のフラップあるいはシーブバスケットカバーは、再循環管路内の25mまでの高さの液柱の降下圧が懸濁溶液フィルタシーブバスケットをその固定部から外してしまうことを防止する。
【0020】
しかし、このバックフラッシュが限定的にのみ一助となることも判った。穴内に填ったデポジットの一部が除去されるにすぎず、デポジットのその他の、時の経過とともに大きくなった塊は、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの穴内に填ったままとなり、点検時に手で除去されなければならない。
【0021】
懸濁溶液フィルタシーブバスケット内に填って固定されたこの種のデポジット片の分析から、このプロセスが穴の構成あるいは製造プロセスと何らかの関連性があることが判明した。従来、これらの穴は、ドリルにより穿孔されていた。これにより、円柱状の穴が形成されていた。
【0022】
しかし、製造技術の正確な分析から、この製造方法が汚損の問題に関してかなりの欠点を伴うことが判った。つまり、穴の穿孔後、プレートは、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの典型的な形状を形成する半円形に曲げられなければならない。半円形は、汚損時のポンプの力に変形なしに耐えるために、比較的軟性の材料に静的な強度を与えるために重要である。
【0023】
半円形へのプレートの変形が、材料の変形に至ることは公知である。プレートの外面は延伸され、半円形の内面は圧縮される。このことは、穿孔により形成された円錐形の穴に関して、穴が円錐形の形状をとることを意味している。懸濁溶液フィルタシーブバスケットの外面における直径は、拡大され、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの内面における直径は、圧縮、つまり縮小される。さらに、穴はもはや円形ではない。
【0024】
穴のこの形状は、使用目的にとって極めて不都合である。穴のこの円錐形の形状は、液体流により固体が、外側の入口より若干小さいために穴内に進入可能であるが、通り抜けるには大きすぎるために穴を内側に向かってもはや通り抜けることができないことを意味する。
【0025】
この状況は、穴内の表面が製造(穴あけ又はフライス削り)により粗面にかつ不規則になることによってさらに悪化する。曲げにより、これらの不規則性はそれどころかさらに強まる。
【0026】
この問題はそれ程重要でないと見えるかもしれない。固体が常にちょうど穴の大きさを有しているかは、一見したところ、幾分不確かなものに見える。
【0027】
しかし、3つの要因を考慮しなければならない。
1. 8,000〜16,000時間の運転
発電所は、理想的には8,000〜16,000時間、障害及び中断なしに運転されることが望ましく、毎時数千立方メートルが懸濁溶液フィルタシーブバスケットを通して引き抜かれる。この長い持続時間にわたって、ちょうどよいサイズの固体がより多数出現することが既に予測され得る。
2. 攪拌機構
槽は、攪拌機構を介して、浮遊物質の沈降及び固化を回避するとともに、SOの酸化を改善するために、永続的に運動状態に維持される。これにより、常時、新しい固体が懸濁溶液フィルタシーブバスケットに運搬される。
3. 成長及び摩耗
この常時の運動中、固体の形状及び大きさも変化する。一方では、摩耗及び腐食により、大きさは減じられ、他方では、固体は、酸化プロセスに基づいて、常時その大きさを成長させる。
【0028】
シーブが時の経過とともにますます詰まることも判っている。上述の「バックフラッシュ」により、詰まりは繰り返し軽減され得るが、時の経過とともにますます軽減の度合は低下する。つまり、「バックフラッシュ」によっては除去し得ない詰まりが発生する。
【0029】
その際に問題となるのは、一般に、穴内に填って固定され、最終の「バックフラッシュ(排流時に再循環管路を空にすること)」によっても懸濁溶液フィルタシーブバスケットから洗い流すことができない固体である。
【0030】
問題は、穴内に填って固定された固体が化学的な結晶化プロセスにより成長を開始することにより尖鋭化される。金属製の懸濁溶液フィルタシーブバスケットにより観察されるゆっくりとした成長は、熱可塑性の懸濁溶液フィルタシーブバスケットにおいては、極めて僅かに発生するにすぎない。しかしながら、固体が穴内に填って固定され、その後、成長すると、穴の閉塞に至る場合がある。
【0031】
本発明の課題は、詰まり及び破壊から特に保護されている懸濁溶液フィルタシーブバスケット及び煙道ガス脱硫を提供することである。特に、再循環管路、ポンプ、噴霧平面、噴霧ノズル及び石膏脱水の部品が大きな固体から解放され、固体により発生する障害及び損傷が防止されることが望ましい。さらに本発明の課題は、改良された懸濁溶液フィルタシーブバスケットを製造する方法を提供することである。
【0032】
この課題は、請求項1及び10に記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット、請求項15に記載の煙道ガス脱硫装置、請求項8に記載の方法により解決される。すなわち、本発明に係る、煙道ガス脱硫で使用するための懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、懸濁溶液の流動方向で拡幅する穴を備えることを特徴とする。好ましい態様において、前記穴は円錐形に拡幅する。好ましい態様において、前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットは半円形又は半楕円形の領域を有しており、該領域に前記穴が配置されている。好ましい態様において、前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、前記穴が配置されているプレートを有しており、該プレートは、曲げられて半円形又は半楕円形を形成している。好ましい態様において、前記プレートは、約15〜20mmの壁厚さを有している。好ましい態様において、前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットはプラスチックを含む。好ましい態様において、前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットは熱可塑性の材料を含む。また、本発明に係る、上述の特徴を備える懸濁溶液フィルタシーブバスケットを製造する方法は、前記半円形又は半楕円形の領域の円形又は半円形の形状を曲げにより形成し、前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットの製造にあたり、前記穴を曲げ前に、該穴が曲げ後にもなお外側から内側に向かって一貫して拡幅した形状を有しているように設けることを特徴とする。好ましい態様において、円錐形の穴を設ける。また、本発明に係る、煙道ガス脱硫で使用するための懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、シーブ体に対するポンプの吸い込み負荷の超過時に作動して、力からの前記シーブ体の負荷軽減を生じる目標破断箇所が、前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットに設けられていることを特徴とする。好ましい態様において、前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットがシーブバスケットカバーを有しており、前記目標破断箇所が作動後、前記シーブバスケットカバーの少なくとも一部の少なくとも部分的な開放を生じる。好ましい態様において、前記懸濁溶液フィルタスクリーンバスケットは、前記シーブバスケットカバーを前記目標破断箇所の作動に基づく開放後前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットに結合したままにする手段を備える。好ましい態様において、前記シーブバスケットカバーが2つの保持結合部を備え、より弱く形成された結合部が前記目標破断箇所として働く。好ましい態様において、シーブバスケット体が、前記シーブバスケットカバーを支持する支持部を備え、該支持部は、所定の負荷の到達時に該支持部が剪断されるように固定されている。さらに、本発明に係る煙道ガス脱硫装置は、懸濁溶液を含む槽と、少なくとも1つの再循環ポンプを備える少なくとも1つの再循環管路と、噴霧ノズルと、石膏脱水部とを備え、懸濁溶液の流動方向で見て前記再循環管路及び石膏脱水プロセスの上流に、上述の特徴を備える少なくとも1つの懸濁溶液フィルタシーブバスケットが設けられていることを特徴とする。
【0033】
本発明に係る煙道ガス脱硫で使用するための懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、懸濁溶液は通流可能であるが、所定の大きさを超える固体は堰止める穴を有している。穴は、外側から内側に向かって一貫して拡幅している。「外側」なる概念は、この関連において、懸濁溶液の流動に面した側を指している。「内側」とは、この関連において、相応に、懸濁溶液の流動に面しない側を指している。
【0034】
この穴の形状(外側から内側への拡幅)は、固体がそもそも穴内に進入することができない(過度に大きい)か、又は外側に位置する穴横断面に一度進入することさえできれば、内方への拡幅に基づいて穴から確実に再離脱することができるかのどちらかとなる。
【0035】
この単純な解決手段により、固体が穴内に固定される危険はかなり軽減されている。固体は、本発明では、穴の外にあって、ポンプの吸い込み力によって保持されるか、又は穴から内方に確実に再離脱することができる。懸濁溶液フィルタシーブバスケットの外面においてそれでも発生する詰まりは、「バックフラッシュ」によって比較的確実に再除去可能である。
【0036】
穴は、好ましくは円形の横断面を有している。その形状は、本態様において、つまり円錐台形、換言すれば円錐形であり、外側に位置する穴直径は、内側に位置する穴直径より小さい。
【0037】
懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、好ましくは、半円形又は半楕円形の形状を有する領域を有している。穴は、好ましくは、この領域に配置されている。この領域は、懸濁溶液フィルタシーブバスケット全体を含んでいてよい。
【0038】
好ましくは、穴が配置されている、好ましくは半円形又は半楕円形に曲げられるプレートが設けられている。
【0039】
プレートは、好ましくは約15〜20mmの壁厚さを有している。
【0040】
好ましくは、懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、プラスチック、特に好ましくは熱可塑性の材料、殊に好ましくはポリプロピレンを含んでいる。
【0041】
本発明の課題は、方法に係る発明において、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの半円形又は半楕円形の領域の円形又は半円形の形状を曲げにより形成し、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの製造にあたり、穴を曲げ前に、穴が曲げ後にもなお外側から内側に向かって一貫して拡幅した形状を有しているように設けることにより解決される。つまり、穴は、最初から拡幅して形成されるが、懸濁溶液フィルタシーブバスケットが組み付けられたときに流動に面しない側、つまり、後に懸濁溶液フィルタシーブバスケットの内面となる側に、拡幅された横断面を備え、かつ懸濁溶液フィルタシーブバスケットが組み付けられたときに流動に面する側、つまり、後に懸濁溶液フィルタシーブバスケットの外面となる側に、より狭隘な横断面を備えて形成されている。次に、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの領域の円形又は半円形の形状は、曲げにより形成される。穴の拡幅した形状は、曲げた後にも穴が外側から内側に向かって顕著に拡幅する形状を有しているように強く形成されている。
【0042】
曲げは、周知の通り、外側に位置する穴横断面が拡幅され、内側に位置する横断面が縮小されることに繋がる。つまり、曲げ前の穴の拡幅した形状は、曲げにより生じる変形を補償し、過補償する。
【0043】
好ましくは、円形の横断面を有する穴、つまり円錐形の穴が設けられる。この場合、外側に位置する穴直径は、内側に位置する穴直径より小さい。
【0044】
穴は、好ましくは穿孔される。穴は、別の方法で設けられてもよい。
【0045】
しかし、この円錐形の穴を備える改良された形態にもかかわらず、運転中のバックフラッシュによってはクリーニングされ得ない詰まりが発生する可能性がある。
【0046】
これには、多数の理由、例えば穴を徐々に閉塞する化学反応や、REAの槽全体を充填する特に多量の固体等がある。これらの場合、ポンプからの逆洗は、もはや、必要なクリーニングの成功には至らない。
【0047】
この場合、2つの危険がある。
1. 懸濁溶液フィルタシーブバスケットの損傷
懸濁溶液フィルタシーブバスケットに作用するポンプの吸い込み力が過度に大きくなると、壁はいつか撓み、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの激しい変形、すなわち全損に至る。
2. ポンプ内のキャビテーション
ポンプは、過度に大きな圧力損失に抗して作業しなければならず、いつかキャビテーションに至る。キャビテーションは、ポンプ内のかなりの損傷に至らしめる場合がある。
【0048】
両者は、回避することが望ましい損傷である。しかし、頻繁に、発電所が何らかの理由から問題に気付かないか、又は問題が認識されているにもかかわらず、優先すべき理由からREAを引き続き運転しなければならない場合がある。
【0049】
本発明の課題は、シーブ体に作用するポンプの吸い込み負荷の超過時に「破断」あるいは「破損」して、力、有利にはポンプの吸い込み負荷からのシーブバスケット体の負荷軽減を生じる目標破断箇所(Sollbruchstelle)が、懸濁溶液フィルタシーブバスケットに設けられていることによっても解決される。
【0050】
「破断」の概念は、本明細書の枠内において、破壊なしの作動とも解される。
【0051】
目標破断箇所は、好ましくは非常安全装置として機能する。目標破断箇所は、好ましくは、懸濁溶液フィルタシーブバスケット及びポンプの上述の過負荷が所定の点までしか上昇し得ないようにしている。この負荷点に到達し、これが超過されると、目標破断箇所は、好ましい態様において「破断」し、状況の打開、すなわち負荷軽減を生じる。
【0052】
有利な態様において、懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、シーブバスケットカバーを有している。シーブバスケットカバーは、好ましい態様において、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの上側に配置されている。目標破断箇所は、破断後、好ましくは、シーブバスケットカバーの少なくとも一部の少なくとも部分的な開放を生じる。好ましくは、目標破断箇所の破断により、シーブバスケットカバー全体が開放、特に好ましくは完全に開放される。
【0053】
好ましくは、シーブバスケットカバーは、最大負荷点に到達したときに衝撃的に開放するように形成されている。
【0054】
有利な態様では、シーブバスケットカバーは、目標破断箇所の破断に基づいて実施された開放後にあっても、懸濁溶液フィルタシーブバスケットに結合されたままであり、それゆえポンプ内に吸い込まれることはない。
【0055】
好ましくは、懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、目標破断箇所の破断後、簡単に初期状態に戻される。つまり、好ましくは、目標破断箇所の破断により、精々簡単に修理可能な損傷が惹起されるにすぎない。
【0056】
目標破断負荷の到達時、シーブバスケットカバーが完全に解離され、その後、全体又は一部がポンプ内に吸い込まれると、ポンプにおける大きな損傷が予測されるか、あるいはポンプは故障してしまう。目標破断箇所の破断により、精々簡単に修理可能な損傷が惹起されるにすぎないように、一方では、目標破断箇所の破断は、好ましくは、シーブバスケットカバーが懸濁溶液フィルタシーブバスケットの内部に引き込まれる(これにより、元々シーブバスケットカバーにより覆われていた面が今度は液体流のために提供される。)一方、好ましくは、シーブバスケットカバーがポンプの吸い込み管体内に進入し得ないように実施される。
【0057】
他方では、好ましくは、目標破断箇所自体が、可及的僅かな時間及びコストで再び初期状態に戻されるか、あるいは修理されなければならない。というのは、目標破断箇所の破断後、手間のかかる修理が生じてしまうと、課題は解決されないからである。
【0058】
目標破断箇所の破断は、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの初期状態の再形成のコストとは別の理由からも問題がある。懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、ポンプ、管路及び噴霧ノズルを詰まり及び損傷から保護するとともに、SO分離を効率的に維持するという機能を有している。懸濁溶液フィルタシーブバスケットのシーブバスケットカバーが目標破断箇所において破断すると、懸濁液はろ過されることなくポンプに流れる。このことはもはや不可避である。
【0059】
しかし、この状況にあっても、懸濁溶液フィルタシーブバスケットを有しない運転(又は破壊された懸濁溶液フィルタシーブバスケットを有する運転)と比べて大きな運転信頼性が存在する。比較的大きな固体は、もちろん、どちらかと言えば槽の下側の部分に自重に基づいて存在する。シーブバスケットカバーは、有利な態様では、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの上側に組み付けられているので、懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、なおも、固体の塊を堰止める格子のように働く。恐らく小さな固体の少量の部分のみが、ポンプに通じる経路を見出す。このことは確かに不都合ではあるが、もはや完全には回避できない。
【0060】
一態様では、シーブバスケットカバーが2つの保持結合部を備え、より弱く形成された結合部が目標破断箇所として働く。目標破断箇所は、所定の剪断応力の到達時に破断し、これによりポンプの吸い込み負荷から懸濁溶液フィルタシーブバスケットを負荷軽減する。シーブバスケットカバーは、好ましくは2つの部分からあるいはカバー及びカバー縁部からなる。カバー及びカバー縁部は、好ましくはリブを介して互いに結合されている。これらのリブは、2つの保持機構あるいは保持結合部、例えば、好ましくは継手の回転軸線を形成する保持ロッドと、破断ピンを備える受けとにより互いに結合されていてよい。破断ピンは、好ましくはねじ、例えばポリプロピレン(PP)からなるねじを有している。破断ピンは、最弱の部材をなしている。破断ピンは、煙道ガス脱硫装置の運転時、剪断応力で負荷され、いつかこの剪断応力が最大負荷を上回ると剪断される。好ましくは、少なくとも1つの別の破断ピンの使用可能性により、目標破断箇所が破断する負荷を設定することができる。他方の結合部、つまり、目標破断箇所の破断後もシーブバスケットカバーを懸濁溶液フィルタシーブバスケットに結合する他方の結合部は、明らかにより安定の構造として、好ましくは鋼インサートにより補強されて形成されている。
【0061】
別の態様では、シーブバスケット体が、シーブバスケットカバーを支持する支持部を備え、支持部は、所定の負荷の到達時に支持部が剪断されるように形成されている。懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、ポンプの吸い込み負荷から負荷軽減される。
【0062】
支持部は、好ましくは、例えばPPねじとして形成されている破断ピンを有している。しかし、本態様では、破断ピンは、シーブバスケット体に組み込まれており、シーブバスケットカバーは、破断ピン上に位置している。これにより、破断ピンは好ましくは剪断負荷されている。負荷が過度に大きくなると、破断ピンはいつか剪断される。その後、シーブバスケットカバーは、懸濁溶液フィルタシーブバスケット内に倒れ、流動方向で見て下流に懸着された状態となる。
【0063】
本発明は、煙道ガス脱硫装置であって、懸濁溶液を含む槽と、少なくとも1つの再循環ポンプを備える少なくとも1つの再循環管路と、噴霧ノズルとを備え、懸濁溶液の流動方向で見て再循環管路の上流に、請求項1から7まで又は請求項10から14までのいずれか1項記載の特徴を備える少なくとも1つの懸濁溶液フィルタシーブバスケットが設けられている煙道ガス脱硫装置も含む。
【0064】
好ましくは、煙道ガス脱硫装置は、石膏脱水も備え、好ましくは、石膏脱水プロセスの上流にも、請求項1から7まで又は請求項10から14までのいずれか1項記載の特徴を備える懸濁溶液フィルタシーブバスケットが設けられている。
【0065】
以下に、本発明について図面に示した実施の形態を参照しながら詳細に説明する。図面は概略的かつ抜粋的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】左図は、円柱状の穴を備える従来技術において公知のプレートを曲げていない状態で示す断面図であり、右図は、このプレートを曲げた状態で示す図である。
【図2】図1右図に示したプレートの穴に填った固体を示す図である。
【図3】図1と同様の図示で本発明に係る懸濁溶液フィルタシーブバスケットのプレートを示す図である。
【図4】図3右図に示したプレートの穴を通過する固体を示す図である。
【図5】目標破断箇所を備えるシーブバスケットカバーを備える、本発明に係る懸濁溶液フィルタシーブバスケットの上部領域の側面図である。
【図6】図5と同様の図示で別の実施の形態を示す図である。
【図7】図5に示した実施の形態における懸濁溶液フィルタシーブバスケットの正面図である。
【図8】図7に示した線A−Aに沿った断面図である。
【図9】図7に示した懸濁溶液フィルタシーブバスケットの平面図である。
【図10】懸濁溶液フィルタシーブバスケットの一部をプレートなしで示す斜視図である。
【0067】
懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、ポリプロピレンからなるプレート2を有している。プレート2は、曲げられて半円形又は半楕円形を形成している。プレート2は、約15〜20mmの壁厚さを有している。プレート2には穴6aが設けられている。
【0068】
図1は、従来技術において公知の懸濁溶液フィルタシーブバスケットのプレートの円錐形の穴の発生を示している。図1の左図から看取可能であるように、これらの穴1は、当初円柱状である。穴の円錐形状は、曲げによって初めて生じる。これらの穴3は、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの内面15′に向かって先細りしている。図2は、このような円錐形の穴3の問題を示している。このような円錐形の穴3内に填って固定された固体6が見て取れる。図2の矢印5は、懸濁溶液の流動方向を概略的に示している。
【0069】
図3は、如何にして、本発明において従来技術のような穴の円錐形の形状が回避され、その代わりに穴の有利な円錐形の形状が本発明に係る懸濁溶液フィルタシーブバスケットのプレート2において達成されるかを示している。穴6aは、図3の左図に示した未だ曲げられていないプレート4において既に、円錐形に形成されている。穴6aは、曲げられていないプレート4に円錐形に穿孔されており、具体的には、穴6aが、曲げた後に懸濁溶液フィルタシーブバスケットの内面15′を形成する面15に向かって拡幅するように、円錐形に穿孔されている。このとき、未だ曲げられていないプレート4内の円錐形の穴8の開き角は、穴の、面15(曲げた後に懸濁溶液フィルタシーブバスケットの内面15′を形成する面)に向かって拡幅した円錐形状が、プレートを曲げた後にも維持されているような大きさである。このことは、図3の右図から看取可能である。懸濁溶液フィルタシーブバスケットの内面15′は、懸濁溶液フィルタシーブバスケットの流動に面しない側である。穴7の平均直径は、約20mm〜25mmである。
【0070】
図4は、曲げられたプレート2の、内方に拡幅した円錐形の穴8が少なくともほぼ目詰まりなしであることを示している。これは、固体6が、穴8内にそもそも進入できない大きさであるか、又は穴入口横断面を通りさえすれば、延在方向で拡幅する横断面により穴を問題なく通過可能な大きさであるからである。
【0071】
図5及び図7〜図10は、懸濁溶液フィルタシーブバスケットが目標破断箇所16を備える一実施の形態を示している。シーブバスケットカバー12は、閉じられた状態でカバー縁部12aにより囲繞されている。カバー縁部12aは、シーブバスケット体11に固く結合されている。カバー縁部12aは、シーブバスケットの後側の領域に配置された真っ直ぐな領域12a′と、シーブバスケットの前側の領域に配置された半環状の領域12a″とを有している。シーブバスケットカバー12は、真っ直ぐな領域12a′に3つの基本継手13,13′,13″により旋回可能に結合されている。基本継手13,13′,13″は、リブ18,18′,18″に作用結合されているか、あるいはリブ18,18′,18″を有している。リブ18,18′,18″は、部分的にカバー12の上側を延在し、部分的にカバー12の下側を延在している。カバー縁部12aの半環状の領域12a″には、3つの受け17,17′,17″が設けられている。各々の受け17,17′,17″は、鉛直のプレート状の部材19,19′,19″を有している。プレート状の部材19,19′,19″は、半環状の領域12a″に固定されている。各々のプレート状の部材は、PPねじ16bにより形成される、張り出した破断ピン16aにより貫通されている。PPねじ16b上には、少なくともほぼカバー奥行き全体にわたって延在するリブ18,18′,18″が載置される。シーブバスケットカバー12に対する負荷が最大値を超えると、破断ピンは剪断され、シーブバスケットカバー12は、圧力に負けて、基本継手13,13′,13″周りに内方に旋回する。リブ18,18′,18″は、固くカバー12に配置されている。プレート状の部材19,19′,19″は、カバー12が閉鎖されているとき、カバー縁部12aから、カバー12の、この目的のために設けられた切欠きあるいはスリット12b,12b′,12b″内に突入する。
【0072】
図6は、目標破断箇所16を備える懸濁溶液フィルタシーブバスケットの別の実施の形態を示している。やはりPPねじ16bとして形成されている、保持結合部を形成する破断ピン16aは、第2の保持結合部を形成する基本継手13に対向してシーブバスケット体11に配置されている。シーブバスケットカバー12は、破断ピン16a上に載置されている。つまり、破断ピン16aは、シーブバスケットカバー12のための支持部16cを形成している。シーブバスケットカバーにかかる最大圧の超過時、PPねじ16bは剪断され、シーブバスケットカバー12は、基本継手13周りに内方に旋回する。3つの基本継手13及び3つの支持部16cが設けられていてよい。
【0073】
つまり、目標破断箇所16の上述の両実施の形態において、シーブバスケットカバーが、目標破断箇所16の「破断」後、懸濁溶液フィルタシーブバスケットに保持されており、ポンプ内に進入し得ないことが保証されている。例えば「バックフラッシュ」の際の、カバー12の外方旋回は、図5〜図10に示した両実施の形態において、何ら問題なく可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 円柱状に穿孔された穴
2 曲げられたプレート
3 曲げの結果としての円錐形の穴
4 曲げ前のプレート
5 流動方向
6 固体
6a 穴
7 円錐形に穿孔された穴
8 曲げ後の円錐形に穿孔された穴
11 シーブバスケット体
12 シーブバスケットカバー
12a,12a′,12a″ カバー縁部
12b,12b′,12b″ カバースリット
13 基本継手
13a 保持ロッド
14 リテーナピン
15 曲げ後に懸濁溶液フィルタシーブバスケットの内面となる、曲げられていないプレートの面
15′ 懸濁溶液フィルタシーブバスケットの内面
16 目標破断箇所
16a 破断ピン
16b PPねじ
16c 支持部
17,17′,17″ 受け
18,18′,18″ リブ
19,19′,19″ プレート状の部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙道ガス脱硫で使用するための懸濁溶液フィルタシーブバスケットにおいて、懸濁溶液の流動方向(5)で拡幅する穴(6a)を備えることを特徴とする、煙道ガス脱硫で使用するための懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項2】
前記穴(6a)は円錐形に拡幅する、請求項1記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項3】
前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットは半円形又は半楕円形の領域を有しており、該領域に前記穴(6a,7)が配置されている、請求項1又は2記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項4】
前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットは、前記穴(6a,7)が配置されているプレート(2)を有しており、該プレート(2)は、曲げられて半円形又は半楕円形を形成している、請求項1から3までのいずれか1項記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項5】
前記プレート(2)は、約15〜20mmの壁厚さを有している、請求項4記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項6】
前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットはプラスチックを含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項7】
前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットは熱可塑性の材料を含む、請求項6記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項8】
請求項3から7までのいずれか1項記載の特徴を備える懸濁溶液フィルタシーブバスケットを製造する方法において、前記半円形又は半楕円形の領域の円形又は半円形の形状を曲げにより形成し、前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットの製造にあたり、前記穴(6a,7)を曲げ前に、該穴(6a,7)が曲げ後にもなお外側から内側に向かって一貫して拡幅した形状を有しているように設けることを特徴とする、懸濁溶液フィルタシーブバスケットを製造する方法。
【請求項9】
円錐形の穴(6a,7)を設ける、請求項8記載の方法。
【請求項10】
煙道ガス脱硫で使用するための懸濁溶液フィルタシーブバスケットにおいて、シーブ体(11)に対するポンプの吸い込み負荷の超過時に作動して、力からの前記シーブ体(11)の負荷軽減を生じる目標破断箇所(16)が、前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットに設けられていることを特徴とする、煙道ガス脱硫で使用するための懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項11】
前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットがシーブバスケットカバー(12)を有しており、前記目標破断箇所(16)が作動後、前記シーブバスケットカバー(12)の少なくとも一部の少なくとも部分的な開放を生じる、請求項10記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項12】
前記シーブバスケットカバー(12)を前記目標破断箇所(16)の作動に基づく開放後前記懸濁溶液フィルタシーブバスケットに結合したままにする手段を備える、請求項11記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項13】
前記シーブバスケットカバー(12)が2つの保持結合部を備え、より弱く形成された結合部が前記目標破断箇所(16)として働く、請求項12記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項14】
シーブバスケット体が、前記シーブバスケットカバー(12)を支持する支持部(16c)を備え、該支持部(16c)は、所定の負荷の到達時に該支持部が剪断されるように固定されている、請求項12記載の懸濁溶液フィルタシーブバスケット。
【請求項15】
煙道ガス脱硫装置において、懸濁溶液を含む槽と、
少なくとも1つの再循環ポンプを備える少なくとも1つの再循環管路と、
噴霧ノズルと、
石膏脱水部と、
を備え、懸濁溶液の流動方向で見て前記再循環管路及び石膏脱水プロセスの上流に、請求項1から8まで又は請求項10から14までのいずれか1項記載の特徴を備える少なくとも1つの懸濁溶液フィルタシーブバスケットが設けられていることを特徴とする、煙道ガス脱硫装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−505127(P2013−505127A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530230(P2012−530230)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063781
【国際公開番号】WO2011/033101
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(512072120)レア プラスティク テヒ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【氏名又は名称原語表記】REA Plastik Tech GmbH
【住所又は居所原語表記】Hermann−Riemschneider−Strasse 7, D−16816 Neuruppin, Germany
【Fターム(参考)】