説明

照光式キーシート

【課題】照光領域ごとの照光制御を可能にしながら、光漏れし難い技術の提供。
【解決手段】複数の各照光領域ごとに対応するLED6から照射された光を導光シート13を区分けする光吸収層14で吸収できるため、隣接する照光領域へ光を伝わり難くすることができる。よって各LED6の点灯/消灯に応じて、各照光領域ごとに照光のオン/オフの切替え制御をすることができる。さらにLED6から照射された光のうち照光式キーシート11と回路基板との間で乱反射している光を、遮光印刷層17によってベースシート12の裏面側から操作面側へ光を透過し難くすることができる。このためこのように乱反射している光を消灯領域へ漏れ難くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、PDA、携帯楽曲プレーヤなどの携帯情報端末や、AV機器などの各種電子機器の入力部品に用いられる照光式キーシートに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末やAV機器などの各種電子機器の入力部品には、接点スイッチを配置した回路基板上に押釦(キートップ)を有するキーシートを被せた押釦スイッチ構造のものが使用されている。そして暗所での操作性を高めるために、キーシートには電子機器内に設けた内部光源で明るく照光する照光式キーシートが用いられている。
【0003】
このような照光式キーシートには、少ない光源の数でもキーシート全体を均一に明るく照光できるように、導光効率を高める導光効率を高めるために導光シートを用いていることが多い。そして照光式キーシートを複数の照光領域に区切るためには、照光領域ごとに照光制御を可能にする導光シートが提案されている。そのような導光シートの一例として、例えば、特開2009−54390号公報(特許文献1)には、導光シートに照光領域を区切るようにスリットを設け、複数の照光領域ごとに照光制御をすることができる導光シートが開示されている。さらにこのような導光シートを用いた押釦スイッチの例としては、例えば、特開2008−187855号公報(特許文献2)には、照光領域を区切るスリットの内部に遮光性の樹脂などを充填して照光領域どうし間の光漏れを低減させた導光シートを、回路基板とキートップの間に介在させる技術が開示されている。また、特開2008−152951号公報(特許文献3)には、印刷で照光領域を区分した導光シートを、回路基板とキートップの間に介在させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−54390号公報
【特許文献2】特開2008−187855号公報
【特許文献3】特開2008−152951号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、回路基板上には接点スイッチや内部光源(LED)などの電子部品が配置されており、凸凹していて平坦ではない。さらにキートップ側の回路基板との対向面(裏面)には、接点スイッチである皿バネを正確に押圧するために、回路基板に向かって突出する押し子が設けられている。このため特許文献2や特許文献3に記載されているように、平坦な導光シートを用いると、導光シートと回路基板の間に空間が形成されてしまう。LEDの照射光は全てが導光シートに入射するのではなく、その一部は導光シートと回路基板との間に形成された空間で乱反射する。すると、この乱反射した光が消灯状態の領域(非照光領域)における導光シートの回路基板側から入射して導光シートの操作面側へ透過し、非照光領域のキートップを照光させてしまうという問題がある。
また、特許文献2には導光シートを回路基板上の凸凹に沿わせる構成も記載されている。しかし導光シートを回路基板に沿わせるように変形させて両者間の空間を無くすと、変形によって形成された曲面で光の反射効率が低下してその曲面から光が漏れ易くなり、導光シートにおける導光効率の減少によってキートップの照光輝度が低下するという問題や、漏れた光が非照光領域のキートップを照光させてしまうという問題がある。
【0006】
以上のような従来技術を背景としてなされたのが本発明である。すなわち、本発明の目的は、照光領域ごとの照光制御を可能にしながら、光漏れし難い技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
すなわち、複数の押圧操作部と導光機能を有するベースシートとを備える照光式キーシートについて、ベースシートが、操作面側の表面または操作面側とは反対の裏面の少なくとも一方に設けた光を吸収する光吸収層により複数に区分され、その区分内を照光領域として面方向へ光を伝える平坦な導光シートと、該導光シートの裏面に積層する透明樹脂層と、該透明樹脂層の裏面に積層し、ベースシートの裏面側から操作面側へ光を透過し難くする遮光印刷層と、を備えることを特徴とする照光式キーシートを提供する。
【0008】
本発明では、ベースシートの導光シートがその操作面側の表面または操作面側とは反対の裏面の少なくとも一方に設けた光吸収層により複数に区分されている。ここで照光領域とは、区分された各照光領域に対応する内部光源からの光を受光した時に照光する領域である。そして内部光源の点灯/消灯を制御することで、各照光領域ごとに照光/非照光の状態を独立して制御することができる領域である。このような照光領域を設ける場合には、内部光源からの光が対応する照光領域のみに伝えられ、隣接する非照光領域へは伝わり難い構成とする必要がある。本発明では、各照光領域ごとに対応する内部光源から照射された光を導光シートに設けた光吸収層で吸収できるため、隣接する非照光領域へ光を伝わり難くすることができる。よって各内部光源の点灯/消灯に応じて、各照光領域ごとに照光のオン/オフの切替え制御をすることができる。
なお、光吸収層は導光シートの表面または裏面の少なくとも一方に設けられるが、導光シートの表面に設ければ照光領域間から操作面側への光漏れを確実に防ぐことができる。さらに導光シートの表裏両面に設ければ片面に設けるよりも光の吸収量を増やすことができ、隣接する非照光領域へ光を伝わり難くすることができる。
導光シートは平坦な形状に形成されている。回路基板上の凸凹に沿わせて変形させた従来技術の導光シートは、変形によって形成された曲面から光が漏れ易いが、本発明の導光シートのように平坦な形状であれば、光を漏れ難くして導光効率を高めることができ、照光領域内を高い輝度で照らすことができる。
導光シートの裏面に透明樹脂層を積層している。このため内部光源から導光シートに入射した光は、導光シートと透明樹脂層の界面で反射しながら導光シート内を面方向に伝わることができる。
さらに透明樹脂層の裏面に遮光印刷層が積層されている。つまり導光シートよりも裏面側に透明樹脂層を介して遮光印刷層が積層している。遮光印刷層には光を吸収する性質のものがあるが、導光シート内を伝わる光は透明樹脂層との界面で反射するため、その光を遮光印刷層で吸収し難くすることができ、導光シートにおける導光効率の低下を抑えることができる。また、遮光印刷層はベースシートの裏面側から操作面側へ光を透過し難くするため、内部光源から照射された光のうち導光シートへ入射せずにキーシートと回路基板との間で乱反射している光を、遮光印刷層によってキーシートの裏面側から導光シートへ入射し難くすることができる。よってキーシートと回路基板との間で乱反射している光を非照光領域へ漏れ難くすることができる。
【0009】
導光シートと光吸収層との界面を粗面とすることができる。このようにすれば、導光シート内を伝わる光が導光シートと光吸収層との界面で拡散して光吸収層へ入射し易くすることができ、光を吸収し易くすることができる。このため照光領域に隣接する非照光領域へ光を伝え難くすることができ、非照光領域の光漏れを起き難くすることができる。
また、光吸収層と遮光印刷層を同色とすることができる。このようにすれば、照光式キーシートを操作面側から見た際に、目隠し層と遮光印刷層との境界を視認し難くすることができ、見た目には目隠し層と遮光印刷層とを同一層のように見せることができる。そのため、照光領域の区画が外観に現れることを防ぐことができ、デザイン性を高めることができる。
【0010】
光吸収層は、導光シートとの接触面を粗面化する浸食性塗料の硬化体で形成することができる。このようにすれば、光吸収層を形成する際に導光シートと光吸収層との界面を粗面化することができ、光吸収層の形成前に予め導光シートを粗面化するような面倒な加工を省くことができる。
【0011】
透明樹脂層を導光シートより屈折率の低い樹脂で形成することができる。このようにすれば、導光シートと透明樹脂層との界面での反射効率を高めることができ、導光シート内を伝わる光を遮光印刷層に入射し難くして導光効率を高めることができる。
【0012】
導光シートと透明樹脂層との界面を平滑面とすることができる。このようにすれば、導光シートと透明樹脂層との界面で導光シート内を伝わる光を効率よく反射することができ、導光シート内を伝わる光を遮光印刷層に入射し難くして導光効率を高めることができる。
【0013】
透明樹脂層を導光シートに対する非浸食性塗料の硬化体で形成することができる。このようにすれば、透明樹脂層を形成する際に導光シートの裏面を浸食し難くすることができ、導光シートの裏面を平滑面に保った状態で透明樹脂層を積層することができる。
【0014】
導光シートに、導光シートの面方向へ伝わる光を操作面側へ拡散する拡散部を設けることができる。このようにすれば、照光領域における所望の部分を明るく照光することができる。例えば、照光領域における押圧操作部の投影領域に拡散部を設ければ押圧操作部のみ照光することができ、照光領域の全領域に拡散部を設ければ照光領域全体を照光することができる。なお、拡散部は導光シートの表面や裏面に設けることができ、導光シートに凹凸面を形成して拡散部としたり、他の層を拡散層として導光シートに備えて拡散部とすることができる。さらに拡散層については、表示要素の形状に形成したり、照光領域にドット状に配置することができる。
【0015】
拡散部は屈折率や反射率を高める充填剤を含む拡散層であり、その拡散層を導光シートとの接触面を粗面化する浸食性塗料の硬化体で形成することができる。拡散部を屈折率や反射率を高める充填剤を含む拡散層とすれば、拡散部(拡散層)に入射した光を充填剤で効率よく拡散することができ、操作面側の輝度を高めることができる。そして拡散層を導光シートとの接触面が粗面化する浸食性塗料の硬化体で形成するため、拡散層を形成する際に導光シートと拡散層との界面を粗面化することができ、拡散層の形成前に予め導光シートを粗面化するような面倒な加工を省くことができる。さらに導光シートと拡散層との界面が粗面となるため、導光シート内を伝わる光が導光シートと拡散層との界面で拡散して拡散層へ入射し易くすることができ、光を操作面側へ拡散し易くすることができる。よって操作面側の輝度を高めることができ、照光状態の領域と消灯状態の領域(非照光領域)とのコントラスト差を高めることができ、各照光領域ごとの照光のオン/オフの切替ええを際立たせることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の照光式キーシートによれば、各照光領域ごとに対応する内部光源から照射された光を導光シートに設けた光吸収層で吸収するため、隣接する非照光領域へ光を伝わり難くすることができる。よって各内部光源の点灯/消灯に応じて、各照光領域ごとに照光のオン/オフの切替え制御をすることができる。そしてこの導光シートが平坦な形状であるため、光を漏れ難くして導光効率を高めることができ、照光領域内を高い輝度で照らすことができる。
さらに導光シートの裏面に透明樹脂層を積層しているため、内部光源から導光シートに入射した光は、導光シートと透明樹脂層の界面で反射しながら導光シートを面方向に伝わることができる。そして導光シートよりも裏面側に透明樹脂層を介して遮光印刷層が積層しているため、遮光印刷層が光を吸収する性質のものがあっても、導光シート内を伝わる光は透明樹脂層との界面で反射することができ、その光を遮光印刷層で吸収し難くすることができる。よって導光シートにおける導光効率の低下を抑えることができる。また、遮光印刷層はキーシートと回路基板との間で乱反射している光をキーシートの裏面側から導光シートへ入射し難くすることができ、乱反射している光を非照光領域へ漏れ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態の照光式キーシートを示す平面図。
【図2】図1のSA−SA線断面図。
【図3】第1実施形態における照光式キーシートの変形例1を示す図2相当断面図。
【図4】第1実施形態における照光式キーシートの変形例2を示す図2相当断面図。
【図5】第1実施形態における照光式キーシートの変形例3を示す図2相当断面図。
【図6】第1実施形態における照光式キーシートの変形例4を示す図2相当断面図。
【図7】第2実施形態の照光式キーシートを示す図2相当断面図。
【図8】第2実施形態における照光式キーシートの変形例1を示す図2相当断面図。
【図9】第3実施形態の照光式キーシートを示す裏面図。
【図10】図9のSB−SB線断面図。
【図11】各実施形態の照光式キーシートに共通する変形例6を示す図2相当断面図。
【図12】各実施形態の照光式キーシートに共通する変形例7を示す図2相当断面図。
【図13】各実施形態の照光式キーシートに共通する変形例9を示す図2相当断面図。
【図14】各実施形態の照光式キーシートに共通する変形例10を示す図2相当断面図。
【図15】各実施形態の照光式キーシートに共通する変形例11を示す図2相当断面図。
【図16】各実施形態の照光式キーシートに共通する変形例12を示す図2相当断面図。
【図17】実施例における照光式キーシートの試料1を示す平面図。
【図18】図17のSC−SC線断面図。
【図19】実施例における照光式キーシートの試料2を示す図18相当断面図。
【図20】実施例における照光式キーシートの試料3を示す図18相当断面図。
【図21】実施例における照光式キーシートの試料4を示す図18相当断面図。
【図22】実施例における照光式キーシートの試料5を示す図18相当断面図。
【図23】実施例における照光式キーシートの試料6を示す図18相当断面図。
【図24】実施例における照光式キーシートの試料7を示す図18相当断面図。
【図25】実施例における照光式キーシートの試料8を示す図18相当断面図。
【図26】実施例における照光式キーシートの試料9を示す図18相当断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明について図面を参照してさらに詳しく説明する。なお、本実施形態では携帯電話機の入力部品に用いられる照光式キーシートを例に挙げて示す。また、各実施形態で共通する構成については同一の符号を付して重複説明を省略し、さらに共通する材質、作用、効果、製造方法などについても重複説明を省略する。
【0019】
第1実施形態〔図1,図2〕
第1実施形態の照光式キーシート11を図1、図2に示す。図1は照光式キーシート11の平面図であり、図2は照光式キーシート11のSA−SA線断面図である。本実施形態の照光式キーシート11は、キートップ1とベースシート12とを備えている。そしてベースシート12は、導光シート13、光吸収層14、拡散層15、透明樹脂層16、遮光印刷層17、押し子18を備えている。
【0020】
キートップ1は照光式キーシート11の「押圧操作部」となる部材であり、透明な樹脂によって平面視で矩形状に形成されている。このキートップ1の押圧面となる天面とは反対の裏面には、表示要素を表す表示層2が設けられており、さらに後述するベースシート12の操作面側に対して接着層3で固着されている。
表示層2の構成については、例えば、表示要素の背景を遮光性にして表示要素を透光性とし、表示要素が照光する構成に形成したり、表示要素の背景を透光性として表示要素を遮光性にし、表示要素の周囲が照光する構成に形成することができる。
接着層3は、キートップ1をベースシート12に接着できる接着剤でなり、透光性のものを用いるが、特に透明性の高いものが好ましい。
キートップ1の材質は、透明性の高い熱可塑性樹脂や反応硬化性樹脂を使用する。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド樹脂、これらのアロイ系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の中でも加工性や強度の観点から、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂を用いることが好ましい。
接着層3の材質は、キートップ1をベースシート12に接着する接着剤を使用するが、ベースシート12を透過した光が表示層2を照光するように、透光性の接着剤を用いる必要がある。例えば、紫外線硬化型接着剤、透光性ホットメルト接着剤などが挙げられる。また、接着層3は、後述する導光シート13より低屈折率の樹脂を用いることが好ましい。このようにすれば、接着層3と導光シート13との界面において、導光シート13内を導光する光を導光シート13内に反射することができ、導光効率を高めることができる。後述の拡散層15でキートップ1側に拡散反射された光については、界面に鈍角に入射するため、ほとんど反射することがない。
【0021】
ベースシート12は照光式キーシート11の基材であり、平面視で矩形状に形成されている。以下に、ベースシート12を構成する各部材について説明する。
【0022】
導光シート13はベースシート12の操作面側を形成する部材であり、照光式キーシート11の照光領域を形成してその面方向へ光を伝えるものである。そして本実施形態では、光吸収層14により6つの照光領域に区分されている。この導光シート13の操作面側となる表面は、平坦な平滑面4とされている。ここで、「平坦」とは平らなことをいい、「平滑」とはシボや艶消しの表面のような視認できる微視的な凹凸が無いことをいう。このような平滑面4は、鏡面加工した表面、あるいは鏡面加工したロールや金型の転写面によって形成される。導光シート13の表面を平滑面4とすれば、導光シート13内を導光する光を表面側で効率よく反射させることができ、導光シート13における光の入射位置から離れている位置まで光を伝え易くすることができる。よって導光シート13の導光効率を高めることができ、照光領域を比較的均一に明るく照光することができる。したがって図1で示すように、ベースシート12の外周に各照光領域に対応して内部光源としてのLED6を配置すれば、各照光領域を比較的均一に明るく照光することができる。
このような導光シート13の厚さは、30μm〜500μmとすることができる。厚さが30μmより薄いと、導光シートの内部に伝わる光量が小さくなって照光式キーシートの照光輝度が低くなってしまう。厚さが500μmより厚いと、変形応力が大きくて押圧荷重が増えしまい押圧操作性が悪くなってしまう。さらに好ましい厚さは100μm〜300μmである。
導光シート13の材質は、透明な樹脂フィルムを使用する。特に透明性の高い熱可塑性樹脂フィルムが好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ビニル系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエーテル系樹脂フィルム、アセテート系樹脂フィルム、スチレン系熱可塑性エラストマーフィルム、オレフィン系熱可塑性エラストマーフィルム、ウレタン系熱可塑性エラストマーフィルム、エステル系熱可塑性エラストマーフィルム、塩化ビニル系熱可塑性エラストマーフィルム、アミド系熱可塑性エラストマーフィルム、フッ素系熱可塑性エラストマーフィルム、アクリル系熱可塑性エラストマーフィルムなどが挙げられる。なかでも可視光領域に波長の吸収領域がなく高透明性のポリカーボネート樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ウレタン系樹脂フィルム、ウレタン系熱可塑性エラストマーフィルム、アクリル系熱可塑性エラストマーフィルムが好ましい。
また、導光シート13は、照光式キーシート11の良好な押圧操作性を得るために柔軟な樹脂フィルムを使用する。「良好な押圧操作性」とは、接点スイッチのクリック感を明確に伝えることができることをいう。このような導光シート13には、変形応力が小さい軟質樹脂フィルムを用いることができる。軟質樹脂はゴム弾性を有するゴム状弾性体であることが好ましく、具体的には、JIS K6253のゴム硬さがA50〜A90のゴム状弾性体であることが好適である。ゴム硬さがA90より硬いと、照光式キーシートの剛性が高くなり、押圧荷重が上昇して、クリック率も低下してしまう。ゴム硬さがA50より低いと、導光シートが大きく撓み導光性能が低下してしまうおそれや、導光シートが大きく変形してしまい押圧操作に誤入力などの入力障害が起きるおそれがある。このような軟質樹脂フィルムとしては、ウレタン系樹脂フィルム、ウレタン系熱可塑性エラストマーフィルム、アクリル系熱可塑性エラストマーフィルムを用いることが好ましい。
【0023】
光吸収層14は導光シート13を6つの照光領域に区分けする層であり、導光シート13の裏面に格子状に形成されている。またこの光吸収層14は導光シート13に伝わる光を遮る層でもあり、光吸収層14と導光シート13との界面は粗面5に形成されている。このため導光シート13を伝わる光は、この粗面5に達したときに拡散して光吸収層14に入射し易くなり、光吸収層14にて吸収される。こうした光吸収層14の厚さは5μm〜30μmとすることができる。
光吸収層14は光吸収性の染料や顔料とマトリックス樹脂とからなり、導光シート13を粗面化する浸食性塗液の硬化体が使用できる。このような光吸収層14を形成する塗液としては、導光シート13を膨潤または溶解させる性質を有する溶剤を含むインキや塗料などを用いることができる。例えば、ポリカーボネート樹脂でなる導光シート13に対しては、芳香族系、ケトン系、エステル系などの溶剤を含む塗液を用いれば、導光シート13との界面を粗面5とすることができる。
光吸収層14におけるマトリックス樹脂の材質には、導光シート13に印刷形成が可能な樹脂を使用する。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アセテート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。
なお、光吸収層14と導光シート13との界面が平滑面4であっても、光吸収層14にて導光シート13内の光を吸収することができるが、平滑面4では光の反射効率が高いため、光吸収層14による吸収効率が小さく、隣接する照光領域に光が漏出してしまうおそれがある。
また、導光シートに伝わる光を遮るには、導光シートにスリットを形成したり、このスリットに遮光性部材を埋めたりすることもできるが、簡単な加工でしかも導光シートの耐久性を高めるためには、本発明のように光吸収層を形成することが好ましい。導光シートにスリットを形成すると、キーシートの押圧操作による応力により、導光シートのスリットの部分から変形したり破れたりして破損し易くなり、耐久性を低下させてしまうおそれがある。
【0024】
拡散層15は光の反射方向を変えて光の進路をキートップ1方向へ変更する層であり、導光シート13の裏面に対しキートップ1の投影領域よりやや小さい大きさに形成されている。この拡散層15は高屈折率の充填剤、光反射率の高い充填剤などが添加された樹脂塗膜の硬化体でなり、導光シート13との接触面は粗面5に形成されている。こうした拡散層15の厚さは5μm〜30μmとすることができる。
拡散層15に用いる樹脂の材質は、導光シート13に印刷形成が可能な樹脂を使用する。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アセテート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。そして、高屈折率の充填剤、光反射率の高い充填剤には、例えば、酸化チタンが挙げられる。これらの充填剤は、配合量を調整して輝度を調整することができる。例えば、光の入射位置に近い部分の拡散層では充填剤の配合量を少なくして、光の入射位置から遠い部分の拡散層では充填剤の配合量を増やすことで、全体として均一な輝度にすることができる。また、拡散層の厚みで輝度を調整しても良い。拡散層15を導光シート13の裏面に印刷形成する際に、そのインキに含まれる溶剤で導光シート13の固着面を粗面5にすることが好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂フィルムでなる導光シート13に対しては、芳香族系、ケトン系、エステル系などの溶剤を含むインキを用いれば、導光シート13の固着面を粗面5とすることができる。このように粗面5とすれば、平滑面4に比べて導光シート13を伝わる光をキートップ1方向へ反射し易くすることができる。
なお、本実施形態ではキートップ1の裏面に表示層1を設け導光シート13の裏面に拡散層15を設けているが、導光シートの裏面側に表示層を設け導光シートの操作面側に光を裏面側に反射する拡散面を設けることもできる。このように反射光の指向性を制御できる拡散面としては、プリズム形状の凹凸面とすることが好ましい。例えば、電気制御が必要となる表示層を用いる場合には、回路基板と一体に表示層を設け、導光シートを表示層の上方に配置すれば、配線や接続などの構造を容易にすることができる。また透光性にできない表示層の場合にも、表示層に対し操作面側から光を照射して、表示部を照らすことができる。このような表示形態の例としては、電気泳動式の電子ペーパーなどがある。
【0025】
透明樹脂層16は導光シート13の導光効率を高める層であり、導光シート13の裏面に対し拡散層15を覆って導光シート13と略同等の大きさに形成されている。この透明樹脂層16は導光シート13を粗面化しない非浸食性塗液を塗布して形成される透明な樹脂塗膜であり、導光シート13との接触面は平坦な平滑面4に形成されている。
このような透明樹脂層の厚さは5μm〜200μmとすることが好ましい。厚さが5μmより薄いと拡散層15を確実に覆うことができないおそれがあり、拡散層15へ側面から入射する光が減少して拡散効率が低下してしまう。厚さが200μmより厚いと変形応力が大きくて押圧荷重が高くなったり、ベースシート12が厚くなってしまう不都合がある。さらに好ましい厚みは5μm〜30μmである。
透明樹脂層16の屈折率は、導光シート13の屈折率より低いことが好ましい。透明樹脂層16の屈折率が導光シート13の屈折率よりも低ければ、その界面で導光シート13内の面方向へ伝わる光を全反射し易くすることができる。さらに両者の屈折率差が0.06以上であれば、効率よく全反射することができる。このように導光シート13内の面方向へ伝わる光を全反射し易くすれば、導光効率を高めて、さらに光漏れし難くすることができる。透明樹脂層16の裏面には遮光印刷層17を形成しているため、透明樹脂層16へ入射する光を少なくすれば、遮光印刷層17に入射する光も少なくすることができ、遮光印刷層17による光の吸収を小さくすることができる。よってベースシート12に遮光印刷層17を付加しても照光輝度の低下を少なくすることができる。
透明樹脂層16の材質は、透明性が高く、導光シート13を粗面化しない非浸食性塗液の硬化体を使用する。具体的には、無溶剤型の架橋または硬化型の樹脂が用いられ、無溶剤型の紫外線硬化型やEB硬化型などの活性エネルギー線硬化型インキや硬化型樹脂を用いることが好ましい。また、水系やアルコール系など非浸食性の溶剤を含む2液硬化型インキ、熱硬化型インキも用いることができる。こうした樹脂インキについては、特に導光シート13の材質を選ばないものとして紫外線硬化型ウレタンアクリレート系インキや、無溶剤の熱硬化型のウレタン系インキが挙げられる。ポリカーボネート樹脂フィルム製の導光シート13に対しては、芳香族系、エステル系、ケトン系の溶剤は浸食性の溶剤であるが、脂肪族系の溶剤は非浸食性溶剤として用いることができる。また、単独では浸食性の溶剤であっても非浸食性の溶剤と混合して含まれるインキは非浸食性塗液となることもある。例えば、前述のポリカーボネート樹脂フィルム製の導光シート13に対しては、脂肪族系溶剤と芳香族系溶剤の混合溶剤において脂肪族系溶剤が50%以上となるようにしてインキを調製すれば非浸食性塗液とすることができる。また、ウレタン系樹脂フィルムケトン系溶剤を含むインキも非浸食性塗液として用いることができる。こうした塗液が浸食性であるか非浸食性であるかの判断は、導光シートの平滑な表面に前記塗液を塗布して、一定時間の後にその塗液を拭き取ったときに、導光シートの表面が白化や溶解、膨潤するなどして塗布前の平滑性が失われた場合には前記塗液は浸食性塗液であり、塗布前と同様に平滑面を維持している場合には非浸食性塗液であると評価できる。透明樹脂層を架橋又は硬化型のインキで形成することで、ベースシートに比べて積層する遮光印刷層やその他の印刷層によって粗面化され難い層とすることができる。
また、比較的屈折率の低い材料としては、フッ素変性アクリル樹脂などのフッ素変性樹脂や、シリコーン樹脂やシリコーンゴム、シリコーン変性樹脂、光の波長よりも十分に小さく樹脂中に分散させても光散乱を起こさず透明性を維持できる低屈折率の微粒子を分散させた樹脂などを用いたインキが挙げられる。
なお、本実施形態では透明樹脂層16を導光シート13の裏面にのみ設けているが、導光シート13の操作面にも設けることができる。また、後述する非浸食性塗液を塗布した遮光印刷層であれば、透明樹脂層16を省いて後述の遮光印刷層17を導光シート13の裏面に設けることができる。
【0026】
遮光印刷層17はLED6から照射された光の一部で、照光式キーシート11と回路基板との間を乱反射する光を、照光式キーシート11の操作面側に漏れ難くする部材であり、透明樹脂層16の裏面に対し透明樹脂層16と略同等の大きさに形成されている。この遮光印刷層17は黒色や濃紺色などの暗い配色の層であり、透明樹脂層16を粗面化しない非浸食性塗液を塗布して形成される樹脂塗膜でなり、透明樹脂層16との接触面は平坦な平滑面4に形成されている。このような平滑面4は、ベースシート12の断面を観察したときに、観察している断面とは反対側の断面から入射した光を明るく反射する様子が観察できる。一方、遮光印刷層17が浸食性塗液で形成され粗面を形成している場合には、艶消しがかったように全体が暗く拡散反射する様子が観察できる。ところで、遮光印刷層17を光吸収層14と同色とすれば、操作面側から見たときに、光吸収層14と遮光印刷層17の境界が視認できず、見た目には光吸収層14による境界が無いように見せることができ、照光領域が分かれていることを隠すことができる。すなわち、照光領域の区切り方が外観に現れることを防ぎ、デザイン性を高めることができる。
このような遮光印刷層17の厚さは5μm〜50μmとすることができる。厚さが5μmより薄いと、光を遮断する効果が低下するおそれがある。厚さが50μmより厚いと、遮光効果は変わらずにベースシート12が厚くなってしまう。
本実施形態のように遮光印刷層17を透明樹脂層16の裏面に印刷形成する場合には、遮光印刷層17を透明樹脂層16より小さい屈折率の樹脂で形成することが好ましい。そのようにすれば、透明樹脂層16と遮光印刷層17との界面での光の反射効率を高めることができる。
遮光印刷層17の材質は、透明樹脂層16を粗面化しない非浸食性塗液の硬化体を使用する。このような材質については透明樹脂層16の説明した考え方と同様の観点から選択すれば良く、具体的には、無溶剤のウレタン系インキ、水系やアルコール系など非浸食性の溶剤を含む2液硬化型インキ、紫外線硬化型インキ、EB硬化型インキなどがある。これらの中で紫外線硬化型インキは、紫外線を受けて硬化するため、遮光印刷層に含まれている染料や顔料が紫外線を吸収してしまい、充分な硬化反応が起きないおそれがある。そのため、熱硬化型のウレタン系インキやEB硬化型ウレタン系インキが好ましい。また、透明樹脂層16に対して浸食性のある溶剤を含むインキや塗料を使用すると、透明樹脂層16の表面を粗面5にするおそれがあるからである。透明樹脂層16の裏面が粗面5になると、透明樹脂層16と遮光印刷層17との界面で透明樹脂層16を伝わる光の反射効率が低下するおそれがあるためである。本実施形態において導光シート13を伝わる光の多くは、導光シート13と透明樹脂層16との界面で反射しながら導光シート13内を伝わるが、その一部は透明樹脂層16を伝わるため、透明樹脂層16を伝わる光が減少して、照光の輝度が若干低下してしまうからである。
また、遮光印刷層17は、必ずしも照光領域の全体に設ける必要はない。例えば、押し子18を設けた場合には、特に押し子18の側面での反射が、キートップ1の天面で明るく視認され易いため、押し子18に対応する位置にのみ遮光印刷層17を設けても良い。また、拡散層15に対応する位置に遮光印刷層17を設けても、表示のオン/オフを際立たせる効果がある。そして、このように遮光が必要な箇所のみに遮光印刷層17を形成すれば、遮光印刷層17の面積を必要最小限にすることができ、導光シート13内を伝わる光が遮光印刷層17へ入射する割合を、より少なくすることができるため、照光領域の全体に遮光印刷層17を設けた場合よりも輝度を高めることができる。
なお、遮光印刷層17は、塗装による遮光塗装層、蒸着による遮光蒸着層など、他の方法で形成した遮光性の層と置き換えることができる。
【0027】
押し子18は照光式キーシート11の裏面側に備えられる回路基板上の接点スイッチを押圧する部材であり、遮光印刷層17の裏面にキートップ1に対応して裏面側へ突出するように設けられている。
押し子18の材質には、種々の樹脂を用いることができるが、押し子18の形成が容易な紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。
【0028】
ここで照光式キーシート11の製造方法について説明する。
先ず、導光シート13として樹脂フィルムを準備する。そしてこの樹脂フィルムの片面(裏面)に、光吸収性の染料や顔料を含み樹脂フィルムを浸食する塗液を塗布して光吸収層14を印刷形成し、さらに高屈折率の充填剤や光反射率の高い充填剤を含み樹脂フィルムを浸食する塗液を塗布して拡散層15を印刷形成する。次に、光吸収層14や拡散層15を覆うようにして樹脂フィルムの裏面に、透明で樹脂フィルムを浸食しない塗液を塗布して透明樹脂層16を印刷形成する。さらに透明樹脂層16の裏面に、暗い配色の塗液を塗布して遮光印刷層17を印刷形成する。そして遮光印刷層17の裏面に光硬化型樹脂で押し子18を形成し、ベースシート12を得る。
次に、射出成形して得たキートップ1の裏面に表示層1と、ホットメルト接着剤でなる接着層2とを順次印刷形成する。
最後に、キートップ1の接着層2をベースシート12の操作面側に対向させて熱圧着で固着し、照光式キーシート11を得ることができる。
【0029】
照光式キーシート11の作用、効果について説明する。
照光式キーシート11によれば、6つの各照光領域ごとに対応するLED6から照射された光を導光シート13を区分けする光吸収層14で吸収できるため、隣接する照光領域へ光を伝わり難くすることができる。よって各LED6の点灯/消灯に応じて、各照光領域ごとに照光のオン/オフの切替え制御をすることができる。そして本実施形態の光吸収層14は導光シート13の裏面に設けられているため、光吸収層14を視認し難くして見映えをよくすることができる。
導光シート13が平坦な形状であるため、光を漏れ難くして導光効率を高めることができ、照光領域内を高い輝度で照らすことができる。そしてこの導光シート13の裏面に透明樹脂層16を積層しているため、LED6から導光シート13に入射した光は、導光シート13と透明樹脂層16の界面で反射しながら導光シート13内を面方向に伝わることができる。
さらに導光シート13の裏面側に透明樹脂層16を介して遮光印刷層17が積層しているため、導光シート13内を伝わる光は透明樹脂層16との界面で反射して、その光を遮光印刷層17で吸収し難くすることができ、導光シート13における導光効率の低下を抑えることができる。また、遮光印刷層17はベースシート12の裏面側から操作面側へ光を透過し難くするため、LED6から照射された光のうち導光シート13へ入射せずに照光式キーシート11と回路基板との間で乱反射している光を、遮光印刷層17によって照光式キーシート11の裏面側から導光シート13へ入射し難くすることができる。よって照光式キーシート11と回路基板との間で乱反射している光を非照光領域へ漏れ難くすることができる。
【0030】
導光シート13と光吸収層14との界面を粗面5にしているため、導光シート13内を伝わる光が導光シート13と光吸収層14との界面で拡散して光吸収層14へ入射し易くすることができ、光を吸収し易くすることができる。よって照光領域に隣接する非照光領域へ光を伝え難くすることができ、非照光領域の光漏れを起き難くすることができる。
【0031】
光吸収層14を導光シート13を粗面化する浸食性塗料の硬化体で形成するため、光吸収層14を形成する際に導光シート13と光吸収層14との界面を簡単に粗面化することができ、光吸収層14の形成前に予め導光シート13を粗面化するような面倒な加工を省くことができる。
【0032】
透明樹脂層16を導光シート13より屈折率の低い樹脂で形成するため、導光シート13と透明樹脂層16との界面での反射効率を高めることができ、導光シート13内を伝わる光を遮光印刷層17に入射し難くして導光効率を高めることができる。
【0033】
導光シート13と透明樹脂層16との界面を平滑面4とするため、導光シート13と透明樹脂層16との界面で導光シート13内を伝わる光を効率よく反射することができ、導光シート13内を伝わる光を遮光印刷層17に入射し難くして導光効率を高めることができる。
【0034】
透明樹脂層16を導光シート13に対する非浸食性塗料の硬化体で形成するため、透明樹脂層16を形成する際に導光シート13の裏面を浸食し難くすることができ、導光シート13の裏面を平滑面4に保った状態で透明樹脂層16を積層することができる。
【0035】
導光シート13に、導光シート13の面方向へ伝わる光を操作面側へ拡散する拡散層15を設けるため、照光領域における所望の部分を明るく照光することができる。本実施形態では、照光領域におけるキートップ1の投影領域よりやや小さい大きさの領域にドット状に設けているため、キートップ1を明るく照光することができる。なお、ドットの大きさや配置密度を変更することで、輝度を適宜調整することができる。
【0036】
拡散層15は屈折率や反射率を高める充填剤を含んでいるため、拡散層15に入射した光を充填剤で効率よく拡散することができ、操作面側の輝度を高めることができる。そして拡散層15を導光シート13との接触面を粗面化する浸食性塗料の硬化体で形成するため、拡散層15を形成する際に導光シート13と拡散層15との界面を粗面化することができ、拡散層15の形成前に予め導光シート13を粗面化するような面倒な加工を省くことができる。さらに導光シート13と拡散層15との界面が粗面5となるため、導光シート13内を伝わる光が導光シート13と拡散層15との界面で拡散して拡散層15へ入射し易くすることができ、光を操作面側へ拡散し易くすることができる。よって操作面側の輝度を高めることができ、照光状態の領域と消灯状態の領域とのコントラスト差を高めることができ、各照光領域ごとの照光のオン/オフの切替ええを際立たせることができる。
【0037】
第1実施形態の変形例1〔図3〕
第1実施形態の照光式キーシート11では透明樹脂層16と遮光印刷層17との界面を平滑面4に形成する例を示したが、変形例1の照光式キーシート11aは透明樹脂層16と遮光印刷層17との界面を粗面5にすることができる。
このようにしても、導光シート13と透明樹脂層16との界面が平滑面4であって、導光シート13内を伝わる光が透明樹脂層16との接触面で殆ど反射することから、導光効率を高く維持することができ、照光領域を明るく照光することができる。
【0038】
第1実施形態の変形例2〔図4〕
第1実施形態の照光式キーシート11では光吸収層14を導光シート13の裏面に設ける例を示したが、変形例2の照光式キーシート11bは光吸収層14を導光シート13の操作面側となる表面に設けることができる。
このようにすれば、照光領域間から操作面側への光漏れを確実に防ぐことができる。
【0039】
第1実施形態の変形例3〔図5〕
第1実施形態の照光式キーシート11では光吸収層14を導光シート13の裏面に設ける例を示したが、変形例3の照光式キーシート11cは光吸収層14を導光シート13の表裏両面に設けることができる。
このようにすれば、導光シート13の片面に光吸収層14を設けるよりも光の吸収量を増やすことができ、隣接する照光領域へ光を伝わり難くすることができる。
【0040】
第1実施形態の変形例4〔図6〕
第1実施形態の照光式キーシート11では遮光印刷層17を透明樹脂層16と略同等の大きさにして導光シート13の全裏面側を覆うように形成する例を示したが、変形例4の照光式キーシート11dは遮光印刷層19を押し子18を隠して拡散層15に対応する大きさに形成することができる。
このようにすれば、裏面側からの乱反射光の中でも特に目立つ押し子18の側面での反射を視認し難くすることができる。また、照光式キーシート11dと回路基板との間で乱反射する光を拡散層15に入射させ難くすることができ、表示のオン/オフを際立たせることができる。そして遮光印刷層17の面積を必要最小限にすれば、導光シート13内を伝わる光が遮光印刷層17へ入射する割合を少なくすることができ、導光シート13の全裏面に遮光印刷層17を設けた場合よりも輝度を高めることができる。
【0041】
第2実施形態〔図7〕
第2実施形態の照光式キーシート21を図7に示す。図7は照光式キーシート21の断面図である。本実施形態の照光式キーシート21が第1実施形態の照光式キーシート11と異なるのは、ベースシート22における透明樹脂層26の構成と、光吸収層24と遮光印刷層27とを有する暗色印刷層28を備える点である。その他の構成は、照光式キーシート11と同じである。
【0042】
透明樹脂層26は透明樹脂層16と同様に、導光シート13の導光効率を高める層であり、導光シート13の裏面に対し拡散層15を覆って形成されている。そしてこの透明樹脂層26は導光シート13を粗面化しない非浸食性塗液による透明な樹脂塗膜であり、導光シート13との接触面は平坦な平滑面4に形成されている。透明樹脂層16と異なるのは、照光領域ごとに分割されている。
【0043】
暗色印刷層28は、透明樹脂層26どうしの間を埋める光吸収層24と、透明樹脂層26の裏面を覆う遮光印刷層27と、を備えている。このうち光吸収層24は光吸収層14と同様に、導光シート13を6つの照光領域に区分けする層であり、導光シート13の裏面に格子状に形成されている。またこの光吸収層24は導光シート13に伝わる光を遮る層でもあり、光吸収層24と導光シート13との界面は粗面5に形成されている。このため導光シート13を伝わる光は、この粗面5に達したときに拡散して光吸収層24に入射し易くなり、光吸収層24にて吸収される。また、遮光印刷層27は遮光印刷層17と同様に、照光式キーシート21と回路基板との間を乱反射する光を、照光式キーシート21の操作面側に漏れ難くする層であり、透明樹脂層26の裏面に対し透明樹脂層26と略同等の大きさに形成されている。この遮光印刷層27は透明樹脂層26との接触面を平坦な平滑面4に形成している。
暗色印刷層28の材質は、導光シート13を粗面化し透明樹脂層26を粗面化しない塗液の硬化体が使用される。例えば、ポリカーボネート樹脂でなる導光シート13に対して紫外線硬化型アクリル樹脂でなる透明樹脂層26を設けた場合には、ポリカーボネート樹脂に対して浸食し易くアクリル樹脂に対して浸食し難い芳香族系の溶剤を含む塗液を用いる。
【0044】
照光式キーシート21の製造方法について説明する。先ず、導光シート13として樹脂フィルムを準備する。そしてこの樹脂フィルムの片面(裏面)に、拡散層15、透明樹脂層26を順次印刷形成する。次に、樹脂フィルムに対し裏面側から、暗色の染料や顔料を含んで樹脂フィルムを浸食し透明樹脂層26を浸食しない塗液を塗布して暗色印刷層28を印刷形成する。そして暗色印刷層28の裏面に光硬化型樹脂で押し子18を形成し、ベースシート22を得る。
次に、キートップ1の裏面に表示層1とホットメルト接着剤でなる接着層2とを順次印刷形成する。
最後に、キートップ1の接着層2をベースシート22の操作面側に熱圧着で固着し、照光式キーシート21を得ることができる。
【0045】
照光式キーシート21によれば、暗色印刷層28を形成することで、光吸収層24と遮光印刷層27とを同時に設けることができ、照光式キーシート11より少ない加工工程で製造することができる。よって低コストで、各照光領域における照光のオン/オフを高コントラスト差で切替えできる照光式キーシート21を実現することができる。
このように、暗色印刷層28によって遮光印刷層27と光吸収層24を形成すれば、確実に遮光印刷層27と光吸収層24を同色とすることができる。よって、操作面側から見たときに、光吸収層24と遮光印刷層27の境界が視認できず、見た目には光吸収層24による境界が無いように見せることができ、照光領域が分かれていることを隠すことができる。すなわち、照光領域の区切り方が外観に現れることを防ぎ、デザイン性を高めることができる。
【0046】
第2実施形態の変形例1〔図8〕
第2実施形態の照光式キーシート21では透明樹脂層26と暗色印刷層28との界面を平滑面4に形成する例を示したが、変形例1の照光式キーシート21aは透明樹脂層26と暗色印刷層28との界面を粗面5にすることができる。
このようにしても、導光シート13と透明樹脂層26との界面が平滑面4であって、導光シート13内を伝わる光が透明樹脂層26との接触面で殆ど反射することから、導光効率を高く維持することができ、照光領域を明るく照光することができる。
【0047】
第2実施形態の変形例2
第2実施形態の照光式キーシート21では光吸収層24を導光シート13の裏面に設ける例を示したが、変形例2では導光シート13の操作面側となる表面に光吸収層14を設けることができる。
このようにすれば、照光領域間からの光漏れを確実に防ぐことができる。
【0048】
第3実施形態〔図9,図10〕
第3実施形態の照光式キーシート31を図9、図10に示す。図9は照光式キーシート31の裏面図であり、図10は照光式キーシート31のSB−SB線断面図である。第3実施形態の照光式キーシート31が第1実施形態の照光式キーシート11と異なるのは、ベースシート32における遮光印刷層37の構成と、受光部38を備える点である。その他の構成は、照光式キーシート11と同じである。
【0049】
遮光印刷層37は遮光印刷層17と同様に、照光式キーシート31と回路基板との間を乱反射する光を、照光式キーシート31の操作面側に漏れ難くする層であり、透明樹脂層16の裏面に形成されている。そしてこの遮光印刷層37は透明樹脂層16との接触面を平坦な平滑面4に形成している。遮光印刷層17と異なるのは、キートップ1ごとに対応してキートップ1の投影領域と略同等の大きさに形成されている点である。
【0050】
受光部38はLEDが照射する光を効率よく受光し導光シート13へ導くと共に、LEDを備える回路基板面とベースシート32との隙間寸法を設定する部材である。この受光部38は平面視で矩形のブロック形状であり、透光性の樹脂で形成されている。このような受光部38の回路基板との対向面はその回路基板に当接する当接面38aであり、この当接面38aにはLEDを収容する収容凹部38bが形成されている。さらに受光部38の導光方向の側面は透明樹脂層16側へ徐々に薄肉となる傾斜面38cとなっている。
受光部38の当接面38aが回路基板に当接することで、回路基板と透明樹脂層16の間隙を受光部38の厚みにすることができ、回路基板とベースシート32との隙間寸法を設定することができる。受光部38の収容凹部38bは平面視で少なくともLEDより大きく形成されている。LEDと収容凹部38bの側面の隙間は0.2mm程度が好ましい。0.2mm程度であればLEDと収容凹部38bを容易に係合することができ、回路基板と照光式キーシート31との位置ズレを起き難くすることができる。収容凹部38bの深さは、少なくともLEDの発光面を覆う深さが好ましい。受光部38の傾斜面38cはLEDから受光した光を導光シート13側へ反射させる面であり、光を効率良く導光シート13へ導くことができる。このような傾斜面38cと透明樹脂層16の裏面との角度は、2°〜10°とすることが好ましい。2°未満では、傾斜が緩いために傾斜面が広くなり、受光部が大きくなってしまう。10°を超えると、傾斜面で反射した光の導光シートに対する入射角や屈折角が小さくなり、導光シート内での全反射による導光が難しくなって、光が外部に漏れ易くなってしまう。すると導光効率が低下して、LEDから遠い位置の照光輝度が低下してしまう。導光効率を高めるには2°〜5°とすることがより好ましい。
受光部38の材質は、透明性の高い樹脂が使用でき、軟質樹脂やゴム状弾性体も含まれる。但し、回路基板とベースシート32との高さを設定することから、照光式キーシート31を回路基板に圧設した際に、過大な変形が起こらないように少なくともゴム硬度がA50以上であることが好ましく、特に精度を求める場合には、ゴム硬度がD70以上であることが好ましい。例えば、ゴム状弾性体としては、アクリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴムなどが挙げられる。樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アセテート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、アクリル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの樹脂の中でも、導光シート15への固着力が高いアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。
また、受光部38の屈折率を導光シート13の屈折率より大きくすることが好ましい。このようにすれば、導光シート13の屈折角を直角に近づけることができ、導光シート13内に入射した光の方向をそのシート面方向に近づけることができ、光漏れを起き難くして導光効率を高めることができる。
【0051】
照光式キーシート31の製造方法について説明する。先ず、導光シート13として樹脂フィルムを準備する。そしてこの樹脂フィルムの片面(裏面)に、光吸収層14と拡散層15を印刷形成し、光吸収層14や拡散層15を覆うようにして透明樹脂層16を印刷形成する。さらに透明樹脂層16の裏面に、遮光印刷層37を印刷形成する。そして遮光印刷層37の裏面に押し子18を形成し、ベースシート32を得る。
次に、受光部38の成形用金型にベースシート32をインサートした後、液状樹脂を注入し固化してベースシート32と受光部38と一体成形する。
次に、キートップ1の裏面に表示層1とホットメルト接着剤でなる接着層2とを順次印刷形成する。
最後に、キートップ1の接着層2をベースシート22の操作面側に熱圧着で固着し、照光式キーシート21を得ることができる。
なお、押し子18と受光部38の成形は同時に行うこともできる。また、押し子18と受光部38は、予め成形した樹脂を固着して設けることもできる。
【0052】
照光式キーシート31によれば、受光部38を備えるため、周囲を他の照光領域で囲まれている導光シートに対しても、LEDからの光を導入することができ、ベースシートの外周に面してない照光領域を構成することができる。
また、ベースシート32と回路基板との隙間寸法を精度良く設定することができると共に、ベースシート32を平坦になるように配置することができる。このようにベースシート32を平坦にすれば、導光シート13を平坦にすることができ、導光シート13の導光効率を高めることができる。
【0053】
本発明のように、導光効率を高めて区分けされた照光領域を明るく照光できる照光式キーシート11,21,31およびそれらの変形例については、以下のような共通の変形例をとることができる。なお、照光式キーシート11の構成を代表例に挙げて説明する。
【0054】
各実施形態に共通する変形例1
照光式キーシート11では拡散層15を導光シート13の裏面に設ける例を示したが、共通の変形例では導光シート13の表面に設けることができる。
このようにしても、拡散層15を裏面に設けた場合と同様に、照光領域における所望の部分を明るく照光することができる。
【0055】
各実施形態に共通する変形例2
照光式キーシート11では拡散層15を表示層2と相似形状の領域にドット状に分散配置する例を示したが、共通の変形例2では表示層2を無くして拡散層の構成で表示要素自体を形成し、遮光印刷層17をその背景とすることができる。
このようにすれば、表示要素自体が照光して新たなデザインを実現することができる。なお、共通の変形例2においても、拡散層をドット状に配置することができ、ドットの大きさや配置密度を変更することで、輝度を適宜調整することができる。また、拡散層が表示要素であることから、導光シート内を導光する光を直接表示要素として反射することができる。そのため拡散層で反射した光で表示部を照らす構成と比較して照光のロスが少なく、表示要素を明るく照光することができる。さらに別途表示層を設ける必要がなく、簡単な構成で照光式キーシートを実現することができる。
【0056】
各実施形態に共通する変形例3
照光式キーシート11では表示層2をキートップ1の裏面に設ける例を示したが、共通の変形例3では表示層2をキートップ1の天面に設けることができる。
このようにすれば、表示要素を見やすくすることができる。また製法上では、キートップ1をベースシート12に固着した後に、レーザー加工やパッド印刷などで表示要素を形成することができ、表示要素の誤配置を無くすことができる。
【0057】
各実施形態に共通する変形例4
照光式キーシート11では接着層3を透明な接着剤で形成する例を示したが、共通の変形例4ではさらにその接着剤を導光シート13より低屈折率の樹脂で形成することができる。
このようにすれば、導光シート13内を伝わる光を接着層3と導光シート13との界面で効率よく反射することができる。接着層が導光シート13の屈折率と同じ場合には、両者の界面で光を反射することができず、導光シート13内を伝わる光が接着層3に入射して表示層2を照光してしまう。するとLEDに近い表示層2に光が多く入射してその表示層2を明るく照光し、LEDから遠い照光領域へは伝わる光量が減少して遠い照光領域にある表示層2が暗くなり、照光ムラを生じるおそれがある。また、接着層が導光シート13の屈折率より大きい場合にも、両者の界面での光の反射効率が低いため、LEDから遠い照光領域へ伝わる光量が減少して、同様の照光ムラが発生するおそれがある。なお、上記反射効率は、導光シート13内を導光する光が界面に鋭角に入射する場合の現象である。すなわち、拡散層15でキートップ1側に拡散反射された光については、接着層3と導光シート13との界面に鈍角に入射するため、ほとんど反射せず、接着層3の屈折率を低くしたことで照光輝度を低下させることはない。
【0058】
各実施形態に共通する変形例5
照光式キーシート11では表示層2に表示要素と背景を形成する例を示したが、共通の変形例5では表示要素を表示層で形成し、拡散層を表示要素と相似形状にして表示層と対応する位置に配置し、遮光印刷層17を表示要素の背景として構成することができる。
このようにすれば、表示要素の下に設けられた拡散層によって、表示要素の輪郭が縁取られるように照光させることができ、表示要素を立体的に視認することができる。
【0059】
各実施形態に共通する変形例6〔図11〕
照光式キーシート11ではキートップ1を射出成形しその裏面に表示層2と接着層3とを設けてキートップ1を接着層3でベースシート12に固着する例を示したが、共通する変形例6の照光式キーシート41では、ベースシート12の表面に表示層2を設け、その表示層2の表面に反応硬化性樹脂によるキートップ1を形成することができる。具体的には、キートップ1成形用の凹型へ反応硬化性樹脂を注入し、ベースシート12をその凹型の上へ配置してから反応硬化性樹脂を硬化させることで、キートップ1をベースシート12の表面側に形成することができる。
このようにすれば、図11で示すように、接着層3を省くことができる。
【0060】
各実施形態に共通する変形例7〔図12〕
照光式キーシート11では導光シート13の表面にキートップ1を固着する例を示したが、共通する変形例7の照光式キーシート51では、図12で示すように、導光シート13の表面に透明樹脂層56を設けたベースシート52とすることができる。
このようにすれば、透明樹脂層56の屈折率を導光シート13より低くして、導光シート13と透明樹脂層56との界面での反射効率を高めることができ、導光シート13内を伝わる光を漏れ難くして導光効率を高めることができる。
【0061】
各実施形態に共通する変形例8
照光式キーシート11ではキートップ1を備える例を示したが、共通の変形例8ではキートップを省略して表示層2をベースシート12に設けたり、さらにベースシート12の表面側にタッチセンサを備えたりすることができる。
このようにしても、照光領域ごとに照光のオン/オフ切替えを制御することができ、照光領域内を高い輝度で照らすことができる。
【0062】
各実施形態に共通する変形例9〔図13〕
照光式キーシート11ではキートップ1を射出成形しその裏面に表示層2と接着層3とを設けてキートップ1を接着層3でベースシート12に固着する例を示したが、共通する変形例9の照光式キーシート61では、ベースシート12の表面に表示層2を設け、ベースシート12の表面を覆うようにキートップ部68aを有するカバー部材68を紫外線硬化性樹脂で形成することができる。具体的には、カバー部材68成形用の凹型へ紫外線硬化性樹脂を注入し、ベースシート12をその凹型の上へ配置してから紫外線硬化性樹脂を硬化させることで、キートップ部68aを有するカバー部材68をベースシート12の表面側に形成することができる。
このようにすれば、図13で示すように、接着層3を省くことができる。また射出成形では形成し難い薄肉のキートップを形成することができ、薄型の照光式キーシート61を実現することができる。さらにカバー部材68がベースシート12の表面を覆っているため、照光領域の全面を均一に照光することができると共に、遮光印刷層17を表示層2の背景とすることができる。そしてカバー部材68の屈折率を導光シート13の屈折率より低くすれば、導光シート13内を伝わる光を漏れ難くして導光効率を高めることができる。
【0063】
各実施形態に共通する変形例10〔図14〕
照光式キーシート11では照光領域の境界となるキートップ1どうしの間隔を広く空ける例を示したが、共通する変形例10の照光式キーシート71では、図14で示すように、キートップ1どうしの間隔を狭くすることができる。なお、表示層2はキートップ1の全裏面を覆うように設けられているが、接着層3はキートップ1の投影面積よりやや小さい大きさに形成されている。これは接着層3をキートップ1の投影面積と同等にし、ベースシート12に対してキートップ1の全裏面で接着すると、押圧操作の際に、狭いキートップ1間が押圧ストロークに合わせて撓むため、ベースシート12の変形応力が大きくなって押圧荷重が増えてしまい、さらに撓みによる導光シートの変形も大きくなり、導光シート内を伝わる光の反射効率が低下して、変形した部分から光漏れを起こすおそれがあるためである。しかし本変形例のように接着層3の大きさを投影面積よりやや小さい大きさに形成すれば、押圧操作の際に、押圧ストロークに合わせて撓むキートップ1間をやや広げることができ、ベースシート12の変形応力を小さくして押圧荷重の上昇を抑えることができる。このようにベースシート12の変形応力を小さくすれば、ベースシート12の耐久性も高めることができる。また、ベースシート12を、やや広い領域で撓ませることができることから、過大な変形により反射効率が低下して変形した部分から光漏れを起こすような現象を、抑制することができる。
このようにしても、照光領域ごとに照光のオン/オフ切替えを制御することができ、照光領域内を高い輝度で照らすことができる。
【0064】
各実施形態に共通する変形例11〔図15〕
照光式キーシート11では照光領域の境界となるキートップ1どうしの間に部材を備えない例を示したが、共通する変形例11の照光式キーシート81では、図15で示すように、照光領域の境界となるキートップ1どうしの間およびキートップ1群の外周にトップカバー88を備えることができる。このトップカバー88の裏面には、表示層2と接着層3が順次設けられており、ベースシート12の表面に固着されている。
このようにしても、照光領域ごとに照光のオン/オフ切替えを制御することができ、照光領域内を高い輝度で照らすことができる。
【0065】
各実施形態に共通する変形例12〔図16〕
照光式キーシート11ではキートップ1と押し子18をベースシート12に直接固着する例を示したが、共通する変形例12の照光式キーシート91では、図16で示すように、キートップ1と押し子18をそれぞれシート部材98に固着し、これらシート部材98の外周部分を両面テープによる接着層3でベースシート12に固着することができる。なお、照光式キーシート91には、照光式キーシート81と同様のトップカバー88を備えている。
このようにすれば、同一のベースシート12を利用して、キートップ1や押し子18が固着するシート部材98を簡単に交換することができ、装飾のバリエーションが豊富な照光式キーシート91を実現することができる。また、シート部材98の外周をベースシート12に固着するため、キートップ1群の投影領域に対応する導光シート13の表面に空気層99を形成することができ、導光シート13内を伝わる光を漏れ難くして導光効率を高めることができる。
【0066】
各実施形態に共通する変形例13
照光式キーシート11では拡散層15をキートップ1に対応させて設けることでキートップ1を照光する例を示したが、共通の変形例13では拡散層をキートップの投影領域を除く部分に対応させて設けることでキートップ以外を照光することができる。また共通の変形例13の特徴を共通の変形例11や共通の変形例12に組み合わせれば、トップカバーのみを照光させることができる。
【実施例】
【0067】
以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明する。各試料の評価試験は、「輝度の減衰率」、「コントラスト差」、「光漏れ」、「総評」の各項目について行った。
【0068】
1.試料の製造
図17で示す平面図および図18〜図23で示す断面図のように各試料を作製した。なお、各試料では、キートップ、表示層、接着層を省略した。
【0069】
試料1
屈折率が1.59で厚さが100μmのポリカーボネート樹脂フィルムを導光シート(13)として準備した。次に、この樹脂フィルムの片面(裏面)に、黒色の染料や顔料を含み樹脂フィルムを粗面化する浸食性塗液として溶剤含有ウレタン系インキを塗布して3mm幅の光吸収層(14)を印刷形成し、さらに高屈折率の充填剤や光反射率の高い充填剤を含み樹脂フィルムを粗面化する浸食性塗液として溶剤含有ウレタン系インキを塗布してドット状に分散配置した拡散層(15)を印刷形成した。そして光吸収層(14)と拡散層(15)を覆うようにして樹脂フィルムの裏面に、屈折率が1.50で樹脂フィルムを粗面化しない非浸食性の紫外線硬化型ウレタン系樹脂を印刷して透明樹脂層(16)を形成した。次に、透明樹脂層(16)の裏面に、黒色の染料や顔料を含み透明樹脂層(16)を粗面化しない溶剤含有ウレタン系インキを印刷して遮光印刷層(17)を形成した。最後に、遮光印刷層(17)の裏面に紫外線硬化型樹脂で押し子(18)を形成して、図17、図18で示すように、ベースシート(12)に相当するベースシート(101)を得た。このベースシート(101)を試料1とした。
【0070】
試料2
試料1と同様の樹脂フィルムで導光シート(13)として準備し、この樹脂フィルムの片面(裏面)に、試料1と同様の拡散層(15)を印刷形成した。そして拡散層(15)を覆うようにして樹脂フィルムの裏面に、屈折率が1.50で樹脂フィルムを粗面化しない非浸食性の紫外線硬化型ウレタン系樹脂を印刷して照光領域ごとに分割する透明樹脂層(26)を形成した。次に、透明樹脂層(26)の裏面側から、暗色の染料や顔料を含んで樹脂フィルムを粗面化して透明樹脂層(26)を粗面化しない塗液を塗布して暗色印刷層(28)を印刷形成した。最後に、暗色印刷層(28)の裏面に試料1と同様の押し子(18)を形成して、図19で示すように、ベースシート(22)に相当するベースシート(102)を得た。このベースシート(102)を試料2とした。
【0071】
試料3
試料1と同様の樹脂フィルムで導光シート(13)として準備し、この樹脂フィルムの片面(裏面)に、試料1と同様の拡散層(15)を印刷形成した。そして暗色で樹脂フィルムを粗面化しない非浸食性塗液としての紫外線硬化型樹脂を印刷して光吸収層(14)を形成した。その後は、試料1と同様に、透明樹脂層(16)、遮光印刷層(17)、押し子(18)を形成して、図20で示すように、ベースシート(12)に相当するベースシート(103)を得た。このベースシート(103)を試料3とした。
【0072】
試料4
試料1と同様の樹脂フィルムで導光シート(13)として準備し、この樹脂フィルムの片面(裏面)に、試料1と同様の拡散層(15)を印刷形成した。そして光吸収層を省いて試料1と同様に、透明樹脂層(16)、遮光印刷層(17)、押し子(18)を形成して、図21で示すように、ベースシート(104)を得た。このベースシート(104)を試料4とした。
【0073】
試料5
試料1と同様の樹脂フィルムで導光シート(13)として準備し、この樹脂フィルムの片面(裏面)に、試料1と同様の光吸収層(14)、拡散層(15)、透明樹脂層(16)を印刷形成した。そして遮光印刷層を省いて試料1と同様の押し子(18)を形成して、図22で示すように、ベースシート(105)を得た。このベースシート(105)を試料5とした。
【0074】
試料6
試料1と同様の樹脂フィルムで導光シート(13)として準備し、この樹脂フィルムの片面(裏面)に、試料1と同様の光吸収層(14)、拡散層(15)を印刷形成した。そして透明樹脂層を省いて暗色の染料や顔料を含んで樹脂フィルムを粗面化する浸食性塗液を塗布して遮光印刷層(17)を形成した後、試料1と同様の押し子(18)を形成して、図23で示すように、ベースシート(106)を得た。このベースシート(106)を試料6とした。
【0075】
試料7
試料1と同様の樹脂フィルムで導光シート(13)として準備し、この樹脂フィルムの片面(裏面)に、高屈折率の充填剤や光反射率の高い充填剤を含み樹脂フィルムを粗面化しない非浸食性塗液として無溶剤型ウレタン系インキを塗布してドット状に分散配置した拡散層(15)を印刷形成した。その他については、試料1と同様の光吸収層(14)、透明樹脂層(16)、遮光印刷層(17)、押し子(18)を形成して、図24で示すように、ベースシート(107)を得た。このベースシート(107)を試料7とした。
【0076】
試料8
試料1と同様の樹脂フィルムで導光シート(13)として準備し、この樹脂フィルムの片面(裏面)に、試料1と同様の光吸収層(14)、拡散層(15)を印刷形成した。そして透明樹脂層を省いて暗色の染料や顔料を含んで樹脂フィルムを粗面化しない非浸食性塗液を塗布して遮光印刷層(17)を形成した後、試料1と同様の押し子(18)を形成して、図25で示すように、ベースシート(108)を得た。このベースシート(108)を試料8とした。
【0077】
試料9
試料1と同様の樹脂フィルムで導光シート(13)として準備し、この樹脂フィルムの片面(裏面)に、試料1と同様の光吸収層(14)、拡散層(15)を印刷形成した。そして拡散層(15)を覆うようにして樹脂フィルムの裏面に、屈折率が1.50で樹脂フィルムを粗面化する浸食性の溶剤含有ウレタン系樹脂を印刷して照光領域ごとに分割する透明樹脂層(26)を形成した。そして、試料1と同様に遮光印刷層(17)、押し子(18)を形成して、図26で示すように、ベースシート(109)を得た。このベースシート(109)を試料9とした。
【0078】
2.試験方法
4つの評価試験について、以下の要領で測定した。
【0079】
「輝度の減衰率」; 試料1〜試料6に対してLED6から導光シート(13)に光を照射した際に、照光領域と非照光領域の輝度を輝度計にて測定し、測定結果から非照光領域における輝度の減衰率を算出した。その結果を表1に示す。図17で示すように、各試料における光吸収層(14)よりLED6側を照光領域とし、光吸収層(14)を境界としてLED6とは反対側を非照光領域とした。そして照光領域の測定箇所(MP1)と非照光領域の測定箇所(MP2)の輝度をそれぞれ測定し、減衰率は測定箇所(MP1)に対する測定箇所(MP1)と測定箇所(MP2)の差を百分率で表した。なお、試料5においては、後述する押し子(18)の側面からの反射光が直接測定されない箇所の拡散層(15)の輝度を測定した。
【0080】
「コントラスト差」; 試料1〜試料6に対してLED6から導光シート(13)に光を照射した際に、照光領域と非照光領域との明暗差を目視で評価した。
【0081】
「光漏れ」; 試料1〜試料6に対してLED6から導光シート(13)に光を照射した際に、各試料の裏面側における拡散層(15)を形成していない部分からの光漏れを目視で評価した。
【0082】
「総評」; 試料1〜試料6に対する「輝度の減衰率」、「光漏れ」、「コントラスト差」の3つの項目について、総合的に評価した。なお、表中の「優」は照光領域と非照光領域とのコントラスト差が大きく光漏れの無いもの、「良」は照光領域と非照光領域とのコントラスト差があり光漏れの無いもの、「可」は照光領域と非照光領域とのコントラスト差があり光漏れの無いものの若干輝度が低いもの、「不可」は照光領域と非照光領域とのコントラスト差がないものまたは光漏れするもの、を表す。
【0083】
3.試験結果
輝度の減衰率については、試料1、試料2、試料5の値が大きい。これら試料では導光シート(13)に対して界面が粗面の光吸収層(14)を備えたことで、導光シート(13)内を伝わる光が光吸収層(14)に効率よく吸収されている。試料3の値がやや小さいのは導光シート(13)に対して界面が平滑面の光吸収層(14)を備えたためで、光の吸収がやや少なくなっている。試料4は光吸収層を備えていないため、輝度の減衰率が小さく非照光領域に光が伝わっている。試料6は導光シート(13)に遮光印刷層(17)を備えたため、導光シート(13)内を伝わる光が遮光印刷層(17)に吸収されてしまい、照光領域の輝度も低く、他の試料と比較ができない。試料7は拡散層(15)として非浸食性塗液を用いたため、導光シート(13)と拡散層(15)の平滑な界面で一部の光が反射されてしまったため、輝度が若干低くなってしまったものと思われる。試料8は、透明樹脂層を設けずに非浸食性塗液を用いて遮光印刷層(17)を形成して、導光シート(13)との界面を平滑面としたため、試料6とは異なり照光することは可能であったが、透明樹脂層を備える試料1と比べると輝度が大きく減少していた。試料9は、浸食性塗液を用いて透明樹脂層(26)を形成し、導光シート(13)と透明樹脂層(26)の界面を粗面として形成した。そのため、試料1と比べて、反射効率が低下して輝度が減少したものと思われる。しかし試料8に対して輝度が高く、透明樹脂層(26)が導光シート(13)より低屈折率であることから、輝度を向上する効果があったものと思われる。
コントラスト差については、試料1〜試料3、試料5、試料7〜試料9で確認できる。すなわち、照光領域は明るく、非照光領域は暗い状態である。これらのうち試料1、試料2、試料7〜試料9は、コントラスト差が大きい。これは光吸収層(14)と導光シート(13)との界面を粗面として形成しているためである。また試料1と試料2を比較すると、試料2が僅かにコントラスト差が大きい。これは試料1における光吸収層(14)の裏面側に透明樹脂層(16)が薄く形成されているため、透明樹脂層(16)を通して非照光領域に漏れる光が若干あるものと思われる。次に試料1と試料3を比較すると、試料3はコントラスト差が少し小さくなっている。これは試料3における光吸収層(14)と導光シート(13)との界面を平滑面として形成しているためである。すなわち平滑面であるため、一部の光はその界面で反射されて光吸収層(14)に入射せず、光を吸収する効率が下がっている。試料5については、光吸収層(14)と導光シート(13)との界面を粗面として形成しているためにコントラスト差は大きいが、遮光印刷層(17)を備えなかったため、試料5と回路基板との間で乱反射した光が非照光領域の拡散層(15)に入射して、弱く照光しているように見える。試料4については光吸収層を備えなかったため、照光領域と非照光領域とが殆ど同じ明るさでコントラスト差が無い。試料6については透明樹脂層(16)を備えなかったため、導光シート(13)内を伝わる光が遮光印刷層(17)に吸収されてしまい、照光領域でも殆ど照光せず、コントラスト差が無い。
光漏れについては、試料1〜試料4、試料6〜試料9において遮光印刷層(17)を備えているため起きていない。試料5は遮光印刷層(17)を備えていないため、押し子(18)の側面で反射光が明るく視認されるとともに、試料5を載せた回路基板の表面で反射した光も確認された。
最後に、透明樹脂層(16)に関して説明する。遮光印刷層(17)を備える試料1〜試料4、試料6は遮光印刷層を備えていない試料5に比べて照光領域の輝度が低い。しかしその中でも透明樹脂層(16)を備える試料1〜試料4の輝度は試料5の半減程度に確保されている。これは導光シート(13)内を伝わる光を透明樹脂層(16)が反射して、遮光印刷層(17)へ入射し難くしているためである。透明樹脂層を備えず、浸食性塗液で遮光印刷層(17)を形成した試料6は試料5の3%程度の輝度にしかならない。同様に透明樹脂層を備えずに非浸食性塗液で遮光印刷層(17)を形成した試料8は、試料5の20%程度であった。また、透明樹脂層(26)に非浸食性の塗液を用いた試料9は、試料5の32%程度で、透明樹脂層(26)としての一定の効果を示した。
【0084】
【表1】

【符号の説明】
【0085】
1 キートップ(押圧操作部)
2 表示層
3 接着層
4 平滑面
5 粗面
6 LED(内部光源)
11 照光式キーシート(第1実施形態)
11a 照光式キーシート(第1実施形態の変形例1)
11b 照光式キーシート(第1実施形態の変形例2)
11c 照光式キーシート(第1実施形態の変形例3)
11d 照光式キーシート(第1実施形態の変形例4)
12 ベースシート
13 導光シート
14 光吸収層
15 拡散層
16 透明樹脂層
17 遮光印刷層
18 押し子
19 遮光印刷層
21 照光式キーシート(第2実施形態)
21a 照光式キーシート(第2実施形態の変形例1)
22 ベースシート
24 光吸収層
26 透明樹脂層
27 遮光印刷層
28 暗色印刷層
31 照光式キーシート(第3実施形態)
32 ベースシート
37 遮光印刷層
38 受光部
38a 当接面
38b 収容凹部
38c 傾斜面
41 照光式キーシート(各実施形態に共通の変形例6)
51 照光式キーシート(各実施形態に共通の変形例7)
52 ベースシート
56 透明樹脂層
61 照光式キーシート(各実施形態に共通の変形例9)
62 ベースシート
68 カバー部材
68a キートップ部
71 照光式キーシート(各実施形態に共通の変形例10)
81 照光式キーシート(各実施形態に共通の変形例11)
82 ベースシート
91 照光式キーシート(各実施形態に共通の変形例12)
92 ベースシート
98 シート部材
99 空気層
101 実施例の照光式キーシート(試料1)
102 実施例の照光式キーシート(試料2)
103 実施例の照光式キーシート(試料3)
104 実施例の照光式キーシート(試料4)
105 実施例の照光式キーシート(試料5)
106 実施例の照光式キーシート(試料6)
107 実施例の照光式キーシート(試料7)
108 実施例の照光式キーシート(試料8)
109 実施例の照光式キーシート(試料9)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の押圧操作部と導光機能を有するベースシートとを備える照光式キーシートにおいて、
ベースシートが、
操作面側の表面または操作面側とは反対の裏面の少なくとも一方に設けた光を吸収する光吸収層により複数に区分され、その区分内を照光領域として面方向へ光を伝える平坦な導光シートと、
該導光シートの裏面に積層する透明樹脂層と、
該透明樹脂層の裏面に積層し、ベースシートの裏面側から操作面側へ光を透過し難くする遮光印刷層と、
を備えることを特徴とする照光式キーシート。
【請求項2】
導光シートと光吸収層との界面が粗面である請求項1記載の照光式キーシート。
【請求項3】
光吸収層は、導光シートとの接触面を粗面化する浸食性塗料の硬化体でなる請求項1または請求項2記載の照光式キーシート。
【請求項4】
透明樹脂層が導光シートより屈折率の低い樹脂でなる請求項1〜請求項3何れか1項記載の照光式キーシート。
【請求項5】
導光シートと透明樹脂層との界面が平滑面である請求項1〜請求項4何れか1項記載の照光式キーシート。
【請求項6】
透明樹脂層が、導光シートに対する非浸食性塗料の硬化体でなる請求項1〜請求項5何れか1項記載の照光式キーシート。
【請求項7】
導光シートに、導光シートの面方向へ伝わる光を操作面側へ拡散する拡散部を設ける請求項1〜請求項6何れか1項記載の照光式キーシート。
【請求項8】
拡散部は屈折率や反射率を高める充填剤を含む拡散層であり、その拡散層が導光シートとの接触面を粗面化する浸食性塗料の硬化体でなる請求項7記載の照光式キーシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−138694(P2011−138694A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298122(P2009−298122)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】