説明

熱可塑性強化材用サイジング組成物

ほとんど又は全く着色を示さない強化繊維材料を製造するために、前駆体サイズ組成物とバインダー組成物を含み、バインダー組成物があらゆるアミノシランカップリング剤を実質的に含まない2部分サイジング組成物が提供される。2部分サイジング組成物は、有利には、強化繊維材料の実質的に無色の高密度化繊維ペレットを作るために使うことができる。高密度化繊維ペレットは、サイジング組成物を強化繊維ストランドに適用し、強化繊維ストランドを細断して細断ストランドセグメントを形成し、バインダー組成物を適用し、被覆された細断ストランドセグメントをペレット化し高密度化して、流動可能な高密度化繊維ペレットを形成することにより製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、変色を低下させるサイジング組成物に関し、更に詳細には、サイズ組成物及びアミノシランカップリング剤を含まないバインダー組成物を含む2部分(two-part)サイジング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂製品における強化材として細断ガラス繊維ストランドが一般に用いられている。強化繊維表面がサイズ化学配合物によって適切に変性されるとすれば、ガラス繊維強化ポリマー複合物は、強化されていないポリマー複合物と比較して高い機械的性質を有することは当該技術において既知である。従って、更に良好な寸法安定性、引張強さやモジュラス、曲げ強さやモジュラス、また、耐衝撃性や耐クリープ性がガラス繊維強化複合物によって達成することができる。
典型的には、ガラス繊維は、ブシュ又はオリフィスプレートによって溶融ガラスをフィラメントに引き伸ばすこと、潤滑剤、カップリング剤及び膜形成バインダー樹脂を含有するサイジング組成物をフィラメントに適用すること、フィラメントをストランドに集めること、ガラス繊維ストランドを所望の長さのセグメントに切ること、及びサイジング組成物を乾燥させることにより形成される。これらの細断繊維ストランドセグメントは、その後、ポリマー樹脂と混合され、その混合物が圧縮-又は射出成形機に供給されてガラス繊維強化プラスチック製品に形成される。典型的には、細断繊維ストランドは、熱可塑性ポリマー樹脂のペレットと混合され、その混合物が押出機に供給され、ここで、樹脂が融解し、ガラス繊維ストランドの完全な状態が破壊され、繊維ストランドが溶融樹脂全体にわたって分散し、繊維ストランド/樹脂分散系がペレットに形成される。これらのペレットは、次に、成形機に送られ、全体に実質的に均一なガラス繊維ストランド分散系を有する成形複合品に形成される。
しかしながら、都合の悪いことに、このようなプロセスをによって製造される細断ガラス繊維ストランドは、典型的には嵩があり、よく流動しない。結果として、このような細断ストランドは、処理するのが難しく、自動化された処理装置において問題があった。
【0003】
この問題を解決する1つの試みは、細断繊維ストランドを更に密度の高いロッド状バンドル又はペレットにコンパクトにしてそれらの流動性を改善し、且つ自動化された装置の使用によって熱可塑性ポリマー樹脂と混合するためのこれらのペレットの質量を計り運搬することが可能になることであった。このようなプロセスは、米国特許第4,840,755号に開示され、湿った細断繊維ストランドは、好ましくは震動しているキャリヤ上で、圧延してストランドを丸くするとともにそれらを更に密度の高い円筒状に成形されたペレットにコンパクトにしている。このような方法や装置が更に良好な流動性を示す更に密度の高い更に円筒状に成形されたペレットを与える傾向があるが、ある点においては望ましくなく制限される。例えば、このようなペレット形成プロセスにおいては、ペレットのサイズと繊維含有量は、一般的には、プロセスが、複数の細断ストランドセグメントが共に付着することを避けて単一の細断ストランドとして存在するよりも更に繊維を含有するペレットを形成するように設計されていることから、細断ストランドにおけるサイズと繊維の数によって制限される。結果として、良好な流動性を示すのに適切なかさ密度と、直径と長さの十分な比を有するペレットを得るために、セグメントが細断される繊維ストランドは、通常、多数のフィラメントから形成されるにちがいない。しかしながら、単一ストランドに形成され一緒にするのに必要とされるフィラメントの数を増強させると形成操作が難しくなることが望ましくない。
これらの欠点を克服する試みにおいては、米国特許第5,578,535号に、製造される個々のガラスストランドより約20〜30パーセント密度が高く、且つ直径が約5〜15倍であるガラス繊維ペレットが開示されている。これらのペレットは、(i)繊維ストランドセグメントを個々のフィラメントに分離することを防止するのに十分であるが繊維ストランドセグメントを凝集塊に集合させるには不十分なレベルに切断された繊維ストランドセグメントを水和させること;及び(ii)水和したストランドセグメントを適切な方法によってペレットを形成するのに十分な時間混合することによって調製される。適切な混合法には、繊維が相互に上や周りに移動することを保持するプロセス、例えば、タンブリング、かきまぜ、ブレンド、混入、撹拌、混同が含まれる。これらのペレットがこのような多様な混合法によって製造することができるが、これらの方法の多くが、商業的に用いられるにはあまりに非効率的であり、又はペレット化されていない細断繊維ストランドから製造された複合製品に匹敵する強度特性をそれから製造された複合製品が備えている十分に均一なペレットを生じるように十分に制御することもできないことが見い出された。例えば、改良されたディスクペレタイザの使用によって形成されたペレットがミキサー内での滞留時間がしばしば過度になり、過剰時間ペレットを相互に摩擦させ、それらの摩耗の種類によって、ペレットが分解することになる。このようなペレットの分解は、最終的には成形された複合製品の強度特性を低下させる。
【0004】
複合物や他の繊維強化製品における強化としての使用のために製造される繊維ストランドから製造されたペレットに一般に知られる他の問題は、成形されたパーツの配合及び/又は熱老化の間、熱可塑性樹脂に引き起こすことがあり得る変色である。この変色は、典型的には、繊維ストランドを処理するために用いられるサイジング組成物中に用いられる結合剤や膜形成剤を含むがこれらに限定されない、繊維ストランドの大きさを設定するために用いられる材料の一部に関連があると思われる熱可塑性樹脂の望ましくない黄変として見られる。
成形された複合製品における変色、又は成形された複合製品を製造するために用いられる材料における変色は、複合物配合物を占める1以上の材料における混入物の存在、又は繊維強化複合物を形成するために用いられる成分における不純物の存在に起因するものである。これらの成分は、複合物に成形される前に強化繊維をコーティングするためのサイジング組成物において用いられる材料であってもよい。例えば、従来のサイジング組成物は、このようなサイジングが適用される場合、化合物に黄色又は他の変色をしばしば与える。これらの変色は、強化材が成形される場合、複合製品に運ばれてしまう。これらの変色は、低熱安定性を有する、不飽和化学剤、例えば、脂肪不飽和界面活性剤及び/又は潤滑剤の酸化的分解によって引き起こされることがある。これらの変色は、また、例えば、中和剤として用いられる、窒素含有化合物、例えば、アミド、イミド、カチオン界面活性剤又はアミン系化学剤によって引き起こされることがある。
歴史的には、変色の問題は、複合配合物に成分を添加して複合配合物が成形される前に変色を妨げることによって部分的に取り組まれてきた。しばしば、熱劣化や関連がある変色を最小限にするために配合物に抗酸化剤が用いられている。また、添加された成分は、複合物配合物の色を変える着色剤、例えば、色素又は染料であってもよい。例えば、青い色素又は染料は、黄変を防止するために複合配合物に添加することができ、結果として、完成した成形複合物は青白く見える。
【0005】
変色を修正する最近開発された方法が、繊維強化複合物製造に適応された。伝統的には、光り輝く白色の外観を生じるように紙製品、衣類、及びプラスチックに適用される組成物に用いられてきたが、その方法は、複合配合物に又は複合物を成形するために用いられる繊維強化材に適用されるサイジング組成物に光学増白剤、例えば、蛍光増白又は光沢剤を添加することを含んでいる。米国特許第5,646,207号には、例えば、他のサイジング成分、例えば、カルボキシ化ポリプロピレン、シランカップリング剤、潤滑剤に加えて蛍光増白剤を含むサイジング組成物が記載されている。しかしながら、この特許に開示されたような組成物は、特に、複合製品における変色を低下させるために蛍光増白剤の存在に依存している。
しかしながら、光学増白剤の使用は、成形された複合物の変色の問題を十分に解決しない。米国特許第5,646,207号によれば、十分に変色を防止するために、蛍光増白剤が複合配合物のマトリックス重合体によく分散されなければならないことから、蛍光増白剤が複合配合物に添加される場合に成形された複合物における変色の問題が依然として残っている。同時に、この特許には、マトリックス樹脂における蛍光増白剤の均一な分散を達成するのが困難であることが述べられている。
複合配合物において、特に、繊維強化材のためのサイジング組成物において光学増白剤、例えば、蛍光増白剤の使用から他の技術的且つ経済的な問題が生じる。技術的な問題は、複合マトリックス重合体の品質又は他の複合成分との望ましくない相互作用を危うくするものである。例えば、光学増白剤は、典型的には、紫外(UV)光又は放射エネルギーの他の形にさらされる場合にマトリックス重合体の分解を加速する。その上、光学増白剤自体も時間とともに化学的に分解することができるので、成形された複合製品の黄変又は他の変色に関与する。他の観察された問題は、複合配合物に添加することができる光学増白剤が他の成分、例えば、抗酸化剤と反応する場合に起こる。この点に関しては、光学増白剤と抗酸化剤を組み合わせることにより、双方の成分の効率が低下し、最終的には結果として複合物が変色する。
【0006】
更に、複合物バッチの色合せは、複合物が光学増白剤を含有する場合に達成するのが困難であることが見出された。色合せにおけるこれらの問題点を補償するために、場合によっては色素又は他の添加剤の種々の量を複合物に添加し、更にバッチ間の一貫した色を維持する努力が難しくなる。一貫した色を有する複合物バッチを作り出す際に直面する問題点は、更に多くの出発物質と更に多くの労働コストを必要とすることによって製造コストを増大させ、従って、技術的問題に加えて経済的に不利な点を有する。更に、光学増白剤を含有する成形品の色分析もそれらの製品が異なる照明タイプや条件によって異なってふるまうことから難しい。色分析によるこれらの問題も繊維強化材及び/又は複合製品を製造するコストを増大させる。光学増白剤の使用は、更に、単にそれらが比較的高価化学剤である傾向があることから製造コストに関与する。
ある適用においては、成形された複合製品の色が白色であることを所望されることがある。この点に関しては、白色の着色を与えるために、白色化色素が直接複合成形組成物に添加されてきた。そのような典型的に用いられる白色化色素は、粉末状二酸化チタン(TiO2)である。しかしながら、研磨剤としても作用することができるTiO2のような白色化色素の添加は、強化用ガラス繊維への損傷が生じるとともに複合物の機械的強度を激減させる傾向がある。
それ故、光学増白剤又は増白剤の使用を必要とせずにほとんど又は全く着色がなく且つ成形された複合製品において白色度、輝度、色の安定性及び/又は色の適合性が高い細断ストランドとガラス繊維ペレットを調製するのに用いられる費用効果的なサイジング組成物が当該技術において求められている。
【発明の開示】
【0007】
本発明の目的は、サイズ組成物及びアミノシランカップリング剤を含まないバインダー組成物を含むサイジング組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、成形した場合、変色が低下している複合物を備えている強化繊維製品を提供することである。従って、本発明は、2部分サイジング組成物で被覆された強化繊維ストランドから形成された実質的に無色の強化繊維製品を含む。本明細書に用いられる実質的に無色という用語は、強化繊維製品の着色が最少であるか又は全くなく、且つあらゆる最少の着色が肉眼に直ちに明らかでないことを意味する。
本発明は、更に、次の工程を含む高密度化された強化繊維製品を製造する方法を含む。
a) 1以上のカップリング剤を含む前駆体サイズを調製する工程;
b) 前駆体サイズを強化繊維のストランドに適用する工程;
c) 強化繊維のストランドを細断してセグメントを形成する工程;
d) バインダーサイズをセグメントに適用してバインダーサイズのセグメントを形成する工程; 及び
e) バインダーサイズのセグメントを高密度化して高密度化された強化繊維製品を形成する工程。
インライン繊維形成操作を含む連続プロセスにおいては、繊維形成環境の外部でバインダサイズを適用する工程が、毒性、清浄性、臭気、高コスト、又は剪断感受性のために形成プロセスにおいて望ましくない材料の封入を可能にする。
本発明は、また、サイズ組成物及びアミノシランカップリング剤を含有しないバインダーサイズによって大きさを設定された強化繊維材料で形成される成形複合製品を含む。
本発明の前述の及び他の目的、特徴、利点は、次の詳細な説明を考慮することにより以下で更に完全に明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明によれば、サイズ組成物及びバインダサイズを含む2部分サイズ組成物は、強化繊維製品を形成するために強化繊維材料に適用されることができる。サイズ組成物は、バインダーサイズ材料が適用される前に強化繊維ストランド材料に適用される。強化繊維製品は、次に、高密度化された強化繊維製品、例えば、ペレットを形成するために高密度化又は成形することができる。
強化繊維が形成されるとすぐに、また、それらをストランドに集める前に、サイズ組成物で被覆される。本発明の例示的な実施態様に適切なサイズ組成物は、1以上カップリング剤、カチオン性軟化剤、及び界面活性剤を含む。任意に、サイズ組成物は、従来の添加剤、例えば、pH調整剤、抗酸化剤、消泡剤、加工助剤、潤滑剤、帯電防止剤、非イオン性界面活性剤を含むことができる。
例えば、水溶性エチレングリコールステアレート、エチレングリコールオレエート、エトキシル化脂肪アミン、グリセリン、乳化鉱油、及び有機ポリシロキサンエマルジョンを含むあらゆる種類の潤滑剤がサイズ組成物に用いるのに適切である。好ましい潤滑剤としては、ポリエチレングリコールモノステアレート; ポリエチレングリコールモノオレエート; ブトキシエチルステアレート; ステアリンエタノールアミド(LUBESIZE K-12、Alpha/Owens Corning (“AOC”))から入手できる); EMERLUBE 6760を含む米国特許第3,597,265号に開示されている潤滑剤組成物(Emery Corp.から入手できる); 30%のホワイトオイル、30%のポリエチレングリコール400モノペラルゴネート、30%のポリオキシエチレン(3)ミリスチン酸アルコール、10%のエトキシル化アルキルアミンのブレンド(PARASTAT S-2)(EMERLUBE 7607、Emery Corp.から入手できる)が含まれる。好ましくは、潤滑剤は、約0.05パーセントから約0.10質量パーセントまでの量でサイズ組成物に存在する。
【0009】
サイズ組成物は、好ましくは1以上のシランカップリング剤を含む。シランカップリング剤は、その後の処理の間に、膜形成共重合体のガラス繊維への接着を増強するとともにけば立ち、又は折れた繊維フィラメントのレベルを低下させるように機能する。更に、シランカップリング剤は、補強用繊維材料と強化すべき重合体樹脂間の接着を改善する。本サイズ組成物において用いることができるシランカップリング剤は、官能基アミノ、エポキシ、エステル、ビニル、アルキル、メタクリロキシ、ウレイド、イソシアナト、シロキサンによって特徴づけられる。好ましいシランカップリング剤としては、アミン(第一級、第二級、第三級、第四級)、アミノ、イミノ、アミド、イミド、ウレイド、イソシアナト又はアザミドより選ばれた1つ以上の官能基を有する1つ以上の窒素原子を含有するシランが含まれる。
サイズ組成物に用いるのに適切なシランカップリング剤は、例えば、OSi Specialities (“OSi”)、Middlebury, Connecticut又はDow Corning Inc. (“DOW”)、ミッドランド、ミシガンから市販されている。適切なシランカップリング剤の例としては、アミノプロピルトリエトキシシラン、OSiから商品名A-1110として市販されている; ジアミノ-シラン、OSiから商品名A-1120として市販されている; ポリアザミドシリル化アミノシラン、OSiから商品名A1387として市販されているが挙げられるがこれらに限定されない。他の有効な市販されているアミノシランとしては、A-1100(γ-(アミノ)プロピルトリエトキシシラン)(OSi); PC-1130(アミノプロピルメチルジメトキシシラン)(Power Chemical Products(“PCC”)、南京、中国); PC1200(アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン)(PCC); PC1210(アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン)(PCC); PC1220(アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシ-シラン)(PCC); PC1300(ジエチレントリアミノプロピルトリメトキシシラン)(PCC); PC1600(シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン)(PCC)が挙げられるがこれらに限定されない。
他の適切なカップリング剤としては、有機官能性シラン、例えば、A-154(メチルトリクロロシラン); A-163(メチルトリメトキシシラン); A-189(γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン); A-143(γ-クロロプロピルトリメトキシシラン); A-151(ビニルトリエトキシシラン); A-172(ビニルトリス-(2-メトキシエトキシ)シラン); A-188(ビニルトリアセトキシシラン); A-174(γ-(メタクリロキシ)プロピルトリエトキシシラン); A-187(γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン); A-1120、n-(トリメトキシシリルプロピルエチレンジアミンを含むOSiから市販されているようなものが挙げられる。
【0010】
OSi他から市販されている他の適切なカップリング剤としては、A-1102(γ-アミノプロピルトリエトキシシラン)(OSi); A-1106(アミノアルキルシリコーン溶液)(OSi); A-1108(変性アミノオルガノシラン)(OSi); A-1110(γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)(OSi); A-1120(n-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)(OSi); A-1122(オリゴマーのβ-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリシラノール)(OSi); A-1126(変性アミノオルガノシラン(40%/メタノール))(OSi); A-1128(変性アミノシラン(50%/メタノール))(OSi); A-1130(トリアミノ官能性シラン)(OSi); A-1170(ビス(γ-トリメトキシシリルプロピル)アミン)(OSi); A-1387(ポリアザミドシラン(50%/メタノール))(OSi); A-1524(ウレイドシラン)(OSi); A-2120(n-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン)(OSi); A-Link(登録商標)15(n-エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン(OSi); DC1-6137(n-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液)(DOW); DYNASYLAN 1172(50% n-ビニルベンジル-n-アミノエチル-3-アミノプロピルポリシロキサン、ヒドロアセテート))(HULS); HS2776(アルキルポリシロキサン(アミノ変性(HULS); VS142(γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(水性))(OSi);メタクリルアミド官能性シラン; n-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン; Z6020(n-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)(DOW); Z6026(変性アミノオルガノシラン(40%/メタノール))(DOW)が挙げられる。
サイズ組成物は、1以上の上で確認したカップリング剤を含むことができる。カップリング剤は、好ましくはサイズ組成物中48-99質量%の全固形分の量で、更に好ましくはサイズ組成物中80-95質量%の全固形分の量でサイズ組成物に存在する。当業者が理解できるように、1以上のカップリング剤は、調製又は受容されるようにサイズ組成物に含まれてもよく、又はサイズ組成物のその他の成分と合わせる前に、前加水分解かさもなければ変性して、例えば、塩又は他の誘導体組成物を形成してもよい。
【0011】
サイズ組成物の第2成分は、1以上のカチオン性軟化剤である。カチオン性軟化剤は、界面活性剤として機能し、負に荷電した表面、例えば、ガラス又は金属に強く吸着する能力を有する。サイズ組成物に用いのに適切なカチオン性軟化剤の例としては、Th. Goldschmidt AG(エッセン、ドイツ)からCATIONIC SOFTENER CONCFLAKES(約90%固形分)として市販されているイミダゾリンとアルキルイミダゾリンの誘導体、Lakeland Laboratories, Ltd.(マンチェスター、英国)から市販されているアミノエチルイミダゾリン誘導体IMIDAZOLINE 18NHやIMIDAZOLINE 18CA(タル油(C17アルキル鎖)とジエチレントリアミンの1:1混合物に基づく)が挙げられる。他の適切なカチオン性軟化剤は、当業者によって容易に確認される。好ましいカチオン性軟化剤は、Alpha/Owens Corning(オンタリオ、カナダ))からLUBESIZE K 12として約91%のイミダゾリン基において変換されたテトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応生成物の酢酸塩である。
イミダゾリンは、熱的に安定な有機窒素塩基である。親油性である中和されていないイミダゾリンは、通常は、無極性溶媒や鉱油に可溶であるが、水性系には分散可能な傾向があるだけである。カチオンを形成するイミダゾリンの能力によって、金属、繊維、プラスチック、ガラス、鉱物の負に荷電した表面上へ強く吸着され、それによって、これらの親水性表面を疎水性表面に変換する。イミダゾリン塩は、それらの塩基より非常に親水性である傾向があり、良好な湿潤剤と酸安定清浄剤として機能する。水性系におけるイミダゾリンの適合性は、適切な可溶化剤の使用によって改良することができる。
サイズ組成物の第3成分は、1以上の湿潤剤である。適切な湿潤剤は、一般的には、ガラス繊維の湿潤を容易にするために約35ダイン/cm2未満のサイズ組成物の表面張力を低下させることができる湿潤剤である。あらゆるタイプの湿潤剤をサイジング組成物に用いることができるが、典型的には非イオン性湿潤剤が他のサイズ組成物成分との相互作用を低下させるのに好ましい。特に適切な湿潤剤は、Dupont、ウィルミントン、デラウェアからZONYL FS-300の商品名で販売されているフルオロアルキルアルコール置換ポリエチレングリコールである。
【0012】
任意に、1以上の従来の帯電防止剤がガラス繊維間の静電気の生成を低下させるのに十分な量でサイズ組成物に含まれてもよい。ある場合においては、カチオン性軟化剤のようなサイズ組成物の他の成分もある種の帯電防止性を組成物に運ぶことができる。本発明のサイズ組成物のpHは、具体的な適用に依存して相対的な範囲内で調整されてもよく、有効なままであってもよいが、サイズ組成物が中性から塩基性であることが好ましい。特に、サイズ組成物は、一般的には約7〜11のpH範囲に入ることが好ましい。しかしながら1以上のpH調整剤の添加によって前駆体サイズ成分の適合性を容易にするためにサイズ組成物のpHを調整することができる。例えば、少量の弱酸、例えば、酢酸がpHを調整するために前駆体サイズに添加されてもよい。
サイズ組成物は、成分の各々をプレミックスに撹拌しながら溶解し、次に、別々のプレミックスを脱イオン水と合わせて主混合物を形成するとともに適切な濃度を達成し且つ固形分の混合を制御することにより製造することができる。プレミックスは、別々に又は同時に主混合物に添加することができる。
上記のように、2部分サイジング組成物もアミノシランカップリング剤を含まないバインダー組成物を含む。バインダー組成物には、エポキシエステル樹脂の非イオン性水性エマルジョン、可撓性エポキシ樹脂を含む非イオン性水性エマルジョン又は、更に典型的には、エポキシエステル樹脂と可撓性エポキシ樹脂双方を含む非イオン性水性エマルジョンが含まれる。バインダー組成物は、また、典型的には組成物の製造容易性を改善するために少量の水性ポリウレタン分散液を含む。エポキシ樹脂エマルジョンとポリウレタン分散液の相対的な割合は、所望の特性や加工の考慮に依存して広範囲に異なってもよい。任意に、バインダー組成物は、当業者に既知の1以上の従来の添加剤、例えば、接着性膜形成ポリマー、潤滑剤、界面活性剤又は界面活性剤の混合物、架橋剤、例えば、バインダー組成物を具体的なプロセス又は使用に適合させるポリ酸、ポリアミン、多官能基ブロックイソシアネートを含むことができる。
エポキシ-エステル樹脂の非イオン性水エマルジョンの例としては、多官能性エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノール-F系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂が挙げられるがこれらに限定されない。非イオン性水性エポキシ-エステル樹脂エマルジョンは、バインダー組成物の約90質量%まで、バインダー組成物の好ましくは約51質量%以下の量でバインダー組成物に存在することができる。
【0013】
或はまた、固体物質の質量が同じであるエポキシ-エステル樹脂又はエポキシ樹脂の他のいかなる非イオン性エマルジョンも使用し得る。更に着色を低下させることができ且つ機械的性能を改善することができる材料の例としては、エポキシエマルジョン、例えば、各々Asahi Denka (“Asahi”)(東京、日本)から入手できる、EM-051R(非イオン性多官能性エポキシ樹脂エマルジョン)、EM-54R5(非イオン性多官能性エポキシエマルジョン)、EM-517(非イオン性ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂エマルジョン)、EM-514(非イオン性フェノールノボラックエポキシエマルジョン); DSMから入手できるNEOXIL 962DやNEOXIL 961D(非イオン性エポキシエステルエマルジョン)、NEOXIL 8294(非イオン性エポキシエマルジョン)が挙げられる。
他の適切なエポキシ分散液としては、EPI-REZ樹脂3510-W-60、低分子量の液体のビスフェノールAエポキシ樹脂の水性分散液(EPON(登録商標)樹脂828型); EPI-REZ樹脂3515-W-60(半固体ビスフェノールAエポキシ樹脂の水性分散液; EPI-REZ樹脂3519-W-50(CTBN(ブタジエン-アクリロニトリル)変性エポキシ樹脂の水分散液); EPI-REZ樹脂3520-WY-55、半固体ビスフェノールAエポキシ樹脂(EPON 1001型)と有機共溶媒との水性分散液; EPI-REZ樹脂3521-WY-53、EPI-REZ樹脂3520-WY-55分散液の低い粘度変形体); EPI-REZ樹脂3522-W-60、固体ビスフェノールAエポキシ樹脂(EPON 1002型)の水性分散液; EPI-REZ樹脂3535-WY-50; 固体ビスフェノールAエポキシ樹脂(EPON 1004型)と有機共溶媒との水性分散液; EPI-REZ樹脂3540-WY-55、固体ビスフェノールAエポキシ樹脂(EPON 1007型)と有機共溶媒との水性分散液; EPI-REZ樹脂3546-WH-53、固体ビスフェノールAエポキシ樹脂(EPON 1007型)と非HAPS共溶媒との水性分散液; EPI-REZ樹脂5003-W-55、平均官能性が3(EPON SU-3型)のエポキシド化ビスフェノールAノボラック樹脂の水分散液; EPI-REZ Resin 5520-W-60(ウレタン変性ビスフェノールAエポキシ樹脂の水性分散液); EPI-REZ樹脂5522-WY-55(変性ビスフェノールAエポキシ樹脂(EPON 1002型)と有機共溶媒との水性分散液; EPI-REZ樹脂6006-W-70、平均官能性が6のエポキシド化o-クレシルノボラック樹脂の水分散液が挙げられ、それぞれResolution Performance Productsから市販されている。
【0014】
バインダー組成物は、また、典型的にはポリウレタン分散液を含む。適切なポリウレタン分散液としては、それぞれDainippon, Inc.から入手できるBayer(レーヴァークセン、ドイツ)から入手できるBAYBOND VP LS2277; AQUATHANE 518(ポリエステルポリオールと脂肪族イソシアネートに基づく非イオン性ポリウレタン分散液)、AQUATHANE 1940NE(ポリエーテル系脂肪族ポリウレタン非イオン性/アニオン分散液)、AQUATHANE 2250(ポリエステルベース、脂肪族イソシアネート、非イオン性/アニオン配合物)、AQUATHANE HS1670(ポリエステルベース、脂肪族イソシアネート非イオン性/アニオン分散液); Witcoから市販されているWITCOBOND 290Hが挙げられる。
潤滑剤もまた、バインダー組成物に含めることができる。適切な潤滑剤としては、例えば、Huntsman Corporation(Zaventem、ベルギー)から入手できるもののようなポリオキシアルキレンアミンが挙げられる。このようなポリオキシアルキレンアミンの個々の例は、JEFFAMINE ED2003(オキシラン、メチル- オキシランを有するポリマー及びビス-(2-アミノプロピル)エーテル); EDR-148(トリエチレングリコールジアミン); D230(ポリ(オキシ(メチル-1,2-エタンジイル))、α-(2-アミノメチルエチル)-ω-(2-アミノメチルエトキシ)-; XTJ-511(アルキルエーテルアミン); D400(ポリオキシプロピレンジアミン); ED-900(オキシラン、メチル-、オキシランを有するポリマー及びビス-(2-アミノプロピル)エーテル); ED-600(オキシラン、メチル-、オキシランを有するポリマー及びビス-(2-アミノプロピル)エーテル); T403(ポリ(オキシ(メチル-1,2-エタンジイル))、-ヒドロ(2-アミノメチルエトキシ)エーテル)と2-エチル-2-(ヒドロキシルメチル)-1,3-プロパンジオール(3:1)であり、それぞれHuntsmanから市販されている。バインダー組成物に存在する場合には、潤滑剤は、バインダー組成物における全固形分の約10質量%までを含むことができ、好ましい量は約6質量%以下である。
【0015】
界面活性剤又は界面活性剤混合物もまた、バインダー組成物に添加することができる。適切な界面活性剤の例としては、商業的にUnion Carbide Corp.から入手できる、例えば、TRITON X100のような非イオン性界面活性剤(平均9-10モルのエチレンオキシドを有するオクチルフェノールエトキシレート、100%活性物質)が挙げられる。他の適切な界面活性剤としては、例えば、それぞれBASFから市販されている、PLURONIC PE/F77(エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー)、PLURONIC 10R5(第二級ヒドロキシル末端基を有するポリプロピレンオキシド-ポリエチレンオキシド-プロピレンオキシドの3ブロックポリマー)、それぞれI.C.I.から市販されている、SYNPERONIC PE/P103(エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー)、SYNPERONIC PE/L101(エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー)が挙げられる。界面活性剤又は界面活性剤混合物は、バインダー組成物における全固形分の約10質量%までの量でバインダー組成物に存在することができ、好ましくは、バインダー組成物の全質量の約1%までとみなしている。
適切な帯電防止剤もまた、バインダー組成物で被覆される強化繊維材料のフィラメント間の静電気の生成を低下させるために十分な量でバインダー組成物に含めることができる。適切な帯電防止剤の例としては、Huntsman Corporationから商品名JEFFAMINE ED2003として販売されている、ポリオキシアルキレンアミン、ポリアクリル酸塩、ポリアミン塩が挙げられる。帯電防止剤は、バインダー組成物において全固形分の約6質量%までの量で存在することができる。
他の添加剤も、組成物の他の特性を改良するために用いることができる。このような添加剤としては、例えば、カルナウバワックス、EBS(エチレンビスステアルアミド)、ポリオレフィンワックス、他の官能性付与ワックスのような複雑な型において融解した熱可塑性樹脂の流れを容易にするとともに離型剤として役立つように添加することができるワックスの従来の非イオン性エマルジョンが挙げられる。バインダー組成物に用いるのに適切であることがわかった一添加剤は、MICHEMR LUBE 156F.E.、Michelman, Inc.、シンシナティ、オハイオから市販されているカルナウバワックスの非イオン性エマルジョンである。
【0016】
バインダー組成物は、エポキシエステル樹脂の非イオン性水エマルジョンを使用前に混合することによって形成することができる。次に、このプレミックスを主タンクに添加することができ、そこで、可撓性エポキシ樹脂の非イオン性水エマルジョンが撹拌しながら添加される。次に、最終の混合物を形成するために、ポリウレタン分散液を主タンクに添加することができる。次に、最終混合物中の成分を均一に分散させるのに適切な期間、最終の混合物をかきまぜることができる。例えば、最終混合物は、10-60分間、好ましくは約15分間かきまぜることができる。
2部分サイズ組成物は、実質的に無色であるガラス強化複合物を形成するために用いることができる。複合物の変色は、一般的には、アミノシランの存在のために押出機や射出成形機における配合中に起こる。例えば、アミノシランが、配合と熱老化中にポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリエステル(LCP)、ポリカーボネート(PC)化合物の変色の第一原因であることが見いだされた。しかしながら、2部分サイジング組成物は、適用したバインダー組成物の量から独立した一定のレベルでサイズ組成物にのみアミノシランを含有する。結果として、アミノシランは、高機械的性質を達成するために第1層において形成される。アミノシランはバインダー組成物に存在しないことから、アミノシランの最少量はガラス繊維上に出る。
2部分サイジング組成物の1つの利点は、2部分サイジング組成物の適用から得られた製品が実質的に無色の複合物を維持しつつ0.8 %〜1.4%の強熱減量(LOI)を行うことができることである。更に、繊維上のエポキシ量を増加することができ、マトリックスに分散させる能力をなお維持する。高エポキシは、配合中にマトリックスの鎖延長剤として作用することができ、それによって、粘度と分子量の増加が得られ、試験、例えば、引張強さ、曲げ強さ、アイゾット衝撃、シャルピー衝撃、ノッチ付きアイゾット衝撃に反映される熱可塑性複合物の機械的性質も改善される。バインダー組成物は、高効率で適用することができ、プラントにおける廃水汚染を減少させる。更に、バインダー組成物が高有効性と高効率双方で適用することができることから、、性能を維持しつつ低コストでバインダー適用を達成することができる。更に、バインダー組成物の効率は、高いLOIと良好な繊維の完全な状態を可能にする。
【0017】
サイズ組成物とバインダー組成物は、繊維を形成することとその後の加工又は取扱いを含む連続プロセスの間、強化繊維材料、例えば、ガラスを処理することを容易にする。前駆体サイズと本発明のバインダーサイズを用いると、形成直後に、繊維形成プロセスに通常含まれることができないサイジング成分で繊維を処理することが可能になる。その上、本発明はインライン製造プロセスに非常に適しているが、前駆体サイズとバインダーサイズが予め形成され包装された強化繊維材料に適用されるか、又は前駆体サイズとバインダーサイズが異なる時に強化繊維材料に適用される、オフラインプロセスにも用いることができる。例えば、サイズ組成物は形成された繊維ストランドに適用することができ、その後、ストランドを巻き取り、続いての巻戻し、セグメントへの細断、バインダー組成物の適用の前に貯蔵される。
サイズ組成物とバインダー組成物は、典型的には、強化繊維材料、例えば、ストランド、スレッド又はロービングを処理するために用いられる。強化繊維材料は、一般的には、従来の技術によって形成することができる実質的に連続する強化繊維材料の1以上のストランドである。例えば、強化繊維材料は、加熱したブシュによって溶融ガラスを引き伸ばして複数の実質的に連続するガラス繊維を形成し、繊維をストランドに集めることにより形成されるガラスであってもよい。或はまた、強化繊維材料は、従来のプロセスによって製造された1以上のポリマーのストランドであってもよい。このようなポリマーは、例えば、ポリアミド又はアラミドを含み、単独で又はガラス繊維と組合わせて強化繊維ストランドを形成するために使用し得る。炭素又は他の適切な天然繊維を用いることもできる。好ましくは、本発明に用いられる強化繊維材料は直径が約3ミクロンから約90ミクロンまでの繊維を含み、セグメントに切断すべき典型的なストランドは約50繊維から約2000繊維までを含む。ストランドは、直径が約3ミクロンから約23ミクロンまでの約400繊維から約800繊維を含むように形成することができる。このような繊維を作りストランドに集めるのに適したあらゆる装置が、本発明に用いられる繊維を形成するために用いることができる。
【0018】
好ましくは、高密度化強化繊維製品を製造するプロセスは、前駆体サイズとバインダーサイズの2部分の組み合わせを用いて、強化繊維材料として、繊維ストランドを連続して形成する連続サイジング、チョッピング、二次的コーティング、ペレタイジングを可能にする改良されたインラインプロセスである。このようなプロセスは、複合物に組み込まれる場合、当業者に既知の従来のインラインプロセスによって得られるペレットより良好な特性を示すペレット製品を与える。このような改善は、2つのサイズの成分の改善された適合性のためであると思われ、これは繊維の更に良好なコーティングを可能にする。
本発明の高密度化強化繊維製品を製造する方法は、(a)第1サイズ又は前駆体サイズを連続繊維材料に適用するための手段; (b)ガラス繊維ストランドを切断して細断ストランドセグメントを形成するための手段; (c)細断ストランドセグメントを第1タンブリング手段に運搬するための手段; (d)第2サイズ又はバインダーサイズを細断ストランドセグメントに適用するための手段;(e)細断ストランドセグメントにタンブリング作用を与えてバインダーサイズを分散させるとともに細断ストランドセグメントを整列させペレットに合体させるための第1タンブリング手段; (f)任意に、ペレットを第2タンブリング手段に運搬するための手段; (g)任意に、ペレットをタンブリングしてそれらをコンパクトにし密度を高くするための第2タンブリング手段; (h)高密度化ペレットを乾燥機に運搬するための手段; 及び(i)ペレットを収容し乾燥させるように適応した乾燥手段を含む装置を用いることができる。
まず最初に、サイズ組成物は、キスロール、ディップ-ドロー、スライド又はスプレーアプリケータを含むあらゆる従来の手段で強化繊維材料に適用することができる。好ましくは、前駆体サイズは、強化繊維材料、例えば、ガラス又はポリマーのストランドをキスロールアプリケータを通過させることによって適用される。その上、サイズ組成物は、水分が好ましくは約11-17質量パーセント、更に好ましくは約11-15質量%(特にことわらない限り、以下の全てのパーセントは質量による)のストランドを与えるのに十分な量でストランドに適用される。
【0019】
その後、大きさを設定されたストランドは、ストランドセグメントに細断される。好ましくは、ストランドセグメントの長さは、約1/8インチ(3.175 mm)〜約11/4インチ(31.75 mm)である。ガラス繊維ストランドをこのようなセグメントに細断するのに適した当該技術において既知のあらゆる手段が使用し得る。
次に、バインダー組成物を細断ストランドセグメントに適用することができ、次に、当業者に既知のあらゆる適切な方法、例えば、ペレタイザにおける細断ストランドセグメントのタンブリング或いはかきまぜによってペレット化される。細断ストランドセグメントをペレット化する適切なプロセスは、米国特許第5,868,982号に開示されている。このペレット化プロセスの間、架橋剤とバインダー組成物における膜形成剤の存在がストランドセグメント間の接着を容易にする。更に、バインダー組成物における水分の量が、セグメントストランドがペレタイザ内で混転した場合にストランドセグメントの水分をペレットの形成に適したレベルに調整するのに役立つ。ペレタイザへ導入する前にストランドセグメントの水分が調整されるが、ペレタイザ自体でペレット形成に適した水分にセグメントが水和されることが好ましい。
ペレタイザにおけるストランドセグメントの水分は、バインダーサイズの湿ったガラス細断ストランドセグメントの全質量に基づいて、好ましくは約12-17質量パーセント、更に好ましくは約14-16質量パーセントである。水分があまりに少ない場合、ストランドセグメントは、ペレットに合わない傾向があり、典型的なストランド形成のままである。逆に、水分があまりに多い場合、ストランドは、かたまりになるか又は凝集する傾向がああるか又は直径が大きすぎ不規則で非円筒状のペレット形状を示す傾向があるペレットを形成する。
バインダー組成物は、ペレタイザに入るにつれて、又は細断されたセグメントをペレタイザに入れた後であるが混転する前に、細断ストランドセグメントに適用することができる。代替的実施態様においては、バインダー組成物は、細断される前にストランドに噴霧することができる。この代替的実施態様においては、十分なタンブリングとペレットの形成を確実にするために、バッフルのようなタンブリング手段を特に備えているペレタイザを用いることが好ましい。
【0020】
本発明に用いられるペレタイザは、次のようにして: (1)バインダサイズでほぼ一様に被覆される、(2)複数の細断ストランドセグメントが整列し所望の寸法のペレットに合体する、ストランドセグメントのタンブリングができるあらゆる装置であり得る。このようなタンブリング装置は、ストランドセグメントがバインダーサイズで実質的に被覆されペレットを形成することを保証するのに十分であるが、ペレットが相互に摩擦することによって摩耗で損傷又は分解するのには不十分な平均滞留時間を有しなければならない。好ましくは、タンブリング装置における滞留時間は約1-10分間である。更に好ましくは、タンブリング装置における滞留時間は約1-3分間である。
好ましいペレタイザは、上で本明細書に含まれたように、米国特許第5,868,982号に開示されたような回転ドラムである。この特許には、好ましくは、種々のプロセスパラメータをモニタ及び/又は調整するためのシステムを備えている、強化繊維ペレットを製造する装置が開示されている。ストランドセグメント導入の水分は、適当な手段を用いてモニタされ制御されてもよい。ペレタイザに入れる前にバインダーサイズがストランドセグメントに適用される実施態様においては、回転ドラムは、ドラムに入るにつれてバインダサイズをストランドセグメントに適用するためのスプレーヘッドを収容するように適合されている。バインダーサイズと溶媒、例えば、水は、ノズルオリフィスによって分散される1つの液体流に合わせられる。この流れは、流量の方向に約180度離れて約60度の角度で配置された2つの噴射の空気と合わせられる。バインダー組成物と強制空気流とのこの混合は、ドラムにおけるタンブリングストランドセグメントの表面に推進されるミストを効果的に生成する。ドラムの回転によって湿ったストランドセグメントが相互に混転し、湿ったサイジング又はコーティングによって生成される表面張力によってそれらの長さの実質部分で相互に接触しているストランドセグメントが相互に整列し円筒状に成形されたペレットに合体する。このような作用によって、細断動作中に生成されたあらゆる微細繊維又は単繊維が再び結合し、形成するペレットに組み込まれて得られたペレットから個々の微細繊維を本質的に排除する。好ましくは、ドラムはわずかに傾いているのでペレットが出るドラムの端が入る端より低く、ドラムにおいて形成されるペレットが過度な期間ドラムに残らないことを確実にする。
【0021】
ドラムに形成されたペレットのサイズは、ストランドセグメントの水分によって主に制御される。水分が高レベルで維持される場合には、多数のストランドセグメントがペレットに合体するので、ペレットの直径が大きくなる。逆に、水分が低いレベルで維持される場合には、より少ないストランドセグメントがペレットに合体するので、ペレットの直径が小さくなる。典型的には、ストランドに放出されるバインダーサイズの量は、ペレタイザに入る湿ったガラスの重量をモニタし、ストランド固形分が約0.2-2.0質量%、好ましくは約0.4-1.4質量%の最終細断ストランドを得るようにサイズの量を調整する、コンピュータによって制御される。
好ましくは、本発明の方法によって形成されたペレットは、直径がそれらの長さの約20%〜約65%である。このようなペレットは、典型的には、約70-175ストランドセグメントを合わせることによって形成され、各ストランドセグメントは、典型的には、ストランドにつき約500-2000の個々のフィラメントを含有している。
ペレットのサイズは、また、ドラム処理能力に影響を受ける。ドラム処理能力が大きい場合には、ストランドセグメントのドラム内平均滞留時間は短く、小さなペレットを形成する結果となる。この結果は、ストランド上に十分であるように液体適用が分散させないことから観察され、それにより、ペレットに合体するためのストランドの能力が減少すると考えられる。しかしながら、形成されるペレットが短い時間ドラム内にあることから、達成されるペレットのコンパクションや損傷が少ない傾向がある。
形成されたペレットのあるコンパクションが常にペレタイザに生じるが、典型的には、最適流動性を与えるレベルまでペレット密度を増加するには不十分である。この理由から、ペレタイザにおけるそれらの形成後、ペレットを第2タンブリング手段又はデンシファイア(densifier)に任意に送ることができ、ここで、ペレットが更にコンパクトにされ高密度化する。摩耗によってほとんど分解せず或いはペレットを損傷させずにペレットをコンパクトにするあらゆる低衝撃タンブリング装置が使用し得る。好ましいデンシファイアは、米国特許第6,365,090号に記載されているように、その縦軸を回転するように適合されたジグザクチューブである。好ましくは、デンシファイアは、ペレットのこのような分解を最少にするためにペレタイザよりタンブリング作用が穏やかで激しくない。ジグザクのチューブが回転するにつれて、重力によってチューブが引っ張られるのでその中に入れたペレットはチューブの回転によって前後に穏やかに混転する。上に記載される回転ドラムと同様に、ジグザクチューブデンシファイアは、好ましくは、わずかな角度に傾けられ、ペレットが滞留時間が過度でなく装置に流し込まれることを確実にする。更にまた、デンシファイアの平均滞留時間は、好ましくは約5分未満であり、ペレットが摩耗によって分解しないことを確実にする。更に好ましくは、デンシファイアにおける平均滞留時間は、約1-2分間である。
【0022】
ペレット形成と高密度化は別々の装置、例えば、別々の回転ドラムとコンベヤが連結した回転ジグザグチューブで生じることができるが、本発明の方法は、他の適切手段を用いて達成することができる。例えば、ペレット形成と高密度化は、単一装置内で別々のタンブリング領域又はゾーンで生じてもよい。このような装置の好ましい例は、Patterson Kellyから市販されている“ZIG-ZAG”ブレンダである。この装置の好ましい実施態様においては、ドラムは、内部バッフルを備えてドラムの回転中にガラスペレットとストランドセグメントの自由落下距離を減少させる。この距離を減少させることによって、衝撃と摩耗によるガラス繊維とペレットの劣化が更に少なくなり、そこから製造されるガラス繊維強化成形品における物理的性質が改善される結果となる。バッフルは多くの形をとることができるが、特に好ましい構造には、円筒状バッフルや曲板バッフルが含まれる。本発明に用いられるペレタイザのドラムにバッフルを封入することにより、ドラムにおけるペレットの平均滞留時間がバッフルなしで約2分35秒から大体円筒状のバッフルについては約1分40秒、曲板バッフルについては1分20秒に短縮することがわかった。更に、このようなバッフルの封入から得られる繊維分解における明らかな減少は得られたペレットから成形された製品の物理的性質の増加から明白であり、引張強さの平均の増加の約2-3%、曲げ強さの増加の約1-2%、衝撃強さの増加の約4-5パーセントが含まれる。
高密度化後、ペレットは、コンベヤーベルトに送られ、例えば、温風や冷風が供給されるフード付きのオーブン又は他のあらゆる適切な乾燥手段を用いて乾燥することができる。商業的な量産化に許容しうるレベルに乾燥時間を短縮させるために、繊維を流動床オーブンにおいて約250oF(121.1oC)から約560oF(293.3oC)までの高温で乾燥することが好ましい。乾燥後、高密度化ペレットは、スクリーン又は他の適切な装置を用いてサイズによって分類することができる。
ストランドセグメントの処理能力や水分を変えることによって、対応するペレット化されていないストランドセグメントより約13-60%密度が高く、直径が約10-65倍大きいガラス繊維ペレットを製造することができる。例えば、14ミクロン(直径)繊維から構成される2000フィラメントストランドの細断された4mm(長さ)セグメントのかさ密度は、典型的には約33 lb/ft3 (528.66kg/m3)から36 lb/ft3 (576.72kg/m3)である。水分が約13-14パーセントに水和され且つ本発明の方法に従って高密度化されたペレットに形成された後、得られた乾燥ペレットのかさ密度は、典型的には約40 lb/ft3 (640.8 kg/m3)から約55 lb/ft3 (881.1 kg/m3)である。直径と長さとの比が大きく密度が高い結果として、得られたペレットは、ペレット化されていない細断ストランド製品と比較して流動性が大幅に改善されている。
本発明を一般的に記載してきたが、説明のためだけに示され、特にことわらない限り全てを含むものでなく制限するものでもない、下で示されるある種の個々の例によって更に理解を得ることができる。
【実施例】
【0023】
実施例1: サイズ組成物
本発明の例示的な実施態様のサイズ組成物成分を表1に示す。
【0024】
表1

(a) 予測されたサイズ混合固形を算出するために用いられる活性固形分%。
(b) 導入された混合物固形分は0.62%で算出されている。
(c) A-1100は、アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤である。
(d) K-12は、エチレンペンタミンとステアリン酸の反応生成物の酢酸塩を含むカチオン性軟化剤である。
(e) Zonyl FS-300は、フルオロアルキルアルコールが置換ポリエチレングリコール湿潤剤である。
【0025】
10.8kgのA-1100をタンク中の300リットルの脱イオン水(約23℃)にかきまぜながら約5分間添加してカップリング剤プレミックスを形成した。次に、カップリング剤プレミックスを主タンクに添加した。次に、0.350kgのZONYL FS-300をタンク中の120リットルの脱イオン水にかきまぜながら約5分間添加した。タンクは、湿潤剤を調製する前に十分に洗浄される場合にはカップリング剤プレミックスを混合するために用いた同じタンクであってもよい。湿潤剤プレミックスを、カップリング剤プレミックスを含有する主タンクに添加した。次に、5.00kgの以前に10%の予め希釈されたK-12溶液を、タンク中の100リットルの脱イオン水に添加してカチオン性軟化剤プレミックスを形成した。タンクは、湿潤剤プレミックス及び/又はタンクを最初に洗浄した場合の湿潤剤プレミックスを混合するために用いた同じタンクであってもよい。次に、カチオン性軟化剤プレミックスを、カップリング剤プレミックスと湿潤剤プレミックスを含有する主タンクに添加した。
次に、カップリング剤プレミックス、湿潤剤プレミックス及びカチオン性軟化剤プレミックスの組合わせを含有する主タンクを約15分間かきまぜた。最終の混合サイズ組成物特性を表2に示す。
【0026】
表2

【0027】
実施例2: バインダー組成物
本発明の例示的な実施態様のバインダー組成物成分を表3に示す。
【0028】
表3

(a) Neoxil 962Dは、エポキシエステル樹脂の非イオン性水性エマルジョンである。
(b) Neoxil 8294は、可撓性エポキシ樹脂の非イオン性水性エマルジョンである。
(c) VP LS 2277は、水性ポリウレタン分散液である。
【0029】
446.220kgのNEOXIL 962Dを、主混合タンクに添加し、5分間撹拌した。324.62kgのNEOXIL 8294を、446.220kgのNEOXIL 962Dを含有する主混合タンクに連続撹拌しながら添加した。NEOXIL 8294の全てを添加するとすぐに、得られた混合物を約5分間撹拌した。次に、105.956kgのVP LS 2277を、主混合タンク中の混合物に添加してバインダー組成物を形成した。次に、バインダー組成物を約15分間かきまぜ、混合物固形分を測定した。本実施例のバインダー組成物の特性を下記表4に転載する。






【0030】
表4

【0031】
本発明の2部分サイジング組成物に用いるのに適したサイズ組成物とバインダー組成物の追加の例示的実施態様を下記表5-13に示す。表5-9はその他の例示的なバインダー組成物の配合物であり、表10-13はその他の例示的なサイズ配合物である。
【0032】
表5

混合物固形分パーセントは約41.1%である。
【0033】
表6

混合物固形分パーセントは約39.9%である。
【0034】
表7

混合物固形分パーセントは約44.2%である。







【0035】
表8

混合物固形分パーセントは約45.6%である。
【0036】
表9

混合物固形分パーセントは約39.9%である
【0037】
表10

混合物固形分パーセントは約0.69%であり、pHを8.4に調整するために酢酸を添加した。
【0038】
表11

混合物固形分パーセントが約0.42%、pH約9.8である。
【0039】
表12

混合物固形分パーセントは約0.52%であり、酢酸を添加してpH約8.4を得た。


【0040】
表13

混合物固形分パーセントは約0.43%でpH9.5である。
【0041】
本出願の本発明を一般的と個々の実施態様の双方に関して記載してきた。好ましい実施態様であると考えられることを本発明は示してきたが、包括的な開示の範囲内で当業者に既知の様々な代替物を選ぶことができる。本発明は、以下に示される特許請求の範囲の説明を除き、制限されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に無色の強化繊維材料を形成するための2部分サイジング組成物であって、
サイズ組成物; 及び
バインダー組成物
を含み、該バインダー組成物がアミノシランカップリング剤を本質的に含まない、前記2部分サイジング組成物。
【請求項2】
サイズ組成物が1以上のカップリング剤を含む、請求項1記載の2部分サイジング組成物。
【請求項3】
サイズ組成物が、
カチオン性軟化剤; 及び
湿潤剤
を更に含む、請求項1又は請求項2記載の2部分サイジング組成物。
【請求項4】
1以上のカップリング剤の少なくとも1つが、アミノ、エポキシ、エステル、ビニル、アルキル、メタクリルオキシ、ウレイド、イソシアナート、シロキサン、アミン、イミノ、アミド、イミド及びアザミドからなる群より選ばれた1以上の官能基を有するシランカップリング剤であり;
カチオン性軟化剤が、イミダゾリン、アルキルイミダゾリン誘導体、アミノエチルイミダゾリン及びアミンと脂肪酸の反応生成物の酢酸塩からなる群より選ばれ;
湿潤剤が、非イオン性湿潤剤である
請求項3記載の2部分サイジング組成物。
【請求項5】
1以上のカップリング剤の少なくとも1つが、アミノプロピルトリエトキシシランであり;
カチオン性軟化剤が、アミノエチルイミダゾリン及びテトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応生成物の酢酸塩からなる群より選ばれ;
湿潤剤が、フルオロアルキルアルコール置換ポリエチレングリコールである
請求項3又は請求項4記載の2部分サイジング組成物。
【請求項6】
1以上のカップリング剤とカチオン性軟化剤が、活性物質乾燥質量に基づいて、約1:1〜約30:1の質量比でサイズ組成物に含まれ;
1以上のカップリング剤と湿潤剤が、活性物質乾燥質量に基づいて、約4:1〜約60:1の質量比でサイジング組成物に含まれる、請求項5記載の2部分サイジング組成物。
【請求項7】
サイズ組成物が、更にpH調整剤、抗酸化剤、消泡剤、潤滑剤、帯電防止剤からなる群より選ばれた1種を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の2部分サイジング組成物。
【請求項8】
バインダー組成物が、少なくとも1つの多官能性エポキシ樹脂の非イオン性水性エマルジョンを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の2部分サイジング組成物。
【請求項9】
バインダー組成物が、少なくとも1つの多官能性エポキシ樹脂の非イオン性水性懸濁液を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の2部分サイジング組成物。
【請求項10】
バインダー組成物が、エポキシエステル樹脂及び可撓性エポキシ樹脂より選ばれた少なくとも1つのエポキシ樹脂の水性分散液を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の2部分サイジング組成物。
【請求項11】
バインダー組成物が、更にポリウレタン水性分散液を含む、請求項10記載の2部分サイジング組成物。
【請求項12】
少なくとも1つのエポキシ樹脂が、非イオン性多官能性エポキシ樹脂、非イオン性ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、非イオン性フェノールノボラックエポキシ樹脂; 非イオン性エポキシエステル; 低分子量の液体ビスフェノールAエポキシ樹脂、半固体ビスフェノールAエポキシ樹脂、ブタジエン-アクリロニトリル変性エポキシ樹脂、半固体ビスフェノールAエポキシ樹脂と有機共溶媒、固体ビスフェノールAエポキシ樹脂、固体ビスフェノールAエポキシ樹脂と有機共溶媒、固体ビスフェノールAエポキシ樹脂と非HAPS共溶媒、エポキシド化ビスフェノールAノボラック樹脂; ウレタン変性ビスフェノールAエポキシ樹脂、及びエポキシド化o-クレシルノボラック樹脂より選ばれ、
ポリウレタン分散液が、ポリエステルポリオールと脂肪族イソシアネートに基づく非イオン性ポリウレタン、ポリエーテルに基づく脂肪族ポリウレタン、及びポリエステルと脂肪族イソシアネートに基づくポリウレタンより選ばれたポリウレタンで形成される
請求項11記載の2部分サイジング組成物。
【請求項13】
少なくとも1つのエポキシ樹脂が、Mnが約700未満の1-メトキシ-2-プロパノールビスフェノールAエポキシ樹脂とMnが約3200の1-メトキシ-2-プロパノールエポキシ樹脂の混合物を含み;
ポリウレタンが5-クロロ-2-メチル-3(2H)-イソチアゾロンと2-メチル-3(2H)-イソチアゾロンを含む
請求項12記載の2部分サイジング組成物。
【請求項14】
少なくとも1つのエポキシ樹脂とポリウレタンが、活性物質乾燥質量に基づいて、約5:1〜約20:1の質量比でバインダー組成物に含まれる、請求項13記載の2部分サイジング組成物。
【請求項15】
強化繊維材料の複数のストランドを含む実質的に無色の強化繊維製品であって、該ストランドが
サイズ組成物の内部コーティング及び
バインダー組成物の外部コーティング
を有し、ここで、バインダー組成物はアミノシランカップリング剤を本質的に含まない、前記実質的に無色の強化繊維製品。
【請求項16】
サイズ組成物が、
カップリング剤;
カチオン性軟化剤; 及び
湿潤剤
を含む、請求項15記載の製品。
【請求項17】
カップリング剤がアミノプロピルトリエトキシシランであり;
カチオン性軟化剤がテトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応生成物の酢酸塩であり;
湿潤剤がフルオロアルキルアルコール置換ポリエチレングリコールである
請求項16記載の製品。
【請求項18】
バインダー組成物が、少なくとも1つのエポキシ樹脂の非イオン性水性分散液を含む、請求項15〜17のいずれか1項記載の製品。
【請求項19】
少なくとも1つのエポキシ樹脂が、エポキシエステル樹脂と可撓性エポキシ樹脂を含む、請求項18記載の製品。
【請求項20】
分散液が、水性エマルジョンである、請求項18又は請求項19記載の製品。
【請求項21】
バインダー組成物が、ポリウレタン水性分散液を含む、請求項18記載の製品。
【請求項22】
強化繊維材料の複数のセグメントを含む高密度化強化繊維製品であって、強化繊維材料のセグメントがサイズ組成物の内部コーティングとバインダー組成物の外部コーティングを含み、該バインダー組成物がアミノシランカップリング剤を本質的に含まない、前記高密度化強化繊維製品。
【請求項23】
サイズ組成物が、
カップリング剤、
カチオン性軟化剤、及び
湿潤剤
を含み;
バインダー組成物が、エポキシエステル樹脂及び可撓性エポキシ樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1つのエポキシ樹脂材料の非イオン性分散液を含む、請求項22記載の製品。
【請求項24】
バインダー組成物が、エポキシエステル樹脂の非イオン性水性エマルジョンと可撓性エポキシ樹脂の非イオン性エマルジョンを含む、請求項23記載の製品。
【請求項25】
バインダー組成物が、更にポリウレタン分散液を含む、請求項23又は請求項24記載の製品。
【請求項26】
バインダー組成物が、更にオクチルフェノールエトキシレート及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーより選ばれた界面活性剤を含む、請求項23〜25のいずれか1項に記載の製品。
【請求項27】
カップリング剤が、アミノプロピルトリエトキシシランであり;
カチオン性軟化剤が、テトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応生成物の酢酸塩であり;
湿潤剤が、フルオロアルキルアルコール置換ポリエチレングリコールであり;
少なくとも1つのエポキシ樹脂が、ビスフェノールAエポキシエステル樹脂と可撓性エポキシ樹脂の混合物を含み;
ポリウレタン分散液が、5-クロロ-2-メチル-3(2H)-イソチアゾロンと2-メチル-3(2H)-イソチアゾロンを含む、
請求項25又は請求項26記載の製品。
【請求項28】
2部分サイジング組成物を形成する方法であって、
シランカップリング剤と水とを混合してカップリング剤プレミックスを形成し;
湿潤剤と水とを混合して湿潤剤プレミックスを形成し;
カチオン性軟化剤と水とを混合してカチオン性軟化剤プレミックスを形成し;
該カップリング剤プレミックス、該湿潤剤プレミックス及び該カチオン性軟化剤プレミックスを合わせ、かきまぜて、水性サイズ組成物混合物を得る
ことによりサイズ組成物を調製する工程; 及び
少なくとも1つのエポキシ樹脂の非イオン性水性分散液を調製してエポキシプレミックスを形成し;
少なくとも1つのポリウレタンの水性分散液を調製してポリウレタンプレミックスを形成し;
該エポキシプレミックスと該ポリウレタンプレミックスを合わせ、かきまぜて、シランカップリング剤を本質的に含まない水性バインダー組成物混合物を得る
ことによりバインダー組成物を調製する工程
を含む、前記方法。
【請求項29】
2部分サイジング組成物を用いて高密度化強化繊維製品を形成する方法であって、
繊維材料を準備する工程;
該繊維材料を請求項28に従って形成された水性サイズ組成物混合物で被覆して被覆された繊維材料を形成する工程;
該被覆された繊維材料を細断して長さが短くなった被覆された繊維を得る工程;
該長さが短くなった被覆された繊維を請求項28に従って形成された水性バインダー組成物混合物で被覆してバインダー被覆された長さが短くなった繊維を形成する工程;
該バインダー被覆された長さが短くなった繊維をペレット化して強化繊維ペレットを形成する工程; 及び
該強化繊維ペレットを高密度化する工程
を含む、前記方法。

【公表番号】特表2006−527796(P2006−527796A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515992(P2006−515992)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006602
【国際公開番号】WO2004/110948
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(500134399)オウェンス コーニング コンポジッツ エスピーアールエル (4)
【Fターム(参考)】