説明

照明装置

【課題】手摺の長手方向の全般にわたって均一な状態の光を発せさせるようにする。
【解決手段】 C字状の横断面形態を有するものであって、その壁部のところに所定の間隔を有した状態で設けられる複数の開口穴111を有するように成形された型部材11と、型部材11の上記C字状横断面の開口部のところに設けられるものであって、門型の一定横断面形状を有するとともに光伝播性及び光拡散性を有するプラスチック材にて形成されるベース部材12と、ベース部材の上記型部材12の存する側とは反対の側に設けられるものであって金属製部材を初めとした不透明体からなる部材にて形成されるストリップ状部材13と、上記ベース部材12の門型横断面形状部を形成する水平部または縦壁部のところに当該ベース部材12の長手方向に沿うように、かつ、所定の間隔をもって複数個設けられるものであってLED素子を基礎に形成される発光手段2と、からなるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物のエントランスや通路等において歩行者の安全性確保のために設けられるものであって長手方向に発光機能を有する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のものとしては、例えば特開平11−117483号公報にて開示されているもののように、発光装置から発信された光が手摺の中空部に設置された光ファイバー等を介して伝播されるようになっているものが挙げられる。そして、このような光ファイバーへ伝播された光は手摺に設けられた開口穴を介して外部へと照射されるようになっている。また、特開2004−273148号公報にて開示されているものは、手摺の中空部内に複数個の発光ダイオードが配設されるとともに、このような発光ダイオードを内部に有する手摺の外周面には複数個の穴(開口部)が設けられるようになっているものである。そして、このような開口部を介して光が外部へと発せられ、周りが照明されるようになっているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−117483号公報
【特許文献2】特開2004−273148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のもの、例えば特開平11−117483号公報にて挙げられているものは、光ファイバーの一方の端部に設けられた光源からの光は長手方向へと伝播されることとなり、光源から離れるに従って光量が減衰されることとなる。その結果、光源から離れる側に設けられる開口穴から照射される光の量は減衰されることとなり、均一なライン照明を確保するのが難しいと言う問題点を有している。また、特開2004−273148号公報に開示されているものは中空状の手摺内に複数個の発光ダイオードが配設されるようになっているものであり、消耗品である発光ダイオードの交換作業等が容易では無いと言う問題点を有している。このような問題点を解決するために、複数のLED素子を光伝播性及び光拡散性に優れた合成樹脂製部材内に設けることによって、長手方向の全般に渡って均一な状態の光を発っせさせるようにした照明装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明である第一の発明においては、長手方向に発光機能を有する照明装置に関して、C字状の横断面形態を有するとともに所定の長さを有するように成形された型部材と、当該型部材の上記C字状横断面の開口部のところに設けられるものであって、門型の一定横断面形状を有するとともに上記型部材と略同等の長さを有するように成形され、更には半透明性のプラスチック材にて形成されるベース部材と、当該ベース部材の上記型部材の存する側とは反対の側に設けられるものであって、金属製部材を初めとした不透明体からなる部材にて形成されるとともにベース部材と略同等の長さを有するように形成されるストリップ状部材と、上記ベース部材の門型横断面形状部を形成するいずれか一方の縦壁部のところに当該ベース部材の長手方向に沿うように、かつ、所定の間隔をもって複数個設けられるものであってLED素子を基礎に形成される発光手段と、からなるようにした構成を採ることとした。
【0006】
また、請求項2記載の発明である第二の発明においては、長手方向に発光機能を有する照明装置に関して、C字状の横断面形態を有するとともに所定の長さを有するように成形された型部材と、当該型部材の上記C字状横断面の開口部のところに設けられるものであって、門型の一定横断面形状を有するとともに上記型部材と略同等の長さを有するように成形され、更には半透明性のプラスチック材にて形成されるベース部材と、当該ベース部材の上記型部材の存する側とは反対の側に設けられるものであって、金属製部材を初めとした不透明体からなる部材にて形成されるとともにベース部材と略同等の長さを有するように形成されるストリップ状部材と、上記ベース部材の門型横断面形状部を形成する水平部のところに当該ベース部材の長手方向に沿うように、かつ、所定の間隔をもって複数個設けられるものであってLED素子を基礎に形成される発光手段と、からなるようにした構成を採ることとした。
【0007】
また、請求項3記載の発明である第三の発明においては、請求項1または請求項2記載の長手方向に発光機能を有する照明装置に関して、上記複数のストリップ状部材を、その上下方向に所定の隙間を有した状態で、かつ、略平行なように設けるようにした構成を採ることとした。
【0008】
また、請求項4記載の発明である第四の発明においては、請求項1ないし請求項3記載の長手方向に発光機能を有する照明装置に関して、C字状横断面形態を有するベース部材の壁部のところに、本ベース部材の長手方向に向って所定の間隔を有した状態で複数の開口穴を設けるようにした構成を採ることとした。
【0009】
また、請求項5記載の発明である第五の発明においては、請求項1ないし請求項4記載の長手方向に発光機能を有する照明装置に関して、上記照明装置の設けられる縦壁部または水平部のところにアルミニウム(Al)を含む所定の金属製部材からなる放熱プレートを設け、この放熱プレートを介してLED素子を基礎に形成される発光手段を設けるようにした構成を採ることとした。
【0010】
また、請求項6記載の発明である第六の発明においては、請求項1ないし請求項5記載の長手方向に発光機能を有する照明装置に関して、上記ベース部材のC字状横断面部を形成する壁部のところに設けられる開口穴のところに、当該開口穴を塞ぐように形成されるものであって光を透過させるように形成されたフィルム状の保護部材を設けるようにした構成を採ることとした。
【0011】
また、請求項7記載の発明である第七の発明においては、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の長手方向に発光機能を有する照明装置に関して、照明機能を発揮する手摺部を、その長手方向の各部において上記請求項1ないし請求項6に記載の各構成部を少なくとも2以上組合せた状態で形成させるようにした構成を採ることとした。
【発明の効果】
【0012】
第一の発明によれば、一列に設けられたLED素子を基礎に形成される発光手段によって、手摺本体が全体的に一様な状態で発光することとなり、手摺本体のライン照明が美しい状態で形成されることとなる。また、これと同時に、本照明装置の設置される手摺の足元部も淡い光で照明されることとなり、当該手摺に沿って歩行する歩行者等の安全性が確保されることとなる。また、本照明装置にて形成される光のラインを平面視において横方向へ湾曲させて形成させることができるようになり、優れた美感を形成させることができるようになる。
【0013】
また、第二の発明のものにおいても、基本的には上記第一の発明の場合と同様、手摺周りの照明と歩行者等の足元照明とが同時に確保されることとなる。特に、本発明のものにおいては、足元を照らす光の方が多くなるように設定されていることより、上記第一の発明のものに較べて、より安全性が高められることとなる。また、本照明装置にて形成される光のラインを立面視において上下方向に湾曲させた状態に形成させることができるようになり、上記第一の発明のものとは異なった美感を提供することができるようになる。
【0014】
また、第三の発明のものおいては、上記ストリップ状部材間に形成された隙間のところから光が外部へと照射されるようになる。そして、この光は淡い光となっていることより、周りは仄かな明るさとなり、落ち着いた感じを与えることができるようになる。
【0015】
また、第四の発明のものおいては、ベース部材の壁部に設けられた開口穴のところからは上記発光手段から発せられた光が下方へと向って照射されることとなり、階段等における足元周りの照明が成されることとなる。これによって歩行者等の安全性が確保されるようになる。
【0016】
また、第五の発明のものおいては、LED素子を基礎に形成される発光手段の取付けられる壁面のところに、アルミニウム(Al)製の放熱プレートが設けられるようになっていることより、複数のLED素子を基礎に形成される発光手段から発せられる熱を効率良く放散させ、発光手段の設けられる手摺本体周りが過熱されるのを抑止するようにしている。これによって、歩行者が手摺につかまる場合等において、安全性が確保されることとなる。
【0017】
また、第六の発明のものにおいては、C字状横断面部を形成する壁部に設けられるものであってLED素子を基礎に形成される発光手段から発せられた光を下方へと照射させるように形成された開口穴のところに、上記LED素子からの光は透過させるものであって上記開口穴を塞ぐように形成されたフィルム状の保護部材が設けられるようになっている。これによって、LED素子を基礎に形成される発光手段の保護が図られることとなる。
【0018】
また、第七の発明のものにおいては、上記請求項1ないし請求項6のいずれかに記載された手摺部が、その長手方向において適宜組合された状態で設けられるようになっており、階段の各部の照明を、その周りの環境に合せた状態で最適な状態に対応させることができるようになる。その結果、美観において優れているとともに、安全性においても優れた能力を有する階段照明を効率良く形成させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明にかかる照明装置を手摺のところに設けた場合の全体構成を示す概観図である。
【図2】本発明にかかる照明装置付き手摺を歩行者等が掴んでいる状態(使用状態)を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態である横方向の光量を増やすように形成された照明装置についての横断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態である足元方向への光量を増やすように形成された照明装置についての横断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態である足元方向への光量を増やすようにしたものについての照明装置の取付状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態について、図1ないし図5を基に説明する。本実施の形態に関するものは、例えば図1に示す如く、エントランスの一部等に設けられるものであって当該エントランスを形成する階段周りを照らすように設けられた照明装置に関するものである。その構成は全体がアーチ状の形態からなる手摺本体1を主に形成されるようになっているものである。そして、このようなアーチ状の手摺本体1のところには、所定の間隔をもって複数本の支柱7が設けられ、これら支柱7の先端部(上端部)71と上記手摺本体1の下面部との間には上記支柱7と手摺本体1との間を連結する連結装置77が設けられるようになっている。このような基本構成からなるものにおいて、上記手摺本体1の内部には、その長手方向に沿って、例えば図3または図4に示すようなLED素子を基礎に形成される発光手段2が複数個設けられるようになっている。
【0021】
また、本発明にかかる他の実施形態に関するものとしては、例えば図2に示す如く、階段の側壁8に設けられた手摺のところに設けられる照明装置等が挙げられる。このものは、手摺本体1の下面部に設けられた取付装置75等を介して本手摺装置全体が階段の側壁8等に取付けられるようになっているものである。そして、このように形成された手摺本体1の下面部側からは内部に設けられたLED素子を基礎に形成される発光手段2から光が発せられ、階段88等が照明されるようになっている。これによって階段における歩行者の足元周りは明るく照らされることとなり、歩行者の安全性が確保されることとなる。なお、このような発光手段2を有する手摺本体1を、歩行者等は、例えば図2に示す如く、自分の手で掴んで、身体の安定を保った状態で階段の昇り降り等を行なうことができるようになっている。
【0022】
このような構成からなる発光手段2を主に形成される照明装置について説明する。なお、本発光手段2の設けられるベース部材12の上方部には、例えば図3または図4に示す如く、複数のストリップ状部材13、13が設けられるようになっており、これら各ストリップ状部材13、13の間には隙間123が設けられるようになっている。従って、上記発光手段2からの光は上記隙間123を介して横方向へと照射されるが、上方へは照射されない。その結果、歩行者等にとっては、直接光が目に入らず、間接光が目に入るようになる。従って、本手摺においては、上記発光手段2は補助的な照明装置として利用されるとともに、全体として淡い光を発するディスプレイ手段としての機能が発揮されるようになり、優れた美感を呈することとなる。
【0023】
次に、このような手摺本体1の下方部に設けられる発光手段2による足元照明等について、図3及び図4等を基に説明する。このものは、例えば図3に示す如く、手摺本体1の下方部のところに、その長手方向に所定の間隔を有した状態で複数個設けられる発光手段2を基礎に形成されるようになっているものである。その一例としては、例えば図3に示す如く、ベース部材12の下方部に設けられた空洞部15を形成するいずれか一方の縦壁部のところに、アルミニウム製部材等からなる伝熱機能及び放熱機能を有する取付部材6が設けられるようになっている。そして、このような放熱プレート兼用の取付部材6のところには、LED素子を基礎に形成される複数の発光手段2が一列に設けられるようになっている。
【0024】
なお、本実施の形態のものにおいては、上記取付部材6の発光手段2取付側にはフレキシブルな基板63が設けられるようになっている。そして、このような基板63を介して、更には両面接着テープ等を介して上記発光手段2は取付部材6の所定の位置に取り付けられるようになっている。なお、このような基板63の周りには反射機能を有する部材、すなわち反射板64が設けられるようになっている。これによって、上記発光手段2から発せられた光の一部は、上記空洞部15の周りに設けられた透明体からなるベース部材12を介して隙間123から外部へと照射されることとなる。また、残りの一部は、上記空洞部15の壁面等にて乱反射して型部材11に設けられた開口穴111から下方へと出て行くこととなる。これによって、手摺の設けられる階段周りの照明が成されることとなる。なお、このような構成からなるものにおいて、上記取付部材6の下端部65のところは、図3ないし図5に示す如く、ステンレススチール製等の金属製部材からなる型部材11の一部に接触するようになっている。その結果、発光手段2から発生した熱は、上記各部材6、11を介して外部へと放散(放熱)され、発光手段2周りの温度上昇が回避されることとなる。なお、この型部材11と取付部材6との接触部には、場合によっては熱伝導シート等を設置することとし、これによって、両者間の熱伝達を積極的に行なわせるようにすることも考えられる。
【0025】
次に、LED素子を基礎に形成される発光手段2の取付態様に関する他の実施形態について、図4を基に説明する。このものは、上記発光手段2が、ベース部材12に形成された空洞部15の上部壁面側に設けられるようになっているものである。すなわち、図4に示す如く、ベース部材12に形成された空洞部15の内面壁のところには、その横断面形状がL字状の形態からなる取付部材6が設けられるようになっている。そして、このような構成からなる本取付部材6の上部内面壁のところには基板63、更には反射機能を有する部材、例えば反射板64等を介してLED素子を基礎に形成される発光手段2が設けられるようになっている。なお、この発光手段2は、例えば図5に示す如く、本取付部材6の長手方向に複数個、略等間隔状に設けられるようになっている。これによって、本発光手段2の設置される階段周りの足元照明がなされることとなる。また、このような発光手段2の設けられる空洞部15の下方部には開口穴111が設けられるようになっている。そして、この開口穴111のところには、上記発光手段2を保護するためのものであって光透過性を有する保護部材66が設けられるようになっている。
【0026】
このような構成からなるものにおいて、上記発光手段2の設けられる取付部材6の縦壁部のところには、例えば図5に示す如く、複数の開口窓61が設けられるようになっており、上記LED素子を基礎に形成される発光手段2から発せられた光は、この窓61を通って周りに設けられたベース部材12内へと進んで行くこととなる。そして、最終的には各ストリップ状部材13、13間に設けられた隙間123から外部へと照射されることとなる。これによって、周りからは淡い光が照射されることとなる。また、本実施の形態に関するものにおいては、例えば図3または図4に示す如く、上記LED素子を基礎に形成される発光手段2から発せられた光は、上記ベース部材12を透過して、更には手摺本体1の上方部に設けられるストリップ状部材13、13間の隙間123を介して横方向に照射されるようになっている。
【0027】
次に、本実施の形態にかかる手摺本体1の具体的構成について説明する。このものは、図3または図4に示す如く、ステンレススチール製等の長尺物部材がロール成形手段等を介してC字状の横断面形態を有するように成形加工されることによって形成される型部材11と、このような型部材11のC字状横断面部内に設けられるものであって、押出成形手段またはインジェクション成形手段等を介して形成されるプラスチック製の棒状部材からなるベース部材12と、このようにして形成されたベース部材12の上面部のところに接着手段等を介して設けられるものであって不透明体からなるストリップ状部材13と、からなるものである。
【0028】
そして、このような構成からなる手摺本体1を形成する型部材11のC字状横断面部のところには、本型部材11の長手方向に、略等間隔状に複数個の開口穴111が設けられるようになっている(図3,図4参照)。そして、この開口穴111のところからは、上記ベース部材12内に設けられたLED素子を基礎に形成される発光手段2からの光が下方へと照射されるようになっている。なお、このLED素子を基礎に形成される発光手段2は、上記C字状横断面形状の型部材11の、その長手方向に等間隔状に複数個設けられるようになっているものである。このような基本構成からなる本手摺本体1の、その全体的な横断面形状は円形または横長状の楕円形を形成するようになっているものである。このような横断面形状を有するものが、例えば図1に示す如く、長手方向に長く湾曲した形態に成形され、手摺本体1が形成されるようになっている。なお、本手摺本体1は、平面視において長手方向に湾曲した形態、すなわち横方向に湾曲した形態に、あるいは螺旋状の形態に形成される場合もある。これによって、見栄えに優れた均一なライン照明が形成されることとなる。また、このような形態からなる本手摺りは、歩行者等にとって掴み勝手の良いものとなり、歩行者等の安全性が確保されることとなる。
【0029】
また、本実施の形態にかかるものにおいては、上記ストリップ状部材13は、例えば図3または図4に示すように、その横断面形態において、ほぼ左右対称形をなすように3枚設けられるようになっているが、必ずしもこのようなものに限定されるものではない。本ストリップ状部材13は、2枚あるいは4枚等からなるものであっても良い。また、必ずしも対称形をなすように設置されるものでなくとも良い。要は、本手摺本体1の横断面形態が全体的に円形または楕円形をなすようなものであれば良い。このような形態を形成させることによって、例えば、図2に示す如く、歩行者5にとって掴み勝手の良い手摺りが形成されることとなる。なお、上記ストリップ状部材13としては、本実施の形態においては、ステンレススチールを初めとした金属製部材が採用されるようになっているが、この外に、不透明なプラスチック製プレート等であっても良いし、場合によっては、その表面側に化粧用のシートあるいはフィルム等を貼り付けるようにしたものであっても良い。または、この外に、木製、本皮製等からなるものであっても良い。
【0030】
次に、上記構成からなるベース部材12は、所定のプラスチック材を基礎に形成されるものであって、主に押出成形手段等にて棒状に成形加工されるものである。このようにして形成された棒状のベース部材12をC字状の横断面形態を有するものであって全体が湾曲した形態からなる型部材11内へ嵌め込ませることによって両者を一体化させることが考えられる。なお、このような構成からなるベース部材12と上記型部材11及びストリップ状部材13との係合関係は、例えば図3または図4に示す如く、それぞれの部材11、13の横断面形状端末部を上記ベース部材12の一部に食い込ませるようにしても良い。このような構成を採ることによって、ベース部材12を中心にして周りに型部材11及びストリップ状部材13を有する長尺物からなる手摺本体1が一体的に形成されることとなる。
【0031】
なお、本ベース部材12として用いられるプラスチック材に関しては、その硬度は特に限定されるものではないが、本ベース部材12が手摺りとして利用される場合、あるいは本ベース部材12が屈曲成形されて用いられる場合等においては、掴み勝手の良さ、あるいは曲げ成形加工の容易さ等を考慮して、硬度の低い軟質プラスチック材が用いられる場合がある。更には、本ベース部材12に上記の如く軟質プラスチック材が採用された場合には、ベース部材12全体が柔かく撓み、歩行者等が手で掴んだ際に手に柔かい感じを与えるとともに、手になじむようになる。
【0032】
また、上記手摺本体1を形成する上記ベース部材12は半透明性の素材から成り、光伝播性及び光拡散性を有するプラスチック材からなるものである。そして、その一部には、例えば図3または図4に示すような空洞部15が形成されるようになっている。そして、この空洞部15内には、図3及び図4に示す如く、LED素子を基礎に形成される発光手段2が設けられるようになっている。これによって、照明機能を発揮する手摺が形成されることとなる。
【符号の説明】
【0033】
1 手摺本体
11 型部材
111 開口穴
12 ベース部材
123 隙間
13 ストリップ状部材
15 空洞部
2 発光手段
5 歩行者
6 取付部材
61 開口窓
63 基板
64 反射板
65 下端部
7 支柱
71 先端部(上端部)
75 取付装置
77 連結装置
8 側壁
88 階段
9 ケーブル



【特許請求の範囲】
【請求項1】
C字状の横断面形態を有するとともに所定の長さを有するように成形された型部材と、当該型部材の上記C字状横断面の開口部のところに設けられるものであって、門型の一定横断面形状を有するとともに上記型部材と略同等の長さを有するように成形され、更には半透明性のプラスチック材にて形成されるベース部材と、当該ベース部材の上記型部材の存する側とは反対の側に設けられるものであって、金属製部材を初めとした不透明体からなる部材にて形成されるとともにベース部材と略同等の長さを有するように形成されるストリップ状部材と、上記ベース部材の門型横断面形状部を形成するいずれか一方の縦壁部のところに当該ベース部材の長手方向に沿うように、かつ、所定の間隔をもって複数個設けられるものであってLED素子を基礎に形成される発光手段と、からなるようにしたことを特徴とする長手方向に発光機能を有する照明装置。
【請求項2】
C字状の横断面形態を有するとともに所定の長さを有するように成形された型部材と、当該型部材の上記C字状横断面の開口部のところに設けられるものであって、門型の一定横断面形状を有するとともに上記型部材と略同等の長さを有するように成形され、更には半透明性のプラスチック材にて形成されるベース部材と、当該ベース部材の上記型部材の存する側とは反対の側に設けられるものであって、金属製部材を初めとした不透明体からなる部材にて形成されるとともにベース部材と略同等の長さを有するように形成されるストリップ状部材と、上記ベース部材の門型横断面形状部を形成する水平部のところに当該ベース部材の長手方向に沿うように、かつ、所定の間隔をもって複数個設けられるものであってLED素子を基礎に形成される発光手段と、からなることを特徴とする長手方向に発光機能を有する照明装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の長手方向に発光機能を有する照明装置において、上記複数のストリップ状部材を、その上下方向に所定の隙間を有した状態で、かつ、略平行なように設けるようにしたことを特徴とする長手方向に発光機能を有する照明装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3記載の長手方向に発光機能を有する照明装置において、C字状横断面形態を有するベース部材の壁部のところに、本ベース部材の長手方向に向って所定の間隔を有した状態で複数の開口穴を設けるようにしたことを特徴とする長手方向に発光機能を有する照明装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4記載の長手方向に発光機能を有する照明装置において、上記照明装置の設けられる縦壁部または水平部のところにアルミニウム(Al)を含む所定の金属製部材からなる放熱プレートを設け、この放熱プレートを介してLED素子を基礎に形成される発光手段を設けるようにしたことを特徴とする長手方向に発光機能を有する照明装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5記載の長手方向に発光機能を有する照明装置において、上記ベース部材のC字状横断面部を形成する壁部のところに設けられる開口穴のところに、当該開口穴を塞ぐように形成されるものであって光を透過させるように形成されたフィルム状の保護部材を設けるようにしたことを特徴とする長手方向に発光機能を有する照明装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の長手方向に発光機能を有する照明装置において、照明機能を発揮する手摺部を、その長手方向の各部において上記請求項1ないし請求項6に記載の各構成部を少なくとも2以上組合せた状態で形成させるようにした構成からなることを特徴とする長手方向に発光機能を有する照明装置。










【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−99291(P2011−99291A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255969(P2009−255969)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000240949)片山工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】