説明

照明表示装置

【課題】野外に設置するなどの厳しい環境下でも支障がなく、しかも、構造も簡易で製造コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることのできる照明表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の照明表示装置は、少なくとも一端が開放され、少なくとも軸線方向に線状に延在する透光領域を備えてなる一体の筒状ケース111と、該筒状ケース111の前記少なくとも一端に取り付けられた端部カバー112,113と、前記筒状ケース111の内部に配置され、半径方向外側に光を放射し軸線方向に延在する発光範囲を備えた光源114と、前記筒状ケース111の外部において前記透光領域を介して前記発光範囲と対向配置され、前記軸線方向に延在する入射端部を備えた導光板123,124を有する表示体120と、を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明表示装置に係り、特に、光源と、該光源から放出される光を入射する入射端部を備えた導光板とを有することで照明効果を得るように構成された表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、照明効果を得るように構成された照明看板などとして、蛍光管やLEDなどの光源から放出された光を入射端部から導光板内に入射させ、導光板の内部を伝播させながら導光板の表面から照明光が出射するように構成するとともに、当該導光板の表面に印刷層を形成したり導光板の前面上に透過性表示シートなどを配置したりすることで、看板の表示が明るく視認されるように構成されたものが知られている(たとえば、以下の特許文献1ないし9参照)。
【特許文献1】特開昭61−199194号公報
【特許文献2】特開平11−224068号公報
【特許文献3】特開2001−159874号公報
【特許文献4】特開2006−11101号公報
【特許文献5】特開2000−206911号公報
【特許文献6】特開2006−215432号公報
【特許文献7】特開2003−91250号公報
【特許文献8】特表2004−526192号公報
【特許文献9】特開2007−41622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の照明表示装置のうち光源及びその電力供給系(実装基板や駆動回路など)と広告看板等を構成する表示体とが直接対面している構造を有するものは、野外に長期間設置する場合において、表示体内に侵入した水や粉塵等が光源や電力供給系を汚染したり損傷させたりする虞がある。また、光源と表示体が一体構造となっているために、表示体の変更、更新、或いは、光源や電力供給系の交換、修理等を行う際の作業が煩雑になるという問題点もある。
【0004】
また、照明表示装置を野外に設置するには表示体やケース体の密閉性を高めるためにシール構造を設ける必要があることから、製造コストが増大するとともに構造が複雑化し、メンテナンス性も悪化するという問題点もある。
【0005】
さらに、表示体に対して光源及び電力供給系とが隔絶された構造の装置(たとえば、上記特許文献3)も存在するが、本来的に密閉構造を有しない室内用のものであり、野外等の厳しい環境下に長期間設置する使用態様には適合しない。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、野外に設置するなどの厳しい環境下でも支障がなく、しかも、構造も簡易で製造コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることのできる照明表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる実情に鑑み、第1の発明の照明表示装置は、少なくとも一端が開放され、少なくとも軸線方向に線状に延在する透光領域を備えてなる一体の筒状ケースと、該筒状ケースの前記少なくとも一端に取り付けられた端部カバーと、前記筒状ケースの内部に配置され、半径方向外側に光を放射し軸線方向に延在する発光範囲を備えた光源と、前記筒状ケースの外部において前記透光領域を介して前記発光範囲と対向配置され、前記軸線方向に延在する入射端部を備えた導光板を有する表示体と、を具備することを特徴とする。この発明によれば、光源が筒状ケースの内部に配置され、光源から放射された光が筒状ケースの透光領域を通して表示体の導光板に入射するように構成されているので、野外などの厳しい環境下でも発光部分の汚染や損傷を確実に防止できる。
【0008】
本発明において、前記筒状ケースの内部に配置され、前記光源へ電力を供給する電力供給回路をさらに具備することが好ましい。筒状ケース内にさらに電力供給回路も収容されることで、耐候性をさらに高めることできる。
【0009】
本発明において、前記筒状ケースの内部に配置され、外部の明るさを検出する光センサをさらに具備し、該光センサの出力に応じて前記電力供給回路が前記光源の点灯状態を制御することが好ましい。
【0010】
上記第1の発明において、固定された支持フレームをさらに具備し、前記光源は前記支持フレームの光源支持部の前記入射端部側に取り付けられ、前記電力供給回路は前記光源支持部の前記入射端部とは反対側に取り付けられていることが望ましい。
【0011】
次に、第2の発明の照明表示装置は、少なくとも一端が開放され、透光性を備えた一体の筒状ケースと、該筒状ケースの前記少なくとも一端に取り付けられた端部カバーと、前記筒状ケースの内部に配置され、半径方向外側に光を放射し軸線方向に延在する発光範囲を備えた光源と、前記筒状ケースを通して前記発光範囲と対向配置され、前記軸線方向に延在する入射端部を備えた導光板を有する表示体と、前記筒状ケースの内部に配置され、前記光源とは異なる方位に光を放射する副光源と、を具備することを特徴とする。この発明によれば、耐候性を確保するとともに副光源による照明効果をも得ることができる。なお、副光源は軸線周りの半径方向外側に光を放射するように構成されていることが好ましい。
【0012】
本発明において、前記筒状ケースの内部に配置され、前記光源及び前記副光源へ電力を供給する電力供給回路をさらに具備することが好ましい。
【0013】
本発明において、前記筒状ケースの内部に配置され、外部の明るさを検出する光センサをさらに具備し、該光センサの出力に応じて前記電力供給回路が前記光源及び前記副光源の点灯状態を制御することが好ましい。
【0014】
本発明において、前記副光源は前記筒状ケースを通して外側より前記表示体を照明することが好ましい。副光源が外側より表示体を照明することで、表示体の照明効果をさらに高めることができるとともに、表示体の表示態様に応じて透過照明とは異なる外観を構成することも可能になる。
【0015】
上記第2の発明において、前記筒状ケースの内部に固定された筒状の支持フレームをさらに具備し、前記光源及び前記副光源は前記支持フレームの半径方向外側に取り付けられ、前記電力供給回路は前記支持フレームの内部に取り付けられていることが望ましい。
【0016】
上記各発明において、前記表示体の前記筒状ケース側の基端部から前記筒状ケースの外面に亘って遮光する遮光部材が設けられていることが好ましい。これによれば、遮光部材により筒状ケースと表示体の間の漏洩光が外部から視認されないようにすることができるため、表示体の視認性を向上できる。
【0017】
この場合において、前記遮光部材は光反射性の内面を有することが望ましい。これによれば、上記漏洩光を導光板内に戻すことでより効率的に表示体を照明することができる。
【0018】
また、上記各発明において、前記光源と前記入射端部との間に介在する前記筒状ケースの透光領域の内面と外面の少なくとも一方の軸線方向と直交する断面形状が平坦に構成されていることが好ましい。これによれば、光源から透光領域を通して導光板に入射する過程で光が拡散することを抑制できる。
【0019】
さらに、上記各発明において、前記光源と前記入射端部の間に介在する前記筒状ケースの透光領域の内面と外面の少なくとも一方の軸線方向と直交する断面形状が凸曲面状に構成されていることが好ましい。これによれば、光源から透光領域を通して導光板に入射する光を集光することができるため、より効率的に表示体を照明することができる。
【0020】
上記各発明において、前記表示体は前記端部カバーに保持された側部フレームを有し、前記導光板の軸線方向の側部が前記側部フレームに直接若しくは間接的に保持されていることが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は本発明に係る照明表示装置100の全体構成を示す概略斜視図、図2は表示面に沿った断面を示す概略縦断面図、図3は表示面と直交する断面を示す概略縦断面図である。
【0022】
本実施形態は、略円柱状に構成された照明体110と、照明体110の軸線(以下、単に「軸線」と言い、その方向を「軸線方向」、その周囲を周回する向きを「軸線周り」と言う。また、当該軸線と直交する平面に沿った方向において軸線から離れる方向を「半径方向外側」と言う。)と平行な幅方向を有する略平板状に構成された表示体120と、表示体120の照明体110とは反対側の端部に取付けられた略円柱状の先端被覆体130とを有している。
【0023】
照明体110は、両端部が開放された円筒状のアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等よりなる透明な筒状ケース111と、この筒状ケース111の両端に装着された端部カバー112、113とからなるケース体を有する。端部カバー112,113にはそれぞれ表示体120側に突出する支持枠部112a、113aが一体に設けられている。
【0024】
表示体120はアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等よりなる透明な表示板121、122を表裏に有し、これらの表示板121,122の間にアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等よりなる透明な導光板123,124が配置されている。導光板123,124の間には白色ポリエチレンテレフタレートや金属箔等よりなる反射シート125が介挿されている。また、これらの積層構造の軸線方向両端には、ステンレス鋼やアルミニウム等よりなる断面コ字状の側部フレーム126、127が嵌合し、上記積層構造を保持している。側部フレーム126、127の一端部は上記端部カバー112,113の支持枠部112a,113aに保持(取付固定)されている。
【0025】
また、先端被覆体130は両端部が閉鎖された略円筒状で軸線方向にスリット131aが設けられた筒状枠131と、この筒状枠131の両端部に装着された端部カバー132,133とを有している。筒状枠131のスリット131aには上記表示体120の照明体110とは反対側にある先端部が導入されている。また、端部カバー132,133にはそれぞれ表示体120側に突出する支持枠部132a,133aが一体に設けられ、これらの支持枠部132a、133aは上記側部フレーム126、127の先端部を保持(取付固定)している。
【0026】
照明体110のケース体の内部には、多数のLED等の点状光源が軸線方向に配列された態様で、全体として軸線方向に延在する発光範囲を有する光源114が構成され、上記点状光源は基板115上に実装されている。光源114は半径方向外側に高い指向性(例えば指向角が15度以下)を有するものが好ましい。基板115は軸線方向に延在した帯状に構成され、筒状ケース111の内部に固定される支持フレーム116の外面上に取り付けられている。支持フレーム116は上記端部カバー112,113に取付ねじなどの固定手段112b、113bによって固定される。固定手段112b、113bは端部カバー112,113の外部より操作することで、端部カバー112,113から支持フレーム116を取り外すことができるようになっている。なお、端部カバー112,113の外部端面上には上記固定手段112b、113bとともに取付具や支柱等に装着するためのねじ穴等よりなる取付手段112c、113cが設けられている。
【0027】
表示体120の基端部(照明体110側の端部)の表裏(表示板121,122の基端部表面)には遮光板(シート又はテープ)128、129が被覆し、これらの遮光板128、129は表示体120の基端部から上記照明体110の筒状ケース111の外面上に亘り一体に設けられ、照明体110と表示体120の双方に接着等によって固定されている。遮光板128、129は遮光性素材で構成されるが、ステンレス鋼、アルミニウム、白色ポリエチレンテレフタレート等の光反射性素材で構成されることが好ましい。これによって遮光板128,129の内面が光反射性となるので、照明体110と表示体120の間及び表示体120の基端部からの光の漏洩を防止するだけでなく、当該光の反射によって表示体120への光の導光効率を高めることができる。
【0028】
図4は上記筒状ケース111の内部に収容配置される内部構造の正面図、図5は同内部構造から電源回路117及び駆動回路118を除いた部分を軸線方向と直交する断面で示す縦断面図、図6は照明体110全体を軸線方向に沿った断面で示す縦断面図である。
【0029】
支持フレーム116は全体として筒状ケース111と同じ軸線に沿って伸びる筒形状、具体的には断面多角筒形状(図示例では六角筒形状)に構成される。支持フレーム116は二つのフレーム材116Aと116Bを固定したものである。支持フレーム116の軸線方向の両端部には半径方向(好ましくは外側)に折り返された端片部116a、116bが設けられ、これらの端片部116a,116bが端部カバー112,113に対して固定手段112b、113bによって固定される。
【0030】
支持フレーム116の内部には、上記基板115とともに電力供給系を構成する電源回路117及び駆動回路118が配置されている。電源回路117はたとえばAC安定化電源である。この電源回路117は駆動回路118に必要な電力を供給するもので、図示しない商用電源に接続されるべき電源コード117aが端部カバー112の防水シール112dを取り付けた導入孔を介して導入されている。
【0031】
コントローラ(駆動回路)118はCPUや論理回路等を構成する集積回路チップ、その他の電子部品などで構成され、上記光源114に適した電力を供給し、その点灯状態を制御する。特に、図6に示すように、端部カバー113の透光窓113dを介して外部の明るさを検出する光センサ(フォトダイオードなど)119が筒状ケース111の内部に配置される場合には、当該光センサ119の出力に応じて光源114及び後述する副光源114sの点灯状態や輝度を制御する。たとえば、外部が明るいときには光源114及び副光源114sを消灯させ、外部が暗くなると点灯させる。また、光源114と副光源114sとを時差点灯させるようにしてもよい。また、光源114及び光源114sの輝度に応じて電圧値を制御し、一定の輝度を得るように構成することもできる。
【0032】
本実施形態では、支持フレーム116の図示上部に設けられた光源支持部116pの外面上に上記光源114及び基板115が取り付けられている。また、二組の副光源114s及び副基板115sが支持フレーム116の図示斜め下方に設けられた副光源支持部116sの外面上に取り付けられている。光源114及び基板115並びに二組の副光源114s及び副基板115sは軸線周りの三箇所(120度間隔)にそれぞれ半径方向外側を向く姿勢で配置される。光源114及び副光源114sはそれぞれ多数のLED等が軸線方向に千鳥状に配列されてなり、いずれも軸線方向に延在する発光範囲を有する。
【0033】
なお、図5に二点鎖線で示すように、副光源114sを筒状ケース111の内部において光源114の側方に配置し、副光源114sから筒状ケース111を通して表示体120が外部より照明されるように構成することもできる。この場合、筒状ケース111を図示二点鎖線で示すように角筒状に構成することなどにより副光源114sから放射される光が通過する筒状ケース111の透光領域が平坦化され、表示体120の外面へ向かう過程で光が拡散したり散乱したりしないように構成することが望ましい。
【0034】
図7は表示体120の全体構成を示す側面図、図8は表示体120の拡大部分縦断面図である。表示体120は上述のように表示板121,122、導光板123,124、及び、反射シート125が積層されてなるが、表示板121,122と導光板123,124との間に透光性の表示シートS1、S2を介在させ、当該表示シートS1、S2で所望の透過表示を実現するように構成される。ただし、表示板121,122又は導光板123,124に所望の表示を施すことで、上記表示シートS1、S2(さらには表示板121,122)を省略しても構わない。
【0035】
表示体120の基端部には前述の遮光板128,129が貼着され、遮光機能乃至は反射機能を発揮するように構成される。また、表示体120の先端部には反射シート125と同様の素材よりなる反射シートRが装着され、導光板123,124の端部に到達した光を基端部側に戻すように構成される。当該反射シートRが装着された表示体120の先端部は上記筒状枠131のスリット131aを通して導入され、その内部に収容される。
【0036】
導光板123,124の外面は微細な凹凸よりなる光出射面123a,124aとなっており、図8の図示上方へ伝播する内部伝播光を徐々に外側(図示左右方向)に出射させる機能を有する。なお、導光板123,124は基本的に光出射面123a,124aから均一な照明光を面状に出射させるものであれば如何なるものであってもよく、たとえば、内面に微細な凹凸が形成されていたり、光散乱性の印刷層が形成されていたりしてもよい。また、反射シート125は導光板123,124の内面から出射する光を反射により再び導光板内に戻し、その先端部から基端部へ向けて逆方向に伝播させるものであり、これによって光は導光板からより効率的に外側へ出射される。
【0037】
図9は、本実施形態の照明体110と表示体120の境界部分の構造を示す拡大部分縦断面図である。光源114の発光範囲から放射される光は筒状ケース111を透過して導光板123,124の光入射面を構成する端部である入射端部123b、124bから入射し、それぞれの導光板123,124の内部を図示上方へ伝播していく。この場合、光源114をLEDを千鳥状に配列させてあることで、入射端部123b、124bの双方に向けて効率的に光を放射することが可能になっている。ここで、透光領域Tは光源114と入射端部123b、124bとの間に介在する筒状ケース111の透光性を有する部分であり、光源114から放射される光は当該透光領域Tを通して導光板123,124に入射する。
【0038】
本実施形態では、照明体110の光源114から放射される光を筒状ケース111を通して導光板123,124に導入し、これによって表示体120を照明するように構成されるので、表示体120の内部に水や粉塵が浸入しても光源114及び電力供給回路115、117、118等への影響はない。また、筒状ケース111内に配置された副光源114sによって外部を照明することが可能になるので、たとえば、照明灯付き照明看板として用いることが可能である。光源114及び副光源114sは筒状ケース111内に収容された電力供給回路等により夜間など周囲が暗くなる時間帯のみ表示体120及び照明灯が点灯するように構成でき、また、光源114と副光源114sを別々に制御して、たとえば夕刻において先に光源114により表示体120が照明され、遅れて副光源114sにより照明灯が点灯する時差点灯を行ってもよい。
【0039】
図10は異なる構成例を示す拡大部分縦断面図である。この構成例では、筒状ケース111のうち光源114と入射端部123b、124bの間に介在する透光領域Tの内面Tx及び外面Tyの軸線方向と直交する断面(表面輪郭)を平坦に形成してある。これによって、上記実施形態の光源114から放射される光が筒状ケース111の透光領域Tの円筒面状の内面及び外面によって軸線周りに拡散するといったことを抑制できる。この効果は、内面Txと外面Tyの少なくとも一方が平坦に構成されることでも得られる。特に、外面Tyが平坦に構成されることで、表示体120の基端部と密接させることも可能になる。
【0040】
図11はさらに別の構成例を示す拡大部分縦断面図である。この構成例では、筒状ケース111のうち光源114と入射端部123b、124bの間に介在する透光領域Tの内面Txの軸線方向と直交する断面(表面輪郭)を凸曲面状(図示下に凸の形状)に構成してある。これによって、上記実施形態の光源114から放射される光が筒状ケース111の円筒面状の内面及び外面によって軸線周りに拡散することを抑制できるだけでなく、当該光を半径方向外側(図示上方)に収束させることができる。ここで、外面Tyの軸線方向と直交する断面(表面輪郭)を平坦に形成してあるのは、上述の先の構成例と同様である。この構成例において、内面Txの代わりに外面Tyを凸曲面状(図示上に凸の形状)に構成してもよく、或いは、内面Txと外面Tyの双方を凸曲面状に構成してもよい。
【0041】
以上説明した実施形態によれば、筒状ケース111の内部に光源114及び基板115、並びに電力供給系を構成する基板115、電源回路117及びコントローラ118(すなわち電力供給回路)を配置し、筒状ケース111の透光領域を通して表示体120の導光板123,124に光を導入するように構成してあるので、極めて簡易な構成にも拘わらず、発光体110と表示体120を隔絶することができるため、野外に設置する場合などの厳しい環境下であっても周到なシール構造などを施さずに発光体110の汚染や損傷を確実に防止することができ、しかも、製造コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることが可能になる。
【0042】
尚、本発明の照明表示装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。たとえば、上記実施形態では照明体110の筒状ケース111全体が透明素材で構成されているが、透明素材に限らず、半透明素材その他の透光性素材で構成されていればよい。また、筒状ケース111のうち光源114と入射端部123b、124bの間の部分のみが軸線方向に線状に延在する透光領域Tとして構成されているものであってもよい。具体的には、筒状ケース111を透光性素材よりなる筒体の上記透光領域Tを除く内面又は外面を遮光層で被覆するようにしてもよい。
【0043】
さらに、筒状ケース111は円筒状に構成される場合に限らず、角筒状などの他の筒形状とされたものであってもよく、また、両端部が開放された形状に限らず、一端部が閉鎖され、他端部のみが開放された形状であってもよい。
【0044】
なお、上記実施形態では照明体110を表示体120の一方側にのみ配置したが、上記実施形態の先端被覆体130の代わりに別の照明体110を設けることで、表示体120の両側から光を導入するように構成してもよい。また、照明体110に複数組の光源114を設け、各組それぞれの光源に対応する表示体を設けることで、複数の表示体を備えたものとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態の全体構成を示す概略斜視図。
【図2】実施形態の全体構成を照明体の軸線方向に沿った断面で示す縦断面図。
【図3】実施形態の全体構成を上記軸線方向と直交する断面で示す縦断面図。
【図4】実施形態の照明体の内部構造を示す正面図。
【図5】実施形態の照明体の内部構造を一部省略して上記軸線方向と直交する断面で示す縦断面図。
【図6】実施形態の照明体を上記軸線方向に沿った断面で示す縦断面図。
【図7】実施形態の表示体の全体構成を上記軸線方向と直交する断面で示す縦断面図。
【図8】図7の断面構造を拡大して示す拡大部分縦断面図。
【図9】実施形態の照明体と表示体の境界部分を軸線方向と直交する断面で示す拡大部分縦断面図。
【図10】異なる構成例の上記境界部分を示す拡大部分縦断面図。
【図11】さらに別の構成例の上記境界部分を示す拡大部分断面図。
【符号の説明】
【0046】
100…照明表示装置、110…照明体、111…筒状ケース、112、113…端部カバー、112a,113a…支持枠部、114…光源、115…基板、114s…副光源、115s…副基板、116…支持フレーム、117…電源回路、118…コントローラ(駆動回路)、120…表示体、121,122…表示板、123,124…導光板、125…反射シート、126,127…側部フレーム、128、129…遮光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端が開放され、少なくとも軸線方向に線状に延在する透光領域を備えてなる一体の筒状ケースと、
該筒状ケースの前記少なくとも一端に取り付けられた端部カバーと、
前記筒状ケースの内部に配置され、半径方向外側に光を放射し軸線方向に延在する発光範囲を備えた光源と、
前記筒状ケースの外部において前記透光領域を介して前記発光範囲と対向配置され、前記軸線方向に延在する入射端部を備えた導光板を有する表示体と、
を具備することを特徴とする照明表示装置。
【請求項2】
前記筒状ケースの内部に配置され、前記光源へ電力を供給する電力供給回路をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の照明表示装置。
【請求項3】
前記筒状ケースの内部に配置され、外部の明るさを検出する光センサをさらに具備し、該光センサの出力に応じて前記電力供給回路が前記光源の点灯状態を制御することを特徴とする請求項2に記載の照明表示装置。
【請求項4】
少なくとも一端が開放され、透光性を備えた一体の筒状ケースと、
該筒状ケースの前記少なくとも一端に取り付けられた端部カバーと、
前記筒状ケースの内部に配置され、半径方向外側に光を放射し軸線方向に延在する発光範囲を備えた光源と、
前記筒状ケースを通して前記発光範囲と対向配置され、前記軸線方向に延在する入射端部を備えた導光板を有する表示体と、
前記筒状ケースの内部に配置され、前記光源とは異なる方位に光を放射する副光源と、
を具備することを特徴とする照明表示装置。
【請求項5】
前記筒状ケースの内部に配置され、前記光源及び前記副光源へ電力を供給する電力供給回路をさらに具備することを特徴とする請求項4に記載の照明表示装置。
【請求項6】
前記筒状ケースの内部に配置され、外部の明るさを検出する光センサをさらに具備し、該光センサの出力に応じて前記電力供給回路が前記光源及び前記副光源の点灯状態を制御することを特徴とする請求項5に記載の照明表示装置。
【請求項7】
前記副光源は前記筒状ケースを通して外側より前記表示体を照明することを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の照明表示装置。
【請求項8】
前記表示体の前記筒状ケース側の基端部から前記筒状ケースの外面に亘って遮光する遮光部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明表示装置。
【請求項9】
前記遮光部材は光反射性の内面を有することを特徴とする請求項8に記載の照明表示装置。
【請求項10】
前記光源と前記入射端部との間に介在する前記筒状ケースの透光領域の内面と外面の少なくとも一方の軸線方向と直交する断面形状が平坦に構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明表示装置。
【請求項11】
前記光源と前記入射端部の間に介在する前記筒状ケースの透光領域の内面と外面の少なくとも一方の軸線方向と直交する断面形状が凸曲面状に構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−98313(P2009−98313A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268472(P2007−268472)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(502025680)株式会社イングスシナノ (5)
【Fターム(参考)】