説明

熱式流量計

【課題】小型化を図りつつ流体の流量の計測精度の向上を図ることができる熱式流量計を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様は、被測定流体の流量を計測するための熱線が架設されたセンサ流路Sと、センサ流路Sに対する第1バイパス流路B1と第2バイパス流路B2とを備える熱式流量計10において、測定チップ60と、センサ基板50と、センサ流路Sと第1バイパス流路B1と第2バイパス流路B2とを分岐させる流路ブロック40とを有し、流路ブロック40及びセンサ基板50を収容するボディ20とボディ20の開口部を塞ぐカバー30とで形成される空間内にセンサ基板50が鉛直に配置され、被測定流体の出入口がボディ20の同一面に配置され、ボディ20に第1バイパス流路B1内へ突出したリブ70が設けられていること、を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱線を用いて流体の流量を計測する熱式流量計に関する。より詳細には、小型化を図りつつ流体の流量の計測精度の向上を図ることができる熱式流量計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップマウンティング時のハンドリングには真空吸着が用いられており、その吸着の確認は、圧力センサにより行われていた。しかし近年、半導体チップがどんどん小さくなってきており、圧力センサでは吸着時と非吸着時との圧力差がほとんど発生しないために吸着確認ができず、圧力センサの代わりに流量センサを用いて吸着確認が行われるようになってきている。
【0003】
ここで、吸着確認に用いる流量センサは、チップマウンタの可動ヘッドに設置されるため小型であること、短時間で吸着確認を完了させなければならないため応答性に優れていることが必要である。このような小型かつ高速応答の流量センサの1つとして、例えば特許文献1に開示されたものがある。特許文献1の流量センサは、薄板を積層してその内部に流路を形成することにより、小型化及び応答性の高速化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3637050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の流量センサは、小型化を図ることにより流路が小さくなるので、ボディに形成された流路内を流れる流体の流量が安定しないおそれがある。そして、流路内を流れる流体の流量が安定しないと、流量センサから出力される測定信号が不安定になり、製品間の測定信号値のバラツキが大きくなったり、使用環境による測定信号値への影響も受けやすくなる。そのため、流体の流量の計測精度が低下してしまうおそれがある。
【0006】
そこで、流路内を流れる流体の流量を安定させるために、流路内に直管部を設けたり、流路内に整流格子を設けて整流させることが考えられるが、流量センサの外形が大きくなってしまう。
また、流体の流入口と流出口とがそれぞれ90度に屈曲したエルボ部を介して流路空間に連通されているため、流体の圧力損失が大きくなってしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、小型化を図りつつ流体の流量の計測精度の向上を図ることができる熱式流量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、被測定流体の流量を計測するための熱線が架設されたセンサ流路と、前記センサ流路に対するバイパス流路とを備える熱式流量計において、前記熱線が設けられた測定チップと、前記測定チップが実装されるとともに、前記測定チップに電気的に接続される電気回路が設けられた基板と、前記センサ流路と前記バイパス流路とを分岐させる流路ブロックとを有し、前記流路ブロック及び前記基板を収容するボディと前記ボディの開口部を塞ぐカバーとで形成される空間内に前記基板が鉛直に配置され、前記被測定流体の出入口が前記ボディの同一面に配置され、前記ボディに前記バイパス流路内へ突出したリブが設けられていること、を特徴とする。
【0009】
この態様によれば、ボディにバイパス流路内へ突出したリブが設けられているので、被測定流体の流れを補正して流れ方向を変え、必要な部分に意図的に圧力差を設けることができる。そのため、センサ流路に安定した流量の被測定流体を流すことができる。したがって、測定チップにより安定した流量を測定することができ、被測定流体の流量の計測精度の向上を図ることができる。
【0010】
また、リブを設けるだけでよく、流路内に直管部や整流格子を設ける必要がないので、熱式流量計の小型化を図ることができる。
【0011】
上記の態様において、前記流路ブロックは、前記センサ流路に流れ込む前記被測定流体の流れを整える整流部分が境界部を挟んで一対設けられた整流板を備え、前記リブは、前記境界部と前記ボディとの間に形成された隙間に設けられていること、が好ましい。
【0012】
この態様によれば、リブは境界部とボディとの間に形成された隙間に設けられているので、流路ブロックの入口と出口で圧力差を発生させて流路ブロックの入口からセンサ流路を介して流路ブロックの出口に被測定流体を流すことができる。そのため、より確実にセンサ流路に安定した流量の被測定流体を流すことができる。したがって、より確実に測定チップにより安定した流量を測定することができ、より確実に被測定流体の流量の計測精度の向上を図ることができる。
【0013】
上記の態様において、前記流路ブロックは、前記整流板として少なくとも第1整流板と第2整流板とを備え、前記第1整流板の前記整流部分の面積は前記第2整流板の前記整流部分の面積よりも小さいこと、が好ましい。
【0014】
この態様によれば、バイパス流路内にて被測定流体の乱流が発生したとしても、その影響を受けることなく、測定チップにより安定した流量を測定することができる。そのため、被測定流体の流量の計測精度の向上を図ることができるとともに、バイパス流路を形成するボディの形状設計の自由度が増し、より確実に熱式流量計の小型化を図ることができる。
【0015】
上記の態様において、前記被測定流体の入口から前記ボディ内への前記被測定流体の流入方向について、前記第1整流板の前記整流部分の幅は前記第2整流板の前記整流部分の幅よりも小さいこと、が好ましい。
【0016】
この態様によれば、被測定流体の入口からボディ内への被測定流体の流入方向の奥行き側にて発生しうるバイパス流路内の高い圧力の影響を受けにくくなり、より確実に測定チップにより安定した流量を測定することができる。そのため、さらに、被測定流体の流量の計測精度の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る熱式流量計によれば、小型化を図りつつ流体の流量の計測精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】熱式流量計の分解斜視図である。
【図2】ボディの底面を示す下面図である。
【図3】流路ブロックを構成する薄板の積層順を説明するための図である。
【図4】第1スペーサを示す平面図である。
【図5】第1メッシュ板を示す平面図である。
【図6】第1メッシュ板のメッシュ部の拡大図である。
【図7】第2メッシュ板を示す平面図である。
【図8】第3メッシュ板を示す平面図である。
【図9】第2スペーサを示す平面図である。
【図10】熱式流量計内の流路構成を示す図である。
【図11】センサ基板の表面を示す平面図である。
【図12】プリント基板の表面を示す平面図である。
【図13】測定チップを示す平面図である。
【図14】定温度差回路の構成を示す回路図である
【図15】出力回路の構成を示す回路図である。
【図16】カバーの概略構成を示す斜視図である。
【図17】ボディの正面図である。
【図18】圧力分布の解析結果である。
【図19】圧力分布の解析結果である。
【図20】圧力分布の解析結果である。
【図21】圧力分布の解析結果である。
【図22】流量と中点電位の評価結果を示す図である。
【図23】流量と中点電位の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の熱式流量計を具体化した好適な実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。なお、まず熱式流量計の全体説明をした後に、流路空間内における流量の安定化に関して説明する。
【0020】
〔熱式流量計の全体説明〕
図1は、熱式流量計10の分解斜視図である。図1に示すように、熱式流量計10は、ボディ20と、カバー30と、流路ブロック40と、センサ基板50などを有している。そして、流路ブロック40がボディ20に装着された状態で、センサ基板50がボディ20内に固定されている。
【0021】
ボディ20の片側(図1では左側)に、流路ブロック40を収容する流路空間21が形成されている。この流路空間21は、図中手前側が開口しており、この開口端面にセンサガスケット51を装着するためのガスケット装着溝22が形成されている。また、流路空間21の開口面とは反対側の面(図1では奥側面)21bには、流路ブロック40が面21bに密着しないようにする(隙間21s(図10参照)を形成する)ための段差24が設けられている。この段差24により、流路ブロック40が面21bとの間に隙間21sができた状態で流路空間21内に収容されるようになっている。なお、この隙間21sは、後述するように第1バイパス流路B1の一部を形成している(図10参照)。また、詳しくは後述するように、面21bにはリブ70が設けられている。
【0022】
そして、流路空間21の下面に流体入口11及び流体出口12が開口している。つまり、流体入口11及び流体出口12は、図2に示すように、ボディ20の底面に設けられている。なお、図2は、ボディ20の底面を示す下面図である。この流体入口11及び流体出口12は、ボディ20の奥行き方向の中心線Cからずれてボディ20の端部(図1では奥側端部)に形成されている。そして、流体入口11及び流体出口12の周りにガスケット13を装着するガスケット装着溝14が設けられている。
【0023】
また、図2に示すように、ボディ20の底面には、カバー30を組み付けるための係合穴25a,25b,25cが設けられている。同様に、図1に示すように、ボディ20の上面にも、係合穴25d,25eが設けられている。また、ボディ20の両端部には、配管ブロック90などの接続機器へ接続するための接続部27a,27bが設けられている。
【0024】
流路ブロック40は、図1に示すように、複数種の薄板を積層して構成したものである。本実施の形態では、5種類の薄板を合計9枚積層して流路ブロック40を構成している。具体的には、図1における奥から手前に向かって(センサ基板50に向かって)、図3に示すように、第1スペーサ41、第1メッシュ板42、第1スペーサ41、第2メッシュ板43、第1スペーサ41、第2メッシュ板43、第1スペーサ41、第3メッシュ板44、第2スペーサ45が順に積層されて接着されたものである。なお、図3は、流路ブロック40を構成する薄板の積層順を説明するための図である。また、第1メッシュ板42や第2メッシュ板43や第3メッシュ板44は本発明の「整流板」の一例であり、第1メッシュ板42は本発明の「第1整流板」の一例であり、第2メッシュ板43は本発明の「第2整流板」の一例である。
【0025】
ここで、個々の薄板について説明する。まず、第1スペーサ41について、図4を用いて説明する。なお、図4は、第1スペーサ41を示す平面図である。第1スペーサ41は、図4に示すように、位置決め部41aと外周部41bと境界部41cを残すようにエッチング加工されたものである。第1スペーサ41は、図4に示すように、略T字形をなしており、上部に位置決め部41aが形成されるとともに、境界部41cを中心に図4にて左右対称に一対の開口部41o,41oが形成されている。位置決め部41aは、流路空間21内での位置決めを行う部位であり、その外周端が流路空間21の内壁に密着するようになっている。
【0026】
次に、第1メッシュ板42について、図5及び図6を用いて説明する。なお、図5は、第1メッシュ板42を示す平面図である。図6は、第1メッシュ板42のメッシュ部42mの拡大図である。第1メッシュ板42は、図5に示すように、略T字形をなしており、上部に位置決め部42aが形成されるとともに、境界部42cを中心に図5にて左右対称に一対のメッシュ部42m,42mが形成されている。位置決め部42aは、流路空間21内での位置決めを行う部位であり、その外周端が流路空間21の内壁に密着するようになっている。一方、メッシュ部42mは、図6に示すように、メッシュを構成する孔の中心間距離がすべて等しくなるように形成されている。すなわち、各孔の中心が正三角形の各頂点となるように孔が形成されている。このメッシュ部42mは、被測定流体の流れを整える整流部分である。
【0027】
また、ボディ20の奥行き方向について、図5に示すように第1メッシュ板42のメッシュ部42mの幅δ1は、後述する第2メッシュ板43のメッシュ部43mの幅δ2(図7参照)や第3メッシュ板44のメッシュ部44mの幅δ3(図8参照)よりも小さい。これにより、第1メッシュ板42のメッシュ部42mの面積は、後述する第2メッシュ板43のメッシュ部43mの面積や第3メッシュ板44のメッシュ部44mの面積よりも小さい。そして、メッシュ部42mに対し図5の上下方向の位置には、部分42d,42eが形成されている。部分42d,42eの詳細については、後述する。
【0028】
次に、第2メッシュ板43について、図7を用いて説明する。なお、図7は、第2メッシュ板43を示す平面図である。第2メッシュ板43は、図7に示すように、略T字形をなしており、上部に位置決め部43aが形成されるとともに、境界部43cを中心に図7にて左右対称に一対のメッシュ部43m,43mが形成されている。位置決め部43aは、流路空間21内での位置決めを行う部位であり、その外周端が流路空間21の内壁に密着するようになっている。なお、メッシュ部43mは、第1メッシュ板42のメッシュ部42mと同様の構成であり、被測定流体の流れを整える整流部分である。
【0029】
次に、第3メッシュ板44について、図8を用いて説明する。なお、図8は、第3メッシュ板44を示す平面図である。第3メッシュ板44は、図8に示すように、流路空間21の断面形状と同じ形状をなしており、境界部44cを中心に図8にて左右対称に一対のメッシュ部44m,44mが形成されている。なお、メッシュ部44mは、第1メッシュ板42のメッシュ部42mや第2メッシュ板43のメッシュ部43mと同様の構成であり、被測定流体の流れを整える整流部分である。
【0030】
次に、第2スペーサ45について、図9を用いて説明する。なお、図9は、第2スペーサ45を示す平面図である。第2スペーサ45は、図9に示すように、流路空間21の断面形状と同じ形状をなしており、境界部45cを中心に図9にて左右対称に一対の開口部45o,45oおよび段差部45a,45aが形成されている。
【0031】
そして、上記した薄板41〜45を図3に示す左側から順番に積層して接着した流路ブロック40を流路空間21に装着することにより、図10に示すように、流路空間21及び流路ブロック40によって第1バイパス流路B1と第2バイパス流路B2とが形成される。より詳細に言うと、流路空間21の面21bと流路ブロック40(第1スペーサ41の境界部41c(図4参照))との間の隙間21sにより第1バイパス流路B1の一部が形成され、流路ブロック40(第2スペーサ45(図9参照))と測定チップ60との間の隙間により第2バイパス流路B2の一部が形成されている。なお、図10は、熱式流量計10内の流路構成を示す図である。
【0032】
また、第1スペーサ41の開口部41o、第1メッシュ板42のメッシュ部42m、第2メッシュ板43のメッシュ部43m、第3メッシュ板44のメッシュ部44m、及び第2スペーサ45の開口部45oにより、連絡流路15,16が形成されている。連絡流路15は、流体入口11と第1バイパス流路B1と第2バイパス流路B2とセンサ流路Sとを連通させるものであり、連絡流路16は、流体出口12と第1バイパス流路B1と第2バイパス流路B2とセンサ流路Sとを連通させるものである。
【0033】
そして、連絡流路15,16に、メッシュ部42mが1層とメッシュ部43mが2層とメッシュ部44mが1層とで合計4層のメッシュ部が配置されている。これにより、被測定流体がメッシュ部42m,43m,44mを通過するたびに、被測定流体の流れの乱れが減少していく。そのため、流れが整えられた被測定流体を、センサ流路Sに流し込むことができる。なお、第1メッシュ板42と第2メッシュ板43と第3メッシュ板44の各々の数は、本実施例のように限定されず、変更が可能である。そのため、例えば、メッシュ部42mを2層以上設けてもよい。
【0034】
上記した流路ブロック40に対してセンサガスケット51を介して配置されるセンサ基板50は、測定流量を電気信号として出力するものである。このため、センサ基板50には、図11に示すように、ベースとなるプリント基板52の表面側(ボディ20への装着面側)において図中右側半分の中央付近に測定チップ60が実装されている。なお、図11は、センサ基板50の表面を示す平面図である。
【0035】
そして、プリント基板52の測定チップ60が実装される部分には、図12に示すように、溝53が加工されている。なお、図12は、プリント基板52の表面を示す平面図である。そして、この溝53の両側に、回路用電極54,55,56,57,58,59が設けられている。これらの電極54〜59は、プリント基板52の中に形成されたパターン配線を介して、後述する定温度差回路及び出力回路と電気的に接続されている。
【0036】
ここで、測定チップ60について、図13を用いて説明する。なお、図13は、測定チップ60を示す平面図である。測定チップ60は、図13に示すように、シリコンチップ62に対して、半導体マイクロマシニングの加工技術を実施したものであり、このとき、チップ中央に溝63が加工されるとともに、抵抗体(熱線)用電極64,65,66,67,68,69がチップ両端に設けられる。
【0037】
また、このとき、上流温度検出抵抗体R1が、抵抗体用電極65,67から延設されるとともに溝63の上に架設される。さらに、下流温度検出抵抗体R2が、抵抗体用電極67,69から延設されるとともに溝63の上に架設される。さらにまた、発熱抵抗体Rhが、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との間に、抵抗体用電極66,68から延設されるとともに溝63の上に架設される。また、測定チップ60においては、センサ流路Sの順方向上流側に流体温度検出抵抗体Rtが、抵抗体用電極64,66から延設される。
【0038】
そして、測定チップ60の抵抗体用電極64,65,66,67,68,69を、センサ基板50の回路用電極54,55,56,57,58,59のそれぞれと、半田リフローによる接合又は導電性接着剤などによる接合によって、測定チップ60をセンサ基板50に実装している。したがって、測定チップ60がセンサ基板50に実装されると、測定チップ60に設けられた流体温度検出抵抗体Rt、上流温度検出抵抗体R1、下流温度検出抵抗体R2、および発熱抵抗体Rhは、測定チップ60の抵抗体用電極64〜69と、センサ基板50の回路用電極54〜59とを介して、センサ基板50に設けられた図14の定温度差回路及び図15の出力回路に電気的に接続される。
【0039】
ここで、図14に示す定温度差回路は、発熱抵抗体Rhを、流体温度検出抵抗体Rtで検出される流体温度と一定の温度差をもつように制御するための回路である。また、図15に示す出力回路は、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との温度差に相当する電圧値を出力するための回路である。この出力回路では、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2とが直列に接続され、定電圧Vcが印加されるようになっている。そして、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との中点電位Voutが測定信号として出力されるようになっている。
【0040】
また、測定チップ60がセンサ基板50に実装されると、測定チップ60の溝63は、センサ基板50の溝53と重なり合う。よって、測定チップ60が実装されたセンサ基板50をボディ20に固定すると、図10に示すように、流路空間21において、センサ基板50と測定チップ60との間に、測定チップ60の溝63やセンサ基板50の溝53などからなる細長い形状のセンサ流路Sが形成される。そのため、センサ流路Sには、流体温度検出抵抗体Rt、上流温度検出抵抗体R1、下流温度検出抵抗体R2、および発熱抵抗体Rhが橋を渡すように設けられることになる。
【0041】
このようにして測定チップ60が実装されたセンサ基板50は、ボディ20内でボディ20とネジ71(図1参照)により固定されている。つまり、図1に示すように、ネジ71によってセンサ基板50をボディ20に固定して、センサ基板50を立てて(鉛直に)配置している。これにより、センサ基板50の大きさに制限されることなく、熱式流量計10の奥行き方向における小型化、つまり薄型化が図られている。具体的には、奥行き寸法が従来の流量計と比べて3割程度小さくなっている。そして、この小型化に伴って熱式流量計10の重量も減るため、軽量化も図られている。
【0042】
また、センサ基板50をボディ20に対してモールド樹脂などによって固定する必要がなくなる。そのため、センサ基板50を固定するためのスペースを削減することができるので、熱式流量計10の小型化を図ることができる。そして、この小型化に伴って熱式流量計10の重量も減るので、熱式流量計10の軽量化を図ることができる。
【0043】
そして、センサ基板50は、ボディ20の奥行き方向の中心線Cに対して、流体入口11及び流体出口12と反対側(手前側)に位置している。これにより、流路ブロック40が、流体入口11及び流体出口12とセンサ基板50との間に配置される。このような配置構成にすることにより、流路ブロック40を限られたスペースに効率的に配置することができる。このことによっても、熱式流量計10の薄型化及び軽量化が図られている。
【0044】
図16は、カバー30の概略構成を示す斜視図である。カバー30の底面(図16では左側)には、3つの係合突起31a,31b,31cが形成され、カバー30の上面(図16では右側)には、係合突起31d,31eが形成されている。これらの係合突起31a,31b,31c,31d,31eは、カバー30をボディ20に取り付けたときに、それぞれボディ20に形成された係合穴25a,25b,25c,25d,25eに係合するようになっている。
【0045】
続いて、上記した構成を有する熱式流量計10の作用について説明する。熱式流量計10においては、順方向の流れの場合には、配管ブロック90から流体入口11を介して流路空間21内に流れ込んだ被測定流体は、流路空間21に装着された流路ブロック40により、センサ流路Sへ流れ込むものと、第1バイパス流路B1や第2バイパス流路B2へ流れ込むものとに分流される。そして、センサ流路Sと第1バイパス流路B1と第2バイパス流路B2とから流れ出した被測定流体は、合流して、流体出口12を介して配管ブロック90に流れ出す。
【0046】
一方、逆方向の流れの場合には、配管ブロック90から流体出口12を介して流路空間21内に流れ込んだ被測定流体は、流路空間21に装着された流路ブロック40により、
センサ流路Sへ流れ込むものと、第1バイパス流路B1や第2バイパス流路B2へ流れ込むものとに分流される。そして、センサ流路Sと第1バイパス流路B1と第2バイパス流路B2とから流れ出した被測定流体は、合流して、流体入口11を介して配管ブロック90に流れ出す。
【0047】
ここで、被測定流体が順方向あるいは逆方向のいずれの方向に流れても、センサ流路Sへ流れ込む被測定流体は、流路ブロック40内におけるメッシュ部42m(図5参照),メッシュ部43m(図7参照)、メッシュ部44m(図8参照)を通過した後に、センサ流路Sに流れ込む。したがって、非常に流れが整えられた状態の被測定流体が、センサ流路Sを流れる。そして、センサ流路Sを流れる被測定流体は、センサ流路Sに橋設された発熱抵抗体Rhから熱を奪う。
【0048】
そうすると、センサ基板50に設けられた図14に示す定温度差回路により、流体温度検出抵抗体Rtと発熱抵抗体Rhとが一定の温度差になるように制御される。また、センサ基板50に設けられた図15に示す出力回路により、直列に接続され定電圧Vcが印加された上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との中点電位Voutが測定信号として出力される。このとき、被測定流体が順方向の流れの場合には、上流温度検出抵抗体R1の温度(抵抗値)が低下し、下流温度検出抵抗体R2の温度(抵抗値)が増加するため、中点電位Voutが増加する。一方、被測定流体が逆方向の流れの場合には、上流温度検出抵抗体R1の温度(抵抗値)が増加し、下流温度検出抵抗体R2の温度(抵抗値)が低下するため、中点電位Voutは低下する。このため、被測定流体の流れ方向を検知することができる。
【0049】
〔流路空間内における流量の安定化に関する説明〕
次に、流路空間21内における流量の安定化に関して説明する。本実施例では、熱式流量計10の流路空間21内における被測定流体の流れを安定化するための工夫を施している。
【0050】
図17は、ボディ20の正面図である。前記の図10と図17に示すように、本実施例では、ボディ20の面21bに第1バイパス流路B1(隙間21s)内へ突出したリブ70を設けている。リブ70は、図17に示すように図面の上下方向に細長に形成され、図10に示すように断面が楕円の半分の形状または半円の形状に形成されている。そして、リブ70は、図10に示すように流体入口11と流体出口12とが配列された方向(図10の左右方向)について、流路ブロック40の境界部41c〜45cのほぼ中央の位置に設けられている。また、リブ70の高さHは、流路空間21内を流れる被測定流体の圧力損失に影響しない程度の大きさとし、本実施例では一例として、第1バイパス流路B1(隙間21s)の高さhの約40%としている。なお、リブ70は、ボディ20に一体成形されている。
【0051】
また、本実施例では、前記の図5に示すように、第1メッシュ板42のメッシュ部42mの長手方向の幅δ1は、第2メッシュ板43のメッシュ部43mの長手方向の幅δ2(図7参照)や第3メッシュ板44のメッシュ部44mの長手方向の幅δ3(図8参照)よりも小さい。これにより、第1メッシュ板42のメッシュ部42mの面積は、第2メッシュ板43のメッシュ部43mの面積や第3メッシュ板44のメッシュ部44mの面積よりも小さい。なお、幅δ1〜δ3は、各メッシュ板をボディ20に装着したときのボディ20の奥行き方向の幅、すなわち、流体入口11からボディ20の流路空間21内への被測定流体の流入方向の幅である。このように、第1メッシュ板42は、ボディ20に装着したときのボディ20の奥行き方向の奥側の部分42dと手前側の部分42eにメッシュ部42mを設けておらず、当該部分42d,42eでは被測定流体を遮断している。
【0052】
このような構造を有する熱式流量計10においては、流体入口11より流路空間21内に被測定流体が流れ込むと、流路ブロック40により、センサ流路Sへ流れ込むものと、第1バイパス流路B1または第2バイパス流路B2へ流れ込むものとに分流される。そして、センサ流路Sと第1バイパス流路B1と第2バイパス流路B2から流れ出した被測定流体は、合流して、流体出口12を介して配管ブロック90に流れ出す。
このとき、本実施例では流路ブロック40により形成される連絡流路15の入口部分72と連絡流路16の出口部分78との間に位置する第1バイパス流路B1(隙間21s)にリブ70を設けているので、リブ70を設けていない場合と比較すると被測定流体の流れ方向が変わる。
【0053】
これにより、連絡流路15の入口部分72(図10参照)とセンサ流路Sの入口部分74(図10参照)との間、センサ流路Sの入口部分74と出口部分76(図10参照)との間、センサ流路Sの出口部分76と連絡流路16の出口部分78(図10参照)との間の各部において、意図的に各々大きな圧力差が発生するような圧力分布にすることができる。そして、このような圧力分布にすることにより、流体入口11から連絡流路15、センサ流路S、連絡流路16を経由して流体出口12に被測定流体がスムーズに流れ易くなる。なお、被測定流体の流量が変化しても同様な圧力分布となる。そのため、センサ流路Sにおける被測定流体の流量が安定し、測定チップ60によって安定した流量を測定することができる。したがって、被測定流体の流量の計測精度の向上を図ることができる。また、リブ70を設けるだけでよく、流路空間21内に直管部や整流格子を設ける必要がないので、熱式流量計10の小型化を図ることができる。
【0054】
また、第1メッシュ板42のメッシュ部42mの幅δ1を第2メッシュ板43のメッシュ部43mの長手方向の幅δ2や第3メッシュ板44のメッシュ部44mの長手方向の幅δ3よりも小さくし、部分42d,42eでは被測定流体を遮断している。
これにより、第1バイパス流路B1における被測定流体の流れの影響を受けずに、各部の圧力差に応じた流量の被測定流体をセンサ流路Sに流すことができる。そのため、第1バイパス流路B1が乱流の発生し易い形状であっても、センサ流路Sに被測定流体を安定した流量で流すことができる。したがって、より確実に測定チップ60によって安定した流量を測定することができるので、被測定流体の流量の計測精度の向上を図ることができる。また、ボディ20の設計の自由度が増して薄型の熱式流量計10を製作することができるので、熱式流量計10の小型化を図ることができる。
【0055】
さらに、流体入口11からボディ20の流路空間21内への被測定流体の流入方向(ボディ20の奥行き方向)の奥行き側にて発生しうる第1バイパス流路B1内の高い圧力の影響を受けにくくなり、センサ流路Sに被測定流体を安定した流量で流すことができる。そのため、より確実に測定チップ60によって安定した流量を測定することができ、被測定流体の流量のさらなる計測精度の向上を図ることができる。
【0056】
なお、本実施例では、部分42dと部分42eとを設けているが、これに限定されず、部分42dまたは部分42eのうちのいずれか一方のみ設けることも考えられる。
【0057】
〔解析結果の説明〕
次に、リブ70を設けることによるボディ20の流路空間21内の圧力分布の変化を確認するため流路空間21内の圧力分布を解析したので、その解析結果について説明する。図18〜図21は、圧力分布の解析結果である。図18と図19はボディ20の正面から見た流路空間21における面21b付近(第1バイパス流路B1)の圧力分布の解析図であり、図18はリブ70を設けない場合の解析結果であり、図19はリブ70を設けた場合の解析結果である。また、図20と図21は熱式流量計10の断面を見たときの流路空間21の圧力分布の解析図であり、図20はリブ70を設けない場合の解析結果であり、図21はリブ70を設けた場合の解析結果である。
【0058】
リブ70を設けない場合は、図18に示すように、ボディ20の奥行き方向の奥側の圧力が高くなる一方で、連絡流路15の入口部分72の圧力は低くなっている。これに対し、リブ70を設けた場合は、図19に示すように、ボディ20の奥行き方向の奥側の圧力がやや低くなっており、連絡流路15の入口部分72の圧力が高くなっている。
【0059】
また、図20と図21に示すように、連絡流路15の入口部分72とセンサ流路Sの入口部分74との間の圧力差、センサ流路Sの入口部分74と出口部分76との間の圧力差、センサ流路Sの出口部分76と連絡流路16の出口部分78との間の圧力差は、リブ70を設けない場合よりもリブ70を設けた場合のほうが大きくなっている。
このように、リブ70を設けることにより、連絡流路15の入口部分72の圧力が高くなり、流路空間21内の圧力分布が変化して、流路空間21内の各部における圧力差が大きくなることが確認できた。
【0060】
〔評価結果の説明〕
次に、流体入口11における被測定流体の流量に対し測定された中点電位Vout(図15参照)の評価結果について説明する。図22と図23は被測定流体の流量に対する中点電位Voutの測定結果を示す図であり、図22はリブ70を設けない場合であり、図23はリブ70を設けた場合である。なお、複数の熱式流量計10について評価を行った。
【0061】
すると、図22に示すように、リブ70を設けない場合には複数の熱式流量計10間において中点電位Voutのバラツキ量が大きくなった。これに対し、図23に示すように、リブ70を設けた場合には複数の熱式流量計10間において中点電位Voutのバラツキ量が非常に少なくなった。このように、リブ70を設けることにより、複数の熱式流量計10間における中点電位Voutのバラツキ量を抑制できることが確認された。そのため、リブ70を設けることにより、熱式流量計10の製品間の計測精度のバラツキを抑制できることが分かった。
【0062】
〔本実施例の効果〕
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係る熱式流量計10によれば、ボディ20の面21bに第1バイパス流路B1へ突出したリブ70が設けられているので、被測定流体の流れを補正して流れ方向を変え、流路空間21内の必要な部分に意図的に圧力差を設けることができる。そのため、センサ流路Sに安定した流量の被測定流体を流すことができる。したがって、測定チップ60により安定した流量を測定することができ、被測定流体の流量の計測精度の向上を図ることができる。
【0063】
また、リブ70を設けるだけでよく、流路空間21内に直管部や整流格子を設ける必要がないので、熱式流量計10の小型化を図ることができる。
さらに、リブ70の高さHは、流路空間21内を流れる被測定流体の圧力損失に影響しない程度の大きさとし、本実施例では一例として、第1バイパス流路B1(隙間21s)の高さhの約40%としている。そのため、被測定流体の圧力損失を抑制することができる。
【0064】
また、リブ70を隙間21sに設けることにより、流路ブロック40の入口と出口で圧力差を発生させて流路ブロック40の入口から連絡流路15とセンサ流路Sと連絡流路16とを介して流路ブロック40の出口に被測定流体を流すことができる。そのため、より確実にセンサ流路Sに安定した流量の被測定流体を流すことができる。したがって、より確実に測定チップ60により安定した流量を測定することができ、より確実に被測定流体の流量の計測精度の向上を図ることができる。
【0065】
また、第1メッシュ板42のメッシュ部42mの幅δ1は、第2メッシュ板43のメッシュ部43mの幅δ2(図7参照)や第3メッシュ板44のメッシュ部44mの幅δ3(図8参照)よりも小さい。これにより、第1メッシュ板42のメッシュ部42mの面積は、第2メッシュ板43のメッシュ部43mの面積や第3メッシュ板44のメッシュ部44mの面積よりも小さい。そのため、第1バイパス流路B1における被測定流体の流れの影響を受けずに、各部の圧力差に応じた流量の被測定流体をセンサ流路Sに流すことができる。そのため、より確実に測定チップ60により安定した被測定流体の流量を測定でき被測定流体の流量の計測精度の向上を図ることができる。また、ボディ20の形状設計の自由度が増し、薄型の熱式流量計10を製作することができるので、さらなる熱式流量計10の小型化を図ることができる。
【0066】
さらに、流体入口11からボディ20の流路空間21内への被測定流体の流入方向の奥行き側にて発生しうる第1バイパス流路B1内の高い圧力の影響を受けにくくなり、被測定流体の流量のさらなる計測精度の向上を図ることができる。
【0067】
また、第1メッシュ板42のメッシュ部42mの幅δ1を調整するだけでよく、流路空間21内に直管部や整流格子を設ける必要がないので、簡易な構造とすることができ、熱式流量計10のさらなる小型化を図ることができる。
【0068】
また、ボディ20とカバー30とで形成される空間内にセンサ基板50が鉛直に配置されている。また、被測定流体の出入口11,12が、ボディ20の同一面にボディ20の奥行き方向の中心線Cからずらされて配置されている。そして、センサ基板50に実装された測定チップ60が、被測定流体の出入口11,12とは中心線Cに対して反対側に配置されるように、センサ基板50がボディ20に固定されている。これらのことにより、流路ブロック40を限られたスペースに効率的に配置することができるとともに、センサ基板50の大きさに制限されることなく、熱式流量計10の奥行き方向における小型化、つまり薄型化を図ることができる。また、熱式流量計10の軽量化も図ることができる。
【0069】
そして、熱式流量計10では、ボディ20に形成された流路空間21に流路ブロック40を装着して、第1バイパス流路B1や第2バイパス流路B2を構成することにより、被測定流体の最適なバイパス比を設定することができるため、リニアな出力特性を得ることができる。また、流路ブロック40には、第1バイパス流路B1や第2バイパス流路B2とセンサ流路Sとの間に配置される多層のメッシュ部42m,43m,44mが備わっている。これにより、センサ流路Sに流れ込む被測定流体の流れが整えられる。従って、非常に安定した出力を得ることができる。さらに、測定チップ60に上流温度検出抵抗体R1、下流温度検出抵抗体R2、発熱抵抗体Rh、および流体温度検出抵抗体Rtを設け、電気回路により、発熱抵抗体Rhと流体温度検出抵抗体Rtとが一定の温度差になるように制御し、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との温度差に基づき被測定流体の流量を計測する。これにより、双方向の流量検知ができる。
【0070】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0071】
10 熱式流量計
11 流体入口
12 流体出口
15 連絡流路
16 連絡流路
20 ボディ
21 流路空間
21b 面
21s 隙間
30 カバー
40 流路ブロック
41 第1スペーサ
41c 境界部
41o 開口部
42 第1メッシュ板
42c 境界部
42d 部分
42e 部分
42m メッシュ部
43 第2メッシュ板
43c 境界部
43m メッシュ部
44 第3メッシュ板
44c 境界部
44m メッシュ部
45 第2スペーサ
45c 境界部
45o 開口部
50 センサ基板
60 測定チップ
70 リブ
72 連絡流路の入口部分
74 センサ流路の入口部分
76 センサ流路の出口部分
78 連絡流路の出口部分
B1 第1バイパス流路
h 第1バイパス流路の高さ
H リブの高さ
C 中心線
Vout 中点電位
δ1〜δ3 幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定流体の流量を計測するための熱線が架設されたセンサ流路と、前記センサ流路に対するバイパス流路とを備える熱式流量計において、
前記熱線が設けられた測定チップと、
前記測定チップが実装されるとともに、前記測定チップに電気的に接続される電気回路が設けられた基板と、
前記センサ流路と前記バイパス流路とを分岐させる流路ブロックとを有し、
前記流路ブロック及び前記基板を収容するボディと前記ボディの開口部を塞ぐカバーとで形成される空間内に前記基板が鉛直に配置され、
前記被測定流体の出入口が前記ボディの同一面に配置され、
前記ボディに前記バイパス流路内へ突出したリブが設けられていること、
を特徴とする熱式流量計。
【請求項2】
請求項1の熱式流量計において、
前記流路ブロックは、前記センサ流路に流れ込む前記被測定流体の流れを整える整流部分が境界部を挟んで一対設けられた整流板を備え、
前記リブは、前記境界部と前記ボディとの間に形成された隙間に設けられていること、
を特徴とする熱式流量計。
【請求項3】
請求項2の熱式流量計において、
前記流路ブロックは、前記整流板として少なくとも第1整流板と第2整流板とを備え、
前記第1整流板の前記整流部分の面積は前記第2整流板の前記整流部分の面積よりも小さいこと、
を特徴とする熱式流量計。
【請求項4】
請求項3の熱式流量計において、
前記被測定流体の入口から前記ボディ内への前記被測定流体の流入方向について、前記第1整流板の前記整流部分の幅は前記第2整流板の前記整流部分の幅よりも小さいこと、
を特徴とする熱式流量計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate