説明

熱動弁

【課題】 通電を継続することなく弁体の開放状態を保持することが可能であると供に小型化及び高信頼性化が可能な熱動弁を提供する。
【解決手段】 所定の主流路と、該主流路を開/閉する弁体と、外部からの通電に基づいて弁体を駆動すると共に熱によって弁体の駆動状態を維持するアクチュエータと、外部から供給される熱エネルギによってアクチュエータを加熱することにより弁体の駆動状態を保持する保持手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱動弁に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2004−197868号公報には、通電を継続することなく弁体の開放状態を保持することが可能な熱動弁が開示されている。この熱動弁は、通電加熱による変形機構17の変形によって開放状態とされた弁体16を、保持機構18を用いて機械的に保持することによって開放状態を維持するものであり、弁体16の開放状態を保持するために変形機構17への通電を不必要とすることにより、消費電力を低減するものである。
上記保持機構18は、保持部材33が上方に移動しながら作動軸31の円周方向に回転させることにより各係合片45を係止突起42の係止溝44に係入した第2位置P2から第1位置P1に切替え配置することにより、弁体16を開放状態に保持するものである。
【特許文献1】特開2004−197868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来の熱動弁では、通電を継続することなく弁体の開放状態を保持することは可能であるものの、弁体の開放状態を保持するための構造が機械的に複雑な構造をしており、したがって小型化が困難であると供に信頼性を向上させることことが困難である。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、通電を継続することなく弁体の開放状態を保持することが可能であると供に小型化及び高信頼性化が可能な熱動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、所定の主流路と、該主流路を開/閉する弁体と、外部からの通電に基づいて前記弁体を駆動すると共に熱によって前記弁体の駆動状態を維持するアクチュエータと、外部から供給される熱エネルギによって前記アクチュエータを加熱することにより弁体の駆動状態を保持する保持手段とを具備する、という手段を採用する。
【0006】
第2の解決手段として、上記第1の手段において、保持手段は、主流路を流れる流体を加熱することによりアクチュエータを加熱する、という手段を採用する。
【0007】
第3の解決手段として、上記第2の手段において、保持手段は、主流路に設けられ、当該主流路の流体と発熱体から得られる排熱とを熱交換することにより主流路の流体を加熱する熱交換器である、という手段を採用する。
【0008】
第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、低温流体によって弁体を冷却することにより弁体の保持状態を解除する保持解除手段をさらに備える、という手段を採用する。
【0009】
第5の解決手段として、上記第4の手段において、保持解除手段は、主流路から分岐した分岐流路を開/閉する第2の弁体と、外部からの通電に基づいて前記第2の弁体を駆動する第2のアクチュエータと、前記分岐流路を流れる流体で弁体を冷却する冷却手段とを具備する、という手段を採用する。
【0010】
第6の解決手段として、上記第5の手段において、流体の流動方向において主流路と分岐流路との分岐点の下流側かつ弁体の上流側に設けられ、主流路を開/閉する第3の弁体と、外部からの通電に基づいて前記第3の弁体を駆動する第3のアクチュエータと、をさらに備える、という手段を採用する。
【0011】
第7の解決手段として、上記第1〜第6いずれかの手段において、弁体は主流路の一部を構成する開口の両側に一対設けられる、という手段を採用する。
【0012】
第8の解決手段として、上記第1〜第7いずれかの手段において、アクチュエータは、通電発熱による変形によって弁体を駆動する形状記憶合金である、という手段を採用する。
【0013】
第9の解決手段として、上記第8の手段において、アクチュエータは、バネ状に形成され、保持手段による加熱によって収縮あるいは伸張することにより弁体の駆動状態を保持する、という手段を採用する。
【0014】
第10の解決手段として、上記第1〜第9いずれかの手段において、弁体がバイメタルであり、アクチュエータは前記バイメタルを加熱するヒータである、という手段を採用する。
【0015】
第11の解決手段として、上記第1〜第9いずれかの手段において、弁体及びアクチュエータはバイメタルである、という手段を採用する。
【0016】
第12の解決手段として、上記第1〜第11いずれかの手段において、弁体を付勢する弾性手段が弁体に付設される、という手段を採用する。
【0017】
第13の解決手段として、上記第1〜第12いずれかの手段において、所定の加工が施された層材料を積層することにより、少なくとも主流路と弁体とが形成される、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、熱によって弁体の駆動状態を維持するアクチュエータを、外部から供給される熱エネルギによって加熱することにより弁体の開/閉状態を保持する保持手段を備えるので、簡単な構成で弁体の開/閉状態を保持する。したがって、熱動弁の小型化及び高信頼性化を図ることが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係わる熱動弁Aの外形を示す斜視図、また図2は熱動弁Aの分解斜視図である。
【0020】
熱動弁Aは、図2に示すように、弁装置として必要な構成要素(弁体、アクチュエータ及び各種流路等)を内部に配置・形成するための加工が施された層部材L1〜L7を積層して構成されており、その外形サイズは、図1に示すように縦が30mm、横が20mm、高さが約10mmと極めて小型に形成されている。7つの層部材L1〜L7のうち、層部材L1は基板部材、層部材L2及びL6はガスケット、層部材L3は終了用熱交換部材、層部材L4は弁体用部材、層部材L5は主流路用部材、層部材L7は保持用熱交換部材である。
【0021】
このような熱動弁Aは、主流路用部材L5に形成された流入口a1と基板部材L1に形成された流出口a2とを備えている。これら流入口a1と流出口a2とは、通過規正の対象流体である主流体(気体あるいは液体)の出入り口であり、主流体が通過する主流路の一部を構成するものである。また、この熱動弁Aは、図1に示すように外部駆動源である熱源B及び電源Cによって駆動されるようになっており、熱源Bから供給される加熱用流体の流入口a3と当該加熱用流体の流出口a4とが保持用熱交換部材L7に形成されている。熱源Bは、例えば上記主流体の供給を受けて動作する発熱機器であり、排熱(熱エネルギ)を加熱用流体として流入口a3に供給する。なお、詳細は後述するが、電源Cは所定電圧の直流電源であり、後述する弁体を通電駆動するためのものである。
【0022】
続いて、図3は、本熱動弁Aの内部構造を示す縦断面図である。なお、この図3では、便宜上ガスケットL2,L6を省略している。
この図3において、主流体について示される矢印は主流路a5を示している。この主流路a5は、図示するように上記流入口a1と流出口a2とを連通させる主流体の通過路であり、途中部位に主弁体a6が設けられている。主弁体a6は、上記電源Cによって駆動されることによって、終了用熱交換部材L3に形成されると共に主流路a5の一部を構成する開口a7を開/閉する。
【0023】
主流路a5において上記主弁体a6の上流側には、主流路a5から分岐する分岐流路a8が形成されており、当該分岐流路a8と主流路a5との分岐点には分岐流路a8を開/閉する終了弁体a9(第2の弁体)が設けられている。この終了弁体a9は、上記電源Cによって駆動されることによって、終了用熱交換部材L3に形成されると共に分岐流路a8の一部を構成する開口a10を開/閉する。
【0024】
また、主流路a5において、上記分岐点と主弁体a6との間には、保持用熱交換部材L7によって構成される加熱用熱交換器a11が設けられている。この加熱用熱交換器a11は、本実施形態における保持手段であり、上記主流路a5と、当該主流路a5に対向配置されると共に上記流入口a3と流出口a4とを連通させる加熱用流路a12とから構成されている。このような加熱用熱交換器a11は、主流体を加熱用流体との熱交換によって加熱するものである。また、終了用熱交換部材L3における分岐流路は、主弁体a6と対峙して設けられており、当該主弁体a6を冷却するための冷却用熱交換器a13を構成している。この冷却用熱交換器a13は、終了弁体a9と共に保持解除手段を構成している。
【0025】
続いて、主弁体a6及び終了弁体a9の詳細構造について、図4を参照して説明する。主弁体a6及び終了弁体a9は、図3に示すように弁体用部材L4によって形成されているが、詳細には変形することによって各々の流路を開閉する弁本体a14と当該弁本体a14の片面に一体に設けられたアクチュエータa15とによって構成されている。アクチュエータa15は、例えば図4に示すようにワイヤー状の形状記憶合金(ワイヤー状形状記憶合金)であり、上記電源Cからの給電によって発熱変形することによって弁本体a14を駆動する。すなわち、アクチュエータa15は、通電が遮断されている状態では形状記憶合金が規定形状となって弁本体a14を変形させることなく流路を閉じる一方、通電が開始されると形状記憶合金が発熱して収縮することにより弁本体a14を湾曲させて流路を開く。
【0026】
また、図5は、上記アクチュエータa15の変形例を示す図である。この変形例に係るアクチュエータa15は、上述したワイヤー状形状記憶合金ではなく、図示するようにコイル状の形状記憶合金(コイル状形状記憶合金)であり、一端が弁本体a14に、他端が当該弁本体a14に対峙する主流路用部材L5の壁面に接続されている。このようなコイル状形状記憶合金は、通電が遮断されている状態では規定形状つまり伸張状態となって弁本体a14を変形させることなく流路を閉じる一方、通電が開始されると発熱して収縮することにより弁本体a14を湾曲させて流路を開く。
【0027】
図6は、上記主弁体a6及び終了弁体a9の別の構成例を示す図である。この構成例は、主弁体a6及び終了弁体a9を2枚の異種金属と貼り合わせたバイメタルを利用して構成するものである。図6(a)に示す構成例は、主弁体a6及び終了弁体a9をバイメタルのみで構成するものであり、バイメタルへの通電/非通電を切替えることによってバイメタルを湾曲状態あるいは規定の平坦状態に切替えて流路を開閉するものである。一方、図6(b)に示す構成例は、弁本体a14をバイメタルで構成し、アクチュエータa15をバイメタルの片面に貼り付けられたヒータによって構成するものであり、ヒータへの通電/非通電を切替えることによってバイメタルを湾曲状態あるいは規定の平坦状態に切替えて流路を開閉するものである。
【0028】
図7及び図8は、上記主弁体a6及び終了弁体a9のさらなる変形例を示すものである。図7の変形例は、主弁体a6あるいは終了弁体a9を付勢する圧縮バネa16(弾性手段)を各々追加装備したものである。各圧縮バネa16は、一端が主弁体a6あるいは終了弁体a9に接続され、他端が主弁体a6、終了弁体a9に各々対峙する主流路用部材L5の壁面に各々接続されている。これら圧縮バネa16は、主弁体a6が主流路a5を閉じている状態において、主弁体a6を終了用熱交換部材L3に押し付けるので、開口a7を確実に閉塞させることができ、また終了弁体a9が分岐流路a8を閉じている状態において、終了弁体a9を終了用熱交換部材L3に押し付けるので、開口a10を確実に閉塞させることができる。
【0029】
一方、図8の変形例は、上記主弁体a6及び終了弁体a9を開口a7及び開口a10の両端に設けるものである。このような変形例では、開口a7及び開口a10の両端の差圧が大きい場合において開口a7及び開口a10を確実に閉塞させることができる。
【0030】
次に、図9及び図10を参照して、このように構成された熱動弁Aの動作について詳しく説明する。
主弁体a6は、規定状態において主流路a5を閉じる、つまり開口a7を閉塞させるが、電源Cからの通電が開始されると、アクチュエータa15によって湾曲変形させられて主流路a5を開状態とする。この結果、主流路a5には主流体が流入口a1から流出口a2に向けて流れる。
【0031】
このようにして主流路が開放されると、主流体の供給を受けた熱源Bは動作を開始して加熱用流体を加熱用流路a12に供給する。この結果、加熱用熱交換器a11における加熱用流体と主流体との熱交換によって主流体が主弁体a6の湾曲状態を保持し得る温度(保持温度)まで加熱される。すなわち、加熱用流体の温度及び加熱用熱交換器a11の熱交換性能は、主流体を上記保持温度まで加熱できるように設定されているので、主弁体a6の上流において主流体が保持温度まで加熱されることにより、主弁体a6は、電源Cからの通電が停止しても、湾曲状態つまり開状態を維持する。
【0032】
換言すると、加熱用熱交換器a11は、電源Cからの通電が停止しても、主弁体a6の湾曲状態つまり主流路の開状態を保持させる保持手段として機能する。熱動弁Aは、このような保持手段を具備しているので、電源Cのアクチュエータa15への通電による電力消費を抑制することができると共に、保持手段が加熱用熱交換器a11という極めて簡単な構造で構成されているので、小型化かつ高信頼性化が可能である。
【0033】
続いて、このようにして開状態が保持されている主流路を閉じる動作について、図10を参照して説明する。
主流路を閉じるためには、電源Cから終了弁体a9に通電を行う。この通電によって終了弁体a9が閉状態から開状態に移行し、この結果、分岐流路における主流体の流通が開始される。そして、この分岐流路の主流体は、冷却用熱交換器a13の作用により主弁体a6を冷却する。主弁体a6は、加熱用熱交換器a11の作用により湾曲状態つまり主流路a5の開放状態を保持していたが、冷却用熱交換器a13の作用により、加熱用熱交換器a11によって加熱されていない主流体によって冷却され、この結果、主流路a5の開放状態を保持し得なくなり、規定の形状に戻って主流路a5を閉塞する。
【0034】
また、主流路をより確実に閉じるための構成として、図11に示す構成例が考えられる。すなわち、この構成例は、上記加熱用熱交換器a11の上流かつ主流路と分岐流路の分岐点に主流路を開閉する第2の終了弁体a17を備えたものである。この第2の終了弁体a17は、上述した主弁体a6及び終了弁体a9と同様に弁本体a14(第3の弁体)とアクチュエータa15(第3のアクチュエータ)とから構成されたものであり、ノーマリON型、つまり通電しない状態では図11(a)に示すように湾曲して主流路を開状態とするが、電源Cからの通電によって図11(b)に示すように主流路を閉じるものである。このような第2の終了弁体a17への通電と共に終了弁体a9への通電を行うことにより、主流路が閉じると共に分岐流路が開放される。したがって、主流体が全て分岐流路に流れるので、冷却用熱交換器a13によって主弁体a6が確実に冷却され、もって主弁体a6が確実に閉状態となる。
【0035】
このような本実施形態によれば、熱源Bから供給される加熱用流体によって主弁体a6の開状態を維持するアクチュエータa15と、上記加熱用流体によってアクチュエータa15を加熱することにより主弁体a6の開状態を保持する加熱用熱交換器a11とを備えるので、主弁体a6の開状態を保持するための構成が簡単であり、よって熱動弁Aの小型化及び高信頼性化が極めて容易である。特に、本熱動弁Aでは、上記アクチュエータa15と加熱用熱交換器a11とを採用することにより、縦30mm、横20mm、高さ約10mmという小型化を実現することが可能であると共に高信頼性を実現している。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような構成が考えられる。
(1)上記実施形態では、加熱用熱交換器a11を保持手段とすることにより簡単な構成で主弁体a6の開状態を保持するようにした。この加熱用熱交換器a11は保持手段として最も構成が簡単で小型化が容易なものとして採用したのであって、本発明における保持手段は、外部から供給される熱エネルギを用いて主弁体a6の開状態を保持し得るものであれば何でも良く、加熱用熱交換器a11に限定されるものではない。
【0037】
(2)また、上記実施形態では、熱動弁Aから主流体の供給を受けて動作する発熱機器を外部の熱源Bとし、当該発熱機器の排熱を主弁体a6の開状態の保持に利用するものであるが、熱エネルギとしては、このような発熱機器の排熱に限定されない。排熱を利用することによって主弁体a6の開状態の保持に要するエネルギ・コストを低減することが可能となるが、エネルギ・コストを考慮する必要がないアプリケーションの場合には、排熱以外の熱エネルギを用いても良い。
【0038】
(3)上記実施形態では、アクチュエータとして形状記憶合金、バイメタルあるいはヒータを用いたが、本発明のアクチュエータは、これに限定されるものでない。熱エネルギーによって駆動されるものであれば、他の手段であっても良い。
(4)上記実施形態では、保持解除手段として冷却用熱交換器a13を用いたが、本発明の保持解除手段はこれに限定されるものでない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係わる熱動弁の外形を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる熱動弁の基本構造を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる熱動弁の内部構造を示す縦断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる熱動弁において、主弁体a6及び終了弁体a9の詳細構造を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる熱動弁において、アクチュエータa14の変形例を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わる熱動弁において、主弁体a6及び終了弁体a9の別の構成例を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わる熱動弁において、主弁体a6及び終了弁体a9のさらなる変形例を示す第1の模式図である。
【図8】本発明の一実施形態に係わる熱動弁において、主弁体a6及び終了弁体a9のさらなる変形例を示す第2の模式図である。
【図9】本発明の一実施形態に係わる熱動弁において、主流路の開動作を示す模式図である。
【図10】本発明の一実施形態に係わる熱動弁において、主流路の閉動作を示す模式図である。
【図11】本発明の一実施形態に係わる熱動弁において、主流路をより確実に閉じるための構成例を示す模式図である
【符号の説明】
【0040】
L1〜L7…層部材、a1,a3…流入口、a2,a4…流出口、a5…主流路、a6…主弁体、a7,a10…開口、a8…分岐流路、a9…終了弁体、a11…加熱用熱交換器、a12…加熱用流路、a13…冷却用熱交換器、a14…弁本体、a15…アクチュエータ、a16…圧縮バネ、a17…第2の終了弁体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の主流路と、
該主流路を開/閉する弁体と、
外部からの通電に基づいて前記弁体を駆動すると共に熱によって前記弁体の駆動状態を維持するアクチュエータと、
外部から供給される熱エネルギによって前記アクチュエータを加熱することにより弁体の駆動状態を保持する保持手段と
を具備することを特徴とする熱動弁。
【請求項2】
保持手段は、主流路を流れる流体を加熱することによりアクチュエータを加熱することを特徴とする請求項1記載の熱動弁。
【請求項3】
保持手段は、主流路に設けられ、当該主流路の流体と発熱体から得られる排熱とを熱交換することにより主流路の流体を加熱する熱交換器であることを特徴とする請求項2記載の熱動弁。
【請求項4】
低温流体によって弁体を冷却することにより弁体の保持状態を解除する保持解除手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の熱動弁。
【請求項5】
保持解除手段は、
主流路から分岐した分岐流路を開/閉する第2の弁体と、
外部からの通電に基づいて前記第2の弁体を駆動する第2のアクチュエータと、
前記分岐流路を流れる流体で弁体を冷却する冷却手段と
を具備することを特徴とする請求項4記載の熱動弁。
【請求項6】
流体の流動方向において、主流路と分岐流路との分岐点の下流側かつ弁体の上流側に設けられ、主流路を開/閉する第3の弁体と、
外部からの通電に基づいて前記第3の弁体を駆動する第3のアクチュエータと、
をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の熱動弁。
【請求項7】
弁体は主流路の一部を構成する開口の両側に一対設けられることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の熱動弁。
【請求項8】
アクチュエータは、通電発熱による変形によって弁体を駆動する形状記憶合金であることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の熱動弁。
【請求項9】
アクチュエータは、バネ状に形成され、保持手段による加熱によって収縮あるいは伸張することにより弁体の駆動状態を保持することを特徴とする請求項8記載の熱動弁。
【請求項10】
弁体がバイメタルであり、アクチュエータは前記バイメタルを加熱するヒータであることを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載の熱動弁。
【請求項11】
弁体及びアクチュエータはバイメタルであることを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載の熱動弁。
【請求項12】
弁体を付勢する弾性手段が弁体に付設されることを特徴とする請求項1〜11いずれかに記載の熱動弁。
【請求項13】
所定の加工が施された層材料を積層することにより、少なくとも主流路と弁体とが形成されることを特徴とする請求項1〜12いずれかに記載の熱動弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−64290(P2007−64290A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249008(P2005−249008)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】