照明調光装置
【課題】調光パターンの再生開始時点における急激な光出力の変化を抑制しつつ調光パターンの終期に遅れが生じないようにする。
【解決手段】制御部1は、記憶部4に記憶されている調光パターンを読み出して照明負荷LA,LBを調光する際、調光パターンの始期における第1の調光段階と、調光パターンの終期における第2の調光段階と、調光パターンの調光を開始する直前の第3の調光段階とを比較する。第3の調光段階が第1の調光段階と第2の調光段階の間にある場合、制御部1は、始期より調光パターンの調光段階が第3の調光段階と一致する時点までは調光パターンに関係なく照明負荷LA,LBを第3の調光段階で調光し、且つ前記時点以降は調光パターンに従って調光段階を変化させるように給電量調整部2A,2Bを制御する。
【解決手段】制御部1は、記憶部4に記憶されている調光パターンを読み出して照明負荷LA,LBを調光する際、調光パターンの始期における第1の調光段階と、調光パターンの終期における第2の調光段階と、調光パターンの調光を開始する直前の第3の調光段階とを比較する。第3の調光段階が第1の調光段階と第2の調光段階の間にある場合、制御部1は、始期より調光パターンの調光段階が第3の調光段階と一致する時点までは調光パターンに関係なく照明負荷LA,LBを第3の調光段階で調光し、且つ前記時点以降は調光パターンに従って調光段階を変化させるように給電量調整部2A,2Bを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明負荷を調光する照明調光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、白熱灯や発光ダイオードなどの照明負荷を調光する照明調光装置が提供されている。照明負荷を調光する目的は様々であり、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されている従来例では、照明負荷を種々のパターン(調光パターン)で調光することによって演出効果を得ることを目的としている。また、特許文献3に記載されている従来例では、起床設定時刻の所定時刻前から照明負荷を漸増光して、使用者の睡眠の深さをゆっくりと浅くすることで快適な目覚めを促したり、時間経過とともに照明負荷を漸減光して、使用者の睡眠を誘導するといったことを目的としている。尚、調光パターンとは、始期から終期に至るまでの経過時間と調光段階との対応関係を示しており、以下では、調光パターンに従って照明負荷を調光することを「調光パターンの再生」と表現する。
【0003】
ここで、任意の調光パターンで照明負荷を調光する際、調光パターンの再生開始直前の調光比(定格点灯時を100%としたときの光出力比)と、調光パターンの再生開始時点(始期)の調光比とが大きく異なっている場合、調光パターンの再生を開始したときに照明負荷の光出力が急激に変化することで使用者が違和感を覚えることがある。そのために特許文献2に記載されている従来例では、上述のような場合に調光パターンの再生開始直前の調光比から調光パターンの再生開始時点の調光比まで徐々に調光比を変化させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−297886号公報
【特許文献2】特開平9−45481号公報
【特許文献3】特開2005−334283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載されている従来例によれば、調光パターンの再生開始直前の調光比から調光パターンの再生開始時点の調光比まで徐々に調光比を変化させることで使用者に違和感を覚えさすことを回避できる。しかしながら、特許文献2に記載されている従来例では、調光パターンの再生を開始するイベント(例えば、使用者による操作入力の受け付けやタイマの設定時刻と現在時刻が一致したことなど)が発生したタイミングと、調光パターンの開始タイミング(始期)との間にずれ(遅れ)が生じてしまう。この場合、調光パターンの開始タイミング(始期)が遅れることで終了タイミング(終期)にも遅れが生じてしまい、特に特許文献3に記載されている従来例のように睡眠や目覚めを誘導する目的においては、睡眠や目覚めを誘導するための時間が長くなってしまうという不都合が生じる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、調光パターンの再生開始時点における急激な光出力の変化を抑制しつつ調光パターンの終期に遅れが生じない照明調光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、照明負荷を調光する照明調光装置であって、電源から照明負荷に給電される給電量を調整する給電量調整手段と、少なくとも照明負荷の調光段階を決定するための操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、1乃至複数の調光パターンを記憶する記憶手段と、前記操作入力によって決定される調光段階及び前記調光パターンの調光段階に対応した光出力となるように給電量調整手段を制御して照明負荷への給電量を調整させる制御手段とを備え、調光パターンは、始期から終期に至るまでの経過時間と単調増加若しくは単調減少する調光段階との対応関係を示しており、制御手段は、記憶手段に記憶されている調光パターンを読み出して照明負荷を調光する際、当該調光パターンの始期における第1の調光段階と、当該調光パターンの終期における第2の調光段階と、当該調光パターンの調光を開始する直前の第3の調光段階とを比較し、第3の調光段階が第1の調光段階と第2の調光段階の間にある場合、前記始期より前記調光パターンの調光段階が第3の調光段階と一致する時点までは当該調光パターンに関係なく照明負荷を第3の調光段階で調光し、且つ前記時点以降は前記調光パターンに従って調光段階を変化させるように給電量調整手段を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、調光パターンの再生開始時点における急激な光出力の変化を抑制しつつ調光パターンの終期に遅れが生じない。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、外部からトリガ信号を受信するトリガ信号受信手段を備え、制御手段は、トリガ信号受信手段がトリガ信号を受信した場合に記憶手段に記憶されている調光パターンを読み出して照明負荷を調光することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明によれば、本発明に係る照明調光装置を他のシステムに容易に組み込むことができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、上限値と下限値を含む全ての調光段階で調光する試験用の調光パターンが記憶手段に記憶されており、制御手段は、操作入力受付手段で試験開始の操作入力が受け付けられた場合、記憶手段から前記試験用の調光パターンを読み出し、第3の調光段階に関わらず、当該試験用の調光パターンで照明負荷を調光することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、正常に動作するか否かを容易に確認することができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、外部からトリガ信号を受信するトリガ信号受信手段を備え、制御手段は、試験用の調光パターンで照明負荷を調光しているときにトリガ信号受信手段がトリガ信号を受信した場合、当該試験用の調光パターンによる照明負荷の調光を中止することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明によれば、不用意に行われた動作試験(試験用の調光パターンによる照明負荷の調光)を強制的に中止することができる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、それぞれに異なる照明負荷への給電量を調整する複数の前記給電量調整手段を備え、制御手段は、全ての照明負荷が消灯状態のときに全ての給電量調整手段を停止させることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明によれば、全ての照明負荷が消灯しているときの電力消費を削減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、調光パターンの開始時点における急激な光出力の変化を抑制しつつ調光パターンの終期に遅れが生じないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1を示すブロック図である。
【図2】(a)〜(d)は同上における給電量調整部の動作説明用の波形図である。
【図3】同上の外観図である。
【図4】同上における調光比と調光段階の関係を説明するための説明図である。
【図5】同上における第1のデータテーブルの説明図である。
【図6】同上における第2のデータテーブルの説明図である。
【図7】(a),(b)は同上における調光パターンの説明図である。
【図8】(a)〜(d)は同上の調光パターンの再生動作を説明するための説明図である。
【図9】同上の調光パターンの再生動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】(a),(b)は同上の調光パターンの再生動作を説明するための説明図である。
【図11】本発明の実施形態2を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施形態3を示すブロック図である。
【図13】同上における試験用の調光パターンの説明図である。
【図14】同上における動作モードの状態遷移図である。
【図15】従来例における調光パターンの再生動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、特許文献3に記載されているように照明光を利用して使用者の睡眠や覚醒を誘導するための照明調光装置に本発明の技術思想を適用した実施形態について説明する。但し、本発明の技術思想が適用可能な照明調光装置は、睡眠や覚醒の誘導を目的とするものに限定されない。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態の照明調光装置Aは、図1に示すように商用交流電源ACから照明負荷LA,LBに給電される給電量を調整する2つの給電量調整部2A,2Bと、照明負荷LA,LBの調光段階を決定するための操作入力等を受け付ける操作入力受付部3と、1乃至複数の調光パターンを記憶する記憶部4と、操作入力によって決定される調光段階及び調光パターンの調光段階に対応した光出力となるように給電量調整部2A,2Bを制御して照明負荷LA,LBへの給電量を調整させる制御部1と、種々の表示を行う表示部5とを備えている。本実施形態では照明負荷LA,LBを白熱灯としているが、これに限定する趣旨ではなく、発光ダイオードや有機EL素子、あるいは蛍光ランプ等を照明負荷とすることも可能である。
【0021】
給電量調整部2A,2Bは、商用交流電源ACから照明負荷LA,LBへの給電路に挿入されたスイッチング素子(図示せず)の導通期間(交流電圧の位相角)を制御することで給電量を調整する、いわゆる位相角制御方式の調光回路で構成されている。すなわち、商用交流電源ACの電源電圧(図2(a)参照)のゼロクロス点(図2(b)参照)を検出し、ゼロクロス点から電源電圧の半周期以下のオン時間ontime[x]だけスイッチング素子を導通(オン)することにより(図2(c)参照)、商用交流電源ACから照明負荷LA,LBへの給電量(入力電流の流れる期間)を調整している(図2(d)参照)。但し、このような位相角制御方式の調光回路は従来周知であるから、詳細な回路構成や動作についての図示並びに説明は省略する。
【0022】
操作入力受付部3は、押釦スイッチなどを有し、押釦スイッチのオン/オフによって使用者の種々の操作入力を受け付けて制御部1に渡している。記憶部4は電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリ(フラッシュメモリやEEPROMなど)からなり、後述するように調光パターンのデータ等を記憶している。表示部5は、発光ダイオード等の表示素子並びに当該表示素子の駆動回路を有している。
【0023】
図3は操作入力受付部3と表示部5の外観を示す平面図である。操作入力受付部3は、アップキーUKとダウンキーDKの対を1組とする合計4組のスイッチ部を具備している。アップキーUK1とダウンキーDK1からなる第1のスイッチ部は一方の照明負荷LAの調光比(調光段階)を設定するためのものであり、アップキーUK2とダウンキーDK2からなる第2のスイッチ部は他方の照明負荷LBの調光比(調光段階)を設定するためのものである。そして、アップキーUK1,UK2が押操作される毎に調光比が上昇して光出力が増大し、ダウンキーDK1,DK2が押操作される毎に調光比が下降して光出力が減少する。尚、第1および第2のスイッチ部の近傍には、表示部5が有する各々5個の発光ダイオード(表示素子)LD11〜LD15,LD21〜LD25が縦方向に等間隔で並設されており、調光比が上昇するにつれて発光する発光ダイオードLD11〜LD15,LD21〜LD25の個数を下から順番に増やすことで調光比を大まかに表示している。アップキーUK3とダウンキーDK3からなる第3のスイッチ部は後述する調光パターンを選択するためのものであって、アップキーUK3又はダウンキーDK3が押操作される毎に3種類の調光パターンのうちの1つが選択される。尚、3種類の調光パターンに対応して表示部5の3個の発光ダイオード(表示素子)LD31〜LD33が第3のスイッチ部の近傍に配設されており、選択された調光パターンに対応する発光ダイオードLD31〜LD33のみが発光するようになっている。アップキーUK4とダウンキーDK4からなる第4のスイッチ部は調光パターンの再生開始時間を遅らせる遅延時間(タイマ時間)を設定するためのものであって、例えば、0〜120分の範囲でアップキーUK4及びダウンキーDK4が押操作される毎に遅延時間が増減される。尚、第4のスイッチ部の隣には設定される遅延時間を表示するための表示素子(例えば、7セグの発光ダイオードなど)50が配設されている。また、キーK5は第3のスイッチ部で選択された調光パターンの再生を開始、若しくは第4のスイッチ部で設定された遅延時間のカウントダウンを開始するためのトリガとなるものであり、その上方には調光パターンの再生中若しくは遅延時間のカウントダウン中と調光パターンの再生中に発光する発光ダイオード(表示素子)LD50が配設されている。
【0024】
制御部1はCPUやCPUが実行するプログラムを格納したメモリ等で構成され、当該メモリに格納されているプログラムをCPUで実行することにより、照明負荷LA,LBの調光制御を含む種々の機能を実現している。
【0025】
ここで、本実施形態では照明負荷LA,LBの調光比(消灯時を0%、定格点灯時を100%としたときの光出力比<実際は給電量の比>)を256段階に分け、8ビットでデジタル表現される調光段階に変換している。各調光段階はそれぞれ異なる調光比に対応し、例えば図4に示すように高い(数値の大きい)調光段階ほど高い調光比(100%に近い調光比)に対応する。記憶部4には、調光段階とオン時間ontime[x]との対応関係を示す第1のデータテーブル(図5参照)が記憶されており、制御部1は、操作入力受付部3の第1のスイッチ部で受け付ける調光比(調光段階)、若しくは後述するように調光パターンに設定された調光比(調光段階)に対応するオン時間ontime[x]にスイッチング素子をオンするように給電量調整部2A,2Bを制御する。尚、図5に示す第1のデータテーブルでは、0〜255の調光段階をインデックス(index)0〜255に対応させている。
【0026】
次に、記憶部4に記憶される調光パターンについて説明する。調光パターンは、各調光段階(index)とオン時間ontime[x]の継続時間t[x]との対応関係で表され、図6に示す第2のデータテーブルとして記憶部4に記憶されている。制御部1には一定周期のパルス信号を発生するクロックが設けられており、CPUでは調光パターンを再生する際にクロックが発生するパルス信号をカウントすることで経過時間を計時している。したがって、継続時間t[x]は制御部1のCPUに入力する前記パルス信号のカウント数(割込み回数)で表現することができ、例えば、図7(b)に示すように0から255の調光段階まで単調増加する調光パターンであれば、図7(a)に示すように各調光段階毎のオン時間ontime[x]として割込み回数(クロックのカウント数)が設定されている。但し、図7(a)に示す調光段階とオン時間ontime[x]の対応関係は単調減少の調光パターンにも該当するので、調光パターン毎の単調増加と単調減少の区別は別途記憶部4に記憶している管理テーブルで管理している。
【0027】
このように調光段階と調光比(オン時間ontime[x])の対応関係を示す第1のデータテーブル(図5)と、調光段階とオン時間ontime[x]の継続時間t[x]との対応関係を示す第2のデータテーブル(図7(a))とに分けて調光パターンを管理すれば、第1のデータテーブルを全ての調光パターンで共通に利用し、個々の調光パターンの違いは第2のデータテーブルにおける継続時間t[x]によって設定できるため、データを有効に利用して記憶部4を構成する半導体メモリの使用量を削減することができるという利点がある。
【0028】
ここで、使用者の操作によって照明負荷LA(又はLB)を低照度(例えば、調光段階index[25])で調光点灯させている状況において、制御部1が、睡眠の誘導に適した漸減光の調光パターン(例えば、図8(a)に示すように調光段階index[127]から調光段階index[0]まで単調減少させる調光パターン)を再生する(当該調光パターンで照明負荷LA(又はLB)を調光する)場合を想定する。このとき、図15に示すように調光パターンP1の始期(開始時点)t0において、それ以前の調光段階index[25]から調光パターンP1の始期の調光段階index[127]へ一気に変更すると、照明負荷LA(又はLB)の光出力が急激に増大して使用者に違和感を覚えさせてしまう。一方、特許文献3に記載されている従来例のように、現在の調光段階index[25]から調光パターンP1の始期の調光段階index[127]まで調光段階を漸次増大した場合、使用者が違和感を覚えることを防止できたとしても、調光パターンP1の始期がt0からt1(>t0)にずれて(遅れて)しまい、それに伴って調光パターンP1の終期にも遅れが生じてしまうので、睡眠や目覚めを誘導するための時間が長くなってしまうという不都合が生じる。
【0029】
そこで本実施形態では、図8(b)に示すように記憶部4に記憶されている調光パターン(今の場合はP1)を読み出して照明負荷LA(又はLB)を調光する際、調光パターンP1の始期における第1の調光段階index[127]と、調光パターンP1の終期における第2の調光段階index[0]と、調光パターンP1の調光を開始する直前の第3の調光段階index[25]とを比較し、第3の調光段階index[25]が第1の調光段階index[127]と第2の調光段階index[0]の間にある場合、始期(t=t0)より調光パターンP1の調光段階が第3の調光段階index[25]と一致する時点t1までは調光パターンP1に関係なく照明負荷LA(又はLB)を第3の調光段階index[25]で調光し、且つ時点t1以降は調光パターンP1に従って調光段階を変化させるように、制御部1が給電量調整部2A(又は2B)を制御するようにしている。
【0030】
ここで、調光パターンP1を再生する場合を例示し、制御部1の調光制御動作について、図9のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0031】
制御部1は、遅延時間のカウントダウンが終了する、あるいは遅延時間がゼロに設定されている場合はキーK5が押操作されて操作入力受付部3から操作信号が入力されると、第3のスイッチ部で選択された調光パターンP1の再生を開始する。まず制御部1は、現在の調光段階(例えば、調光段階index[25])を記憶部4に記憶し(ステップS1)、調光パターンP1の時間経過(クロックのカウント数)に応じた調光段階を第2のデータテーブルから取得し(ステップS2)、さらに、調光パターンP1の終期に達しているか否かを判定する(ステップS3)。終期に達していない場合、制御部1は、第2のデータテーブルから取得した調光パターンP1の調光段階が記憶部4に記憶した調光段階の値(=index[25])と一致しているか否かを判定し(ステップS4)、一致するまでは記憶部4に記憶した調光段階の値(=index[25])となるように給電量調整部2A(又は2B)を制御して調光する(ステップS5)。一方、第2のデータテーブルから取得した調光パターンP1の調光段階が記憶部4に記憶した調光段階の値(=index[25])に一致したらそれ以降は、制御部1は、第2のデータテーブルから取得した調光パターンP1の調光段階となるように給電量調整部2A(又は2B)を制御して調光する(ステップS6)。そして、調光パターンP1の終期に達すれば、制御部1は調光パターンP1の再生を終了する。
【0032】
このように本実施形態によれば、調光パターンP1の始期において調光段階(調光比)が急激に変化しないために使用者に違和感を覚えさせることが無く、しかも、調光パターンP1の始期及び終期にずれ(遅れ)が生じないものである。
【0033】
尚、調光パターンP1の再生開始前の調光段階は必ずしも一定である必要はなく、例えば、図8(c)に示すように調光段階が徐々に上昇していたり、あるいは図8(d)に示すように調光段階が徐々に下降していても構わない。また、調光パターンも漸減光の調光パターンP1に限定されるものではなく、図10(a),(b)に示すように睡眠中の使用者を快適に目覚めさせるための漸増光の調光パターンP2であっても構わない。
【0034】
(実施形態2)
本実施形態では、特許文献3に記載されているように照明だけでなく音楽やベッドに横臥する使用者への圧刺激等を制御することで使用者の快適な睡眠や目覚めをサポートするシステムに照明調光装置A’が組み込まれている点に特徴がある。
【0035】
図11に示すように、本実施形態の照明調光装置A’は操作入力受付部3と表示部5を備えておらず、その代わりに、前記システムのマスタコントローラMとの間で信号伝送を行う信号伝送部6を備えている。マスタコントローラMは、CPUやメモリなどで構成される制御部10と、電気的に書換可能な半導体メモリからなる記憶部11と、押釦スイッチなどを有して使用者の操作入力を受け付ける操作入力受付部12と、液晶表示器(LCD)などの表示デバイス並びに当該表示デバイスのドライバ回路等を有する表示部13と、照明調光装置A’や音響装置(図示せず)などとの間で信号伝送を行う信号伝送部14とを備えている。マスタコントローラMの記憶部11には、睡眠並びに目覚めに対応して照明や音楽、圧刺激などを経時的にどのように変化させるという制御内容(シナリオデータ)が記憶されている。マスタコントローラMの制御部10は、使用者が押釦スイッチ等を押操作することで操作入力受付部12にシナリオデータを選択する操作入力が受け付けられると、照明調光装置A’に対して、選択されたシナリオデータに対応する調光パターンの再生を実行するように指示する制御信号を信号伝送部14から送信する。
【0036】
一方、照明調光装置A’では、マスタコントローラMから送信された制御信号を信号伝送部6で受信すると、当該制御信号に応じて、制御部1が記憶部4に記憶されている調光パターンを読み出し、直ちに又は制御信号で指定された遅延時間後に当該調光パターンの再生を開始する。但し、調光パターンを再生する際の制御部1の動作は実施形態1と共通である。
【0037】
このように本発明に係る照明調光装置A’は、既存のシステムに組み込まれた場合にも、調光パターンの始期において調光段階(調光比)が急激に変化しないために使用者に違和感を覚えさせることが無く、しかも、調光パターンの始期及び終期にずれ(遅れ)が生じないという作用効果を奏するものである。但し、本実施形態の照明調光装置A’にも実施形態1の照明調光装置Aと同様に操作入力受付部3又は操作入力受付部3と表示部5の双方を備えるようにしても構わない。
【0038】
(実施形態3)
本実施形態の照明調光装置Aは、図12に示すように給電量調整部2A,2Bに対してそれぞれ動作電源を供給する電源供給部7A,7Bを備えている。但し、電源供給部7A,7Bを除く基本的な構成並びに動作は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
電源供給部7A,7Bは、例えば、商用交流電源ACから給電される交流電力より直流電力を作成して給電量調整部2A,2Bに供給するとともに、制御部1の指示に応じて給電量調整部2A,2Bへの電源供給を停止するものである。
【0040】
制御部1は、全ての照明負荷LA,LBが消灯状態(調光段階index[0])の場合に電源供給部7A,7Bに対して給電量調整部2A,2Bへの電源供給を停止するように指示を与える。従って、電源供給部7A,7Bによる電源供給が停止すれば、給電量調整部2A,2Bには微少な電流さえも流れなくなるために消費電力を低減することができる。また、給電量調整部2A,2Bへの電源供給を停止することに併せて、制御部1のCPUをスタンバイモード(動作クロックの周波数を減少させたモード)に移行することで消費電力を低減するようにしても構わない。
【0041】
ところで、照明調光装置Aの施工時あるいは照明負荷の交換時に正常に調光できることを確認する(試験する)方法として、第1のスイッチ部のアップキーUK1,ダウンキーDK1、又は第2のスイッチ部のアップキーUK2,ダウンキーDK2を押操作して手動で調光比(調光段階)を変化させる方法がある。また、別の方法として、記憶部4に試験用の調光パターンP0を記憶しておき、操作入力受付部3で試験開始の操作入力が受け付けられたときに制御部1が試験用の調光パターンP0を再生することで自動的に試験を行う方法がある。試験用の調光パターンP0としては、例えば、図14に示すように調光段階の中央値index[127]から開始して調光段階の下限値(最小値)index[0]まで漸減光した後、調光段階の上限値(最大値)index[255]まで漸増光するものが考えられる。
【0042】
而して、本実施形態における制御部1は、試験用の調光パターンP0以外の調光パターンを再生したり、少なくとも何れか1つの照明負荷LA,LBを調光点灯させる動作モード(以下、通常モードと呼ぶ。)と、全ての照明負荷LA,LBを消灯させて給電量調整部2A,2Bへの電源供給も停止する動作モード(以下、低消費電流モードと呼ぶ。)と、上述した試験用の調光パターンP0を再生する動作モード(以下、テストモードと呼ぶ。)とが択一的に切り換えられるようになっている。
【0043】
次に、制御部1の3つの動作モード(通常モード、低消費電流モード、テストモード)がどのようにして切り換わるかについて、図14の状態遷移図を参照して簡単に説明する。制御部1が通常モードにあるときに試験開始の操作入力が操作入力受付部3で受け付けられると通常モードからテストモードに切り換わり(イ)、上述した試験用の調光パターンP0の再生が行われる。そして、制御部1がテストモードにあるときに試験終了の操作入力が操作入力受付部3で受け付けられると、何れかの照明負荷LA,LBが消灯していなければテストモードから通常モードに切り換わり(ロ)、全ての照明負荷LA,LBが消灯していれば低消費電流モードに切り換わる(ハ)。また、制御部1が通常モードにあるときに全ての照明負荷LA,LBが消灯状態になると低消費電流モードに切り換わる(ニ)。さらに、制御部1が低消費電流モードにあるときに少なくとも何れか1つの照明負荷LA,LBが消灯状態でなくなれば低消費電流モードから通常モードに切り換わり(ホ)、試験開始の操作入力が操作入力受付部3で受け付けられると低消費電流モードからテストモードに切り換わる(ヘ)。但し、実施形態2で説明したように他のシステムに組み込まれている場合においては、試験開始又は試験終了の操作入力が操作入力受付部3で受け付けられる代わりに、マスタコントローラMから試験開始又は試験終了の制御信号を信号伝送部6で受け取ったときに、制御部1が通常モード又は低消費電流モードからテストモード、あるいはテストモードから通常モード又は低消費電流モードに切り換わることになる。このように外部からのトリガ信号(マスタコントローラMからの制御信号)によってテストモードから他のモードへ切り換えることができるため、不用意に行われた動作試験(試験用の調光パターンP0による照明負荷LA,LBの調光)を強制的に中止することができる。
【0044】
尚、照明調光装置A’が操作入力受付部3を備える構成の場合、通常モードでは誤動作防止のために操作入力受付部3における操作入力の受付を無効とし、テストモードでは試験用の調光パターンP0の再生ではなく、施工時や交換時の確認方法として操作入力受付部3における操作入力を有効とするような動作としてもよい。
【符号の説明】
【0045】
A 照明調光装置
1 制御部(制御手段)
2A,2B 給電量調整部(給電量調整手段)
3 操作入力受付部(操作入力受付手段)
4 記憶部(記憶手段)
6 信号伝送部(トリガ信号受信手段)
LA,LB 照明負荷
AC 商用交流電源
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明負荷を調光する照明調光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、白熱灯や発光ダイオードなどの照明負荷を調光する照明調光装置が提供されている。照明負荷を調光する目的は様々であり、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されている従来例では、照明負荷を種々のパターン(調光パターン)で調光することによって演出効果を得ることを目的としている。また、特許文献3に記載されている従来例では、起床設定時刻の所定時刻前から照明負荷を漸増光して、使用者の睡眠の深さをゆっくりと浅くすることで快適な目覚めを促したり、時間経過とともに照明負荷を漸減光して、使用者の睡眠を誘導するといったことを目的としている。尚、調光パターンとは、始期から終期に至るまでの経過時間と調光段階との対応関係を示しており、以下では、調光パターンに従って照明負荷を調光することを「調光パターンの再生」と表現する。
【0003】
ここで、任意の調光パターンで照明負荷を調光する際、調光パターンの再生開始直前の調光比(定格点灯時を100%としたときの光出力比)と、調光パターンの再生開始時点(始期)の調光比とが大きく異なっている場合、調光パターンの再生を開始したときに照明負荷の光出力が急激に変化することで使用者が違和感を覚えることがある。そのために特許文献2に記載されている従来例では、上述のような場合に調光パターンの再生開始直前の調光比から調光パターンの再生開始時点の調光比まで徐々に調光比を変化させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−297886号公報
【特許文献2】特開平9−45481号公報
【特許文献3】特開2005−334283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載されている従来例によれば、調光パターンの再生開始直前の調光比から調光パターンの再生開始時点の調光比まで徐々に調光比を変化させることで使用者に違和感を覚えさすことを回避できる。しかしながら、特許文献2に記載されている従来例では、調光パターンの再生を開始するイベント(例えば、使用者による操作入力の受け付けやタイマの設定時刻と現在時刻が一致したことなど)が発生したタイミングと、調光パターンの開始タイミング(始期)との間にずれ(遅れ)が生じてしまう。この場合、調光パターンの開始タイミング(始期)が遅れることで終了タイミング(終期)にも遅れが生じてしまい、特に特許文献3に記載されている従来例のように睡眠や目覚めを誘導する目的においては、睡眠や目覚めを誘導するための時間が長くなってしまうという不都合が生じる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、調光パターンの再生開始時点における急激な光出力の変化を抑制しつつ調光パターンの終期に遅れが生じない照明調光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、照明負荷を調光する照明調光装置であって、電源から照明負荷に給電される給電量を調整する給電量調整手段と、少なくとも照明負荷の調光段階を決定するための操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、1乃至複数の調光パターンを記憶する記憶手段と、前記操作入力によって決定される調光段階及び前記調光パターンの調光段階に対応した光出力となるように給電量調整手段を制御して照明負荷への給電量を調整させる制御手段とを備え、調光パターンは、始期から終期に至るまでの経過時間と単調増加若しくは単調減少する調光段階との対応関係を示しており、制御手段は、記憶手段に記憶されている調光パターンを読み出して照明負荷を調光する際、当該調光パターンの始期における第1の調光段階と、当該調光パターンの終期における第2の調光段階と、当該調光パターンの調光を開始する直前の第3の調光段階とを比較し、第3の調光段階が第1の調光段階と第2の調光段階の間にある場合、前記始期より前記調光パターンの調光段階が第3の調光段階と一致する時点までは当該調光パターンに関係なく照明負荷を第3の調光段階で調光し、且つ前記時点以降は前記調光パターンに従って調光段階を変化させるように給電量調整手段を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、調光パターンの再生開始時点における急激な光出力の変化を抑制しつつ調光パターンの終期に遅れが生じない。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、外部からトリガ信号を受信するトリガ信号受信手段を備え、制御手段は、トリガ信号受信手段がトリガ信号を受信した場合に記憶手段に記憶されている調光パターンを読み出して照明負荷を調光することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明によれば、本発明に係る照明調光装置を他のシステムに容易に組み込むことができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、上限値と下限値を含む全ての調光段階で調光する試験用の調光パターンが記憶手段に記憶されており、制御手段は、操作入力受付手段で試験開始の操作入力が受け付けられた場合、記憶手段から前記試験用の調光パターンを読み出し、第3の調光段階に関わらず、当該試験用の調光パターンで照明負荷を調光することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、正常に動作するか否かを容易に確認することができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、外部からトリガ信号を受信するトリガ信号受信手段を備え、制御手段は、試験用の調光パターンで照明負荷を調光しているときにトリガ信号受信手段がトリガ信号を受信した場合、当該試験用の調光パターンによる照明負荷の調光を中止することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明によれば、不用意に行われた動作試験(試験用の調光パターンによる照明負荷の調光)を強制的に中止することができる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、それぞれに異なる照明負荷への給電量を調整する複数の前記給電量調整手段を備え、制御手段は、全ての照明負荷が消灯状態のときに全ての給電量調整手段を停止させることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明によれば、全ての照明負荷が消灯しているときの電力消費を削減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、調光パターンの開始時点における急激な光出力の変化を抑制しつつ調光パターンの終期に遅れが生じないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1を示すブロック図である。
【図2】(a)〜(d)は同上における給電量調整部の動作説明用の波形図である。
【図3】同上の外観図である。
【図4】同上における調光比と調光段階の関係を説明するための説明図である。
【図5】同上における第1のデータテーブルの説明図である。
【図6】同上における第2のデータテーブルの説明図である。
【図7】(a),(b)は同上における調光パターンの説明図である。
【図8】(a)〜(d)は同上の調光パターンの再生動作を説明するための説明図である。
【図9】同上の調光パターンの再生動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】(a),(b)は同上の調光パターンの再生動作を説明するための説明図である。
【図11】本発明の実施形態2を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施形態3を示すブロック図である。
【図13】同上における試験用の調光パターンの説明図である。
【図14】同上における動作モードの状態遷移図である。
【図15】従来例における調光パターンの再生動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、特許文献3に記載されているように照明光を利用して使用者の睡眠や覚醒を誘導するための照明調光装置に本発明の技術思想を適用した実施形態について説明する。但し、本発明の技術思想が適用可能な照明調光装置は、睡眠や覚醒の誘導を目的とするものに限定されない。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態の照明調光装置Aは、図1に示すように商用交流電源ACから照明負荷LA,LBに給電される給電量を調整する2つの給電量調整部2A,2Bと、照明負荷LA,LBの調光段階を決定するための操作入力等を受け付ける操作入力受付部3と、1乃至複数の調光パターンを記憶する記憶部4と、操作入力によって決定される調光段階及び調光パターンの調光段階に対応した光出力となるように給電量調整部2A,2Bを制御して照明負荷LA,LBへの給電量を調整させる制御部1と、種々の表示を行う表示部5とを備えている。本実施形態では照明負荷LA,LBを白熱灯としているが、これに限定する趣旨ではなく、発光ダイオードや有機EL素子、あるいは蛍光ランプ等を照明負荷とすることも可能である。
【0021】
給電量調整部2A,2Bは、商用交流電源ACから照明負荷LA,LBへの給電路に挿入されたスイッチング素子(図示せず)の導通期間(交流電圧の位相角)を制御することで給電量を調整する、いわゆる位相角制御方式の調光回路で構成されている。すなわち、商用交流電源ACの電源電圧(図2(a)参照)のゼロクロス点(図2(b)参照)を検出し、ゼロクロス点から電源電圧の半周期以下のオン時間ontime[x]だけスイッチング素子を導通(オン)することにより(図2(c)参照)、商用交流電源ACから照明負荷LA,LBへの給電量(入力電流の流れる期間)を調整している(図2(d)参照)。但し、このような位相角制御方式の調光回路は従来周知であるから、詳細な回路構成や動作についての図示並びに説明は省略する。
【0022】
操作入力受付部3は、押釦スイッチなどを有し、押釦スイッチのオン/オフによって使用者の種々の操作入力を受け付けて制御部1に渡している。記憶部4は電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリ(フラッシュメモリやEEPROMなど)からなり、後述するように調光パターンのデータ等を記憶している。表示部5は、発光ダイオード等の表示素子並びに当該表示素子の駆動回路を有している。
【0023】
図3は操作入力受付部3と表示部5の外観を示す平面図である。操作入力受付部3は、アップキーUKとダウンキーDKの対を1組とする合計4組のスイッチ部を具備している。アップキーUK1とダウンキーDK1からなる第1のスイッチ部は一方の照明負荷LAの調光比(調光段階)を設定するためのものであり、アップキーUK2とダウンキーDK2からなる第2のスイッチ部は他方の照明負荷LBの調光比(調光段階)を設定するためのものである。そして、アップキーUK1,UK2が押操作される毎に調光比が上昇して光出力が増大し、ダウンキーDK1,DK2が押操作される毎に調光比が下降して光出力が減少する。尚、第1および第2のスイッチ部の近傍には、表示部5が有する各々5個の発光ダイオード(表示素子)LD11〜LD15,LD21〜LD25が縦方向に等間隔で並設されており、調光比が上昇するにつれて発光する発光ダイオードLD11〜LD15,LD21〜LD25の個数を下から順番に増やすことで調光比を大まかに表示している。アップキーUK3とダウンキーDK3からなる第3のスイッチ部は後述する調光パターンを選択するためのものであって、アップキーUK3又はダウンキーDK3が押操作される毎に3種類の調光パターンのうちの1つが選択される。尚、3種類の調光パターンに対応して表示部5の3個の発光ダイオード(表示素子)LD31〜LD33が第3のスイッチ部の近傍に配設されており、選択された調光パターンに対応する発光ダイオードLD31〜LD33のみが発光するようになっている。アップキーUK4とダウンキーDK4からなる第4のスイッチ部は調光パターンの再生開始時間を遅らせる遅延時間(タイマ時間)を設定するためのものであって、例えば、0〜120分の範囲でアップキーUK4及びダウンキーDK4が押操作される毎に遅延時間が増減される。尚、第4のスイッチ部の隣には設定される遅延時間を表示するための表示素子(例えば、7セグの発光ダイオードなど)50が配設されている。また、キーK5は第3のスイッチ部で選択された調光パターンの再生を開始、若しくは第4のスイッチ部で設定された遅延時間のカウントダウンを開始するためのトリガとなるものであり、その上方には調光パターンの再生中若しくは遅延時間のカウントダウン中と調光パターンの再生中に発光する発光ダイオード(表示素子)LD50が配設されている。
【0024】
制御部1はCPUやCPUが実行するプログラムを格納したメモリ等で構成され、当該メモリに格納されているプログラムをCPUで実行することにより、照明負荷LA,LBの調光制御を含む種々の機能を実現している。
【0025】
ここで、本実施形態では照明負荷LA,LBの調光比(消灯時を0%、定格点灯時を100%としたときの光出力比<実際は給電量の比>)を256段階に分け、8ビットでデジタル表現される調光段階に変換している。各調光段階はそれぞれ異なる調光比に対応し、例えば図4に示すように高い(数値の大きい)調光段階ほど高い調光比(100%に近い調光比)に対応する。記憶部4には、調光段階とオン時間ontime[x]との対応関係を示す第1のデータテーブル(図5参照)が記憶されており、制御部1は、操作入力受付部3の第1のスイッチ部で受け付ける調光比(調光段階)、若しくは後述するように調光パターンに設定された調光比(調光段階)に対応するオン時間ontime[x]にスイッチング素子をオンするように給電量調整部2A,2Bを制御する。尚、図5に示す第1のデータテーブルでは、0〜255の調光段階をインデックス(index)0〜255に対応させている。
【0026】
次に、記憶部4に記憶される調光パターンについて説明する。調光パターンは、各調光段階(index)とオン時間ontime[x]の継続時間t[x]との対応関係で表され、図6に示す第2のデータテーブルとして記憶部4に記憶されている。制御部1には一定周期のパルス信号を発生するクロックが設けられており、CPUでは調光パターンを再生する際にクロックが発生するパルス信号をカウントすることで経過時間を計時している。したがって、継続時間t[x]は制御部1のCPUに入力する前記パルス信号のカウント数(割込み回数)で表現することができ、例えば、図7(b)に示すように0から255の調光段階まで単調増加する調光パターンであれば、図7(a)に示すように各調光段階毎のオン時間ontime[x]として割込み回数(クロックのカウント数)が設定されている。但し、図7(a)に示す調光段階とオン時間ontime[x]の対応関係は単調減少の調光パターンにも該当するので、調光パターン毎の単調増加と単調減少の区別は別途記憶部4に記憶している管理テーブルで管理している。
【0027】
このように調光段階と調光比(オン時間ontime[x])の対応関係を示す第1のデータテーブル(図5)と、調光段階とオン時間ontime[x]の継続時間t[x]との対応関係を示す第2のデータテーブル(図7(a))とに分けて調光パターンを管理すれば、第1のデータテーブルを全ての調光パターンで共通に利用し、個々の調光パターンの違いは第2のデータテーブルにおける継続時間t[x]によって設定できるため、データを有効に利用して記憶部4を構成する半導体メモリの使用量を削減することができるという利点がある。
【0028】
ここで、使用者の操作によって照明負荷LA(又はLB)を低照度(例えば、調光段階index[25])で調光点灯させている状況において、制御部1が、睡眠の誘導に適した漸減光の調光パターン(例えば、図8(a)に示すように調光段階index[127]から調光段階index[0]まで単調減少させる調光パターン)を再生する(当該調光パターンで照明負荷LA(又はLB)を調光する)場合を想定する。このとき、図15に示すように調光パターンP1の始期(開始時点)t0において、それ以前の調光段階index[25]から調光パターンP1の始期の調光段階index[127]へ一気に変更すると、照明負荷LA(又はLB)の光出力が急激に増大して使用者に違和感を覚えさせてしまう。一方、特許文献3に記載されている従来例のように、現在の調光段階index[25]から調光パターンP1の始期の調光段階index[127]まで調光段階を漸次増大した場合、使用者が違和感を覚えることを防止できたとしても、調光パターンP1の始期がt0からt1(>t0)にずれて(遅れて)しまい、それに伴って調光パターンP1の終期にも遅れが生じてしまうので、睡眠や目覚めを誘導するための時間が長くなってしまうという不都合が生じる。
【0029】
そこで本実施形態では、図8(b)に示すように記憶部4に記憶されている調光パターン(今の場合はP1)を読み出して照明負荷LA(又はLB)を調光する際、調光パターンP1の始期における第1の調光段階index[127]と、調光パターンP1の終期における第2の調光段階index[0]と、調光パターンP1の調光を開始する直前の第3の調光段階index[25]とを比較し、第3の調光段階index[25]が第1の調光段階index[127]と第2の調光段階index[0]の間にある場合、始期(t=t0)より調光パターンP1の調光段階が第3の調光段階index[25]と一致する時点t1までは調光パターンP1に関係なく照明負荷LA(又はLB)を第3の調光段階index[25]で調光し、且つ時点t1以降は調光パターンP1に従って調光段階を変化させるように、制御部1が給電量調整部2A(又は2B)を制御するようにしている。
【0030】
ここで、調光パターンP1を再生する場合を例示し、制御部1の調光制御動作について、図9のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0031】
制御部1は、遅延時間のカウントダウンが終了する、あるいは遅延時間がゼロに設定されている場合はキーK5が押操作されて操作入力受付部3から操作信号が入力されると、第3のスイッチ部で選択された調光パターンP1の再生を開始する。まず制御部1は、現在の調光段階(例えば、調光段階index[25])を記憶部4に記憶し(ステップS1)、調光パターンP1の時間経過(クロックのカウント数)に応じた調光段階を第2のデータテーブルから取得し(ステップS2)、さらに、調光パターンP1の終期に達しているか否かを判定する(ステップS3)。終期に達していない場合、制御部1は、第2のデータテーブルから取得した調光パターンP1の調光段階が記憶部4に記憶した調光段階の値(=index[25])と一致しているか否かを判定し(ステップS4)、一致するまでは記憶部4に記憶した調光段階の値(=index[25])となるように給電量調整部2A(又は2B)を制御して調光する(ステップS5)。一方、第2のデータテーブルから取得した調光パターンP1の調光段階が記憶部4に記憶した調光段階の値(=index[25])に一致したらそれ以降は、制御部1は、第2のデータテーブルから取得した調光パターンP1の調光段階となるように給電量調整部2A(又は2B)を制御して調光する(ステップS6)。そして、調光パターンP1の終期に達すれば、制御部1は調光パターンP1の再生を終了する。
【0032】
このように本実施形態によれば、調光パターンP1の始期において調光段階(調光比)が急激に変化しないために使用者に違和感を覚えさせることが無く、しかも、調光パターンP1の始期及び終期にずれ(遅れ)が生じないものである。
【0033】
尚、調光パターンP1の再生開始前の調光段階は必ずしも一定である必要はなく、例えば、図8(c)に示すように調光段階が徐々に上昇していたり、あるいは図8(d)に示すように調光段階が徐々に下降していても構わない。また、調光パターンも漸減光の調光パターンP1に限定されるものではなく、図10(a),(b)に示すように睡眠中の使用者を快適に目覚めさせるための漸増光の調光パターンP2であっても構わない。
【0034】
(実施形態2)
本実施形態では、特許文献3に記載されているように照明だけでなく音楽やベッドに横臥する使用者への圧刺激等を制御することで使用者の快適な睡眠や目覚めをサポートするシステムに照明調光装置A’が組み込まれている点に特徴がある。
【0035】
図11に示すように、本実施形態の照明調光装置A’は操作入力受付部3と表示部5を備えておらず、その代わりに、前記システムのマスタコントローラMとの間で信号伝送を行う信号伝送部6を備えている。マスタコントローラMは、CPUやメモリなどで構成される制御部10と、電気的に書換可能な半導体メモリからなる記憶部11と、押釦スイッチなどを有して使用者の操作入力を受け付ける操作入力受付部12と、液晶表示器(LCD)などの表示デバイス並びに当該表示デバイスのドライバ回路等を有する表示部13と、照明調光装置A’や音響装置(図示せず)などとの間で信号伝送を行う信号伝送部14とを備えている。マスタコントローラMの記憶部11には、睡眠並びに目覚めに対応して照明や音楽、圧刺激などを経時的にどのように変化させるという制御内容(シナリオデータ)が記憶されている。マスタコントローラMの制御部10は、使用者が押釦スイッチ等を押操作することで操作入力受付部12にシナリオデータを選択する操作入力が受け付けられると、照明調光装置A’に対して、選択されたシナリオデータに対応する調光パターンの再生を実行するように指示する制御信号を信号伝送部14から送信する。
【0036】
一方、照明調光装置A’では、マスタコントローラMから送信された制御信号を信号伝送部6で受信すると、当該制御信号に応じて、制御部1が記憶部4に記憶されている調光パターンを読み出し、直ちに又は制御信号で指定された遅延時間後に当該調光パターンの再生を開始する。但し、調光パターンを再生する際の制御部1の動作は実施形態1と共通である。
【0037】
このように本発明に係る照明調光装置A’は、既存のシステムに組み込まれた場合にも、調光パターンの始期において調光段階(調光比)が急激に変化しないために使用者に違和感を覚えさせることが無く、しかも、調光パターンの始期及び終期にずれ(遅れ)が生じないという作用効果を奏するものである。但し、本実施形態の照明調光装置A’にも実施形態1の照明調光装置Aと同様に操作入力受付部3又は操作入力受付部3と表示部5の双方を備えるようにしても構わない。
【0038】
(実施形態3)
本実施形態の照明調光装置Aは、図12に示すように給電量調整部2A,2Bに対してそれぞれ動作電源を供給する電源供給部7A,7Bを備えている。但し、電源供給部7A,7Bを除く基本的な構成並びに動作は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
電源供給部7A,7Bは、例えば、商用交流電源ACから給電される交流電力より直流電力を作成して給電量調整部2A,2Bに供給するとともに、制御部1の指示に応じて給電量調整部2A,2Bへの電源供給を停止するものである。
【0040】
制御部1は、全ての照明負荷LA,LBが消灯状態(調光段階index[0])の場合に電源供給部7A,7Bに対して給電量調整部2A,2Bへの電源供給を停止するように指示を与える。従って、電源供給部7A,7Bによる電源供給が停止すれば、給電量調整部2A,2Bには微少な電流さえも流れなくなるために消費電力を低減することができる。また、給電量調整部2A,2Bへの電源供給を停止することに併せて、制御部1のCPUをスタンバイモード(動作クロックの周波数を減少させたモード)に移行することで消費電力を低減するようにしても構わない。
【0041】
ところで、照明調光装置Aの施工時あるいは照明負荷の交換時に正常に調光できることを確認する(試験する)方法として、第1のスイッチ部のアップキーUK1,ダウンキーDK1、又は第2のスイッチ部のアップキーUK2,ダウンキーDK2を押操作して手動で調光比(調光段階)を変化させる方法がある。また、別の方法として、記憶部4に試験用の調光パターンP0を記憶しておき、操作入力受付部3で試験開始の操作入力が受け付けられたときに制御部1が試験用の調光パターンP0を再生することで自動的に試験を行う方法がある。試験用の調光パターンP0としては、例えば、図14に示すように調光段階の中央値index[127]から開始して調光段階の下限値(最小値)index[0]まで漸減光した後、調光段階の上限値(最大値)index[255]まで漸増光するものが考えられる。
【0042】
而して、本実施形態における制御部1は、試験用の調光パターンP0以外の調光パターンを再生したり、少なくとも何れか1つの照明負荷LA,LBを調光点灯させる動作モード(以下、通常モードと呼ぶ。)と、全ての照明負荷LA,LBを消灯させて給電量調整部2A,2Bへの電源供給も停止する動作モード(以下、低消費電流モードと呼ぶ。)と、上述した試験用の調光パターンP0を再生する動作モード(以下、テストモードと呼ぶ。)とが択一的に切り換えられるようになっている。
【0043】
次に、制御部1の3つの動作モード(通常モード、低消費電流モード、テストモード)がどのようにして切り換わるかについて、図14の状態遷移図を参照して簡単に説明する。制御部1が通常モードにあるときに試験開始の操作入力が操作入力受付部3で受け付けられると通常モードからテストモードに切り換わり(イ)、上述した試験用の調光パターンP0の再生が行われる。そして、制御部1がテストモードにあるときに試験終了の操作入力が操作入力受付部3で受け付けられると、何れかの照明負荷LA,LBが消灯していなければテストモードから通常モードに切り換わり(ロ)、全ての照明負荷LA,LBが消灯していれば低消費電流モードに切り換わる(ハ)。また、制御部1が通常モードにあるときに全ての照明負荷LA,LBが消灯状態になると低消費電流モードに切り換わる(ニ)。さらに、制御部1が低消費電流モードにあるときに少なくとも何れか1つの照明負荷LA,LBが消灯状態でなくなれば低消費電流モードから通常モードに切り換わり(ホ)、試験開始の操作入力が操作入力受付部3で受け付けられると低消費電流モードからテストモードに切り換わる(ヘ)。但し、実施形態2で説明したように他のシステムに組み込まれている場合においては、試験開始又は試験終了の操作入力が操作入力受付部3で受け付けられる代わりに、マスタコントローラMから試験開始又は試験終了の制御信号を信号伝送部6で受け取ったときに、制御部1が通常モード又は低消費電流モードからテストモード、あるいはテストモードから通常モード又は低消費電流モードに切り換わることになる。このように外部からのトリガ信号(マスタコントローラMからの制御信号)によってテストモードから他のモードへ切り換えることができるため、不用意に行われた動作試験(試験用の調光パターンP0による照明負荷LA,LBの調光)を強制的に中止することができる。
【0044】
尚、照明調光装置A’が操作入力受付部3を備える構成の場合、通常モードでは誤動作防止のために操作入力受付部3における操作入力の受付を無効とし、テストモードでは試験用の調光パターンP0の再生ではなく、施工時や交換時の確認方法として操作入力受付部3における操作入力を有効とするような動作としてもよい。
【符号の説明】
【0045】
A 照明調光装置
1 制御部(制御手段)
2A,2B 給電量調整部(給電量調整手段)
3 操作入力受付部(操作入力受付手段)
4 記憶部(記憶手段)
6 信号伝送部(トリガ信号受信手段)
LA,LB 照明負荷
AC 商用交流電源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明負荷を調光する照明調光装置であって、
電源から照明負荷に給電される給電量を調整する給電量調整手段と、少なくとも照明負荷の調光段階を決定するための操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、1乃至複数の調光パターンを記憶する記憶手段と、前記操作入力によって決定される調光段階及び前記調光パターンの調光段階に対応した光出力となるように給電量調整手段を制御して照明負荷への給電量を調整させる制御手段とを備え、
調光パターンは、始期から終期に至るまでの経過時間と単調増加若しくは単調減少する調光段階との対応関係を示しており、
制御手段は、記憶手段に記憶されている調光パターンを読み出して照明負荷を調光する際、当該調光パターンの始期における第1の調光段階と、当該調光パターンの終期における第2の調光段階と、当該調光パターンの調光を開始する直前の第3の調光段階とを比較し、第3の調光段階が第1の調光段階と第2の調光段階の間にある場合、前記始期より前記調光パターンの調光段階が第3の調光段階と一致する時点までは当該調光パターンに関係なく照明負荷を第3の調光段階で調光し、且つ前記時点以降は前記調光パターンに従って調光段階を変化させるように給電量調整手段を制御することを特徴とする照明調光装置。
【請求項2】
外部からトリガ信号を受信するトリガ信号受信手段を備え、
制御手段は、トリガ信号受信手段がトリガ信号を受信した場合に記憶手段に記憶されている調光パターンを読み出して照明負荷を調光することを特徴とする請求項1記載の照明調光装置。
【請求項3】
上限値と下限値を含む全ての調光段階で調光する試験用の調光パターンが記憶手段に記憶されており、
制御手段は、操作入力受付手段で試験開始の操作入力が受け付けられた場合、記憶手段から前記試験用の調光パターンを読み出し、第3の調光段階に関わらず、当該試験用の調光パターンで照明負荷を調光することを特徴とする請求項1又は2記載の照明調光装置。
【請求項4】
外部からトリガ信号を受信するトリガ信号受信手段を備え、
制御手段は、試験用の調光パターンで照明負荷を調光しているときにトリガ信号受信手段がトリガ信号を受信した場合、当該試験用の調光パターンによる照明負荷の調光を中止することを特徴とする請求項3記載の照明調光装置。
【請求項5】
それぞれに異なる照明負荷への給電量を調整する複数の前記給電量調整手段を備え、
制御手段は、全ての照明負荷が消灯状態のときに全ての給電量調整手段を停止させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の照明調光装置。
【請求項1】
照明負荷を調光する照明調光装置であって、
電源から照明負荷に給電される給電量を調整する給電量調整手段と、少なくとも照明負荷の調光段階を決定するための操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、1乃至複数の調光パターンを記憶する記憶手段と、前記操作入力によって決定される調光段階及び前記調光パターンの調光段階に対応した光出力となるように給電量調整手段を制御して照明負荷への給電量を調整させる制御手段とを備え、
調光パターンは、始期から終期に至るまでの経過時間と単調増加若しくは単調減少する調光段階との対応関係を示しており、
制御手段は、記憶手段に記憶されている調光パターンを読み出して照明負荷を調光する際、当該調光パターンの始期における第1の調光段階と、当該調光パターンの終期における第2の調光段階と、当該調光パターンの調光を開始する直前の第3の調光段階とを比較し、第3の調光段階が第1の調光段階と第2の調光段階の間にある場合、前記始期より前記調光パターンの調光段階が第3の調光段階と一致する時点までは当該調光パターンに関係なく照明負荷を第3の調光段階で調光し、且つ前記時点以降は前記調光パターンに従って調光段階を変化させるように給電量調整手段を制御することを特徴とする照明調光装置。
【請求項2】
外部からトリガ信号を受信するトリガ信号受信手段を備え、
制御手段は、トリガ信号受信手段がトリガ信号を受信した場合に記憶手段に記憶されている調光パターンを読み出して照明負荷を調光することを特徴とする請求項1記載の照明調光装置。
【請求項3】
上限値と下限値を含む全ての調光段階で調光する試験用の調光パターンが記憶手段に記憶されており、
制御手段は、操作入力受付手段で試験開始の操作入力が受け付けられた場合、記憶手段から前記試験用の調光パターンを読み出し、第3の調光段階に関わらず、当該試験用の調光パターンで照明負荷を調光することを特徴とする請求項1又は2記載の照明調光装置。
【請求項4】
外部からトリガ信号を受信するトリガ信号受信手段を備え、
制御手段は、試験用の調光パターンで照明負荷を調光しているときにトリガ信号受信手段がトリガ信号を受信した場合、当該試験用の調光パターンによる照明負荷の調光を中止することを特徴とする請求項3記載の照明調光装置。
【請求項5】
それぞれに異なる照明負荷への給電量を調整する複数の前記給電量調整手段を備え、
制御手段は、全ての照明負荷が消灯状態のときに全ての給電量調整手段を停止させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の照明調光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−82107(P2011−82107A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235378(P2009−235378)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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