説明

熱交換器及びヒートポンプ給湯機

【課題】 それぞれ熱媒体が循環する3つ以上の回路間で熱交換を行う熱交換器として、一体化され、コンパクトで放熱ロスも小さい熱交換器を得る。また、この熱交換器を用いたヒートポンプ給湯機を得る。
【解決手段】 第1の熱媒体が流通する第1流路22と、第1流路22に近接して設けられ、第2の熱媒体が流通する第2流路23と、第1流路22又は第2流路23に近接して設けられ、第3の熱媒体が流通する第3流路24と、第1流路22と第2流路23と第3流路24を包囲して一体化する熱伝導性樹脂25と、を備え、第1の熱媒体と第2の熱媒体とで熱交換可能とし、第1の熱媒体と第3の熱媒体とで熱交換可能とし、さらに第2の熱媒体と第3の熱媒体とで熱交換可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器及びヒートポンプ給湯機に関し、特に例えば3以上の熱媒体間で熱交換する熱交換器、及び熱媒体を循環する回路を3系統以上有するヒートポンプ給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
第1流体と第2流体とを熱交換すると共に第1流体と第3流体とも熱交換する従来の熱交換器であって、第1流体が流通する扁平な第1チューブの片面に第2流体が流通する第2チューブを接合し、第1チューブのもう一方の片面に前記第3流体が流通する第3チューブを接合した熱交換器がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、貯湯タンクを有する貯湯式給湯装置の熱交換器ユニットとしては、加熱側である一次側が1回路で形成され、加熱される二次側が少なくとも2回路で構成され、一次側の冷媒管と二次側の給湯用水管及び浴槽加熱用水管を、同一のコイル状形状に巻き、一次側と二次側とが交互に配置されるよう構成したものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−28582号公報(第4頁、図2)
【特許文献2】特開2005−315553号公報(第9頁〜第12頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に掲載された従来の構成の熱交換器は、第1流体と第2流体とを熱交換すると共に第1流体と第3流体とも熱交換するものであるが、第2流体と第3流体とは熱交換する構成ではなかった。例えば第1流体を冷媒、第2流体を水、第3流体をブラインとした実施の形態1が記載されている。この場合には冷媒と水を熱交換できると共に冷媒とブラインを熱交換できる構成である。ところが、水とブラインを熱交換できる構成ではなかった。また、実施の形態2では、冷媒と水、水とブラインを熱交換できる構成ではあるが、冷媒とブラインを熱交換できる構成ではなかった。
【0005】
また、特許文献2に掲載された従来の構成の熱交換器も、二次側チューブである追焚き用熱交換器と暖房用熱交換器間では熱交換しない構成であった。さらに、冷媒管と水管がともに円管であり、冷媒管と水管の接触部は十分な伝熱面積が取れない。このため、必要な熱交換量を確保するために配管長を長くしなければならず、熱交換器が大型化し、重量も増加するという問題がある。またコイル形状に巻いているため、周囲空気に接触する面積も大きく、放熱ロス低減のために熱交換器周囲に覆う広い面積の断熱材が必要となり、熱交換器の材料費や加工費が増加するという問題もある。
【0006】
本発明は上述のような課題を解消するためになされたものであり、3以上の熱媒体間で熱交換する熱交換器で、第1の熱媒体と第2の熱媒体とを熱交換する構成で、かつ第1の熱媒体と第3の熱媒体とを熱交換する構成で、さらに、第2の熱媒体と第3の熱媒体とを熱交換する構成の熱交換器であって、コンパクトで放熱ロスが小さい熱交換器を得ることを目的とする。
また、この熱交換器を用いたヒートポンプ給湯機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る熱交換器は、第1の熱媒体が流通する第1流路と、前記第1流路に近接して設けられ、第2の熱媒体が流通する第2流路と、前記第1流路又は前記第2流路に近接して設けられ、第3の熱媒体が流通する第3流路と、熱伝導性を有し、前記第1流路及び前記第2流路及び前記第3流路を包囲して一体化する熱伝導性樹脂と、を備え、前記第1流路を流れる第1の熱媒体と前記第2流路を流れる第2の熱媒体とを熱交換可能とし、前記第1流路を流れる第1の熱媒体と前記第3流路を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とし、さらに前記第2流路を流れる第2の熱媒体と前記第3流路を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とすることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係るヒートポンプ給湯機は、圧縮機、放熱器として動作する熱交換器、膨張弁、及び蒸発器を環状に接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルと、給湯タンク、前記熱交換器、及び給湯ポンプを環状に接続して水を循環させる給湯水回路と、前記熱交換器及び循環ポンプを環状に接続して熱媒体を循環させる温熱利用回路と、を備え、前記熱交換器は上記に記載の熱交換器であり、前記熱交換器の前記第1流路に前記冷凍サイクルの前記圧縮機を吐出した高温の冷媒を流通させ、前記第2流路及び前記第3流路のいずれか一方の流路に前記給湯水回路を循環する水を流通させ、他方の流路に前記温熱利用回路を循環する熱媒体を流通させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明における熱交換器は、第1流路及び第2流路及び第3流路を包囲するように熱伝導性樹脂を設けて熱交換器の複数の流路を一体化しているため、第1流路を流れる第1の熱媒体と第2流路を流れる第2の熱媒体を熱交換でき、第2流路を流れる第2の熱媒体と第3流路を流れる第3の熱媒体を熱交換でき、さらに第1流路を流れる第1の熱媒体と第3流路を流れる第3の熱媒体を、熱伝導性樹脂を介して熱交換できる。また、一体化することでコンパクトな構成で、熱交換器外表面積も小さくでき周囲空気への放熱ロスを小さくすることができる。
また、この熱交換器を用いたヒートポンプ給湯機は、コンパクトに構成でき、冷凍サイクルによる熱源と給湯タンク内の温熱による熱源を選択して温熱利用回路で有効に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるヒートポンプ給湯機を示す回路構成図である。冷凍サイクル100は、圧縮機1、放熱器として動作する熱交換器である給湯追焚き一体熱交換器2、膨張弁3、及び蒸発器4を環状に接続して第1の熱媒体として冷媒を循環させる。また、給湯水回路12は、給湯タンク10、給湯追焚き一体熱交換器2、及び給湯ポンプ11を環状に接続して第2の熱媒体を循環させる。さらに、温熱利用回路として例えば追焚き回路15は、浴槽13、給湯追焚き一体熱交換器2、及び循環ポンプである追焚きポンプ14を環状に接続して、第3の熱媒体を循環させる。ここで、第1の熱媒体である冷媒としては、例えば二酸化炭素又は炭化水素又はHFC冷媒などのいずれかを循環させ、第2の熱媒体を例えば給湯タンク水、第3の熱媒体を例えば浴槽水とする。冷凍サイクル100内の蒸発器4の近傍には送風機5を有する。
【0011】
図2は、本実施の形態の一例を示すヒートポンプ給湯機の構造を分解して示す斜視図である。なお、ここでは、給湯水回路12における給湯タンク10や給湯ポンプ11、また追焚き回路15における浴槽13や追焚きポンプ14は省略しており、冷凍サイクル100を構成する部分の熱源機のみ記載している。例えば、給湯追焚き一体熱交換器2は熱源機の底面付近に配置されており、記載を省略しているが、給湯水回路12及び追焚き回路15を介して給湯タンク10及び浴槽13と接続される。
【0012】
図3は、本実施の形態に係る熱交換器として例えば給湯追焚き一体熱交換器2を示す斜視図である。ここでは図示されていないが、熱交換器2の内部では、第1流路22、第2流路23、及び第3流路24は互いに略並行に流れる流路を構成している。並行な流れとは、流れ方向が平行であることに限るものではなく、一方の流路の流れ方向が他方の流路に対して、上下左右などいずれの方向にでも0度〜45度程度傾いていてもよい。熱伝導性樹脂25によって一体化されたブロックから、例えば第1流路22を構成する扁平伝熱管21、第2流路23、第3流路24の出入口配管が出ている。さらに、冷凍サイクル100を流れる冷媒を扁平伝熱管21の複数の流路に流入及び流出させる第1分配ヘッダー26、給湯水回路12を流れる給湯タンク水を熱交換器2の例えば第2流路23に流入及び流出させる第2分配ヘッダー27、追焚き回路15を流れる浴槽水を熱交換器2の例えば第3流路24に流入及び流出させる第3分配ヘッダー28が接続されている。
【0013】
図4は給湯追焚き一体熱交換器2の断面を詳細に示す図であり、図3のP−P線における縦断面図である。互いに略並行に流れる第1流路22、第2流路23、及び第3流路24で、第2流路23を第1流路22の流れ方向に対して略垂直な方向に近接して設け、第3流路24を第1流路22に対し第2流路23と略反対側に近接して設ける。例えば、中央部に扁平伝熱管21を配置し、給湯タンク水が流通する第2流路23を、扁平伝熱管21の向かい合う扁平な面の一方側に近接して配置する。さらに、浴槽水が流通する第3流路24を扁平伝熱管21の向かい合う扁平な面の他方側に近接して配置する。ここで、例えば冷凍サイクル100を循環する冷媒が流れる第1流路22は、並設する複数の流路を一体に構成し、外形を扁平とする扁平伝熱管21とした。扁平伝熱管21は例えばアルミニウム又はアルミニウム合金で形成する。また、第2流路23と第3流路24はそれぞれ1つの矩形状の伝熱管とし、例えば銅又はステンレスで構成する。また、熱伝導性をする熱伝導性樹脂25によって、扁平伝熱管21と第2流路23と第3流路2の例えば全体がブロック状に包囲され、一体化されている。
【0014】
このような構成の熱交換器2では、第1流路22を流通する冷媒と第2流路23を流通する給湯タンク水とは、流路を構成する伝熱管とその間に介在する熱伝導性樹脂25とを介して熱交換可能である。また、第1流路22を流通する冷媒と第3流路24を流通する浴槽水とは、流路を構成する伝熱管とその間に介在する熱伝導性樹脂25とを介して熱交換可能である。さら第2流路23を流通する給湯タンク水と第3流路24を流通する浴槽水も、両者間の距離は前記の流路間よりも離れているが、流路を構成する伝熱管とその間に介在する熱伝導性樹脂25とを介して熱交換可能である。
ここで、第3流路24を第1流路22に対し第2流路23と垂直方向で正反対側に近接して設けたが、これに限るものではない。第2流路23と第3流路24は第1流路22に対してある程度反対側であればよい。例えば、図4において、扁平伝熱管21の下側で図に向かって右側に偏った位置に第2流路23を設け、扁平伝熱管21の上側で図に向かって左側に偏った位置に第3流路24を設けてもよい。
【0015】
熱伝導性樹脂25は、例えば樹脂と熱伝導が良い金属粉の混合物、又は樹脂と炭素の混合物により構成される。樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂があるが、他の樹脂でもよい。また、熱伝導が良い金属粉としては、例えばアルミニウム、銅、銀などがある。熱伝導性樹脂25の熱伝導率は10W/mK以上であることが望ましい。通常の樹脂の場合の熱伝導率は、例えば1W/mK程度であり、銅の熱伝導率は386W/mK、アルミニウムの熱伝導率は228W/mK、ステンレスの熱伝導率は16.3W/mKであるが、本実施の形態では、これらを参考にして、略10W/mK以上の熱伝導率を有する熱伝導性樹脂を用いる。即ち、樹脂に混合する金属の種類は何でもよいが、通常の樹脂に比べると、約10倍以上でステンレス程度の高い伝熱性能を有する熱伝導性樹脂を用いる。
【0016】
以下、本実施の形態におけるヒートポンプ給湯機による給湯タンク沸き上げ運転について説明する。図1に示す圧縮機1と送風機5と給湯ポンプ11を動作させ、冷凍サイクル100と給湯水回路12を運転する。冷凍サイクル100を運転することによって、圧縮機1を吐出した高温高圧の冷媒は熱交換器2に流入し放熱して低温になる。給湯追焚き一体熱交換器2から流出した高圧低温の冷媒は、膨張弁3を通過して低圧気液二相の状態に減圧される。さらに蒸発器4で外部空気から吸熱して蒸発ガス化し、圧縮機1に再び吸入される。これと同時に、給湯ポンプ11が動作するので、給湯タンク水が熱交換器2内に流入し、扁平伝熱管21内を流れる冷媒と第2流路23内を流れる給湯タンク水との間で熱交換される。その際、冷媒から給湯タンク水に放熱することで、給湯タンク水の温度が上昇して給湯タンク10に貯溜される。
【0017】
冷凍サイクル100で使用する冷媒が例えば二酸化炭素のように高圧側冷媒圧力が臨界圧以上であれば、冷媒は熱交換器2内で超臨界状態のまま気液相転移しないで温度低下して放熱する。また、使用する冷媒が、例えば炭化水素冷媒又はHFC冷媒のように高圧側冷媒圧力が臨界圧以下であれば、冷媒は液化しながら放熱する。
【0018】
給湯タンク沸き上げ運転を行うときには、追焚き回路15の追焚きポンプ14を停止しているので、熱交換器2内の第3流路24に浴槽水は流れない。図4に示す給湯追焚き一体熱交換器2の内部では、第1流路22を流通する高温高圧のガス冷媒の熱は、熱伝導により扁平伝熱管21を構成するアルミニウム、及び扁平伝熱管21を取り囲む熱伝導性樹脂25を介し、銅又はステンレスで構成される第2流路23に伝わり、さらに第2流路23の内部を流れる給湯水回路12の循環水に伝わる。給湯タンク10内に90℃程度の温水を貯溜する場合、冷媒は100℃程度で熱交換器2に流入し、第2流路23を流れる温水に熱を与えて、20℃程度の冷媒温度に低下して、流出する。
近年、省エネルギー化が必要とされており、この給湯タンク沸き上げ運転は電力料金の安い深夜電力時間帯を利用して運転し、温水を貯溜する。また、給湯タンク10内の温度が低下してきた場合に随時行われることもある。また、給湯タンク10内では、例えば上方から高温水が給湯に使われ、下方から水道水が補給される。
【0019】
次に、本実施の形態のヒートポンプ給湯機による浴槽追焚き運転の動作について説明する。本実施の形態に係るヒートポンプ給湯機は、冷媒を熱源とする第1の浴槽追焚き方式と、給湯タンク10内の高温水を熱源とする第2の浴槽追焚き方式を有している。この2つの方式を有する給湯機は、第1、第2、第3の熱媒体のうちの2つづつの熱媒体が熱交換可能な熱交換器を用いることによって実現される。
【0020】
まず、冷凍サイクル100を循環する冷媒を熱源とする第1の浴槽追焚き方式の動作について説明する。圧縮機1と送風機5を動作させて冷凍サイクルを運転する。冷凍サイクル100を循環する冷媒の動作は、給湯タンク10内の水温度を上昇させる給湯タンク沸き上げ運転と同様であり、これと同時に追焚きポンプ14を動作させて追焚き回路15を運転する。追焚きポンプ14によって浴槽13内の浴槽水が循環して給湯追焚き一体熱交換器2の第3流路24を流れる。一方、圧縮機1から吐出された高温高圧の冷媒は、給湯追焚き一体熱交換器2の扁平伝熱管21を流れる。
【0021】
なお、この運転を行うときには、給湯水回路12の給湯ポンプ11を停止しているので、熱交換器2内の第2流路23に給湯タンク水は流れない。このため、熱交換器2内では、扁平伝熱管21と第3流路24を流れる流体間で熱交換が行われる。この運転における給湯追焚き一体熱交換器2の内部では、第1流路22を流通する高温高圧のガス冷媒の熱は、熱伝導により扁平伝熱管21を構成するアルミニウム、扁平伝熱管21を取り囲む熱伝導性樹脂25を介し、銅又はステンレスで構成される第3流路24の内部を流れる浴槽水に伝わり、熱交換が行われる。冷媒から放熱された熱を追焚き回路15を循環する浴槽水に与えることで追焚き加熱を行っている。
【0022】
次に、給湯水回路12を循環する高温水を熱源とする第2の浴槽追焚き方式の動作について説明する。給湯水回路12の給湯ポンプ11と追焚き回路15の追焚きポンプ14を運転し、圧縮機1の運転は停止する。給湯ポンプ11によって給湯タンク10より吸引された高温水は、給湯追焚き一体熱交換器2の第2流路23に流入する。一方、追焚きポンプ14によって、浴槽13より吸引された浴槽水は給湯追焚き一体熱交換器2の第3流路24に流入する。この時は扁平伝熱管21に冷媒は流れない。
【0023】
給湯追焚き一体熱交換器2の内部では、第2流路23を流通する給湯タンク10より流出した高温水の熱は、熱伝導により銅又はステンレスで構成される第2流路23、熱伝導性樹脂25や扁平伝熱管21のアルニミウム材を介し、銅又はステンレスで構成される第3流路24の内部を流れる浴槽水に伝わり、熱交換が行われる。
【0024】
この給湯追焚き一体熱交換器2においては、第1の熱媒体である高温高圧冷媒が流通する複数で構成される第1流路22を有する扁平伝熱管21と、扁平伝熱管21に近接し、第2の熱媒体である給湯タンク10内の高温水が流通する第2流路23と、扁平伝熱管21に対して第2流路23と対向し、扁平伝熱管21に近接して設けられ第3の熱媒体である浴槽13の循環温水が流通する第3流路24とが、熱伝導率が高い熱伝導性樹脂25によって一体化されているため、コンパクトで軽量な構成で給湯加熱と追焚き加熱の両方の機能を有する熱交換器を実現することができる。
また、熱交換器2の外表面積を小さくすることができるため、周囲空気への放熱ロスを低減することができる。
【0025】
なお、図3及び図4で示した構成では、各流路22、23、24の全体を熱伝導性樹脂25によって包囲して一体化したが、これに限るものではない。例えば、全体を包囲していなくても、第2流路23や第3流路24を構成する伝熱管の一部が露出していてもよい。例えば図4に示した構成で、左右の端部で伝熱管の横方向長さが長い伝熱管の一部が露出するような構成でもよい。また、伝熱管の出入口付近が構成上、露出していてもよい。もちろん図3に示すように各流路22、23、24の全体を被包する構成によって熱ロスを少なくすることができる。また、熱源機に搭載する場合にもブロック化によって搭載しやすい構成となる。また、断熱材で熱交換器2の一部または全体を包めば、さらに熱ロスを少なくできる。
【0026】
本実施の形態では、追焚き運転の熱源として冷凍サイクル100の高温高圧ガスと給湯タンク10内の高温水を必要に応じて選択することが可能となる。例えば、給湯タンク10内の高温水が多量に存在するときには、冷凍サイクル100を運転せずに高温水を利用して浴槽追焚き運転を行うようにすれば、節電できるヒートポンプ給湯機を構成できる。また、給湯タンク10内の高温水が少量になったときには冷凍サイクル100を利用して浴槽追焚き運転を行うようにすれば、給湯タンク10内の温水が湯切れすることなく、安定して運転できるヒートポンプ給湯機を構成できる。また、これに限ることなく、複数の運転方式を状況に応じて選択すれば、多様な運転方法を有するヒートポンプ給湯機が得られる。
【0027】
また、熱交換器2内の冷媒の流路を、並設する複数の流路を一体とした扁平伝熱管21としたので、冷媒が循環する伝熱管の高耐圧化を図ることができ、体積あたりの伝熱面積も大きくとることができる。また、向かい合う両面が扁平であるため、両側に他の伝熱管を配置しやすく、熱交換器2として3つの熱媒体の流路をコンパクトに構成でき、図2に示したような熱源機に搭載しやすい。
【0028】
また、第2流路23及び第3流路24は、銅又はステンレスで構成しているため、水圧により流路の変形を抑制し熱伝導性樹脂の破壊を防止することができる。また、熱伝導樹脂で一体化する際、インサート成形が可能であり容易に製造することができる。もちろん、第2流路23と第3流路24は同じ材質でもよいが、別々の材質でもよい。少なくともステンレス程度の熱伝導率を有する材質であることが好ましい。
また、第2流路23及び第3流路24は共に1つの矩形状の伝熱管としたが、同じ形状でなくてもよい。また、複数、例えば2つ以上の複数の矩形状の伝熱管で流路を構成しても、同様の効果を奏する。第2流路23と第3流路24を複数の矩形状の伝熱管にすれば、1つの伝熱管の構成と比べて、第2流路23及び第3流路24の周囲の熱伝導性樹脂25と接触する面積が大きくなる。このため、効率よく熱交換を行うことができる。また、第1流路22を扁平伝熱管21ではなく、第2、第3流路23、24と同様の1つの矩形状の伝熱管で構成してもよい。
【0029】
また、扁平伝熱管21を第2流路23と第3流路24の間の中央部に配設したが、これに限るものではない。例えば、第2流路23と第3流路24を近接して配設すると共に、扁平伝熱管21と第2流路23とを近接して配設してもよい。即ち、中央部に給湯タンク水が循環する第2流路23を配設し、一方側に扁平伝熱管21、他方側に第3流路24を近接して配設してもよい。浴槽水を追焚きする際、給湯タンク10内の高温水を利用することが多い場合には、この順番に流路を配置すると、効率よく熱交換ができる。
また、流路の構成は、図4に示すように下から第2流路23、扁平伝熱管21、第3流路24の順とし、第1、第2、第3の熱媒体を上記記載とは異なる流路を流通するようにしてもよい。
【0030】
なお、扁平伝熱管21と第2流路23の間や扁平伝熱管21と第3流路24の間には熱伝導性樹脂25が充填されているが、その距離は小さいほど伝熱抵抗(熱伝導率/距離)が小さくなるため、熱交換性能が向上する。即ち、扁平伝熱管21と第2流路23、扁平伝熱管21と第3流路24、第2流路23と第3流路24の間に存在する熱伝導性樹脂25の幅は、小さいほど熱交換性能を高めることができる。例えば、図4における扁平伝熱管21と第2流路23を接触させて両者間に熱伝導性樹脂25が介在していなくてもよい。同様に、図4における扁平伝熱管21と第3流路24を接触させて両者間に熱伝導性樹脂25が介在していなくてもよい。
【0031】
また、第2、第3流路23、24は矩形状の伝熱管で構成したが、断面が楕円状の1つ又は複数の円形状の伝熱管であっても、同様の効果を奏する。図5に他の構成例を示す。図5は熱交換器2の断面を示し、各流路22、23、24の断面を示している。例えば冷媒が流通する第1流路22と、第1流路22に近接して設けられ、例えば給湯水が流通する第2流路23と、第1流路22又は第2流路23に近接して設けられ、例えば浴槽水が流通する第3流路24と、熱伝導性を有し、第1流路22、第2流路23、及び第3流路24を包囲して一体化する熱伝導性樹脂25と、を備えた熱交換器2である。この構成の第1流路22と第2流路23と第3流路24のそれぞれは、流路に垂直な断面形状が円形状の1つの伝熱管で、構成している。
【0032】
この構成において、互いに略並行に流れる第1流路22、第2流路23、及び第3流路24であって、第2流路23は、第1流路22の流れ方向に対して略垂直な方向に近接して設けられ、第3流路24は、第1流路22及び第2流路23に近接して設けられている。第1流路22に対し第2流路23と第3流路24とが略反対側ではない位置に、近接して設けた構成例である。この構成でも、熱伝導性樹脂25によって、第1流路22及び第2流路23及び第3流路24を包囲して一体化しており、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第2流路23を流れる第2の熱媒体とを熱交換可能とし、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とし、さらに第2流路23を流れる第2の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能である。このため、第1、第2、第3の熱媒体のうちの任意の2つづつの熱媒体を熱交換できる構成で、コンパクトで、周囲空気への放熱ロスの少ない熱交換器が得られる効果がある。
図5の構成で、第1流路22、第2流路23、及び第3流路24の少なくともいずれか1つの流路を、複数の伝熱管で構成しても、同様の効果を奏する。
【0033】
また、図6にさらに他の構成例を示す。第1流路22、第2流路23、及び第3流路24が互いに略並行に流れる流路ではない構成例の熱交換器2を示す側面図である。例えば冷媒が流通する第1流路22と、第1流路22に近接して設けられ、例えば給湯水が流通する第2流路23と、第1流路22又は第2流路23に近接して設けられ、例えば浴槽水が流通する第3流路24と、熱伝導性を有し、第1流路22、第2流路23、及び第3流路24を包囲して一体化する熱伝導性樹脂25と、を備えた熱交換器2である。この第1流路22と第2流路23と第3流路24のそれぞれは、流路に垂直な断面形状が円形状や矩形状の伝熱管で構成している。
【0034】
図6では、第1流路22と第2流路23及び第1流路22と第3流路24の伝熱管同士はほぼ接触している。このため、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第2流路23を流れる第2の熱媒体とを熱交換可能とし、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能である。さらに、第2流路23と第3流路24とは接触部分は少ないが、熱伝導性を有する熱伝導性樹脂25で包囲されているので、第2流路23を流れる第2の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とは、熱伝導性樹脂25を介して熱交換可能である。このため、第1、第2、第3の熱媒体のうちの任意の2つづつの熱媒体を熱交換できる構成で、コンパクトで、周囲空気への放熱ロスの少ない熱交換器が得られる効果がある。
このような構成で、第1流路22、第2流路23、及び第3流路24の少なくともいずれか1つの流路を、複数の伝熱管で構成しても、同様の効果を奏する。
【0035】
このように、本実施の形態によれば、第1の熱媒体が流通する第1流路22と、第1流路22に近接して設けられ、第2の熱媒体が流通する第2流路23と、第1流路22又は第2流路23に近接して設けられ、第3の熱媒体が流通する第3流路24と、熱伝導性を有し、第1流路22、第2流路23、及び第3流路24を包囲して一体化する熱伝導性樹脂25と、を備え、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第2流路23を流れる第2の熱媒体とを熱交換可能とし、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とし、さらに第2流路23を流れる第2の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とすることにより、第1、第2、第3の熱媒体のうちの任意の2つづつの熱媒体を熱交換できる構成で、周囲空気への放熱ロスの少ない熱交換器が得られる効果がある。
【0036】
また、互いに略並行に流れる第1流路22、第2流路23、及び第3流路24であって、第1の熱媒体が流通する第1流路22と、第1流路22の流れ方向に対して略垂直な方向に近接して設けられ、第2の熱媒体が流通する第2流路23と、第1流路22に対し第2流路23と略反対側に近接して設けられ、第3の熱媒体が流通する第3流路24と、熱伝導性を有し、第1流路22及び第2流路23及び第3流路24を包囲して一体化する熱伝導性樹脂25と、を備え、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第2流路23を流れる第2の熱媒体とを熱交換可能とし、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とし、さらに第2流路23を流れる第2の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱伝導性樹脂25を介して熱交換可能とすることにより、第1、第2、第3の熱媒体に任意の2つづつの熱媒体を熱交換できる構成で、小型化及び軽量化でき、周囲空気への放熱ロスの少ない熱交換器が得られる。特に中央部に配置される第1流路22を流れる第1の熱媒体の熱源を有効に利用できる熱交換器が得られる効果がある。
【0037】
また、第1流路22及び第2流路23及び第3流路24のうちの少なくとも1つの流路は、1つ又は複数の矩形状の伝熱管で構成することにより、コンパクトで、周囲空気への放熱ロスの少ない熱交換器が得られる効果がある。
【0038】
また、第1流路22を流通する第1の熱媒体を冷媒とし、第1流路22は、並設する複数の流路を一体とし外形が扁平である扁平伝熱管21であることを特徴とすることにより、冷媒が循環する伝熱管の高耐圧化を図ることができ、体積あたりの伝熱面積も大きくとることができる熱交換器が得られる。
【0039】
また、第2流路23を、扁平伝熱管21の向かい合う扁平な面の一方側に近接して設け、第3流路24を、扁平伝熱管21の向かい合う扁平な面の他方側に近接して設けることにより、冷媒と第2の熱媒体を熱交換する際、及び冷媒と第3の熱媒体を熱交換する際、流路間の距離を短くでき、熱交換効率のよい構成の熱交換器が得られる。
【0040】
また、第2流路23及び第3流路24のうちの少なくとも一方の流路を、銅又はステンレスで構成したことにより、循環する熱媒体の水圧による流路の変形を抑制できる熱交換器が得られる。
【0041】
また、第1流路22、第2流路23及び第3流路24をそれぞれ1つの矩形管で構成したことにより、成形する際に容易に製造することができる熱交換器が得られる。矩形管間の距離が円管に比べて均等になるので、均等に熱交換できる熱交換器が得られる。
【0042】
また、熱伝導性樹脂25は、樹脂と金属粉の混合物又は樹脂と炭素の混合物であり、熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とすることにより、第1、第2、第3の熱媒体の任意の2つの熱媒体を熱交換できる構成で、熱交換効率のよい熱交換器が得られる。
【0043】
特に、例えば400リットル程度の給湯タンク10を備えたヒートポンプ給湯機を構成した場合、図2に示した熱源機を給湯タンク10の近傍で、例えば下側に格納して装置を構成する必要がある。この場合、一例として、縦0.5m、横0.2m、奥行き0.1m程度の範囲に熱源機が格納されなければならない。この程度の容量のヒートポンプ給湯機の場合、熱伝導率が10W/mK以上の熱伝導性樹脂25を用いて各流路22、23、24を包囲して一体化して熱交換器2を構成すれば、この大きさの範囲で十分な熱交換量が得られる。例えば熱伝導率が5W/mK程度の熱伝導性樹脂を用いて同様の熱交換量を得ようとすれば、大きさは2倍程度になってしまう可能性があり、熱源機が大きくなって設置できないことにもなり、汎用性が損なわれる。
【0044】
また、圧縮機1、放熱器として動作する熱交換器2、膨張弁3、及び蒸発器4を環状に接続して冷媒を循環させる冷凍サイクル100と、給湯タンク10、熱交換器2、及び給湯ポンプ11を環状に接続して水を循環させる給湯水回路12と、熱交換器2及び追焚きポンプ14を環状に接続して熱媒体を循環させる温熱利用回路15と、を備え、実施の形態1に記載したいずれかの熱交換器2であり、熱交換器2の第1流路22に冷凍サイクル100の圧縮機1を吐出した高温の冷媒を流通させ、第2流路23に給湯水回路12を循環する水を流通させ、第3流路24に温熱利用回路15を循環する熱媒体を流通させることを特徴とすることにより、コンパクトで放熱ロスの小さな熱交換器2を用い、温熱を有効に利用でき、節電できるヒートポンプ給湯機が得られる。
【0045】
また、温熱利用回路15は、浴槽を接続して浴槽水を循環させ、熱交換器2で冷凍サイクル100を循環する冷媒、又は給湯水回路12を循環する温水と熱交換して、浴槽水の温度を高める追焚き回路であることを特徴とすることにより、状況に応じて効率よく節電して浴槽水を追焚きできるヒートポンプ給湯機が得られる。
【0046】
また、温熱利用回路15で必要となる熱源を給湯タンク10内の温水とする温水利用運転と、温熱利用回路15で必要となる熱源を冷凍サイクル100による冷凍サイクル運転と、を有することにより、状況に応じて効率よく節電して浴槽水を追焚きできるヒートポンプ給湯機が得られる。
【0047】
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る熱交換器として例えば給湯追焚き一体熱交換器2aを示す斜視図である。また、図8は図7のQ−Q線における縦断面図である。本実施の形態では、第2流路23と第3流路24のそれぞれを、例えば複数の円形状の伝熱管で構成する。なお、本実施の形態において、ここで特に記述しない構成や動作については実施の形態1と同様とし、同一符号は同一、又は相当部分を示す。
【0048】
図7に示す熱交換器2aでは、熱伝導性樹脂25によって一体化されたブロックから、第1流路である扁平伝熱管21、複数の円形状の伝熱管で構成された第2流路23a及び第3流路24aの出入口配管が出ており、それぞれ第1分配ヘッダー26、第2分配ヘッダー27、第3分配ヘッダー28が接続されている。
【0049】
図8に示すように、実施の形態1と同様、中央部に扁平伝熱管21を配置し、給湯タンク水が流通する第2流路23aを扁平伝熱管21の一方側に配置し、浴槽水が流通する第3流路24aを扁平伝熱管21の他方側に配置する。ここで、例えば冷凍サイクル100を循環する冷媒が流れる第1流路22は、並設する複数の流路を一体に構成し、外形を扁平とするアルミニウム又はアルミニウム合金による扁平伝熱管21とした。第2流路23aと第3流路24aはそれぞれ複数の銅又はステンレスの円形状の伝熱管で構成された円形流路であり、中央部に配設した扁平伝熱管21を挟んで対向して配置する。
【0050】
第1の熱媒体である例えば冷媒が流通する扁平伝熱管21と、第2の熱媒体である例えば給湯タンク水が流通する第2流路23aと、第3の熱媒体である例えば浴槽水が流通する第3流路24aは、熱伝導性をする熱伝導性樹脂25によって包囲されている。ここで、扁平伝熱管21、第2流路23a、第3流路24aは熱伝導性樹脂25によって一体化された構成となっているので、冷媒と給湯タンク水とを熱交換可能とし、冷媒と浴槽水とを熱交換可能とし、さらに給湯タンク水と浴槽水とを熱交換可能とする構成である。
【0051】
本実施の形態による給湯追焚き一体熱交換器2aにおいては、第2流路23aと第3流路24aは共に複数の銅又はステンレスの円形状の伝熱管を構成された円形流路である。内部を流通する熱媒体の水圧は円形状の伝熱管の内壁に均等にかかる。このため、水圧による伝熱管23a、24aに対する変形が抑制され、その外側を包囲している熱伝導性樹脂25の破壊を防止することができる。また、第2、第3流路23a、24aの管内面積を多く確保することができるため、本実施の形態の給湯追焚き一体熱交換器2aを用いたヒートポンプ給湯機において、例えば浴槽追焚き運転を行う際、熱源側の高温高圧ガス又は給湯タンク内の高温水と浴槽循環水との熱交換量を向上することができる。また一般的に流通している配管を利用することができるため、汎用性に優れ、低コストで製造することができる。
【0052】
このように、第2流路23a及び第3流路24aを複数の円形状の伝熱管で構成したことにより、第2及び第3流路23a、24aにかかる水圧を均等化できる。このため、伝熱管の水圧に対する変形が抑制され、熱伝導性樹脂25の破壊を防止できる熱交換器2aが得られる。また、第2、第3流路23a、24aの管内面積を多く確保でき、熱交換量を向上できる熱交換器2aが得られる。
そして、この熱交換量を向上できる熱交換器2aを図1に示したヒートポンプ給湯機の熱交換器2の代わりに組み込むことで、同一容量とすると大きさを小さくコンパクトにでき、使用電力も節約できる。
【0053】
また、圧縮機1、放熱器として動作する熱交換器2a、膨張弁3、及び蒸発器4を環状に接続して冷媒を循環させる冷凍サイクル100と、給湯タンク10、熱交換器2a、及び給湯ポンプ11を環状に接続して水を循環させる給湯水回路12と、熱交換器2a及び追焚きポンプ14を環状に接続して熱媒体を循環させる温熱利用回路15と、を備え、実施の形態2に記載したいずれかの熱交換器2aであり、熱交換器2aの第1流路22に冷凍サイクル100の圧縮機1を吐出した高温の冷媒を流通させ、第2流路23に給湯水回路12を循環する水を流通させ、第3流路24に温熱利用回路15を循環する熱媒体を流通させることを特徴とすることにより、コンパクトで放熱ロスの小さな熱交換器2aを用い、温熱を有効に利用でき、節電できるヒートポンプ給湯機が得られる。
また、他の効果において、実施の形態1と同様の構成によって実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0054】
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る熱交換器として例えば給湯追焚き一体熱交換器2bを示す斜視図である。また、図10は図9のR−R線における縦断面図である。本実施の形態では第2流路23と第3流路24のそれぞれを、複数の円形状又は矩形状の伝熱管で構成し、扁平伝熱管21の対向する両面に交互に配置する。なお、本実施の形態において、ここで特に記述しない構成や動作については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、同一符号は同一、又は相当部分を示す。
【0055】
図9に示す熱交換器2bでは、熱伝導性樹脂25によって一体化されたブロック2bから、第1流路である扁平伝熱管21、複数の円形状の伝熱管で構成された第2流路23b及び第3流路24bの出入口配管が出ており、それぞれ第1分配ヘッダー26、第2分配ヘッダー27a、27b、第3分配ヘッダー28a、28bが接続されている。本実施の形態では、扁平伝熱管21を挟んで扁平な面の両側に、第2流路23bを構成する円形状の伝熱管と第3流路24bを構成する円形状の伝熱管を交互に配置している。このため、第2分配ヘッダー27a、27b及び第3分配ヘッダー28a、28bは扁平伝熱管21を挟んで両側にそれぞれ設けられている。
【0056】
図10に示すように、扁平伝熱管21の扁平な面の一方である下方側に、図に向かって左側から第2流路23bを構成する円形状の伝熱管と第3流路24bを構成する円形状の伝熱管を交互に配置する。そして、第2分配ヘッダー27aは一つおきに配置した第2流路23bを構成する伝熱管に接続し、第3分配ヘッダー28aは、その隣に一つおきに配置されている第3流路24bを構成する伝熱管に接続する。扁平伝熱管21の扁平な面の他方である上方側も同様であり、図に向かって左側から一つおきに配置されている第3流路24bを構成する伝熱管に接続する第3分配ヘッダー28bと、その隣に一つおきに配置されている第2流路23bを構成する伝熱管に接続する第2分配ヘッダー27bがある。給湯水回路12において、熱交換器2bの接続位置よりも上流側で流路を分岐して第2分配ヘッダー27a、27bに流入し、熱交換器2bの接続位置よりも下流側で第2分配ヘッダー27a、27bから流出する熱媒体を合流する。また、追焚き回路15において、第3分配ヘッダー28a、28bも同様に分岐及び合流する構成である。
【0057】
実施の形態1又は実施の形態2と同様、例えば冷凍サイクル100を循環する冷媒が流れる第1流路22は、並設する複数の流路を一体に構成し、外形を扁平とするアルミニウム又はアルミニウム合金による扁平伝熱管21とする。中央部に配設した扁平伝熱管21を挟んで第2流路23bと第3流路24bを対向して配置しているが、本実施の形態では特に扁平伝熱管21の向かい合う扁平な両面に交互に第2流路23bと第3流路24bを対向して配置する。即ち、図10の向かって左端の扁平伝熱管21の下側には第2流路23bを構成する円形状の伝熱管を配置し、それに対向して左端の扁平伝熱管21の上側には第3流路24bを構成する円形状の伝熱管を配置する。そして、第2流路23bを構成する円形状の伝熱管の隣には、第3流路24bを構成する円形状の伝熱管を配置する。このように、第2流路23bを構成する円形状の伝熱管と、第3流路24bを構成する円形状の伝熱管とを交互に配置する。
【0058】
第2流路23bと第3流路24bのそれぞれは、例えば複数の銅又はステンレスで構成される円形状の伝熱管であり、熱伝導性樹脂25は扁平伝熱管21と第2流路23bと第3流路24bを包囲して一体化した構成である。
【0059】
このように構成された給湯追焚き一体熱交換器2bにおいては、扁平伝熱管21の両面に第2流路23bと第3流路24bを構成する複数の流路が交互に配置されているため、第2流路23bと第3流路24bとが近接している。このため、実施の形態2に加えて、第2流路23bを流通する第2の熱媒体、例えば給湯水と、第3流路24bを流通する第3の熱媒体、例えば浴槽水との熱交換量を増加できる。また、冷媒と給湯水、又は冷媒と浴槽水の熱交換に関しては、実施の形態2と同様、効率よく熱交換できる。
【0060】
また、本実施の形態の給湯追焚き一体熱交換器2bを用いたヒートポンプ給湯機において、給湯タンク10内の高温水を熱源とする第2の浴槽追焚き方式を行う際、実施の形態1又は実施の形態2の構成と比べて、浴槽水の流路24bと給湯水の流路23bの距離を近くでき、良好な熱交換性能を確保することができる。
【0061】
また、図11は本実施の形態に係る熱交換器2bの別の構成例を示す断面図である。ここでは、第2流路23b及び第3流路24bを構成する複数の流路を、矩形状の流路とし、例えば銅又はステンレスで構成する。扁平伝熱管21と第2流路23bと第3流路24bが略平行に並設され、3つの流路22、23b、24bのそれぞれ向かい合う伝熱管の距離Lが略同一になる。即ち、扁平伝熱管21と第2流路23b及び扁平伝熱管21と第3流路24bの流路間に充填される熱伝導性樹脂の幅を均一化できるため、円形状の伝熱管で構成するよりもさらに熱交換性能を向上することができる。
【0062】
また、図12に示すように、冷媒の流路である第1流路22を扁平伝熱管21で一体に構成するのではなく、複数の矩形管で構成してもよい。冷媒の流れる第1流路22の管内面積を多く確保でき、熱交換量を向上できる。また、第1流路22を中央に並設しなくてもよい。第1流路22、第2流路23b、第3流路24bをばらばらにして3列、又は複数列に並べて、熱伝導性樹脂25で一体化してもよい。この配置は、ヒートポンプ給湯機の運転を考慮して決定してもよい。例えば、冷凍サイクル100の冷媒を熱源として、給湯水回路12の給湯タンク10に温熱を貯溜する運転を最も頻繁に行い、給湯水回路12の給湯タンク10に温熱を熱源として、浴槽追焚き運転を次に頻繁に行い、冷凍サイクル100の冷媒を熱源とする浴槽追焚き運転はあまり頻繁ではないとする。この場合には、冷媒が流れる第1流路22と給湯水が流れる第2流路23bの熱交換性能が最もよくなるように第1、第2流路を配置し、次に給湯水が流れる第2流路23bと浴槽水の流れる第3流路24bの熱交換性能がよくなるように第2、第3流路を配置するようにすればよい。
【0063】
また、図12において、いずれかの流路又は全ての流路を円管で構成してもよい。伝熱管を矩形管で構成した場合には、矩形管同士の距離を均一にできるので、均一に熱交換が行われて熱ロスを小さくできる効果がある。一方、伝熱管を円管で構成した場合には、円管壁にかかる水圧を均一にできるので、水圧による変形が抑制され、熱伝導性樹脂の破壊を防止することができる効果がある。
【0064】
また、中央部に配設する第1流路22の両側に、第2流路23bと第3流路24bを交互に配置した構成にしたが、これに限るものではない。交互に配置しなくてもよく、第2流路23bを第3流路24bに対して2つおきや3つおきに配置してもよいし、その逆に第3流路24bを第2流路23bに対して2つおきや3つおきに配置してもよい。中央部に配置する第1流路22の両側に混在するように設ければよい。
また適宜、伝熱管の径を変えてもよい。例えば、第2流路23bを第3流路24bに対して2つおきや3つおきに配置する場合、第2流路23bの伝熱管径を第3流路24bの伝熱管径よりも大きくして、伝熱管の熱交換量に差をつけてもよい。
【0065】
このように、第2流路23bと第3流路24bのそれぞれを複数の伝熱管で構成し、第2流路23bを構成する伝熱管と第3流路24bを構成する伝熱管を、扁平伝熱管21の向かい合う扁平な面の両側に混在するように設けることにより、第1、第2、第3熱媒体のうちのどの2つの熱媒体を選択して熱交換を行っても、熱交換性能を確保できる熱交換器が得られる。
特に、第2流路23bを構成する伝熱管と第3流路24bを構成する伝熱管を、扁平伝熱管21の向かい合う扁平な面の両側に近接して交互に設けることにより、第1、第2、第3熱媒体のうちのどの2つの熱媒体を選択して熱交換を行っても、熱交換性能を確保できる熱交換器が得られる。
また、第1流路22を1つの矩形状の扁平伝熱管21とし、第2流路23b及び第3流路24bのそれぞれを、複数の矩形管で構成したことにより、矩形管間の距離を均一にでき、伝熱性能のよい熱交換器が得られる。
【0066】
また、圧縮機1、放熱器として動作する熱交換器2b、膨張弁3、及び蒸発器4を環状に接続して冷媒を循環させる冷凍サイクル100と、給湯タンク10、熱交換器、及び給湯ポンプ11を環状に接続して水を循環させる給湯水回路12と、熱交換器2b及び追焚きポンプ14を環状に接続して熱媒体を循環させる温熱利用回路15と、を備え、熱交換器は実施の形態3に記載したいずれかの熱交換器2bであり、熱交換器2bの第1流路22に冷凍サイクル100の圧縮機1を吐出した高温の冷媒を流通させ、第2流路23bに給湯水回路12を循環する水を流通させ、第3流路24bに温熱利用回路15を循環する熱媒体を流通させることを特徴とすることにより、コンパクトで放熱ロスの小さな熱交換器2bを用い、熱交換性能のよいヒートポンプ給湯機が得られる。
また、他の効果において、実施の形態1と同様の構成によって実施の形態1と同様の構成によって実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0067】
実施の形態1又は実施の形態2においても、第1流路22を複数の流路を一体化して扁平伝熱管21で構成したが、これに限るものではない。例えば、図12に示すように、複数の矩形状又は円形状の伝熱管で構成し、熱伝導性樹脂25によって一体化する構成でもよい。ただし、材質は熱伝導率の良いアルミニウムなどの伝熱管で構成すると、熱交換効率が良好であり、望ましい。また、冷媒の流通する流路を冷媒に対して耐腐食性のあるアルミニウムやアルミニウム合金で構成すると、経年変化に強い熱交換器が得られる。また、熱交換器を製造する際、扁平伝熱管21で第1流路22を構成すれば、第1流路22を一括して扱うことができるので、扱いやすい。
【0068】
実施の形態1〜実施の形態3において、伝熱管の断面形状を円形状又は矩形状としたが、円形状の伝熱管には楕円形状の伝熱管も含まれ、矩形状の伝熱管には、菱形や長方形など、どのような四角形状の断面形状を有するものでもよい。
また、第1流路22、第2流路23、第3流路24を一列に配設しているが、複数列で構成してもよい。例えば図4の第2流路23の下方に更に第1流路22や第3流路24を配置して、5層構造のようにしてもよい。また、第1流路22、第2流路23、及び第3流路24はすべて直線状の伝熱管で構成されてなくてもよい。第1流路22、第2流路23、及び第3流路24のうちの少なくとも1つの流路が、入口から出口の間で例えばU字状のように曲線的に曲がって配置されていてもよい。
【0069】
実施の形態4.
図13は、本発明の実施の形態4によるヒートポンプ給湯機を示す回路構成図である。実施の形態1〜実施の形態3に記載のいずれかの熱交換器2、2a、2bを用いたヒートポンプ給湯機は、浴槽追焚き運転を行う際、冷凍サイクル100の冷媒を熱源とする第1の浴槽追焚き方式と、給湯タンク10内に貯溜されている高温の給湯水を熱源とする第2の浴槽追焚き方式のどちらの方式も可能である。本実施の形態では、どちらの浴槽追焚き方式で運転するかを制御する制御方法について記載する。特に本実施の形態では、給湯タンク10の残湯量の状態に応じてヒートポンプ給湯機の運転制御を行う。なお、本実施の形態において、特に記述しない部分については実施の形態1〜実施の形態3と同様とし、同一符号は同一、又は相当の部分を示す。
【0070】
図13において、給湯タンク10の残湯量を検知する残湯量検知手段31は、例えば給湯タンク10の温度を検知する温度検知素子(以下、サーミスタと記す)を2個以上の複数個有する構成である。このサーミスタ31を給湯タンク10の側面に、上下の複数箇所に固定し、それぞれの場所の給湯タンク10の温度を検知することで、給湯タンク10内の水面位置を検知でき、この水面位置から残湯量を検知できる。また、制御手段を構成する制御装置40は例えばマイクロコンピュータであり、制御装置40で行う浴槽追焚き運転の制御フローチャートの一例を図14に示す。
【0071】
図14に基いて、浴槽追焚き運転の制御工程について説明する。一般的な給湯システムでは、深夜電力時間帯の安価な電力を用いて冷凍サイクル100と給湯水回路12を動作させ、例えば400リットル程度の容量の給湯タンク10に約90℃程度の給湯水をいっぱいになるように溜めておき、これを翌日に洗面所やキッチンや浴室などで使用する。浴槽追焚き運転が要求されるのは、浴槽水の温度が低下した状態であり、翌日に前日の浴槽水を温める場合や、夜間に夕方入れた浴槽水を温める場合などが考えられ、24時間の対応が必要となる。
使用者やシステムからの指示により浴槽追焚き指令を受けると(ST1)、給湯タンク10の上下方向の複数位置の温度をサーミスタ31によって検知する(ST2)。この給湯タンク10の上下方向の複数位置の温度から給湯タンク10内の残湯量Qtankを演算する(ST3)。例えばサーミスタ31は5箇所の位置の温度を検知できるとし、上から2番目の温度は90℃、上から3番目の温度は20℃であったとすると、2番目と3番目の間に給湯タンク10内の高温水と補給された低温水との境界面があることになる。このようにして給湯タンク10の残湯量Qtankを演算し、ST4で残湯量Qtankが予め設定した残湯量よりも少ないかどうか判断する。予め設定する残湯量は給湯タンク10の例えば1/3の残湯量とする。
【0072】
ST4の判断で、検知した残湯量Qtankが予め設定した残湯量よりも少ない場合、冷凍サイクル100を循環する冷媒を熱源とする第1の浴槽追焚き方式を選択する(ST5)。そして、冷凍サイクル100を構成する圧縮機1、膨張弁3、送風機5及び追焚きポンプ14に運転指令を出して、浴槽追焚き運転を開始する(ST6)。
【0073】
ST4の判断で、検知した残湯量Qtankが予め設定した残湯量以上である場合は、給湯タンク10内の温水を熱源とする第2の浴槽追焚き方式を選定する(ST7)。そして、給湯ポンプ11及び追焚きポンプ14に運転指令を出して、浴槽追焚き運転を開始する(ST8)。
【0074】
このように給湯タンク10の残湯量が少ない場合は、給湯タンク10内の給湯水を熱源としないため、給湯タンク10の湯切れを防止することができる。
【0075】
予め設定する残湯量は固定ではなく、例えば時間に応じて可変としてもよい。通常の使用では、朝の時点で、一日に使用する量の温水が給湯タンク10に貯溜されている。従って、朝は給湯タンク10の残湯量が4/5以上必要であるとし、残湯量が4/5よりも少ないときには冷凍サイクル100を利用して追焚き運転を行う。さらに、午後の時点では給湯タンク10の残湯量が2/3以上必要であるとし、残湯量が2/3よりも少ないときには冷凍サイクル100を利用する。夜はこの後それほど温水を必要としないので、残湯量が1/3よりも少ないときに冷凍サイクル100を利用する。このように、使用者の一日の使用パターンに応じて、冷凍サイクルを利用する場合の閾値となる給湯タンク10の残湯量を可変に設定してもよい。
【0076】
なお、給湯タンク10の残湯量を検知する残湯量検知手段31は、複数のサーミスタで構成したが、1つでも可能である。所定の残湯量に対する位置付近にサーミスタを取り付けておき、これが低温となったことを検知することで、所定の残湯量よりも少なくなった時点を検知できる。また、給湯タンク10の側面の温度を検知するサーミスタでなく、他の方式によって残湯量を検知してもよい。
【0077】
本実施の形態では以上のように、例えば追焚き回路などの温熱利用回路15で必要となる熱源を給湯タンク10内の温水とする温水利用運転と、温熱利用回路15で必要となる熱源を冷凍サイクル100の冷媒とする冷凍サイクル利用運転と、を有することにより、必要に応じて温熱利用回路15で温熱が得られ、かつ給湯タンク10の給湯水を利用した場合には省エネルギーで運転できるヒートポンプ給湯機が得られる。
【0078】
また、給湯タンク10の残湯量を検知する残湯量検知手段31と、残湯量検知手段31によって検知した給湯タンク10の残湯量が予め設定した残湯量よりも少ない場合は、冷凍サイクル利用運転を行なう制御手段40と、を備えたことにより、給湯タンク内の湯切れを防止できるヒートポンプ給湯機が得られる。
【0079】
特に、実施の形態1〜実施の形態3で記載したように、第1の熱媒体が流通する第1流路22と、第1流路22に近接して設けられ、第2の熱媒体が流通する第2流路23と、第1流路22又は第2流路23に近接して設けられ、第3の熱媒体が流通する第3流路24と、熱伝導性を有し、第1流路22、第2流路23、及び第3流路24を包囲して一体化する熱伝導性樹脂25と、を備え、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第2流路23を流れる第2の熱媒体とを熱交換可能とし、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とし、さらに第2流路23を流れる第2の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とすることを特徴とする熱交換器2を備えることで、冷凍サイクル100を循環する冷媒と給湯水回路12を循環する給湯水とで熱交換する他に、冷凍サイクル100を循環する冷媒と追焚き回路15を循環する浴槽水との熱交換、及び給湯水回路12を循環する給湯水と追焚き回路15を循環する浴槽水の熱交換が可能となり、第1浴槽追焚き運転と第2浴槽追焚き運転のように多様な運転方法を有するヒートポンプ給湯機を実現した。さらにここで説明したような制御を行うことで、ヒートポンプ給湯機として使用者の要求を満足できると共に、使用エネルギーを低減できる装置を実現できる。
【0080】
実施の形態5.
図15は、本発明の実施の形態5によるヒートポンプ給湯機を示す回路構成図である。本実施の形態では、実施の形態1〜実施の形態3に記載のいずれかの熱交換器2、2a、2bを用いたヒートポンプ給湯機であって、実施の形態4とは別の運転制御方法について説明する。なお、本実施の形態において、特に記述しない部分については実施の形態1〜実施の形態3と同様とし、同一符号は同一、又は相当の部分を示す。
【0081】
図15において、例えば制御装置40内に時刻検知手段32を有する。制御装置40では、浴槽追焚き運転を行う時刻に応じて第1浴槽追焚き運転を行うか第2浴槽追焚き運転を行うかを選択する。本実施の形態における浴槽追焚き運転の制御フローチャートの一例を図16に示す。近年、電力料金は時刻によって異なる料金が設定されている。この電力料金体系を考慮し、できるだけ低い電力料金となるように浴槽追焚き運転を行う制御を示す。
【0082】
図16に基いて、浴槽追焚き運転の制御工程について説明する。
使用者やシステムからの指示により浴槽追焚き指令を受けると(ST1)、制御装置40に内蔵された時刻検知手段32により浴槽追焚き指令時刻Tを検知する(ST9)。
【0083】
この浴槽追焚き指令時刻Tが、時間帯別料金制度等のヒートポンプ給湯機に適用される電力料金体系で決められた電力料金の安価な時間帯、ここでは深夜電力時間帯であるかどうか判断する(ST10)。ST10の判断で、検知した浴槽追焚き指令時刻Tが深夜電力時間帯である場合には、冷媒を熱源とする第1の浴槽追焚き方式を選択する(ST5)。そして、冷凍サイクル100を構成する圧縮機1、膨張弁3、送風機5及び追焚きポンプ14に運転指令を出して、浴槽追焚き運転を開始する(ST6)。
【0084】
ST10の判断で、深夜電力時間帯以外の場合には、給湯タンク10内の温水を熱源とする第2の浴槽追焚き方式を選定する(ST7)。そして、給湯ポンプ11及び追焚きポンプ14に運転指令を出して、浴槽追焚き運転を開始する(ST8)。
【0085】
冷凍サイクル100の運転に必要な電力量と給湯水回路12の運転に必要な電力量を比較すると、圧縮機1と送風機5を運転する冷凍サイクル100の方がより多くの電力量が必要である。このため、電力料金が安い深夜電力時間帯においては、冷凍サイクルを熱源として第1浴槽追焚き運転を実施し、電力料金が高い深夜電力時間帯以外の時間帯においては、電力料金が安い深夜電力時間帯に沸き上げられた給湯タンク10内の高温水を熱源として第2浴槽追焚き運転を実施する。このように制御することによって、安い運転コストで追焚き運転を実現することができる。
このような給湯システムでは、夜のうちに翌日に使用する分の温水を給水タンク10に貯溜しなければならない。このため、夜には給湯タンク10内の給湯水を使わずに冷凍サイクル100を動作させて浴槽追焚き運転を行うことで、給湯タンク10内の温水を翌日の使用のために貯溜しておくことができる。このように運転することで、翌日に安定して給湯水を供給できる。
【0086】
また、図17に示すように、実施の形態4と図16を組み合わせて制御してもよい。このヒートポンプ給湯機では、給湯タンク10内の残湯量を検知する残湯量検知手段としてサーミスタ31と浴槽追焚き運転が要求された時刻を検知する時刻検知手段32の両方が必要である。図17のST4で、給湯タンク10内の残湯量Qtankが設定残湯量よりも少ない場合には、冷凍サイクル100を運転して、第1浴槽追焚き運転を行う。
【0087】
ST4の判断で、給湯タンク10内の残湯量Qtankが設定残湯量よりも多い場合には、浴槽追焚き指令時刻Tが電力料金の安い深夜電力時間帯であるかどうかを判断する(ST10)。ここで、浴槽追焚き指令時刻Tが深夜電力時間帯である場合には冷凍サイクル100による第1浴槽追焚き運転(ST5、ST6)を行い、浴槽追焚き指令時刻Tが深夜電力時間帯でない場合には給湯タンク10の温水による第2浴槽追焚き運転(ST7、ST8)を行う。
【0088】
この制御工程では、まず、給湯タンク10内の残湯量を判断し、残湯量が少ない場合には給湯タンク10内の温水を使用しないので、給湯タンク10内の湯切れを防止できる。さらに、電力料金を考慮して浴槽追焚き運転を行うので、安い運転コストで追焚き運転を実現できる。
【0089】
なお、本実施の形態では、時間帯別料金制度等のヒートポンプ給湯機に適用される電力料金体系で、深夜電力時間帯が電力料金の安価な時間帯としている。そして、図16、図17のST10では、検知した浴槽追焚き指令時刻Tが深夜電力時間帯であるかどうか判断し、第1、第2浴槽追焚き方式のいずれかを選択している。ここで、電力料金体系が変更され、他の時間帯の方が深夜電力時間帯よりも電力料金が安価になった場合、その料金体系で設定された安価な時間帯であるかどうかを判断し、安価な時間帯の場合には、冷凍サイクル利用運転を行うように制御すればよい。
【0090】
本実施の形態では以上のように、例えば追焚き回路などの温熱利用回路15で必要となる熱源を給湯タンク10内の温水とする温水利用運転と、温熱利用回路15で必要となる熱源を冷凍サイクル100による冷凍サイクル利用運転と、を有することにより、必要に応じて温熱利用回路15で温熱が得られ、かつ給湯タンク10の給湯水を利用した場合には省エネルギーで運転できるヒートポンプ給湯機が得られる。
【0091】
また、時刻を検知する時刻検知手段32と、時刻検知手段32によって検知した時刻が電力料金の安価な時間帯の場合は、温熱利用回路15で必要となる熱源を冷凍サイクル100による冷凍サイクル利用運転を行う制御手段40と、を備えたことにより、安い料金の電力を有効に利用し、運転コストを低減できるヒートポンプ給湯機が得られる。
【0092】
さらに加えて、給湯タンク10の残湯量を検知する残湯量検知手段31と、残湯量検知手段31によって検知した給湯タンク10の残湯量が予め設定した残湯量よりも少ない場合は、冷凍サイクル利用運転を行なう制御手段40と、を備えたことにより、給湯タンク内の湯切れを防止でき、運転コストを低減できるヒートポンプ給湯機が得られる。
【0093】
特に、実施の形態4と同様、実施の形態1〜実施の形態3で記載したように、第1の熱媒体が流通する第1流路22と、第1流路22に近接して設けられ、第2の熱媒体が流通する第2流路23と、第1流路22又は第2流路23に近接して設けられ、第3の熱媒体が流通する第3流路24と、熱伝導性を有し、第1流路22、第2流路23、及び第3流路24を包囲して一体化する熱伝導性樹脂25と、を備え、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第2流路23を流れる第2の熱媒体とを熱交換可能とし、第1流路22を流れる第1の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とし、さらに第2流路23を流れる第2の熱媒体と第3流路24を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とすることを特徴とする熱交換器2を備えることで、冷凍サイクル100を循環する冷媒と給湯水回路12を循環する給湯水とで熱交換する他に、冷凍サイクル100を循環する冷媒と追焚き回路15を循環する浴槽水との熱交換、及び給湯水回路12を循環する給湯水と追焚き回路15を循環する浴槽水の熱交換が可能となり、第1浴槽追焚き運転と第2浴槽追焚き運転のように多様な運転方法を有するヒートポンプ給湯機を実現した。さらにここで説明したような制御を行うことで、ヒートポンプ給湯機として使用者の要求を満足できると共に、使用エネルギーを低減できる装置を実現できる。
【0094】
なお、実施の形態1〜実施の形態5のそれぞれにおいて、温熱利用回路として追焚き回路を有する浴槽追焚き運転について説明したが、床暖房パネルで温熱を利用する温熱利用回路を構成してもよい。追焚き回路の浴槽13を床暖房パネルに置き換えれば、床暖房運転についても同様の効果が得られる。また、床暖房パネルに限らず、室内を暖房する暖房パネルで温熱を利用する温熱利用回路を接続してもよい。さらにこのような暖房パネルの場合には、熱媒体としてブラインなどの不凍液を循環させてもよい。
【0095】
また、2つ以上の温熱利用回路を有する構成としてもよい。2つ以上の温熱利用回路を設ける場合、実施の形態1〜実施の形態3のいずれかの熱交換器と同様の構成とし、4以上の熱媒体が流通する4以上の流路を設け、それらを包囲するように熱伝導性樹脂25を設ければ、動作の状況に応じて任意の2つの熱媒体間で熱交換を行うことができる。
【0096】
また、熱交換器内に流通して熱交換する2つの熱媒体において、温度変化が並行になるように流入及び流出方向を構成すると、熱交換器内の各部分で効率よく熱交換が行われる。例えば、図1において、冷凍サイクル100と追焚き回路15を運転する場合には、冷凍サイクル100は図に向かって上から下へ流通させ、追焚き回路15は下から上へ流通させるとよい。また、図1において、給湯水回路12と追焚き回路15を運転する場合には、給湯水回路12は上から下へ流通させ、追焚き回路15は下から上へ流通させるとよい。また、給湯水回路12と冷凍サイクル100を運転する場合には、同様に温度変化を考慮し、給湯ポンプ11を逆回転させるなどして、逆方向から流入させるほうがよい。
【0097】
また、実施の形態1〜実施の形態5において、冷凍サイクル100を循環する冷媒としては、オゾン破壊係数が0であるR410Aのほかに、HFC系冷媒では例えばR407C、R404A、R507Aなどがある。また、地球温暖化防止の観点から、地球温暖化係数の小さなHFC系冷媒であるR32単独、R152a単独、またR32/R132aなどの混合冷媒であってもよい。また、自然冷媒では、プロパン、ブタン、イソブタンなどの炭化水素、アンモニア、二酸化炭素などであってもよい。
特に二酸化炭素や炭化水素を用いると、地球環境保全効果がある。ヒートポンプ給湯機としては、熱交換器2で冷媒と熱交換する熱媒体の入口温度が高いときには、HFC冷媒及びHC冷媒が二酸化炭素の場合よりも熱交換効率がよい。他方、熱交換器2に流入するときの入口温度が低いときには、二酸化炭素がHFC冷媒及びHC冷媒よりも熱交換効率がよい。例えば、追焚き運転では温度が38℃程度の浴槽水が循環するので、水道水に比べて入口温度が高くなり、HFC冷媒及びHC冷媒を用いると熱交換効率の良好な追焚き運転ができる。他方、給湯タンク沸き上げ運転では、10℃程度の水道水が熱交換器2に流入するので、入口温度が低く、二酸化炭素を冷媒として用いると熱交換効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態1によるヒートポンプ給湯機を示す回路構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1の一例を示すヒートポンプ給湯機の構造を分解して示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る熱交換器を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る熱交換器の断面を詳細に示す図であり、図3のP−P線における縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る別の構成例の熱交換器を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るさらに別の構成例の熱交換器を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る熱交換器を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る熱交換器の断面を詳細に示す図であり、図7のQ−Q線における縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る熱交換器を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る熱交換器の断面を詳細に示す図であり、図9のR−R線における縦断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る別の熱交換器を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るさらに別の熱交換器を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態4によるヒートポンプ給湯機を示す回路構成図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係る追焚き運転を示す制御フローチャートの一例である。
【図15】本発明の実施の形態5によるヒートポンプ給湯機を示す回路構成図である。
【図16】本発明の実施の形態5に係る追焚き運転を示す制御フローチャートの一例である。
【図17】本発明の実施の形態5に係る追焚き運転を示す制御フローチャートの他の例である。
【符号の説明】
【0099】
1 圧縮機
2、2a、2b 熱交換器
3 膨張弁
4 蒸発器
10 給湯タンク
11 給湯ポンプ
12 給湯水回路
13 浴槽
14 追焚きポンプ
15 追焚き回路
21 扁平伝熱管
22 第1流路
23、23a、23b 第2流路
24、24a、24b 第3流路
25 熱伝導性樹脂
31 サーミスタ
32 時刻検知手段
40 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の熱媒体が流通する第1流路と、前記第1流路に近接して設けられ、第2の熱媒体が流通する第2流路と、前記第1流路又は前記第2流路に近接して設けられ、第3の熱媒体が流通する第3流路と、熱伝導性を有し、前記第1流路及び前記第2流路及び前記第3流路を包囲して一体化する熱伝導性樹脂と、を備え、前記第1流路を流れる第1の熱媒体と前記第2流路を流れる第2の熱媒体とを熱交換可能とし、前記第1流路を流れる第1の熱媒体と前記第3流路を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とし、さらに前記第2流路を流れる第2の熱媒体と前記第3流路を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とすることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
互いに略並行に流れる第1流路、第2流路、及び第3流路であって、第1の熱媒体が流通する前記第1流路と、前記第1流路の流れ方向に対して略垂直な方向に近接して設けられ、第2の熱媒体が流通する前記第2流路と、前記第1流路に対し前記第2流路と略反対側に近接して設けられ、第3の熱媒体が流通する前記第3流路と、熱伝導性を有し、前記第1流路及び前記第2流路及び前記第3流路を包囲して一体化する熱伝導性樹脂と、を備え、前記第1流路を流れる第1の熱媒体と前記第2流路を流れる第2の熱媒体とを熱交換可能とし、前記第1流路を流れる第1の熱媒体と前記第3流路を流れる第3の熱媒体とを熱交換可能とし、さらに前記第2流路を流れる第2の熱媒体と前記第3流路を流れる第3の熱媒体とを前記熱伝導性樹脂を介して熱交換可能とすることを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
前記第1流路及び前記第2流路及び前記第3流路のうちの少なくとも1つの流路は、1つ又は複数の伝熱管で構成し、前記伝熱管の流路に垂直な断面形状は、矩形状又は円形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1流路を流通する第1の熱媒体を冷媒とし、前記第1流路は、並設する複数の流路を一体とし外形が扁平である扁平伝熱管であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第2流路を、前記扁平伝熱管の向かい合う扁平な面の一方側に近接して設け、前記第3流路を、前記扁平伝熱管の向かい合う扁平な面の他方側に近接して設けることを特徴とする請求項4記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第2流路と前記第3流路のそれぞれを複数の伝熱管で構成し、前記第2流路を構成する伝熱管と前記第3流路を構成する伝熱管を、前記扁平伝熱管の向かい合う扁平な面の両側に混在するように設けることを特徴とする請求項4記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第2流路及び前記第3流路のうちの少なくとも一方の流路は、銅又はステンレスで構成することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記熱伝導性樹脂は、樹脂と金属粉の混合物又は樹脂と炭素の混合物であり、熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項9】
圧縮機、放熱器として動作する熱交換器、膨張弁、及び蒸発器を環状に接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルと、給湯タンク、前記熱交換器、及び給湯ポンプを環状に接続して水を循環させる給湯水回路と、前記熱交換器及び循環ポンプを環状に接続して熱媒体を循環させる温熱利用回路と、を備え、前記熱交換器は前記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の熱交換器であり、前記熱交換器の前記第1流路に前記冷凍サイクルの前記圧縮機を吐出した高温の冷媒を流通させ、前記第2流路及び前記第3流路のいずれか一方の流路に前記給湯水回路を循環する水を流通させ、他方の流路に前記温熱利用回路を循環する熱媒体を流通させることを特徴とするヒートポンプ給湯機。
【請求項10】
前記温熱利用回路は、浴槽を接続し前記熱媒体として浴槽水を循環させ、前記熱交換器で前記冷凍サイクルを循環する冷媒又は前記給湯水回路を循環する温水と熱交換して、前記浴槽水の温度を高める追焚き回路であることを特徴とする請求項9記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項11】
前記温熱利用回路で必要となる熱源を前記給湯タンク内の温水とする温水利用運転と、前記温熱利用回路で必要となる熱源を前記冷凍サイクルの冷媒とする冷凍サイクル利用運転と、を有することを特徴とする請求項9又は請求項10記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項12】
前記給湯タンクの残湯量を検知する残湯量検知手段と、前記残湯量検知手段によって検知した前記給湯タンクの残湯量が予め設定した残湯量よりも少ない場合は、前記冷凍サイクル利用運転を行なう制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項11記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項13】
時刻を検知する時刻検知手段と、前記時刻検知手段によって検知した時刻が電力料金の安価な時間帯の場合は、前記冷凍サイクル利用運転を行なう制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項11又は請求項12記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項14】
前記冷凍サイクルを循環する冷媒は、二酸化炭素又は炭化水素又はHFC冷媒であることを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−174753(P2009−174753A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12564(P2008−12564)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】