説明

熱可塑性エラストマー組成物

【課題】 塩化ビニル系樹脂組成物の成形加工性を低下させることなく、優れた耐候性と高温時の形状保形性を付与した熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】 塩化ビニル系樹脂(A)100質量部と、可塑剤(B)20〜200質量部と、不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)1〜200質量部とを混練して得られた熱可塑性エラストマー組成物。塩化ビニル系樹脂(A)は、平均重合度が800〜4000のものが好ましく、不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)は、エチレン単位および/または酢酸ビニル単位を共重合させたものでもよく、不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)100質量部に対して、更に、架橋剤(D)0.01〜20質量部を含有させてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関し、特に、耐候性と高温時の形状保形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
可塑剤を配合した塩化ビニル系樹脂組成物は、窓枠等の建材用ガスケットやベルトモール、ウィンドウモールおよびサイドモール等の自動車用ガスケット等の材料として広く使われているが、この塩化ビニル系樹脂組成物は加硫ゴムに比べ高温時の形状保持性や圧縮永久歪特性が著しく劣るという問題があった。
【0003】
これらの課題を解決するために、塩化ビニル系樹脂、可塑剤および部分架橋ニトリルゴムを有する熱可塑性エラストマー組成物に、有機過酸化物系化合物を添加し、成形加工時に部分架橋ニトリルゴムを動的に架橋させる手段(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
しかしながら、この手段によって得られる組成物は、樹脂組成物中に部分架橋ニトリルゴムを含有するため、屋外で用いた場合に着色や物性低下を起こす恐れがあるという問題があった。
【特許文献1】特開平8−225699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、耐候性と高温時の形状保形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決すべく種々の検討を行った結果、塩化ビニル系樹脂組成物に、特定の不飽和カルボン酸エステル系共重合体を添加することによって、耐候性と高温時の形状保形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物が得られる事を見出し本発明に至った。
【0006】
即ち本発明は、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部と、可塑剤(B)20〜200質量部と、不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)1〜200質量部とを混練して得られた熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発明において、樹脂組成等の割合を表す「部」や、樹脂中の単量体の構成比を表す「%」等の単位は、特に断らない限り質量基準で表す。
塩化ビニル系樹脂(A)は、塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能なビニル化合物との混合物を、懸濁重合法、塊状重合法、微細懸濁重合法または乳化重合法等の通常の方法によって重合した樹脂組成物、並びにエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体または塩素化ポリエチレン等に塩化ビニルをグラフト共重合した樹脂等が挙げられる。また、塩素化塩素ビニル系樹脂を用いてもよい。
【0008】
塩化ビニルと共重合可能なビニル化合物は、例えば、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、ブチルマレートやジエチルマレート等のマレイン酸エステル類、ジブチルフマレートやジエチルフマレート等のフマル酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテルおよびビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、エチレン、プロピレンやスチレン等のα−オレフィン類、塩化ビニリデンや臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデンやハロゲン化ビニル類、並びに、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類が挙げられる。
【0009】
これらの塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、JIS K6720−2により測定した平均重合度(以下重合度と称す)が800〜4000であることが好ましく、1200〜3600がより好ましく、1500〜2700が最も好ましい。重合度が800未満だと、得られた熱可塑性エラストマー組成物の成形体は、高温時の形状保持性が悪くなり、4000を越えると得られた熱可塑性エラストマー組成物は、成形加工時の溶融粘度が著しく高くなり成形加工性が悪くなるおそれがある。
【0010】
可塑剤(B)は、塩化ビニル系樹脂(A)に、柔軟性やたわみ性などの塑性を与えるための有機化合物であり、塩化ビニル系樹脂に使用され得るものであれば特に限定なく使用できる。可塑剤(B)としては、例えば、ジ−2−エチルヘキシルフタレートやジブチルフタレート等のフタル酸エステル類、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等のアジピン酸エステル類、ジブチルセバケート等のセバシン酸エステル類、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル類、ピロメリット酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル系の可塑剤、更にはエポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等があり、これらの1種または複数種の混合物を用いることができる。
【0011】
可塑剤(B)の添加量は、塩化ビニル系樹脂100部に対して20〜200部がよい。20部未満では柔軟性を付与する効果が得られず成形加工性が悪くなる恐れがあり、200部を越えて添加してしまうと、樹脂組成物中に可塑剤が吸収されにくく成形品から可塑剤が滲み出てしまうため、形状保持性や成形加工性が悪くなる恐れがある。
【0012】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)は、塩化ビニル系樹脂(A)に弾性と耐候性を与えるための有機化合物であり、一般式(化1)に示した不飽和カルボン酸アルキルエステルと、一般式(化2)一般式(化3)及び一般式(化4)に示した化合物の群から選ばれた一種類以上の化合物との共重合体である。
また、不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)は、その構造中にエチレン単位および/または酢酸ビニル単位を共重合させたものであっても良い。
【0013】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)の含有量は、塩化ビニル系樹脂100部に対して1〜200部である。1部未満だと圧縮永久歪み特性の改良効果が得られず、200部を超えると成形加工性が悪くなる。
【0014】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)は、一般式(化1)で示した不飽和カルボン酸エステル単位を、好ましくは6%以上、さらに好ましくは60%以上含有するものがよい。不飽和カルボン酸アルキルエステル単位の含有量が6%未満では、可塑剤が吸収されにくくなると共に、塩化ビニル系樹脂との相溶性が不足してしまうため、圧縮永久歪特性や耐候性および機械強度の改善効果が得られない場合がある。
【0015】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)の組成は、一般式(化1)で示した不飽和カルボン酸アルキルエステル単位とエチレン単位および酢酸ビニル単位の合計量100質量部に対して、一般式(化2)一般式(化3)及び一般式(化4)に示した化合物の群から選ばれた一種類以上の化合物を合計量で0.01〜10質量部含有するものがよい。これら化合物の合計含有量が、0.01部未満であると加硫密度が低くなり、圧縮永久歪みの低減効果や耐油性が低下する恐れがある。また、これら化合物の合計含有量が10部を越えると加硫密度が高くなり過ぎて十分な機械強度が得られなくなる恐れがある。
【0016】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)における、エチレン単位および/または酢酸ビニル単位の含有量は、エチレン単位は10%以下、酢酸ビニル単位は30%以下の範囲が好ましい。エチレン単位の含有量が10%を超えると、塩化ビニル系樹脂との相溶性が低下して、成形加工性、機械強度、高温時の形状保持性が低下する恐れがある。酢酸ビニル単位の含有量が30%を超えると、溶融粘度が低下して成形加工性、耐候性が低下する恐れがある。
【0017】
一般式(化1)で示した不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メチルペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート等があり、これらの1種または複数種の混合物を用いることができる。
【0018】
一般式(化2)で示した化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等があり、一般式(化3)で示した化合物としては、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等があり、一般式(化4)で示した化合物としては、例えば、クロロ酢酸ビニル、2−クロロエチルビニルエーテル等がある。これら一般式(化2)〜一般式(化4)で示した化合物は、それぞれ1種または複数種の混合物を用いることができる。
【0019】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)は、本発明の目的を損なわない範囲で前記の単量体と共重合可能な他の単量体を共重合させたものでもよい。共重合可能な他の単量体としては、例えば、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート等の一般式(化1)に於けるRが炭素9以上の不飽和カルボン酸アルキルエステル、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。
【0020】
更に、シアノメチルアクリレート、1−シアノエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、1−シアノプロピルアクリレート、2−シアノプロピルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、4−シアノブチルアクリレート、6−シアノヘキシルアクリレート、2−エチル−6−シアノヘキシルアクリレート、8−シアノオクチルアクリレート等の含シアノ基アクリル酸エステル、1,1−ジヒドロペルフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,7−トリヒドロペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロデシル(メタ)アクリレートなどの含フッ素アクリル酸エステル、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有アクリル酸エステル、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの第3級アミノ基含有アクリル酸エステル、メチルメタクリレート、オクチルメタクリレートなどのメタクリレート、メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトン、ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテルなどのビニルおよびアリルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、プロピオン酸ビニル、アルキルフマレートなどのエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
【0021】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)は、これらの単量体を乳化重合、懸濁重合、溶液重合または塊状重合などの公知の方法で共重合することにより得られる。
【0022】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、架橋剤(D)を配合して不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)を架橋することにより、さらに圧縮永久歪み特性および高温時の形状保持性を改良することもできる。
【0023】
架橋剤(D)は、通常のゴム弾性体組成物の架橋に使用されるものを適宜選択して採用すれば良く、好適に用いられる架橋剤(D)の1つとして、イミダゾール化合物がある。
イミダゾール化合物は、例えば、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・トリメリット酸塩、1−アミノエチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールトリメリテート、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールトリメリテート、1−シアノエチル−2−ウンデシル−イミダゾールトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1)’〕エチル−s−トリアジン・イソシアヌール酸付加物、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ−(シアノエトキシメチル)イミダゾール、N−(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)尿素、N,N’−ビス−(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)尿素、1−(シアノエチルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、N,N’−〔2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル〕−アジボイルジアミド、N,N’−〔2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル〕−ドデカンジオイルジアミド、N,N’−〔2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル〕−エイコサンジオイルジアミド、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1)’〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−ウンデシルイミダゾリル−(1)’〕−エチル−s−トリアジン、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1,3−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウムクロライドなどが挙げられる。またイミダゾール化合物を含有する架橋系、特にこれにトリメチルチオ尿素を加えた系がより好適に用いられる。
【0024】
架橋剤(D)としてイミダゾールを採用した場合、その配合量は、不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)100部に対して、0.01〜20部が好ましい。0.01部未満では、ゴム弾性体組成物の架橋が十分に達成されず圧縮永久歪み特性および高温時の形状保持性の改良効果が得られないことがあり、20部を越えると、熱可塑性エラストマー組成物中の塩化ビニル系樹脂組成物の酸化劣化を促進するとともに、ゴム成分の加硫密度が高くなり過ぎて、熱安定性および機械強度の低下を引き起こす恐れがある。尚、ここでいう配合量は、担持体などを除いた有効成分としての部数である。
【0025】
好適に用いられる架橋剤(D)の他の例として、有機過酸化物系化合物がある。有機過酸化物系化合物は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を溶融混練する際に、不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)を分解して組成物の流動性を増大させ、ゴム成分の分散を良好にする。また同時に、ラジカルを発生させ、そのラジカルを連鎖的に反応させて不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)を架橋させるものである。更には、任意に使用される架橋助剤により、不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)の架橋を促進させる効果をも有する。
【0026】
有機過酸化物系化合物は、例えば、ジクミルパーオキシド、ジ‐tert‐ブチルパーオキシド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、1,3‐ビス(tert‐ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)‐3、3,5‐トリメチルシクロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキシド、p‐クロロベンゾイルパーオキシド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert‐ブチルパーオキシベンゾエート、tert‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、tert‐ブチルクミルパーオキシド等を挙げることができる。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性の観点から、1,1‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)‐3、3,5‐トリメチルシクロヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3が特に好ましい。これらは、純品以外に、炭酸カルシウム、珪藻土、シリカ等に担持させたものも使用可能である。
【0027】
有機過酸化物系化合物は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の品質を考慮してその配合量が決定されるが、その好ましい範囲はイミダゾール化合物を用いる場合と同様である。
【0028】
架橋剤(D)として有機化酸化物系化合物を採用する際には、その架橋を促進するために、架橋助剤を添加することができ、これにより均一かつ効率的な架橋を行うことができる。架橋助剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー類、ジビニルベンゼン、ビニルブチラートまたはビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマー類、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシヌレート等を配合することができる。
【0029】
架橋助剤のうち、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートが好ましい。この化合物は、取扱いが容易であると共に、組成物中の主成分である塩化ビニル系樹脂組成物および不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)への相溶性が良好であり、かつ有機過酸化物可溶化作用を有し、有機過酸化物の分散助剤として働くため、熱処理による架橋が均一かつ効果的になされ、硬さとゴム弾性のバランスのとれた熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0030】
さらに、好適に用いられる架橋剤(D)の他の例として、テトラメチレンペンタミン、ヘキサエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−オキシフェニルジフェニルアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のポリアミン類、安息香酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム等の熱分解性アンモニウム塩類が挙げられ、これらは、また、ジチオカルバミン酸の金属塩、チウラム類およびイオウ等と併用することができる。
【0031】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)の架橋には、これらの架橋剤(D)を120〜220℃で一般的な方法で溶融混練することで行われる。温度が120℃未満ではゴム弾性体の架橋が十分に進まず、圧縮永久歪み特性の改良効果が得られない恐れが有る。一方220℃を越えると、目的の熱可塑性エラストマー組成物が熱分解を起こしてしまい、得られた熱可塑性エラストマー組成物の熱安定性や機械強度が悪くなる場合が有る。
【0032】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、製品に要求される硬さ、可撓性、物性および成形加工性を付与するために、充填剤を用いても良い。
【0033】
充填剤として具体的には、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモンおよび球状ガラスフィラー等が挙げられる。これらの中では、塩化ビニル系樹脂組成物の成形加工時の賦形性を大幅に改善する点で、炭酸カルシウムおよび/またはタルクが好ましい。また炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムの何れでも良い。
【0034】
充填剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂(A)100部に対し3〜200部が好ましく、5〜150部がより好ましい。3部未満だと成形品における細部形状の成形加工性が悪いおそれがあり、200部を越えると成形品表面が平滑にならないおそれがある。
【0035】
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、その性能を極端に低下させない範囲内で、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリウレタンおよびアクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の塩化ビニル系樹脂との相溶性に優れる熱可塑性樹脂、塩化ビニル系樹脂に通常添加される三酸化アンチモンやホウ酸亜鉛に代表される難燃剤、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛および三塩基性硫酸鉛等の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、並びに、着色剤等の各種添加剤を必要に応じて添加できる。
【0036】
熱可塑性エラストマー組成物を構成する各成分を混合、混練する方法や、得られた熱可塑性エラストマー組成物を成形加工する方法は特に限定されるものではなく、一般的な混練方法および成形加工方法を用いることができる。
【0037】
例えば、各成分の混合は、通常の塩化ビニル樹脂系樹脂組成物と同様、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサーのような高速ミキサーやリボンブレンダー等の混合機に各成分を投入し、150℃以下の温度でそれぞれの混合機に見合った時間、均一にブレンドすればよい。また混練は、オープンロール、密閉式混練機(例えば、バンバリーミキサー、加圧式ニーダー、インテンシブミキサー)およびその混練物をオープンロールでシート化した後ストレーナー等の付属する造粒装置を用いたり、通常の1軸押出機、同方向回転2軸押出機(東芝機械社製TEMや池貝鉄工社製PCM)、異方向回転2軸押出機(東芝機械社製TECや池貝鉄工社製PCM)、コニーダー、ニーダールーダー式高速攪拌押出機(神戸製鋼社製FCM)、表面に複数の溝を有する円錐形の回転子とこの回転子の外形に対応した凹みを有し、その凹面側表面に複数の溝を有するバレルを組合せた構造を有する混練押出機であるプラスティフィケーター(WERNER&PFLEIDER社製)やプラスチケーター(一機製作所製)等を用いて行う事ができる。
【0038】
これらの混練機の中でも、混練時間を自由に選択できる密閉式混練機や混練効果のすぐれたコニーダー、異方向回転2軸押出機、プラスティフィケーター、プラスチケーターが好適に用いられる。例えば混練は、配合物自体の温度が通常は140〜220℃になるようにジャケット温度、シリンダー温度、スクリュー温度、回転速度、混練時間を調節して行われる。
【0039】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の成形に際しては、押出成形、射出成形、カレンダー成形または圧縮成形等、通常の樹脂材料の成形に使用される成形機の適用が可能であり、一般の加硫ゴムに必要とされる時間のかかる加硫工程を用いる事無く、所望の成形品が得られる。更に、本発明の組成物を所望の形状に成形する時に発生する成形不良品やスプルランナー等の成形された不良部分は、加硫ゴムの場合と異なり、必要に応じて粉砕等の処理を経て得られた該熱可塑性エラストマー組成物を粉砕処理のされる前の熱可塑性エラストマー組成物と共に混合し再度加熱成形できる長所を有する。なお、混合機での混合に際しては、これらの一部または全部の原料を予めヘンシェルミキサー、リボンブレンダーで予備ブレンドしてその後で混合機にかけてもよいし、予備ブレンドなしに一挙に混合機にかけてもよい。または、一部の原料を予め予備ペレット化してその後に混合機にかけてもよい。
【0040】
押出成形装置については特に限定されるものでなく、通常使用する単軸、二軸のスクリューを用いることができ、使用される材料や金型の形状や寸法により適宜選定されうるものである。多層に共押出成形することも出来る。
【0041】
射出成形機についても特に限定されるものではなく、熱可塑性エラストマー組成物に通常使用する射出成形機が用いられる。
【0042】
本発明の押出成形品は耐候性、圧縮永久歪特性および高温での形状保持性に優れることから、ウェザーストリップ、グラスランチャンネル、ウィンドウモール、ベルトモール等の自動車外装用部材、各種シール材および各種ガスケットを含む工業用パッキン材料、ケーブル、カールコードおよびマイクロホンコード等の電線被覆用部材、並びに、防水用土木シート、止水用土木シートおよび窓枠用グレージング等の建築用部材等に幅広く利用することができる。また射出成形品については、ドアミラーパッキング等の自動車外装用部材、シフトレバーブーツ、サイドブレーキカバー、ヘッドレストおよびアームレスト等の自動車内装用部材、各種シール材および各種ガスケットを含む工業用パッキン材料として幅広く利用することができる。
【実施例】
【0043】
(実施例1)
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
本実施例は、塩化ビニル系樹脂100部と、可塑剤100部と、不飽和カルボン酸エステル系共重合体10部と、架橋剤1.4部およびその他の添加剤を有する熱可塑性エラストマー組成物である。
ここで、塩化ビニル系樹脂は市販品の重合度2500のものであり、可塑剤は市販品のジ−2−エチルヘキシルフタレートであり、不飽和カルボン酸エステル系共重合体は、エチレン4%、酢酸ビニル12%、n−ブチルアクリレート84%の組成を有するエチレン−酢酸ビニル−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体100部に、グリシジルメタクリレート3.8部を共重合させたものであり、架橋剤は1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールの炭酸カルシウムへの担持物(1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール:25%、炭酸カルシウム:75%)である。なお添加剤としては、熱安定剤1としての旭電化株式会社製O−180A(商品名)2部と熱安定剤2としての旭電化株式会社製アデカスタブAC183(商品名)1部ならびに、充填剤としての日東化成株式会社製NS400(商品名)50部を配合したものである。
これらを、20リットルの加圧ニーダーに一括投入してスクリュー回転数100rpmで、温度が170℃になるまで10分間混練した後冷却し、得られた混練物を、160℃のロールでシート状に成形した後、ペレタイザーにてペレット化し熱可塑性エラストマー組成物15kgを得た。次にこの熱可塑性エラストマー組成物を、40mm押出機(株式会社プラコー製)にて押出成形評価を行った。なお、押出機のダイとしては、図1に示した形状の成形品を得ることができるダイを使用した。また、本成形品は、図面の長手方向に向かって連続する棒状体である。
【0044】
得られた成形品を、以下に示した試験方法で評価し、結果を表1に示した。なお、特に記載しない限り、本発明における他の実施例および比較例は、本実施例と同様のものである。
【0045】
(耐候性)
JIS K6251に規定される3号ダンベルをカーボンアーク式サンシャインウエザオメータ(スガ試験機株式会社製)を用い、ブラックパネル温度63℃、晴108分/雨12分のサイクルで1000時間暴露し、色調変化および引張強さを評価した。塩化ビニル系樹脂組成物をリファレンスとし、それより艶が同等以上で且つ引張強さ残率変化が10%以内のものを○、艶が落ち外観が若干劣るか引張強さ残率変化が10〜30%のものを△、外観もしくは引張強さ残率変化が著しく劣るものを×とした。
【0046】
(高温時の形状保持性)
押出し成形により得られた図1の形状の成形品の底面1からリップ2の上端部21までの高さを計った(元の高さ)。さらに、その成形品を、図2に示すように金型3、3の間にスペーサー4を挿入し、成形品の底面からの高さの25%を圧縮し70℃で22時間保持した。その後圧縮した成形品を常温に取りだし30分放置した。その放置した成形品の底面1からのリップ上端部21までの高さを測定した(圧縮後の高さ)。一般式(数1)を用いて高温時の形状保持性(%)を計算した。算出した値が60%未満だったものを○とし、60〜80%を△、80%以上を×とした。
【0047】
【数1】

【0048】
(圧縮永久歪)
JIS K6262に準拠し、試験条件70℃×22時間で圧縮永久歪の評価を行った。
【0049】
(引張強さ)
JIS K6251に規定される3号ダンベルの500mm/分の速度による引張試験を各3回ずつ行い、その中央値を引張強さとした。
【0050】
(成形加工性)
40m/m単軸押出機を使用し、ダイス温度170℃で押出し、押出成形性の評価を行った。成形品が平滑で形状の良好なものを◎、成形品の表面が平滑であるが荒いものを○、成形品表面に波打ちが見られ平滑でないものを△、成形品の表面に波打ちが見られ、さらにダイの形状通りの寸法の成形品が得られないものを×とした。
【0051】
【表1】

【0052】
(実施例2〜実施例4)
実施例1の熱可塑性エラストマー組成物における不飽和カルボン酸エステル系共重合体と架橋剤を表1に示した配合量に変更したものである。実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示した。
【0053】
(比較例1、比較例2)
実施例1の熱可塑性エラストマー組成物における不飽和カルボン酸エステル系共重合体と架橋剤を表1に示した配合量に変更したものである。実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示した。
【0054】
(比較例3、比較例4)
実施例1の熱可塑性エラストマー組成物における不飽和カルボン酸エステル系共重合体を部分架橋ニトリルゴム(部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、グッドイヤー株式会社製P83)に変更し、それぞれ表1に示した配合量で熱可塑性エラストマー組成物を得たものである。なお、これら比較例においては架橋剤を改めて配合しなかった。実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示した。
【0055】
(実施例5〜実施例8)
実施例1の熱可塑性エラストマー組成物における塩化ビニル系樹脂を、それぞれ表2に示した重合度のものに変更したものである。実施例1と同様の評価を行い、結果を表2に示した。
【0056】
【表2】

【0057】
(実施例9〜実施例14)
実施例1の熱可塑性エラストマー組成物における不飽和カルボン酸エステル系共重合体を、それぞれ表3に示したものに変更したものである。実施例1と同様の評価を行い、結果を表3に示した。なお、表3中、共重合体2〜共重合体7は、それぞれ以下に示した組成を有するものである。
共重合体2:エチレン30%、酢酸ビニル67%、n−ブチルアクリレート3%の組成を有するエチレン−酢酸ビニル−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体100部に、グリシジルメタクリレート3.8部を共重合させたもの。
共重合体3:エチレン10%、酢酸ビニル30%、n−ブチルアクリレート60%の組成を有するエチレン−酢酸ビニル−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体100部に、グリシジルメタクリレート3.8部を共重合させたもの。
共重合体4:エチレン4%、酢酸ビニル12%、エチルアクリレート49%、n−ブチルアクリレート35%の組成を有するエチレン−酢酸ビニル−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体100部に、グリシジルメタクリレート3.8部を共重合させたもの。
共重合体5:n−ブチルアクリレート100%の不飽和カルボン酸アルキルエステル重合体100部に、グリシジルメタクリレート3.8部を共重合させたもの。
共重合体6:エチレン6%、酢酸ビニル10%、n−ブチルアクリレート84%の組成を有するエチレン−酢酸ビニル−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体。
共重合体7:エチレン4%、酢酸ビニル12%、n−ブチルアクリレート84%の組成を有するエチレン−酢酸ビニル−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体100部に、グリシジルメタクリレート16部を共重合させたもの。
【0058】
【表3】

【0059】
(実施例15〜実施例17)
実施例1の熱可塑性エラストマー組成物における架橋剤を、それぞれ表4に示したものに変更したものである。実施例16においては、架橋助剤を更に添加した。実施例1と同様の評価を行い、結果を表4に示した。なお、表4中、架橋剤1、架橋剤2ならびに架橋助剤は、それぞれ以下に示したものである。
架橋剤1:1,2−ジメチルイミダゾール
架橋剤2:1,1‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)‐3、3,5‐トリメチルシクロヘキサン
架橋助剤:トリメチロールプロパントリメタクリレート
【0060】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の高温時の形状保持性を評価するための成形品を模式的に示した斜視図である。
【図2】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の高温保持性評価の測定方法を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0062】
1 底面
2 リップ
21 リップ上端部
3 金型
4 スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化ビニル系樹脂(A)100質量部と、可塑剤(B)20〜200質量部と、不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)1〜200質量部とを混練して得られた熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項2】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)が、一般式(化1)に示した不飽和カルボン酸アルキルエステルと、一般式(化2)一般式(化3)及び一般式(化4)に示した化合物の群から選ばれた一種類以上の化合物との共重合体であること特徴とする請求項1に記載した熱可塑性エラストマー組成物。
【化1】

(式中のRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜8のアルキル基)
【化2】

(式中のRは水素原子またはメチル基)
【化3】

(式中のRはビニル基、アリル基、メタアリル基)
【化4】

(式中のRはCH(Cl)−CH−基またはCH(Cl)−CO−基)
【請求項3】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)が、更に、エチレン単位および/または酢酸ビニル単位を共重合させたのであることを特徴とする請求項2に記載した熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項4】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)が、一般式(化1)に示した不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を6%以上含有すると共に、一般式(化1)で示される不飽和カルボン酸アルキルエステル単位とエチレン単位および酢酸ビニル単位の合計量100質量部に対して、一般式(化2)一般式(化3)及び一般式(化4)に示した化合物の群から選ばれた一種類以上の化合物を合計量で0.01〜10質量部含有することを特徴とする請求項3に記載した熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項5】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)が、一般式(化1)に示した不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を60%以上、エチレン単位を10%以下、酢酸ビニル単位を30%以下の範囲で含有すると共に、一般式(化1)で示した不飽和カルボン酸アルキルエステル単位とエチレン単位および酢酸ビニル単位の合計量100質量部に対して、一般式(化2)一般式(化3)及び一般式(化4)に示した化合物の群から選ばれた一種類以上の化合物を合計量で0.01〜10質量部含有することを特徴とする請求項3に記載した熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項6】
塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合度が、800〜4000であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載した熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項7】
不飽和カルボン酸エステル系共重合体(C)100質量部に対して、更に、架橋剤(D)0.01〜20質量部を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載した熱可塑性エラストマー組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−2065(P2006−2065A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180807(P2004−180807)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】