説明

照明器具

【課題】照度が高いGX53型蛍光ランプ対応の照明器具を提供する。
【解決手段】本発明に係る照明器具900は、平板状の蛍光ランプ部129と、IEC規格のGX53形式口金を有するGX53ソケット部128と、を有する、GX53型蛍光ランプ120と、前記GX53型蛍光ランプ120を設置面310に取り付けるためのアダプタ110と、前記蛍光ランプ部129と面一になる位置よりも、前記設置面310に対し反対側に位置し、前記蛍光ランプ部129の照明光をその中空部501から取り入れて面発光する、前記中空部501を有する平板形状の面発光部500と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。より詳しくは、IEC(国際電気標準会議)で規格化されたGX53形式口金を有するGX53型蛍光ランプを用いる照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
物理上設置が困難とされる狭い空間等にて、灯りをとるための薄型の照明器具として、インバータを内蔵させた薄型の蛍光ランプがある。
【0003】
このような薄型の蛍光ランプとして、IEC規格のGX53形式口金を使用するものがある。
【0004】
GX53形式口金は厚みが約20mm程度であり、狭い空間等を照らすための照明器具に使用する口金形式として最適である。
【0005】
特許文献1や特許文献2には、そのようなGX53形式口金を有するGX53型の照明器具が記載されている。
【0006】
しかし、これらの文献に記載された照明器具は、設置された空間全体をまんべんなく明るく照らすには照度が不十分である。
【特許文献1】特開2007−180011号公報
【特許文献2】特開2007−157690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、設置された空間全体をまんべんなく明るく照らすことができる、GX53型蛍光ランプを用いる照明器具を提供することを目的とする。また、照度が高いGX53型蛍光ランプ対応の照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、この発明の照明器具は、
平板状の蛍光ランプ部と、国際電気標準会議(IEC)規格のGX53形式口金を有するGX53ソケット部と、を有する、GX53型蛍光ランプと、
前記GX53型蛍光ランプを設置面に取り付けるためのアダプタと、
前記蛍光ランプ部の照明光をその中空部から取り入れて均一に面発光する、前記中空部を有する平板形状の面発光部と、を有し、
前記面発光部は、前記面発光部と前記蛍光ランプ部とが面一になる位置よりも、前記設置面に対し反対側に位置する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る照明器具は、面発光部が明るく発光し、照度が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態に係る照明器具900は、GX型蛍光ランプ120と、そのGX53型蛍光ランプ120を設置面310に取り付けるためのアダプタ110と、面発光部500と、を有する。
【0011】
GX53型蛍光ランプ120は、平板状の蛍光ランプ部129と、IEC規格のGX53形式口金を有するGX53ソケット部128と、を有する。
【0012】
面発光部500は、中空部501を有する平板形状である。
【0013】
面発光部500は、面発光部500と蛍光ランプ部129とが面一になる位置よりも、設置面310に対し反対側(図面下側)に位置する。換言すれば、面発光部500の下端面の位置Ldは、蛍光ランプ部129の下端面の位置Sdと同一水平面上にある位置よりも、設置面310に対し反対側(図面下側)に位置する。
【0014】
仮に、面発光部500が、面発光部500と蛍光ランプ部129とが面一になる位置に設けられるならば、蛍光ランプ部129からの照明光を面発光部500の中空部501から取り入れにくくなり、面発光部500の発光が不十分となる。
しかしながら、本実施形態では、面発光部500は、蛍光ランプ部129と面一になる位置よりも図面下側に位置するから、蛍光ランプ部129の照明光をその中空部501から適切に取り入れて均一に明るく面発光する。
【0015】
(実施形態2)
蛍光ランプ部129は、図2及び図3に示されるように、薄型の円盤形状である。
【0016】
蛍光ランプ部129は、照明器具900を設置面と反対側から説明する図5に示されるように、シェード139で覆われた内部に配置される渦巻き状の発光管131を有する。
【0017】
GX53ソケット部128には、凸部122が設けられている。凸部122には点灯回路等が収納される。
【0018】
アダプタ110の下面(設置面310とは反対方向の面)には凹部115が設けられており、凸部122が嵌め込まれる。
【0019】
GX53ソケット部128には、一対のピン電極121が設けられている。
【0020】
アダプタ110の下面には、達磨孔形状の一対の係合孔部116が形成されている。
【0021】
一対の係合孔部116の上部には、一対の接続金具114が設けられている。
【0022】
設置面310の配線孔330からは配線340が引き出されている。配線340は接続金具114と電気的に接続される。
【0023】
アダプタ110には、配線340を配置する配線溝112が形成されている。配線溝112は設置面310と平行に形成される。換言すれば、配線溝112は、円盤形状のアダプタ110に平行に形成される。そのため、その配線溝112内に適切に配線をすることができる。
【0024】
ピン電極121は、係合孔部116に挿入され、回転係止される。これにより、GX53型蛍光ランプ120はアダプタ110に取り付けられるとともに、ピン電極121は接続金具114と電気的に接続する。
【0025】
アダプタ110の下面にはネジ孔113が形成されている。ネジ210はネジ孔113から挿入され、設置面310に設けられた設置面孔320に到達する。これにより、アダプタ110はネジ210で設置面310に固定される。設置面310は、例えば天井面である。
【0026】
面発光部500は、図3に示されるように、中空部501を有する略平板状のドーナツ型形状である。中空部501は、蛍光ランプ部129が収まる程度の大きさである。
【0027】
アダプタ110には一対の段差部111が設けられている。
【0028】
面発光部500は、3本の柱状のアーム部520にて、外枠部510に取り付け固定されている。3本のアーム部520は、面発光部500の円周上に均等に形成される。
【0029】
外枠部510は略リング形状である。外枠部510は、リング形状の中心部方向に突出する一対の突出部511を有する。
【0030】
図2、及び、照明器具900を設置面側から説明する図4に示されるように、一対の段差部111の段差面上に一対の突出部511が置かれる。アダプタ110が設置面310に固定されることで、外枠部510も固定される。
【0031】
また、図2に示されるように、蛍光ランプ部129の下端面Sdは、面発光部500の上端面Luと下端面Ldとの間に位置する。このように構成することにより、蛍光ランプ部129の照明光が中空部501から適切に取り入れやすくなる。これにより、面発光部500は、均一に明るく面発光する。
【0032】
なお、面発光部500は、蛍光ランプ部129と面一になる位置よりも下側に位置する必要があるものの、所定距離以上に蛍光ランプ部129から離間することは望ましくない。蛍光ランプ部129の照明光が中空部501から取り入れにくくなるからである。
【0033】
本実施形態では、面発光部500は、表面に、中空部501から入射した光りを反射乃至拡散させるための凹凸が施されたアクリル樹脂で形成された導光板である。
【0034】
面発光部500の表面の凹凸の形成方法は、アクリル板に白色インクで反射ドットを印刷する印刷方式、スタンパーヤインジェクションでアクリル板の表面に凹凸を形成する成型方式、アクリル板と反射板をドット状の粘着材で貼り付けた粘着ドット方式等、いずれの手法でもかまわない。
【0035】
導光板を用いることで、面発光部500を全体的に明るく発光させることができる。
【0036】
(実施形態3)
本実施形態に係る照明器具900では、図6に示されるように、薄型の円盤形状の照明カバー410が設けられている。
【0037】
面発光部500の下面には、3本の下部アーム部521が設けられている。下部アーム部521は、それぞれ、3本の同心円上に形成されたアーム部520と同一軸心上に設けられている。
【0038】
照明カバー410は、下部アーム部521の下端に取り付け固定される。
【0039】
照明カバー410は白色の硬質樹脂で形成されており、蛍光ランプ部129の照明光の照度を低減させて照明光を柔らかくする。
【0040】
これにより、蛍光ランプ部129の照明光を直視したとしても目を痛めにくくなるし、また、照明光を柔らかくすることにより演色性を高めることができる。
【0041】
また、照明カバー410は、照明光を柔らかくするのみならず、仮に照明器具900に衝撃が加えられて蛍光ランプ部129が破損したとしても、破片の飛散を照明カバー410で遮る役割を有する。
【0042】
さらに、照明カバー410は、蛍光ランプ部129からの照明光を反射させて設置面にその反射光を照射する、リフレクタとして使用することも可能である。かかる場合は照明カバー410の表面を照明光を反射させやすくするために、光沢性を有する材質にしておくことが望ましい。
【0043】
(実施形態4)
上述の実施形態では、面発光部500は導光板であった。もっともこのような実施形態に限定されることはなく、面発光部500は、透明乃至半透明の高分子樹脂で形成されることも可能である。
【0044】
透明乃至半透明の高分子樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等を使用することができる。
【0045】
また、透明乃至半透明の高分子樹脂には色彩が付されていても良い。色彩を付すことにより照明器具の演色性を高めることができる。
【0046】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、設置面310は天井面であった。もっとも、このような実施形態に限定されることはない。照明器具900は、壁面や床面等の設置面310にも設置できる。壁面や床面等に設置することにより、室内空間等を明るく照らしながら、演色性を向上させることができる。
【0047】
本実施形態に係る照明器具900は、GX53型蛍光ランプを用いるものであるが、GX53型蛍光ランプを用いる照明器具に限定されず、あらゆる薄型の蛍光ランプにおいても使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施形態1に係る照明器具を説明する図である。
【図2】実施形態2に係る照明器具を説明する図であり、配線の状態が示される図である。
【図3】実施形態2に係る照明器具を説明する図であり、各部品を詳細に説明する図である。
【図4】実施形態2に係る照明器具を上面から説明する図である。
【図5】実施形態2に係る照明器具を下面から説明する図である。
【図6】実施形態3に係る照明器具を説明する図であり、照明カバーが形成されている図である。
【符号の説明】
【0049】
110 アダプタ
111 段差部
112 配線溝
113 ネジ孔
114 接続金具
115 凹部
116 係合孔部
120 GX53型蛍光ランプ
121 ピン電極
122 凸部
128 GX53ソケット部
129 蛍光ランプ部
131 発光管
139 シェード
210 ネジ
310 設置面
320 設置面孔
330 配線孔
340 配線
410 照明カバー
500 面発光部
501 中空部
510 外枠部
511 突出部
520 アーム部
900 照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の蛍光ランプ部と、国際電気標準会議(IEC)規格のGX53形式口金を有するGX53ソケット部と、を有する、GX53型蛍光ランプと、
前記GX53型蛍光ランプを設置面に取り付けるためのアダプタと、
前記蛍光ランプ部と面一になる位置よりも、前記設置面に対し反対側に位置し、前記蛍光ランプ部の照明光をその中空部から取り入れて面発光する、前記中空部を有する平板形状の面発光部と、を有する、
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記蛍光ランプ部は薄型の円盤形状であり、
前記面発光部は、前記中空部に、前記円盤形状の蛍光ランプ部が収まる大きさのドーナツ型形状である、
ことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記面発光部は、前記中空部から入射した照明光を反射乃至拡散させるための凹凸が表面に施されたアクリル樹脂で形成された導光板である、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記面発光部は、透明乃至半透明の高分子樹脂で形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項5】
前記アダプタは一対の段差部を有し、
前記一対の段差部の段差面に置かれる一対の突出部を有する外枠部と、
前記面発光部と前記外枠部とを連絡し、前記面発光部を支持するアーム部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記蛍光ランプ部の下端面は、前記面発光部の上端面と前記面発光部の下端面との間に位置する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記蛍光ランプ部の下面に、前記蛍光ランプ部の照明光の照度を低減させて前記照明光を柔らかくする、照明カバーを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記アダプタに、電気配線を配置する配線溝を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記設置面は、天井面、壁面、若しくは、床面のいずれかである、
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−295425(P2009−295425A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147917(P2008−147917)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】