熱硬化性コーティングを模様付けされた基材に施与する方法
本出願は、熱硬化性コーティングを、アスファルト表面などの模様付けされた基材に施与する方法に関する。コーティングは、1つまたは複数の予備形成された熱可塑性シートで施与され、熱可塑性材料を下にある基材に形成された模様に合致させるために原位置で加熱される。本発明の1つの実施形態では、模様は、除去可能な型板を用いてアスファルト表面に形成され、この型板は、アスファルトが柔軟な状態にあるときにアスファルトに型押しされる。予備形成されたシートは、次いで、模様付けされた表面に施与され、除々に加熱される。本発明の代替の実施形態では、型板は、シートが原位置で適切な温度まで加熱された後で、予備形成されたシートおよびアスファルト表面に同時に型押しされる。型板と加熱された熱可塑性材料の間の接着を最小限に抑えるために、結合還元剤を使用することができる。本発明の別の代替の実施形態では、熱可塑性物質を下にある模様により精密に合致させるために、熱可塑性材料を、溶融かつ部分的に冷却させた後で打刻することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、熱硬化性コーティングを、刻印されたアスファルトの表面などの模様付けされた基材に施与する方法に関する。コーティングは、1つまたは複数の予備形成された熱可塑性シートを基材上に置き、そのシートを原位置で加熱して熱可塑性材料を下にある模様に合致させることによって施与することができる。
【背景技術】
【0002】
アスファルト表面および他の基材に模様を形成するさまざまな方法が、従来技術で知られている。本出願人は、米国特許状第5,215,402号(特許文献1)の権利者であり、この特許では、除去可能な型板を用いてアスファルト表面に模様を形成する方法を記載している。その型板は、柔軟なアスファルト表面に押し込まれて、たとえばレンガ、玉石、連結型舗装石等の外観を模倣する所定の模様を刻印する。そして型板は持ち上げられてアスファルト表面から取り除かれ、アスファルトは硬化させられる。
【0003】
’402における発明の1つの実施形態では、レンガおよびモルタルまたは他の所望の視覚的効果を高めるために、セメント質の薄いコーティング層を、刻印されたアスファルトに施与することができる。装飾用コーティングは、たとえば粉体コンクリート、およびアスファルト表面全体に広がって硬化させられるスラリー状の着色剤を施すことによって施与され得る。これは、比較的時間がかかる、労働集約的な方法である。さまざまな他のアクリル系、エポキシ樹脂系、またはラテックスベースの保護コーティングも同様に、表面をシールしかつその視覚的魅力を高めるために、型押し工程の後、刻印された表面に施与することができる。
【0004】
’402における方法の1つの欠点は、特に交通量が多い地域において装飾用コーティングが時間経過に伴ってすり減ることがあることである。さらに、上記で述べたように、液状のコーティングの施与は時間がかかるものであり、技術的困難も伴う。たとえば、コーティングが一様な深さに広げられない場合、視覚的効果が魅力的でないという結果になり得る。したがって、予備形成された熱可塑性シートに熱を施与することによってアスファルト表面をコーティングするための改良された方法の必要性が生じている。
【0005】
機能または装飾の目的でその場で熱可塑性コーティングに模様を型押しすることが従来技術において知られている。たとえば、プリズモユニバーサルコーポレーション社(Prismo Universal Corporation)は、熱可塑性物質の比較的厚い層(すなわち約15ミリメートル)を、加熱された柔軟な形態にある基材に施与するための方法を使用しており、これを説明している。熱可塑性物質は、ここで、絶縁された熱保護用衣服を着用する作業者によって所望の模様に手動で打刻される。この方法は、非常に労働集約的なものであり、危険が潜んでいる。打刻は手動で行われるため、広い表面領域にわたって複雑な模様を一様に与えることは困難である。さらに、この打刻は、下にある基材ではなく厚い熱可塑性層に模様を型押しすることを意図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許状第5,215,402号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、熱硬化性コーティングを、刻印されたアスファルト表面などの模様付けされた基材に施与するための改良された方法および材料の必要性が生じてきている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、(a)第1の模様を基材に形成する工程と、(b)予備形成された熱硬化性シートを基材に配置する工程と、(c)第1の模様に合致する形でシートが基材に接着するのに十分な温度まで、原位置でシートを加熱する工程とを含む、コーティングを基材に施与する方法が提供される。
【0009】
好ましくは、シートは、熱可塑性材料から形成され、基材は、アスファルト表面である。シートは、アスファルト表面と接触する第1の表面と、アスファルト表面と接触しない第2の表面とを含むことができる。シートは、熱可塑性物質が、0.75〜3.75ミリメートル(30〜150ミル)またはより好ましくは1.25〜3.13ミリメートル(50〜125ミル)の厚さでアスファルト表面上にコーティングされるように、薄いプロファイルを有することが好ましい。
【0010】
第1の模様は、アスファルト表面が柔軟な状態にあるときにアスファルト表面に形成することができる。たとえば、第1の模様は、高温のアスファルトを含む直近に形成されたアスファルト表面または既存の再加熱されたアスファルト表面に形成することができる。1つの実施形態では、第1の模様は、アスファルト表面が柔軟な状態にある間にアスファルト表面上に型板を置き、この型板をアスファルト表面に入れて第1の模様を形成するように刻印し、模様を露出させるために型板をアスファルト表面から除去することによって形成される。
【0011】
原位置でシートを加熱する工程は、シートの上方に延在する支持枠を有する加熱装置を提供することによってシートの温度を除々に上昇させる工程を含むことができ、この装置は、シートの上方を周期的に通過する進行経路で支持枠上を移動するように装着された少なくとも1つのヒータを有する。シートは、65.6〜232.2℃(約150〜450°F)の間、より好ましくは148.9〜204.4℃(300〜400°F)の間の温度まで加熱され得る。
【0012】
シートは、複数の個別のセクションに副分割可能でよい。追加的にまたは代替的に、アスファルト表面を覆うように互いに隣接して整列され得る複数の別個のシートが提供されてよい。シートのサイズ、形状、色、および質感は、機能および/または装飾の目的に合わせて選択することができる。たとえば、各々のシートは、アスファルト表面に形成された第1の模様に合致する第2の模様で形成されてよい。
【0013】
本発明の代替の実施形態では、第1の模様は、熱可塑性シートおよび基材に同時に形成され得る。この実施形態では、予備形成された熱硬化性シートが、模様付けされていない基材上に置かれる。シートは、次いで、シートの第1の表面が基材に接着するのに十分な温度まで原位置で除々に加熱される。シートおよび基材は、次いで、シートの第2の露出面上に置かれた型板を押し込むなどにより、第1の模様を形成するように刻印される。型板をシートの第2の表面上に置く前に、型板と予備形成されたシートの高温の熱可塑性材料の間の接着を最小限に抑えるために、結合還元剤または冷却剤で第2の表面を処理することができる。
【0014】
本発明の別の代替の実施形態では、第1の模様により精密に熱可塑性物質を適合させるために、第2の型板を用いて、熱可塑性物質を加熱した後に打刻することができる。
図では、本発明の実施形態を示すが、どのような形であれ本発明の趣旨または範囲を制限するものとして解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】柔軟なアスファルト表面に模様を形成するための型板の斜視図。
【図2】ドラム・ローラでアスファルト表面に押し込まれている図1の型板の側面図。
【図3】作業場所を除々に加熱するための往復式赤外線ヒータを備える装置の斜視図。
【図4】模様付けされたアスファルト表面上に置かれている予備形成された熱可塑性シートの分解斜視図。
【図5】図4の予備形成されたシートの上方を通過する図3の装置のヒータを示す斜視図。
【図6】模様付けされたアスファルト表面上にコーティングを形成するためにその上で溶融した図4および5のシートの熱可塑性材料を示す斜視図。
【図7】模様付けされたアスファルト表面の輪郭に合致するコーティングを示す断面図。
【図8】模様付けされたアスファルト表面上に整列して置かれている1対の予備形成された熱可塑性シートの分解斜視図。
【図9】図8の予備形成されたシートの上方を通過する図3の装置のヒータを示す斜視図。
【図10】模様付けされていないアスファルト表面上の予備形成された熱可塑性シートの配置および図3のヒータを用いたシートと表面の結合を含む、本発明の代替の実施形態の斜視図。
【図11】結合還元剤または冷却剤を熱可塑性シートの露出面に施与する工程を示す図。
【図12】除去可能な型板を用いて熱可塑性コーティングおよび下にあるアスファルト表面に同時に模様を形成する工程を示す斜視図。
【図13】模様付けされたアスファルト表面上にコーティングを形成するためにそれ上で溶融した比較的厚い熱可塑性シートから得られる熱可塑性材料を示す本発明の代替の実施形態の斜視図。
【図14】模様付けされたアスファルト表面の輪郭に合致する図13のコーティングを示す断面図。
【図15】より精密に画定された熱可塑性コーティングを生成するために、図13および14の熱可塑性物質を部分的に冷却した後で打刻するための別の型板を示す斜視図。
【図16】熱可塑性物質が打刻され、別の型板が除去された後の図15のコーティングを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明を通して、本発明に対するより完璧な理解をもたらすために、特定の詳細が記載される。しかし、本発明は、これらの事項を伴うことなく実施することができる。他の場合においては、よく知られている要素は、本発明を不必要に曖昧にすることを回避するために詳細に示されておらず、または説明されていない。したがって、本明細書および図は、制限的な意味ではなく例示的なものとして見なされるものである。
【0017】
本出願は、熱硬化性コーティング10をアスファルト表面12などの模様付けされた基材に施与する方法に関する。図4〜6に示すように、コーティング10は、最初に、1つまたは複数の予備形成されたシート14の形態でアスファルト表面12に施与することができる。そしてシート14は、シート14とアスファルト表面12の間に一様な結合が達成されるまで、下記で説明するように原位置で除々に加熱され、それによってコーティング10を形成する。この加熱方法は、シート14を下にある表面12に形成された模様22に合致させ、それによってその装飾的または機能的効果を高める(図6および7)。
【0018】
本特許出願では、「原位置」で加熱するという用語は、液状の高温の熱可塑性物質を従来の方法で直接アスファルト表面12に施与してこれを硬化させるのではなく、予備形成されたシート14を設置場所で加熱することを示す。本特許出願では、「アスファルト」は、道路、ドライブウェイ、歩道などを建設するための舗装用化合物を意味し、この舗装用化合物は、タールなどの瀝青バインダおよび砂または砂利などの骨材の組合せで構成される。当業者によって理解されるように、本出願人の方法は、コンクリート、または硬化性コーティング10を受け入れ、これに接着することができる他の材料などの、他のタイプの模様付けされた基材にも適用され得る。
【0019】
図4に最適に示すように、各々の予備形成されたシート14は、アスファルト表面12と接触する第1の表面16と、アスファルト表面12と接触しない第2の露出面18とを有する。本発明の1つの実施形態では、各々のシート14の表面16、18間の厚さは、0.75〜3.75ミリメートル(約30〜150ミル)の厚さの範囲内にあり、より具体的には1.25〜3.13ミリメートル(50〜125ミル)の厚さの範囲内にある。シート14は、熱可塑性材料から形成することができ、ラファージュロードマーキングス社(Lafarge Road Markings)、フリントトレーディングインコーポレイティッド社(Flint Trading,Inc.)およびエイブリィデニソンコーポレーション社(Avery Dennison Corporation)などのさまざまな供給者から入手可能である。シート14は、交通標識または企業のロゴなどの機能的目的に合わせて選択されてよく、あるいは単に装飾用でもよい。図8に示すように、複数のシート14が、アスファルト表面12を完全に覆うように重複しない構成で一緒に並置され得る。代替の実施形態では、隣り合うシート14の縁部分は、部分的に重複してよい。別の代替の実施形態では、シート14は、隣り合うシート14の間に空隙を維持するなどにより、アスファルト表面12を一部分だけ覆うように配置されてよい。さらに、各々のシート14は、連続的でも不連続的でもよい。たとえば、各々のシート14は、その中に形成された開口部または長穴を含み得る。当業者に明白になるように、シート14の形状および構造は、本発明から逸脱することなく変更することができる。
【0020】
たとえば本願明細書に援用する特許文献1で説明した本出願人の方法によって、模様をアスファルト表面12に形成することができる。より具体的には、型板20が、アスファルト表面12が柔軟な状態(すなわち高温のアスファルトで圧延されたばかり、あるいは表面の再加熱後)にある間にアスファルト表面12(図1および2)上に配置される。型板20は、次いで、ドラム・ローラ24または何らかの他の圧縮装置でアスファルト表面12内に押し込まれて、その中に模様22を形成する。たとえば、模様22は、レンガおよびモルタルの外観、または何らかの他の装飾外観を模倣する型押し模様でよい。型板20は、次いで、模様22を露出させるために表面12から除去される(図1)。代替の実施形態では、模様22は、表面12に形成された型押し模様ではなく突起部、または何らかの他の表面テクスチャリング(surface texturing)で構成することができる。模様22をアスファルト表面12に形成する他の類似の手段が、想定され得る。
【0021】
シート14を原位置で加熱する1つの手段は、図3に示されており、本願明細書に援用するWO 03/048458 Alで説明されている。この実施形態では、持ち運び可能な表面加熱装置26が、アスファルト表面12およびその上に置かれたシート14を加熱するために設けられている。アスファルト表面は、加熱工程が開始する前は乾燥していることが好ましい。図示された実施形態では、装置26は、支持枠28と、支持枠28上で移動するように支持される複数の赤外線ヒータ30とを含む。たとえば、支持枠28は、支持脚32およびハウジング34によってアスファルト表面12の上方で支持された細長いレール30を含むことができる。ヒータ・トラック36が、レール30上の往復移動のために設けられている。トラック36は、ヒータ30の群(bank)を表面12に近い位置(たとえば地上より約5.08センチメートル(2インチ))で支持している。
【0022】
図4および5に示すように、予備形成された熱可塑性シート14が、アスファルト表面12上に置かれて模様22に重なった後、熱可塑性材料を除々に溶融させるために赤外線ヒータ30をシート14の上方で往復させる(図5では、明確性を高めるために、ヒータ30を備える装置26の一部分のみを示している)。図1の加熱方法の重要な利点は、比較的大きいシート14またはシート14の群、および下にあるアスファルト表面12を、除々にかつ均一に加熱できることである。この手法は、大きな領域の均一な加熱に使用することが容易にできず、熱可塑性材料および/または下にある基材を焦がす傾向を有するという携帯型トーチヒータの欠点を回避する。たとえば、その組成によっては、一部の熱可塑性シート14および/またはアスファルト表面12は、約162.8℃(325°F)を超える温度に持続的にさらされた際に焦げる可能性がある。本出願人の加熱方法の1つの実施形態によれば、アスファルト表面12および熱可塑性シート14は、各々の加熱サイクルの後、部分的に冷却させられる。したがって、表面12(およびこれに施与されたシート14)の温度は、熱可塑性物質/アスファルトの接着に適切な所望の温度が達成されるまで、連続的な加熱サイクルによって除々に上昇する。それによってアスファルト表面12は、比較的ゆっくりの熱ソーク(heat soak)にかけられて、アスファルトの最上の表面層の下方で熱がシート14を貫通しかつその周りに除々に浸透することが可能になる。本発明の1つの実施形態によれば、表面12およびシート14は、65.6〜232.2℃(150〜450°F)の範囲内、最も好ましくは65.6〜232.2℃(約150〜450°F)の範囲内の温度まで除々に加熱される。
【0023】
図6および7に示すように、シート14は、十分な高さの温度まで加熱されたとき、溶融しかつアスファルト表面12に形成された模様22に合致し、アスファルト表面12上にコーティング10を形成する。次いで、熱源が除去され、コーティング10が硬化させられる。本発明の別の実施形態では、別の表面テクスチャリング(surface texturing)を創出する、あるいは装飾効果を増大させるために、コーティング10がまだ粘着状態にある間に着色剤または添加剤をコーティング10に施与することができる。図6に示すように、コーティング10は、所望の視覚的効果に応じて、表面模様22のすべてまたは一部に施与することができる。複数のシート14が使用される場合(図8および9)、シート14は、縁と縁とを合わせて整列されてよく、あるいは隣り合うシート14の間に空隙が維持されてよい(すなわち模様22で刻印された表面12の一部分は、コーティングされないままでよい)。
【0024】
図10〜12は、模様22がアスファルト表面12およびシート(複数可)14の両方に順次ではなく同時に形成される本発明の代替の実施形態を示している。この実施形態では、予備形成されたシート14が、模様付けされていないアスファルト表面12上に配置される。表面12は、圧延されたばかり、再加熱または未加熱の状態でよい。図5の実施形態の場合と同様に、熱可塑性材料を除々に溶融させるために、赤外線ヒータ30をシート14の上方で往復させることができる(図10)。シート14が、下にあるアスファルト表面12と接着するのに十分な高さの温度まで除々に加熱された後、結合還元剤がシート14の露出面18に施与される(図11)。たとえば、結合還元剤は、砂などの粒子結合破砕物40、または水冷却剤などの液体噴霧42でよく、層18に施与される。結合還元剤の目的は、層14と模様形成デバイスの間の接着を最小限に抑えることである。
【0025】
図12に示すように、模様形成デバイスは、除去可能な型板20を備えることができる。図示された実施形態では、型板20は、シート14および下にあるアスファルト表面12の両方に模様22を同時に型押しするために使用される。上記で示した結合還元剤は、型板20とシート14の露出面18の間の接着を最小限に抑えるが、シート14の表面16とアスファルト表面12の間の接着には影響を及ぼさない。それによって、薄い熱可塑性コーティング10をその上に有する、模様付けされたアスファルト表面12が得られる(図12)。
【0026】
図13〜16は、本発明の別の実施形態を示している。この実施形態では、模様22が、型板20を用いてアスファルト表面12に形成され、次いで、シート(複数可)14が、刻印された表面上に配置され、上記で説明したように原位置で加熱される。これによってシート(複数可)14が、溶融しかつ模様22に合致し、アスファルト表面12上にコーティング10を形成する(図13および14)。本発明の別の実施形態によれば、熱可塑性コーティング10は、次いで、部分的に冷却させられ、加熱後打刻工程にかけられる。非限定的な例では、コーティング10は、60℃(140°F)の温度まで冷却させることができるが、この温度は、熱可塑性物質のタイプおよび周囲条件に応じて変化し得る。加熱後打刻工程は、熱可塑性物質がまだ柔軟である間に部分的に冷却されたコーティング10上に別の型板50を置く工程を含むことができる(図15)。好ましくは、型板50は、型板20の模様に合致する模様を有するが、打刻工程中、疑似グラウト・ラインまたは他の模様から熱可塑性物質がずれるのを回避するために、型板20よりわずかに小さい直径を有するワイヤ要素を有する。たとえば、型板20は、直径9.5ミリメートル(約3/8インチ)のワイヤ要素を有することができ、型板50は、直径6.35ミリメートル(約1/4インチ)のワイヤ要素を有することができる。型板50は、コーティング10内に押し込まれたとき、熱可塑性物質を下にある模様22により精密に合致させ、その結果、より鮮明でより良好に画定された視覚的外観が得られる。これは、打刻工程の前の図14の疑似グラウト・ラインと、打刻工程後の図16の疑似グラウト・ラインを比較することによって明らかになる。図14のグラウト・ラインは、浅い曲線状のプロファイルを有するが、図16のグラウト・ラインは、より深く、より良好に画定された曲線状のプロファイルを有し、このプロファイルは、アスファルト表面12に形成された模様22の輪郭および深さとより綿密に合致している。したがって、図16のグラウト・ラインは、所望の視覚的効果をより良好に模倣する。
【0027】
本発明のこの実施形態では、熱可塑性物質は、所望の模様により綿密に合致させるために加熱後打刻工程にかけられるため、熱可塑性シート14は、本発明の他の実施形態よりも厚さにおいて幾分大きくなり得る。上記で示唆したように、シート14は、通常、0.75〜3.75ミリメートル(30〜150ミル)の厚さ、より具体的には1.25〜3.13ミリメートル(50〜125ミル)、または2.25〜3ミリメートル(90〜120ミル)の厚さの範囲内にある。本発明のこの実施形態では、シート14は、3.75〜6.25ミリメートル(150〜250ミル)の厚さの範囲内でよいが、より小さい厚さのシート14もまた使用されてよい。本発明の特定の実施形態では、4.38〜5.63ミリメートル(175〜225ミル)の範囲内の厚さを有するシートが使用されてよい。より厚いシート14は、耐久性がより大きく、砂、シリカ、またはガラス玉などの粒子状添加物に対する担体として作用する熱可塑性物質の量が増大するという利点を有する。本明細書において説明した本出願人の往復式加熱システムは、比較的厚い熱可塑性シートによって焦げまたは不完全な溶融を引き起こすことなく均一に加熱できるという利点を有する。
【0028】
上記で説明した本発明の他の実施形態の1つの場合と同様に、結合還元剤40は、熱可塑性物質と型板50の間の接着を最小限に抑えるために、コーティング10の露出された上面が打刻される前にこの上面に施与され得る。たとえば、砂または他の骨材などの粒子結合破砕物を、型板50がコーティング10内に押し込まれる前にコーティング10上に投入することができる。これによって、押し込み工程後の型板50の除去が容易に進められる。粒子結合破砕物40は、熱可塑性物質内に浸透していき、その結果、耐久性の強化および滑り抵抗性の表面がもたらされる。図14および16に示すように、熱可塑性シート14は、上記で説明されたように従来のシートよりも厚いため、耐久性能を最適にするために、より大きく、より角度のある粒子を使用することができる。たとえば、3ミリメートル(120ミル)を超える骨材サイズを有する砂を使用することができる。
【0029】
上述の開示に照らして当業者に明白になるように、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明の実施において数多くの変更および改変が可能である。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義された実態によって解釈されるものとする。
【技術分野】
【0001】
本出願は、熱硬化性コーティングを、刻印されたアスファルトの表面などの模様付けされた基材に施与する方法に関する。コーティングは、1つまたは複数の予備形成された熱可塑性シートを基材上に置き、そのシートを原位置で加熱して熱可塑性材料を下にある模様に合致させることによって施与することができる。
【背景技術】
【0002】
アスファルト表面および他の基材に模様を形成するさまざまな方法が、従来技術で知られている。本出願人は、米国特許状第5,215,402号(特許文献1)の権利者であり、この特許では、除去可能な型板を用いてアスファルト表面に模様を形成する方法を記載している。その型板は、柔軟なアスファルト表面に押し込まれて、たとえばレンガ、玉石、連結型舗装石等の外観を模倣する所定の模様を刻印する。そして型板は持ち上げられてアスファルト表面から取り除かれ、アスファルトは硬化させられる。
【0003】
’402における発明の1つの実施形態では、レンガおよびモルタルまたは他の所望の視覚的効果を高めるために、セメント質の薄いコーティング層を、刻印されたアスファルトに施与することができる。装飾用コーティングは、たとえば粉体コンクリート、およびアスファルト表面全体に広がって硬化させられるスラリー状の着色剤を施すことによって施与され得る。これは、比較的時間がかかる、労働集約的な方法である。さまざまな他のアクリル系、エポキシ樹脂系、またはラテックスベースの保護コーティングも同様に、表面をシールしかつその視覚的魅力を高めるために、型押し工程の後、刻印された表面に施与することができる。
【0004】
’402における方法の1つの欠点は、特に交通量が多い地域において装飾用コーティングが時間経過に伴ってすり減ることがあることである。さらに、上記で述べたように、液状のコーティングの施与は時間がかかるものであり、技術的困難も伴う。たとえば、コーティングが一様な深さに広げられない場合、視覚的効果が魅力的でないという結果になり得る。したがって、予備形成された熱可塑性シートに熱を施与することによってアスファルト表面をコーティングするための改良された方法の必要性が生じている。
【0005】
機能または装飾の目的でその場で熱可塑性コーティングに模様を型押しすることが従来技術において知られている。たとえば、プリズモユニバーサルコーポレーション社(Prismo Universal Corporation)は、熱可塑性物質の比較的厚い層(すなわち約15ミリメートル)を、加熱された柔軟な形態にある基材に施与するための方法を使用しており、これを説明している。熱可塑性物質は、ここで、絶縁された熱保護用衣服を着用する作業者によって所望の模様に手動で打刻される。この方法は、非常に労働集約的なものであり、危険が潜んでいる。打刻は手動で行われるため、広い表面領域にわたって複雑な模様を一様に与えることは困難である。さらに、この打刻は、下にある基材ではなく厚い熱可塑性層に模様を型押しすることを意図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許状第5,215,402号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、熱硬化性コーティングを、刻印されたアスファルト表面などの模様付けされた基材に施与するための改良された方法および材料の必要性が生じてきている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、(a)第1の模様を基材に形成する工程と、(b)予備形成された熱硬化性シートを基材に配置する工程と、(c)第1の模様に合致する形でシートが基材に接着するのに十分な温度まで、原位置でシートを加熱する工程とを含む、コーティングを基材に施与する方法が提供される。
【0009】
好ましくは、シートは、熱可塑性材料から形成され、基材は、アスファルト表面である。シートは、アスファルト表面と接触する第1の表面と、アスファルト表面と接触しない第2の表面とを含むことができる。シートは、熱可塑性物質が、0.75〜3.75ミリメートル(30〜150ミル)またはより好ましくは1.25〜3.13ミリメートル(50〜125ミル)の厚さでアスファルト表面上にコーティングされるように、薄いプロファイルを有することが好ましい。
【0010】
第1の模様は、アスファルト表面が柔軟な状態にあるときにアスファルト表面に形成することができる。たとえば、第1の模様は、高温のアスファルトを含む直近に形成されたアスファルト表面または既存の再加熱されたアスファルト表面に形成することができる。1つの実施形態では、第1の模様は、アスファルト表面が柔軟な状態にある間にアスファルト表面上に型板を置き、この型板をアスファルト表面に入れて第1の模様を形成するように刻印し、模様を露出させるために型板をアスファルト表面から除去することによって形成される。
【0011】
原位置でシートを加熱する工程は、シートの上方に延在する支持枠を有する加熱装置を提供することによってシートの温度を除々に上昇させる工程を含むことができ、この装置は、シートの上方を周期的に通過する進行経路で支持枠上を移動するように装着された少なくとも1つのヒータを有する。シートは、65.6〜232.2℃(約150〜450°F)の間、より好ましくは148.9〜204.4℃(300〜400°F)の間の温度まで加熱され得る。
【0012】
シートは、複数の個別のセクションに副分割可能でよい。追加的にまたは代替的に、アスファルト表面を覆うように互いに隣接して整列され得る複数の別個のシートが提供されてよい。シートのサイズ、形状、色、および質感は、機能および/または装飾の目的に合わせて選択することができる。たとえば、各々のシートは、アスファルト表面に形成された第1の模様に合致する第2の模様で形成されてよい。
【0013】
本発明の代替の実施形態では、第1の模様は、熱可塑性シートおよび基材に同時に形成され得る。この実施形態では、予備形成された熱硬化性シートが、模様付けされていない基材上に置かれる。シートは、次いで、シートの第1の表面が基材に接着するのに十分な温度まで原位置で除々に加熱される。シートおよび基材は、次いで、シートの第2の露出面上に置かれた型板を押し込むなどにより、第1の模様を形成するように刻印される。型板をシートの第2の表面上に置く前に、型板と予備形成されたシートの高温の熱可塑性材料の間の接着を最小限に抑えるために、結合還元剤または冷却剤で第2の表面を処理することができる。
【0014】
本発明の別の代替の実施形態では、第1の模様により精密に熱可塑性物質を適合させるために、第2の型板を用いて、熱可塑性物質を加熱した後に打刻することができる。
図では、本発明の実施形態を示すが、どのような形であれ本発明の趣旨または範囲を制限するものとして解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】柔軟なアスファルト表面に模様を形成するための型板の斜視図。
【図2】ドラム・ローラでアスファルト表面に押し込まれている図1の型板の側面図。
【図3】作業場所を除々に加熱するための往復式赤外線ヒータを備える装置の斜視図。
【図4】模様付けされたアスファルト表面上に置かれている予備形成された熱可塑性シートの分解斜視図。
【図5】図4の予備形成されたシートの上方を通過する図3の装置のヒータを示す斜視図。
【図6】模様付けされたアスファルト表面上にコーティングを形成するためにその上で溶融した図4および5のシートの熱可塑性材料を示す斜視図。
【図7】模様付けされたアスファルト表面の輪郭に合致するコーティングを示す断面図。
【図8】模様付けされたアスファルト表面上に整列して置かれている1対の予備形成された熱可塑性シートの分解斜視図。
【図9】図8の予備形成されたシートの上方を通過する図3の装置のヒータを示す斜視図。
【図10】模様付けされていないアスファルト表面上の予備形成された熱可塑性シートの配置および図3のヒータを用いたシートと表面の結合を含む、本発明の代替の実施形態の斜視図。
【図11】結合還元剤または冷却剤を熱可塑性シートの露出面に施与する工程を示す図。
【図12】除去可能な型板を用いて熱可塑性コーティングおよび下にあるアスファルト表面に同時に模様を形成する工程を示す斜視図。
【図13】模様付けされたアスファルト表面上にコーティングを形成するためにそれ上で溶融した比較的厚い熱可塑性シートから得られる熱可塑性材料を示す本発明の代替の実施形態の斜視図。
【図14】模様付けされたアスファルト表面の輪郭に合致する図13のコーティングを示す断面図。
【図15】より精密に画定された熱可塑性コーティングを生成するために、図13および14の熱可塑性物質を部分的に冷却した後で打刻するための別の型板を示す斜視図。
【図16】熱可塑性物質が打刻され、別の型板が除去された後の図15のコーティングを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明を通して、本発明に対するより完璧な理解をもたらすために、特定の詳細が記載される。しかし、本発明は、これらの事項を伴うことなく実施することができる。他の場合においては、よく知られている要素は、本発明を不必要に曖昧にすることを回避するために詳細に示されておらず、または説明されていない。したがって、本明細書および図は、制限的な意味ではなく例示的なものとして見なされるものである。
【0017】
本出願は、熱硬化性コーティング10をアスファルト表面12などの模様付けされた基材に施与する方法に関する。図4〜6に示すように、コーティング10は、最初に、1つまたは複数の予備形成されたシート14の形態でアスファルト表面12に施与することができる。そしてシート14は、シート14とアスファルト表面12の間に一様な結合が達成されるまで、下記で説明するように原位置で除々に加熱され、それによってコーティング10を形成する。この加熱方法は、シート14を下にある表面12に形成された模様22に合致させ、それによってその装飾的または機能的効果を高める(図6および7)。
【0018】
本特許出願では、「原位置」で加熱するという用語は、液状の高温の熱可塑性物質を従来の方法で直接アスファルト表面12に施与してこれを硬化させるのではなく、予備形成されたシート14を設置場所で加熱することを示す。本特許出願では、「アスファルト」は、道路、ドライブウェイ、歩道などを建設するための舗装用化合物を意味し、この舗装用化合物は、タールなどの瀝青バインダおよび砂または砂利などの骨材の組合せで構成される。当業者によって理解されるように、本出願人の方法は、コンクリート、または硬化性コーティング10を受け入れ、これに接着することができる他の材料などの、他のタイプの模様付けされた基材にも適用され得る。
【0019】
図4に最適に示すように、各々の予備形成されたシート14は、アスファルト表面12と接触する第1の表面16と、アスファルト表面12と接触しない第2の露出面18とを有する。本発明の1つの実施形態では、各々のシート14の表面16、18間の厚さは、0.75〜3.75ミリメートル(約30〜150ミル)の厚さの範囲内にあり、より具体的には1.25〜3.13ミリメートル(50〜125ミル)の厚さの範囲内にある。シート14は、熱可塑性材料から形成することができ、ラファージュロードマーキングス社(Lafarge Road Markings)、フリントトレーディングインコーポレイティッド社(Flint Trading,Inc.)およびエイブリィデニソンコーポレーション社(Avery Dennison Corporation)などのさまざまな供給者から入手可能である。シート14は、交通標識または企業のロゴなどの機能的目的に合わせて選択されてよく、あるいは単に装飾用でもよい。図8に示すように、複数のシート14が、アスファルト表面12を完全に覆うように重複しない構成で一緒に並置され得る。代替の実施形態では、隣り合うシート14の縁部分は、部分的に重複してよい。別の代替の実施形態では、シート14は、隣り合うシート14の間に空隙を維持するなどにより、アスファルト表面12を一部分だけ覆うように配置されてよい。さらに、各々のシート14は、連続的でも不連続的でもよい。たとえば、各々のシート14は、その中に形成された開口部または長穴を含み得る。当業者に明白になるように、シート14の形状および構造は、本発明から逸脱することなく変更することができる。
【0020】
たとえば本願明細書に援用する特許文献1で説明した本出願人の方法によって、模様をアスファルト表面12に形成することができる。より具体的には、型板20が、アスファルト表面12が柔軟な状態(すなわち高温のアスファルトで圧延されたばかり、あるいは表面の再加熱後)にある間にアスファルト表面12(図1および2)上に配置される。型板20は、次いで、ドラム・ローラ24または何らかの他の圧縮装置でアスファルト表面12内に押し込まれて、その中に模様22を形成する。たとえば、模様22は、レンガおよびモルタルの外観、または何らかの他の装飾外観を模倣する型押し模様でよい。型板20は、次いで、模様22を露出させるために表面12から除去される(図1)。代替の実施形態では、模様22は、表面12に形成された型押し模様ではなく突起部、または何らかの他の表面テクスチャリング(surface texturing)で構成することができる。模様22をアスファルト表面12に形成する他の類似の手段が、想定され得る。
【0021】
シート14を原位置で加熱する1つの手段は、図3に示されており、本願明細書に援用するWO 03/048458 Alで説明されている。この実施形態では、持ち運び可能な表面加熱装置26が、アスファルト表面12およびその上に置かれたシート14を加熱するために設けられている。アスファルト表面は、加熱工程が開始する前は乾燥していることが好ましい。図示された実施形態では、装置26は、支持枠28と、支持枠28上で移動するように支持される複数の赤外線ヒータ30とを含む。たとえば、支持枠28は、支持脚32およびハウジング34によってアスファルト表面12の上方で支持された細長いレール30を含むことができる。ヒータ・トラック36が、レール30上の往復移動のために設けられている。トラック36は、ヒータ30の群(bank)を表面12に近い位置(たとえば地上より約5.08センチメートル(2インチ))で支持している。
【0022】
図4および5に示すように、予備形成された熱可塑性シート14が、アスファルト表面12上に置かれて模様22に重なった後、熱可塑性材料を除々に溶融させるために赤外線ヒータ30をシート14の上方で往復させる(図5では、明確性を高めるために、ヒータ30を備える装置26の一部分のみを示している)。図1の加熱方法の重要な利点は、比較的大きいシート14またはシート14の群、および下にあるアスファルト表面12を、除々にかつ均一に加熱できることである。この手法は、大きな領域の均一な加熱に使用することが容易にできず、熱可塑性材料および/または下にある基材を焦がす傾向を有するという携帯型トーチヒータの欠点を回避する。たとえば、その組成によっては、一部の熱可塑性シート14および/またはアスファルト表面12は、約162.8℃(325°F)を超える温度に持続的にさらされた際に焦げる可能性がある。本出願人の加熱方法の1つの実施形態によれば、アスファルト表面12および熱可塑性シート14は、各々の加熱サイクルの後、部分的に冷却させられる。したがって、表面12(およびこれに施与されたシート14)の温度は、熱可塑性物質/アスファルトの接着に適切な所望の温度が達成されるまで、連続的な加熱サイクルによって除々に上昇する。それによってアスファルト表面12は、比較的ゆっくりの熱ソーク(heat soak)にかけられて、アスファルトの最上の表面層の下方で熱がシート14を貫通しかつその周りに除々に浸透することが可能になる。本発明の1つの実施形態によれば、表面12およびシート14は、65.6〜232.2℃(150〜450°F)の範囲内、最も好ましくは65.6〜232.2℃(約150〜450°F)の範囲内の温度まで除々に加熱される。
【0023】
図6および7に示すように、シート14は、十分な高さの温度まで加熱されたとき、溶融しかつアスファルト表面12に形成された模様22に合致し、アスファルト表面12上にコーティング10を形成する。次いで、熱源が除去され、コーティング10が硬化させられる。本発明の別の実施形態では、別の表面テクスチャリング(surface texturing)を創出する、あるいは装飾効果を増大させるために、コーティング10がまだ粘着状態にある間に着色剤または添加剤をコーティング10に施与することができる。図6に示すように、コーティング10は、所望の視覚的効果に応じて、表面模様22のすべてまたは一部に施与することができる。複数のシート14が使用される場合(図8および9)、シート14は、縁と縁とを合わせて整列されてよく、あるいは隣り合うシート14の間に空隙が維持されてよい(すなわち模様22で刻印された表面12の一部分は、コーティングされないままでよい)。
【0024】
図10〜12は、模様22がアスファルト表面12およびシート(複数可)14の両方に順次ではなく同時に形成される本発明の代替の実施形態を示している。この実施形態では、予備形成されたシート14が、模様付けされていないアスファルト表面12上に配置される。表面12は、圧延されたばかり、再加熱または未加熱の状態でよい。図5の実施形態の場合と同様に、熱可塑性材料を除々に溶融させるために、赤外線ヒータ30をシート14の上方で往復させることができる(図10)。シート14が、下にあるアスファルト表面12と接着するのに十分な高さの温度まで除々に加熱された後、結合還元剤がシート14の露出面18に施与される(図11)。たとえば、結合還元剤は、砂などの粒子結合破砕物40、または水冷却剤などの液体噴霧42でよく、層18に施与される。結合還元剤の目的は、層14と模様形成デバイスの間の接着を最小限に抑えることである。
【0025】
図12に示すように、模様形成デバイスは、除去可能な型板20を備えることができる。図示された実施形態では、型板20は、シート14および下にあるアスファルト表面12の両方に模様22を同時に型押しするために使用される。上記で示した結合還元剤は、型板20とシート14の露出面18の間の接着を最小限に抑えるが、シート14の表面16とアスファルト表面12の間の接着には影響を及ぼさない。それによって、薄い熱可塑性コーティング10をその上に有する、模様付けされたアスファルト表面12が得られる(図12)。
【0026】
図13〜16は、本発明の別の実施形態を示している。この実施形態では、模様22が、型板20を用いてアスファルト表面12に形成され、次いで、シート(複数可)14が、刻印された表面上に配置され、上記で説明したように原位置で加熱される。これによってシート(複数可)14が、溶融しかつ模様22に合致し、アスファルト表面12上にコーティング10を形成する(図13および14)。本発明の別の実施形態によれば、熱可塑性コーティング10は、次いで、部分的に冷却させられ、加熱後打刻工程にかけられる。非限定的な例では、コーティング10は、60℃(140°F)の温度まで冷却させることができるが、この温度は、熱可塑性物質のタイプおよび周囲条件に応じて変化し得る。加熱後打刻工程は、熱可塑性物質がまだ柔軟である間に部分的に冷却されたコーティング10上に別の型板50を置く工程を含むことができる(図15)。好ましくは、型板50は、型板20の模様に合致する模様を有するが、打刻工程中、疑似グラウト・ラインまたは他の模様から熱可塑性物質がずれるのを回避するために、型板20よりわずかに小さい直径を有するワイヤ要素を有する。たとえば、型板20は、直径9.5ミリメートル(約3/8インチ)のワイヤ要素を有することができ、型板50は、直径6.35ミリメートル(約1/4インチ)のワイヤ要素を有することができる。型板50は、コーティング10内に押し込まれたとき、熱可塑性物質を下にある模様22により精密に合致させ、その結果、より鮮明でより良好に画定された視覚的外観が得られる。これは、打刻工程の前の図14の疑似グラウト・ラインと、打刻工程後の図16の疑似グラウト・ラインを比較することによって明らかになる。図14のグラウト・ラインは、浅い曲線状のプロファイルを有するが、図16のグラウト・ラインは、より深く、より良好に画定された曲線状のプロファイルを有し、このプロファイルは、アスファルト表面12に形成された模様22の輪郭および深さとより綿密に合致している。したがって、図16のグラウト・ラインは、所望の視覚的効果をより良好に模倣する。
【0027】
本発明のこの実施形態では、熱可塑性物質は、所望の模様により綿密に合致させるために加熱後打刻工程にかけられるため、熱可塑性シート14は、本発明の他の実施形態よりも厚さにおいて幾分大きくなり得る。上記で示唆したように、シート14は、通常、0.75〜3.75ミリメートル(30〜150ミル)の厚さ、より具体的には1.25〜3.13ミリメートル(50〜125ミル)、または2.25〜3ミリメートル(90〜120ミル)の厚さの範囲内にある。本発明のこの実施形態では、シート14は、3.75〜6.25ミリメートル(150〜250ミル)の厚さの範囲内でよいが、より小さい厚さのシート14もまた使用されてよい。本発明の特定の実施形態では、4.38〜5.63ミリメートル(175〜225ミル)の範囲内の厚さを有するシートが使用されてよい。より厚いシート14は、耐久性がより大きく、砂、シリカ、またはガラス玉などの粒子状添加物に対する担体として作用する熱可塑性物質の量が増大するという利点を有する。本明細書において説明した本出願人の往復式加熱システムは、比較的厚い熱可塑性シートによって焦げまたは不完全な溶融を引き起こすことなく均一に加熱できるという利点を有する。
【0028】
上記で説明した本発明の他の実施形態の1つの場合と同様に、結合還元剤40は、熱可塑性物質と型板50の間の接着を最小限に抑えるために、コーティング10の露出された上面が打刻される前にこの上面に施与され得る。たとえば、砂または他の骨材などの粒子結合破砕物を、型板50がコーティング10内に押し込まれる前にコーティング10上に投入することができる。これによって、押し込み工程後の型板50の除去が容易に進められる。粒子結合破砕物40は、熱可塑性物質内に浸透していき、その結果、耐久性の強化および滑り抵抗性の表面がもたらされる。図14および16に示すように、熱可塑性シート14は、上記で説明されたように従来のシートよりも厚いため、耐久性能を最適にするために、より大きく、より角度のある粒子を使用することができる。たとえば、3ミリメートル(120ミル)を超える骨材サイズを有する砂を使用することができる。
【0029】
上述の開示に照らして当業者に明白になるように、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明の実施において数多くの変更および改変が可能である。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義された実態によって解釈されるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1の模様を基材に形成する工程と、
(b)第1の予備形成された熱硬化性シートを上記基材上に配置する工程と、
(c)前記第1の模様に合致する形で前記シートが該基材に接着するのに十分な温度まで、原位置で前記シートを加熱する工程とを含む、コーティングを基材に施与する方法。
【請求項2】
前記シートは熱可塑性材料から形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基材はアスファルト表面である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱可塑性材料は、0.75〜3.75ミリメートル(30〜150ミル)の間の厚さで前記アスファルト表面にコーティングされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記シートは、前記アスファルト表面と接触する第1の表面と、前記アスファルト表面と接触しない第2の表面を含み、前記熱可塑性シートを原位置で加熱する前記工程は、前記シートの前記第1の表面が前記アスファルト表面に一様に結合することを可能にするために、前記シートの温度を除々に上昇させる工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記シートの上方に延在する支持枠を有する加熱装置を提供する工程をさらに含み、前記ヒータは、前記シートの上方を周期的に通過する進行経路で前記支持枠上を移動するように装着され、それによって前記シートの温度を除々に上昇させる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記シートが、65.6〜232.2℃(約150〜450°F)の間の温度まで加熱される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記シートが、148.9〜204.4℃(約300〜400°F)の間の温度まで加熱される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の模様を形成する前記工程は、
(a)前記表面が柔軟になるまで前記アスファルト表面を加熱する工程と、
(b)型板を前記アスファルト表面上に配置する工程と、
(c)前記型板を前記アスファルト表面に入れて前記第1の模様を形成するように刻印する工程と、
(d)前記型板を前記アスファルト表面から除去する工程とを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の模様を形成する前記工程は、
(a)前記アスファルト表面を柔軟なアスファルトから形成する工程と、
(b)型板を前記アスファルト表面上に配置する工程と、
(c)前記型板を前記アスファルト表面に入れて前記第1の模様を形成するように印刻する工程と、
(d)前記型板を前記アスファルト表面から除去する工程とを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記シートは、前記第1の模様に合致して同第1の模様と整列可能である第2の模様で形成される、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記シートが、複数の個別のセクションに再分割可能である、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
(a)少なくとも1つの別の予備形成された熱硬化性シートを提供する工程と、
(b)前記第1の予備形成されたシートおよび前記少なくとも1つの別の予備形成されたシートを前記アスファルト表面上に整列された形で配置する工程と、
(c)前記シートと前記アスファルト表面とを前記第1の模様に合致する形で結合させるために、前記シートを除々に加熱する工程とを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記シートは互いに隣接して重複しない関係で整列され、隣り合うシートの縁は連続的である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記シートは互いに隣接して重複する関係で整列される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の模様はグラウト・ラインを模倣する複数の型押し模様を含み、隣り合うシートの前記縁は前記疑似グラウト・ラインと整列される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記シートは、前記シートの1つが前記シートの別の1つを少なくとも部分的に取り囲むように整列される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記シートは連続的な上側表面を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項19】
前記シートは、同シートに形成された少なくとも1つの開口部を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項20】
(a)基材と接触する第1の表面と、前記基材と接触しない第2の表面とを有する、予備形成された熱硬化性シートを前記基材上に配置する工程と、
(b)前記シートの前記第1の表面が前記基材に接着するのに十分な温度まで、原位置で前記シートを加熱する工程と、
(c)前記シートおよび前記基材を第1の模様をその中に形成するように刻印する工程とを含む、熱硬化性コーティングを基材に施与する方法。
【請求項21】
前記刻印する工程は、
(a)型板を前記シートの前記第2の表面上に配置する工程と、
(b)前記シートおよび前記基材に前記第1の模様で型押し模様を形成するように、該型板を押し込む工程と、
(c)前記第1の模様を露出させるために前記型板を前記シートの前記第2の表面から除去する工程とを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記シートと前記型板との接着を実質的に防止するために、前記型板を前記シートの前記第2の表面上に配置する前に前記シートの前記第2の表面を冷却する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記シートと前記型板との接着を実質的に防止するために、前記シートの前記第2の表面および前記型板の少なくとも1つに結合還元剤を施与する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記シートは熱可塑性材料から形成される、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記基材はアスファルト表面である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記シートは、0.75〜3.75ミリメートル(約30〜150ミル)の間の厚さである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記シートは、1.25〜3.13ミリメートル(約50〜125ミル)の間の厚さである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記シートの上方を延在する支持枠を有する加熱装置を提供する工程をさらに含み、前記ヒータは、前記シートの上方を周期的に通過する進行経路で前記支持枠上を移動するように装着され、それによって前記シートの温度を除々に上昇させる、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記シートが、65.6〜232.2℃(約150〜450°F)の間の温度まで加熱される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記シートが、148.9〜204.4℃(約300〜400°F)の間の温度まで加熱される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
(a)第1の模様をアスファルト表面に形成する工程と、
(b)1.25〜3.13ミリメートル(50〜125ミル)の間の厚さを有する予備形成された熱可塑性シートを前記アスファルト表面上に配置する工程と、
(c)前記第1の模様に合致する形で前記シートが前記アスファルト表面に接着するのに十分な温度まで、原位置で該熱可塑性シートを加熱する工程とを含む、熱可塑性コーティングをアスファルト表面に施与する方法。
【請求項32】
(a)中に形成された第1の模様を有する既存の基材を提供する工程と、
(b)1.25〜3.13ミリメートル(50〜125ミル)の間の厚さを有する予備形成された熱可塑性シートを前記基材上に配置する工程と、
(c)前記第1の模様に合致する形で前記シートが前記基材に接着するのに十分な温度まで、原位置で該熱可塑性シートを加熱する工程とを含む、熱可塑性コーティングを基材に施与する方法。
【請求項33】
中に形成された第1の模様を有する前記既存の基材を提供する前記工程は、前記第1の模様に対応する前記基材に型板を押し込む工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記型板は、前記基材が加熱された状態にあるときに同記基材に押し込まれ、前記基材は、その後に冷却させられる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記コーティングは装飾用である、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
(a)第1の型板を用いて第1の模様を前記基材に形成する工程と、
(b)第1の予備形成された熱硬化性シートを前記基材上に配置する工程と、
(c)前記第1の模様に合致する形で前記シートが前記基材に接着するのに十分な温度まで、原位置で前記シートを加熱する工程と、
(d)熱可塑性物質をより精密に該第1の模様に合致させるために、第2の型板を用いて前記熱可塑性物質を打刻する工程とを含む、熱可塑性コーティングをアスファルト基材に施与する方法。
【請求項37】
前記第1の型板および前記第2の型板は、前記第1の模様を画定する複数の細長い要素から形成され、前記第2の型板内の前記細長い要素は、前記第1の型板内の該細長い要素よりもわずかに直径が小さい、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の型板内の前記細長い要素の直径は、約6.35ミリメートル(1/4インチ)であり、前記第1の型板内の前記細長い要素の直径は、約9.5ミリメートル(3/8インチ)である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記熱可塑性材料は、3.75〜6.25ミリメートル(150〜250ミル)の間の厚さで前記アスファルト表面上にコーティングされる、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記熱可塑性材料は、4.38〜5.63ミリメートル(175〜225ミル)の間の厚さで前記アスファルト表面上にコーティングされる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記打刻する工程の前に粒子結合破砕物を前記熱可塑性物質に施与する工程をさらに含み、前記打刻する工程は、前記結合破砕物を前記熱可塑性物質内に浸透させる、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記粒子結合破砕物は砂である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
砂は3ミリメートル(120ミル)を超える骨材サイズを有する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記加熱する工程の後、且つ前記第2の型板を用いて前記熱可塑性物質を前記打刻する工程の前に、前記熱可塑性物質を部分的に冷却させる工程を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項1】
(a)第1の模様を基材に形成する工程と、
(b)第1の予備形成された熱硬化性シートを上記基材上に配置する工程と、
(c)前記第1の模様に合致する形で前記シートが該基材に接着するのに十分な温度まで、原位置で前記シートを加熱する工程とを含む、コーティングを基材に施与する方法。
【請求項2】
前記シートは熱可塑性材料から形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基材はアスファルト表面である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱可塑性材料は、0.75〜3.75ミリメートル(30〜150ミル)の間の厚さで前記アスファルト表面にコーティングされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記シートは、前記アスファルト表面と接触する第1の表面と、前記アスファルト表面と接触しない第2の表面を含み、前記熱可塑性シートを原位置で加熱する前記工程は、前記シートの前記第1の表面が前記アスファルト表面に一様に結合することを可能にするために、前記シートの温度を除々に上昇させる工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記シートの上方に延在する支持枠を有する加熱装置を提供する工程をさらに含み、前記ヒータは、前記シートの上方を周期的に通過する進行経路で前記支持枠上を移動するように装着され、それによって前記シートの温度を除々に上昇させる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記シートが、65.6〜232.2℃(約150〜450°F)の間の温度まで加熱される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記シートが、148.9〜204.4℃(約300〜400°F)の間の温度まで加熱される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の模様を形成する前記工程は、
(a)前記表面が柔軟になるまで前記アスファルト表面を加熱する工程と、
(b)型板を前記アスファルト表面上に配置する工程と、
(c)前記型板を前記アスファルト表面に入れて前記第1の模様を形成するように刻印する工程と、
(d)前記型板を前記アスファルト表面から除去する工程とを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の模様を形成する前記工程は、
(a)前記アスファルト表面を柔軟なアスファルトから形成する工程と、
(b)型板を前記アスファルト表面上に配置する工程と、
(c)前記型板を前記アスファルト表面に入れて前記第1の模様を形成するように印刻する工程と、
(d)前記型板を前記アスファルト表面から除去する工程とを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記シートは、前記第1の模様に合致して同第1の模様と整列可能である第2の模様で形成される、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記シートが、複数の個別のセクションに再分割可能である、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
(a)少なくとも1つの別の予備形成された熱硬化性シートを提供する工程と、
(b)前記第1の予備形成されたシートおよび前記少なくとも1つの別の予備形成されたシートを前記アスファルト表面上に整列された形で配置する工程と、
(c)前記シートと前記アスファルト表面とを前記第1の模様に合致する形で結合させるために、前記シートを除々に加熱する工程とを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記シートは互いに隣接して重複しない関係で整列され、隣り合うシートの縁は連続的である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記シートは互いに隣接して重複する関係で整列される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の模様はグラウト・ラインを模倣する複数の型押し模様を含み、隣り合うシートの前記縁は前記疑似グラウト・ラインと整列される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記シートは、前記シートの1つが前記シートの別の1つを少なくとも部分的に取り囲むように整列される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記シートは連続的な上側表面を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項19】
前記シートは、同シートに形成された少なくとも1つの開口部を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項20】
(a)基材と接触する第1の表面と、前記基材と接触しない第2の表面とを有する、予備形成された熱硬化性シートを前記基材上に配置する工程と、
(b)前記シートの前記第1の表面が前記基材に接着するのに十分な温度まで、原位置で前記シートを加熱する工程と、
(c)前記シートおよび前記基材を第1の模様をその中に形成するように刻印する工程とを含む、熱硬化性コーティングを基材に施与する方法。
【請求項21】
前記刻印する工程は、
(a)型板を前記シートの前記第2の表面上に配置する工程と、
(b)前記シートおよび前記基材に前記第1の模様で型押し模様を形成するように、該型板を押し込む工程と、
(c)前記第1の模様を露出させるために前記型板を前記シートの前記第2の表面から除去する工程とを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記シートと前記型板との接着を実質的に防止するために、前記型板を前記シートの前記第2の表面上に配置する前に前記シートの前記第2の表面を冷却する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記シートと前記型板との接着を実質的に防止するために、前記シートの前記第2の表面および前記型板の少なくとも1つに結合還元剤を施与する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記シートは熱可塑性材料から形成される、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記基材はアスファルト表面である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記シートは、0.75〜3.75ミリメートル(約30〜150ミル)の間の厚さである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記シートは、1.25〜3.13ミリメートル(約50〜125ミル)の間の厚さである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記シートの上方を延在する支持枠を有する加熱装置を提供する工程をさらに含み、前記ヒータは、前記シートの上方を周期的に通過する進行経路で前記支持枠上を移動するように装着され、それによって前記シートの温度を除々に上昇させる、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記シートが、65.6〜232.2℃(約150〜450°F)の間の温度まで加熱される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記シートが、148.9〜204.4℃(約300〜400°F)の間の温度まで加熱される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
(a)第1の模様をアスファルト表面に形成する工程と、
(b)1.25〜3.13ミリメートル(50〜125ミル)の間の厚さを有する予備形成された熱可塑性シートを前記アスファルト表面上に配置する工程と、
(c)前記第1の模様に合致する形で前記シートが前記アスファルト表面に接着するのに十分な温度まで、原位置で該熱可塑性シートを加熱する工程とを含む、熱可塑性コーティングをアスファルト表面に施与する方法。
【請求項32】
(a)中に形成された第1の模様を有する既存の基材を提供する工程と、
(b)1.25〜3.13ミリメートル(50〜125ミル)の間の厚さを有する予備形成された熱可塑性シートを前記基材上に配置する工程と、
(c)前記第1の模様に合致する形で前記シートが前記基材に接着するのに十分な温度まで、原位置で該熱可塑性シートを加熱する工程とを含む、熱可塑性コーティングを基材に施与する方法。
【請求項33】
中に形成された第1の模様を有する前記既存の基材を提供する前記工程は、前記第1の模様に対応する前記基材に型板を押し込む工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記型板は、前記基材が加熱された状態にあるときに同記基材に押し込まれ、前記基材は、その後に冷却させられる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記コーティングは装飾用である、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
(a)第1の型板を用いて第1の模様を前記基材に形成する工程と、
(b)第1の予備形成された熱硬化性シートを前記基材上に配置する工程と、
(c)前記第1の模様に合致する形で前記シートが前記基材に接着するのに十分な温度まで、原位置で前記シートを加熱する工程と、
(d)熱可塑性物質をより精密に該第1の模様に合致させるために、第2の型板を用いて前記熱可塑性物質を打刻する工程とを含む、熱可塑性コーティングをアスファルト基材に施与する方法。
【請求項37】
前記第1の型板および前記第2の型板は、前記第1の模様を画定する複数の細長い要素から形成され、前記第2の型板内の前記細長い要素は、前記第1の型板内の該細長い要素よりもわずかに直径が小さい、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の型板内の前記細長い要素の直径は、約6.35ミリメートル(1/4インチ)であり、前記第1の型板内の前記細長い要素の直径は、約9.5ミリメートル(3/8インチ)である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記熱可塑性材料は、3.75〜6.25ミリメートル(150〜250ミル)の間の厚さで前記アスファルト表面上にコーティングされる、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記熱可塑性材料は、4.38〜5.63ミリメートル(175〜225ミル)の間の厚さで前記アスファルト表面上にコーティングされる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記打刻する工程の前に粒子結合破砕物を前記熱可塑性物質に施与する工程をさらに含み、前記打刻する工程は、前記結合破砕物を前記熱可塑性物質内に浸透させる、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記粒子結合破砕物は砂である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
砂は3ミリメートル(120ミル)を超える骨材サイズを有する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記加熱する工程の後、且つ前記第2の型板を用いて前記熱可塑性物質を前記打刻する工程の前に、前記熱可塑性物質を部分的に冷却させる工程を含む、請求項36に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2011−501006(P2011−501006A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530231(P2010−530231)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001867
【国際公開番号】WO2009/052619
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(504138447)インテグレイテッド ペイビング コンセプツ インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001867
【国際公開番号】WO2009/052619
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(504138447)インテグレイテッド ペイビング コンセプツ インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】
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