説明

照明装置と、これを有する顕微鏡装置

【課題】照明装置の光源装置から射出される照明光を無駄なく使用することを可能にする照明装置と、これを有する顕微鏡装置を提供すること。
【解決手段】標本を照明するための照明光を射出する光源装置10と、前記照明光を前記標本に集光するコンデンサレンズ24と、前記標本からの光を集光し、前記標本の像を形成する対物レンズ28とを有し、前記光源装置は、前記対物レンズの瞳位置において、光軸からの位置に応じて配光特性が異なる照明光を射出するための光学部材10を有することを特徴とする照明装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置とこれを有する顕微鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顕微鏡の透過照明装置では、落射照明装置とは異なりコンデンサレンズを介して標本に照明光を照射する。このためコンデンサレンズは低倍から高倍までの複数の対物レンズに対応している。そして、照明装置の光源は、低倍から高倍までの対物レンズによる観察に対して標本を均一、かつ明るく照明することが求められ、ハロゲン光源等が使用されている。一方、消費パワーの低減、発熱の低減等から近年LEDを用いた照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−148296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、LEDを用いた照明装置はハロゲン光源に比べて明るさが不十分であると言う問題がある。これは、低倍から高倍の対物レンズ対してLEDから射出される照明光のコンデンサレンズの瞳面における入射角が考慮されておらず、対物レンズによっては使用できない入射角の照明光も射出されるため、光源からの照明光が無駄になることに起因している。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みて行われたものであり、照明装置の光源装置から射出される照明光を無駄なく使用することを可能にする照明装置と、これを有する顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、標本を照明するための照明光を射出する光源装置と、前記照明光を前記標本に集光するコンデンサレンズと、前記標本からの光を集光し、前記標本の像を形成する対物レンズとを有し、前記光源装置は、前記対物レンズの瞳位置において、光軸からの位置に応じて配光特性が異なる照明光を射出するための光学部材を有することを特徴とする照明装置を提供する。
【0006】
また、前記照明装置を有することを特徴とする顕微鏡装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、照明装置の光源装置から射出される照明光を無駄なく使用することを可能にする照明装置と、これを有する顕微鏡装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態にかかる照明装置と顕微鏡装置について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、発明の理解を容易にするためのものに過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において当業者により実施可能な付加・置換等を施すことを排除することは意図していない。
【0009】
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態にかかる照明装置を有する顕微鏡装置の光学系の概略を示す。
【0010】
図1において、複数のLEDからなるLED光源10から放射された照明光は、拡散板12を通り、コレクタレンズ14で集光され、視野絞り16を通り、ミラー18で光路を略90度偏向され、リレーレンズ20で開口絞り22(コンデンサレンズ24の瞳の位置)へ結像する。その後、コンデンサレンズ24で略平行にされた照明光は、標本面26に照射される。標本面26からの光は、対物レンズ28で集光され、第2対物レンズ(結像レンズ)30とプリズム32を通り一次像面34に結像し、不図示の接眼レンズを介して標本像が観察者に観察される。ここで、LED光源10からコンデンサレンズ24で照明装置1が構成される。
【0011】
また、本第1実施の形態では、照明装置1は、ケーラー照明であり、LED光源10と開口絞り22の開口位置(コンデンサレンズ24の瞳の位置)とが、また視野絞り16と標本の標本面26とが、それぞれ共役関係にある。このためLED光源10の光源像が、開口絞り22の位置に結像される。このようにして第1実施の形態にかかる照明装置1と、この照明装置1を有する顕微鏡装置100が構成されている。
【0012】
図2は、コンデンサレンズ24近傍の拡大図を示し、高倍対物レンズの代表として倍率100倍、開口数NA=0.9の対物レンズの場合の必要な光束を示している。図3は、コンデンサレンズ24近傍の拡大図を示し、低倍対物レンズの代表として倍率4倍、開口数NA=0.13の対物レンズの場合の必要な光束を示している。
【0013】
また、以下の表1には、顕微鏡装置100で使用される各倍率の対物レンズ28の開口数NA、焦点距離(mm)、照野(mm)、コンデンサレンズ24の瞳の有効径φ(mm)、およびコンデンサレンズ24の瞳への入射開口数(入射NA)の一覧表の例である。但し、コンデンサレンズ24の焦点距離は17mmとし、顕微鏡100の視野数は22とする。なお、表1に示す対物レンズ18の諸条件は表1の値に限られ無いことは言うまでもない。
【0014】
(表1)
倍率 NA 焦点距離 照野 φ 入射NA
4X 0.13 50 5.5 4.42 0.160
10X 0.3 20 2.2 10.2 0.065
20X 0.5 10 1.1 17 0.032
40X 0.75 5 0.55 25.5 0.016
100X 0.9 2 0.22 30.6 0.0065
【0015】
ここで、入射NAは、以下の関係式から求められる。
NA=sin(tan−1((照野/2)/焦点距離))
【0016】
表1、図2、及び図3を参照しつつコンデンサレンズ24の瞳への入射角を計算すると、4倍の対物レンズでは、有効径φ=4.42mm、入射角=9.2°(入射角=sin−1(0.16))、100倍の対物レンズでは、有効径=30.6mm、入射角=0.37°(入射角=sin−1(0.0065))となる。これから、低倍(4倍)の対物レンズ28では、コンデンサレンズ24の瞳の有効径φが小さいのでコンデンサレンズ24の瞳への照明光の入射角(入射NA)の大きい照明光を使用できる。一方、高倍(100倍)の対物レンズ28では、コンデンサレンズ24の瞳の有効径φを照明光が充足する必要があるが、コンデンサレンズ24の瞳への照明光の入射角(入射NA)は小さくてよい事がわかる。
【0017】
従来の照明装置は、コンデンサレンズ24の瞳への照明光の入射NAと瞳径は大きいほうに合わせるため、瞳への照明光はNA0.16(4X対物)、瞳径φ30.6mm(100X対物)となっていた。しかしφ=30.6mm近傍入射する光で、入射NAが0.160の光はどの対物レンズも必要とせず無駄な光となってしまう。
【0018】
本第1実施の形態にかかる照明装置1では、光源であるLED光源10の個々のLEDの配光特性を変えることで、コンデンサレンズ24の瞳の中心付近に入射する光は入射NAの大きな成分の光を多く有するようにし、コンデンサレンズ24の瞳の最大有効径φの端部近傍に入射する光は入射NAの小さい成分の光を多く有するように構成し、照明光の無駄を少なくしている。
【0019】
図4は、第1実施の形態にかかる照明装置1のLED光源10が持つ配光特性の一例を示し、(a)は側面図を、(b)は正面図をそれぞれ示す。
【0020】
図4において、光源装置であるLED光源10は、二種類の配光特性を有するLEDを使用した場合を示している。図4(b)の正面図において、LED光源10は、中央のLED10aには半値全角が45度のLEDを配置し、LED10aの周囲には半値全角が15度のLED10bを複数個(本例では6個)配置して構成している。各LED10a,10bは直径5mmの砲弾型のLEDを使用し、全体として直径が約20mmのLED光源10を構成している。なお、LEDの直径は5mmに限られるわけではなく、LEDの直径に応じてLEDの配置、並べ方は適宜変更可能である。
【0021】
また、図1に示す照明装置1では、LED光源10から開口絞り22(コンデンサレンズ24の瞳)までの倍率を1.5倍に設計することで、開口絞り22位置では、1.5×20=30mmとなり、表1に示す100倍の対物レンズの有効径30.6mmをほぼ満足することができる。このときLED光源10の周辺部のLED10bの半値全角は15度から約10度となる。一方、中心のLED10aは直径が5mmであるから、倍率1.5倍を掛けると開口絞り22位置ではφ7.5mmとなり、LED10aの半値全角は45度から約30度となる。なお、有効径の不足分(0.6mm)は、LED光源10とコンデンサレンズ14の間に拡散板12を配置することで解消することができる。
【0022】
また、拡散板12の拡散度は、LED光源10の配光特性を損なわないような拡散度に設定することが好ましく、拡散度として30%から80%が好ましい。拡散度が30%未満では有効径30.6mmを満たすことが困難となり、拡散度80%を越えると配光特性が悪化する。なお、リレー倍率は1.5倍に限るものではなく、設計によって適宜変更可能である。
【0023】
このように本第1実施の形態にかかる照明装置1では、図4に示すように、LED光源10は中央付近(光軸付近)に半値全角が大きい配光特性をもつLED10aを、LED10aの周囲に半値全角が小さいLED10bを組み合わせ配置することで、コンデンサレンズ24の瞳の有効径φ近傍に対物レンズ28に必要な入射角成分を多く有する照明光を射出することができる。これにより、光源の配光特性を考慮していない従来の照明装置に比べ、対物レンズ28が使用する照明光の無駄を少なくすることができる。
【0024】
例えば、配光特性(半値全角)が小さいLEDのみでLED光源10を構成した場合では低倍対物レンズ28では周辺減光が発生しやすい、あるいは配光特性(半値全角)が大きいLEDのみでLED光源10を構成した場合では高倍対物レンズ28での光量が少なくなる、と言う従来の問題を解決することが出来る。
【0025】
(第2実施の形態)
次に、第2実施の形態にかかる照明装置と顕微鏡装置について図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0026】
図5は、第2実施の形態にかかる照明装置と顕微鏡装置の概略構成図である。また、低倍から高倍の対物レンズの諸条件は、第1実施の形態と同様であり、前述の表1と同様である。
【0027】
図5において、光源装置はLED50と後述する輪帯状にNAが異なるフライアイレンズ52とから構成されている。LED光源50からの光はフライアイレンズ52のそれぞれの微小レンズを介して、コンデンサレンズ14で集光される。コンデンサレンズ14以降の照明光の進路は、第1実施の形態と同様であり説明を省略する。照明装置51は、フライアイレンズ52の射出面が二次光源となり、この二次光源像が開口絞り22の位置(コンデンサレンズ24の瞳の位置)に結像するケーラー照明である。ここで、LED50からコンデンサレンズ24で第2実施の形態にかかる照明装置51が構成されている。なお、光源は、LED50に限らず一般の光源を使用することも可能である。
【0028】
照明装置51で照明された標本面26からの光は、第1実施の形態と同様に対物レンズ28、第2対物レンズ30、およびプリズム32を介して一次像面34に結像する。このようにして第2実施の形態にかかる照明装置51と、この照明装置51を有する顕微鏡装置200が構成されている。
【0029】
本第2実施の形態では、フライアイレンズ52の射出面からコンデンサレンズ24の瞳を1倍でリレーする構成としている。なお、このリレー倍率は1倍に限るものではなく、設計によって適宜変更することができる。
【0030】
このように1倍でリレーした場合、フライアイレンズ52の開口数NAがそのままコンデンサレンズ24への入射NAとなるので、表1の入射NAを満たすようにフライアイレンズ52を配置する。
【0031】
そこで、フライアイレンズ52は、表1に示す「コンデンサレンズの瞳の有効径φ」の各領域に対応した輪帯状にし、それぞれの輪帯状領域のNAは表1に示す入射NAとなるようにフライアイレンズ52を形成する。
【0032】
図6は、第2実施の形態にかかる照明装置に用いられるフライアイレンズを示し、(a)は正面図、(b)はA−A’線に沿った断面図、(c)は(b)の一部拡大図をそれぞれ示す。
【0033】
図6(a)において、フライアイレンズ52は、中心Oから有効径φ=4.42mmまでの領域52aがNA=0.16、φ=4.42mmからφ=10.2mmまでの領域52bがNA=0.065、φ=10.2mmからφ=17mmまでの領域52cがNA=0.032、φ=17mmからφ=25.5mmまでの領域52dがNA=0.016、およびφ=25.5mmからφ=30.6mmまでの領域52eがNA=0.006となる輪帯状に形成されている。なお、図6(a)では、輪帯状領域52a〜52eのそれぞれの境界を実線で模式的に示したが、各境界線はフライアイレンズ52のレンズ境界に沿って形成されることは言うまでもない。
【0034】
また、図6(c)に示すように、フライアイレンズ52では、各微小レンズの焦点距離fは、以下の条件式(1)で与えられる。
f=L=r/(n−1) (1)
【0035】
ここで、rは各微小レンズの入射面と射出面それぞれの曲率半径、Lは両面間の距離、nはフライアイレンズ52の媒質の屈折率である。
【0036】
また、フライアイレンズ52のNAは各微小レンズ個々のレンズの直径(有効径)をψとすると、以下の条件式(2)で与えられる。
NA=ψ/2f=((n−1)×ψ)/2r (2)
【0037】
条件式(2)より、フライアイレンズ52のNAは、各微小レンズの媒質の屈折率n、曲率半径r、直径ψの少なくとも一つを変えることにより決めることが出来る。
【0038】
このように、第2実施の形態にかかる照明装置51では、フライアイレンズ52は中央付近(光軸付近)から径方向外側に向かってコンデンサレンズ24の瞳への入射NAを大きい値から小さい値の輪帯状に形成することで、コンデンサレンズ24の瞳の有効径φの近傍で対物レンズ28が必要な入射角成分を多く有する照明光を射出することができる。これにより、光源の配光特性を考慮していない従来の照明装置に比べ、対物レンズが使用する照明光の無駄を少なくすることができる。
【0039】
(第3実施の形態)
次に、第3実施の形態にかかる照明装置と顕微鏡装置について図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0040】
図7は、第3実施の形態にかかる照明装置と顕微鏡装置の概略構成図である。また、低倍から高倍の対物レンズの諸条件は、第1実施の形態と同様であり、前述の表1と同様である。
【0041】
図7において、光源装置はLED50と後述する輪帯状に拡散度が異なる拡散板54とから構成されている。LED50からの光は拡散板54を通してコンデンサレンズ14で集光される。コンデンサレンズ14以降の照明光の進路は、第1実施の形態と同様であり説明を省略する。ここで、LED50からコンデンサレンズ24で照明装置61が構成されている。
【0042】
照明装置61は、拡散板54で拡散された光源像が、開口絞り22の位置(コンデンサレンズ24の瞳の位置)に結像するケーラー照明である。なお、光源は、LED50に限らず一般の光源を使用することも可能である。
【0043】
照明装置61で照明された標本面26からの光は、第1実施の形態と同様に対物レンズ28、第2対物レンズ30、およびプリズム32を介して一時像面34に結像する。このようにして第3実施の形態にかかる照明装置61と、この照明装置61を有する顕微鏡装置300が構成されている。
【0044】
本第3実施の形態では、LED50からコンデンサレンズ24の瞳を1倍でリレーする構成としている。なお、このリレー倍率は1倍に限るものではなく、設計によって適宜変更することができる。
【0045】
このように1倍でリレーした場合、拡散板54の拡散度で形成される配光特性がそのままコンデンサレンズ22への配光特性(入射NA)となる。
【0046】
そこで、拡散板54の拡散度は、表1に示す「コンデンサレンズの瞳の有効径φ」の領域で輪帯状にし、それぞれの輪帯状領域の拡散度をほぼ入射NA相当となるように形成する。
【0047】
図8は、第3実施の形態にかかる照明装置に用いられる輪帯状の拡散板の一例を示す。
【0048】
図8において、拡散板54は、中心Oから有効径φ=4.42mmまでの領域54aがNA=0.16相当の拡散度、φ=4.42mmからφ=10.2mmまでの領域54bがNA=0.065相当の拡散度、φ=10.2mmからφ=17mmまでの領域54cがNA=0.032相当の拡散度、φ=17mmからφ=25.5mmまでの領域54dがNA=0.016相当の拡散度、およびφ=25.5mmからφ=30.6mmまでの領域54eがNA=0.006相当の拡散度の輪帯状に形成されている。
【0049】
このように、第3実施の形態にかかる照明装置61では、拡散板54は中央付近(光軸付近)から径方向外側に向かってコンデンサレンズ24の瞳への入射NAに相当する拡散度を大きい値から小さい値の輪帯状に形成することで、コンデンサレンズ24の瞳の有効径φの近傍で対物レンズ20が必要な入射角成分を多く有する照明光を射出することができる。これにより、光源の配光特性を考慮していない従来の照明装置に比べ、対物レンズが使用する照明光の無駄を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1実施の形態にかかる照明装置1を有する顕微鏡装置の光学系の概略を示す。
【図2】コンデンサレンズ近傍の拡大図を示し、高倍対物レンズの代表として倍率100倍、開口数NA=0.9の対物レンズの場合の必要な光束を示している。
【図3】コンデンサレンズ近傍の拡大図を示し、低倍対物レンズの代表として倍率4倍、開口数NA=0.13の対物レンズの場合の必要な光束を示している。
【図4】第1実施の形態にかかる照明装置1のLED光源の配光特性の一例を示し、(a)は側面図を、(b)は正面図をそれぞれ示す。
【図5】第2実施の形態にかかる照明装置と顕微鏡装置の概略構成図である。
【図6】第2実施の形態にかかる照明装置に用いられるフライアイレンズを示し、(a)は正面図、(b)はA−A’線に沿った断面図、(c)は(b)の一部拡大図をそれぞれ示す。
【図7】第3実施の形態にかかる照明装置と顕微鏡装置の概略構成図である。
【図8】第3実施の形態にかかる照明装置に用いられる輪帯状の拡散板の一例を示す。
【符号の説明】
【0051】
1、51、61 照明装置
10 LED光源
12、54 拡散板
14 コレクタレンズ
16 視野絞り
18 ミラー
20 リレーレンズ
22 開口絞り
24 コンデンサレンズ
26 標本面
28 対物レンズ
30 第2対物レンズ
32 プリズム
34 一次像面
50 LED
52 フライアイレンズ
100、200、300 顕微鏡装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標本を照明するための照明光を射出する光源装置と、
前記照明光を前記標本に集光するコンデンサレンズと、
前記標本からの光を集光し、前記標本の像を形成する対物レンズとを有し、
前記光源装置は、前記対物レンズの瞳位置において、光軸からの位置に応じて配光特性が異なる照明光を射出するための光学部材を有することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記光学部材は、対物レンズの瞳位置またはそれと共役な位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光学部材は、複数個の光源からなり、
前記配光特性は、前記光軸から径方向に当該複数個の光源の発光特性の半値全角が小さくなることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源は、LEDであることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光学部材は、拡散板からなり、
前記配光特性は、前記光軸を中心軸として輪帯状に当該拡散板の拡散度が小さくなることを特徴とする請求項1また2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記光学部材は、フライアイレンズからなり、
前記配光特性は、前記光軸を中心軸として輪帯状に当該フライアイレンズを構成する微小レンズの開口数NAが小さくなることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記開口数NAの変更は、前記フライアイレンズを構成する微小レンズの媒質の屈折率、前記フライアイレンズを構成する微小レンズ各レンズの曲率半径、および前記各微小レンズの直径の少なくとも一つを変えることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の照明装置を有することを特徴とする顕微鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−134191(P2010−134191A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310068(P2008−310068)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】