照明装置
【課題】省エネルギーで効率のよい照明を行うことができて、蓄電池の容量の目減りを抑制することができる照明装置を提供する。
【解決手段】日が暮れた直後でまだ周辺が明るい時間帯には、照明部3の照度を抑えた省エネモードS1を設定して、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑えている。そして、周辺が暗くなると、省エネモードS1から標準モードS2へと切替え設定して、照明部3の照度を十分なレベルに増大させ、人々に安心感を与えている。更に、夜が完全に深まり、人々の生活も終わろうとする時間帯には、標準モードS2から省エネモードS1へと再び切替え設定し、照明部3の照度を抑え、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑えている。
【解決手段】日が暮れた直後でまだ周辺が明るい時間帯には、照明部3の照度を抑えた省エネモードS1を設定して、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑えている。そして、周辺が暗くなると、省エネモードS1から標準モードS2へと切替え設定して、照明部3の照度を十分なレベルに増大させ、人々に安心感を与えている。更に、夜が完全に深まり、人々の生活も終わろうとする時間帯には、標準モードS2から省エネモードS1へと再び切替え設定し、照明部3の照度を抑え、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昼間に太陽電池の発電電力により蓄電池を充電し、夜間に蓄電池の放電電力により照明を行なう照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
街路灯や常夜灯などの照明装置は、道路わき、公園、庭園等に設置されて、夜間になると点灯し、その周辺を照明する。この種の照明装置としては、商用交流電源の電力により点灯するものだけではなく、太陽電池と蓄電池を組み合わせてなる電源により点灯するものがある。
【0003】
後者の太陽電池と蓄電池を利用する照明装置は、地震等の災害により商用交流電源が停電しても、点灯が可能であるという利点を有する。尚、前者の商用交流電源を利用する照明装置にも、停電時の点灯を可能にするために蓄電池を備えるものがある。
【0004】
更に、この種の照明装置を住宅地周辺に設置する場合は、住民が就寝する頃になると点灯を停止するという光害対策を行なうこともある。
【0005】
例えば、特許文献1には、太陽電池と蓄電池を利用する照明装置が開示されている。ここでは、公園などに設置される照明装置を想定しており、通常は、昼間に太陽電池の発電電力により蓄電池を充電し、夜間に蓄電池の放電電力により照明を行っている。また、無日照の日々が連続し、蓄電池の放電による夜毎の照明が繰り返されることにより、蓄電池の電力量が50%程度に減って、蓄電池が過放電状態になったときには、夜の照明を停止して、蓄電池の寿命の低下を防止している。
【0006】
更に、この照明装置では、地震を検出する地震センサを設けており、地震センサにより地震が検出されると、地震発生直後の一夜に限り、蓄電池が50%程度の過放電状態であっても、更に蓄電池の電力量が70〜80%程度に減るまで、夜間を通しての照明を行い、避難場所などの目印としての役割を果たしている。
【特許文献1】特開平10−12017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の照明装置では、地震が検出された非常時には、照明が必ず行われるものの、この非常時の照明態様と通常時の照明態様とが同一であって、両者の間に差違が全くなかった。このため、非常時を優先して、十分な照明を設定したならば、通常時の照明が過剰となって、蓄電池の電力が浪費されてしまった。逆に、通常時を優先して、実用上差し支えない程度に照明を抑えたならば、非常時の照明が不十分になった。
【0008】
また、この種の照明装置は、その消費電力を抑えるために、日の出まで点灯されずに、夜の12時位までで消灯されるケースが多い。ところが、人々の生活が夜型にシフトする傾向にあるため、照明装置の点灯をより長時間行って、防犯効果を向上させることが要求されていた。更に、災害時に蓄電池の電力消費量を抑えつつ、照明装置をより長時間点灯することも要求されていた。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、省エネルギーで効率のよい照明を行うことができて、蓄電池の容量の目減りを抑制することができ、非常時においては目印としての役割を十分に果たすことができ、人々からの期待を裏切ることがない照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、照明部と、この照明部に電力を供給する蓄電池と、この蓄電池に充電電力を供給する太陽電池と、前記蓄電池から前記照明部への電力供給を制御する制御部とを備えた照明装置において、前記制御部は、日没を判定する判定手段を有し、この判定手段により日没が判定されると、前記蓄電池から前記照明部への電力供給を制御することにより、前記照明部を点灯させ、この日没からの経過時間に応じて前記照明部の照度を調節している。
【0011】
また、本発明においては、前記制御部は、日没からの経過時間に応じて前記照明部の照度を通常照度及び該通常照度よりも低い低照度のいずれかに設定している。
【0012】
更に、本発明においては、前記制御部は、日没からの経過時間が一定時間に達するまでは、前記照明部の照度を低照度に設定し、この後に該照明部の照度を通常照度に設定している。
【0013】
また、本発明においては、前記制御部は、前記照明部の照度を低照度から通常照度に切替え設定した後に、他の一定時間が経過すると、該照明部の照度を通常照度から低照度に再び切替え設定している。
【0014】
更に、本発明においては、前記判定手段は、前記太陽電池の出力に基づいて日没を判定している。
【0015】
また、本発明においては、地震を検出する地震センサを備え、前記制御部は、前記地震センサにより地震が検出されると、日没からの経過時間にかかわらず、前記照明部の照度を通常照度に維持し続けている。
【0016】
更に、本発明においては、前記判定手段は、日の出を判定し、前記制御部は、日没からの経過時間にかかわらず、前記照明部の照度を通常照度に維持し続けている状態を、前記判定手段により日の出が検出されたタイミングで終了している。
【0017】
また、本発明においては、照明部の光源は、LEDランプである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の照明装置によれば、蓄電池の放電を極力抑えるために、日没からの経過時間に応じて照明部の照度(照明部への供給電力)を調節している。
【0019】
例えば、日没からの経過時間に応じて、照明部の照度を通常照度に設定したり(標準モードと称す)、照明部の照度を該通常照度よりも低い低照度に設定している(省エネモードと称す)。
【0020】
日没直後は、まだ空がうっすらと明るく、周囲も完全には暗くならないので、あまり高い照度の照明を必要としない。そこで、日没から一定時間までは、省エネモードを設定して、蓄電池の放電を抑えながら照明を行う。
【0021】
そして、日没から一定時間以上が経ち、周辺が完全に暗くなったときには、省エネモードから標準モードへと切替え設定し、蓄電池から照明部へと十分な電力を供給して、十分な照明を行い、人々に安心感を与える。
【0022】
更に、夜が完全に深まり、人々の活動が終わろうとするときには、標準モードから省エネモードへと再び切替え設定して、蓄電池の放電を抑えながら辺りを照明し、防犯効果を維持する。この種の従来の照明装置では、真夜中の人が少ない時間帯になると、消灯されることが多く、防犯効果を全く期待することができなかった。これに対して本発明では、標準モードから省エネモードへと再び切替え設定しているので、蓄電池の放電を抑えながら長時間の照明を行うことができるようになり、防犯の役割を存分に果たすことができる。
【0023】
尚、省エネモード及び標準モードのそれぞれの時間を変更可能にして、様々な用途に応じることができる様にしても良い。
【0024】
日没の判定は、太陽電池の出力に基づいて行うことができる。勿論、日没や日の出の判定専用の光センサを用いたり、時刻を基準にして日没や日の出を判定しても良い。
【0025】
また、地震センサにより地震が検出されると、日没からの経過時間にかかわらず、標準モードを設定しているので、非常時の照明が不足する様なことはない。
【0026】
そして、この非常時の照明を日の出のタイミングで終了している。これにより、周囲の人々に違和感を与えずに済む。
【0027】
また、照明部の光源として、消費電力が低いLEDランプを用いている。このLEDランプの印加電圧を日没直後と深夜に制御して、消費電力を抑えた省エネモードで点灯させ、効率のよい照明を行うことができる。更に、太陽電池と蓄電池の組み合わせからなる電源の電力を有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の照明装置の実施形態1を示す斜視図である。本実施形態の照明装置1は、道路わき、公園、庭園等に設置されて、夜間になると点灯し、その周辺を照明する。
【0030】
この照明装置1では、支柱2の上部に照明部3及び太陽電池5を設け、支柱2内に複数の蓄電池6及び充放電ユニット7を縦に並べて収容し、支柱2内の下部に地震センサ8を配置している。充放電ユニット7は、制御部7a及びDC−DCコンバータ7bを備えており、太陽電池5の発電電力を各蓄電池6に充電したり、各蓄電池6の電力を照明部3に供給して、照明部3を点灯させる。地震センサ8は、例えば鋼球を利用した周知の水平感震センサである。
【0031】
支柱2は、厚さ2mmのステンレス鋼板を板金加工して形成したものであり、四角柱状の中空である。また、ベースプレート11及び各補強板12は、ステンレス鋼板を切断加工したものである。
【0032】
支柱2をベースプレート11の孔11aに通して、支柱2の下端より1mの箇所にベースプレート11を固定し、支柱2の各側壁とベースプレート11を4個の補強板12により連結して、支柱2にベースプレート11を強固に取り付けている。支柱2、ベースプレート11、及び各補強板12は、溶接もしくはネジ止めにより相互に固定される。
【0033】
支柱2の上部は、折れ曲がっており、折り曲げられた箇所の上側が傾斜頭部2aとなり、下側が垂直胴部2bとなっている。
【0034】
照明部3は、傾斜頭部2aの3個のLEDランプ21aからなる第1ランプユニット21と、同じく傾斜頭部2aの3個のLEDランプ22aからなる第2ランプユニット22とを備える。各LEDランプ21a、22aは、同一構造であり、図2に示す様に18個のLED23を基板24上で円や多角形のラインに沿って幾何学的に配列し、各LED23及び基板24を散光球体25により覆い、散光球体25の開口端25aに口金26を固定したものである。各LED23は、基板24の配線パターンにより相互に接続され、更に基板24を介して口金26に接続されている。散光球体25は、例えばガラス球体の表面に散光性粒子を塗布したものであり、各LED23からの光を散乱させる。各LED23は、例えば半値全幅が10度程度であり、照明方向の指向性が狭いものの、それらの光が散光球体25により散乱される。このため、各LEDランプ21a、22aとしての指向性は広くなる。
【0035】
支柱2の傾斜頭部2aの下側壁板2cに6つの円形の孔27を設け、各孔27の奥にそれぞれのソケット(図示せず)を配列し固定している。各LEDランプ21a、22aを各孔27に通して、各LEDランプ21a、22aの口金26をそれぞれのソケットに差し込んで接続し、各LEDランプ21a、22aの全てのLED23を各ソケットに接続する。
【0036】
この状態では、各LEDランプ21a、22aは、20乃至30度で傾斜している傾斜頭部2aに対して直交する方向に向き、支柱2の前方近傍に向く。従って、照明部3は、第1及び第2ランプユニット21、22により支柱2の前方近傍を照明する。
【0037】
また、各LEDランプ21a、22aが18個のLED23からなることから、照明部3の消費電力が数W程度に過ぎず、消費電力を低減することができる。このため、各蓄電池6として、2乃至6個の12V長寿命蓄電池を適用すれば、太陽電池5と各蓄電池6との組み合わせからなる電源により、日照時間が殆ど無くても、5乃至10日にわたって、照明部3を点灯させることが可能になる。このため、照明装置1は、単なる照明としてだけではなく、案内灯、保安灯、地震等の災害時の非常灯などの役目も果たすことができる。
【0038】
太陽電池5は、支持枠41により支持されており、この支持枠41が支柱2の垂直胴部2b上端に突設されたシャフト42により回転自在に支持されている。
【0039】
図3は、太陽電池5、支持枠41、及びシャフト42等を示す断面図である。太陽電池5は、20乃至30年の耐用期間を持つものであり、例えば単結晶又は多結晶の太陽電池セルを太陽光透過率の高い強化ガラス裏面に実装支持し、耐候性白色フィルムを貼り合わせて、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)やシリコーン樹脂等により補強し、更にコネクタボックス5aを取り付けたものである。支持枠41は、ステンレス鋼を板金加工して形成されたものであり、太陽電池5の縁を引っ掛けて支持している。また、支持枠41の中央部が下方に膨らんで中空となっており、太陽電池5並びに支持枠41の構造強度を増すと共に、デザイン的にも変化を設けている。ここに太陽電池5のコネクタボックス5aが収納されている。更に、支持枠41裏面には、太陽電池5の受光面に対して70度〜45度傾けて筒状のシャフト受け43を突設している。
【0040】
支持枠41は、その裏面のシャフト受け43を支柱2の垂直胴部2b上端のシャフト42に嵌め込むことにより回転自在に支持される。受光面に対して70度の状態では、太陽電池5の受光面が水平方向に対して20度傾く。この20度の傾きは、山影、至近の建物、構造物等により受光障害が多く発生するなど照明装置1の設置環境が悪く、太陽からの直接光が支柱2の上部の太陽電池5に殆ど入射しないときに、この直接光に代わって、空からの間接光を太陽電池5により多く入射させるために設定される。
【0041】
また、照明装置1の設置環境が良く、太陽からの直接光が支柱2上部の太陽電池5に入射するときには、太陽電池5の受光面を水平方向に対して略35度傾けるのが良い。
【0042】
冬季多少の積雪がある地域、及び年間を通してのもしくは12月や1月等の日射量が極端に少ない地域などでは、積雪の滑雪効果も増大する略45度傾けるのが良い。
【0043】
更に、支持枠41を回転させて、太陽電池5による発電電力が最も大きくなる様に太陽電池5を南の方向近辺に向ける。
【0044】
次に、太陽電池5、各蓄電池6、充放電ユニット7、及び地震センサ8について述べる。
【0045】
図4は、太陽電池5、各蓄電池6、充放電ユニット7の制御部7aとDC−DCコンバータ7b、及び地震センサ8を概略的に示すブロック図である。ここで、太陽電池5の発電電力は、制御部7aに供給される。制御部7aは、太陽電池5の発電電力を各蓄電池6に充電する。また、日没後には、太陽電池5の発電電圧Vaが低下することから、制御部7aは、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vn以下となる日没を感知し、各蓄電池6の電圧をDC−DCコンバータ7bを介して照明部3に印加し、照明部3を点灯させる。更に、制御部7aは、日没からの経過時間を計時し、この経過時間に応じて照明部3の照度を調節して、消費電力を抑える。
【0046】
図5は、充電ユニット7の制御部7aによる照明部3の点灯及び照度の制御過程を示すタイミングチャートである。
【0047】
制御部7aは、日没になると照明部3を点灯している。また、各蓄電池6の放電を極力抑えるために、日没からの経過時間に応じて照明部3の照度(照明部3への供給電力)を調節している。例えば、日没からの経過時間に応じて、照明部3の照度を通常照度に設定したり(標準モードS2と称す)、照明部3の照度を該通常照度よりも低い低照度に設定している(省エネモードS1と称す)。
【0048】
この照明部3の照度(照明部3の供給電力)の調節は、例えば照明部3の第1及び第2ランプ21、22を共に点灯させたり、第1ランプ21のみを点灯させかつ第2ランプ22を消灯させることにより行うことができる。あるいは、DC−DCコンバータ7bから照明部3へと供給されるパルス状電圧のデューティ比を調節することにより行うことができる。
【0049】
さて、制御部7aは、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vn以下となる日没を感知すると、各蓄電池6の電圧をDC−DCコンバータ7bを介して照明部3に印加して、照明部3を点灯させる。そして、制御部7aは、日没の時点T31からの経過時間(照明部3の点灯時間)を計時し、この計時した経過時間が一定時間に達して、時点Taとなるまでは、すなわち日が暮れた直後でまだ周辺が明るく強い照明が必要でない時点T31〜時点Taの時間帯には、照明部3の照度を抑えた省エネモードS1を設定し、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑える。
【0050】
次に、制御部7aは、日没から計時した経過時間が一定時間に達して、時点Taになると、省エネモードS1から標準モードS2へと切替え設定して、照明部3の照度を十分なレベルに増大させる。これにより、周辺が暗くなっても、照明装置1の照度が増大して、照明装置1の周囲が明るくなり、人々に安心感が与えられる。ただし、照明部3の消費電力が増大し、各蓄電池6の放電量も増大する。
【0051】
更に、制御部7aは、時点Taから他の一定時間が経過して、時点Tbとなると、この時点Tbより時点T32に達するまでは、すなわち夜が完全に深まり、人々の生活も終わろうとする時点Tb〜時点T32の時間帯には、標準モードS2から省エネモードS1へと再び切替え設定し、照明部3の照度を抑え、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑える。
【0052】
そして、制御部7aは、時点T32以降で照明部3を消灯させ、無駄な電力の消費を防止している。
【0053】
この様に日が暮れた直後でまだ周辺が明るい時間帯には、照明部3の照度を抑えた省エネモードS1を設定して、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑えている。そして、周辺が暗くなると、省エネモードS1から標準モードS2へと切替え設定して、照明部3の照度を十分なレベルに増大させ、人々に安心感を与えている。更に、夜が完全に深まり、人々の生活も終わろうとする時間帯には、標準モードS2から省エネモードS1へと再び切替え設定し、照明部3の照度を抑え、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑えている。
【0054】
尚、照明装置1の保安灯や非常灯としての役目を重視する場合は、明け方近くまで、蓄電池5の残存電力が一定値を下回らない範囲で、省エネモードS1での照明を継続しても良い。
【0055】
あるいは、省エネモードS1の照明が行われる時点T31〜時点Taまでの時間帯及び時点Tb〜時点T32までの時間帯や、標準モードS2での照明が行われる時点Ta〜時点Tbまでの時間帯は、使用用途に合わせて変更してもよい。また、照明部3の消灯を日の出の時点T33まで延長することによって、照明部3を終夜点灯させることもできる。日の出の判定は、日没と同様に、太陽電池5の発電電圧に基づいて行えば良い。
【0056】
次に、地震が発生した非常時での照明部の点灯及び照度の制御過程を述べる。
【0057】
通常時には、図5のタイミングチャートに示す点灯及び照度の制御を行っていても、地震が発生した非常時には、図5の点灯及び照度の制御の代わりに、図6のタイミングチャートに示す点灯及び照度の制御を行う。
【0058】
すなわち、制御部7aは、地震センサ8の検出出力に基づいて地震が発生したか否かを判定し、地震が発生したと判定すると、図5のタイミングチャートに示す点灯制御の代わりに、図6(b)〜(e)のいずれかのタイミングチャートに示す点灯制御を行う。
【0059】
図6(a)は日没から日の出までを示すタイミングチャートであり、また図6(b)〜(e)は地震発生の様々なタイミングに応じたそれぞれの制御過程を示している。
【0060】
まず、図6(b)に示す様に日中の時点T41に地震が発生したものとする。この場合は、制御部7aは、日中の時点T41で、地震センサ8の検出出力に基づいて地震が発生したものと判定する。そして、制御部7aは、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vn以下となる日没を感知すると、各蓄電池6の電圧をDC−DCコンバータ7bを介して照明部3に印加して、照明部3を点灯させ、標準モードS2を設定する。更に、制御部7aは、時点T42で、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vnを超える日の出を感知すると、各蓄電池6から照明部3への電力供給を停止して、照明部3を消灯させる。
【0061】
また、図6(c)に示す様に照明部3の照明が終了した時点T32以降であってかつ日の出前の時点T41に地震が発生した場合は、制御部7aは、時点T41で、震センサ8の検出出力に基づいて地震が発生したものと判定し、このときに太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vn以下であることから、各蓄電池6から照明部3への電力供給を開始して、照明部3を点灯させ、標準モードS2を設定する。そして、制御部7aは、時点T42で、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vnを超える日の出を感知すると、各蓄電池6から照明部3への電力供給を停止して、照明部3を消灯させる。
【0062】
更に、図6(d)又は(e)に示す様に標準モードS2又は省エネモードS1での照明が行われている夜間の時点T41に地震が発生した場合は、制御部7aは、この夜間の時点T41で、地震センサ8の検出出力に基づいて地震が発生したものと判定し、標準モードS2を継続設定するか、あるいは省エネモードS1から標準モードS2へと切替え設定する。そして、制御部7aは、時点T42で、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vnを超える日の出を感知すると、各蓄電池6から照明部3への電力供給を停止する。
【0063】
従って、地震が起きた場合は、標準モードS2での照明が行われることになる。このため、照明装置1は、案内灯、保安灯、地震等の災害時の非常灯などの役目も果たすことができる。
【0064】
また、地震が起きたときには、停電が数日に及ぶことがある。このため、制御部7aは、地震発生の日と同様に、例えば翌々日の日没から日の出まで標準モードS2での照明を行う。これにより、地震発生の非常時には、照明装置1による明るい夜間照明が3日続けられることになり、人々に与える印象が大きくなり、照明装置1の避難場所などの目印としての役割を十分に果たすことができる。例えば、照明装置1が公園に設置されている場合は、多くの人々に対して公園が避難場所であることを知らせることができる。
【0065】
次に、各蓄電池6から照明部3への電力供給の制御を説明する。
【0066】
照明装置1では、照明部3の点灯及び照度を制御するだけではなく、各蓄電池6の充電状態に応じて各蓄電池6から照明部3への電力供給を制御し、各蓄電池6の過放電や寿命の低下を防止している。
【0067】
制御部7aは、各蓄電池6の電圧Vbと、図7に示す様な予め設定された満充電電圧V0、第1過放電電圧V1、第2過放電電圧V2、及び第3過放電電圧V3とを比較し、この比較結果に基づいて各蓄電池6の充電もしくは放電状態を管理しつつ、各蓄電池6の寿命の低下を防止している。
【0068】
例えば、昼間に、太陽電池5から各蓄電池6への充電が無制限に行われると、各蓄電池6が過充電状態となって、各蓄電池6の寿命が低下することがある。このため、充制御部7aは、各蓄電池6が満充電状態となって、各蓄電池6の電圧Vbが上昇して満充電電圧V0に達すると、各蓄電池6の充電を停止して、各蓄電池6の寿命の低下を防止している。
【0069】
また、夜間に、各蓄電池6から照明部3への電力供給が無制限に行われると、各蓄電池6の過放電状態が進行して、各蓄電池6の寿命が低下する。このため、充制御部7aは、各蓄電池6が50%程度の過放電状態となり、各蓄電池6の電圧Vbが低下して第1過放電圧V1に達すると、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電力供給を停止する。これにより、各蓄電池6の過放電状態を抑えて、各蓄電池6の寿命の低下を防止することができる。
【0070】
また、地震が検出された非常時には、照明装置1の照明が必要であって、このときの照明が各蓄電池6の寿命低下よりも優先される。このため、充制御部7aは、地震センサ8の検出出力に基づいて地震が発生したと判定すると、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電圧V1に達しても、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電力供給を継続して、照明部3を点灯させる。
【0071】
更に、地震が検出された非常時に、例えば消費電力が比較的多くなる標準モードS2での照明部3の照明を行っている状態では、各蓄電池6の電力供給量が多く、照明装置1の照明期間が短くなってしまう。このため、制御部7aは、各蓄電池6が40%程度の過放電状態となって、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電圧V1よりも低い第2過放電電圧V2に達すると、照明部3の第2ランプユニット22のみを消灯して、照明部3の照度を通常よりも低く抑える。これにより、非常時の照明部3の消費電力が低減され、照明装置1の照明期間を延長させることができる。
【0072】
そして、制御部7aは、各蓄電池6から照明部3への電力供給が続行されて、各蓄電池6が20%程度の過放電状態となり、各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電電圧V2よりも低い第3過放電電圧V3に達すると、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電力供給を停止させ、照明部3を消灯させる。これにより、非常時であっても、各蓄電池6の過放電状態に限度が与えられ、各蓄電池6の再充電が可能になる。
【0073】
次に、充放電ユニット7の制御部7a及びDC−DCコンバータ7bの構成と動作を更に詳述する。
【0074】
図8は、制御部7a及びDC−DCコンバータ7bとその周辺を概略的に示す回路図である。図8に示す様に太陽電池5の正極及び負極を制御部7aの各端子A、Gにそれぞれ接続し、各蓄電池6の正極及び負極を制御部7aの各端子B、Gにそれぞれ接続し、太陽電池5の負極、各蓄電池6の負極、及び端子Gを接地している。制御部7aでは、各端子A、B間にFETQ1と逆電流防止用のダイオードD1を直列接続して挿入しており、FETQ1を充電回路71によりオンオフ制御して、各蓄電池6を充電しつつ、各蓄電池6の過充電を防止する。
【0075】
また、照明部3の第1ランプユニット21の正極をDC−DCコンバータ7bの出力端子Dに接続し、第1ランプユニット21の負極を制御部7aの端子E、電流制限抵抗R1−1、及び端子Gを介して接地している。また、照明部3の第2ランプユニット22の正極をDC−DCコンバータ7bの出力端子Dに接続し、第2ランプユニット22の負極を制御部7aの端子F、電流制限抵抗R1−2、FETQ3、及び端子Gを介して接地している。制御部7aでは、FETQ2を端子GとDC−DCコンバータ7bの入力端子C間に挿入しており、FETQ2を点灯消灯回路72によりオンオフ制御して、DC−DCコンバータ7bから第1及び第2ランプユニット21、22への電力供給を制御し、第1及び第2ランプユニット21、22を点灯させたり消灯させ、日没から一定時間の点灯、地震発生の非常時の点灯、地震が発生していない通常時の点灯状態で各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電圧V1よりも低くなったときの消灯、及び地震発生の非常時の点灯状態で各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電圧V3よりも低くなったときの消灯等を行なう。
【0076】
尚、電流制限抵抗R1−1は、第1ランプユニット21の電流検出用の抵抗としても用いられる。第1及び第2ランプユニット21、22は、同一構成であって、同一電流が流れるため、第1ランプユニット21の電流を検出すれば、第2ランプユニット22の電流も分かる。
【0077】
更に、制御部7aでは、FETQ3を照度回路73によりオンオフ制御しており、地震発生の非常時に各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電圧V2よりも低くなると、第2ランプユニット22を消灯する。
【0078】
図9は、制御部7aの充電回路71を示す回路図である。また、図10は、充電回路71における各信号を示すタイミングチャートである。図9及び図10を参照しつつ、充電回路71の動作を説明する。
【0079】
ここでは、各蓄電池6の電圧Vbを各抵抗R3、R4により分圧し、抵抗R4の端子電圧を比較器CMP1の反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R2を調節することにより、比較器CMP1の非反転入力端子の電圧レベルを各蓄電池6の電圧Vbが満充電電圧V0に達したときの抵抗R4の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP1は、抵抗R4の端子電圧と可変抵抗器R2により設定された電圧を比較して、各蓄電池6の電圧Vbが満充電電圧V0に達したか否かを判定することができる。
【0080】
さて、各蓄電池6の電圧Vbが満充電電圧V0未満のときには、比較器CMP1の出力がハイレベルとなり、RSフリップフロップFF1の/S端子入力がハイレベルとなって、RSフリップフロップFF1のQ端子出力がローレベルに維持される。このQ端子出力のローレベルにより図8のFETQ1がオンとなり、太陽電池5から各蓄電池6への電流経路が導通し、各蓄電池6が充電される。
【0081】
時点T1で、各蓄電池6が満充電状態になり、各蓄電池6の電圧Vbが満充電電圧V0以上になると、比較器CMP1の出力がローレベルとなり、RSフリップフロップFF1の/S端子入力がローレベルとなって、RSフリップフロップFF1のQ端子出力がハイレベルになる。
【0082】
RSフリップフロップFF1のQ端子出力がハイレベルになると、図8のFETQ1がオンからオフに切り換わって、太陽電池5から各蓄電池6への電流経路が遮断される。これにより、各蓄電池6の充電が停止され、各蓄電池6の過充電が防止される。
【0083】
また、RSフリップフロップFF1のQ端子出力がハイレベルになると、発振器OSC1の/RS端子入力もハイレベルになる。これに応答して発振器OSC1は、一定周期のパルス信号の出力を開始する。そして、カウンターCNT1は、発振器OSC1からのパルス信号をバイナリーカウントする。
【0084】
次に、時点T2で、カウンターCNT1によりバイナリーカウントされている2進数計数値が予め設定された値、例えば8192(=214-1)に達すると、カウンターCNT1は、Q14端子出力をハイレベルにする。
【0085】
カウンターCNT1のQ14端子出力がハイレベルになると、ノット回路NOT1の出力がローレベルになり、RSフリップフロップFF1の/R端子入力がローレベルになって、RSフリップフロップFF1がリセットされ、RSフリップフロップFF1のQ端子出力がローレベルになる。これに伴ってRSフリップフロップFF1の/Q端子出力がハイレベルになり、この/Q端子出力のハイレベルによりカウンターCNT1がリセットされ、カウンターCNT1のQ14端子出力がローレベルに戻り、RSフリップフロップFF1の/R端子入力がハイレベルに戻る。これにより、充電回路71が元の状態に戻される。
【0086】
以降同様に、各蓄電池6が満充電状態であって、各蓄電池6の電圧Vbが満充電電圧V0以上であれば、カウンターCNT1による発振器OSC1のパルス信号の計数期間だけ、RSフリップフロップFF1のQ端子出力がハイレベルに維持されて、図8のFETQ1がオンからオフに切り換わり、各蓄電池6の充電が停止され、各蓄電池6の過充電が防止される。
【0087】
尚、各蓄電池6の充電が停止される期間は、発振器OSC1の発振周期もしくはカウンターCNT1のどの出力端子から検出するかを設定することにより調節することができる。
【0088】
図11は、制御部7aの点灯消灯回路72を示す回路図である。また、図12及び図13は、点灯消灯回路72における各信号を示すタイミングチャートである。図11、図12、及び図13を参照しつつ、点灯消灯回路72の動作を説明する。
【0089】
ここでは、各蓄電池6の電圧Vbを各抵抗R7、R8により分圧し、抵抗R8の端子電圧を比較器CMP2の反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R6を調節することにより、比較器CMP2の非反転入力端子の電圧レベルを各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1に達したときの抵抗R8の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP2は、抵抗R8の端子電圧と可変抵抗器R6により設定された電圧を比較して、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1に達したか否かを判定することができる。
【0090】
また、太陽電池5の発電電圧Vaを各抵抗R10、R11により分圧し、抵抗R11の端子電圧を比較器CMP3の非反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R12を調節することにより、比較器CMP3の反転入力端子の電圧レベルを太陽電池5の発電電圧Vaが日没後の電圧まで低下したときの抵抗R11の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP3は、可変抵抗器R12により設定された電圧と抵抗R11の端子電圧を比較して、日没後か否かを判定することができる。
【0091】
更に、地震センサ8の検出出力をローパスフィルタLPFを介して比較器CMP4の非反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R15を調節することにより、比較器CMP4の反転入力端子の電圧レベルを地震センサ8により地震が検出されたときのローパスフィルタLPFの出力レベルよりも僅かに高く設定している。従って、比較器CMP4は、可変抵抗器R15により設定された電圧とローパスフィルタLPFの出力レベルを比較して、地震が発生したか否かを判定することができる。
【0092】
また、各蓄電池6の電圧Vbを各抵抗R22、R23により分圧し、抵抗R23の端子電圧を比較器CMP6の反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R21を調節することにより、比較器CMP6の非反転入力端子の電圧レベルを各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3に達したときの抵抗R23の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP6は、抵抗R23の端子電圧と可変抵抗器R21により設定された電圧を比較して、各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3に達したか否かを判定することができる。
【0093】
また、各蓄電池6の電圧Vbを各抵抗R22、R23により分圧し、抵抗R23の端子電圧を比較器CMP6の反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R21を調節することにより、比較器CMP6の非反転入力端子の電圧レベルを各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3に達したときの抵抗R23の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP6は、抵抗R23の端子電圧と可変抵抗器R21により設定された電圧を比較して、各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3に達したか否かを判定することができる。
【0094】
さて、地震が発生していない通常時には、地震センサ8の検出出力が変化せず、比較器CMP4の出力がハイレベルとなり、RSフリップフロップFF2の/R端子入力もハイレベルとなる。このとき、RSフリップフロップFF2のQ端子出力がハイレベルであり、ノア回路NOR3の出力がローレベルに維持され続ける。
【0095】
この状態では、ノア回路NOR4の出力レベルは、ノア回路NOR3の出力がローレベルに維持されることから、ノア回路NOR2からの出力レベルのみに応答して変化する。
【0096】
図12の通常時において、昼間は、太陽電池5の発電電圧が高いことから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが高くなって、比較器CMP3の出力がハイレベルになっている。このため、ノア回路NOR2の1つの入力がハイレベルとなって、ノア回路NOR2の出力がローレベルとなり、ノア回路NOR4の出力がハイレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のハイレベルにより図8のFETQ2がオフとなり、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電流経路が遮断され、照明部3が消灯される。
【0097】
図12の時点T11(図5の時点T31に対応する)で、日没になると、太陽電池5が発電しないことから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが低くなって、比較器CMP3の出力がローレベルになり、ノア回路NOR2の1つの入力がローレベルとなる。
【0098】
このとき、各蓄電池6の充電状態が良好であれば、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1を超えていることから、比較器CMP2の出力がローレベルに維持される。また、カウンターCNT2のQ14端子出力がローレベルに初期設定されている。このため、ノア回路NOR2の他の2つの入力もローレベルとなる。
【0099】
従って、ノア回路NOR2の3つの入力がローレベルとなり、ノア回路NOR2の出力がハイレベルとなって、ノア回路NOR4の出力がローレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のローレベルにより図8のFETQ2がオンとなり、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電流経路が導通し、照明部3が点灯される。
【0100】
また、ノア回路NOR1の2つの入力もローレベルとなり、ノア回路NOR1の出力レベルがハイレベルとなって、発振器OSC2の/RS端子入力もハイレベルになり、発振器OSC2による一定周期のパルス信号の出力が開始される。そして、カウンターCNT2は、発振器OSC2からのパルス信号をバイナリーカウントする。
【0101】
次に、図12の時点T12(図5の時点T32に対応する)で、カウンターCNT2によりバイナリーカウントされている2進数計数値が予め設定された値、例えば8192(=214-1)に達すると、カウンターCNT2は、Q14端子出力をハイレベルにする。
【0102】
カウンターCNT2のQ14端子出力がハイレベルになると、ノア回路NOR2の1つの入力がハイレベルとなって、ノア回路NOR2の出力がローレベルとなり、ノア回路NOR4の出力がハイレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のハイレベルにより図8のFETQ2がオフとなり、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電流経路が遮断され、照明部3が消灯される。
【0103】
また、ノア回路NOR1の1つの入力がハイレベルとなって、ノア回路NOR1の出力がローレベルとなるので、発振器OSC2による一定周期のパルス信号の出力が停止され、カウンターCNT2のQ14端子出力のハイレベルが維持され、ノア回路NOR2のローレベルの出力、及びノア回路NOR4のハイレベルの出力も維持される。
【0104】
従って、日没になってから、カウンターCNT2による一定の計数が終了するまで、つまり日没から一定時間だけ照明部3が点灯され、この後に照明部3が消灯される。この一定の点灯時間は、先に述べた様に任意の時間に設定でき、日没から日の出までと設定することもできる。
【0105】
この後、図12の時点T13で、日の出になると、太陽電池5の発電電力が上昇することから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが高くなって、比較器CMP3の出力がハイレベルになり、このハイレベルの出力によりカウンターCNT2の計数値が初期値に戻り、カウンターCNT2の出力がローレベルに戻される。
【0106】
ただし、カウンターCNT2の出力がローレベルに戻っても、比較器CMP3の出力がハイレベルであって、ノア回路NOR2の他の1つの入力がハイレベルとなるので、ノア回路NOR2のローレベルの出力、及びノア回路NOR4のハイレベルの出力が維持され、図8のFETQ2がオフのままであり、照明部3が消灯され続ける。
【0107】
以降同様に、日々の日没毎に、日没から一定時間だけ照明部3が点灯され、この後に照明部3が消灯される。
【0108】
また、無日照の日々が連続し、照明部3の点灯により各蓄電池6の電力が消費されるばかりで、各蓄電池6の電力量が増えず、このために図12の時点T14で、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1以下になると、比較器CMP2の出力がハイレベルになる。
【0109】
この場合は、ノア回路NOR2の1つの入力がハイレベルに維持されるので、比較器CMP3の出力レベルにかかわらず、つまり昼夜にかかわらず、ノア回路NOR2のローレベルの出力、及びノア回路NOR4のハイレベルの出力が維持され、図8のFETQ2がオフのままとなり、照明部3が消灯され続ける。これにより、各蓄電池6の過放電状態が抑えられて、各蓄電池6の寿命の低下が防止される。
【0110】
次に、図13に示す様に時点T21で、地震が発生すると、地震センサ8により電流経路が繰り返し遮断され、ローパスフィルタLPFの出力レベルが低下し、比較器CMP4の出力がローレベルとなり、RSフリップフロップFF2の/R端子入力がハイレベルとなって、RSフリップフロップFF2のQ端子出力がローレベルとなり、ノア回路NOR3の1つの入力がローレベルとなる。
【0111】
このとき、夜間であれば、太陽電池5が発電しないことから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが低くなって、比較器CMP3の出力がローレベルになる。また、各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3を超えていれば、比較器CMP6の出力がローレベルに維持される。このため、ノア回路NOR3の他の2つの入力もローレベルとなる。
【0112】
従って、ノア回路NOR3の3つの入力がローレベルとなり、ノア回路NOR3の出力がハイレベルとなって、ノア回路NOR4の出力がローレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のローレベルにより図8のFETQ2がオンとなり、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電流経路が導通し、照明部3が点灯される。
【0113】
尚、DC−DCコンバータ7bは、FETQ4、リアクトル82、ダイオード83、及びコンデンサ84を備えており、図14に示す様にFETQ4をオンにして、FETQ4に電流Iq4を流し、リアクトル82にエネルギーを貯め、FETQ4をオフにして、FETQ4の電流Iq4の流れを止め、リアクトル82のエネルギーをコンデンサ84に充電し、これを繰り返して昇圧電圧を出力している。VLはリアクトル82の電圧、ILはリアクトル82の電流、ID2はダイオード83の電流、Vq4はFETQ4の電圧である。
【0114】
次に、図13の時点T22で、日の出になると、太陽電池5の発電電圧が上昇することから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが高くなって、比較器CMP3の出力がハイレベルとなり、ノア回路NOR3の他の1つの入力がハイレベルになる。このため、ノア回路NOR3の出力がローレベルとなり、ノア回路NOR4の出力がハイレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のハイレベルにより図8のFETQ2がオフとなり、照明部3が消灯される。
【0115】
また、カウンターCNT3は、比較器CMP3の出力をノット回路NOT3を介して入力しており、ノット回路NOT3の出力がハイレベルからローレベルに変化したときに計数値を歩進して、日の出の回数を計数する。
【0116】
尚、先に述べた様に昼間は、ノア回路NOR2の出力もローレベルとなることから、ノア回路NOR4の出力が必ずハイレベルとなる。
【0117】
次に、図13の時点T23で、日没になると、太陽電池5が発電しないことから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが低くなって、比較器CMP3の出力がローレベルになり、NOR3の1つの入力がローレベルとなる。
【0118】
このときにも、RSフリップフロップFF2のQ端子出力がローレベルに維持される。また、各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3を超えていれば、比較器CMP6の出力がローレベルに維持される。このため、ノア回路NOR3の他の2つの入力もローレベルとなる。
【0119】
従って、ノア回路NOR3の3つの入力がローレベルとなり、ノア回路NOR3の出力がハイレベルとなって、ノア回路NOR4の出力がローレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のローレベルにより図8のFETQ2がオンとなり、照明部3が点灯される。
【0120】
尚、地震発生の非常時にも、ノア回路NOR1、ノア回路NOR2、発振器OSC2、及びカウンターCNT2が動作しているものの、ノア回路NOR2の出力がハイレベルになっている期間は、ノア回路NOR3の出力がハイレベルに必ずなっているので、ノア回路NOR2の出力レベルを無視することができる。
【0121】
また、照明部3の点灯により各蓄電池6の電力が消費され、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1以下になり、比較器CMP2の出力がハイレベルになったときには、ノア回路NOR2の1つの入力がハイレベルになって、ノア回路NOR2の出力がローレベルになる。このとき、ノア回路NOR4の出力レベルは、ノア回路NOR2の出力がローレベルに維持されることから、ノア回路NOR3からの出力レベルのみに応答して変化する。従って、やはりノア回路NOR2の出力レベルが無視され、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1以下になっても、ノア回路NOR3からの出力レベルにより照明部3の点灯が可能である。
【0122】
次に、図13の時点T24で、日の出になると、太陽電池5の発電電圧が上昇することから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが高くなって、比較器CMP3の出力がハイレベルとなり、ノア回路NOR3の1つの入力がハイレベルになる。このため、ノア回路NOR3の出力がローレベルとなり、ノア回路NOR4の出力がハイレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のハイレベルにより図8のFETQ2がオフとなり、照明部3が消灯される。
【0123】
また、カウンターCNT3は、比較器CMP3の出力をノット回路NOT3を介して入力し、ノット回路NOT3の出力がハイレベルからローレベルに変化したときに計数値を歩進して、日の出の回数を計数する。
【0124】
以降同様に、日没になると、照明部3が点灯され、日の出になると、照明部3が消灯されて、カウンターCNT3の計数値が歩進される。
【0125】
そして、時点T25で、地震が発生してから例えば第3日目の夜が終了して、日の出になると、カウンターCNT3の計数値が予め設定された値(例えば3)に達して、カウンターCNT3の出力がハイレベルとなり、単安定発振器OSC3のA端子入力もハイレベルになり、単安定発振器OSC3からRSフリップフロップFF2の/S端子へと1つのパルス信号が加えられる。これに応答してRSフリップフロップFF2のQ端子出力がハイレベルに切り換えられる。
【0126】
これにより、以降は、ノア回路NOR3の出力がローレベルに維持され続ける。従って、ノア回路NOR4の出力レベルがノア回路NOR2からの出力レベルのみに応答して変化することになり、地震が発生していない通常時の動作に戻る。
【0127】
また、地震発生の非常時に、照明部3の点灯により各蓄電池6の電力が消費されるばかりで、各蓄電池6の電力量が増えず、このために各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3以下になると、比較器CMP6の出力がハイレベルになる。
【0128】
この場合は、ノア回路NOR3の1つの入力がハイレベルに維持されるので、比較器CMP3の出力レベルにかかわらず、つまり昼夜にかかわらず、ノア回路NOR3のローレベルの出力、及びノア回路NOR4のハイレベルの出力が維持され、図6のFETQ2がオフのままとなり、照明部3が消灯され続ける。これにより、各蓄電池6の過放電状態に限度が与えられ、各蓄電池6の再充電が可能になる。
【0129】
図15は、制御部7aの照度回路73を示す回路図である。
【0130】
この照度回路73では、各蓄電池6の電圧Vbを各抵抗R17、R18により分圧し、抵抗R18の端子電圧を比較器CMP5の非反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R19を調節することにより、比較器CMP5の反転入力端子の電圧レベルを各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電電圧V2に達したときの抵抗R18の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP5は、抵抗R18の端子電圧と可変抵抗器R19により設定された電圧を比較して、各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電電圧V2に達したか否かを判定することができる。
【0131】
先に述べた様に地震発生の非常時には、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1以下になっても、照明部3が点灯される。従って、照明部3の消費電力も増大することになり、このために短期間で各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3に達してしまい、照明部3の点灯を設定した日数期間継続することができなくなる虞がある。
【0132】
そこで、比較器CMP5は、各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電電圧V2に達すると、ハイレベルの出力をFETQ3のゲートに加えて、FETQ3をオフに切り換えて、照明部3の第2ランプユニット22の電流経路を遮断し、第2ランプユニット22を消灯させる。
【0133】
これにより、各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電電圧V2に低下してからは、照明部3の消費電力が節減され、照明装置1の照明期間を長くすることができ、大地震による停電が2〜3日程度続いても、夜の照明を繰り返すことが可能になり、人々からの期待を裏切ることがない。
【0134】
また、照度回路73には、タイマー制御回路73Aを設けている。このタイマー制御回路73Aの出力と比較器CMP5の出力は、ワイヤードオアで出力される。
【0135】
タイマー制御回路73Aは、日没か否かを示す比較器CMP3(図11に示す)の出力を入力しており、この出力がローレベルになると、図5に示す日没の時点T31からの経過時間を計時し、時点T31〜時点Taの時間帯に、ハイレベルの出力をFETQ3のゲートに加えて、FETQ3をオフに切り換え、第2ランプユニット22を消灯させる。これにより、照明部3の照度を抑えた省エネモードS1が設定される。
【0136】
そして、タイマー制御回路73Aは、図5に示す時点時点Ta〜時点Tbの時間帯に、ローレベルの出力をFETQ3のゲートに加えて、FETQ3をオンに切り換え、第2ランプユニット22を点灯させる。これにより、標準モードS2の照明が行われる。
【0137】
更に、タイマー制御回路73Aは、図5に示す時点Tb〜時点T32の時間帯に、ハイレベルの出力をFETQ3のゲートに加えて、FETQ3をオフに切り換え、第2ランプユニット22を消灯させる。これにより、標準モードS2から省エネモードS1へと再び切替えられる。
【0138】
また、タイマー制御回路73Aは、地震が発生したか否かを示すRSフリップフロップFF2のQ端子出力を入力しており、地震発生時の非常時に該出力がローレベルになると、比較器CMP3の出力がローレベルになっている間、つまり日没から日の出までの間、ローレベルの出力をFETQ3のゲートに加えて、FETQ3をオンに切り換え、第2ランプユニット22を点灯させる。これにより、地震発生時の日没から日の出までの間、標準モードS2の照明が行われる。
【0139】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、地震発生の非常時に、各蓄電池6の放電状態を検出し、この放電状態に応じて照明部3の照度を調節しても良い。これにより、照明部3の照度の上昇と、各蓄電池6の過放電状態の抑制との両立を図ることができる。
【0140】
また、照明部3の第1及び第2ランプ21、22を共に点灯させて、標準モードS2を設定したり、第1ランプ21のみを点灯させかつ第2ランプ22を消灯させて、省エネモードS1を設定しているが、この代わりにDC−DCコンバータ7bから照明部3へと供給されるパルス状電圧のデューティ比を調節することにより該各モードを切替え設定しても良い。
【0141】
また、各LEDランプの個数や配置、及びLEDランプの各LEDの個数や配置を適宜に変更しても良い。また、照明部3の照明方向を適宜に変更したり調節可能な構造を採用しても構わない。また、照明部3の照射光の色を相互に異ならせても良い。
【0142】
更に、照明部3として、LEDランプの代わりに、他の種類の光源を採用しても良い。例えば、光源として蛍光灯を採用しても構わない。この場合は、蛍光灯を点灯させるためにインバータを用い、インバータにより蛍光灯に印加される交流電圧の周波数を変更することにより、蛍光灯の照度を上昇させれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の照明装置の実施形態1を示す斜視図である。
【図2】照明部のLEDランプを示す側面図である。
【図3】太陽電池、支持枠、及びシャフト等を示す断面図である。
【図4】太陽電池、蓄電池、制御部、DC−DCコンバータ、及び地震センサを概略的に示すブロック図である。
【図5】通常時での照明部の点灯及び照度の制御過程を示すタイミングチャートである。
【図6】地震発生の非常時での照明部の点灯及び照度の制御過程を示すタイミングチャートである。
【図7】蓄電池の満充電電圧、第1過放電電圧、第2過放電電圧、及び第3過放電電圧の高低を示す図である。
【図8】制御部及びDC−DCコンバータとその周辺を概略的に示す回路図である。
【図9】制御部の充電回路を示す回路図である。
【図10】充電回路における各信号を示すタイミングチャートである。
【図11】制御部の点灯消灯回路を示す回路図である。
【図12】点灯消灯回路における通常時の各信号を示すタイミングチャートである。
【図13】点灯消灯回路における非常時の各信号を示すタイミングチャートである。
【図14】DC−DCコンバータにおける各信号を示すタイミングチャートである。
【図15】制御部の照度回路を示す回路図である。
【符号の説明】
【0144】
1 照明装置
2 支柱
3 照明部
5 太陽電池
6 蓄電池
7 充放電ユニット
7a 制御部
7b DC−DCコンバータ
8 地震センサ
11 ベースプレート
12 補強板
21 第1ランプユニット
22 第2ランプユニット
71 充電回路
72 点灯消灯回路
73 照度回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、昼間に太陽電池の発電電力により蓄電池を充電し、夜間に蓄電池の放電電力により照明を行なう照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
街路灯や常夜灯などの照明装置は、道路わき、公園、庭園等に設置されて、夜間になると点灯し、その周辺を照明する。この種の照明装置としては、商用交流電源の電力により点灯するものだけではなく、太陽電池と蓄電池を組み合わせてなる電源により点灯するものがある。
【0003】
後者の太陽電池と蓄電池を利用する照明装置は、地震等の災害により商用交流電源が停電しても、点灯が可能であるという利点を有する。尚、前者の商用交流電源を利用する照明装置にも、停電時の点灯を可能にするために蓄電池を備えるものがある。
【0004】
更に、この種の照明装置を住宅地周辺に設置する場合は、住民が就寝する頃になると点灯を停止するという光害対策を行なうこともある。
【0005】
例えば、特許文献1には、太陽電池と蓄電池を利用する照明装置が開示されている。ここでは、公園などに設置される照明装置を想定しており、通常は、昼間に太陽電池の発電電力により蓄電池を充電し、夜間に蓄電池の放電電力により照明を行っている。また、無日照の日々が連続し、蓄電池の放電による夜毎の照明が繰り返されることにより、蓄電池の電力量が50%程度に減って、蓄電池が過放電状態になったときには、夜の照明を停止して、蓄電池の寿命の低下を防止している。
【0006】
更に、この照明装置では、地震を検出する地震センサを設けており、地震センサにより地震が検出されると、地震発生直後の一夜に限り、蓄電池が50%程度の過放電状態であっても、更に蓄電池の電力量が70〜80%程度に減るまで、夜間を通しての照明を行い、避難場所などの目印としての役割を果たしている。
【特許文献1】特開平10−12017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の照明装置では、地震が検出された非常時には、照明が必ず行われるものの、この非常時の照明態様と通常時の照明態様とが同一であって、両者の間に差違が全くなかった。このため、非常時を優先して、十分な照明を設定したならば、通常時の照明が過剰となって、蓄電池の電力が浪費されてしまった。逆に、通常時を優先して、実用上差し支えない程度に照明を抑えたならば、非常時の照明が不十分になった。
【0008】
また、この種の照明装置は、その消費電力を抑えるために、日の出まで点灯されずに、夜の12時位までで消灯されるケースが多い。ところが、人々の生活が夜型にシフトする傾向にあるため、照明装置の点灯をより長時間行って、防犯効果を向上させることが要求されていた。更に、災害時に蓄電池の電力消費量を抑えつつ、照明装置をより長時間点灯することも要求されていた。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、省エネルギーで効率のよい照明を行うことができて、蓄電池の容量の目減りを抑制することができ、非常時においては目印としての役割を十分に果たすことができ、人々からの期待を裏切ることがない照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、照明部と、この照明部に電力を供給する蓄電池と、この蓄電池に充電電力を供給する太陽電池と、前記蓄電池から前記照明部への電力供給を制御する制御部とを備えた照明装置において、前記制御部は、日没を判定する判定手段を有し、この判定手段により日没が判定されると、前記蓄電池から前記照明部への電力供給を制御することにより、前記照明部を点灯させ、この日没からの経過時間に応じて前記照明部の照度を調節している。
【0011】
また、本発明においては、前記制御部は、日没からの経過時間に応じて前記照明部の照度を通常照度及び該通常照度よりも低い低照度のいずれかに設定している。
【0012】
更に、本発明においては、前記制御部は、日没からの経過時間が一定時間に達するまでは、前記照明部の照度を低照度に設定し、この後に該照明部の照度を通常照度に設定している。
【0013】
また、本発明においては、前記制御部は、前記照明部の照度を低照度から通常照度に切替え設定した後に、他の一定時間が経過すると、該照明部の照度を通常照度から低照度に再び切替え設定している。
【0014】
更に、本発明においては、前記判定手段は、前記太陽電池の出力に基づいて日没を判定している。
【0015】
また、本発明においては、地震を検出する地震センサを備え、前記制御部は、前記地震センサにより地震が検出されると、日没からの経過時間にかかわらず、前記照明部の照度を通常照度に維持し続けている。
【0016】
更に、本発明においては、前記判定手段は、日の出を判定し、前記制御部は、日没からの経過時間にかかわらず、前記照明部の照度を通常照度に維持し続けている状態を、前記判定手段により日の出が検出されたタイミングで終了している。
【0017】
また、本発明においては、照明部の光源は、LEDランプである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の照明装置によれば、蓄電池の放電を極力抑えるために、日没からの経過時間に応じて照明部の照度(照明部への供給電力)を調節している。
【0019】
例えば、日没からの経過時間に応じて、照明部の照度を通常照度に設定したり(標準モードと称す)、照明部の照度を該通常照度よりも低い低照度に設定している(省エネモードと称す)。
【0020】
日没直後は、まだ空がうっすらと明るく、周囲も完全には暗くならないので、あまり高い照度の照明を必要としない。そこで、日没から一定時間までは、省エネモードを設定して、蓄電池の放電を抑えながら照明を行う。
【0021】
そして、日没から一定時間以上が経ち、周辺が完全に暗くなったときには、省エネモードから標準モードへと切替え設定し、蓄電池から照明部へと十分な電力を供給して、十分な照明を行い、人々に安心感を与える。
【0022】
更に、夜が完全に深まり、人々の活動が終わろうとするときには、標準モードから省エネモードへと再び切替え設定して、蓄電池の放電を抑えながら辺りを照明し、防犯効果を維持する。この種の従来の照明装置では、真夜中の人が少ない時間帯になると、消灯されることが多く、防犯効果を全く期待することができなかった。これに対して本発明では、標準モードから省エネモードへと再び切替え設定しているので、蓄電池の放電を抑えながら長時間の照明を行うことができるようになり、防犯の役割を存分に果たすことができる。
【0023】
尚、省エネモード及び標準モードのそれぞれの時間を変更可能にして、様々な用途に応じることができる様にしても良い。
【0024】
日没の判定は、太陽電池の出力に基づいて行うことができる。勿論、日没や日の出の判定専用の光センサを用いたり、時刻を基準にして日没や日の出を判定しても良い。
【0025】
また、地震センサにより地震が検出されると、日没からの経過時間にかかわらず、標準モードを設定しているので、非常時の照明が不足する様なことはない。
【0026】
そして、この非常時の照明を日の出のタイミングで終了している。これにより、周囲の人々に違和感を与えずに済む。
【0027】
また、照明部の光源として、消費電力が低いLEDランプを用いている。このLEDランプの印加電圧を日没直後と深夜に制御して、消費電力を抑えた省エネモードで点灯させ、効率のよい照明を行うことができる。更に、太陽電池と蓄電池の組み合わせからなる電源の電力を有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の照明装置の実施形態1を示す斜視図である。本実施形態の照明装置1は、道路わき、公園、庭園等に設置されて、夜間になると点灯し、その周辺を照明する。
【0030】
この照明装置1では、支柱2の上部に照明部3及び太陽電池5を設け、支柱2内に複数の蓄電池6及び充放電ユニット7を縦に並べて収容し、支柱2内の下部に地震センサ8を配置している。充放電ユニット7は、制御部7a及びDC−DCコンバータ7bを備えており、太陽電池5の発電電力を各蓄電池6に充電したり、各蓄電池6の電力を照明部3に供給して、照明部3を点灯させる。地震センサ8は、例えば鋼球を利用した周知の水平感震センサである。
【0031】
支柱2は、厚さ2mmのステンレス鋼板を板金加工して形成したものであり、四角柱状の中空である。また、ベースプレート11及び各補強板12は、ステンレス鋼板を切断加工したものである。
【0032】
支柱2をベースプレート11の孔11aに通して、支柱2の下端より1mの箇所にベースプレート11を固定し、支柱2の各側壁とベースプレート11を4個の補強板12により連結して、支柱2にベースプレート11を強固に取り付けている。支柱2、ベースプレート11、及び各補強板12は、溶接もしくはネジ止めにより相互に固定される。
【0033】
支柱2の上部は、折れ曲がっており、折り曲げられた箇所の上側が傾斜頭部2aとなり、下側が垂直胴部2bとなっている。
【0034】
照明部3は、傾斜頭部2aの3個のLEDランプ21aからなる第1ランプユニット21と、同じく傾斜頭部2aの3個のLEDランプ22aからなる第2ランプユニット22とを備える。各LEDランプ21a、22aは、同一構造であり、図2に示す様に18個のLED23を基板24上で円や多角形のラインに沿って幾何学的に配列し、各LED23及び基板24を散光球体25により覆い、散光球体25の開口端25aに口金26を固定したものである。各LED23は、基板24の配線パターンにより相互に接続され、更に基板24を介して口金26に接続されている。散光球体25は、例えばガラス球体の表面に散光性粒子を塗布したものであり、各LED23からの光を散乱させる。各LED23は、例えば半値全幅が10度程度であり、照明方向の指向性が狭いものの、それらの光が散光球体25により散乱される。このため、各LEDランプ21a、22aとしての指向性は広くなる。
【0035】
支柱2の傾斜頭部2aの下側壁板2cに6つの円形の孔27を設け、各孔27の奥にそれぞれのソケット(図示せず)を配列し固定している。各LEDランプ21a、22aを各孔27に通して、各LEDランプ21a、22aの口金26をそれぞれのソケットに差し込んで接続し、各LEDランプ21a、22aの全てのLED23を各ソケットに接続する。
【0036】
この状態では、各LEDランプ21a、22aは、20乃至30度で傾斜している傾斜頭部2aに対して直交する方向に向き、支柱2の前方近傍に向く。従って、照明部3は、第1及び第2ランプユニット21、22により支柱2の前方近傍を照明する。
【0037】
また、各LEDランプ21a、22aが18個のLED23からなることから、照明部3の消費電力が数W程度に過ぎず、消費電力を低減することができる。このため、各蓄電池6として、2乃至6個の12V長寿命蓄電池を適用すれば、太陽電池5と各蓄電池6との組み合わせからなる電源により、日照時間が殆ど無くても、5乃至10日にわたって、照明部3を点灯させることが可能になる。このため、照明装置1は、単なる照明としてだけではなく、案内灯、保安灯、地震等の災害時の非常灯などの役目も果たすことができる。
【0038】
太陽電池5は、支持枠41により支持されており、この支持枠41が支柱2の垂直胴部2b上端に突設されたシャフト42により回転自在に支持されている。
【0039】
図3は、太陽電池5、支持枠41、及びシャフト42等を示す断面図である。太陽電池5は、20乃至30年の耐用期間を持つものであり、例えば単結晶又は多結晶の太陽電池セルを太陽光透過率の高い強化ガラス裏面に実装支持し、耐候性白色フィルムを貼り合わせて、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)やシリコーン樹脂等により補強し、更にコネクタボックス5aを取り付けたものである。支持枠41は、ステンレス鋼を板金加工して形成されたものであり、太陽電池5の縁を引っ掛けて支持している。また、支持枠41の中央部が下方に膨らんで中空となっており、太陽電池5並びに支持枠41の構造強度を増すと共に、デザイン的にも変化を設けている。ここに太陽電池5のコネクタボックス5aが収納されている。更に、支持枠41裏面には、太陽電池5の受光面に対して70度〜45度傾けて筒状のシャフト受け43を突設している。
【0040】
支持枠41は、その裏面のシャフト受け43を支柱2の垂直胴部2b上端のシャフト42に嵌め込むことにより回転自在に支持される。受光面に対して70度の状態では、太陽電池5の受光面が水平方向に対して20度傾く。この20度の傾きは、山影、至近の建物、構造物等により受光障害が多く発生するなど照明装置1の設置環境が悪く、太陽からの直接光が支柱2の上部の太陽電池5に殆ど入射しないときに、この直接光に代わって、空からの間接光を太陽電池5により多く入射させるために設定される。
【0041】
また、照明装置1の設置環境が良く、太陽からの直接光が支柱2上部の太陽電池5に入射するときには、太陽電池5の受光面を水平方向に対して略35度傾けるのが良い。
【0042】
冬季多少の積雪がある地域、及び年間を通してのもしくは12月や1月等の日射量が極端に少ない地域などでは、積雪の滑雪効果も増大する略45度傾けるのが良い。
【0043】
更に、支持枠41を回転させて、太陽電池5による発電電力が最も大きくなる様に太陽電池5を南の方向近辺に向ける。
【0044】
次に、太陽電池5、各蓄電池6、充放電ユニット7、及び地震センサ8について述べる。
【0045】
図4は、太陽電池5、各蓄電池6、充放電ユニット7の制御部7aとDC−DCコンバータ7b、及び地震センサ8を概略的に示すブロック図である。ここで、太陽電池5の発電電力は、制御部7aに供給される。制御部7aは、太陽電池5の発電電力を各蓄電池6に充電する。また、日没後には、太陽電池5の発電電圧Vaが低下することから、制御部7aは、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vn以下となる日没を感知し、各蓄電池6の電圧をDC−DCコンバータ7bを介して照明部3に印加し、照明部3を点灯させる。更に、制御部7aは、日没からの経過時間を計時し、この経過時間に応じて照明部3の照度を調節して、消費電力を抑える。
【0046】
図5は、充電ユニット7の制御部7aによる照明部3の点灯及び照度の制御過程を示すタイミングチャートである。
【0047】
制御部7aは、日没になると照明部3を点灯している。また、各蓄電池6の放電を極力抑えるために、日没からの経過時間に応じて照明部3の照度(照明部3への供給電力)を調節している。例えば、日没からの経過時間に応じて、照明部3の照度を通常照度に設定したり(標準モードS2と称す)、照明部3の照度を該通常照度よりも低い低照度に設定している(省エネモードS1と称す)。
【0048】
この照明部3の照度(照明部3の供給電力)の調節は、例えば照明部3の第1及び第2ランプ21、22を共に点灯させたり、第1ランプ21のみを点灯させかつ第2ランプ22を消灯させることにより行うことができる。あるいは、DC−DCコンバータ7bから照明部3へと供給されるパルス状電圧のデューティ比を調節することにより行うことができる。
【0049】
さて、制御部7aは、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vn以下となる日没を感知すると、各蓄電池6の電圧をDC−DCコンバータ7bを介して照明部3に印加して、照明部3を点灯させる。そして、制御部7aは、日没の時点T31からの経過時間(照明部3の点灯時間)を計時し、この計時した経過時間が一定時間に達して、時点Taとなるまでは、すなわち日が暮れた直後でまだ周辺が明るく強い照明が必要でない時点T31〜時点Taの時間帯には、照明部3の照度を抑えた省エネモードS1を設定し、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑える。
【0050】
次に、制御部7aは、日没から計時した経過時間が一定時間に達して、時点Taになると、省エネモードS1から標準モードS2へと切替え設定して、照明部3の照度を十分なレベルに増大させる。これにより、周辺が暗くなっても、照明装置1の照度が増大して、照明装置1の周囲が明るくなり、人々に安心感が与えられる。ただし、照明部3の消費電力が増大し、各蓄電池6の放電量も増大する。
【0051】
更に、制御部7aは、時点Taから他の一定時間が経過して、時点Tbとなると、この時点Tbより時点T32に達するまでは、すなわち夜が完全に深まり、人々の生活も終わろうとする時点Tb〜時点T32の時間帯には、標準モードS2から省エネモードS1へと再び切替え設定し、照明部3の照度を抑え、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑える。
【0052】
そして、制御部7aは、時点T32以降で照明部3を消灯させ、無駄な電力の消費を防止している。
【0053】
この様に日が暮れた直後でまだ周辺が明るい時間帯には、照明部3の照度を抑えた省エネモードS1を設定して、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑えている。そして、周辺が暗くなると、省エネモードS1から標準モードS2へと切替え設定して、照明部3の照度を十分なレベルに増大させ、人々に安心感を与えている。更に、夜が完全に深まり、人々の生活も終わろうとする時間帯には、標準モードS2から省エネモードS1へと再び切替え設定し、照明部3の照度を抑え、照明部3の消費電力を低減させ、各蓄電池6の放電量を抑えている。
【0054】
尚、照明装置1の保安灯や非常灯としての役目を重視する場合は、明け方近くまで、蓄電池5の残存電力が一定値を下回らない範囲で、省エネモードS1での照明を継続しても良い。
【0055】
あるいは、省エネモードS1の照明が行われる時点T31〜時点Taまでの時間帯及び時点Tb〜時点T32までの時間帯や、標準モードS2での照明が行われる時点Ta〜時点Tbまでの時間帯は、使用用途に合わせて変更してもよい。また、照明部3の消灯を日の出の時点T33まで延長することによって、照明部3を終夜点灯させることもできる。日の出の判定は、日没と同様に、太陽電池5の発電電圧に基づいて行えば良い。
【0056】
次に、地震が発生した非常時での照明部の点灯及び照度の制御過程を述べる。
【0057】
通常時には、図5のタイミングチャートに示す点灯及び照度の制御を行っていても、地震が発生した非常時には、図5の点灯及び照度の制御の代わりに、図6のタイミングチャートに示す点灯及び照度の制御を行う。
【0058】
すなわち、制御部7aは、地震センサ8の検出出力に基づいて地震が発生したか否かを判定し、地震が発生したと判定すると、図5のタイミングチャートに示す点灯制御の代わりに、図6(b)〜(e)のいずれかのタイミングチャートに示す点灯制御を行う。
【0059】
図6(a)は日没から日の出までを示すタイミングチャートであり、また図6(b)〜(e)は地震発生の様々なタイミングに応じたそれぞれの制御過程を示している。
【0060】
まず、図6(b)に示す様に日中の時点T41に地震が発生したものとする。この場合は、制御部7aは、日中の時点T41で、地震センサ8の検出出力に基づいて地震が発生したものと判定する。そして、制御部7aは、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vn以下となる日没を感知すると、各蓄電池6の電圧をDC−DCコンバータ7bを介して照明部3に印加して、照明部3を点灯させ、標準モードS2を設定する。更に、制御部7aは、時点T42で、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vnを超える日の出を感知すると、各蓄電池6から照明部3への電力供給を停止して、照明部3を消灯させる。
【0061】
また、図6(c)に示す様に照明部3の照明が終了した時点T32以降であってかつ日の出前の時点T41に地震が発生した場合は、制御部7aは、時点T41で、震センサ8の検出出力に基づいて地震が発生したものと判定し、このときに太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vn以下であることから、各蓄電池6から照明部3への電力供給を開始して、照明部3を点灯させ、標準モードS2を設定する。そして、制御部7aは、時点T42で、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vnを超える日の出を感知すると、各蓄電池6から照明部3への電力供給を停止して、照明部3を消灯させる。
【0062】
更に、図6(d)又は(e)に示す様に標準モードS2又は省エネモードS1での照明が行われている夜間の時点T41に地震が発生した場合は、制御部7aは、この夜間の時点T41で、地震センサ8の検出出力に基づいて地震が発生したものと判定し、標準モードS2を継続設定するか、あるいは省エネモードS1から標準モードS2へと切替え設定する。そして、制御部7aは、時点T42で、太陽電池5の発電電圧Vaが一定の電圧Vnを超える日の出を感知すると、各蓄電池6から照明部3への電力供給を停止する。
【0063】
従って、地震が起きた場合は、標準モードS2での照明が行われることになる。このため、照明装置1は、案内灯、保安灯、地震等の災害時の非常灯などの役目も果たすことができる。
【0064】
また、地震が起きたときには、停電が数日に及ぶことがある。このため、制御部7aは、地震発生の日と同様に、例えば翌々日の日没から日の出まで標準モードS2での照明を行う。これにより、地震発生の非常時には、照明装置1による明るい夜間照明が3日続けられることになり、人々に与える印象が大きくなり、照明装置1の避難場所などの目印としての役割を十分に果たすことができる。例えば、照明装置1が公園に設置されている場合は、多くの人々に対して公園が避難場所であることを知らせることができる。
【0065】
次に、各蓄電池6から照明部3への電力供給の制御を説明する。
【0066】
照明装置1では、照明部3の点灯及び照度を制御するだけではなく、各蓄電池6の充電状態に応じて各蓄電池6から照明部3への電力供給を制御し、各蓄電池6の過放電や寿命の低下を防止している。
【0067】
制御部7aは、各蓄電池6の電圧Vbと、図7に示す様な予め設定された満充電電圧V0、第1過放電電圧V1、第2過放電電圧V2、及び第3過放電電圧V3とを比較し、この比較結果に基づいて各蓄電池6の充電もしくは放電状態を管理しつつ、各蓄電池6の寿命の低下を防止している。
【0068】
例えば、昼間に、太陽電池5から各蓄電池6への充電が無制限に行われると、各蓄電池6が過充電状態となって、各蓄電池6の寿命が低下することがある。このため、充制御部7aは、各蓄電池6が満充電状態となって、各蓄電池6の電圧Vbが上昇して満充電電圧V0に達すると、各蓄電池6の充電を停止して、各蓄電池6の寿命の低下を防止している。
【0069】
また、夜間に、各蓄電池6から照明部3への電力供給が無制限に行われると、各蓄電池6の過放電状態が進行して、各蓄電池6の寿命が低下する。このため、充制御部7aは、各蓄電池6が50%程度の過放電状態となり、各蓄電池6の電圧Vbが低下して第1過放電圧V1に達すると、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電力供給を停止する。これにより、各蓄電池6の過放電状態を抑えて、各蓄電池6の寿命の低下を防止することができる。
【0070】
また、地震が検出された非常時には、照明装置1の照明が必要であって、このときの照明が各蓄電池6の寿命低下よりも優先される。このため、充制御部7aは、地震センサ8の検出出力に基づいて地震が発生したと判定すると、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電圧V1に達しても、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電力供給を継続して、照明部3を点灯させる。
【0071】
更に、地震が検出された非常時に、例えば消費電力が比較的多くなる標準モードS2での照明部3の照明を行っている状態では、各蓄電池6の電力供給量が多く、照明装置1の照明期間が短くなってしまう。このため、制御部7aは、各蓄電池6が40%程度の過放電状態となって、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電圧V1よりも低い第2過放電電圧V2に達すると、照明部3の第2ランプユニット22のみを消灯して、照明部3の照度を通常よりも低く抑える。これにより、非常時の照明部3の消費電力が低減され、照明装置1の照明期間を延長させることができる。
【0072】
そして、制御部7aは、各蓄電池6から照明部3への電力供給が続行されて、各蓄電池6が20%程度の過放電状態となり、各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電電圧V2よりも低い第3過放電電圧V3に達すると、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電力供給を停止させ、照明部3を消灯させる。これにより、非常時であっても、各蓄電池6の過放電状態に限度が与えられ、各蓄電池6の再充電が可能になる。
【0073】
次に、充放電ユニット7の制御部7a及びDC−DCコンバータ7bの構成と動作を更に詳述する。
【0074】
図8は、制御部7a及びDC−DCコンバータ7bとその周辺を概略的に示す回路図である。図8に示す様に太陽電池5の正極及び負極を制御部7aの各端子A、Gにそれぞれ接続し、各蓄電池6の正極及び負極を制御部7aの各端子B、Gにそれぞれ接続し、太陽電池5の負極、各蓄電池6の負極、及び端子Gを接地している。制御部7aでは、各端子A、B間にFETQ1と逆電流防止用のダイオードD1を直列接続して挿入しており、FETQ1を充電回路71によりオンオフ制御して、各蓄電池6を充電しつつ、各蓄電池6の過充電を防止する。
【0075】
また、照明部3の第1ランプユニット21の正極をDC−DCコンバータ7bの出力端子Dに接続し、第1ランプユニット21の負極を制御部7aの端子E、電流制限抵抗R1−1、及び端子Gを介して接地している。また、照明部3の第2ランプユニット22の正極をDC−DCコンバータ7bの出力端子Dに接続し、第2ランプユニット22の負極を制御部7aの端子F、電流制限抵抗R1−2、FETQ3、及び端子Gを介して接地している。制御部7aでは、FETQ2を端子GとDC−DCコンバータ7bの入力端子C間に挿入しており、FETQ2を点灯消灯回路72によりオンオフ制御して、DC−DCコンバータ7bから第1及び第2ランプユニット21、22への電力供給を制御し、第1及び第2ランプユニット21、22を点灯させたり消灯させ、日没から一定時間の点灯、地震発生の非常時の点灯、地震が発生していない通常時の点灯状態で各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電圧V1よりも低くなったときの消灯、及び地震発生の非常時の点灯状態で各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電圧V3よりも低くなったときの消灯等を行なう。
【0076】
尚、電流制限抵抗R1−1は、第1ランプユニット21の電流検出用の抵抗としても用いられる。第1及び第2ランプユニット21、22は、同一構成であって、同一電流が流れるため、第1ランプユニット21の電流を検出すれば、第2ランプユニット22の電流も分かる。
【0077】
更に、制御部7aでは、FETQ3を照度回路73によりオンオフ制御しており、地震発生の非常時に各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電圧V2よりも低くなると、第2ランプユニット22を消灯する。
【0078】
図9は、制御部7aの充電回路71を示す回路図である。また、図10は、充電回路71における各信号を示すタイミングチャートである。図9及び図10を参照しつつ、充電回路71の動作を説明する。
【0079】
ここでは、各蓄電池6の電圧Vbを各抵抗R3、R4により分圧し、抵抗R4の端子電圧を比較器CMP1の反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R2を調節することにより、比較器CMP1の非反転入力端子の電圧レベルを各蓄電池6の電圧Vbが満充電電圧V0に達したときの抵抗R4の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP1は、抵抗R4の端子電圧と可変抵抗器R2により設定された電圧を比較して、各蓄電池6の電圧Vbが満充電電圧V0に達したか否かを判定することができる。
【0080】
さて、各蓄電池6の電圧Vbが満充電電圧V0未満のときには、比較器CMP1の出力がハイレベルとなり、RSフリップフロップFF1の/S端子入力がハイレベルとなって、RSフリップフロップFF1のQ端子出力がローレベルに維持される。このQ端子出力のローレベルにより図8のFETQ1がオンとなり、太陽電池5から各蓄電池6への電流経路が導通し、各蓄電池6が充電される。
【0081】
時点T1で、各蓄電池6が満充電状態になり、各蓄電池6の電圧Vbが満充電電圧V0以上になると、比較器CMP1の出力がローレベルとなり、RSフリップフロップFF1の/S端子入力がローレベルとなって、RSフリップフロップFF1のQ端子出力がハイレベルになる。
【0082】
RSフリップフロップFF1のQ端子出力がハイレベルになると、図8のFETQ1がオンからオフに切り換わって、太陽電池5から各蓄電池6への電流経路が遮断される。これにより、各蓄電池6の充電が停止され、各蓄電池6の過充電が防止される。
【0083】
また、RSフリップフロップFF1のQ端子出力がハイレベルになると、発振器OSC1の/RS端子入力もハイレベルになる。これに応答して発振器OSC1は、一定周期のパルス信号の出力を開始する。そして、カウンターCNT1は、発振器OSC1からのパルス信号をバイナリーカウントする。
【0084】
次に、時点T2で、カウンターCNT1によりバイナリーカウントされている2進数計数値が予め設定された値、例えば8192(=214-1)に達すると、カウンターCNT1は、Q14端子出力をハイレベルにする。
【0085】
カウンターCNT1のQ14端子出力がハイレベルになると、ノット回路NOT1の出力がローレベルになり、RSフリップフロップFF1の/R端子入力がローレベルになって、RSフリップフロップFF1がリセットされ、RSフリップフロップFF1のQ端子出力がローレベルになる。これに伴ってRSフリップフロップFF1の/Q端子出力がハイレベルになり、この/Q端子出力のハイレベルによりカウンターCNT1がリセットされ、カウンターCNT1のQ14端子出力がローレベルに戻り、RSフリップフロップFF1の/R端子入力がハイレベルに戻る。これにより、充電回路71が元の状態に戻される。
【0086】
以降同様に、各蓄電池6が満充電状態であって、各蓄電池6の電圧Vbが満充電電圧V0以上であれば、カウンターCNT1による発振器OSC1のパルス信号の計数期間だけ、RSフリップフロップFF1のQ端子出力がハイレベルに維持されて、図8のFETQ1がオンからオフに切り換わり、各蓄電池6の充電が停止され、各蓄電池6の過充電が防止される。
【0087】
尚、各蓄電池6の充電が停止される期間は、発振器OSC1の発振周期もしくはカウンターCNT1のどの出力端子から検出するかを設定することにより調節することができる。
【0088】
図11は、制御部7aの点灯消灯回路72を示す回路図である。また、図12及び図13は、点灯消灯回路72における各信号を示すタイミングチャートである。図11、図12、及び図13を参照しつつ、点灯消灯回路72の動作を説明する。
【0089】
ここでは、各蓄電池6の電圧Vbを各抵抗R7、R8により分圧し、抵抗R8の端子電圧を比較器CMP2の反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R6を調節することにより、比較器CMP2の非反転入力端子の電圧レベルを各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1に達したときの抵抗R8の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP2は、抵抗R8の端子電圧と可変抵抗器R6により設定された電圧を比較して、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1に達したか否かを判定することができる。
【0090】
また、太陽電池5の発電電圧Vaを各抵抗R10、R11により分圧し、抵抗R11の端子電圧を比較器CMP3の非反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R12を調節することにより、比較器CMP3の反転入力端子の電圧レベルを太陽電池5の発電電圧Vaが日没後の電圧まで低下したときの抵抗R11の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP3は、可変抵抗器R12により設定された電圧と抵抗R11の端子電圧を比較して、日没後か否かを判定することができる。
【0091】
更に、地震センサ8の検出出力をローパスフィルタLPFを介して比較器CMP4の非反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R15を調節することにより、比較器CMP4の反転入力端子の電圧レベルを地震センサ8により地震が検出されたときのローパスフィルタLPFの出力レベルよりも僅かに高く設定している。従って、比較器CMP4は、可変抵抗器R15により設定された電圧とローパスフィルタLPFの出力レベルを比較して、地震が発生したか否かを判定することができる。
【0092】
また、各蓄電池6の電圧Vbを各抵抗R22、R23により分圧し、抵抗R23の端子電圧を比較器CMP6の反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R21を調節することにより、比較器CMP6の非反転入力端子の電圧レベルを各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3に達したときの抵抗R23の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP6は、抵抗R23の端子電圧と可変抵抗器R21により設定された電圧を比較して、各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3に達したか否かを判定することができる。
【0093】
また、各蓄電池6の電圧Vbを各抵抗R22、R23により分圧し、抵抗R23の端子電圧を比較器CMP6の反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R21を調節することにより、比較器CMP6の非反転入力端子の電圧レベルを各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3に達したときの抵抗R23の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP6は、抵抗R23の端子電圧と可変抵抗器R21により設定された電圧を比較して、各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3に達したか否かを判定することができる。
【0094】
さて、地震が発生していない通常時には、地震センサ8の検出出力が変化せず、比較器CMP4の出力がハイレベルとなり、RSフリップフロップFF2の/R端子入力もハイレベルとなる。このとき、RSフリップフロップFF2のQ端子出力がハイレベルであり、ノア回路NOR3の出力がローレベルに維持され続ける。
【0095】
この状態では、ノア回路NOR4の出力レベルは、ノア回路NOR3の出力がローレベルに維持されることから、ノア回路NOR2からの出力レベルのみに応答して変化する。
【0096】
図12の通常時において、昼間は、太陽電池5の発電電圧が高いことから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが高くなって、比較器CMP3の出力がハイレベルになっている。このため、ノア回路NOR2の1つの入力がハイレベルとなって、ノア回路NOR2の出力がローレベルとなり、ノア回路NOR4の出力がハイレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のハイレベルにより図8のFETQ2がオフとなり、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電流経路が遮断され、照明部3が消灯される。
【0097】
図12の時点T11(図5の時点T31に対応する)で、日没になると、太陽電池5が発電しないことから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが低くなって、比較器CMP3の出力がローレベルになり、ノア回路NOR2の1つの入力がローレベルとなる。
【0098】
このとき、各蓄電池6の充電状態が良好であれば、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1を超えていることから、比較器CMP2の出力がローレベルに維持される。また、カウンターCNT2のQ14端子出力がローレベルに初期設定されている。このため、ノア回路NOR2の他の2つの入力もローレベルとなる。
【0099】
従って、ノア回路NOR2の3つの入力がローレベルとなり、ノア回路NOR2の出力がハイレベルとなって、ノア回路NOR4の出力がローレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のローレベルにより図8のFETQ2がオンとなり、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電流経路が導通し、照明部3が点灯される。
【0100】
また、ノア回路NOR1の2つの入力もローレベルとなり、ノア回路NOR1の出力レベルがハイレベルとなって、発振器OSC2の/RS端子入力もハイレベルになり、発振器OSC2による一定周期のパルス信号の出力が開始される。そして、カウンターCNT2は、発振器OSC2からのパルス信号をバイナリーカウントする。
【0101】
次に、図12の時点T12(図5の時点T32に対応する)で、カウンターCNT2によりバイナリーカウントされている2進数計数値が予め設定された値、例えば8192(=214-1)に達すると、カウンターCNT2は、Q14端子出力をハイレベルにする。
【0102】
カウンターCNT2のQ14端子出力がハイレベルになると、ノア回路NOR2の1つの入力がハイレベルとなって、ノア回路NOR2の出力がローレベルとなり、ノア回路NOR4の出力がハイレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のハイレベルにより図8のFETQ2がオフとなり、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電流経路が遮断され、照明部3が消灯される。
【0103】
また、ノア回路NOR1の1つの入力がハイレベルとなって、ノア回路NOR1の出力がローレベルとなるので、発振器OSC2による一定周期のパルス信号の出力が停止され、カウンターCNT2のQ14端子出力のハイレベルが維持され、ノア回路NOR2のローレベルの出力、及びノア回路NOR4のハイレベルの出力も維持される。
【0104】
従って、日没になってから、カウンターCNT2による一定の計数が終了するまで、つまり日没から一定時間だけ照明部3が点灯され、この後に照明部3が消灯される。この一定の点灯時間は、先に述べた様に任意の時間に設定でき、日没から日の出までと設定することもできる。
【0105】
この後、図12の時点T13で、日の出になると、太陽電池5の発電電力が上昇することから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが高くなって、比較器CMP3の出力がハイレベルになり、このハイレベルの出力によりカウンターCNT2の計数値が初期値に戻り、カウンターCNT2の出力がローレベルに戻される。
【0106】
ただし、カウンターCNT2の出力がローレベルに戻っても、比較器CMP3の出力がハイレベルであって、ノア回路NOR2の他の1つの入力がハイレベルとなるので、ノア回路NOR2のローレベルの出力、及びノア回路NOR4のハイレベルの出力が維持され、図8のFETQ2がオフのままであり、照明部3が消灯され続ける。
【0107】
以降同様に、日々の日没毎に、日没から一定時間だけ照明部3が点灯され、この後に照明部3が消灯される。
【0108】
また、無日照の日々が連続し、照明部3の点灯により各蓄電池6の電力が消費されるばかりで、各蓄電池6の電力量が増えず、このために図12の時点T14で、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1以下になると、比較器CMP2の出力がハイレベルになる。
【0109】
この場合は、ノア回路NOR2の1つの入力がハイレベルに維持されるので、比較器CMP3の出力レベルにかかわらず、つまり昼夜にかかわらず、ノア回路NOR2のローレベルの出力、及びノア回路NOR4のハイレベルの出力が維持され、図8のFETQ2がオフのままとなり、照明部3が消灯され続ける。これにより、各蓄電池6の過放電状態が抑えられて、各蓄電池6の寿命の低下が防止される。
【0110】
次に、図13に示す様に時点T21で、地震が発生すると、地震センサ8により電流経路が繰り返し遮断され、ローパスフィルタLPFの出力レベルが低下し、比較器CMP4の出力がローレベルとなり、RSフリップフロップFF2の/R端子入力がハイレベルとなって、RSフリップフロップFF2のQ端子出力がローレベルとなり、ノア回路NOR3の1つの入力がローレベルとなる。
【0111】
このとき、夜間であれば、太陽電池5が発電しないことから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが低くなって、比較器CMP3の出力がローレベルになる。また、各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3を超えていれば、比較器CMP6の出力がローレベルに維持される。このため、ノア回路NOR3の他の2つの入力もローレベルとなる。
【0112】
従って、ノア回路NOR3の3つの入力がローレベルとなり、ノア回路NOR3の出力がハイレベルとなって、ノア回路NOR4の出力がローレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のローレベルにより図8のFETQ2がオンとなり、各蓄電池6からDC−DCコンバータ7bを介して照明部3への電流経路が導通し、照明部3が点灯される。
【0113】
尚、DC−DCコンバータ7bは、FETQ4、リアクトル82、ダイオード83、及びコンデンサ84を備えており、図14に示す様にFETQ4をオンにして、FETQ4に電流Iq4を流し、リアクトル82にエネルギーを貯め、FETQ4をオフにして、FETQ4の電流Iq4の流れを止め、リアクトル82のエネルギーをコンデンサ84に充電し、これを繰り返して昇圧電圧を出力している。VLはリアクトル82の電圧、ILはリアクトル82の電流、ID2はダイオード83の電流、Vq4はFETQ4の電圧である。
【0114】
次に、図13の時点T22で、日の出になると、太陽電池5の発電電圧が上昇することから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが高くなって、比較器CMP3の出力がハイレベルとなり、ノア回路NOR3の他の1つの入力がハイレベルになる。このため、ノア回路NOR3の出力がローレベルとなり、ノア回路NOR4の出力がハイレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のハイレベルにより図8のFETQ2がオフとなり、照明部3が消灯される。
【0115】
また、カウンターCNT3は、比較器CMP3の出力をノット回路NOT3を介して入力しており、ノット回路NOT3の出力がハイレベルからローレベルに変化したときに計数値を歩進して、日の出の回数を計数する。
【0116】
尚、先に述べた様に昼間は、ノア回路NOR2の出力もローレベルとなることから、ノア回路NOR4の出力が必ずハイレベルとなる。
【0117】
次に、図13の時点T23で、日没になると、太陽電池5が発電しないことから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが低くなって、比較器CMP3の出力がローレベルになり、NOR3の1つの入力がローレベルとなる。
【0118】
このときにも、RSフリップフロップFF2のQ端子出力がローレベルに維持される。また、各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3を超えていれば、比較器CMP6の出力がローレベルに維持される。このため、ノア回路NOR3の他の2つの入力もローレベルとなる。
【0119】
従って、ノア回路NOR3の3つの入力がローレベルとなり、ノア回路NOR3の出力がハイレベルとなって、ノア回路NOR4の出力がローレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のローレベルにより図8のFETQ2がオンとなり、照明部3が点灯される。
【0120】
尚、地震発生の非常時にも、ノア回路NOR1、ノア回路NOR2、発振器OSC2、及びカウンターCNT2が動作しているものの、ノア回路NOR2の出力がハイレベルになっている期間は、ノア回路NOR3の出力がハイレベルに必ずなっているので、ノア回路NOR2の出力レベルを無視することができる。
【0121】
また、照明部3の点灯により各蓄電池6の電力が消費され、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1以下になり、比較器CMP2の出力がハイレベルになったときには、ノア回路NOR2の1つの入力がハイレベルになって、ノア回路NOR2の出力がローレベルになる。このとき、ノア回路NOR4の出力レベルは、ノア回路NOR2の出力がローレベルに維持されることから、ノア回路NOR3からの出力レベルのみに応答して変化する。従って、やはりノア回路NOR2の出力レベルが無視され、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1以下になっても、ノア回路NOR3からの出力レベルにより照明部3の点灯が可能である。
【0122】
次に、図13の時点T24で、日の出になると、太陽電池5の発電電圧が上昇することから、比較器CMP3の非反転入力端子の電圧レベルが高くなって、比較器CMP3の出力がハイレベルとなり、ノア回路NOR3の1つの入力がハイレベルになる。このため、ノア回路NOR3の出力がローレベルとなり、ノア回路NOR4の出力がハイレベルとなる。このノア回路NOR4の出力のハイレベルにより図8のFETQ2がオフとなり、照明部3が消灯される。
【0123】
また、カウンターCNT3は、比較器CMP3の出力をノット回路NOT3を介して入力し、ノット回路NOT3の出力がハイレベルからローレベルに変化したときに計数値を歩進して、日の出の回数を計数する。
【0124】
以降同様に、日没になると、照明部3が点灯され、日の出になると、照明部3が消灯されて、カウンターCNT3の計数値が歩進される。
【0125】
そして、時点T25で、地震が発生してから例えば第3日目の夜が終了して、日の出になると、カウンターCNT3の計数値が予め設定された値(例えば3)に達して、カウンターCNT3の出力がハイレベルとなり、単安定発振器OSC3のA端子入力もハイレベルになり、単安定発振器OSC3からRSフリップフロップFF2の/S端子へと1つのパルス信号が加えられる。これに応答してRSフリップフロップFF2のQ端子出力がハイレベルに切り換えられる。
【0126】
これにより、以降は、ノア回路NOR3の出力がローレベルに維持され続ける。従って、ノア回路NOR4の出力レベルがノア回路NOR2からの出力レベルのみに応答して変化することになり、地震が発生していない通常時の動作に戻る。
【0127】
また、地震発生の非常時に、照明部3の点灯により各蓄電池6の電力が消費されるばかりで、各蓄電池6の電力量が増えず、このために各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3以下になると、比較器CMP6の出力がハイレベルになる。
【0128】
この場合は、ノア回路NOR3の1つの入力がハイレベルに維持されるので、比較器CMP3の出力レベルにかかわらず、つまり昼夜にかかわらず、ノア回路NOR3のローレベルの出力、及びノア回路NOR4のハイレベルの出力が維持され、図6のFETQ2がオフのままとなり、照明部3が消灯され続ける。これにより、各蓄電池6の過放電状態に限度が与えられ、各蓄電池6の再充電が可能になる。
【0129】
図15は、制御部7aの照度回路73を示す回路図である。
【0130】
この照度回路73では、各蓄電池6の電圧Vbを各抵抗R17、R18により分圧し、抵抗R18の端子電圧を比較器CMP5の非反転入力端子に加えている。また、定電圧が印加されている可変抵抗器R19を調節することにより、比較器CMP5の反転入力端子の電圧レベルを各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電電圧V2に達したときの抵抗R18の端子電圧に設定している。従って、比較器CMP5は、抵抗R18の端子電圧と可変抵抗器R19により設定された電圧を比較して、各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電電圧V2に達したか否かを判定することができる。
【0131】
先に述べた様に地震発生の非常時には、各蓄電池6の電圧Vbが第1過放電電圧V1以下になっても、照明部3が点灯される。従って、照明部3の消費電力も増大することになり、このために短期間で各蓄電池6の電圧Vbが第3過放電電圧V3に達してしまい、照明部3の点灯を設定した日数期間継続することができなくなる虞がある。
【0132】
そこで、比較器CMP5は、各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電電圧V2に達すると、ハイレベルの出力をFETQ3のゲートに加えて、FETQ3をオフに切り換えて、照明部3の第2ランプユニット22の電流経路を遮断し、第2ランプユニット22を消灯させる。
【0133】
これにより、各蓄電池6の電圧Vbが第2過放電電圧V2に低下してからは、照明部3の消費電力が節減され、照明装置1の照明期間を長くすることができ、大地震による停電が2〜3日程度続いても、夜の照明を繰り返すことが可能になり、人々からの期待を裏切ることがない。
【0134】
また、照度回路73には、タイマー制御回路73Aを設けている。このタイマー制御回路73Aの出力と比較器CMP5の出力は、ワイヤードオアで出力される。
【0135】
タイマー制御回路73Aは、日没か否かを示す比較器CMP3(図11に示す)の出力を入力しており、この出力がローレベルになると、図5に示す日没の時点T31からの経過時間を計時し、時点T31〜時点Taの時間帯に、ハイレベルの出力をFETQ3のゲートに加えて、FETQ3をオフに切り換え、第2ランプユニット22を消灯させる。これにより、照明部3の照度を抑えた省エネモードS1が設定される。
【0136】
そして、タイマー制御回路73Aは、図5に示す時点時点Ta〜時点Tbの時間帯に、ローレベルの出力をFETQ3のゲートに加えて、FETQ3をオンに切り換え、第2ランプユニット22を点灯させる。これにより、標準モードS2の照明が行われる。
【0137】
更に、タイマー制御回路73Aは、図5に示す時点Tb〜時点T32の時間帯に、ハイレベルの出力をFETQ3のゲートに加えて、FETQ3をオフに切り換え、第2ランプユニット22を消灯させる。これにより、標準モードS2から省エネモードS1へと再び切替えられる。
【0138】
また、タイマー制御回路73Aは、地震が発生したか否かを示すRSフリップフロップFF2のQ端子出力を入力しており、地震発生時の非常時に該出力がローレベルになると、比較器CMP3の出力がローレベルになっている間、つまり日没から日の出までの間、ローレベルの出力をFETQ3のゲートに加えて、FETQ3をオンに切り換え、第2ランプユニット22を点灯させる。これにより、地震発生時の日没から日の出までの間、標準モードS2の照明が行われる。
【0139】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、地震発生の非常時に、各蓄電池6の放電状態を検出し、この放電状態に応じて照明部3の照度を調節しても良い。これにより、照明部3の照度の上昇と、各蓄電池6の過放電状態の抑制との両立を図ることができる。
【0140】
また、照明部3の第1及び第2ランプ21、22を共に点灯させて、標準モードS2を設定したり、第1ランプ21のみを点灯させかつ第2ランプ22を消灯させて、省エネモードS1を設定しているが、この代わりにDC−DCコンバータ7bから照明部3へと供給されるパルス状電圧のデューティ比を調節することにより該各モードを切替え設定しても良い。
【0141】
また、各LEDランプの個数や配置、及びLEDランプの各LEDの個数や配置を適宜に変更しても良い。また、照明部3の照明方向を適宜に変更したり調節可能な構造を採用しても構わない。また、照明部3の照射光の色を相互に異ならせても良い。
【0142】
更に、照明部3として、LEDランプの代わりに、他の種類の光源を採用しても良い。例えば、光源として蛍光灯を採用しても構わない。この場合は、蛍光灯を点灯させるためにインバータを用い、インバータにより蛍光灯に印加される交流電圧の周波数を変更することにより、蛍光灯の照度を上昇させれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の照明装置の実施形態1を示す斜視図である。
【図2】照明部のLEDランプを示す側面図である。
【図3】太陽電池、支持枠、及びシャフト等を示す断面図である。
【図4】太陽電池、蓄電池、制御部、DC−DCコンバータ、及び地震センサを概略的に示すブロック図である。
【図5】通常時での照明部の点灯及び照度の制御過程を示すタイミングチャートである。
【図6】地震発生の非常時での照明部の点灯及び照度の制御過程を示すタイミングチャートである。
【図7】蓄電池の満充電電圧、第1過放電電圧、第2過放電電圧、及び第3過放電電圧の高低を示す図である。
【図8】制御部及びDC−DCコンバータとその周辺を概略的に示す回路図である。
【図9】制御部の充電回路を示す回路図である。
【図10】充電回路における各信号を示すタイミングチャートである。
【図11】制御部の点灯消灯回路を示す回路図である。
【図12】点灯消灯回路における通常時の各信号を示すタイミングチャートである。
【図13】点灯消灯回路における非常時の各信号を示すタイミングチャートである。
【図14】DC−DCコンバータにおける各信号を示すタイミングチャートである。
【図15】制御部の照度回路を示す回路図である。
【符号の説明】
【0144】
1 照明装置
2 支柱
3 照明部
5 太陽電池
6 蓄電池
7 充放電ユニット
7a 制御部
7b DC−DCコンバータ
8 地震センサ
11 ベースプレート
12 補強板
21 第1ランプユニット
22 第2ランプユニット
71 充電回路
72 点灯消灯回路
73 照度回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明部と、この照明部に電力を供給する蓄電池と、この蓄電池に充電電力を供給する太陽電池と、前記蓄電池から前記照明部への電力供給を制御する制御部とを備えた照明装置において、
前記制御部は、日没を判定する判定手段を有し、この判定手段により日没が判定されると、前記蓄電池から前記照明部への電力供給を制御することにより、前記照明部を点灯させ、この日没からの経過時間に応じて前記照明部の照度を調節することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、日没からの経過時間に応じて前記照明部の照度を通常照度及び該通常照度よりも低い低照度のいずれかに設定することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、日没からの経過時間が一定時間に達するまでは、前記照明部の照度を低照度に設定し、この後に該照明部の照度を低照度から通常照度に切替え設定することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記照明部の照度を低照度から通常照度に切替え設定した後に、他の一定時間が経過すると、該照明部の照度を通常照度から低照度に再び切替え設定することを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記太陽電池の出力に基づいて日没を判定することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
地震を検出する地震センサを備え、
前記制御部は、前記地震センサにより地震が検出されると、日没からの経過時間にかかわらず、前記照明部の照度を通常照度に維持し続けることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記判定手段は、日の出を判定し、
前記制御部は、日没からの経過時間にかかわらず、前記照明部の照度を通常照度に維持し続けている状態を、前記判定手段により日の出が検出されたタイミングで終了することを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
照明部の光源は、LEDランプであることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項1】
照明部と、この照明部に電力を供給する蓄電池と、この蓄電池に充電電力を供給する太陽電池と、前記蓄電池から前記照明部への電力供給を制御する制御部とを備えた照明装置において、
前記制御部は、日没を判定する判定手段を有し、この判定手段により日没が判定されると、前記蓄電池から前記照明部への電力供給を制御することにより、前記照明部を点灯させ、この日没からの経過時間に応じて前記照明部の照度を調節することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、日没からの経過時間に応じて前記照明部の照度を通常照度及び該通常照度よりも低い低照度のいずれかに設定することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、日没からの経過時間が一定時間に達するまでは、前記照明部の照度を低照度に設定し、この後に該照明部の照度を低照度から通常照度に切替え設定することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記照明部の照度を低照度から通常照度に切替え設定した後に、他の一定時間が経過すると、該照明部の照度を通常照度から低照度に再び切替え設定することを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記太陽電池の出力に基づいて日没を判定することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
地震を検出する地震センサを備え、
前記制御部は、前記地震センサにより地震が検出されると、日没からの経過時間にかかわらず、前記照明部の照度を通常照度に維持し続けることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記判定手段は、日の出を判定し、
前記制御部は、日没からの経過時間にかかわらず、前記照明部の照度を通常照度に維持し続けている状態を、前記判定手段により日の出が検出されたタイミングで終了することを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
照明部の光源は、LEDランプであることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−244711(P2006−244711A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54133(P2005−54133)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]