熱シール装置及び熱シール装置におけるシールのモニタリング方法
【課題】 適切なシール環境下においてシール作業を実行可能な熱シール装置を提供すること。
【解決手段】 一対のプーリー41,43の間に掛け渡したベルト45a,45bにより被シール体の一部を挟持して搬送する搬送機構40と、一部を押圧する押圧部56,66と、一部を加熱する加熱部51とを少なくとも有するシール機構を備える。搬送機構40へ被シール体を送り出す送出機構30と、シール機構の状態をモニタするモニタ部と、状態が所定のシール可能範囲内であるかを判定する判定部とを有する。搬送機構40を搬送方向へ駆動させてモニタ部により状態をモニタする。判定部は、状態が所定のシール可能範囲内である場合に送出機構30を作動させる。
【解決手段】 一対のプーリー41,43の間に掛け渡したベルト45a,45bにより被シール体の一部を挟持して搬送する搬送機構40と、一部を押圧する押圧部56,66と、一部を加熱する加熱部51とを少なくとも有するシール機構を備える。搬送機構40へ被シール体を送り出す送出機構30と、シール機構の状態をモニタするモニタ部と、状態が所定のシール可能範囲内であるかを判定する判定部とを有する。搬送機構40を搬送方向へ駆動させてモニタ部により状態をモニタする。判定部は、状態が所定のシール可能範囲内である場合に送出機構30を作動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱シール装置及び熱シール装置におけるシールのモニタリング方法に関する。さらに詳しくは、一対のプーリーの間に掛け渡したベルトにより被包装体の一部を挟持して搬送する搬送機構と、前記一部を押圧する押圧部と、前記一部を加熱する加熱部とを少なくとも有するシール機構を備えた熱シール装置及び熱シール装置におけるシールのモニタリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の如き熱シール装置として、例えば特許文献1の如きものが知られている。この熱シール装置は、シール温度が適正範囲を超えた場合にモーターを逆回転させることで製品の投入を防止している。しかし、逆回転から正回転への切換えは、逆回転時におけるシール温度を基準にするため、実際のシール作業における状態とは異なる。しかも、正回転に切り換えるため、切換当初はシール温度が不安定となり、安定するまで時間を要していた。
【0003】
また、熱溶着の条件を測定するものとして、例えば特許文献2に記載の如きものが知られている。しかし、この熱溶着システムは、リアルタイム且つインラインで製造される製品の全数検査を行うことを課題とするものであり、本発明とは課題及び目的が異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−5263号公報
【特許文献2】特開平11−157512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、適切なシール環境下においてシール作業を実行可能な熱シール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る熱シール装置の特徴は、一対のプーリーの間に掛け渡したベルトにより被シール体の一部を挟持して搬送する搬送機構と、前記一部を押圧する押圧部と、前記一部を加熱する加熱部とを少なくとも有するシール機構を備えた構成において、前記搬送機構へ前記被シール体を送り出す送出機構と、前記シール機構の状態をモニタするモニタ部と、前記状態が所定のシール可能範囲内であるかを判定する判定部とを有し、前記搬送機構を搬送方向へ駆動させて前記モニタ部により前記状態をモニタし、前記判定部は、前記状態が所定のシール可能範囲内である場合に前記送出機構を作動させることにある。
【0007】
上記構成によれば、搬送機構を搬送方向へ駆動させてシール機構の状態をモニタするので、実際のシール作業時におけるシール機構の状態をモニタすることができる。そして、シール機構の状態が所定のシール可能範囲内の場合に送出機構を作動させるので、適切なシール環境下においてシール作業が実行可能となる。よって、圧着不良等のシール不良の発生を未然に防止することができる。しかも、搬送機構を搬送方向へ駆動させた状態で送出機構を作動させるので、シール機構の状態は不安定になることはなく、迅速にシール作業を安定した環境下で開始することができる。
【0008】
ここで、シール機構の状態とは、前記一部をヒートシールするシール温度、シール圧及びシール時間である。上記シール機構における適切なシール作業環境は、これらの条件の組み合わせによって決定されるものであり、個々の条件単独で決定されるものではない。すなわち、ヒートシールには、過不足のない熱量及び圧力が必要であり、これらを満たす場合に適切なヒートシールが可能となる。よって、個々の条件を単独ではなく、これらの条件を組み合わせたシール機構の状態をモニタすることで、より確実にシール不良の発生を未然に防止することが可能となる。
【0009】
係る場合、前記シール温度は前記加熱部に設けた温度センサにより測定されるものであり、前記加熱部は上下一対対向させて配設した加熱板を備え、上下各加熱板は前記搬送方向に対する上流側及び下流側で上下対向する一対のヒーターを有し、前記温度センサを前記上流側及び下流側にそれぞれ上下一対設けても構わない。
【0010】
上記構成によれば、上下に一対のヒーターを設けているので、加熱部の上下左右で温度を均一に安定させることができる。しかも、上流側及び下流側にそれぞれ上下一対センサを設けることで、実作業に近い状態をモニタすることができ、より確実にシール不良の発生を防止できる。
【0011】
さらに、前記温度センサを前記一対のヒーター間にさらに上下一対設けてもよい。計6カ所で温度を測定することで、加熱板の温度を面で管理することができ、より実作業に近い状態をモニタすることができ、シール不良の発生を未然に防止することが可能となる。
【0012】
また、前記状態は、電源電圧、少なくとも前記ヒーターの電流及び前記シール機構の内部温度をさらに含むように構成しても構わない。これらの条件を加えることで、シール機構自体の異常の有無もモニタ可能となり、安定した環境下でシール作業を行うことができる。
【0013】
前記判定部は、クラッチを介して前記送出機構に動力を伝達させて、前記搬送機構と同期駆動させるとよい。これにより、1台のモーターにより搬送機構の駆動と同期させて駆動させることができる。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る熱シール装置におけるシールのモニタリング方法の特徴は、一対のプーリーの間に掛け渡したベルトにより被シール体の一部を挟持して搬送する搬送機構と、前記一部を押圧する押圧部と、前記一部を加熱する加熱部とを少なくとも有するシール機構を備えた熱シール装置におけるシールのモニタリング方法において、前記搬送機構を搬送方向へ駆動させた状態で前記シール機構の状態として前記一部をヒートシールするシール温度、シール圧及びシール時間をモニタリングすることにある。
【発明の効果】
【0015】
上記本発明に係る熱シール装置及び熱シール装置におけるシールのモニタリング方法の特徴によれば、適切なシール条件においてのみシール作業が可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る熱シール装置の概略正面図である。
【図2】コンベアユニット及びシールユニットの外観斜視図である。
【図3】シールユニットの正面図である。
【図4】コンベアユニット及びシールユニットの平面図である。
【図5】コンベアユニット及びシールユニットにおけるモーターの駆動の伝達を説明する説明図である。
【図6】搬送機構の前側プーリーの取付状態を示す背面図である。
【図7】図3のA−A断面図である。
【図8】加熱板の概略平面図である。
【図9】第二押圧部の上ローラーの縦断面図である。
【図10】コントロールユニットのブロック図である。
【図11】シール可能範囲の一例を示すグラフである。
【図12】他の実施形態に係るコントロールユニットのブロック図である。
【図13】他の実施形態に係るシール可能範囲の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に係る熱シール装置1は、図1に示す如く、基礎フレーム2の上にコンベアユニット3,シールユニット4,コントロールユニット5を順次取り付けてなる。主モーター6はコンベアユニット3及びシールユニット4を駆動させ、被シール体としての包装袋100を搬送する。コンベアユニット3及びシールユニット4は、水平面に対する傾斜角度及び高さを調整可能である。さらに、コンベアユニット3はシールユニット4に対して相対位置を上下方向に調整可能となっている。
【0018】
図1,2,4に示すように、コンベアユニット3はコンベアフレーム10の左右に支持した第一、第二ローラー11,12間に搬送ベルト13を回転可能に支持してなる。搬送ベルト13裏面にはタイミングベルト14が設けられており、第一ローラー11及び駆動部15のタイミングプーリー11b,15bと噛み合う。コンベアフレーム10の上面は解放され、搬送ベルト13の上面が同図右から左に移動し、袋を搬送支持する。また、コンベアフレーム10には、入口ガイド板23に対向して作業台10aが取り付けられている。
【0019】
図5に示すように、駆動部15の駆動軸15aには、ユニバーサルジョイント15cを介して第一タイミングプーリー16aが固定されている。この第一タイミングプーリー16aには、第二タイミングプーリー16bとの間でタイミングベルト17が掛け渡されている。第二タイミングプーリー16bは後述の第二平歯車43cと噛み合う平歯車18と同軸上に固定されている。
【0020】
図1に示すように、シールユニット4は、包装袋100を搬送機構40に送り出す送出機構30と、その包装袋100を搬送する搬送機構40と、包装袋100の口部101をヒールシールする加熱冷却部50と、ヒートシールされた包装袋100を外部へ排出する排出部60よりなる。これらの送出機構30、搬送機構40、加熱冷却部50及び排出部60がシール機構Rを構成する。
【0021】
図3,4に示すように、送出機構30は、上下の小プーリー31,32とその下流側の上下の大プーリー33,34との間に上下のVベルト35a,35bが掛け渡されてなる。この上下Vベルト35a,35bが包装袋100の一端を挟持し搬送する。下小プーリー32及び下大プーリー34は、上小プーリー31及び上大プーリー33より搬送方向上手側に位置している。上下の大プーリー33,34には、取付パネル22裏面側において平歯車33b,34bが互いに噛み合うように固定されている。上下の小プーリー31,32の入口側には包装袋100の挿入をガイドする挿入ガイド23が取り付けられており、シール機構Rの搬送経路において包装袋100をガイドする上下搬送ガイド板24a、24bが取付パネル22に固定されている。
【0022】
図5に示すように、上大プーリー33のプーリー軸33aは、カップリング33cを介し電磁クラッチ36と接続しており、電磁クラッチ36の他端側にはタイミングベルト38が掛け渡されたタイミングプーリー37が固定されている。このタイミングベルト38を介して主モーター6の駆動が伝達される。よって、電磁クラッチ36により送出機構30の作動を制御することができる。
【0023】
搬送機構40は、図3,4に示すように、上下の前プーリー41,42と上下の後プーリー43,44との間に上下の耐熱ベルト45a,45bが掛け渡されている。上下の耐熱ベルト45a,45bは、例えばフッ素樹脂のテープからなり、これら両テープ間に送出された包装袋100を挟み込んで後述の加熱冷却部50を通過させ、ヒーター等の熱を伝導させる。これらのプーリーには、上下の耐熱ベルト45a,45bの脱落を防止するフランジが設けられている。
【0024】
図6に示すように、上下の前プーリー41,42は、固定部46を介して取付パネル22裏面にスライド可能に固定されている。プーリー軸41a,42aはスライド部材46aにベアリング46eを介して回転可能に取り付けられ、スライドガイド46bに沿って搬送方向にスライド可能である。スライドガイド46bの一端には取付板46cを介してコイルスプリング46dが設けられている。これにより、上下の耐熱ベルト45a,45bのテンションを維持することができる。
【0025】
図4,5に示すように、上後プーリー43の駆動軸43aには、第一、第二平歯車43b,43c及び第一〜第三タイミングプーリー43d〜43fが固定されている。また、下後プーリー44には、取付パネル22裏面側に平歯車44aが固定されている。平歯車44aは、主ローラ6のギアと噛み合う第一平歯車43bに噛み合うよう配置している。
【0026】
第一タイミングプーリー43dは、第二押圧部66のタイミングプーリー67cとの間でタイミングベルト67dが掛け渡されている。第二タイミングプーリー43fには、先の送出機構30のタイミングベルト38が掛け渡される。さらに、第三タイミングプーリー43fは、ロータリーエンコーダ47を回転させるタイミングプーリー47aとの間でタイミングベルト47bが掛け渡されている。このロータリーエンコーダ47が回転数を測定することで、上下の耐熱ベルト45a,45bの搬送速度を計算し、ヒートシールのシール時間を求める。
【0027】
図1,3に示すように、加熱冷却部50は、加熱部51と、第一押圧部56及び冷却部58よりなる。第一押圧部56は、加熱部51及び冷却部58の間に位置する。
加熱部51は、上下一対の加熱板52,53を上下耐熱ベルト45a,bを挟むように設けている。図8に示すように、上下加熱板52,53には横穴52a,53aが形成され、第一〜第四ヒーター54a〜dがそれぞれ挿入されている。上下各1本のヒーターの場合、搬送方向下流側で温度が高くなる傾向があり、加熱部51全体の温度が安定するまで時間を要することとなる。そこで、上下加熱板52,53の中央に対し線対称にヒーターを配置することで、加熱部51全体を迅速に所定温度で安定させることが可能となる。凹部52c,53cには、上下大Vプーリー33,34の各駆動軸33a,34aが挿通される。
【0028】
また、上下加熱板52,53には、搬送方向上手側、中間部及び下手側に上下一対の第一〜第六センサ55a〜fが設けられている。各ヒーター54a〜dはリレー又はPID制御盤を介して電源に接続され、各センサ55a〜fにより上下加熱板52,53の温度がモニタリングされ、当該温度が一定となるように自動制御がなされる。上述の如くセンサを配置することで、シール温度を面で管理することが可能となる。
【0029】
第一押圧部56は、上下一対のローラー56a,56bと、上ローラー56aを回転可能に且つ垂直方向にスライド可能に取り付ける取付部57よりなり、加熱された包装袋100の口部101を押圧して圧着させる。下ローラー56bは取付パネル22に回転可能に取り付けられる。
【0030】
取付部57は、図3,4に示すように、上ローラー軸56cを貫通させるホルダー57aを有し、内部にシール圧力を測定するロードセル57bを設けている。ホルダー57aは、押圧板57cを介してばねを巻設した押圧軸57dにより押圧されている。この押圧軸57dの端部には圧力調整用の摘み57hが設けられている。ホルダー57aは、一対のシャフト57eにより第一取付部材59aに取り付けられている。これらにより、上ローラー56aは下側へ付勢されると共に、ロードセル57bが包装袋100に対するシール圧力を測定する。
【0031】
冷却部58は、上下一対の冷却板を耐熱ベルト45a,45bを挟んで対向して設けている。上下冷却板58a,58bには複数の貫通孔が形成されており、筐体20の内部に設けたブロアから冷風を吹き付けることで、冷却部58を冷却している。この冷却された上下冷却板58a,58b間をヒートシール部分が通過することで、硬化が促進される。
【0032】
上述の上加熱板52、第一押圧部56の上ローラー56a及び上冷却板58aは取付機構59を介して取付パネル22に取り付けられており、取付機構59により下方に付勢されて固定された対向する下側の各部材に圧接される。
【0033】
図3,7に示すように、取付機構59は、断面略L字状の第一、第二取付部材59a,59bと、正面視略コの字状の第三取付部材59cよりなる。第三取付部材59cの下面には、断熱部材59dを介して上加熱板52が固定されており、背面にはスライド板59eが固定されている。また、第三取付部材59cの上面は、圧縮コイルばねを巻設した一対の押圧軸59f及び一対のシャフト59gを介して取付部材59aに固定されている。圧縮コイルばねの弾性力により加熱板52が下側に付勢される。上冷却板58aも同様により取付部材59aに取り付けられている。なお、この上ローラー56aの近傍には、物品の通過を検出する光電管センサ81が設けられている。
【0034】
図1,3,4に示すように、排出部60は、大略、排出搬送機構60aと、第二押圧部66よりなる。排出搬送機構61は、先の上下後プーリー43,44と同軸上の上下前Vベルトプーリ61,62と上下後Vベルトプーリ63,64の間に上下Vベルト65a,65bが掛け渡されてなる。下Vベルト65bは、テンションローラー64bにも掛け渡されている。この排出搬送機構60が、加熱冷却部50を通過した包装袋100を受け取り、第二押圧部66を通過させて筐体20外へ排出する。第二押圧部66の下流側には、物品の通過を検出する第二の光電管センサ82が設けられている。
【0035】
第二押圧部66は、一対の上下ローラー67,68よりなり、上ローラー67は固定部69を介して上下にスライド可能に固定されている。上ローラー67外面にはウレタン67aが設けられている。この第二押圧部66は、加熱冷却された包装袋100の口部101を押圧してシール部に模様を付与する。
【0036】
取付部69は、図9に示すように、上ローラー軸67bを貫通させるホルダー69aを有し、内部にシール圧力を測定するロードセル69bを設けている。このホルダー69aは、押圧板69cを介してばねを巻設した押圧軸69dにより押圧されている。この押圧軸69dの端部には圧力調整用の摘み69hが設けられており、押圧軸69cにより上ローラー67は下側へ付勢される。このロードセル69bにおいても包装袋100に対するシール圧力が測定される。ホルダー69aは、取付部材69eの四方に設けたシャフト69dにより取付パネル32に取り付けられている。また、ローラー軸67bにはタイミングベルト67dが掛け渡されるタイミングプーリー67cが固定されている。
【0037】
下ローラー68は、ローラー軸68aを介して取付パネル22に取り付けられている。図4に示すように、ローラー軸68aの他端には、平歯車68bが設けられており、この平歯車67bが搬送機構40の上後ローラー43の平歯車と噛み合う。
【0038】
ここで、図1,4,5を参照しながら、主モーター6からの駆動力の伝達について説明する。
主モーター6からの駆動は、主モーター6のギアによりまず下後プーリー44及び下ローラー68に伝達される。次いで、下後プーリー44の回転が平歯車44aを介して上後プーリー43に伝達されると共に、タイミングベルト67dを介して上ローラー67に伝達される。そして、上後プーリー43の回転は、平歯車43c,18によりタイミングベルト17を介して駆動部15に伝達される。また、この回転はタイミングベルト47bによりプーリー47aを回転させ、ロータリーエンコーダー47により上下耐熱ベルト45a,45bの搬送速度を測定する。このようにして、搬送ベルト13、下耐熱ベルト45b及び下Vベルト65bは図1で反時計方向に回転し、上耐熱ベルト45a及び上Vベルト65aは時計方向に回転する。同時に、タイミングベルト38を介して電磁クラッチ36に伝達される。電磁クラッチ36が接続されると、上大プーリー33,34が回転し、上Vベルト35aは時計方向に回転し、下Vベルト35bは反時計方向に回転する。
【0039】
コントロールユニット5は、図10に示すように、モニタ部71と、判定部72と、入力表示部73と、記憶部74と、制御部75からなる。モニタ部71は、加熱温度モニタ部71a、圧力モニタ部71b、加熱時間モニタ部71cからなる。加熱温度モニタ部71aには、上述の温度センサ55a〜fの測定データが入力され、圧力モニタ部71bには、ロードセル57b,69bの測定データが入力される。加熱時間モニタ部71cには、ロータリーエンコーダ47の測定データが入力され、包装袋100の搬送速度が求められる。これらの各データは判定部72に出力されると共に記憶部74に記憶される。
【0040】
判定部72は、シール温度、シール圧力及びシール時間の各条件の組み合わせが、図11に示す如く、所定のシール可能範囲D内である否かを判定する(なお、図11における経緯線は立体面を表現するためのものである。)。シール可能範囲Dの各条件は、例えばタッチパネルよりなる入力表示部73を介して設定される。ここで、判定部72は、条件単独で判定するのではなく、各条件の組み合わせが範囲内に属するか否かで判定する。適切なシール作業を行うには、口部101に対する十分な熱量及び圧力が必要であり、いずれかの条件が合致しているだけでは不十分だからである。
【0041】
シール可能範囲Dの各条件は、包装袋100の材質等により異なるものであり、予め試験、評価を行い決定する。例えば、シール可能温度が上限185℃、下限175℃である材質を用いた包装袋100の場合、その上限及び下限における搬送速度(シール時間)及びシール圧力の上限及び下限をそれぞれ求める。具体的には、例えば、まず、上限185℃において、搬送速度を調整しながら試験を行い、良品となる搬送速度としてその上限10.10m/min及び下限9.90m/minを求める。次に、上限185℃での搬送速度の上限10.10m/minにおいて、シール圧力を調整しながら試験を行い、良品となるシール圧力としてその上限4.0kgf及び下限2.0kgfを求める。同様に、これら各条件における上限及び下限の組み合わせを変えて、順次繰り返し試験を行う。すなわち、シール温度、シール圧力及びシール時間をパラメーターとし、シール可能なパラメーター範囲を試験又はシミュレーションにより求める。
【0042】
この試験結果を入力表示部73を介して入力することで、3次元曲面で囲まれたシール可能範囲Dが決定される。すなわち、このシール可能範囲Dに属する状態は、適切なシール作業を行うために必要な熱量及び圧力を満たすものである。
【0043】
判定部72は、各条件の組み合わせが所定のシール条件範囲D内である場合、制御部75を介して電磁クラッチ36を制御し、主モーターの駆動力を送出機構30に伝達させる。これにより、送出機構30はシール機構Rの状態が所定のシール条件範囲D内である場合にのみ作動するので、未然にシール不良の発生を抑制することが可能となる。しかも、シール機構Rは、通常のシール作業を行う状態で運転されているので、迅速にシール作業を開始することができる。
【0044】
次に、上述の如く構成されたシール装置1の使用方法について説明する。
まず、シール装置1の電源を投入し、主モーター6を回転させて搬送ベルト13、上下耐熱ベルト45a,45bを駆動させ、第一〜第四ヒーター54a〜dに通電を行い上下加熱板52,53を加熱すると共に、図示しないブロアにより上下冷却板58a,58bを冷却する。この搬送方向に対する駆動状態において、上述の温度センサ55a〜f、ロードセル57b,69b及びロータリーエンコーダ47が、温度、圧力及び時間(速度)を測定する。そして、これら条件の組み合わせがシール可能範囲内に属する状態となった場合、電磁クラッチ36を繋ぎ、送出機構30を作動させる。これにより、適切な状態でのシール作業が開始可能となる。
【0045】
最後に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について説明する。なお、上記実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
上記実施形態において、シール機構Rの状態としてシール温度、シール圧及び搬送速度(シール時間)の組み合わせがシール可能範囲Dに属するか否かを判定した。しかし、シール機構Rの状態はこれに限られるものではなく、電源電圧、少なくともヒーターの電流及び前記シール機構の内部温度をさらに含めても構わない。
【0046】
係る場合、図12に示す如く、モニタ部71’は電源の電圧を測定する電圧モニタ部71d、電流モニタ部71e及び機内温度モニタ部71fをさらに備える。電流モニタ部71eは、例えば第一〜第四ヒーター54a〜d及び主モーター6への通電量をモニタする。また、機内温度モニタ部71fには、例えば加熱部51の上方の第一取付部材59aに設けた温度センサの測定データが入力される。
【0047】
これらの条件は、熱シール装置1の他の箇所での異常を検出可能な条件であり、シール温度、シール圧及び搬送速度に影響を与える。そのため、これらの条件を含めた状態をモニタし、その状態が図13に示す如きシール可能範囲D’に属するか否かを判定することで、より確実にシール不良の発生を抑制することができる。しかも、安定した運転環境下でシール作業を開始することが可能となる。
【0048】
上記実施形態において、押圧部として第一、第二押圧部56,66を設けた。しかし、例えば、冷却部58及び第一押圧部56を設けずに、排出部60の第二押圧部66でのみシール圧力を測定するようにしても構わない。なお、上記実施形態において、脱気・ガス置換機構を設けていないが、当該機構を設けた熱シール機であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、例えば、食品等の商品が収容された包装袋の口部をヒートシールする熱シール機として利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1:熱シール装置、2:基礎フレーム、3:コンベアユニット、4:シールユニット、5:コントロールユニット、6:主モーター、10:コンベアフレーム、10a:作業台フレーム、11:第一ローラー、11a:ローラー軸、11b:タイミングプーリー、12:第二ローラー、12a:ローラー軸、12b:凹部、13:コンベアベルト、14:タイミングベルト、15:駆動部、15a:駆動軸、15b:タイミングプーリー、15c:ユニバーサルジョイント、16a,b:第一、第二タイミングプーリー、17:タイミングベルト、18:平歯車、20:筐体、21a,21b:上下カバー、22:取付パネル、23:入口ガイド板、24a,b:上下搬送ガイド板、30:送出機構、31:上小Vプーリー、31a:プーリー軸、32:下小Vプーリー、32a:プーリー軸、33:上大Vプーリー、33a:プーリー軸、33b:平歯車、33c:カップリング、34:下大Vプーリー、34a:駆動軸、34b:平歯車、35a:上Vベルト、35b:下Vベルト、36:電磁クラッチ、37:タイミングプーリー、38:タイミングベルト、40:搬送機構、41:上前プーリー、41a:プーリー軸、42:下前プーリー、42a:プーリー軸、43:上後プーリー、43a:駆動軸、43b,c:第一、第二平歯車、43d〜f:第一〜第三タイミングプーリー、43g:タイミングベルト、44:下後プーリー、44a:平歯車、45a:上耐熱ベルト、45b:下耐熱ベルト、46:固定部、46a:スライド部材、46b:スライドガイド、46c:取付板、46d:コイルスプリング、46e:ベアリング、47:ロータリーエンコーダ、47a:タイミングプーリー、47b:タイミングベルト、50:加熱冷却部、51:加熱部、52:上加熱板、52a:横穴、52c:凹部、53:下加熱板、53a:横穴、53c:凹部、53d:取付孔、54a〜d:第一〜第四ヒーター、55a〜f:第一〜第六温度センサ(熱電対)、56:第一押圧部(圧着ローラー部)、56a:上ローラー、56b:下ローラー、56d:上ローラー軸、56d:下ローラー軸、57:取付部、57a:ホルダー、57b:ロードセル、57c:押圧板、57d:押圧軸、57e:シャフト、57f:摘み、58:冷却部、58a:上冷却板、58b:下冷却板、59:取付機構、59a〜c:第一〜第三取付部材、59d:断熱部材、59e:スライド板、59f:押圧軸、59g:シャフト、60:排出部、60a:排出搬送機構、61:上前Vベルトプーリー、61a:Vプーリー軸、62:下前Vベルトプーリー、62a:Vプーリー軸、63:上後Vベルトプーリー、63a:Vプーリー軸、64:下後Vベルトプーリー、64a:Vプーリー軸、64b:テンションローラー、64c:ローラー軸、65a:上Vベルト、64b:下Vベルト、66:第二押圧部(ギャザーローラー部)、67:上ローラー、67a:ウレタン、67b:駆動軸、67c:タイミングプーリー、67d:タイミングベルト、68:下ローラー、68b:駆動軸、68c:平歯車、69:取付部、69a:ホルダー、69b:ロードセル、69c:押圧板、69d:押圧軸、69e:シャフト、69g:取付部材、69h:摘み、71:モニタ部、71a:加熱温度モニタ部、71b:圧力モニタ部、71c:加熱時間モニタ部、71d:電源電圧モニタ部、71e:電流モニタ部、71f:機内温度モニタ部、72:判定部、73:入力表示部、74:記憶部、75:制御部、81,82:物品通過センサ(光電センサ)、100:包装袋(被シール体)、101:シール部(口部)、A:電流、D:シール可能範囲、P:シール圧力、R:シール機構、S:搬送速度(シール時間)、T:シール温度、T’:機内温度、V:電源電圧
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱シール装置及び熱シール装置におけるシールのモニタリング方法に関する。さらに詳しくは、一対のプーリーの間に掛け渡したベルトにより被包装体の一部を挟持して搬送する搬送機構と、前記一部を押圧する押圧部と、前記一部を加熱する加熱部とを少なくとも有するシール機構を備えた熱シール装置及び熱シール装置におけるシールのモニタリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の如き熱シール装置として、例えば特許文献1の如きものが知られている。この熱シール装置は、シール温度が適正範囲を超えた場合にモーターを逆回転させることで製品の投入を防止している。しかし、逆回転から正回転への切換えは、逆回転時におけるシール温度を基準にするため、実際のシール作業における状態とは異なる。しかも、正回転に切り換えるため、切換当初はシール温度が不安定となり、安定するまで時間を要していた。
【0003】
また、熱溶着の条件を測定するものとして、例えば特許文献2に記載の如きものが知られている。しかし、この熱溶着システムは、リアルタイム且つインラインで製造される製品の全数検査を行うことを課題とするものであり、本発明とは課題及び目的が異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−5263号公報
【特許文献2】特開平11−157512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、適切なシール環境下においてシール作業を実行可能な熱シール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る熱シール装置の特徴は、一対のプーリーの間に掛け渡したベルトにより被シール体の一部を挟持して搬送する搬送機構と、前記一部を押圧する押圧部と、前記一部を加熱する加熱部とを少なくとも有するシール機構を備えた構成において、前記搬送機構へ前記被シール体を送り出す送出機構と、前記シール機構の状態をモニタするモニタ部と、前記状態が所定のシール可能範囲内であるかを判定する判定部とを有し、前記搬送機構を搬送方向へ駆動させて前記モニタ部により前記状態をモニタし、前記判定部は、前記状態が所定のシール可能範囲内である場合に前記送出機構を作動させることにある。
【0007】
上記構成によれば、搬送機構を搬送方向へ駆動させてシール機構の状態をモニタするので、実際のシール作業時におけるシール機構の状態をモニタすることができる。そして、シール機構の状態が所定のシール可能範囲内の場合に送出機構を作動させるので、適切なシール環境下においてシール作業が実行可能となる。よって、圧着不良等のシール不良の発生を未然に防止することができる。しかも、搬送機構を搬送方向へ駆動させた状態で送出機構を作動させるので、シール機構の状態は不安定になることはなく、迅速にシール作業を安定した環境下で開始することができる。
【0008】
ここで、シール機構の状態とは、前記一部をヒートシールするシール温度、シール圧及びシール時間である。上記シール機構における適切なシール作業環境は、これらの条件の組み合わせによって決定されるものであり、個々の条件単独で決定されるものではない。すなわち、ヒートシールには、過不足のない熱量及び圧力が必要であり、これらを満たす場合に適切なヒートシールが可能となる。よって、個々の条件を単独ではなく、これらの条件を組み合わせたシール機構の状態をモニタすることで、より確実にシール不良の発生を未然に防止することが可能となる。
【0009】
係る場合、前記シール温度は前記加熱部に設けた温度センサにより測定されるものであり、前記加熱部は上下一対対向させて配設した加熱板を備え、上下各加熱板は前記搬送方向に対する上流側及び下流側で上下対向する一対のヒーターを有し、前記温度センサを前記上流側及び下流側にそれぞれ上下一対設けても構わない。
【0010】
上記構成によれば、上下に一対のヒーターを設けているので、加熱部の上下左右で温度を均一に安定させることができる。しかも、上流側及び下流側にそれぞれ上下一対センサを設けることで、実作業に近い状態をモニタすることができ、より確実にシール不良の発生を防止できる。
【0011】
さらに、前記温度センサを前記一対のヒーター間にさらに上下一対設けてもよい。計6カ所で温度を測定することで、加熱板の温度を面で管理することができ、より実作業に近い状態をモニタすることができ、シール不良の発生を未然に防止することが可能となる。
【0012】
また、前記状態は、電源電圧、少なくとも前記ヒーターの電流及び前記シール機構の内部温度をさらに含むように構成しても構わない。これらの条件を加えることで、シール機構自体の異常の有無もモニタ可能となり、安定した環境下でシール作業を行うことができる。
【0013】
前記判定部は、クラッチを介して前記送出機構に動力を伝達させて、前記搬送機構と同期駆動させるとよい。これにより、1台のモーターにより搬送機構の駆動と同期させて駆動させることができる。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る熱シール装置におけるシールのモニタリング方法の特徴は、一対のプーリーの間に掛け渡したベルトにより被シール体の一部を挟持して搬送する搬送機構と、前記一部を押圧する押圧部と、前記一部を加熱する加熱部とを少なくとも有するシール機構を備えた熱シール装置におけるシールのモニタリング方法において、前記搬送機構を搬送方向へ駆動させた状態で前記シール機構の状態として前記一部をヒートシールするシール温度、シール圧及びシール時間をモニタリングすることにある。
【発明の効果】
【0015】
上記本発明に係る熱シール装置及び熱シール装置におけるシールのモニタリング方法の特徴によれば、適切なシール条件においてのみシール作業が可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る熱シール装置の概略正面図である。
【図2】コンベアユニット及びシールユニットの外観斜視図である。
【図3】シールユニットの正面図である。
【図4】コンベアユニット及びシールユニットの平面図である。
【図5】コンベアユニット及びシールユニットにおけるモーターの駆動の伝達を説明する説明図である。
【図6】搬送機構の前側プーリーの取付状態を示す背面図である。
【図7】図3のA−A断面図である。
【図8】加熱板の概略平面図である。
【図9】第二押圧部の上ローラーの縦断面図である。
【図10】コントロールユニットのブロック図である。
【図11】シール可能範囲の一例を示すグラフである。
【図12】他の実施形態に係るコントロールユニットのブロック図である。
【図13】他の実施形態に係るシール可能範囲の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に係る熱シール装置1は、図1に示す如く、基礎フレーム2の上にコンベアユニット3,シールユニット4,コントロールユニット5を順次取り付けてなる。主モーター6はコンベアユニット3及びシールユニット4を駆動させ、被シール体としての包装袋100を搬送する。コンベアユニット3及びシールユニット4は、水平面に対する傾斜角度及び高さを調整可能である。さらに、コンベアユニット3はシールユニット4に対して相対位置を上下方向に調整可能となっている。
【0018】
図1,2,4に示すように、コンベアユニット3はコンベアフレーム10の左右に支持した第一、第二ローラー11,12間に搬送ベルト13を回転可能に支持してなる。搬送ベルト13裏面にはタイミングベルト14が設けられており、第一ローラー11及び駆動部15のタイミングプーリー11b,15bと噛み合う。コンベアフレーム10の上面は解放され、搬送ベルト13の上面が同図右から左に移動し、袋を搬送支持する。また、コンベアフレーム10には、入口ガイド板23に対向して作業台10aが取り付けられている。
【0019】
図5に示すように、駆動部15の駆動軸15aには、ユニバーサルジョイント15cを介して第一タイミングプーリー16aが固定されている。この第一タイミングプーリー16aには、第二タイミングプーリー16bとの間でタイミングベルト17が掛け渡されている。第二タイミングプーリー16bは後述の第二平歯車43cと噛み合う平歯車18と同軸上に固定されている。
【0020】
図1に示すように、シールユニット4は、包装袋100を搬送機構40に送り出す送出機構30と、その包装袋100を搬送する搬送機構40と、包装袋100の口部101をヒールシールする加熱冷却部50と、ヒートシールされた包装袋100を外部へ排出する排出部60よりなる。これらの送出機構30、搬送機構40、加熱冷却部50及び排出部60がシール機構Rを構成する。
【0021】
図3,4に示すように、送出機構30は、上下の小プーリー31,32とその下流側の上下の大プーリー33,34との間に上下のVベルト35a,35bが掛け渡されてなる。この上下Vベルト35a,35bが包装袋100の一端を挟持し搬送する。下小プーリー32及び下大プーリー34は、上小プーリー31及び上大プーリー33より搬送方向上手側に位置している。上下の大プーリー33,34には、取付パネル22裏面側において平歯車33b,34bが互いに噛み合うように固定されている。上下の小プーリー31,32の入口側には包装袋100の挿入をガイドする挿入ガイド23が取り付けられており、シール機構Rの搬送経路において包装袋100をガイドする上下搬送ガイド板24a、24bが取付パネル22に固定されている。
【0022】
図5に示すように、上大プーリー33のプーリー軸33aは、カップリング33cを介し電磁クラッチ36と接続しており、電磁クラッチ36の他端側にはタイミングベルト38が掛け渡されたタイミングプーリー37が固定されている。このタイミングベルト38を介して主モーター6の駆動が伝達される。よって、電磁クラッチ36により送出機構30の作動を制御することができる。
【0023】
搬送機構40は、図3,4に示すように、上下の前プーリー41,42と上下の後プーリー43,44との間に上下の耐熱ベルト45a,45bが掛け渡されている。上下の耐熱ベルト45a,45bは、例えばフッ素樹脂のテープからなり、これら両テープ間に送出された包装袋100を挟み込んで後述の加熱冷却部50を通過させ、ヒーター等の熱を伝導させる。これらのプーリーには、上下の耐熱ベルト45a,45bの脱落を防止するフランジが設けられている。
【0024】
図6に示すように、上下の前プーリー41,42は、固定部46を介して取付パネル22裏面にスライド可能に固定されている。プーリー軸41a,42aはスライド部材46aにベアリング46eを介して回転可能に取り付けられ、スライドガイド46bに沿って搬送方向にスライド可能である。スライドガイド46bの一端には取付板46cを介してコイルスプリング46dが設けられている。これにより、上下の耐熱ベルト45a,45bのテンションを維持することができる。
【0025】
図4,5に示すように、上後プーリー43の駆動軸43aには、第一、第二平歯車43b,43c及び第一〜第三タイミングプーリー43d〜43fが固定されている。また、下後プーリー44には、取付パネル22裏面側に平歯車44aが固定されている。平歯車44aは、主ローラ6のギアと噛み合う第一平歯車43bに噛み合うよう配置している。
【0026】
第一タイミングプーリー43dは、第二押圧部66のタイミングプーリー67cとの間でタイミングベルト67dが掛け渡されている。第二タイミングプーリー43fには、先の送出機構30のタイミングベルト38が掛け渡される。さらに、第三タイミングプーリー43fは、ロータリーエンコーダ47を回転させるタイミングプーリー47aとの間でタイミングベルト47bが掛け渡されている。このロータリーエンコーダ47が回転数を測定することで、上下の耐熱ベルト45a,45bの搬送速度を計算し、ヒートシールのシール時間を求める。
【0027】
図1,3に示すように、加熱冷却部50は、加熱部51と、第一押圧部56及び冷却部58よりなる。第一押圧部56は、加熱部51及び冷却部58の間に位置する。
加熱部51は、上下一対の加熱板52,53を上下耐熱ベルト45a,bを挟むように設けている。図8に示すように、上下加熱板52,53には横穴52a,53aが形成され、第一〜第四ヒーター54a〜dがそれぞれ挿入されている。上下各1本のヒーターの場合、搬送方向下流側で温度が高くなる傾向があり、加熱部51全体の温度が安定するまで時間を要することとなる。そこで、上下加熱板52,53の中央に対し線対称にヒーターを配置することで、加熱部51全体を迅速に所定温度で安定させることが可能となる。凹部52c,53cには、上下大Vプーリー33,34の各駆動軸33a,34aが挿通される。
【0028】
また、上下加熱板52,53には、搬送方向上手側、中間部及び下手側に上下一対の第一〜第六センサ55a〜fが設けられている。各ヒーター54a〜dはリレー又はPID制御盤を介して電源に接続され、各センサ55a〜fにより上下加熱板52,53の温度がモニタリングされ、当該温度が一定となるように自動制御がなされる。上述の如くセンサを配置することで、シール温度を面で管理することが可能となる。
【0029】
第一押圧部56は、上下一対のローラー56a,56bと、上ローラー56aを回転可能に且つ垂直方向にスライド可能に取り付ける取付部57よりなり、加熱された包装袋100の口部101を押圧して圧着させる。下ローラー56bは取付パネル22に回転可能に取り付けられる。
【0030】
取付部57は、図3,4に示すように、上ローラー軸56cを貫通させるホルダー57aを有し、内部にシール圧力を測定するロードセル57bを設けている。ホルダー57aは、押圧板57cを介してばねを巻設した押圧軸57dにより押圧されている。この押圧軸57dの端部には圧力調整用の摘み57hが設けられている。ホルダー57aは、一対のシャフト57eにより第一取付部材59aに取り付けられている。これらにより、上ローラー56aは下側へ付勢されると共に、ロードセル57bが包装袋100に対するシール圧力を測定する。
【0031】
冷却部58は、上下一対の冷却板を耐熱ベルト45a,45bを挟んで対向して設けている。上下冷却板58a,58bには複数の貫通孔が形成されており、筐体20の内部に設けたブロアから冷風を吹き付けることで、冷却部58を冷却している。この冷却された上下冷却板58a,58b間をヒートシール部分が通過することで、硬化が促進される。
【0032】
上述の上加熱板52、第一押圧部56の上ローラー56a及び上冷却板58aは取付機構59を介して取付パネル22に取り付けられており、取付機構59により下方に付勢されて固定された対向する下側の各部材に圧接される。
【0033】
図3,7に示すように、取付機構59は、断面略L字状の第一、第二取付部材59a,59bと、正面視略コの字状の第三取付部材59cよりなる。第三取付部材59cの下面には、断熱部材59dを介して上加熱板52が固定されており、背面にはスライド板59eが固定されている。また、第三取付部材59cの上面は、圧縮コイルばねを巻設した一対の押圧軸59f及び一対のシャフト59gを介して取付部材59aに固定されている。圧縮コイルばねの弾性力により加熱板52が下側に付勢される。上冷却板58aも同様により取付部材59aに取り付けられている。なお、この上ローラー56aの近傍には、物品の通過を検出する光電管センサ81が設けられている。
【0034】
図1,3,4に示すように、排出部60は、大略、排出搬送機構60aと、第二押圧部66よりなる。排出搬送機構61は、先の上下後プーリー43,44と同軸上の上下前Vベルトプーリ61,62と上下後Vベルトプーリ63,64の間に上下Vベルト65a,65bが掛け渡されてなる。下Vベルト65bは、テンションローラー64bにも掛け渡されている。この排出搬送機構60が、加熱冷却部50を通過した包装袋100を受け取り、第二押圧部66を通過させて筐体20外へ排出する。第二押圧部66の下流側には、物品の通過を検出する第二の光電管センサ82が設けられている。
【0035】
第二押圧部66は、一対の上下ローラー67,68よりなり、上ローラー67は固定部69を介して上下にスライド可能に固定されている。上ローラー67外面にはウレタン67aが設けられている。この第二押圧部66は、加熱冷却された包装袋100の口部101を押圧してシール部に模様を付与する。
【0036】
取付部69は、図9に示すように、上ローラー軸67bを貫通させるホルダー69aを有し、内部にシール圧力を測定するロードセル69bを設けている。このホルダー69aは、押圧板69cを介してばねを巻設した押圧軸69dにより押圧されている。この押圧軸69dの端部には圧力調整用の摘み69hが設けられており、押圧軸69cにより上ローラー67は下側へ付勢される。このロードセル69bにおいても包装袋100に対するシール圧力が測定される。ホルダー69aは、取付部材69eの四方に設けたシャフト69dにより取付パネル32に取り付けられている。また、ローラー軸67bにはタイミングベルト67dが掛け渡されるタイミングプーリー67cが固定されている。
【0037】
下ローラー68は、ローラー軸68aを介して取付パネル22に取り付けられている。図4に示すように、ローラー軸68aの他端には、平歯車68bが設けられており、この平歯車67bが搬送機構40の上後ローラー43の平歯車と噛み合う。
【0038】
ここで、図1,4,5を参照しながら、主モーター6からの駆動力の伝達について説明する。
主モーター6からの駆動は、主モーター6のギアによりまず下後プーリー44及び下ローラー68に伝達される。次いで、下後プーリー44の回転が平歯車44aを介して上後プーリー43に伝達されると共に、タイミングベルト67dを介して上ローラー67に伝達される。そして、上後プーリー43の回転は、平歯車43c,18によりタイミングベルト17を介して駆動部15に伝達される。また、この回転はタイミングベルト47bによりプーリー47aを回転させ、ロータリーエンコーダー47により上下耐熱ベルト45a,45bの搬送速度を測定する。このようにして、搬送ベルト13、下耐熱ベルト45b及び下Vベルト65bは図1で反時計方向に回転し、上耐熱ベルト45a及び上Vベルト65aは時計方向に回転する。同時に、タイミングベルト38を介して電磁クラッチ36に伝達される。電磁クラッチ36が接続されると、上大プーリー33,34が回転し、上Vベルト35aは時計方向に回転し、下Vベルト35bは反時計方向に回転する。
【0039】
コントロールユニット5は、図10に示すように、モニタ部71と、判定部72と、入力表示部73と、記憶部74と、制御部75からなる。モニタ部71は、加熱温度モニタ部71a、圧力モニタ部71b、加熱時間モニタ部71cからなる。加熱温度モニタ部71aには、上述の温度センサ55a〜fの測定データが入力され、圧力モニタ部71bには、ロードセル57b,69bの測定データが入力される。加熱時間モニタ部71cには、ロータリーエンコーダ47の測定データが入力され、包装袋100の搬送速度が求められる。これらの各データは判定部72に出力されると共に記憶部74に記憶される。
【0040】
判定部72は、シール温度、シール圧力及びシール時間の各条件の組み合わせが、図11に示す如く、所定のシール可能範囲D内である否かを判定する(なお、図11における経緯線は立体面を表現するためのものである。)。シール可能範囲Dの各条件は、例えばタッチパネルよりなる入力表示部73を介して設定される。ここで、判定部72は、条件単独で判定するのではなく、各条件の組み合わせが範囲内に属するか否かで判定する。適切なシール作業を行うには、口部101に対する十分な熱量及び圧力が必要であり、いずれかの条件が合致しているだけでは不十分だからである。
【0041】
シール可能範囲Dの各条件は、包装袋100の材質等により異なるものであり、予め試験、評価を行い決定する。例えば、シール可能温度が上限185℃、下限175℃である材質を用いた包装袋100の場合、その上限及び下限における搬送速度(シール時間)及びシール圧力の上限及び下限をそれぞれ求める。具体的には、例えば、まず、上限185℃において、搬送速度を調整しながら試験を行い、良品となる搬送速度としてその上限10.10m/min及び下限9.90m/minを求める。次に、上限185℃での搬送速度の上限10.10m/minにおいて、シール圧力を調整しながら試験を行い、良品となるシール圧力としてその上限4.0kgf及び下限2.0kgfを求める。同様に、これら各条件における上限及び下限の組み合わせを変えて、順次繰り返し試験を行う。すなわち、シール温度、シール圧力及びシール時間をパラメーターとし、シール可能なパラメーター範囲を試験又はシミュレーションにより求める。
【0042】
この試験結果を入力表示部73を介して入力することで、3次元曲面で囲まれたシール可能範囲Dが決定される。すなわち、このシール可能範囲Dに属する状態は、適切なシール作業を行うために必要な熱量及び圧力を満たすものである。
【0043】
判定部72は、各条件の組み合わせが所定のシール条件範囲D内である場合、制御部75を介して電磁クラッチ36を制御し、主モーターの駆動力を送出機構30に伝達させる。これにより、送出機構30はシール機構Rの状態が所定のシール条件範囲D内である場合にのみ作動するので、未然にシール不良の発生を抑制することが可能となる。しかも、シール機構Rは、通常のシール作業を行う状態で運転されているので、迅速にシール作業を開始することができる。
【0044】
次に、上述の如く構成されたシール装置1の使用方法について説明する。
まず、シール装置1の電源を投入し、主モーター6を回転させて搬送ベルト13、上下耐熱ベルト45a,45bを駆動させ、第一〜第四ヒーター54a〜dに通電を行い上下加熱板52,53を加熱すると共に、図示しないブロアにより上下冷却板58a,58bを冷却する。この搬送方向に対する駆動状態において、上述の温度センサ55a〜f、ロードセル57b,69b及びロータリーエンコーダ47が、温度、圧力及び時間(速度)を測定する。そして、これら条件の組み合わせがシール可能範囲内に属する状態となった場合、電磁クラッチ36を繋ぎ、送出機構30を作動させる。これにより、適切な状態でのシール作業が開始可能となる。
【0045】
最後に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について説明する。なお、上記実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
上記実施形態において、シール機構Rの状態としてシール温度、シール圧及び搬送速度(シール時間)の組み合わせがシール可能範囲Dに属するか否かを判定した。しかし、シール機構Rの状態はこれに限られるものではなく、電源電圧、少なくともヒーターの電流及び前記シール機構の内部温度をさらに含めても構わない。
【0046】
係る場合、図12に示す如く、モニタ部71’は電源の電圧を測定する電圧モニタ部71d、電流モニタ部71e及び機内温度モニタ部71fをさらに備える。電流モニタ部71eは、例えば第一〜第四ヒーター54a〜d及び主モーター6への通電量をモニタする。また、機内温度モニタ部71fには、例えば加熱部51の上方の第一取付部材59aに設けた温度センサの測定データが入力される。
【0047】
これらの条件は、熱シール装置1の他の箇所での異常を検出可能な条件であり、シール温度、シール圧及び搬送速度に影響を与える。そのため、これらの条件を含めた状態をモニタし、その状態が図13に示す如きシール可能範囲D’に属するか否かを判定することで、より確実にシール不良の発生を抑制することができる。しかも、安定した運転環境下でシール作業を開始することが可能となる。
【0048】
上記実施形態において、押圧部として第一、第二押圧部56,66を設けた。しかし、例えば、冷却部58及び第一押圧部56を設けずに、排出部60の第二押圧部66でのみシール圧力を測定するようにしても構わない。なお、上記実施形態において、脱気・ガス置換機構を設けていないが、当該機構を設けた熱シール機であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、例えば、食品等の商品が収容された包装袋の口部をヒートシールする熱シール機として利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1:熱シール装置、2:基礎フレーム、3:コンベアユニット、4:シールユニット、5:コントロールユニット、6:主モーター、10:コンベアフレーム、10a:作業台フレーム、11:第一ローラー、11a:ローラー軸、11b:タイミングプーリー、12:第二ローラー、12a:ローラー軸、12b:凹部、13:コンベアベルト、14:タイミングベルト、15:駆動部、15a:駆動軸、15b:タイミングプーリー、15c:ユニバーサルジョイント、16a,b:第一、第二タイミングプーリー、17:タイミングベルト、18:平歯車、20:筐体、21a,21b:上下カバー、22:取付パネル、23:入口ガイド板、24a,b:上下搬送ガイド板、30:送出機構、31:上小Vプーリー、31a:プーリー軸、32:下小Vプーリー、32a:プーリー軸、33:上大Vプーリー、33a:プーリー軸、33b:平歯車、33c:カップリング、34:下大Vプーリー、34a:駆動軸、34b:平歯車、35a:上Vベルト、35b:下Vベルト、36:電磁クラッチ、37:タイミングプーリー、38:タイミングベルト、40:搬送機構、41:上前プーリー、41a:プーリー軸、42:下前プーリー、42a:プーリー軸、43:上後プーリー、43a:駆動軸、43b,c:第一、第二平歯車、43d〜f:第一〜第三タイミングプーリー、43g:タイミングベルト、44:下後プーリー、44a:平歯車、45a:上耐熱ベルト、45b:下耐熱ベルト、46:固定部、46a:スライド部材、46b:スライドガイド、46c:取付板、46d:コイルスプリング、46e:ベアリング、47:ロータリーエンコーダ、47a:タイミングプーリー、47b:タイミングベルト、50:加熱冷却部、51:加熱部、52:上加熱板、52a:横穴、52c:凹部、53:下加熱板、53a:横穴、53c:凹部、53d:取付孔、54a〜d:第一〜第四ヒーター、55a〜f:第一〜第六温度センサ(熱電対)、56:第一押圧部(圧着ローラー部)、56a:上ローラー、56b:下ローラー、56d:上ローラー軸、56d:下ローラー軸、57:取付部、57a:ホルダー、57b:ロードセル、57c:押圧板、57d:押圧軸、57e:シャフト、57f:摘み、58:冷却部、58a:上冷却板、58b:下冷却板、59:取付機構、59a〜c:第一〜第三取付部材、59d:断熱部材、59e:スライド板、59f:押圧軸、59g:シャフト、60:排出部、60a:排出搬送機構、61:上前Vベルトプーリー、61a:Vプーリー軸、62:下前Vベルトプーリー、62a:Vプーリー軸、63:上後Vベルトプーリー、63a:Vプーリー軸、64:下後Vベルトプーリー、64a:Vプーリー軸、64b:テンションローラー、64c:ローラー軸、65a:上Vベルト、64b:下Vベルト、66:第二押圧部(ギャザーローラー部)、67:上ローラー、67a:ウレタン、67b:駆動軸、67c:タイミングプーリー、67d:タイミングベルト、68:下ローラー、68b:駆動軸、68c:平歯車、69:取付部、69a:ホルダー、69b:ロードセル、69c:押圧板、69d:押圧軸、69e:シャフト、69g:取付部材、69h:摘み、71:モニタ部、71a:加熱温度モニタ部、71b:圧力モニタ部、71c:加熱時間モニタ部、71d:電源電圧モニタ部、71e:電流モニタ部、71f:機内温度モニタ部、72:判定部、73:入力表示部、74:記憶部、75:制御部、81,82:物品通過センサ(光電センサ)、100:包装袋(被シール体)、101:シール部(口部)、A:電流、D:シール可能範囲、P:シール圧力、R:シール機構、S:搬送速度(シール時間)、T:シール温度、T’:機内温度、V:電源電圧
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のプーリーの間に掛け渡したベルトにより被シール体の一部を挟持して搬送する搬送機構と、前記一部を押圧する押圧部と、前記一部を加熱する加熱部とを少なくとも有するシール機構を備えた熱シール装置であって、
前記搬送機構へ前記被シール体を送り出す送出機構と、前記シール機構の状態をモニタするモニタ部と、前記状態が所定のシール可能範囲内であるかを判定する判定部とを有し、前記搬送機構を搬送方向へ駆動させて前記モニタ部により前記状態をモニタし、前記判定部は、前記状態が所定のシール可能範囲内である場合に前記送出機構を作動させる熱シール装置。
【請求項2】
前記状態は、前記一部をヒートシールするシール温度、シール圧及びシール時間である請求項1記載の熱シール装置。
【請求項3】
前記シール温度は前記加熱部に設けた温度センサにより測定されるものであり、前記加熱部は上下一対対向させて配設した加熱板を備え、上下各加熱板は前記搬送方向に対する上流側及び下流側で上下対向する一対のヒーターを有し、前記温度センサは前記上流側及び下流側にそれぞれ上下一対設けられている請求項2記載の熱シール装置。
【請求項4】
前記温度センサは前記一対のヒーター間にさらに上下一対設けられている請求項3記載の熱シール装置。
【請求項5】
前記状態は、電源電圧、少なくとも前記ヒーターの電流及び前記シール機構の内部温度をさらに含む請求項2〜4のいずれかに記載の熱シール装置。
【請求項6】
前記判定部は、クラッチを介して前記送出機構に動力を伝達させて前記搬送機構と同期駆動させる請求項1〜6のいずれかに記載の熱シール装置。
【請求項7】
一対のプーリーの間に掛け渡したベルトにより被シール体の一部を挟持して搬送する搬送機構と、前記一部を押圧する押圧部と、前記一部を加熱する加熱部とを少なくとも有するシール機構を備えた熱シール装置におけるシールのモニタリング方法であって、
前記搬送機構を搬送方向へ駆動させた状態において、前記シール機構の状態として前記一部をヒートシールするシール温度、シール圧及びシール時間をモニタリングする熱シール装置におけるシールのモニタリング方法。
【請求項1】
一対のプーリーの間に掛け渡したベルトにより被シール体の一部を挟持して搬送する搬送機構と、前記一部を押圧する押圧部と、前記一部を加熱する加熱部とを少なくとも有するシール機構を備えた熱シール装置であって、
前記搬送機構へ前記被シール体を送り出す送出機構と、前記シール機構の状態をモニタするモニタ部と、前記状態が所定のシール可能範囲内であるかを判定する判定部とを有し、前記搬送機構を搬送方向へ駆動させて前記モニタ部により前記状態をモニタし、前記判定部は、前記状態が所定のシール可能範囲内である場合に前記送出機構を作動させる熱シール装置。
【請求項2】
前記状態は、前記一部をヒートシールするシール温度、シール圧及びシール時間である請求項1記載の熱シール装置。
【請求項3】
前記シール温度は前記加熱部に設けた温度センサにより測定されるものであり、前記加熱部は上下一対対向させて配設した加熱板を備え、上下各加熱板は前記搬送方向に対する上流側及び下流側で上下対向する一対のヒーターを有し、前記温度センサは前記上流側及び下流側にそれぞれ上下一対設けられている請求項2記載の熱シール装置。
【請求項4】
前記温度センサは前記一対のヒーター間にさらに上下一対設けられている請求項3記載の熱シール装置。
【請求項5】
前記状態は、電源電圧、少なくとも前記ヒーターの電流及び前記シール機構の内部温度をさらに含む請求項2〜4のいずれかに記載の熱シール装置。
【請求項6】
前記判定部は、クラッチを介して前記送出機構に動力を伝達させて前記搬送機構と同期駆動させる請求項1〜6のいずれかに記載の熱シール装置。
【請求項7】
一対のプーリーの間に掛け渡したベルトにより被シール体の一部を挟持して搬送する搬送機構と、前記一部を押圧する押圧部と、前記一部を加熱する加熱部とを少なくとも有するシール機構を備えた熱シール装置におけるシールのモニタリング方法であって、
前記搬送機構を搬送方向へ駆動させた状態において、前記シール機構の状態として前記一部をヒートシールするシール温度、シール圧及びシール時間をモニタリングする熱シール装置におけるシールのモニタリング方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−11774(P2011−11774A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156080(P2009−156080)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(595123427)シール栄登株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(595123427)シール栄登株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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