照明装置及びその製造方法
【課題】面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】有機発光層を含み、第1主面30aと第2主面30bとを有する有機発光部30と、第1主面に設けられた第1電極10と、第2主面に設けられた第2電極20と、第2電極の有機発光部とは反対の側に設けられた光学層40と、を備えた照明装置が提供される。第2電極は、導電層20bと、導電層に電気的に接続され、第1主面に対して平行な第1方向に延在し、導電層よりも導電率が高い第1配線21及び第2配線22と、を有する。光学層は、第1主面に対して垂直な方向から見て、第1配線及び前記第2配線と重なる部分を有する低屈折率部40aと、低屈折率部の前記部分に接触する部分を有し、低屈折率部よりも高い屈折率を有する高屈折率部40bと、を有する。
【解決手段】有機発光層を含み、第1主面30aと第2主面30bとを有する有機発光部30と、第1主面に設けられた第1電極10と、第2主面に設けられた第2電極20と、第2電極の有機発光部とは反対の側に設けられた光学層40と、を備えた照明装置が提供される。第2電極は、導電層20bと、導電層に電気的に接続され、第1主面に対して平行な第1方向に延在し、導電層よりも導電率が高い第1配線21及び第2配線22と、を有する。光学層は、第1主面に対して垂直な方向から見て、第1配線及び前記第2配線と重なる部分を有する低屈折率部40aと、低屈折率部の前記部分に接触する部分を有し、低屈折率部よりも高い屈折率を有する高屈折率部40bと、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光素子は、表示装置、光源、照明などへの実用化が検討されている。有機電界発光素子においては、陰極と陽極との間に有機薄膜を設け、陰極と陽極との間に電圧を印加して励起子を生成し、この励起子が放射失活する際の発光を利用する。陽極には、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの比較的導電率が低い材料が用いられる。
【0003】
大面積の照明等に有機電界発光素子を応用する場合に、陽極の導電率が低いため、面内で電圧降下が生じ、明るさが不均一となり、問題となると予想される。
また、発光効率を向上するために、有機発光層で発光する光を効率良く取り出すことが重要である。
【0004】
なお、特許文献1には有機電界発光素子において、回折格子層を設け光取り出し効率を向上する技術が開示されている。しかし、この方法においては、微細な回折格子の形成が必要であるため、この方法を大面積の照明装置に応用することは実用上困難である。
【0005】
有機電界発光素子を用いた大面積の照明装置の実用化には、面内の電圧降下を抑制しつつ、光取り出し効率を向上する特別の技術が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−156400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、有機発光層を含み、第1主面と第2主面とを有する有機発光部と、前記有機発光部の前記第1主面に設けられた第1電極と、前記有機発光部の前記第2主面に設けられ、導電層と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1主面に対して平行な第1方向に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第1配線と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1配線と離間して平行に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第2配線と、を有する第2電極と、前記第2電極の前記有機発光部とは反対の側に設けられ、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する低屈折率部と、前記低屈折率部の前記部分に接触する部分を有し、前記低屈折率部よりも高い屈折率を有する高屈折率部と、を有する光学層と、を備えたことを特徴とする照明装置が提供される。
【0009】
本発明の別の一態様によれば、有機発光層を含み、第1主面と第2主面とを有する有機発光部と、前記有機発光部の前記第1主面に設けられた第1電極と、前記有機発光部の前記第2主面に設けられ、導電層と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1主面に対して平行な第1方向に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第1配線と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1配線と離間して平行に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第2配線と、を有する第2電極と、前記第2電極の前記有機発光部とは反対の側に設けられ、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する低屈折率部と、前記低屈折率部の前記部分に接触する部分を有し、前記低屈折率部よりも高い屈折率を有する高屈折率部と、を有する光学層と、を有する照明装置の製造方法であって、基板の主面上に前記低屈折率部となる低屈折率膜を形成し、前記低屈折率膜の上に前記第1配線及び前記第2配線となる高導電率膜を形成し、前記低屈折率膜と前記高導電率膜とを加工し、前記低屈折率部と、前記第1配線及び前記第2配線と、を形成し、前記低屈折率部、前記第1配線及び前記第2配線から露出している前記基板の前記主面上に前記高屈折率部を形成し、前記低屈折率部と、前記第1配線と、前記第2配線と、前記高屈折率部と、を覆うように前記導電層を形成し、前記導電層の上に感光性の絶縁膜を形成し、前記第1配線及び前記第2配線をマスクとして、前記基板の前記主面とは反対の面の側から前記絶縁膜に光を照射し、現像して、前記絶縁膜からなり、前記第1配線及び前記第2配線のパターン形状に沿ったパターン形状を有する絶縁層を形成し、前記絶縁層及び前記導電層の上に前記有機発光部を形成し、前記有機発光部の上に前記第1電極を形成することを特徴とする照明装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る照明装置を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る照明装置を示す模式図である。
【図3】第1の実施形態に係る照明装置の動作を示す模式図である。
【図4】第1の実施形態に係る別の照明装置を示す模式図である。
【図5】第1の実施形態に係る別の照明装置を示す模式図である。
【図6】第1の実施形態に係る照明装置の製造方法を示す工程順模式的断面図である。
【図7】第1の実施形態に係る照明装置の別の製造方法を示す工程順模式的断面図である。
【図8】第2の実施形態に係る照明装置を示す模式図である。
【図9】第2の実施形態に係る別の照明装置を示す模式図である。
【図10】第2の実施形態に係る別の照明装置を示す模式図である。
【図11】第3の実施形態に係る照明装置の製造方法を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の構成を例示する模式図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図1(a)は、図1(b)、図2(a)及び図2(b)のA1−A2線断面図であり、図1(b)は、図1(a)のB1−B2線断面図であり、図2(a)は、図1(a)のC1−C2線断面図であり、図2(b)は、図1(a)のD1−D2線断面図である。
【0014】
図1(a)及び(b)並びに図2(a)及び(b)に表したように、本実施形態に係る照明装置110は、有機発光層を含み、第1主面30aと第2主面30bとを有する有機発光部30と、有機発光部30の第1主面30aに設けられた第1電極10と、有機発光部30の第2主面30bに設けられた第2電極20と、第2電極20の有機発光部30とは反対の側に設けられた光学層40と、を有する。すなわち、第1電極10と第2電極20との間に有機発光部30が設けられる。
【0015】
有機発光部30の有機発光層には、例えばAlq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム:(tris(8-hydroxyquinolinato)aluminium))などが用いられる。ただし、本実施形態はこれに限らず、有機発光層には、任意の材料を用いることができる。また、有機発光部30は、有機発光層以外に、電荷注入層や電荷輸送などの種々の有機膜をさらに含んでも良い。
【0016】
第1電極10には、例えば、Al、MgとAgの合金、Agなどが用いられる。ただし、本発明の実施形態はこれに限らず、第1電極10には、任意ので導電材料を用いることができる。
【0017】
ここで、第1主面30aに対して垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向は、第1電極10、有機発光部30及び第2電極20の積層方向である。例えば、第2電極20から第1電極10に向かう方向がZ軸方向となる。そして、Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。そして、Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。そして、X軸方向を第1方向とし、Y軸方向を第2方向とする。
【0018】
第2電極20は、導電層20bと、第1配線21と、第2配線22と、を有する。
導電層20bは、有機導電層30を介して、Z軸方向に沿って第1電極10に対向する。導電層20bは、第1主面30aに対して平行である。
【0019】
第1配線21は、導電層20bに電気的に接続される。第1配線21は、第1主面30aに対して平行な第1方向(X軸方向)に延在する。第1配線21の導電率は、導電層20bの導電率よりも高い。
【0020】
第2配線22は、導電層20bに電気的に接続される。第2配線22は、第1配線21と離間して、第1配線21と平行に延在する。第2配線22の導電率は、導電層20bの導電率よりも高い。第2配線22は、第1配線21とY軸方向に沿って隣り合う。
【0021】
本具体例では、第1配線21及び第2配線22は、導電層20bの有機発光部30とは反対の側に設けられている。
【0022】
導電層20bには、例えばITOが用いられ、第1配線21及び第2配線22には例えばAlやCu等の金属が用いられる。本実施形態はこれに限らず、第1配線21及び第2配線22の導電率が、導電層20bの導電率よりも高ければ良い。
【0023】
導電層20bは、有機発光部30から放出される光に対して透光性を有する。
なお、第1配線21及び第2配線22の有機発光部30から放出される光に対する透過率は、導電層20bの光に対する透過率よりも低い。第1配線21及び第2配線22は上記の光に対して遮光性である。第1配線21及び第2配線22は、上記の光に対して反射性を有する。
【0024】
光学層40は、低屈折率部40aと、高屈折率部40bと、を有する。
低屈折率部40aは、Z軸方向(第1主面30aに対して垂直な方向)から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる部分を有する。すなわち、低屈折率部40aは、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかにZ軸方向に沿って対向する部分を有する。本具体例では、低屈折率部40aは、第1配線21に対向する第1部分41と、第2配線22に対向する第2部分42とを有している。
【0025】
高屈折率部40bは、低屈折率部40aの上記の部分(Z軸方向から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる上記の部分)に接触する部分を有する。高屈折率部40bの屈折率は、低屈折率部40aの屈折率よりも高い。例えば、高屈折率部40bの少なくとも一部と、低屈折率部40aの少なくとも一部と、がY軸方向に沿って接触する。
【0026】
低屈折率部40aには、例えば酸化珪素が用いられ、この時の屈折率は例えば約1.4である。高屈折率部40bには、例えばポリイミドが用いられ、この時の屈折率は約1.7である。
【0027】
なお、図1(a)及び図1(b)に表したように、第2電極20は、第1配線21及び第2配線22の他にも同様の配線を有することができる。
【0028】
すなわち、第2電極20は、導電層20bと、導電層20bに電気的に接続され、X軸方向に延在し、導電層20bよりも導電率が高い複数の配線20aを有することができる。配線20aの数は2以上であれば任意である。すなわち、第2電極20には、X軸方向に延在する帯状の複数の配線20aを設けることができる。
【0029】
なお、これらの複数の配線20aの互いのピッチは等間隔でも良く、また、例えば照明装置110の端部と中央部とで変化させても良く、任意である。
以下では、複数の配線20aのピッチが互いに実質的に等しい場合として説明する。
【0030】
図2(a)に表したように、本具体例では、低屈折率部40aは、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21及び第2配線22が設けられる領域に設けられる。すなわち、低屈折率部40aは、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21及び第2配線22が設けられる領域に沿って設けられている。低屈折率部40aは、配線20a(第1配線21及び第2配線22)と実質的に同じパターン(第1主面30aに対して垂直な方向から見たときの、X−Y平面におけるパターン)を有している。
【0031】
低屈折率部40aの第1部分41及び第2部分42は、第1方向に延在している。
【0032】
高屈折率部40bは、低屈折率部40aの上記の部分(例えば第1部分41及び第2部分42)に、第2方向に沿って隣接し、第2方向に沿って接触する。
【0033】
すなわち、高屈折率部40bは、低屈折率部40aが設けられていない部分に設けられている。すなわち、高屈折率部40bは、配線20a(第1配線21及び第2配線22)が設けられていない領域に設けられている。このように、低屈折率部40aのパターンを、配線20aのパターンと実質的に一致させることで、後述するように、低屈折率部40aと配線20aとを一括して形成することでき、生産効率が向上し有利である。
【0034】
ただし、本実施形態はこれに限らず、低屈折率部40aは、Z軸方向から見て、配線20a(第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれか)に重なる部分を有し、高屈折率部40bは、低屈折率部40aに接触する部分を有していれば良い。
【0035】
以下では、低屈折率部40aが、配線20a(第1配線21及び第2配線22)と実質的に同じパターン(X−Y平面におけるパターン)を有し、高屈折率部40bが、配線20a(第1配線21及び第2配線22)が設けられていない領域に設けられる場合として説明する。
【0036】
なお、図2(b)に表したように、配線20aにZ軸方向に沿って対向する領域に絶縁層50が設けられている。絶縁層50は、第2電極20(この場合は導電層20b)と有機発光部30との間に設けられている。すなわち、照明装置110は、第2電極20と有機発光部30との間に設けられ、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層50をさらに有する。なお、この絶縁層50は、必要に応じて設ければ良く省略可能である。
【0037】
また、図1(a)に表したように、光学層40の第2電極20とは反対の側に基板60が設けられている。この基板60には、有機発光部30から放出される光に対して透光性を有する材料が用いられる。基板60には、例えばガラス基板を用いることができる。なお、基板60は必要に応じて設ければ良く省略可能である。また、基板60は、第1電極10の有機発光部30とは反対の側に設けても良い。この場合には、基板60は、透光性でも良く、遮光性でも良い。
【0038】
このように、本実施形態に係る照明装置110においては、ITOなどの導電率が比較的低い導電層20bに、高導電率の配線20aを電気的に接続させて付設することで、第2電極20における面内の電圧降下が抑制される。これにより、有機発光部30に印加される電界が面内で均一になり、面内で均一な発光が得られる。
【0039】
さらに、高導電率の配線20a(例えば第1配線21及び第2配線22)は導電層20bよりも透光性が低く、具体的には、配線20aは反射性であり、配線20aが設けられる領域に低屈折率部40aを設けることで、光取り出し効率が向上する。
【0040】
すなわち、本実施形態は、有機電界発光素子を用いた大面積の照明装置の実用化に際して問題となる、面内の電圧降下の抑制及び光取り出し効率の向上という新たに発生する課題の解決に取り組むものであり、導電層20bと、それよりも導電率が高い配線20aと、の組み合わせに、さらに、高屈折率部40bと、低屈折率部40aと、の組み合わせを、適用することで、この課題が解決できる。
【0041】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の動作を例示する模式図である。
図3に表したように、第1電極10と第2電極20との間に電圧を印加すると、有機発光部30に電界が印加される。この電界により有機発光部30から光L1が放出される。光L1は、第2電極20の導電層20bを通過し、光学層40の高屈折率部40bに入射し、高屈折率部40bを進行する。光L1のうちの一部の光L2は、高屈折率部40bから、外界へ出射する。本具体例では、光L1のうちの一部の光L2は、高屈折率部40bから基板60を通過して外界へ出射する。
【0042】
光L1のうちの別の一部の光L3は、高屈折率部40bの第2電極20とは反対側の面(本具体例では高屈折率部40bと基板60との界面IF2)で反射し、高屈折率部40bの内部を再び進行する。このとき、高屈折率部40bに隣接して低屈折率部40aが設けられており、光L3は、低屈折率部40aに入射する。低屈折率部40aの屈折率が高屈折率部40bよりも低いので、高屈折率部40bと低屈折率部40aとの界面IF1(低屈折率部40aの側面に相当する)において光L3の光路の角度が変化する。
【0043】
すなわち、低屈折率部40aの屈折率を低屈折率naとし、高屈折率部40bの屈折率を高屈折率nbとすると、界面IF1において、高屈折率部40bの側の入射角θbと低屈折率部40aの側の出射角θaとは、na・sinθa=nb・sinθbのスネルの法則の関係が成り立つ。
【0044】
このように、有機発光部30から放出される光(この場合は光L3)は、高屈折率部40bから低屈折率部40aに進行するときに低屈折率部40aと高屈折率部40bとの屈折率の差異に基づいて屈折する。
【0045】
このように、高屈折率部40bと低屈折率部40aとの界面IF1(低屈折率部40aの側面に相当する)において光L3の光路が変化し、光L3は、低屈折率部40a内を進行し、配線20aで反射し、低屈折率部40aを再び通過し、外界に取り出される。
【0046】
なお、光学層40内において屈折率が均一である場合(例えば低屈折率部40aが設けられず、光学層40の全てが高屈折率部40bである場合)の比較例においては、光学層40の内部で光L3の光路の角度が変化せず、光L3は、光学層40の内側を多重反射し光学層40内で吸収され、外部に取り出され難い。このため、比較例においては、効率が低い。
【0047】
これに対し、本実施形態に係る照明装置110においては、光学層40内に高屈折率部40bと低屈折率部40aとを設けることで、それらの界面IF1において光L3の光路が変化し、多重反射が抑制でき、光L3は外界に取り出され易い。このように、照明装置110においては、効率が高い。
【0048】
そして、Z軸方向から見て、低屈折率部40aが配線20a(第1配線21及び第2配線22)と重なる部分を有するように設計し、低屈折率部40aをZ軸方向に沿って配線20aに対向させることで、低屈折率部40a中を進行する光L3を配線20aで効率的に反射させることができ、効率を向上できる。
【0049】
なお、高屈折率部40bの屈折率は、有機発光部30の屈折率よりも高いことが望ましい。これにより、有機発光部30に放出された光L1、L2及びL3は、有機発光部30から高屈折率部40bに効率良く入射でき、外界に取り出し易くなる。
【0050】
さらに、本具体例では、Z軸方向から見て、配線20aと重なる部分を有する絶縁層50が設けられている。絶縁層50は、配線20aにZ軸方向に沿って対向する。絶縁層50は、配線20aに対向する部分の導電層20bと有機発光部30とを絶縁する。このため、絶縁層50が設けられている部分の有機発光部30に印加される電界は、他の部分よりも低い。既に説明したように、配線20aの透光性は導電層20bの透光性よりも低いため、配線20aに対向する部分において発光する光は外部に取り出されにくい。照明装置110においては、配線20aに対向する部分に絶縁層50を設け、光を取り出し難い部分の有機発光部30の発光を他の部分よりも抑制することで、効率がさらに向上する。
【0051】
なお、図1(b)に表したように、配線20aの第2方向に沿った幅Wa1(すなわち、第1配線21のY軸方向に沿った幅及び第2配線22のY軸方向に沿った幅)は、有機発光部30から放出される光のピーク波長よりも長い。すなわち、具体的には、幅Wa1は、10マイクロメートル(μm)よりも大きい。これにより、配線20aの幅Wa1をある程度以上に広くすることで、配線20aの抵抗を低くし、面内で均一な発光が得易い。配線20aの幅を小さくし過ぎると、配線20aの加工が難しくなり生産性が低下することがある。
【0052】
また、配線20aのY軸方向に沿った幅Wa1を、有機発光部30から放出される光のピーク波長よりも長く、10μm以上に設定することで、配線20aが設けられる領域に沿って設けられる低屈折率部40aの幅が光のピーク波長よりも大きくでき、上記の屈折の効果が得られ、光取り出し効率が向上する。
【0053】
また、配線20aが設けられていない導電層20bのY軸方向に沿った幅Wb1は、配線20aのY軸方向に沿った幅Wa1よりも広い。これにより、透過率が高い導電層20bを介して、光を効率良く取り出すことができる。
【0054】
例えば、配線20aのY軸方向に沿ったピッチは、配線20aの第2方向に沿った幅Wa1の2倍以上とされる。第1配線21のY軸方向に沿った中心と、第2配線22のY軸方向に沿った中心と、のY軸方向に沿った距離Wc1は、配線20aの第2方向に沿った幅Wa1の2倍以上とされる。これにより、高い開口率を確保できる。
【0055】
さらに、配線20aのY軸方向に沿ったピッチは、配線20aの第2方向に沿った幅Wa1の10倍以上とされる。第1配線21のY軸方向に沿った中心と、第2配線22のY軸方向に沿った中心と、のY軸方向に沿った距離Wc1は、配線20aの第2方向に沿った幅Wa1の10倍以上とされる。これにより、約80%の高い開口率を確保できる。
【0056】
また、図2(a)に表したように、低屈折率部40aの第2方向に沿った幅Wa2(すなわち、第1部分41のY軸方向に沿った幅及び第2部分42のY軸方向に沿った幅)は、有機発光部30から放出される光のピーク波長よりも長い。これにより、上記の屈折の効果が得られ、光取り出し効率が向上する。
【0057】
また、高屈折率部40bのY軸方向に沿った幅Wb2は、低屈折率部40aのY軸方向に沿った幅Wa2よりも広い。すなわち、低屈折率部40aは配線20aに対向して設けられ、高屈折率部40bは、配線20aが設けられていない第2電極20(導電層20b)の部分に対向して設けられる。
【0058】
そして、低屈折率部40aのY軸方向に沿ったピッチは、低屈折率部40aの第2方向に沿った幅Wa2の2倍以上とされ、距離Wc1と実質的に同じに設定される。すなわち、第1部分41のY軸方向に沿った中心と、第2部分42のY軸方向に沿った中心と、のY軸方向に沿った距離Wc2は、低屈折率部40aの第2方向に沿った幅Wa2の2倍以上とされる。距離Wc2は、距離Wc1と実質的に同じに設定される。これにより、高い開口率を確保できる。
【0059】
さらに、低屈折率部40aのY軸方向に沿ったピッチは、低屈折率部40aの第2方向に沿った幅Wa2の10倍以上とされ、距離Wc1と実質的に同じに設定される。すなわち、第1部分41のY軸方向に沿った中心と、第2部分42のY軸方向に沿った中心と、のY軸方向に沿った距離Wc2は、低屈折率部40aの第2方向に沿った幅Wa2の10倍以上とされる。距離Wc2は、距離Wc1と実質的に同じに設定される。これにより、約80%の高い開口率を確保できる。
【0060】
また、図2(b)に表したように、本具体例では、絶縁層50のY軸方向に沿った幅Wa3は、幅Wa1及び幅Wa2と実質的に同じに設定されている。
【0061】
また、絶縁層50どうしの間のY軸方向に沿った幅Wb3は、幅Wb1及び幅Wb2と実質的に同じに設定されている。
【0062】
そして、絶縁層50のY軸方向に沿ったピッチである距離Wc3は、絶縁層50のY軸方向に沿った幅Wa3の2倍以上とされ、距離Wc1及び距離Wc2と実質的に同じに設定される。これにより、高い開口率を確保できる。
【0063】
そして、絶縁層50のY軸方向に沿ったピッチである距離Wc3は、絶縁層50のY軸方向に沿った幅Wa3の10倍以上とされ、距離Wc1及び距離Wc2と実質的に同じに設定される。これにより、約80%の高い開口率を確保できる。
【0064】
配線20aのY軸方向に沿った幅Wa1は、例えば10μm以上、1000μm以下に設定される。幅Wa1が10μmよりも狭いと、大面積の照明装置を作製する際に、配線20aの加工が困難になることがある。幅Wa1が1000μmよりも大きいと、面内の電圧降下による不均一の抑制と高開口率との両立が困難になる。
【0065】
配線20aのY軸方向に沿ったピッチ(すなわち、第1配線21のY軸方向に沿った中心と、第2配線22のY軸方向に沿った中心と、のY軸方向に沿った距離Wc1)は、100μm以上、10mm以下とされる。配線20aのピッチが100μmよりも小さいと、開口率が低下し易くなり望ましくない。配線20aのピッチが10mmよりも大きいと、面内の明るさが不均一になることがある。
【0066】
低屈折率部40aの第1主面に対して垂直な方向から見て、第1配線21及び第2配線の少なくともいずれかと重なる部分(例えば第1部分41及び第2部分42)の第1主面Y軸方向に沿った幅は、100μm以上1000μm以下、すなわち、配線20aのY軸方向に沿った幅と同等であることが望ましい。
【0067】
また、図3に表したように、高屈折率部40bのZ軸方向に沿った厚さt2は、有機発光部30厚さ(距離t1)よりも長い。距離t1は、例えば100ナノメートル(nm)以上300nm以下に設定され、厚さt2は、1μm以上、100μm以下とされる。
【0068】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る別の照明装置の構成を例示する模式図である。 図5は、本発明の第1の実施形態に係る別の照明装置の構成を例示する模式図である。 すなわち、図4(a)は、図4(b)、図5(a)及び図5(b)のA1−A2線断面図であり、図4(b)は、図4(a)のB1−B2線断面図であり、図5(a)は、図4(a)のC1−C2線断面図であり、図5(b)は、図4(a)のD1−D2線断面図である。
【0069】
図4(a)及び(b)並びに図5(a)及び(b)に表したように、本実施形態に係る別の照明装置111は、既に説明した第1電極10、第2電極20、有機発光部30及び光学層40を有する。ただし、照明装置111においては、第2電極20は、第3配線23と、第4配線24と、をさらに有している。
【0070】
第3配線23は、導電層20bと第1配線21と第2配線22とに電気的に接続される。第3配線23は、第1主面に対して平行で、第1方向とは異なる第3方向に延在する。第3配線23は、導電層20bよりも導電率が高い。
【0071】
第4配線24は、導電層20bと第1配線21と第2配線22とに電気的に接続される第4配線24は、第3配線23と離間して平行に延在する。すなわち、第4配線24は、第3方向に延在する。第4配線24は、導電層より20bも導電率が高い。
【0072】
本具体例では、第3方向は第1方向に対して直交する方向とされている。すなわち、第3配線23は、Y軸方向に延在している。そして、第4配線24もY軸方向に延在している。
【0073】
第3配線23及び第4配線24の第1電極10とのZ軸方向に沿った距離は、第1配線21及び第2配線22の第1電極10とのZ軸方向に沿った距離と実質的に同じである。すなわち、第3配線23及び第4配線24は、第1配線21及び第2配線22と同層である。また、第3配線23及び第4配線24には、第1配線21及び第2配線22に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。第3配線23及び第4配線24は、第1配線21及び第2配線22と一括して形成されることができ、これにより、効率的に第1〜第4配線21〜24を作製することができる。
【0074】
このように、照明装置111においては、導電率が導電層20bよりも高い配線20aが、X軸方向とY軸方向とに沿って枡目状に設けられている。
【0075】
これにより、照明装置111のX軸方向に沿った長さと、Y軸方向に沿った長さと、の両方の長さが長い大面積の照明装置においても、X軸方向及びY軸方向の両方の方向における電圧降下を抑制でき、均一な明るさを得ることができる。
【0076】
また、図5(a)に表したように、光学層40の低屈折率部40aは、第1主面30aに垂直な方向(Z軸方向)から見て、第3配線23と第4配線24の少なくともいずれかと重なる部分をさらに有する。すなわち、低屈折率部40aは、Z軸方向に沿って第3配線23に対向する第3部分43を有することができる。また、低屈折率部40aは、Z軸方向に沿って第4配線24に対向する第4部分44を有することができる。
【0077】
本具体例では、低屈折率部40aは、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24が設けられる領域に設けられる。すなわち、低屈折率部40aは、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24が設けられる領域に沿って設けられている。低屈折率部40aは、配線20a(第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24)と実質的に同じパターン(第1主面30aに対して垂直な方向から見たときの、X−Y平面におけるパターン)を有している。
【0078】
低屈折率部40aの第1部分41及び第2部分42は、第1方向(X軸方向)に延在し、低屈折率部40aの第3部分43及び第4部分44は、第2方向(Y軸方向)に延在している。
【0079】
高屈折率部40bは、低屈折率部40aの第1部分41及び第2部分42に、第2方向に沿って隣接し、第2方向に沿って接触する部分を有している。さらに、高屈折率部40bは、低屈折率部40aの第3部分43及び第4部分44に、第1方向に沿って隣接し、第1方向に沿って接触する部分を有している。
【0080】
すなわち、高屈折率部40bは、低屈折率部40aが設けられていない部分に設けられている。すなわち、高屈折率部40bは、配線20a(第1配線21、第2配線22、第3配線43及び第4配線44)が設けられていない領域に設けられている。このように、低屈折率部40aのパターンを、配線20aのパターンと実質的に一致させることで、後述するように、低屈折率部40aと配線20aとを一括して形成することでき、生産効率が向上し有利である。
【0081】
このように、第3配線23及び第4配線24に対向して、低屈折率部40aを設けることで、図3に関して説明した屈折の効果により、光L3を効率良く外界に取り出すことで、高い効率を得ることができる。これにより、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置が提供できる。
【0082】
そして、図5(b)に表したように、絶縁層50を、さらに、Z軸方向において第3配線23及び第4配線24に対向するように設けることで、光を取り出し難い部分(第3配線23及び第4配線24に対向する部分)の有機発光部30の発光を他の部分よりも抑制することで、効率がさらに向上する。
【0083】
照明装置111において、第1主面30aに対して平行で第3方向に対して垂直な第4方向(この場合はX軸方向)に沿った第3配線23の幅及び第4方向に沿った第4配線24の幅は、有機発光部30から放出される光のピーク波長よりも長く設定することが望ましい。これにより、第3配線23及び第4配線24の抵抗を一定以上に低く設定でき、面内の電圧降下を効果的に抑制できる。
【0084】
また、第4方向に沿った第3配線23の中心と、第4方向に沿った第4配線24の中心と、の第4方向に沿った距離は、第4方向に沿った第3配線23の幅及び第4方向に沿った第4配線24の幅の10倍以上に設定することが望ましい。これにより、高い開口率が得られ、光取り出し効率を向上でき、高い効率を得易い。
【0085】
本実施形態に係る照明装置110及び照明装置111の製造方法の例について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
すなわち、図6(a)〜図6(g)は、照明装置110または照明装置111の製造方法を例示しており、図1(b)または図4(b)のA1−A2線断面に相当する断面図である。
【0086】
まず、図6(a)に表したように、例えばガラスなどの基板60の主面60a上に、低屈折率部40aとなる低屈折率膜40afを形成し、低屈折率膜40afの上に第1配線21及び第2配線22となる高導電率膜20afを形成する。低屈折率膜40afには例えばSiO2を用いることができる。低屈折率膜40afの厚さは、例えば1μm以上100μm以下とすることができる。低屈折率膜40afの形成には、気相堆積法や塗布法など任意の方法を用いることができる。高導電率膜20afには例えばAlを用いることができる。高導電率膜20afの厚さは、例えば20nm以上1000nm以下とすることができる。高導電率膜20afの形成には、スパッタや蒸着などの気相堆積法などを用いることができる。
【0087】
そして、図6(b)に表したように、低屈折率膜40afと高導電率膜20afとを加工し、低屈折率部40aと、第1配線21及び第2配線22(配線20a)と、を形成する。この加工には例えばフォトリソグラフィ技術を用いることができ、この加工は一括して行うことができる。また、フォトリソグラフィにおけるマスクの形状を適切に設計することで、低屈折率部40aと、第1配線21及び第2配線22と、同時に、第3配線23及び第4配線24を一括して同時に設けることができる。
【0088】
そして、図6(c)に表したように、低屈折率部40a、第1配線21及び第2配線22から露出している基板60の主面60aに高屈折率部40bを形成する。
本具体例では、低屈折率部40a、第1配線21、第2配線22、及び、基板60の主面60aを覆うように、高屈折率部40bとなる高屈折率膜40bfを形成する。高屈折率膜40bfには例えばポリイミドが用いられる。
【0089】
そして、図6(d)に表したように、高屈折率膜40bfをエッチバックし、第1配線21及び第2配線22を露出させる。このようにして、高屈折率部40bが形成される。
【0090】
そして、図6(e)に表したように、低屈折率部40a、第1配線21、第2配線22、及び、高屈折率部40bを覆うように導電層20bを形成する。導電層20bには、例えばITOが用いられる。導電層20bの厚さは、50nm〜200nmとすることができる。導電層20bの形成は、スパッタ法や塗布法など、任意の方法を用いることができる。
【0091】
そして、導電層20bの上に感光性の絶縁膜50fを形成する。絶縁膜50fには、例えばポジ型の感光性アクリル樹脂等を用いることができる。
【0092】
そして、第1配線21及び第2配線22をマスクとして、基板60の主面60aとは反対の面の側から絶縁膜50fに光50uを照射する。光50uは、感光性の絶縁膜50fが感光するエネルギーを有する。この後、現像する。これにより、絶縁膜50fのうち、光50uが照射された部分が除去され、第1配線21及び第2配線22によって遮蔽され光50uが照射されなかった部分が残る。
【0093】
これにより、図6(f)に表したように、絶縁膜50fからなり、第1配線21及び第2配線22のパターン形状に沿ったパターン形状を有する絶縁層50を形成する。
【0094】
そして、図6(g)に表したように、絶縁層50及び導電層20bの上に有機発光部30を形成し、有機発光部30の上に第1電極10を形成する。
これにより、照明装置110または照明装置111が製造できる。
【0095】
照明装置110及び照明装置111においては、低屈折率部40aが、第1配線21及び第2配線22にZ軸方向に沿って対向し、第1配線21及び第2配線22と、低屈折率部40aと、が一括して形成されるので、生産性が高い。
【0096】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の別の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
すなわち、図7(a)〜図7(g)は、照明装置110または照明装置111の製造方法を例示しており、図1(b)または図4(b)のA1−A2線断面に相当する断面図である。
【0097】
まず、図7(a)に表したように、基板60の主面60a上に、低屈折率膜40afを形成し、低屈折率膜40afの上に高導電率膜20afを形成する。
【0098】
そして、図7(b)に表したように、低屈折率膜40afと高導電率膜20afとを加工し、低屈折率部40aと、第1配線21及び第2配線22(配線20a)と、を形成する。この場合も、この加工は一括して行われる。また、低屈折率部40aと、第1配線21と、第2配線22と、同時に、第3配線23及び第4配線24を一括して同時に設けても良い。
【0099】
そして、図7(c)に表したように、低屈折率部40a、第1配線21及び第2配線22から露出している基板60の主面60aに高屈折率部40bを形成する。本具体例では、高屈折率膜40bfとして、ネガ型の感光性を有する材料(例えば感光性のポリイミド)が用いられる。
【0100】
そして、第1配線21及び第2配線22をマスクとして、基板60の主面60aとは反対の面の側から高屈折率膜40bfに光40buを照射し、現像する。これにより、高屈折率膜40bfのうち、光40buが照射された部分が残り、第1配線21及び第2配線22によって遮蔽され、光40buが照射されなかった部分が除去される。
【0101】
これにより、図7(d)に表したように、第1配線21及び第2配線22が露出する。そして、高屈折率部40bが形成される。
【0102】
このように、本具体例においては、高屈折率部40bの形成は、高屈折率部40bとなりネガ型の感光性を有する高屈折率膜40bfを、低屈折率部40a、第1配線21、第2配線22、及び、基板60の主面60aを覆うように形成し、第1配線21及び第2配線22をマスクとして、基板60の主面60aとは反対の面の側から高屈折率膜40bfに光を照射し、現像することを含む。これにより、セルフアラインによって位置合わせが不要になり高い生産性で、高屈折率部40bを形成することができる。
【0103】
この後、図7(e)〜図7(g)に例示したように、図6(e)〜図6(g)に関して説明したのと同様の工程を経て照明装置110または照明装置111が製造される。
【0104】
この製造方法においても、第1配線21及び第2配線22と、低屈折率部40aと、が一括して形成され、高屈折率部40bが、第1配線21及び第2配線22と、低屈折率部40aと、セルフアラインで形成されるので、位置合わせが不要になり、高い生産性で、高屈折率部40bを形成することができる。
【0105】
なお、第2電極20の有機発光部30とは反対の側に設けられる光学層として、回折格子を用いる比較例がある。この比較例は、例えば、特許文献1に記載されている有機電界発光素子の構成に相当する。このように、回折格子を応用した光学層においては、高屈折率層と低屈折率層との配設ピッチが、有機発光部30から放出される光の波長と同程度の大きさとされる。例えば、高屈折率層と低屈折率層との配設ピッチは、10nm〜1μm程度である。これにより、回折効果が生じる。このように、回折効果を用いるためには、非常に小さいピッチで高屈折率層と低屈折率層とを設ける必要があり、生産性が悪い。そして、高屈折率層と低屈折率層との配設ピッチは、第1配線21及び第2配線の配設ピッチ(例えば、100μm以上10mm以下)とは、大きく異なるため、高屈折率層及び低屈折率層と、第1配線21及び第2配線と、を一括して形成することは困難である。
【0106】
これに対し、本実施形態に係る照明装置110及び111は、大面積の照明装置として用いられるものである。そして、大面積の照明装置において特有に問題となる電圧降下による明るさの面内不均一性を、高導電率の配線20a(第1配線21及び第2配線22)によって、抑制し、面内で均一な発光が得られる。
【0107】
そして、透過率が低く反射性の配線20a(第1配線21及び第2配線22)に対向させて低屈折率部40aを設けることで、低屈折率部40aと高屈折率部40bとの界面IF1における屈折効果を利用して、光L3の光路を変化させ、多重反射を抑制し、光L3を効率良く外界に取り出す。このように、照明装置110及び111においては、回折効果とは異なる屈折効果が利用される。
【0108】
そして、高屈折率部40b及び低屈折率部40aと、第1配線21及び第2配線と、を一括して形成することができ、生産性も高い。
【0109】
光取り出し効率を向上させるために回折効果を利用する方法は、例えば1つの画素が200μm程度のサイズであり画素電極内における電圧降下が問題にならない表示装置などに対して適用される可能性はある。しかしながら、回折格子を用いる発想では、大面積の照明装置において特有に必要とされる、明るさの不均一性の抑制と、光取り出し効率の向上と、を同時に実現することは実用的には困難であると考えられる。
【0110】
これに対し、本実施形態に係る照明装置110及び111においては、屈折効果を利用し、高導電率の配線20aと、配線20aに対向する低屈折率部40aと、を設けることで、大面積の照明装置において特有に必要とされる、明るさの不均一性の抑制と、光取り出し効率の向上と、を同時に実現できる。これにより、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置が提供できる。
【0111】
そして、また、低屈折率部40aを高電導率の配線20aに対応する位置に設けることで、大面積の照明装置において特有の面内における電圧降下を抑制する配線20aと、光取り出し効率を向上させる低屈折率部40aと、を同時に作製することができる。これにより、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上し、高生産性で製造できる高効率な照明装置を提供できる。
【0112】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る照明装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図8(a)は、図8(b)及び図8(c)のA1−A2線断面図であり、図8(b)は、図8(a)のB1−B2線断面図であり、図8(c)は、図8(a)のC1−C2線断面図である。
【0113】
図8(a)〜図8(c)に表したように、本実施形態に係る照明装置120においては、第1配線21及び第2配線22は、導電層20bの有機発光部30の側に設けられている。
【0114】
そして、第1配線21及び第2配線22と有機発光部30との間に設けられ、Z軸方向(第1主面30aに対して垂直な方向)から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層が設けられている。この絶縁層50は、第1配線21及び第2配線22を覆い、第1配線21及び第2配線22と、有機発光部30と、を電気的に絶縁する。これ以外の構成は、照明装置110と同様なので説明を省略する。
【0115】
本実施形態に係る照明装置120によっても、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置が提供できる。
【0116】
なお、照明装置120においては、低屈折率部40aのZ軸方向に沿った厚さは、高屈折率部40bのZ軸方向に沿った厚さよりも薄い。すなわち、低屈折率部40aは、高屈折率部40bに覆われており、低屈折率部40aは、高屈折率部40bに埋め込まれている。
【0117】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る別の照明装置の構成を例示する模式図である。 すなわち、図9(a)は、図9(b)及び図9(c)のA1−A2線断面図であり、図9(b)は、図9(a)のB1−B2線断面図であり、図9(c)は、図9(a)のC1−C2線断面図である。
【0118】
図9(a)〜図9(c)に表したように、本実施形態に係る別の照明装置121においても、第1配線21及び第2配線22は、導電層20bの有機発光部30の側に設けられている。そして、第1配線21及び第2配線22と有機発光部30との間に設けられ、Z軸方向から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層が設けられている。
【0119】
照明装置121においては、低屈折率部40aのZ軸方向に沿った厚さは、高屈折率部40bのZ軸方向に沿った厚さと実質的に同じである。
【0120】
照明装置121によっても、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置が提供できる。
【0121】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る別の照明装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図10(a)は、図10(b)及び図10(c)のA1−A2線断面図であり、図10(b)は、図10(a)のB1−B2線断面図であり、図10(c)は、図10(a)のC1−C2線断面図である。
【0122】
図10(a)〜図10(c)に表したように、本実施形態に係る別の照明装置122においても、第1電極10、第2電極20、有機発光部30及び光学層40が設けられる。そして、第2電極20は、第3配線23と、第4配線24と、をさらに有している。第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24は、導電層20bの有機発光部30の側に設けられている。そして、第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24と有機発光部30との間において、第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24にZ軸方向に重なる部分を有する絶縁層50が設けられている。
【0123】
照明装置122によっても、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置が提供できる。
【0124】
なお、照明装置122においては、低屈折率部40aのZ軸方向に沿った厚さは、高屈折率部40bのZ軸方向に沿った厚さよりも薄い。しかし、照明装置121と同様に、低屈折率部40aのZ軸方向に沿った厚さを、高屈折率部40bのZ軸方向に沿った厚さと実質的に同じに設定しても良い。
【0125】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、照明装置の製造方法である。すなわち、本製造方法は、第1主面30aと第2主面30bとを有する有機発光部30と、有機発光部30の第1主面30aに設けられた第1電極10と、有機発光部30の第2主面30bに設けられ、導電層20bと、導電層20bに電気的に接続され、第1主面30aに対して平行な第1方向に延在し、導電層20bよりも導電率が高い第1配線21と、導電層20bに電気的に接続され、第1配線21と離間して平行に延在し、導電層20bよりも導電率が高い第2配線22と、を有する第2電極20と、第2電極20の有機発光部30とは反対の側に設けられ、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる部分を有する低屈折率部40aと、低屈折率部40aの上記の部分に接触する部分を有し、低屈折率部40aよりも高い屈折率を有する高屈折率部40bと、を有する光学層40と、を有する照明装置の製造方法である。
【0126】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
図11に表したように、本実施形態に係る照明装置の製造方法は、まず、基板60の主面60a上に低屈折率部40aとなる低屈折率膜40afを形成する(ステップS110)。
【0127】
そして、低屈折率膜40afの上に、第1配線21及び第2配線22となる高導電率膜20afを形成する(ステップS120)。
【0128】
そして、低屈折率膜40afと高導電率膜20afとを加工し、低屈折率部40aと、第1配線21及び第2配線22と、を形成する(ステップS130)。
【0129】
そして、低屈折率部40a、第1配線21及び第2配線22から露出している基板60の主面60a上に高屈折率部40bを形成する(ステップS140)。
【0130】
そして、低屈折率部40aと、第1配線21と、第2配線22と、高屈折率部40bとを覆うように導電層20bを形成する(ステップS150)。
【0131】
そして、導電層20bの上に感光性の絶縁膜50fを形成する(ステップS160)。 そして、第1配線21及び第2配線22をマスクとして、基板60の主面60aとは反対の面の側から絶縁膜50fに光を照射し、現像して、絶縁膜50fからなり、第1配線21及び第2配線22のパターン形状に沿ったパターン形状を有する絶縁層50を形成する(ステップS170)。
【0132】
そして、絶縁層50及び導電層20bの上に有機発光部30を形成する(ステップS180)。
そして、有機発光部30の上に第1電極10を形成する(ステップS190)。
すなわち、例えば、図6(a)〜図6(g)に関して説明した方法を実施する。
【0133】
このような製造方法によれば、第1配線21及び第2配線22と、低屈折率部40aと、を一括して形成でき、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置を高い生産性で製造できる。
【0134】
なお、図7(a)〜図7(g)に関して既に説明したように、高屈折率部40bの形成において、高屈折率部40bとなりネガ型感光性を有する高屈折率膜40bfを、低屈折率部40aと、第1配線21と、第2配線22と、基板60の主面60aと、を覆うように形成し、第1配線21及び第2配線22をマスクとして、基板60の主面60aとは反対の面の側から高屈折率膜40bfに光を照射し、現像することができる。これにより、セルフアラインにより位置合わせが不要になり、高い生産性で、高屈折率部40bを形成することができる。
【0135】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、照明装置に含まれる第1電極、第2電極、導電層、配線、有機発光層、有機発光部、光学層、高屈折率部、低屈折率部、絶縁層等各要素の具体的な構成の、形状、サイズ、材質、配置関係などに関して当業者が各種の変更を加えたものであっても、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0136】
その他、本発明の実施の形態として上述した照明装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての照明装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0137】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0138】
10…第1電極、 20…第2電極、 20a…配線、 20af…高導電率膜、 20b…導電層、 21…第1配線、 22…第2配線、 23…第3配線、 24…第4配線、 30…有機発光部、 30a…第1主面、 30b…第2主面、 40…光学層、 40a…低屈折率部、 40af…低屈折率膜、 40b…高屈折率部、 40bf…高屈折率膜、 40bu…光、 41、42、43、44…部分、 50…絶縁層、 50f…絶縁膜、 50u…光、 60…基板、 60a…主面、 110、111、120、121、122…照明装置、 IF1、IF2…界面、 L1、L2、L3…光、 Wa1、Wa2、Wa3…幅、 Wb1、Wb2、Wb3…幅、 Wc1、Wc2、Wc3…距離、 t1…距離、 t2…厚さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光素子は、表示装置、光源、照明などへの実用化が検討されている。有機電界発光素子においては、陰極と陽極との間に有機薄膜を設け、陰極と陽極との間に電圧を印加して励起子を生成し、この励起子が放射失活する際の発光を利用する。陽極には、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの比較的導電率が低い材料が用いられる。
【0003】
大面積の照明等に有機電界発光素子を応用する場合に、陽極の導電率が低いため、面内で電圧降下が生じ、明るさが不均一となり、問題となると予想される。
また、発光効率を向上するために、有機発光層で発光する光を効率良く取り出すことが重要である。
【0004】
なお、特許文献1には有機電界発光素子において、回折格子層を設け光取り出し効率を向上する技術が開示されている。しかし、この方法においては、微細な回折格子の形成が必要であるため、この方法を大面積の照明装置に応用することは実用上困難である。
【0005】
有機電界発光素子を用いた大面積の照明装置の実用化には、面内の電圧降下を抑制しつつ、光取り出し効率を向上する特別の技術が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−156400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、有機発光層を含み、第1主面と第2主面とを有する有機発光部と、前記有機発光部の前記第1主面に設けられた第1電極と、前記有機発光部の前記第2主面に設けられ、導電層と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1主面に対して平行な第1方向に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第1配線と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1配線と離間して平行に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第2配線と、を有する第2電極と、前記第2電極の前記有機発光部とは反対の側に設けられ、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する低屈折率部と、前記低屈折率部の前記部分に接触する部分を有し、前記低屈折率部よりも高い屈折率を有する高屈折率部と、を有する光学層と、を備えたことを特徴とする照明装置が提供される。
【0009】
本発明の別の一態様によれば、有機発光層を含み、第1主面と第2主面とを有する有機発光部と、前記有機発光部の前記第1主面に設けられた第1電極と、前記有機発光部の前記第2主面に設けられ、導電層と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1主面に対して平行な第1方向に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第1配線と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1配線と離間して平行に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第2配線と、を有する第2電極と、前記第2電極の前記有機発光部とは反対の側に設けられ、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する低屈折率部と、前記低屈折率部の前記部分に接触する部分を有し、前記低屈折率部よりも高い屈折率を有する高屈折率部と、を有する光学層と、を有する照明装置の製造方法であって、基板の主面上に前記低屈折率部となる低屈折率膜を形成し、前記低屈折率膜の上に前記第1配線及び前記第2配線となる高導電率膜を形成し、前記低屈折率膜と前記高導電率膜とを加工し、前記低屈折率部と、前記第1配線及び前記第2配線と、を形成し、前記低屈折率部、前記第1配線及び前記第2配線から露出している前記基板の前記主面上に前記高屈折率部を形成し、前記低屈折率部と、前記第1配線と、前記第2配線と、前記高屈折率部と、を覆うように前記導電層を形成し、前記導電層の上に感光性の絶縁膜を形成し、前記第1配線及び前記第2配線をマスクとして、前記基板の前記主面とは反対の面の側から前記絶縁膜に光を照射し、現像して、前記絶縁膜からなり、前記第1配線及び前記第2配線のパターン形状に沿ったパターン形状を有する絶縁層を形成し、前記絶縁層及び前記導電層の上に前記有機発光部を形成し、前記有機発光部の上に前記第1電極を形成することを特徴とする照明装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る照明装置を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る照明装置を示す模式図である。
【図3】第1の実施形態に係る照明装置の動作を示す模式図である。
【図4】第1の実施形態に係る別の照明装置を示す模式図である。
【図5】第1の実施形態に係る別の照明装置を示す模式図である。
【図6】第1の実施形態に係る照明装置の製造方法を示す工程順模式的断面図である。
【図7】第1の実施形態に係る照明装置の別の製造方法を示す工程順模式的断面図である。
【図8】第2の実施形態に係る照明装置を示す模式図である。
【図9】第2の実施形態に係る別の照明装置を示す模式図である。
【図10】第2の実施形態に係る別の照明装置を示す模式図である。
【図11】第3の実施形態に係る照明装置の製造方法を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の構成を例示する模式図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図1(a)は、図1(b)、図2(a)及び図2(b)のA1−A2線断面図であり、図1(b)は、図1(a)のB1−B2線断面図であり、図2(a)は、図1(a)のC1−C2線断面図であり、図2(b)は、図1(a)のD1−D2線断面図である。
【0014】
図1(a)及び(b)並びに図2(a)及び(b)に表したように、本実施形態に係る照明装置110は、有機発光層を含み、第1主面30aと第2主面30bとを有する有機発光部30と、有機発光部30の第1主面30aに設けられた第1電極10と、有機発光部30の第2主面30bに設けられた第2電極20と、第2電極20の有機発光部30とは反対の側に設けられた光学層40と、を有する。すなわち、第1電極10と第2電極20との間に有機発光部30が設けられる。
【0015】
有機発光部30の有機発光層には、例えばAlq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム:(tris(8-hydroxyquinolinato)aluminium))などが用いられる。ただし、本実施形態はこれに限らず、有機発光層には、任意の材料を用いることができる。また、有機発光部30は、有機発光層以外に、電荷注入層や電荷輸送などの種々の有機膜をさらに含んでも良い。
【0016】
第1電極10には、例えば、Al、MgとAgの合金、Agなどが用いられる。ただし、本発明の実施形態はこれに限らず、第1電極10には、任意ので導電材料を用いることができる。
【0017】
ここで、第1主面30aに対して垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向は、第1電極10、有機発光部30及び第2電極20の積層方向である。例えば、第2電極20から第1電極10に向かう方向がZ軸方向となる。そして、Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。そして、Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。そして、X軸方向を第1方向とし、Y軸方向を第2方向とする。
【0018】
第2電極20は、導電層20bと、第1配線21と、第2配線22と、を有する。
導電層20bは、有機導電層30を介して、Z軸方向に沿って第1電極10に対向する。導電層20bは、第1主面30aに対して平行である。
【0019】
第1配線21は、導電層20bに電気的に接続される。第1配線21は、第1主面30aに対して平行な第1方向(X軸方向)に延在する。第1配線21の導電率は、導電層20bの導電率よりも高い。
【0020】
第2配線22は、導電層20bに電気的に接続される。第2配線22は、第1配線21と離間して、第1配線21と平行に延在する。第2配線22の導電率は、導電層20bの導電率よりも高い。第2配線22は、第1配線21とY軸方向に沿って隣り合う。
【0021】
本具体例では、第1配線21及び第2配線22は、導電層20bの有機発光部30とは反対の側に設けられている。
【0022】
導電層20bには、例えばITOが用いられ、第1配線21及び第2配線22には例えばAlやCu等の金属が用いられる。本実施形態はこれに限らず、第1配線21及び第2配線22の導電率が、導電層20bの導電率よりも高ければ良い。
【0023】
導電層20bは、有機発光部30から放出される光に対して透光性を有する。
なお、第1配線21及び第2配線22の有機発光部30から放出される光に対する透過率は、導電層20bの光に対する透過率よりも低い。第1配線21及び第2配線22は上記の光に対して遮光性である。第1配線21及び第2配線22は、上記の光に対して反射性を有する。
【0024】
光学層40は、低屈折率部40aと、高屈折率部40bと、を有する。
低屈折率部40aは、Z軸方向(第1主面30aに対して垂直な方向)から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる部分を有する。すなわち、低屈折率部40aは、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかにZ軸方向に沿って対向する部分を有する。本具体例では、低屈折率部40aは、第1配線21に対向する第1部分41と、第2配線22に対向する第2部分42とを有している。
【0025】
高屈折率部40bは、低屈折率部40aの上記の部分(Z軸方向から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる上記の部分)に接触する部分を有する。高屈折率部40bの屈折率は、低屈折率部40aの屈折率よりも高い。例えば、高屈折率部40bの少なくとも一部と、低屈折率部40aの少なくとも一部と、がY軸方向に沿って接触する。
【0026】
低屈折率部40aには、例えば酸化珪素が用いられ、この時の屈折率は例えば約1.4である。高屈折率部40bには、例えばポリイミドが用いられ、この時の屈折率は約1.7である。
【0027】
なお、図1(a)及び図1(b)に表したように、第2電極20は、第1配線21及び第2配線22の他にも同様の配線を有することができる。
【0028】
すなわち、第2電極20は、導電層20bと、導電層20bに電気的に接続され、X軸方向に延在し、導電層20bよりも導電率が高い複数の配線20aを有することができる。配線20aの数は2以上であれば任意である。すなわち、第2電極20には、X軸方向に延在する帯状の複数の配線20aを設けることができる。
【0029】
なお、これらの複数の配線20aの互いのピッチは等間隔でも良く、また、例えば照明装置110の端部と中央部とで変化させても良く、任意である。
以下では、複数の配線20aのピッチが互いに実質的に等しい場合として説明する。
【0030】
図2(a)に表したように、本具体例では、低屈折率部40aは、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21及び第2配線22が設けられる領域に設けられる。すなわち、低屈折率部40aは、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21及び第2配線22が設けられる領域に沿って設けられている。低屈折率部40aは、配線20a(第1配線21及び第2配線22)と実質的に同じパターン(第1主面30aに対して垂直な方向から見たときの、X−Y平面におけるパターン)を有している。
【0031】
低屈折率部40aの第1部分41及び第2部分42は、第1方向に延在している。
【0032】
高屈折率部40bは、低屈折率部40aの上記の部分(例えば第1部分41及び第2部分42)に、第2方向に沿って隣接し、第2方向に沿って接触する。
【0033】
すなわち、高屈折率部40bは、低屈折率部40aが設けられていない部分に設けられている。すなわち、高屈折率部40bは、配線20a(第1配線21及び第2配線22)が設けられていない領域に設けられている。このように、低屈折率部40aのパターンを、配線20aのパターンと実質的に一致させることで、後述するように、低屈折率部40aと配線20aとを一括して形成することでき、生産効率が向上し有利である。
【0034】
ただし、本実施形態はこれに限らず、低屈折率部40aは、Z軸方向から見て、配線20a(第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれか)に重なる部分を有し、高屈折率部40bは、低屈折率部40aに接触する部分を有していれば良い。
【0035】
以下では、低屈折率部40aが、配線20a(第1配線21及び第2配線22)と実質的に同じパターン(X−Y平面におけるパターン)を有し、高屈折率部40bが、配線20a(第1配線21及び第2配線22)が設けられていない領域に設けられる場合として説明する。
【0036】
なお、図2(b)に表したように、配線20aにZ軸方向に沿って対向する領域に絶縁層50が設けられている。絶縁層50は、第2電極20(この場合は導電層20b)と有機発光部30との間に設けられている。すなわち、照明装置110は、第2電極20と有機発光部30との間に設けられ、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層50をさらに有する。なお、この絶縁層50は、必要に応じて設ければ良く省略可能である。
【0037】
また、図1(a)に表したように、光学層40の第2電極20とは反対の側に基板60が設けられている。この基板60には、有機発光部30から放出される光に対して透光性を有する材料が用いられる。基板60には、例えばガラス基板を用いることができる。なお、基板60は必要に応じて設ければ良く省略可能である。また、基板60は、第1電極10の有機発光部30とは反対の側に設けても良い。この場合には、基板60は、透光性でも良く、遮光性でも良い。
【0038】
このように、本実施形態に係る照明装置110においては、ITOなどの導電率が比較的低い導電層20bに、高導電率の配線20aを電気的に接続させて付設することで、第2電極20における面内の電圧降下が抑制される。これにより、有機発光部30に印加される電界が面内で均一になり、面内で均一な発光が得られる。
【0039】
さらに、高導電率の配線20a(例えば第1配線21及び第2配線22)は導電層20bよりも透光性が低く、具体的には、配線20aは反射性であり、配線20aが設けられる領域に低屈折率部40aを設けることで、光取り出し効率が向上する。
【0040】
すなわち、本実施形態は、有機電界発光素子を用いた大面積の照明装置の実用化に際して問題となる、面内の電圧降下の抑制及び光取り出し効率の向上という新たに発生する課題の解決に取り組むものであり、導電層20bと、それよりも導電率が高い配線20aと、の組み合わせに、さらに、高屈折率部40bと、低屈折率部40aと、の組み合わせを、適用することで、この課題が解決できる。
【0041】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の動作を例示する模式図である。
図3に表したように、第1電極10と第2電極20との間に電圧を印加すると、有機発光部30に電界が印加される。この電界により有機発光部30から光L1が放出される。光L1は、第2電極20の導電層20bを通過し、光学層40の高屈折率部40bに入射し、高屈折率部40bを進行する。光L1のうちの一部の光L2は、高屈折率部40bから、外界へ出射する。本具体例では、光L1のうちの一部の光L2は、高屈折率部40bから基板60を通過して外界へ出射する。
【0042】
光L1のうちの別の一部の光L3は、高屈折率部40bの第2電極20とは反対側の面(本具体例では高屈折率部40bと基板60との界面IF2)で反射し、高屈折率部40bの内部を再び進行する。このとき、高屈折率部40bに隣接して低屈折率部40aが設けられており、光L3は、低屈折率部40aに入射する。低屈折率部40aの屈折率が高屈折率部40bよりも低いので、高屈折率部40bと低屈折率部40aとの界面IF1(低屈折率部40aの側面に相当する)において光L3の光路の角度が変化する。
【0043】
すなわち、低屈折率部40aの屈折率を低屈折率naとし、高屈折率部40bの屈折率を高屈折率nbとすると、界面IF1において、高屈折率部40bの側の入射角θbと低屈折率部40aの側の出射角θaとは、na・sinθa=nb・sinθbのスネルの法則の関係が成り立つ。
【0044】
このように、有機発光部30から放出される光(この場合は光L3)は、高屈折率部40bから低屈折率部40aに進行するときに低屈折率部40aと高屈折率部40bとの屈折率の差異に基づいて屈折する。
【0045】
このように、高屈折率部40bと低屈折率部40aとの界面IF1(低屈折率部40aの側面に相当する)において光L3の光路が変化し、光L3は、低屈折率部40a内を進行し、配線20aで反射し、低屈折率部40aを再び通過し、外界に取り出される。
【0046】
なお、光学層40内において屈折率が均一である場合(例えば低屈折率部40aが設けられず、光学層40の全てが高屈折率部40bである場合)の比較例においては、光学層40の内部で光L3の光路の角度が変化せず、光L3は、光学層40の内側を多重反射し光学層40内で吸収され、外部に取り出され難い。このため、比較例においては、効率が低い。
【0047】
これに対し、本実施形態に係る照明装置110においては、光学層40内に高屈折率部40bと低屈折率部40aとを設けることで、それらの界面IF1において光L3の光路が変化し、多重反射が抑制でき、光L3は外界に取り出され易い。このように、照明装置110においては、効率が高い。
【0048】
そして、Z軸方向から見て、低屈折率部40aが配線20a(第1配線21及び第2配線22)と重なる部分を有するように設計し、低屈折率部40aをZ軸方向に沿って配線20aに対向させることで、低屈折率部40a中を進行する光L3を配線20aで効率的に反射させることができ、効率を向上できる。
【0049】
なお、高屈折率部40bの屈折率は、有機発光部30の屈折率よりも高いことが望ましい。これにより、有機発光部30に放出された光L1、L2及びL3は、有機発光部30から高屈折率部40bに効率良く入射でき、外界に取り出し易くなる。
【0050】
さらに、本具体例では、Z軸方向から見て、配線20aと重なる部分を有する絶縁層50が設けられている。絶縁層50は、配線20aにZ軸方向に沿って対向する。絶縁層50は、配線20aに対向する部分の導電層20bと有機発光部30とを絶縁する。このため、絶縁層50が設けられている部分の有機発光部30に印加される電界は、他の部分よりも低い。既に説明したように、配線20aの透光性は導電層20bの透光性よりも低いため、配線20aに対向する部分において発光する光は外部に取り出されにくい。照明装置110においては、配線20aに対向する部分に絶縁層50を設け、光を取り出し難い部分の有機発光部30の発光を他の部分よりも抑制することで、効率がさらに向上する。
【0051】
なお、図1(b)に表したように、配線20aの第2方向に沿った幅Wa1(すなわち、第1配線21のY軸方向に沿った幅及び第2配線22のY軸方向に沿った幅)は、有機発光部30から放出される光のピーク波長よりも長い。すなわち、具体的には、幅Wa1は、10マイクロメートル(μm)よりも大きい。これにより、配線20aの幅Wa1をある程度以上に広くすることで、配線20aの抵抗を低くし、面内で均一な発光が得易い。配線20aの幅を小さくし過ぎると、配線20aの加工が難しくなり生産性が低下することがある。
【0052】
また、配線20aのY軸方向に沿った幅Wa1を、有機発光部30から放出される光のピーク波長よりも長く、10μm以上に設定することで、配線20aが設けられる領域に沿って設けられる低屈折率部40aの幅が光のピーク波長よりも大きくでき、上記の屈折の効果が得られ、光取り出し効率が向上する。
【0053】
また、配線20aが設けられていない導電層20bのY軸方向に沿った幅Wb1は、配線20aのY軸方向に沿った幅Wa1よりも広い。これにより、透過率が高い導電層20bを介して、光を効率良く取り出すことができる。
【0054】
例えば、配線20aのY軸方向に沿ったピッチは、配線20aの第2方向に沿った幅Wa1の2倍以上とされる。第1配線21のY軸方向に沿った中心と、第2配線22のY軸方向に沿った中心と、のY軸方向に沿った距離Wc1は、配線20aの第2方向に沿った幅Wa1の2倍以上とされる。これにより、高い開口率を確保できる。
【0055】
さらに、配線20aのY軸方向に沿ったピッチは、配線20aの第2方向に沿った幅Wa1の10倍以上とされる。第1配線21のY軸方向に沿った中心と、第2配線22のY軸方向に沿った中心と、のY軸方向に沿った距離Wc1は、配線20aの第2方向に沿った幅Wa1の10倍以上とされる。これにより、約80%の高い開口率を確保できる。
【0056】
また、図2(a)に表したように、低屈折率部40aの第2方向に沿った幅Wa2(すなわち、第1部分41のY軸方向に沿った幅及び第2部分42のY軸方向に沿った幅)は、有機発光部30から放出される光のピーク波長よりも長い。これにより、上記の屈折の効果が得られ、光取り出し効率が向上する。
【0057】
また、高屈折率部40bのY軸方向に沿った幅Wb2は、低屈折率部40aのY軸方向に沿った幅Wa2よりも広い。すなわち、低屈折率部40aは配線20aに対向して設けられ、高屈折率部40bは、配線20aが設けられていない第2電極20(導電層20b)の部分に対向して設けられる。
【0058】
そして、低屈折率部40aのY軸方向に沿ったピッチは、低屈折率部40aの第2方向に沿った幅Wa2の2倍以上とされ、距離Wc1と実質的に同じに設定される。すなわち、第1部分41のY軸方向に沿った中心と、第2部分42のY軸方向に沿った中心と、のY軸方向に沿った距離Wc2は、低屈折率部40aの第2方向に沿った幅Wa2の2倍以上とされる。距離Wc2は、距離Wc1と実質的に同じに設定される。これにより、高い開口率を確保できる。
【0059】
さらに、低屈折率部40aのY軸方向に沿ったピッチは、低屈折率部40aの第2方向に沿った幅Wa2の10倍以上とされ、距離Wc1と実質的に同じに設定される。すなわち、第1部分41のY軸方向に沿った中心と、第2部分42のY軸方向に沿った中心と、のY軸方向に沿った距離Wc2は、低屈折率部40aの第2方向に沿った幅Wa2の10倍以上とされる。距離Wc2は、距離Wc1と実質的に同じに設定される。これにより、約80%の高い開口率を確保できる。
【0060】
また、図2(b)に表したように、本具体例では、絶縁層50のY軸方向に沿った幅Wa3は、幅Wa1及び幅Wa2と実質的に同じに設定されている。
【0061】
また、絶縁層50どうしの間のY軸方向に沿った幅Wb3は、幅Wb1及び幅Wb2と実質的に同じに設定されている。
【0062】
そして、絶縁層50のY軸方向に沿ったピッチである距離Wc3は、絶縁層50のY軸方向に沿った幅Wa3の2倍以上とされ、距離Wc1及び距離Wc2と実質的に同じに設定される。これにより、高い開口率を確保できる。
【0063】
そして、絶縁層50のY軸方向に沿ったピッチである距離Wc3は、絶縁層50のY軸方向に沿った幅Wa3の10倍以上とされ、距離Wc1及び距離Wc2と実質的に同じに設定される。これにより、約80%の高い開口率を確保できる。
【0064】
配線20aのY軸方向に沿った幅Wa1は、例えば10μm以上、1000μm以下に設定される。幅Wa1が10μmよりも狭いと、大面積の照明装置を作製する際に、配線20aの加工が困難になることがある。幅Wa1が1000μmよりも大きいと、面内の電圧降下による不均一の抑制と高開口率との両立が困難になる。
【0065】
配線20aのY軸方向に沿ったピッチ(すなわち、第1配線21のY軸方向に沿った中心と、第2配線22のY軸方向に沿った中心と、のY軸方向に沿った距離Wc1)は、100μm以上、10mm以下とされる。配線20aのピッチが100μmよりも小さいと、開口率が低下し易くなり望ましくない。配線20aのピッチが10mmよりも大きいと、面内の明るさが不均一になることがある。
【0066】
低屈折率部40aの第1主面に対して垂直な方向から見て、第1配線21及び第2配線の少なくともいずれかと重なる部分(例えば第1部分41及び第2部分42)の第1主面Y軸方向に沿った幅は、100μm以上1000μm以下、すなわち、配線20aのY軸方向に沿った幅と同等であることが望ましい。
【0067】
また、図3に表したように、高屈折率部40bのZ軸方向に沿った厚さt2は、有機発光部30厚さ(距離t1)よりも長い。距離t1は、例えば100ナノメートル(nm)以上300nm以下に設定され、厚さt2は、1μm以上、100μm以下とされる。
【0068】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る別の照明装置の構成を例示する模式図である。 図5は、本発明の第1の実施形態に係る別の照明装置の構成を例示する模式図である。 すなわち、図4(a)は、図4(b)、図5(a)及び図5(b)のA1−A2線断面図であり、図4(b)は、図4(a)のB1−B2線断面図であり、図5(a)は、図4(a)のC1−C2線断面図であり、図5(b)は、図4(a)のD1−D2線断面図である。
【0069】
図4(a)及び(b)並びに図5(a)及び(b)に表したように、本実施形態に係る別の照明装置111は、既に説明した第1電極10、第2電極20、有機発光部30及び光学層40を有する。ただし、照明装置111においては、第2電極20は、第3配線23と、第4配線24と、をさらに有している。
【0070】
第3配線23は、導電層20bと第1配線21と第2配線22とに電気的に接続される。第3配線23は、第1主面に対して平行で、第1方向とは異なる第3方向に延在する。第3配線23は、導電層20bよりも導電率が高い。
【0071】
第4配線24は、導電層20bと第1配線21と第2配線22とに電気的に接続される第4配線24は、第3配線23と離間して平行に延在する。すなわち、第4配線24は、第3方向に延在する。第4配線24は、導電層より20bも導電率が高い。
【0072】
本具体例では、第3方向は第1方向に対して直交する方向とされている。すなわち、第3配線23は、Y軸方向に延在している。そして、第4配線24もY軸方向に延在している。
【0073】
第3配線23及び第4配線24の第1電極10とのZ軸方向に沿った距離は、第1配線21及び第2配線22の第1電極10とのZ軸方向に沿った距離と実質的に同じである。すなわち、第3配線23及び第4配線24は、第1配線21及び第2配線22と同層である。また、第3配線23及び第4配線24には、第1配線21及び第2配線22に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。第3配線23及び第4配線24は、第1配線21及び第2配線22と一括して形成されることができ、これにより、効率的に第1〜第4配線21〜24を作製することができる。
【0074】
このように、照明装置111においては、導電率が導電層20bよりも高い配線20aが、X軸方向とY軸方向とに沿って枡目状に設けられている。
【0075】
これにより、照明装置111のX軸方向に沿った長さと、Y軸方向に沿った長さと、の両方の長さが長い大面積の照明装置においても、X軸方向及びY軸方向の両方の方向における電圧降下を抑制でき、均一な明るさを得ることができる。
【0076】
また、図5(a)に表したように、光学層40の低屈折率部40aは、第1主面30aに垂直な方向(Z軸方向)から見て、第3配線23と第4配線24の少なくともいずれかと重なる部分をさらに有する。すなわち、低屈折率部40aは、Z軸方向に沿って第3配線23に対向する第3部分43を有することができる。また、低屈折率部40aは、Z軸方向に沿って第4配線24に対向する第4部分44を有することができる。
【0077】
本具体例では、低屈折率部40aは、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24が設けられる領域に設けられる。すなわち、低屈折率部40aは、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24が設けられる領域に沿って設けられている。低屈折率部40aは、配線20a(第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24)と実質的に同じパターン(第1主面30aに対して垂直な方向から見たときの、X−Y平面におけるパターン)を有している。
【0078】
低屈折率部40aの第1部分41及び第2部分42は、第1方向(X軸方向)に延在し、低屈折率部40aの第3部分43及び第4部分44は、第2方向(Y軸方向)に延在している。
【0079】
高屈折率部40bは、低屈折率部40aの第1部分41及び第2部分42に、第2方向に沿って隣接し、第2方向に沿って接触する部分を有している。さらに、高屈折率部40bは、低屈折率部40aの第3部分43及び第4部分44に、第1方向に沿って隣接し、第1方向に沿って接触する部分を有している。
【0080】
すなわち、高屈折率部40bは、低屈折率部40aが設けられていない部分に設けられている。すなわち、高屈折率部40bは、配線20a(第1配線21、第2配線22、第3配線43及び第4配線44)が設けられていない領域に設けられている。このように、低屈折率部40aのパターンを、配線20aのパターンと実質的に一致させることで、後述するように、低屈折率部40aと配線20aとを一括して形成することでき、生産効率が向上し有利である。
【0081】
このように、第3配線23及び第4配線24に対向して、低屈折率部40aを設けることで、図3に関して説明した屈折の効果により、光L3を効率良く外界に取り出すことで、高い効率を得ることができる。これにより、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置が提供できる。
【0082】
そして、図5(b)に表したように、絶縁層50を、さらに、Z軸方向において第3配線23及び第4配線24に対向するように設けることで、光を取り出し難い部分(第3配線23及び第4配線24に対向する部分)の有機発光部30の発光を他の部分よりも抑制することで、効率がさらに向上する。
【0083】
照明装置111において、第1主面30aに対して平行で第3方向に対して垂直な第4方向(この場合はX軸方向)に沿った第3配線23の幅及び第4方向に沿った第4配線24の幅は、有機発光部30から放出される光のピーク波長よりも長く設定することが望ましい。これにより、第3配線23及び第4配線24の抵抗を一定以上に低く設定でき、面内の電圧降下を効果的に抑制できる。
【0084】
また、第4方向に沿った第3配線23の中心と、第4方向に沿った第4配線24の中心と、の第4方向に沿った距離は、第4方向に沿った第3配線23の幅及び第4方向に沿った第4配線24の幅の10倍以上に設定することが望ましい。これにより、高い開口率が得られ、光取り出し効率を向上でき、高い効率を得易い。
【0085】
本実施形態に係る照明装置110及び照明装置111の製造方法の例について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
すなわち、図6(a)〜図6(g)は、照明装置110または照明装置111の製造方法を例示しており、図1(b)または図4(b)のA1−A2線断面に相当する断面図である。
【0086】
まず、図6(a)に表したように、例えばガラスなどの基板60の主面60a上に、低屈折率部40aとなる低屈折率膜40afを形成し、低屈折率膜40afの上に第1配線21及び第2配線22となる高導電率膜20afを形成する。低屈折率膜40afには例えばSiO2を用いることができる。低屈折率膜40afの厚さは、例えば1μm以上100μm以下とすることができる。低屈折率膜40afの形成には、気相堆積法や塗布法など任意の方法を用いることができる。高導電率膜20afには例えばAlを用いることができる。高導電率膜20afの厚さは、例えば20nm以上1000nm以下とすることができる。高導電率膜20afの形成には、スパッタや蒸着などの気相堆積法などを用いることができる。
【0087】
そして、図6(b)に表したように、低屈折率膜40afと高導電率膜20afとを加工し、低屈折率部40aと、第1配線21及び第2配線22(配線20a)と、を形成する。この加工には例えばフォトリソグラフィ技術を用いることができ、この加工は一括して行うことができる。また、フォトリソグラフィにおけるマスクの形状を適切に設計することで、低屈折率部40aと、第1配線21及び第2配線22と、同時に、第3配線23及び第4配線24を一括して同時に設けることができる。
【0088】
そして、図6(c)に表したように、低屈折率部40a、第1配線21及び第2配線22から露出している基板60の主面60aに高屈折率部40bを形成する。
本具体例では、低屈折率部40a、第1配線21、第2配線22、及び、基板60の主面60aを覆うように、高屈折率部40bとなる高屈折率膜40bfを形成する。高屈折率膜40bfには例えばポリイミドが用いられる。
【0089】
そして、図6(d)に表したように、高屈折率膜40bfをエッチバックし、第1配線21及び第2配線22を露出させる。このようにして、高屈折率部40bが形成される。
【0090】
そして、図6(e)に表したように、低屈折率部40a、第1配線21、第2配線22、及び、高屈折率部40bを覆うように導電層20bを形成する。導電層20bには、例えばITOが用いられる。導電層20bの厚さは、50nm〜200nmとすることができる。導電層20bの形成は、スパッタ法や塗布法など、任意の方法を用いることができる。
【0091】
そして、導電層20bの上に感光性の絶縁膜50fを形成する。絶縁膜50fには、例えばポジ型の感光性アクリル樹脂等を用いることができる。
【0092】
そして、第1配線21及び第2配線22をマスクとして、基板60の主面60aとは反対の面の側から絶縁膜50fに光50uを照射する。光50uは、感光性の絶縁膜50fが感光するエネルギーを有する。この後、現像する。これにより、絶縁膜50fのうち、光50uが照射された部分が除去され、第1配線21及び第2配線22によって遮蔽され光50uが照射されなかった部分が残る。
【0093】
これにより、図6(f)に表したように、絶縁膜50fからなり、第1配線21及び第2配線22のパターン形状に沿ったパターン形状を有する絶縁層50を形成する。
【0094】
そして、図6(g)に表したように、絶縁層50及び導電層20bの上に有機発光部30を形成し、有機発光部30の上に第1電極10を形成する。
これにより、照明装置110または照明装置111が製造できる。
【0095】
照明装置110及び照明装置111においては、低屈折率部40aが、第1配線21及び第2配線22にZ軸方向に沿って対向し、第1配線21及び第2配線22と、低屈折率部40aと、が一括して形成されるので、生産性が高い。
【0096】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の別の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
すなわち、図7(a)〜図7(g)は、照明装置110または照明装置111の製造方法を例示しており、図1(b)または図4(b)のA1−A2線断面に相当する断面図である。
【0097】
まず、図7(a)に表したように、基板60の主面60a上に、低屈折率膜40afを形成し、低屈折率膜40afの上に高導電率膜20afを形成する。
【0098】
そして、図7(b)に表したように、低屈折率膜40afと高導電率膜20afとを加工し、低屈折率部40aと、第1配線21及び第2配線22(配線20a)と、を形成する。この場合も、この加工は一括して行われる。また、低屈折率部40aと、第1配線21と、第2配線22と、同時に、第3配線23及び第4配線24を一括して同時に設けても良い。
【0099】
そして、図7(c)に表したように、低屈折率部40a、第1配線21及び第2配線22から露出している基板60の主面60aに高屈折率部40bを形成する。本具体例では、高屈折率膜40bfとして、ネガ型の感光性を有する材料(例えば感光性のポリイミド)が用いられる。
【0100】
そして、第1配線21及び第2配線22をマスクとして、基板60の主面60aとは反対の面の側から高屈折率膜40bfに光40buを照射し、現像する。これにより、高屈折率膜40bfのうち、光40buが照射された部分が残り、第1配線21及び第2配線22によって遮蔽され、光40buが照射されなかった部分が除去される。
【0101】
これにより、図7(d)に表したように、第1配線21及び第2配線22が露出する。そして、高屈折率部40bが形成される。
【0102】
このように、本具体例においては、高屈折率部40bの形成は、高屈折率部40bとなりネガ型の感光性を有する高屈折率膜40bfを、低屈折率部40a、第1配線21、第2配線22、及び、基板60の主面60aを覆うように形成し、第1配線21及び第2配線22をマスクとして、基板60の主面60aとは反対の面の側から高屈折率膜40bfに光を照射し、現像することを含む。これにより、セルフアラインによって位置合わせが不要になり高い生産性で、高屈折率部40bを形成することができる。
【0103】
この後、図7(e)〜図7(g)に例示したように、図6(e)〜図6(g)に関して説明したのと同様の工程を経て照明装置110または照明装置111が製造される。
【0104】
この製造方法においても、第1配線21及び第2配線22と、低屈折率部40aと、が一括して形成され、高屈折率部40bが、第1配線21及び第2配線22と、低屈折率部40aと、セルフアラインで形成されるので、位置合わせが不要になり、高い生産性で、高屈折率部40bを形成することができる。
【0105】
なお、第2電極20の有機発光部30とは反対の側に設けられる光学層として、回折格子を用いる比較例がある。この比較例は、例えば、特許文献1に記載されている有機電界発光素子の構成に相当する。このように、回折格子を応用した光学層においては、高屈折率層と低屈折率層との配設ピッチが、有機発光部30から放出される光の波長と同程度の大きさとされる。例えば、高屈折率層と低屈折率層との配設ピッチは、10nm〜1μm程度である。これにより、回折効果が生じる。このように、回折効果を用いるためには、非常に小さいピッチで高屈折率層と低屈折率層とを設ける必要があり、生産性が悪い。そして、高屈折率層と低屈折率層との配設ピッチは、第1配線21及び第2配線の配設ピッチ(例えば、100μm以上10mm以下)とは、大きく異なるため、高屈折率層及び低屈折率層と、第1配線21及び第2配線と、を一括して形成することは困難である。
【0106】
これに対し、本実施形態に係る照明装置110及び111は、大面積の照明装置として用いられるものである。そして、大面積の照明装置において特有に問題となる電圧降下による明るさの面内不均一性を、高導電率の配線20a(第1配線21及び第2配線22)によって、抑制し、面内で均一な発光が得られる。
【0107】
そして、透過率が低く反射性の配線20a(第1配線21及び第2配線22)に対向させて低屈折率部40aを設けることで、低屈折率部40aと高屈折率部40bとの界面IF1における屈折効果を利用して、光L3の光路を変化させ、多重反射を抑制し、光L3を効率良く外界に取り出す。このように、照明装置110及び111においては、回折効果とは異なる屈折効果が利用される。
【0108】
そして、高屈折率部40b及び低屈折率部40aと、第1配線21及び第2配線と、を一括して形成することができ、生産性も高い。
【0109】
光取り出し効率を向上させるために回折効果を利用する方法は、例えば1つの画素が200μm程度のサイズであり画素電極内における電圧降下が問題にならない表示装置などに対して適用される可能性はある。しかしながら、回折格子を用いる発想では、大面積の照明装置において特有に必要とされる、明るさの不均一性の抑制と、光取り出し効率の向上と、を同時に実現することは実用的には困難であると考えられる。
【0110】
これに対し、本実施形態に係る照明装置110及び111においては、屈折効果を利用し、高導電率の配線20aと、配線20aに対向する低屈折率部40aと、を設けることで、大面積の照明装置において特有に必要とされる、明るさの不均一性の抑制と、光取り出し効率の向上と、を同時に実現できる。これにより、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置が提供できる。
【0111】
そして、また、低屈折率部40aを高電導率の配線20aに対応する位置に設けることで、大面積の照明装置において特有の面内における電圧降下を抑制する配線20aと、光取り出し効率を向上させる低屈折率部40aと、を同時に作製することができる。これにより、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上し、高生産性で製造できる高効率な照明装置を提供できる。
【0112】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る照明装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図8(a)は、図8(b)及び図8(c)のA1−A2線断面図であり、図8(b)は、図8(a)のB1−B2線断面図であり、図8(c)は、図8(a)のC1−C2線断面図である。
【0113】
図8(a)〜図8(c)に表したように、本実施形態に係る照明装置120においては、第1配線21及び第2配線22は、導電層20bの有機発光部30の側に設けられている。
【0114】
そして、第1配線21及び第2配線22と有機発光部30との間に設けられ、Z軸方向(第1主面30aに対して垂直な方向)から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層が設けられている。この絶縁層50は、第1配線21及び第2配線22を覆い、第1配線21及び第2配線22と、有機発光部30と、を電気的に絶縁する。これ以外の構成は、照明装置110と同様なので説明を省略する。
【0115】
本実施形態に係る照明装置120によっても、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置が提供できる。
【0116】
なお、照明装置120においては、低屈折率部40aのZ軸方向に沿った厚さは、高屈折率部40bのZ軸方向に沿った厚さよりも薄い。すなわち、低屈折率部40aは、高屈折率部40bに覆われており、低屈折率部40aは、高屈折率部40bに埋め込まれている。
【0117】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る別の照明装置の構成を例示する模式図である。 すなわち、図9(a)は、図9(b)及び図9(c)のA1−A2線断面図であり、図9(b)は、図9(a)のB1−B2線断面図であり、図9(c)は、図9(a)のC1−C2線断面図である。
【0118】
図9(a)〜図9(c)に表したように、本実施形態に係る別の照明装置121においても、第1配線21及び第2配線22は、導電層20bの有機発光部30の側に設けられている。そして、第1配線21及び第2配線22と有機発光部30との間に設けられ、Z軸方向から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層が設けられている。
【0119】
照明装置121においては、低屈折率部40aのZ軸方向に沿った厚さは、高屈折率部40bのZ軸方向に沿った厚さと実質的に同じである。
【0120】
照明装置121によっても、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置が提供できる。
【0121】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る別の照明装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図10(a)は、図10(b)及び図10(c)のA1−A2線断面図であり、図10(b)は、図10(a)のB1−B2線断面図であり、図10(c)は、図10(a)のC1−C2線断面図である。
【0122】
図10(a)〜図10(c)に表したように、本実施形態に係る別の照明装置122においても、第1電極10、第2電極20、有機発光部30及び光学層40が設けられる。そして、第2電極20は、第3配線23と、第4配線24と、をさらに有している。第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24は、導電層20bの有機発光部30の側に設けられている。そして、第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24と有機発光部30との間において、第1配線21、第2配線22、第3配線23及び第4配線24にZ軸方向に重なる部分を有する絶縁層50が設けられている。
【0123】
照明装置122によっても、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置が提供できる。
【0124】
なお、照明装置122においては、低屈折率部40aのZ軸方向に沿った厚さは、高屈折率部40bのZ軸方向に沿った厚さよりも薄い。しかし、照明装置121と同様に、低屈折率部40aのZ軸方向に沿った厚さを、高屈折率部40bのZ軸方向に沿った厚さと実質的に同じに設定しても良い。
【0125】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、照明装置の製造方法である。すなわち、本製造方法は、第1主面30aと第2主面30bとを有する有機発光部30と、有機発光部30の第1主面30aに設けられた第1電極10と、有機発光部30の第2主面30bに設けられ、導電層20bと、導電層20bに電気的に接続され、第1主面30aに対して平行な第1方向に延在し、導電層20bよりも導電率が高い第1配線21と、導電層20bに電気的に接続され、第1配線21と離間して平行に延在し、導電層20bよりも導電率が高い第2配線22と、を有する第2電極20と、第2電極20の有機発光部30とは反対の側に設けられ、第1主面30aに対して垂直な方向から見て、第1配線21及び第2配線22の少なくともいずれかと重なる部分を有する低屈折率部40aと、低屈折率部40aの上記の部分に接触する部分を有し、低屈折率部40aよりも高い屈折率を有する高屈折率部40bと、を有する光学層40と、を有する照明装置の製造方法である。
【0126】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る照明装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
図11に表したように、本実施形態に係る照明装置の製造方法は、まず、基板60の主面60a上に低屈折率部40aとなる低屈折率膜40afを形成する(ステップS110)。
【0127】
そして、低屈折率膜40afの上に、第1配線21及び第2配線22となる高導電率膜20afを形成する(ステップS120)。
【0128】
そして、低屈折率膜40afと高導電率膜20afとを加工し、低屈折率部40aと、第1配線21及び第2配線22と、を形成する(ステップS130)。
【0129】
そして、低屈折率部40a、第1配線21及び第2配線22から露出している基板60の主面60a上に高屈折率部40bを形成する(ステップS140)。
【0130】
そして、低屈折率部40aと、第1配線21と、第2配線22と、高屈折率部40bとを覆うように導電層20bを形成する(ステップS150)。
【0131】
そして、導電層20bの上に感光性の絶縁膜50fを形成する(ステップS160)。 そして、第1配線21及び第2配線22をマスクとして、基板60の主面60aとは反対の面の側から絶縁膜50fに光を照射し、現像して、絶縁膜50fからなり、第1配線21及び第2配線22のパターン形状に沿ったパターン形状を有する絶縁層50を形成する(ステップS170)。
【0132】
そして、絶縁層50及び導電層20bの上に有機発光部30を形成する(ステップS180)。
そして、有機発光部30の上に第1電極10を形成する(ステップS190)。
すなわち、例えば、図6(a)〜図6(g)に関して説明した方法を実施する。
【0133】
このような製造方法によれば、第1配線21及び第2配線22と、低屈折率部40aと、を一括して形成でき、面内の電圧降下を抑制し、均一な明るさを得ると共に、光取り出し効率を向上した高効率の照明装置を高い生産性で製造できる。
【0134】
なお、図7(a)〜図7(g)に関して既に説明したように、高屈折率部40bの形成において、高屈折率部40bとなりネガ型感光性を有する高屈折率膜40bfを、低屈折率部40aと、第1配線21と、第2配線22と、基板60の主面60aと、を覆うように形成し、第1配線21及び第2配線22をマスクとして、基板60の主面60aとは反対の面の側から高屈折率膜40bfに光を照射し、現像することができる。これにより、セルフアラインにより位置合わせが不要になり、高い生産性で、高屈折率部40bを形成することができる。
【0135】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、照明装置に含まれる第1電極、第2電極、導電層、配線、有機発光層、有機発光部、光学層、高屈折率部、低屈折率部、絶縁層等各要素の具体的な構成の、形状、サイズ、材質、配置関係などに関して当業者が各種の変更を加えたものであっても、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0136】
その他、本発明の実施の形態として上述した照明装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての照明装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0137】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0138】
10…第1電極、 20…第2電極、 20a…配線、 20af…高導電率膜、 20b…導電層、 21…第1配線、 22…第2配線、 23…第3配線、 24…第4配線、 30…有機発光部、 30a…第1主面、 30b…第2主面、 40…光学層、 40a…低屈折率部、 40af…低屈折率膜、 40b…高屈折率部、 40bf…高屈折率膜、 40bu…光、 41、42、43、44…部分、 50…絶縁層、 50f…絶縁膜、 50u…光、 60…基板、 60a…主面、 110、111、120、121、122…照明装置、 IF1、IF2…界面、 L1、L2、L3…光、 Wa1、Wa2、Wa3…幅、 Wb1、Wb2、Wb3…幅、 Wc1、Wc2、Wc3…距離、 t1…距離、 t2…厚さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光層を含み、第1主面と第2主面とを有する有機発光部と、
前記有機発光部の前記第1主面に設けられた第1電極と、
前記有機発光部の前記第2主面に設けられ、
導電層と、
前記導電層に電気的に接続され、前記第1主面に対して平行な第1方向に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第1配線と、
前記導電層に電気的に接続され、前記第1配線と離間して平行に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第2配線と、
を有する第2電極と、
前記第2電極の前記有機発光部とは反対の側に設けられ、
前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する低屈折率部と、
前記低屈折率部の前記部分に接触する部分を有し、前記低屈折率部よりも高い屈折率を有する高屈折率部と、
を有する光学層と、
を備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第2電極と前記有機発光部との間に設けられ、前記第1主面に対して垂直な前記方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1主面に対して平行で前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿った前記第1配線の幅、及び、前記第2方向に沿った前記第2配線の幅は、10マイクロメートルよりも広いことを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1主面に対して平行で前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿った前記第1配線の中心と、前記第2方向に沿った前記第2配線の中心と、の前記第2方向に沿った距離は、前記第2方向に沿った前記第1配線の幅、及び、前記第2方向に沿った前記第2配線の幅の10倍以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
前記低屈折率部の前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる前記部分の前記第1主面に対して平行で前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿った幅は、10マイクロメートル以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
前記第2電極は、
前記導電層と前記第1配線と前記第2配線とに電気的に接続され、前記第1主面に対して平行で、前記第1方向とは異なる第3方向に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第3配線と、
前記導電層と前記第1配線と前記第2配線とに電気的に接続され、前記第3配線と離間して平行に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第4配線と、
をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
前記低屈折率部は、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第3配線及び前記第4配線の少なくともいずれかと重なる部分をさらに有することを特徴とする請求項6記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1主面に対して平行で前記第3方向に対して垂直な第4方向に沿った前記第3配線の幅、及び、前記第4方向に沿った前記第4配線の幅は、10マイクロメートル以上であることを特徴とする請求項6または7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1主面に対して平行で前記第3方向に対して垂直な第4方向に沿った前記第3配線の中心と、前記第4方向に沿った前記第4配線の中心と、の前記第4方向に沿った距離は、前記第4方向に沿った前記第3配線の幅、及び、前記第4方向に沿った前記第4配線の幅の10倍以上であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項10】
前記第3配線及び前記第4配線の前記第1電極との前記第1主面に対して垂直な前記方向に沿った距離は、前記第1配線及び前記第2配線の前記第1電極との前記第1主面に対して垂直な前記方向に沿った距離と実質的に同じであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項11】
前記導電層は、前記有機発光部から放出される光に対して透光性を有し、
前記第1配線及び前記第2配線の前記光に対する透過率は前記導電層の前記光に対する透過率よりも低いことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項12】
前記第1配線及び前記第2配線は、前記有機発光部から放出される光に対し反射性を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項13】
前記有機発光部から放出される光は、前記高屈折率部から前記低屈折率部に進行するときに前記低屈折率部と前記高屈折率部との屈折率の差異に基づいて屈折することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項14】
前記第1配線及び前記第2配線は、前記導電層の前記有機発光部とは反対の側に設けられ
前記導電層と前記有機発光部との間に設けられ、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項15】
前記第1配線及び前記第2配線は、前記導電層の前記有機発光部の側に設けられ、
前記第1配線及び前記第2配線と、前記有機発光部と、の間に設けられ、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項16】
有機発光層を含み、第1主面と第2主面とを有する有機発光部と、前記有機発光部の前記第1主面に設けられた第1電極と、前記有機発光部の前記第2主面に設けられ、導電層と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1主面に対して平行な第1方向に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第1配線と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1配線と離間して平行に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第2配線と、を有する第2電極と、前記第2電極の前記有機発光部とは反対の側に設けられ、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する低屈折率部と、前記低屈折率部の前記部分に接触する部分を有し、前記低屈折率部よりも高い屈折率を有する高屈折率部と、を有する光学層と、を有する照明装置の製造方法であって、
基板の主面上に前記低屈折率部となる低屈折率膜を形成し、
前記低屈折率膜の上に前記第1配線及び前記第2配線となる高導電率膜を形成し、
前記低屈折率膜と前記高導電率膜とを加工し、前記低屈折率部と、前記第1配線及び前記第2配線と、を形成し、
前記低屈折率部、前記第1配線及び前記第2配線から露出している前記基板の前記主面上に前記高屈折率部を形成し、
前記低屈折率部と、前記第1配線と、前記第2配線と、前記高屈折率部と、を覆うように前記導電層を形成し、
前記導電層の上に感光性の絶縁膜を形成し、
前記第1配線及び前記第2配線をマスクとして、前記基板の前記主面とは反対の面の側から前記絶縁膜に光を照射し、現像して、前記絶縁膜からなり、前記第1配線及び前記第2配線のパターン形状に沿ったパターン形状を有する絶縁層を形成し、
前記絶縁層及び前記導電層の上に前記有機発光部を形成し、
前記有機発光部の上に前記第1電極を形成することを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項17】
前記高屈折率部の形成は、前記高屈折率部となりネガ型感光性を有する高屈折率膜を、前記低屈折率部と、前記第1配線と、前記第2配線と、前記基板の前記主面と、を覆うように形成し、
前記第1配線及び前記第2配線をマスクとして、前記基板の前記主面とは反対の面の側から前記高屈折率膜に光を照射し、現像することを含むことを特徴とする請求項16記載の照明装置の製造方法。
【請求項1】
有機発光層を含み、第1主面と第2主面とを有する有機発光部と、
前記有機発光部の前記第1主面に設けられた第1電極と、
前記有機発光部の前記第2主面に設けられ、
導電層と、
前記導電層に電気的に接続され、前記第1主面に対して平行な第1方向に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第1配線と、
前記導電層に電気的に接続され、前記第1配線と離間して平行に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第2配線と、
を有する第2電極と、
前記第2電極の前記有機発光部とは反対の側に設けられ、
前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する低屈折率部と、
前記低屈折率部の前記部分に接触する部分を有し、前記低屈折率部よりも高い屈折率を有する高屈折率部と、
を有する光学層と、
を備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第2電極と前記有機発光部との間に設けられ、前記第1主面に対して垂直な前記方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1主面に対して平行で前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿った前記第1配線の幅、及び、前記第2方向に沿った前記第2配線の幅は、10マイクロメートルよりも広いことを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1主面に対して平行で前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿った前記第1配線の中心と、前記第2方向に沿った前記第2配線の中心と、の前記第2方向に沿った距離は、前記第2方向に沿った前記第1配線の幅、及び、前記第2方向に沿った前記第2配線の幅の10倍以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
前記低屈折率部の前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる前記部分の前記第1主面に対して平行で前記第1方向に対して垂直な第2方向に沿った幅は、10マイクロメートル以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
前記第2電極は、
前記導電層と前記第1配線と前記第2配線とに電気的に接続され、前記第1主面に対して平行で、前記第1方向とは異なる第3方向に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第3配線と、
前記導電層と前記第1配線と前記第2配線とに電気的に接続され、前記第3配線と離間して平行に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第4配線と、
をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
前記低屈折率部は、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第3配線及び前記第4配線の少なくともいずれかと重なる部分をさらに有することを特徴とする請求項6記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1主面に対して平行で前記第3方向に対して垂直な第4方向に沿った前記第3配線の幅、及び、前記第4方向に沿った前記第4配線の幅は、10マイクロメートル以上であることを特徴とする請求項6または7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1主面に対して平行で前記第3方向に対して垂直な第4方向に沿った前記第3配線の中心と、前記第4方向に沿った前記第4配線の中心と、の前記第4方向に沿った距離は、前記第4方向に沿った前記第3配線の幅、及び、前記第4方向に沿った前記第4配線の幅の10倍以上であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項10】
前記第3配線及び前記第4配線の前記第1電極との前記第1主面に対して垂直な前記方向に沿った距離は、前記第1配線及び前記第2配線の前記第1電極との前記第1主面に対して垂直な前記方向に沿った距離と実質的に同じであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項11】
前記導電層は、前記有機発光部から放出される光に対して透光性を有し、
前記第1配線及び前記第2配線の前記光に対する透過率は前記導電層の前記光に対する透過率よりも低いことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項12】
前記第1配線及び前記第2配線は、前記有機発光部から放出される光に対し反射性を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項13】
前記有機発光部から放出される光は、前記高屈折率部から前記低屈折率部に進行するときに前記低屈折率部と前記高屈折率部との屈折率の差異に基づいて屈折することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項14】
前記第1配線及び前記第2配線は、前記導電層の前記有機発光部とは反対の側に設けられ
前記導電層と前記有機発光部との間に設けられ、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項15】
前記第1配線及び前記第2配線は、前記導電層の前記有機発光部の側に設けられ、
前記第1配線及び前記第2配線と、前記有機発光部と、の間に設けられ、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項16】
有機発光層を含み、第1主面と第2主面とを有する有機発光部と、前記有機発光部の前記第1主面に設けられた第1電極と、前記有機発光部の前記第2主面に設けられ、導電層と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1主面に対して平行な第1方向に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第1配線と、前記導電層に電気的に接続され、前記第1配線と離間して平行に延在し、前記導電層よりも導電率が高い第2配線と、を有する第2電極と、前記第2電極の前記有機発光部とは反対の側に設けられ、前記第1主面に対して垂直な方向から見て、前記第1配線及び前記第2配線の少なくともいずれかと重なる部分を有する低屈折率部と、前記低屈折率部の前記部分に接触する部分を有し、前記低屈折率部よりも高い屈折率を有する高屈折率部と、を有する光学層と、を有する照明装置の製造方法であって、
基板の主面上に前記低屈折率部となる低屈折率膜を形成し、
前記低屈折率膜の上に前記第1配線及び前記第2配線となる高導電率膜を形成し、
前記低屈折率膜と前記高導電率膜とを加工し、前記低屈折率部と、前記第1配線及び前記第2配線と、を形成し、
前記低屈折率部、前記第1配線及び前記第2配線から露出している前記基板の前記主面上に前記高屈折率部を形成し、
前記低屈折率部と、前記第1配線と、前記第2配線と、前記高屈折率部と、を覆うように前記導電層を形成し、
前記導電層の上に感光性の絶縁膜を形成し、
前記第1配線及び前記第2配線をマスクとして、前記基板の前記主面とは反対の面の側から前記絶縁膜に光を照射し、現像して、前記絶縁膜からなり、前記第1配線及び前記第2配線のパターン形状に沿ったパターン形状を有する絶縁層を形成し、
前記絶縁層及び前記導電層の上に前記有機発光部を形成し、
前記有機発光部の上に前記第1電極を形成することを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項17】
前記高屈折率部の形成は、前記高屈折率部となりネガ型感光性を有する高屈折率膜を、前記低屈折率部と、前記第1配線と、前記第2配線と、前記基板の前記主面と、を覆うように形成し、
前記第1配線及び前記第2配線をマスクとして、前記基板の前記主面とは反対の面の側から前記高屈折率膜に光を照射し、現像することを含むことを特徴とする請求項16記載の照明装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−181403(P2011−181403A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45673(P2010−45673)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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