説明

熱伝達方法及び装置

固体物と材料層との間の熱伝達方法であって、a)熱伝達媒体流(4)のためにある間隙(R)で、受熱表面から距離を置いて放熱表面を配置するステップと、b)その相対移動を行うことによって前記表面間の速度差を作り出すステップと、c)前記速度差により、これらの表面の速度(V及び/又はV)と比べて間隙(R)内の流れ(4)の速度(V)を高めるステップと、d)間隙(R)内で乱流(4)を維持し、この流れ(4)によって熱伝達を行うステップを含む方法。装置では、固体物(H)の受熱表面が、放熱材料層(F)と比べて、ハウジング(3)内に相対移動可能に配置された構造部、例えば回転子(2)上に形成されている。また、熱除去ユニット及び/又は加熱ユニットを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方では固体物と、もう一方では固体及び/又は流体材料、所与の場合では気体粒子を含む材料層との間の熱伝達方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
提案した熱伝達システムは、例えば、ストリップ状製品、例えば箔、特に熱可塑性塗料層から押し出し加工した膨張包装箔ホースなどの異なる材料層を冷却又は乾燥させるため、又は電子ユニット、例えばプロセッサなどの本体を冷却させるために幅広く実際に使用することができる。
【0003】
従来のプラスチック箔製造中は、押出金型から出る溶融箔の温度は普通、約150℃から180℃までの間であり、したがって非安定化箔は、第1の冷却ステップでは固くするように約80℃から100℃まで、その後、第2の冷却ステップでは縮みを防ぎ、箔層が互いにくっつくのを防ぐために約20℃から25℃の保存温度まで比較的急速に冷却しなければならず、これは箔がめくれ上がる前に行われることが知られている。押出金型からちょうど出たばかりの箔の溶融プラスチック材料は固くなり始め、安定化ステップの終わりに、ほぼ固くなり、その肉厚は一定であり、これは冷却の均一性及び強度が製品品質において重要な役割を果たすからである。しかし、より高い箔速度では、このような箔冷却が比較的より短い時間で可能である。これは、現在箔冷却は箔製造技術全体の最も重要な段階であるということを意味する。
【0004】
同出願人のハンガリー国特許第P−0301174号明細書は、特殊な箔冷却技術であって、箔ホースは押出金型の引出開口部から連続して出て、空気によって所定の寸法まで膨張された直後に、加圧冷媒、主に引出開口部の領域に供給された空気を箔ホースの内部及び/又は外部スカートに沿って推進させることによって所定の温度まで冷却される。冷媒は、箔ホースを内部及び/又は外部で冷却するために、箔ホースに対して接線方向に引出開口部の領域内に供給される。冷媒は、箔ホースの内部及び/又は外部表面に沿って冷媒に影響を与える遠心力によって、また冷媒流の様々な部分の間の濃度及び圧力差によって、接線入口から出口まで螺旋状冷媒流として推進される。箔ホースのスカート表面から径方向の距離に位置決めされた管状スカート又はマントルによって区切られた接線入口を備えた内部及び/又は外部リング経路が適用される。この技術を使用することによって、熱伝達効率は、従来の解決法と比較して、特定の速度の冷媒流まで高めることができる。
【0005】
米国特許第6,068,462号は、内部及び外部冷却ユニットを備えた、膨張箔ホースの連続製造のための装置を開示している。外部冷却ユニットは、冷媒流を上向きに、すなわち箔移動方向に案内する、その内周に沿って冷媒用の2つの経路及び径方向出口を備えた押出ノズルの引出開口部に隣接して配置された冷却ディスクを備えている。その底部では、外部冷却ディスクは冷媒用の2つの径方向入口を有する。冷却空気が経路の一方で少なくなると、同時に、冷媒の量がもう一方の経路内で多くなる。というのは、所与の量の空気が2つの流れ内で常に分配されているからである。その結果、経路内の空気量の比率は一緒にのみ調整することができるが、これにより流れ制御のより効果的な制御が妨げられる。
【0006】
上記システムの別の問題は、外部冷却装置が、箔速度が比較的遅い前記冷却経路を通して膨張箔ホースの第1の非安定化円錐部を囲む冷却漏斗の最小直径を有する一部として底部のみで冷却間隙内に冷媒を噴出させ、その直径も比較的小さいことにある。箔ホースが上向きに移動すると、円錐形漏斗とほぼ平行に延び、したがってその直径は連続して大きくなるが、その肉厚はより小さくなり、その進行速度は高まる。これにより、箔ホースと円錐形漏斗の間の環状冷却間隙の流断面は膨張箔ホースの大きな直径だけ大きくなり、下からの径方向に流入する空気流は非常にゆっくりになり、この空気流が急速に暖まると、結果として冷却効率は極めて悪くなるという次の問題が引き起こされる。これは、残念なことに、箔ホースと円錐形漏斗の間の冷却間隙の寸法が冷媒の不足により少なくなり、したがって箔厚さの局所的増加を考慮に入れるべきであり、それによって製品品質が悪くなるという事実にも関わらず起こる。
【0007】
本発明者らの経験によると、上記装置を使用した場合、箔は非常に「不安定」であるが、実際は膨張箔ホースを「延ばす」ことを意図した、箔と円錐形漏斗の間で高速で流れる冷却空気である。その結果、箔は取り除くべきものをより高速で「揺動」させている。それによって、従来の冷却装置では、最大適用可能箔速度が約120m/分であり、これはさらなる大きな生産性への主な障害である。
【0008】
印刷される押し出し加工された箔は、巻き上げる前に最初に箔をその断面全体で環境温度まで冷却してなければならないように焼き戻さなければならず、その後、次の印刷操作を塗料の流体層を乾燥させることによって行わなければならないということが知られている。多くの場合、知られている乾燥経路はこの乾燥ステップに適用される。
【0009】
しかし、知られている乾燥経路の欠点としては一方、この空気の少ない部分のみが実際に必要とされる印刷箔表面に正確に到達する大容量流速の高温空気によって、印刷された箔の表面の塗料層が乾燥されるときの、高過ぎるエネルギー需要が挙げられる。しかし、熱可塑性担体箔の軟化温度が乾燥空気の温度、したがって乾燥の強度を制限する。
【0010】
一方、箔の印刷表面は完全な乾燥の前に乾燥経路のあらゆるガイド・ロータと接触しなくてもよく、したがって箔は不確実な方法で乾燥経路内に案内され、トラック速度及び乾燥強度が制限される。さらに、そこから溶媒を凝縮させるために大量の熱い空気を乾燥操作の後に冷却しなければならず、それによってさらなる出費が必要となる。加えて、印刷及び乾燥させた箔は、貯蔵のために巻き上げる前に、余分な冷却ステップで環境温度まで再び冷却しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の全体の目的は、一方では固体物と、もう一方では従来技術の何れかより迅速に、より効率的に、またより均一に熱伝達を行うことができる材料層との間の熱伝達のための改良型及び広く応用可能なシステムを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、特にバンド型の製品、例えばプラスチック箔を比較的より迅速に、より均一に、またより効率的に焼き戻すことを可能にする、すなわち冷却又は乾燥させることを可能にし、したがって改善した熱伝達条件により改善した製品品質を保証することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のこれら及び他の目的は、添付の特許請求の範囲の独立請求項で開示したような方法及び装置によって達成される。さらなる有利な特徴及び実施例が、特許請求の範囲の従属請求項において記載されている。
【0014】
したがって本発明によると、固体物(又は、材料層)の受熱表面と材料層(又は、固体物)の放熱表面との間の熱伝達のために熱伝達媒体流を使用することによって、固体物と、固体及び/又は液体/流体材料、並びに所与の場合では気体粒子を含む材料層との間の熱伝達のための方法が提供される。受熱表面及び放熱表面は互いに距離を置いて配置されている。この方法の要素は、a)熱伝達媒体流のためにその間に所定の間隙を提供するように、受熱表面から距離を置いて放熱表面を配置するステップと、b)受熱表面及び/又は放熱表面の相対移動を行うことによって、受熱表面と放熱表面の間の所定の速度差を作り出すステップと、c)前記速度差を使用することによって、受熱及び/又は放熱表面の速度と比べて、間隙内の熱伝達媒体流の速度を所定の方法で高めるステップと、d)間隙内の熱伝達媒体流の乱流特性を維持するステップと、e)少なくとも主に乱流熱伝達媒体流によって受熱表面と放熱表面の間で熱伝達を行うステップにある。
【0015】
提案した熱伝達技術は、最初に想定したのよりはるかに幅広い範囲で実際に適用することができることも認識されてきた。この熱伝達方法は、例えば、押出加工したバンド型製品、特にプラスチック箔の焼き戻し(例えば、冷却又は乾燥)のために適用することができる。ここで、製品、例えば押出金型の引出開口を通って出る箔は、その冷却/安定化部分に沿って少なくとも1つの媒体流によって冷却されるものであり、この目的で、媒体流は製品壁面と画定マントルの間の間隙内で推進される。間隙によって製品から離された画定マントルは、冷却媒体流と比べて前に特定した速度の相対的動作内に設定される。それによって、媒体流の速度は一方では前に特定した程度まで高まり、箔の焼き戻しはもう一方では高速乱流媒体流を通した画定マントルへの熱伝達によって少なくとも大きく実現され、第3に、間隙の寸法は比較的小さくなるように調節される。
【0016】
回転子の画定マントルの周速度の値は、熱伝達媒体流の倍数、好ましくは速度の少なくとも5倍になるように選択されることが好ましい。
【0017】
もう一方では、環状間隙の寸法は単に間隙内の乱流熱伝達媒体流の速度を選択することによって設定することができる。同時に、膨張箔ホースの最終直径は乱流熱伝達媒体流によってキャリブレーションすることができる。熱可塑性箔ホースを焼き戻すために乱流熱伝達媒体流を受ける間隙の寸法は、最大1.0mmの値に設定されることが好ましい。
【0018】
本発明によると、熱伝達媒体流の材料として、少なくとも1つの気体媒体、主に空気、又は少なくとも1つの流体、例えば水、又は流れることが可能なあらゆる他の材料、例えば砂、又はそのあらゆる混合物又は組合せを使用することができる。
【0019】
さらに、本発明の方法はまた、塗布した箔トラックを乾燥させるために、又は例えば、過熱されないように保護された構造ユニット、例えば電子プロセッサを冷却するために、又はあらゆる他の熱伝達媒体で行われるあらゆる熱伝達作業に適用することができる。
【0020】
本発明による装置は、熱伝達媒体流と接触する受熱又は放熱表面を備えており、例えば、画定マントル装置の固体物/構造ユニット上に、好ましくはその回転子上に、又は好ましくは回転可能な方法でハウジング内での相対変位を可能にするように埋め込まれたその回転させたディスク又はシリンダ上に成形又は配置されており、動作ドライブ、好ましくは制御可能なr.p.m.を有する回転ドライブに連結されている。画定マントルは、回転子及び/又は機器からのハウジング、からの熱伝達ステップによって取り入れられた画定マントルの熱含量の除去のための手段、及び/又は画定マントルに必要な焼き戻し熱を保証するための加熱手段を備えている。
【0021】
本発明による方法はまた、押出成形機の引出開口の近くに配置され、冷却媒体流を製品上に案内するためのユニットを有する箔冷却装置によって実現することができる。媒体流を案内する間隙を画定するための画定マントルを備えている。画定マントルは、装置のハウジング内に回転可能に埋め込まれた回転子上に配置されており、制御可能なr.p.m.の回転ドライブを備えていることが好ましい。さらに、装置からの回転子及び/又はハウジングを通した熱伝達によって運ばれる製品の熱及び/又は熱含量を除去するためのユニットを有する。
【0022】
回転子はリング状設計を有し、その内部マントル表面は、制御可能な圧縮空気源に連結された少なくとも1つのノズルと共に動作し、それによって回転子用の簡単な空気圧回転ドライブを形成するブレード状リブ又は溝を備えていることが好ましい。
【0023】
行われたプラスチック包装箔製造実験中に得られた本発明者らの経験に基づき、押出成形機からちょうど出たプラスチック溶融物を冷却することは、製造技術のあらゆる他の前の段階と少なくとも同じ程度に最終製品品質に影響を与えることが明らかに実証された。したがって、一方では本発明者らの第1の技術開発は箔冷却に集中され、それによって押出成形機ヘッド内で得られた結果は最終製品内で完全に保存することができた、すなわち冷却システムは箔製品品質を悪化させずに、さらに良くするべきである。これに対する基本的要因としては、冷却システムの均質性及び適切な強度が挙げられる。
【0024】
内部箔ホース冷却方法は、当技術分野の前の技術と比べて(本発明者らの特許明細書で前に引用したように)かなり改良されるように管理された。しかし、装置の本発明者らの試作品で行った最新の実験ではまた、以下に詳細に説明するさらなる認識を得た。
【0025】
本発明者らの認識の1つは、冷媒流が箔の近くで接線ノズルによって発生され、圧縮冷媒、例えば空気によって供給された場合、冷却される膨張箔ホースの安定性は特定の限界値上で冷却空気の質を上げることによって低くなり始めた。驚くべきことに、同様の現象が小さい圧力の圧縮空気を加えた場合に検出された。
【0026】
さらに、膨張箔ホース内で内部空間充填入口ユニット(内部円錐形及び/又は円筒形冷却装置)を適用し、それによって入口ユニットと箔の間に比較的より小さい断面のリング形流れ空間を作り出すことによって、媒体流はこのリング空間内、すなわち間隙内で前に決めたトラックに沿って移動する。したがって、リング空間内で空気流がよどむことなく、より薄い「境界空気層」が箔の表面上に作り出される。
【0027】
本発明者らはまた、(上記のような)箔ホースの安定性の損失は、よどんだ空気の質及び冷却媒体流の不確実な動作トラックまでたどることができることが分かった。本発明者らの前の内部箔冷却装置に関して、空気ノズルを内側に配置したが、箔ホースの内部空間の大きな寸法により、ノズルから流出する冷却空気は箔の中間表面から離れるように極めて直ぐ移動することができ、それによってより厚い境界空気層を箔の表面に沿って作り出すことができるという事実につながった。さらに、冷却空気のかなりの部分が内部空間で滞り、旋回された。
【0028】
これに対して、本発明によると、箔ホースの内部空間のかなりの部分が入口本体によって(例えば、円錐形漏斗及び関連する円筒形入口要素によって)充填されると、中に噴出される冷却空気は所定のトラックに沿って移動して、最小境界空気層を生成させ、滞った及び旋回空気流が発生する可能性はない。
【0029】
膨張箔ホース、例えば漏斗又は円錐の円筒形部の最初の部分に配置された円筒形入口構成部品に連結されたこのような追加の内部入口プロファイルを適用することによって、内部冷却の強度をかなり高めることができる。しかし、本発明者らの実験によると、箔ホースと入口円錐の間に形成された間隙の寸法は制御することができない。というのは、中に噴出させた空気が特定の速度で流れる場合、空気の除去を確実にするために適当な寸法の間隙が形成される。
【0030】
また、様々な空気流で比較的小さな寸法の一定の間隙を形成するために、箔ホースの入口円錐に続く円筒形部に沿って空気速度を制御可能に高めることが好都合であることが分かった。したがって、冷媒品質又は速度を変更する場合でさえも、一定の間隙寸法を形成することができる。したがって、膨張箔ホースの最終寸法は円筒形部の直径に従って驚くほど正確にキャリブレーションすることができる。
【0031】
したがって、前に記載した本発明者らの認識に基づき、実際にあらゆる強度の熱伝達(例えば、焼き戻し、主に冷却)を本発明により作り出すことができる。加えて、箔ホースは所定の直径まで安定して及び正確に膨張させられ、提案した冷却システムを「箔ホース内径」として同時に適用することができるということを意味する。
【0032】
環状間隙の寸法の適切な制御は驚くべきことに、本発明によると、冷却空気流の速度を急に上げることによって達成される。少量の冷却空気での冷却の場合、小さな間隙が自動的に形成されるが、空気の量を増やすことによって、間隙の寸法も大きくなる。しかし、冷却空気の速度が環状間隙内で上げられると、速度が上げられるので、間隙の寸法は必然的に小さくなり、所与の量の空気がより小さい間隙を通して逃げることができる。
【0033】
本発明者らのさらなる認識によると、熱伝達のための媒体流の速度は、境界空気層の制動効果を小さくすることによって、又はさらに制動を加速度に変換することによって上げることができる。例えば冷却空気流が熱伝達媒体として間隙内にある場合、いわゆる「境界空気層」は、空気層が実際に「立っている」場合に知られている方法で画定マントルに沿ってしっかり形成され、この境界空気層はこれに隣接して空気を流す層に制動効果を必然的に加える。もう一方では、本発明者らの認識によると、この境界空気層がまた動作に移された場合、上記制動効果も小さくなる、又はなくなる。さらに、媒体流はより大きな速度を適用することによって加速効果を有するようにすることもできる。
【0034】
熱伝達媒体、例えば空気の「境界層」が常に画定壁面の近くで停止しており、したがってその速度が壁面の速度と同一であるので、「境界層」は画定壁面と一緒に移動させることしかできないと考えられる。しかし、画定壁面が流れている空気と同一の速度で移動されると、境界層の制動効果は理論的には既に取り除かれている。画定壁面の速度が流れている空気の速度より大きい場合、周囲の空気層を境界層によってさらに加速させることができる。
【0035】
本発明者らの実験結果によると、熱伝達の強度は、熱伝達媒体流の速度を上げることによってかなり改善することができる。しかし、本発明者らの後者の認識を考慮すると、別の元の可能性が、例えば押出加工製品、特にプラスチック箔を冷却するために存在する。本発明によると、熱は箔から媒体流、例えば間隙内に移動する冷却空気流まで伝達され、空気から回転マントルまで伝達され、回転マントルから固定子まで伝達され、固定子から、例えば水又は空気によって環境へと取り除かれる。
【0036】
本発明者らの実験では、このようなシステムでは、中に噴出された空気流の量は冷却過程に実質的に影響を与えないことが示された。というのは、ここでの熱交換は熱運搬ではなく熱伝達によってほぼ完全に達成されるからである。したがって、熱伝達の強度は排出冷却空気の量によって、しかし実際は、箔ホースと回転する画定マントルの間の空気の速度状態、すなわちその間の相対速度差及び温度差によって基本的には影響を受けない。
【0037】
プラスチック箔ホースが所与の速度で引き出されると、箔によって構成された壁面の速度は影響されるはずがない。一方、内部又は外部円筒形マントルの壁面を、あらゆる任意の速度で移動させる、好ましくは回転させることができる。したがって、円筒形マントルの「r.p.m.」を変えることによって、マントル表面の周面速度、したがって間隙の寸法を正確に制御することができる。
【0038】
冷媒速度の径方向及び接線成分を大きくすることが可能であるように、本発明によると、小さな深さ及び幅の溝及びリブを軸に対してある角度で回転マントルの表面に形成することができる。したがって、回転マントル表面は理論的には「ファン・ホイール」として動作し、これはその下の空間を吸引し、間隙内に吸引された空気を加速させ、これをその上の空間まで前進させるということを意味する。
【0039】
回転子シャフトを埋め込むために、その空気がまたシステム内の二次冷却媒体として働くことができる空気/空気圧ラジアル軸受を適用することができる。しかし、あらゆる他の知られている軸受を使用することもできる。
【0040】
回転子は、例えば、圧縮空気の空気ノズル又は制約した回転ドライブ、又はその組合せによって回転させることができる。空気軸受はまた、回転子の軸方向軸受に使用することもできる。駆動摩擦ホイール自体を回転子の径方向支持体として使用することができる場合に、回転を例えば摩擦ドライブによって発生させることができる。回転子の回転摩擦ドライブは、回転子と摩擦駆動連結している1つ又は複数の摩擦ホイールを有することができる。
【0041】
装置のハウジングは、回転子の空気圧軸受に対して回転子に隣接しているその部分で入口チャンバを備えることができ、各入口チャンバは個別の制御部を有する独自の圧縮空気源に連結されるようになっている。
【0042】
「受熱表面」として、又は他の実施例では「放熱表面」として働く画定マントルは、回転子のマントル表面及び/又はヘッド表面に形成されていることが好ましい。
【0043】
本発明による熱伝達装置は、新しく印刷した箔のトラックに沿ってハウジング内に(回転子として)回転可能に配置された、少なくとも1つの焼き戻しシリンダを備えた、材料層、好ましくは印刷した熱可塑性箔用の改良型乾燥装置/経路として形成することができる。回転子/焼き戻しシリンダの画定マントルは、所定の間隙内に配置されて、材料層から、好ましくは箔の印刷側から熱伝達媒体流を受ける。箔のトラックに沿って、焼き戻しシリンダ/回転子は少なくとも1つのガイド・ローラによって先行されその後に続く。
【0044】
この装置は少なくとも2つの焼き戻しシリンダを備えており、それぞれ前記ガイド・ローラの2つに取り付けられていることが好ましい。焼き戻しシリンダの少なくとも1つは塗料乾燥装置として使用することができ、少なくとも1つの他の焼き戻しシリンダは箔再冷却装置として使用することができる。
【0045】
焼き戻される材料層、好ましくは箔の一方側は、前記回転子として設計された前記焼き戻しシリンダの少なくとも1つに取り付けられており、追加の好ましくは冷却可能及び/又は加熱可能焼き戻しユニットが材料層の反対側に設けられており、これはまた箔Fから間隙に対応する所定の間隔で配置されて、別の熱伝達媒体流を受ける。
【0046】
本発明の好ましい一実施例では、回転子、焼き戻しシリンダ、及び/又はガイド・ローラの少なくとも1つは、樽状に設計された、又はその直径が外側に向かって小さくなる2つの対称な円錐台を備えたマントル表面を有する。
【0047】
特定の応用例の場合、画定マントルは材料層、例えば熱伝達に関連する箔ホースと比べて回転に加えて、直線交互又は湾曲交互動作、楕円動作、揺れ動作など、又はその何れかの組合せなどの他のタイプの相対動作を行うことができることに留意されたい。
【0048】
本発明の上記原則及び特性に基づき、以下の2つのシステムが例として確立された。第1のシステムに関して、乱流冷却媒体流の軸方向及び接線速度成分は両方とも大きくなるが、第2の実施例では、接線成分のみが大きくなる。したがって、第1の場合では、箔の熱は冷却空気流によって大部分取り除かれるが、第2の場合では、熱は冷却空気流を使用することによって、箔ホース内に置かれた内部装置を通した熱伝達によって取り除かれる。
【0049】
本発明は、本発明による解決法のいくつかの実施例を示す添付の図面に基づきより詳細に開示されている。
【実施例】
【0050】
疑いを避けるため、熱伝達による「焼き戻し」の用語は、明細書及び特許請求の範囲の両方で可能な最も広い意味で使用することに留意するものとし、したがっていくつかの例では冷却するものとして、他の例では同じ熱で保持する又は加熱するものとして解釈すべきである。
【0051】
図1の部分A)は、熱伝達の従来の技術を示すために押出成形箔冷却の速度関係を示しており、熱伝達の参与物の1つはプラスチック材料層、冷却される箔ホースF自体(「放熱表面」である)であり、例えば150m/分の箔速度Vで移動される(引き出される)。箔ホースFから2〜5mmの間隔又は間隙Rに配置された画定マントルH(これは熱伝達に関連する固体物の「受熱表面」である)は固定して配置され、そのマントル速度Vがゼロであることを意味している。間隙Rの断面では、様々な寸法の矢印は熱伝達媒体流として働く冷却空気の速度Vを示し、その中間/平均値はこの場合は170m/分である。
【0052】
本発明者らの実験の結果、この従来の熱伝達方法を使用することによって、箔ホースFの肉厚は7μmであったが、製品内のいくつかの場所で厚さの不均衡性があった。
【0053】
図1の部分B)は既に、本発明による熱伝達を示している。ここで、固体物としての画定マントルHの受熱表面が固定されていないが、冷却空気の「境界層」の制動効果を少なくする又はなくすために、熱伝達のための媒体流の速度Vのベクトルを横断する方向に回転されているという事実において実質的な差がある。この場合、区画マントルHの周速度Vは160m/分になるように選択される(この速度ベクトルは、図示及び比較の目的で表面内に回転される)。箔速度Vの値は、ここでも150m/分になるように選択され、冷却媒体流の速度Vの平均値は170m/分になるように選択される。
【0054】
本発明者らの実験の結果によると、これらの数値でさえかなり積極的な変化が起こり、実際、間隙Rの寸法は小さくなり、2mmの値で安定化され、箔ホースFはここでも7μmの厚さであったが、その品質は従来の解決法よりもはるかに均一であった。
【0055】
図1の部分C)は、本発明による熱伝達システムのさらに好ましい変化を示しており、部分B)と比べた唯一の差は、ここでは画定マントルHの受熱表面の周速度Vは1500m/分であるように選択されることである(この速度ベクトルはまた、表面内に回転される)。
【0056】
このようなかなりの程度まで画定マントルHの速度Vを高めることによって、結果として、驚くべきことに、媒体流の速度Vの平均値が元の170m/分から約700m/分まで突然高まり、これは熱伝達のための乱流媒体流がかなり加速されるということである。その結果、動作中、間隙Rの安定寸法は約0.5mmまでさらに小さくなる。箔ホースFの肉厚は7μmであったが、完全に平らであった(すなわち、一定である)。
【0057】
箔ホースFが押出加工後の冷却中に所与の速度Vで引き出されると、箔ホースFの速度Vが影響を受けるはずはない。一方、境界空気層の制動効果をなくし、空気流を効果的に加速させ、乱流状態に保持するために、画定マントルHの受熱表面を本発明による任意の周速度Vで移動させる、この場合回転させることができる。本発明者らの実験では明らかに、画定マントルHの速度Vを円筒形画定マントルHのr.p.m.を変更することによって調節することができ、それによって驚くべきことに、間隙Rの寸法を正確に調節することができることが示されている。
【0058】
媒体流の速度Vの軸方向及び接線ベクトル成分の両方を大きくすることができるように、例えば小さな深さ及び幅の溝及び窪みが相対回転する画定マントルHの表面に形成され、画定マントルHを含む回転子の回転軸に対してある角度であることが好ましい(これらは、図4に関して以下に説明する)。したがって、回転する画定マントルH及び回転子は理論的には「ファン・ホイール」として動作し、これはその下の環状空間、すなわち間隙Rを吸引し、間隙R内に吸引された空気を加速させ、これをその上の空間まで前進させるということを意味する。
【0059】
図2は、押出加工された膨張包装箔ホースFを冷却するように設計された、熱伝達用、この場合、箔焼き戻し用装置1の第1の実施例の概略を示している。この装置1は、知られているように熱可塑性合成材料から箔ホースFを成形するように、引出開口と同心で、知られている押出ヘッド(別には図示せず)に取り付けられている。箔ホースF及び装置1の共通の理論中線(軸)は、「O」で示されている。
【0060】
図2は、本発明による内側箔冷却装置1のディスク状回転子2が同心に配置され、回転子2が回転可能な方法で装置1の円筒形ハウジング3内に埋め込まれている、膨張箔ホースFの冷却及び安定化部の円筒部の最初の部分の概略を示しているだけである。ハウジング3は箔ホースFの内側空間内に固定されている(固定の方法は別には図示しない)。
【0061】
本発明によると、熱伝達媒体流4、この場合冷却空気流の速度Vは、円筒形画定マントルHの周速度V及び回転子2のr.p.m.を変更することによって本発明により調節することができ、同時に従って、安定化した間隙Rの寸法も調節することができる。
【0062】
図2に示すように、回転子2の外部画定マントルH(この場合、熱伝達中の固体物の「受熱表面」である)は、箔ホースFの内壁表面(材料層の「放熱表面」である)から、所定の間隙Rに対応する径方向間隔に配置され、動作中のこの間隔、すなわち間隙Rは図1の部分C)の説明に記載するように安定して0.5mmである。間隙Rは、矢印によって示すように螺旋状上向きに前進する乱流媒体流4用の膨張箔ホースFの内側表面に沿って円形環状空間を形成する。
【0063】
図2による配置では、空気(空気圧)軸受は、ハウジング3内に回転子2を埋め込むために適用されている。すなわち、これは回転子2はハウジング3内に配置されて、僅かな軸方向変位を可能にし、このようにして作られた多数のスロットYはハウジング3内に成形された多数の噴出又は入口チャンバ5を通して熱伝達媒体源6(例えば、圧縮機又は加圧空気タンク)に連結されている。
【0064】
したがって、スロットYへの噴出チャンバ5から押し込まれた加圧空気は回転している回転子2を空気クッションとして埋め込み、同時に、この空気は二次熱伝達媒体として働き、この場合、冷媒としても働くということを意味している。というのは、一方ではギザギザ矢印に従って、熱伝達により両方とも加熱された回転子2及びハウジング3を効果的に冷却するからである。もう一方では、間隙R内に到達すると、一次熱伝達用の上記媒体流4に加えられて、熱伝達効果が良くなる。しかし、あらゆる他の知られている軸受を回転子2に適用することができ、回転子2の冷却が、上記内部空気冷却の他に、別の知られている方法で達成することができることに留意するものとする。
【0065】
図2による実施例では、回転子2は制約駆動の回転ドライブ7を備えている。ここでは、摩擦ドライブが回転ドライブ7として適用され、その少なくとも1つの摩擦ホイール8が駆動モータ10からシャフト9を通して回転ドライブを受け、このモータは例えば、調節可能なr.p.m.(「r.p.m.」は「毎分回転数」を意味する)を有する電気モータであってもよい。回転子2用の径方向支持体は、駆動摩擦ホイール8自体によって本実施例に提供されている。
【0066】
図3は、この場合、摩擦回転ドライブ7の3つの摩擦ホイール8の少なくとも1つが環状回転子2の内部マントル表面11と摩擦駆動連結していることを示す、図2の装置1の縮小上面図を示している。摩擦ホイール8は、マントル表面11の周面に沿って互いから120°に配置されている。
【0067】
回転子2を回転させることによって、媒体流4の接線及び軸方向速度成分が本発明により前に特定した程度まで大きくなる。この効果のために、回転させた回転子2の画定マントルHは、傾斜リブ又は延長部、及び/又は溝11又は窪み、或いは穿孔、或いはあらゆる他の構成又は付属品(図4参照)を有し、これは(1つ又は複数の)接線及び/又は軸方向速度成分、したがって熱伝達媒体流4の乱流をさらに大きくするのに適している。
【0068】
動作中、間隙R内で螺旋状上向きに向かう加圧媒体流4は、箔ホースFの熱を取り除くことによって次第に加熱され、本発明によると、媒体流4の熱は回転子2の画定マントルHによって運ばれる。次第に、この熱の大部分はほぼ熱伝達により回転子2を埋め込んだハウジング3内に到達する。ここから、熱は例えば冷却された空気又は水によってそれ自体知られている方法で取り除かれ、環境に放出される(別には図示せず)。
【0069】
本発明者らの試験中、回転子2のr.p.m.は、画定マントルHの周速度Vが1500m/分であるように選択された(図1の部分C参照)。回転子2のr.p.m.がかなり小さいが、上記のように熱除去が維持されている場合でさえも、システムは許容された方法で依然として動作することを説明する。
【0070】
図5及び6による第2の実施例は、図2から4による第1の実施例とは3つの態様のみにおいて異なる。ここでの違いの1つは、熱伝達装置1の回転子2はそのマントルで大きな軸方向寸法の画定マントルHを備えており、したがって空気軸受のスロットYの出口12は主な冷却媒体流の間隙R内には直接つながらないが、径方向間隙によってより遠くに配置されている。
【0071】
第2の違いは、回転子2の径方向埋め込みはまた、入口チャンバ5及び垂直スロットYを通した加圧空気によって達成されることである。
【0072】
第3の違いは、ここでは回転子2の回転ドライブ7はまた加圧空気によって提供される、すなわち回転ドライブ7は実際、空気圧ドライブであるということである。この目的で、回転子2の内側マントル表面11は多数のブレード状リブ13又は溝を備えている。これらは、周面に沿って互いに同一の間隔で配置されており、加圧空気内に供給するように少なくとも1つのノズル14と協働する(図6)。ノズル14は調節可能な加圧空気源に連結されており、その圧力は例えば4バール(図示せず)であってもよい。
【0073】
これはまた、回転子2の2つ以上を相対的に高い周速度の場合に、軸方向を向いた連続配置で同軸に配置することができる、図2及び5による両方の実施例に当てはまる。所与の場合では、連続回転子2は相対的に反対方向に回転させることができ、それによって箔ホースFの安定性をさらに大きくすることができる。
【0074】
図7による実施例は基本的に、図2及び5による解決法の組合せである。ここで、箔冷却装置1の回転子2は、回転ドライブ7及び上記の空気圧軸方向軸受、及び回転ドライブ7の摩擦ホイール8を通した径方向支持体を備えている。画定マントルHを有する回転子2の形状は、ここで回転子2のその内部ディスク状部が相対的により平たいという点で、図5によるものと異なる。
【0075】
別の違いは、ハウジング3の外側マントル15はいくつかの追加の噴出又は入口チャンバ16を備えており、噴出チャンバ5のものとは完全に独立した加圧空気源(図示せず)に連結されており、前記入口チャンバ16は周面に沿って同一の間隔で配置されている。
【0076】
噴出/入口チャンバ5及び16の空気入口を別個に制御することによって、一方では回転子2の径方向空気圧軸受のために、また主にハウジング3及び回転子2を冷却する二次熱伝達媒体(空気圧軸受の空気流)で行う空気冷却のために選択制御を行うことができる。
【0077】
上記実施例のそれぞれでは、固定子2の(ここでは受熱表面の機能を有する)画定マントルHの周速度Vが1500m/分になるように選択し、間隙R内の媒体流4の元の供給速度を170m/分になるように選択し、その後、回転子2の回転を加えることによって700m/分の乱流媒体流4まで加速させた。図1の部分C)によると、箔ホースFの引下速度Vは150m/分であり、間隙Rの安定寸法は0.5mmであり、箔の肉厚は7μmであったが、全体的に均一であった。
【0078】
次に、箔ホースFの内部冷却を保証する上記システムの何れかを、本発明の開示に基づき、当業者が箔ホースFの外部冷却に容易に適応させることができることを説明する。外部間隙Rを介在させることによって、リング状回転子だけを箔ホースFの外部表面に沿って配置するべきである。したがって、焼き戻し用、例えば内部及び/又は外部箔冷却用装置は、本ユーザの必要に応じて、また開示するような発明により、様々な変更で実現することができる。
【0079】
内部入口タイプの箔冷却装置1は、所与の場合、例えばその円筒部(別には図示せず)に先行する膨張箔ホースFの円錐部から所定の間隔で配置された少なくとも1つの円錐形先行マントルと組み合わせることができる。
【0080】
箔ホースの他に、本発明はまた同様の利点を有する押出加工した平らなプラスチック箔などのあらゆる他のバンド型製品の冷却に適用させることもできる。いくつかの実施例が、図8から11に関して概略が説明されている。(明細書において、「箔」及び「箔ホース」は両方とも同じ参照記号「F」で示していることに留意するものとする。)
【0081】
図8によると、本発明による箔冷却装置1の回転子2の別の実施例は冷却される平らな箔Fが薄い間隙Rの介在(及び、中の熱伝達媒体流4)で上に投げかけられる円筒形画定マントルH(受熱表面)を有する回転させた円筒形ドラムとして形成されている。箔Fの引下速度V、回転子2の画定マントルHの周速度V、及び間隙Rの寸法は、図1の部分C)で特定された値と同一であってもよい。
【0082】
熱伝達により加熱されたドラム状回転子2の内部冷却は、それ自体知られている方法で達成することができる(図示せず)。これは、回転子2の画定マントルHの周速度Vと、回転子2が矢印17で示した、間隙R内への空気の薄い層を常に取る箔Fの進行速度Vの間のかなりの違いによるものである。
【0083】
この配置により、箔Fはその間に効率的に冷却及び円滑化することができ、これはまた巻き上げ前の重要なステップである。間隙R内の乱流空気流4の比較的薄い層を通して、箔Fの熱は回転子2に効果的に伝達することができ、そこから簡単に取り除くことができる。(回転子2を埋め込んだハウジングは別には図示しない。)
【0084】
図9による実施例は、ここでは熱伝達装置1が箔Fの両側にドラム状回転子2を有し、したがって吸気(矢印17参照)が間隙R内に両側で行われるという点において、図8による配置と異なる。間隙R内の追加の媒体流として働く薄い空気層は、熱伝達だけでなく、箔円滑化効果も行い、これは追加の利点である。
【0085】
所与の場合、したがって2つ以上の回転子対を適用することができる。回転子2の軸は、対によって平行であってもよいが、所与の場合、互いに別の角度であってもよい。間隙Rの寸法、及び速度(V、V及びV)の値は図1の部分C)で特定された値と同一であってもよい。
【0086】
次の配置(図10)は、図9による熱伝達(箔冷却)装置1の変形であり、ただ1つの違いは箔Fが垂直位置にあるということである。
【0087】
図11の配置は、図9による装置1の変形であり、上側固定子は固定した平らな支持要素18によって置き換えられる。矢印17によって示す吸気の特定の程度は上側間隙Rでも期待することができ、これはまた箔Fの相対速度Vによるものである。箔Fの下の間隙Rに配置された回転子2の画定表面Hの速度V、及びその効果は、上記実施例のものと同一である。
【0088】
図9から11による実施例では、記載したような吸気(矢印17参照)が、薄い間隙R内のこの空気層、いわゆる「境界層」により、箔Fなどの冷却したバンド型製品が画定マントルHに直接接触しないという事実につながる。もう一方では、これらの境界空気層は製品を冷却するだけでなく、これを円滑化し、さらに所与の場合ではこれを前に進める。これらの後者の追加の効果は、例えばいくつかの押出加工したねじ山の平行案内及び結合冷却の場合に適切に利用することができ、まだ塑性状態であるねじ山は、空気間隙Rを通してのみ画定マントルと直接接触することができない。
【0089】
平らなバンド型製品の冷却のために、装置の別な変更も可能であり、回転又は揺動動作を行う回転子は平らなディスクとして成形され、冷却する固定又は移動バンドはその上側又は下側前部(以下に詳細に説明する)からの間隙寸法間隔で配置されている。
【0090】
本発明による熱伝達技術の別の応用分野は、プラスチック・バンド型製品(例えば、製紙業製品)又は新しく印刷したバンド型製品の乾燥であってもよい。第2のグループは、知られている方法で印刷した後の押出加工及び冷却した箔Fの乾燥を含むことができ、この目的で、例えば、回転子として高速で回転する焼き戻しシリンダを備えた焼き戻し装置が提案されている。図12はその動作理論の実施例を提供し、箔印刷機械の従来の乾燥経路を交換するのに適している可能性がある。
【0091】
図12によると、焼き戻しシリンダ19は、本発明による熱伝達技術を実施するために、箔乾燥装置1の回転子2として適用される。シリンダ19は、その画定マントルH(放熱表面として)にわたって高速Vで回転され、この場合新しく印刷した平らな箔Fが、回転子2の画定マントルHに向かった状態で約180°のスパン角度で投げ出される。図12では、多数の塗料跡(小さな矩形で示す)は20によって示す塗料層を形成する。
【0092】
回転子2の画定マントルHは例えば、ガラスとして円滑であってもよい(又は、その表面が不均一である又はパターン化されていてもよい)。本発明者らの経験によると、この回転している画定マントルHは常に、箔Fと画定マントルHの間の間隙R内に空気の薄い層(境界層)を生成させ、それによってさらに軟らかい塗料層20(この場合、熱伝達に関連するプラスチック及び/又は流体材料を含む材料層であり、箔Fは実際には担体層のみである)はシリンダ19の画定マントルHには決して接触することができず、それによって塗料は滲んでいない。塗料層20は、プラスチック及び/又は流体材料を含む材料層として、熱伝達の関与物の1つとして(受熱表面として)、連続及び/又は断続していてもよい。
【0093】
間隙Rでは、回転シリンダ19の画定マントルHと移動した箔Fの間の相対速度差(Δv=V−V)により、間隙R内の空気の層が乱流動作中に設定され、これは熱伝達用の乱流媒体流4が発生され、上に論じるように主に熱伝達係数の速度依存性によって証明される極めて強い熱伝達影響を有する。上記により、もちろん間隙R中の乱流媒体流4内にも径方向の性質の混合があるという結論に到る可能性がある。
【0094】
したがって、回転シリンダ19の画定マントルHは焼き戻し効果を有し、加熱のために(放熱表面として)、及び冷却のために(受熱表面として)使用することができるということであり、その加熱又は冷却ユニットはそれ自体知られている装置であってもよい。
【0095】
強い熱伝達、及び間隙R内で高速Vで流れる熱い空気の結果(図12)、熱は箔Fの塗装内部表面まで正確に取られ、そこから熱の影響まで激しく蒸発する塗料の溶剤はまた媒体流4によって(乾燥する空気流によって)取り除かれ、追加の影響を構成する。
【0096】
図12では、焼き戻しシリンダ19の回転方向は矢印21で、箔Fの進行速度はVで、熱伝達媒体流として働く焼き戻し空気流の速度はVで、画定マントルHの速度はVで示されている。シリンダ19の知られている、好ましくは調節可能な回転ドライブ、その加熱/冷却ユニット、及びそのシャフト埋め込みは特に詳細に説明しない。
【0097】
本発明者らの検査では、画定マントルHの周速度Vは1100m/分であり、箔Fの引下速度Vは350m/分であり、間隙Rの寸法は0.1mmであり、焼き戻しシリンダ19の調節した乾燥温度は80℃であった。
【0098】
速度V及びVが図12による配置で同じ方向を有するという事実を鑑みて、間隙R内の焼き戻し乱流空気流4の得られる速度Vは前の2つの値の相加平均、すなわち700m/分であった。
【0099】
本発明者らの実験結果は、図12による焼き戻しシステムを使用して、従来の乾燥経路の上記欠点が完全に取り除かれ、これは以下の理由による。
・熱伝達媒体流4、例えば乾燥空気流は相対的に狭い間隙R内で流れるだけであり、したがってかなり大きな空気交換が大きな相対速度差の結果、けた違いにより小さい容量の空気流によって達成することができる。
・回転している焼き戻しシリンダ19は、間隙R内を流れる相対的に少量の空気だけを加熱する(又は、所与の場合に冷却する)必要があり、それによってエネルギー需要は従来の乾燥経路でよりはるかに低い。
・塗料層及びせいぜい箔の表面層は焼き戻しステップの短い時間の間加熱されるので、熱伝達用の媒体流4の温度を自由に高めることができ、したがって、どうにかして避けられるべきである箔F全体が軟化されることを心配する必要はない。
・この解決法では、焼き戻しシリンダ19は箔Fを間隙Rを通して適切に案内し、したがって「揺動」することができず、したがって箔トラックの速度を上げることができ、製造者に対するかなりの追加の影響につながる。
【0100】
上記の通り、この場合(図12)、焼き戻しシリンダ19は時計回り方向に回転するが、所与の場合、また反対方向に回転することができる。シリンダ19が箔Fの速度Vと比べて反対方向にある周速度Vで回転している状態で、熱伝達(例えば、乾燥)はさらにより強くなる。というのは、この例では、速度V及びVが合計され、したがって相対速度差が大きくなるからである。もう一方では、逆流乾燥は実際にこの方法によって実現することができる。その過程で、溶剤は間隙R内に流れる空気内で次第に濃縮されるが、逆速度V及びVにより、相対差は一定であり、連続的に効果的な溶剤除去が保証される。
【0101】
図13は、適用することができる本発明による熱伝達装置1、例えば印刷した箔用の乾燥経路のより詳細な実施例を示す。この配置では、3つの焼き戻しシリンダ19は、知られている方法で新たに塗装/印刷した箔Fのトラックに沿って共通のハウジング内で回転子2として回転可能に配置され、速度Vで移動される。この場合、各回転子2の画定マントルHは、乾燥される箔Fの速度Vと反対の周速度Vで回転する。
【0102】
この場合、箔Fのトラックに沿って、回転させた焼き戻しシリンダ19(回転子2として)はそれぞれ、自由に回転可能な方法でハウジング22内に埋め込まれたガイド・ローラ23によって先行されその後に続く。ここで、ガイド・ローラ23は箔Fの塗装されていない裏側と接触するように配置されている。新しく塗装した箔Fの塗装した上側は、図12による方法で実質的に、速度Vで間隙R内を流れる熱伝達用の媒体流の介在により、約180°のスパン角度で回転子2として回転シリンダ19のマントルHの周りに配置される。
【0103】
図13では、ハウジング22は各焼き戻しシリンダ19の領域から蒸発させた溶剤を吸引するために少なくとも1つの排気ファン24がその上部に設けられ、溶剤を含む排気を知られているコンデンサ25に案内する(ここで、溶剤が沈殿し、滴下し、その後知られている方法で取り除かれる)。この追加の利点は、空気交換は装置1内で行う必要がないが、溶剤蒸気を含む空気は閉システム内で循環されるので装置1を格納する設備まで逃げることができないということである。
【0104】
この場合、回転している焼き戻しシリンダ19は、矢印26による変位可能な方法で、例えばより簡単な開始のために又は適当なスパン角度又は乾燥表面を調節するためにハウジング22内に埋め込まれる。したがって、回転している焼き戻しシリンダ19は所与の場合に箔トラックから上げることができる。しかし、この原型での本発明者らの実験によると、焼き戻し装置1はまた、適切な開始順序を選択することによって、図13に示す操作状態で開始させることもできる。
【0105】
塗料層を乾燥させた後、印刷した箔Fは環境温度まで冷却しなければならない。しかし、上記のように本発明による焼き戻しの場合、箔Fの薄い表面層だけを乾燥ステップ中に加熱させ、これを比較的容易に冷却することができる。本発明によるシステムの柔軟性はさらに、乾燥又は冷却用の焼き戻しシリンダ19(回転子2として)の温度を自由に調節することができるという事実によって示されている。
【0106】
図13の配置では、箔Fの進行方向内を向いている一連のシリンダの焼き戻しシリンダ19は、この場合、箔冷却に対して切り換えられる。既に乾燥させた塗料の層を備えた箔Fを環境温度(約20℃)まで冷却させるために、その運転温度は−5℃になるように選択される。冷却及び仕上げた印刷箔Fはその後、知られている方法で巻き上げる及び貯蔵することができる。
【0107】
第3の回転している焼き戻し(冷却)シリンダ19の影響に対して間隙R内で高速Vで循環している熱伝達媒体流(例えば、空気流)は、箔Fの塗料層、及びまた(乾燥ステップ中に加熱された)その表面箔層を効果的に冷却することができる。したがって、図13による実施例に対して、そのガイド・ローラ23と共に冷却装置として働く最後の焼き戻しシリンダ19は結合ハウジング22内の乾燥装置として働くさらに2つの乾燥シリンダに関連している。もちろん、所与の場合、これらは箔Fのトラックにそって別に配置することもできる。
【0108】
図14は、両側焼き戻しに適した本発明による熱伝達装置1の簡単な実施例であってもよい、相対的により大きな尺度の、図13の焼き戻しユニットの変形を示している。ここで、本発明者らの焼き戻し技術は、追加の冷却可能及び/又は加熱可能焼き戻しユニット27がここではアーチ状ネスト28を備えた、焼き戻される箔Fの下側に配置されており、ネストは箔Fから間隙Rに対応する間隔で配置されているという点において、図13によるシリンダ配置と比べてさらに開発された。回転する焼き戻しシリンダ19の画定マントルH、及び関連するガイド・ローラ23の動作の配置及びモードは実質的に、図13に関連して論じたものと同じであり、したがってこのことには再び触れない。
【0109】
前に新しく塗装した箔Fの塗料は、速度Vの焼き戻し媒体流(例えば、空気流)によって効果的に乾燥させ、前に特定した周速度Vで回転される焼き戻しシリンダ19の画定マントルHとそこからの間隙Rに対応する空気間隙に配置された箔Fの間で加熱させ、直接接触により塗料を滲ませることなく速度Vで移動させることができる。したがって、回転シリンダ19の温度を選択又は変更することによって、塗料層及び担体箔Fの表面層のみの温度及び状態は、乾燥操作が十分に急速である場合に、本発明により影響を受ける。
【0110】
本発明者らの実際の経験により、担体層として働く箔は少し加熱される場合があるが、これは上記理由により望ましくない。箔Fの特徴、温度、軟度などにより優れて及びより正確に影響を与える可能性がある実施により、本発明による技術が箔Fの反対側で追加の焼き戻しユニット27によって補われることは、主にこれを安全に防ぐ。
【0111】
したがって、図14による配置では、反対側の焼き戻しユニット27は、アーチ状ネスト28を備えた固定ユニットとして形成され、調節可能な加熱及び/又は冷却(図示せず)を備えた、箔Fの半円部の下側表面からの間隙Rに配置されている。例えば、より高い乾燥強度の場合、反対側の追加の焼き戻しユニット27は冷却に対して設定され、したがって箔Fの中心及び下側層が軟化するのを一定して防ぐことができ、それによって効率をさらに上げることができる。
【0112】
速度Vの箔Fとアーチ状ネスト28の間の下側間隙R内で生成される速度VL1の熱伝達用の他の媒体流(例えば、空気流)により、同じ現象が箔Fと回転シリンダ19のマントルHの間の間隙R内と同様に起こる。ここではもちろん、速度条件は異なり、この場合、反対側の焼き戻しユニット27は固定している。所与の場合、反対側の焼き戻しユニット27は回転子2によって補うこともできることに留意するものとする。
【0113】
ガイド・ローラ23の2つの実施例が、図15の部分A)及びB)に上からの概略で、部分C)に側面図で示されている。ガイド・ローラ23の主な機能は、箔Fを適切に導く/案内することである。しかし、本発明によると、特に示したガイド・ローラ23の重要な補足効果は箔Fを伸ばし、減少させる、すなわちこれを引っ張って離し、円滑にすることである。
【0114】
上に既に記したように、本発明による箔焼き戻し装置1では、少なくとも1つの回転している焼き戻しシリンダ19、すなわち回転子2は薄い空気の層を通して箔Fの塗装側に間接接触するのみであり、同時にこれを推進及び案内する。本発明によると、箔Fの皺又は円滑性、緊張性、より正確な運転、トラック修正、さらに裂けている場合に引っ張って離す動作でさえも、ガイド・ローラ23によって、すなわちその形状、回転方向、及び/又はその速度によって効果的に影響を受ける可能性があるが、箔Fの速度及び緊張性はまたこのステップで考慮しなければならない。
【0115】
図15の部分A)に示すガイド・ローラ23のマントル表面29は樽状に僅かに湾曲しているが、図15の部分B)に示すガイド・ローラ23は円錐台の2つの対称表面を備えたマントル表面30を有し、その直径は外側に向かって減少する。両方の実施例を適用することによって、ひだを備え案内された箔Fは、マントル表面29及び30の横方向引き裂き効果により確実に円滑化される。
【0116】
もう一方、部分B)は、分割点31の位置で箔Fのトラックが(別に図示しないが、切断用具によって)中間で分割された場合を示している。マントル表面29又は30により、ガイド・ローラ23を通して進む場合に箔Fを2つの箔部分に分割することができ、その後、別に巻き上げることができる。
【0117】
箔Fは適当なスパン角度32でガイド・ローラ23を通して推進される場合に(図15の部分C参照)、両方の効果が図15による両方の解決法によって達成することができる。したがって、所望の効果はスパン角度32、真円度、及び同心度を変えることによって効果的に達成することができる。例えば、この設計のいくつかのガイド・ローラ23が箔乾燥装置1内で適用される場合、急速に及び効率的に乾燥及び冷却した箔Fは完全に円滑に巻き上げることができる。
【0118】
もちろん、乾燥のためのプラスチック箔の焼き戻し、特定の温度への維持、又はあらゆる他の材料層、構造ユニット、又は製品を冷却することに加えて、提案した熱伝達技術を使用することができる。例えば、紙、織物、プラスチック及びアルミニウム箔と、組み合わせた多層原料などの幅広い範囲の担体材料に対する印刷の場合である。
【0119】
図16は、本発明による熱伝達装置1の特別な実施例を示しており、速度Vで回転される、回転子として働く回転している焼き戻しシリンダ19の画定マントルHは、熱伝達媒体として働く流体充填33(例えば、水)内で回転される。したがって、速度Vの媒体流(流れている境界層及び/又は流体膜)は、速度差により、速度VFで移動された箔Fと焼き戻しシリンダ19のマントルHの間の間隙R内に取られる流体から焼き戻しシリンダ19のマントルHと箔Fの間に発生される。
【0120】
ここで、実施例として、箔Fは焼き戻しシリンダ19の周りに約90°のスパン角度に配置される。上に示した利点に加えて、空気より優れた焼き戻し媒体として加えられる液体、例えば水の熱状態特徴が追加の利点として明らかである。
【0121】
上記の実施例では、高速で回転されるシリンダ・マントルによって引き起こされる、狭い間隙R内の乱流媒体流の熱伝達、すなわち冷却又は乾燥効果を論じた。もちろん、本発明による熱伝達は回転させた円筒体又はその円筒形マントルに限るものではない。熱伝達係数を大きくする観点から、主な点は放熱/受熱表面は所定の間隙Rに対応する互いから短い距離に配置すべきであり、その間に大きな速度差があるべきであることである。
【0122】
この相対速度は、円筒体だけではなく多角形/角柱として形成された本体によって、円筒形マントル表面だけではなく例えば前表面によって、さらに回転だけではなく、任意の形状の本体の表面のいずれかによって、またあらゆるタイプの動作、例えば、直線又はアーチ状の交互の不安定な動作、又はあらゆる動作及びその組合せによって達成することができる。
【0123】
明らかに、高速の永続(無限)動作は最も簡単な方法で回転によって発生させることができるが、これはいくつかの他の方法で影響を受ける可能性があり、いくつかの関係で解釈することができる。回転体に関して、円筒形マントルだけではなく、その前プレートも回転される。例えば、普通の円筒形回転体、すなわちディスクの場合、前プレートの各点は円筒形マントルと同じ方法で回転動作を行うが、前プレートの各点の周速度はその半径に沿って直線的に変化する。もちろん、この表面はまた、ちょうど円筒形マントルとして熱伝達のために使用することができる。
【0124】
図17及び18は、本発明による熱伝達装置1の別の実施例の概略を示しており、平らなディスクが回転子2として適用され、その下側の前表面(受熱表面)は本発明による熱伝達に関与している。上記実施例と類似させる目的で、これはここで「画定マントルH」として示され、バンド型製品、例えばプラスチック箔Fである、冷却される材料層(放熱表面として)から間隙Rに対応する間隔に配置されている。
【0125】
図18で示された上面図で、冷却される箔Fは回転子2の画定マントルHの外側半分のほぼ下に配置されていることを明らかに観察することができる。というのは、上記のように、前プレートとして形成された画定マントルHの各点の周速度は半径に従って直線的に増加するからである。この解決法は、これらの幾何形状差の態様においてのみ、円筒形マントルを通した熱伝達と異なる。実際もちろん、この法則は常に、実際のユーザの需要に最も良く対応することができる解決法に当てはまるものである。
【0126】
図17及び18による配置では、平らな前表面は、薄いディスクとして形成された回転子2に関して熱伝達を行うための画定マントルHである。所与の場合では、2つ以上のディスク型回転子を箔トラックに沿って互いのそばに配置することができる。多ディスク解決法では、熱伝達用の画定マントル表面はまたそれに応じて増加される。
【0127】
固体材料層、例えばコンピュータ・プロセッサ35を冷却することを意図した、本発明による熱伝達装置1の理論的概略のために多ディスク実施例が図19及び20に示されている。この場合、3つの同軸ディスク回転子2は共通の回転シャフト34を有する熱伝達表面を大きくするために適用され、ここで両方の平らな前表面は熱伝達のために画定マントルH(受熱表面)として働く。
【0128】
図19では、リブ付要素36は冷却されるプロセッサ35の上に配置され、回転子2の画定マントルH(平らな前プレートとして形成される)はその冷却リブ37から間隙Rに対応する間隙に配置されている。回転子2の上部では、分離プレート38は両側に配置されており、画定マントルHと比べて調節され、それによって可能な最高の程度まで、回転子2の画定マントルHの加熱された空気境界層を離すべきであり、したがって回転している画定マントルHはさらにより効果的な熱伝達のために間隙R内に進むように新鮮な空気を取り入れるべきである。冷却リブ37は、優れた熱伝導性の材料、例えばアルミニウムでできていてもよい。
【0129】
図21は、電子建築ブロック、例えばプロセッサ35(冷却する固体材料層として理解すべきである)の動作冷却を意図した、本発明による熱伝達装置1の簡単な実施例を示している。ここで、画定マントルHとして示されるその下側の平らな前表面が冷却されるプロセッサ35の上側表面(放熱表面)から間隙Rに対応する間隔に配置された単一のディスク型回転子2が適用され、これはここでは冷却リブが省かれ、プロセッサ35の平らな上表面が上に論じるように空気流によって直接冷却されるということである。
【0130】
図21の改良変形が図22に示されている。ここに示されたプロセッサ冷却用の熱伝達装置1内の唯一の相違は、回転子2の上側前プレート39は媒体を前進させるための多数の径方向ブレード40を備えていることである。したがって一方では、回転子2はこの空気流によって冷却され、これにより熱伝達効率が大きくなり、もう一方では、温められた空気が回転子2の近く及び冷却されるプロセッサ35から離れるように噴出され、これは回転子2は適当なハウジング41を適用することによって軸方向入口を備えた「ファン」として動作するということである。この解決法は、境界層分離(図示せず)のために追加のプレートを使用することによってさらに効率的になる。
【0131】
本発明による熱伝達装置1の別の実施例が図23及び24に示されており、これはまたプロセッサ35を冷却するように設計されている。
【0132】
この点において、従来技術に言及する。知られているように、従来のプロセッサ冷却装置は、相対的に大きな冷却リブがプロセッサの表面に連結されているという事実を特徴としている。熱は、プロセッサ表面から冷却リブの表面まで到達する前に、長い経路を進み、ここから熱伝導の後の熱伝達によりファン空気によって取り除かれる。これらの冷却リブは優れた熱伝導性を有するが、冷却効率は空気速度が相対的に低いので熱伝導の長い経路により極めて低く、流れ条件は表面特性により望ましくない。したがって、熱伝達は全体的に相対的に低い効率である。
【0133】
図23及び24に示すような本発明による熱伝達装置1の別の実施例は、上に挙げた従来のプロセッサ冷却装置の欠点を完全に取り除く。ここで、相対的に薄い受熱要素42が冷却されるプロセッサ35の上側表面(放熱表面)上に配置され、それによって熱伝導経路がはるかに短くなる。受熱要素42のアーチ状上側表面43が、回転子2の円筒形画定マントルHから間隙Rに対応する間隔に配置され、ここで受熱表面を構成する(図24参照)。
【0134】
この場合、回転子2の回転シャフト34は受熱要素42に連結されたフレーム44内に回転可能に埋め込まれている。回転子2は回転ドライブ(図示せず)を備えている。回転子2の画定マントルHは高い周速度Vで回転して、相対速度差は相対的に狭い間隙Rで大きく、したがって、熱伝達用の強い媒体流の結果、(上に例として詳細に説明するように)熱伝達係数の値も高い。
【0135】
本実施例は、回転子2の回転シリンダ本体45がその径方向支持スポーク46が「ファン・ブレード」状に形成されている薄い壁面の金属管であるという別の特別な特性を特徴とすることができる。薄い壁面の本体45の重要性は、回転子2が内部の熱を放出することもできるという事実にある。ファン型スポーク46の結果、それによって引き出される空気の量によって、軸方向空気流は回転子2の内側及び外側の両方で発生される。したがって、空気交換はまた回転子2の内側に連続しており、その外部画定マントルHに沿っている。したがって、回転子2及びそのスポーク46の回転によって発生される媒体流の結果として、熱伝達のための空気流は2つの方向、すなわち互いに垂直な軸方向及び径方向に発生される。
【0136】
本発明者らの実験では、回転子2の画定マントルHの周速度Vは800m/分になるように、また間隙Rの寸法は0.2mmになるように選択され、さらに回転子2の管本体45及びスポーク46はアルミニウムで作られていた。
【0137】
内側では、回転子2のブレード状スポーク46は熱伝達表面の境界層を取り出し、外側では、加熱された境界層は双方向吸気流の結果冷却されて、部分的に除去され交換され、それに加えて、管状回転子本体45も冷却される。したがって、本実施例では、熱ははるかに短い経路に沿って導かれ、はるかに強い熱伝達が放熱表面上で保証されることができ、熱はこの表面の周囲から極めて急速に取り除かれる。
【0138】
所与の場合、図23及び24の配置は追加の熱伝達ユニットを備えることができ、本発明による熱伝達装置1のこのような実施例が図25に示されている。図23と比べて、本実施例の唯一の違いは、追加の熱伝達ユニット47が回転子2の画定マントルHの境界空気層を分離及び交換するのを助けるために使用されるという点である。
【0139】
追加の熱伝達ユニット47は外部冷却リブを有する円筒形マントルを備え、前記円筒形マントルは回転子2の画定マントルHから小さな間隙で配置されている。もう一方では、追加の熱伝達ユニット47が回転子2及び境界空気層によって運ばれる熱量を取ると、冷却がさらに強力になる。
【0140】
図25では、画定マントルHは、この場合、回転子2のシリンダ本体45の画定マントルH全体に沿って円形孔として形成された多数の穿孔48を示すために、部分的に破断されている。明らかに、穿孔48はあらゆる他の形状をしていてもよく、その数及び配置は任意である。穿孔48を通して、追加の(例えば、径方向又は傾斜)冷却空気流をドラム状回転子2の内部空間を通して間隙R内の主な媒体流に発生させることができ、それによって乱流は主な媒体流内で大きくすることができる。もう一方では、主な媒体(空気)流を新しくすることができ、それによって、熱伝達の効率をさらに改善することができる。
【0141】
知られているように、ビデオ・カードのプロセッサは冷却も必要であり、これは配置及び空間要求の意味の両方において前のものと比べて熱伝達の特別な場合である。プロセッサは、知られている方法で、その後のカードに続くように、約2cmの自由空間を備えたビデオ・カード上に配置される(これはまた、隣接するカードが省略され、中央プロセッサの場合よりはるかに小さな空間が利用可能であることもある)。
【0142】
図26及び27は、ビデオ・カード49のプロセッサ35を冷却するために設計された、本発明による熱伝達装置1の別の実施例を示しており、その理論的な配置及び動作モードは実質的に、図21に関連して示した実施例に対応する。
【0143】
図26及び27によると、冷却されるこの小さなプロセッサ35は、担体要素として働くビデオ・カード49に対して知られている方法で固定される。冷却されるプロセッサ35の上では、装置1のディスク型回転子2が間隙Rに対応する間隔に配置される。回転子2の下側前表面(受熱表面)が、本発明による画定マントルHを構成する。この場合、回転子2の回転シャフト34はそれ自体、ビデオ・カード45内に回転可能に埋め込まれるが、別個の支持フレーム(図示せず)によって達成されることもできる。
【0144】
最後に、図28は平らな箔Fを冷却するように設計された、本発明による熱伝達装置1の最後に図示した実施例を示している。この配置は実質的に図8の実施例に相当し、したがって、同じ参照記号を適用し、より詳細な説明は省略する。ここで、知られている押出金型Eから出たばかりの箔Fはまだ塑性状態であり(プラスチック材料層を構成する)、その後上に示す方法で熱伝達によって冷却され、それによって箔Fがその最終寸法で安定化されることを特に示すことを意図している。
【0145】
要するに、本発明による熱伝達技術を実際に、可能な最も幅広い範囲で適用することができることを強調する。提案した改良熱伝達によって、固定ユニット(例えば、製品、構造ユニット、プロセッサなど)はこれによって加熱又は冷却することができるが、所与の場合、一定して又は断続的に本体(例えば、バンド、箔、及び他のストリップ状製品)を移動させる(例えば、回転させる又は交互にする)。
【0146】
本発明による解決法の動作の重要な特性は、熱伝達用の媒体流を認める間隙Rは受熱表面と放熱表面の間でできるだけ小さく選択しなければならないということである。一般的に、「できるだけ小さく」という用語は、間隙Rの寸法は相対移動する表面の両方に沿って生成された境界媒体層の厚さの集合より小さくなっているべきである、すなわち最適に近づく配置であると考えられるように解釈するものとする。したがって、熱伝達表面は互いに沿って通過し、境界媒体層は互いに接触及び混合し、これは驚くほど強い熱伝達を保証するものである(「境界媒体層」という概念は当業者に知られており、したがってその詳細な説明は含まない)。
【0147】
最後に、求める保護の請求する範囲内で、本発明による熱伝達技術を最も幅広い可能な範囲で、多くの他の変更及び組合せで実際に適用することができることを強調する。例として、所与の場合、図15によるガイド・ローラ23は図13の焼き戻しシリンダ19/回転子2と同じ方法で形成することができ、したがってそうするために、ガイド・ローラ23は回転ドライブ及び加熱/冷却ユニットを備えていなければならないことを述べておく。この場合、上記利点で、その中で循環している焼き戻し媒体流を含む間隙Rはまたガイド・ローラ23と箔Fの間に形成されている。しかし、優れた箔案内、円滑化及び減少、及び引き離す目的で、他の実施例で焼き戻しシリンダ19又は回転子2の円筒形マントルH自体は、図15のガイド・ローラ23の設計と同様に、湾曲し丸みを帯びている、又は間違いなく円錐形であってもよい。
【0148】
もう一方では、空気は主に上記実施例の熱伝達媒体として記載されているが、本発明による過程は、窒素、ネオン、ヘリウム又はアルゴンなどのあらゆる他の気体媒体によって実施されることができ、さらに所与の場合、熱伝達用媒体は流体、例えば水、又は流れることが可能である他の材料、例えば砂、又はそのあらゆる混合物又は組合せであってもよい。
【0149】
本発明による技術は、熱伝達用の追加の媒体流を適用することによって、固体物(相対移動させた本体、例えば回転子、ディスク、シリンダ)の熱伝達表面と材料層との間の熱伝達を意図しており、この材料層は固体材料(固体構造要素、電子ユニット、例えばプロセッサ、又は他の製品、例えばバンド、箔など)、又はプラスチック材料(製紙パルプ、新しく押出加工したバンド、又は紐状プラスチック製品)、又は流体物質、例えば間欠又は一定塗料層、又はその組合せを含むことができ、所与の場合、材料層はまた気体粒子を含むこともできることを序文で説明した。
【0150】
上記実施例全てで、受熱又は放熱表面として働く、本発明による画定マントルHは少なくとも1つのネスト、好ましくは溝、及び/又は少なくとも1つの延長部、好ましくはリブ及び/又は少なくとも1つの穿孔を備えることができる。したがって、画定マントルHは必ずしも隣接した、例えば平らな又はアーチ状表面である必要はなく、延長部及び窪みによって分割することができる。さらに、画定マントルHは、例えば周面間隔で配置された1つ又は複数の移動させたブレード型要素の前表面から形成することができる。
【0151】
図25に関して、穿孔48を通して、追加の(径方向又は傾斜)冷却又は加熱空気流は、間隙R内の主な媒体流に割り当てることができることを上で説明してきた。したがって、主な熱伝達媒体流の乱流を大きくすることができ、もう一方では、主な媒体流を新しくすることができ、したがって熱伝達の効率をさらに良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】それぞれ従来技術及び本発明の速度関係を示す詳細A)、B)及びC)を含む図である。
【図2】本発明による装置の第1の実施例の半断面図である。
【図3】(箔ホース及びケーシングなしの)比較的小さい尺度での、図2の装置全体の上面図である。
【図4】(箔ホースなしの)図2の矢印Xの方向の図である。
【図5】本発明による装置の第2の実施例の単純半断面図である。
【図6】比較的より大きい尺度での、図5の線VI−VIに沿った断面図である。
【図7】本発明による装置の第3の実施例の半断面図である。
【図8】本発明による装置の第4の実施例の単純図である。
【図9】本発明による装置の第5の実施例の側面図である。
【図10】図9に示す解決法の垂直配置を示す図である。
【図11】図10の装置の変形を示す図である。
【図12】本発明による装置の第6の実施例の単純図である。
【図13】図12の装置の完成した実施例を示す図である。
【図14】比較的より大きい尺度での、図13の詳細の変形を示す図である。
【図15】図13の装置の箔ガイド・ローラを示す詳細A、B及びCを示す異なる図である。
【図16】本発明による装置の別の実施例を示す図である。
【図17】本発明による装置の別の実施例の側面図である。
【図18】本発明による装置の別の実施例の上面図である。
【図19】本発明による装置の他の実施例の側面図である。
【図20】図19の線XX−XXに沿った断面図である。
【図21】別の特別な実施例を示す図である。
【図22】別の特別な実施例を示す図である。
【図23】本発明による装置の他の実施例を示す側面図である。
【図24】本発明による装置の他の実施例を示す、図23の線XXIV−XXIVに沿った断面図である。
【図25】図23の装置の変形を示す図である。
【図26】別の特別な実施例の側面図である。
【図27】別の特別な実施例の上面図である。
【図28】本発明による熱伝達装置の最後に例示した実施例の単純図である。
【符号の説明】
【0153】
1 熱伝達装置
2 回転子
3 ハウジング
4 熱伝達媒体流
5 入口チャンバ
6 熱伝達媒体源
7 回転ドライブ
8 駆動摩擦ホイール
9 シャフト
10 駆動モータ
11 (回転子2の)内側マントル表面
11A リブ又は溝
12 出口
13 径方向リブ又は溝
14 ノズル
15 (ハウジングの)外側マントル
16 入口チャンバ
17 矢印
18 支持要素
19 焼き戻しシリンダ
20 塗料層
21 矢印
22 ハウジング
23 ガイド・ローラ
24 排気ファン
25 コンデンサ
26 矢印
27 追加の焼き戻しユニット
28 ネスト
29 マントル表面
30 マントル表面
31 分割点
32 スパン角度
33 流体充填
34 回転シャフト
35 材料層、例えば固体ユニット(例えば、プロセッサ)
36 リブ付要素
37 冷却リブ
38 分離プレート
39 前プレート
40 ブレード
41 ハウジング
42 受熱要素
43 アーチ状表面
44 フレーム
45 シリンダ本体
46 スポーク
47 追加の熱伝達ユニット
48 穿孔
49 ビデオ・カード
E 押出金型
F 箔/箔ホース
H 画定マントル
O 軸
R;R 間隙
X 矢印
Y スロット
箔(F)の速度
画定マントル(H)の速度
熱伝達媒体流(4)の速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体物又は材料層の受熱表面と、材料層又は固体物の放熱表面との間の熱伝達のために熱伝達媒体流を使用することによって、固体物と、固体及び/又は流体材料、並びに所与の場合では気体粒子を含む材料層との間の熱伝達のための方法において、前記受熱表面及び放熱表面は互いに距離を置いて配置されている方法であって、
a)前記熱伝達媒体流(4)のために所定の間隙(R)を有するように、前記受熱表面から距離を置いて前記放熱表面を配置するステップと、
b)前記受熱表面及び/又は前記放熱表面の相対移動を行うことによって、前記受熱表面と前記放熱表面の間の所定の速度差(Δ)を作り出すステップと、
c)前記速度差(Δ)により、前記受熱表面及び/又は放熱表面の速度(V及び/又はV)と比べて間隙(R)内の熱伝達媒体流(4)の速度(V)を所定の方法で高めるステップと、
d)前記間隙(R)内の前記熱伝達媒体流(4)の乱流特性を維持するステップと、
e)少なくとも主に前記乱流熱伝達媒体流(4)によって前記受熱表面と前記放熱表面の間で熱伝達を行うステップとを特徴とする方法。
【請求項2】
箔などのストリップ状製品、特に熱可塑性物からちょうど押出加工された膨張箔ホース(F)を材料層として使用するステップと、前記乱流熱伝達媒体流(4)によって前記箔(F)の前記(1つ又は複数の)受熱又は放熱表面として(1つ又は複数の)外部及び/又は内部表面を焼き戻すステップと、前記製品、好ましくは前記箔(F)と固体物の画定マントル(H)、好ましくは回転子(2)の間の前記間隙(R)内に前記乱流熱伝達媒体流(4)を維持して、その前記受熱又は放熱表面を形成するステップと、前記固体物の前記画定マントル(H)、好ましくは回転子(2)を前記材料層、好ましくは前記箔(F)と比べて所定の速度(V)の相対移動で駆動させるステップとを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
回転によって前記固体物の前記画定マントル(H)、好ましくは前記回転子(2)の所定の相対移動を行うステップと、前記回転子(2)のマントル表面及び/又は面表面上に少なくとも部分的に前記画定マントル(H)を形成するステップとを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の間隙(R)に対応する径方向距離に、押出金型(E)からちょうど出て、好ましくは前記箔ホース(F)の円筒形の、円錐形に延びているが安定化されていない最初の部分で膨張された前記箔ホース(F)の周りで内側及び/又は外側で環状の形で前記回転子(2)の前記画定マントル(H)を配置する追加のステップと、前記箔ホース(F)の内側及び/又は外側マントル表面に沿った少なくとも1つの螺旋状旋回動作で前記間隙(R)内に前記乱流熱伝達媒体流(4)を押す追加のステップを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記回転子(2)の前記画定マントル(H)の前記周速度(V)の値を、前記熱伝達媒体流(4)の速度の倍数、好ましくは少なくとも5倍になるように選択するステップを特徴とする、請求項2から4までのいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記間隙(R)の寸法は、前記間隙(R)内の前記乱流熱伝達媒体流(4)の前記速度(V)を選択することによって設定し、好ましくは、同時に前記膨張箔ホース(F)の最終直径を前記乱流熱伝達媒体流(4)によってキャリブレーションすることを特徴とする、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記画定マントル(H)を特に前記回転子(2)の円筒形マントル表面上に形成すること、溝及び/又はリブ(11)並びに/或いは孔又は穿孔(48)などの、前記乱流熱伝達媒体流(4)の前記速度(V)の軸方向及び/又は接線成分を大きくする手段を前記回転子(2)の前記マントル(H)に設けることとを特徴とする、請求項2から5までのいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記回転子(2)を空気圧軸受内に少なくとも部分的に埋め込むこと、前記空気圧軸受の加圧空気を二次熱伝達媒体として追加的に使用することとを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記受熱表面と前記放熱表面の間、好ましくは前記画定マントル(H)と前記箔(F)の間の前記間隙(R)内だけに前記乱流熱伝達媒体流(4)を案内することを特徴とする、請求項1から7までのいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記熱伝達媒体流(4)の材料として、少なくとも1つの気体媒体、主に空気、又は少なくとも1つの流体、主に水、又は流れることが可能なあらゆる他の材料、例えば砂、又はその混合物若しくは組合せを使用することを特徴とする、請求項2から5までのいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記熱可塑性箔ホース(F)を焼き戻すために前記乱流熱伝達媒体流(4)を受ける前記間隙(R)の寸法は、好ましくは最大1.0mmの値に設定することを特徴とする、請求項2から10までのいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記材料層、主に前記箔(F)の印刷の後に、前記材料層、主に前記箔(F)を乾燥させるために、その後好ましくは前記乾燥ステップの後に前記印刷した箔(F)を再冷却するために前記熱伝達方法を適用することを特徴とする、請求項2から10までのいずれかに記載の方法。
【請求項13】
動作中の過熱に対して保護される、例えば少なくとも1つの固体構造部、好ましくはプロセッサ(35)などの電子ユニットを含む前記材料層を冷却する前記熱伝達方法を適用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
固体物又は材料層の受熱表面と、材料層又は固体物の放熱表面との間の熱伝達のために熱伝達媒体流を使用することによって、主に請求項1から13までのいずれかに記載した方法を行うために、固体物と、固体及び/又は流体材料、並びに所与の場合では気体粒子を含む材料層との間の熱伝達装置において、前記受熱表面及び放熱表面は互いに距離を置いて配置されており、その間に間隙を形成し、前記間隙内に前記熱伝達媒体流を供給する媒体源を備えた装置であって、前記熱伝達媒体流(4)と接触している前記固体物、好ましくは画定マントル(H)の前記受熱又は放熱表面が、前記熱伝達媒体流(4)と接触している前記材料層、好ましくは箔(F)の前記受熱又は放熱表面と比べて、前記装置(1)のハウジング(3;22)内に、相対移動可能に、好ましくは回転可能に配置された前記装置(1)の構造部、好ましくは回転子(2)上に形成され、前記構造部、好ましくは前記回転子(2)が、好ましくは調節可能な速度のドライブ、好ましくは回転ドライブ(7)と駆動連結しており、さらに前記装置(1)から前記回転子(2)及び/又は前記ハウジング(7;22)の前記画定マントル(H)からの熱伝達により受けた熱含量を移動させる熱除去ユニット、及び/又は前記画定マントル(H)に対して焼き戻し熱を発生させる加熱ユニットを備えていることを特徴とする装置。
【請求項15】
受熱表面又は放熱表面として働く前記画定マントル(H)は、マントル表面上、及び/又は前記回転子(2)のヘッド表面上に形成されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
受熱表面又は放熱表面として働く前記画定マントル(H)は、前記回転子(2)のほぼ円筒形マントル表面上にだけ形成され、前記画定マントル(H)は、溝及び/又はリブ(11)並びに/或いは孔又は穿孔(48)などの、前記乱流熱伝達媒体流(4)の前記速度(V)の軸方向及び/又は接線成分を大きくする手段を備えていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の装置。
【請求項17】
前記回転子(2)は、個別の制御で、追加の加圧空気源に連結された空気圧軸受内で少なくとも部分的に、前記ハウジング(3)内に埋め込まれていることを特徴とする、請求項14から16までのいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記回転子(2)はリング状設計を有し、その内側マントル表面(11)は、調節可能な加圧空気源に連結された少なくとも1つのノズル(14)と協働し、それによって空気圧回転ドライブ(7)を形成するブレード状リブ(13)又は溝を備えていることを特徴とする、請求項14から17までのいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記回転子(2)の前記回転ドライブ(7)は、前記回転子(2)と摩擦駆動連結している少なくとも1つの摩擦ホイール(8)を備えた摩擦ドライブであることを特徴とする、請求項14から17までのいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記ハウジング(3)は、前記回転子(2)の前記空気圧軸受に対して前記回転子(2)に隣接している部分に入口チャンバ(5;16)を備えており、各入口チャンバ(5;16)は個別の制御を有する入口チャンバ独自の加圧空気源に連結されていることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記熱伝達装置(1)は、新しく印刷した箔(F)のトラックに沿ってハウジング(22)内に回転子(2)として回転可能に配置された、少なくとも1つの焼き戻しシリンダ(19)を備えた、材料層、好ましくは印刷した熱可塑性箔(F)用の改良型乾燥装置として形成され、前記焼き戻しシリンダ(19)の前記画定マントル(H)は、前記所定の間隙を有して配置されて、前記材料層から、好ましくは前記箔(F)の印刷側から前記熱伝達媒体流(4)を受け、前記箔(F)の前記トラックに沿って、前記焼き戻しシリンダ(19)は前記回転子(2)として、少なくとも1つのガイド・ローラ(23)によって先行される及びその後に続くことを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項22】
前記装置(1)は、印刷箔(F)のトラックに沿って回転子(2)として前記焼き戻しシリンダ(19)の少なくとも2つを備え、それぞれ前記ガイド・ローラ(23)の2つに取り付けられており、前記焼き戻しシリンダ(19)の少なくとも1つは乾燥装置として使用されることができ、少なくとも1つの他の焼き戻しシリンダ(19)は箔冷却装置として使用されることができることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
焼き戻される前記材料層、好ましくは箔(F)の一方側は、回転子(2)として設計された前記焼き戻しシリンダ(19)の少なくとも1つに取り付けられており、追加の好ましくは冷却可能及び/又は加熱可能焼き戻しユニット27が、前記材料層、好ましくは箔(F)の反対側に設けられており、これはまた別の熱伝達媒体流を受けるように、前記箔Fから間隙Rに対応する所定の間隔で配置されていることを特徴とする、請求項14から22までのいずれかに記載の装置。
【請求項24】
焼き戻しシリンダ(19)及び/又は前記ガイド・ローラ(23)としての前記回転子(2)の少なくとも1つは、樽状に形成された、又はその直径が外側に向かって小さくなる円錐台の2つの対称な表面を備えたマントル表面(29、30)を有することを特徴とする、請求項14から23までのいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記放熱表面を有し、前記固体物の前記受熱表面から、好ましくは前記回転子(2)の前記画定マントル(H)から前記間隙(R)を有して配置されている前記固体材料層は、動作中の過熱に対して保護される任意の構造ユニット、好ましくはプロセッサ(35)などの冷却される電子ユニットを含むことができることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項26】
前記回転子(2)の前記熱伝達画定マントル(H)は、溝及び/又はリブ(11)並びに/或いは孔又は穿孔(48)などの、前記乱流熱伝達媒体流(4)の軸方向及び/又は接線成分を大きくする手段を備えていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図7】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2008−540163(P2008−540163A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509514(P2008−509514)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国際出願番号】PCT/HU2006/000030
【国際公開番号】WO2006/117578
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(505403201)
【Fターム(参考)】