照明装置
【課題】薄型化および小型化が可能な照明装置の提供。
【解決手段】基板1と、第1照明光を発する第1照明部2と、第1照明部2よりも狭い範囲に第2照明光を発する第2照明部3と、を備えた照明装置10。第1照明部2は、基板1の一方の面1aに沿うシート状の導光体12と、導光体12に光を導入し面方向に伝搬させて前記第1照明光を得る第1光源とを有する。第2照明部3は、基板1の一方の面1aに実装された第2光源13と、第2光源13からの光を傾斜方向に向けて前記第2照明光とする光路変更部14を有する。光路変更部14は、光の出射範囲を狭める集光素子21を有し、集光素子21は、第2光源13の光軸AX2に対して前記傾斜方向に応じた方向に光軸AX1位置をずらせて設けられ、かつ基板1に沿う姿勢とされている。
【解決手段】基板1と、第1照明光を発する第1照明部2と、第1照明部2よりも狭い範囲に第2照明光を発する第2照明部3と、を備えた照明装置10。第1照明部2は、基板1の一方の面1aに沿うシート状の導光体12と、導光体12に光を導入し面方向に伝搬させて前記第1照明光を得る第1光源とを有する。第2照明部3は、基板1の一方の面1aに実装された第2光源13と、第2光源13からの光を傾斜方向に向けて前記第2照明光とする光路変更部14を有する。光路変更部14は、光の出射範囲を狭める集光素子21を有し、集光素子21は、第2光源13の光軸AX2に対して前記傾斜方向に応じた方向に光軸AX1位置をずらせて設けられ、かつ基板1に沿う姿勢とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の室内灯などに使用できる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の室内灯などに用いられる照明装置としては、広い範囲(例えば車内全体)を照明するルームランプと、狭い範囲(例えば運転者や助手席の同乗者の手元)を選択的に照明するマップランプとを備えたものがある。前記マップランプには、例えば運転席および助手席の方向に向けて傾斜させた光源(LED等)を用いることができる(例えば、特許文献1参照)。しかし、この構造の照明装置では、傾斜状態の光源に大きなスペースが必要となるため全体の厚さ寸法が大きくなるという問題がある。
【0003】
照明装置としては、導光板を経た光の光路をプリズムレンズによって変更することによって照明光を傾斜方向に向ける構造を採用したものがある(例えば、特許文献2参照)。この構造の照明装置では、光路を変更するプリズムレンズを採用するため、光源の姿勢や配置についての設計の自由度が高いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−094317号公報
【特許文献2】特開2010−149762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記照明装置では、十分な照明光の傾斜角度を得るためには、導光板およびプリズムレンズを傾斜させて設置する必要がある。このため、導光板が複数必要となったり、導光板およびプリズムレンズの固定構造が必要となることから、薄型化および小型化は難しかった。
また、光源と導光板との十分な結合効率を得るためには、光源を実装する基板を導光板に合わせて設置する必要があるため、前記基板の形状や配置が装置の厚さ増大の要因となることがあった。また、前記照明装置では、光源の点灯、消灯、光量調整などのためのスイッチが別途必要となるため、構造が複雑化し、薄型化および小型化を図るのが難しくなっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、薄型化および小型化が可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
本発明は、基板と、第1照明光を発する第1照明部と、前記第1照明部よりも狭い範囲に第2照明光を発する第2照明部と、を備え、前記第1照明部が、前記基板の一方の面に沿うシート状の導光体と、前記導光体に光を導入し面方向に伝搬させて前記第1照明光を得る第1光源とを有し、前記第2照明部が、前記基板の一方の面に実装された第2光源と、前記第2光源からの光を前記基板に垂直な方向に対し傾斜した方向に向けて前記第2照明光とする光路変更部とを有し、前記光路変更部は、前記光の出射範囲を狭める集光素子を有し、前記集光素子は、前記第2光源の光軸に対して前記傾斜方向に応じた方向に光軸位置をずらせて設けられ、かつ前記基板に沿う姿勢とされている照明装置を提供する。
前記集光素子としては、凸レンズを使用できる。
前記集光素子としては、球面、楕円球面、放物面、円柱面、楕円円柱面のうち1以上の曲面をなす凸形状を有する凸レンズを使用できる。
前記基板は、被検出体の近接または接触を検出する検知センサを備えていることが好ましい。
本発明の照明装置は、前記基板、第1照明部、および第2光源を覆うカバー部をさらに備え、前記カバー部は、前記集光素子と一体となっている構成としてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、集光素子が、第2光源の光軸に対して光軸位置をずらせて設けられているので、十分な角度で傾斜した第2照明光が得られる。これによって、集光素子を傾斜配置する必要がなくなることから、装置の薄型化および小型化を図ることができる。
また、集光素子を基板に沿う姿勢とされるため、装置を平板状の構造とすることができる。
また、第1照明部および第2照明部の両方が1つの基板に設けられ、かつ導光体も基板に沿って設けられるため、複数の基板が必要となる場合や、導光体等の傾斜配置が必要となる場合に比べ、装置構成が簡単であり、この点からも薄型化および小型化に適している。
本発明の照明装置は、予め電子部品を実装した基板の一方の面側に、導光体、光源等を設けるという簡単な手順により作製できるため、製造が容易であり、低コスト化が可能であるという利点もある。
また、第2照明部の第2光源は基板に設けられるため、高出力光源を用いる場合でも、光源が発した熱を基板全体に分散させ、局部的な温度上昇を防ぎ、安定した動作を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の照明装置の第1の実施形態の照明装置の主要部を示す断面図である。
【図2】図1の照明装置の第2照明部を示す断面図である。
【図3】図1の照明装置の第2光源と集光素子を示す断面図である。
【図4】図1の照明装置の全体断面図であり、図6のA1−A1断面を示す図である。
【図5】図1の照明装置の全体断面図であり、図6のA2−A2断面を示す図である。
【図6】図1の照明装置の平面図である。
【図7】図1の照明装置の第2照明部を分解して示す断面図であり、図6のX方向に沿う断面図である。
【図8】図1の照明装置の第1照明部を分解して示す断面図であり、図6のY方向に沿う断面図である。
【図9】図1の照明装置の第1照明部の断面図である。
【図10】図1の照明装置に使用できる基板の一例の断面図である。
【図11】図1の照明装置に使用できる導光体の一例の平面図である。
【図12】図1の照明装置に使用できる導光体の他の例の平面図である。
【図13】本発明の照明装置の第1の実施形態の主要部を模式的に示す断面図である。
【図14】図13の照明装置の第2光源と集光素子を模式的に示す図である。
【図15】図13の照明装置の集光素子を模式的に示す図である。
【図16】試験装置を模式的に示す図である。
【図17】試験装置を模式的に示す図である。
【図18】照度分布を示す図である。
【図19】照度分布を示す図である。
【図20】照度分布を示す図である。
【図21】照度分布を示す図である。
【図22】試験結果を示すグラフである。
【図23】本発明の照明装置の第2の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図24】本発明の照明装置の第3の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図25】本発明の照明装置の第4の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図26】本発明の照明装置の第5の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図27】本発明の照明装置の第6の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図28】本発明の照明装置の第7の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図29】図28の照明装置の集光素子と光屈折素子を示す断面図である。
【図30】図28の照明装置の集光素子と光屈折素子を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である照明装置10の主要部を示す断面図であり、図6のX方向に沿う断面(A1−A1断面)を示す図である。図2は、照明装置10の第2照明部3を示す断面図である。図3は、照明装置10の集光素子21を示す断面図である。図4は、照明装置10の全体断面図であり、図6のA1−A1断面を示す図である。図5は、照明装置10の全体断面図であり、図6のA2−A2断面を示す図である。図6は、照明装置10の平面図である。図7は、照明装置10の第2照明部3を分解して示す断面図であり、図6のX方向に沿う断面図である。図8は、照明装置10の第1照明部2を分解して示す断面図であり、図6のY方向に沿う断面図である。図9は、照明装置10の第1照明部2の断面図である。図10は、照明装置10に使用できる基板1の一例の断面図である。図11は、照明装置10に使用できる導光体12の一例の平面図である。図12は、照明装置10に使用できる導光体12の他の例の平面図である。図13は、照明装置10の主要部を模式的に示す断面図である。図14は、第2光源13と集光素子21を模式的に示す図である。図14は、集光素子21を模式的に示す図である。
【0010】
まず、図13および図14を参照して、照明装置10の概要を説明する。
図13に示すように、照明装置10は、基板1と、第1照明光を発する第1照明部2と、第1照明部よりも狭い範囲に第2照明光を発する第2照明部3と、これらを覆うカバー部4とを備えている。
第1照明部2は、基板1の一方の面1aに沿うシート状の導光体12と、導光体12に光を導入する第1光源11とを備えている。
導光体12の上面12cには、入射光を散乱させて導光体12の下面12d側に取り出す(出射させる)光取出部16を形成することができる。
【0011】
第2照明部3は、基板1の一方の面1aに実装された第2光源13と、第2光源13からの光を基板1に垂直な方向V1に対し傾斜した第2照明光LAとする光路変更部14とを有する。
光路変更部14は、第2光源13からの光の出射範囲を狭める集光素子21を有する。
集光素子21は、例えば凸レンズである。集光素子21は、例えば球面、楕円球面、放物面、円柱面、楕円円柱面のうち1以上の曲面を主形状として有する凸レンズであることが好ましい。
【0012】
集光素子21の光軸AX1位置は、第2光源13の光軸AX2位置からずれている。このずれ方向は、第2照明光LAに応じた方向である。図示例では、集光素子21の光軸AX1は、第2光源13の光軸AX2より左方にあり、これによって左方に傾斜した第2照明光LAが得られる。
【0013】
第1照明部2では、第1光源11から出射した光Lは、導光体12に入射し、導光体12内を伝搬する。導光体12内を伝搬する光の一部は、光取出部16で散乱して下面12d側に取り出される。光取出部16が導光体12の上面12cの広い範囲にわたって形成されているため、面的な発光である第1照明光LCが得られる。
第1照明光は、照明装置10が設置されている空間の広い範囲(例えば車内全体)を照明する。
【0014】
第2照明部3では、第2光源13から出射した光L1は、集光素子21に入射して出射範囲が狭められるとともに、集光素子21と第2光源13の光軸位置のずれに応じて傾斜して第2照明光LAとして出射される。図示例では、集光素子21の光軸AX1は、第2光源13の光軸AX2より左方にあるため、左方に傾斜した第2照明光LAが得られる。
【0015】
図14は、集光素子21と第2光源13の光軸位置と出射光との関係を示す模式図である。
この図に示すように、第2光源13から出射した光L1は、第2光源13の光軸AX2から左方にずれた位置に光軸AX1を有する集光素子21に入射すると、この光軸位置ずれに応じて、基板1に垂直な方向V1に対して左方に傾斜して第2照明光LAとして出射する。
第2照明光は、第1照明光に比べて狭い範囲(例えば運転者や助手席の同乗者の手元)を選択的に照明する。
【0016】
次に、図1〜図12を参照して、照明装置10を詳細に説明する。
図1、図4〜図6に示すように、照明装置10は、基板1と、第1照明光を発する第1照明部2と、第1照明部よりも狭い範囲に第2照明光を発する第2照明部3と、これらを覆うカバー部4と、カバー部4が取り付けられるフレーム部5とを備えている。
照明装置10は、例えば車両の天井部に設置して、室内灯として使用できる。図4および図5に示すように、照明装置10は、例えばフレーム部5を車両の内装材6に固定することで車両内に設置できる。
【0017】
図5および図6に示すように、第1照明部2は、基板1の一方の面1a(下面または表面)に沿って設置されたシート状の導光体12と、導光体12に光を導入する第1光源11とを備えている。第1照明部2は、広い範囲(例えば車内全体)を照明するルームランプとして使用できる。
【0018】
第1光源11は、基板1の一方の面1aに実装された1または複数の光源11aからなる。この例では、図6に示すように、第1光源11は複数の光源11aからなり、これら光源11aは、導光体12の一端部12aに沿って並べられている。
この例の光源11aが設けられた一端部12aは、平面視略矩形の導光体12の4つの辺部のうち1つであり、詳細には、略長方形の導光体12の一方の長辺である。光源11aは、一端部12aの長さ方向の中央部を含む一部範囲に設置することができる。光源11aの設置数および位置は、導光体12内に導入して面発光させた第1照明光の明るさに不均一が生じることがないように定められる。
【0019】
図8および図9に示すように、光源11aは、発光面11bを導光体12の一端部12aの端面12bに対面させて設置される。
光源11aとしては、発光ダイオード(以下、LEDという)(発光素子)を使用できる。なお、光源11aとして使用される発光素子は、LEDに限らず、冷陰極管などでもよい。
【0020】
導光体12は、透明な光透過性樹脂からなり、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のエラストマー、ウレタンアクリレート等を用いることができる。
図9に示すように、導光体12の厚さT1は、光源11aの高さH1と同じ、またはこれより大きく設定すると、光源11aからの光の導入効率を高め、第1照明光の輝度および照度を高めることができる。
【0021】
図9に示すように、導光体12の基板1側の面である上面12c(一方の面または裏面)には、入射光を散乱させて導光体12の下面12d(他方の面または表面)側に取り出す(出射させる)光取出部16を形成することができる。光取出部16は、上面12cの一部または全部の領域に形成することができる。光取出部16が広い範囲に形成されることによって、導光体12内の光は、面的な発光(第1照明光)として下面12d側に取り出される。
光取出部16は、上面12cのほぼ全域にわたって均一に形成することによって、導光体12のほぼ全域を面的に発光させることができる。第1照明部2は、面状発光装置として機能する。
【0022】
光取出部16は、例えば印刷により形成された複数の微小ドット状のインク層(以下、単に微小ドットという)とすることができる。微小ドットの平面視形状は円形、楕円形、多角形(矩形等)など任意としてよい。微小ドットはスクリーン印刷法、グラビア印刷法、パッド印刷法などの印刷法により形成することができる。
【0023】
微小ドットを構成するインクとしては、例えば顔料として酸化チタンを用いた白色インクが好適である。酸化チタンは白色顔料として機能するため、前記インクは白色を呈する。インクの酸化チタン含有率は、5〜50質量%以上、好ましくは10〜40質量%以上とすると高輝度が得られる。
酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型等があり、特に、ルチル型の酸化チタンが好ましい。
白色光を発光させるためには可視光全域を満遍なく散乱させる必要がある。ここで、散乱させる波長と、酸化チタンの粒径の関係を考慮すると、酸化チタンの粒径は10nm〜0.5μmが望ましい。
なお、光取出部はインク層に限らず、導光体表面に形成された切り欠きでもよいし、サンドブラスト等によって形成した粗面部などであってもよい。
【0024】
図4および図5に示すように、基板1の他方の面1b(上面または裏面)には、例えば光源11、13の点灯、消灯、光量調整などを行うための半導体素子などの電子部品17(17a〜17c)が実装されている。電子部品17としては、公知のものを使用できる。
【0025】
図10に示すように、基板1としては、タッチパッド30(検知センサ)を備えたものが好適である。タッチパッド30は、入力センサ31と、その一方の面に形成されたレジスト層32(被覆樹脂層)とを備えている。
入力センサ31は、人間の手指等の被検出体の近接または接触を検出するセンサである。ここでは、入力センサ31は静電容量式の入力センサであって、基材33の一方の面に配線層34が設けられた構成である。静電容量式の入力センサ31は、1枚の基材33と配線層34からなる単純な構造であるため、薄型化が可能である。
【0026】
基材33は、例えばPETなどの樹脂で形成された板材である。基材33は、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド等からなるフレキシブル基板や、ガラスエポキシ樹脂等からなるリジッド基板であってもよい。
【0027】
配線層34は、例えば複数の電極34aを有する。人間の手指等の被検出体が近づくと、被検出体と電極34aとの間には静電容量が形成され、この静電容量は被検出体と電極34aとの間の対向面積や離間距離によって変化する。このため、被検出体と電極34aは可変容量部を形成する。
可変容量部の静電容量の変化は検出手段(図示略)で検出され、その検出値に基づいて制御部(図示略)で被検出体による入力操作、その位置等が把握される。
【0028】
配線層34は、例えば、銀粒子を含む銀ペーストを基材33上にスクリーン印刷した後に加熱することで形成することができる。配線層34は、基材33に積層した銅箔をエッチングすることにより形成してもよい。
レジスト層32は、配線層34間の電気絶縁性を確保するとともに酸化を防止するもので、入力センサ31の一方の面(導光体12側の面)側に、基材33および配線層34を覆って形成される。レジスト層32としては、例えば汎用のソルダレジストを使用できる。
【0029】
図5、図8および図9に示すように、第1光源11および導光体12の一端部12aを含む範囲の下面側には、遮光性を有するマスク18を設けることができる。図示例のマスク18は、第1光源11から導光体12の一端部12aにかけて形成されている。マスク18には、白色材料を使用するのが好ましい。
マスク18を設けることによって、第1光源11からの光が外部に漏れるのを防ぎ、前記光の導光体12への導入効率を高めることができる。また、第1光源11およびその近傍における輝度が局所的に高くなるのを防ぐことができる。
【0030】
図1〜図4および図6に示すように、第2照明部3は、基板1の一方の面1aに実装された第2光源13と、第2光源13からの光を基板1に垂直な方向V1に対し傾斜した方向に向けて第2照明光とする光路変更部14とを有する。
第2照明部3は、狭い範囲(例えば運転者や助手席の同乗者の手元)を選択的に照明するマップランプ(スポットランプ)として使用できる。
【0031】
図1、図2、図4および図6に示すように、第2光源13は、基板1の一方の面1aに実装されている。この例では、2つの第2光源13が互いに離間して基板1に設けられている。
第2光源13としては、発光ダイオード(以下、LEDという)(発光素子)を使用できる。なお、第2光源13として使用される発光素子は冷陰極管などでもよい。第2光源13の数は図示例に限らず、1であってもよいし、3以上であってもよい。
【0032】
導光体12には、第2光源13を収容可能な開口部15が形成されている。
図11に示すように、開口部15の平面視形状は特に限定されず、この図に示すように円形としてもよいし、他の形状、例えば楕円形、矩形等としてもよい。なお、開口部15は、第2光源13を囲む閉鎖形状(図11参照)に限らず、図12に示すように、導光体12の縁部12eに達する開放形状であってもよい。
【0033】
図2に示すように、この例の開口部15は、上面12cから下面12dに向けて徐々に拡径するように形成されている。すなわち、開口部15の周縁部15aの内面15bは、上面12cから下面12dに向けて徐々に第2光源13から離れるように傾斜している。
この開口部15では、周縁部15aの内面15bで反射した光は下方に向かうため、第2照明光の光量が大きくなる。
【0034】
周縁部15aの内面15bの少なくとも一部は、第2光源13からの光を反射する反射面とすることができる。内面15bは、全面が反射面であることが好ましい。
内面15bの反射面は、第2光源13からの光を効率よく反射できるものが好ましく、例えば金属粉末を含有する塗料(例えばミラーインク)を用いて内面15bを反射面とすることができる。内面15bを反射面とするには、公知の方法により内面15bに金属薄膜を形成してもよい。
内面15bを反射面とすることによって、第2光源13からの光を効率よく光路変更部14に向け、光の利用効率を高めることができる。
【0035】
周縁部15aの内面15bの少なくとも一部は、第1光源11からの光を遮る遮光面としても機能させることができる。これによって、導光体12内部を伝搬する第1光源11からの光が内面15bから漏れるのを防止でき、第1光源11からの光の利用効率が低下するのを防ぐことができる。
前記第2光源13からの光を反射する反射面は、第1光源11からの光を遮る遮光面としても機能する。また、内面15bに反射面を形成すると、第1光源11からの光も導光体12内で反射させ、その利用効率を高めることができる。
【0036】
なお、開口部15は、上面12cから下面12dに向けて徐々に縮径するように形成してもよい。この形状の開口部15では、周縁部15aは絞り的に機能し、第2光源13からの光の出射範囲を小さくし、集光性を高めることができる。また、開口部15は一定の内径とすることもできる。
【0037】
図2、図3に示すように、光路変更部14は、第2光源13からの光の出射範囲を狭める集光素子21を有する。
集光素子21は、第2光源13からの光の広がり角と、集光素子21から出射する光に要求される光の傾斜角度などに応じて設計すればよいが、球面、楕円球面、放物面、円柱面、楕円円柱面等の曲面の一部を主形状とする形状としてもよいし、あるいはこれらの曲面を複数組み合わせた形状としてもよい。
【0038】
図3に示すように、図示例の集光素子21は、上面21fが凸状の曲面となる凸レンズである。
集光素子21の下面21eは、基板1の一方の面1aに沿う平坦面であり、面1aにほぼ平行である(図2参照)。このため、集光素子21は基板1に沿う姿勢とされている。
なお、集光素子21は、逆に、曲面である面21fを下に向け、平坦面である面21eを上に向けた姿勢としてもよい。また、集光素子21は、上下両面が凸状の曲面となる凸レンズであってもよい。
【0039】
集光素子21は、第2光源13からの光を平行化することができることが好ましい。図3に示す例では、第2光源13からの出射光L1は、集光素子21によって平行光である第2照明光LAとなる。なお、集光素子21は、第2光源13からの光の出射範囲を十分に狭めることができるものであれば、平行化は必須ではない。
【0040】
図2、図3に示すように、集光素子21の光軸AX1位置は、第2光源13の光軸AX2位置からずれている。
光軸AX2は、第2光源13からの出射光束の中心における光の進行方向に沿う線であり、図示例では第2光源13の中心を通り、基板1の一方の面1aに垂直である。光軸AX1は、例えば集光素子21の回転対称形状の中心軸に沿う線であり、図示例では集光素子21の中心を通り、基板1の一方の面1aに垂直である。
図示例では、光軸AX1、AX2の位置ずれとは、基板1の一方の面1aに沿う面内の位置ずれである。
【0041】
第2光源13の光軸AX2に対する集光素子21の光軸AX1のずれ方向は、第2照明光の傾斜方向に応じた方向である。
図1に示すように、左に位置する第2照明部3(3A)では、集光素子21の光軸AX1は第2光源13の光軸AX2より左方にあり、これによって基板1に垂直な方向V1に対し左方に傾斜した第2照明光LAが得られる。右に位置する第2照明部3(3B)では、集光素子21の光軸AX1は第2光源13の光軸AX2より右方にあり、方向V1に対し右に傾斜した第2照明光LBが得られる。
【0042】
図2、図3、図6および図7に示すように、集光素子21は、カバー部4の下板部4bに形成された取付口部4aに嵌め込み、取付口部4aの周縁部に固定することができる。
集光素子21は、カバー部4の取付口部4a内に設置されているため、カバー部4から突出していない。このため、外力による集光素子21の破損が起こりにくい。
【0043】
図4および図5に示すように、カバー部4は、基板1、第1照明部2および第2光源13を覆い、これらを保護するものであり、平板状の下板部4bと、その周縁に形成された側板部4cとを備えている。カバー部4は、側板部4cに外方に向けて形成された係止爪部4dをフレーム部5の係止穴5aに係止させることでフレーム部5に取り付けることができる。
カバー部4は、光が透過可能な透明材料からなることが好ましく、例えば樹脂やガラスなどからなる。
【0044】
次に、照明装置10の第1照明部2および第2照明部3で得られる照明光について説明する。
図5、図6および図9に示すように、第1照明部2では、第1光源11(光源11a)から出射した光は、一端部12aの端面12bから導光体12に入射し、上面12c、下面12d等に反射しつつ、主に他端部12f(図5および図6参照)に向けて導光体12内を伝搬する。
導光体12内を伝搬する光の一部は、光取出部16で散乱して下面12d側に取り出される。光取出部16は導光体12の上面12cの広い範囲にわたって形成されているため、面的な発光である第1照明光が得られる。
第1照明光は、照明装置10が設置されている空間の広い範囲(例えば車内全体)を照明するため、第1照明部2はルームランプとして使用することができる。
【0045】
図1〜図4に示すように、第2照明部3では、第2光源13から出射した光L1(図3参照)は、出射方向に向けて広がる拡散光であるが、集光素子21に入射して出射範囲が狭められるとともに、集光素子21と第2光源13の光軸位置のずれに応じて傾斜した第2照明光LA、LBとして出射される。
図1において、左に位置する第2照明部3(3A)では、集光素子21の光軸AX1は第2光源13の光軸AX2より左方にあるため、基板1に垂直な方向V1に対し左方に傾斜した第2照明光LAが得られる。右に位置する第2照明部3(3B)では、集光素子21の光軸AX1は第2光源13の光軸AX2より右方にあるため、方向V1に対し右に傾斜した第2照明光LBが得られる。
基板1に垂直な方向V1に対する第2照明光LA、LBの角度(図1および図14に示す傾斜角度θ)は、例えば1°以上、45°以下である。
第2照明光の傾斜角度は、例えば第2照明光の光束中心における光の進行方向の方向V1に対する角度である。
図1等では、第2照明光LA、LBが左右方向に傾斜していることが示されているが、第2照明光は図示した方向以外の方向に傾斜させてもよい。例えば第2照明光は図1における紙面に垂直な方向(紙面に対し手前側または奥側)に傾斜してもよい。
第2照明光は、第1照明光に比べて狭い範囲(例えば運転者や助手席の同乗者の手元)を選択的に照明するため、第2照明部3はマップランプ(スポットランプ)として使用できる。
【0046】
次に、図15〜図22を参照して、集光素子21と第2光源13との光軸位置をずらせることにより傾斜光が得られることについて説明する。
以下の試験では、図15に示すように、一方の面21fが曲面であり、他方の面21eが平坦面である集光素子21(焦点距離5mm、径3mmの凸レンズ)を使用する。
図15においては、yz直交座標系を設定する。集光素子21の中心軸に沿う方向(光軸AX1方向)がz方向であり、一方の面21fの接線であってz方向と直交する方向をy方向とする。この図においては、z=5mmの位置が集光素子21の焦点である。
図16に示すように、z=−5mm、y=0mmの位置に光源13がある場合には、発散光である出射光Lは、集光素子21によってスネルの法則に従って集光される。
この際、集光素子21を透過した透過光L’の光束中心における進行方向D’は集光素子21の光軸AX1に沿う方向となる。
図17に示すように、z=−5mm、y=1mmの位置に光源13がある場合には、透過光L’の光束中心における進行方向D’は、集光素子21の光軸AX1に対し、−y方向に角度θ1で傾斜する。
【0047】
図18は、z=−5mm、y=0mmの位置に光源13(発光面の直径2mm、光束1(lm)のLED)を設置したときに、z=700mmの位置で得られた照度分布を示すグラフであり、横軸はy(mm)であり、縦軸は照度(lx)である。この図に示すように、照度はy=0mmの位置を中心として分布している。透過光L’の進行方向D’の傾斜角度θ1(図17参照)は0degである。
図19は、z=−5mm、y=0.5mmの位置に光源13を設置した場合の照度分布を示すグラフである。この図に示すように、照度分布の中心は、前図に比べてやや−y方向側の位置にある。透過光L’の進行方向D’の傾斜角度θ1は約6degである。
図20は、z=−5mm、y=1mmの位置に光源13を設置した場合の照度分布を示すグラフである。この図に示すように、照度分布の中心は、前図に比べてさらに−y方向位置にある。透過光L’の進行方向D’の傾斜角度θ1は約11degである。
図21は、z=−5mm、y=1.5mmの位置に光源13を設置した場合の照度分布を示すグラフである。この図に示すように、照度分布の中心は、前図に比べてさらに−y方向側の位置にある。透過光L’の進行方向D’の傾斜角度θ1は約17degである。
図22は、図18〜図21に示す試験結果をまとめたもので、光の傾斜角度θ1(図17参照)と、光源13のy方向位置との関係を示すグラフであり、横軸は光源13のy方向位置であり、縦軸は光の傾斜角度θ1である。この図に示すように、光源13がy方向に位置するほど光の傾斜角度は大きくなる。
これらの試験結果より、集光素子21の光軸AX1が第2光源13の光軸AX2に対してずれた位置にあると、集光素子21を経た光は当該ずれ方向に傾斜し、その傾斜角度は光軸のずれ量に応じた値となることがわかる。
【0048】
照明装置10では、第2照明部3の集光素子21が、第2光源13の光軸AX2に対して光軸AX1位置をずらせて設けられているので、十分な角度で傾斜した第2照明光が得られる。これによって、集光素子21を傾斜配置する必要がなくなることから、装置の薄型化および小型化を図ることができる。
また、集光素子21を基板1に沿う姿勢とすることができるため、装置を平板状の構造とすることができる。
照明装置10は、第1照明部2および第2照明部3の両方が1つの基板1に設けられ、かつ導光体12も基板1に沿って設けられるため、複数の基板が必要となる場合や、導光体等の傾斜配置が必要となる場合に比べ、装置構成が簡単であり、この点からも薄型化および小型化に適している。
【0049】
照明装置10は、予め電子部品17を実装した基板1の一方の面1a側に、導光体12、光源11、13等を設けるという簡単な手順により作製できるため、製造が容易であり、低コスト化が可能であるという利点もある。
また、第2照明部3が基板1に設けられるため、高出力の第2光源13を用いる場合でも、光源13が発した熱を基板1全体に分散させ、局部的な温度上昇を防ぎ、安定した動作を確保できる。
特に、第1照明部2および第2照明部3の両方が1つの基板1に設けられるため、光源11、13として高出力のものを用いる場合でも、光源11、13が発した熱を基板1全体に分散させ、局部的な温度上昇を防ぎ、安定した動作を確保できる。
【0050】
なお、集光素子21は、照明装置10の薄型化および小型化を達成できる範囲であれば、基板1に対し、第2照明光に応じた方向に傾斜していてもよい。
【0051】
図23は、本発明の第2の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
以下の各実施形態の説明においては、第1実施形態と共通の構成について同一符号を付してその説明を省略することがある。
この実施形態では、カバー部4に取付口部4aが形成されておらず、集光素子21は、カバー部4の下板部4bの下面4e側に設けられている。集光素子21は、平坦面である面21eをカバー部4の下面4eに向けて設けられている。そのほかの構成については、図2等に示す第1の実施形態の照明装置10と同じとすることができる。
この照明装置は、カバー部4に取付口部4aがないため構造が簡単であり、しかも光路変更部14を取付口部4aに嵌め込む作業が必要なく、製造が容易である。
【0052】
図24は、本発明の第3の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
この実施形態では、集光素子21がカバー部4の下板部4bの下面4e側ではなく上面4f(第2光源13側の面)側に設けられている点で、図23に示す第2の実施形態の照明装置と異なる。集光素子21は、平坦面である面21eをカバー部4の上面4fに向けて設けられている。そのほかの構成については、第2の実施形態と同じとすることができる。
この照明装置では、第2実施形態と同様に、製造が容易であることに加え、集光素子21が外部に露出していないため外力による破損が起こりにくいという利点がある。
【0053】
図25は、本発明の第4の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
この実施形態では、集光素子21がカバー部4の下板部4bの下面4e側と上面4f側の両方に設けられている点で、図24に示す第3の実施形態の照明装置と異なる。下面4e側の集光素子21は、面21eがカバー部4の下面4eに向けられ、上面4f側の集光素子21は、面21eがカバー部4の上面4fに向けられている。そのほかの構成については、第2の実施形態と同じとすることができる。
第2〜第4の実施形態において、集光素子21は、カバー部4と別体であってもよいし、一体に形成することもできる。
【0054】
図26は、本発明の第5の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
この実施形態の照明装置は、集光素子21がカバー部4と一体となっていること以外は図2等に示す照明装置10と同じ構成である。具体的には、集光素子21の周縁部が取付口部4aの周縁部(取付口部4aの内面)と一体に形成されている。集光素子21とカバー部4は一体成形によって作製できる。
この照明装置では、集光素子21がカバー部4と一体となっているため、部品点数が少なく製造が容易である。
【0055】
図27は、本発明の第6の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
この実施形態では、カバー部4が、位置決め部材25を介して基板1に固定されており、これによって集光素子21は第2光源13に対して位置決めされている。
位置決め部材25は、第2光源13に対する集光素子21の距離(基板1に垂直な方向V1の距離)を定めるものであって、例えば樹脂からなる環状部材であってよい。位置決め部材25の高さ寸法を適宜選択することによって、第2光源13からの集光素子21の距離を任意に設定することができる。
そのほかの構成については、第5の実施形態と同じとすることができる。
【0056】
図28は、本発明の第7の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
この実施形態の照明装置では、光路変更部14は、集光素子21と光屈折素子22とを有する。具体的には、光路変更部14は、集光素子21の下面側(第2光源13側とは反対側)に光屈折素子22が設けられた構造を有する。
図29および図30に示すように、光屈折素子22は、光を屈折させる1または複数のプリズム部23を有する。図示例では、光屈折素子22の上面22aに、複数のプリズム部23が連なって形成されている。プリズム部23の一方の面(内周面23a)(図30参照)は方向V1に対し傾斜している。
【0057】
内周面23aの傾斜方向は、必要となる第2照明光の傾斜方向に応じて定められる。例えば、図1における左に位置する第2照明部3(3A)のプリズム部23の内周面23aは、図28〜図30に示すように、右方に向けて下降するように傾斜している。プリズム部23の外周面23bは方向V1に沿う面とすることができる。
光屈折素子22の下面22bは、基板1の一方の面1aに沿う平坦面であり、面1aにほぼ平行である(図28参照)。このため、光屈折素子22は基板1に沿う姿勢とされている。
【0058】
図28および図29に示すように、集光素子21および光屈折素子22は、カバー部4の下板部4bに形成された取付口部4aに嵌め込み、取付口部4aの周縁部に固定することができる。
第2光源13から出射した光L1(図29および図30参照)は、集光素子21で出射範囲が狭められ(光L2)、光屈折素子22のプリズム部23の傾斜面である内周面23aに入射し、下面22bから光L3(第2照明光LA)として出射する。
【0059】
この照明装置では、光路変更部14が光屈折素子22を有するので、光が光屈折素子22によって屈折され、より大きな角度で傾斜した第2照明光が得られる。従って、装置のいっそうの薄型化および小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1・・・基板、1a・・・基板の一方の面、2・・・第1照明部、3・・・第2照明部、4・・・カバー部、11・・・第1光源、12・・・導光体、13・・・第2光源、14・・・光路変更部、15・・・開口部、15a・・・周縁部、15b・・・内面、21・・・集光素子、22・・・光屈折素子、25・・・位置決め部材、30・・・タッチパッド(検知センサ)、AX1・・・集光素子の光軸、AX2・・・第2光源の光軸、V1・・・基板に垂直な方向。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の室内灯などに使用できる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の室内灯などに用いられる照明装置としては、広い範囲(例えば車内全体)を照明するルームランプと、狭い範囲(例えば運転者や助手席の同乗者の手元)を選択的に照明するマップランプとを備えたものがある。前記マップランプには、例えば運転席および助手席の方向に向けて傾斜させた光源(LED等)を用いることができる(例えば、特許文献1参照)。しかし、この構造の照明装置では、傾斜状態の光源に大きなスペースが必要となるため全体の厚さ寸法が大きくなるという問題がある。
【0003】
照明装置としては、導光板を経た光の光路をプリズムレンズによって変更することによって照明光を傾斜方向に向ける構造を採用したものがある(例えば、特許文献2参照)。この構造の照明装置では、光路を変更するプリズムレンズを採用するため、光源の姿勢や配置についての設計の自由度が高いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−094317号公報
【特許文献2】特開2010−149762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記照明装置では、十分な照明光の傾斜角度を得るためには、導光板およびプリズムレンズを傾斜させて設置する必要がある。このため、導光板が複数必要となったり、導光板およびプリズムレンズの固定構造が必要となることから、薄型化および小型化は難しかった。
また、光源と導光板との十分な結合効率を得るためには、光源を実装する基板を導光板に合わせて設置する必要があるため、前記基板の形状や配置が装置の厚さ増大の要因となることがあった。また、前記照明装置では、光源の点灯、消灯、光量調整などのためのスイッチが別途必要となるため、構造が複雑化し、薄型化および小型化を図るのが難しくなっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、薄型化および小型化が可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
本発明は、基板と、第1照明光を発する第1照明部と、前記第1照明部よりも狭い範囲に第2照明光を発する第2照明部と、を備え、前記第1照明部が、前記基板の一方の面に沿うシート状の導光体と、前記導光体に光を導入し面方向に伝搬させて前記第1照明光を得る第1光源とを有し、前記第2照明部が、前記基板の一方の面に実装された第2光源と、前記第2光源からの光を前記基板に垂直な方向に対し傾斜した方向に向けて前記第2照明光とする光路変更部とを有し、前記光路変更部は、前記光の出射範囲を狭める集光素子を有し、前記集光素子は、前記第2光源の光軸に対して前記傾斜方向に応じた方向に光軸位置をずらせて設けられ、かつ前記基板に沿う姿勢とされている照明装置を提供する。
前記集光素子としては、凸レンズを使用できる。
前記集光素子としては、球面、楕円球面、放物面、円柱面、楕円円柱面のうち1以上の曲面をなす凸形状を有する凸レンズを使用できる。
前記基板は、被検出体の近接または接触を検出する検知センサを備えていることが好ましい。
本発明の照明装置は、前記基板、第1照明部、および第2光源を覆うカバー部をさらに備え、前記カバー部は、前記集光素子と一体となっている構成としてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、集光素子が、第2光源の光軸に対して光軸位置をずらせて設けられているので、十分な角度で傾斜した第2照明光が得られる。これによって、集光素子を傾斜配置する必要がなくなることから、装置の薄型化および小型化を図ることができる。
また、集光素子を基板に沿う姿勢とされるため、装置を平板状の構造とすることができる。
また、第1照明部および第2照明部の両方が1つの基板に設けられ、かつ導光体も基板に沿って設けられるため、複数の基板が必要となる場合や、導光体等の傾斜配置が必要となる場合に比べ、装置構成が簡単であり、この点からも薄型化および小型化に適している。
本発明の照明装置は、予め電子部品を実装した基板の一方の面側に、導光体、光源等を設けるという簡単な手順により作製できるため、製造が容易であり、低コスト化が可能であるという利点もある。
また、第2照明部の第2光源は基板に設けられるため、高出力光源を用いる場合でも、光源が発した熱を基板全体に分散させ、局部的な温度上昇を防ぎ、安定した動作を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の照明装置の第1の実施形態の照明装置の主要部を示す断面図である。
【図2】図1の照明装置の第2照明部を示す断面図である。
【図3】図1の照明装置の第2光源と集光素子を示す断面図である。
【図4】図1の照明装置の全体断面図であり、図6のA1−A1断面を示す図である。
【図5】図1の照明装置の全体断面図であり、図6のA2−A2断面を示す図である。
【図6】図1の照明装置の平面図である。
【図7】図1の照明装置の第2照明部を分解して示す断面図であり、図6のX方向に沿う断面図である。
【図8】図1の照明装置の第1照明部を分解して示す断面図であり、図6のY方向に沿う断面図である。
【図9】図1の照明装置の第1照明部の断面図である。
【図10】図1の照明装置に使用できる基板の一例の断面図である。
【図11】図1の照明装置に使用できる導光体の一例の平面図である。
【図12】図1の照明装置に使用できる導光体の他の例の平面図である。
【図13】本発明の照明装置の第1の実施形態の主要部を模式的に示す断面図である。
【図14】図13の照明装置の第2光源と集光素子を模式的に示す図である。
【図15】図13の照明装置の集光素子を模式的に示す図である。
【図16】試験装置を模式的に示す図である。
【図17】試験装置を模式的に示す図である。
【図18】照度分布を示す図である。
【図19】照度分布を示す図である。
【図20】照度分布を示す図である。
【図21】照度分布を示す図である。
【図22】試験結果を示すグラフである。
【図23】本発明の照明装置の第2の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図24】本発明の照明装置の第3の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図25】本発明の照明装置の第4の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図26】本発明の照明装置の第5の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図27】本発明の照明装置の第6の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図28】本発明の照明装置の第7の実施形態の主要部を示す断面図である。
【図29】図28の照明装置の集光素子と光屈折素子を示す断面図である。
【図30】図28の照明装置の集光素子と光屈折素子を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である照明装置10の主要部を示す断面図であり、図6のX方向に沿う断面(A1−A1断面)を示す図である。図2は、照明装置10の第2照明部3を示す断面図である。図3は、照明装置10の集光素子21を示す断面図である。図4は、照明装置10の全体断面図であり、図6のA1−A1断面を示す図である。図5は、照明装置10の全体断面図であり、図6のA2−A2断面を示す図である。図6は、照明装置10の平面図である。図7は、照明装置10の第2照明部3を分解して示す断面図であり、図6のX方向に沿う断面図である。図8は、照明装置10の第1照明部2を分解して示す断面図であり、図6のY方向に沿う断面図である。図9は、照明装置10の第1照明部2の断面図である。図10は、照明装置10に使用できる基板1の一例の断面図である。図11は、照明装置10に使用できる導光体12の一例の平面図である。図12は、照明装置10に使用できる導光体12の他の例の平面図である。図13は、照明装置10の主要部を模式的に示す断面図である。図14は、第2光源13と集光素子21を模式的に示す図である。図14は、集光素子21を模式的に示す図である。
【0010】
まず、図13および図14を参照して、照明装置10の概要を説明する。
図13に示すように、照明装置10は、基板1と、第1照明光を発する第1照明部2と、第1照明部よりも狭い範囲に第2照明光を発する第2照明部3と、これらを覆うカバー部4とを備えている。
第1照明部2は、基板1の一方の面1aに沿うシート状の導光体12と、導光体12に光を導入する第1光源11とを備えている。
導光体12の上面12cには、入射光を散乱させて導光体12の下面12d側に取り出す(出射させる)光取出部16を形成することができる。
【0011】
第2照明部3は、基板1の一方の面1aに実装された第2光源13と、第2光源13からの光を基板1に垂直な方向V1に対し傾斜した第2照明光LAとする光路変更部14とを有する。
光路変更部14は、第2光源13からの光の出射範囲を狭める集光素子21を有する。
集光素子21は、例えば凸レンズである。集光素子21は、例えば球面、楕円球面、放物面、円柱面、楕円円柱面のうち1以上の曲面を主形状として有する凸レンズであることが好ましい。
【0012】
集光素子21の光軸AX1位置は、第2光源13の光軸AX2位置からずれている。このずれ方向は、第2照明光LAに応じた方向である。図示例では、集光素子21の光軸AX1は、第2光源13の光軸AX2より左方にあり、これによって左方に傾斜した第2照明光LAが得られる。
【0013】
第1照明部2では、第1光源11から出射した光Lは、導光体12に入射し、導光体12内を伝搬する。導光体12内を伝搬する光の一部は、光取出部16で散乱して下面12d側に取り出される。光取出部16が導光体12の上面12cの広い範囲にわたって形成されているため、面的な発光である第1照明光LCが得られる。
第1照明光は、照明装置10が設置されている空間の広い範囲(例えば車内全体)を照明する。
【0014】
第2照明部3では、第2光源13から出射した光L1は、集光素子21に入射して出射範囲が狭められるとともに、集光素子21と第2光源13の光軸位置のずれに応じて傾斜して第2照明光LAとして出射される。図示例では、集光素子21の光軸AX1は、第2光源13の光軸AX2より左方にあるため、左方に傾斜した第2照明光LAが得られる。
【0015】
図14は、集光素子21と第2光源13の光軸位置と出射光との関係を示す模式図である。
この図に示すように、第2光源13から出射した光L1は、第2光源13の光軸AX2から左方にずれた位置に光軸AX1を有する集光素子21に入射すると、この光軸位置ずれに応じて、基板1に垂直な方向V1に対して左方に傾斜して第2照明光LAとして出射する。
第2照明光は、第1照明光に比べて狭い範囲(例えば運転者や助手席の同乗者の手元)を選択的に照明する。
【0016】
次に、図1〜図12を参照して、照明装置10を詳細に説明する。
図1、図4〜図6に示すように、照明装置10は、基板1と、第1照明光を発する第1照明部2と、第1照明部よりも狭い範囲に第2照明光を発する第2照明部3と、これらを覆うカバー部4と、カバー部4が取り付けられるフレーム部5とを備えている。
照明装置10は、例えば車両の天井部に設置して、室内灯として使用できる。図4および図5に示すように、照明装置10は、例えばフレーム部5を車両の内装材6に固定することで車両内に設置できる。
【0017】
図5および図6に示すように、第1照明部2は、基板1の一方の面1a(下面または表面)に沿って設置されたシート状の導光体12と、導光体12に光を導入する第1光源11とを備えている。第1照明部2は、広い範囲(例えば車内全体)を照明するルームランプとして使用できる。
【0018】
第1光源11は、基板1の一方の面1aに実装された1または複数の光源11aからなる。この例では、図6に示すように、第1光源11は複数の光源11aからなり、これら光源11aは、導光体12の一端部12aに沿って並べられている。
この例の光源11aが設けられた一端部12aは、平面視略矩形の導光体12の4つの辺部のうち1つであり、詳細には、略長方形の導光体12の一方の長辺である。光源11aは、一端部12aの長さ方向の中央部を含む一部範囲に設置することができる。光源11aの設置数および位置は、導光体12内に導入して面発光させた第1照明光の明るさに不均一が生じることがないように定められる。
【0019】
図8および図9に示すように、光源11aは、発光面11bを導光体12の一端部12aの端面12bに対面させて設置される。
光源11aとしては、発光ダイオード(以下、LEDという)(発光素子)を使用できる。なお、光源11aとして使用される発光素子は、LEDに限らず、冷陰極管などでもよい。
【0020】
導光体12は、透明な光透過性樹脂からなり、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のエラストマー、ウレタンアクリレート等を用いることができる。
図9に示すように、導光体12の厚さT1は、光源11aの高さH1と同じ、またはこれより大きく設定すると、光源11aからの光の導入効率を高め、第1照明光の輝度および照度を高めることができる。
【0021】
図9に示すように、導光体12の基板1側の面である上面12c(一方の面または裏面)には、入射光を散乱させて導光体12の下面12d(他方の面または表面)側に取り出す(出射させる)光取出部16を形成することができる。光取出部16は、上面12cの一部または全部の領域に形成することができる。光取出部16が広い範囲に形成されることによって、導光体12内の光は、面的な発光(第1照明光)として下面12d側に取り出される。
光取出部16は、上面12cのほぼ全域にわたって均一に形成することによって、導光体12のほぼ全域を面的に発光させることができる。第1照明部2は、面状発光装置として機能する。
【0022】
光取出部16は、例えば印刷により形成された複数の微小ドット状のインク層(以下、単に微小ドットという)とすることができる。微小ドットの平面視形状は円形、楕円形、多角形(矩形等)など任意としてよい。微小ドットはスクリーン印刷法、グラビア印刷法、パッド印刷法などの印刷法により形成することができる。
【0023】
微小ドットを構成するインクとしては、例えば顔料として酸化チタンを用いた白色インクが好適である。酸化チタンは白色顔料として機能するため、前記インクは白色を呈する。インクの酸化チタン含有率は、5〜50質量%以上、好ましくは10〜40質量%以上とすると高輝度が得られる。
酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型等があり、特に、ルチル型の酸化チタンが好ましい。
白色光を発光させるためには可視光全域を満遍なく散乱させる必要がある。ここで、散乱させる波長と、酸化チタンの粒径の関係を考慮すると、酸化チタンの粒径は10nm〜0.5μmが望ましい。
なお、光取出部はインク層に限らず、導光体表面に形成された切り欠きでもよいし、サンドブラスト等によって形成した粗面部などであってもよい。
【0024】
図4および図5に示すように、基板1の他方の面1b(上面または裏面)には、例えば光源11、13の点灯、消灯、光量調整などを行うための半導体素子などの電子部品17(17a〜17c)が実装されている。電子部品17としては、公知のものを使用できる。
【0025】
図10に示すように、基板1としては、タッチパッド30(検知センサ)を備えたものが好適である。タッチパッド30は、入力センサ31と、その一方の面に形成されたレジスト層32(被覆樹脂層)とを備えている。
入力センサ31は、人間の手指等の被検出体の近接または接触を検出するセンサである。ここでは、入力センサ31は静電容量式の入力センサであって、基材33の一方の面に配線層34が設けられた構成である。静電容量式の入力センサ31は、1枚の基材33と配線層34からなる単純な構造であるため、薄型化が可能である。
【0026】
基材33は、例えばPETなどの樹脂で形成された板材である。基材33は、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド等からなるフレキシブル基板や、ガラスエポキシ樹脂等からなるリジッド基板であってもよい。
【0027】
配線層34は、例えば複数の電極34aを有する。人間の手指等の被検出体が近づくと、被検出体と電極34aとの間には静電容量が形成され、この静電容量は被検出体と電極34aとの間の対向面積や離間距離によって変化する。このため、被検出体と電極34aは可変容量部を形成する。
可変容量部の静電容量の変化は検出手段(図示略)で検出され、その検出値に基づいて制御部(図示略)で被検出体による入力操作、その位置等が把握される。
【0028】
配線層34は、例えば、銀粒子を含む銀ペーストを基材33上にスクリーン印刷した後に加熱することで形成することができる。配線層34は、基材33に積層した銅箔をエッチングすることにより形成してもよい。
レジスト層32は、配線層34間の電気絶縁性を確保するとともに酸化を防止するもので、入力センサ31の一方の面(導光体12側の面)側に、基材33および配線層34を覆って形成される。レジスト層32としては、例えば汎用のソルダレジストを使用できる。
【0029】
図5、図8および図9に示すように、第1光源11および導光体12の一端部12aを含む範囲の下面側には、遮光性を有するマスク18を設けることができる。図示例のマスク18は、第1光源11から導光体12の一端部12aにかけて形成されている。マスク18には、白色材料を使用するのが好ましい。
マスク18を設けることによって、第1光源11からの光が外部に漏れるのを防ぎ、前記光の導光体12への導入効率を高めることができる。また、第1光源11およびその近傍における輝度が局所的に高くなるのを防ぐことができる。
【0030】
図1〜図4および図6に示すように、第2照明部3は、基板1の一方の面1aに実装された第2光源13と、第2光源13からの光を基板1に垂直な方向V1に対し傾斜した方向に向けて第2照明光とする光路変更部14とを有する。
第2照明部3は、狭い範囲(例えば運転者や助手席の同乗者の手元)を選択的に照明するマップランプ(スポットランプ)として使用できる。
【0031】
図1、図2、図4および図6に示すように、第2光源13は、基板1の一方の面1aに実装されている。この例では、2つの第2光源13が互いに離間して基板1に設けられている。
第2光源13としては、発光ダイオード(以下、LEDという)(発光素子)を使用できる。なお、第2光源13として使用される発光素子は冷陰極管などでもよい。第2光源13の数は図示例に限らず、1であってもよいし、3以上であってもよい。
【0032】
導光体12には、第2光源13を収容可能な開口部15が形成されている。
図11に示すように、開口部15の平面視形状は特に限定されず、この図に示すように円形としてもよいし、他の形状、例えば楕円形、矩形等としてもよい。なお、開口部15は、第2光源13を囲む閉鎖形状(図11参照)に限らず、図12に示すように、導光体12の縁部12eに達する開放形状であってもよい。
【0033】
図2に示すように、この例の開口部15は、上面12cから下面12dに向けて徐々に拡径するように形成されている。すなわち、開口部15の周縁部15aの内面15bは、上面12cから下面12dに向けて徐々に第2光源13から離れるように傾斜している。
この開口部15では、周縁部15aの内面15bで反射した光は下方に向かうため、第2照明光の光量が大きくなる。
【0034】
周縁部15aの内面15bの少なくとも一部は、第2光源13からの光を反射する反射面とすることができる。内面15bは、全面が反射面であることが好ましい。
内面15bの反射面は、第2光源13からの光を効率よく反射できるものが好ましく、例えば金属粉末を含有する塗料(例えばミラーインク)を用いて内面15bを反射面とすることができる。内面15bを反射面とするには、公知の方法により内面15bに金属薄膜を形成してもよい。
内面15bを反射面とすることによって、第2光源13からの光を効率よく光路変更部14に向け、光の利用効率を高めることができる。
【0035】
周縁部15aの内面15bの少なくとも一部は、第1光源11からの光を遮る遮光面としても機能させることができる。これによって、導光体12内部を伝搬する第1光源11からの光が内面15bから漏れるのを防止でき、第1光源11からの光の利用効率が低下するのを防ぐことができる。
前記第2光源13からの光を反射する反射面は、第1光源11からの光を遮る遮光面としても機能する。また、内面15bに反射面を形成すると、第1光源11からの光も導光体12内で反射させ、その利用効率を高めることができる。
【0036】
なお、開口部15は、上面12cから下面12dに向けて徐々に縮径するように形成してもよい。この形状の開口部15では、周縁部15aは絞り的に機能し、第2光源13からの光の出射範囲を小さくし、集光性を高めることができる。また、開口部15は一定の内径とすることもできる。
【0037】
図2、図3に示すように、光路変更部14は、第2光源13からの光の出射範囲を狭める集光素子21を有する。
集光素子21は、第2光源13からの光の広がり角と、集光素子21から出射する光に要求される光の傾斜角度などに応じて設計すればよいが、球面、楕円球面、放物面、円柱面、楕円円柱面等の曲面の一部を主形状とする形状としてもよいし、あるいはこれらの曲面を複数組み合わせた形状としてもよい。
【0038】
図3に示すように、図示例の集光素子21は、上面21fが凸状の曲面となる凸レンズである。
集光素子21の下面21eは、基板1の一方の面1aに沿う平坦面であり、面1aにほぼ平行である(図2参照)。このため、集光素子21は基板1に沿う姿勢とされている。
なお、集光素子21は、逆に、曲面である面21fを下に向け、平坦面である面21eを上に向けた姿勢としてもよい。また、集光素子21は、上下両面が凸状の曲面となる凸レンズであってもよい。
【0039】
集光素子21は、第2光源13からの光を平行化することができることが好ましい。図3に示す例では、第2光源13からの出射光L1は、集光素子21によって平行光である第2照明光LAとなる。なお、集光素子21は、第2光源13からの光の出射範囲を十分に狭めることができるものであれば、平行化は必須ではない。
【0040】
図2、図3に示すように、集光素子21の光軸AX1位置は、第2光源13の光軸AX2位置からずれている。
光軸AX2は、第2光源13からの出射光束の中心における光の進行方向に沿う線であり、図示例では第2光源13の中心を通り、基板1の一方の面1aに垂直である。光軸AX1は、例えば集光素子21の回転対称形状の中心軸に沿う線であり、図示例では集光素子21の中心を通り、基板1の一方の面1aに垂直である。
図示例では、光軸AX1、AX2の位置ずれとは、基板1の一方の面1aに沿う面内の位置ずれである。
【0041】
第2光源13の光軸AX2に対する集光素子21の光軸AX1のずれ方向は、第2照明光の傾斜方向に応じた方向である。
図1に示すように、左に位置する第2照明部3(3A)では、集光素子21の光軸AX1は第2光源13の光軸AX2より左方にあり、これによって基板1に垂直な方向V1に対し左方に傾斜した第2照明光LAが得られる。右に位置する第2照明部3(3B)では、集光素子21の光軸AX1は第2光源13の光軸AX2より右方にあり、方向V1に対し右に傾斜した第2照明光LBが得られる。
【0042】
図2、図3、図6および図7に示すように、集光素子21は、カバー部4の下板部4bに形成された取付口部4aに嵌め込み、取付口部4aの周縁部に固定することができる。
集光素子21は、カバー部4の取付口部4a内に設置されているため、カバー部4から突出していない。このため、外力による集光素子21の破損が起こりにくい。
【0043】
図4および図5に示すように、カバー部4は、基板1、第1照明部2および第2光源13を覆い、これらを保護するものであり、平板状の下板部4bと、その周縁に形成された側板部4cとを備えている。カバー部4は、側板部4cに外方に向けて形成された係止爪部4dをフレーム部5の係止穴5aに係止させることでフレーム部5に取り付けることができる。
カバー部4は、光が透過可能な透明材料からなることが好ましく、例えば樹脂やガラスなどからなる。
【0044】
次に、照明装置10の第1照明部2および第2照明部3で得られる照明光について説明する。
図5、図6および図9に示すように、第1照明部2では、第1光源11(光源11a)から出射した光は、一端部12aの端面12bから導光体12に入射し、上面12c、下面12d等に反射しつつ、主に他端部12f(図5および図6参照)に向けて導光体12内を伝搬する。
導光体12内を伝搬する光の一部は、光取出部16で散乱して下面12d側に取り出される。光取出部16は導光体12の上面12cの広い範囲にわたって形成されているため、面的な発光である第1照明光が得られる。
第1照明光は、照明装置10が設置されている空間の広い範囲(例えば車内全体)を照明するため、第1照明部2はルームランプとして使用することができる。
【0045】
図1〜図4に示すように、第2照明部3では、第2光源13から出射した光L1(図3参照)は、出射方向に向けて広がる拡散光であるが、集光素子21に入射して出射範囲が狭められるとともに、集光素子21と第2光源13の光軸位置のずれに応じて傾斜した第2照明光LA、LBとして出射される。
図1において、左に位置する第2照明部3(3A)では、集光素子21の光軸AX1は第2光源13の光軸AX2より左方にあるため、基板1に垂直な方向V1に対し左方に傾斜した第2照明光LAが得られる。右に位置する第2照明部3(3B)では、集光素子21の光軸AX1は第2光源13の光軸AX2より右方にあるため、方向V1に対し右に傾斜した第2照明光LBが得られる。
基板1に垂直な方向V1に対する第2照明光LA、LBの角度(図1および図14に示す傾斜角度θ)は、例えば1°以上、45°以下である。
第2照明光の傾斜角度は、例えば第2照明光の光束中心における光の進行方向の方向V1に対する角度である。
図1等では、第2照明光LA、LBが左右方向に傾斜していることが示されているが、第2照明光は図示した方向以外の方向に傾斜させてもよい。例えば第2照明光は図1における紙面に垂直な方向(紙面に対し手前側または奥側)に傾斜してもよい。
第2照明光は、第1照明光に比べて狭い範囲(例えば運転者や助手席の同乗者の手元)を選択的に照明するため、第2照明部3はマップランプ(スポットランプ)として使用できる。
【0046】
次に、図15〜図22を参照して、集光素子21と第2光源13との光軸位置をずらせることにより傾斜光が得られることについて説明する。
以下の試験では、図15に示すように、一方の面21fが曲面であり、他方の面21eが平坦面である集光素子21(焦点距離5mm、径3mmの凸レンズ)を使用する。
図15においては、yz直交座標系を設定する。集光素子21の中心軸に沿う方向(光軸AX1方向)がz方向であり、一方の面21fの接線であってz方向と直交する方向をy方向とする。この図においては、z=5mmの位置が集光素子21の焦点である。
図16に示すように、z=−5mm、y=0mmの位置に光源13がある場合には、発散光である出射光Lは、集光素子21によってスネルの法則に従って集光される。
この際、集光素子21を透過した透過光L’の光束中心における進行方向D’は集光素子21の光軸AX1に沿う方向となる。
図17に示すように、z=−5mm、y=1mmの位置に光源13がある場合には、透過光L’の光束中心における進行方向D’は、集光素子21の光軸AX1に対し、−y方向に角度θ1で傾斜する。
【0047】
図18は、z=−5mm、y=0mmの位置に光源13(発光面の直径2mm、光束1(lm)のLED)を設置したときに、z=700mmの位置で得られた照度分布を示すグラフであり、横軸はy(mm)であり、縦軸は照度(lx)である。この図に示すように、照度はy=0mmの位置を中心として分布している。透過光L’の進行方向D’の傾斜角度θ1(図17参照)は0degである。
図19は、z=−5mm、y=0.5mmの位置に光源13を設置した場合の照度分布を示すグラフである。この図に示すように、照度分布の中心は、前図に比べてやや−y方向側の位置にある。透過光L’の進行方向D’の傾斜角度θ1は約6degである。
図20は、z=−5mm、y=1mmの位置に光源13を設置した場合の照度分布を示すグラフである。この図に示すように、照度分布の中心は、前図に比べてさらに−y方向位置にある。透過光L’の進行方向D’の傾斜角度θ1は約11degである。
図21は、z=−5mm、y=1.5mmの位置に光源13を設置した場合の照度分布を示すグラフである。この図に示すように、照度分布の中心は、前図に比べてさらに−y方向側の位置にある。透過光L’の進行方向D’の傾斜角度θ1は約17degである。
図22は、図18〜図21に示す試験結果をまとめたもので、光の傾斜角度θ1(図17参照)と、光源13のy方向位置との関係を示すグラフであり、横軸は光源13のy方向位置であり、縦軸は光の傾斜角度θ1である。この図に示すように、光源13がy方向に位置するほど光の傾斜角度は大きくなる。
これらの試験結果より、集光素子21の光軸AX1が第2光源13の光軸AX2に対してずれた位置にあると、集光素子21を経た光は当該ずれ方向に傾斜し、その傾斜角度は光軸のずれ量に応じた値となることがわかる。
【0048】
照明装置10では、第2照明部3の集光素子21が、第2光源13の光軸AX2に対して光軸AX1位置をずらせて設けられているので、十分な角度で傾斜した第2照明光が得られる。これによって、集光素子21を傾斜配置する必要がなくなることから、装置の薄型化および小型化を図ることができる。
また、集光素子21を基板1に沿う姿勢とすることができるため、装置を平板状の構造とすることができる。
照明装置10は、第1照明部2および第2照明部3の両方が1つの基板1に設けられ、かつ導光体12も基板1に沿って設けられるため、複数の基板が必要となる場合や、導光体等の傾斜配置が必要となる場合に比べ、装置構成が簡単であり、この点からも薄型化および小型化に適している。
【0049】
照明装置10は、予め電子部品17を実装した基板1の一方の面1a側に、導光体12、光源11、13等を設けるという簡単な手順により作製できるため、製造が容易であり、低コスト化が可能であるという利点もある。
また、第2照明部3が基板1に設けられるため、高出力の第2光源13を用いる場合でも、光源13が発した熱を基板1全体に分散させ、局部的な温度上昇を防ぎ、安定した動作を確保できる。
特に、第1照明部2および第2照明部3の両方が1つの基板1に設けられるため、光源11、13として高出力のものを用いる場合でも、光源11、13が発した熱を基板1全体に分散させ、局部的な温度上昇を防ぎ、安定した動作を確保できる。
【0050】
なお、集光素子21は、照明装置10の薄型化および小型化を達成できる範囲であれば、基板1に対し、第2照明光に応じた方向に傾斜していてもよい。
【0051】
図23は、本発明の第2の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
以下の各実施形態の説明においては、第1実施形態と共通の構成について同一符号を付してその説明を省略することがある。
この実施形態では、カバー部4に取付口部4aが形成されておらず、集光素子21は、カバー部4の下板部4bの下面4e側に設けられている。集光素子21は、平坦面である面21eをカバー部4の下面4eに向けて設けられている。そのほかの構成については、図2等に示す第1の実施形態の照明装置10と同じとすることができる。
この照明装置は、カバー部4に取付口部4aがないため構造が簡単であり、しかも光路変更部14を取付口部4aに嵌め込む作業が必要なく、製造が容易である。
【0052】
図24は、本発明の第3の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
この実施形態では、集光素子21がカバー部4の下板部4bの下面4e側ではなく上面4f(第2光源13側の面)側に設けられている点で、図23に示す第2の実施形態の照明装置と異なる。集光素子21は、平坦面である面21eをカバー部4の上面4fに向けて設けられている。そのほかの構成については、第2の実施形態と同じとすることができる。
この照明装置では、第2実施形態と同様に、製造が容易であることに加え、集光素子21が外部に露出していないため外力による破損が起こりにくいという利点がある。
【0053】
図25は、本発明の第4の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
この実施形態では、集光素子21がカバー部4の下板部4bの下面4e側と上面4f側の両方に設けられている点で、図24に示す第3の実施形態の照明装置と異なる。下面4e側の集光素子21は、面21eがカバー部4の下面4eに向けられ、上面4f側の集光素子21は、面21eがカバー部4の上面4fに向けられている。そのほかの構成については、第2の実施形態と同じとすることができる。
第2〜第4の実施形態において、集光素子21は、カバー部4と別体であってもよいし、一体に形成することもできる。
【0054】
図26は、本発明の第5の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
この実施形態の照明装置は、集光素子21がカバー部4と一体となっていること以外は図2等に示す照明装置10と同じ構成である。具体的には、集光素子21の周縁部が取付口部4aの周縁部(取付口部4aの内面)と一体に形成されている。集光素子21とカバー部4は一体成形によって作製できる。
この照明装置では、集光素子21がカバー部4と一体となっているため、部品点数が少なく製造が容易である。
【0055】
図27は、本発明の第6の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
この実施形態では、カバー部4が、位置決め部材25を介して基板1に固定されており、これによって集光素子21は第2光源13に対して位置決めされている。
位置決め部材25は、第2光源13に対する集光素子21の距離(基板1に垂直な方向V1の距離)を定めるものであって、例えば樹脂からなる環状部材であってよい。位置決め部材25の高さ寸法を適宜選択することによって、第2光源13からの集光素子21の距離を任意に設定することができる。
そのほかの構成については、第5の実施形態と同じとすることができる。
【0056】
図28は、本発明の第7の実施形態である照明装置の一部を示す断面図である。
この実施形態の照明装置では、光路変更部14は、集光素子21と光屈折素子22とを有する。具体的には、光路変更部14は、集光素子21の下面側(第2光源13側とは反対側)に光屈折素子22が設けられた構造を有する。
図29および図30に示すように、光屈折素子22は、光を屈折させる1または複数のプリズム部23を有する。図示例では、光屈折素子22の上面22aに、複数のプリズム部23が連なって形成されている。プリズム部23の一方の面(内周面23a)(図30参照)は方向V1に対し傾斜している。
【0057】
内周面23aの傾斜方向は、必要となる第2照明光の傾斜方向に応じて定められる。例えば、図1における左に位置する第2照明部3(3A)のプリズム部23の内周面23aは、図28〜図30に示すように、右方に向けて下降するように傾斜している。プリズム部23の外周面23bは方向V1に沿う面とすることができる。
光屈折素子22の下面22bは、基板1の一方の面1aに沿う平坦面であり、面1aにほぼ平行である(図28参照)。このため、光屈折素子22は基板1に沿う姿勢とされている。
【0058】
図28および図29に示すように、集光素子21および光屈折素子22は、カバー部4の下板部4bに形成された取付口部4aに嵌め込み、取付口部4aの周縁部に固定することができる。
第2光源13から出射した光L1(図29および図30参照)は、集光素子21で出射範囲が狭められ(光L2)、光屈折素子22のプリズム部23の傾斜面である内周面23aに入射し、下面22bから光L3(第2照明光LA)として出射する。
【0059】
この照明装置では、光路変更部14が光屈折素子22を有するので、光が光屈折素子22によって屈折され、より大きな角度で傾斜した第2照明光が得られる。従って、装置のいっそうの薄型化および小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1・・・基板、1a・・・基板の一方の面、2・・・第1照明部、3・・・第2照明部、4・・・カバー部、11・・・第1光源、12・・・導光体、13・・・第2光源、14・・・光路変更部、15・・・開口部、15a・・・周縁部、15b・・・内面、21・・・集光素子、22・・・光屈折素子、25・・・位置決め部材、30・・・タッチパッド(検知センサ)、AX1・・・集光素子の光軸、AX2・・・第2光源の光軸、V1・・・基板に垂直な方向。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、第1照明光を発する第1照明部と、前記第1照明部よりも狭い範囲に第2照明光を発する第2照明部と、を備え、
前記第1照明部が、前記基板の一方の面に沿うシート状の導光体と、前記導光体に光を導入し面方向に伝搬させて前記第1照明光を得る第1光源とを有し、
前記第2照明部が、前記基板の一方の面に実装された第2光源と、前記第2光源からの光を前記基板に垂直な方向に対し傾斜した方向に向けて前記第2照明光とする光路変更部とを有し、
前記光路変更部は、前記光の出射範囲を狭める集光素子を有し、
前記集光素子は、前記第2光源の光軸に対して、前記傾斜方向に応じた方向に光軸位置をずらせて設けられ、かつ前記基板に沿う姿勢とされていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記集光素子は、凸レンズであることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記集光素子は、球面、楕円球面、放物面、円柱面、楕円円柱面のうち1以上の曲面をなす凸形状を有することを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記基板は、被検出体の近接または接触を検出する検知センサを備えていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の照明装置。
【請求項5】
前記基板、第1照明部、および第2光源を覆うカバー部をさらに備え、前記カバー部は、前記集光素子と一体となっていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の照明装置。
【請求項1】
基板と、第1照明光を発する第1照明部と、前記第1照明部よりも狭い範囲に第2照明光を発する第2照明部と、を備え、
前記第1照明部が、前記基板の一方の面に沿うシート状の導光体と、前記導光体に光を導入し面方向に伝搬させて前記第1照明光を得る第1光源とを有し、
前記第2照明部が、前記基板の一方の面に実装された第2光源と、前記第2光源からの光を前記基板に垂直な方向に対し傾斜した方向に向けて前記第2照明光とする光路変更部とを有し、
前記光路変更部は、前記光の出射範囲を狭める集光素子を有し、
前記集光素子は、前記第2光源の光軸に対して、前記傾斜方向に応じた方向に光軸位置をずらせて設けられ、かつ前記基板に沿う姿勢とされていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記集光素子は、凸レンズであることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記集光素子は、球面、楕円球面、放物面、円柱面、楕円円柱面のうち1以上の曲面をなす凸形状を有することを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記基板は、被検出体の近接または接触を検出する検知センサを備えていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の照明装置。
【請求項5】
前記基板、第1照明部、および第2光源を覆うカバー部をさらに備え、前記カバー部は、前記集光素子と一体となっていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−201347(P2012−201347A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70810(P2011−70810)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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