説明

熱エネルギ利用装置

【課題】熱発生装置で発生した熱を蓄熱装置に蓄えた場合に、その蓄熱装置に蓄えられた熱が利用されずに無駄になることを抑制することの可能な熱エネルギ利用装置を提供する。
【解決手段】熱発生装置が発生する熱を蓄熱装置に蓄えるとともに、熱発生装置の発熱量が低下した場合は、蓄熱装置に蓄えられている熱を、熱利用装置における必要熱エネルギに基づいて放出する熱エネルギ利用装置において、熱利用装置における必要熱エネルギを算出する必要熱エネルギ算出手段(ステップS3)と、蓄熱装置に蓄えられている熱エネルギから、必要熱エネルギを差し引いた余剰分の熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換手段(ステップS5)と、電気エネルギを蓄電装置に蓄える蓄電手段(ステップS5)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱発生装置で発生した熱を蓄熱装置に蓄えるとともに、この蓄熱装置の熱を対象物に伝達することの可能な熱エネルギ利用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載された内燃機関やモータ・ジェネレータはその駆動により発熱し、その熱を他の車載装置に伝達して、その車載装置を暖めることが知られており、その技術の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された蓄熱装置を備えた内燃機関では、熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、内燃機関を経由して熱媒体が循環する第1循環回路と、内燃機関以外の装置を経由して熱媒体が循環する第2循環回路とが設けられている。また、前記特許文献1には、蓄熱容器に貯留された高温の熱媒体によって、内燃機関の始動前または始動時に内燃機関の暖機を実行する暖機実行手段と、内燃機関の暖機を実行すべく暖機実行手段に内燃機関暖機実行指令を出す暖機実行指令手段と、第1循環回路と第2循環回路とを切り換える循環回路切り換え手段とが記載されている。そして、暖機実行指令手段から暖機実行手段に内燃機関暖機実行指令が出される前に、循環回路切り換え手段によって熱媒体の循環回路を第1循環回路に切り換える第1循環回路切り換え制御を行うことが記載されている。このように構成すると、内燃機関を経由する第1循環回路内の熱媒体の温度によって、内燃機関を一旦停止させた後の内燃機関の再始動前または再始動時に、内燃機関を暖機するために必要となる熱媒体の熱容量が決定される。そのため、内燃機関の暖機に対し、過剰または過小に高温の熱媒体を確保することを防ぐことができると記載されている。なお、車両に搭載された各種の装置の温度制御に関する発明が、特許文献2および3にも記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−92491号公報
【特許文献2】特開平11−355967号公報
【特許文献3】特開平5−231748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載された発明においては、内燃機関の始動後は、内燃機関の排熱から回収した熱が継続して蓄熱装置に蓄えられていくため、内燃機関の暖機に必要な熱量以上の熱量が蓄熱装置に蓄えられていると、その必要以上に蓄えた熱を利用できずに無駄になる問題があった。
【0005】
この発明は上記事情を背景としてなされたものであって、熱発生装置で発生した熱を蓄熱装置に蓄えた場合に、その蓄熱装置に蓄えられた熱が利用されずに無駄になることを抑制することの可能な熱エネルギ利用装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、熱発生装置が発生する熱を蓄える蓄熱装置と、この蓄熱装置に蓄えられている熱を対象物に伝達する熱利用装置とを備え、前記熱発生装置の発熱量が低下した場合は、前記蓄熱装置に蓄えられている熱を、前記対象物に熱を伝達する場合の必要熱エネルギに基づいて放出する熱エネルギ利用装置において、前記熱利用装置における必要熱エネルギを算出する必要熱エネルギ算出手段と、前記蓄熱装置に蓄えられている熱エネルギから、前記必要熱エネルギを差し引いた余剰分の熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換手段と、前記電気エネルギを蓄電装置に蓄える蓄電手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の発明は、車両に搭載され、かつ、その車両に搭載された熱発生装置が発生する熱を蓄える蓄熱装置と、この蓄熱装置に蓄えられている熱を対象物に伝達し、かつ、前記車両に搭載された熱利用装置とを備え、前記熱発生装置の発熱量が低下した場合は、前記蓄熱装置に蓄えられている熱を、前記対象物に熱を伝達する場合の必要熱エネルギに基づいて放出する熱エネルギ利用装置において、前記熱利用装置における必要熱エネルギを算出する必要熱エネルギ算出手段と、前記蓄熱装置に蓄えられている熱エネルギから、前記必要熱エネルギを差し引いた余剰分の熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換手段と、前記電気エネルギを前記車両に搭載されている蓄電装置に蓄える蓄電手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記エネルギ変換手段は、前記車両が停止し、かつ、前記熱発生装置の発生熱量が低下した場合に、前記熱エネルギを前記電気エネルギに変換する手段を含むことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記熱利用装置は前記対象物を暖める機構を有しており、前記必要熱エネルギ算出手段は、気温が低い場合は気温が高い場合に比べて、前記熱利用装置で前記対象物を加熱する場合の必要熱エネルギを多く算出する手段を含むことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記熱利用装置は前記蓄電装置を暖める機構を有しており、前記蓄電装置は、温度が高いほど放電効率が高まる特性を有しており、前記必要熱エネルギ算出手段は、前記蓄電装置の充電量が低い場合は充電量が高い場合に比べて、前記熱利用装置における必要熱エネルギを多く算出する手段を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、熱発生装置で発生した熱が蓄熱装置に蓄えられ、前記熱発生装置の発熱量が低下した場合は、前記蓄熱装置に蓄えられている熱を、熱利用装置により対象物に伝達することができる。ここで、対象物に伝達する熱の必要熱エネルギに基づいて、前記蓄電装置から熱を放出することができる。また、前記必要熱エネルギが算出され、前記蓄熱装置に蓄えられている熱エネルギから、前記必要熱エネルギを差し引いた余剰分の熱エネルギが電気エネルギに変換される。この電気エネルギは蓄電装置に蓄えられる。したがって、前記蓄熱装置に蓄えられている熱エネルギを、電気エネルギとして利用することができ、エネルギの有効活用ができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、車両に搭載されている熱発生装置で発生した熱が蓄熱装置に蓄えられ、前記熱発生装置の発熱量が低下した場合は、前記蓄熱装置に蓄えられている熱を、前記車両に搭載されている熱利用装置における必要熱エネルギに基づいて放出することができる。また、前記熱利用装置における必要熱エネルギが算出され、前記蓄熱装置に蓄えられている熱エネルギから、前記必要熱エネルギを差し引いた余剰分の熱エネルギが電気エネルギに変換される。この電気エネルギが蓄電装置に蓄えられる。したがって、前記蓄熱装置に蓄えられている熱エネルギを電気エネルギとして利用することができ、エネルギの有効活用ができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、前記車両が停止している場合に、熱電変換装置で、熱エネルギを電気エネルギに変換することができる。また、前記車両が停止後、一定時間、熱利用装置における熱エネルギの利用がなかった場合、前記蓄熱装置へ回収されている熱エネルギを電気エネルギに熱電変換して前記蓄電装置に蓄えることで、電気エネルギに変換されずに無駄となる熱エネルギを減らすことができる。したがって、エネルギの有効活用が一層促進される。
【0014】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、気温が低い場合は気温が高い場合に比べて、前記熱利用装置で加熱に用いる必要熱エネルギを多く算出する。したがって、余剰分の熱エネルギの算出を正確におこなうことができ、エネルギの有効活用を一層確実におこなえる。
【0015】
請求項5の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、前記熱エネルギ利用装置により前記蓄電装置が暖められる。そして、前記蓄電装置の充電量が低い場合は、前記熱エネルギ利用装置で前記蓄電装置を暖める場合の必要熱エネルギを多く算出しておくことで、前記蓄電装置に蓄えられている電気エネルギの放電効率(放電性能)を向上させることができ、エネルギの有効活用を一層確実におこなえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
つぎに、この発明の概念を説明すると、熱発生装置としては、地上や建築物内などに固定して設置、または移動可能に設置される、原動機(内燃機関、電動機など)、焼却装置、調理器、加熱装置などが含まれる。これらの焼却装置、調理器、加熱装置などは、燃料やガスなどを燃焼させたり、あるいは電気エネルギを熱エネルギに変換したりして発熱させ、その熱により目的とする処理をおこなう装置であり、発熱自体がその主たる役割を果たす。また、この発明の熱発生装置には、車両に搭載される動力源としての内燃機関、モータ・ジェネレータなども含まれる。このように、車両に搭載される動力源は、車輪に伝達する動力を発生することを主たる目的とする装置である。ここで、内燃機関は、燃料を燃焼させて熱エネルギを発生させ、その熱エネルギを運動エネルギに変換する装置であり、動力の発生過程で熱が発生する。さらに、内燃機関から排出される排気ガスも熱エネルギを有する。これに対して、前記モータ・ジェネレータは、基本的には熱を発生する必要はないが、電気エネルギを運動エネルギに変換する過程、または運動エネルギを電気エネルギに変換する過程で、不可避的に熱が発生する。さらに、前記車両の動力源から車輪に至る経路に動力伝達装置が設けられており、その動力伝達装置を制御する油圧制御装置が設けられている場合、その作動油も発熱する。したがって、前記油圧制御装置も、この発明の熱発生装置に含まれる。
【0017】
一方、この発明において、蓄熱装置から熱が伝達される対象物は、熱発生装置自体であってもよいし、熱発生装置とは異なる装置であってもよい。この対象物は、固体、流体(気体・液体)などのいずれでもよい。さらに、この発明における熱利用装置は、前記対象物に熱を伝達する熱伝達装置であり、より詳しくは、対象物の温度を制御する(加熱・冷却)機構を有している。すなわち、熱利用装置は、その加熱や冷却により、対象物の機能・性能・効率などを向上させたり、人間による体感性・快適性を維持・向上させたりする装置である。このような熱利用装置としては、エアコンディショナ(空調装置−冷房および暖房を含む)、給湯器、加熱・冷却装置などが挙げられる。このうち、前記エアコンディショナ、前記加熱・冷却装置は、地上設置型、または車両搭載型のいずれでもよい。例えば、車両に搭載された内燃機関用の加熱装置(暖機装置)、車両に搭載されたモータ・ジェネレータ用の冷却装置、車両に搭載された蓄電装置用の冷却装置または加熱装置、車両に搭載された油圧制御装置の作動油を冷却する冷却装置、車両に搭載されたエアコンディショナなどが、この発明における熱利用装置に含まれる。これに対して、給湯器は、地上設置型である。また、この発明における熱電変換装置は、熱エネルギを電気エネルギに変換可能な装置であり、例えば、ベーゼック効果を利用した熱電素子などが挙げられる。
【0018】
さらに、この発明における蓄電装置は、電気エネルギを保持する装置であり、特に、充電および放電を繰り返しておこなえる二次電池を用いることができる。この二次電池としては、より具体的には、電気化学的な反応により電気エネルギを蓄えるバッテリと、電気エネルギを電荷のまま保持するキャパシタ(コンデンサ)とが挙げられる。このバッテリおよびキャパシタは、いずれも温度変化により放電・充電性能(効率)が変化する特性を有している。具体的には、温度が高くなることにともない放電効率が上昇し、温度が低下することにともない充電効率が向上する特性を有している。そして、この発明では、前記熱利用装置は前記蓄電装置を暖める機構を有しており、前記蓄電装置の充電量が低い場合は充電量が高い場合に比べて、前記熱エネルギ利用装置における必要熱エネルギを多く算出することができる。さらにこの発明では、気温が低い場合は気温が高い場合に比べて、前記熱利用装置で加熱に用いる必要熱エネルギを多く算出することができる。
【0019】
つぎに、上記の概念で説明した熱エネルギ利用装置を、地上を移動可能な移動体としての車両に用いた実施例により、具体的に説明する。図2には車両1の一例がブロック図で示してあり、前記車両1には動力源2が搭載されている。この動力源2の出力側に変速機3が連結されている。また、その変速機3の出力軸4がデファレンシャルを介して駆動輪5に連結されている。すなわち、前記動力源2は、前記駆動輪5に伝達するトルクを出力する原動機である。前記動力源2としては、ガソリンエンジンなどの内燃機関を単独で使用する以外に、モータ・ジェネレータと内燃機関とを組み合わせたハイブリッド機構あるいは電動機を単独で使用する構成などを採用することができる。前記内燃機関は、燃料を燃焼させて熱エネルギを発生させ、その熱エネルギを運動エネルギとして出力する動力装置である。これに対して、モータ・ジェネレータは、電気エネルギを運動エネルギに変換する機能(力行機能)と、運動エネルギを電気エネルギに変換する機能(回生機能)とを兼備した回転装置である。以下に述べる例では、動力源2としてエンジン6およびモータ・ジェネレータ7を併用したハイブリッド機構を用いた例を示す。なお、このエンジン6とモータ・ジェネレータ7とは、それぞれの出力軸を直接連結した構成としてもよく、あるいは遊星歯車機構などのトルク合成・分配機構を介してそれぞれの出力軸を連結するように構成してもよい。
【0020】
また、前記変速機3は、要は、入力回転数と出力回転数との比率を適宜に変更できる構成のものであり、有段式の自動変速機や無段変速機を採用することができる。この実施例では、前記変速機3の変速比を制御するアクチュエータとして、油圧制御装置29が設けられている。この油圧制御装置29は、油圧回路、ソレノイドバルブなどを有する公知のものである。さらに、前記エンジン6は、スロットル開度や点火時期あるいはバルブの開閉タイミングを電気的に制御できるように構成されており、その制御をおこなうエンジン用電子制御装置(E−ECU)8が設けられている。また、前記変速機3は、変速比や変速パターンを電気的に制御できるように構成されており、その制御をおこなう変速機用電子制御装置(T−ECU)9が設けられている。
【0021】
前記モータ・ジェネレータ7としては、永久磁石式の同期電動機を用いることができ、このモータ・ジェネレータ7は、インバータ10を介して高圧バッテリ11に接続されている。これらのインバータ10および高圧バッテリ11を制御するための電子制御装置(M−ECU)12が設けられている。そしてこの電子制御装置12は、モータ・ジェネレータ7の出力や発電電力(すなわち高圧バッテリ11に対する充電電力)を制御するようになっている。このモータ・ジェネレータ7は、前記エンジン6の動力で発電する制御、または車両1の惰力走行による運動エネルギにより発電する制御を実行可能である。
【0022】
前記動力源2から駆動輪5に到る駆動系統との間で選択的に動力を授受する空調用のコンプレッサー13が設けられている。具体的には、動力源2の出力軸から選択的にトルクが伝達されるようにコンプレッサー13が配置されている。そして、このコンプレッサー13を含む空調装置(エアコンディショナ)を制御する電子制御装置(A/C−ECU)14が設けられている。さらに、前記エンジン6には、その回転数が予め定めた所定回転数以上のときに発電をおこなうオルタネータ15が連結され、エンジン6の動力をオルタネータ15に伝達して発電した電力を低圧バッテリ16に充電するようになっている。なお、車両1の惰力走行時に、車両1の運動エネルギをオルタネータ15に伝達し、そのオルタネータ15で発電された電力を低圧バッテリ16に充電することも可能である。その低圧バッテリ16における充電を制御するための電子制御装置(B−ECU)17が設けられている。なお、低圧バッテリ16と高圧バッテリ11との間で相互に電力の授受をおこなうことが可能となるように、電気回路(図示せず)が形成されている。
【0023】
上記の各電子制御装置8,9,12,14,17は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータと予め記憶しているデータならびにプログラムとに従って演算をおこない、その演算の結果に基づいて指令信号を出力するようになっている。また、これらの各電子制御装置8,9,12,14,17は相互にデータ通信可能に接続されている。
【0024】
つぎに、前記車両1に搭載された熱エネルギ利用装置の構成を、図3に基づいて説明する。図3に示す熱エネルギ利用装置18は、蓄電装置としてのバッテリ19を有している。このバッテリ19には、前述した高圧バッテリ11および低圧バッテリ16が含まれている。このバッテリ19は、前記モータ・ジェネレータ7に電力を供給可能である他に、このバッテリ19からは、前記車両1に搭載された補機装置50などの電気負荷に電力を供給可能となっている。前記補機装置50としては、前記エンジン6をクランキングさせるスタータモータ、照明装置、ワイパー用の駆動モータ、エアコンディショナ用のブロワー駆動モータなどが挙げられる。上記バッテリ19の温度を制御(加熱・冷却)する蓄熱装置20が設けられている。この蓄熱装置20は、蓄冷器21および蓄熱器22を有しており、蓄冷器21に蓄えられる熱の温度の方が、蓄熱器22に蓄えられる熱の温度よりも低い。また、前記蓄冷器21と前記バッテリ19とを熱授受可能に接続する冷熱ブライン流路23が設けられており、熱媒体が冷熱ブライン流路23の内部を流れるように構成されている。そして、冷熱ブライン流路23には冷熱ブラインポンプ24が設けられている。この冷熱ブラインポンプ24は、冷熱ブライン流路23を流れる熱媒体の流量、熱媒体の流通時期を制御するものである。
【0025】
さらに、前記蓄熱器22と前記バッテリ19とを熱授受可能に接続する暖熱ブライン流路25が設けられており、熱媒体が暖熱ブライン流路25の内部を流れるように構成されている。そして、この暖熱ブライン流路25には暖熱ブラインポンプ26が設けられている。この暖熱ブラインポンプ26は、前記暖熱ブライン流路25を流れる熱媒体の流量、熱媒体の流通時期を制御するものである。さらにまた、前記蓄熱装置20に蓄えられた熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換装置として熱電素子27が設けられている。この熱電素子27としては、ベーゼック効果を利用したものを用いることが可能である。そして、この熱電素子27が、前記蓄冷器21と前記蓄熱器22との間に設けられており、前記蓄冷器21および前記蓄熱器22の熱を、前記熱電素子27に伝達可能となっている。
【0026】
つぎに、前記蓄熱装置20に対して熱授受可能に設けられた熱発生装置28について説明する。すなわち、前記エンジン6およびモータ・ジェネレータ7および変速機3を制御する油圧制御装置29などが、この熱発生装置28に含まれる。例えば、前記エンジン6は、燃料を燃焼させて熱エネルギを発生させ、その熱エネルギを運動エネルギに変換する装置であり、動力の発生過程で熱が発生し、その熱がシリンダブロックやシリンダヘッドなどの構成部品に伝達される。さらに、前記エンジン6から排出される排気ガスも熱エネルギを有する。このように、前記エンジン6の運転時に発生する熱を、前記蓄熱装置20の蓄熱器22に伝達する熱伝達装置(図示せず)が設けられている。
【0027】
また、前記モータ・ジェネレータ7は、電気エネルギを運動エネルギに変換する過程、または運動エネルギを電気エネルギに変換する過程で、不可避的に熱が発生する。このモータ・ジェネレータ7で発生する熱を、前記蓄熱器22に伝達する熱伝達装置(図示せず)が設けられている。なお、前記エンジン6の熱および前記モータ・ジェネレータ7の熱を前記蓄熱器22に伝達する熱伝達装置は、熱伝導性に優れた金属材料、ヒートパイプなどにより構成することが可能である。さらに、前記蓄熱装置20に蓄えられた熱を、前記エンジン6の加熱・冷却、前記モータ・ジェネレータ7の冷却、前記油圧制御装置29の作動油の冷却などに用いるための熱伝達経路を構成する熱利用装置30が設けられている。この熱利用装置30は、前述した冷熱ブライン流路および暖熱ブライン流路および前記冷熱ブラインポンプおよび暖熱ブラインポンプと同等の構成を有しており、前記蓄熱器22の暖熱を加熱対象となる装置・機器に伝達し、前記蓄冷器21の冷熱を冷却対象となる装置・機器に伝達するように構成されている。なお、この熱利用装置30は、熱伝導性に優れた金属材料などで構成することも可能である。そして、この熱利用装置30に伝達される熱エネルギを制御する機構が設けられていればよい。
【0028】
さらに前記車両1に搭載されているエアコンディショナ(空調装置)31について説明する。このエアコンディショナ31は、前記車両1の室内の空気温度を制御するものであり、コンプレッサ32、コンデンサ33、レシーバタンク34、膨脹弁35、エバポレータ36などを有する公知のものである。このエアコンディショナ31では、ガス状の冷媒が前記コンプレッサ32で吸入・圧縮されて高温・高圧のガスとなり、そのガスが前記コンデンサ33に送られる。ここで、車外の空気がコンデンサ33のフィンの隙間を通過して、コンデンサ33内のガスが冷却され、凝縮の潜熱を奪われて液化する。なお、このコンデンサ33で奪われた熱が前記蓄熱器22に伝達されるように構成されている。このコンデンサ33で液化された冷媒は、前記レシーバタンク34に流れ込み、ガスと液体に分離される。ついで、液化した冷媒のみが前記膨脹弁35に送られて、その膨脹弁35で冷媒が急激に膨脹させられて低温・低圧の液状冷媒となり、この液状冷媒が前記エバポレータ36に送られる。このエバポレータ36では、冷媒が蒸発するのに必要な熱を室内の空気から奪い、室内の空気を冷却すると同時に、気化して前記コンプレッサ32に吸入される。
【0029】
なお、前記エアコンディショナ31では、前記蓄冷器21に蓄えられる冷熱も生成される。このように、エアコンディショナ31では、公知の冷凍サイクルが繰り返される。そして、エアコンデョナ31の熱が前記蓄熱装置20に蓄えられるという意味において、このエアコンディショナ31も、熱発生装置30と同じ役割を有するといえる。さらに、この実施例では、前記エアコンディショナ31で車室内の空気を冷却・加熱する場合と同じように、前記蓄熱装置20に蓄えられている熱を利用して、車室内の空気を冷却・加熱することができるように、空気流通路(図示せず)が形成されている。したがって、この空気流通路は技術的には前記熱利用装置30に相当する。
【0030】
一方、前記熱エネルギ利用装置18は電子制御装置37を有している。この電子制御装置37には、前記蓄熱装置20の温度情報、前記バッテリ19の温度を検出する温度センサ38の情報、前記バッテリ19の電圧情報、前記バッテリ19の電流を検出する電流センサ39の情報などの検知信号が入力される。さらに、この電子制御装置37は、前述した電子制御装置8,9,12,14,17との間で相互に信号通信可能に接続されており、この電子制御装置37には、インフラ情報、外気温情報、イグニッションキー情報、前記エンジン6の温度情報、前記モータ・ジェネレータ7の温度情報、前記油圧制御装置29の作動油の温度情報などの信号が入力される。これに対して、この電子制御装置37からは、前記冷熱ブラインポンプ24および暖熱ブラインポンプ26を制御する信号が出力される。
【0031】
つぎに、前記車両1の制御例を図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、各種の電子制御装置に入力される走行情報が読み込まれる(ステップS1)。例えば、インフラ情報、外気温情報、イグニッションキー情報、前記バッテリ19の温度・電圧・電流などの情報、前記蓄熱装置20の温度情報などが読み込まれる。インフラ情報には、前記エアコンディショナ31の使用状況などが含まれる。このステップS1についで、前記車両1が停止し、かつ、イグニッションキーがオフされて前記エンジン6および前記モータ・ジェネレータ7が停止しているか否かが判断される(ステップS2)。このステップS2で肯定的に判断された場合は、前記イグニッションキーが操作されて前記エンジン6を始動する場合を想定し、前記熱利用装置30で使用される可能性のある熱エネルギが事前に推定される(ステップS3)。
【0032】
このステップS3で推定される熱エネルギの具体例を説明する。例えば、前記エンジン6の始動時に、前記熱利用装置30により前記エンジン6のシリンダブロックなど、前記エンジン6の本体を暖機する場合は、その暖機に必要な熱エネルギが推定される。さらに、前記エンジン6の燃焼室への吸入空気を冷却または加熱する場合は、その冷却または加熱に必要な熱エネルギが推定される。また、前記熱利用装置30により、前記エアコンディショナ31と同じように室内の空気を冷却または加熱する場合は、その冷却または加熱に必要な熱エネルギが推定される。さらに、前記熱利用装置30により、前記油圧制御装置29の作動油を冷却する場合は、その作動油の冷却に必要な熱エネルギを推定する。
【0033】
このステップS3では、例えば、予め記憶されているマップを用いて熱エネルギを推定することが可能であり、その推定例を、図4および図5に基づいて説明する。図4は、加熱対象物を加熱したり、加熱対象物の温度を上昇させる場合に必要な熱エネルギを推定する場合に用いる加熱用マップの一例であり、横軸に予想最低外気温が示され、縦軸に必要な熱エネルギ(プレ温調必要熱量)が示されている。また、図4の加熱用マップには前記バッテリ19の充電量(SOC)が低い場合が二点鎖線で示され、前記バッテリ19の充電量が高い場合が実線で示され、前記バッテリ19の充電量が中程度である場合が破線で示されている。この図4の加熱用マップでは、予想最低外気温が低くなることに比例して、必要な熱エネルギが多く設定されている。これは、外気温が低いほど、加熱対象物の温度を維持、または上昇させるために必要な熱エネルギが多くなるからである。これに対して、夏場であれば、加熱に必要な熱エネルギが少なく設定されて、余剰な熱エネルギが多くなり、より多くの熱エネルギを電気エネルギに変換することができる。さらに、前記バッテリ19の充電量が低くなることに比例して、加熱に必要な熱エネルギが多く設定されている。すなわち、前記バッテリ19が、温度により放電・充電性能が変化する特性を有している。そこで、前記バッテリ19の充電量が低い場合は、そのバッテリ19の温度を上昇させて、その放電性能を向上させることができる。
【0034】
図5は、冷却対象物を冷却したり、冷却対象物の温度を低下させる場合に必要な熱エネルギを推定する場合に用いる冷却用マップの一例であり、横軸に予想最低外気温が示され、縦軸に必要な熱エネルギ(プレ温調必要熱量)が示されている。また、図5の冷却用マップには前記バッテリ19の充電量(SOC)が低い場合が二点鎖線で示され、前記バッテリ19の充電量が高い場合が実線で示され、前記バッテリ19の充電量が中程度である場合が破線で示されている。この図5の冷却用マップでは、予想最低外気温が高くなることに比例して、必要な熱エネルギが多く設定されている。これは、外気温が高いほど、冷却対象物の温度を維持、または低下させるために必要な熱エネルギが多くなるからである。また、前記バッテリ19の充電量が低くなることに比例して、冷却に必要な熱エネルギが多く設定されている。すなわち、前記バッテリ19が、温度により放電・充電性能が変化する特性を有している。そこで、前記バッテリ19の充電量が低い場合は、そのバッテリ19の温度を上昇させて放電性能を向上させれば、そのバッテリ19の充電量の更なる低下を抑制することができる。
【0035】
このステップS3についで、蓄熱装置20に蓄えられている熱エネルギから、前記熱利用装置30で利用される必要熱エネルギを差し引き、余剰の熱エネルギがあるか否かが判断される(ステップS4)。このステップS4で肯定的に判断された場合は、その余剰の熱エネルギを前記熱電素子27により電気エネルギに変換し(熱電素子27を駆動)、かつ、その電気エネルギを前記バッテリ19に蓄える処理をおこない(ステップS5)、この制御ルーチンを終了する。これに対して、ステップS4で否定的に判断された場合は、前記熱電素子27を駆動することなく、この制御ルーチンを終了する。また、前記ステップS2で否定的に判断された場合も、この制御ルーチンを終了する。
【0036】
以上のように、この実施例によれば、熱発生装置28またはエアコンディショナ31のうち、少なくとも一方で発生した熱が蓄熱装置20に蓄えられる。そして、前記熱発生装置28およびエアコンディショナ31の発熱量が低下した場合、より具体的には、前記車両1が停止し、かつ、前記エンジン6およびモータ・ジェネレータ7が停止した場合は、前記蓄熱装置20に蓄えられている熱を、熱利用装置30における加熱または冷却の必要熱エネルギに基づいて放出することができる。また、前記熱利用装置30における必要熱エネルギが算出され、前記蓄熱装置20に蓄えられている熱エネルギから、前記必要熱エネルギを差し引いた余剰分の熱エネルギが電気エネルギに変換され、その電気エネルギが前記バッテリ19に蓄えられる。したがって、前記蓄熱装置20に蓄えられている熱エネルギを捨てることなく、電気エネルギとして前記補機装置50で利用することができ、エネルギの有効活用ができる。また、前記車両1が停止後、一定時間、車両1が停止しており、熱利用装置30における熱エネルギの利用がなかった場合、前記蓄熱装置20へ回収されている熱エネルギを電気エネルギに熱電変換して前記バッテリ19に蓄えることで、電気エネルギに変換されずに無駄となる熱エネルギを減らすことができる。したがって、エネルギの有効活用が一層促進される。
【0037】
さらに、この実施例では、図4の加熱用マップに示したように、気温が低い場合は気温が高い場合に比べて、前記熱利用装置28で加熱に用いる必要熱エネルギを多く算出する。したがって、余剰分の熱エネルギの算出を正確におこなうことができ、エネルギの有効活用を一層確実におこなえる。さらに、この実施例では、前記バッテリ19を加熱することができる。より具体的には、前記バッテリ19の充電量が低い場合は、前記バッテリ19を暖める場合の必要熱エネルギを多く算出しておくことで、前記バッテリ19に蓄えられている電気エネルギの放電効率を向上させることができ、エネルギの有効活用を一層確実におこなえる。
【0038】
なお、この実施例において、イグニッションスイッチがオフとなっている場合でも、各種の電子制御装置は、イグニッションスイッチがオフとなってから所定時間の間は、図1に示すような制御を実行可能なように、起動状態が維持される構成を有している。また、前記ステップS2の判断として、前記車両1が停止しているか否かに代えて、前記車両1における前記熱発生装置30で熱を発生する機能が停止しているか否かを判断することも可能である。例えば、イグニションキーがキーシリンダから抜き取られている場合に、前記車両1における前記熱発生装置30で熱を発生する機能が停止していると判断することも可能である。このような制御をおこなう場合も、イグニッションスイッチがオフとなってから所定時間の間は、図1に示すような制御を実行可能なように、起動状態が維持される構成を有している。さらに、この実施例において、バッテリ19に代えてキャパシタを用いることも可能である。この場合は、図1の制御例で説明した「バッテリ」を「キャパシタ」と読み替えればよい。
【0039】
なお、イグニッションキーの操作に代えて、ボタンやスイッチの操作により、前記エンジン6および前記モータ・ジェネレータの運転・停止を制御することが可能に構成されている車両であれば、そのボタンやスイッチの操作信号により、ステップS2で前記エンジン6およびモータ・ジェネレータ7の停止を判断可能である。また、イグニッションキー、ボタン、スイッチなどが操作されないとしても、加速要求が無くなり、かつ、制動要求が発生し、かつ車速が零である場合に、前記エンジン6および前記モータ・ジェネレータを停止させる制御を実行することが可能に構成されている車両であれば、ステップS2で、加速要求が無くなり、かつ、制動要求が発生し、かつ車速が零である場合に、前記エンジン6および前記モータ・ジェネレータの停止を判断することも可能である。
【0040】
ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS3が、この発明の必要熱エネルギ算出手段に相当し、ステップS4およびステップS5が、この発明の熱電変換手段に相当し、ステップS5が、この発明の蓄電手段に相当する。また、前記熱発生装置28およびエアコンディショナ31が、この発明の熱発生装置に相当し、前記バッテリ19およびキャパシタが、この発明の蓄電装置に相当し、前記熱利用装置30および冷熱ブライン流路23、冷熱ブラインポンプ24、暖熱ブライン流路25、暖熱ブラインポンプ26などの機構が、この発明の熱利用装置に相当し、前記エンジン6および前記モータ・ジェネレータ7および前記バッテリ19および前記油圧制御装置29などの構成部品が、この発明の対象物に相当する。さらに、図3に示された構成において、蓄熱器22をコンデンサの代わりとして使用し、蓄冷器21をエバポレータの代わりに用いることにより、冷凍サイクルを構成したエアコンディショナにおいても、図1の制御を実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明に係る熱エネルギ利用装置で実行される制御例を示すフローチャートである。
【図2】図1に示す制御を実行可能な熱エネルギ利用装置を搭載した車両のパワートレーンの構成、および制御系統の構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】図1に示す車両に搭載されている熱エネルギ利用装置の構成、およびその制御系統を示す模式図である。
【図4】図1の制御例で用いるマップの一例を示す図である。
【図5】図1の制御例で用いるマップの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1…車両、 18…熱エネルギ利用装置、 19…バッテリ、 23…冷熱ブライン流路、 24…冷熱ブラインポンプ、 25…暖熱ブライン流路、 26…暖熱ブラインポンプ、 28…熱発生装置、 29…油圧制御装置、 30…熱利用装置、 31…エアコンディショナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱発生装置が発生する熱を蓄える蓄熱装置と、この蓄熱装置に蓄えられている熱を対象物に伝達する熱利用装置とを備え、前記熱発生装置の発熱量が低下した場合は、前記蓄熱装置に蓄えられている熱を、前記対象物に熱を伝達する場合の必要熱エネルギに基づいて放出する熱エネルギ利用装置において、
前記熱利用装置における必要熱エネルギを算出する必要熱エネルギ算出手段と、
前記蓄熱装置に蓄えられている熱エネルギから、前記必要熱エネルギを差し引いた余剰分の熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換手段と、
前記電気エネルギを蓄電装置に蓄える蓄電手段と
を備えていることを特徴とする熱エネルギ利用装置。
【請求項2】
車両に搭載され、かつ、その車両に搭載された熱発生装置が発生する熱を蓄える蓄熱装置と、この蓄熱装置に蓄えられている熱を対象物に伝達し、かつ、前記車両に搭載された熱利用装置とを備え、前記熱発生装置の発熱量が低下した場合は、前記蓄熱装置に蓄えられている熱を、前記対象物に熱を伝達する場合の必要熱エネルギに基づいて放出する熱エネルギ利用装置において、
前記熱利用装置における必要熱エネルギを算出する必要熱エネルギ算出手段と、
前記蓄熱装置に蓄えられている熱エネルギから、前記必要熱エネルギを差し引いた余剰分の熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換手段と、
前記電気エネルギを前記車両に搭載されている蓄電装置に蓄える蓄電手段と
を備えていることを特徴とする熱エネルギ利用装置。
【請求項3】
前記エネルギ変換手段は、前記車両が停止し、かつ、前記熱発生装置の発生熱量が低下した場合に、前記熱エネルギを前記電気エネルギに変換する手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の熱エネルギ利用装置。
【請求項4】
前記熱利用装置は前記対象物を暖める機構を有しており、
前記必要熱エネルギ算出手段は、気温が低い場合は気温が高い場合に比べて、前記熱利用装置で前記対象物を加熱する場合の必要熱エネルギを多く算出する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の熱エネルギ利用装置。
【請求項5】
前記熱利用装置は前記蓄電装置を暖める機構を有しており、前記蓄電装置は、温度が高いほど放電効率が高まる特性を有しており、
前記必要熱エネルギ算出手段は、前記蓄電装置の充電量が低い場合は充電量が高い場合に比べて、前記熱利用装置における必要熱エネルギを多く算出する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の熱エネルギ利用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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