説明

熱可塑性樹脂組成物。

【課題】 ポリカーボネート樹脂およびエチレン−プロピレン系ゴム及び/又はアクリル系ゴムを構成成分とするゴム強化スチレン系樹脂からなる樹脂組成物の耐光性、耐湿性、耐衝撃性を改良すること。
【解決手段】 ポリカーボネート樹脂(A)30〜90重量%およびエチレン−プロピレン系ゴム及び/又はアクリル系ゴムを構成成分とするゴム強化スチレン系樹脂(B)10〜70重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、特定構造のヒンダードアミン系光安定剤(C)0.05〜3重量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネート樹脂およびエチレン−プロピレン系ゴム及び/又はアクリル系ゴムを構成成分とするゴム強化スチレン系樹脂と特定のヒンダードアミン系光安定剤からなる耐光性、耐湿性、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂とABS系樹脂からなる組成物(以下、PC/ABS系樹脂と記す)は、耐衝撃性、耐熱性、成形加工性に優れることから、車輌用部品、家庭電化製品、事務機器部品をはじめとする多様な用途に使用されている。
また、ABS系樹脂は、ブタジエン系ゴムを使用していることより、耐候性に劣るため、エチレン−プロピレン系ゴムを使用してなるAES系樹脂とポリカーボネート樹脂からなる組成物(以下、PC/AES系樹脂と記す)が提案されている(特公平1−57699号公報:引用文献1、特公平4−56063号公報)。
しかしながら、これらPC/AES系樹脂においても耐光性といった観点においては十分でない。そこで、これら樹脂に対してヒンダードアミン系光安定剤を配合するということが考えられるが、一般的なヒンダードアミン系光安定剤は造粒加工や成形加工においてポリカーボネート樹脂を熱分解させたり、高温多湿下において加水分解させてポリカーボネート樹脂の分子量を低下させ、結果として耐衝撃性を低下させるという問題を有していた。特開2005−344026号公報(引用文献3)では、PC/ABS系樹脂に特定構造のヒンダードアミン系光安定剤を配合することが記載されているが、未だ十分とはいえない。
【特許文献1】特公平1−57699号公報
【特許文献2】特公平4−56063号公報
【特許文献3】特開2005−344026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ポリカーボネート樹脂およびエチレン−プロピレン系ゴム及び/又はアクリル系ゴムを構成成分とするゴム強化スチレン系樹脂からなる樹脂組成物の耐光性、耐湿性、耐衝撃性を改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)30〜90重量%およびエチレン−プロピレン系ゴム及び/又はアクリル系ゴムを構成成分とするゴム強化スチレン系樹脂(B)10〜70重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、下記一般式にて示されるヒンダードアミン系光安定剤(C)0.05〜3重量部配合してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【化2】

(式中、nは2〜10である。)
【発明の効果】
【0006】
ポリカーボネート樹脂およびエチレン−プロピレン系ゴム及び/又はアクリル系ゴムを構成成分とするゴム強化スチレン系樹脂からなる樹脂組成物の耐光性、耐湿性、耐衝撃性を改良できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明にて用いられるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、;“ビスフェノールA”から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0008】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビスビス(4−ヒドロキシジフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルファイド、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルファイドのようなジヒドロキシジアリールスルファイド類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
【0009】
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル類等を混合しても良い。
【0010】
さらに、上記のジヒドロキシジアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用しても良い。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン及び2,2−ビス−(4,4’−(4,4’−ヒドロキシジフェニル)シクロヘキシル)−プロパン等が挙げられる。なお、これらポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することが出来る。
【0011】
本発明にて使用されるゴム強化スチレン系樹脂(B)とは、エチレン−プロピレン系ゴム及び/又はアクリル系ゴムを構成成分とするゴム強化スチレン系樹脂であって、エチレン−プロピレン系ゴム及び/又はアクリル系ゴムに芳香族ビニル系化合物および共重合可能な他のビニル系化合物とを重合して得られるものである。
【0012】
本発明におけるゴム強化スチレン系樹脂(B)を構成するエチレン−プロピレン系ゴムとしては、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエン成分を導入してなるエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム等が挙げられる。特にエチレン含有量30〜80重量%、ムーニー粘度(ML1+4 121℃)40〜80のものが好ましい。
また、アクリル系ゴムとしては、架橋剤の存在下または非存在下にアルキル基の炭素数1〜16のアクリル酸エステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの1種又は2種以上、さらには必要に応じて他の共重合可能な他の化合物、例えばスチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどの1種又は2種以上を重合もしくは共重合してなるゴム、さらには、更には特開平4−100812号公報、特開平6−25492号公報等に記載のポリオルガノシロキサンゴム成分とアクリル系ゴム成分との複合ゴムや、特開平8−41143号公報等に記載された共役ジエンゴム成分とアクリル系ゴム成分とからなる複合ゴム等が挙げられる。
なお、ゴム強化スチレン系樹脂(B)のグラフト率には特に制限はないが、5〜150%であることが好ましい。
【0013】
本発明にて用いられる芳香族ビニル系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられ、単独あるいは混合して使用することができる。
また、共重合可能な他のビニル系化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系化合物、メチルメタアクリレート、メチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系化合物、マレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系化合物、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ化合物、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有不飽和化合物等が例示され、それぞれ1種または2種以上混合して使用することができる。
【0014】
ゴム強化スチレン系樹脂(B)を構成する各成分の組成割合には特に制限はないが、エチレン−プロピレン系ゴム及び/又はアクリル系ゴム10〜80重量%および芳香族ビニル系化合物20〜100重量%および共重合可能な他の化合物0〜80重量%からなる化合物(合計)90〜20重量%であることが好ましく、特に、ゴム状重合体10〜80重量%および芳香族ビニル系化合物20〜90重量%および共重合可能な他の化合物としてシアン化ビニル系化合物および/または(メタ)アクリル酸エステル系化合物10〜80重量%からなる化合物(合計)90〜20重量%であることが好ましい。
なお、本発明においては、必要に応じてスチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体(αMS−ACN)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS)、メタクリル酸メチルーアクリロニトリル−スチレン共重合体(MAS)、スチレンーN−フェニルマレイミド共重合体(S−NPMI)、スチレン−N−フェニルマレイミド−アクリロニトリル共重合体(S−A−NPMI)等の他のスチレン系共重合体を上記ゴム強化スチレン系樹脂(B)の一部として配合してもよいが、ゴム強化スチレン系樹脂(B)中のゴム含有量は5〜60重量%となるように配合することが好ましい。
【0015】
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)30〜90重量%およびゴム強化スチレン系樹脂(B)10〜70重量%からなるものであるが、ポリカーボネート樹脂(A)30重量%未満で耐光性、耐湿性、耐衝撃性が低下し、90重量%を超えると成形性が低下するという面から好ましくない。
【0016】
本発明にておけるヒンダードアミン光安定剤(C)は、下記一般式にて示される化合物である。
【0017】
【化3】

(式中、nは2〜10である。)
このような化合物は、BASF社製のUvinul5050Hとして入手可能である。
【0018】
上記のヒンダードアミン系光安定剤(C)は、ポリカーボネート樹脂(A)とゴム強化スチレン系樹脂(B)からなる樹脂組成物100重量部に対して0.05〜3重量部配合されるものである。ヒンダードアミン系光安定剤(C)の配合割合が0.05重量部未満では耐光性に劣り、また3重量部を超えると耐湿性が劣るため好ましくない。
【0019】
本発明においては、さらに、ポリカーボネート樹脂(A)とゴム強化スチレン系樹脂(B)からなる樹脂組成物100重量部に対してホスファイト系酸化防止剤(D)0.01〜3重量部及び/又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(E)0.01〜3重量部を配合することが耐湿性の点で好ましい。
このようなホスファイト系酸化防止剤(D)としては、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・ジャパン社製のIRGAFOS 168として入手可能)が挙げられ、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(E)としては、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(チバ・ジャパン社製のTINUVIN329として入手可能)が挙げられる。
【0020】
ポリカーボネート樹脂(A)、ゴム強化スチレン系樹脂(B)、ヒンダードアミン系光安定剤(C)、さらにはホスファイト系酸化防止剤(D)及び/又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(E)の混合順序ならびにその状態には何ら制限はなく、パウダー、ペレットなどの形態による、(A)、(B)、(C)、(D)および(E)成分の一括同時混合、特定の二成分を予備混合した後残る成分を混合する方法が例示される。これらの溶融混合に際してはバンバリーミキサー、ロール、押出機等を用いることができる。
なお、本発明においては、さらには上記の(C)成分、(D)成分、(E)成分以外の光安定剤、酸化防止剤や、その他紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔料、可塑剤、難燃剤、離型剤等の公知の添加剤や補強材、充填材等を添加することができる。
【0021】
〔実施例〕
以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中にて示す部および%は重量に基づくものである。
【0022】
ポリカーボネート樹脂(A)
A−1:住友ダウ社製 カリバー200−20
【0023】
ゴム強化スチレン系樹脂(B)
ゴム強化スチレン系樹脂(B−1):攪拌翼を備えた重合反応機に、純水300部、懸濁安定剤としてヒドロキシエチルセルロース0.3部を溶解した後、3mm角に裁断したエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴム(エチレン含有量55%、ムーニー粘度(ML1+4121℃)60)50部を仕込み懸濁させた。その後、スチレン37部、アクリロニトリル13部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート3.0部および分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.1部を添加し、100℃にて1時間重合を行った。重合終了後、脱水し、ゴム強化スチレン系樹脂(B−1)を得た。得られたゴム強化スチレン系樹脂(B−1)のグラフト率は40%であった。
【0024】
ゴム強化スチレン系樹脂(B−2):攪拌翼を備えた重合反応機に、純水230部、オレイン酸カリウム0.30部、過硫酸カリウム0.2部、ブチルアクリレート98.0部、アクリロニトリル1.0部、アリルメタクリレート1.0部からなる混合モノマー溶液を仕込み50℃に昇温した。その後、純水20部、オレイン酸カリウム1.0部からなる乳化剤水溶液を8時間に亘って連続添加した。その後5時間重合を継続し、重量平均粒子径0.28μmのアクリル系ゴムラテックスを得た。
さらに、攪拌翼を備えた重合反応機に、上記のアクリル系ゴムラテックス50部(固形分換算)と純水110部、デキストリン0.1部、無水ピロリン酸ナトリウム0.1部および硫酸第1鉄0.005部を溶解した水溶液を添加した後、70℃に昇温した。その後、アクリロニトリル15部、スチレン35部、クメンハイドロパーオキサイド0.3部の混合液および純水20部にオレイン酸カリウム1.0部を溶解した乳化剤水溶液を6時間に亘り連続添加した。その後、重合を3時間継続し、重合を終了した。その後、塩析・脱水・乾燥し、ゴム強化スチレン系樹脂(B−2)を得た。得られたゴム強化スチレン系樹脂(B−1)のグラフト率は45%であった。
【0025】
AS共重合体:公知の塊状重合法により、スチレン70部、アクリロニトリル30部からなるAS共重合体を得た。
【0026】
ヒンダードアミン系光安定剤(C)
C−1:化1に示されるヒンダードアミン系光安定剤(BASF社製 UVINUL 5050H)
C−i:一般的なヒンダードアミン系光安定剤(アデカ社製 アデカスタブ LA−77)
C−ii:一般的なヒンダードアミン系光安定剤(アデカ社製 アデカスタブ LA−63P)
【0027】
ホスファイト系酸化防止剤(D)
D−1:チバ・ジャパン社製のIRGAFOS168
【0028】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(E)
E−1:チバ・ジャパン社製のTINUVIN329
【0029】
〔実施例1〜5および比較例1〜6〕
上記のポリカーボネート樹脂(A)、ゴム強化スチレン系樹脂(B)、ヒンダードアミン系光安定剤(C)、ホスファイト系酸化防止剤(D)およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(E)を表1に示す配合割合で混合した。さらに三菱化学社製MA−600Bを0.02部添加し、50mm押出機(オーエヌ機械製)を用い、シリンダー温度250〜270℃にて溶融混合しペレット化した。得られたペレットにつき、射出成形機にて各種試験片を作成し、耐光性、耐湿性、耐衝撃性を測定した。
【0030】
耐光性::50mm×100mm×3mm厚の試験片につき、紫外線オートフェ−ドメータ(スガ試験機社製)を用いて83℃雨無しの条件で1000時間照射を行った。
JIS Z8729で測色し、色差(ΔE)で耐光性評価を行い、ΔEが4未満を合格、発泡による外観変化が観察される場合は×とした。
【0031】
耐湿性:ASTM D−1238に準じてメルトフローレイトを220℃、10kg(単位:g/10min)の条件で測定し、これを基準値とした。その後、90℃、95%RHの条件で600時間、高温多湿環境下に暴露した後のメルトフローレイトを同様にASTM D−1238に準じて220℃、10kg(単位:g/10min)の条件で測定した。基準値を100%とした時の暴露後の変化率を測定し、変化率300%未満を○、300%以上を×、1000%以上を××と評価した。
【0032】
耐衝撃性:ASTM D−256に準じてノッチ付きアイゾット衝撃試験を測定した。1/4インチ、23℃(単位:J/m)。
これらの測定結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、耐光性、耐湿性、耐衝撃性に優れるものであり、建材、家電、OA機器等のほか、特に自動車内装部品として好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネート樹脂(A)30〜90重量%およびエチレン−プロピレン系ゴム及び/又はアクリル系ゴムを構成成分とするゴム強化スチレン系樹脂(B)10〜70重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、下記一般式にて示されるヒンダードアミン系光安定剤(C)0.05〜3重量部配合してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【化1】

(式中、nは2〜10である。)
【請求項2】
さらにホスファイト系酸化防止剤(D)0.01〜3重量部及び/又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(E)0.01〜3重量部を配合してなる請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。


【公開番号】特開2009−249398(P2009−249398A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95148(P2008−95148)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(399034220)日本エイアンドエル株式会社 (186)
【Fターム(参考)】