説明

熱式流量センサ

【課題】ヒーター抵抗や感温抵抗体が設置された基板のダイアフラム部に歪が生じても、歪によって生じる感温抵抗体が接続されたブリッジ回路の信号変動を少なくすること。
【解決手段】基板と、基板に形成されたダイアフラム13と、ダイアフラム上に形成された発熱抵抗体2および温度検出抵抗体7〜10とを有し、発熱抵抗体を加熱することによって被測定流体の流量を検出する熱式流量センサにおいて、ダイアフラム上の発熱抵抗体に対して被測定流体の流れの上流側および下流側に歪検出抵抗体11,12が形成されており、歪検出抵抗体によってダイアフラム上に発生する歪量を検出し、検出された歪量に基づいて前記発熱抵抗体と前記温度検出抵抗体が検出する流量信号の歪補償を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱抵抗体を利用して流量を計測する流量センサに係り、特に自動車用エンジンに吸入される空気量を検出するのに適した流量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の内燃機関の吸入空気通路に設置され、吸入空気量を計測する流量センサとしては、熱式のものが質量流量を直接計測できることから主流となっている。
【0003】
近年、地球環境保護の観点から低燃費,排気ガス規制が厳しくなっている。そのため吸入空気量を計測する流量センサには、高精度化,逆流検知,ダイナミックレンジ拡大等のニーズが顕在化している。
【0004】
このようなニーズに対応する熱式の流量センサにおいて、流量を計測するセンシング素子をシリコンなどの半導体基板上に、半導体微細加工技術を用いて製造するものが比較的容易に大量生産できることから経済性があり、また小型化が可能で低い消費電力で駆動できることから近年注目されている。このような流量センサとして特許文献1に記載の流量センサがある。
【0005】
特許文献1に記載の流量センサは、センシング素子はシリコン基板上に絶縁層を介してセンシング抵抗を形成し、抵抗体を熱絶縁させるためにシリコン基板の一部を除去して薄膜部(ダイアフラム部)を形成している。このダイアフラム部にヒーターとして駆動させる抵抗体を配置することにより発熱抵抗体を形成することができる。流量検出は、この発熱抵抗体をはさんで空気流の上流側と下流側に感温抵抗体を形成し、上流と下流に配置した感温抵抗体の温度差に基づき流量及び方向を検知する温度差方式を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−48616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、抵抗体にポリシリコンを採用している。ポリシリコンのような半導体材料は、形状の変形により発生するひずみに起因して抵抗値が変化するピエゾ効果を有している。このピエゾ効果の影響量は、その材料が有するゲージ率により決定され白金等の金属材料においても影響はある。そのため、半導体式流量センサでは、このピエゾ効果に起因する出力異常を発生しやすいという課題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ヒーター抵抗や感温抵抗体が設置された基板のダイアフラム部に歪が生じても、この歪によって生じる感温抵抗体が接続されたブリッジ回路の信号変動を少なくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、請求項に記載の発明により達成される。
【0010】
例えば、上記目的は、基板と、前記基板に形成されたダイアフラムと、前記ダイアフラム上に形成された発熱抵抗体および温度検出抵抗体とを有し、前記発熱抵抗体を加熱することによって被測定流体の流量を検出する熱式流量センサにおいて、前記ダイアフラム上の前記発熱抵抗体に対して被測定流体の流れの上流側および下流側に歪検出抵抗体が形成されており、前記歪検出抵抗体によって前記ダイアフラム上に発生する歪量を検出し、前記検出された歪量に基づいて前記発熱抵抗体と前記温度検出抵抗体が検出する流量信号の歪補償を行うことで、歪影響分を取り除くことができ出力異常を発生させにくくすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ヒーター抵抗や感温抵抗体が設置された基板のダイアフラム部に歪が生じても、この歪によって生じる感温抵抗体が接続されたブリッジ回路の信号変動を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態である流量センサのセンシング素子のパターン図。
【図2】本発明の第1の実施形態である流量センサの回路構成図。
【図3】本発明の第1の実施形態である流量センサの内部演算処理を示した図。
【図4】本発明の第2の実施形態である流量センサのセンシング素子のパターン図。
【図5】本発明の第2の実施形態である流量センサの回路構成図。
【図6】本発明の第3の実施形態である流量センサのセンシング素子のパターン図。
【図7】本発明の第3の実施形態である流量センサの回路構成図。
【図8】本発明の第4の実施形態である流量センサのセンシング素子のパターン図。
【図9】本発明の実施形態である流量センサが受ける実装応力影響を示した図。
【図10】本発明の実施形態である流量センサが、実際に使われる状態の実装断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述したように、半導体式流量センサでは、このピエゾ効果に起因する出力異常を発生しやすいという課題があるが、その理由としては、ダイアフラム部の膜厚が約1〜2μmしかないことから、(1)センシング素子を支持体に接着する時の応力、(2)支持体をケーシング等に接着実装する時の応力、(3)環境温度の変化により発生する実装部材の線膨張係数差から発生する応力、(4)ヒーターを発熱させることによる熱変形等の様々な変形を受けることが挙げられる。
【0014】
特にヒーターをはさんで形成している感温抵抗体は、性能的には高抵抗値である方が望ましいため、形状的には抵抗体の幅を細く、長さを長く形成する必要がある。そのため、上述の応力によるピエゾ効果を受けやすい。その結果、ヒーターをはさんで形成している感温抵抗体がそれぞれ別の抵抗値となってしまい出力異常を発生させてしまう可能性がある。また、ヒーター温度検出抵抗についてもヒーター抵抗の近傍に配置する必要があり、形状的に前述の感温抵抗体と同様に幅を補足、長さを長く形成する必要がある。その結果、ヒーター温度検出抵抗体の抵抗値が変化してしまい、ヒーター温度を正しく検知できなくなり、ヒーター温度を所定の温度に制御できなくなり、出力異常を発生させてしまう可能性がある。
【0015】
以下、本発明の実施形態について図1〜図10を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施形態である流量センサにおける流量検出素子の平面構造を示す図である。
【0017】
図1において、検出素子1には、シリコンやセラミック等の熱伝導率のよい材料で構成された基板の裏面から、アルカリ溶剤等によるエッチング処理で加工することにより空洞部が形成され、空気流量検出用のダイアフラム13が形成されている。そして、ダイアフラム13上には、流量検出用抵抗体であるヒーター抵抗体2が配置され、ヒーター抵抗体2の周りを囲むようにヒーター温度検出抵抗体3が配置される。また、ヒーター抵抗体2に対して流れの上流側には上流側感温抵抗体7,8が配置され、下流側には下流側感温抵抗体9,10が配置される。さらに、歪検出抵抗11,12が感温抵抗体7〜10と外部端子との接続に使用するボンディング端子14〜32の間のダイアフラム13上に配置される。
【0018】
ダイアフラム13の周囲の基板上には、固定抵抗5,6,測温抵抗体4が形成されている。これら検出素子1上に構成される抵抗体は、温度により抵抗値が変化するポリシリコン等の半導体膜,白金等の金属膜によって作られる。また、これらの素子の外部への接続は、ボンディング端子14〜32によってなされる。これにより、ダイアフラム13上の抵抗体に生じる歪影響を排除することができ、あるいは歪により発生する応力を緩和した流量出力を提供できる。
【0019】
なお、ヒーター抵抗体2やヒーター温度検出抵抗体3,上流側感温抵抗体7,8,下流側感温抵抗体9,10,歪量を検出する抵抗体である歪検出抵抗11,12,固定抵抗5,6,測温抵抗体4をすべて同一材料で構成することによりコストアップすることもなく、実装時等におけるダイアフラム13上の抵抗体に生じる歪影響を排除した流量出力を提供できる流量センサを構成できる。
【0020】
図2は、本発明の第1の実施形態である流量センサの回路構成を示した図である。
【0021】
図2において、流量センサは空気流量,空気温度及びダイアフラム13に発生する歪み量を検出する検出素子1と、空気流量及び歪量を電気信号に変換し歪量を排除した空気流量を所定の特性に調整するためのASIC回路35を備える。
【0022】
ヒーター温度検出抵抗体3と、測温抵抗体4と、固定抵抗5,6とによって形成されたブリッジ回路に電源38が接続されており、ヒーター温度検出抵抗体3と固定抵抗6との接続点の電位を示すボンディング端子25と、測温抵抗体4と固定抵抗5の接続点の電位を示すボンディング端子31とが、オペアンプ37の入力端子に接続され、これらの電位が同一になるようにオペアンプ37によりヒーター抵抗体2へ供給される加熱電流がフィードバック制御される。
【0023】
また、ヒーター抵抗体2に対して空気流れの方向の上流側に配置され、ヒーター抵抗体2からの熱影響によって抵抗値が変化する感温抵抗体7,8と、ヒーター抵抗体2に対して空気流れの方向の下流側に配置されている感温抵抗体9,10によって形成されたブリッジ回路に電源38が接続されている。
【0024】
さらに、ダイアフラム13に発生する歪量を検出する歪検出抵抗11,12と、固定抵抗33,34によって形成されたブリッジ回路に電源38が接続されている。
【0025】
空気流量に応じた差動信号は、感温抵抗体7と10の接続点の電位を示すボンディング端子16(又は28)と、感温抵抗体8と9の接続点の電位を示すボンディング端子30(又は17)とがAD変換器39に接続される。また、ダイアフラム13に発生する歪量に応じた差動信号は、歪検出抵抗体11と固定抵抗33の接続点の電位を示すボンディング端子20と、歪検出抵抗体12と固定抵抗34の接続点の電位を示すボンディング端子27とがAD変換器40に接続される。そしてAD変換器39,40の出力がDSP42に入力される。DSP42では、ROM41に格納された調整情報を使用し、ダイアフラム13に生じた歪量を補償し、所定の特性に調整し出力する。調整された流量信号は、DA変換器43、または周波数出力変換回路(FRC)44、に入力され電圧信号あるいは周波数信号に変換される。最終的にROM41に格納された情報に基づき切替スイッチであるマルチプレクサ(MPX)45によって電圧信号あるいは周波数信号が流量出力として出力される。
【0026】
図2で示されるように、オペアンプ37と、電源38と、トランジスタ36と、AD変換器39,40と、ROM41と、DSP42と、DA変換器43とマルチプレクサ(MPX)45により、ASIC回路35が構成されている。
【0027】
これにより、ヒーター抵抗体2に対して空気流れの方向の上流側に配置され、ヒーター抵抗体2からの熱影響によって抵抗値が変化する上流側感温抵抗体7,8と、ヒーター抵抗体2に対して空気流れの方向の下流側に配置されている下流側感温抵抗体9,10によって形成されたブリッジ回路による出力に対して歪影響を補償した出力が得られ、歪影響分を取り除くことで出力異常を発生させにくくすることができる。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施形態である流量センサのASIC回路35内部のDSP42内部で実施される演算処理を示した図である。
【0029】
図3において、歪検出部47で検出された信号は非常に小さいため演算器48にてゲインを付け、予めROM41に書込んでおいた初期状態の歪量の差分を演算器49で実施する。流量検出部46からの出力と、演算器49により演算された歪検出信号を演算器50により演算を実施し、真の流量検出信号を出力する。
【0030】
図4は、本発明の第2の実施形態である流量センサにおける流量検出素子の平面構造を示す図である。また、図5は、本発明の第2の実施形態である流量センサの回路構成を示した図である。この第2の実施形態は、ヒーター温度検出抵抗体3と、測温抵抗体4と、固定抵抗5,6と、歪検出抵抗11,12とによって形成されたブリッジ回路に電源38が接続されており、ヒーター温度検出抵抗体3と固定抵抗6との接続点の電位を示すボンディング端子25と、測温抵抗体4と固定抵抗5の接続点の電位を示すボンディング端子31とが、オペアンプ37の入力端子に接続され、これらの電位が同一になるようにオペアンプ37によりヒーター抵抗体2へ供給される加熱電流がフィードバック制御される。ここで、ダイアフラム13に歪が発生した時の流量出力から歪影響を排除する方法を説明する。前述したオペアンプ37の入力端子の電位が同一になるようにオペアンプ37によりフィードバック制御されていることから以下の関係式が導き出せる。ヒーター温度検出抵抗体3:Rht,測温抵抗体4:Rc,固定抵抗5:R7,固定抵抗6:R1,歪検出抵抗11:Rp1,歪検出抵抗12:Rp2とすると、
R1・{Rc+(Rp1+Rp2)}=Rht・R7
Rp=Rp1+Rp2としてRhtについて展開すると、
Rht=R1/R7・(Rc+Rp)
ここで、実装応力等によりダイアフラム上の抵抗体が抵抗変化を起こしたとすると
Rht+ΔRht=R1/R7・(Rc+Rp+ΔRp)
=R1/R7・(Rc+Rp)+R1/R7・ΔRp
と導き出せる。ここで一般的に歪による抵抗変化は以下の式で表される。
ΔR/R=K・ε(K:ゲージ率,ε:ひずみ)
ΔR=K・ε・R
【0031】
以上のことから歪検出抵抗Rpを以下のように設定すればよい。
ΔRht=R1/R7・ΔRp
K・ε・Rht=R1/R7・K・ε・Rp
Rht=R1/R7・Rp
Rp=R7/R1・Rht
Rp1+Rp2=R7/R1・Rht
【0032】
以上のように歪検出抵抗を設定することで、ダイアフラム13に歪が発生した時にヒーター温度制御ブリッジの歪による影響を排除できる。
【0033】
空気流量に応じた差動信号は、感温抵抗体7と10の接続点の電位を示すボンディング端子16(又は28)と、感温抵抗体8と9の接続点の電位を示すボンディング端子30(又は17)とがAD変換器39に接続される。そしてAD変換器39の出力がDSP42に入力される。DSP42では、ROM41に格納された調整情報を使用し、所定の特性に調整し出力する。調整された流量信号は、DA変換器43、または周波数出力変換回路(FRC)44、に入力され電圧信号あるいは周波数信号に変換される。最終的にROM41に格納された情報に基づき切替スイッチであるマルチプレクサ(MPX)45によって電圧信号あるいは周波数信号が流量出力として出力される。
【0034】
このように、ヒーター温度検出抵抗体3と、測温抵抗体4と、固定抵抗5,6と、歪検出抵抗11,12とによって形成されたブリッジ回路を構成することにより、ヒーター温度検出抵抗体3を一定温度に制御するブリッジ回路に応力影響の補償を備えることができる。
【0035】
図6は、本発明の第3の実施形態である流量センサにおける流量検出素子の平面構造を示す図である。また図7は、本発明の第3の実施形態である流量センサの回路構成を示した図である。この第3の実施形態は、第1の実施形態における歪検出抵抗11,12の配置を変更したものである。第1の実施形態では、歪検出抵抗11,12を感温抵抗体7〜10と外部端子との接続に使用するボンディング端子14〜32の間に配置していたが、第3の実施形態では、感温抵抗7〜10を基準にボンディング端子14〜18,20〜25,27〜32との反対側のダイアフラム13上に配置したものである。回路動作においては、第1の実施形態と同様である。本実施形態は、検出素子1を支持体60に搭載する際にボンディング端子側と反対側も接着実装する場合に効果を発揮するものである。
【0036】
図8は、本発明の第4の実施形態である流量センサにおける流量検出素子の平面構造を示す図である。この第4の実施形態は、第2の実施形態における歪検出抵抗11,12の配置を変更したものである。第2の実施形態では、歪検出抵抗11,12を感温抵抗体7〜10と外部端子との接続に使用するボンディング端子14〜32の間に配置していたが、第4の実施形態では、感温抵抗7〜10を基準にボンディング端子14〜18,20〜25,27〜32との反対側のダイアフラム13上に配置したものである。本実施形態も第3の実施形態と同様な状況において効果を発揮するものである。
【0037】
図9は、本発明の実施形態である流量センサの検出素子1が支持体60に実装した時の応力影響を示した図である。検出素子1は、支持体60に形成した窪み部61(キャビティ)に接着剤62に接着されている。ここで、環境温度等の変化により検出素子1が支持体60と接着剤62から応力を受けた場合、検出素子1上のダイアフラム13は、凹或いは凸型に変形し、その変形を歪検出抵抗11,12が検出することを示している。
【0038】
図10は、本発明の流量センサが実際に使われる状態の実装断面模式図である。
【0039】
図10において、流量センサ51は吸気管59内に挿入される形で実装され、吸気管59への固定はフランジ57によって行われる。またハウジング52には、検出素子1やASIC回路35が実装された支持体60が取り付けられる。
【0040】
吸気管59内に流れる空気流56は、空気取り入れ口53によって流量センサ51内に分流され、バイパス通路55を通って検出素子1上を迂回し、通路出口54からメイン吸気管59内に戻される。
【符号の説明】
【0041】
1 検出素子
2 ヒーター抵抗体
3 ヒーター温度検出抵抗体
4 測温抵抗体
5,6,33,34 固定抵抗
7,8 上流側感温抵抗体
9,10 下流側感温抵抗体
11,12 歪検出抵抗
13 ダイアフラム
14〜32 ボンディング端子
35 ASIC回路
36 トランジスタ
37 オペアンプ
38 電源
39,40 AD変換器
41 ROM
42 DSP
43 DA変換器
44 周波数出力変換回路(FRC)
45 マルチプレクサ(MPX)
46 流量検出部
47 歪検出部
48〜50 演算器
51 流量センサ
52 ハウジング
53 空気取り入れ口
54 通路出口
55 バイパス通路
56 空気流
57 フランジ
58 ベース
59 吸気管
60 支持体
61 キャビティ
62 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板に形成されたダイアフラムと、前記ダイアフラム上に形成された発熱抵抗体および温度検出抵抗体とを有し、前記発熱抵抗体を加熱することによって被測定流体の流量を検出する熱式流量センサにおいて、
前記ダイアフラム上の前記発熱抵抗体に対して被測定流体の流れの上流側および下流側に歪検出抵抗体が形成されており、
前記歪検出抵抗体によって前記ダイアフラム上に発生する歪量を検出し、
前記検出された歪量に基づいて前記発熱抵抗体と前記温度検出抵抗体が検出する流量信号の歪補償を行うことを特徴とする熱式流量センサ。
【請求項2】
請求項1記載の熱式流量センサにおいて、
前記歪検出抵抗体は、前記発熱抵抗体と前記温度検出抵抗体とに電気的に接続され、
前記発熱抵抗体を一定温度に制御するブリッジ回路に応力影響の補償を備えたことを特徴とする熱式流量センサ。
【請求項3】
請求項1記載の熱式流量センサにおいて、
前記歪検出抵抗体は、外部端子と電気的に接続するためのボンディングパッドと前記温度検出抵抗体との間に配置されることを特徴とする熱式流量センサ。
【請求項4】
請求項1記載の熱式流量センサにおいて、
前記歪検出抵抗体は、ポリシリコンあるいは拡散抵抗で形成されることを特徴とする熱式流量センサ。
【請求項5】
請求項1記載の熱式流量センサにおいて、
前記歪検出抵抗体及び固定抵抗から構成されるブリッジ回路の出力を取り込む第一のAD変換器と、
前記温度検出抵抗体から構成されるブリッジ回路からの出力を取り込む第二のAD変換器と、
予め調整情報が格納されたメモリとを有し、
前記メモリの調整情報に基づき、前記温度検出抵抗体から構成されるブリッジ回路の出力から前記歪検出抵抗体が検出する前記ダイアフラム上に発生する歪分を補償することを特徴とする熱式流量センサ。
【請求項6】
請求項1記載の熱式流量センサにおいて、
前記発熱抵抗体と前記温度検出抵抗体と前記歪検出抵抗体とからブリッジ回路を構成し、前記発熱抵抗体を一定温度に制御するように制御することを特徴とした熱式流量センサ。
【請求項7】
請求項1記載の熱式流量センサにおいて、
前記歪検出抵抗体をダイアフラムの長手方向及び短手方向それぞれに配置したことを特徴とする熱式流量センサ。
【請求項8】
請求項1記載の熱式流量センサにおいて、
前記温度検出抵抗体と外部端子とを接続するボンディングパッドの反対側に前記歪検出抵抗体を配置することを特徴とする熱式流量センサ。
【請求項9】
請求項1記載の熱式流量センサにおいて、
前記発熱抵抗体と前記温度検出抵抗体と前記歪検出抵抗体とが同一材料で構成されることを特徴とする熱式流量センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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