説明

照明装置

【課題】 実験設備等で被実験対象体等を照明するのに適し、かつ照明光の再現性に優れた照明装置を提供する。
【解決手段】 それぞれ赤色発光ダイオード(赤色LED)、緑色発光ダイオード(緑色LED)、青色発光ダイオード(青色LED)が内蔵された複数のフルカラー発光ダイオード(フルカラーLED)220をマトリクス状に配列して照明部210を構成し、フルカラー発光ダイオードフルカラーLED220の赤色LED、緑色LED、青色LEDは、それぞれ流す電流を調節可能に制御する定電流回路を有する赤色LED制御部60−1、緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3により制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LED(発光ダイオード)アレイを用いた照明装置に関し、詳しくは実験設備等で被実験対象体等を照明するのに適した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実験設備等では、被実験対象体に照明装置から光を当てて、被実験対象体の変化を目視もしくはその撮像画像の解析により分析することが行われる。この場合の照明装置としては、照明装置から発光される光のスペクトルが不要な紫外線や赤外線を含まず、かつ色純度が高い方が目視による観察、または撮像画像の解析の上から好ましい。
【0003】
また、被実験対象体の影などの影響を除去するためには、点光源よりも一定の範囲で均一な光が得られる面照明の方が好ましい。
【0004】
しかし、従来のこの種の照明装置は、白熱灯もしくは蛍光灯等を用いていたために、高い光純度が得られず、このため被実験対象体の目視により観察においては必要な情報を高精度で得ることができない場合があり、また、撮像画像の解析においても好ましい成果が得られない場合があった。
【0005】
そこで、不要な紫外線や赤外線を含まない光純度の高い光が簡単に得られる発光ダイオードの利用が考えられており、その中で、光の三原色である赤色・緑色・青色の発光ダイオードのチップを用いて1つの発光源とするフルカラーLEDが注目されている。
【0006】
しかし、フルカラーLEDは、基本的には点光源であり、このフルカラーLEDを被実験対象体を照明する照明装置に用いた場合は、影などの影響が問題になる。
【0007】
フルカラーLEDを用いた従来の技術としては、フルカラーLEDを平面上にマトリクス状に配置した特許文献1に開示された「フルカラーLEDドットマトリクス表示装置」が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−258693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載された「フルカラーLEDドットマトリクス表示装置」は、各フルカラーLEDの輝度制御をPWM(Pulse Width Modulation)制御を用いているため、ちらつきが生じ、この種の実験設備等の照明装置には適さない。
【0010】
そこで、この発明は、実験設備等で被実験対象体等を照明するのに適し、かつ照明光の再現性に優れた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の照明装置は、平面上にマトリックス状に配列され、それぞれ赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードが内蔵された複数のフルカラー発光ダイオードと、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオードを流れる電流を調節可能に制御する第1の定電流制御手段と、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記緑色発光ダイオードを流れる電流を調節可能に制御する第2の定電流制御手段と、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記青色発光ダイオードを流れる電流を調節可能に制御する第3の定電流制御手段と、前記第1の定電流制御手段、前記第2の定電流制御手段、前記第3の定電流制御手段でそれぞれ制御される電流の比率を維持しつつ、前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流の総和値を調節可能に制御する輝度制御手段と、前記第1の定電流制御手段、前記第2の定電流制御手段、前記第3の定電流制御手段で制御する電流の初期値および前記輝度制御手段で制御する前記総和値の初期値を記憶する初期値記憶手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1の定電流制御手段は、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオードを流れる電流の単位量の増減を指示して全体の発光色の赤色成分を調整する赤色成分調整手段を有し、前記第2の定電流制御手段は、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記緑色発光ダイオードを流れる電流の単位量の増減を指示して全体の発光色の緑色成分を調整する緑色成分調整手段を有し、前記第3の定電流制御手段は、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記青色発光ダイオードを流れる電流の単位量の増減を指示して全体の発光色の青色成分を調整する青色成分調整手段を有し、前記輝度制御手段は、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流の総和の単位量の増減を指示して全体の輝度を調整する輝度調整手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、起動時もしくはリセットスイッチが操作されたときに、前記初期値記憶手段にそれぞれ記憶された電流の初期値および総和値の初期値を呼び出す呼出手段を具備し、前記第1の定電流制御手段、前記第2の定電流制御手段、前記第3の定電流制御手段は、前記呼出手段により呼び出された前記電流の初期値に基づき、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流をそれぞれ制御し、前記輝度制御手段は、前記呼出手段により呼び出された前記総和値の初期値に基づき、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流の総和を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、プリセットスイッチと、選択呼出スイッチと、プリセット値記憶手段とを更に具備し、前記プリセットスイッチが操作される毎に、前記第1の定電流制御手段、前記第2の定電流制御手段、前記第3の定電流制御手段により制御されているそれぞれの前記電流値および前記輝度制御手段により制御されている前記総和値をそれぞれプリセット値として前記プリセット値記憶手段に格納し、前記選択呼出スイッチが操作されると、前記プリセット値記憶手段にそれぞれ記憶された前記プリセット値の中の選択されたプリセット値を呼び出し、該読み出された当該プリセット値に基づき、前記第1の定電流制御手段、前記第2の定電流制御手段、前記第3の定電流制御手段により、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流をそれぞれ制御し、前記輝度制御手段により、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流の総和を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記赤色成分調整手段、前記緑色成分調整手段、前記青色成分調整手段、前記輝度調整手段のいずれかによる調整から一定時間の間に前記プリセットスイッチが操作されない場合は、前記赤色成分調整手段、前記緑色成分調整手段、前記青色成分調整手段、前記輝度調整手段により調整された調整値で前記初期値を更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、マトリクス状に配置された複数のフルカラー発光ダイオードの赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードを流れる電流を第1の定電流制御手段、第2の定電流制御手段、第3の定電流制御手段でそれぞれ調節可能に制御し、輝度制御手段は、第1の定電流制御手段、第2の定電流制御手段、第3の定電流制御手段でそれぞれ制御される電流の比率を維持しつつ、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードを流れる電流の総和値を調節可能に制御するように構成したので、ちらつきのない、照明光の再現性に優れ、実験設備等で被実験対象体等を照明するのに適した照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、この発明に係わる照明装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、この発明に係わる照明装置の表面図(図2(A))および裏面図(図2(B))の一例を示す図である。
【図3】図3は、図1に示した照明装置のフルカラーLEDの駆動回路の一例を示した図である。
【図4】図4は、図1に示した照明装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明に係わる照明装置の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、この発明に係わる照明装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、この発明に係わる照明装置の表面図(図2(A))および裏面図(図2(B))の一例を示す図である。
【0020】
この実施例の照明装置100は、図2(A)に示すように、それぞれ赤色発光ダイオード(赤色LED)、緑色発光ダイオード(緑色LED)、青色発光ダイオード(青色LED)が内蔵された複数のフルカラー発光ダイオード(フルカラーLED)220をマトリクス状に配列して照明部210が構成される。
【0021】
図1において、この実施例の照明装置100は、赤色成分調整スイッチ10−1、緑色成分調整スイッチ10−2、青色成分調整スイッチ10−3、輝度調整スイッチ20、プリセットスイッチ30、選択スイッチ40、リセットスイッチ50、赤色LED制御部60−1、緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3、輝度制御部70、初期値記憶部80、プリセット値記憶部90を制御部200に接続して構成され、赤色LED制御部60−1、緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3、輝度制御部70で制御されるフルカラーLEDマトリクス回路300が、図2に示した照明部210を構成する。
【0022】
赤色成分調整スイッチ10−1は、図2に示したRED(+)ボタンとRED(−)ボタンに対応するもので、RED(+)ボタンまたはRED(−)ボタンを押す毎に所定単位でフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LEDに流れる電流を増減することにより、照明部210から発光される照明光の赤色成分の調整を行う。
【0023】
緑色成分調整スイッチ10−2は、図2に示したGREEN(+)ボタンとGREEN(−)ボタンに対応するもので、GREEN(+)ボタンまたはGREEN(−)ボタンを押す毎に所定単位でフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する緑色LEDに流れる電流を増減することにより、照明部210から発光される照明光の緑色成分の調整を行う。
【0024】
青色成分調整スイッチ10−3は、図2に示したBLUE(+)ボタンとBLUE(−)ボタンに対応するもので、BLUE(+)ボタンまたはBLUE(−)ボタンを押す毎に所定単位でフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する青色LEDに流れる電流を増減することにより、照明部210から発光される照明光の青色成分の調整を行う。
【0025】
輝度調整スイッチ20は、図2に示したBRIGHTNESS(+)ボタンとBRIGHTNESS(−)ボタンに対応するもので、BRIGHTNESS(+)ボタンまたはBRIGHTNESS(−)ボタンを押す毎にフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDに流れていた電流の比率を維持して、全体の電流量を増減することにより、照明部210から発光される照明光の輝度の調整を行う。
【0026】
さて、この実施例の照明装置100においては、照明部210から発光された照明光を再現するために、そのときに、赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流していた電流値および赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流していた電流値の総和値を1組のプリセット値としてプリセット値記憶部90に記憶するプリセット機能を有している。プリセット値記憶部90に記憶可能なプリセット値の組は、この実施例では5組まででとなっているが、5組以下でも、5組を越えて記憶できるようにしてもよい。
【0027】
プリセットスイッチ30は、図2に示したPRESETボタンに対応するもので、PRESETボタンを押す毎に、そのときに赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流していた電流値および赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流していた電流値の総和値の組がプリセット値記憶部90に記憶される。この実施例では、プリセット値記憶部90に記憶可能なプリセット値の組は、5組までとなっているので、プリセット値記憶部90に記憶可能なプリセット値の組が5組に達し、その後PRESETボタンが押されると、一番古いプリセット値が、そのときの赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流していた電流値および赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流していた電流値の総和値の組からなるプリセット値で上書きされる。
【0028】
選択スイッチ40は、図2に示したSET−SELボタンに対応するもので、このSET−SELボタンは、プリセット値記憶部90に記憶されていたプリセット値を読み出すときに押される。このSET−SELボタンが1回押されると、最新のプリセット値がプリセット値記憶部90から読み出され、このプリセット値によりフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流す電流および赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の総和値が制御される。
【0029】
SET−SELボタンを2回押すと、次に新しいプリセット値がプリセット値記憶部90から読み出され、このプリセット値によりフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流す電流および赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の総和値が制御され、同様にSET−SELボタンを押す毎に、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流す電流および赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の総和値を切り替えることができる。
【0030】
リセットスイッチ50は、図2に示したRESETボタンに対応する。このRESETボタンは、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流す電流および赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の総和値を初期値に戻すときに操作される。初期値記憶部80には、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流す電流の初期値および赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の総和値の初期値が記憶されており、RESETボタンを押すと、各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流す電流の初期値および赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の総和値の初期値が初期値記憶部80から読み出され、この初期値によりフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流す電流および赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の総和値が制御される。
【0031】
赤色LED制御部60−1は、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LEDに流れる電流を制御する。この赤色LED制御部60−1においては、電流の制御にPWM制御は使用せずに、赤色発光ダイオードを流れる電流を調節可能に制御する定電流回路を用いる。このために、パルスの切換に伴う照明部210から発光される照明光のちらつきは生じない。また、LEDの持つ光の純色性から不要な紫外線や赤外線を含まないので、実験設備等で被実験対象体の撮像画像の解析する場合等に好ましい成果が得られる。
【0032】
緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3も同様で、緑色LED制御部60−2は、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する緑色LEDに流れる電流を制御し、青色LED制御部60−3は、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する青色LEDに流れる電流を制御する。
【0033】
輝度制御部70は、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDをそれぞれ流れる電流をその比率を維持しつつその総和値を制御する。
【0034】
赤色LED制御部60−1、緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3、輝度制御部70による電流制御は、赤色成分調整スイッチ10−1、緑色成分調整スイッチ10−2、青色成分調整スイッチ10−3、輝度調整スイッチ20の操作および初期値記憶部80に記憶された初期値および選択スイッチ40の操作によりプリセット値記憶部90から読み出されたプリセット値に基づき行われる。
【0035】
なお、赤色LED制御部60−1、緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3、輝度制御部70による電流制御値は、図2(B)に示す表示部230に表示される。これにより、照明部210から発光される照明光の状態を数値により把握することができる。
【0036】
制御部200は、赤色成分調整スイッチ10−1、緑色成分調整スイッチ10−2、青色成分調整スイッチ10−3、輝度調整スイッチ20、プリセットスイッチ30、選択スイッチ40、リセットスイッチ50、赤色LED制御部60−1、緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3、輝度制御部70、初期値記憶部80、プリセット値記憶部90を統括制御する。
【0037】
図3は、図1に示した照明装置のフルカラーLEDの駆動回路の一例を示した図である。
【0038】
フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220は、図3に示すように、それぞれ赤色LED、緑色LED、青色LEDを内蔵し、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220の赤色LEDを流れる電流は、図1の赤色LED制御部60−1内に設けられた電源部330からの給電を受ける赤色LED定電流制御回路340−1により制御され、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220の緑色LEDを流れる電流は、図1の緑色LED制御部60−2内に設けられた電源部330からの給電を受ける緑色LED定電流制御回路340−1により制御され、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220の青色LEDを流れる電流は、図1の青色LED制御部60−3内に設けられた電源部330からの給電を受ける青色LED定電流制御回路340−3により制御される。
【0039】
図4は、図1に示した照明装置の動作を説明するフローチャートである。
【0040】
この処理が開始されると、制御部200は、まず、電源がONかを調べる(ステップ401)。ここで、電源がONでないと(ステップ401でNO)、ステップ401に戻り、電源がONになるのを待つ。
【0041】
ステップ401で、電源ONと判断されると、制御部200は、初期値記憶部80からフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の初期値および赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の総和値の初期値を読み出し、この読み出した初期値に基づき、図2(B)の表示部230にRGB照度表示を行う(ステップ403)。そして、この初期値記憶部80から読み出したフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流す電流の初期値および赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の総和値の初期値に基づき赤色LED制御部60−1、緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3、輝度制御部70を制御してフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を点灯してその輝度および調色を制御するLED輝度調色制御を行う(ステップ404)。
【0042】
次に、輝度調整操作、すなわち、輝度調整スイッチ20が操作されたかを調べる(ステップ405)。ここで、輝度調整スイッチ20が操作されたと判断されると(ステップ405でYES)、輝度調整スイッチ20の操作に応じて輝度制御部70を制御し、照明部210から発光される照明光の輝度を制御する。
【0043】
ステップ405で、輝度調整操作は行われていないと判断されると(ステップ405でNO)、調色操作、すなわち、赤色成分調整スイッチ10−1、緑色成分調整スイッチ10−2、青色成分調整スイッチ10−3のいずれかが操作されたかを調べる(ステップ407)。ここで、赤色成分調整スイッチ10−1、緑色成分調整スイッチ10−2、青色成分調整スイッチ10−3のいずれかが操作されたと判断されると(ステップ407でYES)、赤色成分調整スイッチ10−1、緑色成分調整スイッチ10−2、青色成分調整スイッチ10−3の操作に応じて赤色LED制御部60−1、緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3を制御して、照明部210から発光される照明光の調色制御を行う(ステップ408)。
【0044】
次に、プリセットスイッチ30が操作されたかを調べる(ステップ409)。ここで、プリセットスイッチ30が操作されたと判断されると(ステップ409でYES)、そのときに赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流していた電流値および赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流していた電流値の総和値の組をプリセット値としてプリセット値記憶部90に記憶するプリセット値書き込み処理が行われる(ステップ410)。
【0045】
ステップ409で、プリセットスイッチ30が操作されていないと判断されると(ステップ409でNO)、この判断から一定時間経過したかが調べられ(ステップ411)、一定時間経過していると判断されると、このときの赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流していた電流値および赤色LED、緑色LED、青色LEDにそれぞれ流していた電流値の総和値の組を初期値記憶部80に書き込む初期値更新処理が行われる(ステップ412)。
【0046】
なお、ステップ407で、調色操作がなされていないと判断された場合(ステップ407でNO)、およびステップ411で一定時間経過していないと判断された場合(ステップ411でNO)は、ステップ405に戻る。
【0047】
次に、選択スイッチ40が操作されたかを調べる(ステップ413)。ここで、選択スイッチ40が操作されたと判断されると(ステップ413でYES)、選択スイッチ40の操作により選択されたプリセット値をプリセット値記憶部90から読み出し、ステップ403に移行する。この場合、ステップ403においては、プリセット値記憶部90から読み出されたプリセット値に基づき図2(B)の表示部230にRGB照度表示が行われ、ステップ404では、プリセット値記憶部90から読み出されたプリセット値に基づき赤色LED制御部60−1、緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3、輝度制御部70が制御され、照明部210から発光される照明光の輝度および調色が制御される。
【0048】
ステップ413で、選択スイッチ40が操作されていないと判断されると(ステップ413でNO)、次に、リセットスイッチ50が操作されたかを調べる(ステップ415)。ここで、リセットスイッチ50が操作されたと判断されると(ステップ415でYES)。ステップ403に戻る。この場合は、ステップ403で、初期値記憶部80からフルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を構成する赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の初期値および赤色LED、緑色LED、青色LEDに流す電流の総和値の初期値が読み出され、この読み出した初期値に基づき、図2(B)の表示部230にRGB照度表示を行い(ステップ403)。そして、この初期値に基づき赤色LED制御部60−1、緑色LED制御部60−2、青色LED制御部60−3、輝度制御部70が制御され、照明部210から発光される照明光の輝度および調色が制御される。
【0049】
ステップ415で、リセットスイッチ50が操作されていないと判断されると(ステップ415でNO)、次に、電源OFFかが調べられ(ステップ416)、ここで、電源OFFと判断されると(ステップ416でYES)、フルカラーLEDマトリクス回路300の各フルカラーLED220を消灯してこの処理を終了するが、ステップ416で、電源OFFでないと判断されると(ステップ416でNO)、ステップ405に戻る。
【0050】
以上が本発明の代表的な実施形態の一例であるが、本発明は、上記実施例及び図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【符号の説明】
【0051】
10−1 赤色成分調整スイッチ
10−2 緑色成分調整スイッチ
10−3 青色成分調整スイッチ
20 輝度調整スイッチ
30 プリセットスイッチ
40 選択スイッチ
50 リセットスイッチ
60−1 赤色LED制御部
60−2 緑色LED制御部
60−3 青色LED制御部
70 輝度制御部
80 初期値記憶部
90 プリセット値記憶部
100 照明装置
200 制御部
210 照明部
220 フルカラー発光ダイオード(フルカラーLED)
230 表示部
300 フルカラーLEDマトリクス回路
330 電源部
340−1 赤色LED定電流制御回路
340−2 緑色LED定電流制御回路
340−3 青色LED定電流制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面上にマトリックス状に配列され、それぞれ赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードが内蔵された複数のフルカラー発光ダイオードと、
前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオードを流れる電流を調節可能に制御する第1の定電流制御手段と、
前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記緑色発光ダイオードを流れる電流を調節可能に制御する第2の定電流制御手段と、
前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記青色発光ダイオードを流れる電流を調節可能に制御する第3の定電流制御手段と、
前記第1の定電流制御手段、前記第2の定電流制御手段、前記第3の定電流制御手段でそれぞれ制御される電流の比率を維持しつつ、前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流の総和値を調節可能に制御する輝度制御手段と、
前記第1の定電流制御手段、前記第2の定電流制御手段、前記第3の定電流制御手段で制御する電流の初期値および前記輝度制御手段で制御する前記総和値の初期値を記憶する初期値記憶手段と
を具備することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第1の定電流制御手段は、
前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオードを流れる電流の単位量の増減を指示して全体の発光色の赤色成分を調整する赤色成分調整手段を有し、
前記第2の定電流制御手段は、
前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記緑色発光ダイオードを流れる電流の単位量の増減を指示して全体の発光色の緑色成分を調整する緑色成分調整手段を有し、
前記第3の定電流制御手段は、
前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記青色発光ダイオードを流れる電流の単位量の増減を指示して全体の発光色の青色成分を調整する青色成分調整手段を有し、
前記輝度制御手段は、
前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流の総和の単位量の増減を指示して全体の輝度を調整する輝度調整手段を有することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
起動時もしくはリセットスイッチが操作されたときに、前記初期値記憶手段にそれぞれ記憶された電流の初期値および総和値の初期値を呼び出す呼出手段
を具備し、
前記第1の定電流制御手段、前記第2の定電流制御手段、前記第3の定電流制御手段は、前記呼出手段により呼び出された前記電流の初期値に基づき、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流をそれぞれ制御し、前記輝度制御手段は、前記呼出手段により呼び出された前記総和値の初期値に基づき、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流の総和を制御することを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】
プリセットスイッチと、
選択呼出スイッチと、
プリセット値記憶手段と
を更に具備し、
前記プリセットスイッチが操作される毎に、前記第1の定電流制御手段、前記第2の定電流制御手段、前記第3の定電流制御手段により制御されているそれぞれの前記電流値および前記輝度制御手段により制御されている前記総和値をそれぞれプリセット値として前記プリセット値記憶手段に格納し、
前記選択呼出スイッチが操作されると、前記プリセット値記憶手段にそれぞれ記憶された前記プリセット値の中の選択されたプリセット値を呼び出し、該読み出された当該プリセット値に基づき、前記第1の定電流制御手段、前記第2の定電流制御手段、前記第3の定電流制御手段により、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流をそれぞれ制御し、前記輝度制御手段により、前記複数のフルカラー発光ダイオードの前記赤色発光ダイオード、前記緑色発光ダイオード、前記青色発光ダイオードを流れる電流の総和を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記赤色成分調整手段、前記緑色成分調整手段、前記青色成分調整手段、前記輝度調整手段のいずれかによる調整から一定時間の間に前記プリセットスイッチが操作されない場合は、前記赤色成分調整手段、前記緑色成分調整手段、前記青色成分調整手段、前記輝度調整手段により調整された調整値で前記初期値を更新することを特徴とする請求項4に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−73837(P2013−73837A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213108(P2011−213108)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(503158475)株式会社ティーエヌケー (14)
【Fターム(参考)】