照明装置および画像読取装置
【課題】コンパクトに構成でき、設計・製造が容易で、照明部に照明影を生じることがない照明装置を実現する。
【解決手段】複数のLEDを1方向に配列した光源1と、導光体3と、導光体の射出端面から射出した光を、ライン状の被照明部に向けて反射させるミラー部材5と、を有し、導光体3は、ライン状の被照明部LAの長手方向を含んで被照明部に直交する法線面FAを介して、射出端面3Bがミラー部材5と逆の側にあるように配置され、表面に形成される配光制御領域3Cの傾斜面SAと、SBの外向き法線の傾き角:θa、θbの大小関係が、θa<θbで、導光体3により導光され、配光制御領域3Cから被照明部側に射出する光が、ミラー部材5により反射される光とは、法線面FAの逆の側から被照明部を照射するように形成されている。
【解決手段】複数のLEDを1方向に配列した光源1と、導光体3と、導光体の射出端面から射出した光を、ライン状の被照明部に向けて反射させるミラー部材5と、を有し、導光体3は、ライン状の被照明部LAの長手方向を含んで被照明部に直交する法線面FAを介して、射出端面3Bがミラー部材5と逆の側にあるように配置され、表面に形成される配光制御領域3Cの傾斜面SAと、SBの外向き法線の傾き角:θa、θbの大小関係が、θa<θbで、導光体3により導光され、配光制御領域3Cから被照明部側に射出する光が、ミラー部材5により反射される光とは、法線面FAの逆の側から被照明部を照射するように形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置および画像読取装置に関する。照明装置は、原稿スキャナや、複写装置やマルチファンクション型プリンタ等の画像形成装置における原稿照明装置として実施できるほか、液晶テレビジョン等の液晶表示装置のガラス基板(マザーガラス)のごみ検出のためのライン照明等に用いることができる。
【0002】
画像形成装置は、照明装置を原稿照明用に用いる上記画像形成装置として実施できる。
【背景技術】
【0003】
青色LEDと、黄色蛍光体あるいは「緑色蛍光体と赤色蛍光体」とを組み合わせて白色光を放射する「白色LED」を用いる照明光源が広く知られている。
このような白色LEDを複数個、1方向に配列して光源とし、この光源からの光をライトガイドにより導光して原稿面をライン状に照明する照明装置は、従来から種々のものが知られている(特許文献1〜3等)。
【0004】
この種の照明装置では、原稿像を撮像するライン撮像素子の、受光素子列に対応する「原稿上のライン状部分を含む帯状の領域」をライン照明することになるが、この照明は一般に、照明される「帯状の原稿面部分」に対して、斜め方向から照明光を照射して行なわれる。
【0005】
このように原稿面に対して斜め方向から照明光を照射する場合、照明される原稿面部分に「折り目」がある場合や、あるいは「切り張りされて紙厚分の段差」がある場合に、斜め方向から照射される照明光により、折り目部分や段差部分が「影(以下、「照明影」と呼ぶ。)を生じさせる。
【0006】
このように、生じた照明影が読取られると「読取られたデータを再生する画像」の品質を低下させる。
このような「照明影」の発生を解消できるものとして、特許文献3記載の照明装置が知られている。
【0007】
特許文献3記載の照明装置では、板状の導光体の「厚みを成す1側端面」から照明光を入射させて導光体内を導光させ、入射側の端面と対応する側端面を「傾斜面」として形成し、導光される照明光を、上記斜面により透過光と反射光に分ける。
【0008】
透過光は、ミラーにより反射させて照明部へ「斜め方向から照射」させるとともに、反射光は、導光体の表面から射出させ、照明部へ「ミラーの反射による照明光とは逆側」から照射させる。
【0009】
このようにすれば、原稿の被照明部は「互いに逆方向から斜めに照射される」ので、照明光により被照明部に照明影が生じない。
しかし、導光体の傾斜面を透過した光はミラー経由で原稿を照明し、傾斜面で反射された反射光は導光体の表面から射出して、直接、原稿面を照明する光となる。
したがって、ミラー経由の光と直接光とを個別に設計できないため設計の自由度は小さくなってしまう。
【0010】
また、照明装置は、コンパクトであることが好ましいことは言うまでもない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は、コンパクトに構成でき、設計・製造が容易で、照明部に照明影を生じることがない照明装置と、この照明装置を用いる画像読取装置の実現を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の照明装置は、複数のLEDを1方向に配列した光源と、平行平板状の透明体であって、該透明体の厚みをなす側端面の、互いに対応する一方を入射端面、他方を射出端面とし、上記入射端面が上記光源側に、上記LEDの配列方向に平行、且つ、近接して配置され、上記光源側から上記入射端面に照射される光を入射させて射出端面に向かって導光する導光体と、この導光体により導光され、上記射出端面から射出した光を、ライン状の被照明部に向けて反射させるミラー部材と、を有し、上記導光体は、表面を上記被照明部に向けて上記被照明部と平行に、且つ、ライン状の被照明部の長手方向を含んで被照明部に直交する法線面を介して、上記射出端面が上記ミラー部材と逆の側にあるように配置され、上記導光体の表面および裏面の少なくとも一方に、配光制御領域が形成され、該配光制御領域には、斜面の外向き法線が光源側に傾く複数の傾斜面:aと、斜面の外向き法線が射出端面側に傾く複数の傾斜面:bが、上記入射端面側から射出端面側に向かって交互に配列して形成され、上記導光体の表面側から外側へ、被照明部に直交するように伸びる方向:Pから、上記傾斜面:aの外向き法線までの角:θa、上記方向:Pから上記傾斜面:bの外向き法線までの角:θbの大小関係が、
θa<θb
であって、上記導光体により導光され、上記配光制御領域に入射して被照明部側に射出する光が、上記ミラー部材により反射される光とは、上記法線面の逆の側から上記被照明部を照射するように形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明の画像読取装置は、原稿面をライン状に照明し、原稿面からの光を、ミラーとレンズを有する読取光学系により撮像素子上に結像させ、原稿画像を読取る画像読取装置であって、原稿面をライン状に照明する照明装置として、上記のものを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明の照明装置は、導光体の射出端面から射出して、ミラー部材経由で被照明部を照明する光の光路と、配光制御領域を介して被照明部を照明する光の光路を、個別に設計できるため、設計上の制約が少なく、製造が容易で、低コストでの製造も可能である。
【0015】
また、被照明部は、互いに逆向きに斜め照射されるので被照明部に微小な凹凸があっても「照明影」を生じさせない。
【0016】
また、導光体が平行平板であり、入射端面が、光源のLEDの配列方向に平行に近接して配置されるので、導光体と光源とを含む部分を薄型にでき、照明装置をコンパクトに構成できる。
【0017】
従って、このような照明装置を用いることにより、照明手段に大きなスペースをとられることがなく、原稿画像を良好に読取ることのできるコンパクトな像読取装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】照明装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】照明装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図3】照明装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図4】照明装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図5】照明装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図6】照明装置の実施の別形態を説明するための図である。
【図7】θa+θbが略90度であることが好ましい理由を説明するための図である。
【図8】拡散手段を用いる実施の形態を3例説明するための図である。
【図9】拡散手段を用いる実施の形態の別の3例を説明するための図である。
【図10】画像読取装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図11】画像読取装置の実施の別形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施の形態を説明する。
図1から図4は、照明装置の実施の形態の1例を説明するための図である。図1〜図3を参照して照明装置のレイアウトと導光体の配光制御領域を説明する。
【0020】
図1は、照明装置の要部を示している。
この照明装置は、原稿画像を読取る画像読取装置において「原稿照明用」に用いられるものである。
【0021】
照明装置の要部は、光源1と、導光体3と、ミラー5とを有する。
光源1は、複数のLEDを1方向に配列して、細長いボードに一体化して実装したものであり、勿論、LEDを点滅させる駆動回路を有している。
【0022】
配列されるLEDは前述の「白色LED」である。以下において、光源1を「実装ボード1」あるいは「LED実装ボード1」と言うこともある。
【0023】
導光体3は、平行平板状の透明体であって、その厚みをなす側端面の、互いに対応する一方を入射端面、他方を射出端面となっている。
【0024】
導光体3の、互いに平行な2つの面を「表面および裏面」とする。表・裏面の形状は、この実施の形態において長方形形状である。表・裏面の間隔が「厚み」であり、厚みをなす側端面は4面あるが、そのうち対向する1対が、上記入射端面と射出端面である。
【0025】
入射端面・射出端面は、4面の側端面のうちで、長さの大きい方向、即ち、長方形をなす表・裏面の長辺部分における側端面である。
【0026】
光源1において「配列されるLEDの数」は、照明される「帯状の領域」の最大長さに応じて異なる。配列間隔は、例えば、5mm〜10mm程度であるが、これに限定されるものではなく、より短い配列間隔や、より長い配列間隔もあり得る。
【0027】
光源1は、その長さが、導光体3の入射端面の長さと略等しく、図の如く、入射端面に近接して配置される。即ち、導光体3の側から見れば、その入射端面が光源1側に、LEDの配列方向に平行に、且つ、近接するようにして配置される。
【0028】
ミラー5は「ミラー部材」であり、導光体3の射出端面側に、射出端面と間隔を隔して配置される。
光源1を発光させると、光は、導光体3の入射端面から導光体3内に取り込まれ、導光体3内を、射出端面側に向かって導光される。ミラー5は、導光体3により導光されて射出端面から射出した光を反射させる。
【0029】
ミラー5により反射された光は、原稿の「ライン状の被照明部」を照明する。
【0030】
なお、ミラー5の鏡面形状を「長手方向を軸とするシリンドリカル面」等とし、反射面による反射光束を、1方向に発散あるいは収束させるようにすることもできる。
【0031】
図2を参照して、光源1と、導光体3と、ミラー5と、原稿0の、相互の位置関係を説明する。
【0032】
図2において、ライン照明される原稿0は、コンタクトガラス7上に平面的に定置される。
図2に示すように、光源1、導光体3、ミラー5は、上に説明した位置関係を実現するように、保持部材9に固定的に保持されている。導光体3の射出端面3Bとミラー5との間の部分において、保持部材9に開口部9Aが穿設されている。
【0033】
導光体3は、コンタクトガラス7と平行になるようにして、表面STがコンタクトガラス7側を向くように配置される。
【0034】
上記の如く、光源1から放射され、入射端面3Aから導光体3に入射し、導光体3により導光されて射出端面3Bから射出し、ミラー5により反射された光は、図中に「符号LAで示す部分を含む帯状の領域」を照明する。
【0035】
符号LAで示す部分は、図2の図面に直交する方向に長い直線状の領域であり、この領域を便宜上「被照明ラインLA」と称する。被照明ラインLAは、照明装置との位置関係で定まるものであり、画像を電気信号化するラインセンサ(ライン撮像素子)における受光部(受光素子)の配列方向に対応する。
即ち、原稿0の被照明ラインLAの位置にある原稿0の像が、後述する読取光学系によりラインセンサの受光部に結像する。
【0036】
被照明ラインLAに合致した方向を「主走査方向」と称する。
また、被照明部において、主走査方向に直交する方向を「副走査方向」と称する。原稿画像の読取は、原稿0と被照明ラインLAとを「副走査方向において相対的に変位」させることにより行なわれる。
【0037】
原稿0と被照明ラインLAとを、副走査方向に相対的に変位させるには、図2の装置のように、原稿0をコンタクトガラス7上に平面的に定置した状態で、照明装置を副走査方向(図2の左右方向)へ移動させるようにすれば良い。
【0038】
あるいは、このようにする代わりに、照明装置を定位置に固定し、原稿0が「被照明ラインLAの位置を横切って副走査方向に変位する」ようにしてもよく、さらには、照明装置と原稿0とを、副走査方向において「互いに逆向きに変位」させて行なっても良い。
【0039】
導光体3は、図2に示すように「平行平板状」である。導光体3の入射端面3Aは、光源1の長手方向にわたって、光源1に平行して近接している。また、射出端面3Bは、入射端面3Aに平行であり、ミラー5の長手方向に平行に対向している。
【0040】
即ち、光源1の長手方向、入射端面3A、射出端面3Bの長手方向、ミラー5の長手方向は、被照明ラインLAに平行、即ち、主走査方向に平行である。
【0041】
被照明ラインLAを含み、被照明ラインLAに直交する面を考え、この面を「読取光軸面」とよび、符号FAで表す。
【0042】
読取光軸面FAは、前述の「ライン状の被照明部の長手方向を含んで被照明部に直交する法線面」である。
【0043】
前述の「読取光学系」の光軸は、この読取光軸面FAに含まれ、被照明ラインLAに直交する。
【0044】
導光体3の射出端面3Bから射出し、ミラー5により反射される照明光は、被照明ラインLAを含む帯状部分(図面に直交する方向に長い)を、図2において、読取光軸面FAの右側から斜め左上に向かって照射する。
【0045】
即ち、導光体3は、表面を被照明部に向けて被照明部と平行に、且つ、ライン状の被照明部である被照明ラインLAの長手方向を含んで、被照明部に直交する法線面である読取光軸面FAを介して、ミラー5と射出端面3Aが逆の側にあるように配置される。
【0046】
さて、導光体3の、コンタクトガラス7の側に向いた表面STに、配光制御領域3Cが形成されている。
【0047】
この配光制御領域3Cの一部を拡大して示したのが図3である。
【0048】
図3において、左方が光源1の側であり、右側がミラー5の側である。
図3に示すように、配光制御領域3Cは「2種類の傾斜面が、入射端面3A側から射出端面3B側に向かって交互に配列した領域」である。
2種類の傾斜面は、傾斜面:aと傾斜面:bで、これらを符号SA、SBで表す。
なお、説明中の実施の形態では、配光制御領域3Cは、導光体3の表面の一部に形成されているが、上記表面の全面に形成することもできる。
【0049】
傾斜面SA、SBは、何れも、長手方向が主走査方向に平行な短冊形状である。
【0050】
傾斜面SA、SBは、これらの面に立てた外向き法線の向きにより特徴づけられる。
【0051】
図3の如く、導光体3の表面側から「被照明部に直交する」ように外側に伸びる方向を「P」とする。方向:Pは、導光体3の表面の、配光制御領域3C以外の平面部分に直交する方向に平行である。
【0052】
傾斜面SAは、その外向き法線naが、方向:Pから「光源側(図3で左方)」に傾くように形成される。この傾きの傾き角を「θa」とする。
傾斜面SBは、その外向き法線nbが、方向:Pから「射出端面側(図3で右方)」に傾くように形成される。この傾きの傾き角を「θb」とする。
【0053】
上記傾き角:θaとθbとは、
θa<θb
となるように大小関係が定められる。
【0054】
傾斜角:θa、θbに、このような大小関係が設定されているので、傾斜面SBの傾きがより急峻になる。
【0055】
このように傾斜面SA、SBが形成されると、導光体3により導光され、配光制御領域3Cに入射して被照明部(コンタクトガラス7)側に射出する光は、ミラー5により反射される光とは「読取光軸面FAの逆の側(図2で左側)から被照明部を照射」する。
【0056】
説明中の実施の形態では、傾斜面SAの傾斜角:θaは20度、傾斜面SBの傾斜角:θbは70度で、θa+θbは90度である。
【0057】
以下、導光体3の材質の屈折率を1.5、導光体3の厚さを1mm、副走査方向の長さを30mmとし、入射端面3Aから15mm離れた位置から、射出端面3B側へ向かって、10mmの範囲に配光制御領域3Cが形成されているものとして、シミュレーションの結果を説明する。傾斜面SAの幅は0.38mm、傾斜面SBの幅は0.14mmとし、傾斜面SA、SBの配列ピッチは0.40mmであるとする。
【0058】
図4(a)は、光源から入射端面3Aを介して導光体3に入射し、導光体3により導光される光の光線のいくつかを具体的に示している。光源から導光体3に入射する光は、導光体3の表面に平行な面に対して種々の傾き角を持っている。
この傾き角の小さいものは、光線L0のように、導光体3をそのまま透過して射出端面3Bから射出してミラー5に向かう。
【0059】
ある程度の傾き角を持つ光線は、導光体3の表・裏面で反射を繰り返しつつ射出端面3Bの側へ導光されるが、これらの光線の一部は、射出端面3Bに到達して射出端面3Bから射出する。この光もミラー5に向かう。
【0060】
光線のうちで「配光制御領域3Cに入射するもの」は、配光制御領域3Cの光学作用を受ける。配光制御領域3Cの作用を受ける光線群のうちの一部は、配光制御領域3Cから、図4(a)において「斜め右上方向」に射出する。
一方、他の一部の光線は、配光制御領域3Cで反射したのちに射出端面3Bから射出してミラー5に向かう。
【0061】
例えば、光源を構成するLEDの中央から導光体3に入射して「入射端面3Aの法線方向から2度上方(表面側)」に進む光線を、図4(b)に示すように光線L1とする。
【0062】
光線L1は、傾斜面SBに入射すると、傾斜面SBから射出する射出光成分と、反射光成分に分離する。反射光成分を反射光L2とすると、反射光L2は光源側(図の左方)に向かって進む。
一方、傾斜面SBから射出した光線は、傾斜面SBの射出端面3B側に隣接する傾斜面SAに入射して、透過光L3と反射光L4とに分離される。
【0063】
これらの光線L1、L2、L3、L4の強度は、光線L1の強度を1とすると、光線L2は0.04程度、光線L3が0.16程度、光線L4は0.80程度となる。
即ち、光線L1のうち、80%程度は、配光制御領域3Cから、被照明部側へ向かい、図4(b)で斜め右方へ向かって射出し、被照明部を「ミラー5による反射光」とは逆の側から照射する。
【0064】
次に、図4(c)に示すように、導光体3の表・裏面に対して「−40度の方位」で導光体3に入射した光線L5は、導光体3の表・裏面で7回全反射を繰り返し、傾斜面SBを透過して被照明部に向かう。このときの透過光L7は96%の透過率となる。傾斜面SBによる反射光L6の強度は、光線L5の強度を1として0.04程度となる。
【0065】
さらに、LEDから「−2度の方位」で放出された光線(図4(b)の光線L1を上下に反転させた光線)は、導光体3の裏面で「1回全反射」して射出端面3Bから射出し、ミラー5に向かう。即ち、この光線は射出端面3Bでの反射成分を除いて、ミラー5に向かう。
【0066】
結局、配光制御領域3Cに入射して、配光制御領域3Cから射出する光線群は、図5に示すように「読取光軸面FAの、図において左側」から、斜め右上方へ向かって「被照明ラインLAを含む帯状の領域」を照射する。
導光体3の裏面側から射出する光は、配光制御領域3Cから射出する「原稿照明に寄与する光」に対して10%程度であり、原稿照明に寄与できる光に対して少ない。
【0067】
従って、導光体3を介する実効的な照明光の「原稿照明に対する光利用効率」は高い。
【0068】
導光体3の射出端面3Bから射出して、ミラー5により反射された光線群は、図5に示されているように、読取光軸面FAの、図において右側」から、斜め左上方へ向かって被照明ラインLAを含む帯状の領域を照射する。
【0069】
従って、被照明ラインLAを含む帯状の被照明部は、読取光軸面FAの左右両側から、互いに逆向きで、斜め方向に照明されることになり、被照明部に平面的に定置された被照明物である原稿0の表面に、折り目部分や段差部分による凹凸があっても「照明影」の発生を有効に抑制できる。
【0070】
上述した実施の形態例の構成によれば、光源1(LED実装ボード)と、配光制御領域3Cを有する導光体3と、ミラー5という部品点数の少なさに加え、配光制御領域3Cからの直接照明光とミラー5からの反射照明光によって照明影を抑制し、原稿面法線方向のサイズを非常に薄くでき、さらに配光制御領域3Cの斜面構成を上記の如くすることにより、被照明部を、配光制御領域3Cからの直接照明光と、ミラー5からの反射照明光とにより効率良く照明できる。
【0071】
なお、上の実施の形態例では、傾斜面SAと傾斜面SBが「互いに接して繰り返し配置される構成」であるが、傾斜面SA、SBの間に、導光体3の表面(被照明部に平行な平面である。)と平行な「短冊状の平面部」を設けても良い。
【0072】
この短冊状の平面部(長手方向は主走査方向に平行である。)は、傾斜面SAとSBの1ペア毎に設けることもできるし、複数ペア毎に1つの割りで設けることもでき、さらには、短冊状の平面部の間に存在する傾斜面SA、SBの数を異ならせても良い。
【0073】
導光体内部を導光されて平面部に入射する光線は、導光体内での伝搬状態を維持するため、配光制御領域に配置される短冊状の平面部の配置の割合で、ミラー5へ向かう光量の比率を、設計上コントロールできる。
【0074】
図6を参照して、照明装置の実施の形態の別例を示す。
繁雑を避けるため、混同の恐れが無いと思われるものについては、図1以下の全図面において同一の符号を付する。
【0075】
図6(a)は、照明装置の要部を示している。
照明装置の要部は、光源1と、導光体3と、ミラー5と、を有している。
【0076】
光源1と、ミラー5と、符号7で示すコンタクトガラスは、図1、図2に即して説明したものと同様であり、符号LAは「被照明ライン」、符号FAは「読取光軸面」を示す。また、図6には図示されていないが、光源1と導光体3とミラー5とは、図2に示す例と同様に、保持部材9に固定的に保持されている。
導光体3は平行平板状の透明体であって、コンタクトガラス7と平行になるようにして、表面STがコンタクトガラス7側を向くように配置される。図示されない原稿は、図2に示す例と同様に、コンタクトガラス7の上面に平面的に定置される。
【0077】
光源1から放射され、入射端面3Aから導光体3に入射し、導光体3により導光されて射出端面3Bから射出し、ミラー5により反射された光は、被照明ラインLAを含む帯状の領域を照明する。
【0078】
原稿画像の読取が、原稿と被照明ラインLAとを、副走査方向に相対的に変位させることにより行なわれる点も、上述した実施の形態例の場合と同様である。
【0079】
図6の実施の形態例が、図1〜図5に即して説明した実施の形態例と異なる点は、導光体3における配光制御領域3Dの形成位置にある。
即ち、図6の実施の形態においては、配光制御領域3Dは、導光体3の裏面SR側に形成されている。
【0080】
図6(b)は配光制御領域3Dの一部を拡大して示している。
【0081】
配光制御領域3Dは、傾斜面SAと傾斜面SBを、図の左右方向へ周期的に配列してなる。
傾斜面SA、SBは、何れも、長手方向が主走査方向に平行な短冊形である。
【0082】
傾斜面SA、SBは、これらの面に立てた「外向き法線」の向きで特徴づけられる。
【0083】
図6(b)の如く、導光体3の裏面側から「被照明部に直交する」ように被照明部に向かって伸びる方向を「P」とする。方向:Pは、導光体3の裏面の、配光制御領域3D以外の平面部分に直交する方向に平行である。
【0084】
傾斜面SAは、その外向き法線naが、方向:Pから「光源側(図6(b)で左方)」に傾くように形成される。この傾きの傾き角を「θa」とする。傾斜面SBは、その外向き法線nbが、方向:Pから「射出端面側(図6(b)で右方)」に傾くように形成される。この傾きの傾き角を「θb」とする。
【0085】
上記傾き角:θaとθbとは、
θa<θb
となるように大小関係が定められている。
【0086】
傾斜角:θa、θbに、このような大小関係が設定されているので、傾斜面SBの傾きがより急峻になる。
【0087】
このように傾斜面SA、SBが形成されると、導光体3により導光され、配光制御領域3Dに入射して被照明部(コンタクトガラス7)側に射出する光は、ミラー5により反射される光とは「読取光軸面FAの逆の側(図6で左側)から被照明部を照射」する。
【0088】
説明中の実施の形態では、傾斜面SAの傾斜角:θaは110度、傾斜面SBの傾斜角:θbは160度であり、θa<θbである。
θa+θbは270度であり、この角は、導光体3の外部から見れば90度である。
【0089】
図6の実施の形態では、光導体3により導光される光線のうちで、配光制御領域3Dに入射する光線の多くは、傾斜面SAに入射するが、傾斜面SAは傾斜角が緩いので、傾斜面SAにより反射される成分が多い。
【0090】
傾斜面SAに反射された光線は、導光体3の表面で全反射されて、傾斜面SAに入射して反射される。このプロセスが繰り返されるたびに、傾斜面SAによる反射光線の「表面STへの入射角」が次第に小さくなり、この入射角が全反射角を下回ると、表面STから、被照明部へ向かって射出することになる。
【0091】
傾斜面SBは、主として、傾斜面SAから射出した光線を屈折させて、導光体3の内部に戻す機能を果たす。
【0092】
このようにして、配光制御領域3Dによる光学作用を受けた光線群は、図6(a)に示すように、導光体3の表面ST側から被照明部へ向かって、図で「斜め右上方」へ向かって射出し、被照明ラインLAを含む帯状の領域を、読取光軸面FAの左側から照明する。
【0093】
導光体3の射出端面3Bから射出した光線群は、ミラー5により反射されて、被照明部へ向かって、図で「斜め左上方」へ向かって射出し、被照明ラインLAを含む帯状の領域を、読取光軸面FAの右側から照明する。
【0094】
従って、被照明ラインLAを含む帯状の被照明部は、読取光軸面FAの左右両側から、互いに逆向きの斜め方向に照明されることになり、被照射面に平面的に定置された被照明物である原稿の表面に折り目部分や段差部分による凹凸があっても「照明影」の発生を抑制できる。
【0095】
上述した実施の形態例の構成も、光源1(LED実装ボード)と、配光制御領域3Dを有する導光体3と、ミラー5という部品点数の少なさに加え、配光制御領域3Dからの直接照明光とミラー5からの反射照明光によって照明影を抑制し、原稿面法線方向のサイズを非常に薄くでき、さらに配光制御領域3Dの斜面構成を上記の如くすることにより、被照明部を、配光制御領域3Dからの直接照明光と、ミラー5からの反射照明光とにより効率良く照明できる。
【0096】
上の実施の形態例でも、傾斜面SA、SBの間に、導光体3の裏面と平行な「短冊状の平面部」を設けても良い。
【0097】
この短冊状の平面部(長手方向は主走査方向に平行である。)は、傾斜面SAとSBの1ペア毎に設けることもできるし、複数ペア毎に1つの割りで設けることもでき、さらには、短冊状の平面部の間に存在する傾斜面SA、SBの数を異ならせても良い。
【0098】
導光体内部を導光されて平面部に入射する光線は、導光体内での伝搬状態を維持するため、配光制御領域に配置される短冊状の平面部の配置の割合で、ミラー5へ向かう光量の比率を、設計上コントロールできる。
【0099】
上に説明した2つの実施の形態においては、配光制御領域3Cを導光体3の表面ST側に、開口制御領域3Dを裏面SR側に形成したが、「配光制御領域は導光体の表面および裏面の少なくとも一方」に形成されれば良いから、同一の導光体3の表面ST側に配光制御領域3Cを、裏面SR側には配光制御領域3Dを形成し、これら2つの配光制御領域3C、3Dの作用を共同させて上記と同様の効果を実現することもできる。
【0100】
上記の如く、この発明の照明装置では、導光体3の表面もしくは裏面の少なくとも一方に形成される配光制御領域において、傾斜面SAの傾き角:θaと、傾斜面SBの傾き角:θbが、大小関係:
θa<θb
を満足する。
【0101】
この大小関係の持つ技術的な意義を、図4を参照して説明する。
【0102】
図4(b)の光線L1について考えると、傾斜面SBの傾き角:θbが大きくなることは、傾斜面SBに入射する光線L1の入射角が大きくなることを意味し、このことは、反射光L2の光量が増大することを意味する。
他の光線についても同様であり、傾斜面SBによる反射光が増大し、しかも、反射された反射光の裏面SRへの入射角が小さくなるため、配光制御領域により反射される光の一部が、光導体3の裏面RSから射出し、配光制御領域の「被照明部を照明する能力」を低下させる原因となる。
【0103】
また、傾斜面SAの傾き角:θaが大きくなることは、傾斜面SAの傾斜が急になることを意味し、例えば、図4(b)において、傾斜面SBから射出して、傾斜面SAで反射される光線L4の「被照明部への入射角」は大きくなる。
【0104】
従って、配光制御領域3Cから射出して、被照明部へ向かう照明光は、図5に示す状態よりも「右側にずれた領域」を照明することになる。また、今場合の照明光は、被照明部に対する入射角が大きいので、照明効率は小さい。
【0105】
この場合、導光体3の位置を、読取光軸面FAから、図2で左方へずらすことにより、配光制御領域から射出する光が被読取部を照射するようにできるが、このようにすると照明装置としてはサイズが大きくなる。
【0106】
このような理由から、傾き角:θa、θbの大小関係は「θa<θb」であるのが良く、この大小関係が逆転して「θa≧θb」となると、導光体を用いる上記効果を十分に得ることができない。
【0107】
上記の如く、傾き角:θa、θbの大小関係は「θa<θb」であることが良いが、傾き角:θa、θbはまた、その和:θa+θbが略90度であることが好ましい(上に図1〜図4を参照して説明した実施の形態では、θa+θbは90度である。)。
即ち、傾き角:θa、θbの和が、90度より大きすぎる場合や、小さすぎる場合は、導光体を用いる効果を有効に生かすことが難しい。
【0108】
例えば、図4(b)の状態において「θa<θb」なる条件下で、θa+θbが90度よりも極端に大きくなると、傾斜面SAと傾斜面SBとが成す角が小さくなる結果、傾斜面SA、SBの波状の配列における「波の高さ」が大きくなる。
【0109】
例えば、θa=52度、θb=92度であれば、θa+θb=144度であるが、この場合を説明図的に図7(a)に示す。
【0110】
このような状態では、光線Lの場合を例示するように、傾斜面SAから傾斜面SBまでの導光体部分を通過するに連れて、導光される光の光路が「導光体3の内側」へ曲げられる。そして、裏面で反射して傾斜面SBで反射されて被照明部に到達する。
【0111】
このような照明光Lは「被照明部への入射角が小さい」ため、配光制御領域を経由して被照明部を照射する光の照射位置は、読取光軸面FAよりも光源寄りに偏ってしまう。
【0112】
これを避けるには、導光体の射出端面を読取光軸面FAに近づけることが考えられるが、射出端面を読取光軸面FAに近づけすぎると、導光体が「読取光束(原稿被照明部からラインセンサに向かう結像光束)を遮光する恐れ」があり、読取データの品質を下げる恐れが生じる。
【0113】
逆に、図4(b)の状態において「θa<θb」なる条件下で、θa+θbが90度よりも極端に小さくなると、傾斜面SAと傾斜面SBとが成す角が大きくなる結果、傾斜面SA、SBの波状の配列における「波の高さ」が小さくなる。
【0114】
例えば、θa=15度、θb=35度であれば、θa+θb=50度であるが、この場合を説明図的に図7(b)に示す。
【0115】
このような状態では、光線Lの場合を例示するように、傾斜面SAで反射されると、導光体3の内側へ曲げられて、裏面から漏れてしまう。このように、この場合には、照明に対する光の利用効率が低くなりやすい。
【0116】
上に説明した実施の形態では、照明装置に用いる光源として「白色LED」を用いるものを説明したが、光源に用いるLEDは白色LEDに限らず、他の単数色もしくは混色のLEDを用いることができる。
【0117】
ところで、LED光源からの光は強度が強く、これを直視した場合に「ぎらついた」感じがあり、ライン読取装置で、誤って「原稿をセットしないままで読取動作を行なった場合」などに、照明光が直接に目に入って不快な思いをすることがある。
【0118】
以下に説明する実施の形態は、「拡散手段」を用いて、このような問題を有効に防止できるようにしたものである。
【0119】
図8には実施の形態を3種示す。なお、混同の恐れがないと思われるものについては、上述した実施の形態の図において用いた符号を用いる。
【0120】
図8に示す3種の実施の形態において、基本的部分は、図5に示すものと同じである。
【0121】
光源1、導光体3、ミラー5は、図示されない保持部材により前述の位置関係を実現するように保持されている。保持部材による保持の状態は、図2に示すものと同じである。
【0122】
図8(a)に示す実施の形態では、導光体3の射出端面3Bが拡散処理されて拡散面DLとなっている。配光制御領域3Cの構成は、図1〜図3に即して説明した実施の形態例の場合と同一であり、傾斜面SAの傾斜角:θaは20度、傾斜面SBの傾斜角:θbは70度である。即ち、θa+θbは90度である。
【0123】
導光体3の材質の屈折率は1.5、導光体3の厚さは1mm、副走査方向の長さは30mmとし、入射端面3Aから15mm離れた位置から、射出端面3B側へ向かって、10mmの範囲に配光制御領域3Cが形成されており、傾斜面SAの幅は0.38mm、傾斜面SBの幅は0.14mmとし、傾斜面SA、SBの配列ピッチは0.40mmであるとする。
【0124】
拡散面DLは「すりガラスのような微小な凹凸」を表面加工して形成されている。
拡散面DL(射出端面3Bである。)を拡散しつつ透過した拡散透過光や、ミラー5により反射された光は、原稿0の載置面側から眺めたときLED光源の像が直接見えることがない。
【0125】
拡散面DLが無いときには、コンタクトガラス7越しに、ミラー5の側端面から見えていたLED光源の像が、拡散によってぼかされるため、LED光源独特の「ぎらつき感やまぶしさ」が低減され、ライン読取装置のユーザが直接照明光を見たときの不快感を有効に減じることができる。
【0126】
また、拡散面DLによる拡散によって、照明される原稿0上での照度分布がスムージングされるため、原稿面上の微細な領域でのリップル(照度分布の小さい凹凸)を抑制できる。
【0127】
拡散面DLによる2次的な効果として、拡散によって読取光軸面FAを挟んで配置されるミラー5からの反射照明光においても、原稿面上の照度分布がスムージングされるために、原稿面の副走査方向照度分布および主走査方向照度分布のリップル、すなわち狭い領域での照度分布の凹凸が低減されて照明性能が向上する。
【0128】
図8(b)に示す実施の形態では、導光体3の射出端面3Bを拡散面DLとするとともに、導光体3の表面ST側に拡散板DPを設けた点に特徴がある。
【0129】
拡散板DPの大きさは、コンタクトガラス7側から導光体3の表面STを見たときに、配光制御領域3Cが「全て覆われる」ようにサイズを決定する。
拡散板DPは、ガラス等の透明の板材の少なくとも1面に「すりガラスのような微小な凹凸」を加工したものを用いることができる。
拡散板DPを用いない場合、配光制御領域3Cからコンタクトレンズ7側に射出する光は、傾斜面SA、SBを通過するので、コンタクトガラス7側から見ると「LED像が分割して位置がずれて重畳された複雑な変形像」が見える。
この場合も「ぎらつき感」が残る場合がある。
【0130】
図8(b)のように、配光制御領域3Cを覆うように、拡散板DPを配置することにより、上記「残留するぎらつき感」を無くすことができ、さらに、配光制御領域3Cから原稿面を直接照明する直接照明光の、副走査方向および主走査方向の照度分布の、狭い領域での凹凸である照度分布のリップルも同時に低減できる。
【0131】
図8(c)に示す実施の形態では、拡散板DP1が用いられている点に特徴の一端がある。拡散板DP1は「直角に折れ曲がった拡散板」であり、配光制御領域3と射出端面3Bを覆うように設けられている。
【0132】
このようにする代わりに、配光制御領域3Cの部分を覆う拡散板部分と、射出端面3Bの部分を覆う拡散板部分を、別体として用いても良い。
【0133】
拡散板DP1は、ガラス等の透明の板材の少なくとも1面に「すりガラスのような微小な凹凸を加工」したものを用いることができる。
【0134】
この実施の形態の場合も、図8(b)の形態例と同様、残留するぎらつき感を無くすことができ、被照明部における照度分布の狭い領域での凹凸であるリップルも低減させることができる。
【0135】
なお、図8(b)、(c)に示した拡散板DP、DP1は「表面にすりガラスのような微小な凹凸のあるタイプ」のもののみならず、マイクロレンズのような小さな凸形状がランダムに設置された「レンズ拡散板」でもよい。
さらには、主走査方向(または副走査方向)における拡散効果をより効果的に得たい場合には「楕円もしくは細長いマイクロレンズ」を多数、ランダムに配置したレンズ拡散板や、一方向に鋸歯状の周期構造(もしくは不等ピッチ)の有するシートを用いることもできる。
【0136】
図9には、拡散手段を用いる照明装置の実施の別の形態を3例示す。
【0137】
図9(a)に示す実施の形態は、図8(c)に示す実施の形態に、さらに、遮光板SLPを付加した例である。
【0138】
遮光板SLPは、導光体3の表面STの、配光制御領域3Cよりも光源1側の部分を覆うように固定して設けられる。
遮光板SLPは「光源1から導光体3に入らずに、直接コンタクトガラス7側に抜ける光線」や、導光体3の表面STの「配光制御領域3Cよりも光源側の部分」から射出してコンタクトガラス7側に向かう光を遮蔽する機能を果たす。
この実施の形態では遮光板SLPは、拡散板DP1と一体に形成されている。
【0139】
遮光板SLPは、また、図8(b)に示す拡散板DPと一体にして用いることもできるし、さらには、図8(a)の実施の形態における配光制御領域3Cよりも光源1側において、表面STを覆うように設けることができる。
【0140】
図9(b)は、図6に示した実施の形態と、拡散手段とを組み合わせた実施の形態の1例を示す図である。
この例では、配光制御領域3Dが、導光体3の裏面SRに形成されている。
【0141】
この実施の形態では、導光体3の射出端面3bの部分と、表面STの「配光制御領域3Dにより反射偏向された照明光が射出する部分」とが、拡散面DP2として形成されている。
【0142】
拡散面DP2は、サンドブラスト加工やエッチング処理で表面に微小な凹凸を加工することで形成することができる。
【0143】
導光体3の所定の面に、拡散機能および配光制御の機能をもたせて一つの部品になっている。例えば金型成型でこの導光板3を作製することができ、生産性が高い。
【0144】
図9(c)は、図9(a)に示す実施の形態の変形例であって、配光制御領域3Dを、導光体3の裏面SRに形成した例である。導光体3の射出端面3bの部分と、表面STの「配光制御領域3Dにより反射偏向された照明光が射出する部分」とを覆うように、拡散板DP1が設けられている。
【0145】
また、導光体3の表面STの、拡散板DP1の光源側端部よりも光源1側の部分を覆うように、遮光板SLPが固定して設けられ「光源1から導光体3に入らずにコンタクトガラス7側に抜ける光線」や、導光体3の表面STの「拡散板DP1よりも光源側の部分」から射出してコンタクトガラス7側に向かう光を遮蔽する。
この実施の形態でも遮光板SLPは、拡散板DP1と一体に形成されている。
【0146】
図9(a)に示す遮光板SLPは、図8(a)、(b)に示す形態例においても、配光制御領域3Cよりも光源1側の部分で、導光体3の表面STを覆うように、設けることができる。
【0147】
図9(c)に示す遮光板SLPは、図9(b)に示す形態例においても、拡散面DP2よりも光源1側の部分で、導光体3の表面STを覆うように、設けることができる。
【0148】
図9(b)に示す例において、拡散面DP2の「導光体3の表面ST側の部分」は、図8に示す拡散板DPに置き換えることができる。
【0149】
上に説明した、図8、図9の各実施の形態においても、光源1、導光体3、ミラー5の位置関係や、これを保持する保持部材は、図2に示す場合と同様である。
また、導光体3に形成される配光制御領域3C、3Dにおいても、傾斜面SA、SBの間に、導光体3の表面・裏面(被照明部に平行な平面である。)と平行な「短冊状の平面部」を設けても良い子とは言うまでもない。
【0150】
なお、上に説明した実施の各形態において、保持部材9の導光体3の側の面を反射面として、導光体3の裏面側から漏れる光を、導光体3に有効に戻すようにして良いことは言うまでもない。
【0151】
図10、図11に、画像読取装置の実施の形態を示す。
図10に示す画像読取装置は、コンタクトガラス7上に平面的に定置された原稿0の画像を読取る装置であって、キャリッジ12、14、読取レンズ16、ラインセンサ18を有する。
【0152】
キャリッジ12には、照明装置10と、第1ミラーM1が搭載され、キャリッジ14には、第2ミラーM2、第3ミラーM3が搭載されている。
【0153】
照明装置10は、上に実施の形態を説明したもののうちの任意のものが用いられる。照明装置10により照明を行なうと、コンタクトガラス7上の原稿0の、被照明ラインLAを含む「図面に直交する方向に細長い帯状の被照明部」が照明される。
【0154】
被照明部からの反射光は、第1ミラーM1、第2ミラーM2、第3ミラーM3により順次反射され、読取レンズ16に入射し、読取レンズ16の結像作用により「被照明ラインLA上にある画像の縮小像」として、ラインセンサ18の受光部に結像する。
キャリッジ12、14をそれぞれ、原稿0の原稿面に平行に、矢印方向へ等速移動させる。このとき、キャリッジ14の走行速度を、キャリッジ12の走行速度の1/2に調整し、被照明ラインLAから読取レンズ16に至る光路長が、常に一定となるようにする。
【0155】
このようにして、原稿0の画像をラインセンサ18により読取って、画像データとすることができる。
【0156】
図11に実施の形態を示す画像読取装置は、コンタクトガラス7上に平面的に定置された原稿0の画像を読取る装置であって、照明装置10と、第1〜第3ミラーm1〜m3、読取レンズ16、ラインセンサ18を、一体に搭載したキャリッジ13サ18を有する。
【0157】
照明装置10は、上に実施の形態を説明したもののうちの任意のものが用いられる。照明装置10により照明を行なうと、コンタクトガラス7上の原稿0の、被照明ラインLAを含む「図面に直交する方向に細長い帯状の被照明部」が照明される。
【0158】
被照明部からの反射光は、第1ミラーm1、第2ミラーm2、第3ミラーm3により順次反射され、読取レンズ16に入射し、読取レンズ16の結像作用により「照明ラインLA上にある画像の縮小像」として、ラインセンサ18の受光部に結像する。
キャリッジ13を、原稿0の原稿面に平行に、矢印方向へ等速移動させことにより、原稿0の画像をラインセンサ18により読取って、画像データとすることができる。
【0159】
図10、図11に示す画像読取装置は、何れも、照明光学系である照明装置10が、前述した「光源(LED実装ボード)と、配光制御領域を有する導光体と、ミラー部材を含む少ない部品点数」で構成され、配光制御領域からの直接照明光とミラー部材からの反射照明光による「読取光軸面の両側」からの照明により「照明影」を抑制でき、原稿面法線方向のサイズを非常に薄くできる。
したがって、照明装置の薄型化により、画像読取装置も原稿面に直交する方向のサイズを小さくでき、読取性能良好な画像読取装置を構築できる。
特に、図11の実施の形態では、1つのキャリッジ13内に、照明系と読取光学系を搭載できるため、照明系である照明装置10を薄く出来ることにより、キャリッジ13自体をコンパクト化・軽量化でき、高速読取にも十分に対応できる。
【0160】
また、照明装置として、図8以下に実施の形態を示した「拡散手段」を有するものを用いることにより、LED光源固有の「ぎらつき感やまぶしさ」が有効に低減され、遮光板SLPを用いると、LED光源からの直接光が原稿面側に伝搬しないため、迷光として問題となる可能性のある不要な光をカットできる。
【0161】
さらに、原稿読取装置としては、拡散手段を用いる効果として、被照明部における照度分布のリップル低減により、「原稿読取中に原稿照明位置とラインセンサの共役位置(ラインセンサが見ている原稿面位置)がずれたときに、原稿面の照度分布にリップルが提言されていることにより、読取画像の濃度ムラを抑制できる。
【0162】
図11、図12に示した画像読取装置に、プリンタを組み合わせ、画像読取装置により得られた画像データをプリントするようにして、画像形成装置を構成することが出来ることは勿論である。
【符号の説明】
【0163】
0 原稿
1 光源
3 導光体
5 ミラー
3A 入射端面
3B 射出端面
3C 配光制御領域
LA 被照明ライン
FA 読取光軸面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0164】
【特許文献1】特開2010−16496号公報
【特許文献2】特開2009−37746号公報
【特許文献3】特開2011−82626号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置および画像読取装置に関する。照明装置は、原稿スキャナや、複写装置やマルチファンクション型プリンタ等の画像形成装置における原稿照明装置として実施できるほか、液晶テレビジョン等の液晶表示装置のガラス基板(マザーガラス)のごみ検出のためのライン照明等に用いることができる。
【0002】
画像形成装置は、照明装置を原稿照明用に用いる上記画像形成装置として実施できる。
【背景技術】
【0003】
青色LEDと、黄色蛍光体あるいは「緑色蛍光体と赤色蛍光体」とを組み合わせて白色光を放射する「白色LED」を用いる照明光源が広く知られている。
このような白色LEDを複数個、1方向に配列して光源とし、この光源からの光をライトガイドにより導光して原稿面をライン状に照明する照明装置は、従来から種々のものが知られている(特許文献1〜3等)。
【0004】
この種の照明装置では、原稿像を撮像するライン撮像素子の、受光素子列に対応する「原稿上のライン状部分を含む帯状の領域」をライン照明することになるが、この照明は一般に、照明される「帯状の原稿面部分」に対して、斜め方向から照明光を照射して行なわれる。
【0005】
このように原稿面に対して斜め方向から照明光を照射する場合、照明される原稿面部分に「折り目」がある場合や、あるいは「切り張りされて紙厚分の段差」がある場合に、斜め方向から照射される照明光により、折り目部分や段差部分が「影(以下、「照明影」と呼ぶ。)を生じさせる。
【0006】
このように、生じた照明影が読取られると「読取られたデータを再生する画像」の品質を低下させる。
このような「照明影」の発生を解消できるものとして、特許文献3記載の照明装置が知られている。
【0007】
特許文献3記載の照明装置では、板状の導光体の「厚みを成す1側端面」から照明光を入射させて導光体内を導光させ、入射側の端面と対応する側端面を「傾斜面」として形成し、導光される照明光を、上記斜面により透過光と反射光に分ける。
【0008】
透過光は、ミラーにより反射させて照明部へ「斜め方向から照射」させるとともに、反射光は、導光体の表面から射出させ、照明部へ「ミラーの反射による照明光とは逆側」から照射させる。
【0009】
このようにすれば、原稿の被照明部は「互いに逆方向から斜めに照射される」ので、照明光により被照明部に照明影が生じない。
しかし、導光体の傾斜面を透過した光はミラー経由で原稿を照明し、傾斜面で反射された反射光は導光体の表面から射出して、直接、原稿面を照明する光となる。
したがって、ミラー経由の光と直接光とを個別に設計できないため設計の自由度は小さくなってしまう。
【0010】
また、照明装置は、コンパクトであることが好ましいことは言うまでもない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は、コンパクトに構成でき、設計・製造が容易で、照明部に照明影を生じることがない照明装置と、この照明装置を用いる画像読取装置の実現を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の照明装置は、複数のLEDを1方向に配列した光源と、平行平板状の透明体であって、該透明体の厚みをなす側端面の、互いに対応する一方を入射端面、他方を射出端面とし、上記入射端面が上記光源側に、上記LEDの配列方向に平行、且つ、近接して配置され、上記光源側から上記入射端面に照射される光を入射させて射出端面に向かって導光する導光体と、この導光体により導光され、上記射出端面から射出した光を、ライン状の被照明部に向けて反射させるミラー部材と、を有し、上記導光体は、表面を上記被照明部に向けて上記被照明部と平行に、且つ、ライン状の被照明部の長手方向を含んで被照明部に直交する法線面を介して、上記射出端面が上記ミラー部材と逆の側にあるように配置され、上記導光体の表面および裏面の少なくとも一方に、配光制御領域が形成され、該配光制御領域には、斜面の外向き法線が光源側に傾く複数の傾斜面:aと、斜面の外向き法線が射出端面側に傾く複数の傾斜面:bが、上記入射端面側から射出端面側に向かって交互に配列して形成され、上記導光体の表面側から外側へ、被照明部に直交するように伸びる方向:Pから、上記傾斜面:aの外向き法線までの角:θa、上記方向:Pから上記傾斜面:bの外向き法線までの角:θbの大小関係が、
θa<θb
であって、上記導光体により導光され、上記配光制御領域に入射して被照明部側に射出する光が、上記ミラー部材により反射される光とは、上記法線面の逆の側から上記被照明部を照射するように形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明の画像読取装置は、原稿面をライン状に照明し、原稿面からの光を、ミラーとレンズを有する読取光学系により撮像素子上に結像させ、原稿画像を読取る画像読取装置であって、原稿面をライン状に照明する照明装置として、上記のものを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明の照明装置は、導光体の射出端面から射出して、ミラー部材経由で被照明部を照明する光の光路と、配光制御領域を介して被照明部を照明する光の光路を、個別に設計できるため、設計上の制約が少なく、製造が容易で、低コストでの製造も可能である。
【0015】
また、被照明部は、互いに逆向きに斜め照射されるので被照明部に微小な凹凸があっても「照明影」を生じさせない。
【0016】
また、導光体が平行平板であり、入射端面が、光源のLEDの配列方向に平行に近接して配置されるので、導光体と光源とを含む部分を薄型にでき、照明装置をコンパクトに構成できる。
【0017】
従って、このような照明装置を用いることにより、照明手段に大きなスペースをとられることがなく、原稿画像を良好に読取ることのできるコンパクトな像読取装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】照明装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】照明装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図3】照明装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図4】照明装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図5】照明装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図6】照明装置の実施の別形態を説明するための図である。
【図7】θa+θbが略90度であることが好ましい理由を説明するための図である。
【図8】拡散手段を用いる実施の形態を3例説明するための図である。
【図9】拡散手段を用いる実施の形態の別の3例を説明するための図である。
【図10】画像読取装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図11】画像読取装置の実施の別形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施の形態を説明する。
図1から図4は、照明装置の実施の形態の1例を説明するための図である。図1〜図3を参照して照明装置のレイアウトと導光体の配光制御領域を説明する。
【0020】
図1は、照明装置の要部を示している。
この照明装置は、原稿画像を読取る画像読取装置において「原稿照明用」に用いられるものである。
【0021】
照明装置の要部は、光源1と、導光体3と、ミラー5とを有する。
光源1は、複数のLEDを1方向に配列して、細長いボードに一体化して実装したものであり、勿論、LEDを点滅させる駆動回路を有している。
【0022】
配列されるLEDは前述の「白色LED」である。以下において、光源1を「実装ボード1」あるいは「LED実装ボード1」と言うこともある。
【0023】
導光体3は、平行平板状の透明体であって、その厚みをなす側端面の、互いに対応する一方を入射端面、他方を射出端面となっている。
【0024】
導光体3の、互いに平行な2つの面を「表面および裏面」とする。表・裏面の形状は、この実施の形態において長方形形状である。表・裏面の間隔が「厚み」であり、厚みをなす側端面は4面あるが、そのうち対向する1対が、上記入射端面と射出端面である。
【0025】
入射端面・射出端面は、4面の側端面のうちで、長さの大きい方向、即ち、長方形をなす表・裏面の長辺部分における側端面である。
【0026】
光源1において「配列されるLEDの数」は、照明される「帯状の領域」の最大長さに応じて異なる。配列間隔は、例えば、5mm〜10mm程度であるが、これに限定されるものではなく、より短い配列間隔や、より長い配列間隔もあり得る。
【0027】
光源1は、その長さが、導光体3の入射端面の長さと略等しく、図の如く、入射端面に近接して配置される。即ち、導光体3の側から見れば、その入射端面が光源1側に、LEDの配列方向に平行に、且つ、近接するようにして配置される。
【0028】
ミラー5は「ミラー部材」であり、導光体3の射出端面側に、射出端面と間隔を隔して配置される。
光源1を発光させると、光は、導光体3の入射端面から導光体3内に取り込まれ、導光体3内を、射出端面側に向かって導光される。ミラー5は、導光体3により導光されて射出端面から射出した光を反射させる。
【0029】
ミラー5により反射された光は、原稿の「ライン状の被照明部」を照明する。
【0030】
なお、ミラー5の鏡面形状を「長手方向を軸とするシリンドリカル面」等とし、反射面による反射光束を、1方向に発散あるいは収束させるようにすることもできる。
【0031】
図2を参照して、光源1と、導光体3と、ミラー5と、原稿0の、相互の位置関係を説明する。
【0032】
図2において、ライン照明される原稿0は、コンタクトガラス7上に平面的に定置される。
図2に示すように、光源1、導光体3、ミラー5は、上に説明した位置関係を実現するように、保持部材9に固定的に保持されている。導光体3の射出端面3Bとミラー5との間の部分において、保持部材9に開口部9Aが穿設されている。
【0033】
導光体3は、コンタクトガラス7と平行になるようにして、表面STがコンタクトガラス7側を向くように配置される。
【0034】
上記の如く、光源1から放射され、入射端面3Aから導光体3に入射し、導光体3により導光されて射出端面3Bから射出し、ミラー5により反射された光は、図中に「符号LAで示す部分を含む帯状の領域」を照明する。
【0035】
符号LAで示す部分は、図2の図面に直交する方向に長い直線状の領域であり、この領域を便宜上「被照明ラインLA」と称する。被照明ラインLAは、照明装置との位置関係で定まるものであり、画像を電気信号化するラインセンサ(ライン撮像素子)における受光部(受光素子)の配列方向に対応する。
即ち、原稿0の被照明ラインLAの位置にある原稿0の像が、後述する読取光学系によりラインセンサの受光部に結像する。
【0036】
被照明ラインLAに合致した方向を「主走査方向」と称する。
また、被照明部において、主走査方向に直交する方向を「副走査方向」と称する。原稿画像の読取は、原稿0と被照明ラインLAとを「副走査方向において相対的に変位」させることにより行なわれる。
【0037】
原稿0と被照明ラインLAとを、副走査方向に相対的に変位させるには、図2の装置のように、原稿0をコンタクトガラス7上に平面的に定置した状態で、照明装置を副走査方向(図2の左右方向)へ移動させるようにすれば良い。
【0038】
あるいは、このようにする代わりに、照明装置を定位置に固定し、原稿0が「被照明ラインLAの位置を横切って副走査方向に変位する」ようにしてもよく、さらには、照明装置と原稿0とを、副走査方向において「互いに逆向きに変位」させて行なっても良い。
【0039】
導光体3は、図2に示すように「平行平板状」である。導光体3の入射端面3Aは、光源1の長手方向にわたって、光源1に平行して近接している。また、射出端面3Bは、入射端面3Aに平行であり、ミラー5の長手方向に平行に対向している。
【0040】
即ち、光源1の長手方向、入射端面3A、射出端面3Bの長手方向、ミラー5の長手方向は、被照明ラインLAに平行、即ち、主走査方向に平行である。
【0041】
被照明ラインLAを含み、被照明ラインLAに直交する面を考え、この面を「読取光軸面」とよび、符号FAで表す。
【0042】
読取光軸面FAは、前述の「ライン状の被照明部の長手方向を含んで被照明部に直交する法線面」である。
【0043】
前述の「読取光学系」の光軸は、この読取光軸面FAに含まれ、被照明ラインLAに直交する。
【0044】
導光体3の射出端面3Bから射出し、ミラー5により反射される照明光は、被照明ラインLAを含む帯状部分(図面に直交する方向に長い)を、図2において、読取光軸面FAの右側から斜め左上に向かって照射する。
【0045】
即ち、導光体3は、表面を被照明部に向けて被照明部と平行に、且つ、ライン状の被照明部である被照明ラインLAの長手方向を含んで、被照明部に直交する法線面である読取光軸面FAを介して、ミラー5と射出端面3Aが逆の側にあるように配置される。
【0046】
さて、導光体3の、コンタクトガラス7の側に向いた表面STに、配光制御領域3Cが形成されている。
【0047】
この配光制御領域3Cの一部を拡大して示したのが図3である。
【0048】
図3において、左方が光源1の側であり、右側がミラー5の側である。
図3に示すように、配光制御領域3Cは「2種類の傾斜面が、入射端面3A側から射出端面3B側に向かって交互に配列した領域」である。
2種類の傾斜面は、傾斜面:aと傾斜面:bで、これらを符号SA、SBで表す。
なお、説明中の実施の形態では、配光制御領域3Cは、導光体3の表面の一部に形成されているが、上記表面の全面に形成することもできる。
【0049】
傾斜面SA、SBは、何れも、長手方向が主走査方向に平行な短冊形状である。
【0050】
傾斜面SA、SBは、これらの面に立てた外向き法線の向きにより特徴づけられる。
【0051】
図3の如く、導光体3の表面側から「被照明部に直交する」ように外側に伸びる方向を「P」とする。方向:Pは、導光体3の表面の、配光制御領域3C以外の平面部分に直交する方向に平行である。
【0052】
傾斜面SAは、その外向き法線naが、方向:Pから「光源側(図3で左方)」に傾くように形成される。この傾きの傾き角を「θa」とする。
傾斜面SBは、その外向き法線nbが、方向:Pから「射出端面側(図3で右方)」に傾くように形成される。この傾きの傾き角を「θb」とする。
【0053】
上記傾き角:θaとθbとは、
θa<θb
となるように大小関係が定められる。
【0054】
傾斜角:θa、θbに、このような大小関係が設定されているので、傾斜面SBの傾きがより急峻になる。
【0055】
このように傾斜面SA、SBが形成されると、導光体3により導光され、配光制御領域3Cに入射して被照明部(コンタクトガラス7)側に射出する光は、ミラー5により反射される光とは「読取光軸面FAの逆の側(図2で左側)から被照明部を照射」する。
【0056】
説明中の実施の形態では、傾斜面SAの傾斜角:θaは20度、傾斜面SBの傾斜角:θbは70度で、θa+θbは90度である。
【0057】
以下、導光体3の材質の屈折率を1.5、導光体3の厚さを1mm、副走査方向の長さを30mmとし、入射端面3Aから15mm離れた位置から、射出端面3B側へ向かって、10mmの範囲に配光制御領域3Cが形成されているものとして、シミュレーションの結果を説明する。傾斜面SAの幅は0.38mm、傾斜面SBの幅は0.14mmとし、傾斜面SA、SBの配列ピッチは0.40mmであるとする。
【0058】
図4(a)は、光源から入射端面3Aを介して導光体3に入射し、導光体3により導光される光の光線のいくつかを具体的に示している。光源から導光体3に入射する光は、導光体3の表面に平行な面に対して種々の傾き角を持っている。
この傾き角の小さいものは、光線L0のように、導光体3をそのまま透過して射出端面3Bから射出してミラー5に向かう。
【0059】
ある程度の傾き角を持つ光線は、導光体3の表・裏面で反射を繰り返しつつ射出端面3Bの側へ導光されるが、これらの光線の一部は、射出端面3Bに到達して射出端面3Bから射出する。この光もミラー5に向かう。
【0060】
光線のうちで「配光制御領域3Cに入射するもの」は、配光制御領域3Cの光学作用を受ける。配光制御領域3Cの作用を受ける光線群のうちの一部は、配光制御領域3Cから、図4(a)において「斜め右上方向」に射出する。
一方、他の一部の光線は、配光制御領域3Cで反射したのちに射出端面3Bから射出してミラー5に向かう。
【0061】
例えば、光源を構成するLEDの中央から導光体3に入射して「入射端面3Aの法線方向から2度上方(表面側)」に進む光線を、図4(b)に示すように光線L1とする。
【0062】
光線L1は、傾斜面SBに入射すると、傾斜面SBから射出する射出光成分と、反射光成分に分離する。反射光成分を反射光L2とすると、反射光L2は光源側(図の左方)に向かって進む。
一方、傾斜面SBから射出した光線は、傾斜面SBの射出端面3B側に隣接する傾斜面SAに入射して、透過光L3と反射光L4とに分離される。
【0063】
これらの光線L1、L2、L3、L4の強度は、光線L1の強度を1とすると、光線L2は0.04程度、光線L3が0.16程度、光線L4は0.80程度となる。
即ち、光線L1のうち、80%程度は、配光制御領域3Cから、被照明部側へ向かい、図4(b)で斜め右方へ向かって射出し、被照明部を「ミラー5による反射光」とは逆の側から照射する。
【0064】
次に、図4(c)に示すように、導光体3の表・裏面に対して「−40度の方位」で導光体3に入射した光線L5は、導光体3の表・裏面で7回全反射を繰り返し、傾斜面SBを透過して被照明部に向かう。このときの透過光L7は96%の透過率となる。傾斜面SBによる反射光L6の強度は、光線L5の強度を1として0.04程度となる。
【0065】
さらに、LEDから「−2度の方位」で放出された光線(図4(b)の光線L1を上下に反転させた光線)は、導光体3の裏面で「1回全反射」して射出端面3Bから射出し、ミラー5に向かう。即ち、この光線は射出端面3Bでの反射成分を除いて、ミラー5に向かう。
【0066】
結局、配光制御領域3Cに入射して、配光制御領域3Cから射出する光線群は、図5に示すように「読取光軸面FAの、図において左側」から、斜め右上方へ向かって「被照明ラインLAを含む帯状の領域」を照射する。
導光体3の裏面側から射出する光は、配光制御領域3Cから射出する「原稿照明に寄与する光」に対して10%程度であり、原稿照明に寄与できる光に対して少ない。
【0067】
従って、導光体3を介する実効的な照明光の「原稿照明に対する光利用効率」は高い。
【0068】
導光体3の射出端面3Bから射出して、ミラー5により反射された光線群は、図5に示されているように、読取光軸面FAの、図において右側」から、斜め左上方へ向かって被照明ラインLAを含む帯状の領域を照射する。
【0069】
従って、被照明ラインLAを含む帯状の被照明部は、読取光軸面FAの左右両側から、互いに逆向きで、斜め方向に照明されることになり、被照明部に平面的に定置された被照明物である原稿0の表面に、折り目部分や段差部分による凹凸があっても「照明影」の発生を有効に抑制できる。
【0070】
上述した実施の形態例の構成によれば、光源1(LED実装ボード)と、配光制御領域3Cを有する導光体3と、ミラー5という部品点数の少なさに加え、配光制御領域3Cからの直接照明光とミラー5からの反射照明光によって照明影を抑制し、原稿面法線方向のサイズを非常に薄くでき、さらに配光制御領域3Cの斜面構成を上記の如くすることにより、被照明部を、配光制御領域3Cからの直接照明光と、ミラー5からの反射照明光とにより効率良く照明できる。
【0071】
なお、上の実施の形態例では、傾斜面SAと傾斜面SBが「互いに接して繰り返し配置される構成」であるが、傾斜面SA、SBの間に、導光体3の表面(被照明部に平行な平面である。)と平行な「短冊状の平面部」を設けても良い。
【0072】
この短冊状の平面部(長手方向は主走査方向に平行である。)は、傾斜面SAとSBの1ペア毎に設けることもできるし、複数ペア毎に1つの割りで設けることもでき、さらには、短冊状の平面部の間に存在する傾斜面SA、SBの数を異ならせても良い。
【0073】
導光体内部を導光されて平面部に入射する光線は、導光体内での伝搬状態を維持するため、配光制御領域に配置される短冊状の平面部の配置の割合で、ミラー5へ向かう光量の比率を、設計上コントロールできる。
【0074】
図6を参照して、照明装置の実施の形態の別例を示す。
繁雑を避けるため、混同の恐れが無いと思われるものについては、図1以下の全図面において同一の符号を付する。
【0075】
図6(a)は、照明装置の要部を示している。
照明装置の要部は、光源1と、導光体3と、ミラー5と、を有している。
【0076】
光源1と、ミラー5と、符号7で示すコンタクトガラスは、図1、図2に即して説明したものと同様であり、符号LAは「被照明ライン」、符号FAは「読取光軸面」を示す。また、図6には図示されていないが、光源1と導光体3とミラー5とは、図2に示す例と同様に、保持部材9に固定的に保持されている。
導光体3は平行平板状の透明体であって、コンタクトガラス7と平行になるようにして、表面STがコンタクトガラス7側を向くように配置される。図示されない原稿は、図2に示す例と同様に、コンタクトガラス7の上面に平面的に定置される。
【0077】
光源1から放射され、入射端面3Aから導光体3に入射し、導光体3により導光されて射出端面3Bから射出し、ミラー5により反射された光は、被照明ラインLAを含む帯状の領域を照明する。
【0078】
原稿画像の読取が、原稿と被照明ラインLAとを、副走査方向に相対的に変位させることにより行なわれる点も、上述した実施の形態例の場合と同様である。
【0079】
図6の実施の形態例が、図1〜図5に即して説明した実施の形態例と異なる点は、導光体3における配光制御領域3Dの形成位置にある。
即ち、図6の実施の形態においては、配光制御領域3Dは、導光体3の裏面SR側に形成されている。
【0080】
図6(b)は配光制御領域3Dの一部を拡大して示している。
【0081】
配光制御領域3Dは、傾斜面SAと傾斜面SBを、図の左右方向へ周期的に配列してなる。
傾斜面SA、SBは、何れも、長手方向が主走査方向に平行な短冊形である。
【0082】
傾斜面SA、SBは、これらの面に立てた「外向き法線」の向きで特徴づけられる。
【0083】
図6(b)の如く、導光体3の裏面側から「被照明部に直交する」ように被照明部に向かって伸びる方向を「P」とする。方向:Pは、導光体3の裏面の、配光制御領域3D以外の平面部分に直交する方向に平行である。
【0084】
傾斜面SAは、その外向き法線naが、方向:Pから「光源側(図6(b)で左方)」に傾くように形成される。この傾きの傾き角を「θa」とする。傾斜面SBは、その外向き法線nbが、方向:Pから「射出端面側(図6(b)で右方)」に傾くように形成される。この傾きの傾き角を「θb」とする。
【0085】
上記傾き角:θaとθbとは、
θa<θb
となるように大小関係が定められている。
【0086】
傾斜角:θa、θbに、このような大小関係が設定されているので、傾斜面SBの傾きがより急峻になる。
【0087】
このように傾斜面SA、SBが形成されると、導光体3により導光され、配光制御領域3Dに入射して被照明部(コンタクトガラス7)側に射出する光は、ミラー5により反射される光とは「読取光軸面FAの逆の側(図6で左側)から被照明部を照射」する。
【0088】
説明中の実施の形態では、傾斜面SAの傾斜角:θaは110度、傾斜面SBの傾斜角:θbは160度であり、θa<θbである。
θa+θbは270度であり、この角は、導光体3の外部から見れば90度である。
【0089】
図6の実施の形態では、光導体3により導光される光線のうちで、配光制御領域3Dに入射する光線の多くは、傾斜面SAに入射するが、傾斜面SAは傾斜角が緩いので、傾斜面SAにより反射される成分が多い。
【0090】
傾斜面SAに反射された光線は、導光体3の表面で全反射されて、傾斜面SAに入射して反射される。このプロセスが繰り返されるたびに、傾斜面SAによる反射光線の「表面STへの入射角」が次第に小さくなり、この入射角が全反射角を下回ると、表面STから、被照明部へ向かって射出することになる。
【0091】
傾斜面SBは、主として、傾斜面SAから射出した光線を屈折させて、導光体3の内部に戻す機能を果たす。
【0092】
このようにして、配光制御領域3Dによる光学作用を受けた光線群は、図6(a)に示すように、導光体3の表面ST側から被照明部へ向かって、図で「斜め右上方」へ向かって射出し、被照明ラインLAを含む帯状の領域を、読取光軸面FAの左側から照明する。
【0093】
導光体3の射出端面3Bから射出した光線群は、ミラー5により反射されて、被照明部へ向かって、図で「斜め左上方」へ向かって射出し、被照明ラインLAを含む帯状の領域を、読取光軸面FAの右側から照明する。
【0094】
従って、被照明ラインLAを含む帯状の被照明部は、読取光軸面FAの左右両側から、互いに逆向きの斜め方向に照明されることになり、被照射面に平面的に定置された被照明物である原稿の表面に折り目部分や段差部分による凹凸があっても「照明影」の発生を抑制できる。
【0095】
上述した実施の形態例の構成も、光源1(LED実装ボード)と、配光制御領域3Dを有する導光体3と、ミラー5という部品点数の少なさに加え、配光制御領域3Dからの直接照明光とミラー5からの反射照明光によって照明影を抑制し、原稿面法線方向のサイズを非常に薄くでき、さらに配光制御領域3Dの斜面構成を上記の如くすることにより、被照明部を、配光制御領域3Dからの直接照明光と、ミラー5からの反射照明光とにより効率良く照明できる。
【0096】
上の実施の形態例でも、傾斜面SA、SBの間に、導光体3の裏面と平行な「短冊状の平面部」を設けても良い。
【0097】
この短冊状の平面部(長手方向は主走査方向に平行である。)は、傾斜面SAとSBの1ペア毎に設けることもできるし、複数ペア毎に1つの割りで設けることもでき、さらには、短冊状の平面部の間に存在する傾斜面SA、SBの数を異ならせても良い。
【0098】
導光体内部を導光されて平面部に入射する光線は、導光体内での伝搬状態を維持するため、配光制御領域に配置される短冊状の平面部の配置の割合で、ミラー5へ向かう光量の比率を、設計上コントロールできる。
【0099】
上に説明した2つの実施の形態においては、配光制御領域3Cを導光体3の表面ST側に、開口制御領域3Dを裏面SR側に形成したが、「配光制御領域は導光体の表面および裏面の少なくとも一方」に形成されれば良いから、同一の導光体3の表面ST側に配光制御領域3Cを、裏面SR側には配光制御領域3Dを形成し、これら2つの配光制御領域3C、3Dの作用を共同させて上記と同様の効果を実現することもできる。
【0100】
上記の如く、この発明の照明装置では、導光体3の表面もしくは裏面の少なくとも一方に形成される配光制御領域において、傾斜面SAの傾き角:θaと、傾斜面SBの傾き角:θbが、大小関係:
θa<θb
を満足する。
【0101】
この大小関係の持つ技術的な意義を、図4を参照して説明する。
【0102】
図4(b)の光線L1について考えると、傾斜面SBの傾き角:θbが大きくなることは、傾斜面SBに入射する光線L1の入射角が大きくなることを意味し、このことは、反射光L2の光量が増大することを意味する。
他の光線についても同様であり、傾斜面SBによる反射光が増大し、しかも、反射された反射光の裏面SRへの入射角が小さくなるため、配光制御領域により反射される光の一部が、光導体3の裏面RSから射出し、配光制御領域の「被照明部を照明する能力」を低下させる原因となる。
【0103】
また、傾斜面SAの傾き角:θaが大きくなることは、傾斜面SAの傾斜が急になることを意味し、例えば、図4(b)において、傾斜面SBから射出して、傾斜面SAで反射される光線L4の「被照明部への入射角」は大きくなる。
【0104】
従って、配光制御領域3Cから射出して、被照明部へ向かう照明光は、図5に示す状態よりも「右側にずれた領域」を照明することになる。また、今場合の照明光は、被照明部に対する入射角が大きいので、照明効率は小さい。
【0105】
この場合、導光体3の位置を、読取光軸面FAから、図2で左方へずらすことにより、配光制御領域から射出する光が被読取部を照射するようにできるが、このようにすると照明装置としてはサイズが大きくなる。
【0106】
このような理由から、傾き角:θa、θbの大小関係は「θa<θb」であるのが良く、この大小関係が逆転して「θa≧θb」となると、導光体を用いる上記効果を十分に得ることができない。
【0107】
上記の如く、傾き角:θa、θbの大小関係は「θa<θb」であることが良いが、傾き角:θa、θbはまた、その和:θa+θbが略90度であることが好ましい(上に図1〜図4を参照して説明した実施の形態では、θa+θbは90度である。)。
即ち、傾き角:θa、θbの和が、90度より大きすぎる場合や、小さすぎる場合は、導光体を用いる効果を有効に生かすことが難しい。
【0108】
例えば、図4(b)の状態において「θa<θb」なる条件下で、θa+θbが90度よりも極端に大きくなると、傾斜面SAと傾斜面SBとが成す角が小さくなる結果、傾斜面SA、SBの波状の配列における「波の高さ」が大きくなる。
【0109】
例えば、θa=52度、θb=92度であれば、θa+θb=144度であるが、この場合を説明図的に図7(a)に示す。
【0110】
このような状態では、光線Lの場合を例示するように、傾斜面SAから傾斜面SBまでの導光体部分を通過するに連れて、導光される光の光路が「導光体3の内側」へ曲げられる。そして、裏面で反射して傾斜面SBで反射されて被照明部に到達する。
【0111】
このような照明光Lは「被照明部への入射角が小さい」ため、配光制御領域を経由して被照明部を照射する光の照射位置は、読取光軸面FAよりも光源寄りに偏ってしまう。
【0112】
これを避けるには、導光体の射出端面を読取光軸面FAに近づけることが考えられるが、射出端面を読取光軸面FAに近づけすぎると、導光体が「読取光束(原稿被照明部からラインセンサに向かう結像光束)を遮光する恐れ」があり、読取データの品質を下げる恐れが生じる。
【0113】
逆に、図4(b)の状態において「θa<θb」なる条件下で、θa+θbが90度よりも極端に小さくなると、傾斜面SAと傾斜面SBとが成す角が大きくなる結果、傾斜面SA、SBの波状の配列における「波の高さ」が小さくなる。
【0114】
例えば、θa=15度、θb=35度であれば、θa+θb=50度であるが、この場合を説明図的に図7(b)に示す。
【0115】
このような状態では、光線Lの場合を例示するように、傾斜面SAで反射されると、導光体3の内側へ曲げられて、裏面から漏れてしまう。このように、この場合には、照明に対する光の利用効率が低くなりやすい。
【0116】
上に説明した実施の形態では、照明装置に用いる光源として「白色LED」を用いるものを説明したが、光源に用いるLEDは白色LEDに限らず、他の単数色もしくは混色のLEDを用いることができる。
【0117】
ところで、LED光源からの光は強度が強く、これを直視した場合に「ぎらついた」感じがあり、ライン読取装置で、誤って「原稿をセットしないままで読取動作を行なった場合」などに、照明光が直接に目に入って不快な思いをすることがある。
【0118】
以下に説明する実施の形態は、「拡散手段」を用いて、このような問題を有効に防止できるようにしたものである。
【0119】
図8には実施の形態を3種示す。なお、混同の恐れがないと思われるものについては、上述した実施の形態の図において用いた符号を用いる。
【0120】
図8に示す3種の実施の形態において、基本的部分は、図5に示すものと同じである。
【0121】
光源1、導光体3、ミラー5は、図示されない保持部材により前述の位置関係を実現するように保持されている。保持部材による保持の状態は、図2に示すものと同じである。
【0122】
図8(a)に示す実施の形態では、導光体3の射出端面3Bが拡散処理されて拡散面DLとなっている。配光制御領域3Cの構成は、図1〜図3に即して説明した実施の形態例の場合と同一であり、傾斜面SAの傾斜角:θaは20度、傾斜面SBの傾斜角:θbは70度である。即ち、θa+θbは90度である。
【0123】
導光体3の材質の屈折率は1.5、導光体3の厚さは1mm、副走査方向の長さは30mmとし、入射端面3Aから15mm離れた位置から、射出端面3B側へ向かって、10mmの範囲に配光制御領域3Cが形成されており、傾斜面SAの幅は0.38mm、傾斜面SBの幅は0.14mmとし、傾斜面SA、SBの配列ピッチは0.40mmであるとする。
【0124】
拡散面DLは「すりガラスのような微小な凹凸」を表面加工して形成されている。
拡散面DL(射出端面3Bである。)を拡散しつつ透過した拡散透過光や、ミラー5により反射された光は、原稿0の載置面側から眺めたときLED光源の像が直接見えることがない。
【0125】
拡散面DLが無いときには、コンタクトガラス7越しに、ミラー5の側端面から見えていたLED光源の像が、拡散によってぼかされるため、LED光源独特の「ぎらつき感やまぶしさ」が低減され、ライン読取装置のユーザが直接照明光を見たときの不快感を有効に減じることができる。
【0126】
また、拡散面DLによる拡散によって、照明される原稿0上での照度分布がスムージングされるため、原稿面上の微細な領域でのリップル(照度分布の小さい凹凸)を抑制できる。
【0127】
拡散面DLによる2次的な効果として、拡散によって読取光軸面FAを挟んで配置されるミラー5からの反射照明光においても、原稿面上の照度分布がスムージングされるために、原稿面の副走査方向照度分布および主走査方向照度分布のリップル、すなわち狭い領域での照度分布の凹凸が低減されて照明性能が向上する。
【0128】
図8(b)に示す実施の形態では、導光体3の射出端面3Bを拡散面DLとするとともに、導光体3の表面ST側に拡散板DPを設けた点に特徴がある。
【0129】
拡散板DPの大きさは、コンタクトガラス7側から導光体3の表面STを見たときに、配光制御領域3Cが「全て覆われる」ようにサイズを決定する。
拡散板DPは、ガラス等の透明の板材の少なくとも1面に「すりガラスのような微小な凹凸」を加工したものを用いることができる。
拡散板DPを用いない場合、配光制御領域3Cからコンタクトレンズ7側に射出する光は、傾斜面SA、SBを通過するので、コンタクトガラス7側から見ると「LED像が分割して位置がずれて重畳された複雑な変形像」が見える。
この場合も「ぎらつき感」が残る場合がある。
【0130】
図8(b)のように、配光制御領域3Cを覆うように、拡散板DPを配置することにより、上記「残留するぎらつき感」を無くすことができ、さらに、配光制御領域3Cから原稿面を直接照明する直接照明光の、副走査方向および主走査方向の照度分布の、狭い領域での凹凸である照度分布のリップルも同時に低減できる。
【0131】
図8(c)に示す実施の形態では、拡散板DP1が用いられている点に特徴の一端がある。拡散板DP1は「直角に折れ曲がった拡散板」であり、配光制御領域3と射出端面3Bを覆うように設けられている。
【0132】
このようにする代わりに、配光制御領域3Cの部分を覆う拡散板部分と、射出端面3Bの部分を覆う拡散板部分を、別体として用いても良い。
【0133】
拡散板DP1は、ガラス等の透明の板材の少なくとも1面に「すりガラスのような微小な凹凸を加工」したものを用いることができる。
【0134】
この実施の形態の場合も、図8(b)の形態例と同様、残留するぎらつき感を無くすことができ、被照明部における照度分布の狭い領域での凹凸であるリップルも低減させることができる。
【0135】
なお、図8(b)、(c)に示した拡散板DP、DP1は「表面にすりガラスのような微小な凹凸のあるタイプ」のもののみならず、マイクロレンズのような小さな凸形状がランダムに設置された「レンズ拡散板」でもよい。
さらには、主走査方向(または副走査方向)における拡散効果をより効果的に得たい場合には「楕円もしくは細長いマイクロレンズ」を多数、ランダムに配置したレンズ拡散板や、一方向に鋸歯状の周期構造(もしくは不等ピッチ)の有するシートを用いることもできる。
【0136】
図9には、拡散手段を用いる照明装置の実施の別の形態を3例示す。
【0137】
図9(a)に示す実施の形態は、図8(c)に示す実施の形態に、さらに、遮光板SLPを付加した例である。
【0138】
遮光板SLPは、導光体3の表面STの、配光制御領域3Cよりも光源1側の部分を覆うように固定して設けられる。
遮光板SLPは「光源1から導光体3に入らずに、直接コンタクトガラス7側に抜ける光線」や、導光体3の表面STの「配光制御領域3Cよりも光源側の部分」から射出してコンタクトガラス7側に向かう光を遮蔽する機能を果たす。
この実施の形態では遮光板SLPは、拡散板DP1と一体に形成されている。
【0139】
遮光板SLPは、また、図8(b)に示す拡散板DPと一体にして用いることもできるし、さらには、図8(a)の実施の形態における配光制御領域3Cよりも光源1側において、表面STを覆うように設けることができる。
【0140】
図9(b)は、図6に示した実施の形態と、拡散手段とを組み合わせた実施の形態の1例を示す図である。
この例では、配光制御領域3Dが、導光体3の裏面SRに形成されている。
【0141】
この実施の形態では、導光体3の射出端面3bの部分と、表面STの「配光制御領域3Dにより反射偏向された照明光が射出する部分」とが、拡散面DP2として形成されている。
【0142】
拡散面DP2は、サンドブラスト加工やエッチング処理で表面に微小な凹凸を加工することで形成することができる。
【0143】
導光体3の所定の面に、拡散機能および配光制御の機能をもたせて一つの部品になっている。例えば金型成型でこの導光板3を作製することができ、生産性が高い。
【0144】
図9(c)は、図9(a)に示す実施の形態の変形例であって、配光制御領域3Dを、導光体3の裏面SRに形成した例である。導光体3の射出端面3bの部分と、表面STの「配光制御領域3Dにより反射偏向された照明光が射出する部分」とを覆うように、拡散板DP1が設けられている。
【0145】
また、導光体3の表面STの、拡散板DP1の光源側端部よりも光源1側の部分を覆うように、遮光板SLPが固定して設けられ「光源1から導光体3に入らずにコンタクトガラス7側に抜ける光線」や、導光体3の表面STの「拡散板DP1よりも光源側の部分」から射出してコンタクトガラス7側に向かう光を遮蔽する。
この実施の形態でも遮光板SLPは、拡散板DP1と一体に形成されている。
【0146】
図9(a)に示す遮光板SLPは、図8(a)、(b)に示す形態例においても、配光制御領域3Cよりも光源1側の部分で、導光体3の表面STを覆うように、設けることができる。
【0147】
図9(c)に示す遮光板SLPは、図9(b)に示す形態例においても、拡散面DP2よりも光源1側の部分で、導光体3の表面STを覆うように、設けることができる。
【0148】
図9(b)に示す例において、拡散面DP2の「導光体3の表面ST側の部分」は、図8に示す拡散板DPに置き換えることができる。
【0149】
上に説明した、図8、図9の各実施の形態においても、光源1、導光体3、ミラー5の位置関係や、これを保持する保持部材は、図2に示す場合と同様である。
また、導光体3に形成される配光制御領域3C、3Dにおいても、傾斜面SA、SBの間に、導光体3の表面・裏面(被照明部に平行な平面である。)と平行な「短冊状の平面部」を設けても良い子とは言うまでもない。
【0150】
なお、上に説明した実施の各形態において、保持部材9の導光体3の側の面を反射面として、導光体3の裏面側から漏れる光を、導光体3に有効に戻すようにして良いことは言うまでもない。
【0151】
図10、図11に、画像読取装置の実施の形態を示す。
図10に示す画像読取装置は、コンタクトガラス7上に平面的に定置された原稿0の画像を読取る装置であって、キャリッジ12、14、読取レンズ16、ラインセンサ18を有する。
【0152】
キャリッジ12には、照明装置10と、第1ミラーM1が搭載され、キャリッジ14には、第2ミラーM2、第3ミラーM3が搭載されている。
【0153】
照明装置10は、上に実施の形態を説明したもののうちの任意のものが用いられる。照明装置10により照明を行なうと、コンタクトガラス7上の原稿0の、被照明ラインLAを含む「図面に直交する方向に細長い帯状の被照明部」が照明される。
【0154】
被照明部からの反射光は、第1ミラーM1、第2ミラーM2、第3ミラーM3により順次反射され、読取レンズ16に入射し、読取レンズ16の結像作用により「被照明ラインLA上にある画像の縮小像」として、ラインセンサ18の受光部に結像する。
キャリッジ12、14をそれぞれ、原稿0の原稿面に平行に、矢印方向へ等速移動させる。このとき、キャリッジ14の走行速度を、キャリッジ12の走行速度の1/2に調整し、被照明ラインLAから読取レンズ16に至る光路長が、常に一定となるようにする。
【0155】
このようにして、原稿0の画像をラインセンサ18により読取って、画像データとすることができる。
【0156】
図11に実施の形態を示す画像読取装置は、コンタクトガラス7上に平面的に定置された原稿0の画像を読取る装置であって、照明装置10と、第1〜第3ミラーm1〜m3、読取レンズ16、ラインセンサ18を、一体に搭載したキャリッジ13サ18を有する。
【0157】
照明装置10は、上に実施の形態を説明したもののうちの任意のものが用いられる。照明装置10により照明を行なうと、コンタクトガラス7上の原稿0の、被照明ラインLAを含む「図面に直交する方向に細長い帯状の被照明部」が照明される。
【0158】
被照明部からの反射光は、第1ミラーm1、第2ミラーm2、第3ミラーm3により順次反射され、読取レンズ16に入射し、読取レンズ16の結像作用により「照明ラインLA上にある画像の縮小像」として、ラインセンサ18の受光部に結像する。
キャリッジ13を、原稿0の原稿面に平行に、矢印方向へ等速移動させことにより、原稿0の画像をラインセンサ18により読取って、画像データとすることができる。
【0159】
図10、図11に示す画像読取装置は、何れも、照明光学系である照明装置10が、前述した「光源(LED実装ボード)と、配光制御領域を有する導光体と、ミラー部材を含む少ない部品点数」で構成され、配光制御領域からの直接照明光とミラー部材からの反射照明光による「読取光軸面の両側」からの照明により「照明影」を抑制でき、原稿面法線方向のサイズを非常に薄くできる。
したがって、照明装置の薄型化により、画像読取装置も原稿面に直交する方向のサイズを小さくでき、読取性能良好な画像読取装置を構築できる。
特に、図11の実施の形態では、1つのキャリッジ13内に、照明系と読取光学系を搭載できるため、照明系である照明装置10を薄く出来ることにより、キャリッジ13自体をコンパクト化・軽量化でき、高速読取にも十分に対応できる。
【0160】
また、照明装置として、図8以下に実施の形態を示した「拡散手段」を有するものを用いることにより、LED光源固有の「ぎらつき感やまぶしさ」が有効に低減され、遮光板SLPを用いると、LED光源からの直接光が原稿面側に伝搬しないため、迷光として問題となる可能性のある不要な光をカットできる。
【0161】
さらに、原稿読取装置としては、拡散手段を用いる効果として、被照明部における照度分布のリップル低減により、「原稿読取中に原稿照明位置とラインセンサの共役位置(ラインセンサが見ている原稿面位置)がずれたときに、原稿面の照度分布にリップルが提言されていることにより、読取画像の濃度ムラを抑制できる。
【0162】
図11、図12に示した画像読取装置に、プリンタを組み合わせ、画像読取装置により得られた画像データをプリントするようにして、画像形成装置を構成することが出来ることは勿論である。
【符号の説明】
【0163】
0 原稿
1 光源
3 導光体
5 ミラー
3A 入射端面
3B 射出端面
3C 配光制御領域
LA 被照明ライン
FA 読取光軸面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0164】
【特許文献1】特開2010−16496号公報
【特許文献2】特開2009−37746号公報
【特許文献3】特開2011−82626号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDを1方向に配列した光源と、
平行平板状の透明体であって、該透明体の厚みをなす側端面の、互いに対応する一方を入射端面、他方を射出端面とし、上記入射端面が上記光源側に、上記LEDの配列方向に平行、且つ、近接して配置され、上記光源側から上記入射端面に照射される光を入射させて射出端面に向かって導光する導光体と、
この導光体により導光され、上記射出端面から射出した光を、ライン状の被照明部に向けて反射させるミラー部材と、を有し、
上記導光体は、表面を上記被照明部に向けて上記被照明部と平行に、且つ、ライン状の被照明部の長手方向を含んで被照明部に直交する法線面を介して、上記射出端面が上記ミラー部材と逆の側にあるように配置され、上記導光体の表面および裏面の少なくとも一方に、配光制御領域が形成され、
該配光制御領域には、斜面の外向き法線が光源側に傾く複数の傾斜面:aと、斜面の外向き法線が射出端面側に傾く複数の傾斜面:bが、上記入射端面側から射出端面側に向かって交互に配列して形成され、上記導光体の表面側から外側へ、被照明部に直交するように伸びる方向:Pから、上記傾斜面:aの外向き法線までの角:θa、上記方向:Pから上記傾斜面:bの外向き法線までの角:θbの大小関係が、
θa<θb
であって、上記導光体により導光され、上記配光制御領域に入射して被照明部側に射出する光が、上記ミラー部材により反射される光とは、上記法線面の逆の側から上記被照明部を照射するように形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1記載の照明装置において、
角:θaと角:θbの和が、略90度であることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の照明装置において、
配光制御領域における傾斜面aと傾斜面bとの間に、導光体表面と平行で細い平面領域が存在することを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1〜3の任意の1に記載の照明装置において、
導光体の少なくとも射出端面部に、透過光を拡散させる拡散手段を有することを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項5記載の照明装置において、
拡散手段の拡散領域が、導光体の射出端面部からの射出光と、配光制御領域により導光体表面から射出する射出光とを拡散するように設けられていることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項4または5記載の照明装置において、
拡散手段の少なくとも一部が、導光体に拡散面として形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項4または5記載の照明装置において、
拡散手段が、少なくとも一部が、導光体と別体の拡散板であることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項7記載の照明装置において、
導光体の表面側に、光源からの光が被照明部に直接入射するのを遮断する遮蔽部材を有することを特徴とする照明装置。
【請求項9】
原稿面をライン状に照明し、原稿面からの光を、ミラーとレンズを有する読取光学系により撮像素子上に結像させ、原稿画像を読取る画像読取装置であって、
原稿面をライン状に照明する照明装置として、請求項1〜8の任意の1に記載のものを用いることを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像読取装置において、
照明装置と読取光学系と撮像素子が、ライン状の被照明部の長手方向に直交し、原稿面に平行な方向へ移動可能な走行体に搭載されたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項1】
複数のLEDを1方向に配列した光源と、
平行平板状の透明体であって、該透明体の厚みをなす側端面の、互いに対応する一方を入射端面、他方を射出端面とし、上記入射端面が上記光源側に、上記LEDの配列方向に平行、且つ、近接して配置され、上記光源側から上記入射端面に照射される光を入射させて射出端面に向かって導光する導光体と、
この導光体により導光され、上記射出端面から射出した光を、ライン状の被照明部に向けて反射させるミラー部材と、を有し、
上記導光体は、表面を上記被照明部に向けて上記被照明部と平行に、且つ、ライン状の被照明部の長手方向を含んで被照明部に直交する法線面を介して、上記射出端面が上記ミラー部材と逆の側にあるように配置され、上記導光体の表面および裏面の少なくとも一方に、配光制御領域が形成され、
該配光制御領域には、斜面の外向き法線が光源側に傾く複数の傾斜面:aと、斜面の外向き法線が射出端面側に傾く複数の傾斜面:bが、上記入射端面側から射出端面側に向かって交互に配列して形成され、上記導光体の表面側から外側へ、被照明部に直交するように伸びる方向:Pから、上記傾斜面:aの外向き法線までの角:θa、上記方向:Pから上記傾斜面:bの外向き法線までの角:θbの大小関係が、
θa<θb
であって、上記導光体により導光され、上記配光制御領域に入射して被照明部側に射出する光が、上記ミラー部材により反射される光とは、上記法線面の逆の側から上記被照明部を照射するように形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1記載の照明装置において、
角:θaと角:θbの和が、略90度であることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の照明装置において、
配光制御領域における傾斜面aと傾斜面bとの間に、導光体表面と平行で細い平面領域が存在することを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1〜3の任意の1に記載の照明装置において、
導光体の少なくとも射出端面部に、透過光を拡散させる拡散手段を有することを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項5記載の照明装置において、
拡散手段の拡散領域が、導光体の射出端面部からの射出光と、配光制御領域により導光体表面から射出する射出光とを拡散するように設けられていることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項4または5記載の照明装置において、
拡散手段の少なくとも一部が、導光体に拡散面として形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項4または5記載の照明装置において、
拡散手段が、少なくとも一部が、導光体と別体の拡散板であることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項7記載の照明装置において、
導光体の表面側に、光源からの光が被照明部に直接入射するのを遮断する遮蔽部材を有することを特徴とする照明装置。
【請求項9】
原稿面をライン状に照明し、原稿面からの光を、ミラーとレンズを有する読取光学系により撮像素子上に結像させ、原稿画像を読取る画像読取装置であって、
原稿面をライン状に照明する照明装置として、請求項1〜8の任意の1に記載のものを用いることを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像読取装置において、
照明装置と読取光学系と撮像素子が、ライン状の被照明部の長手方向に直交し、原稿面に平行な方向へ移動可能な走行体に搭載されたことを特徴とする画像読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−115740(P2013−115740A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262515(P2011−262515)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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