説明

熱媒体加熱装置およびそれを備えた車両用空調装置

【課題】扁平熱交チューブとPTCヒータ間の接触熱抵抗を低減し、伝熱性能を高めて小型高性能化するとともに、扁平熱交チューブおよびPTCヒータを適度な力で押圧して簡易にかつ精度よく組み立てできる熱媒体加熱装置提供することを目的とする。
【解決手段】複数枚の扁平熱交チューブ12と、その扁平チューブ部間に組み込まれるPTCヒータと、扁平熱交チューブ12およびPTCヒータを一面側からケーシング11の内面に押圧し固定する熱交押え部材15と、熱交押え部材15上に設置され、PTCヒータを制御する制御基板と、を備え、熱交押え部材15は、ケーシング11側の設置部11Dとの間に介装され、その圧縮反力で扁平熱交チューブ12およびPTCヒータに押圧荷重を付与する弾性部材28を介して設置部11Dに設置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PTCヒータを用いて熱媒体を加熱する熱媒体加熱装置およびそれを備えた車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車等に適用される車両用空調装置にあって、暖房用の熱源となる被加熱媒体を加熱する熱媒体加熱装置の1つに、正特性サーミスタ素子(Positive Temperature Coefficient;以下、PTC素子という。)を発熱要素とするPTCヒータを用いたものが知られている。PTCヒータは、正特性のサーミスタ特性を有しており、温度の上昇と共に抵抗値が上昇し、これによって消費電流が制御されるとともに温度上昇が緩やかになり、その後、消費電流および発熱部の温度が飽和領域に達して安定するものであり、自己温度制御特性を備えている。
【0003】
上記のような熱媒体加熱装置において、特許文献1には、熱媒体の入口および出口を備えたハウジング内に、該ハウジング内を加熱室と熱媒体の循環室とに分割する多数の隔壁を設け、この隔壁によって区画された加熱室側に隔壁と接するようにPTC加熱素子を挿入設置し、隔壁を介して循環室側に流通される熱媒体を加熱するようにした熱媒体加熱装置が提示されている。
【0004】
また、特許文献2には、PTC素子を挟んでその両面に電極板、絶縁層および伝熱層を設けて平板状のPTCヒータを構成し、該PTCヒータの両面に、熱媒体の入口および出口を備えた互いに連通されている一対の熱媒体流通ボックスを積層し、更にその外面に制御基板を収容する基板収容ボックスおよび蓋体を設けた積層構造の熱媒体加熱装置が提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−7106号公報
【特許文献2】特開2008−56044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に示されたものは、隔壁により形成された幅および前後方向の加熱室の多数の凹部に、多数のPTC加熱素子を挿入設置した構成とされている。このため、伝熱面となる隔壁間にPTC加熱素子を密着させて挿入設置することは、必ずしも容易なことではなく、隔壁とPTC加熱素子との間の接触熱抵抗が大きくなってしまい、伝熱効率が低下し易い。一方、隔壁間の間隔を狭くして密着性を高めようとすると、組み付け時の作業性が著しく低下し、工数が増加する等の課題があった。また、幅方向および前後方向に形成された多数の凹部に多数のPTC加熱素子を個別に組み込まなければならず、構造の複雑化、組み立て性の悪化、コストアップ等は避けられなかった。
【0007】
また、特許文献2のものは、PTCヒータの両面に放熱フィンを有る一対の熱媒体流通ボックスを積層し、その外面に制御基板を収容する基板収容ボックスおよび蓋体を積層してボルトにより締結した構成とされているため、PTCヒータと熱媒体流通ボックスとを密着させ、その間の接触熱抵抗を低減させることができる。しかし、PTCヒータを多層配置することが困難なため、平面面積が大きくなるとともに、熱媒体流通ボックスや専用の基板収容ボックスが必要で、これらは、耐熱性や伝熱性等の面からアルミダイカスト製とされるため、小型軽量化には限界があるとともに、高価になる等の課題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、扁平熱交チューブおよびPTCヒータを多層に積層配設し、その間の接触熱抵抗を低減して伝熱性能を高め、小型高性能化するとともに、扁平熱交チューブおよびPTCヒータを適度な力で押圧して簡易にかつ精度よく組み立てできる熱媒体加熱装置およびそれを備えた車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明の熱媒体加熱装置およびそれを備えた車両用空調装置は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる熱媒体加熱装置は、入口ヘッダ部から流入された熱媒体が扁平チューブ部を流通後、出口ヘッダ部から流出される複数枚の扁平熱交チューブと、互いに積層される複数枚の前記扁平熱交チューブの前記扁平チューブ部間に組み込まれるPTCヒータと、複数枚の前記扁平熱交チューブおよび前記PTCヒータを前記扁平熱交チューブの一面側からケーシングの内面に押圧して密着させる熱交押え部材と、前記熱交押え部材上に設置され、前記PTCヒータを制御する制御基板と、を備え、前記熱交押え部材は、前記ケーシング側の設置部との間に介装され、その圧縮反力で前記扁平熱交チューブおよび前記PTCヒータに押圧荷重を付与する弾性部材を介して前記設置部に設置されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、複数枚の扁平熱交チューブが積層され、その扁平チューブ部間にPTCヒータが組み込まれた状態で、各扁平熱交チューブおよびPTCヒータが熱交押え部材により押圧されて密着される構成とされており、該熱交押え部材上にPTCヒータを制御する制御基板が設置されるとともに、熱交押え部材は、ケーシング側の設置部との間に介装され、その圧縮反力で扁平熱交チューブおよびPTCヒータに押圧荷重を付与する弾性部材を介して設置部に設置されているため、複数枚の扁平熱交チューブ間にPTCヒータを挟み込んで積層配置し、それを熱交押え部材で押圧することにより、各々を互いに密着させて組み込むことができる。また、熱交押え部材を介して扁平熱交チューブおよびPTCヒータを押圧し、各々を密着させるに当たり、熱交押え部材に弾性部材の圧縮反力で押圧荷重を付与することによって、各部品の寸法公差、バラツキ等を吸収し、熱交押え部材や扁平熱交チューブ等が変形されないように、適度な荷重で扁平熱交チューブおよびPTCヒータを押圧することができる。従って、扁平熱交チューブとPTCヒータ間の接触熱抵抗を低減して伝熱効率を向上し、熱媒体加熱装置を小型高性能化することができるとともに、扁平熱交チューブおよびPTCヒータをシムの選択嵌合による調整等に依存することなく、適正に押圧して各扁平熱交チューブ間のシール性やPTCヒータとの密着性等を確保しつつ、簡易にかつ精度よく組み込むことができる。
【0011】
また、本発明の熱媒体加熱装置は、上記の熱媒体加熱装置において、前記弾性部材は、前記弾性部材は、コイルスプリングとされ、該コイルスプリングが前記熱交押え部材を前記ケーシング側の前記設置部に対してネジ止めするネジの周囲に、その圧縮反力で前記熱交押え部材を押圧すべく介装されていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、弾性部材が、コイルスプリングとされ、該コイルスプリングが熱交押え部材をケーシング側の設置部に対してネジ止めするネジの周囲に、その圧縮反力で熱交押え部材を押圧すべく介装されているため、熱交押え部材をケーシング側の設置部に対してネジ止めするネジの周囲にコイルスプリングを介装するだけで、各部品の寸法公差やバラツキ等により生ずる熱交押え部材とその設置部間の隙間のバラツキを吸収し、適度な荷重で扁平熱交チューブおよびPTCヒータを押圧することができる。従って、複数枚の扁平熱交チューブおよびPTCヒータを、熱交押え部材や扁平熱交チューブ等を変形させることなく、複数枚の扁平熱交チューブ間のシール性やPTCヒータとの密着性等を確保しつつ、簡易にかつ精度よく組み込むことができる。
【0013】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上記の熱媒体加熱装置において、前記コイルスプリングは、前記ネジのヘッド部と前記熱交押え部材との間に介装されていることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、コイルスプリングが、ネジのヘッド部と熱交押え部材との間に介装されているため、熱交押え部材の設置用ネジを規定位置まで締め込むことにより、ネジのヘッド部と熱交押え部材との間に介装されているコイルスプリングが圧縮され、その圧縮反力によって熱交押え部材を押圧し、扁平熱交チューブおよびPTCヒータをそれぞれ密着させることができる。従って、複数枚の扁平熱交チューブおよびPTCヒータを、熱交押え部材を介して適度な力で押圧し、熱交押え部材や扁平熱交チューブ等を変形させることなく、各扁平熱交チューブ間のシール性やPTCヒータとの密着性等を確保しつつ、簡易にかつ精度よく組み立てることができる。
【0015】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上記の熱媒体加熱装置において、前記コイルスプリングは、前記ケーシング側の前記設置部と前記熱交押え部材との間に介装されていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、コイルスプリングが、ケーシング側の設置部と熱交押え部材との間に介装されているため、熱交押え部材の設置用ネジを規定トルクで締め込み、ケーシング側の設置部と熱交押え部材との間に介装されているコイルスプリングを圧縮し、その圧縮反力で熱交押え部材に一定の荷重を与えることによって、扁平熱交チューブおよびPTCヒータをそれぞれ密着させることができる。従って、複数枚の扁平熱交チューブおよびPTCヒータを、熱交押え部材を介して適度な力で押圧し、熱交押え部材や扁平熱交チューブ等を変形させることなく、複数枚の扁平熱交チューブ間のシール性やPTCヒータとの密着性等を確保しつつ、簡易にかつ精度よく組み立てることができる。
【0017】
さらに、本発明にかかる車両用空調装置は、空気流路中に配設されている放熱器に対して、熱媒体加熱装置で加熱された熱媒体が循環可能に構成されている車両用空調装置において、前記熱媒体加熱装置が、上述のいずれかの熱媒体加熱装置とされていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、空気流路中に配設されている放熱器に対して、上述のいずれかの熱媒体加熱装置により加熱された熱媒体が循環可能な構成とされているため、空気流路中に配設されている放熱器に供給される熱媒体を、熱媒体に対するシール性が良好で小型高性能化された熱媒体加熱装置により加熱して供給することができる。従って、車両用空調装置の空調性能、特に暖房性能の向上することができるとともに、車両に対する空調装置の搭載性およびその空調装置の熱媒体の漏洩防止に対する信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の熱媒体加熱装置によると、複数枚の扁平熱交チューブ間にPTCヒータを挟み込んで積層配置し、それを熱交押え部材で押圧することにより、各々を互いに密着させて組み込むことができる。また、熱交押え部材を介して扁平熱交チューブおよびPTCヒータを押圧し、各々を密着させるに当たり、熱交押え部材に弾性部材の圧縮反力で押圧荷重を付与することによって、各部品の寸法公差、バラツキ等を吸収し、熱交押え部材や扁平熱交チューブ等が変形されないように、適度な荷重で扁平熱交チューブおよびPTCヒータを押圧することができるため、扁平熱交チューブとPTCヒータ間の接触熱抵抗を低減して伝熱効率を向上し、熱媒体加熱装置を小型高性能化することができるとともに、扁平熱交チューブおよびPTCヒータをシムの選択嵌合による調整等に依存することなく、適正に押圧して複数枚の扁平熱交チューブ間のシール性やPTCヒータとの密着性等を確保しつつ、簡易にかつ精度よく組み込むことができる。
【0020】
また、本発明の車両用空調装置によると、空気流路中に配設されている放熱器に供給される熱媒体を、熱媒体に対するシール性が良好で小型高性能化された熱媒体加熱装置により加熱して供給することができるため、車両用空調装置の空調性能、特に暖房性能の向上することができるとともに、車両に対する空調装置の搭載性およびその空調装置の熱媒体の漏洩防止に対する信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る熱媒体加熱装置を備えた車両用空調装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す熱媒体加熱装置のアッパケースを省略した状態の分解斜視図である。
【図3】図2に示す熱媒体加熱装置の平面視図である。
【図4】図3のA−A断面相当図である。
【図5】図2に示す熱媒体加熱装置の熱交押え部材の締め付け固定部の概略構成図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る熱媒体加熱装置の熱交押え部材の締め付け固定部の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図5を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る熱媒体加熱装置を備えた車両用空調装置の概略構成図が示されている。
車両用空調装置1は、外気または車室内空気を取り込んで温調した後、それを車室内へと導くための空気流通路2を形成するケーシング3を備えている。
【0023】
ケーシング3の内部には、空気流通路2の上流側から下流側にかけて順次、外気または車室内空気を吸い込んで昇圧し、それを下流側へと圧送するブロア4と、該ブロア4により圧送される空気を冷却する冷却器5と、冷却器5を通過して冷却された空気を加熱する放熱器6と、放熱器6を通過する空気量と放熱器6をバイパスする空気量との流量割合を調整し、その下流側でエアミックスさせることによって、温調風の温度を調節するエアミックスダンパ7と、が設置されている。
【0024】
ケーシング3の下流側は、図示しない吹き出しモード切替えダンパおよびダクトを介して温調された空気を車室内に吹き出す複数の吹き出し口に接続されている。
冷却器5は、図示省略された圧縮機、凝縮器、膨張弁等と共に冷媒回路を構成し、膨張弁で断熱膨張された冷媒を蒸発させることによって、そこを通過する空気を冷却するものである。放熱器6は、タンク8、ポンプ9および熱媒体加熱装置10と共に熱媒体循環回路10Aを構成しており、熱媒体加熱装置10で加熱された高温の熱媒体(例えば、不凍液、水等)がポンプ9を介して循環されることによって、そこを通過する空気を加温するものである。
【0025】
図2には、図1に示された熱媒体加熱装置10のアッパケースを省略した状態の分解斜視図が示され、図3には、その平面視図、図4には、図3のA−A断面相当図、更に図5には、熱交押え部材の締め付け固定部の概略構成図が示されている。
熱媒体加熱装置10は、箱形構成のケーシング11(アッパケースは省略)と、複数枚(例えば、3枚)の扁平熱交チューブ12と複数組のPTCヒータ13とが交互に積層されている熱交換モジュール14と、該熱交換モジュール14をケーシング11のロアケース11Aの内底面に押圧して固定するための熱交押え部材15と、該熱交押え部材15上に一対のスペーサ部材16を介して配設されたPTCヒータ13を制御する制御基板17とから構成されている。
【0026】
ケーシング11は、上半部と下半部とに2分割された箱形構成のケーシングとされており、下半部に位置されるロアケース11Aに対して、上半部に位置される図示省略のアッパケースが複数本のネジを介してネジ止め固定されることにより、一体化される構成とされている。そして、このケーシング11の内部空間に、上記した扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13からなる熱交換モジュール14、熱交押え部材15、一対のスペーサ部材16および制御基板17等が収容設置されるようになっている。
【0027】
ロアケース11Aの下面には、積層された3枚の扁平熱交チューブ12に導入される熱媒体を導くための熱媒体入口路11Bおよび扁平熱交チューブ12内を流通した熱媒体を導出するための熱媒体出口路11Cが、下方に突出されるように一体形成されているとともに、熱交押え部材15を締め付け固定するためのボス部(設置部)11Dが、4箇所に上方に突出されるように一体形成されている。ロアケース11Aは、その内部空間に収容設置される扁平熱交チューブ12を形成するアルミ合金材と線膨張率が近似している樹脂材料(例えば、PPS)により成形されている。なお、アッパケースも、ロアケース11Aと同様の樹脂材料により成形することが望ましい。
【0028】
さらに、ロアケース11Aの下面には、電源ハーネス18およびLVハーネス19の先端部を貫通するための電源ハーネス用孔およびLVハーネス用孔(共に図示省略)が開口されている。電源ハーネス18は、制御基板17を介してPTCヒータ13に電力を供給するためのものであり、先端部が2又状に分岐され、制御基板17に設けられている2つの電源ハーネス用端子台17Aにネジを介してネジ止め可能とされている。また、LVハーネス19は、制御基板17に対して制御用の信号を送信するためのものであり、その先端部は、制御基板17にコネクタ接続可能とされている。
【0029】
制御基板17は、上位制御装置(ECU)からの指令に基づいて複数組のPTCヒータ13に対する通電制御を行うものであり、FETやIGBT等からなる複数のパワートランジスタ(発熱性電気部品)20を含む制御回路21が表面実装され、その制御回路21を介して複数組のPTCヒータ13に対する通電状態が切替え可能に構成されているものである。この制御基板17は、少なくとも発熱性電気部品である複数のパワートランジスタ20が実装される部位に対応して、基板両面に貫通されるように、銅やアルミ等の高熱伝導性材からなる熱貫通部22(図4参照)が設けられた構成とされている。
【0030】
そして、上記複数組のPTCヒータ13をその両面から挟み込むように複数枚の扁平熱交チューブ12が積層されることにより、熱交換モジュール14が構成されている。この扁平熱交チューブ12は、アルミ合金製薄板をプレス成形した一対のチューブ材を重ね合わせることによって構成されるものであり、図2および図4に示されるように、例えば3枚の扁平熱交チューブ12を互いに平行になるように積層し、その扁平熱交チューブ12間にそれぞれPTCヒータ13を挟み込んで積層することにより、1組の熱交換モジュール14を構成するようにしている。
【0031】
各扁平熱交チューブ12は、上記の如く一対のチューブ材を重ね合わせることにより構成される厚さが数ミリ程度の扁平断面形状とされた扁平チューブ部12Aと、その両端部分に形成された熱媒体が流入する入口ヘッダ部12Bおよび熱媒体が流出する出口ヘッダ部12Cとを備えた構成とされており、更に扁平チューブ部12A内には、波板状のインナーフィン(図示省略)が挿入され、該扁平チューブ部12A内に複数の熱媒体流通路が形成されるようになっている。
【0032】
3枚の扁平熱交チューブ12は、下段、中段、上段の順に順次積層され、その両端の入口ヘッダ部12Bおよび出口ヘッダ部12C同士が互いにOリング等のシール材を介して密接され、入口ヘッダ部12Bおよび出口ヘッダ部12Cに設けられている図示省略の連通穴が互いに連通されるようになっている。この3枚の扁平熱交チューブ12は、積層された状態または順次積層されながらロアケース11Aの内底面に組み込まれ、後述するようにロアケース11Aのボス部11E(4箇所)に締め付け固定される熱交押え部材15を介して、ロアケース11Aの内底面に向け押圧固定されるように構成されている。
【0033】
また、上記3枚の扁平熱交チューブ12間に、それぞれPTCヒータ13が挟み込まれることによって、1組の熱交換モジュール14が構成されている。この複数組(2組)のPTCヒータ13は、公知の如く、PTC素子(Positive Temperature Coefficient)23の上下両面に、それぞれ電極板24を接触配置したものであり、絶縁シートおよび伝熱シート等を介して3枚の扁平熱交チューブ12間に各々積層配置されている。なお、PTCヒータ13は、3枚の扁平熱交チューブ12と共に積層された状態または順次積層されながらロアケース11Aの内底面に組み込まれ、上記の如く熱交押え部材15を介してロアケース11Aの下面に押圧固定されるように構成されている。
【0034】
電極板24は、PTC素子23に対して電力を供給するためのものであり、平面視において、矩形状を呈するアルミ合金製板材により構成されている。この電極板24は、PTC素子23を挟んでその両面に、PTC素子23の上面に接するように一枚、PTC素子23の下面に接するように一枚それぞれ積層配置されており、これら2枚の電極板24によって、PTC素子23が上下両面から挟み込まれるようになっている。
【0035】
さらに、PTC素子23の上面側に配置される電極板24は、その上面が扁平熱交チューブ12の下面に接するように配設され、PTC素子23の下面側に配置される電極板24は、その下面が扁平熱交チューブ12の上面に接するように配設されるように構成されている。本実施形態においては、電極板24は、下段の扁平熱交チューブ12と中段の扁平熱交チューブ12との間、中段の扁平熱交チューブ12と上段の扁平熱交チューブ12との間に各々2枚、合計4枚が配置されている。
【0036】
これら4枚の電極板24は、各扁平熱交チューブ12の扁平チューブ部12Aと略同一形状とされており、各々の長辺側に1つの端子24Aが一体に設けられている。この端子24Aは、各電極板24を積層させたとき、重ならないように、電極板24の長辺に沿って配置されている。つまり、各電極板24に設けられている端子24Aは、その長辺に沿って少しずつ位置がずらされて設けられ、各電極板24が積層された場合に直列に配列されるように設けられている。各端子24Aは、電極板24から水平方向に突出され、更に上方に延長されるようにL字形状とされており、制御基板17の表面側の一辺に並設されている複数組(4組)の端子台17Bにネジ止め等により直接接続されている。
【0037】
3枚の扁平熱交チューブ12および2組のPTCヒータ13は、上記の如く積層された状態または順次積層されながらロアケース11Aの内底面上に組み込まれ、その最上段の扁平熱交チューブ12の上面が、ロアケース11Aのボス部11D(4箇所)に4個のネジ26により締め付け固定される熱交押え部材15を介して、ロアケース11Aの内底面方向に押圧されることにより、各扁平熱交チューブ12の入口ヘッダ部12Bおよび出口ヘッダ部12Cの上下面同士、並びに各扁平熱交チューブ12の扁平チューブ部12AとPTCヒータ13の上下面同士がそれぞれ密着状態とされるようになっている。
【0038】
これによって、ケーシング11内部に熱交換モジュール14が組み込まれ、ロアケース11Aの熱媒体入口路11Bから導入された熱媒体は、各扁平熱交チューブ12の入口ヘッダ部12Bから扁平チューブ部12A内へと導かれ、この扁平チューブ部12A内を流通する過程において、PTCヒータ13により加熱昇温されて各出口ヘッダ部12Cに流出し、そこからロアケース11Aの熱媒体出口路11Cを経て熱媒体加熱装置10の外部へと導出されるようになる。そして、熱媒体加熱装置10から導出された熱媒体は、熱媒体循環回路10A(図1参照)を介して放熱器6に供給されるようになっている。
【0039】
熱交押え部材15は、制御基板17に表面実装されている複数の発熱性電気部品20を銅やアルミ等の高熱伝導性材からなる熱貫通部22を介して冷却するヒートシンクとしての機能を兼ね備えたものであり、アルミ合金製の板材により構成されている。この熱交押え部材15は、扁平熱交チューブ12の上面を覆う大きさとされたものであり、長手方向寸法が制御基板17よりも長くされ、扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13からなる熱交換モジュール14を押圧固定する際、入口ヘッダ部12Bおよび出口ヘッダ部12Cの周囲におけるシール性を確保するため、その中心線を通る位置でネジ25を介してケーシング11のボス部11Dに締め付け固定されるように構成されている。
【0040】
一対のスペーサ部材16は、熱交押え部材15を止めるネジ25の位置が上記位置に制約されたとき、熱交押え部材15の上面側に配設される制御基板17との干渉を避けるために介装されるものである。このスペーサ部材16のうち、少なくとも制御基板17上に実装されている発熱性電気部品20と対応する位置側のスペーサ部材16は、例えばアルミ合金製板材等の高熱伝導性材とされ、発熱性電気部品20からの熱を、制御基板17を貫通する熱貫通部を介して熱交押え部材15に伝熱可能な構成とされている。なお、他のスペーサ部材16は、樹脂材等としてもよい。
【0041】
制御基板17は、熱交押え部材15の上面側に一対のスペーサ部材16を介して複数個のネジ26によりネジ止め固定され、その熱貫通部(図示省略)が高熱伝導性材とされたスペーサ部材16と接触されるように配設されている。そして、この制御基板17の端子台17Aに、2又状に分岐された電源ハーネス18が接続されるとともに、LVハーネス19がコネクタ接続され、更に端子台17Bに、PTCヒータ13の電極板24から延長されているL字状の端子24Aがネジ等を介して直接接続されることによって、制御基板17が熱交押え部材15上に組み込まれ、ケーシング11内に収容設置されるように構成されている。
【0042】
さらに、本実施形態では、熱交押え部材15をロアケース11Aのボス部11Dに締め付け固定することにより、多層に積層された複数枚の扁平熱交チューブ12および複数組のPTCヒータ13を押圧して互いが密着されるようにしている。この際、適度な力で扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13を押圧するには、熱交押え部材15とボス部11Dとの間に適正な隙間S(図5参照)を確保し、熱交押え部材15を変形させて締め付け固定する必要がある。しかし、この隙間Sには、各部品の寸法公差等によりバラツキが発生する。このため、これを吸収して適度な力に押圧しなければならず、熱交押え部材15の剛性が低いと、PTCヒータ13の積層時に使う絶縁シートや伝熱シート、あるいは扁平熱交チューブ12の積層時に使うOリング等を十分圧縮することができず、逆に剛性が高いと、許容応力を超える過大な応力が発生して扁平熱交チューブ12が潰れるおそれがあり、シムの選択嵌合による調整が必要となる等、調整が困難となる。
【0043】
そこで、図5に示されるように、熱交押え部材15をロアケース11Aのボス部(設置部)11Dに締め付け固定するネジ25のヘッド部(ネジ頭部)と、熱交押え部材15との間のネジ25周りに、ワッシャ27を介してコイルスプリング(弾性部材)28を介装することにより、コイルスプリング28の圧縮反力を利用し、扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13を、ロアケース11Aの内底面に対して適度な荷重(力)で押圧できる構成としている。
【0044】
なお、制御基板17上に表面実装されるパワートランジスタ等の複数の発熱性電気部品20は、ケーシング11内に収容設置された状態でロアケース11Aに設けられている熱媒体入口路11Bに近い側、すなわち熱交換モジュール14を構成している複数枚の扁平熱交チューブ12の入口ヘッダ部12B側に対応して配設されており、制御基板17の両面に貫通されている熱貫通部22が、入口ヘッダ部12Bに流入される加熱前の比較的温度の低い熱媒体により冷却される熱交押え部材15および高熱伝導性材とされたスペーサ部材16を介して冷却されるようになっている。
【0045】
また、上記熱媒体加熱装置10は、ケーシング11のロアケース11Aの内底面に3枚の扁平熱交チューブ12と2組のPTCヒータ13とを、PTCヒータ13の両面を絶縁シート、伝熱シート等で挟みながら、それらを順次1枚ずつ積層して組み込み、熱交換モジュール14が組み込まれた段階で、熱交押え部材15によりその上面を押圧してロアケース11A側に締め付け固定するか、もしくは熱交換モジュール14をサブアッセンブリした後、ロアケース11A内に組み込み、その上面を熱交押え部材15で押圧して締め付け固定することによって、各扁平熱交チューブ12および各PTCヒータ13をそれぞれ互いに密着状態にして組み込むことができる。
【0046】
さらに、熱交押え部材15上に、スペーサ部材16を介装して制御基板17をネジ止め固定し、制御基板17に対する電気系統の結線を行い、その上部覆うアッパケースをロアケース11Aにネジ止め固定することにより、熱媒体加熱装置10を組み立てることができる。そして、この熱媒体加熱装置10は、熱媒体入口路11Bを経て入口ヘッダ部12Bに流入された熱媒体を複数枚の扁平熱交チューブ12内に流通させ、PTCヒータ13によって加熱した後、出口ヘッダ部12Cから熱媒体出口路11Cを介して流出させることにより、熱媒体循環回路10A内を循環される熱媒体の加熱に供される。
【0047】
斯くして、本実施形態の熱媒体加熱装置10および車両用空調装置1によれば、以下の作用効果を奏する。
複数枚の扁平熱交チューブ12が積層され、その扁平チューブ部12A間にPTCヒータ13が挟み込まれた状態で、各扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13が、熱交押え部材15によりロアケース11Aに対し押圧されて締め付け固定される構成とされている。このため、複数枚の扁平熱交チューブ12と複数組のPTCヒータ13を、それぞれ互いに密着させて組み込むことができる。
【0048】
従って、扁平熱交チューブ12とPTCヒータ13との間の接触熱抵抗を低減して伝熱効率を向上し、熱媒体加熱装置10を高性能化することができるとともに、扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13を多層に積層配置することによって、その平面面積を小さくし、熱交換モジュール14、ひいては熱媒体加熱装置10を小型コンパクト化することができる。
【0049】
また、熱交押え部材15を介して積層された扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13を押圧し、各々を密着させるに当たり、熱交押え部材15にコイルスプリング(弾性部材)28の圧縮反力で押圧荷重を付加することによって、各部品の寸法公差、バラツキ等を吸収し、熱交押え部材15や扁平熱交チューブ12等が変形されないように、適度な力(荷重)で多層に積層されている扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13を押圧することができる。このため、扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13を、隙間Sへのシムの選択嵌合による調整等に依存することなく、適正に押圧して各扁平熱交チューブ12間のシール性やPTCヒータ13との密着性等を確保しつつ、簡易にかつ精度よく組み込むことができる。
【0050】
また、本実施形態では、コイルスプリング28が熱交押え部材15をケーシング11側のボス部(設置部)11Dに対してネジ止めするネジ25の周囲に、その圧縮反力で熱交押え部材15を押圧すべく介装されているため、熱交押え部材15をケーシング11側のボス部11Dに対してネジ止めするネジ25の周囲にコイルスプリング28を介装するだけで、各部品の寸法公差やバラツキ等により生ずる熱交押え部材15とそのボス部11D間の隙間Sのバラツキを吸収し、適度な荷重で扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13を押圧することができる。従って、複数枚の扁平熱交チューブ12間のシール性やPTCヒータ13との密着性等を確保しつつ、簡易にかつ精度よく熱交換モジュール14を組み込むことができる。
【0051】
さらに、コイルスプリング28が、ネジ25のヘッド部と熱交押え部材15との間に介装されているため、熱交押え部材15の締め付け固定用ネジ25を規定位置まで締め込むことにより、ネジ25のヘッド部と熱交押え部材15との間に介装されているコイルスプリング28が圧縮され、その圧縮反力によって熱交押え部材15を押圧し、扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13をそれぞれ密着させることができる。従って、熱交押え部材15を介して適度な力(荷重)で押圧し、熱交押え部材15や扁平熱交チューブ12等を変形させることなく、各扁平熱交チューブ12間のシール性やPTCヒータ13との密着性等を確保し、簡易にかつ精度よく組み立てることができる。
【0052】
また、上述のように、熱媒体に対するシール性が良好でかつ小型高性能化された熱媒体加熱装置10によって加熱された熱媒体を空気流路2中に配設されている放熱器6に供給することができるため、車両用空調装置1における空調性能、特に暖房性能の向上を図ることができるとともに、車両に対する空調装置1の搭載性およびその空調装置1の熱媒体の漏洩防止に対する信頼性を向上することができる。
【0053】
なお、本実施形態においては、熱交押え部材15およびスペーサ部材16が、アルミ合金製の板材とされているため、制御基板17上の発熱性電気部品20からの熱を、基板の熱貫通部を通して熱伝導性が良好でかつ軽量なアルミ合金製板材とされている熱交押え部材15に伝熱し、扁平熱交チューブ12を冷却源とする熱交押え部材15に放熱することによって、発熱性電気部品20を冷却することができる。従って、熱交押え部材15をヒートシンクに、制御基板17に表面実装されている発熱性電気部品20の冷却性能を高めることができ、熱に対する信頼性を向上することができるとともに、軽量化を維持することができる。
【0054】
特に、制御基板17上において、発熱性電気部品20が、熱媒体加熱装置10の熱媒体の流入側である扁平熱交チューブ12の入口ヘッダ部12B側に配設され、熱交押え部材15および高熱伝導性材とされたスペーサ部材16をヒートシンクとし、加熱前の比較的温度の低い熱媒体によって冷却されるように構成されているため、発熱性電気部品20を効果的に冷却し、その冷却性能を向上することができる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、コイルスプリング28Aの介装位置が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態においては、図6に示されるように、積層された扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13を押圧する熱交押え部材15に対して、押圧力を付与するコイルスプリング(弾性部材)28Aを、ケーシング11側のボス部(設置部)11Dと熱交押え部材15との間において、熱交押え部材15をネジ止めするネジ25の周りに介装した構成としている。
【0056】
このように、コイルスプリング28Aを、ケーシング11側のボス部11Dと熱交押え部材15との間に介装することによっても、熱交押え部材15の締め付け固定用ネジ25を規定トルクで締め込み、ケーシング11側のボス部11Dと熱交押え部材15との間に介装されているコイルスプリング28Aを圧縮し、その圧縮反力で熱交押え部材15に一定の荷重を付与し、積層されている複数枚の扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13をそれぞれ密着させることができる。このため、複数枚の扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13を、熱交押え部材15を介して適度な力で押圧し、熱交押え部材15や扁平熱交チューブ12等を変形させることなく、複数枚の扁平熱交チューブ12間のシール性やPTCヒータ13との密着性等を確保しつつ、簡易にかつ精度よく組み立てることができる。
【0057】
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記した実施形態では、扁平熱交チューブ12を3層に積層し、各々の間にPTCヒータ13を組み込んだ構成としているが、これに限らず、扁平熱交チューブ12およびPTCヒータ13の積層枚数を増減してもよいことはもちろんである。また、上記実施形態では、ケーシング11を樹脂材製としているが、これに限らず、アルミダイカスト製等の金属製としてもよく、これも本発明に包含されるものである。
【符号の説明】
【0058】
1 車両用空調装置
6 放熱器
10 熱媒体加熱装置
10A 熱媒体循環回路
11 ケーシング
11A ロアケース
11D ボス部(設置部)
12 扁平熱交チューブ
12A 扁平チューブ部
12B 入口ヘッダ部
12C 出口ヘッダ部
13 PTCヒータ
15 熱交押え部材
17 制御基板
25 ネジ
28,28A コイルスプリング(弾性部材)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口ヘッダ部から流入された熱媒体が扁平チューブ部を流通後、出口ヘッダ部から流出される複数枚の扁平熱交チューブと、
互いに積層される複数枚の前記扁平熱交チューブの前記扁平チューブ部間に組み込まれるPTCヒータと、
複数枚の前記扁平熱交チューブおよび前記PTCヒータを前記扁平熱交チューブの一面側からケーシングの内面に押圧して密着させる熱交押え部材と、
前記熱交押え部材上に設置され、前記PTCヒータを制御する制御基板と、を備え、
前記熱交押え部材は、前記ケーシング側の設置部との間に介装され、その圧縮反力で前記扁平熱交チューブおよび前記PTCヒータに押圧荷重を付与する弾性部材を介して前記設置部に設置されていることを特徴とする熱媒体加熱装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、コイルスプリングとされ、該コイルスプリングが前記熱交押え部材を前記ケーシング側の前記設置部に対してネジ止めするネジの周囲に、その圧縮反力で前記熱交押え部材を押圧すべく介装されていることを特徴とする請求項1に記載の熱媒体加熱装置。
【請求項3】
前記コイルスプリングは、前記ネジのヘッド部と前記熱交押え部材との間に介装されていることを特徴とする請求項2に記載の熱媒体加熱装置。
【請求項4】
前記コイルスプリングは、前記ケーシング側の前記設置部と前記熱交押え部材との間に介装されていることを特徴とする請求項2に記載の熱媒体加熱装置。
【請求項5】
空気流路中に配設されている放熱器に対して、熱媒体加熱装置で加熱された熱媒体が循環可能に構成されている車両用空調装置において、
前記熱媒体加熱装置が、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の熱媒体加熱装置とされていることを特徴とする車両用空調装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−218556(P2012−218556A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85568(P2011−85568)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】