説明

照明装置

本発明は、一般に照明装置にあり、特に細い光源又は縁光源を光旋回板と組合わせて使用する照明装置にある。照明装置は、広範なアプリケーションに使用されてよく、特に車両の室内照明に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に照明装置にあり、特に独自のカバー材料を使用する照明装置にある。
【背景技術】
【0002】
照明設備は、広範な表面又は空間に照明を提供するために利用される。周知の照明設備の例には、車両内のドーム照明、家屋又はビルの内部又は外部に取り付けられる照明、及び機器又は道具に取り付けられる照明が挙げられる。これらの応用のために使用される多くの照明設備は、電球及び反射器を含んだ大きなハウジングを使用している。更に、多くの照明設備は、光源から対象領域に直接光を照射する直接照明を提供することによって、被照面又はユーザーに望ましくない眩しさを生じることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態において、本開示は、
a.少なくとも1つの光源と、
b.少なくとも1つの光入力面を有していて、この光入力面を介して光源からの光を供給され得る前側光導波路と、光配向面と、この光配向面に対向する光入力面とを含む少なくとも1つの光管理装置であって、光出力面は光抽出層を有し、光抽出層は光出口面を有するとともに、光導波路から光出力面を介して供給される光を抽出する埋込み型反射小面を含む、光管理装置と、
c.車両内面の一部を形成するよう動作可能に適合(即ち、大きさとデザイン)されたカバーと、を含む車両室内照明用の照明装置に向けられている。
【0004】
更なる実施形態において、本開示は、
a.少なくとも1つの光源と、
b.少なくとも1つの光入力面を有していて、この光入力面を介して光源からの光を供給され得る前側光導波路と、光配向面と、この光配向面に対向する光入力面とを含む少なくとも1つの光管理装置であって、光出力面は光抽出層を有し、光抽出層は光出口面を有するとともに、光導波路から光出口面を介して供給される光を抽出する埋込み型反射小面を含む、光管理装置と、
c.車両の内面又は外面の一部を形成するよう有効に適合されたカバー、を含む車両の内部又は外部照明用の照明装置に向けられている。
【0005】
別の実施形態では、本開示は、
a.少なくとも1つの光源と、
b.少なくとも1つの光入力面を有していて、この光入力面を介して光源からの光を供給され得る前側光導波路と、光配向面と、この光配向面に対向する光入力面とを含む少なくとも1つの光管理装置であって、光出力面は光抽出層を有し、光抽出層は光出口面を有するとともに、光導波路から光出口面を介して供給される光を抽出する埋込み型反射小面を含む、第1の光管理装置と、
c.第2の光管理装置、を含む車両のグレイジングに向けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施形態における照明装置の側面図である。
【図2】本発明の一実施形態における照明装置の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態における照明装置の分解側面図である。
【図4】本発明の更なる実施形態における照明装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態において、本開示は、光源が車両の表面(例えば室内面)と調和するカバーを照明する、車両用の照明装置に向けられている。これらの表面は、メタル、布地、プラスチック(例えばビニル)、皮革、人工皮革、木、塗料、又は他の典型的な車両室内表面の表面、若しくはこれらの外観を有する表面を含むが、これらに限定されない。照明装置が車両の外側に用いられる場合、そのような表面もまた、メタル、布地、プラスチック(例えばビニル)、人工皮革、木、又は塗装面であってもよく、若しくはそれらの外観を有する表面でもよい。照明装置が建物又は他の構造物の内側若しくは外側に用いられる場合、そのような表面も、メタル、布地、プラスチック(例えばビニル)、皮革、人工皮革、木、紙(例えば壁紙、乾式壁に使用される紙など)、塗料、スタッコ、レンガ、スレート、タイル、サイディング、プラスター、大理石、花崗岩、コンクリート、又は、建物若しくは他の構造物の組み立て又は装飾に用いられるような他のこの種の表面の外観(例えば、模造品)を有しても又はそのものであってもよい。いくつかの実施形態では、光源が点灯されると、カバー材料が見えなくなる。他の実施形態においては、光源が点灯されるとカバー材料が見えるようになり、照明光がカバー材料を通過するにともない、様々な外観が創造される。
【0008】
別の実施形態において、照明装置のカバーは、透明、半透明、又は、反射性であってもよい。本明細書に記載のカバー材料は、照明が消灯されると、1つの外観(例えば鏡)を有するとともに、点灯時には光源からの光が透過可能であってもよい。隠れた光源の光は、様々な機構を使用して、カバーを透過させるようにできる。これらの機構は、カバーの構成並びに出力光の所望の特性に基づいて変化させることができる。
【0009】
更なる実施形態において、本明細書で開示される照明装置は、サンルーフのような車両のグレイジングの少なくとも一部又は全体を形成するように構成(即ち、大きさとデザインに)されてよい。そのような実施形態では、照明装置は要望に応じて光を車両内又は車両外へ投射してよい。本実施形態において、照明装置は、点灯時には車両の内部又は外側を照らす一方、光源消灯時には透明又は半透明の外観を有してよい。
【0010】
本明細書において開示される照明装置は、車両の内側又は外側に照明を提供するものであって、この照明装置は薄く、効率的で、均等に照明し、審美的に魅力がある。当業者には明らかなように、このような照明装置は周囲の環境に溶け込む光源を有することが望まれる他の応用に使用されてよい。本明細書で開示される照明装置の更なる応用は、建物、他の対象物、若しくは構造物の内部又は外部であってよい。
【0011】
「上に」「上方へ」「直上に」「上向きに」「下に」「より下に」「下位」及び「下向きに」のような用語が照明装置の構成要素の位置又は向きを記述するために本出願で使用されるとき、これらの用語は、単に便宜的に使用されるだけであり、照明装置を視ている面は水平であり、上から視られることを仮定している。これらの用語は、完成された照明装置、又は完成された装置を実際に使用する場合の供給光又は周囲光が通る経路に要求されるいかなる向きも含意することを意図しない。
【0012】
本明細書で使用する場合、用語「車両」は、何かを運送又は輸送する手段として広く定義される。本明細書で開示される照明装置を使用する可能性がある車両のタイプには、非限定的な例として、自動車、トラック、バス、列車、レクリエーション用自動車、ボート、航空機、オートバイ、などが含まれる。
【0013】
本明細書で使用する場合、「光源」は、非限定的な例として、LED、蛍光灯、白熱灯、又はEL光などを含む任意の発光源を意味する。光源は、本明細書に記載のように照明装置の形式をとることもできる。光源は、照明装置の所望の使用に関する適用可能な照明標準(例えば、車両内の頭上照明、マップライト、又はグローブボックスライト、若しくは建物の外側の防犯灯又は投光照明として、若しくは読書灯として、などとして機能するため)を満たすか又は上回るように対象領域を満足に照明可能な程度に十分強力である(即ち、十分なルーメン値又はキャンドル値の光を生じる)ことが好ましい。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「光管理装置」は、可視光の特性を変える任意の材料又は装置を意味する。そのような特性の非限定的な例には、反射、屈折、分散、回折、干渉、などが含まれる。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「光導波路(ライトガイド)」又は「光旋回板」は、反射によって光の流れ又は伝播を導くことができる材料を意味する。光導波路及び光旋回板は、光管理装置の特定形である。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「カバー」は、本明細書に記載の照明装置を部分的又は完全にカバーするために使用される材料を指す。カバーは、少なくとも照明光の一部が材料の表面を透過できるように設計された多種多様な材料から作られてよい。いくつかの実施形態では、カバーは、光源が隠されるように、照明装置の周囲の環境と類似の材料で作製される。
【0017】
本明細書で用いられる用語「透明」は、ある物品が光の大部分を吸収することなく通過させることを一般に意味する。従って、本開示と関連する透明材料は、光学的に透明で、約70%〜約100%の範囲の可視光線透過率を有することができる。
【0018】
本明細書で用いられる用語「半透明」は、物品が、約30%〜約70%未満の範囲の可視光線透過率を有することを意味する。
【0019】
本明細書で用いられる用語「グレイジング」は、窓、フロントガラス又はリアガラス、天窓、サンルーフなど、車両、建物、又は他の構造物に光を入れるか、若しくは出すことを可能にする透明又は半透明のパネル又は窓ガラスを指す。ガラス及びプラスチックのような従来の材料は、透明及び半透明のパネルの作製に用いられ得る。
【0020】
続いて図面を参照すると、図1は、本開示の実施形態の照明装置10を例示する。照明装置10は、光源12と、光入力面14、光出力面16、及び光配向面18を有する光導波路20とを含む。図1に示される実施形態では、光導波路20は、光入力面14から端部15の方向に厚みが減少する楔形である。後述するように、光導波路は楔形に作られる必要はなく、いくつかの実施形態では比較的一定の厚みを有する。光学的に透明な接着剤(図示せず)が、任意の構造化光抽出層22を光導波路20の光出力面16に固定する。
【0021】
光抽出層22を含むことによって、本明細書に記載する光導波路は、光導波路20の出力面16と平行な平面に関して垂直又はほぼ垂直な方向に光を反射することができる。光抽出層22は、光出口面23と、光出口面の反対側に複数の突起(図示せず)を有する上位面を有する。当業者には明らかなように、出口面23の実質的に平らなトポグラフィーを保って、目に見える画像に不要な変形が生じないように注意する限りにおいて、付加的な無反射コーティング層、他の光管理装置又は機構が出口面23に適用されてよい。光抽出層に関する更なる議論については、全内容が参照として組み込まれる、米国特許番号6,592,234を参照すること。
【0022】
図2は、本開示の更なる実施形態における照明装置30を示す。光導波路32は、光入力面34、光出力面36、光配向面38、及び任意の抽出層22を有する。図1の一般的にテーパー形状の光導波路とは異なり、光導波路32は、一般的に平面形状を有し、光の入力面34から端部35に向かって比較的一定の厚みを有することが示される。
【0023】
作動時において、光源12によって提供される光は、光導波路20、32を通過して、対応する光配向面18、38の表面によって光出力面16、36に向かって反射される。あるいは、光は光の入射角を操作するか、又は低屈折率を有する被覆材又は更なる光管理装置を使用することによって、光導波路20、32内に閉じ込めることができる。更に、光導波路の1つ以上の面を立体的にエンボス加工するか、又は例えば、差分屈折率パターン・コーティングによって光学的に設計すると、光を光導波路の1つの面から一様に抽出できる。本明細書に記載の照明装置で使用するのに適した光導波路は米国特許番号6,738,051、6,663,262、6,592,234、6,576,887に開示されており、それらの全内容は本明細書に参照として組み込まれる。
【0024】
ここで図3を見ると、光源12と、光入力面14、光出力面16及び光配向面18を有する前側光導波路20と、を有する、照明装置の更なる実施形態が、示されている。本実施形態における照明装置は、加えて、反射器材料42を含む。反射器42は、色又は反射特性のような様々な特性を光に印加する。反射器材料42は、鏡フィルム、不透明フィルム、又は光反射可能な他の材料であってよい。この種のフィルムの例には、ミネソタ州セントポールの3M社(3M Company, St. Paul MN)から入手可能なビキュイティ(商標)鏡面反射強化(ESR)(Vikuiti(Trademark)Enhanced Specular Reflector(ESR))フィルムがある。このESRフィルムは、非金属の高反射性ミラーフィルムである。
【0025】
図3に示す実施形態は、更に光導波路20の直上に配置された、ディフューザフィルム44を更に含む。ディフューザフィルム44は、光導波路から反射される光を均一に配布するのに効果的である。図3の照明装置は、更に、ディフューザフィルム44の直上に配置された輝度強化フィルム46、48の2層を含む。輝度強化フィルムは、照明装置からの光の輝度を増大するために、光をリダイレクトして再利用するように機能する。いくつかの実施形態では、輝度強化フィルム層46、48は、互いに直交関係に置かれてよい。
【0026】
図3の実施形態における照明装置は、輝度強化フィルム層46、48の直上に配置されるカバー50を更に含むカバー50は、多種多様な材料を含んでよい。いくつかの実施形態では、カバー50は、照明装置の光源がオフになったとき、照明装置が車両の周囲の面に溶け込むか、又はより見分けがつきにくいように、車両表面の一部(例えば内側面)の製造に使用されるものと同じ外観を有するか、又は同一材料で作られる。
【0027】
いくつかの実施形態では、カバー50は、メタリックな外観を有するメタリック材料(例えば元素金属、金属合金又は金属化合物)、メタリックフィルム(例えばメタリックな塗被ポリマー膜)、又はメタリックな外観の材料又はフィルムでできていてもよい。この種の材料が用いられる場合、メタルの厚みは適切な光反射及び光透過を提供するように制御されてよい。場合によっては、光が材料を通過、又は既に光が透過可能な場合はより多く透過できるように、材料を穿孔してもよい。穿孔は、レーザー又はフレームアブレーション、機械的穿孔、又は化学的エッチングを含む任意の適切な技術によって作製されてよい。いくつかの実施形態では、カバー50は、非金属性のメタリック風又は鏡のようなフィルムで作製されてよい。これらのフィルムは、衝突してくる光の波長に基づいて、光を選択的に反射及び透過するように作製できる。好ましい実施形態において、そのようなメタリック風又は鏡のようなフィルムを作るために多層干渉フィルムの使用が可能であり、それによって、フィルムは光の再利用によって高反射性と高透過性を持つ。そのような多層干渉フィルムは、米国特許番号6,080,467及び5,882,774に見出され、それらの全体は参照として本明細書に組み込まれる。
【0028】
カバー50は更に布地又は織物の材料で作製されてよく、従って、照明装置が、車両のヘッドライナ、シートベルト、シート、又は他の布地若しくは織物の表面のような、布地でカバーされた車両の室内面又は車両の布地面にブレンドされることを可能にする。布地、又は織物のカバー50については、布飾り、シート、スピーカー・カバー、ヘッドライナ、クロス壁又は天井パネル、安全ベルト、ヘッドレスト、アームレスト、及びカーペット若しくはフロアマットですら、照明の適用により、車両の操作をより安全で便利にして搭乗者の使用感を改善することができる。
【0029】
布地又は織物の外観を有するカバー50は、光が布地又は織物の繊維の間を通過できるように布地の織り方を十分ゆるくすることによって光透過性にすることができる。布地又は織物の外観を有するカバーは、レーザー又はフレームアブレーション、機械的穿孔、若しくは化学的エッチングによって穿孔することにより、光透過性にすることもできる。これらの穿孔は、それがなければ不透明な膜を光が透過できるようにする。布地又は織物の外観を有するカバー50は、布地の織り目の内部に光ファイバを組み込むことによって光るようにすることもできる。これらのファイバは照らされると、長さ方向に発光して布地を光らせる。
【0030】
着色、塗装、印刷、又は模様をつけた外観を有するカバーは、例えばカバーの外観を形成する部分を穿孔、又は半透明若しくは透明な基材及び色素を用いることによって光透過性にすることができる。そのようなカバーは、車両の室内に使用される、例えば、木目、模造木目、皮革、人工皮革、ポリマー、ビニル又は他の天然若しくは人工の材料によって、製造することができる。
【0031】
本明細書に記載の照明装置は、室内照明が提供できる顕著性又は装飾的な訴求性の増加によって利点が得られる装飾的又は機能的要素(例えば着色、塗装、又は模様をつけた要素)が採用される車両のいかなる場所においても使用できる。
【0032】
本明細書に記載の照明装置は、室内照明が提供できる顕著性又は装飾的な訴求性の増加によって利点が得られる装飾的又は機能的要素(例えば着色、塗装、又は模様をつけた要素)が採用される車両のいかなる場所においても使用できる。例えば、本明細書に記載の照明装置は、カーペット若しくはタイル面、又は階段に沿って、又は木材若しくは他の材料で作られた壁パネル、又は鏡の一部若しくは全体の下で、安全光として使用することができる。本明細書に記載の照明装置は、例えば、車両の外面上の信号灯(例えば停止又はターン信号灯)として用いることもできる。記載の照明装置の更なる応用例として、建物又は他の構造物、又は機器若しくは家具のような可動対象物の外面が挙げられる。
【0033】
図に示される照明装置は装置を実質的に平面的な物品として示しているが、装置は曲面(例えば円形、楕円形、又は他の弧状構造)を形成するように作製されてよいことが理解されるべきである。例えば、図1の照明装置10を見ると、光導波路20は、横軸又は縦軸に沿って湾曲するように形成され得る。そのような代替的な実施形態が、図4に示される。本実施形態では、光源12’は、光導波路20’の湾曲した入射面14’に、より良く光を提供するように修正される。例えば、光源12’は一連のLED、又は湾曲した光入射面14’に沿って整列配置された別の個別的な光源という形をとることができる。あるいは、単一の湾曲した光源が用いられてよい(例えば曲がった光管)。
【0034】
他の実施形態において、光導波路20は、光源12が入射面14に沿って光を提供するように修正されることによって、円筒、楕円、又は他の弧状形に形成され得る。当業者には明らかなように、光導波路は多くのアプリケーションに照明装置を提供するように、様々な方法で構成されてよい。
【0035】
本明細書に記載の光導波路は、環境光が光導波路を通過できるように透明、又は半透明に作製することができる。これは、グレイジング(例えば窓、サンルーフ、又は天窓)の照明のようなアプリケーションに役立ち得る。光導波路のために使用される材料によっては、グレイジング又は他の表面が導光材料を含むことが可能であり、従って、車両内で2つの機能を有する表面が提供される。例えば、サンルーフ、天窓、窓、又は他のグレイジングは、グレイジングが環境光を通過させ、加えて、グレイジングが、車両、建物、又は他の構造物(例えばサンルーフ又は天窓からの頭上照明)の内部に照明を提供するために光源によって照射され得るように、部分的、全体的、又は実質的に透明若しくは半透明の導光材料で作製できる。加えて、又は代替的に、光導波路は、光が車両、建物、又は他の構造物の外に投射されるように構成され得る。
【0036】
本明細書に記載の照明装置の光学的特性は、追加光管理装置を用いて更に強化され得る。本明細書に記載の照明装置に使用される適切な光管理装置には、眩しさと反射の管理のための光制御フィルム、プリズム状の輝度強化フィルム、ディフューザフィルム、反射フィルム、反射偏光子輝度強化フィルム及び旋回(turning)フィルムが含まれる。
【0037】
照明装置10、30の表面耐久性を高め、表面反射を減らすために光出力面16の上面に任意に保護層を配置できる。当業者には明らかであるが、保護層は追加的に、ハードコーティング、汚れ耐性コーティング、又は無反射コーティングを含むことができる。保護層は、UV(紫外線)耐性コーティング又はUV安定剤によって、耐候特性の機能を提供することもできる。
【0038】
更に、本明細書に記載の光導波路は、例えば、照明鏡(illuminated mirror)のような照明反射面(illuminated reflective surface)を生じるように、1つ以上の光管理装置と結合することができる。更なる実装例として、光管理装置は、装置から光が漏れるのを防止するように、端面15、35上で使用することができる。
【0039】
本明細書に記載の光導波路は、所望のいかなる全体寸法及び厚みを有することも可能で、実施形態によっては比較的薄く、例えば5mm以下である。光導波路は、楔形、矩形、楕円形、又は他のいかなる所望の形状をとることも可能である。光導波路の寸法及び形状は、通常、所望の照明装置の寸法及び形状に支配される。いくつかの実施形態では、光導波路厚は、約0.1〜約5mmの範囲であり、別の実施形態では約1〜約2mmにわたる。
【0040】
光導波路は、多種多様な光学的に適切な材料で製作可能であり、ガラス;ポリカーボネート;ポリメタクリル酸メチルのようなポリアクリレート;及び、ポリスチレンが含まれる。光導波路の光入射面及び視面は、各々、一般に平面、又は凸面若しくは凹面の曲率を有することができる。光源が点又は線光源であるとき、入射光をより均一に配布するために、光入射面は、凸曲率、小型レンズ、プリズム、粗面又は他の特性を有して提供されてよい。導光面は、透過ロス、不要な散乱及び歪みを最小にするために、好ましくは光学的に滑らかな仕上げを有する。
【0041】
本明細書に記載の照明装置での使用に適切な反射器材料42は、全体が本明細書に参照として組み込まれる、以下の米国特許:5,094,788、5,122,905、5,269,995、5,389,324、5,882,774、5,976,424、6,080,467、6,088,163、6,101,032、6,117,530、6,157,490、6,208,466、6,210,785、6,296,927に記載されている。
【0042】
適切なディフューザフィルム44は、全体が本明細書に参照として組み込まれる、以下の米国特許:5,217,794、5,528,720、5,751,388、5,783,120、5,825,542、5,825,543、5,867,316、5,991,077、5,999,239、6,005,713、6,025,897、6,031,665、6,057,961、6,111,696、6,141,149、6,179,948、6,256,146に記載されている。当業者には明らかなように、上記の光管理装置のような、任意の数の光管理装置は、本明細書に記載の照明装置で適切に使用されてよい。
【0043】
適切な輝度強化フィルム46、48は、本明細書に参照として組み込まれる、以下の米国特許:4,542,449、4,791,540、4,799,131、4,883,341、4,984,144、5,056,892、5,161,041、5,175,030、5,183,597、5,626,800、5,771,328、5,828,488、5,858,139、5,908,874、5,917,664、5,919,551、6,025,897、6,052,164、6,091,547、6,280,063に記載されている。
【0044】
上記のように、カバー50は、様々な材料で作られてよい。いくつかの実施形態では、カバーは、透明又は半透明の材料から作製される。加えて、カバー50は、本明細書に記載の光管理装置のいずれかで作られてよい。
【0045】
更に、以下の米国特許及び特許出願に記載のフィルムは、本明細書に記載の照明装置のための光管理装置又はカバー50として使用されてよい。この種のフィルムは商品名アクセントリム(商標)(Accentrim(Trademark))の下で3M社から入手可能であり、全内容が参照として本明細書に組み込まれる以下の米国特許及び特許出願:3,908,056、5,840,407、US 2004157031、6,773,537、6,805,932、6,571,849、6,634,401、6,700,712の1つ以上によってカバーされている。
【0046】
当業者には明らかなように、上記の光管理装置のような、任意の数の光学装置又はフィルムは、本明細書に記載の照明装置で適切に使用されてよい。更に、上記の光導波路及び光管理装置のいかなる組合せも本明細書に開示される照明装置を組み立てるため適切に利用されてよいことが理解されるべきである。
【0047】
当業者には更に明らかなように、本明細書に記載の装置で使用される光源は様々な形で提供され得る。光源は、例えば、LEDの線形配列、又は蛍光又は白熱灯、EL光などのような他の形式の光源であってよい。いくつかの実施形態では、光は、色付きでもよい。いくつかの実施形態では、照明装置内に1つ以上の光源があってよい。更なる実施形態において、光は、様々な構成で光導波路に入力されてよい。光源には、調光可能な制御、オン/オフ動作の制御、色調節などが供給されてよい。
【0048】
更に、本明細書に記載の照明装置は、直接的な眩しさが最小で、場所をとらない十分な照明が必要な場合はいつでも、車両内及び周辺の空間を照らすための様々なアプリケーションにおいて取付け具のない照明システムとしての用途に適している。この種のアプリケーションの典型的実施例には、頭上からのドーム照明、グローブボックス照明、フロア照明、マップライト、ミラーライト、読書灯、パドルライト、寝台照明、キャビン照明、環境光、小部屋照明、装飾照明、テールライト、ブレーキライト、などが含まれるがこれらに限定されない。
【0049】
本明細書に記載の照明装置は、頭上ドーム照明、グローブボックス照明、フロア照明、マップライト、ミラーライト、装飾照明などのような、従来から照明が提供されている車両の全ての表面上における使用に適している。更に、本明細書に記載の照明装置は、従来技術による照明システムでは困難であるか、又は実際的ではない場所に照明を提供するのに適している。装置は薄く作られており、光源(例えば側面照明)の構成によって、本発明の照明装置は、限定空間に取り付けることができる。
【0050】
当業者には明らかなように、本明細書に記載の構成要素には、適切な照明装置を提供するために適切な多様な組合せがある。
【実施例】
【0051】
実施例では以下の略称を使用する。
【0052】
LL1:ミシガン州トロイの北米豊田合成(Toyoda Gosei North America, Troy, Michigan)から商品名「TG白色ハイLED、品番E1S42−AWOC6−03 Bin B6」(TG White Hi LED, Part Number E1S42-AW0C6-03 Bin B6)の下で市販の高輝度白色発光ダイオード(LED)12個と、ドイツ、レーゲンスブルグのオスラム・オプトセミコンダクター社(Osram OptoSemiconductor GmbH, Regensburg, Germany)から商品名「黄色LED594nm CLR 4ーPLCC SMD、型番LY E67B U2AA−26ー1」(LED Yellow 594 nm CLR 4-PLCC SMD, Model Number LY E67B U2AA-26-1)の下で市販の黄色高輝度LED6個とが、黄色LEDを2つの白色LEDの間に順次配置してプリント基板(12.7cm×6mm)に接着された線形配列。
【0053】
LL2:オスラム・オプトセミコンダクター社から商品名赤色LED645nm 4−PLCC SMD 型番LS E67B−T2V1−1−1(LED Red 645 nm 4-PLCC SMD model number LS E67B-T2V1-1-1)の下で市販されている高輝度赤色発光ダイオード(LED)18個が、プリント基板(12.7cm×6mm)に等間隔で配置、接着された線形配列。
【0054】
LG1:7.6cm×11.4cmの平滑な1つの光出力側、及び対向する一様に分散された微細複製の細長い平行なプリズム配列からなる光配向側を有し、米国特許番号6,379,016(ボイドら(Boyd et al.))に記載の方法に従って作られた楔形PMMA光導波路。近位、即ち光導波路の伝播端は3mmで、遠位端は1.0mmである。
【0055】
実施例1
光アセンブリは、以下のように作製された。光源LL1は7.6cm×12.7cm×6mmの開口プラスチックハウジングの一端に固定される。乳白色ポリエステルフィルムが、ハウジングの底面に配置される。光導波路LG1は、LED及び白色ポリエステルシートに面する光再配向側に隣接する近位縁に配置される。商品名「レキセインXL4251ボトムディフューザフィルム0.005ホワイトWH5A201X(Lexan XL4251 Bottom Diffuser Film 0.005 White WH5A201X)」の下でコネチカット州フェアフィールドのGEポリマーシェイプ社フィルム事業部(GE Polymershapes Film Division, Fairfield, Connecticut)から市販の127マイクロメートル(5ミル)×7.6cm×12.7cmのディフューザフィルムが、光導波路の上に配置される。次に、商品名「ビキュイティBEF(Vikuiti BEF)」(BEF)で3M社から市販の互いに直交する2枚の輝度強化フィルムが、ディフューザフィルム上に配置される。型番6214でカリフォルニア州パロアルトのヒューレットパッカード社(Hewlett Packard Company, Palo Alto, California)から市販のミリアンペア電流供給器を使用してLEDが点灯される。
【0056】
実施例2
LL1をLL2に置き換え、ミネソタ州セントポールの3M社から商品名「ESR」で市販されている高度鏡面反射フィルムをBEFの最上層に配置して実施例1が繰り返された。LED配列を消灯すると、この光装置は反射性のメタリック風又は鏡のような外観を有した。LED配列を点灯すると、反射性のメタリックな面の代わりに殆ど一様な赤色発光が観察された。
【0057】
実施例3
ドイツ、バンドラッハのソーラーファッション社(Solar Fashion GmbH, Bandlach, Germany)から取得した商品名「タンスルー(Tan Thru)」の粗織りプリント布地をBEFの最上層に配置して実施例1が繰り返された。LED配列の消灯時には、光装置の表面は布地のプリント模様を保持した。LED配列が点灯されると、布地面の代わりに殆ど一様な白色発光が観察された。
【0058】
実施例4
実施例1のディフューザフィルムと2枚のBEFフィルムを取り除いて、ミネソタ州セントポールの3M社から商品名「DBEF」として市販されている反射偏光子フィルム1枚を光導波路の上に直接配置して実施例1が繰り返された。LED配列が消灯されると、この光装置は光沢のある白色の外観になった。LED配列が点灯されると、殆ど一様な白色発光だけが発光され、光源は全く観察されなかった。
【0059】
机上実験例
光透過膜は、米国特許番号5,353,154(ルッツら(Lutz et al.))及び5,684,633(ルッツら)に記載の方法によって作製される反射性フィルムから構成されてよい。膜はまた、ゆるい粗織りの布地、又は媒体を貫通する微小な穴を(全体又は一部に)穿孔することによって光透過性にしてもよい。技術には、レーザアブレーション、フレームアブレーション、化学エッチング、若しくは機械的、レーザー又は超音波法による穿孔が含まれる。
【0060】
光透過性膜は、3M社から商品名「スコッチカル(Scotchcal)」として入手される鋳造ポリ塩化ビニルフィルムのような他の半透明の整合性フィルムを含むか、又は別の方法で形成され得る。更に、フィルムは、ディフューザを作製するために、織り目加工されるか、他の照明効果を作るために構造化若しくは微細構造化されてよく、着色、又はビキュイティブランド(Vikuiti Brand)で3M社から入手可能な複数の光学層フィルムのような、他の光学的に改変されたフィルムを採用してもよい。
【0061】
同様に、本発明は、フェアチャイルドセミコンダクター社(Fairchild Semiconductor)から品番「QTLT601C1T」で購入できるような、他の可視色LED、又は、カリフォルニア州インダストリー市のキングブライト社(Kingbright Corporation, City of Industry, California)から品番「AP1608F3C」で入手できる赤外線LEDのような、電磁スペクトルの可視部分を越えて発光するLED、又はカリフォルニア州アービンのバイバー社(Bivar, Inc., Irvine, California)から品番「SM1206UV−395−IL」で入手できる紫外線LEDによってでさえ作製されてよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.少なくとも1つの光源と、
b.少なくとも1つの光入力面を有していて、該光入力面を介して前記光源からの光を供給され得る前側光導波路と、光配向面と、該光配向面に対向する光出力面とを含む少なくとも1つの光管理装置であって、前記光出力面は光抽出層を有し、前記光抽出層は光出口面を有するとともに、前記光導波路から前記光出力面を介して供給される光を抽出する埋込み型反射小面を含む、光管理装置と、
c.車両内面の一部を形成するよう動作可能に適合されたカバーと、を含む車両室内照明用の照明装置。
【請求項2】
前記カバーがメタリックな外観を有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記カバーが、ミラーフィルム、布地材料、織物材料、皮革材料、高分子材料、模造木目調素材、及び皮革からなる群から選択される材料で作製される、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光導波路が楔形である請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記導波路が長手方向、又は横方向の軸に湾曲する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記照明装置が少なくとも2つの光管理装置を含む、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記照明装置がミラーフィルムを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記光抽出層の前記光出口面が実質的に平坦である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記光抽出層の前記光出口面が平坦である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記光抽出層の前記光出口面が湾曲している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記光入力面が実質的に直線状縁部である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記光入力面が直線状縁部である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記光入力面が湾曲形状を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項14】
光入力面が円形形状を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項15】
前記光入力面が回路形状を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項16】
前記照明装置が幅又は長さ寸法よりも実質的に薄い、請求項1〜14のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項17】
a.少なくとも1つの光源と、
b.少なくとも1つの光入力面を有していて、該光入力面を介して前記光源からの光を供給され得る光導波路と、光配向面と、該光配向面に対向する光出力面とを含む少なくとも1つの光管理装置であって、前記光出力面はその上に光抽出層を有し、前記光抽出層は光出口面を有するとともに、前記光導波路から前記光出力面を介して供給される光を抽出する埋込み型反射小面を含む、光管理装置と、
c.車両内面または外面の一部を形成するよう動作可能に適合されたカバーと、を含む車両室内照明用の照明装置。
【請求項18】
前記カバーがメタリックな外観を有する、請求項17に記載の照明装置。
【請求項19】
前記カバーが、ミラーフィルム、布地材料、織物材料、皮革材料、高分子材料、模造木目調素材、及び皮革からなる群から選択される材料で作製される、請求項17に記載の照明装置。
【請求項20】
a.少なくとも一つの光源と、
b.少なくとも1つの光入力面を有していて、該光入力面を介して前記光源からの光を供給され得る前側光導波路と、光配向面と、該光配向面に対向する光出力面とを含む第1の光管理装置であって、前記光出力面はその上に光抽出層を有し、前記光抽出層は光出口面を有するとともに、前記光導波路から前記光出力面を介して供給される光を抽出する埋込み型反射小面を含む、第1の光管理装置と
c.第2の光管理装置と、を含む車両グレイジング。
【請求項21】
前記グレイジングが車両のサンルーフの少なくとも一部である、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項22】
前記光導波路の前記光出力面が光を車両内に投射するように配置された、請求項21に記載の車両グレイジング。
【請求項23】
前記第2の光管理装置が輝度強化フィルム(BEF)である、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項24】
前記光源が消灯されるとグレイジングが少なくとも部分的に透明になる、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項25】
前記光源が消灯されるとグレイジングが少なくとも部分的に半透明になる、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項26】
前記光抽出層の前記光出口面が実質的に平坦である、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項27】
前記光抽出層の前記光出口面が平坦である、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項28】
前記光抽出層の前記光出口面が湾曲している、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項29】
前記光入力面が実質的に直線状縁部である、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項30】
前記光入力面が直線状縁部である、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項31】
前記光入力面が湾曲形状を有する、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項32】
前記光導波路が実質的に平面である、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項33】
前記光導波路が長手方向又は横方向の軸に湾曲している、請求項20に記載の車両グレイジング。
【請求項34】
前記カバーが光ファイバを含む、請求項1又は17に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−545488(P2009−545488A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523042(P2009−523042)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/074978
【国際公開番号】WO2008/016978
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】