説明

熱電併給装置の情報表示装置および熱電併給装置の情報表示方法

【課題】小さな表示装置でユーザーが欲しい情報だけを的確に表示すること。
【解決手段】熱電併給装置が生成するデータに対して、その種類、属性、時間などを示す複数のタイプのメタ情報を付加するメタ情報負荷装置と、前記データと前記メタ情報を関連付けて保存する記憶装置と、ユーザーが操作するキーの入力に対応する複数の検索キーを抽出する検索キー抽出装置と、前記複数の検索キーを使って、前記保存装置に保存されているデータを検索する検索装置と、前記検索装置によって検索されたデータを表示する表示装置とを備え、ユーザーの発電キー操作に対応して発電に関するデータを表示している時に給湯キーが押された場合、第1の検索キーだけを発電→給湯に変更し、属性、時間に関する検索キーを継承したままデータを再検索することによって、同じ時間軸の同じ属性(生成、買入れ)の給湯データをワンアクションで表示することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭で不可欠なエネルギーである電力と熱を供給する熱電併給装置において、その現在値、過去の履歴等を表示する情報表示装置および情報表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の熱電併給装置の情報表示装置としては、情報表示装置の画面において直線状に並んだ表示体を使って、発電量と買電量に比例して発光する表示体の数を変え、発電量、買電量を直感的に分かりやすく表示するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、前記特許文献1に記載された従来の情報表示装置を示すブロック図である。図7において、発電設備は電力と熱を生成するコジェネレーション装置であり、発電量と共に商用電力の買電量も計測して出力できる。リモコン702は発電、買電などの電力量の表示装置であり、ディスプレイ706は直線状に並んだ発光体を含む構成である。調節司令部703はリモコン702において、発電量、買電量を前記のディスプレイ706の発光体を使って表示する際にそのスケールを制御する役割を果たす。表示スケール演算部704は前記調節司令部703のリクエストに基づき、発光する発光体の数を調整する。表示スケール切り替え部705はその調整に基づいて、発光する発光体の数を決定して、ディスプレイ706に指令する。この結果、発電量、買電量が増大しても、表示する発光体の数を調整して、限定された数の発光体で発電量、買電量の多い、少ないが一目で分るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−153571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成は、発電量、買電量を一目で分りやすく表示することにフォーカスしたものであり、熱電併給装置の様に発電量、買電量に加えて、熱の供給量、消費量、原料の消費量などを表示するためにはそれぞれに対応する発光体を配置するスペースを確保する必要がある。結果、ディスプレイは大型のものを用意する必要があるので、情報表示装置が大きくなってしまうこと、また、大型のディスプレイを使用することはコストが上がってしまうという点で課題が残る。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、熱電併給装置の情報表示装置において、多種多様なデータを小さな面積のディスプレイに表示するための装置、方法を提供する情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の熱電併給装置の情報表示装置は、ユーザーが操作可能なキーと、熱電併給装置に関する情報を表示する表示装置を備えた熱電併給装置の情報表示装置であって、前記熱電併給装置が生成するデータに対して、データの種類、属性、時間、特性などを示すメタ情報を付加するメタ情報付加装置と、前記データと前記メタ情報を関連付けて保存する記憶装置と、ユーザーが操作するキーの入力に対応して、前記データを検索するための一つ以上の検索キーを抽出する検索キー抽出装置と、前記検索キー抽出装置が抽出した検索キーを使って前記保存装置に保存されているデータを検
索する検索装置と、前記検索装置によって検索されたデータを表示する表示装置とを備えるものである。
【0008】
これによって、ユーザーの意図を先読みすることによって熱電併給装置の多種多様な情報をソートして、ユーザーが見たいと思われる情報を優先的に表示することによって、大きい画面の表示装置を用意しなくとも、分かりやすい表示を実現することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の熱電併給装置の情報表示装置によれば、ユーザーの意図を先読みすることによって熱電併給装置の多種多様な情報をソートして、ユーザーが見たいと思われる情報を優先的に表示することによって、大きい画面の表示装置を用意しなくとも、分かりやすい表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における熱電併給装置の情報表示装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における熱電併給装置の情報表示装置の動作を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1における熱電併給装置の情報表示装置の一例を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態1における熱電併給装置の情報表示装置におけるメタ情報の一例を示す模式図
【図5】本発明の実施の形態1における熱電併給装置の情報表示装置における動作を説明するための動作説明図
【図6】本発明の実施の形態1における熱電併給装置の情報表示装置における動作を説明するための動作説明図
【図7】従来の熱電併給装置の情報表示装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、ユーザーが操作可能なキーと、熱電併給装置に関する情報を表示する表示装置を備えた熱電併給装置の情報表示装置であって、前記熱電併給装置が生成するデータに対して、データの種類、属性、時間、特性などを示すメタ情報を付加するメタ情報付加装置と、前記データと前記メタ情報を関連付けて保存する記憶装置と、ユーザーが操作するキーの入力に対応して、前記データを検索するための一つ以上の検索キーを抽出する検索キー抽出装置と、前記検索キー抽出装置が抽出した検索キーを使って前記保存装置に保存されているデータを検索する検索装置と、前記検索装置によって検索されたデータを表示する表示装置とを備えたものである。
【0012】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記検索キー抽出装置は、前記表示装置においてデータが表示されているときに、あるキーが押された場合にそのキーに対応する検索キーを抽出し、前記検索装置は前記データを検索する時、前記検索キー抽出装置が抽出した検索キーの一部、もしくはすべてを置き換えて、再度前記保存装置に保存されているデータを検索、前記表示装置に表示するものである。
【0013】
第3の発明は、特に、第1の発明において、前記検索キー抽出装置が抽出する検索キーは優先順位が付加されているものである。
【0014】
第4の発明は、特に、第1の発明において、前記表示装置は表示デバイスが表示能力に応じて、前記検索装置が検索したデータを上位から降順に表示するものである。
【0015】
第5の発明は、特に、第1の発明において、前記表示装置は前記検索装置が検索したデ
ータに対して、前記検索キー抽出装置が抽出したメタ情報と完全一致するデータだけを表示するものである。
【0016】
第6の発明は、熱電併給装置によって生成されるデータについて、その種類、属性、時間などのメタ情報を付加するステップと、前記データと前記メタ情報を関連付けて保存するステップと、前記ユーザーのキー入力に対応して、前記データを検索するための検索キーを抽出するステップと、前記検索キーを使ってデータを検索するステップと、前記検索されたデータを表示するステップから成るものである。
【0017】
第7の発明は、特に、第6の発明において、検索ステップは、優先順位の付けられた複数の検索キーで検索し、前記検索キー抽出ステップで検索キーが抽出された場合は、その検索キーだけを変更して、その他の検索キーは前回から継承してデータを検索するステップを有するものである。
【0018】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱電併給装置の情報表示装置のブロック図である。図1において、メタ情報付加装置101は、入力されたデータからメタ情報を付加する。図4はメタ情報の一例を示す模式図であり、期間、種別、属性の3種がある。期間は今日、昨日、今週、先週、今年などの時間スパンを示す情報である。種別は電力、ガス、熱量、水量などのエネルギーのタイプを示す情報、属性は、電力では発電、買電、消費量、熱量では貯湯槽から供給された熱量(回収熱量)なのか、バックアップ熱源器が燃焼して供給した熱量(燃焼熱量)、消費した熱量なのかを示す情報である。
【0020】
記憶装置102は、入力されたデータとメタ情報付加装置101で付加したメタ情報を関連つけて保存する。検索キー抽出装置103は、ユーザーがインターフェースにおいて押下したキーに対応して、検索用のキーを抽出する。また、検索装置104は、検索キー抽出装置103で抽出されたキーを使って記憶装置102に記憶されたデータを使ってデータのメタ情報を検索する。表示装置105は最後に検索されたデータを表示デバイス上に表示する。
【0021】
図2は本発明の実施の形態1における熱電併給装置の情報表示装置の動作を示すフローチャートである。
【0022】
以下、図1、図2を用いて、本発明による熱電併給装置の情報表示装置の動作について、その詳細を説明する。
【0023】
まず、データを取得するとメタ情報を抽出する(ステップ201)。メタ情報はデータの入力と共に決定しているものもあるし、あるいはメタ情報付加装置101において、算出するデータもある。例えば、発電電力が毎秒入力される時、これを24時間累積した場合、1日の発電電力量となるので、そのデータには種別=電力、属性=生成量、時間=今日というメタ情報が付加される。
【0024】
メタ情報とデータは関連付けて記憶装置102に保存する(ステップ202)。検索キー抽出装置103は情報表示装置におけるユーザーのキー操作に対応して、検索用の第1のキーから第2、第3のキーを抽出する(ステップ203)。図3は本実施例の実施の形態1における情報表示装置のトップビューを示す模式図である。ここでは表示装置105と発電、給湯、エネルックの3つのボタンスイッチを備えている。ユーザーは発電関係の
設定を変えたり、情報を見たい場合には「発電」スイッチを、給湯関係の設定を変えたり、情報を見たい場合には「給湯」スイッチを押して、操作する。また、家庭内でのエネルギーの消費量を見たい場合は「エネルック」スイッチを押す。
【0025】
ユーザーが発電スイッチを押したとき、検索キー抽出スイッチ103は、第1の検索キーとして種別の「電力」、第2の検索キーとして「属性」の生成もしくは買入れ、第3の検索キーとして、「時間」の今日を抽出する。ユーザーが給電スイッチを押した場合は、検索キー抽出装置103は、第1の検索キーとして種別の「熱量」、第2の検索キーとして属性の生成量もしくは買入れ量、第3の検索キーとして時間の今日を抽出する。また、エネルックスイッチが押された場合は、第1の検索キーは属性の消費量、第2の検索キーは属性の電力もしくはガス、もしくは水、第3の検索キーは時間の今日を抽出する。
【0026】
なお、時間については「今日」を最優先として抽出しているが、これは予め定義したものであって、「今月」であっても「今年」であってもかまわない。
【0027】
検索装置104はステップ203で抽出された第1から第3の検索キーによってデータを検索する(ステップ204)。最後に表示装置105は検索されたデータを表示する(ステップ205)。
【0028】
かかる構成によれば、ユーザーが選択したスイッチに応じてユーザーの意図を推測して、検索するキーを抽出してデータを検索する。したがって、多種多様なデータがある熱電併給装置において、ユーザーにとってその時に必要とされているデータが限定的優先的に表示されるので、本実施例の表示装置は大きな表示デバイスをもたない熱電併給装置において有効な装置であるといえる。
【0029】
図5は第3の検索キーを変更する場合を説明する動作説明図である。ここでは上下キーを時間の検索キー変更にマップしている。
【0030】
発電スイッチを押して、今日の発電電力量、買入れ電力量が表示されている時に、上下キーが押された場合、検索キー抽出装置103は第3検索キーを今日から昨日へ変え、データを再度検索する。すると、表示されるデータは昨日の発電電力量、買入れ電力量となる。
【0031】
さらに、図6ではこの状態で給湯スイッチが押された場合、第2の検索キー(属性=生成量、買入れ量)、第3の検索キー(時間=昨日)を継承したまま、第1の検索キーの種別を電力から熱量に置き換える。そして、検索装置104はデータの検索を行うので、表示装置105では、昨日の回収熱量と燃焼熱量を表示することができる。
【0032】
つまり、発電スイッチが押されてユーザーの関心は電力にある場合には、それを先読みして電力関係のデータを優先して表示している。その時に給湯スイッチが押された場合には、ユーザーの関心が給湯、即ち熱量に推移したものとして、第1の検索キーの属性を電力から熱量に変更する。しかしながら、第2、第3の検索キーは変えないことがポイントで、ユーザーが昨日の発電量、買電量を見ているときに、その視点(種別だけ)を電力から熱量に変え、昨日の生成量、買入れ量を見たいという関心ポイントを変更しない。これによって、ユーザーはデータの繋がりを保持したままデータの表示を変更することができるわけである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように、本発明にかかる熱電併給装置の情報表示装置は、ユーザーの意図を先読みして情報をソートする手段を有し、ユーザーが見たいであろう情報を優先的に表示する
ことによって、多種多様なデータを表示する必要のある燃料電池をコアとする熱電併給装置だけでなく、同様のガスエンジンをコアとする熱電併給装置を始めとして、多岐に渡るデータを表示することが必要なコジェネ装置全般の表示装置としても適用可能である
【符号の説明】
【0034】
101 メタ情報付加装置
102 記憶装置
103 検索キー抽出装置
104 検索装置
105 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが操作可能なキーと、熱電併給装置に関する情報を表示する表示装置を備えた熱電併給装置の情報表示装置であって、前記熱電併給装置が生成するデータに対して、データの種類、属性、時間、特性などを示すメタ情報を付加するメタ情報付加装置と、前記データと前記メタ情報を関連付けて保存する記憶装置と、ユーザーが操作するキーの入力に対応して、前記データを検索するための一つ以上の検索キーを抽出する検索キー抽出装置と、前記検索キー抽出装置が抽出した検索キーを使って前記保存装置に保存されているデータを検索する検索装置と、前記検索装置によって検索されたデータを表示する表示装置とを備えることを特徴とする熱電併給装置の情報表示装置。
【請求項2】
前記検索キー抽出装置は、前記表示装置においてデータが表示されているときに、あるキーが押された場合にそのキーに対応する検索キーを抽出し、前記検索装置は前記データを検索する時、前記検索キー抽出装置が抽出した検索キーの一部、もしくはすべてを置き換えて、再度前記保存装置に保存されているデータを検索、前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の熱電併給装置の情報表示装置。
【請求項3】
前記検索キー抽出装置が抽出する検索キーは優先順位が付加されていること特徴とする請求項1に記載の熱電併給装置の情報表示装置。
【請求項4】
前記表示装置は表示デバイスが表示能力に応じて、前記検索装置が検索したデータを上位から降順に表示することを特徴とする請求項1に記載の熱電併給装置の情報表示装置。
【請求項5】
前記表示装置は前記検索装置が検索したデータに対して、前記検索キー抽出装置が抽出したメタ情報と完全一致するデータだけを表示することを特徴とする請求項1に記載の熱電併給装置の情報表示装置。
【請求項6】
熱電併給装置によって生成されるデータについて、その種類、属性、時間などのメタ情報を付加するステップと、前記データと前記メタ情報を関連付けて保存するステップと、前記ユーザーのキー入力に対応して、前記データを検索するための検索キーを抽出するステップと、前記検索キーを使ってデータを検索するステップと、前記検索されたデータを表示するステップから成ることを特徴とする熱電併給装置の情報表示方法。
【請求項7】
検索ステップは、優先順位の付けられた複数の検索キーで検索し、前記検索キー抽出ステップで検索キーが抽出された場合は、その検索キーだけを変更して、その他の検索キーは前回から継承してデータを検索するステップを有することを特徴とする請求項6に記載の熱電併給装置の情報表示方法。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−287080(P2010−287080A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140780(P2009−140780)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】